説明

データ通信装置

【課題】データ通信装置において複数のキーが近接している状態であっても、過去の経験に基づかず、誤入力しやすいキーが選択された場合その旨を表示・警告することにより誤入力を防止すること。
【解決手段】表示画面の設定を操作する操作部材と、複数の入力部材と、前記入力部材の中、前記操作部材の隣に位置する入力部材の選択を検知する検知手段と、該検知手段の検知に応じて前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行う警告手段と、を有することを特徴とするデータ通信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
データ通信装置に係り、特に誤入力防止に関する。
【背景技術】
【0002】
画像やテキスト文等の情報を送信する手段として通信手段を搭載したファクシミリ(FAX)や複合多機能端末(MFP:MultiFunctionPeripheral)等が従来知られている。
【0003】
これらの通信手段を有する機器は近年小型化が進み各種操作キーや入力キーはそれに伴って小型化し、複数のキーが近接した状態で混在しているため、意図しないキーを間違って操作してしまうという問題点が顕著になってきた。
【0004】
このような問題点を解決する方法として、例えば、新たな宛先コード入力に対しすでに入力され記憶された宛先コードから類似コードを抽出し、入力されたコードと記憶されたコードとを比較し、類似している場合は表示部に入力誤りの警告を行うデータ通信装置(例えば、特許文献1参照。)、また、削除修正操作が加わったすでに入力された誤入力を記憶学習し、新たな入力時に誤入力記憶学習結果に基づきキー操作の受付範囲を制限するキーボード装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開2003−258983号公報
【特許文献2】特開2000−66817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記された技術は、過去の入力内容あるいは誤操作内容を記憶しておき、記憶内容と新たな入力内容を比較し、新たな入力が過去の入力内容や誤操作内容と同様なもので有れば警告するというもので、入力が過去にない新たなものであった場合は警告できない可能性があるという問題点があった。
【0006】
また、従来のタッチパネル等で構成された数字キー、アルファベットキー(平仮名キー)等により各種入力操作が行われる入力手段においては、例えば意図する入力が完了しエンターキー等で入力内容を登録する際に、エンターキー近傍の意図しない入力キーを操作してしまったような場合、これによる誤入力が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
特にFAXやMFPやEメールにおいて送信先を選択する場合、操作キー(エンターキー、ページ遷移キー等)を操作する時に意図しない送信先入力キーを誤入力してしまった場合、意図しない送信先に情報が送信されてしまうという問題点があった。
【0008】
以下本発明の説明をわかりやすくするため、従来の送信先の選択方法について説明する。
【0009】
図1は、タッチパネル等で構成される入力手段に表示される送信宛先選択画面の一例を示す模式図である。
【0010】
以下ソフト的処理により表示が行われるタッチパネルから情報の送信先を選択する場合を例にとって説明する。
【0011】
データ通信装置において、操作指示及び各種入力が行われる不図示の入力手段はタッチパネル等で構成され、送信宛先選択画面1000に複数の入力部材である送信先選択キー1001と、操作部材である操作キー1002とが表示される。
【0012】
ユーザーは所定のタイミングでこれらを操作して送信したい情報の送信先を選択入力する。
【0013】
このような送信先選択手段においては、例えば意図する送信先選択キーの入力操作(例えば0201キー1003のON)が完了し、操作キー(例えば完了キー1004)等で入力内容の登録をする際に、完了キー1004の隣の意図しない送信先選択キー(例えば0210キー1005)を操作してしまう可能性がある。
【0014】
このような場合、意図する0201キー1003と意図しない0210キー1005の両者が送信先として入力され、意図しない送信先に情報が送信されてしまう。
【0015】
ここで、誤操作しやすい操作キー1002の隣の特定位置に位置する送信先選択キーを特定位置送信先選択キー1009と記す。
【0016】
また、複数の送信先に情報を送信する場合(特に、同じ情報を複数の送信先に送信する同報送信の場合)に、同一画面内に希望する送信先選択キーが無い時には別の画面を見るために操作キー(例えば画面遷移キー〈前・後画面キー1006、1007〉)を操作して例えば不図示の前画面を読み出す。このとき前画面キー1006の隣の意図しない送信先選択キー(例えば0211キー1008)を操作してしまう可能性がある。
