データ放送システム、データ放送方法及びプログラム
【課題】受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすデータ放送システム及びデータ放送方法を提供する。
【解決手段】放送局は映像等の情報メッセージからなる番組情報や、NVRAM格納モジュール、イベントメッセージを含むデータ放送を放送する。受信機は、NVRAM格納モジュールの基づいて、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有する。
【解決手段】放送局は映像等の情報メッセージからなる番組情報や、NVRAM格納モジュール、イベントメッセージを含むデータ放送を放送する。受信機は、NVRAM格納モジュールの基づいて、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ放送システム、データ放送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アナログ放送に代わる、映像、音声および文字等の情報から構成される番組情報をデジタル形式で放送するデジタル放送が急速に整備されつつある。デジタル放送の特徴のひとつは、映像音声の高画質化のみならず、データ放送を用いて色々なサービスを提供することができることである。例えば、視聴時間に応じたポイントシステムもサービスのひとつであり、このサービスを実現するための技術が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、デジタル放送局から視聴時間測定用のコンテンツ(モジュール)を放送し、そのコンテンツを用い視聴者の受信手段により番組の視聴時間を測定し、測定時間に応じたサービスを当該視聴者に提供する。視聴時間の計測は視聴時間をポイント換算し、ポイント数に応じたサービスを視聴者に提供する。
【0004】
ここで、視聴時間の測定は、デジタル放送局から送出されたイベントメッセージを用いて視聴時間を累積集計している。このイベントメッセージや、ポイントの記憶は、デジタル放送受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)のうち、事業者専用の領域が利用される。
【特許文献1】特開2001−320341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、イベントメッセージの受信記録や、ポイントを蓄積するNVRAM(不揮発性メモリ)であるが、情報書き換えに対して寿命があり、その寿命は数万回から数百万回である。
【0006】
一方、テレビ受信機は一般に長年使用するものであり、テレビ受信機に搭載されているNVRAM(不揮発性メモリ)の書き換えは数万回を限度に使用されるべきである。このような観点に立つと、NVRAM(不揮発性メモリ)の書き換えは、同一のブロック(領域)に対して1日3回程度の書き換えに抑える必要がある。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されるような視聴時間の計測やポイントサービスの技術では、1日3回程度の書き換えでは実現することは不可能である。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすデータ放送システム及びデータ放送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明は、データ放送システムであって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する本発明は、データ放送方法であって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明は、データ放送のプログラムであって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する処理を受信機に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は実施の形態のブロック図である。尚、以下の説明において、イベントメッセージの受信記録に基づいたポイントサービスを例にして説明する。
【0015】
本発明の実施の形態に係るデジタル放送システムは、映像、音声および文字等の情報から構成される番組情報や、NVRAM格納モジュール、イベントメッセージを含むデータ放送を放送する放送局1と、デジタル放送局1からのデジタル情報を受信、視聴し、番組の視聴時間をポイント化するテレビ受信機2とを備える。
【0016】
放送局1は、イベントメッセージを送出するイベントメッセージ送出部11と、NVRAM格納モジュールを送出するNVRAM格納モジュール送出部12とを備える。
【0017】
ここで、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのバージョン情報(message version)が記載され、プライベートデータには番組名や、IDが記載される。
【0018】
また、NVRAM格納モジュール送出部12から送出されるNVRAM格納モジュールは、テレビ受信機2のNVRAMへのイベントメッセージの受信記録を分散させるとともに、イベントメッセージの受信記録に基づくポイント集計の為のプログラムである。
【0019】
テレビ受信機2は、NVRAM(不揮発性メモリ)のブロック201から20Nと、受信部21と、分散格納部22と、集計部23と、出力部24とを備える。
【0020】
受信部21は、放送局1からの映像、音声及びデータ放送を受信する。
【0021】
分散格納手段22は、データ放送のNVRAM格納モジュールに基づいて、イベントメッセージの受信を分散してNVRAMのブロック201から20Nに記録する。尚、分散格納手段22の動作については後述する。
【0022】
集計部23は、NVRAMのブロック201から20Nに記録された受信記録に基づいて、ポイントの集計を行う。尚、集計部23の動作については後述する。
【0023】
出力部24はディスプレイである。
【0024】
次に、本実施の形態における動作を、具体例を用いながら説明する。
【0025】
まず、NVRAMのブロック201から20Nについて説明する。受信機のNVRAMはブロック毎に各放送局に予め割り当てられている。本実施の形態では、NVRAMのブロック201から20Nのうち、放送局1に割り当てられているブロックとして、のブロック16〜のブロック45までを使用するものとする。
【0026】
図2はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図2に示す如く、NVRAMの各ブロック16〜ブロック45は、番組名のフィールドと、視聴ポイント(イベントメッセージの受信)のフィールドと、イベントメッセージの最終ID(a)のフィールドと、更新日のフィールドとを有している。番組名のフィールドには、そのブロックを使用する番組名が記録される。視聴ポイントが格納されるフィールドは、更に、週毎に分割されており、図2の例では4週分のフィールドが設けられている。週毎のフィールドには、イベントメッセージの受信回数が記録される。尚、視聴ポイントは、イベントメッセージを1回受信すると、視聴ポイントが1ポイントとなる。
【0027】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージ(視聴ポイント)の受信を分散して記録する動作について説明する。図3は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、視聴ポイントを提供する番組名を”mayobura”とする。
【0028】
まず、データ放送を受信し(Step100)、イベントメッセージの受信を監視する(Step101)。
【0029】
イベントメッセージの受信が検出されると(Step102)、TDT(Time Date Table)とTOT(Time Offset Table)との差分を求め(Step103)、その差が10秒より小さい場合には、録画によるイベントメッセージの受信ではないと判断し、次ステップに進む。一方、差が10秒を超える場合には、録画によるイベントメッセージの受信であると判断し、Step101に戻る。
【0030】
録画によるイベントメッセージの受信ではないと判断した場合には、受信したイベントメッセージのバージョン(=N)を取得し、そのバージョン(=N)をNVRAMのブロック番号(=b)とする(Step104)。そして、NVRAMのブロックbを参照する(Step105)。
【0031】
参照したNVRAMのブロックbが該当番組(ポイントサービスを提供する番組、本実施の形態では番組名”mayobura”)により使用されているかの判断を行う(Step106)。
【0032】
参照したNVRAMのブロックbが該当番組(番組名”mayobura”)により使用されている場合には、TOTからイベントメッセージの受信日を取得する(Step107)。
【0033】
次に、受信したイベントメッセージの受信日が、ブロックbの更新日フィールドに記載されている日付と同じであるかを判断する(Step108)。同一であれば、そのイベントメッセージのID(=a)とブロックbの最終IDフィールドの最終IDとを比較する(Step109)。
【0034】
イベントメッセージのID(=a)がブロックbの最終IDフィールドの最終IDよりも大きい場合には、ブロックbの視聴ポイントフィールドにおけるポイント格納位置を放送日により決定する(Step110)。一方、イベントメッセージのID(=a)がブロックbの最終IDよりも小さい場合には、Step101に戻る。
【0035】
ポイント格納位置が決定されると、その格納位置のポイント(イベントメッセージ受信回数)を+1カウントアップし、同一レコードの最終IDのフィールドにイベントメッセージのID(=a)を格納し、更新日のフィールドにイベントメッセージの受信日を格納する。また、番組名のフィールドが未格納(未記入)である場合には、番組名に”mayobura”を格納する(Step111)。
【0036】
次に、集計部23の動作を説明する。図4は集計部23の動作フローチャートである。
【0037】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント表示の実行が要求されると(Step200)、放送局1に割り当てられているNVRAMのブロックのうち、ブロック16〜ブロック45までが使用されているものとして、Nを16とする(Step201)。そして、NVRAMのブロックNを参照する(Step202)。
