説明

データ圧縮方法、及びデータ圧縮装置

【課題】
伸長後の画像の品質劣化を抑制しつつ、かつ少ないデータ量の圧縮データを生成することができるデータ圧縮方法、及びデータ圧縮装置を提供する。
【解決手段】
第1圧縮部は、第1圧縮パラメータに基づいて、第1測定データを圧縮して第1圧縮データを生成する。第2圧縮部は、第1圧縮パラメータとは異なる第2圧縮パラメータに基づいて、第2測定データを圧縮して第2圧縮データを生成する。統合部は、第1圧縮データと第2圧縮データとを統合し、データストリームを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ圧縮方法、及びデータ圧縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野等において、超音波診断装置により測定されたデータを画像に可視化する際に、当該データを圧縮するデータ圧縮方法がある。超音波診断装置とは、対象物(例えば、人体や動物)に対して超音波を照射し、その反射波を検出することにより、対象物の内部の状態(例えば、内部の流体(血液等)の流れ)を測定するものである。
【0003】
可視化の手法としては、例えば、輝度を可視化するBモード、動きを可視化するMモード、血流の速度(流速、方向)と分散とパワー情報(超音波の反射強度)とを可視化するカラードップラー法(CDI)、ドップラーシフトした信号の反射強度を可視化するパワードップラー法(PDI)等がある。
【0004】
CDIでは、Bモードの情報に加えて、血流情報(速度、分散)やパワー情報を含むドップラーデータを重ね、画像に可視化する。
【0005】
従来のデータ圧縮方法では、Bモードデータにのみ対数圧縮を適用し、カラードップラーデータは非圧縮としていた。しかしながら、超音波診断装置の高精度化等に伴い、データ量が増大しているため、さらなるデータ量の圧縮が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009−516546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明が解決しようとする課題は、伸長後の画像の品質劣化を抑制しつつ、かつ少ないデータ量の圧縮データを生成することができるデータ圧縮方法、及びデータ圧縮装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のデータ圧縮装置は、超音波測定により得られる、複数種類の測定データを含むドップラーデータを圧縮するデータ圧縮装置であって、第1圧縮部と、第2圧縮部と、統合部とを備える。
【0009】
第1圧縮部は、第1圧縮パラメータに基づいて、第1測定データを圧縮して第1圧縮データを生成する。第2圧縮部は、前記第1圧縮パラメータとは異なる第2圧縮パラメータに基づいて、第2測定データを圧縮して第2圧縮データを生成する。統合部は、前記第1圧縮データと前記第2圧縮データとを統合し、データストリームを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るデータ圧縮装置1を表すブロック図。
【図2】データ圧縮装置1の処理を表すフローチャート。
【図3】データ圧縮装置1の一部を表すブロック図。
【図4】第1圧縮部13の処理の一例を表すフローチャート。
【図5】データ圧縮装置1の一部を表すブロック図。
【図6】第1圧縮部13の処理の一例を表すフローチャート。
【図7】量子化テーブルの一例図。
【図8】データ圧縮装置1の一部を表すブロック図。
【図9】第1圧縮部13の処理の一例を表すフローチャート。
【図10】量子化テーブルの一例図。
【図11】変換部121を表すブロック図。
【図12】伸長側の復号化装置における逆ウェーブレット変換部を表すブロック図。
【図13】LPF及びHPFのウェーブレット変換係数の一例図。
【図14】データストリームを表す一例図。
【図15】第1の実施形態の変形例に係るデータ圧縮装置2を表すブロック図。
【図16】第2の実施形態に係るデータ圧縮装置の処理を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るデータ圧縮装置1は、医療分野における超音波診断装置(不図示)等に用いることができる。データ圧縮装置1は、超音波診断装置(不図示)がカラードップラー法(CDI)により生成したカラードップラーデータを圧縮するものである。
【0012】
カラードップラーデータは、血流情報及びパワー情報を含むデータである。血流情報とは、流体(血流)の速度(平均流速と方向)及び分散(乱れ具合)を含むデータである。すなわち、血流情報とは、血液の空間的な動きを表す。超音波診断装置(不図示)がプローブを用いて対象物を検査する場合、血流の方向とは、当該プローブに近づく、又は遠ざかるといった方向をいう。パワー情報は、超音波の反射強度を含むデータである。
【0013】
なお、本実施形態では、流体を血液であるとして説明するが、その他の流体(人の体や、動物の体であれば、リンパ液等の体液)であってもよい。
【0014】
このようなカラードップラーデータを同じように圧縮すると、データの種類によっては画質の劣化が著しいため、医師等による診断結果に直接影響する。
【0015】
