データ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法
【課題】一ユーザ且つ複数クライアント、或いは、複数のユーザ且つ複数クライアントの関係でコンテンツ配信サービスを行なう場合にユーザにおける利便性の確保と著作権保護との両立を図ることのできるシステムやサーバを提供する。
【解決手段】コンテンツデータの利用を所望するユーザの用いるクライアント210,220,230,240と、配信対象となるコンテンツを保有するコンテンツ配設サーバ100,100aと、データ配信サーバ500とをネットワーク700で結び、データ配信管理サーバ500に予め登録することにより保持されている認証用データ(502)に基づいて、正規ユーザ、且つ、正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、コンテンツデータの配信を許容する。
【解決手段】コンテンツデータの利用を所望するユーザの用いるクライアント210,220,230,240と、配信対象となるコンテンツを保有するコンテンツ配設サーバ100,100aと、データ配信サーバ500とをネットワーク700で結び、データ配信管理サーバ500に予め登録することにより保持されている認証用データ(502)に基づいて、正規ユーザ、且つ、正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、コンテンツデータの配信を許容する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のコンテンツデータを保有し配信するコンテンツ配信サーバからネットワークを通してクライアント(端末装置)にユーザ所望のコンテンツデータを著作権に係る一定のセキュリティを確保しながら配信するための、データ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、著作権保護の対象となるコンテンツデータをネットワークを通して配信する技術が普及しつつある。このようなコンテンツデータの配信に適用される技術には様々な方式が存在するが、大別すると、次のような2通りの方式がある。
図18は、コンテンツ配信技術に関する一般的な2通りの方式を説明するための概念図である。
コンテンツ配信サーバ1000には、配信の対象となる種々のコンテンツのコンテンツデータが保有されている。
【0003】
ユーザが所望に応じてこれらのコンテンツデータの取得に用いる端末機器、即ち、クライアント2000としては、例えば、家庭用等のデスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、デスクトップPCという)2010、モバイル型パーソナルコンピュータ(以下、モバイルPCという)2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040が適用される。
これらのクライアント2000においてコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツデータを取得する一つの方式はダウンロード(download)方式であり(図中、屈曲した白抜きの矢線DLでそのデータの流れを概念的に表記)、コンテンツ配信サーバ1000に保有されているコンテンツデータを、ユーザが用いる何れかのクライアント2000に転送し且つそのクライアント2000に保存する方式である。
【0004】
もう一つの方式は、ストリーミング(streaming)方式(図中、直線的な白抜きの矢線STでそのデータの流れを概念的に表記)であり、ユーザがコンテンツを利用するときにコンテンツ配信サーバ1000に保有されているコンテンツデータをクライアント2000に伝送すると同時に再生(リアルタイム再生)し、再生し終わったコンテンツデータはクライアントに留まらない方式である。
以上の2通りの方式について、著作権法上の保護の観点からは、次のようなセキュリティ技術が用いられそれぞれ得失があるといえる。
即ち、ダウンロード方式では、コンテンツデータに含ませたメタデータによってコンテンツの利用回数(再生回数)やメディア(記録媒体)間での移転に関して規制を設ける等の技術が適用される。
【0005】
また、ダウンロード方式では、コンテンツデータの暗号化によって、一旦ダウンロードによってコンテンツデータが格納されたメディアから他のメディアへのコンテンツデータの移転を禁止するなどの技術も適用される。
尚、伝送距離や複製の回数に関わらず劣化が起こらず且つ複製が容易なデジタルコンテンツの不正な複製、流通、或いは、閲覧などを規制するため、メディア間での移転を制限する著作権保護および管理手法はDRM(Digital rights management:デジタル著作権管理)と称されている。
【0006】
ダウンロード方式では、ダウンロードによってコンテンツデータが一旦メディアに格納されて以降は、その利用(再生)はユーザの手許(クライアント)で実行できるといったユーザ側にとっての利便性が特徴である。
この反面、一旦ダウンロードによってメディアに格納されたコンテンツデータは、それを基に無制限に複製されたり改竄される虞があることも否めず、著作権の保護(セキュリティ)の視点からは課題を含んでいる。
【0007】
一方、ストリーミング方式の場合は、上述の通りリアルタイム再生方式であるため、受信と再生との各ソフトウェアの連携が必須で、且つ、途中までのデータで再生を始めなくてはならず、また、圧縮されたデータを高速で解凍することを必須とする等、ユーザ側から見た利便性については種々課題を含んでいる。
しかし、原理的にコンテンツデータがユーザ(そのクライアント)側に保存されるといったことがないため、著作権の保護(セキュリティ)については略十全である。
上述したところは、コンテンツデータの配信に係る2通りの方式とそのユーザ側から見た利便性と著作権に関するセキュリティの視点からの得失に係る概要であったが、ユーザが種々の乃至は複数のクライアントを用いようとする場合にも、現行の技術では種々課題を含んでいる。
【0008】
図19は、ユーザが複数の種類の異なる或いは同種のクライアントを用いる場合の一般的技術について説明するための概念図である。
著作権保護の対象となるコンテンツをクライアントとしてのデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、携帯電話機(1)2041、および、携帯電話機(2)2042で用いるに際して、現行の一般的なコンテンツ配信サービスによる場合では、各クライアント毎に所望するコンテンツのコンテンツデータをダウンロード方式またはストリーミング方式で取得して(図では、この取得を実線の矢線で概念的に図示)再生するのが一般的である。
【0009】
これに対して、図中破線の矢線で概念的に表されたように、デスクトップPC2010でダウンロード等によって取得され保持されたコンテンツデータをモバイルPC2020に移転または複製するといったことは通常一般的には行なわれていない。
同様に、ミュージックプレーヤ2030によって取得され保持されたコンテンツデータを携帯電話機(1)2041に移転または複製し、更に、携帯電話機(1)2041から携帯電話機(2)2042に移転または複製するといったことも行なわれていない。
【0010】
このように所望のコンテンツについてクライアント毎に個別にデータを取得するのは、各クライアントにおけるコンテンツデータの圧縮・伸長の処理方式等の仕様が異なっており、全く同一のデータ形式によるコンテンツデータの利用が困難であるという技術的問題に起因している。
また、クライアント毎に個別にデータを取得するのは、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)によるコンテンツ利用者に対する課金方法にも起因している。
【0011】
即ち、1ダウンロード、1クライアント、1ユーザといったように、単一のコンテンツの利用に対してユーザ側の機器や操作に関する各個の要素(要因)毎に課金するといったサービスの形態が採られているため、このサービスに加入したユーザは自ずからこのような課金方法に従ってクライアント毎にコンテンツデータを購入することになる。
他方、各個のクライアント間で、既得のコンテンツデータを相互に移転または複製することについての技術的目処が立ったとしても、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)における著作権に関するセキュリティの保護は図られなくてはならない。
【0012】
その上で、コンテンツ利用者(ユーザ)が同一のコンテンツについては複数の端末機器(クライアント)のうちから所望のものを選択的に用いて利用することが出来るといった利便性を享受できるようなシステムの構築が望まれる。
上述のダウンロード方式によるユーザの利便性とストリーミング方式による著作権の保護(セキュリティ)の確かさといった双方の利点を兼ね備えた方式として次のような技術を採用することも提案されている。
【0013】
即ち、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータのダウンロード方式による取得を規制し、その完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータに限って取得し保存することを許容する一方、取得された不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足する充足用コンテンツデータを後の時点でストリーミング配信によって供給し、コンテンツの享受を可能にするといった方式である(例えば特許文献1参照)。
【0014】
図20は、不完全コンテンツデータのダウンロードによる取得が行なわれて以降に充足用コンテンツデータをストリーミング配信することによって所望のコンテンツを再生可能にする従来のコンテンツ配信システムを表す概念図である。
図20(a)に表されたように、先ず、コンテンツ配信サーバ1000から上述のような不完全コンテンツデータPDがクライアント2000としてのデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等にダウンロード(DL)され、保存される。
【0015】
図20(a)では、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータCDの一部である不完全コンテンツデータPDは、ハッチングを施して表され、不完全コンテンツデータPDに対応する不足部分のデータである充足用コンテンツデータが空白によって概念的に表記されている。
図20(b)には、 図20(a)におけるように不完全コンテンツデータPDのダウンロードが行なわれて以降の適宜の時点で、充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信が行なわれる様子が概念的に表されている。
【0016】
クライアント2000(デスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等の何れか)からコンテンツ配信サーバ1000に対して不足部分のデータに関する送信要求DMが発せられたことに応答して、充足用コンテンツデータSDがストリーミング配信(ST)される。
図20(b)では、空白によって概念的に表記された不完全コンテンツデータPDに対応する充足用コンテンツデータSDの部分がハッチングを施して表されている。
【0017】
クライアント2000(デスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等の何れか)において、図20(a)に図示の不完全コンテンツデータPDと図20(b)の充足用コンテンツデータSDとが揃ったところで後述するようなデータ結合処理が実行され、コンテンツの再生が行なわれる。
【0018】
図21は、図20におけるようなコンテンツデータ配信方式を採った場合に、複数のクライアントで同じコンテンツを享受する方法を表す概念図である。
図21(a)は、クライアントの一つであるデスクトップPC2010がコンテンツ配信サーバ1000からダウンロード(DL)によって取得し保持した不完全コンテンツデータPDを、他のクライアントであるモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等に複製ないし移転(TR)した様子を表している。
【0019】
このような複製ないし移転(TR)が行なわれた結果、各クライアントであるデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等の何れにおいても、不完全コンテンツデータPDが保持された状態になっている。
既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが不足しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれて図21(a)のような状態が現出したとしても、その限りでは著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0020】
図21(b)は、図21(a)のような状態が現出して以降適宜の時点で、何れかのクライアントでコンテンツの再生(利用)を行なう様子を表している。
不完全コンテンツデータPDを保持しているデスクトップPC2010が、コンテンツ配信サーバ1000に対して不足部分のデータである充足用コンテンツデータSDに関する送信要求DMを発すると、これに応答して、充足用コンテンツデータSDがストリーミング配信(ST)される。
このようにして、デスクトップPC2010では、図21(a)の不完全コンテンツデータPDと 図21(b)におけるようにストリーミング配信された充足用コンテンツデータSDとが揃い、コンテンツの再生を行なうことができる。
【0021】
一方、図21(a)を参照して既述のように、デスクトップPC2010がダウンロードによって取得した不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を受けてこのデータPD保持するに到ったモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等の何れにおいても、デスクトップPC2010におけると同様に充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信を何等の制限も無く受けることができるようにしてしまうと、ユーザにおける利便性はともかく、著作権の保護に欠けることになり、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)側から見ても、また、法的視点からも大きな問題である。
【0022】
従って、通常、不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を受けて不完全コンテンツデータPD保持するに到ったモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等については、充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求(図中、破線の矢線で概念的に表記)が無条件で許容されることはない。
上述の場合においても、個々のクライアントについてユーザの使用する正規クライアントとしての認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信を許容するように構成すれば、著作権の保護に関する問題点は一応解消することになる。しかしながら、今度は、ユーザ側でコンテンツを享受できるようになるまでの手続きが煩雑化してしまうといった問題が生じる。
【0023】
図21(b)を参照して説明したコンテンツデータ配信における著作権保護の欠如の問題が本質的に生じないようにするには、図21(a)を参照して説明したような複数のクライアント間での不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を許さないようにすることである。
図22は、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
この場合、コンテンツ配信サーバ1000には、予め、ユーザ情報PUとして、ユーザの所望に係る一つのコンテンツAに対応するものとして、ユーザ3010を表すユーザ(1)のデータが登録されているものとする。
【0024】
ユーザ3010が携帯電話機2040とミュージックプレーヤ2030との2つのクライアントを使用する場合に、先ずユーザ3010が携帯電話機2040にコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツAの不完全コンテンツデータPDをダウンロード(DL)して保持することがユーザ情報PUとの照合によって(即ち、ユーザの認証が成立して)許容される。
次に、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2030への複製ないし移転(TR)を禁止するようにすれば、ユーザ3010にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が阻害されるものの、著作権保護の観点からは問題が生じない。
【0025】
ユーザ3010が、携帯電話機2040で充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信すれば、ユーザ3010が登録された正規ユーザであることから、この充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)が行なわれ、ユーザ3010は所望のコンテンツを再生することができる。
他方、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2030への複製ないし移転(TR)を禁止しない場合には、ユーザ3010にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が確保される。
【0026】
上述の状態において、ミュージックプレーヤ2030から充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信した場合に、ユーザの同一性に係る認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容するようにすれば、一見著作権保護の観点からも問題が生じないかに見える。
しかしながら、このようにユーザの同一性のみ確保されればコンテンツの再生に適用するクライアントの如何を問わず無制限に充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容することになってしまい、実質的な意味合いにおいて著作権保護が十全ではなくなってしまう。
【0027】
図23は、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
この場合も、コンテンツ配信サーバ1000には、予め、ユーザ情報PUとして、ユーザの所望に係る一つのコンテンツAに対応するものとして、ユーザ3010を表すユーザ(1)のデータが登録されているものとする。
一人のユーザ3010が携帯電話機2040を用い、他のユーザ3020がミュージックプレーヤ2031を夫々のクライアントとして使用する場合に、先ずユーザ3010が携帯電話機2040にコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツAの不完全コンテンツデータPDをダウンロード(DL)して保持することがユーザ情報PUとの照合によって(即ち、ユーザの認証が成立して)許容される。
【0028】
ユーザ3010が、携帯電話機2040で充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信すれば、ユーザ3010が登録された正規ユーザであることから、この充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)が行なわれ、結果的にユーザ3010は所望のコンテンツを再生することができる。
他方、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2031への複製ないし移転(TR)を禁止しない場合には、ミュージックプレーヤ2031を用いている他のユーザ3020にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が確保される。
【0029】
上述の状態において、ミュージックプレーヤ2031でから充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DM(破線図示)を発信した場合には、ユーザの同一性に係る認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(破線図示のST)を許容するようにすれば、登録された正規ユーザではない他のユーザ3020はこのストリーミング配信を受けられず、従って、著作権保護の観点からも見かけ上は何等問題が生じないことになる。
【0030】
しかしながら、このようにユーザの同一性のみ確保されればコンテンツの再生に適用するクライアントの如何を問わずに充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容するといった限りでの規制であると、仮に、正規ユーザ(1)3010が他のユーザ3020にユーザIDやパスワードを知らせてしまうなどの行為を行なった場合には、他のユーザ3020が正規ユーザ(1)3010になりすましてこれら知得したIDやパスワードを用いて手続を行なうことが可能になってしまうため著作権保護については危惧が生じることになってしまう。
【0031】
図24ないし図26は、図23のコンテンツ配信システムにおけるクライアント(例えば携帯電話機2040)とコンテンツ配信サーバ1000との間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
図24において、クライアント(携帯電話機)2040がユーザ3010によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ1000に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS2401)。
【0032】
コンテンツ配信サーバ1000はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録要求をクライアント2040に返す(ステップS2402)。
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント2040は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名およびパスワード情報等をコンテンツ配信サーバ1000に送り込む(ステップS2403)。
コンテンツ配信サーバ1000はこのようにして送り込まれた情報についてユーザ情報(PU)の登録処理(ステップS2404)を行なった上、クライアント2040に対して図20、図21を参照して既述のような不完全コンテンツデータを供給する(ステップS2405)。
【0033】
即ち、クライアント2040はこのように供給される不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し所定の記憶部に格納する(ステップS2406)。
このようにして不完全コンテンツデータがクライアント2040にて取得されてより以降の適宜の時点で、クライアント2040のユーザ3010からコンテンツの使用の操作が行われると、この操作を受けたクライアント2040はコンテンツ配信サーバ1000に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS2407)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PUを伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ1000に送信される。
【0034】
コンテンツ配信サーバ1000は、このコンテンツ使用要求(DM)に係るユーザ情報PUを、先に(ステップS2404で)登録したユーザ情報PUと照合することによって、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS2408)。
認証が成立した場合には(ステップS2408:Yes)、コンテンツ配信サーバ1000からクライアント2040に向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信が許容され、この配信が実行される(ステップS2409)。
【0035】
認証の成立(ステップS2408:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント2040側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(ステップS2406)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS2409)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS2410)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS2411)。
【0036】
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS2412)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2408)で認証が成立しない場合には(ステップS2408:No)、コンテンツ配信サーバ1000は、クライアント2040に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS2413)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0037】
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
上述のようなコンテンツ配信サービスの利用においては、目的とするコンテンツの再生が実行されて以降も不完全コンテンツデータは、通常の場合、そのまま維持され、再度の利用に供され得る。
しかし、ユーザの誤操作によって不完全コンテンツデータまでも消去されてしまうことが稀には生じ得る。
このような場合のために、不完全コンテンツデータについては、ダウンロードによる再取得が許容されるように構成されている。
【0038】
図25は、従来のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
先ず、クライアント2040(ユーザ3010)からコンテンツ配信サーバ1000に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS2501)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ1000はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS2502)。
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS2502:Yes)、不完全コンテンツデータをクライアント2040に供給する(ステップS2503)。
【0039】
即ち、クライアント2040側では、この不完全コンテンツデータを再ダウンロードして所定の記憶部に格納する(ステップS2504)。
一方、ユーザ認証が成立しない場合には(ステップS2502:No)、コンテンツ配信サーバ1000はクライアント2040に対してコンテンツ再ダウンロード拒否の応答をする(ステップS2505)。この応答は拒否理由の送信を伴なって行なわれる。
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
図26は、従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【0040】
次に、図26を参照して、ダウンロード等によって取得した不完全コンテンツデータを保有する一のクライアントから他のクライアントにその不完全コンテンツデータの移転が許される場合の問題点について説明する。
クライアント間での不完全コンテンツデータの移転(TR)が自由に許容されても、既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが欠落しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれて図21(a)を参照して説明したような状態が現出したとしても著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0041】
正規ユーザ3010は、自らが用いるクライアント2040で取得し保持している不完全コンテンツデータを、正規ユーザでないユーザが用いている3020のクライアント2031に自由に移転(TR)することができる(ステップS2601)。
この場合、ユーザ3010がユーザ3020に自らのユーザ情報(ユーザID、パスワード等)を教えてしまうと(図23における曲がった破線の矢線)、ユーザ3020が正規ユーザであるユーザ3010のユーザ情報を用いて、コンテンツ配信サーバ1000にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことも発生し得る(ステップS2603)。
【0042】
このコンテンツ使用要求DM(ステップS2603)は、見かけ上、正規ユーザの3010のユーザ情報(ユーザID,パスワード等)に基づくものであるため、コンテンツ配信サーバ1000では、正規ユーザによるコンテンツ使用要求(実線の矢線)DM(ステップS2602)と区別がつかないものである。
従って、コンテンツ配信サーバ1000は、次のユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2604)において、認証成立の条件が充足されたものと判断して(ステップS2604:Yes)、充足用コンテンツデータをクライアント2031に向けてストリーミング配信(破線の矢線ST)する(ステップS2606)。
【0043】
即ち、コンテンツ配信サーバ1000側は、見かけ上、正規ユーザに対する充足用コンテンツデータのストリーミング配信(実線の矢線)の場合(ステップS2605)と同様に作動してしまう。
ストリーミング配信(ステップS2606)で充足用コンテンツデータを供給されたクライアント2031(ユーザ3020)では、不完全コンテンツデータと充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS2607)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS2608)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS2609)。
【0044】
尚、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2604)において、誤操作その他何等かの理由で認証が成立しないと判断したときには(ステップS2604:No)、コンテンツ配信サーバ1000は、クライアント2031に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS2610)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0045】
このようにして、正規ユーザでないユーザ3020が正規ユーザである場合と全く同様にコンテンツを享受することが可能になり、所謂「なりすまし」によるコンテンツの不正な取得が発生してしまう懸念がある。
上述のような懸念を払拭するには相応の対応が必要であるが、ユーザ側における利便性の確保を考慮しつつ、上述のような「なりすまし」によるコンテンツの不正取得にも厳格に対処できる技術は未だ提案されるに到らず、寧ろ、このような視点からの明確な課題認識そのものが希薄であった。
【0046】
尚、著作権保護の視点から、或いは、更に具体的に課金処理が確実に行なわれるようにするために、既に種々の提案がなされている。