【0038】
NVRAMのブロックNの番組名フィールドに”mayobura”が格納されている場合には(Step203)、参照したNVRAMのブロックNに記載されているX(1〜4)週目のポイント格納位置に記載されているポイントを参照し、c[x]とする(Step204)。そして、x週目合計ポイント(=dx)にc[x]を加算する(Step205)。処理が終了すると、Nに1を加算する(Step206)。
【0039】
一方、NVRAMのブロックNの番組名フィールドに”mayobura”が格納されていない場合には、Step206に進む。
【0040】
Nが45よりも大きい場合には(Step207)、各週の合計ポイントd1、d2、d3、d4を合計し、1から4週目までの合計ポイント(d_all)を算出する(d_all=d1+d2+d3+d4)(Step208)。そして、算出した合計ポイント(d_all)を表示する(Step209)。一方、Nが45以下の場合には(Step207)、Step202に戻る。
【0041】
上述のように動作する分散格納部22及び集計部23は、ハードウェアで実現することも可能であるが、データ放送の場合には、上述したようにNVRAM格納モジュールにより実現可能である。NVRAM格納モジュールの一例を図5から図10に示す。
【0042】
以上の如く、本実施の形態によれば、データ放送におけるイベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0043】
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0044】
データ放送では、第1の実施の形態で説明したイベントメッセージの受信記録に基づいたポイントサービスのみならず、イベントメッセージの受信記録によるユーザの視聴趣向性の調査も可能である。そこで、第2の実施の形態では、放送時間帯別のイベントメッセージの受信記録の書き込みを、本発明に適用した例である。
【0045】
図11はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図11に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名(番組名)のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、朝帯視聴回数のフィールドと、昼帯視聴回数のフィールドと、夜帯視聴回数のフィールドと、深夜帯視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0046】
また、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのイベント名と、このイベントの有効期限が少なくとも記載されているものとする。尚、有効期限はデータ放送側のプログラムに記載しても良い。
【0047】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図12は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、書き込み可能なブロック数を“b”(本実施の形態では20)として説明する。また、朝帯の時間は6:00から11:59の時間とし、昼帯の時間は12:00から17:59の時間とし、夜帯の時間は18:00から23:59の時間とし、深夜帯の時間は00:00から5:59の時間とする。
【0048】
まず、データ放送の受信を開始し(Step300)、イベントメッセージの受信を監視する(Step301)。
【0049】
イベントメッセージを受信すると(Step302)、TOTから現在時刻を取得する(Step303)。また、イベントメッセージ内のイベント名“a”、書き込み可能ブロック数“b”を取得する(Step304)。続いて、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックの個数“c”と、その更新日時“d”を取得する(Step305)。そして、取得した現在時刻と、取得したイベント名が“a”であるブロックの更新日時のフィールドの更新日時とを比較し、取得したTOTと同日、同時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯)の更新日時“d”が存在するかを判断する(Step306)。存在する場合には、同日、同時間帯で一度受信したイベントメッセージであり、記録する必要がないので、Step301に戻る。
【0050】
一方、取得した現在時刻と同日、同時刻帯の更新日時が存在しない場合、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しいかを判断する(Step307)。等しい場合には、イベント名が“a”であるイベントメッセージの受信記録で全てのブロックを使用している。そこで、ブロックの書き込み回数のフィールドを参照し、イベント名が“a”であるブロックの中から最も書き込み回数が少ないブロックを選択する(Step308)。尚、書き込み回数が同じ場合には、アドレスの若いブロックを選択する。
【0051】
そして、選択したブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、イベントメッセージを受信時に取得したTOTから該当する時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯のいずれか)のフィールドの回数を+1増加する(Step309)。
【0052】
一方、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しくない場合には、イベント“a”で使用されていないブロックがあるので、nの初期値を1とし(Step310)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step311)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順である。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、又は有効期限外である場合には(Step312)、step309に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nに+1を行い(Step313)、step311に進む。
【0053】
このようにして、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0054】
続いて、集計部23の動作を説明する。図13は集計部23の動作フローチャートである。
【0055】
まず、集計部23は、データ放送受信し、受信記録の集計の実行が要求されると(Step400)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step401)。
【0056】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける“朝帯の視聴回数の合計e1”、“昼帯の視聴回数の合計e2”、“夜帯の視聴回数の合計e3”、“深夜帯の視聴回数の合計e4”を取得する(Step402)。
【0057】
取得したe1、e2、e3、e4から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送を表示することに利用することができる。
【0058】
次に、第3の実施の形態を説明する。
【0059】
第3の実施の形態では、ジャンル別のイベントメッセージの受信記録の書き込みを、本発明に適用した例である。
【0060】
図14はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図14に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、ジャンルのフィールドと、番組名のフィールドと、番組放送回数のフィールドと、視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0061】
また、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのイベント名と、このイベントの有効期限が少なくとも記載されているものとする。
【0062】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図15は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”として説明する。
【0063】
まず、データ放送の受信を開始し(Step500)、イベントメッセージの受信を監視する(Step501)。
【0064】
イベントメッセージを受信すると(Step502)、TOTから現在時刻を取得する(Step503)。続いて、イベントメッセージ内のイベント名“a”、書き込み可能ブロック数“b”、番組名“C”、放送回数“d”を取得する(Step504)。
【0065】
NVRAMの各ブロックを参照し(Step505)、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在するかを判断する(Step506)。番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在する場合には、既に記録したイベントメッセージであり、記録する必要がないので、Step501に戻る。
【0066】
また、番組名が“c”で、かつ、放送回数を“d”あるブロックが存在しない場合には、イベント名を“a”であり、かつ、番組ジャンルを“b”が存在するかを判断する(Step507)。存在する場合には、該当するブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得したTOTの時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”を書き込み、更に、視聴回数を+1増加する(Step508)。
【0067】