このため、データ圧縮装置1は、データの種類に応じて異なる圧縮を行う。具体的には、圧縮データが伸長された際、血流情報の品質が、パワー情報の品質よりも高くなるように、カラードップラーデータを圧縮する。
【0016】
≪血流情報とパワー情報≫
CDIを用いた診断においては、血液の逆流によるモザイクパターン等、JPEGやMPEGによる圧縮では劣化しやすい情報が診断において重要となる場合がある。また、血流情報に対する歪みは、伸長後の画像において色化けを起こしやすい。ここでいう色化けとは、伸長後の画像において本来表示されるべき色とは異なった色が表示されることである。
【0017】
これは、PDIによりユーザ(医者等)に提示される画像での品質劣化よりも、CDIによりユーザに提示される画像での品質劣化のほうが、診断結果の画像に影響しやすいことを意味する。
【0018】
よって、血流情報の劣化はパワー情報の劣化よりも、伸長画像の品質に対する影響が大きい。
【0019】
本実施形態では、血流情報の圧縮パラメータ(第1圧縮パラメータ)とパワー情報の圧縮パラメータ(第2圧縮パラメータ)とで異なるパラメータを用いる。それにより、伸長画像の品質劣化を抑制しつつ圧縮効率を向上させることができる。圧縮パラメータとは、圧縮データの品質と圧縮率とを制御するパラメータであり、表現ビット数や解像度等を制御する。
【0020】
本実施形態における圧縮データの品質とは、例えば、当該圧縮データを伸長し、レンダリングして得られた画像に対する主観画質の高さを表すものであってよい。この場合、予め様々な値の圧縮パラメータに対する当該主観画質(例えば、MOS:Mean Opinion Score)を主観評価実験により数値化し、各圧縮パラメータと品質の高低とを対応付けておけばよい。
【0021】
また、品質とは、圧縮により生じる圧縮前のデータに対する、圧縮データの誤差であってよい。この場合、圧縮データの品質を高くする圧縮パラメータとは、当該誤差の許容量を小さくするパラメータであり、圧縮データの品質を低くする圧縮パラメータとは、当該誤差の許容量を大きくするパラメータである。言い換えれば、圧縮パラメータとは、圧縮により生じる圧縮前のデータに対する誤差の許容量を制御するものである。詳細は後述する。
【0022】
≪データ圧縮装置1の構成≫
図1は、データ圧縮装置1を表すブロック図である。データ圧縮装置1は、取得部11と、分離部12と、第1圧縮部13と、第2圧縮部14と、統合部15と、出力部16とを備える。
【0023】
取得部11は、図示しないプローブもしくはデータメモリから、カラードップラーデータを取得する。なお、取得部11は、ネットワークを介して、カラードップラーデータを取得しても構わない。分離部12は、カラードップラーデータから、流体情報(血流情報)及びパワー情報を抽出して分離する。
【0024】
第1圧縮部13は、第1圧縮パラメータに基づいて、血流情報を圧縮する。第2圧縮部14は、第2圧縮パラメータに基づいて、パワー情報を圧縮する。ここで、第1圧縮パラメータ及び第2圧縮パラメータは、血流情報の圧縮データの伸長時の品質が、パワー情報の圧縮データの伸長時の品質よりも高くなるよう、各々設定される。
【0025】
統合部15は、血流情報の圧縮データと、パワー情報の圧縮データとを統合し、データストリームを生成する。
【0026】
出力部16は、生成されたデータストリームを出力する。データストリームの出力先は、超音波診断装置が用いる表示装置(不図示)や、記憶装置(不図示)であってよい。なお、出力部16は、ネットワークを介して、例えば、表示装置(不図示)や記憶装置(不図示)等にデータストリームを出力しても構わない。
【0027】
取得部11と、分離部12と、第1圧縮部13と、第2圧縮部14と、統合部15と、出力部16とは、中央演算処理装置(CPU)、及びCPUが用いるメモリにより実現されてよい。
【0028】
≪データ圧縮装置1の処理≫
図2は、データ圧縮装置1の処理を表すフローチャートである。
【0029】
取得部11は、カラードップラーデータを取得する(S101)。分離部12は、カラードップラーデータを、血流情報及びパワー情報に分離する(S102)。例えば、入力されたカラードップラーデータが、第1の血流情報と、第2の血流情報と、パワー情報と、の3つのデータがこの順で繰り返し並んだデータ(いわゆるパック形式の画像データと同様のデータ)であるとする。<順番はこの限りではない旨追記したほうがいいかも>この場合、分離部12は、入力されたカラードップラーデータから、第1の血流情報のデータ、第2の血流情報のデータ、パワー情報のデータ(いわゆるプレーン形式の画像データと同様のデータ)を各々抽出する。
【0030】
第1圧縮部13は、第1圧縮パラメータに基づいて、血流情報を圧縮する(S103)。第2圧縮部14は、第2圧縮パラメータに基づいて、パワー情報を圧縮する(S104)。
【0031】
ステップS103及びステップS104の処理の順序は、逆であっても、同時(並列処理)であっても構わない。
【0032】
統合部15は、血流情報の圧縮データと、パワー情報の圧縮データとを統合し、データストリームを生成する(S105)。出力部16は、生成されたデータストリームを出力する(S106)。
【0033】