【0017】
この場合、意図する送信先以外に意図しない0211キー1008が入力され、意図しない送信先に情報が送信されてしまう。
【0018】
図2は、入力手段に設けられたハード的な送信先選択パネルの一例を示す模式図である。
【0019】
ハード的な送信先選択パネル1100を用いて送信先を選択する場合について説明する。
【0020】
上述したタッチパネルの場合と同様、例えば複数の送信先に情報を送信する場合、同一パネル内に希望する送信先選択キーが無い場合は別のパネルを見るためにパネル遷移取手1101を操作して例えば前パネルに切り替える。このときパネル遷移取手1101の隣の意図しない送信先選択キー(例えば013キー1102)を操作してしまったような場合、これによる誤入力が発生してしまう。
【0021】
本発明は上述したような問題点に鑑み、複数のキーが近接している状態であっても、また過去の経験に基づかず、誤入力しやすいキーが選択された場合その旨を表示・警告することにより誤入力を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
データとは絵及びテキスト文又はそのいずれかを含む情報を意味する。
【0023】
隣とは任意の位置に接する上下・左右・斜めのすべての位置を指し、特定位置とは操作部材である操作キー(例えばエンターキー、改頁キー等の操作を選択するキー)の隣を指す。
【0024】
本発明は、入力されたキー(送信先選択キー)が特定位置に位置するキーであるか否かを判断し、特定位置に位置するキー入力である場合は誤入力の可能性有りと判断して送信先選択キーの内容を表示しユーザーに警告するもので、本発明の目的は下記構成により達成することができる。
【0025】
(1)表示画面の設定を操作する操作部材と、複数の入力部材と、前記入力部材の中、前記操作部材の隣に位置する入力部材の選択を検知する検知手段と、該検知手段の検知に応じて前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行う警告手段と、を有することを特徴とするデータ通信装置。
【0026】
(2)前記警告手段は、前記検知手段の検知時に、前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする(1)項に記載のデータ通信装置。
【0027】
(3)前記警告手段は、前記検知手段の複数の検知時に逐次前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする(1)項に記載のデータ通信装置。
【0028】
(4)前記警告手段は、前記検知手段の複数の検知後に前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする(1)項に記載のデータ通信装置。
【0029】
(5)前記入力部材は、情報の送信先を選択する送信先選択部材であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【0030】
(6)前記入力部材は1操作で情報の送信先を選択するワンタッチキーであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【0031】
(7)前記警告手段による前記警告の後、前記入力部材の選択を解除する解除手段を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【発明の効果】
【0032】
データ通信装置において、誤入力しやすい位置(特に操作キーの隣)に有る送信先選択キー(特にワンタッチキー)が意図せずに選択された場合でも、ユーザーが情報を実際に送信する前に、その旨を表示・警告するので、過去のキー操作に係る記憶がない場合でも間違った送信先に情報を送信することが防止可能となる。
【0033】
特に、複数の入力操作が行われても逐次入力部材の誤入力の可能性に係る警告が行われるので早期に誤入力の防止が可能となる。
【0034】
また、同報送信のように複数の入力操作が行われた場合全ての入力操作後に一括して入力部材の誤入力の可能性に係る警告が行われるので、一括りの送信先として間違うこともなく、効率的に誤入力の防止が可能となる。
【0035】
また、誤入力が判明した場合意図しない誤入力を削除あるいは修正可能としたので、意図した送信先にのみ情報の送信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。各図において、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0037】
データ通信装置は、操作部材と、複数の入力部材と、該入力部材の中、特定位置に位置する入力部材の選択を検知する検知手段と、該検知手段の検知に応じて入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行う警告手段と、を有している。
