説明

データ配信装置及びデータ配信システムと、そのエラー通知方法並びにそのプログラム及びそれを記録した記録媒体

【課題】エラー通知を配信サーバの管理者以外の人に自動的に通知することを可能とし、該配信サーバの管理者の作業負荷を減らす。
【解決手段】データ配信装置である配信サーバ1は、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルと、発生頻度の識別子と発生回数、発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルとを記憶部16に記憶し、エラー発生時にエラー処理部15が、そのエラー通知条件テーブルを参照して、そのエラーのエラー通知条件の識別子に対応する発生頻度の識別子を特定し、発生頻度テーブルを参照して、その発生頻度の識別子に対応する発生回数および発生間隔の情報を取得し、それらの情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、そ507の配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムと、そのデータ配信装置によるエラー通知方法並びにそのプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、データ配信装置におけるエラー発生時のエラー通知処理に関する。
する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばプリンタや複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、並びにこれらの機能を備えたデジタル複合機(MFP; Multifunction Peripheral)等の画像処理装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理端末が、配信元装置及び配信先装置としとてネットワークを介してデータ配信装である配信サーバと通信可能に接続されたデータ配信システムについて、種々の開発が進められている。
【0003】
このような配信システムにおけるデータ配信装置は一般に、は、配信元装置である外部入力装置から入力された画像データや電子メール等を指定された形式に変換し、配信先装置であるNotes(登録商標)サーバやファイルサーバ、メールサーバ等に転送する。今日では、更にユーザを管理する認証サーバを備える場合もある。
【0004】
このようなデータ配信装置を用いたデータ配信システムにおいて、例えば外部入力装置における原稿のスキャンにより得られた画像データ等の配信を指示する場合には、外部入力装置のオペレーションパネルに宛先一覧が表示され、その表示された宛先一覧から所望とする宛先(表示名)が選択される。
【0005】
データ配信装置として一般に使用される配信サーバには複数の宛先が登録されており、その宛先に対応する通知先の情報が管理されている。そこで、配信サーバは、外部入力装置によって選択された宛先に対応する通知先を特定し、その通知先(配信先装置)に変換後の画像データ等を配信する。あるいは、配信サーバが外部入力装置から添付ファイル付きの電子メールを受信した場合には、その送信元アドレスに対応する通知先を特定し、電子メールの添付ファイルを配信する。
【0006】
このように、配信サーバは複数の宛先及び通知先(配信先装置)を管理しているので、管理負荷分散の観点から宛先毎に管理者用のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を設ける場合もある。より具体的には、例えば、部署毎にその部署に所属する人の宛先を管理する管理者用情報処理装置を設ける場合もある。
【0007】
このようなデータ配信システムにおいて、連携する装置においてエラーが発生した場合には、そのエラー内容をログに記録し、配信サーバの管理者用情報処理装置の通知先にエラー通知を配信する。
例えば特許文献1では、メール配信の使用時において、情報処理端末とドキュメント管理サーバ間でメール配信にエラーがあると、情報処理端末に対してエラー情報を送信するドキュメント管理システムが開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−340332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のデータ配信装置およびデータ配信システムでは、連携する装置でエラーが発生すると、全てのエラーに関わるエラー通知を、配信サーバの管理者者用情報処理装置の宛先に対応する通知先に送信(配信)するため、エラーが頻発する場合には、管理者に煩雑な作業負荷を課してしまうおそれがある。
例えば、データ配信システムに対する各ユーザのパスワードを、毎月1日に変更するような場合には、月の前半に「認証エラー」が頻発する場合があり、それを少なくするような技術の実現が嘱望されている。
【0010】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、データ配信装置およびデータ配信システムによるエラー通知の配信先や頻度を適正化して、データ配信装置の管理者の作業負荷を軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明はによるデータ配信装置は、ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置であって、上記の目的を達成するため、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルと、上記発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルとを記憶した記憶手段と、
エラー発生を検出すると、上記記憶手段のエラー通知条件テーブルを参照して該エラーの上記エラー通知条件の識別子に対応する発生頻度の識別子を特定し、上記記憶手段の上記発生頻度テーブルを参照して、上記特定した発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得し、その発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断するエラー処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
上記エラー通知条件テーブルに、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子及び判定条件の情報とを対応付けておき、上記エラー処理手段が、上記エラー通知を行うか否かの判断を、上記発生回数及び発生間隔の情報と上記判定条件の情報とに基づいて行うようにしてもよい。