伸長後の画像の品質の制御は、圧縮を行う方法によって変化するが、例えば、品質係数(Q値)を圧縮方法の入力として用意しておき、Q値が小さいほど取得したカラードップラーデータとの誤差が小さい低圧縮率、Q値が大きいほど取得したカラードップラーデータとの誤差が大きい高圧縮率となるようにしてよい。第1圧縮パラメータ及び第2圧縮パラメータは、このようなQ値により設定されてよい。
【0034】
例えば、内部的に量子化を利用する圧縮方法であれば、Q値が大きいほど量子化ステップを大きく、Q値が小さいほど量子化ステップを小さくすることで行える。このような制御方法は、例えば、動画像圧縮の国際規格H.264/AVC等で利用されている。なお、Q値を大きくすることは、取得したカラードップラーデータとの誤差を大きくしたり、圧縮率が上がることを保証するものでなくても構わない。
【0035】
≪圧縮パラメータ≫
圧縮パラメータについて、以下に例を述べて説明する。ただし、本実施形態で用いる圧縮パラメータはこれらに限られない。本実施形態では、以下に例示する圧縮パラメータのうち、少なくとも一つを用いて、カラードップラーデータを圧縮してよい。
【0036】
なお、本実施形態では、血流情報やパワー情報といった、測定データの種類を「要素」と呼ぶこととする。また、各要素の値を「要素値」と呼ぶこととする。
【0037】
(1)圧縮パラメータ:表現ビット数
圧縮パラメータの設定方法の一例として、血流情報の要素値に比べ、パワー情報の要素値の表現ビット数を小さくする方法がある。
【0038】
例えば、血流情報の要素値を10ビットに圧縮し、パワー情報の要素値を8ビットに圧縮する。圧縮データの復号化は、要素値を元の表現ビット数に戻す(例えば、ビットシフトを適用する)ことで実現できる。この場合、第1圧縮パラメータは、血流情報の表現ビット数を定めるパラメータであり、第2圧縮パラメータは、パワー情報の表現ビット数を定めるパラメータである。
【0039】
すなわち、第1圧縮パラメータと第2圧縮パラメータとは、上記の関係を成立させるように設定される。
【0040】
(2)圧縮パラメータ:解像度
圧縮パラメータの設定方法の一例として、血流情報の要素値に比べ、パワー情報の要素値の解像度を落とす方法がある。
【0041】
例えば、血流情報については元の要素値を保持し、パワー情報についてはダウンサンプリングした(例えば、いくつかのデータの平均値をとった)要素値を保持する。圧縮データの復号化は、ダウンサンプリングされたデータのアップサンプリング(例えば、ダウンサンプリングによって欠落した要素値の補間生成)により、実現できる。この場合、第1圧縮パラメータは、血流情報の解像度を定めるパラメータであり、第2圧縮パラメータは、パワー情報の解像度を定めるパラメータである。なお、解像度を定めるパラメータは、例えば、2次元データ(血流情報及びパワー情報)の各軸についてのサンプリングファクタ値(入力サンプル数を出力サンプル数で除した値)とすることができる。
【0042】
すなわち、第1圧縮パラメータと第2圧縮パラメータは、上記の関係を成立させるように設定される。
【0043】
(3)圧縮パラメータ:可逆と非可逆の切り替え
圧縮パラメータの設定方法の一例として、血流情報の要素値には可逆圧縮を適用し、パワー情報の要素値には非可逆圧縮を適用する方法がある。例えば、血流情報を可逆圧縮し、パワー情報を非可逆圧縮する。この場合、圧縮パラメータとしては、例えば、可逆圧縮の場合に1とし、非可逆圧縮の場合に0とする可逆圧縮フラグが利用できる。この例では、第1圧縮パラメータでは、血流情報を可逆圧縮するように可逆圧縮フラグを1とし、第2圧縮パラメータでは、パワー情報を非可逆圧縮するように可逆圧縮フラグを0とする。
【0044】
(4)圧縮パラメータ:差分圧縮における量子化
圧縮パラメータの設定方法の一例として、要素値の差分圧縮を用いる方法がある。この場合、血流情報の要素値については量子化幅を小さくし、パワー情報の要素値については量子化幅を大きくすることで圧縮効率を高めることができる。圧縮パラメータは量子化幅になる。第1圧縮パラメータと第2圧縮パラメータは、量子化幅の大小関係を成立させるように設定される。
【0045】
図3は、差分圧縮を用いた際の、第1圧縮部13を表すブロック図である。図3では、第1圧縮部13について表しているが、第2圧縮部14についても同様である。差分圧縮では、すでに圧縮された要素値をメモリに保持しておき、入力された要素値とメモリに保持された要素値との差分をエントロピー圧縮する。
【0046】
ここでいう要素値とは、第1圧縮部13の場合は血流情報の要素値であるが、第2圧縮部14の場合はパワー情報の要素値である。
【0047】
本例の場合、第1圧縮部13(又は第2圧縮部14)は、算出部101と、量子化部102と、逆量子化部103と、圧縮部104と、メモリ105とを備えていてよい。
【0048】
図4は、本例における第1圧縮部13の処理を表すフローチャートである。第2圧縮部14についても同様である。
【0049】
メモリ105は、保持する要素値(予測要素値)を予め定めた初期値(例えば、0)に設定する(S201)。
【0050】
算出部101は、分離部12から要素値を受け取ると、メモリ105に保持された予測要素値を読み出し、受け取った要素値から予測要素値を減じて、差分要素値を算出する(S202)。算出部101は、差分要素値を量子化部102に供給する。
【0051】
量子化部102は、差分要素値を量子化し、量子化要素値を得る(S203)。量子化部102は、量子化要素値を逆量子化部103と、圧縮部104とに供給する。