【0038】
図3は、データ通信装置の宛先の選択に係る構成のブロック図である。
【0039】
図4はROMに記憶された特定位置キーテーブルの概念図である。
【0040】
図1、3及び4を参照してデータ通信装置100の構成について詳細に説明する。
【0041】
表示手段102は制御手段101により制御されるタッチパネル等で構成されており、例えば前述した図1に示す送信宛先選択画面1000にある複数の入力部材である送信先選択キー1001及び入力部材に接して操作部材である操作キー1002を表示し、これらが操作された場合は操作状態を制御手段101に出力する。また、後述する送信宛先確認画面等を表示する。
【0042】
ここで、操作部材とは表示画面の設定を操作するためのキーであり、例えば図1における操作キー1002が挙げられる。
【0043】
以下、入力部材を、送信先選択キーあるいは単に入力キーとも記す。
【0044】
ここで、送信先選択キー1001は情報の送信先を選択するもので、更に、それぞれが1操作で情報の送信先を選択可能なワンタッチキーであることが好ましい。
【0045】
検知手段であるキー検知手段103は特定位置に位置する入力部材の選択を検知して操作状態を制御手段101に出力する。
【0046】
原稿読取手段104はスキャナー等で構成され、原稿の画像情報を読み取りデジタル化してデジタル画像情報をRAM107に記憶させる。
【0047】
通信手段105はインターネットやLAN(ローカルエリアネットワーク)の入出力端末で構成され、インターネットやLANを介して接続された不図示のFAXやMFPやパーソナルコンピュータ(PC)等の中、表示手段102により選択された送信先に、原稿読取手段104等で読み込んだデジタル画像情報を送信する。
【0048】
また、インターネットやLANを経由して送信された画像情報を受信する。この場合は、通信手段105は表示手段102により選択された送信先に受信した画像情報を送信する。
【0049】
ROM(リードオンリーメモリ)106にはデータ通信装置100の制御プログラム及び、各種テーブル類例えば特定位置に位置する特定位置送信先選択キー1009が記憶された図4に示す特定位置キーテーブル1099等、があらかじめ記憶されている。
【0050】
RAM(ランダムアクセスメモリ)107はバッテリーバックされており、データ通信装置の制御プログラムがROM106から読み出されて記憶され、制御手段101により該プログラムが逐次読み出されてデータ通信装置100の制御が行われる他、読み込んだデジタル画像情報や通信手段で取得したデジタル画像情報等を記憶する等、一時的な記憶が行われる。
【0051】
不図示の個人認証取得手段はユーザーの個人認証情報を取得可能で、取得した個人認証情報をRAMに記憶させる。
【0052】
警告手段である誤入力監視手段108は、入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うもので、入力された送信先選択キーが図4の特定位置キーテーブル1099に記憶されている送信先選択キーであるか否かを判断し、記憶されている場合(特定位置に位置する送信先選択キーである場合)は誤入力の可能性有りと判断して、入力された送信先選択キーの名称を表示手段102に表示させユーザーに警告する。なお、この誤入力の可能性に係る警告は図5、6、7、9、及び10を参照して後に詳しく説明する。
【0053】
ここで、警告手段108はキー検知手段103の検知時、即ち特定位置に位置する入力部材の選択を検知時に入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行う。
【0054】
これにより、誤操作しやすい入力操作が行われた時入力部材の誤入力の可能性に係る警告が行われるので誤入力の防止が可能となる。
【0055】
また、警告手段108はキー検知手段103の複数の検知時に逐次、即ち特定位置に位置する入力部材の選択を検知毎に入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行っても良い。
【0056】
これにより、複数の入力操作が行われても逐次入力部材の誤入力の可能性に係る警告が行われるので早期に誤入力の防止が可能となる。
【0057】
また、警告手段108はキー検知手段103の複数の検知後に、即ち特定位置に位置する入力部材の選択を複数検知後にまとめて入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行っても良い。
【0058】
これにより、同報送信のように複数の入力操作が行われた場合全ての入力操作後に一括して入力部材の誤入力の可能性に係る警告が行われるので、一括りの送信先として間違うこともなく、効率的に誤入力の防止が可能となる。
【0059】