上記エラー通知条件テーブルに、上記発生頻度の識別子に代えて連続発生条件の識別子を上記エラー通知条件の識別子と対応付けておき、上記記憶手段には、上記発生頻度テーブルに代えて、上記連続発生条件の識別子と連続発生回数の情報とが対応付けられた連続発生条件テーブルを記憶し、上記エラー処理手段が、上記エラー通知を行うか否かの判断を、上記発生回数及び発生間隔の情報に代えて、発生した上記エラーの上記連続発生条件の識別子に対応する上記連続発生回数の情報に基づいて行うようにすることもできる。
【0013】
前記エラー通知条件テーブルに、上記エラー通知条件の識別子と前記連続発生条件の識別子および判定条件の情報を対応付けておき、上記エラー処理手段が、上記エラー通知を行うか否かの判断を、上記判定条件に一致したエラーが前上記連続発生回数だけ連続して発生したか否かによって行うようにしてもよい。
【0014】
上記記憶手段は、上記発生頻度テーブルに加えて、上記連続発生条件の識別子と連続発生回数の情報とが対応付けられた連続発生条件テーブルを記憶するとともに、上記エラー通知条件テーブルは、上記発生頻度テーブルと上記連続発生条件テーブルのいずれを参照すべきかを示す通知判定方法の情報を上記エラー通知条件の識別子と対応付けておき、上記エラー処理手段が、上記エラー通知を行うか否かの判断の際に、上記通知判定方法の情報に従って、上記発生頻度テーブルと連続発生条件テーブルのいずれか一方を参照するようにすることもできる。
上記エラー通知条件テーブルは、エラー通知の通知時刻の情報を更に保持し、上記エラー処理手段が、上記エラー通知を行うか否かの判断の結果、該エラー通知を行うべきと判断した場合には、上記通知時刻の情報に基づいてエラー通知を行うようにしてもよい。
【0015】
この発明によるデータ配信装置はまた、エラーの発生箇所別に管理者と通知先の情報を対応付けた複数のテーブルを記憶する記憶手段と、エラーの発生を検出すると、エラー発生箇所の情報に基づいて、上記記憶手段の上記複数のテーブルの中から対応するテーブルを特定して管理者と通知先の情報を取得し、その情報に基づいてエラー通知を行うエラー処理手段とを備えるようにしてもよい。
上記記憶手段が、エラー内容の情報を記憶していれば、上記エラー処理手段は、上記エラー通知の通知先を、検出したエラーと一致する上記エラー内容に基づいて、上記複数のテーブルの通知先の中から特定することもできる。
【0016】
上記記憶手段が、通知種別の情報を記憶していれば、上記エラー処理手段は、上記エラー通知の通知先を、検出したエラーと一致する上記通知種別の情報に基づいて特定することができる。
上記通知先の情報とは、例えばエラー発生時に指定された宛先の情報である。また、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が該エラー通知を転送した場合には、転送先である第2の通知先の情報をその後の通知先の情報とすることもできる。
さらに、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が該エラー通知を転送した場合には、同一のエラー内容についての同一の転送先に転送した回数が所定回数以上である場合に、その転送先である第2の通知先をその後の通知先の情報としてもよい。
【0017】
この発明によるデータ配信システムは、上記いずれかのデータ配信装置と配信元装置及び配信先装置とがネットワークを介して接続され、上記データ配信装置がその配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信システムである。
【0018】
この発明によるエラー通知方法は、データ配信装置と配信元装置及び配信先装置とがネットワークを介して接続され、上記データ配信装置がの配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信システムにおけるエラー通知方法である。
そして、エラー発生を検出すると、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルを参照して、該エラーの上記エラー通知条件の識別子に対応する上記発生頻度の識別子を特定し、発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルを参照して、該発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得し、該発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断することを特徴とする。
【0019】
この発明によるプログラムは、ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、その配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置のコンピュータに、エラー発生検出時に、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルを参照して、該エラーの上記エラー通知条件の識別子に対応する前記発生頻度の識別子を特定する処理手順と、発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルを参照して、該発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得する処理手順と、該発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断する処理手順とを実行させるためのプログラムである。
この発明による記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0020】
この発明によるデータ配信装置、データ配信システム、データ配信方法、データ配信プログラム及び記録媒体は、エラー通知をデータ配信装置の管理者用以外の情報処理端末等にも自動的に通知することが可能になり、データ配信装置の管理者の作業負荷を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1実施例〕
図1は、この発明の第1実施例であるデータ配信装置及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