【0052】
逆量子化部103は、供給された量子化要素値を逆量子化し、次の予測要素値としてメモリ105に書き込む(S204)。この予測要素値を用い、算出部101が次の差分要素値を算出する。
【0053】
圧縮部104は、供給された量子化要素値をエントロピー圧縮する(S205)。圧縮部104は、エントロピー圧縮後の圧縮データを統合部15に供給する。
【0054】
ステップS204及びステップS205の処理の順序は、逆であっても、同時(並列処理)であっても構わない。
【0055】
なお、本例において、エントロピー圧縮は必須ではない。本例においてエントロピー圧縮とは固定長のデータを可変長で圧縮する方法を意味し、例えば、指数ゴロム符号、ハフマン圧縮、算術圧縮、レンジコーダによる圧縮を用いてもよい。
【0056】
また、本例では、直前に圧縮した要素値を次の要素値の予測値とする例を述べたが、例えば、ロスレスJPEGに用いられる予測方法や、JPEG−LSに用いられているLOCO−I予測アルゴリズムのように、別の予測方法により要素値を予測してもよい。
【0057】
(5)圧縮パラメータ:ブロック変換における量子化
圧縮パラメータの設定方法の一例として、ドップラーデータをブロックで区切り、ブロック単位で変換や量子化を行い、得られた量子化係数を保持する方法がある。
【0058】
差分圧縮の例と同様に、血流情報の要素値については量子化幅を小さくし、パワー情報の要素値については量子化幅を大きくすることで圧縮効率を高めることができる。圧縮パラメータとしては、例えば、変換ブロックサイズに対応した量子化テーブルを用いることができる。あるいは、例えば、変換ブロックサイズに対応した量子化テーブル、及びそれに乗ずるQ値の2つを圧縮パラメータとしてもよい。また、血流情報の要素値の量子化幅よりもパワー情報の要素値の量子化幅を大きくするとは、例えば、血流情報に対応する第1の量子化テーブル内の数値の平均よりも、パワー情報に対応する第2の量子化テーブル内の数値の平均を大きくするという意味である。第1圧縮パラメータと第2圧縮パラメータとは、このような量子化幅の大小関係を成立させるように設定される。
【0059】
図5は、ブロック変換を利用した圧縮を用いた際の、第1圧縮部13を表すブロック図である。図5では、第1圧縮部13について表しているが、第2圧縮部14についても同様である。本例の場合、第1圧縮部13(又は第2圧縮部14)は、変換部111と、量子化部112と、圧縮部113とを備えていてよい。
【0060】
図6は、本例における第1圧縮部13の処理を表すフローチャートである。第2圧縮部14についても同様である。
【0061】
変換部111は、分離部12からドップラーデータを受け取ると、その要素値のブロックに対し、ブロック変換を適用し、変換係数を得る(S301)。ブロック変換の具体例については後述する。
【0062】
量子化部112は、予め保持している量子化テーブルに従って変換係数を量子化し、量子化変換係数を得る(S302)。図7は、本例における量子化テーブルの一例図である。量子化テーブルとしては、例えば、2次元で縦横各8点のブロックに対して、図7に示すテーブル値(一例)に圧縮パラメータである品質値を掛けて整数化したテーブルを用いてよい。
【0063】
圧縮部113は、量子化変換係数をエントロピー圧縮し、圧縮データを得る(S303)。圧縮部113は、エントロピー圧縮後の圧縮データを統合部15に供給する。
【0064】
ブロック変換の一例として、離散コサイン変換(DCT)について説明する。DCTは1次元で定義されているが、例えば、2次元のDCTは、縦と横の1次元のDCT、あるいは逆離散コサイン変換(IDCT)を順に適用することで実現できる。3次元以上のDCTについても同様で、各軸についてDCTあるいはIDCTを順に適用すればよい。
【0065】
1次元のDCT、及びその逆変換であるIDCTは、それぞれ、Nを入力する点の数とすると、式1で与えられる。
【数1】

【0066】
式1中、f(x)は入力値を、F(X)はDCT係数を表す。また、c(X)は式2で表わされる定数である。
【数2】

【0067】
ブロック変換はDCT以外に限定されるものではなく、例えば、アダマール変換や離散サイン変換(DST)、学習データあるいは対象データの主成分分析に基づく直交基底を用いた変換を利用してもよい。
【0068】
(6)圧縮パラメータ:ウェーブレット変換における量子化
圧縮パラメータの設定方法の一例として、ドップラーデータにウェーブレット変換を適用し、得られた係数を量子化して保持する方法がある。前例の場合と同様に、血流情報の要素値については量子化幅を小さくし、パワー情報の要素値については量子化幅を大きくすることで圧縮効率を高めることができる。圧縮パラメータとしては、例えば、ウェーブレット変換の各成分に対応した量子化表を用いてよい。あるいは、量子化表及びそれに乗ずるQ値の2つを圧縮パラメータとしてもよい。また、血流情報の要素値の量子化幅よりもパワー情報の要素値の量子化幅を大きくするとは、例えば、血流情報に対応する第1の量子化表の数値の平均よりも、パワー情報に対応する第2の量子化表の数値の平均を大きくするという意味である。第1圧縮パラメータと第2圧縮パラメータとは、このような量子化幅の大小関係を成立させるように設定される。
