説明

データ通信が可能な制御装置および電子カメラ

【課題】装置のゆれに起因する外部機器との不安定な通信状態に適切に対処することのできる信頼性の高いデータ通信制御装置および電子カメラを提供する。
【解決手段】光学系から取り込まれた被写体像を電子的に撮像する電子カメラにおいては、電子カメラの動作制御に用いられるプログラムおよびパラメータ等についての更新用データをメモリカードから読み出し、その際に電子カメラ本体のゆれをセンサにより検出し、検出されたゆれに応じて、更新用データに基づく電子カメラ内のフラッシュメモリ、EEPROM等への書き換え処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部機器とデータ通信が可能な制御装置、および被写体像を電子的に撮像して記録又は再生する電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】良く知られているように電子カメラでは、撮影した画像等を記録するためにカード状で小型の記録媒体(以下、メモリカードという)が用いられている。メモリカードは、当該電子カメラが採用しているインターフェース規格及びフォーマット方式等が同一であれば任意の媒体を使用でき、電子カメラ本体に設けられたカードスロットに装着される。装着されたメモリカードはカードスロットから取り外すことができ、これを他の機器に装着して所要の処理を行なったのち、再び電子カメラに装着して利用できる。例えば、撮影済みの画像が記録されたメモリカードをパーソナルコンピュータ(PC)やビデオプリンタ等のカードスロットに装着し、画像データの複製、フォトレタッチ等の画像処理、および印刷処理等を行なうというのは、ごく一般的な利用方法である。
【0003】メモリカードには、画像データに加えて、プログラムおよびパラメータ等が記録される場合がある。これらは電子カメラ本体の制御動作を司るプログラムや、光学レンズ系の各種調整に用いられるパラメータからなり、これらをメモリカード側から電子カメラ本体側に読み出して実行させることで、電子カメラの機能構成や設定等を変更できる。電子カメラ内部において、例えば、プログラムはフラッシュメモリにて記憶保持され、レンズ調整値などのパラメータはEEPROMにて記録保持される。
【0004】このようにメモリカードを介してプログラム等のデータを扱う従来の電子カメラにおいて次のような問題点がある。例えば、銀塩カメラと同様に操作者が手に保持して使用する電子カメラ本体の「ゆれ」(振動)による瞬断である。瞬断の発生箇所としては、例えば、カードスロット内の(メス)コネクタ部とメモリカードの(オス)コネクタ部との接点や、その他様々な箇所が想定される。
【0005】瞬断が発生すると、たとえば電子カメラ本体とメモリカードとの間のデータ通信に不具合が生じてしまう。これがプログラムやパラメータ等の受信の際に発生した場合、受信したプログラム及びパラメータ等は不正なものとなってしまう。
【0006】このような瞬断の発生問題は、電子カメラのみならず、装置のゆれによるデータ通信の不具合が問題となる様々な制御装置に当てはまる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、その目的は、装置のゆれに起因する外部機器との不安定な通信状態に適切に対処することのできる信頼性の高いデータ通信が可能な制御装置および電子カメラを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0009】(1)本発明の制御装置は、外部機器を接続するための接続手段と、前記接続手段を介して接続された外部機器とデータ通信を行なう通信手段と、装置本体のゆれ量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたゆれ量に応じて前記通信手段によるデータ通信動作を制御する通信動作制御手段と、を具備する。
【0010】(2)本発明の制御装置は、上記(1)に記載のであって、かつ前記通信制御手段は、前記検出手段により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは前記データ通信を中断し、前記ゆれ量が前記所定量を下回ったときに前記中断したデータ通信を再開するよう前記通信手段の動作を制御することを特徴とする。
【0011】(3)本発明の制御装置は、上記(1)又は(2)のいずれか一項に記載の制御装置であって、かつ前記ゆれ量が所定量を超えたことを外部に告知する告知手段をさらに具備する。
【0012】(4)本発明の制御装置は、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の制御装置であって、かつ前記通信手段は、前記データ通信により外部機器からプログラムおよびパラメータを受信することを特徴とする。