このデータ配信システムでは、データ配信装置である配信サーバ1が、ネットワーク10を介して、配信元装置又は配信先装置となる認証サーバ2、メールサーバ3、文書管理(図中では「文管」と略記する)サーバ4、管理者用パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)5、クライアントPC6等の情報処理装置、およびプリンタ7、スキャナ8、デジタル複合機(MFP)9などの画像処理装置と、それぞれデータ通信可能に接続されている。
そして、配信サーバ1は、配信データ入力処理部11、認証処理部12、配信データ変換処理部13、配信データ出力処理部14、エラー処理手段としてのエラー処理部15、記憶手段としての記憶部16、エラー通知条件設定部17を備えている。このエラー通知条件設定部17は、ユーザインタフェースにより実現されるものである。
【0023】
配信サーバ1は、画像データ等の配信機能を備えたサーバである。例えば、配信元装置となるMFP9等によるスキャンにより得られた画像データを予め管理している所定の通知先(配信先装置)に配信する。
認証サーバ2は、クライアントPC6等から配信サーバ1に対して利用要求等がなされた場合に、その利用の可否を判断するものである。この認証サーバ2により認証されたクライアントPC6等のみが配信サーバ1の機能を利用することができる。
【0024】
メールサーバ3は、電子メールを配信するためのサーバである。例えばインターネットを利用して電子メールを送受信するものは、SMTP(simple mail transfer protocol)を利用することから、SMTPサーバと称される場合もある。
【0025】
文書管理サーバ4は、ネットワーク10を介して送信されたクライアントPC6からの要求に応答して、文書ファイルを登録、検索、送信するものである。
管理者用PC5は、一般的には、例えば配信サーバ1とネットワークを介して接続されているサーバにエラーが発生した場合に、該配信サーバ1よりエラー通知が送信される対象となる。但し、第1実施例では、後述する処理によりその負荷が分散される。
クライアントPC6は、ユーザが各種操作をするものである。例えば、印刷要求がなされた場合には、該要求が配信サーバ1に送られ、プリンタ7等に印刷指示がなされる。
【0026】
プリンタ7、スキャナ8、MFP9は、ここでは画像形成装置の一種として例示されたものである。プリンタ7は、印刷機能を備えている。スキャナ8は、スキャナ機能を備えている。そして、MFP9は、プリンタ、コピー、ファクシミリ及びスキャナに係る機能を複数備えた多機能型の画像形成装置である。例えば、クライアントPC6からの指示に応じて、そのスキャナ機能により読み取った画像データの配信を配信サーバ1に対して要求する。
【0027】
配信サーバ1において、配信データ入力処理部11は、クライアントPC6、スキャナ8、MFP9等の入力元から画像データ等の配信データを受信し、配信データ変換処理部13等に供給する。配信データ変換処理部13は、この配信データを、指定された変換方法(例えば、PDF、OCR)で変換し、変換後の配信データを配信データ出力処理部14に供給する。配信データ出力処理部14は、この変換後の配信データを、指定された送信方法で、指定された通知先に配信する。この配信データ出力処理部14は、例えば送信方法「SMTPメール」で送信先「sss@bbb.com」に送信したり、送信方法「文書管理サーバ配信」で送信先「\\Server\Folder1」に送信したりする。
【0028】
エラー処理部15は、エラー発生時にエラー処理、通知判定処理を実施する。このエラー処理、通知判定処理については後に述べる。認証処理部12は、各種要求がなされたときに所定の認証処理を行い、あるいは認証サーバ2による認証結果を受けた処理を行う。そして、記憶部16には、エラー通知条件テーブル、発生頻度テーブル、エラーログテーブルが記憶されている。以下、各テーブルについて詳細に述べる。
【0029】
図2はエラー通知条件テーブルの一例を示す図である。
エラー通知条件テーブルでは、エラー通知条件情報を管理する。即ち、エラー通知条件テーブルでは、エラー通知条件情報としてのエラー通知条件IDと、判定条件、発生頻度ID、通知先とを対応付けて管理している。エラー通知条件IDとは、各エラー通知条件の識別子である。判定条件とは、エラー通知の可否を判定するための条件であり、後述するエラーログテーブルのカラム名等が入力される。例えば、エラー内容の種類、発生箇所、送信先名などである。発生頻度IDとは、後述する発生頻度テーブルとの関連性を示す識別子である。そして、通知先とは、各エラー通知条件IDに対応する通知先を示す。
【0030】
図3は発生頻度テーブルの一例を示す図である。
発生頻度テーブルでは、発生頻度情報を管理する。即ち、発生頻度テーブルでは、発生頻度情報としての発生頻度IDと発生回数及び発生間隔(この例では分)を対応付けて管理している。発生頻度IDとは、各発生頻度の識別子であり、この発生頻度IDによりエラー通知条件テーブルとの関連性が示される。発生回数とは、エラーの発生回数である。そして、発生間隔とはエラーの発生間隔である。例えば、発生頻度IDがAの発生頻度情報では、発生間隔10分の間に発生回数3回のエラーが発生した場合にはエラー通知処理を行う、といった条件が定義されている。
【0031】
図4はエラーログテーブルの一例を示す図である。
エラーログテーブルでは、エラー情報を管理する。即ち、エラーログテーブルでは、エラー情報としてのIDと、エラー発生時刻、エラー内容、送信方法、送信先名、エラー発生箇所とを対応付けて管理している。IDとは、各エラー情報の識別子である。エラー発生時刻とは、実際にエラーが発生した時刻である。エラー内容とは、例えば「SMTPサーバに接続できません」、「送信先情報が存在しません」のような具体的なエラーの内容である。送信方法とは、例えばSMTPメール、文管サーバ配信のような送信の具体的方法である。送信先名とは、各送信方法により送信する送信先の名称である。そして、エラー発生箇所は、入力/出力の別を示している。
【0032】
図5は、図1に示した第1実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部15によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS1では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。
ステップS2では、記憶部16のエラーログテーブルに検出したエラー情報を記録(記憶)させる。
ステップS3では、記憶部16に記憶されているエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報の一覧を取得する。
【0033】