例えば、EMD(音声配信サービス)サーバがネットワークを介してEMDクライアントと結ばれたシステムにおいて、EMDサーバにEMDサービスを受けるユーザやそのユーザが用いるEMDクライアントの正当性を認証する機能を備え、会員制のEMDサービスにおける正規ユーザの認証をEMDクライアントとの信号の授受によって行い、認証が成立することを条件として、そのEMDクライアントにコンテンツを配信するといった技術の提案がある(特許文献2参照)。
【0047】
また、音楽データ提供業者の提供サーバからネットワーク経由でユーザの端末装置に音楽データを提供するシステムにおいて、ポータルサーバに認証処理部を設け、この認証処理部によって、クライアント端末からネットワークインターフェースおよび通信制御部を介してIDとパスワードを受信し、ユーザ認証処理を実行するようにシステムを構築するといった提案もある(特許文献3参照)。
更に、コンテンツサーバたる情報提供サーバがネットワークを介してクライアント端末に提供用情報を送信する情報提供システムにおいて、コンテンツサーバとは別に設けられている窓口サーバによって、接続処理および認証処理を行なうといった提案もある(特許文献4参照)。
【0048】
【特許文献1】特開2002−278859号公報(段落0021〜段落0030、図1)
【特許文献2】特開2005−92477号公報(段落0046、段落0075、段落0128、段落0248〜段落0251、段落0319、図1、図2、図3、図8)
【特許文献3】特開2005−332175号公報(段落0053〜段落0058、段落0072〜段落0075、段落0090、図1、図4、図5、図6、図7、図14)
【特許文献4】特開2003−50761号公報(段落0035〜段落0036、段落0048〜段落0049、図1)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0049】
しかし、上掲の何れの特許文献に開示された技術によっても、図22ないし図23を参照して説明したような、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合のユーザにおける利便性の確保と著作権保護との相克に係る問題や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の各ユーザにおける利便性の確保と著作権保護との相克に係る問題については解答を与えることができない。
【0050】
これは、これらの特許文献に開示された技術には、元々図22ないし図23を参照して説明したような問題を技術課題として明確に認識するところがないが故の当然の帰結であるとも見ることができる。
即ち、何れの特許文献においても、著作権保護に関するセキュリティの確保を、ユーザとそのユーザが用いる一または複数のクライアントとに各個に峻別した上でそれらの何れに対しても然るべき認証が成立することを条件としてコンテンツデータの取得を許容すると言った視点が無く、或いは、本来的にこの水準まで明確に著作権を保護することを課題とするよりもユーザにおける課金に見合った利益保護を主眼としている。
【0051】
本発明は上述のような現状認識に基づいてなされたものであり、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合におけるユーザにおける利便性の確保と著作権保護との両立を図ることのできるコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0052】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
即ち、本発明の一つのデータ配信システムは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信するコンテンツ配信サーバと、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、所定の認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信することを許容するデータ配信管理サーバと、
を含んで構成されたデータ配信システムであって、
前記データ配信管理サーバは、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有し、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、前記コンテンツ配信サーバに対し、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容することを特徴とする。
【0053】
このデータ配信システムでは、コンテンツ配信サーバに、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信する。
【0054】
上記コンテンツ配信サーバから、例えばダウンロードし、或いはまた、複製や移転その他の適宜の方法によって上述の不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、上記コンテンツ配信サーバから該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信するについては、データ配信管理サーバが所定の認証成立を条件として、このストリーミング配信を許容する。
【0055】
上述の所定の認証は、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、この正規ユーザが上記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データと、を保有している上記データ配信管理サーバが、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが上記正規ユーザにおける正規クライアントである旨を確認することによって成立する(尚、この認証は、通常、各個のコンテンツ毎に対応するものとして行なわれるものであり、以下同様である)。
【0056】
このようにして、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータの取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
上述のデータ配信システムは、上記のデータ配信管理サーバとコンテンツ配信サーバとがネットワークによって結ばれるように構成し得る。
このように構成することにより、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信システムが容易に構築され得る。
【0057】
また、本発明のコンテンツ配信サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに対して、前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段と、
前記認証照会手段が前記データ配信管理サーバから当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0058】
このようなコンテンツ配信サーバでは、コンテンツデータ格納部に、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、この不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して上記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有する。
認証照会手段によって、上記コンテンツ配信サーバから例えば予めダウンロードし、或いはまた、複製や移転その他の適宜の方法によって上述の不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を問う認証照会をコンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに送信して当該認証の成否を確認する。
【0059】
ストリーミング配信手段は、上記認証照会手段が認証成立の旨の応答をデータ配信管理サーバから受信したときに、その充足用コンテンツデータを正規ユーザにおける正規クライアントに向けてストリーミング配信する。
このようなコンテンツ配信サーバが上述のデータ配信管理サーバと連携した配信サービスが行なわれ、従って、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに足るコンテンツデータの取得の条件となることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
【0060】
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
上述のデータ配信システムは、上記のデータ配信管理サーバとコンテンツ配信サーバとがネットワークによって結ばれるように構成し得る。
上記のコンテンツ配信サーバは、データ配信管理サーバとネットワークによって結ばれるように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
【0061】
また、本発明のデータ配信管理サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理するデータ配信管理サーバであって、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令を前記コンテンツ配信サーバに向けて発するデータ配信規制管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とする。
【0062】
このようなデータ配信管理サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理する。
【0063】
認証用データ格納部では、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、正規ユーザがデータ配信システムからコンテンツを取得するために用いる正規クライアントとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データと、を保有する。
データ配信規制管理部では、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、上記充足用コンテンツデータを上記コンテンツ配信サーバから該適用するクライアントに向けてストリーミング配信することを許容する指令を上記コンテンツ配信サーバに向けて発する。
【0064】
このようなデータ配信管理サーバが上述のコンテンツ配信サーバと連携した配信サービスが行なわれることにより、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに足るコンテンツデータの取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【0065】
上述のデータ配信管理サーバは、上記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれるように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
更に、上述のデータ配信管理サーバは、上記データ配信規制管理部が、ユーザからコンテンツ配信サーバに対して行なった所定の登録手続に基づいてネットワークを介して供給される被登録データを上記認証用データ格納部に登録するように構成され得る。
【0066】
このような構成によれば、ネットワークを介在にユーザにおける利便性に富んだ規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
更にまた、上述のデータ配信管理サーバは、上記データ配信規制管理部が、ネットワークを介して複数の上記コンテンツ配信サーバからユーザ認証およびクライアント認証の照会を受け、上記認証用データ格納部に登録されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいてユーザおよびクライアントに係る認証処理を実行するように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に、コンテンツ配信事業者側から見てもユーザユーザ側から見ても利便性に富んだ規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
【0067】
また、本発明のコンテンツ配信サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、前記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部と、
前記認証処理部における認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部と、
前記データ配信規制管理部の管理下で前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0068】
このようなコンテンツ配信サーバは、そのコンテンツデータ格納部に、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、この不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して上記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有する。
上記認証用データ格納部には、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、正規ユーザが上記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データとを保有する。
【0069】
コンテンツデータ格納部および認証用データ格納部にそれぞれ上述のようにデータが保有された状態で、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、認証処理部が、上記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する。
ストリーミング配信部が、上述のように充足用コンテンツデータの配信を規制管理するデータ配信規制管理部の管理下で充足用コンテンツデータを該当するクライアントに向けてストリーミング配信する。
【0070】
一方、本発明のコンテンツデータ配信管理方法は、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザとして登録し、且つ、該正規ユーザが前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアントを正規クライアントとして登録する登録処理のステップと、
コンテンツの取得に適用されるクライアントから自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに該認証が成立することを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバから該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容するデータ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とする。
【0071】
このような方法によれば、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータ取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【発明の効果】
【0072】
本発明によれば、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合におけるユーザにおける利便性の確保と著作権保護との両立を図ることのできるコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(実施の形態としてのコンテンツ配信システムの概要)
図1は、本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムを表す機能ブロック図である。
このコンテンツ配信システムでは、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータのダウンロード方式による取得を規制し、その完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータに限って取得し保存することを許容する一方、取得された不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足する充足用コンテンツデータを後の時点でストリーミング配信によって供給し、コンテンツの享受を可能にするといった方式を採用している。
【0074】
複数(この例では2基)のコンテンツ配信サーバ100および100aに配信の対象となる例えば音楽や映像のようなコンテンツを表すデジタルデータであるコンテンツデータがそれぞれ蓄積されている。
これらのコンテンツデータはユーザがコンテンツデータを取得して使用(音楽や映像を再生して視聴)するために用いるクライアント(1)210、クライアント(2)220、クライアント(3)230、クライアント(4)240に、これらとコンテンツ配信サーバ100および100a間を結ぶネットワーク700を通して配信される。
【0075】
コンテンツデータの配信が正規に行なわれるためには、ネットワーク700上に設けられたデータ配信管理サーバ500によって認証の成立が確認されることが前提とされる。
(コンテンツ配信サーバの構成)
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象となるコンテンツを表すデータを保有するコンテンツデータ格納部として機能する記憶装置101が設けられている。
【0076】
この記憶装置101には、一まとまりの音声や映像等のコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータを格納する完全コンテンツデータ格納部102、完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータを格納する不完全コンテンツデータ格納部103、不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータを格納する充足用コンテンツデータ格納部104とが設定され、完全コンテンツデータ格納部102、不完全コンテンツデータ格納部103、および、充足用コンテンツデータ格納部104に格納された各データはそれらを区分して取り扱うことが可能なようにアクセスされ得る。
【0077】
尚、記憶装置101には、適宜、後述する認証用データ格納部105が設定されて、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理に供される認証用データが格納される。
完全コンテンツデータ格納部102に格納された完全コンテンツデータを元にして不完全コンテンツデータを作成する不完全コンテンツデータ作成部106と、完全コンテンツデータを元に充足用コンテンツデータを作成する充足用コンテンツデータ作成部107とが設けられている。
【0078】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部108が設けられ、
更に、適宜、後述するようなユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理を実行する認証処理部109が設けられる。
上述の記憶装置101、不完全コンテンツデータ作成部106、充足用コンテンツデータ作成部107、および、通信部108、並びに、一つの態様としては上述の認証処理部109も含め、バス110によってシステムコントローラ111と結ばれ、このシステムコントローラ111による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
【0079】
即ち、通信部108とシステムコントローラ111とを含む関連機能部によって、コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバ500に対して、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段が構成される。
更に、記憶装置101、不完全コンテンツデータ作成部106、充足用コンテンツデータ作成部107、および、通信部108、並びに、システムコントローラ111を含む関連機能部によって、認証照会手段がデータ配信管理サーバ500から当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、充足用コンテンツデータをクライアント210等に向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段が構成される。
【0080】
図1における、他の1基のコンテンツ配信サーバ100aの機能ブロック上での構成については、既述のコンテンツ配信サーバ100と全く同様であるため、コンテンツ配信サーバ100との対応部と同一の参照符号を附して示し、説明は省略する。
(データ配信管理サーバの構成)
データ配信管理サーバ500には、認証処理を実行ために供するデータを保有する記憶装置501が設けられている。
この記憶装置501には、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、上述の正規ユーザがデータ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データとを格納するための認証用データ格納部502が設定されている。
【0081】
また、正規ユーザである旨の認証、および、不完全コンテンツデータが例えばダウンロード等を通して保有されている上述のようなクライアントであって、コンテンツの再生に適用するクライアントが正規クライアントである旨の認証を行なうための認証処理部503が設けられている。
この実施の形態では、認証処理部503はデータ配信規制管理部504の中に構成されている。
データ配信規制管理部504は、認証処理部503における上述のような正規ユーザである旨の認証および正規クライアントである旨の認証が何れも成立することを条件として、コンテンツ配信サーバ100(100a)に対し、適用するクライアントに向けてのストリーミング配信を許容する。
【0082】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部505が設けられ、
上述の記憶装置501、認証処理部503を含むデータ配信規制管理部504、および、通信部505は、バス506によってシステムコントローラ507と結ばれ、このシステムコントローラ507による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
即ち、記憶装置501、認証処理部503を含むデータ配信規制管理部504、通信部505,および、システムコントローラ507を含む関連機能部によって、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令をコンテンツ配信サーバ100(100a)に向けて発するデータ配信規制管理部が構成される。
【0083】
(クライアントの構成例)
図2は、図1のコンテンツ配信システムに適合するクライアント(情報端末装置)の構成を表す機能ブロック図である。
図1における複数のクライアントは、図2に表記された各機能部については共通の構成を採るものであり、従って、この図2では、クライアントに代表的に参照符号200を附している。
このクライアント200は、図20ないし図21を参照して説明したような不完全コンテンツデータをダウンロード等によって取得し格納する不完全コンテンツデータ格納部201が設定された記憶部202と、この不完全コンテンツデータとストリーミング配信によって供給される充足用コンテンツデータとを結合処理して完全コンテンツデータを得るデータ結合処理部203と、外部との通信を行なうための通信部204とが、バス205によってシステムコントローラ206と結ばれ、このシステムコントローラ206の管理下で所定仕様を充足するように機能する。
【0084】
(コンテンツ配信システムにおけるデータの流れ)
図3は、図1のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバを結ぶネットワーク(図1では参照符号700)については図示省略されている。
コンテンツ配信サーバ100および100aには、配信の対象とされるコンテンツデータが、各個のコンテンツA,B,…が区分して取り扱われ得るように格納され、更に、これら夫々のコンテンツデータを表すコンテンツリストが各個のコンテンツA,B,…の標題(例えば、音楽のコンテンツにおける曲目)をデータのファイル名の如くして認識可能に用意されている。
【0085】
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100を経由してデータ配信管理サーバ500に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0086】
上述における認証は、複数のコンテンツ配信サーバにおける各個のコンテンツデータの配信について、一つのデータ配信管理サーバ500によって集中的に実行される。
この認証を行なうために、データ配信管理サーバ500には、登録された正規ユーザであることを認証するためのユーザに関する情報と、一の正規ユーザに対応して登録された一または複数の正規クライアントであることを認証するための情報とを集約して構成した情報である「ユーザ・クライアント情報」が保有される。
【0087】
また、上述のような「ユーザ・クライアント情報」の他、データ配信管理サーバ500とネットワークで結ばれた各コンテンツ配信サーバが、配信可能に保有しているコンテンツを表すコンテンツリストが各個のコンテンツA,B,…の標題(例えば、音楽のコンテンツにおける曲目)がファイル名の如くして保有される。
尚、「ユーザ・クライアント情報」に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
【0088】
これは、コンテンツ毎にその使用(視聴等)の都度課金処理が正規に行なわれるためにはいうまでもない前提であり、本明細書の開示を通して、この点に逐一言及することは省略する。
ユーザ310が上述のような認証を得ることができるためには、ユーザ310は予め適宜の機会に自らの「ユーザ・クライアント情報」(即ち、ユーザ名やパスワード等自己を特定するためのデータや、自らがコンテンツの受信に用いる一または複数のクライアント表すデータ)をデータ配信管理サーバ500に登録する手続(図3においてARP)を行なう必要がある。
【0089】
この登録手続(ARP)は、ユーザ310がそのクライアント210である携帯電話機を用いてデータ配信管理サーバ500にアクセスし、例えば所定の対話形式の入力操作によって行われ得る。
ユーザ320についても同様に、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230を用いてデータ配信管理サーバ500にアクセスし対話形式の入力操作によって自己の「ユーザ・クライアント情報」に関する登録操作が行われ得る。
上述のようにして「ユーザ・クライアント情報」に関する登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に既述のようなコンテンツデータの正当な取得が可能である。
【0090】
同様に、正規ユーザ320およびその正規クライアントであるミュージックプレーヤ230については、他のコンテンツ配信サーバ100aからコンテンツデータの正当な取得が可能である。
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとする登録(ARP)をデータ配信管理サーバ500に対して手続してある場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、他のコンテンツ配信サーバ100aから不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
【0091】
ユーザ310が、ミュージックプレーヤ220を用いてコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220からコンテンツ配信サーバ100aを経由してデータ配信管理サーバ500に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否を照会するが、正規ユーザおよび正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0092】
仮に、今、ユーザ320が正規ユーザでなく、従って、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230も正規クライアントでない場合を想定する。
このような場合も、不完全コンテンツデータの複製や移転自体は既述のように著作権保護に違背するものではなく、従って、正規ユーザ310における正規クライアントである携帯電話機210にダウンロードによって保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ230に複製ないし移転することは許容される。
【0093】
この複製ないし移転に伴なって、正規ユーザ310が自己のユーザ認証に係る情報まで正規ユーザでないユーザ320に教えてしまった場合に、ユーザ320が図23等を参照して既述の所謂「なりすまし」によるコンテンツデータの取得を試みたとしても、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230が正規クライアントではないためにデータ配信管理サーバ500における認証が成立せず、充足用コンテンツデータのストリーミング配信による供給は拒否され、コンテンツデータの不正な取得は効果的に抑止されることになる。
【0094】
(コンテンツ購入操作からコンテンツ再生への動作シーケンス)
図4ないし図7は、図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるクライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
【0095】
(不完全コンテンツデータの取得まで)
図4において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS401)。
コンテンツ購入要求(ステップS401)における購入希望のコンテンツの選択は、コンテンツ配信サーバ100が保有するコンテンツリスト所載のコンテンツ(A,B,C,…)のうちから一のものを指定するようにして手続される。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録手続要求をクライアント210に返す(ステップS402)。
【0096】
このユーザ情報登録手続要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS403)。
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれたユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等のユーザ・クライアント情報に加えて、自装置100で保有し配信可能なコンテンツを表す利用可能コンテンツ情報を、登録要求としてデータ配信管理サーバ500に送信する(ステップS404)。
【0097】
ステップS404の送信では、ステップS403でクライアント210から受信したユーザ・クライアント情報については、コンテンツ配信サーバ100で中継するようにしてデータ配信管理サーバ500に向けて送信される。
ステップS404におけるこれらの情報を受信したデータ配信管理サーバ500は、ユーザ310を表す情報とこのユーザが用いるクライアント210を表す情報とを含むユーザ・クライアント情報、および、上述の利用可能コンテンツ情報の登録処理を実行する(ステップS405)。
【0098】
ステップS405の登録処理に際して、利用希望コンテンツを特定するためのデータについては、例えば異なるコンテンツ配信サーバが同一名称のコンテンツを保有しているような状況があったとしても、利用希望の各個のコンテンツ(コンテンツデータ)を厳密に識別可能なようにユニークに管理することが必須である。