一方、イベント名が“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”であるものが存在しない場合、nの初期値を1とし(Step509)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step510)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順とする。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、でなく、かつ、有効期限外である場合には(Step511)、step508に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nを+1増加し、step510に進む。
【0068】
このようにして、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0069】
続いて、集計部23の動作を説明する。図16は集計部23の動作フローチャートである。
【0070】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント集計の実行が要求されると(Step600)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step601)。
【0071】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける該当アドレスのジャンルdと視聴回数とをそれぞれ取得する(Step602)。
【0072】
取得した取得したジャンル別の視聴回数から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送の表示に利用される。
【0073】
次に、第4の実施の形態を説明する。
【0074】
上述した実施の形態は、イベントメッセージの受信記録を受信機の不揮発性メモリに分散して格納する例を説明した。しかし、受信機の不揮発性メモリに分散して格納するのは、イベントメッセージの受信記録に限られない。そこで、第4の実施の形態では、データ放送で提供されるプログラムにより、所定の情報を、受信機の不揮発性メモリに分散して格納する例を説明する。尚、以下の説明において、プログラムの例としてBMLを例にして説明する。また、プログラムによる情報の記録として、所定時間毎の視聴履歴を例にして説明する。
【0075】
図17はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図17に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名(番組名)のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、朝帯視聴回数のフィールドと、昼帯視聴回数のフィールドと、夜帯視聴回数のフィールドと、深夜帯視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0076】
一方、放送されるデータ放送のBMLは、イベント名と、この視聴履歴の記録で使用するブロック数、及びそのイベントの有効期限が記述されている。そして、チャンネルを変更せずに、データ放送を受信している間、所定の時間(例えば、1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う。
【0077】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する動作について説明する。図18は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、そのイベントで使用するブロック数を“b”(本実施の形態では20)として説明する。また、朝帯の時間は6:00から11:59の時間とし、昼帯の時間は12:00から17:59の時間とし、夜帯の時間は18:00から23:59の時間とし、深夜帯の時間は00:00から5:59の時間とする。
【0078】
まず、データ放送の受信を開始し(Step700)、所定の時間(本例では1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う(Step701)。
【0079】
まず、TOTから現在時刻を取得する(Step702)。続いて、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロック(アドレス)それぞれの個数“c”と、その更新日時“d”を取得する(Step703)。そして、取得した現在時刻と、取得したイベント名が“a”であるブロックの更新日時のフィールドの更新日時とを比較し、取得した現在時刻と同日、同時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯)の更新日時“d”が存在するかを判断する(Step704)。存在する場合には、同日、同時間帯で、一度記録した視聴履歴であり、記録する必要がないので、Step701に戻る。
【0080】
一方、取得した現在時刻と同日、同時刻帯の更新日時が存在しない場合、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しいかを判断する(Step705)。等しい場合には、イベント名が“a”である視聴履歴の記録で全てのブロックを使用している。そこで、ブロックの書き込み回数のフィールドを参照し、イベント名が“a”であるブロックの中から最も書き込み回数が少ないブロックを選択する(Step706)。尚、書き込み回数が同じ場合には、アドレスの若いブロックを選択する。
【0081】
そして、選択したブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、取得した現在時刻に該当する時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯のいずれか)のフィールドの回数を+1増加する(Step707)。
【0082】
一方、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しくない場合には、イベント“a”で使用されていないブロックがあるので、nの初期値を1とし(Step708)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step709)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順である。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、又は有効期限外である場合には(Step710)、step308に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nに+1を行い(Step711)、step709に進む。
【0083】
このようにして、視聴履歴の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0084】
続いて、集計部23の動作を説明する。図19は集計部23の動作フローチャートである。
【0085】
まず、集計部23は、データ放送受信し、受信記録の集計の実行が要求されると(Step800)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step801)。
【0086】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける“朝帯の視聴回数の合計e1”、“昼帯の視聴回数の合計e2”、“夜帯の視聴回数の合計e3”、“深夜帯の視聴回数の合計e4”を取得する(Step802)。
【0087】
取得したe1、e2、e3、e4から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送を表示することに利用することができる。
【0088】
次に、第5の実施の形態を説明する。
【0089】
第5の実施の形態では、上述した第4の実施の形態の変形例であり、ジャンル別の視聴履歴の記録の書き込みを、本発明に適用した例である。尚、以下の説明において、プログラムの例としてBMLを例にして説明する。
【0090】
図20はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図20に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、ジャンルのフィールドと、番組名のフィールドと、番組放送回数のフィールドと、視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0091】
一方、放送されるデータ放送のBMLは、イベント名と、そのイベントの有効期限、番組ジャンル、番組名及び放送回数が記述されている。そして、チャンネルを変更せずに、データ放送を受信している間、所定の時間(例えば、1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う。
【0092】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図21は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”として説明する。
【0093】
データ放送の受信を開始し(Step900)、所定の時間(本例では1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う(Step901)。
【0094】
まず、TOTから現在時刻を取得する(Step902)。続いて、データ放送から番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”を取得する(Step903)。
【0095】
NVRAMの各ブロックを参照し(Step904)、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在するかを判断する(Step905)。番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在する場合には、既に記録した視聴履歴であり、記録する必要がないので、Step901に戻る。