【0069】
図8は、ウェーブレット変換を利用した圧縮を用いた際の、第1圧縮部13を表すブロック図である。図8では、第1圧縮部13について表しているが、第2圧縮部14についても同様である。本例の場合、第1圧縮部13(又は第2圧縮部14)は、変換部121と、量子化部122と、圧縮部123とを備えていてよい。
【0070】
図9は、本例における第1圧縮部13の処理を表すフローチャートである。第2圧縮部14についても同様である。
【0071】
変換部111は、分離部12からドップラーデータを受け取ると、その要素値に対し、ウェーブレット変換を適用し変換係数を得る(S401)。ウェーブレット変換の具体例については後述する。
【0072】
量子化部112は、予め保持している量子化テーブルに従って変換係数を量子化し、量子化変換係数を得る(S402)。図10は、本例における量子化テーブルの一例図である。量子化テーブルとしては、例えば、2次元で3レベルの変換係数(係数レイアウトを図10(a)に示す)に対して、図10(b)に示すテーブル値(一例)に圧縮パラメータである品質値を掛けて整数化したテーブルを用いてよい。
【0073】
圧縮部113は、量子化変換係数をエントロピー圧縮し、圧縮データを得る(S403)。圧縮部113は、エントロピー圧縮後の圧縮データを統合部15に供給する。
【0074】
本例において、ウェーブレット変換の種類は特に限定していないが、例えば、ハールウェーブレット変換、5/3ウェーブレット変換、9/7ウェーブレット変換が利用できる。
【0075】
ウェーブレット変換について説明する。図11は、本例における変換部121を表すブロック図である。変換部121は、第1フィルタ部201と、第2フィルタ部202と、第1ダウンサンプリング部203と、第2ダウンサンプリング部204と、係数供給部205とを備えていてよい。
【0076】
第1フィルタ部201は、分離部12から受け取ったドップラーデータに対し、ローパスフィルタ(LPF)を適用する。第1フィルタ部201は、LPFを適用したドップラーデータを第1ダウンサンプリング部203に供給する。
【0077】
第2フィルタ部202は、当該ドップラーデータに対し、ハイパスフィルタ(HPF)を適用する。第2フィルタ部202は、LPFを適用したドップラーデータを第2ダウンサンプリング部204に供給する。
【0078】
第1ダウンサンプリング部203及び第2ダウンサンプリング部204は、各々、受け取った(フィルタ処理された)ドップラーデータに対してダウンサンプリング(例えば、2サンプルごとに、1サンプルを間引く「2:1ダウンサンプリング」)を適用する。第1ダウンサンプリング部203及び第2ダウンサンプリング部204は、ダウンサンプリングの際、LPFの間引きサンプルとHPFの間引きサンプルの位置が異なるように間引くのが望ましい。第1ダウンサンプリング部203及び第2ダウンサンプリング部204は、各々、ダウンサンプリングデータを係数供給部205に供給する。
【0079】
係数供給部205は、受け取ったダウンサンプリングデータを変換係数として量子化部122に供給する。
【0080】
伸長側における逆ウェーブレット変換について説明する。図14は伸長側の復号化装置における逆ウェーブレット変換部を表すブロック図である。逆ウェーブレット変換部は、係数取得部42と、第1アップサンプリング部401と、第2アップサンプリング部402と、第1逆フィルタ部403と、第2逆フィルタ部404と、加算部405と、係数供給部205とを備えていてよい。
【0081】
係数取得部42は、変換係数を取得し、LPF係数とHPF係数とに分離する。係数取得部42は、LPF係数を第1アップサンプリング部401に供給する。係数取得部42は、HPF係数を第2アップサンプリング部402に供給する。
【0082】
第1アップサンプリング部401は、LPF係数に対してアップサンプリング(例えば、1:2アップサンプリングを行ない、欠落したサンプルに0を挿入する)を適用し、サンプル列を得る。第1アップサンプリング部401は、第2アップサンプリング部402は、HPF係数に対してアップサンプリングを適用し、サンプル列を得る。
【0083】
加算部405は、第1アップサンプリング部401及び第2アップサンプリング部402で得られた各サンプル列を加算する。データ出力部406は、加算されて得られたデータを復号化データとして出力する。
【0084】
図13は、5/3ウェーブレット変換及び逆5/3ウェーブレット変換で用いられるLPF及びHPFの係数の一例図である。フィルタ係数C[k](k=−2,−1,0,1,2)は相対位置−2〜+2に対応する係数であり、LPF及びHPFは、取得した要素値列に対してこれらの積和値を求めて出力する。
【0085】
なお、上述したウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換はDCTやIDCTと同様に1次元で定義されている。DCTやIDCTと同様に、例えば、2次元の変換は、縦と横の1次元の変換を順に適用することで実現できるし、3次元以上の変換についても、各軸の変換を順に適用すればよい。
【0086】
以上、圧縮パラメータの例について説明した。
【0087】