このため、データ配信管理サーバ500側でコンテンツ配信サーバ100から供給されるコンテンツの名称をそのまま登録するのではなく、該当するコンテンツの名称の末尾にそのコンテンツを配信可能に保有しているコンテンツ配信サーバの名称を付加した形で登録する等、相応の適切な措置がとられる。
【0099】
また、コンテンツ配信サービスの一つの形態としては、一または複数の特定のコンテンツに限ってそのサービスに加入している全てのクライアントで利用可能にする一方、他のコンテンツについては特定のクライアントでのみ利用可能にするなどの形態をとるようにしてもよい。
ステップS405でのユーザ情報の登録処理は、ユーザの認証に係るデータの格納処理であり、図1におけるデータ配信管理サーバ500の記憶装置501に設定された認証用データ格納部502に上述のユーザ情報が格納される。
【0100】
ステップS405でのユーザ情報の登録処理が完了すると、データ配信管理サーバ500は、ユーザ・クライアント情報および利用可能コンテンツ情報の登録が完了した旨の応答をコンテンツ配信サーバ100に送信する(ステップS406)。
ステップS406での応答を受けたコンテンツ配信サーバ100は、自装置100の記憶装置101(図1参照)の不完全コンテンツデータ格納部103に保有されている不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によってクライアント210に供給する(ステップS407)。
【0101】
クライアント210は、ステップS407で取得した不完全コンテンツデータを自装置の記憶部202(図2参照)の不完全コンテンツデータ格納部201に格納する(ステップS408)。
図1および図3のコンテンツ配信システムでは、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザの操作に基づいて直接的に(コンテンツ配信サーバを介さずに)データ配信管理サーバのユーザ・クライアント情報を更新(登録)することが可能に構成され得る。
【0102】
(データ配信管理サーバの保有情報を更新するシーケンス)
図5は、図1および図3のコンテンツ配信システムにおいてユーザが直接データ配信管理サーバが保有しているデータを更新する様子を時系列的に表すシーケンス図である。
図5(a)は、このようにコンテンツの購入に依存せずに、ユーザがそのクライアント(携帯電話機)を用いてデータ配信管理サーバに対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうときの動作を表すシーケンス図である。
ユーザ310がそのクライアント(携帯電話機)210を用いてデータ配信管理サーバ500に対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうと、ユーザ・クライアント情報更新(登録)要求がクライアント210からデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS501a)。
【0103】
ステップS501aによってクライアント210から送信されたユーザ名や使用端末情報を受けたデータ配信管理サーバ500は、その手続を行なったユーザ(1)に関するユーザ・クライアント情報に関する更新または登録処理を実行する(ステップS502a)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS502aの更新(登録)処理が完了すると、クライアント210に向けてユーザ・クライアント情報更新(登録)応答を送信する(ステップS503a)。
【0104】
一方、図5(b)は、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザが運用管理者としてコンテンツ配信サーバに対する操作を行い、データ配信管理サーバが保有する配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報を更新または格納する手続を行なうときの動作を表すシーケンス図である。
図5(b)における更新または格納手続は、利用希望コンテンツを特定するためのデータに関して、例えば異なるコンテンツ配信サーバが同一名称のコンテンツを保有しているような状況があったとしても、各個のコンテンツをユニークに管理することが要求されるといったデータ配信管理サーバでの負担を軽減することにも寄与する方法である。
【0105】
ユーザが運用管理者としてコンテンツ配信サーバ100に対する操作を行い、この操作に基づいてコンテンツ配信サーバ100から自装置100が保有している配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報の更新(格納)要求がデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS501b)。
この更新(格納)要求(ステップS501b)では、コンテンツ配信サーバ100が保有している配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報と、当該コンテンツ配信サーバを特定するコンテンツ配信サーバ名とがデータ配信管理サーバ500に送信される。
【0106】
更新(格納)要求(ステップS501b)を受けたデータ配信管理サーバ500では、上述の保持コンテンツ情報をこの情報を保持しているコンテンツ配信サーバが認識されるようにして(即ち、コンテンツ配信サーバが複数存在するシステムにおいても、各個のコンテンツ配信サーバ毎に区分してそれらの保持コンテンツ情報が認識されるように)記憶装置501(図1)の格納情報を更新し、ないしは新規に情報を格納する(ステップS502b)。
ステップS502bの更新(格納)が完了すると、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100に、保持コンテンツ情報更新(格納)応答が返される(ステップS503b)。
【0107】
(コンテンツ利用要求を発しコンテンツを再生するまでのシーケンス)
図6は、ユーザ310が既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210を用いてコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作に関するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS601)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報を伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有しているか否かを判断する(ステップS602)。
【0108】
ステップS602でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有していると判断された場合には(ステップS602:Yes)、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS603)。
この送信(ステップS603)は、クライアント210から発せられたユーザ情報、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報が、データ配信管理サーバ500へと中継されるように行なわれるが、これらの情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を照会する趣旨である。
【0109】
ステップS603において送信された各情報を受けたデータ配信管理サーバ500では、これらの情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を判断する(ステップS604)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS604において、正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立すると判断した場合(ステップS604:Yes)および上述の認証は成立しないと判断した場合(ステップS604:No)の何れかの判断結果をコンテンツ配信サーバ100に返す(ステップS605またはステップS606)。
【0110】
コンテンツ配信サーバ100は、認証成立の可否の照会に対するデータ配信管理サーバ500からの応答(ステップS605またはステップS606)が肯定的であるか否定的であるかを判断する(ステップS607)。
ステップS607での判断が肯定的(即ち、認証成立)である場合には(ステップS607:Yes)、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS608)。
【0111】
認証の成立(ステップS607:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図4:ステップS408)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS608)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS609)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS610)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS611)。
【0112】
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、上述のステップS602でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有していないと判断された場合(ステップS602:No)、および、ステップS607での判断が否定的(即ち、認証不成立)である場合(ステップS607:No)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS612)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図4中「d」と表記された、(ステップS401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0113】
(コンテンツ使用要求を直接データ配信管理サーバに発する場合のシーケンス)
図7は、ユーザ310が既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210を用いてコンテンツ使用要求を直接(コンテンツ配信サーバ100を介さずに)データ配信管理サーバ500に向けて発する場合のシステムの動作に関するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からデータ配信管理サーバ500に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS701)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報を伴なったものとしてデータ配信管理サーバ500に送信される。
【0114】
即ち、この要求(ステップS701)は、クライアント210からデータ配信管理サーバ500への、(何れも、使用コンテンツ毎に対応するものとして扱われる)ユーザ情報および使用クライアント情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を照会する趣旨を含むものである。
データ配信管理サーバ500は、このコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツをコンテンツ配信サーバ100(またはコンテンツをコンテンツ配信サーバ100a)が保有しているか否かの判断、および、上述の認証成立の可否判断を実行する(ステップS702)。
【0115】
ステップS702の判断は、データ配信管理サーバ500が予め保有しているユーザ・クライアント情報、何れかのコンテンツ配信サーバが保有している利用可能コンテンツ情報、および、登録されたユーザ・クライアント情報(登録済みの正規ユーザ、および、そのユーザが用いる一または複数の正規クライアント)を検索するようにして行なわれるが、既述のように、この判断は目下のコンテンツ使用要求(DM)で特定されているコンテンツ(図中、コンテンツAと表記)に限られたものとして扱われる。
【0116】
ステップS702でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを何れかのコンテンツ配信サーバが保有しており、且つ、認証が成立するものと判断された場合には(ステップS702:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100に充足用コンテンツデータ配信要求が送信される(ステップS703)。
コンテンツ配信サーバ100は、この充足用コンテンツデータ配信要求を受け(ステップS703)、要求内容に合致するコンテンツデータを自装置100が保有しているか否かを判断する(ステップS704)。
【0117】
ステップS704で、要求内容に合致するコンテンツデータを自装置100が保有していると判断された場合には(ステップS704:Yes)、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS705)。
このストリーミング配信(ステップS705)が完了すると、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500に向けて充足用コンテンツデータストリーミング配信完了報告が発せられる(ステップS706)。
【0118】
充足用コンテンツデータのストリーミング配信(ステップS705)を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図4:ステップS408)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS705)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS707)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS708)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS709)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
【0119】
他方、上述のステップS702でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを何れのコンテンツ配信サーバも保有していない場合、および、認証不成立である場合(ステップS702:No)、ならびに、上述のステップS704で要求内容に合致するコンテンツデータを自装置が保有していないとコンテンツ配信サーバ100が判断して(ステップS704:No)該当するコンテンツデータを保有していない旨の該当コンテンツデータ不存在応答をデータ配信管理サーバ500に返した場合には(ステップS710)、データ配信管理サーバ500は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS711)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0120】
(コンテンツ配信サーバとデータ配信管理サーバとで認証処理を按分する態様)
以上、図4ないし図7を参照して説明したシーケンス図は、ユーザおよびクライアントに関する認証処理をデータ配信管理サーバ500において一括して全て担うようにシステムを構成した場合のものであった。
これに対し、他の構成として、ユーザに係る認証処理およびクライアントに係る認証処理をコンテンツ配信サーバ100(100a)とデータ配信管理サーバ500とで按分して担うように構成してデータ配信管理サーバ500の負担を軽減するようにもよい。
【0121】
図8ないし図11は、このような他の構成例における、クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
図8ないし図11の例のように、コンテンツ配信サーバ100とデータ配信管理サーバ500とで認証処理に関する負担を按分するようにして担う場合には、図1のコンテンツ配信システムにおける各コンテンツ配信サーバ100(100a)は、図1の機能ブロック図における破線図示の機能部を備える。
【0122】
即ち、図1において、コンテンツ配信サーバ100(100a)は、記憶装置101に認証用データ格納部105が設定され、また、認証処理を実行するための認証処理部109がバス110によってシステムコントローラ111と結ばれるようにして設けられる。
尚、これら認証用データ格納部105および認証処理部109は、共に、当初からコンテンツ配信サーバ100(100a)に設けておき、コンテンツ配信サーバ100(100a)とデータ配信管理サーバ500とで認証処理に関する負担を按分するような動作モードが選択されたときに機能するように構成してもよい。
【0123】
図8において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS801)。
コンテンツ購入要求(ステップS801)における購入希望のコンテンツの選択は、コンテンツ配信サーバ100が保有するコンテンツリスト所載のコンテンツ(A,B,C,…)のうちから一のものを指定するようにして手続される。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録手続要求をクライアント210に返す(ステップS802)。
【0124】
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS803)。
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれた情報に基づくユーザ情報(PU)の登録処理を実行する(ステップS804)。具体的には、図1においてコンテンツ配信サーバ100(100a)の記憶装置101内に破線図示の認証用データ格納部105に、上述のようにしてクライアント210から送り込まれた情報を格納する。
【0125】
コンテンツ配信サーバ100は、次いで、ユーザ・クライアント情報登録要求をデータ配信管理サーバ500に送信する(ステップS805)。この送信(ステップS805)では、ユーザ名、および、ユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報をデータ配信管理サーバ500に送信する。
ステップS805においてコンテンツ配信サーバ100から送信されたこれらの情報を受信したデータ配信管理サーバ500は、ユーザ名およびユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報に係るユーザ情報の登録処理を実行する(ステップS806)。
【0126】
ステップS806でのユーザ情報の登録処理は、ユーザの用いるクライアントの認証に係るデータの格納処理であり、図1におけるデータ配信管理サーバ500の記憶装置501に設定された認証用データ格納部502に上述のユーザ情報が格納される。
ステップS806でのユーザ情報の登録処理が完了すると、データ配信管理サーバ500は、ユーザ・クライアント情報の登録(ユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報の登録)が完了した旨の応答をコンテンツ配信サーバ100に送信する(ステップS807)。
【0127】
ステップS807での応答を受けたコンテンツ配信サーバ100は、自装置100の記憶装置101(図1参照)の不完全コンテンツデータ格納部103に保有されている不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によってクライアント210に供給する(ステップS808)。
クライアント210は、ステップS808で取得した不完全コンテンツデータを自装置の記憶部202(図2参照)の不完全コンテンツデータ格納部201に格納する(ステップS809)。
【0128】
(データ配信管理サーバの保有情報を更新するシーケンス)
図9は、コンテンツの購入に依存せずに、データ配信管理サーバ500が保持しているユーザに係る情報およびクライアントに係る情報を含むユーザ・クライアント情報を更新または登録するときの動作を表すシーケンス図である。
ユーザ310がそのクライアント(携帯電話機)210を用いてデータ配信管理サーバ500に対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうと、ユーザ・クライアント情報更新(登録)要求がクライアント210からデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS901)。
【0129】
ステップS901によってクライアント210から送信されたユーザ名や使用端末情報を受けたデータ配信管理サーバ500は、その手続を行なったユーザ(1)に関するユーザ・クライアント情報に関する更新または登録処理を実行する(ステップS902)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS902の更新(登録)処理が完了すると、クライアント210に向けてユーザ・クライアント情報更新(登録)応答を送信する(ステップS903)。
【0130】
(コンテンツ利用要求を発しコンテンツを再生するまでのシーケンス)
図10は、既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210からコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作を例示するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS1001)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PUを伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
【0131】
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(そのユーザ)に関して、図1におけるコンテンツ配信サーバ100(自装置)の記憶装置101内に破線図示の認証用データ格納部105に格納されているユーザに関する登録情報に基づいて、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1002)。
ステップS1002でコンテンツ使用要求(そのユーザ)に関する認証が成立すると判断された場合には(ステップS1002:Yes)、次いで、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS1003)。
【0132】
ユーザ・クライアント情報確認依頼(ステップS1003)を受けたデータ配信管理サーバ500は、図1における記憶装置501の認証用データ格納部502に保有している認証用のクライアント情報に基づいてユーザ・クライアント認証の成立の可否、即ち、認証判断の対象とされるクライアントが(正規ユーザにおける)正規クライアントであるかどうかを判断する(ステップS1004)。
【0133】
ステップS1004でユーザ・クライアント認証が成立すると判断されたときには(ステップS1004:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100にユーザ・クライアント認証成立応答を返す(ステップS1005)。
コンテンツ配信サーバ100は、このユーザ・クライアント認証成立応答(ステップS1005)を受けて、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS1006)。
【0134】
充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図8:ステップS809)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS1006)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1007)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1008)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1009)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
【0135】
他方、上述のステップS1002でユーザ認証が成立しないと判断された場合(ステップS1002:No)、および、ステップS1004でユーザ・クライアント認証が成立せず(ステップS1004:No)ユーザ・クライアント認証不成立応答がデータ配信管理サーバ500から返された場合(ステップS1005)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1011)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図8中「C」と表記された、(ステップS801以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0136】
(不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得)
図11は、図1のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
先ず、クライアント210(ユーザ310)からコンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS1101)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ100はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1102)。
【0137】
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS1102:Yes)、次いで、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS1103)。
ユーザ・クライアント情報確認依頼(ステップS1103)を受けたデータ配信管理サーバ500は、図1における記憶装置501の認証用データ格納部502に保有している認証用のクライアント情報に基づいてユーザ・クライアント認証の成立の可否、即ち、認証判断の対象とされるクライアントが(正規ユーザにおける)正規クライアントであるかどうかを判断する(ステップS1104)。
【0138】
ステップS1104でユーザ・クライアント認証が成立すると判断されたときには(ステップS1104:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100にユーザ・クライアント認証成立応答を返す(ステップS1105)。
コンテンツ配信サーバ100は、このユーザ・クライアント認証成立応答(ステップS1105)を受けて、コンテンツ再ダウンロード要求に対応する不完全コンテンツデータをクライアント210にダウンロードによって供給可能にする(ステップS1106)。
【0139】
クライアント210は、不完全コンテンツデータをダウンロードによって取得し自装置の記憶部に格納する(ステップS1107)。
このようにして不完全コンテンツデータの再ダウンロードによる取得が行なわれる。
他方、上述のステップS1102でユーザ認証が成立しないと判断された場合(ステップS1102:No)、および、ステップS1104でユーザ・クライアント認証が成立せず(ステップS1104:No)ユーザ・クライアント認証不成立応答がデータ配信管理サーバ500から返された場合(ステップS1108)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1109)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0140】
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図8中「C」と表記された、(ステップS801以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
以上、図1および図3のコンテンツ配信システムについて、ユーザおよびクライアントに関する認証処理の一切をデータ配信管理サーバによって一括して担う場合、および、ユーザ認証に関しては各個のコンテンツ配信サーバによって賄い、ユーザ・クライアント認証に関してこれら各個のコンテンツ配信サーバに共通のデータ配信管理サーバによって一括して担う場合、のそれぞれについて説明した。
【0141】
後者のように、認証処理の負担を各個のコンテンツ配信サーバとこれらに共通のデータ配信管理サーバによって按分して担う場合には、既述のような構成を採る他、ユーザ認証に関してはデータ配信管理サーバ側で担い、各個のコンテンツ配信サーバ側でユーザ・クライアント認証(使用するクライアントの認証)を賄うといった構成を採ることも可能である。
更にまた、上述のような認証処理を実行するためのデータ配信管理サーバを敢えて設けず、コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うように構成してもよい。
このような場合においても、一のユーザが複数のクライアントを用い、適宜、複数のコンテンツ配信サーバから選択的にコンテンツデータを取得してコンテンツの再生を行なうことが可能なようにコンテンツ配信システムが構築され得る。
【0142】
(コンテンツデータ配信システムの他の態様)
図12は、データ配信管理サーバを敢えて設けず、コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うようにし、且つ、このようなコンテンツ配信サーバが複数存在するようなコンテンツ配信システムにおける、コンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、および、コンテンツ配信サーバを結ぶネットワークについては図示省略されている。
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされるコンテンツAに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録されている。
【0143】
同様に、他のコンテンツ配信サーバ100aには、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされるコンテンツCに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録され、更に、購入の対象とされた他のコンテンツDに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(2)およびそのユーザが用いるものとしてクライアント(2)が登録されている。
【0144】
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0145】
上述におけるような認証は、各個のコンテンツ配信サーバにおいて各別に実行される。
この認証を行なうために、各個のコンテンツ配信サーバ100,100aには、登録された正規ユーザおよびその正規クライアントであることを認証するためのユーザに関する情報および一の正規ユーザに対応して登録された一または複数のクライアントであることを認証するための情報が保有される。
【0146】
尚、認証用情報に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に
先ずダウンロード(DL)で不完全コンテンツデータが格納された後コンテンツ使用要求操作(DM)に対応して充足用コンテンツデータをストリーミング配信によって供給することにより、コンテンツ再生が可能である。
【0147】
同様に、正規ユーザ320およびその正規クライアントであるミュージックプレーヤ230については、他のコンテンツ配信サーバ100aからコンテンツデータの正当な取得が可能である。
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとして登録した場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、他のコンテンツ配信サーバ100aから不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