【0096】
また、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”あるブロックが存在しない場合には、イベント名が“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”であるものが存在するかを判断する(Step906)。存在する場合には、該当するブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”それぞれ書き込み、更に、視聴回数を+1増加する(Step907)。
【0097】
一方、イベント名を“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”が存在しない場合、nの初期値を1とし(Step908)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step909)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順とする。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、でなく、かつ、有効期限外である場合には(Step910)、step907に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nを+1増加し(Step911)、step909に進む。
【0098】
このようにして、視聴履歴の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0099】
続いて、集計部23の動作を説明する。図21は集計部23の動作フローチャートである。
【0100】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント集計の実行が要求されると(Step1000)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step1001)。
【0101】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける該当アドレスのジャンルdと視聴回数とをそれぞれ取得する(Step1002)。
【0102】
取得した取得したジャンル別の視聴回数から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送の表示に利用される。
【0103】
尚、本発明の要旨は、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに情報を分散して格納することであり、この要旨を逸脱しない範囲であれば、上述した実施の形態で説明した方法以外の他の方法でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は実施の形態のブロック図である。
【図2】図2はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図3】図3は分散格納部22の動作フローチャートである。
【図4】図4は集計部23の動作フローチャートである。
【図5】図5はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図6】図6はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図7】図7はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図8】図8はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図9】図9はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図10】図10はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図11】図11は第2の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図12】図12は第2の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図13】図13は第2の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図14】図14は第3の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図15】図15は第3の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図16】図16は第3の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図17】図17は第4の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図18】図18は第4の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図19】図19は第4の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図20】図20は第5の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図21】図21は第5の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図22】図22は第5の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1 放送局
2 テレビ受信機
11 イベントメッセージ送出部
12 NVRAM格納モジュール送出部
201〜20N NVRAMのブロック
21 受信部
22 分散格納部
23 集計部
24 出力部
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ放送システム、データ放送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アナログ放送に代わる、映像、音声および文字等の情報から構成される番組情報をデジタル形式で放送するデジタル放送が急速に整備されつつある。デジタル放送の特徴のひとつは、映像音声の高画質化のみならず、データ放送を用いて色々なサービスを提供することができることである。例えば、視聴時間に応じたポイントシステムもサービスのひとつであり、このサービスを実現するための技術が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、デジタル放送局から視聴時間測定用のコンテンツ(モジュール)を放送し、そのコンテンツを用い視聴者の受信手段により番組の視聴時間を測定し、測定時間に応じたサービスを当該視聴者に提供する。視聴時間の計測は視聴時間をポイント換算し、ポイント数に応じたサービスを視聴者に提供する。
【0004】
ここで、視聴時間の測定は、デジタル放送局から送出されたイベントメッセージを用いて視聴時間を累積集計している。このイベントメッセージや、ポイントの記憶は、デジタル放送受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)のうち、事業者専用の領域が利用される。
【特許文献1】特開2001−320341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、イベントメッセージの受信記録や、ポイントを蓄積するNVRAM(不揮発性メモリ)であるが、情報書き換えに対して寿命があり、その寿命は数万回から数百万回である。
【0006】
一方、テレビ受信機は一般に長年使用するものであり、テレビ受信機に搭載されているNVRAM(不揮発性メモリ)の書き換えは数万回を限度に使用されるべきである。このような観点に立つと、NVRAM(不揮発性メモリ)の書き換えは、同一のブロック(領域)に対して1日3回程度の書き換えに抑える必要がある。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されるような視聴時間の計測やポイントサービスの技術では、1日3回程度の書き換えでは実現することは不可能である。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすデータ放送システム及びデータ放送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明は、データ放送システムであって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する本発明は、データ放送方法であって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明は、データ放送のプログラムであって、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する処理を受信機に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は実施の形態のブロック図である。尚、以下の説明において、イベントメッセージの受信記録に基づいたポイントサービスを例にして説明する。
【0015】
本発明の実施の形態に係るデジタル放送システムは、映像、音声および文字等の情報から構成される番組情報や、NVRAM格納モジュール、イベントメッセージを含むデータ放送を放送する放送局1と、デジタル放送局1からのデジタル情報を受信、視聴し、番組の視聴時間をポイント化するテレビ受信機2とを備える。
【0016】
放送局1は、イベントメッセージを送出するイベントメッセージ送出部11と、NVRAM格納モジュールを送出するNVRAM格納モジュール送出部12とを備える。
【0017】
ここで、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのバージョン情報(message version)が記載され、プライベートデータには番組名や、IDが記載される。
【0018】