また、警告手段108は不図示の個人認証取得手段により取得されRAMに記憶された個人認証情報に基づき、個人認証取得を行った個人別に入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行っても良い。
【0060】
これにより、認証されたユーザー個人のみに関する誤入力の可能性に係る警告が行われるので、ユーザーはデータ通信装置を利用する全員の誤入力の可能性に係る警告をチェックする必要が無く、効率的に誤入力の防止が可能となる。
【0061】
不図示の解除手段は、警告手段108による警告後、入力部材の選択を解除可能となっている。
【0062】
これにより、誤入力が判明した場合意図しない誤入力を削除あるいは修正可能としたので、意図した送信先にのみ情報の送信が可能となる。
【0063】
不図示の誤入力記憶手段は解除手段により行われた入力部材の選択削除回数を記憶しRAMに記憶させる。
【0064】
また、警告手段108はRAMに記憶された入力部材の選択削除回数が指定値以上になった場合、入力部材の誤入力の可能性に係る特に強い警告を行っても良い。
【0065】
これにより、指定された回数以上誤入力が行われると特に強い警告が行われるので誤入力の防止が可能となる。
【0066】
制御手段101はCPUを有し、上述した制御及び後述するフローに係る制御を行う。
【0067】
以上の構成により、誤入力しやすい特定位置に有る送信先選択キーが選択された場合、ユーザーが情報を実際に送信する前に、その旨を表示・警告するので、過去のキー操作に係る記憶がない場合でも間違った送信先を設定したことに気づくことが可能となり、更に誤送信先を削除可能としたことで意図しない送信先に情報を送信することが防止可能となる。
【0068】
以下図3及び5〜13を参照してデータ通信装置100の作用について説明する。
【0069】
図5はデータ通信装置の送信先誤入力の防止に係るフロー図である。
【0070】
このフローは送信先選択キーが選択された場合に送信先の誤選択可能性有無判断を行うフローで、送信先登録件数が1未満の場合は送信先が選択された時に送信先誤選択可能性有無判断を行い、通常行われる1送信先への送信に適用される。
【0071】
また、送信先登録件数が2件以上の場合は複数の送信先が選択された時に送信先の誤選択可能性有無判断を行い、特に同内容の情報を複数の送信先に送信する場合(例えば同報送信)に適用される。
【0072】
1、送信情報の取得:図3の原稿読み取り手段104で絵やテキストデータ等を含む原稿の読み取りが行われると、制御手段101はアナログ画像情報をA/D変換、画像処理等を行い、デジタル画像情報としてRAM107に記憶させる。また、通信手段105により画像情報を受信した場合は受信したデジタル画像情報をRAM107に記憶させる(ステップS101)。
【0073】
2、送信情報の宛先登録:制御手段101はROM106から図1に示した送信宛先選択画面の画像データを読み込み送信宛先選択画面1000を表示手段102に表示させる。
【0074】
そして、入力部材である送信先選択キー1001の選択に次いで操作部材である完了キー1004が操作されると、選択された送信先選択キー(例えば0201キー1003、0210キー1005等)をRAM107に記憶させる(ステップS102)。
【0075】
ここで、表示画面(例えば4/10ページ)に意図する送信先選択キーが無い場合は操作部材である前/後画面キー1006、1007で必要な画面に遷移させ、遷移先画面で同様にして送信先を選択でき、選択した送信先選択キーを記憶する。
【0076】
なお、図1に示した送信宛先選択画面に対応するものとして図2に図示したハード的な送信先選択パネルとしても良い。この場合は、送信先選択パネル1100で入力部材である送信先選択キー1001の中から選択された送信先選択キー(例えば001キー)に次いで不図示の完了キーが押されると、選択された送信先選択キー(例えば001キー)をRAM107に記憶させる。当該パネルに意図する送信先選択キーが無い場合は操作部材であるパネル遷移取手1101で必要なパネルに切り替え、切り替え先パネルで同様にして送信先を選択できる。
【0077】
なお、ステップS101、102において、不図示の個人認証手段で取得したユーザーの個人認証情報にステップS101で記憶したデジタル画像情報と、ステップS102で記憶した選択した送信先選択キーとを対応づけてRAMに記憶しても良い。
【0078】
3,宛先登録件数判断:ステップS102で行われた送信先選択キー1001の選択件数が1件未満の場合(yes)は1件毎に送信先誤選択可能性有無判断を行うフローに進むため次ステップに進み、以上の場合(no)は複数の送信先が選択された時に送信先誤選択可能性有無判断を行うフローに進むためステップS204に進む(ステップS103)。
【0079】
なお、この分岐は複数の送信先に同じ情報を送信する不図示の「同報送信キー」が選択された場合に2件以上(yes)と判断してステップS204にジャンプさせることもできる。
【0080】