ステップS4では、記憶部16に記憶されているエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報中の発生頻度IDに対応する発生回数と発生間隔を取得する。
ステップS5では、エラー処理部15が、エラー通知条件情報の判定条件毎に記憶部16に記憶されているエラーログテーブルの各エラー情報で該当するものについて、(現在時刻−発生間隔)の時刻から現在時刻までの間の発生時刻に該当するログ件数をカウントする。そして、ステップS6では、ログ件数が発生回数以上をカウントしたエラー通知条件情報中の通知先にエラー通知を送信する。
こうしてエラー発生時の処理を終了する。
【0034】
〔第2実施例〕
次に、この発明の第2実施例について説明する。
その第2実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成は図1と同様であるので、その各部については同一符号を用いて説明する。
第2実施例のデータ配信装置である配信サーバ1では、発生頻度テーブルの代わりに連続発生条件テーブルが記憶部16に記憶される。これに伴い、エラー通知条件テーブルのエラー通知条件情報も一部に変更が加えられる。
【0035】
図6は、そのエラー通知条件テーブルの例を示す図である。
前述した図2のエラー通知条件テーブルと異なるのは、発生頻度IDに代えて、連続発生条件IDがエラー通知条件情報として管理されている点である。連続発生頻度IDとは後述する連続発生条件テーブルとの関連性を示す識別子である。
【0036】
図7は、その連続発生条件テーブルの一例を示す図である。
連続発生条件テーブルでは連続発生条件情報を管理する。即ち、この連続発生条件テーブルでは、連続発生条件情報としての連続発生条件IDと連続発生回数を対応付けて管理している。連続発生要件IDとは、図6のエラー通知条件テーブルとの関連性を示す識別子である。連続発生回数とはエラー通知判定を行うための判定条件である。
【0037】
図8は、この第2実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部15によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS11では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。ステップS12では、記憶部16のエラーログテーブルにエラー情報を記録(記憶)させる。
ステップS13では、記憶部16に記憶されているエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報の一覧を取得する。
【0038】
ステップS14では、記憶部16のエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報中の連続発生条件IDに対応する連続発生回数を取得する。
ステップS15では、エラー通知条件情報の判定条件毎に記憶部16に記憶されているエラーログテーブルの各エラー情報で該当するものについて連続発生回数以上発生しているか否かを判定する。
そして、ステップS16では、エラーが連続発生回数以上発生していると判定したエラー通知条件情報中の通知先にエラー通知を送信する。
こうして、エラー発生時の処理を終了する。
【0039】
〔第3実施例〕
次に、この発明の第3実施例について説明する。
その第3実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成も図1と同様であるので、その各部については同一符号を用いて説明する。
第3実施例のデータ配信装置である配信サーバ1は、記憶部16に記憶されるエラー通知条件テーブルに通知判定方法のカラムが追加され、この通知判定方法の内容と通知判定方法IDとに基づいて、前述した発生頻度テーブル(図3)あるいは連続発生条件テーブル(図7)を参照する。
【0040】
図9は、そのエラー通知条件テーブルの例を示す図である。
前述した図2のエラー通知条件テーブルと異なるのは、通知判定方法のカラムが加えられている点と、発生頻度IDに代えて通知判定方法IDがエラー通知条件情報として管理されている点である。通知判定方法のカラムでは、発生頻度や連続発生回数等といった通知判定方法が入力される。
【0041】
このエラー通知条件テーブルの通知判定方法のカラムで発生頻度が指定されている場合には、発生頻度テーブル(図3)を参照する。このとき、通知判定方法IDは発生頻度IDに相当するので、その通知判定方法IDにより対応する発生回数および発生間隔の情報を取得する。一方、通知判定方法のカラムで連続発生回数が指定されている場合には、連続発生条件テーブル(図7)を参照する。このとき、通知判定方法IDは連続発生条件IDに相当するので、該通知判定方法IDにより対応する連続発生回数の情報を取得する。
【0042】
図10は、この第3実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部15によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS21では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。ステップS22では、記憶部16のエラーログテーブルにエラー情報を記録(記憶)させる。
ステップS23では、エラー処理部15が、記憶部16に記憶されているエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報の一覧を取得する。
【0043】
ステップS24では、全てのエラー通知条件情報に対し、エラー通知条件テーブルの通知判定方法で指定されている判定を実施する。例えば、通知判定方法が「発生頻度」であれば、発生頻度テーブルを参照して判定を行う。通知判定方法が「連続発生回数」であれば、連続発生条件テーブルを参照して判定を行う。
ステップS25では、この判定結果に基づいて、通知が必要であると判定したエラー通知条件情報中の通知先にエラー通知を送信する。
こうして、エラー発生時の処理を終了する。
【0044】
〔第4実施例〕
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図11はその第4実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