また、NVRAM格納モジュール送出部12から送出されるNVRAM格納モジュールは、テレビ受信機2のNVRAMへのイベントメッセージの受信記録を分散させるとともに、イベントメッセージの受信記録に基づくポイント集計の為のプログラムである。
【0019】
テレビ受信機2は、NVRAM(不揮発性メモリ)のブロック201から20Nと、受信部21と、分散格納部22と、集計部23と、出力部24とを備える。
【0020】
受信部21は、放送局1からの映像、音声及びデータ放送を受信する。
【0021】
分散格納手段22は、データ放送のNVRAM格納モジュールに基づいて、イベントメッセージの受信を分散してNVRAMのブロック201から20Nに記録する。尚、分散格納手段22の動作については後述する。
【0022】
集計部23は、NVRAMのブロック201から20Nに記録された受信記録に基づいて、ポイントの集計を行う。尚、集計部23の動作については後述する。
【0023】
出力部24はディスプレイである。
【0024】
次に、本実施の形態における動作を、具体例を用いながら説明する。
【0025】
まず、NVRAMのブロック201から20Nについて説明する。受信機のNVRAMはブロック毎に各放送局に予め割り当てられている。本実施の形態では、NVRAMのブロック201から20Nのうち、放送局1に割り当てられているブロックとして、のブロック16〜のブロック45までを使用するものとする。
【0026】
図2はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図2に示す如く、NVRAMの各ブロック16〜ブロック45は、番組名のフィールドと、視聴ポイント(イベントメッセージの受信)のフィールドと、イベントメッセージの最終ID(a)のフィールドと、更新日のフィールドとを有している。番組名のフィールドには、そのブロックを使用する番組名が記録される。視聴ポイントが格納されるフィールドは、更に、週毎に分割されており、図2の例では4週分のフィールドが設けられている。週毎のフィールドには、イベントメッセージの受信回数が記録される。尚、視聴ポイントは、イベントメッセージを1回受信すると、視聴ポイントが1ポイントとなる。
【0027】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージ(視聴ポイント)の受信を分散して記録する動作について説明する。図3は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、視聴ポイントを提供する番組名を”mayobura”とする。
【0028】
まず、データ放送を受信し(Step100)、イベントメッセージの受信を監視する(Step101)。
【0029】
イベントメッセージの受信が検出されると(Step102)、TDT(Time Date Table)とTOT(Time Offset Table)との差分を求め(Step103)、その差が10秒より小さい場合には、録画によるイベントメッセージの受信ではないと判断し、次ステップに進む。一方、差が10秒を超える場合には、録画によるイベントメッセージの受信であると判断し、Step101に戻る。
【0030】
録画によるイベントメッセージの受信ではないと判断した場合には、受信したイベントメッセージのバージョン(=N)を取得し、そのバージョン(=N)をNVRAMのブロック番号(=b)とする(Step104)。そして、NVRAMのブロックbを参照する(Step105)。
【0031】
参照したNVRAMのブロックbが該当番組(ポイントサービスを提供する番組、本実施の形態では番組名”mayobura”)により使用されているかの判断を行う(Step106)。
【0032】
参照したNVRAMのブロックbが該当番組(番組名”mayobura”)により使用されている場合には、TOTからイベントメッセージの受信日を取得する(Step107)。
【0033】
次に、受信したイベントメッセージの受信日が、ブロックbの更新日フィールドに記載されている日付と同じであるかを判断する(Step108)。同一であれば、そのイベントメッセージのID(=a)とブロックbの最終IDフィールドの最終IDとを比較する(Step109)。
【0034】
イベントメッセージのID(=a)がブロックbの最終IDフィールドの最終IDよりも大きい場合には、ブロックbの視聴ポイントフィールドにおけるポイント格納位置を放送日により決定する(Step110)。一方、イベントメッセージのID(=a)がブロックbの最終IDよりも小さい場合には、Step101に戻る。
【0035】
ポイント格納位置が決定されると、その格納位置のポイント(イベントメッセージ受信回数)を+1カウントアップし、同一レコードの最終IDのフィールドにイベントメッセージのID(=a)を格納し、更新日のフィールドにイベントメッセージの受信日を格納する。また、番組名のフィールドが未格納(未記入)である場合には、番組名に”mayobura”を格納する(Step111)。
【0036】
次に、集計部23の動作を説明する。図4は集計部23の動作フローチャートである。
【0037】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント表示の実行が要求されると(Step200)、放送局1に割り当てられているNVRAMのブロックのうち、ブロック16〜ブロック45までが使用されているものとして、Nを16とする(Step201)。そして、NVRAMのブロックNを参照する(Step202)。
【0038】
NVRAMのブロックNの番組名フィールドに”mayobura”が格納されている場合には(Step203)、参照したNVRAMのブロックNに記載されているX(1〜4)週目のポイント格納位置に記載されているポイントを参照し、c[x]とする(Step204)。そして、x週目合計ポイント(=dx)にc[x]を加算する(Step205)。処理が終了すると、Nに1を加算する(Step206)。
【0039】
一方、NVRAMのブロックNの番組名フィールドに”mayobura”が格納されていない場合には、Step206に進む。
【0040】
Nが45よりも大きい場合には(Step207)、各週の合計ポイントd1、d2、d3、d4を合計し、1から4週目までの合計ポイント(d_all)を算出する(d_all=d1+d2+d3+d4)(Step208)。そして、算出した合計ポイント(d_all)を表示する(Step209)。一方、Nが45以下の場合には(Step207)、Step202に戻る。
【0041】
上述のように動作する分散格納部22及び集計部23は、ハードウェアで実現することも可能であるが、データ放送の場合には、上述したようにNVRAM格納モジュールにより実現可能である。NVRAM格納モジュールの一例を図5から図10に示す。
【0042】
以上の如く、本実施の形態によれば、データ放送におけるイベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0043】
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0044】
データ放送では、第1の実施の形態で説明したイベントメッセージの受信記録に基づいたポイントサービスのみならず、イベントメッセージの受信記録によるユーザの視聴趣向性の調査も可能である。そこで、第2の実施の形態では、放送時間帯別のイベントメッセージの受信記録の書き込みを、本発明に適用した例である。
【0045】
図11はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図11に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名(番組名)のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、朝帯視聴回数のフィールドと、昼帯視聴回数のフィールドと、夜帯視聴回数のフィールドと、深夜帯視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0046】
また、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのイベント名と、このイベントの有効期限が少なくとも記載されているものとする。尚、有効期限はデータ放送側のプログラムに記載しても良い。
【0047】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図12は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、書き込み可能なブロック数を“b”(本実施の形態では20)として説明する。また、朝帯の時間は6:00から11:59の時間とし、昼帯の時間は12:00から17:59の時間とし、夜帯の時間は18:00から23:59の時間とし、深夜帯の時間は00:00から5:59の時間とする。
【0048】
まず、データ放送の受信を開始し(Step300)、イベントメッセージの受信を監視する(Step301)。
【0049】
イベントメッセージを受信すると(Step302)、TOTから現在時刻を取得する(Step303)。また、イベントメッセージ内のイベント名“a”、書き込み可能ブロック数“b”を取得する(Step304)。続いて、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックの個数“c”と、その更新日時“d”を取得する(Step305)。そして、取得した現在時刻と、取得したイベント名が“a”であるブロックの更新日時のフィールドの更新日時とを比較し、取得したTOTと同日、同時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯)の更新日時“d”が存在するかを判断する(Step306)。存在する場合には、同日、同時間帯で一度受信したイベントメッセージであり、記録する必要がないので、Step301に戻る。
【0050】
一方、取得した現在時刻と同日、同時刻帯の更新日時が存在しない場合、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しいかを判断する(Step307)。等しい場合には、イベント名が“a”であるイベントメッセージの受信記録で全てのブロックを使用している。そこで、ブロックの書き込み回数のフィールドを参照し、イベント名が“a”であるブロックの中から最も書き込み回数が少ないブロックを選択する(Step308)。尚、書き込み回数が同じ場合には、アドレスの若いブロックを選択する。