制御手段101は警告手段108に下記ステップS104〜S108、S204〜S108の入力部材の誤入力の可能性に係る警告処理を行わせる。なお、特に物としての警告手段を有せず制御手段101が行っても良い。
【0081】
4、送信先誤選択可能性有無判断:送信先選択キー(例えば0210キー1005)が1件選択されると、制御手段101はROM106から前述した特定位置送信先選択キー1009が記憶された図4の特定位置キーテーブル1099を読み出す。そして、特定位置送信先選択キー1009に入力された送信先選択キー(例えば0210キー1005)が含まれているか否かを比較する。そして含まれている場合(yes)は誤送信可能性有りと判断し、含まれていない場合(no)は誤送信可能性無しと判断する(ステップS104)。
【0082】
5、比較した結果、誤送信可能性有りの場合(yes)はステップS106へ歩進し、誤送信可能性無しの場合(no)はステップS109へジャンプする(ステップS105)。
【0083】
例えば0210キー1005が選択されていると特定位置キーテーブル1099に含まれているのでyesとなる。また、例えば0201キーが選択されていると特定位置キーテーブル1099に含まれていないのでnoとなる。
【0084】
図6は、送信宛先確認画面の図である。
【0085】
図7は送信先が追加された送信宛先確認画面の図である。
【0086】
6,誤選択警告出力:誤送信可能性有りの判断によりROM106から図6(a)に示す第1の送信宛先確認画面2000を表示する第1の送信宛先確認画面表示情報を読み出す。そして、ステップS102において選択・記憶された送信先選択キーデータを追加し(はめ込み)、表示手段102に図6(b)に示す第2の送信宛先確認画面2100を表示する。
【0087】
例えば送信先選択キーデータとして0210キーが記憶されている場合は第2の送信宛先確認画面に0210キー2103を表示する(ステップS106)。
【0088】
また、送信先選択キーデータとして0201キーが記憶されている場合は第2の送信宛先確認画面に0201キーを表示する
なお、図示するように送信先選択キー名称と電話番号と宛先名等と、を表示すればより好ましい。この場合はROM106に各送信先選択キーに対する宛先名と電話番号等とをそれぞれ記憶した、不図示の送信先選択キー/宛名対応テーブルを予め記憶させ、本ステップで送信宛先確認画面の表示時に送信先選択キー/宛名対応テーブルを参照することにより可能となる。
【0089】
また、特定位置キーテーブル1099に含まれている送信先選択キー(例えば0210キー)を表示する時は図示したように強調文字(例えば網掛)にして表示するとなお良い。
【0090】
7、送信先解除受付:ユーザーは第2の送信宛先確認画面2100を見て誤操作を行ったか否かを検討する。そしてもし意図しない送信先が表示されている場合は削除キー2102を押す。
【0091】
制御手段101は削除キー2102を監視し削除キー2102が押されると、当該入力(例えば0210キー2103)を削除してよいか否かを確認する削除確認枠3100を含む図7に示す第3の送信宛先確認画面3000を表示する。
【0092】
例えば、表示された送信先選択キーが0210キー2103の場合、第3の送信宛先確認画面3000には、第2の送信宛先確認画面2100の上に、0210キー2103を削除するか否かを確認する削除確認枠3100を追加表示する。
【0093】
OKキー3101が押された場合は誤操作と判断され当該送信先を送信先から削除(解除)する。また、意図する送信先選択キー(例えば0201キー)が入力されている場合は削除せず例えば0201キーを確定した送信先として記憶する。
(ステップS107)。
【0094】
なお、図7に図示したように、意図しない送信先選択キー(例えば0210キー2103)しか登録されていない場合は一旦削除して、再度送信先選択キーの選択(修正)を行う。
【0095】
また、ステップS101、102で個人認証を行い、個人認証情報に対応づけられたデジタル画像情報と送信先選択キー情報が有る場合は、ステップS106、107において個人認証を行ったユーザーに係る第2の送信宛先確認画面2100と第3の送信宛先確認画面3000とを表示する。
【0096】
これは、各個人認証情報別に第2の送信宛先確認画面2100と第3の送信宛先確認画面3000を表示する画像情報とをそれぞれ記憶し、ステップS101、102で行った個人認証に基づきこれを参照することで可能となる。
【0097】
図8は誤入力を行った入力部材の記憶テーブルである。
【0098】
8、誤入力を行った入力部材の記憶テーブル4000には誤入力キー(例えば0210キー)と、各誤入力キー毎の削除回数の積算値(例えば10回)が記憶される。
【0099】
制御手段101は、各送信先選択キーについてステップS107において誤入力と判断され削除されると、不図示の誤入力カウンタに削除回数カウントさせ、誤入力積算回数として誤操作を行った入力部材の記憶テーブル4000に記憶させてもよい。(ステップS108)。