この第4実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成は図1と略同様であるが、データ配信装置である配信サーバ1に通知ジョブスケジューラ18を備えている点だけが相違している。この通知ジョブスケジューラ1は、定期的に後述する通知ジョブキューテーブルを監視し、通知情報(通知ジョブともいう)にて指定された通知時刻にエラー通知する。その他、図1と対応する部分については同一符号を用いて説明する。
【0045】
図12は、この第4実施例で使用するエラー通知条件テーブルの例を示す図である。前述した図9のエラー通知条件テーブルと異なるのは、通知時刻のカラムが加えられえいる点である。この通知時刻のカラムでは、エラー処理部15が、エラー発生後、エラー通知を即時に行う場合には「即時」と指定される。一方、エラー処理部15が、エラー発生後、所定時刻にエラー通知を行う場合には、その所定通知時刻が指定される。
【0046】
図13は、この第4実施例で使用する通知ジョブキューテーブルの一例を示す図である。この通知ジョブキューテーブルでは、通知情報が管理されている。すなわち、通知情報としての、ジョブID、エラー通知条件ID、エラーログID、通知先、通知時刻が管理されている。このエラー通知条件IDにより、図12のエラー通知条件テーブルとの関連性が保持されている。ジョブIDとは、各通知ジョブを識別する識別子である。エラーログIDとは、各エラーログを識別する識別子である。
【0047】
図14は、この第4実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部15によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS31では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。ステップS32では、記憶部16のエラーログテーブルにエラー情報を記録(記憶)させる。
ステップS33では、記憶部16に記憶されているエラー通知条件テーブルからエラー通知条件情報の一覧を取得する。
ステップS34では、全てのエラー通知条件情報に対し、エラー通知条件テーブルの通知判定方法で指定されている判定を実施する。例えば、通知判定方法が「発生頻度」であれば、発生頻度テーブルを参照して判定を行う。通知判定方法が「連続発生回数」であれば、連続発生条件テーブルを参照して判定を行う。
【0048】
ステップS35では、エラー通知条件情報中の通知時刻が即時であるか否かを判断する。このステップS35で、通知時刻が即時であると判断した場合にはステップS36に進む。
ステップS36では、その判定結果に基づいて通知が必要であると判定したエラー通知条件情報中の通知先にエラー通知を送信する。
一方、通知時刻が即時でないと判断した場合には、ステップS37に進む。このステップS37では、記憶部16に記憶されている通知ジョブキューテーブルに通知情報を追加する。
こうして、エラー発生時の処理を終了する。
【0049】
図15は、図11に示した配信サーバ1の通知ジョブスケジューラ18による処理手順を示すフローチャート図である。
図14のステップS37で通知情報が追加された後は、その通知ジョブスケジューラ18が通知ジョブキューテーブルに基づいて以下の処理を実行する。
【0050】
ステップS41では、所定時間を経過したか否かを判断する。すなわち、所定時間が経過するまで待機し、所定時間を経過するとステップS42に進む。
ステップS42では、記憶部16に記憶されている通知ジョブキューテーブルから通知時刻が現在時刻であるものを全て取得する。
ステップS43では、通知先が同一のものをまとめて通知内容を作成する。そして、ステップS44では、全てのメッセージを通知する。
こうして処理を終了する。
【0051】
図16は、エラー通知の通知内容の一例を示す図である。
この例では、エラーレポートが通知するエラーの発生日時、そのエラーの内容の概略が示される。エラーの内容としては、「SMTPサーバに接続できません」、「送信先情報が存在しません」の如く、各態様をわかりやすく説明するものとなっている。
【0052】
〔第5実施例〕
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図17は、その第5実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。この第5実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成は図1と略同様であるが、データ配信装置である配信サーバ1に管理部19を備えている点だけが相違している。この管理部19は、宛先やメールサーバ3やMFP9等の外部入力装置、管理者等の情報を設定するものである。以下、図1と対応する部分には同一符号を用いて説明する。
【0053】
データ配信装置である配信サーバ1では、複数の管理者あるいは利用者の送信先が後述する宛先情報テーブルにより管理されている。そして、MFP9等の外部入力装置にて宛先一覧を表示し、その宛先が選択されると、配信サーバ1が選択された宛先に関連付けられた送信先へ、スキャンされた文書等のデータを配信する。たとえば、外部入力装置がMFP9である場合のオペレーション画面は、例えば図18に示すようになる。外部入力装置がメールサーバの場合は、例えば「Fromが、a@a.mailの場合は、宛先2へ配信」というような対応付けを配信サーバ1で保持している。この場合、配信するのはスキャンされた文書等のデータではなく、メールの添付ファイルと本文となる。
【0054】
配信サーバ1は、正常時には、図17に示す配信データ入力処理部11が、外部入力装置から送信された文書ファイルと宛先等のデータを受信する。配信データ変換処理部13は、この受信したデータを変換する。そして、配信データ出力処理部14は、記憶部16の後述する宛先情報テーブルを参照して該宛先に関連付けられた送信方法を特定し、該方法で変換後のデータを送信先に配信する。この配信に先立ち、認証処理部12にて認証が行われる場合もある。
【0055】
一方、配信サーバ1の配信データ入力処理部11、配信データ出力処理部14、認証処理部12等でエラーが発生すると、エラー処理部15がエラー内容を後述するエラーログテーブルに記録する。そして、エラー処理部15が記憶部16の後述する宛先情報テーブルを参照して、管理者用PC等の通知先へエラーを通知する。このとき、エラー処理部15は、エラーが発生した対象である外部入力装置の種別(入力元)、および送信先によってエラー通知する対象を自動的に判定することを特徴の一つとする。
例えば、出力処理中に、送信先\\Server1(図19参照)への文書管理サーバ配信でエラーになった場合は、Server1の管理者のPCにエラーを通知する。宛先1(図18)への配信時に起きたエラーは、そのあて先の管理者又は利用者のPCに通知する。
