データ転送方法及びシステム

【課題】
データを復号するための鍵及びデータの利用条件に関する所定の情報を連続的にある機器から他の機器へ転送する場合に、両機器の暗号演算に関する負荷を軽減する。
【解決手段】
暗号化されたコンテンツデータを復号するための鍵データと、復号が許容される条件に関する情報を含む所定の情報を一方の装置から他方の装置へ転送する方法において、両方の装置間のデータ転送を制御する処理手段の制御に従って、両方の装置で相互に認証処理を行い、この認証処理過程において共有された鍵データを用いて、一方の装置で所定の情報を暗号化し、予め決められた複数の転送処理方法から、両方の装置間で行なわれる１つの転送処理方法を選択して、その選択された転送処理方法に従って、一方の装置で暗号化された所定の情報を他方の装置へ転送する。他方の装置では、受信した所定の情報を復号化し、この復号化された所定の情報を用いてコンテンツデータを復号化処理することができる。

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【特許請求の範囲】
【請求項１】
暗号化されたコンテンツデータを復号するための鍵データと、該コンテンツデータの利用条件を含む所定の情報を一方の装置から他方の装置へ転送する転送処理方法において、
両方の装置で相互に正当性の認証処理を行い、
該認証処理の過程で得られた共有の鍵データを用いて、一方の装置で該所定の情報を暗号化し、
予め決められた複数の転送処理方法から、両方の装置間で行なわれる１つの転送処理方法を選択し、
該選択された転送処理方法に従って、一方の装置で暗号化された該所定の情報を他方の装置へ転送することを特徴とする転送処理方法。
【請求項２】
前記複数の転送処理方法は、該所定の情報を一方の装置から他方の装置に対して一定方向へ転送する第１転送モードと、該所定の情報を一方の装置と他方の装置との間で双方向に転送する第２転送モード、を含み、
選択されたいずれかの転送モードに従って転送された該所定の情報を受信した側の装置は、該共有の鍵データを用いて該所定の情報を復号化し、該復号化された所定の情報を用いて、取得された該コンテンツデータを復号処理することを特徴とする請求項１の方法。
【請求項３】
暗号化されたコンテンツデータを復号するための鍵データと、該コンテンツデータを復号するための条件を含む所定の情報を一方の装置から他方の装置へ転送する転送処理方法において、
両装置間のデータ転送を制御する処理手段の制御によって、
両方の装置に対して、該装置が持つデータの転送機能に関する問合せを行い、
該問合せの結果、両装置間のデータ転送に関して、該所定の情報の転送を一方の方向へ行なう第１転送モードか、又は該所定の情報の転送を双方向に行なう第２転送モードか、のいずれかの転送モードを設定し、
両方の装置で相互に正当性の認証処理を行い、該認証処理の結果、正当な場合に両方の装置で鍵データを共有し、
該共有された鍵データを用いて、一方の装置で該所定の情報を暗号化し、
該選択された転送モードに従って、一方の装置で暗号化された該所定の情報を他方の装置へ転送することを特徴とする転送処理方法。
【請求項４】
該所定の情報の転送処理時において、該両方の装置は、該所定の情報の処理に関連するトランザクションログを生成して、記憶手段に記憶し、
該正当性の認証処理時に該鍵データが失われた場合、該両方の装置は該記憶手段に記憶された該トランザクションログを参照して共有すべき鍵データを生成し、他方の装置へ送ることを特徴とする請求項３の方法。
【請求項５】
該他方の装置は、該記憶手段に記憶された該トランザクションログを参照して、該トランザクションログに記録されている処理段階情報と該所定の情報の存在状態情報を連結して、該一方の装置へ送信し、
該一方の装置は、受信した情報を検証して、改竄が行われていないことを確認した後、記憶手段に格納された該トランザクションログを参照して、該トランザクションログに記録されている転送前の復号可能条件を、現在存在している所定の情報に上書きすることを特徴とする請求項４の方法。
【請求項６】
前記第２転送モードに設定された場合、前記正当性の認証処理において、
他方の装置は、自身の公開鍵が含まれる証明書を一方の装置へ送信し、
一方の装置では、受信した証明書の正当性を検証して、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である第１チャレンジ鍵を生成し、受信した公開鍵を用いて該第１チャレンジ鍵を暗号化し、生成された暗号化データに自身の公開鍵を含む証明書を連結して、他方の装置に送信し、