【0051】
そして、選択したブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、イベントメッセージを受信時に取得したTOTから該当する時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯のいずれか)のフィールドの回数を+1増加する(Step309)。
【0052】
一方、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しくない場合には、イベント“a”で使用されていないブロックがあるので、nの初期値を1とし(Step310)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step311)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順である。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、又は有効期限外である場合には(Step312)、step309に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nに+1を行い(Step313)、step311に進む。
【0053】
このようにして、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0054】
続いて、集計部23の動作を説明する。図13は集計部23の動作フローチャートである。
【0055】
まず、集計部23は、データ放送受信し、受信記録の集計の実行が要求されると(Step400)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step401)。
【0056】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける“朝帯の視聴回数の合計e1”、“昼帯の視聴回数の合計e2”、“夜帯の視聴回数の合計e3”、“深夜帯の視聴回数の合計e4”を取得する(Step402)。
【0057】
取得したe1、e2、e3、e4から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送を表示することに利用することができる。
【0058】
次に、第3の実施の形態を説明する。
【0059】
第3の実施の形態では、ジャンル別のイベントメッセージの受信記録の書き込みを、本発明に適用した例である。
【0060】
図14はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図14に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、ジャンルのフィールドと、番組名のフィールドと、番組放送回数のフィールドと、視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0061】
また、イベントメッセージ送出部11から送出されるイベントメッセージには、イベントメッセージのイベント名と、このイベントの有効期限が少なくとも記載されているものとする。
【0062】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図15は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”として説明する。
【0063】
まず、データ放送の受信を開始し(Step500)、イベントメッセージの受信を監視する(Step501)。
【0064】
イベントメッセージを受信すると(Step502)、TOTから現在時刻を取得する(Step503)。続いて、イベントメッセージ内のイベント名“a”、書き込み可能ブロック数“b”、番組名“C”、放送回数“d”を取得する(Step504)。
【0065】
NVRAMの各ブロックを参照し(Step505)、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在するかを判断する(Step506)。番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在する場合には、既に記録したイベントメッセージであり、記録する必要がないので、Step501に戻る。
【0066】
また、番組名が“c”で、かつ、放送回数を“d”あるブロックが存在しない場合には、イベント名を“a”であり、かつ、番組ジャンルを“b”が存在するかを判断する(Step507)。存在する場合には、該当するブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得したTOTの時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”を書き込み、更に、視聴回数を+1増加する(Step508)。
【0067】
一方、イベント名が“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”であるものが存在しない場合、nの初期値を1とし(Step509)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step510)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順とする。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、でなく、かつ、有効期限外である場合には(Step511)、step508に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nを+1増加し、step510に進む。
【0068】
このようにして、イベントメッセージの受信記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0069】
続いて、集計部23の動作を説明する。図16は集計部23の動作フローチャートである。
【0070】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント集計の実行が要求されると(Step600)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step601)。
【0071】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける該当アドレスのジャンルdと視聴回数とをそれぞれ取得する(Step602)。
【0072】
取得した取得したジャンル別の視聴回数から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送の表示に利用される。
【0073】
次に、第4の実施の形態を説明する。
【0074】
上述した実施の形態は、イベントメッセージの受信記録を受信機の不揮発性メモリに分散して格納する例を説明した。しかし、受信機の不揮発性メモリに分散して格納するのは、イベントメッセージの受信記録に限られない。そこで、第4の実施の形態では、データ放送で提供されるプログラムにより、所定の情報を、受信機の不揮発性メモリに分散して格納する例を説明する。尚、以下の説明において、プログラムの例としてBMLを例にして説明する。また、プログラムによる情報の記録として、所定時間毎の視聴履歴を例にして説明する。
【0075】
図17はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図17に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名(番組名)のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、朝帯視聴回数のフィールドと、昼帯視聴回数のフィールドと、夜帯視聴回数のフィールドと、深夜帯視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0076】
一方、放送されるデータ放送のBMLは、イベント名と、この視聴履歴の記録で使用するブロック数、及びそのイベントの有効期限が記述されている。そして、チャンネルを変更せずに、データ放送を受信している間、所定の時間(例えば、1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う。
【0077】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する動作について説明する。図18は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、そのイベントで使用するブロック数を“b”(本実施の形態では20)として説明する。また、朝帯の時間は6:00から11:59の時間とし、昼帯の時間は12:00から17:59の時間とし、夜帯の時間は18:00から23:59の時間とし、深夜帯の時間は00:00から5:59の時間とする。
【0078】
まず、データ放送の受信を開始し(Step700)、所定の時間(本例では1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う(Step701)。
【0079】
まず、TOTから現在時刻を取得する(Step702)。続いて、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロック(アドレス)それぞれの個数“c”と、その更新日時“d”を取得する(Step703)。そして、取得した現在時刻と、取得したイベント名が“a”であるブロックの更新日時のフィールドの更新日時とを比較し、取得した現在時刻と同日、同時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯)の更新日時“d”が存在するかを判断する(Step704)。存在する場合には、同日、同時間帯で、一度記録した視聴履歴であり、記録する必要がないので、Step701に戻る。