【0056】
また、記憶部16には、エラーログテーブル、宛先情報テーブル、入力種別情報テーブル、入力機器情報テーブル、入力メールサーバ情報テーブル、配信サーバ管理者情報テーブル、認証サーバ管理者情報テーブル、出力種別情報テーブル、出力メールサーバ情報テーブル、出力プリンタ情報テーブル、そして出力文書管理サーバ情報テーブルが記憶されている。即ち、この実施例における記憶部16は、エラーログ記憶部、宛先情報記憶部、入力種別情報記憶部、入力機器情報記憶部、入力メールサーバ情報記憶部、配信サーバ管理者情報記憶部、認証サーバ管理者情報記憶部、出力種別情報記憶部、出力メールサーバ情報記憶部、出力プリンタ情報記憶部、そして出力文書管理サーバ情報記憶部として機能する。
【0057】
図19は、この第5実施例で使用するエラーログテーブルの一例を示す図である。
このエラーログテーブルでは、エラー情報が管理されている。すなわち、エラー情報として、エラー発生時刻、エラー発生箇所、入力種別、入力元、エラー内容、送信方法、送信先、送信先アドレスが対応付けられて管理されている。
エラー発生時刻とは、外部入力装置等からデータが送信された場合に、配信サーバ1側でエラーが発生してそれを判断した時刻である。エラー発生箇所とは、例えば配信データ入力処理部11(入力)、認証処理部12(認証)、配信データ出力処理部14(出力)の別である。
入力種別とは、例えばエラーが外部入力装置のうちMFP9等の機器によるものか、メールサーバ3の電子メールによるものかを特定するものである。
【0058】
入力元とは、具体的な外部入力装置である。エラー内容とは、例えば「SMTPサーバに接続できません」等といったエラーの具体的内容である。送信方法とは、SMTPメール、文書管理サーバ配信等の送信の具体的方法である。送信先とは、送信先の名称である。そして、送信先アドレスとは、送信先のメールアドレス等である。
このように、エラーログテーブルは、エラー内容の情報を含み、エラー処理部15によるエラー通知の可否判断においては、そのエラー内容の情報が参照される。
【0059】
図20は宛先情報テーブルの一例を示す図である。
この宛先情報テーブルでは、宛先情報が管理されている。すなわち、この宛先情報として、宛先の表示名、管理者、利用者、送信方法、送信先が対応付けられて管理されている。管理者とは、所定のグループを統括管理する者である。利用者とは、実際の利用者である。
送信方法とは、SMTPメール、文管サーバ配信等の送信の具体的方法である。そして、送信先とは、送信先の名称である。このように、宛先情報テーブルは、ユーザアカウントに係る通知先の情報を管理する管理手段として機能する。
【0060】
図21は入力種別情報テーブルの一例を示す図である。
この入力種別情報テーブルでは、入力種別情報が管理されている。すなわち、この入力種別情報として、入力種別と対応テーブルが対応付けられて管理されている。このテーブルによれば、入力種別に対応するテーブルが特定される。具体的には、入力種別が機器であれば入力機器情報テーブル、入力種別が電子メールであれば入力メールサーバ情報テーブルが対応するテーブルとして特定される。
【0061】
図22は入力機器情報テーブルの一例を示す図である。
この入力機器情報テーブルでは、入力機器情報として、表示名、管理者名、通知種別、IPアドレスが対応付けられて管理されている。
【0062】
図23は入力メールサーバ情報テーブルの一例を示す図である。
この入力メールサーバ情報テーブルでは、入力メールサーバ情報が管理されている。すなわち、この入力メールサーバ情報として、IPアドレス、ポート、通知種別、管理者が対応付けられて管理されている。入力種別がメールであれば、この入力メールサーバ情報テーブルがエラー処理部15により参照される。送信方法とは、SMTPメール、文管サーバ配信等の送信の具体的方法である。送信先とは、送信先の名称である。
【0063】
図24は配信サーバ管理者情報テーブルの一例を示す図である。
この配信サーバ管理者情報テーブルでは、配信サーバ管理者情報として、管理者名、通知先が対応付けられて管理されている。
【0064】
図25は認証サーバ管理者情報テーブルの一例を示す図である。
この認証サーバ管理者情報テーブルでは、認証サーバ管理者情報として、サーバ名、通知先、通知種別が対応付けられて管理されている。
【0065】
図26は出力種別情報テーブルの一例を示す図である。
この出力種別情報テーブルでは、出力種別情報として、入力種別と対応するテーブルの情報が対応付けられて管理されている。例えば、入力種別がプリンタであれば入力機器情報テーブル、文管サーバであれば出力文管サーバ情報テーブル、電子メールであれば出力メールサーバ情報テーブルが、参照すべきテーブルとして特定される。
【0066】
図27は出力メールサーバ情報テーブルの一例を示す図である。
この出力メールサーバ情報テーブルでは、出力メールサーバ情報として、IPアドレス、ポート、管理者名、通知種別が対応付けられて管理されている。
【0067】
図28は出力プリンタ情報テーブルの一例を示す図である。
この出力プリンタ情報テーブルでは、出力プリンタ情報として、プリンタの表示名、管理者名、IPアドレスが対応付けられて管理されている。
【0068】
図29は出力文書管理サーバ情報テーブルの一例を示す図である。
この出力文書管理サーバ情報テーブルでは、出力文管サーバ情報として、IPアドレス、管理者名、通知種別が対応付けられて管理されている。
【0069】
図30は、この発明の第5実施例のデータ配信装置におけるエラー発生時のエラー処理部15による処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS51では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。ステップS52では、記憶部16のエラーログテーブルにエラー情報を記録(記憶)させる。
【0070】
ステップS53では、エラー発生箇所が「入力」であるか否かを判断する。このステップS53にて、エラー発生箇所が「入力」であればステップS54に進み、「入力」でなければステップS55に進む。
ステップS54では、記憶部16に記憶されている入力種別情報テーブルから入力種別に対応したテーブルを特定し、入力元に対応した管理者名と通知種別の情報を取得する。
【0071】
ステップS55では、エラー発生箇所が「認証」であるか否かを判断する。このステップS55にて、エラー発生箇所が「認証」であればステップS56に進み、「認証」でなければステップS57に進む。そして、ステップS56では、記憶部16に記憶されている認証サーバ管理者テーブルから認証サーバ管理者名と通知種別の情報を取得する。