他方の装置では、受信した該データを、自身の秘密鍵を用いて復号し、該第１チャレンジ鍵を取得し、かつ、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である第２チャレンジ鍵を生成し、該第２チャレンジ鍵と自身に埋め込まれている公開鍵と連結して、受信した公開鍵で暗号化し、得られた該暗号化データに対して、自身の証明書失効リストを連結し、該連結したデータを受信した第１チャレンジ鍵で暗号化し、該暗号化したデータを該一方の装置へ送信し、
該一方の装置は、受信した該データを該第１チャレンジ鍵で復号し、該証明書失効リスト中にある該リストの発行日情報と自身の証明書失効リストが持つ発効日情報とを比較し、その結果、受信した他方の装置の証明書失効リストの発行日が新しければ、該他方の装置の該証明書失効リストを自らのリストとして更新し、
かつ、復号化したデータから該証明書失効リストを除いたデータを自身の秘密鍵で復号化し、更に、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である０次第１セッション鍵を生成し、先に受信した他方の装置の公開鍵及び第2チャレンジ鍵で暗号化し、暗号化されたデータを他方の装置へ送信し、
他方の装置は、受信した暗号化データを第２チャレンジ鍵で復号し、この復号化データに該一方の装置の証明書失効リストが含まれていた場合は、自らの証明書失効リストを受信した該証明書失効リストにより更新し、かつ、該証明書失効リスト以外の該復号化データを自身に埋め込まれている秘密鍵で復号化し、０次第１セッション鍵を取得することを特徴とする請求項２乃至５のいずれかの方法。
【請求項７】
前記第２転送モードに設定された場合、前記該所定の情報の転送処理において、
該他方の装置は、n次第２セッション鍵を生成し、以前に生成されたn-１次第２セッション鍵と、その時点で最新のm次第１セッション鍵を用いて、該ｎ次第２セッション鍵を暗号化して、該暗号化データを一方の装置へ送信し、
一方の装置は、受信した該暗号化データをその時点で最新のm次第１セッション鍵及びn-１次第２セッション鍵で復号化し、かつ、転送対象となる所定の情報の識別子、転送における自身の役割、送信予定の所定の情報、及び該他方の装置における該所定の情報の記録先アドレスを、トランザクションログに記録し、
かつ、該所定の情報にその利用目的（少なくとも複製、移動、再生のいずれかを含む）を示すパラメータ及びチェックサムを連結し、n次第２セッション鍵と共有鍵で暗号化し、該暗号化されたデータを該他方の装置へ送信し、
該他方の装置は、受信した該暗号化データを共有鍵及びn次第２セッション鍵で復号化し、
該復号化されたデータを該他方の装置内の記憶領域へ記録することをを特徴とする請求項２乃至６のいずれかの方法。
【請求項８】
前記所定の情報は、コンテンツデータの復号化を許容するため条件を含むライセンス情報であって、該ライセンス情報を受信した他方の装置は、該一方の装置から送信され、記憶手段に記憶していた該コンテンツデータを、該ライセンス情報を用いて復号化することを特徴とする請求項１乃至７のいずれかの方法。
【請求項９】
前記一方の装置は、取得したコンテンツデータを記録再生する、記録モジュール及び再生モジュールを有する記録再生装置であり、前記他方の装置は、該記録再生装置に接続されて、該記録再生装置から転送される該コンテンツデータを記憶する記憶装置であり、該所定の情報は該記録再生装置が該コンテンツデータを取得する時に取得され、かつ該記憶装置に記録された該コンテンツデータは該記憶装置から該記録再生装置に転送されて、該再生モジュールで再生されることを特徴とする請求項１乃至８のいずれかの方法。
【請求項１０】
暗号化されたコンテンツデータを復号するための鍵データと、該コンテンツデータを復号するための条件を含む所定の情報を処理して、一方の装置から他方の装置へ転送する処理方法において、
両方の装置で相互に正当性の認証処理を行い、該認証処理の結果、正当な場合に両方の装置で鍵データを共有する認証過程（ａ）と、該共有された鍵データを用いて、一方の装置で該所定の情報を暗号化し、該暗号化された該所定の情報を一方の装置から他方の装置へ転送する転送過程（ｂ）とを有し、
（ａ）該認証処理においては：
他方の装置は、自身の公開鍵が含まれる証明書を一方の装置へ送信し、