【0080】
一方、取得した現在時刻と同日、同時刻帯の更新日時が存在しない場合、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しいかを判断する(Step705)。等しい場合には、イベント名が“a”である視聴履歴の記録で全てのブロックを使用している。そこで、ブロックの書き込み回数のフィールドを参照し、イベント名が“a”であるブロックの中から最も書き込み回数が少ないブロックを選択する(Step706)。尚、書き込み回数が同じ場合には、アドレスの若いブロックを選択する。
【0081】
そして、選択したブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、取得した現在時刻に該当する時間帯(朝帯、昼帯、夜帯、深夜帯のいずれか)のフィールドの回数を+1増加する(Step707)。
【0082】
一方、イベント名が“a”であるブロック個数“c”が“b”と等しくない場合には、イベント“a”で使用されていないブロックがあるので、nの初期値を1とし(Step708)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step709)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順である。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、又は有効期限外である場合には(Step710)、step308に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nに+1を行い(Step711)、step709に進む。
【0083】
このようにして、視聴履歴の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0084】
続いて、集計部23の動作を説明する。図19は集計部23の動作フローチャートである。
【0085】
まず、集計部23は、データ放送受信し、受信記録の集計の実行が要求されると(Step800)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step801)。
【0086】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける“朝帯の視聴回数の合計e1”、“昼帯の視聴回数の合計e2”、“夜帯の視聴回数の合計e3”、“深夜帯の視聴回数の合計e4”を取得する(Step802)。
【0087】
取得したe1、e2、e3、e4から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送を表示することに利用することができる。
【0088】
次に、第5の実施の形態を説明する。
【0089】
第5の実施の形態では、上述した第4の実施の形態の変形例であり、ジャンル別の視聴履歴の記録の書き込みを、本発明に適用した例である。尚、以下の説明において、プログラムの例としてBMLを例にして説明する。
【0090】
図20はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。図20に示す如く、ブロックの書き込み回数のフィールドと、イベント名のフィールドと、更新日時のフィールドと、有効期限のフィールドとから成るヘッダ部のフィールドを備えている。また、ジャンルのフィールドと、番組名のフィールドと、番組放送回数のフィールドと、視聴回数のフィールドとを有する主データ部のフィールドを備えている。尚、各フィールドの括弧の数値は各フィールドの情報量(バイト)を示している。
【0091】
一方、放送されるデータ放送のBMLは、イベント名と、そのイベントの有効期限、番組ジャンル、番組名及び放送回数が記述されている。そして、チャンネルを変更せずに、データ放送を受信している間、所定の時間(例えば、1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う。
【0092】
続いて、分散格納部22が、上述した記述構造を持ったNVRAMのブロックに対して、イベントメッセージの受信記録を分散して記録する動作について説明する。図21は分散格納部22の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、イベント名を“a”、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”として説明する。
【0093】
データ放送の受信を開始し(Step900)、所定の時間(本例では1分)毎に、視聴履歴をNVRAMに分散して記録する処理を行う(Step901)。
【0094】
まず、TOTから現在時刻を取得する(Step902)。続いて、データ放送から番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”を取得する(Step903)。
【0095】
NVRAMの各ブロックを参照し(Step904)、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在するかを判断する(Step905)。番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”であるブロックが存在する場合には、既に記録した視聴履歴であり、記録する必要がないので、Step901に戻る。
【0096】
また、番組名が“c”で、かつ、放送回数が“d”あるブロックが存在しない場合には、イベント名が“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”であるものが存在するかを判断する(Step906)。存在する場合には、該当するブロックの書き込み回数フィールドの回数を+1増加し、イベント名フィールドにイベント名“a”を書き込み、更新日時フィールドに取得した現在時刻を書き込み、有効期限フィールドに有効期限を書き込む。また、番組ジャンルを“b”、番組名を“c”、放送回数を“d”それぞれ書き込み、更に、視聴回数を+1増加する(Step907)。
【0097】
一方、イベント名を“a”であり、かつ、番組ジャンルが“b”が存在しない場合、nの初期値を1とし(Step908)、書き込み回数がn番目に小さいアドレスを探す(Step909)。尚、書き込み回数が同じ場合は、アドレス順とする。そして、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、でなく、かつ、有効期限外である場合には(Step910)、step907に進む。また、該当アドレスのブロックのイベント名が“a”、もしく有効期限外でない場合には、nを+1増加し(Step911)、step909に進む。
【0098】
このようにして、視聴履歴の記録を、受信機の不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)の複数のブロックに分散して格納するので、受信機のNVRAM(不揮発性メモリ)の寿命になるまでの期間を延ばすことができる。
【0099】
続いて、集計部23の動作を説明する。図21は集計部23の動作フローチャートである。
【0100】
まず、集計部23は、データ放送受信し、ポイント集計の実行が要求されると(Step1000)、NVRAMの各ブロックを参照し、イベント名が“a”であるブロックのアドレスを取得する(Step1001)。
【0101】
次に、取得した全てのアドレスのブロックにおける該当アドレスのジャンルdと視聴回数とをそれぞれ取得する(Step1002)。
【0102】
取得した取得したジャンル別の視聴回数から個人の視聴スタイルを求め、それに応じたデータ放送の表示に利用される。
【0103】
尚、本発明の要旨は、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに情報を分散して格納することであり、この要旨を逸脱しない範囲であれば、上述した実施の形態で説明した方法以外の他の方法でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は実施の形態のブロック図である。
【図2】図2はNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図3】図3は分散格納部22の動作フローチャートである。
【図4】図4は集計部23の動作フローチャートである。
【図5】図5はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図6】図6はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図7】図7はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図8】図8はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図9】図9はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図10】図10はNVRAM格納モジュールの一例を示した図である。
【図11】図11は第2の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図12】図12は第2の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図13】図13は第2の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図14】図14は第3の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図15】図15は第3の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図16】図16は第3の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図17】図17は第4の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図18】図18は第4の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図19】図19は第4の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【図20】図20は第5の実施の形態におけるNVRAMの各のブロックの記述構造を示した図である。