【0013】(5)本発明の制御装置は、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の制御装置であって、かつ前記検出手段によるゆれ量検出の動作が、前記通信手段によるデータ通信の動作に連動することを特徴とする。
【0014】(6)本発明の制御装置は、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の制御装置であって、かつ前記通信手段によるデータ通信中に前記検出手段により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは、前記外部機器から受信したデータの正しさを該データ通信の終了後に検証する検証手段を具備する。
【0015】(7)本発明の電子カメラは、上記(1)に記載の接続手段と、通信手段と、検出手段と、通信動作制御手段とを具備し、前記データ通信に基づいて画像の撮影、記録、又は再生に係るプログラム及びパラメータを前記接続部に接続された外部機器から受信することを特徴とする電子カメラである。
【0016】(8)本発明の電子カメラは、光学系から取り込まれた被写体像を電子的に撮像する電子カメラにおいて、電子カメラの動作制御に用いられるデータを記憶する記憶手段と、外部機器と通信するための通信手段と、前記通信手段による外部機器との通信により書き換え用データを受信し、前記記憶手段に記憶されているデータを書き換える書換処理手段と、電子カメラ本体のゆれを検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたゆれに基づいて、前記書換処理手段によるデータ書き換え処理を制御する処理制御手段と、を具備する。
【0017】(9)本発明の電子カメラは、上記(8)に記載の電子カメラであって、かつ前記データは、電子カメラ本体内で実行され、前記被写体像の撮影、記録、又は再生に係る動作プログラムを含むことを特徴とする。
【0018】(10)本発明の電子カメラは、上記(8)又は(9)のいずれか一項に記載の電子カメラであって、かつ前記データは、前記光学系の調整に用いられるパラメータを含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0020】(第1実施形態)第1実施形態は、装置のゆれに起因する外部機器との不安定な通信状態への対処に係る発明を電子カメラに適用したものである。特に本実施形態では、メモリカードに記録されたプログラムおよびパラメータ等を読み出し、電子カメラ本体に記憶されているプログラムおよびパラメータ等を書き換える際に、ゆれの検出に基づく処理制御を行うものである。
【0021】図1は本発明の第1実施形態に係る電子カメラの内部構成を示すブロック図である。システムコントローラ70からの制御による撮影動作に従い、撮影レンズ系11を介して取り込まれた被写体の画像は撮像素子12により電気信号に変換される。変換された電気信号は撮像回路13によりアナログ画像信号に変換されたのち、A/D変換器14によってデジタル画像信号に変換され、バッファメモリ15により一時的に記憶保持される。このデジタル画像信号は、画像表示LCD50によるモニタ表示に供される一方、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)16、RISC−CPU24、圧縮伸長回路40等により種々の画像処理が施され、インターフェース(I/F)21を介してメモリカード20に記録される。圧縮伸長回路40は、デジタル画像データの圧縮を行ったり、圧縮された画像データを伸長するためのものである。着脱式のメモリカード20は小型の記録媒体からなり、カードスロット22に装着される。LCD(液晶表示装置)50は、撮影時におけるモニタ画像の表示や、メモリカード20内の記録画像の再生表示に用いられる。LCD50に画像を表示する際は、ビデオメモリ51から読み出された画像データがビデオ出力回路52によってビデオ画像データに変換される。なお、ビデオ出力回路52から出力されたビデオ画像データは、ビデオ出力用の外部端子53を介して図示しない外部表示装置にも出力可能である。
【0022】操作部73は、操作者がレリーズ操作をしたり、各種モード設定を行うためのスイッチ等から構成される。モードLCD72は、操作部73の操作により設定されたモード等の情報を表示する。
【0023】外部インターフェース(外部I/F)61は、外部入出力端子60を介して接続される外部機器とデータ入出力を行なうためのインターフェースである。外部入出力端子60には、例えばパーソナルコンピュータ等が接続され、メモリカード20内の画像をパーソナルコンピュータ等に転送したり、パーソナルコンピュータ等から画像データを入力したりする。