一方の装置では、受信した証明書の正当性を検証して、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である第１チャレンジ鍵を生成し、受信した公開鍵を用いて該第１チャレンジ鍵を暗号化し、生成された暗号化データに自身の公開鍵を含む証明書を連結して、他方の装置に送信し、
他方の装置では、受信した該データを、自身の秘密鍵を用いて復号し、該第１チャレンジ鍵を取得し、かつ、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である第２チャレンジ鍵を生成し、該第２チャレンジ鍵と自身に埋め込まれている公開鍵と連結して、受信した公開鍵で暗号化し、得られた該暗号化データに対して、自身の証明書失効リストを連結し、該連結したデータを受信した第１チャレンジ鍵で暗号化し、該暗号化したデータを該一方の装置へ送信し、
該一方の装置は、受信した該データを該第１チャレンジ鍵で復号し、該証明書失効リスト中にある該リストの発行日情報と自身の証明書失効リストが持つ発効日情報とを比較し、その結果、受信した他方の装置の証明書失効リストの発行日が新しければ、該他方の装置の該証明書失効リストを自らのリストとして更新し、
かつ、復号化したデータから該証明書失効リストを除いたデータを自身の秘密鍵で復号化し、更に、一時的な共通鍵暗号化のための鍵である０次第１セッション鍵を生成し、先に受信した他方の装置の公開鍵及び第2チャレンジ鍵で暗号化し、暗号化されたデータを他方の装置へ送信し、
他方の装置は、受信した暗号化データを第２チャレンジ鍵で復号し、この復号化データに該一方の装置の証明書失効リストが含まれていた場合は、自らの証明書失効リストを受信した該証明書失効リストにより更新し、かつ、該証明書失効リスト以外の該復号化データを自身に埋め込まれている秘密鍵で復号化し、０次第１セッション鍵を取得する処理を行ない、
（ｂ）該転送過程においては：
該他方の装置は、n次第２セッション鍵を生成し、以前に生成されたn-１次第２セッション鍵と、その時点で最新のm次第１セッション鍵を用いて、該ｎ次第２セッション鍵を暗号化して、該暗号化データを一方の装置へ送信し、
一方の装置は、受信した該暗号化データをその時点で最新のm次第１セッション鍵及びn-１次第２セッション鍵で復号化し、かつ、転送対象となる所定の情報の識別子、転送における自身の役割、送信予定の所定の情報、及び該他方の装置における該所定の情報の記録先アドレスを、トランザクションログに記録し、
かつ、該所定の情報にその利用目的（少なくとも複製、移動、再生のいずれかを含む）を示すパラメータ及びチェックサムを連結し、n次第２セッション鍵と共有鍵で暗号化し、該暗号化されたデータを該他方の装置へ送信し、
該他方の装置は、受信した該暗号化データを共有鍵及びn次第２セッション鍵で復号化し、
該復号化されたデータを該他方の装置内の記憶領域へ記録する処理を行なう、
ことを特徴とする方法。
【請求項１１】
前記所定の情報には、自身がどのような種類のものに対して出力可能なものであるかを示すフォーマットと、それぞれそれぞれに一意に割り当てられた識別子と、コンテンツデータの利用を制限するための条件を示す情報と、暗号化されたコンテンツデータを解くための鍵データと、関連するコンテンツデータを特定するための識別子と、及びコンテンツの著作権情報が含まれることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかの方法。
【請求項１２】
請求項１乃至１１のいずれかの方法における処理動作をコンピュータ上で実行するためのプログラム。
【請求項１３】
取得されたコンテンツデータを記録再生する第１の装置と、該コンテンツデータを記憶する第２の装置と、及び両装置間のデータ転送を制御するホストと、を有し、該コンテンツデータの復号化を制御する所定の情報を転送する転送システムにおいて、
該ホストの制御によって、両方の装置に対して、該装置が持つデータの転送機能に関する問合せを行う手段と、
該問合せの結果、両装置間のデータ転送に関して、該所定の情報の転送を該第１の装置から該第２の装置に対して一方向に行なう第１転送モードか、又は該所定の情報の転送を該両装置の間で双方向に行なう第２転送モードか、のいずれかの転送モードを設定する手段と、
両方の装置で相互に正当性の認証処理を行い、該認証処理の結果、正当な場合に両方の装置で鍵データを共有する手段と、
該共有された鍵データを用いて、一方の装置で該所定の情報を暗号化する手段と、
該選択された転送モードに従って、一方の装置で暗号化された該所定の情報を他方の装置へ転送する手段とを有することを特徴とする転送システム。

【図１】