【0148】
ユーザ310が、ミュージックプレーヤ220からコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220から他のコンテンツ配信サーバ100aに対して、コンテンツの使用要求(DM)を発すると、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否が判断される。
この場合、正規ユーザおよび正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータが他のコンテンツ配信サーバ100aからミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0149】
(コンテンツ配信サーバの他の実施の形態)
図13は、本発明のコンテンツ配信サーバの他の実施の形態を表す機能ブロック図である。
コンテンツ配信サーバ300には、配信の対象となるコンテンツを表すデータを保有するコンテンツデータ格納部として機能する記憶装置301が設けられている。
この記憶装置301には、一まとまりの音声や映像等のコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータを格納する完全コンテンツデータ格納部302、完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータを格納する不完全コンテンツデータ格納部303、不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータを格納する充足用コンテンツデータ格納部304、および、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理に供される認証用データを格納する認証用データ格納部305とが設定されている。
【0150】
上述の、完全コンテンツデータ格納部302、不完全コンテンツデータ格納部303、充足用コンテンツデータ格納部304、および、認証用データ格納部305に格納された各データはそれらを区分して取り扱うことが可能なようにアクセスされ得る。
完全コンテンツデータ格納部302に格納された完全コンテンツデータを元にして不完全コンテンツデータを作成する不完全コンテンツデータ作成部306と、完全コンテンツデータを元に充足用コンテンツデータを作成する充足用コンテンツデータ作成部307とが設けられている。
【0151】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部308が設けられ、
また、認証用データ格納部305に格納された各データに基づいて、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理を実行する認証処理部309が設けられる。
上述の記憶装置301、不完全コンテンツデータ作成部306、充足用コンテンツデータ作成部307、通信部308、および、認証処理部309は、バス310によってシステムコントローラ311と結ばれ、このシステムコントローラ311による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
【0152】
即ち、通信部308、認証処理部309、および、システムコントローラ311を含む該当機能部によって、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、認証用データ格納部305に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部が構成される。
【0153】
また、システムコントローラ311における該当機能部によって、認証処理部309における認証が成立することを条件として、既に取得されている不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部が構成される。
更に、記憶装置301、充足用コンテンツデータ作成部307、通信部308、および、システムコントローラ311における該当機能部によって、上述のデータ配信規制管理部の管理下で充足用コンテンツデータを該当するクライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部が構成される。
【0154】
上述のようなコンテンツ配信サーバ300は、ネットワーク700を通してクライアント(1)210、クライアント(2)220、クライアント(3)230、クライアント(4)240と結ばれ、これらクライアントおよびそのユーザがそれぞれ登録された正規クライアントおよびユーザであるとの認証が成立することを条件として、該当するクライアントに対し充足用コンテンツデータを配信する。
図14は、図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバを結ぶネットワーク(図13では参照符号700)については図示省略されている。
【0155】
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされたコンテンツAに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録されている。
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
【0156】
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0157】
コンテンツ配信サーバが複数ネットワーク上に存在するようなコンテンツ配信サービスのシステムでは、上述におけるような認証は、各個の該当するコンテンツ配信サーバにおいて各別に実行されるが、図14では、説明の便宜上、一つのコンテンツ配信サーバに関連して、コンテンツや認証のデータの流れについて述べる。
上述の認証を行なうために、コンテンツ配信サーバ100には、登録された正規ユーザおよびその正規クライアントであることを認証するためのユーザに関する情報および一の正規ユーザに対応して登録された一または複数のクライアントであることを認証するための認証用情報が保有される。
【0158】
尚、認証用情報に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に
先ずダウンロード(DL)で不完全コンテンツデータが格納された後コンテンツ使用要求操作(DM)に対応して充足用コンテンツデータをストリーミング配信によって供給することにより、コンテンツ再生が可能である。
【0159】
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとして登録した場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、コンテンツ配信サーバ100から不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
ミュージックプレーヤ220から ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発すると、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否が判断される。
【0160】
この場合、正規ユーザ(AU1)および正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがコンテンツ配信サーバ100からミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
仮に、今、ユーザ320が正規ユーザでなく、従って、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230も正規クライアントでない場合を想定する。
【0161】
このような場合も、不完全コンテンツデータの複製や移転自体は既述のように著作権保護に違背するものではなく、従って、正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210にダウンロードによって保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220を経由する等してミュージックプレーヤ230に複製ないし移転することは許容される。
【0162】
この複製ないし移転に伴なって、正規ユーザ310が自己のユーザ認証に係る情報まで正規ユーザでないユーザ320に教えてしまった場合(AU2)に、ユーザ320が図23等を参照して既述の所謂「なりすまし」によるコンテンツデータの取得を試みたとしても(破線図示のDM)、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230が正規クライアントではないためにコンテンツ配信サーバ100における認証が成立せず、充足用コンテンツデータのストリーミング配信による供給は拒否され、コンテンツデータの不正な取得は効果的に抑止されることになる。
図15ないし図17は、図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるデータの授受の様子を時系列的に表すシーケンス図である。
【0163】
(コンテンツ購入操作からコンテンツ再生までの動作シーケンス)
図15において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS1501)。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録要求をクライアント210に返す(ステップS1502)。
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード、および使用クライアント情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS1503)。
【0164】
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれた情報についてユーザ情報(PU)の登録処理(ステップS1504)を行なった上、クライアント210に対して図20、図21を参照して既述のような不完全コンテンツデータを供給する(ステップS1505)。
即ち、クライアント210はこのように供給される不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し所定の記憶部に格納する(ステップS1506)。
【0165】
このようにして不完全コンテンツデータがクライアント210にて取得されてより以降の適宜の時点で、クライアント210のユーザ310からコンテンツ使用要求の操作が行われると、この操作を受けたクライアント210はコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS1507)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU(即ち、ユーザとそのユーザが用いるクライアントの情報)を伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
【0166】
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(DM)に係るユーザ情報PUを、先に(ステップS1504で)登録したユーザ情報PUと照合することによって、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1508)。
認証が成立した場合には(ステップS1508:Yes)、コンテンツ配信サーバ100からクライアント210に向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信が許容され、この配信が実行される(ステップS1509)。
【0167】
認証の成立(ステップS1508:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(ステップS1506)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS1509)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1510)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1511)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1512)。
【0168】
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS1508)で認証が成立しない場合には(ステップS1508:No)、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1513)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0169】
(不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得)
上述のようなコンテンツ配信サービスの利用においては、目的とするコンテンツの再生が実行されて以降も不完全コンテンツデータは、通常の場合、そのまま維持され、再度の利用に供され得る。
しかし、ユーザの誤操作によって不完全コンテンツデータまでも消去されてしまうことが稀には生じ得る。
このような場合のために、不完全コンテンツデータについては、ダウンロードによる再取得が許容されるように構成されている。
図16は、上述のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【0170】
先ず、クライアント210(ユーザ310)からコンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS1601)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ100はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1602)。
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS1602:Yes)、不完全コンテンツデータをクライアント210に供給する(ステップS1603)。
即ち、クライアント210側では、この不完全コンテンツデータを再ダウンロードして所定の記憶部に格納する(ステップS1604)。
【0171】
一方、ユーザ認証が成立しない場合には(ステップS1602:No)、コンテンツ配信サーバ100はクライアント210に対してコンテンツ再ダウンロード拒否の応答をする(ステップS1605)。この応答は拒否理由の送信を伴なって行なわれる。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図15中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0172】
(クライアント間で不完全コンテンツデータが移転された場合について)
次に、図17を参照して、ダウンロード等によって取得した不完全コンテンツデータを保有する一のクライアントから他のクライアントにその不完全コンテンツデータが移転された場合におけるコンテンツ使用時の動作について説明する。
クライアント間での不完全コンテンツデータの移転(TR)が自由に許容されても、既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが欠落しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれても著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0173】
正規ユーザ310は、自らが用いるクライアント(携帯電話機)210で取得し保持している不完全コンテンツデータを、自ら用いる正規クライアント(ミュージックプレーヤ)220に移転し(ステップS1701)、更に、ミュージックプレーヤに移転した不完全コンテンツデータを、正規ユーザでないユーザ320が用いているクライアント(ミュージックプレーヤ)230に自由に移転(破線の矢線TR)することができる(ステップS1702)。
【0174】
正規クライアント220は、正規ユーザ310の操作に基づいてコンテンツ配信サーバ100にコンテンツ使用要求DMを送信する(ステップS1703)。
上述の不完全コンテンツデータの移転(ステップS1702)を行なった場合、ユーザ310がユーザ320に自らのユーザ情報(ユーザID、パスワード等)を教えてしまうと(図14における曲がった矢線AU2)、ユーザ320が正規ユーザであるユーザ310のユーザ情報を用いて、コンテンツ配信サーバ100にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことも発生し得る(ステップS1704)。
【0175】
コンテンツ使用要求(ステップS1703;1704)を受けて、コンテンツ配信サーバ100は正規ユーザが正規クライアントを用いていることの認証の可否を判断する(ステップS1705)。
正規ユーザが正規クライアントを用いてのコンテンツ使用要求(ステップS1703)については、当然に、認証が成立したものと判断され(ステップS1705:Yes)、充足用コンテンツデータが正規クライアントであるミュージックプレーヤ220にストリーミング配信によって供給される(ステップS1706)。
【0176】
ストリーミング配信(ステップS1706)で充足用コンテンツデータを供給されたクライアント220(ユーザ310)では、不完全コンテンツデータと充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1707)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1708)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1709)。
【0177】
一方、見かけ上は正規ユーザであるが正規クライアントではないクライアント(ミュージックプレーヤ)230を用いてのコンテンツ使用要求(ステップS1704)については、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS1705)において、正規クライアントではないため認証が成立せず(ステップS1705:No)、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント230に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1710)。この応答は拒否の理由を伴なって送信実行される。
【0178】
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図15中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
このようにして、正規ユーザでないユーザ320が正規ユーザである場合と全く同様にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことを行なったとしても、用いたクライアントが正規クライアントでない限り、コンテンツを享受することは不可能であり、所謂「なりすまし」によるコンテンツの不正な取得が効果的に抑止される。
【0179】
(コンテンツデータ配信管理方法)
以上、本発明の実施の形態としてのコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバについて説明したが、これらの説明から容易に理解されるとおり、本発明は、次のようなコンテンツデータ配信管理方法としても観念される技術思想である。
【0180】
即ち、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバ(100)からの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザ(図3:310)として登録し(図4:ステップS403)、且つ、該正規ユーザ(図3:310)が前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアント(図3,図4:210)を正規クライアントとして登録する登録処理のステップ(図4:ステップS403)と、
コンテンツの取得に適用されるクライアント(図3,図4:210)から自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに(図6:ステップS603)該認証が成立する(図6:ステップS604:Yes)ことを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバ(100)から該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容する(図6:ステップS608)データ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツデータ配信管理方法。
【0181】
このようなコンテンツデータ配信管理方法によれば、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータ取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明は、配信の対象とされるコンテンツデータを保有するコンテンツ配信サーバから一定の認証が成立した正規ユーザにおける正規クライアントに限り、一の契約で特定されるコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サービス事業に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムを表す機能ブロック図である。
【図2】図1のコンテンツ配信システムに適合するクライアント(情報端末装置)の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】図1のコンテンツ配信システムにおけるデータの流れを説明するための概念図である。
【図4】図1および図3のコンテンツ配信システムにおける各装置間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図5】図1および図3のコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザによる操作に基づいてデータ配信管理サーバが保有しているデータを更新する様子を表すシーケンス図である。
【図6】図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の各装置間でのデータ授受の様子を表すシーケンス図である。
【図7】図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の各装置間でのデータ授受の他の態様を表すシーケンス図である。
【図8】コンテンツ配信システムの他の構成例におけるクライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子表すシーケンス図である。
【図9】コンテンツの購入に依存せずに、データ配信管理サーバが保持しているユーザ・クライアント情報を更新または登録するときの動作を表すシーケンス図である。
【図10】不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアントからコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作を表すシーケンス図である。
【図11】コンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図12】コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うコンテンツ配信システムの概念図である。
【図13】本発明のコンテンツ配信サーバの他の実施の形態を表す機能ブロック図である。
【図14】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
【図15】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図16】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図17】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の動作を表すシーケンス図である。
【図18】コンテンツ配信技術に関する一般的な2通りの方式を説明するための概念図である。
【図19】ユーザが複数の種類の異なる或いは同種のクライアントを用いる場合の一般的技術について説明するための概念図である。
【図20】不完全コンテンツデータのダウンロードによる取得が行なわれて以降に充足用コンテンツデータをストリーミング配信することによって所望のコンテンツを再生可能にする従来のコンテンツ配信システムを表す概念図である。
【図21】図20におけるようなコンテンツデータ配信方式を採った場合に、複数のクライアントで同じコンテンツを享受する方法を表す概念図である。
【図22】同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
【図23】複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
【図24】従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図25】従来のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図26】従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0184】
100,300…コンテンツ配信サーバ 101,301,501…記憶装置 102,302…完全コンテンツデータ格納部 103,201,303…不完全コンテンツデータ格納部 104,304…充足用コンテンツデータ格納部 105,305,502…認証用データ格納部 106,306…不完全コンテンツデータ作成部 107,307…充足用コンテンツデータ作成部 108,204,308…通信部 109,309…認証処理部 110,205,310,506…バス 111,206,311,…システムコントローラ 200,210,220,230,240…クライアント 202…記憶部 203…データ結合処理部
1000…コンテンツ配信サーバ 2000…クライアント 2010…デスクトップPC 2020…モバイルPC 2030…ミュージックプレーヤ 2040,2041,2042…携帯電話機
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のコンテンツデータを保有し配信するコンテンツ配信サーバからネットワークを通してクライアント(端末装置)にユーザ所望のコンテンツデータを著作権に係る一定のセキュリティを確保しながら配信するための、データ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、著作権保護の対象となるコンテンツデータをネットワークを通して配信する技術が普及しつつある。このようなコンテンツデータの配信に適用される技術には様々な方式が存在するが、大別すると、次のような2通りの方式がある。
図18は、コンテンツ配信技術に関する一般的な2通りの方式を説明するための概念図である。
コンテンツ配信サーバ1000には、配信の対象となる種々のコンテンツのコンテンツデータが保有されている。
【0003】
ユーザが所望に応じてこれらのコンテンツデータの取得に用いる端末機器、即ち、クライアント2000としては、例えば、家庭用等のデスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、デスクトップPCという)2010、モバイル型パーソナルコンピュータ(以下、モバイルPCという)2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040が適用される。
これらのクライアント2000においてコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツデータを取得する一つの方式はダウンロード(download)方式であり(図中、屈曲した白抜きの矢線DLでそのデータの流れを概念的に表記)、コンテンツ配信サーバ1000に保有されているコンテンツデータを、ユーザが用いる何れかのクライアント2000に転送し且つそのクライアント2000に保存する方式である。
【0004】
もう一つの方式は、ストリーミング(streaming)方式(図中、直線的な白抜きの矢線STでそのデータの流れを概念的に表記)であり、ユーザがコンテンツを利用するときにコンテンツ配信サーバ1000に保有されているコンテンツデータをクライアント2000に伝送すると同時に再生(リアルタイム再生)し、再生し終わったコンテンツデータはクライアントに留まらない方式である。
以上の2通りの方式について、著作権法上の保護の観点からは、次のようなセキュリティ技術が用いられそれぞれ得失があるといえる。
即ち、ダウンロード方式では、コンテンツデータに含ませたメタデータによってコンテンツの利用回数(再生回数)やメディア(記録媒体)間での移転に関して規制を設ける等の技術が適用される。
【0005】
また、ダウンロード方式では、コンテンツデータの暗号化によって、一旦ダウンロードによってコンテンツデータが格納されたメディアから他のメディアへのコンテンツデータの移転を禁止するなどの技術も適用される。
尚、伝送距離や複製の回数に関わらず劣化が起こらず且つ複製が容易なデジタルコンテンツの不正な複製、流通、或いは、閲覧などを規制するため、メディア間での移転を制限する著作権保護および管理手法はDRM(Digital rights management:デジタル著作権管理)と称されている。
【0006】
ダウンロード方式では、ダウンロードによってコンテンツデータが一旦メディアに格納されて以降は、その利用(再生)はユーザの手許(クライアント)で実行できるといったユーザ側にとっての利便性が特徴である。
この反面、一旦ダウンロードによってメディアに格納されたコンテンツデータは、それを基に無制限に複製されたり改竄される虞があることも否めず、著作権の保護(セキュリティ)の視点からは課題を含んでいる。
【0007】
一方、ストリーミング方式の場合は、上述の通りリアルタイム再生方式であるため、受信と再生との各ソフトウェアの連携が必須で、且つ、途中までのデータで再生を始めなくてはならず、また、圧縮されたデータを高速で解凍することを必須とする等、ユーザ側から見た利便性については種々課題を含んでいる。
しかし、原理的にコンテンツデータがユーザ(そのクライアント)側に保存されるといったことがないため、著作権の保護(セキュリティ)については略十全である。
上述したところは、コンテンツデータの配信に係る2通りの方式とそのユーザ側から見た利便性と著作権に関するセキュリティの視点からの得失に係る概要であったが、ユーザが種々の乃至は複数のクライアントを用いようとする場合にも、現行の技術では種々課題を含んでいる。
【0008】
図19は、ユーザが複数の種類の異なる或いは同種のクライアントを用いる場合の一般的技術について説明するための概念図である。
著作権保護の対象となるコンテンツをクライアントとしてのデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、携帯電話機(1)2041、および、携帯電話機(2)2042で用いるに際して、現行の一般的なコンテンツ配信サービスによる場合では、各クライアント毎に所望するコンテンツのコンテンツデータをダウンロード方式またはストリーミング方式で取得して(図では、この取得を実線の矢線で概念的に図示)再生するのが一般的である。
【0009】
これに対して、図中破線の矢線で概念的に表されたように、デスクトップPC2010でダウンロード等によって取得され保持されたコンテンツデータをモバイルPC2020に移転または複製するといったことは通常一般的には行なわれていない。