【図21】図21は第5の実施の形態における分散格納部22の動作フローチャートである。
【図22】図22は第5の実施の形態における集計部23の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1 放送局
2 テレビ受信機
11 イベントメッセージ送出部
12 NVRAM格納モジュール送出部
201〜20N NVRAMのブロック
21 受信部
22 分散格納部
23 集計部
24 出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ放送システムであって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有することを特徴とするデータ放送システム。
【請求項2】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項1に記載のデータ放送システム。
【請求項3】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計する集計手段を有することを特徴とする請求項2に記載のデータ放送システム。
【請求項4】
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを送出する手段と、
前記不揮発性メモリの各ブロックに対して、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶するフィールドを備え、
前記分散格納手段は、受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ放送システム。
【請求項5】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項1に記載のデータ放送システム。
【請求項6】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項5に記載のデータ放送システム。
【請求項7】
データ放送方法であって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納することを特徴とするデータ放送方法。
【請求項8】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項7に記載のデータ放送方法。
【請求項9】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計することを特徴とする請求項8に記載のデータ放送方法。
【請求項10】
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを送出し、
前記不揮発性メモリの各ブロックには、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶するフィールドを備え、
受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する
ことを特徴とする請求項8に記載のデータ放送方法。
【請求項11】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項7に記載のデータ放送方法。
【請求項12】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項11に記載のデータ放送方法。
【請求項13】
データ放送のプログラムであって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する処理を受信機に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計する処理を受信機に実行させることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記不揮発性メモリの各ブロックに、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶する処理と、
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを受信し、受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する処理と
を受信機に実行させることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項1】
データ放送システムであって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する分散格納手段を有することを特徴とするデータ放送システム。
【請求項2】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項1に記載のデータ放送システム。
【請求項3】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計する集計手段を有することを特徴とする請求項2に記載のデータ放送システム。
【請求項4】
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを送出する手段と、
前記不揮発性メモリの各ブロックに対して、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶するフィールドを備え、
前記分散格納手段は、受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ放送システム。
【請求項5】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項1に記載のデータ放送システム。
【請求項6】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項5に記載のデータ放送システム。
【請求項7】
データ放送方法であって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納することを特徴とするデータ放送方法。
【請求項8】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項7に記載のデータ放送方法。
【請求項9】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計することを特徴とする請求項8に記載のデータ放送方法。
【請求項10】
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを送出し、
前記不揮発性メモリの各ブロックには、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶するフィールドを備え、
受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する
ことを特徴とする請求項8に記載のデータ放送方法。
【請求項11】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項7に記載のデータ放送方法。
【請求項12】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項11に記載のデータ放送方法。
【請求項13】
データ放送のプログラムであって、
データ放送による情報の記録を、受信機の不揮発性メモリの複数のブロックに分散して格納する処理を受信機に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記データ放送による情報の記録が、イベントメッセージの受信記録であることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
所定の規則に基づいて、分散されて格納されたイベントメッセージの受信記録を集計する処理を受信機に実行させることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記不揮発性メモリの各ブロックに、そのブロックの書き込み回数と、前記イベント識別情報とを少なくとも記憶する処理と、
イベントを識別するイベント識別情報が少なくとも記載されたイベントメッセージを受信し、受信したイベントメッセージのイベント識別情報と、各ブロックのフィールドに記憶されている書き込み回数及びイベント識別情報とを参照し、前記受信したイベントメッセージの受信記録を分散して格納する処理と
を受信機に実行させることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記データ放送による情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる情報の記録であることを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プログラムによる情報の記録が、データ放送で提供されるプログラムによる視聴履歴の記録であることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−21980(P2010−21980A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267357(P2008−267357)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(593119413)讀賣テレビ放送株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(593119413)讀賣テレビ放送株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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