【0100】
9、送信先に情報送信実行:制御手段101はステップS107で確定した送信先(例えば0201キー、あるいは0201キーと0207キー)に、ステップS101で記憶したデジタル画像情報を読み出して対応付け、通信手段105に送信させる(ステップS109)。
【0101】
以上により前記警告手段は入力部材の誤入力の可能性に係る警告、特に操作に係るキーの操作時に意図しない送信先選択キーを誤操作してしまうということに対する警告、を行うことが可能となり、ユーザーによる誤入力を防止することが可能となる。
【0102】
以下に、複数の送信先選択キーが選択された場合、送信先誤選択可能性有無判断を行うフロー(同報送信のように同一の情報を複数の宛先に送信する場合に対応)について説明する。
【0103】
例えばステップS102において、意図する送信先0201キー1003と0207キー以外に、完了キー1004の操作時に意図しない0210キー1005が間違って押され、0201キー1003と0210キー1005とが記憶された場合について説明する。
【0104】
10、送信先誤選択可能性有無判断:RAM107に送信先選択キー(例えば0201キー、0207キー、0210キー)が記憶されると、制御手段101はROM106から前述した特定位置キーテーブル1099を読み出し、特定位置送信先選択キー1009に送信先選択キー(例えば0201キー、0210キー)が含まれているか否かを比較する。そして含まれている場合(yes)は誤送信可能性有りと判断し、含まれていない場合(no)は誤送信可能性無しと判断する。(ステップS204)。
【0105】
11、比較した結果、誤送信可能性有りの場合(yes)はステップS206へ歩進し、誤送信可能性無しの場合(no)はステップS109へジャンプする(ステップS205)。
【0106】
図9は、送信宛先確認画面に関する図である。
【0107】
図10は送信先が追加された送信宛先確認画面の図である。
【0108】
12,誤選択警告出力:誤送信可能性有りの判断により制御手段101はROM106(RAM)から図9(a)に示す第1の送信宛先確認画面2000を表示する第1の送信宛先確認画面表示情報を読み出して、ステップS102において記憶された送信先選択キーデータを追加し(はめ込み)、図9(b)に示す第2の送信宛先確認画面2100を表示する。
【0109】
例えば送信先選択キーデータとして0201キーと0210キーと0207キーが記憶されている場合は第2の送信宛先確認画面に0201キー2104と0207キー2105と0210キー2103とを表示する(ステップS206)。
【0110】
13、送信先解除受付:ユーザーは第2の送信宛先確認画面2100を見て誤操作を行ったか否かを検討する。そしてもし意図しない送信先が表示されている場合は矢印キー2101を操作して意図しない送信先にカーソル(強調文字部)を合わせて削除キー2102を押す。
【0111】
制御手段101は削除キー2102を監視し削除キー2102が押されると、当該入力を削除してよいか否かを確認する削除確認枠3100を含む図10に示す第3の送信宛先確認画面3000を表示する。
【0112】
OKキー3101が押された場合は誤操作と判断し当該送信先を送信先から削除(解除)し、OKキー3101が押された当該入力(例えば0210キー2103)を誤操作送信先選択キーとしてRAMに記憶し、ステップS108にジャンプする(ステップS207)。
【0113】
例えば、表示された送信先選択キーが0210キー2103と0201キー2104と0207キー2105の場合、第3の送信宛先確認画面3000には、第2の送信宛先確認画面2100の上に、0201キー2104、0207キー2105及び0210キー2103を削除するか否かを確認する削除確認枠3100を追加表示する。
【0114】
図11は誤入力キーの登録方法のフロー図である。
【0115】
次に図11を参照して、誤入力キーの登録方法について説明する。
【0116】
このフローは前述したフローにおいて送信先選択キーの入力が削除された場合、削除回数をカウントして所定の回数を超えた場合に当該入力キーを不図示の誤入力記憶手段に登録し、特に強い警告を可能とするものである。
【0117】
1、ステップS107において削除実行?:制御手段101はステップS107において削除が実行されたか否かを監視して削除された場合(yes)は次ステップに歩進する、されていなければ(no)エンドにジャンプする(ステップS301)。
【0118】
2、削除された送信先は誤入力記憶手段に記憶されているか?:削除された当該送信先選択キー(送信先)が誤入力記憶手段に記憶(仮登録)されているか否かを確認し、されていれば(yes)ステップS307にジャンプし、されていなければ(no)次ステップに歩進する(ステップS302)。
【0119】