同様に、ミュージックプレーヤ2030によって取得され保持されたコンテンツデータを携帯電話機(1)2041に移転または複製し、更に、携帯電話機(1)2041から携帯電話機(2)2042に移転または複製するといったことも行なわれていない。
【0010】
このように所望のコンテンツについてクライアント毎に個別にデータを取得するのは、各クライアントにおけるコンテンツデータの圧縮・伸長の処理方式等の仕様が異なっており、全く同一のデータ形式によるコンテンツデータの利用が困難であるという技術的問題に起因している。
また、クライアント毎に個別にデータを取得するのは、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)によるコンテンツ利用者に対する課金方法にも起因している。
【0011】
即ち、1ダウンロード、1クライアント、1ユーザといったように、単一のコンテンツの利用に対してユーザ側の機器や操作に関する各個の要素(要因)毎に課金するといったサービスの形態が採られているため、このサービスに加入したユーザは自ずからこのような課金方法に従ってクライアント毎にコンテンツデータを購入することになる。
他方、各個のクライアント間で、既得のコンテンツデータを相互に移転または複製することについての技術的目処が立ったとしても、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)における著作権に関するセキュリティの保護は図られなくてはならない。
【0012】
その上で、コンテンツ利用者(ユーザ)が同一のコンテンツについては複数の端末機器(クライアント)のうちから所望のものを選択的に用いて利用することが出来るといった利便性を享受できるようなシステムの構築が望まれる。
上述のダウンロード方式によるユーザの利便性とストリーミング方式による著作権の保護(セキュリティ)の確かさといった双方の利点を兼ね備えた方式として次のような技術を採用することも提案されている。
【0013】
即ち、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータのダウンロード方式による取得を規制し、その完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータに限って取得し保存することを許容する一方、取得された不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足する充足用コンテンツデータを後の時点でストリーミング配信によって供給し、コンテンツの享受を可能にするといった方式である(例えば特許文献1参照)。
【0014】
図20は、不完全コンテンツデータのダウンロードによる取得が行なわれて以降に充足用コンテンツデータをストリーミング配信することによって所望のコンテンツを再生可能にする従来のコンテンツ配信システムを表す概念図である。
図20(a)に表されたように、先ず、コンテンツ配信サーバ1000から上述のような不完全コンテンツデータPDがクライアント2000としてのデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等にダウンロード(DL)され、保存される。
【0015】
図20(a)では、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータCDの一部である不完全コンテンツデータPDは、ハッチングを施して表され、不完全コンテンツデータPDに対応する不足部分のデータである充足用コンテンツデータが空白によって概念的に表記されている。
図20(b)には、 図20(a)におけるように不完全コンテンツデータPDのダウンロードが行なわれて以降の適宜の時点で、充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信が行なわれる様子が概念的に表されている。
【0016】
クライアント2000(デスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等の何れか)からコンテンツ配信サーバ1000に対して不足部分のデータに関する送信要求DMが発せられたことに応答して、充足用コンテンツデータSDがストリーミング配信(ST)される。
図20(b)では、空白によって概念的に表記された不完全コンテンツデータPDに対応する充足用コンテンツデータSDの部分がハッチングを施して表されている。
【0017】
クライアント2000(デスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等の何れか)において、図20(a)に図示の不完全コンテンツデータPDと図20(b)の充足用コンテンツデータSDとが揃ったところで後述するようなデータ結合処理が実行され、コンテンツの再生が行なわれる。
【0018】
図21は、図20におけるようなコンテンツデータ配信方式を採った場合に、複数のクライアントで同じコンテンツを享受する方法を表す概念図である。
図21(a)は、クライアントの一つであるデスクトップPC2010がコンテンツ配信サーバ1000からダウンロード(DL)によって取得し保持した不完全コンテンツデータPDを、他のクライアントであるモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、或いは、携帯電話機2040等に複製ないし移転(TR)した様子を表している。
【0019】
このような複製ないし移転(TR)が行なわれた結果、各クライアントであるデスクトップPC2010、モバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等の何れにおいても、不完全コンテンツデータPDが保持された状態になっている。
既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが不足しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれて図21(a)のような状態が現出したとしても、その限りでは著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0020】
図21(b)は、図21(a)のような状態が現出して以降適宜の時点で、何れかのクライアントでコンテンツの再生(利用)を行なう様子を表している。
不完全コンテンツデータPDを保持しているデスクトップPC2010が、コンテンツ配信サーバ1000に対して不足部分のデータである充足用コンテンツデータSDに関する送信要求DMを発すると、これに応答して、充足用コンテンツデータSDがストリーミング配信(ST)される。
このようにして、デスクトップPC2010では、図21(a)の不完全コンテンツデータPDと 図21(b)におけるようにストリーミング配信された充足用コンテンツデータSDとが揃い、コンテンツの再生を行なうことができる。
【0021】
一方、図21(a)を参照して既述のように、デスクトップPC2010がダウンロードによって取得した不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を受けてこのデータPD保持するに到ったモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等の何れにおいても、デスクトップPC2010におけると同様に充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信を何等の制限も無く受けることができるようにしてしまうと、ユーザにおける利便性はともかく、著作権の保護に欠けることになり、著作権者(コンテンツ配信サービス事業者)側から見ても、また、法的視点からも大きな問題である。
【0022】
従って、通常、不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を受けて不完全コンテンツデータPD保持するに到ったモバイルPC2020、ミュージックプレーヤ2030、および、携帯電話機2040等については、充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求(図中、破線の矢線で概念的に表記)が無条件で許容されることはない。
上述の場合においても、個々のクライアントについてユーザの使用する正規クライアントとしての認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信を許容するように構成すれば、著作権の保護に関する問題点は一応解消することになる。しかしながら、今度は、ユーザ側でコンテンツを享受できるようになるまでの手続きが煩雑化してしまうといった問題が生じる。
【0023】
図21(b)を参照して説明したコンテンツデータ配信における著作権保護の欠如の問題が本質的に生じないようにするには、図21(a)を参照して説明したような複数のクライアント間での不完全コンテンツデータPDの複製ないし移転(TR)を許さないようにすることである。
図22は、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
この場合、コンテンツ配信サーバ1000には、予め、ユーザ情報PUとして、ユーザの所望に係る一つのコンテンツAに対応するものとして、ユーザ3010を表すユーザ(1)のデータが登録されているものとする。
【0024】
ユーザ3010が携帯電話機2040とミュージックプレーヤ2030との2つのクライアントを使用する場合に、先ずユーザ3010が携帯電話機2040にコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツAの不完全コンテンツデータPDをダウンロード(DL)して保持することがユーザ情報PUとの照合によって(即ち、ユーザの認証が成立して)許容される。
次に、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2030への複製ないし移転(TR)を禁止するようにすれば、ユーザ3010にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が阻害されるものの、著作権保護の観点からは問題が生じない。
【0025】
ユーザ3010が、携帯電話機2040で充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信すれば、ユーザ3010が登録された正規ユーザであることから、この充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)が行なわれ、ユーザ3010は所望のコンテンツを再生することができる。
他方、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2030への複製ないし移転(TR)を禁止しない場合には、ユーザ3010にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が確保される。
【0026】
上述の状態において、ミュージックプレーヤ2030から充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信した場合に、ユーザの同一性に係る認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容するようにすれば、一見著作権保護の観点からも問題が生じないかに見える。
しかしながら、このようにユーザの同一性のみ確保されればコンテンツの再生に適用するクライアントの如何を問わず無制限に充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容することになってしまい、実質的な意味合いにおいて著作権保護が十全ではなくなってしまう。
【0027】
図23は、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
この場合も、コンテンツ配信サーバ1000には、予め、ユーザ情報PUとして、ユーザの所望に係る一つのコンテンツAに対応するものとして、ユーザ3010を表すユーザ(1)のデータが登録されているものとする。
一人のユーザ3010が携帯電話機2040を用い、他のユーザ3020がミュージックプレーヤ2031を夫々のクライアントとして使用する場合に、先ずユーザ3010が携帯電話機2040にコンテンツ配信サーバ1000からコンテンツAの不完全コンテンツデータPDをダウンロード(DL)して保持することがユーザ情報PUとの照合によって(即ち、ユーザの認証が成立して)許容される。
【0028】
ユーザ3010が、携帯電話機2040で充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DMを発信すれば、ユーザ3010が登録された正規ユーザであることから、この充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)が行なわれ、結果的にユーザ3010は所望のコンテンツを再生することができる。
他方、携帯電話機2040に保持された不完全コンテンツデータPDのミュージックプレーヤ2031への複製ないし移転(TR)を禁止しない場合には、ミュージックプレーヤ2031を用いている他のユーザ3020にとってはコンテンツデータ取得に関する利便性が確保される。
【0029】
上述の状態において、ミュージックプレーヤ2031でから充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信要求DM(破線図示)を発信した場合には、ユーザの同一性に係る認証を経て充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(破線図示のST)を許容するようにすれば、登録された正規ユーザではない他のユーザ3020はこのストリーミング配信を受けられず、従って、著作権保護の観点からも見かけ上は何等問題が生じないことになる。
【0030】
しかしながら、このようにユーザの同一性のみ確保されればコンテンツの再生に適用するクライアントの如何を問わずに充足用コンテンツデータSDのストリーミング配信(ST)を許容するといった限りでの規制であると、仮に、正規ユーザ(1)3010が他のユーザ3020にユーザIDやパスワードを知らせてしまうなどの行為を行なった場合には、他のユーザ3020が正規ユーザ(1)3010になりすましてこれら知得したIDやパスワードを用いて手続を行なうことが可能になってしまうため著作権保護については危惧が生じることになってしまう。
【0031】
図24ないし図26は、図23のコンテンツ配信システムにおけるクライアント(例えば携帯電話機2040)とコンテンツ配信サーバ1000との間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
図24において、クライアント(携帯電話機)2040がユーザ3010によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ1000に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS2401)。
【0032】
コンテンツ配信サーバ1000はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録要求をクライアント2040に返す(ステップS2402)。
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント2040は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名およびパスワード情報等をコンテンツ配信サーバ1000に送り込む(ステップS2403)。
コンテンツ配信サーバ1000はこのようにして送り込まれた情報についてユーザ情報(PU)の登録処理(ステップS2404)を行なった上、クライアント2040に対して図20、図21を参照して既述のような不完全コンテンツデータを供給する(ステップS2405)。
【0033】
即ち、クライアント2040はこのように供給される不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し所定の記憶部に格納する(ステップS2406)。
このようにして不完全コンテンツデータがクライアント2040にて取得されてより以降の適宜の時点で、クライアント2040のユーザ3010からコンテンツの使用の操作が行われると、この操作を受けたクライアント2040はコンテンツ配信サーバ1000に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS2407)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PUを伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ1000に送信される。
【0034】
コンテンツ配信サーバ1000は、このコンテンツ使用要求(DM)に係るユーザ情報PUを、先に(ステップS2404で)登録したユーザ情報PUと照合することによって、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS2408)。
認証が成立した場合には(ステップS2408:Yes)、コンテンツ配信サーバ1000からクライアント2040に向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信が許容され、この配信が実行される(ステップS2409)。
【0035】
認証の成立(ステップS2408:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント2040側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(ステップS2406)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS2409)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS2410)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS2411)。
【0036】
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS2412)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2408)で認証が成立しない場合には(ステップS2408:No)、コンテンツ配信サーバ1000は、クライアント2040に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS2413)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0037】
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
上述のようなコンテンツ配信サービスの利用においては、目的とするコンテンツの再生が実行されて以降も不完全コンテンツデータは、通常の場合、そのまま維持され、再度の利用に供され得る。
しかし、ユーザの誤操作によって不完全コンテンツデータまでも消去されてしまうことが稀には生じ得る。
このような場合のために、不完全コンテンツデータについては、ダウンロードによる再取得が許容されるように構成されている。
【0038】
図25は、従来のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
先ず、クライアント2040(ユーザ3010)からコンテンツ配信サーバ1000に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS2501)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ1000はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS2502)。
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS2502:Yes)、不完全コンテンツデータをクライアント2040に供給する(ステップS2503)。
【0039】
即ち、クライアント2040側では、この不完全コンテンツデータを再ダウンロードして所定の記憶部に格納する(ステップS2504)。
一方、ユーザ認証が成立しない場合には(ステップS2502:No)、コンテンツ配信サーバ1000はクライアント2040に対してコンテンツ再ダウンロード拒否の応答をする(ステップS2505)。この応答は拒否理由の送信を伴なって行なわれる。
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
図26は、従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【0040】
次に、図26を参照して、ダウンロード等によって取得した不完全コンテンツデータを保有する一のクライアントから他のクライアントにその不完全コンテンツデータの移転が許される場合の問題点について説明する。
クライアント間での不完全コンテンツデータの移転(TR)が自由に許容されても、既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが欠落しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれて図21(a)を参照して説明したような状態が現出したとしても著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0041】
正規ユーザ3010は、自らが用いるクライアント2040で取得し保持している不完全コンテンツデータを、正規ユーザでないユーザが用いている3020のクライアント2031に自由に移転(TR)することができる(ステップS2601)。
この場合、ユーザ3010がユーザ3020に自らのユーザ情報(ユーザID、パスワード等)を教えてしまうと(図23における曲がった破線の矢線)、ユーザ3020が正規ユーザであるユーザ3010のユーザ情報を用いて、コンテンツ配信サーバ1000にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことも発生し得る(ステップS2603)。
【0042】
このコンテンツ使用要求DM(ステップS2603)は、見かけ上、正規ユーザの3010のユーザ情報(ユーザID,パスワード等)に基づくものであるため、コンテンツ配信サーバ1000では、正規ユーザによるコンテンツ使用要求(実線の矢線)DM(ステップS2602)と区別がつかないものである。
従って、コンテンツ配信サーバ1000は、次のユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2604)において、認証成立の条件が充足されたものと判断して(ステップS2604:Yes)、充足用コンテンツデータをクライアント2031に向けてストリーミング配信(破線の矢線ST)する(ステップS2606)。
【0043】
即ち、コンテンツ配信サーバ1000側は、見かけ上、正規ユーザに対する充足用コンテンツデータのストリーミング配信(実線の矢線)の場合(ステップS2605)と同様に作動してしまう。
ストリーミング配信(ステップS2606)で充足用コンテンツデータを供給されたクライアント2031(ユーザ3020)では、不完全コンテンツデータと充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS2607)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS2608)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS2609)。
【0044】
尚、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS2604)において、誤操作その他何等かの理由で認証が成立しないと判断したときには(ステップS2604:No)、コンテンツ配信サーバ1000は、クライアント2031に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS2610)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ1000は、その後、図24中「a」と表記された、(ステップS2401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0045】
このようにして、正規ユーザでないユーザ3020が正規ユーザである場合と全く同様にコンテンツを享受することが可能になり、所謂「なりすまし」によるコンテンツの不正な取得が発生してしまう懸念がある。
上述のような懸念を払拭するには相応の対応が必要であるが、ユーザ側における利便性の確保を考慮しつつ、上述のような「なりすまし」によるコンテンツの不正取得にも厳格に対処できる技術は未だ提案されるに到らず、寧ろ、このような視点からの明確な課題認識そのものが希薄であった。
【0046】
尚、著作権保護の視点から、或いは、更に具体的に課金処理が確実に行なわれるようにするために、既に種々の提案がなされている。
例えば、EMD(音声配信サービス)サーバがネットワークを介してEMDクライアントと結ばれたシステムにおいて、EMDサーバにEMDサービスを受けるユーザやそのユーザが用いるEMDクライアントの正当性を認証する機能を備え、会員制のEMDサービスにおける正規ユーザの認証をEMDクライアントとの信号の授受によって行い、認証が成立することを条件として、そのEMDクライアントにコンテンツを配信するといった技術の提案がある(特許文献2参照)。
【0047】
また、音楽データ提供業者の提供サーバからネットワーク経由でユーザの端末装置に音楽データを提供するシステムにおいて、ポータルサーバに認証処理部を設け、この認証処理部によって、クライアント端末からネットワークインターフェースおよび通信制御部を介してIDとパスワードを受信し、ユーザ認証処理を実行するようにシステムを構築するといった提案もある(特許文献3参照)。
更に、コンテンツサーバたる情報提供サーバがネットワークを介してクライアント端末に提供用情報を送信する情報提供システムにおいて、コンテンツサーバとは別に設けられている窓口サーバによって、接続処理および認証処理を行なうといった提案もある(特許文献4参照)。
【0048】
【特許文献1】特開2002−278859号公報(段落0021〜段落0030、図1)
【特許文献2】特開2005−92477号公報(段落0046、段落0075、段落0128、段落0248〜段落0251、段落0319、図1、図2、図3、図8)
【特許文献3】特開2005−332175号公報(段落0053〜段落0058、段落0072〜段落0075、段落0090、図1、図4、図5、図6、図7、図14)
【特許文献4】特開2003−50761号公報(段落0035〜段落0036、段落0048〜段落0049、図1)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0049】
しかし、上掲の何れの特許文献に開示された技術によっても、図22ないし図23を参照して説明したような、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合のユーザにおける利便性の確保と著作権保護との相克に係る問題や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の各ユーザにおける利便性の確保と著作権保護との相克に係る問題については解答を与えることができない。
【0050】
これは、これらの特許文献に開示された技術には、元々図22ないし図23を参照して説明したような問題を技術課題として明確に認識するところがないが故の当然の帰結であるとも見ることができる。
即ち、何れの特許文献においても、著作権保護に関するセキュリティの確保を、ユーザとそのユーザが用いる一または複数のクライアントとに各個に峻別した上でそれらの何れに対しても然るべき認証が成立することを条件としてコンテンツデータの取得を許容すると言った視点が無く、或いは、本来的にこの水準まで明確に著作権を保護することを課題とするよりもユーザにおける課金に見合った利益保護を主眼としている。
【0051】
本発明は上述のような現状認識に基づいてなされたものであり、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合におけるユーザにおける利便性の確保と著作権保護との両立を図ることのできるコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0052】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
即ち、本発明の一つのデータ配信システムは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信するコンテンツ配信サーバと、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、所定の認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信することを許容するデータ配信管理サーバと、
を含んで構成されたデータ配信システムであって、
前記データ配信管理サーバは、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有し、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、前記コンテンツ配信サーバに対し、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容することを特徴とする。
【0053】
このデータ配信システムでは、コンテンツ配信サーバに、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信する。
【0054】
上記コンテンツ配信サーバから、例えばダウンロードし、或いはまた、複製や移転その他の適宜の方法によって上述の不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、上記コンテンツ配信サーバから該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信するについては、データ配信管理サーバが所定の認証成立を条件として、このストリーミング配信を許容する。
【0055】
上述の所定の認証は、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、この正規ユーザが上記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データと、を保有している上記データ配信管理サーバが、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが上記正規ユーザにおける正規クライアントである旨を確認することによって成立する(尚、この認証は、通常、各個のコンテンツ毎に対応するものとして行なわれるものであり、以下同様である)。
【0056】
このようにして、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータの取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
上述のデータ配信システムは、上記のデータ配信管理サーバとコンテンツ配信サーバとがネットワークによって結ばれるように構成し得る。
このように構成することにより、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信システムが容易に構築され得る。
【0057】
また、本発明のコンテンツ配信サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに対して、前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段と、
前記認証照会手段が前記データ配信管理サーバから当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0058】
このようなコンテンツ配信サーバでは、コンテンツデータ格納部に、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、この不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して上記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有する。