【0024】システムコントローラ70は、電子カメラの各機器の全体の制御を行うものであり、CISC型のプロセッサからなる。システムコントローラ70は、被写体の撮像時における光量が不足している場合には、ストロボ発光部71に依頼してストロボをオンにして撮影するように制御する。
【0025】また、システムコントローラ70には、自動露光制御のための測光回路74、および、バッファメモリ15の画像データに基づいてコントラスト値を検出し、該コントラスト値に基づき自動焦点制御を行うためのコントラスト検出部17が接続されている。
【0026】電子カメラ本体は電池駆動を基本として構成されており、カメラ電池81から出力された電力が電源部80を介して電子カメラ本体の各部(カメラ回路等)に供給されるものとなっている。
【0027】図2は、フラッシュメモリおよびEEPROMの記憶領域を示す図である。電子カメラ本体に設けられているフラッシュメモリ23の記憶領域は、図2(a)に示すように、書き換え用プログラム部、基本プログラム部、DSPプログラム部、および調整値(パラメータ)部を有している。基本プログラム部、DSPプログラム部、および調整値部には、システムコントローラ70、RISC−CPU24、及びDSP16に供給される動作プログラム及び調整値等のパラメータが記憶されており、これらは、以下に説明する書き換え処理の対象部分である。書き換え用プログラム部には、プログラム書き換えに使用されるモニタプログラム等が記憶される。また、図2(b)に示すように、電子カメラ本体に設けられているEEPROM25には、撮影レンズ系11のレンズ調整値や露光制御のためのシャッタースピード等、種々の調整値がテーブル形式で記憶されている。このEEPROM25が記録する調整値についても、書き換え処理の対象部分である。
【0028】ここで、図3を参照しながら、メモリカードから読み出した書き換え用データに基づく電子カメラ本体内のプログラム等のデータ書き換え処理について説明する。図3はこの書き換え処理の実現構成を示すブロック図である。
【0029】同図に示す書換処理部30は、インターフェース(I/F)21およびバッファ212から構成される。インターフェース21はカードスロット22のコネクタに装着されたメモリカード20と電気的に接続され、同メモリカード20とデータの通信を行う。このデータ通信によってインターフェース21がメモリカード20から受信したデータはバッファメモリ15に一旦記憶される。
【0030】また、書換処理部30は内部バス31を通じてフラッシュメモリ23およびEEPROM25にアクセスし、バッファメモリ15に記憶されている受信データに基づき、これらのメモリに記憶されているデータを書き換える。
【0031】フラッシュメモリ23およびEEPROM25において書き換えられたプログラムおよびパラメータ等を、内部バス31を介して接続されたシステムコントローラ70、RISC−CPU24、DSP16等が、例えば電子カメラの電源投入時等に自動的に読み出して利用することにより、カメラ本体の機能追加や構成変更等が実現される。
【0032】なお、書換処理部30には、書換処理部30による書き換え処理を制御する処理制御部19が接続されている。処理制御部19は、ゆれ検出部18により検出されたゆれが許容量を上回るか否かを判断し、これに応じて書換処理部30を制御する。ゆれ検出部18には、例えば、加速度センサ、たて/よこセンサ等が採用される。加速度センサは、電子カメラ本体の移動(ブレ)加速度を検出し、たて/よこセンサは電子カメラ本体の姿勢変化を検出する。これらが許容値を超えた場合、電子カメラ本体のゆれが許容値を超えたものと判断する。或いは、ゆれ検出部18が自動露光制御や自動焦点制御等において用いられる計測データや、撮影した画像データに基づくデータ演算処理によりゆれ検出を行うように構成してもよい。この場合、電子カメラ本体と被写体とが相対的に動いている場合、ゆれの判断が困難になる。
【0033】さて、本実施形態の電子カメラは、メモリカード20からプログラムおよびパラメータ等の書き換え用データを受信する場合に、装置本体のゆれに応じた書換処理の制御を、以下に説明する第1または第2の動作モードのいずれかにより行うものとなっている。
【0034】図4は、書き換え処理に係る第1の動作モードを示すフローチャートである。第1の動作モードにおいて、処理制御部19は、ゆれ検出部18により検出されたゆれが許容値を超えたときは、書き換え処理を中止する。