【0072】
ステップS57では、エラー発生箇所が「出力」であるか否かを判断する。このステップS57にて、エラー発生箇所が「出力」であればステップS58に進み、「出力」でなければステップS59に進む。そして、
ステップS58では、記憶部16に記憶されている出力種別テーブルから出力種別に対応したテーブルを調べ、そのテーブルから送信先に対応した管理者名と通知種別の情報を取得する。
【0073】
ステップS59では、異常ケースであると判断してエラー処理を実施した後、この処理を終了する。ステップS60では、取得した管理者名、通知種別を基に認証サーバ12から通知先の情報を取得し、エラーを通知する。続いて、ステップS61では、宛先の管理者名、通知種別を基に、認証サーバ12から通知先を取得し、エラーを通知する。
こうして一連の処理を終了する。
【0074】
〔第6実施例〕
次に、この発明の第6実施例について説明する。
この第6実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成は図17と略同様であるので、図17の各部と同一符号を用いて説明する。
このデータ配信システムでは例外条件設定が可能となっている。そして、管理者用PCが受信するエラー通知メールの一例を図31に示する。この例では、エラー発生箇所とエラー内容が示され、転送先の入力を促す内容となっている。この転送先のボックスに転送先を入力し、送信ボタンを押すと、返信メールが配信サーバ1と転送対象に送信される。配信サーバ1は、エラーIDを基にエラー条件を抽出し、そのエラー条件と転送先とを対応付けて記憶部16の例外条件情報テーブルに記録する。
【0075】
したがって、この場合の通知先の情報とは、エラー発生時に指定された宛先の情報となる。なお、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が、該エラー通知を転送した場合に、転送先である第2の通知先の情報をその後の通知先の情報としてもよい。
あるいは、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が該エラー通知を転送した場合に、同一のエラー内容についての同一の転送先に転送した回数が所定回数以上である場合に、この転送先である第2の通知先をその後の通知先の情報としてもよい。
【0076】
図32は、この場合の例外条件情報テーブルの一例を示す図である。この例外条件情報テーブルでは、例外条件情報として通知先と条件が対応付けられて管理されている。
【0077】
図33は、この第6実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部15によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
ステップS71では、配信処理を含む処理中にエラー発生を検出する。ステップS72では、記憶部16のエラーログテーブルにエラー情報を記録(記憶)させる。
【0078】
ステップS73では、エラー内容が記憶部16に記憶されている例外条件テーブルの内容に一致するか否かを判断する。このステップS73にて、エラー内容が例外条件テーブルの内容に一致しない場合にはステップS75に進む。
一方、一致する場合には、ステップS74に進む。このステップS74では、例外条件テーブルから対応付けられた送信先の情報を取得する。
ステップS75〜S83の処理は、図30のステップS53〜S61と同様であるので重複した説明を省略する。
【0079】
この発明の第1〜第6実施例について説明したが、これら実施例によれば、エラーが発生した場合に、エラー通知の通知先が管理者用PCだけに集中しないので、管理者の作業負荷が分散されると共に、適切な通知先および通知の適切な時期が規制される。
第1実施例では、発生頻度すなわち発生回数と発生間隔により、エラー通知の可否判断が適正となるように制御されるので、管理者の作業負荷が軽減される。
【0080】
第2実施例では、連続発生条件すなわち連続発生回数により、エラー通知の可否判断が適正となるように制御されるので、管理者の作業負荷が軽減される。
第3実施例では、通知判定方法を特定することによって、発生頻度あるいは連続発生条件のいずれかにより、エラー通知の可否判断が適正になされるので、管理者の作業負荷が軽減される。
【0081】
第4実施例では、通知ジョブスケジューラにより、通知時刻の情報に基づいて適正な時間にまとめてエラー通知がなされるので、ネットワークへの負荷も分散され、さらにエラー通知を受け取る管理者の作業負荷も軽減される。
第5の実施例では、入力種別に基づいて対応するテーブルが選択され、管理者や通知種別が特定されるので、エラー通知をより適正に行うことが可能になる。
そして、第6実施例では、例外条件に基づくエラー通知も可能となるので、より柔軟性が高くなり、ユーザの利便性も向上する。
【0082】
上述した各実施例では、主としてこの発明によるデータ配信装置の実施例である配信サーバと、それを使用したデータ配信システムに関して説明したが、その各実施例における配信サーバ1(主にエラー処理部15)による処理手順をそれぞれフローチャートによって説明した。それらの各実施例における処理手順が、この発明によるエラー通知方法の実施例に相当する。
【0083】
また、配信サーバとして使用するPCに、その各フローチャートに示した処理手順を実行させるためのプログラムが、この発明によるプログラムの実施例に相当する。さらに、それらののプログタムを記録したフレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード、メモリチップ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体が、この発明による記録媒体の実施例に相当する。
そのプログラムを、配信サーバとして使用するPCにネットワークを介してダウンローしたり、上記記録媒体からPCが読み込むなどによって内蔵するハードデスク等に格納すれば、この発明によるデータ配信装置として機能する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
この発明は、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、およびデジタル複合機等の各種画像処理装置や、PC等の情報処理装置(サーバとして使用するものも含む)を配信元装置又は配信先装置としてネットワークを介してデータ配信装置とデータ通信可能に接続して構成される各種のデータ配信システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の第1実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例に使用するエラー通知条件テーブルの一例を示す図である。