認証照会手段によって、上記コンテンツ配信サーバから例えば予めダウンロードし、或いはまた、複製や移転その他の適宜の方法によって上述の不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を問う認証照会をコンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに送信して当該認証の成否を確認する。
【0059】
ストリーミング配信手段は、上記認証照会手段が認証成立の旨の応答をデータ配信管理サーバから受信したときに、その充足用コンテンツデータを正規ユーザにおける正規クライアントに向けてストリーミング配信する。
このようなコンテンツ配信サーバが上述のデータ配信管理サーバと連携した配信サービスが行なわれ、従って、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに足るコンテンツデータの取得の条件となることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
【0060】
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
上述のデータ配信システムは、上記のデータ配信管理サーバとコンテンツ配信サーバとがネットワークによって結ばれるように構成し得る。
上記のコンテンツ配信サーバは、データ配信管理サーバとネットワークによって結ばれるように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
【0061】
また、本発明のデータ配信管理サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理するデータ配信管理サーバであって、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令を前記コンテンツ配信サーバに向けて発するデータ配信規制管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とする。
【0062】
このようなデータ配信管理サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理する。
【0063】
認証用データ格納部では、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、正規ユーザがデータ配信システムからコンテンツを取得するために用いる正規クライアントとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データと、を保有する。
データ配信規制管理部では、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、上記充足用コンテンツデータを上記コンテンツ配信サーバから該適用するクライアントに向けてストリーミング配信することを許容する指令を上記コンテンツ配信サーバに向けて発する。
【0064】
このようなデータ配信管理サーバが上述のコンテンツ配信サーバと連携した配信サービスが行なわれることにより、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに足るコンテンツデータの取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【0065】
上述のデータ配信管理サーバは、上記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれるように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
更に、上述のデータ配信管理サーバは、上記データ配信規制管理部が、ユーザからコンテンツ配信サーバに対して行なった所定の登録手続に基づいてネットワークを介して供給される被登録データを上記認証用データ格納部に登録するように構成され得る。
【0066】
このような構成によれば、ネットワークを介在にユーザにおける利便性に富んだ規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
更にまた、上述のデータ配信管理サーバは、上記データ配信規制管理部が、ネットワークを介して複数の上記コンテンツ配信サーバからユーザ認証およびクライアント認証の照会を受け、上記認証用データ格納部に登録されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいてユーザおよびクライアントに係る認証処理を実行するように構成され得る。
このような構成によれば、ネットワークを介在に、コンテンツ配信事業者側から見てもユーザユーザ側から見ても利便性に富んだ規模の大きいコンテンツデータ配信サービスが容易に実現され得る。
【0067】
また、本発明のコンテンツ配信サーバは、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、前記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部と、
前記認証処理部における認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部と、
前記データ配信規制管理部の管理下で前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0068】
このようなコンテンツ配信サーバは、そのコンテンツデータ格納部に、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、この不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して上記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有する。
上記認証用データ格納部には、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、正規ユーザが上記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データとを保有する。
【0069】
コンテンツデータ格納部および認証用データ格納部にそれぞれ上述のようにデータが保有された状態で、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、認証処理部が、上記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する。
ストリーミング配信部が、上述のように充足用コンテンツデータの配信を規制管理するデータ配信規制管理部の管理下で充足用コンテンツデータを該当するクライアントに向けてストリーミング配信する。
【0070】
一方、本発明のコンテンツデータ配信管理方法は、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザとして登録し、且つ、該正規ユーザが前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアントを正規クライアントとして登録する登録処理のステップと、
コンテンツの取得に適用されるクライアントから自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに該認証が成立することを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバから該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容するデータ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とする。
【0071】
このような方法によれば、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータ取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【発明の効果】
【0072】
本発明によれば、同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合や、複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合におけるユーザにおける利便性の確保と著作権保護との両立を図ることのできるコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、データ配信管理サーバ、および、コンテンツデータ配信管理方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(実施の形態としてのコンテンツ配信システムの概要)
図1は、本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムを表す機能ブロック図である。
このコンテンツ配信システムでは、ユーザが所望するコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータのダウンロード方式による取得を規制し、その完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータに限って取得し保存することを許容する一方、取得された不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足する充足用コンテンツデータを後の時点でストリーミング配信によって供給し、コンテンツの享受を可能にするといった方式を採用している。
【0074】
複数(この例では2基)のコンテンツ配信サーバ100および100aに配信の対象となる例えば音楽や映像のようなコンテンツを表すデジタルデータであるコンテンツデータがそれぞれ蓄積されている。
これらのコンテンツデータはユーザがコンテンツデータを取得して使用(音楽や映像を再生して視聴)するために用いるクライアント(1)210、クライアント(2)220、クライアント(3)230、クライアント(4)240に、これらとコンテンツ配信サーバ100および100a間を結ぶネットワーク700を通して配信される。
【0075】
コンテンツデータの配信が正規に行なわれるためには、ネットワーク700上に設けられたデータ配信管理サーバ500によって認証の成立が確認されることが前提とされる。
(コンテンツ配信サーバの構成)
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象となるコンテンツを表すデータを保有するコンテンツデータ格納部として機能する記憶装置101が設けられている。
【0076】
この記憶装置101には、一まとまりの音声や映像等のコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータを格納する完全コンテンツデータ格納部102、完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータを格納する不完全コンテンツデータ格納部103、不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータを格納する充足用コンテンツデータ格納部104とが設定され、完全コンテンツデータ格納部102、不完全コンテンツデータ格納部103、および、充足用コンテンツデータ格納部104に格納された各データはそれらを区分して取り扱うことが可能なようにアクセスされ得る。
【0077】
尚、記憶装置101には、適宜、後述する認証用データ格納部105が設定されて、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理に供される認証用データが格納される。
完全コンテンツデータ格納部102に格納された完全コンテンツデータを元にして不完全コンテンツデータを作成する不完全コンテンツデータ作成部106と、完全コンテンツデータを元に充足用コンテンツデータを作成する充足用コンテンツデータ作成部107とが設けられている。
【0078】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部108が設けられ、
更に、適宜、後述するようなユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理を実行する認証処理部109が設けられる。
上述の記憶装置101、不完全コンテンツデータ作成部106、充足用コンテンツデータ作成部107、および、通信部108、並びに、一つの態様としては上述の認証処理部109も含め、バス110によってシステムコントローラ111と結ばれ、このシステムコントローラ111による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
【0079】
即ち、通信部108とシステムコントローラ111とを含む関連機能部によって、コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバ500に対して、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段が構成される。
更に、記憶装置101、不完全コンテンツデータ作成部106、充足用コンテンツデータ作成部107、および、通信部108、並びに、システムコントローラ111を含む関連機能部によって、認証照会手段がデータ配信管理サーバ500から当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、充足用コンテンツデータをクライアント210等に向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段が構成される。
【0080】
図1における、他の1基のコンテンツ配信サーバ100aの機能ブロック上での構成については、既述のコンテンツ配信サーバ100と全く同様であるため、コンテンツ配信サーバ100との対応部と同一の参照符号を附して示し、説明は省略する。
(データ配信管理サーバの構成)
データ配信管理サーバ500には、認証処理を実行ために供するデータを保有する記憶装置501が設けられている。
この記憶装置501には、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、上述の正規ユーザがデータ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして登録された正規クライアントであることを認証するためのクライアント認証データとを格納するための認証用データ格納部502が設定されている。
【0081】
また、正規ユーザである旨の認証、および、不完全コンテンツデータが例えばダウンロード等を通して保有されている上述のようなクライアントであって、コンテンツの再生に適用するクライアントが正規クライアントである旨の認証を行なうための認証処理部503が設けられている。
この実施の形態では、認証処理部503はデータ配信規制管理部504の中に構成されている。
データ配信規制管理部504は、認証処理部503における上述のような正規ユーザである旨の認証および正規クライアントである旨の認証が何れも成立することを条件として、コンテンツ配信サーバ100(100a)に対し、適用するクライアントに向けてのストリーミング配信を許容する。
【0082】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部505が設けられ、
上述の記憶装置501、認証処理部503を含むデータ配信規制管理部504、および、通信部505は、バス506によってシステムコントローラ507と結ばれ、このシステムコントローラ507による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
即ち、記憶装置501、認証処理部503を含むデータ配信規制管理部504、通信部505,および、システムコントローラ507を含む関連機能部によって、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令をコンテンツ配信サーバ100(100a)に向けて発するデータ配信規制管理部が構成される。
【0083】
(クライアントの構成例)
図2は、図1のコンテンツ配信システムに適合するクライアント(情報端末装置)の構成を表す機能ブロック図である。
図1における複数のクライアントは、図2に表記された各機能部については共通の構成を採るものであり、従って、この図2では、クライアントに代表的に参照符号200を附している。
このクライアント200は、図20ないし図21を参照して説明したような不完全コンテンツデータをダウンロード等によって取得し格納する不完全コンテンツデータ格納部201が設定された記憶部202と、この不完全コンテンツデータとストリーミング配信によって供給される充足用コンテンツデータとを結合処理して完全コンテンツデータを得るデータ結合処理部203と、外部との通信を行なうための通信部204とが、バス205によってシステムコントローラ206と結ばれ、このシステムコントローラ206の管理下で所定仕様を充足するように機能する。
【0084】
(コンテンツ配信システムにおけるデータの流れ)
図3は、図1のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバを結ぶネットワーク(図1では参照符号700)については図示省略されている。
コンテンツ配信サーバ100および100aには、配信の対象とされるコンテンツデータが、各個のコンテンツA,B,…が区分して取り扱われ得るように格納され、更に、これら夫々のコンテンツデータを表すコンテンツリストが各個のコンテンツA,B,…の標題(例えば、音楽のコンテンツにおける曲目)をデータのファイル名の如くして認識可能に用意されている。
【0085】
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100を経由してデータ配信管理サーバ500に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0086】
上述における認証は、複数のコンテンツ配信サーバにおける各個のコンテンツデータの配信について、一つのデータ配信管理サーバ500によって集中的に実行される。
この認証を行なうために、データ配信管理サーバ500には、登録された正規ユーザであることを認証するためのユーザに関する情報と、一の正規ユーザに対応して登録された一または複数の正規クライアントであることを認証するための情報とを集約して構成した情報である「ユーザ・クライアント情報」が保有される。
【0087】
また、上述のような「ユーザ・クライアント情報」の他、データ配信管理サーバ500とネットワークで結ばれた各コンテンツ配信サーバが、配信可能に保有しているコンテンツを表すコンテンツリストが各個のコンテンツA,B,…の標題(例えば、音楽のコンテンツにおける曲目)がファイル名の如くして保有される。
尚、「ユーザ・クライアント情報」に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
【0088】
これは、コンテンツ毎にその使用(視聴等)の都度課金処理が正規に行なわれるためにはいうまでもない前提であり、本明細書の開示を通して、この点に逐一言及することは省略する。
ユーザ310が上述のような認証を得ることができるためには、ユーザ310は予め適宜の機会に自らの「ユーザ・クライアント情報」(即ち、ユーザ名やパスワード等自己を特定するためのデータや、自らがコンテンツの受信に用いる一または複数のクライアント表すデータ)をデータ配信管理サーバ500に登録する手続(図3においてARP)を行なう必要がある。
【0089】
この登録手続(ARP)は、ユーザ310がそのクライアント210である携帯電話機を用いてデータ配信管理サーバ500にアクセスし、例えば所定の対話形式の入力操作によって行われ得る。
ユーザ320についても同様に、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230を用いてデータ配信管理サーバ500にアクセスし対話形式の入力操作によって自己の「ユーザ・クライアント情報」に関する登録操作が行われ得る。
上述のようにして「ユーザ・クライアント情報」に関する登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に既述のようなコンテンツデータの正当な取得が可能である。
【0090】
同様に、正規ユーザ320およびその正規クライアントであるミュージックプレーヤ230については、他のコンテンツ配信サーバ100aからコンテンツデータの正当な取得が可能である。
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとする登録(ARP)をデータ配信管理サーバ500に対して手続してある場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、他のコンテンツ配信サーバ100aから不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
【0091】
ユーザ310が、ミュージックプレーヤ220を用いてコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220からコンテンツ配信サーバ100aを経由してデータ配信管理サーバ500に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否を照会するが、正規ユーザおよび正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0092】
仮に、今、ユーザ320が正規ユーザでなく、従って、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230も正規クライアントでない場合を想定する。
このような場合も、不完全コンテンツデータの複製や移転自体は既述のように著作権保護に違背するものではなく、従って、正規ユーザ310における正規クライアントである携帯電話機210にダウンロードによって保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ230に複製ないし移転することは許容される。
【0093】
この複製ないし移転に伴なって、正規ユーザ310が自己のユーザ認証に係る情報まで正規ユーザでないユーザ320に教えてしまった場合に、ユーザ320が図23等を参照して既述の所謂「なりすまし」によるコンテンツデータの取得を試みたとしても、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230が正規クライアントではないためにデータ配信管理サーバ500における認証が成立せず、充足用コンテンツデータのストリーミング配信による供給は拒否され、コンテンツデータの不正な取得は効果的に抑止されることになる。
【0094】
(コンテンツ購入操作からコンテンツ再生への動作シーケンス)
図4ないし図7は、図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるクライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
【0095】
(不完全コンテンツデータの取得まで)
図4において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS401)。
コンテンツ購入要求(ステップS401)における購入希望のコンテンツの選択は、コンテンツ配信サーバ100が保有するコンテンツリスト所載のコンテンツ(A,B,C,…)のうちから一のものを指定するようにして手続される。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録手続要求をクライアント210に返す(ステップS402)。
【0096】
このユーザ情報登録手続要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS403)。
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれたユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等のユーザ・クライアント情報に加えて、自装置100で保有し配信可能なコンテンツを表す利用可能コンテンツ情報を、登録要求としてデータ配信管理サーバ500に送信する(ステップS404)。
【0097】
ステップS404の送信では、ステップS403でクライアント210から受信したユーザ・クライアント情報については、コンテンツ配信サーバ100で中継するようにしてデータ配信管理サーバ500に向けて送信される。
ステップS404におけるこれらの情報を受信したデータ配信管理サーバ500は、ユーザ310を表す情報とこのユーザが用いるクライアント210を表す情報とを含むユーザ・クライアント情報、および、上述の利用可能コンテンツ情報の登録処理を実行する(ステップS405)。
【0098】
ステップS405の登録処理に際して、利用希望コンテンツを特定するためのデータについては、例えば異なるコンテンツ配信サーバが同一名称のコンテンツを保有しているような状況があったとしても、利用希望の各個のコンテンツ(コンテンツデータ)を厳密に識別可能なようにユニークに管理することが必須である。
このため、データ配信管理サーバ500側でコンテンツ配信サーバ100から供給されるコンテンツの名称をそのまま登録するのではなく、該当するコンテンツの名称の末尾にそのコンテンツを配信可能に保有しているコンテンツ配信サーバの名称を付加した形で登録する等、相応の適切な措置がとられる。
【0099】
また、コンテンツ配信サービスの一つの形態としては、一または複数の特定のコンテンツに限ってそのサービスに加入している全てのクライアントで利用可能にする一方、他のコンテンツについては特定のクライアントでのみ利用可能にするなどの形態をとるようにしてもよい。
ステップS405でのユーザ情報の登録処理は、ユーザの認証に係るデータの格納処理であり、図1におけるデータ配信管理サーバ500の記憶装置501に設定された認証用データ格納部502に上述のユーザ情報が格納される。
【0100】
ステップS405でのユーザ情報の登録処理が完了すると、データ配信管理サーバ500は、ユーザ・クライアント情報および利用可能コンテンツ情報の登録が完了した旨の応答をコンテンツ配信サーバ100に送信する(ステップS406)。
ステップS406での応答を受けたコンテンツ配信サーバ100は、自装置100の記憶装置101(図1参照)の不完全コンテンツデータ格納部103に保有されている不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によってクライアント210に供給する(ステップS407)。
【0101】
クライアント210は、ステップS407で取得した不完全コンテンツデータを自装置の記憶部202(図2参照)の不完全コンテンツデータ格納部201に格納する(ステップS408)。
図1および図3のコンテンツ配信システムでは、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザの操作に基づいて直接的に(コンテンツ配信サーバを介さずに)データ配信管理サーバのユーザ・クライアント情報を更新(登録)することが可能に構成され得る。
【0102】
(データ配信管理サーバの保有情報を更新するシーケンス)
図5は、図1および図3のコンテンツ配信システムにおいてユーザが直接データ配信管理サーバが保有しているデータを更新する様子を時系列的に表すシーケンス図である。
図5(a)は、このようにコンテンツの購入に依存せずに、ユーザがそのクライアント(携帯電話機)を用いてデータ配信管理サーバに対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうときの動作を表すシーケンス図である。
ユーザ310がそのクライアント(携帯電話機)210を用いてデータ配信管理サーバ500に対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうと、ユーザ・クライアント情報更新(登録)要求がクライアント210からデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS501a)。
【0103】
ステップS501aによってクライアント210から送信されたユーザ名や使用端末情報を受けたデータ配信管理サーバ500は、その手続を行なったユーザ(1)に関するユーザ・クライアント情報に関する更新または登録処理を実行する(ステップS502a)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS502aの更新(登録)処理が完了すると、クライアント210に向けてユーザ・クライアント情報更新(登録)応答を送信する(ステップS503a)。
【0104】
一方、図5(b)は、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザが運用管理者としてコンテンツ配信サーバに対する操作を行い、データ配信管理サーバが保有する配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報を更新または格納する手続を行なうときの動作を表すシーケンス図である。
図5(b)における更新または格納手続は、利用希望コンテンツを特定するためのデータに関して、例えば異なるコンテンツ配信サーバが同一名称のコンテンツを保有しているような状況があったとしても、各個のコンテンツをユニークに管理することが要求されるといったデータ配信管理サーバでの負担を軽減することにも寄与する方法である。
【0105】
ユーザが運用管理者としてコンテンツ配信サーバ100に対する操作を行い、この操作に基づいてコンテンツ配信サーバ100から自装置100が保有している配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報の更新(格納)要求がデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS501b)。
この更新(格納)要求(ステップS501b)では、コンテンツ配信サーバ100が保有している配信可能なコンテンツを表す保持コンテンツ情報と、当該コンテンツ配信サーバを特定するコンテンツ配信サーバ名とがデータ配信管理サーバ500に送信される。
【0106】
更新(格納)要求(ステップS501b)を受けたデータ配信管理サーバ500では、上述の保持コンテンツ情報をこの情報を保持しているコンテンツ配信サーバが認識されるようにして(即ち、コンテンツ配信サーバが複数存在するシステムにおいても、各個のコンテンツ配信サーバ毎に区分してそれらの保持コンテンツ情報が認識されるように)記憶装置501(図1)の格納情報を更新し、ないしは新規に情報を格納する(ステップS502b)。
ステップS502bの更新(格納)が完了すると、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100に、保持コンテンツ情報更新(格納)応答が返される(ステップS503b)。
【0107】
(コンテンツ利用要求を発しコンテンツを再生するまでのシーケンス)
図6は、ユーザ310が既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210を用いてコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作に関するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS601)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報を伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有しているか否かを判断する(ステップS602)。
【0108】
ステップS602でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有していると判断された場合には(ステップS602:Yes)、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS603)。