【0035】まず、ゆれ検出部18によるゆれ検出動作がONし(ステップS1)、続いて書換処理部30による処理が開始される(ステップS2)。そして、処理制御部19は、ゆれ検出部18により検出された電子カメラ本体のゆれ量が許容値内に収まっているかどうかを判断する(ステップS3)。ゆれ量が許容値内の場合は、書き換え処理の終了判定を行ない(ステップS4)、YESの場合はゆれ検出部18の動作をOFFし(ステップS5)、第1の動作モードを終了する。一方、書き換え処理が未だ終了していない場合(ステップS4=No)は、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0036】ステップS3において、ゆれ量が許容値を超えたと判断された場合は、画像表示LCD50にアラーム(警告)を表示させる(ステップS6)。そして、処理制御部19は、書換処理部30による書換処理を中止させる(ステップ7)。さらに、フラッシュメモリ23およびEEPROM25において書き換えられたプログラム及びパラメータ等を、書き換え処理以前の元のデータに戻しておく(ステップS8)。
【0037】このような第1の動作モードによれば、電子カメラ本体のゆれによって、例えばメモリカード20のコネクタとカードスロット22のコネクタとの接続箇所Cや図示しない内部バス上におけるコネクタ接続箇所においてΔt時間の瞬断が生じ、メモリカード20と電子カメラ本体との間のデータ通信に不具合が生じる状況になった場合でも、検出部18がゆれを検出し、これに応じて処理制御部19が書換処理部30による書換処理を中止するので、フラッシュメモリ23およびEEPROM25がプログラム及びパラメータ等の不正なデータによって書き換えられてしまうおそれがない。
【0038】図5は、書き換え処理に係る第2の動作モードを示すフローチャートである。第2の動作モードにおいて、処理制御部19は、ゆれ検出部18により検出されたゆれが許容値を超えたときは、書き換え処理を中断し、所定時間内にゆれが許容値内に収まったら、中断した書き換え処理を再開するものである。
【0039】まず、ゆれ検出部18によるゆれ検出動作がONし(ステップS11)、続いて書換処理部30による処理が開始される(ステップS12)。そして、処理制御部19は、ゆれ検出部18により検出された電子カメラ本体のゆれ量が許容値内に収まっているかどうかを判断する(ステップS13)。ゆれ量が許容値内の場合は、書き換え処理の終了判定を行ない(ステップS14)、YESの場合はゆれ検出部18の動作をOFFし(ステップS15)、第2の動作モードを終了する。一方、書き換え処理が未だ終了していない場合(ステップS4=No)は、ステップS13以降の処理を繰り返す。
【0040】ステップS13において、ゆれ量が許容値を超えたと判断された場合は、先ず画像表示LCD50にアラームを表示させる(ステップS16)。次に、処理制御部19は、書換処理部30による書換処理を中断させる(ステップ17)。次に、所定時間の経過でタイムアウトするタイマー(図示しない)を作動させる(ステップS17)。続いて、ステップS20においてタイマーがタイムアウトするまでの間、ステップS19によるゆれ量の判定が繰り返される。ステップS20においてタイムアウトした場合は、ステップS21において書換処理を中止させる。さらに、フラッシュメモリ23およびEEPROM25において書き換えられたプログラム及びパラメータ等を、書き換え処理以前の元のデータに戻しておく(ステップS22)。一方、ステップS20におけるタイムアウト前にゆれ量が許容値を下回った場合、ステップS13に以降し、書き換え処理を再開する。
【0041】このような第2の動作モードによれば、検出部18が検出したゆれに応じて処理制御部19が書換処理部30による書換処理を所定時間だけ中断し、その間にゆれが収まったら、中断していた書換処理を再開できる。
【0042】以上説明した第1実施形態の電子カメラによれば、電子カメラ本体にゆれが生じる場合であっても、メモリカード20からの書き換え用データに基づく電子カメラ本体へのプログラム及びパラメータ等の書き換え処理を安全に行うことができる。
【0043】(第2実施形態)図6は、本発明の第2実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御装置200と外部機器100とが通信ケーブル300を介して接続されている。制御装置200は、電源ユニット201、通信部202、ゆれ検出部203、制御部204、記憶部205、主制御部206、および被制御部207により構成されている。電源ユニット201はコネクタ204を介して制御装置200の本体に接続されており、制御装置200の本体に電源を供給する。
【0044】外部機器100は、通信経路300を介したデータ通信により制御装置200に対して種々のデータを提供する。なお、外部機器100が例えばメモリカードにより構成される場合、通信経路300はカードスロットおよびコネクタ等から構成されることになる。また、外部機器100が例えばパーソナルコンピュータ及びUSBインターフェースにより構成される場合、通信経路300はUSBケーブルから構成されることになる。