図14は、本実施形態におけるデータストリームを表す一例図である。統合部15は、例えば、血流情報の圧縮データのヘッダ部分に第1圧縮パラメータの値を付加し、パワー情報の圧縮データのヘッダ部分に第2圧縮パラメータの値を付加して、圧縮データストリームを生成してよい。
【0088】
本実施形態において、複数の要素(血流情報及びパワー情報)が、初めから分離された状態で、取得部11が取得する場合には、分離部12はなくてもよい。その場合、取得部11は、血流情報を第1圧縮部13に供給し、パワー情報を第2圧縮部14に供給する。
【0089】
また、血流情報を2次元で表現する場合、図2において、2つの血流情報を同じ圧縮パラメータで圧縮しても良いし、例えば後述の第2の実施形態で示す方法で、各々別の圧縮パラメータにより圧縮してもよい
(変形例)
上述した本実施形態では、圧縮パラメータが固定である場合について説明した。この場合は、例えば、圧縮機能を組み込んだ装置に品質設定機能を組み込んでおき、装置を動作させる前(あるいは工場出荷時)に、圧縮データの伸長時の品質を表すQ値を設定する。そして、動作の初期化時点で、Q値を参照して各圧縮パラメータを設定すればよい。
【0090】
本変形例では、圧縮パラメータを動的に制御可能とする例について説明する。図15は、本変形例に係るデータ圧縮装置2を表すブロック図である。データ圧縮装置2は、データ圧縮装置1に対して、設定部17をさらに備える。
【0091】
設定部17は、血流情報のデータ特性と、パワー情報のデータ特性とを参照し、各圧縮データの伸長時に、血流情報の品質が、パワー情報の品質よりも高くなるような、第1圧縮パラメータ及び第2圧縮パラメータを求める。これにより、設定部17は、各圧縮パラメータを動的に設定することができる。ここで、データ特性とは、データにおける各値の関係を表すものである。
【0092】
ここでは、圧縮パラメータの設定方法として、ブロック変換における量子化を行なう場合(上記(5))について説明する。
【0093】
設定部17は、カラードップラーデータの各要素について、ブロック内の複雑度をあらわすアクティビティ値を算出し、アクティビティ値によりQ値を上下させる。この場合、アクティビティ値がデータ特性である。
【0094】
このとき、ドップラーデータの各要素について予め定めた重要度に従うような、参照量子化ステップあるいは参照量子化テーブルを、各要素について予め定めておく。設定部17は、量子化ステップあるいは量子化テーブルとして、参照量子化ステップあるいは参照量子化テーブルとQ値の積を算出する。設定部17は、当該は整数化した値を用いて、血流情報の品質が、パワー情報の品質よりも高くなるように、第1圧縮パラメータ及び第2圧縮パラメータを制御する。
【0095】
圧縮パラメータのアクティビティ値としては、例えば、ブロック内の各要素値について、要素値とブロック内要素値平均との絶対値差分を算出したときの、その平均をアクティビティ値として用いることができる。
【0096】
なお、設定部17は、ユーザからの入力に基づき、各圧縮パラメータを設定してもよい。例えば、各要素について、要素間の量子化幅の大小関係を満たすように参照量子化テーブルを定めておき、外部からユーザによりQ値が与えられた際に、当該Q値を各参照量子化テーブルに乗ずることで量子化テーブルを生成してもよい。
【0097】
ドップラーデータの性質を考慮した圧縮パラメータを設定することで、圧縮パラメータが固定の場合でも、圧縮パラメータを制御する場合でも、圧縮効率は向上する。
【0098】
圧縮パラメータが固定の場合は、圧縮パラメータ制御を行うための演算あるいは回路が必要でなく、圧縮効率を上げることができる。圧縮パラメータを制御する場合は、圧縮パラメータが固定の場合と比べ、適応的に制御すれば圧縮効率はさらに高くなるが、必要な演算量あるいは回路規模が大きくなる。
【0099】
本実施形態及びその変形例では、圧縮データが伸長された際、血流情報の品質が、パワー情報の品質よりも高くなるように、カラードップラーデータを圧縮することで、伸長後の画像の品質劣化を抑制しつつ、かつ少ないデータ量の圧縮データを生成することができる。
【0100】


(第2の実施形態)
第1の実施形態において、データ圧縮装置1は、ドップラーデータにおける血流情報及びパワー情報という、2つの要素を圧縮対象としていた。
【0101】
第2の実施形態において、データ圧縮装置1は、血流情報に含まれる、血流速度及び血流分散の2つ要素を圧縮対象とする。なお、本実施形態では、パワー情報を圧縮対象に含めても、含めなくてもよい。
【0102】
≪血流速度と血流分散≫
血流情報の表現方法の1つとして、血流速度と血流分散という、2つの要素を用いた方法がある。例えば、可視化された画像において、血流速度は、血流の方向に応じて赤色の濃淡及び青色の濃淡で表現される。
【0103】
また、血流分散は、血流速度をカラー表現した色に対し、血流分散の大きさに応じてそれらを黄色や緑色に変化させることで表現される。血流速度の劣化の方が、血流分散の劣化よりも伸長画像の品質への影響が大きいことが分かっている。
【0104】
そこで、本実施形態におけるデータ圧縮装置は、圧縮データが伸長された際、血流速度の品質が、血流分散の品質よりも高くなるように、カラードップラーデータを圧縮する。
【0105】
本実施形態におけるデータ圧縮装置の構成は、図1に示すデータ圧縮装置1と同様である。
【0106】
≪データ圧縮装置の処理≫