この送信(ステップS603)は、クライアント210から発せられたユーザ情報、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報が、データ配信管理サーバ500へと中継されるように行なわれるが、これらの情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を照会する趣旨である。
【0109】
ステップS603において送信された各情報を受けたデータ配信管理サーバ500では、これらの情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を判断する(ステップS604)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS604において、正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立すると判断した場合(ステップS604:Yes)および上述の認証は成立しないと判断した場合(ステップS604:No)の何れかの判断結果をコンテンツ配信サーバ100に返す(ステップS605またはステップS606)。
【0110】
コンテンツ配信サーバ100は、認証成立の可否の照会に対するデータ配信管理サーバ500からの応答(ステップS605またはステップS606)が肯定的であるか否定的であるかを判断する(ステップS607)。
ステップS607での判断が肯定的(即ち、認証成立)である場合には(ステップS607:Yes)、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS608)。
【0111】
認証の成立(ステップS607:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図4:ステップS408)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS608)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS609)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS610)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS611)。
【0112】
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、上述のステップS602でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを自装置100が保有していないと判断された場合(ステップS602:No)、および、ステップS607での判断が否定的(即ち、認証不成立)である場合(ステップS607:No)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS612)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図4中「d」と表記された、(ステップS401以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0113】
(コンテンツ使用要求を直接データ配信管理サーバに発する場合のシーケンス)
図7は、ユーザ310が既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210を用いてコンテンツ使用要求を直接(コンテンツ配信サーバ100を介さずに)データ配信管理サーバ500に向けて発する場合のシステムの動作に関するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からデータ配信管理サーバ500に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS701)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU、使用クライアント情報、および、使用コンテンツ情報を伴なったものとしてデータ配信管理サーバ500に送信される。
【0114】
即ち、この要求(ステップS701)は、クライアント210からデータ配信管理サーバ500への、(何れも、使用コンテンツ毎に対応するものとして扱われる)ユーザ情報および使用クライアント情報について正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証成立の可否を照会する趣旨を含むものである。
データ配信管理サーバ500は、このコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツをコンテンツ配信サーバ100(またはコンテンツをコンテンツ配信サーバ100a)が保有しているか否かの判断、および、上述の認証成立の可否判断を実行する(ステップS702)。
【0115】
ステップS702の判断は、データ配信管理サーバ500が予め保有しているユーザ・クライアント情報、何れかのコンテンツ配信サーバが保有している利用可能コンテンツ情報、および、登録されたユーザ・クライアント情報(登録済みの正規ユーザ、および、そのユーザが用いる一または複数の正規クライアント)を検索するようにして行なわれるが、既述のように、この判断は目下のコンテンツ使用要求(DM)で特定されているコンテンツ(図中、コンテンツAと表記)に限られたものとして扱われる。
【0116】
ステップS702でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを何れかのコンテンツ配信サーバが保有しており、且つ、認証が成立するものと判断された場合には(ステップS702:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100に充足用コンテンツデータ配信要求が送信される(ステップS703)。
コンテンツ配信サーバ100は、この充足用コンテンツデータ配信要求を受け(ステップS703)、要求内容に合致するコンテンツデータを自装置100が保有しているか否かを判断する(ステップS704)。
【0117】
ステップS704で、要求内容に合致するコンテンツデータを自装置100が保有していると判断された場合には(ステップS704:Yes)、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS705)。
このストリーミング配信(ステップS705)が完了すると、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500に向けて充足用コンテンツデータストリーミング配信完了報告が発せられる(ステップS706)。
【0118】
充足用コンテンツデータのストリーミング配信(ステップS705)を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図4:ステップS408)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS705)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS707)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS708)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS709)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
【0119】
他方、上述のステップS702でコンテンツ使用要求(DM)に合致するコンテンツを何れのコンテンツ配信サーバも保有していない場合、および、認証不成立である場合(ステップS702:No)、ならびに、上述のステップS704で要求内容に合致するコンテンツデータを自装置が保有していないとコンテンツ配信サーバ100が判断して(ステップS704:No)該当するコンテンツデータを保有していない旨の該当コンテンツデータ不存在応答をデータ配信管理サーバ500に返した場合には(ステップS710)、データ配信管理サーバ500は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS711)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0120】
(コンテンツ配信サーバとデータ配信管理サーバとで認証処理を按分する態様)
以上、図4ないし図7を参照して説明したシーケンス図は、ユーザおよびクライアントに関する認証処理をデータ配信管理サーバ500において一括して全て担うようにシステムを構成した場合のものであった。
これに対し、他の構成として、ユーザに係る認証処理およびクライアントに係る認証処理をコンテンツ配信サーバ100(100a)とデータ配信管理サーバ500とで按分して担うように構成してデータ配信管理サーバ500の負担を軽減するようにもよい。
【0121】
図8ないし図11は、このような他の構成例における、クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子をクライアントにおけるコンテンツの購入要求操作からコンテンツの取得に向けて時系列的に表すシーケンス図である。
図8ないし図11の例のように、コンテンツ配信サーバ100とデータ配信管理サーバ500とで認証処理に関する負担を按分するようにして担う場合には、図1のコンテンツ配信システムにおける各コンテンツ配信サーバ100(100a)は、図1の機能ブロック図における破線図示の機能部を備える。
【0122】
即ち、図1において、コンテンツ配信サーバ100(100a)は、記憶装置101に認証用データ格納部105が設定され、また、認証処理を実行するための認証処理部109がバス110によってシステムコントローラ111と結ばれるようにして設けられる。
尚、これら認証用データ格納部105および認証処理部109は、共に、当初からコンテンツ配信サーバ100(100a)に設けておき、コンテンツ配信サーバ100(100a)とデータ配信管理サーバ500とで認証処理に関する負担を按分するような動作モードが選択されたときに機能するように構成してもよい。
【0123】
図8において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS801)。
コンテンツ購入要求(ステップS801)における購入希望のコンテンツの選択は、コンテンツ配信サーバ100が保有するコンテンツリスト所載のコンテンツ(A,B,C,…)のうちから一のものを指定するようにして手続される。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録手続要求をクライアント210に返す(ステップS802)。
【0124】
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード情報、および使用端末情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS803)。
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれた情報に基づくユーザ情報(PU)の登録処理を実行する(ステップS804)。具体的には、図1においてコンテンツ配信サーバ100(100a)の記憶装置101内に破線図示の認証用データ格納部105に、上述のようにしてクライアント210から送り込まれた情報を格納する。
【0125】
コンテンツ配信サーバ100は、次いで、ユーザ・クライアント情報登録要求をデータ配信管理サーバ500に送信する(ステップS805)。この送信(ステップS805)では、ユーザ名、および、ユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報をデータ配信管理サーバ500に送信する。
ステップS805においてコンテンツ配信サーバ100から送信されたこれらの情報を受信したデータ配信管理サーバ500は、ユーザ名およびユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報に係るユーザ情報の登録処理を実行する(ステップS806)。
【0126】
ステップS806でのユーザ情報の登録処理は、ユーザの用いるクライアントの認証に係るデータの格納処理であり、図1におけるデータ配信管理サーバ500の記憶装置501に設定された認証用データ格納部502に上述のユーザ情報が格納される。
ステップS806でのユーザ情報の登録処理が完了すると、データ配信管理サーバ500は、ユーザ・クライアント情報の登録(ユーザが用いることを予定しているクライアントを表す使用端末情報の登録)が完了した旨の応答をコンテンツ配信サーバ100に送信する(ステップS807)。
【0127】
ステップS807での応答を受けたコンテンツ配信サーバ100は、自装置100の記憶装置101(図1参照)の不完全コンテンツデータ格納部103に保有されている不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によってクライアント210に供給する(ステップS808)。
クライアント210は、ステップS808で取得した不完全コンテンツデータを自装置の記憶部202(図2参照)の不完全コンテンツデータ格納部201に格納する(ステップS809)。
【0128】
(データ配信管理サーバの保有情報を更新するシーケンス)
図9は、コンテンツの購入に依存せずに、データ配信管理サーバ500が保持しているユーザに係る情報およびクライアントに係る情報を含むユーザ・クライアント情報を更新または登録するときの動作を表すシーケンス図である。
ユーザ310がそのクライアント(携帯電話機)210を用いてデータ配信管理サーバ500に対しユーザ・クライアント情報を更新または登録する手続を行なうと、ユーザ・クライアント情報更新(登録)要求がクライアント210からデータ配信管理サーバ500に送信される(ステップS901)。
【0129】
ステップS901によってクライアント210から送信されたユーザ名や使用端末情報を受けたデータ配信管理サーバ500は、その手続を行なったユーザ(1)に関するユーザ・クライアント情報に関する更新または登録処理を実行する(ステップS902)。
データ配信管理サーバ500は、ステップS902の更新(登録)処理が完了すると、クライアント210に向けてユーザ・クライアント情報更新(登録)応答を送信する(ステップS903)。
【0130】
(コンテンツ利用要求を発しコンテンツを再生するまでのシーケンス)
図10は、既に不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアント(携帯電話機)210からコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作を例示するシーケンス図である。
クライアント(携帯電話機)210からコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS1001)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PUを伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
【0131】
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(そのユーザ)に関して、図1におけるコンテンツ配信サーバ100(自装置)の記憶装置101内に破線図示の認証用データ格納部105に格納されているユーザに関する登録情報に基づいて、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1002)。
ステップS1002でコンテンツ使用要求(そのユーザ)に関する認証が成立すると判断された場合には(ステップS1002:Yes)、次いで、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS1003)。
【0132】
ユーザ・クライアント情報確認依頼(ステップS1003)を受けたデータ配信管理サーバ500は、図1における記憶装置501の認証用データ格納部502に保有している認証用のクライアント情報に基づいてユーザ・クライアント認証の成立の可否、即ち、認証判断の対象とされるクライアントが(正規ユーザにおける)正規クライアントであるかどうかを判断する(ステップS1004)。
【0133】
ステップS1004でユーザ・クライアント認証が成立すると判断されたときには(ステップS1004:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100にユーザ・クライアント認証成立応答を返す(ステップS1005)。
コンテンツ配信サーバ100は、このユーザ・クライアント認証成立応答(ステップS1005)を受けて、コンテンツ使用要求に対応する充足用コンテンツデータをクライアント210にストリーミング配信(ST)によって供給する(ステップS1006)。
【0134】
充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(図8:ステップS809)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS1006)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1007)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1008)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1009)。
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
【0135】
他方、上述のステップS1002でユーザ認証が成立しないと判断された場合(ステップS1002:No)、および、ステップS1004でユーザ・クライアント認証が成立せず(ステップS1004:No)ユーザ・クライアント認証不成立応答がデータ配信管理サーバ500から返された場合(ステップS1005)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1011)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図8中「C」と表記された、(ステップS801以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0136】
(不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得)
図11は、図1のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
先ず、クライアント210(ユーザ310)からコンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS1101)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ100はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1102)。
【0137】
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS1102:Yes)、次いで、コンテンツ配信サーバ100からデータ配信管理サーバ500にユーザ・クライアント情報確認依頼が送信される(ステップS1103)。
ユーザ・クライアント情報確認依頼(ステップS1103)を受けたデータ配信管理サーバ500は、図1における記憶装置501の認証用データ格納部502に保有している認証用のクライアント情報に基づいてユーザ・クライアント認証の成立の可否、即ち、認証判断の対象とされるクライアントが(正規ユーザにおける)正規クライアントであるかどうかを判断する(ステップS1104)。
【0138】
ステップS1104でユーザ・クライアント認証が成立すると判断されたときには(ステップS1104:Yes)、データ配信管理サーバ500からコンテンツ配信サーバ100にユーザ・クライアント認証成立応答を返す(ステップS1105)。
コンテンツ配信サーバ100は、このユーザ・クライアント認証成立応答(ステップS1105)を受けて、コンテンツ再ダウンロード要求に対応する不完全コンテンツデータをクライアント210にダウンロードによって供給可能にする(ステップS1106)。
【0139】
クライアント210は、不完全コンテンツデータをダウンロードによって取得し自装置の記憶部に格納する(ステップS1107)。
このようにして不完全コンテンツデータの再ダウンロードによる取得が行なわれる。
他方、上述のステップS1102でユーザ認証が成立しないと判断された場合(ステップS1102:No)、および、ステップS1104でユーザ・クライアント認証が成立せず(ステップS1104:No)ユーザ・クライアント認証不成立応答がデータ配信管理サーバ500から返された場合(ステップS1108)には、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1109)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
【0140】
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図8中「C」と表記された、(ステップS801以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
以上、図1および図3のコンテンツ配信システムについて、ユーザおよびクライアントに関する認証処理の一切をデータ配信管理サーバによって一括して担う場合、および、ユーザ認証に関しては各個のコンテンツ配信サーバによって賄い、ユーザ・クライアント認証に関してこれら各個のコンテンツ配信サーバに共通のデータ配信管理サーバによって一括して担う場合、のそれぞれについて説明した。
【0141】
後者のように、認証処理の負担を各個のコンテンツ配信サーバとこれらに共通のデータ配信管理サーバによって按分して担う場合には、既述のような構成を採る他、ユーザ認証に関してはデータ配信管理サーバ側で担い、各個のコンテンツ配信サーバ側でユーザ・クライアント認証(使用するクライアントの認証)を賄うといった構成を採ることも可能である。
更にまた、上述のような認証処理を実行するためのデータ配信管理サーバを敢えて設けず、コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うように構成してもよい。
このような場合においても、一のユーザが複数のクライアントを用い、適宜、複数のコンテンツ配信サーバから選択的にコンテンツデータを取得してコンテンツの再生を行なうことが可能なようにコンテンツ配信システムが構築され得る。
【0142】
(コンテンツデータ配信システムの他の態様)
図12は、データ配信管理サーバを敢えて設けず、コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うようにし、且つ、このようなコンテンツ配信サーバが複数存在するようなコンテンツ配信システムにおける、コンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、および、コンテンツ配信サーバを結ぶネットワークについては図示省略されている。
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされるコンテンツAに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録されている。
【0143】
同様に、他のコンテンツ配信サーバ100aには、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされるコンテンツCに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録され、更に、購入の対象とされた他のコンテンツDに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(2)およびそのユーザが用いるものとしてクライアント(2)が登録されている。
【0144】
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0145】
上述におけるような認証は、各個のコンテンツ配信サーバにおいて各別に実行される。
この認証を行なうために、各個のコンテンツ配信サーバ100,100aには、登録された正規ユーザおよびその正規クライアントであることを認証するためのユーザに関する情報および一の正規ユーザに対応して登録された一または複数のクライアントであることを認証するための情報が保有される。
【0146】
尚、認証用情報に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に
先ずダウンロード(DL)で不完全コンテンツデータが格納された後コンテンツ使用要求操作(DM)に対応して充足用コンテンツデータをストリーミング配信によって供給することにより、コンテンツ再生が可能である。
【0147】
同様に、正規ユーザ320およびその正規クライアントであるミュージックプレーヤ230については、他のコンテンツ配信サーバ100aからコンテンツデータの正当な取得が可能である。
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとして登録した場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、他のコンテンツ配信サーバ100aから不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
【0148】
ユーザ310が、ミュージックプレーヤ220からコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220から他のコンテンツ配信サーバ100aに対して、コンテンツの使用要求(DM)を発すると、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否が判断される。
この場合、正規ユーザおよび正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータが他のコンテンツ配信サーバ100aからミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0149】
(コンテンツ配信サーバの他の実施の形態)
図13は、本発明のコンテンツ配信サーバの他の実施の形態を表す機能ブロック図である。
コンテンツ配信サーバ300には、配信の対象となるコンテンツを表すデータを保有するコンテンツデータ格納部として機能する記憶装置301が設けられている。
この記憶装置301には、一まとまりの音声や映像等のコンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータを格納する完全コンテンツデータ格納部302、完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータを格納する不完全コンテンツデータ格納部303、不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータを格納する充足用コンテンツデータ格納部304、および、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理に供される認証用データを格納する認証用データ格納部305とが設定されている。
【0150】
上述の、完全コンテンツデータ格納部302、不完全コンテンツデータ格納部303、充足用コンテンツデータ格納部304、および、認証用データ格納部305に格納された各データはそれらを区分して取り扱うことが可能なようにアクセスされ得る。
完全コンテンツデータ格納部302に格納された完全コンテンツデータを元にして不完全コンテンツデータを作成する不完全コンテンツデータ作成部306と、完全コンテンツデータを元に充足用コンテンツデータを作成する充足用コンテンツデータ作成部307とが設けられている。
【0151】
更に、外部との情報(データ)の授受を行うための通信部308が設けられ、
また、認証用データ格納部305に格納された各データに基づいて、ユーザおよび各ユーザが用いるクライアントに関する認証処理を実行する認証処理部309が設けられる。
上述の記憶装置301、不完全コンテンツデータ作成部306、充足用コンテンツデータ作成部307、通信部308、および、認証処理部309は、バス310によってシステムコントローラ311と結ばれ、このシステムコントローラ311による統括的な管理の下で作動し所定の仕様を充足するように機能する。
【0152】
即ち、通信部308、認証処理部309、および、システムコントローラ311を含む該当機能部によって、不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、認証用データ格納部305に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部が構成される。
【0153】
また、システムコントローラ311における該当機能部によって、認証処理部309における認証が成立することを条件として、既に取得されている不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部が構成される。
更に、記憶装置301、充足用コンテンツデータ作成部307、通信部308、および、システムコントローラ311における該当機能部によって、上述のデータ配信規制管理部の管理下で充足用コンテンツデータを該当するクライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部が構成される。
【0154】
上述のようなコンテンツ配信サーバ300は、ネットワーク700を通してクライアント(1)210、クライアント(2)220、クライアント(3)230、クライアント(4)240と結ばれ、これらクライアントおよびそのユーザがそれぞれ登録された正規クライアントおよびユーザであるとの認証が成立することを条件として、該当するクライアントに対し充足用コンテンツデータを配信する。
図14は、図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
この概念図では、各クライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバを結ぶネットワーク(図13では参照符号700)については図示省略されている。
【0155】
コンテンツ配信サーバ100には、配信の対象とされるコンテンツデータが、が各個に区分して取り扱われ得るように格納され、例えばそのうち現時点で購入の対象とされたコンテンツAに対応して取り扱われ得るようにして、特定のユーザ(1)およびそのユーザが用いるものとして複数のクライアント(1)、クライアント(2)、…が登録されている。
一人の正規ユーザ310がクライアントとして用いる携帯電話機210にコンテンツAの不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し格納することができる。
【0156】
ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、そのクライアント210からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発し、ユーザ310およびそのクライアントたる携帯電話機210が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証が成立することを条件として、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
【0157】
コンテンツ配信サーバが複数ネットワーク上に存在するようなコンテンツ配信サービスのシステムでは、上述におけるような認証は、各個の該当するコンテンツ配信サーバにおいて各別に実行されるが、図14では、説明の便宜上、一つのコンテンツ配信サーバに関連して、コンテンツや認証のデータの流れについて述べる。