【0045】通信部202は、通信経路300を介して外部機器100とデータ通信を行う部分である。この通信部202は通信制御部204から装置本体のゆれ量検出に応じた通信動作の制御を受ける。また通信部202は、データ通信により外部機器100から受信したデータを記憶部205に出力する。記憶部205は通信部202が外部機器100から受信したデータを一時的に記憶するためのバッファである。主制御部206は記憶部205が記憶しているデータに基づいて、被制御部207を制御する。
【0046】特に本実施形態では、通信部202は外部機器100からプログラムおよびパラメータを受信する。このプログラムおよびパラメータは主制御部206による制御動作に用いられる。
【0047】ゆれ検出部203は、制御装置200本体のゆれ量を検出する部分であって、例えば加速度センサ、たて/よこセンサなどが利用される。
【0048】通信動作制御部204は、ゆれ検出部203により検出されたゆれ量に応じて通信部202によるデータ通信の動作を制御する。より具体的には、以下に説明するような通信制御を司る。
【0049】本実施形態の制御装置200は、ゆれ検出に応じた通信制御に関する第1、第2の動作モードを有している。まず第1の動作モードにおいて、通信制御部204は、ゆれ検出部203により検出されたゆれ量が所定量を超えたときはデータ通信を中断し、ゆれ量が所定量を下回ったときに中断したデータ通信を再開するよう通信部202の動作を制御する。また、所定量を超えるゆれ量が検出された際には、その旨を例えば図示しない表示装置に表示し、あるいは警告音を発したりすることで外部に告知する。
【0050】より好ましい実施形態では、ゆれ検出部203によるゆれ量検出の動作が、通信部202によるデータ通信の動作に連動するように構成する。具体的には、データ通信の開始を契機にゆれ検出部203が起動され、データ通信の終了に応じてゆれ量検出の動作も終了するようにする。そうすると、ゆれ量検出の動作についての制御装置200への動作負担が幾分軽減される。
【0051】このような第1の動作モードによれば、制御装置200本体のゆれによって例えば通信部200と通信経路300との接続箇所C1や電源ユニット201と電源ケーブル208との接続箇所C2においてΔt時間の瞬断が生じ、制御装置200本体と外部機器100との間のデータ通信に不具合が生じる状況になった場合でも、ゆれ検出部203がゆれを検出し、これに応じて通信制御部204が通信部202によるデータ通信の動作を上述したように制御するので、通信部202が受信する通信データが不正なものとなるのを回避できる。よって、データ通信の信頼性が向上し、該データ通信により得られたデータを利用する主制御部206の動作が安定化する。
【0052】次に、ゆれ検出に応じた通信制御に関する第2の動作モードについて説明する。第2の動作モードは、通信部202によるデータ通信中に、ゆれ検出部203により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは、外部機器100から受信したデータの正しさをデータ通信の終了後に検証するというものである。つまり上記した第1の動作モードとは異なり、第2の動作モードでは制御装置にゆれが生じた場合でもデータ通信を中断しない。
【0053】ただし、第2のモードでは、外部機器100から受信するデータには、例えばその末尾に32ビット程度のチェックサム等、検証の根拠となる情報があらかじめ付加されている必要がある。
【0054】ゆれ検出部203により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは、記憶部205に一時的に記憶されている受信データに基づいてチェックサムを計算する。このチェックサムが受信データの末尾にあらかじめ付加されているチェックサムと一致するかどうかを判定することによって検証を行う。チェックサムが一致しない場合、当該受信したデータは不正であるとみなしてこれを破棄する。このとき、不正データを受信した旨を例えば図示しない表示装置に表示し、あるいは警告音を発したりすることで外部に告知する。これによりデータの受信のやり直しを促す。
【0055】このような第2の動作モードによっても、第1の動作モードと同様にデータ通信の信頼性が向上し、該データ通信により得られたデータを利用する主制御部206の動作が安定化する。
【0056】以上説明した第2実施形態に係る制御装置によれば、装置のゆれに起因する外部機器との不安定な通信状態に適切に対処することができる。
【0057】なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、装置のゆれに起因する外部機器との不安定な通信状態に適切に対処することのできる信頼性の高い電子カメラおよびデータ通信可能な制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子カメラの内部構成を示すブロック図
【図2】フラッシュメモリおよびEEPROMの記憶領域を示す図
【図3】電子カメラ本体内のプログラム等の書き換え処理の実現構成を示すブロック図