図16は、本実施形態に係るデータ圧縮装置の処理を表すフローチャートである。
【0107】
取得部11は、カラードップラーデータを取得する(S501)。本実施形態におけるカラードップラーデータには、少なくとも、血流速度と血流分散とが含まれていればよい。
【0108】
分離部12は、カラードップラーデータから、血流速度(データ)及び血流分散(データ)を抽出して分離する(S502)。
【0109】
第1圧縮部13は、第1圧縮パラメータに基づいて、血流速度を圧縮する(S503)。第2圧縮部14は、第2圧縮パラメータに基づいて、血流分散を圧縮する(S504)。
【0110】
ステップS503及びステップS504の処理の順序は、逆であっても、同時(並列処理)であっても構わない。ここで、第1圧縮パラメータ及び第2圧縮パラメータは、血流速度の圧縮データの伸長時の品質が、血流分散の圧縮データの伸長時の品質よりも高くなるよう、各々設定される。
【0111】
統合部15は、血流速度の圧縮データと、血流分散の圧縮データとを統合し、データストリームを生成する(S505)。
【0112】
出力部16は、生成されたデータストリームを出力する(S506)。
【0113】
≪圧縮パラメータ≫
本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、圧縮パラメータを設定することができる。例えば、圧縮パラメータとして表現ビット数を用いる場合、例えば、血流速度の要素値を8ビットで表現し血流分散の要素値を6ビットで表現するようにしてもよい。
【0114】
また、圧縮パラメータとして可逆と非可逆の切り替えを用いる場合、例えば、血流速度を可逆圧縮し、血流分散を非可逆圧縮するという方法を利用することができる。
【0115】
他の圧縮パラメータの例についても第1の実施形態と同様であり、本実施形態では、第1の実施形態における、血流情報を血流速度に、パワー情報を血流分散に読み替えればよい。
【0116】
本実施形態では、圧縮データが伸長された際、血流速度の品質が、血流分散の品質よりも高くなるように、カラードップラーデータを圧縮することで、伸長後の画像の品質劣化を抑制しつつ、かつ少ないデータ量の圧縮データを生成することができる。
【0117】
(変形例)
本実施形態において、血流情報は、血流の大きさと血流の角度という、2つの要素を含んでいてもよい。血流の大きさM及び血流の角度Aとは、血流速度をV、血流分散をTとすると、式3及び式4により表わされる値である。
【数3】

【数4】

【0118】
本変形例の場合、上述の場合と同様に、圧縮データが伸長された際、血流の大きさの品質が、血流の角度の品質よりも高くなるように、カラードップラーデータを圧縮することで、伸長後の画像の品質劣化を抑制しつつ、かつ少ないデータ量の圧縮データを生成することができる。
【0119】
上述の実施形態で述べた血流情報とは、例えば、血流速度、血流分散、血流の大きさ、血流の角度のうち、少なくともいずれか1つの情報であるが、これらに限定されず、血流の空間的な動きの情報を表す別の表現形式であっても構わない。
【0120】
上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した実施形態の信号処理装置による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述の実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータまたは組み込みシステムが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の信号処理装置と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
【0121】
また、記憶媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0122】
さらに、本願発明における記憶媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0123】
また、記憶媒体は1つに限られず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本発明における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
【0124】
なお、本願発明におけるコンピュータまたは組み込みシステムは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0125】
また、本願発明の実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0126】
これまで、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1・・・データ圧縮装置
11・・・取得部
12・・・分離部
13・・・第1圧縮部
14・・・第2圧縮部
15・・・統合部
16・・・出力部
17・・・設定部
42・・・係数取得部
101・・・算出部
102、112、122・・・量子化部
103・・・逆量子化部
104、113、123・・・圧縮部
111、121・・・変換部
201・・・第1フィルタ部