3、誤入力記憶手段に仮登録:誤入力記憶手段に削除された当該送信先選択キー(送信先)を記憶(仮登録)する(ステップS303)。
【0120】
4、削除回数と指定値の比較:記憶(仮登録)された当該送信先選択キー(送信先)の削除回数と予め決められた指定回数とを比較する(ステップS304)。
【0121】
5、削除回数>指定値?:指定回数より削除回数の方が多ければ当該送信先選択キーを誤入力しやすい送信先選択キー(送信先)と判断して誤入力記憶手段に本登録して終了する(ステップS305)。
【0122】
なお、本登録された場合、例えば本登録された送信先選択キーを表示する際に強調させたり、登録された送信先選択キーが選択された場合より強い強調表示をさせたり、不図示の音声出力手段により音声警告(例えば「誤って入力された送信先がある可能性があります、送信先を確認してください」等)する等を行うようにしても良い。具体的には、例えば図1の送信宛先選択画面1000の当該送信先選択キーの強調表示。第2の送信宛先確認画面2100、第3の送信宛先確認画面3000における送信先選択キーの強調表示等を行う。
【0123】
7、削除回数カウントアップ:ステップS302で(yes)と判断されると当該送信先選択キー(送信先)の削除回数をカウントアップする(ステップS307)。
【0124】
以上により特に誤入力の多い送信先選択キーを誤入力記憶手段に人手を煩わさずに本登録でき、例えば本登録された送信先選択キーを表示する際に強調させたり、登録された送信先選択キーが選択された場合より強い強調表示をさせたり、音声警告する等、ユーザーにより強い警告を行うことが可能となる。
【0125】
図12は誤入力キーの登録解除方法のフロー図である。
【0126】
このフローは前述した誤入力記憶手段に本登録された送信先選択キーを誤操作率が向上した場合に自動的に削除するものである。
【0127】
1、全ての誤入力キー毎の各削除カウント数の読み出し:図8の誤入力を行った入力部材の記憶テーブル4000を参照して全ての誤入力キー毎の各削除カウント数を読み出す(ステップS401)。
【0128】
2、全誤入力キーの削除回数累積値の算出:全ての誤入力キーの各削除カウント数の総和(累積値)を算出する(ステップS402)。
【0129】
3、(各誤入力キー毎の誤入力積算回数値)/(全誤入力キーの削除回数累積値)を算出:ステップS402で算出した、全ての誤入力キーの各削除カウント数の総和(累積値)に対する、ステップS401で取得した全ての誤入力キー毎のうち、任意の誤入力キーの削除カウント数(即ち任意の誤入力キーの誤入力積算回数値)、の割合を各誤入力キー毎に算出する(ステップS403)。
【0130】
4、算出値<設定値?:各誤入力キーの割合算出値と予め決められた設定値とを比較して算出値より設定値が多い場合(yes)はステップS405に歩進し、未満の場合はエンドにジャンプする(ステップS404)。
【0131】
5、当該入力部材の誤入力記憶手段登録解除:算出値より設定値が多い場合(yes)は当該誤入力キーの誤入力率が減少したと判断して誤入力記憶手段から当該入力部材の本登録を解除し終了する(ステップS405)。
【0132】
これにより誤入力記憶手段から送信先選択キーを自動的に解除でき、人手を煩わさずに強調表示等の警告を中止できる。
【0133】
図13は誤入力キー情報の個人別登録登録方法のフロー図である。
【0134】
このフローは図5を参照して説明した誤選択警告をユーザー単位で行おうとするものである。具体的には、各ユーザー毎に個人認証情報を設定しておき、個人認証情報を入力することにより各個人単位で入力部材の誤入力情報を記憶しておくことにより、各個人レベルで図6、7、8、9又は10に示す送信宛先確認画面を表示し警告を可能とするものである。
【0135】
1、個人認証取得:不図示の個人認証取得認証手段によりユーザーの個人認証情報を取得し、個人認証情報をRAMに記憶する(ステップS601)。
【0136】
2、送信情報の取得工程、送信情報の宛先登録工程:ステップS601で個人認証を受けたユーザーにより送信情報の取得及び送信情報の宛先登録が行われると、送信情報と宛先と個人認証情報が対応づける。詳細は前述したステップS101と102と同様なので説明を省略する(ステップS602、603)。
【0137】
3、宛先登録件数判断n≦1件?:詳細は前述したステップS103と同様なので説明を省略する(ステップS604)。
【0138】
4、個人別送信先誤選択可能性有無判断:個人認証情報毎に送信情報の宛先登録件数がカウントされる。詳細は前述したステップS104と同様なので説明を省略する(ステップS605)
5、誤送信可能性有無:詳細は前述したステップS105と同様なので説明を省略する(ステップS606)。
【0139】
6、個人別誤選択警告出力、送信先解除受付、解除回数をカウント・記憶:ユーザーはステップS601で行った個人認証に基づき、表示されたユーザー個人の第2の送信宛先確認画面2100及び第3の送信宛先確認画面3000に従い誤入力した送信先選択キーの削除に係る操作を行う。