【図4】書き換え処理に係る第1の動作モードを示すフローチャート
【図5】書き換え処理に係る第2の動作モードを示すフローチャート
【図6】本発明の第2実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
11…撮影レンズ系
12…撮像素子
13…撮像回路
14…A/D
15…バッファメモリ
16…DSP
17…コントラスト検出部
18…ゆれ検出部
20…メモリカード
21…インターフェース(I/F)
22…カードスロット
23…フラッシュメモリ
24…RISC−CPU
25…EEPROM
30…書換処理部
31…内部バス
40…圧縮/伸長部
50…画像表示LCD
51…ビデオメモリ
52…ビデオ出力回路
53…ビデオ出力端子
60…外部入出力端子
61…外部インターフェース(I/F)
71…ストロボ発光部
72…モードLCD
73…操作部
74…測光回路
80…電源部
81…カメラ電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部機器を接続するための接続手段と、前記接続手段を介して接続された外部機器とデータ通信を行なう通信手段と、装置本体のゆれ量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたゆれ量に応じて前記通信手段によるデータ通信動作を制御する通信動作制御手段と、を具備することを特徴とするデータ通信が可能な制御装置。
【請求項2】 前記通信制御手段は、前記検出手段により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは前記データ通信を中断し、前記ゆれ量が前記所定量を下回ったときに前記中断したデータ通信を再開するよう前記通信手段の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】 前記ゆれ量が所定量を超えたことを外部に告知する告知手段をさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】 前記通信手段は、前記データ通信により外部機器からプログラムおよびパラメータを受信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】 前記検出手段によるゆれ量検出の動作が、前記通信手段によるデータ通信の動作に連動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】 前記通信手段によるデータ通信中に前記検出手段により検出されたゆれ量が所定量を超えたときは、前記外部機器から受信したデータの正しさを該データ通信の終了後に検証する検証手段を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】 請求項1に記載の接続手段と、通信手段と、検出手段と、通信動作制御手段とを具備し、前記データ通信に基づいて画像の撮影、記録、又は再生に係るプログラム及びパラメータを前記接続部に接続された外部機器から受信することを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】 光学系から取り込まれた被写体像を電子的に撮像する電子カメラにおいて、電子カメラの動作制御に用いられるデータを記憶する記憶手段と、外部機器と通信するための通信手段と、前記通信手段による外部機器との通信により書き換え用データを受信し、前記記憶手段に記憶されているデータを書き換える書換処理手段と、電子カメラ本体のゆれを検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたゆれに基づいて、前記書換処理手段によるデータ書き換え処理を制御する処理制御手段と、を具備することを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】 前記データは、電子カメラ本体内で実行され、前記被写体像の撮影、記録、又は再生に係る動作プログラムを含むことを特徴とする請求項8に記載の電子カメラ。
【請求項10】 前記データは、前記光学系の調整に用いられるパラメータを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の電子カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2002−118783(P2002−118783A)
【公開日】平成14年4月19日(2002.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−307827(P2000−307827)
【出願日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】