上述の認証を行なうために、コンテンツ配信サーバ100には、登録された正規ユーザおよびその正規クライアントであることを認証するためのユーザに関する情報および一の正規ユーザに対応して登録された一または複数のクライアントであることを認証するための認証用情報が保有される。
【0158】
尚、認証用情報に基づく認証の可否判断は、あくまでも、ユーザによる目下のコンテンツ使用要求操作(DM)に対応する各個のコンテンツ毎に(例えば、あるコンテンツAに関して、そのコンテンツの利用の限りのものとして)実行される。
登録が完了している正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210については、コンテンツ配信サーバ100から携帯電話機210に
先ずダウンロード(DL)で不完全コンテンツデータが格納された後コンテンツ使用要求操作(DM)に対応して充足用コンテンツデータをストリーミング配信によって供給することにより、コンテンツ再生が可能である。
【0159】
次に、ユーザ310がそのクライアントであるミュージックプレーヤ220をも正規クライアントとして登録した場合には、次のような形でのコンテンツデータの取得を行なうことができる。
即ち、先ず、コンテンツ配信サーバ100から不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)して携帯電話機210に保持する。
次いで、携帯電話機210に保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220に複製または移転する(破線図示のTR)。
ミュージックプレーヤ220から ユーザ310がコンテンツAの使用(視聴)を所望する場合には、ミュージックプレーヤ220からコンテンツ配信サーバ100に対して、コンテンツの使用要求(DM)を発すると、ユーザ310およびそのクライアントたるミュージックプレーヤ220が正規ユーザ且つ正規クライアントであることの認証可否が判断される。
【0160】
この場合、正規ユーザ(AU1)および正規クライアントであることからこの認証は当然に成立し、先に取得してあった不完全コンテンツデータに対応する充足用コンテンツデータがコンテンツ配信サーバ100からミュージックプレーヤ220にストリーミング配信(ST)によって供給されて、そのコンテンツの再生が可能になる。
仮に、今、ユーザ320が正規ユーザでなく、従って、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230も正規クライアントでない場合を想定する。
【0161】
このような場合も、不完全コンテンツデータの複製や移転自体は既述のように著作権保護に違背するものではなく、従って、正規ユーザ310およびその正規クライアントである携帯電話機210にダウンロードによって保持した不完全コンテンツデータをミュージックプレーヤ220を経由する等してミュージックプレーヤ230に複製ないし移転することは許容される。
【0162】
この複製ないし移転に伴なって、正規ユーザ310が自己のユーザ認証に係る情報まで正規ユーザでないユーザ320に教えてしまった場合(AU2)に、ユーザ320が図23等を参照して既述の所謂「なりすまし」によるコンテンツデータの取得を試みたとしても(破線図示のDM)、そのクライアントであるミュージックプレーヤ230が正規クライアントではないためにコンテンツ配信サーバ100における認証が成立せず、充足用コンテンツデータのストリーミング配信による供給は拒否され、コンテンツデータの不正な取得は効果的に抑止されることになる。
図15ないし図17は、図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるデータの授受の様子を時系列的に表すシーケンス図である。
【0163】
(コンテンツ購入操作からコンテンツ再生までの動作シーケンス)
図15において、クライアント(携帯電話機)210がユーザ310によるコンテンツ購入の操作を受付けると、コンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ購入要求が送信される(ステップS1501)。
コンテンツ配信サーバ100はこのコンテンツ購入要求に応答して、ユーザ情報登録要求をクライアント210に返す(ステップS1502)。
このコンテンツ購入要求を受けたクライアント210は、ユーザ情報登録手続としてユーザ名、パスワード、および使用クライアント情報等をコンテンツ配信サーバ100に送り込む(ステップS1503)。
【0164】
コンテンツ配信サーバ100はこのようにして送り込まれた情報についてユーザ情報(PU)の登録処理(ステップS1504)を行なった上、クライアント210に対して図20、図21を参照して既述のような不完全コンテンツデータを供給する(ステップS1505)。
即ち、クライアント210はこのように供給される不完全コンテンツデータをダウンロード(DL)によって取得し所定の記憶部に格納する(ステップS1506)。
【0165】
このようにして不完全コンテンツデータがクライアント210にて取得されてより以降の適宜の時点で、クライアント210のユーザ310からコンテンツ使用要求の操作が行われると、この操作を受けたクライアント210はコンテンツ配信サーバ100に向けてコンテンツ使用要求(DM)を発する(ステップS1507)。
このコンテンツ使用要求(DM)は、ユーザ情報PU(即ち、ユーザとそのユーザが用いるクライアントの情報)を伴なったものとしてコンテンツ配信サーバ100に送信される。
【0166】
コンテンツ配信サーバ100は、このコンテンツ使用要求(DM)に係るユーザ情報PUを、先に(ステップS1504で)登録したユーザ情報PUと照合することによって、ユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1508)。
認証が成立した場合には(ステップS1508:Yes)、コンテンツ配信サーバ100からクライアント210に向けての充足用コンテンツデータのストリーミング配信が許容され、この配信が実行される(ステップS1509)。
【0167】
認証の成立(ステップS1508:Yes)によって充足用コンテンツデータのストリーミング配信を受けたクライアント210側では、先にダウンロードによって取得し保持していた(ステップS1506)不完全コンテンツデータとストリーミング配信(ステップS1509)された充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1510)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1511)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1512)。
【0168】
尚、通常の場合、先にダウンロードによって取得し保持されていた不完全コンテンツデータについてはそのまま維持される。
他方、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS1508)で認証が成立しない場合には(ステップS1508:No)、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント210に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1513)。この応答は拒否理由の送信を伴なって実行される。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0169】
(不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得)
上述のようなコンテンツ配信サービスの利用においては、目的とするコンテンツの再生が実行されて以降も不完全コンテンツデータは、通常の場合、そのまま維持され、再度の利用に供され得る。
しかし、ユーザの誤操作によって不完全コンテンツデータまでも消去されてしまうことが稀には生じ得る。
このような場合のために、不完全コンテンツデータについては、ダウンロードによる再取得が許容されるように構成されている。
図16は、上述のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【0170】
先ず、クライアント210(ユーザ310)からコンテンツ配信サーバ100に対してコンテンツ再ダウンロード要求を送信する(ステップS1601)。この送信はユーザ情報PUの送信を含んで実行される。
このコンテンツ再ダウンロード要求を受けたコンテンツ配信サーバ100はユーザ認証の成立の可否を判断する(ステップS1602)。
ユーザ認証が成立する場合には(ステップS1602:Yes)、不完全コンテンツデータをクライアント210に供給する(ステップS1603)。
即ち、クライアント210側では、この不完全コンテンツデータを再ダウンロードして所定の記憶部に格納する(ステップS1604)。
【0171】
一方、ユーザ認証が成立しない場合には(ステップS1602:No)、コンテンツ配信サーバ100はクライアント210に対してコンテンツ再ダウンロード拒否の応答をする(ステップS1605)。この応答は拒否理由の送信を伴なって行なわれる。
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図15中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
【0172】
(クライアント間で不完全コンテンツデータが移転された場合について)
次に、図17を参照して、ダウンロード等によって取得した不完全コンテンツデータを保有する一のクライアントから他のクライアントにその不完全コンテンツデータが移転された場合におけるコンテンツ使用時の動作について説明する。
クライアント間での不完全コンテンツデータの移転(TR)が自由に許容されても、既述のように不完全コンテンツデータPDはそれ自体では一つのコンテンツを表す完全コンテンツの一部であり、そのコンテンツを再生するにはデータが欠落しているため、これの自由な複製ないし移転(TR)が行なわれても著作権の保護に欠けるといった憂いは生じない。
【0173】
正規ユーザ310は、自らが用いるクライアント(携帯電話機)210で取得し保持している不完全コンテンツデータを、自ら用いる正規クライアント(ミュージックプレーヤ)220に移転し(ステップS1701)、更に、ミュージックプレーヤに移転した不完全コンテンツデータを、正規ユーザでないユーザ320が用いているクライアント(ミュージックプレーヤ)230に自由に移転(破線の矢線TR)することができる(ステップS1702)。
【0174】
正規クライアント220は、正規ユーザ310の操作に基づいてコンテンツ配信サーバ100にコンテンツ使用要求DMを送信する(ステップS1703)。
上述の不完全コンテンツデータの移転(ステップS1702)を行なった場合、ユーザ310がユーザ320に自らのユーザ情報(ユーザID、パスワード等)を教えてしまうと(図14における曲がった矢線AU2)、ユーザ320が正規ユーザであるユーザ310のユーザ情報を用いて、コンテンツ配信サーバ100にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことも発生し得る(ステップS1704)。
【0175】
コンテンツ使用要求(ステップS1703;1704)を受けて、コンテンツ配信サーバ100は正規ユーザが正規クライアントを用いていることの認証の可否を判断する(ステップS1705)。
正規ユーザが正規クライアントを用いてのコンテンツ使用要求(ステップS1703)については、当然に、認証が成立したものと判断され(ステップS1705:Yes)、充足用コンテンツデータが正規クライアントであるミュージックプレーヤ220にストリーミング配信によって供給される(ステップS1706)。
【0176】
ストリーミング配信(ステップS1706)で充足用コンテンツデータを供給されたクライアント220(ユーザ310)では、不完全コンテンツデータと充足用コンテンツデータとを結合して完全コンテンツデータを生成するデータ結合処理を実行する(ステップS1707)。
このようにしてデータ結合処理されたコンテンツデータによってコンテンツの再生(使用)が行なわれる(ステップS1708)。
一旦再生に付されると、そのコンテンツデータ(データ結合処理を経た完全コンテンツデータ)は、ストリーミング配信された充足用コンテンツデータと共に完全に消去される(ステップS1709)。
【0177】
一方、見かけ上は正規ユーザであるが正規クライアントではないクライアント(ミュージックプレーヤ)230を用いてのコンテンツ使用要求(ステップS1704)については、ユーザ認証の成立の可否判断(ステップS1705)において、正規クライアントではないため認証が成立せず(ステップS1705:No)、コンテンツ配信サーバ100は、クライアント230に対して、コンテンツ使用拒否の応答を発する(ステップS1710)。この応答は拒否の理由を伴なって送信実行される。
【0178】
コンテンツ配信サーバ100は、その後、図15中「b」と表記された、(ステップS1501以前の)コンテンツ購入要求の待機状態に戻る。
このようにして、正規ユーザでないユーザ320が正規ユーザである場合と全く同様にコンテンツ使用要求DM(破線の矢線)を送信するようなことを行なったとしても、用いたクライアントが正規クライアントでない限り、コンテンツを享受することは不可能であり、所謂「なりすまし」によるコンテンツの不正な取得が効果的に抑止される。
【0179】
(コンテンツデータ配信管理方法)
以上、本発明の実施の形態としてのコンテンツデータ配信システム、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバについて説明したが、これらの説明から容易に理解されるとおり、本発明は、次のようなコンテンツデータ配信管理方法としても観念される技術思想である。
【0180】
即ち、配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバ(100)からの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザ(図3:310)として登録し(図4:ステップS403)、且つ、該正規ユーザ(図3:310)が前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアント(図3,図4:210)を正規クライアントとして登録する登録処理のステップ(図4:ステップS403)と、
コンテンツの取得に適用されるクライアント(図3,図4:210)から自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに(図6:ステップS603)該認証が成立する(図6:ステップS604:Yes)ことを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバ(100)から該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容する(図6:ステップS608)データ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツデータ配信管理方法。
【0181】
このようなコンテンツデータ配信管理方法によれば、正規ユーザの認証および正規クライアントの認証の双方が成立することがユーザ所望のコンテンツを再生(使用)するに必須となるコンテンツデータ取得の条件であることから、著作権に関するセキュリティが十全に確保される。
また一方、各ユーザは自らがコンテンツの再生(使用)に適用するクライアント(端末機器)を所望に応じて一または複数予め登録しておくことにより、登録手続が完了していれば、それ以降は自ら所望の何れかのクライアントを自由に選択できるという便宜が図られ、ユーザ側から見た利便性にも優れる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明は、配信の対象とされるコンテンツデータを保有するコンテンツ配信サーバから一定の認証が成立した正規ユーザにおける正規クライアントに限り、一の契約で特定されるコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サービス事業に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムを表す機能ブロック図である。
【図2】図1のコンテンツ配信システムに適合するクライアント(情報端末装置)の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】図1のコンテンツ配信システムにおけるデータの流れを説明するための概念図である。
【図4】図1および図3のコンテンツ配信システムにおける各装置間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図5】図1および図3のコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツの購入に依存せずに、ユーザによる操作に基づいてデータ配信管理サーバが保有しているデータを更新する様子を表すシーケンス図である。
【図6】図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の各装置間でのデータ授受の様子を表すシーケンス図である。
【図7】図1および図3のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の各装置間でのデータ授受の他の態様を表すシーケンス図である。
【図8】コンテンツ配信システムの他の構成例におけるクライアント、コンテンツ配信サーバ、および、データ配信管理サーバ間でのデータの授受の様子表すシーケンス図である。
【図9】コンテンツの購入に依存せずに、データ配信管理サーバが保持しているユーザ・クライアント情報を更新または登録するときの動作を表すシーケンス図である。
【図10】不完全コンテンツデータを記憶部に保有しているクライアントからコンテンツ使用要求を発して以降のシステムの動作を表すシーケンス図である。
【図11】コンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図12】コンテンツ配信サーバでユーザおよびクライアントに関する認証処理機能とコンテンツデータの配信機能とを賄うコンテンツ配信システムの概念図である。
【図13】本発明のコンテンツ配信サーバの他の実施の形態を表す機能ブロック図である。
【図14】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツデータおよび認証に関わるデータの流れを説明するための概念図である。
【図15】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図16】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図17】図13のコンテンツ配信サーバを含んで構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ使用時の動作を表すシーケンス図である。
【図18】コンテンツ配信技術に関する一般的な2通りの方式を説明するための概念図である。
【図19】ユーザが複数の種類の異なる或いは同種のクライアントを用いる場合の一般的技術について説明するための概念図である。
【図20】不完全コンテンツデータのダウンロードによる取得が行なわれて以降に充足用コンテンツデータをストリーミング配信することによって所望のコンテンツを再生可能にする従来のコンテンツ配信システムを表す概念図である。
【図21】図20におけるようなコンテンツデータ配信方式を採った場合に、複数のクライアントで同じコンテンツを享受する方法を表す概念図である。
【図22】同一のユーザが異なるクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
【図23】複数のユーザが夫々のクライアントを用いる場合の従来の問題点を説明するための概念図である。
【図24】従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【図25】従来のコンテンツデータ配信システムにおける不完全コンテンツデータのダウンロードによる再取得の手順を表すシーケンス図である。
【図26】従来のコンテンツ配信システムにおけるクライアントおよびコンテンツ配信サーバ間でのデータの授受の様子を表すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0184】
100,300…コンテンツ配信サーバ 101,301,501…記憶装置 102,302…完全コンテンツデータ格納部 103,201,303…不完全コンテンツデータ格納部 104,304…充足用コンテンツデータ格納部 105,305,502…認証用データ格納部 106,306…不完全コンテンツデータ作成部 107,307…充足用コンテンツデータ作成部 108,204,308…通信部 109,309…認証処理部 110,205,310,506…バス 111,206,311,…システムコントローラ 200,210,220,230,240…クライアント 202…記憶部 203…データ結合処理部
1000…コンテンツ配信サーバ 2000…クライアント 2010…デスクトップPC 2020…モバイルPC 2030…ミュージックプレーヤ 2040,2041,2042…携帯電話機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信するコンテンツ配信サーバと、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、所定の認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信することを許容するデータ配信管理サーバと、
を含んで構成されたデータ配信システムであって、
前記データ配信管理サーバは、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有し、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、前記コンテンツ配信サーバに対し、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容することを特徴とするデータ配信システム。
【請求項2】
前記データ配信管理サーバは、前記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項3】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに対して、前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段と、
前記認証照会手段が前記データ配信管理サーバから当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記データ配信管理サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理するデータ配信管理サーバであって、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令を前記コンテンツ配信サーバに向けて発するデータ配信規制管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とするデータ配信管理サーバ。
【請求項6】
前記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項7】
前記データ配信規制管理部は、ユーザが前記コンテンツ配信サーバに対して行なった所定の登録手続に基づいてネットワークを介して供給される被登録データを前記認証用データ格納部に登録することを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項8】
前記データ配信規制管理部は、ネットワークを介して複数の前記コンテンツ配信サーバからユーザ認証およびクライアント認証の照会を受け、前記認証用データ格納部に登録されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいてユーザおよびクライアントに係る認証処理を実行することを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項9】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、前記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部と、
前記認証処理部における認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部と、
前記データ配信規制管理部の管理下で前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項10】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザとして登録し、且つ、該正規ユーザが前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアントを正規クライアントとして登録する登録処理のステップと、
コンテンツの取得に適用されるクライアントから自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに該認証が成立することを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバから該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容するデータ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツデータ配信管理方法。
【請求項1】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有し、該保有したデータを所定の条件を満たすクライアントに配信するコンテンツ配信サーバと、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザに対し、所定の認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータをストリーミング配信することを許容するデータ配信管理サーバと、
を含んで構成されたデータ配信システムであって、
前記データ配信管理サーバは、登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有し、当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、前記コンテンツ配信サーバに対し、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容することを特徴とするデータ配信システム。
【請求項2】
前記データ配信管理サーバは、前記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項3】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
コンテンツデータの配信規制管理を行うデータ配信管理サーバに対して、前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を照会する認証照会手段と、
前記認証照会手段が前記データ配信管理サーバから当該認証が成立する旨の応答を受信したときに、前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信手段と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記データ配信管理サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからユーザが用いるクライアントに向けてのコンテンツの配信を管理するデータ配信管理サーバであって、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
当該コンテンツに係る利用手続をしたユーザが前記正規ユーザである旨の認証が成立し、且つ、当該コンテンツの再生に適用するクライアントが前記正規クライアントである旨の認証が成立することを条件として、当該適用するクライアントに向けての前記充足用コンテンツデータのストリーミング配信を許容する指令を前記コンテンツ配信サーバに向けて発するデータ配信規制管理部と、
を含んで構成されていることを特徴とするデータ配信管理サーバ。
【請求項6】
前記コンテンツ配信サーバとネットワークによって結ばれていることを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項7】
前記データ配信規制管理部は、ユーザが前記コンテンツ配信サーバに対して行なった所定の登録手続に基づいてネットワークを介して供給される被登録データを前記認証用データ格納部に登録することを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項8】
前記データ配信規制管理部は、ネットワークを介して複数の前記コンテンツ配信サーバからユーザ認証およびクライアント認証の照会を受け、前記認証用データ格納部に登録されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいてユーザおよびクライアントに係る認証処理を実行することを特徴とする請求項5に記載のデータ配信管理サーバ。
【請求項9】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツデータ格納部と、
登録された正規ユーザを認証するためのユーザ認証データと、前記正規ユーザがコンテンツの取得に用いるクライアントとして登録された正規クライアントを認証するためのクライアント認証データと、を保有する認証用データ格納部と、
前記不完全コンテンツデータを所定のクライアントに取得しているユーザが正規ユーザであり且つ該ユーザが用いるクライアントが正規クライアントである旨の認証を求める認証要求手続がとられたときには、前記認証用データ格納部に保有されたユーザ認証データおよびクライアント認証データに基づいて認証処理を実行する認証処理部と、
前記認証処理部における認証が成立することを条件として、該取得されている不完全コンテンツデータに対応する前記充足用コンテンツデータの配信を許容するデータ配信規制管理部と、
前記データ配信規制管理部の管理下で前記充足用コンテンツデータを前記クライアントに向けてストリーミング配信するストリーミング配信部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項10】
配信の対象となるコンテンツを表すデータを、当該コンテンツ全体を構成する完全コンテンツデータの一部である不完全コンテンツデータと、前記不完全コンテンツデータにおける不足部分を充足して前記完全コンテンツデータを構成する充足用コンテンツデータとの各データに区分して取り扱うことが可能なように保有するコンテンツ配信サーバからの、コンテンツデータの配信を管理するコンテンツデータ配信管理方法であって、
所定の登録手続をしたユーザを正規ユーザとして登録し、且つ、該正規ユーザが前記データ配信システムからコンテンツを取得するために用いるものとして所定の登録手続をしたクライアントを正規クライアントとして登録する登録処理のステップと、
コンテンツの取得に適用されるクライアントから自己が正規ユーザにおける正規クライアントである旨の認証を求める手続がされたときに該認証が成立することを条件として、前記充足用コンテンツデータを前記コンテンツ配信サーバから該コンテンツの取得に適用されるクライアントに向けてストリーミング配信することを許容するデータ配信管理のステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツデータ配信管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−293265(P2008−293265A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137942(P2007−137942)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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