202・・・第2フィルタ部
203・・・第1ダウンサンプリング部
204・・・第2ダウンサンプリング部
205・・・係数供給部
401・・・第1アップサンプリング部
402・・・第2アップサンプリング部
403・・・第1逆フィルタ部
404・・・第2逆フィルタ部
405・・・加算部
406・・・データ出力部406

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波測定により得られる、複数種類の測定データを含むドップラーデータを圧縮するデータ圧縮装置であって、
第1圧縮パラメータに基づいて、第1測定データを圧縮して第1圧縮データを生成する第1圧縮部と、
前記第1圧縮パラメータとは異なる第2圧縮パラメータに基づいて、第2測定データを圧縮して第2圧縮データを生成する第2圧縮部と、
前記第1圧縮データと前記第2圧縮データとを統合し、データストリームを生成する統合部と
を備えるデータ圧縮装置。
【請求項2】
前記第1圧縮パラメータ及び前記第2圧縮パラメータは、
前記第1圧縮データの伸長時の品質が、前記第2圧縮データの伸長時の品質よりも高くなるように設定される、
請求項1記載のデータ圧縮装置。
【請求項3】
前記第1測定データの特性と、前記第2測定データの特性とに基づいて、前記第1圧縮パラメータ及び前記第2圧縮パラメータを設定する設定部をさらに備える、
請求項2記載のデータ圧縮装置。
【請求項4】
前記第1測定データは、血液を含む流体の空間的な動きを表すデータであり、
前記第2測定データは、超音波の反射強度を表すデータである、
請求項2又は3記載のデータ圧縮装置。
【請求項5】
前記第1測定データは、血液を含む流体の速度を表すデータであり、
前記第2測定データは、前記流体の分散を表すデータである、
請求項2又は3記載のデータ圧縮装置。
【請求項6】
前記第1圧縮部は、
前記第1測定データに対して、ブロック変換又はウェーブレット変換を含む変換を行ない、前記変換で得られた係数を量子化し、
前記第2圧縮部は、
前記第2測定データに対して、ブロック変換又はウェーブレット変換を含む変換を行ない、前記変換で得られた係数を量子化し、
前記第1圧縮パラメータ及び前記第2圧縮パラメータは、
前記第1測定データに対する第1量子化テーブルの各成分が、前記第2測定データに対する第2量子化テーブルに対応する各成分を超えず、かつ、前記第1量子化テーブルのうち少なくとも一の成分が、前記第2量子化テーブルに対応する成分よりも小さくなるように設定される、
請求項4又は5記載のデータ圧縮装置。
【請求項7】
前記第1圧縮パラメータは、前記第1圧縮データの解像度を定めるパラメータであり、
前記第2圧縮パラメータは、前記第2圧縮データの解像度を定めるパラメータであり、
前記第2圧縮部は、
前記第2測定データを、前記第2圧縮パラメータに従ってダウンサンプリングする、
請求項4又は5記載のデータ圧縮装置。
【請求項8】
前記第1圧縮部は、
前記第1測定データに対して、隣接するデータ間の第1差分値を算出し、前記第1差分値を量子化し、
前記第2圧縮部は、
前記第2測定データに対して、隣接するデータ間の第2差分値を算出し、前記第2差分値を量子化し、
前記第1圧縮パラメータ及び前記第2圧縮パラメータは、前記第1測定データに対する量子化ステップ数の平均値を、前記第2測定データに対する量子化ステップ数の平均値よりも小さくするように設定される、
請求項4又は5記載のデータ圧縮装置。
【請求項9】
前記第1圧縮パラメータは、前記第1測定データを可逆圧縮することを示す情報であり、
前記第2圧縮パラメータは、前記第2測定データを非可逆圧縮することを示す情報であり、
前記第1圧縮部は、
前記第1圧縮パラメータに従って、前記第1測定データを可逆圧縮して前記第1圧縮データを生成し、
前記第2圧縮部は、
前記第2圧縮パラメータに従って、前記第2測定データを非可逆圧縮して前記第2圧縮データを生成する、
請求項4又は5記載のデータ圧縮装置。
【請求項10】
前記第1圧縮パラメータは、前記第1圧縮データの第1表現ビット数を定めるパラメータであり、
前記第2圧縮パラメータは、前記第2圧縮データの第2表現ビット数を定めるパラメータであり、
前記第1圧縮部は、
前記第1表現ビット数で、前記第1測定データを圧縮し、
前記第2圧縮部は、
前記第1表現ビット数よりも少ない第2表現ビット数で、前記第2測定データを圧縮する、
請求項4又は5記載のデータ圧縮装置。
【請求項11】
超音波測定により得られる、複数種類の測定データを含むドップラーデータを圧縮するデータ圧縮方法であって、
第1圧縮パラメータに基づいて、第1測定データを圧縮して第1圧縮データを生成し、
前記第1圧縮パラメータとは異なる第2圧縮パラメータに基づいて、第2測定データを圧縮して第2圧縮データを生成し、
前記第1圧縮データと前記第2圧縮データとを統合し、データストリームを生成する、
データ圧縮方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−179100(P2012−179100A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42465(P2011−42465)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】