【0140】
これは制御手段が、誤入力を行った入力部材の記憶テーブル4000を個人認証を行ったA氏、B氏、・・・の各個人認証情報に対してそれぞれ作成してRAMに記憶すること、また、第2の送信宛先確認画面2100と第3の送信宛先確認画面3000とを表示する各表示情報を、個人認証を行ったA氏、B氏、・・・の各個人認証情報に対してそれぞれ作成してRAMに記憶し、ステップS106、107、108と同様なタイミングで表示することで可能となる。
【0141】
詳細は前述したステップS106、107、108と同様なので説明を省略する(ステップS607、608、609)。
【0142】
7、送信先に情報送信実行:詳細は前述したステップS109と同様なので説明を省略する(ステップS610)。
【0143】
8,なお、ステップS705、706、707、708は、上述したように個人認証情報毎に処理が行われが、ステップS204、205、206、207と同様なので説明を省略する。
【0144】
これにより、各ユーザー毎に入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことが可能となる。具体的には、データ通信装置を使うユーザー全ての入力部材の誤入力情報が表示されず、認証を行ったユーザーのみの入力部材の誤入力情報が表示されるため、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】タッチパネル等で構成される入力手段に表示される送信宛先選択画面の一例を示す模式図である。
【図2】入力手段に設けられたハード的な送信先選択パネルの一例を示す模式図である。
【図3】データ通信装置の宛先の選択に係る構成のブロック図である。
【図4】ROMに記憶された特定位置キーテーブルの概念図である。
【図5】データ通信装置の送信先誤入力の防止に係るフロー図である。
【図6】送信宛先確認画面の図である。
【図7】送信先が追加された送信宛先確認画面の図である。
【図8】誤入力を行った入力部材の記憶テーブルである。
【図9】送信宛先確認画面に関する図である。
【図10】送信先が追加された送信宛先確認画面の図である。
【図11】誤入力キーの登録方法のフロー図である。
【図12】誤入力キーの登録解除方法のフロー図である。
【図13】誤入力キー情報の個人別登録登録方法のフロー図である。
【符号の説明】
【0146】
100 データ通信装置
101 制御手段
102 表示手段
103 キー検知手段
104 原稿読取手段
105 通信手段
106 ROM
107 RAM
108 警告手段
1000 送信宛先選択画面
1001 送信先選択キー
1002 操作キー
1009 特定位置送信先選択キー
1099 特定位置キーテーブル
2100 第2の送信宛先確認画面
3000 第3の送信宛先確認画面
3100 削除確認枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の設定を操作する操作部材と、複数の入力部材と、前記入力部材の中、前記操作部材の隣に位置する入力部材の選択を検知する検知手段と、該検知手段の検知に応じて前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行う警告手段と、を有することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記警告手段は、前記検知手段の検知時に、前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記警告手段は、前記検知手段の複数の検知時に逐次前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
前記警告手段は、前記検知手段の複数の検知後に前記入力部材の誤入力の可能性に係る警告を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
前記入力部材は、情報の送信先を選択する送信先選択部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項6】
前記入力部材は1操作で情報の送信先を選択するワンタッチキーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項7】
前記警告手段による前記警告の後、前記入力部材の選択を解除する解除手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−66829(P2008−66829A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239957(P2006−239957)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】