【図3】同じく発生頻度テーブルの一例を示す図である。
【図4】同じくエラーログテーブルの一例を示す図である。
【図5】この発明の第1実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】第1実施例に使用するエラー通知条件テーブルの他の例を示す図である。
【図7】同じく連続発生条件テーブルの一例を示す図である。
【図8】この発明の第2実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図9】第2実施例に使用するエラー通知条件テーブルの例を示す図である。
【図10】この発明の第3実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【0086】
【図11】この発明の第4実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図12】第4実施例に使用するエラー通知条件テーブルの別の例を示す図である。
【図13】同じく通知ジョブキューテーブルの一例を示す図である。
【図14】この発明の第4実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図15】第4実施例のデータ配信装置における通知ジョブスケジューラによる処理手順を示すフローチャート図である。
【図16】同じくそのエラー通知の通知内容の一例を示す図である。
【図17】この発明の第5実施例のデータ配信装置、及びそれを用いたデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図18】同じくその外部入力装置のオペレーション画面の一例を示す図である。
【0087】
【図19】第5実施例に使用するエラーログテーブルの一例を示す図である。
【図20】同じく宛先情報テーブルの一例を示す図である。
【図21】同じく入力種別情報テーブルの一例を示す図である。
【図22】同じく入力機器情報テーブルの一例を示す図である。
【図23】同じく入力メールサーバ情報テーブルの一例を示す図である。
【図24】同じく配信サーバ管理者情報テーブルの一例を示す図である。
【図25】同じく認証サーバ管理者情報テーブルの一例を示す図である。
【図26】同じく出力種別情報テーブルの一例を示す図である。
【図27】同じく出力メールサーバ情報テーブルの一例を示す図である。
【図28】同じく出力プリンタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図29】同じく出力文管サーバ情報テーブルの一例を示す図である。
【0088】
【図30】この発明の第5実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図31】第5実施例によるエラー通知メールの一例を示す図である。
【図32】第5実施例で使用する例外条件情報テーブルの一例を示す図である。
【図33】この発明の第6実施例のデータ配信装置におけるエラー処理部によるエラー発生時の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0089】
1:配信サーバ 2:認証サーバ 3:メールサーバ 4:文管サーバ
5:管理者PC 6:クライアントPC 7:プリンタ 8:スキャナ
9:MFP 10:ネットワーク 11:配信データ入力処理部
12:認証処理部 13:配信データ変換処理部 14:配信データ出力処理部
15:エラー処理部 16:記憶 19:管理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置であって、
エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルと、前記発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルとを記憶した記憶手段と、
エラー発生を検出すると、前記記憶手段の前記エラー通知条件テーブルを参照して該エラーの前記エラー通知条件の識別子に対応する前記発生頻度の識別子を特定し、前記記憶手段の前記発生頻度テーブルを参照して、前記特定した発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得し、該発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断するエラー処理手段とを備えたことを特徴とするデータ配信装置。
【請求項2】
前記エラー通知条件テーブルは、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子及び判定条件の情報とが対応付けられており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知を行うか否かの判断を、前記発生回数及び発生間隔の情報と前記判定条件の情報とに基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ配信装置。
【請求項3】
前記エラー通知条件テーブルは、前記発生頻度の識別子に代えて連続発生条件の識別子を前記エラー通知条件の識別子と対応付けており、
前記記憶手段は、前記発生頻度テーブルに代えて、前記連続発生条件の識別子と連続発生回数の情報とが対応付けられた連続発生条件テーブルを記憶しており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知を行うか否かの判断を、前記発生回数及び発生間隔の情報に代えて、発生した前記エラーの前記連続発生条件の識別子に対応する前記連続発生回数の情報に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ配信装置。
【請求項4】
前記エラー通知条件テーブルは、前記エラー通知条件の識別子と前記連続発生条件の識別子および判定条件の情報を対応付けており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知を行うか否かの判断を、前記判定条件に一致したエラーが前記連続発生回数だけ連続して発生したか否かによって行うことを特徴とする請求項3に記載のデータ配信装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記発生頻度テーブルに加えて、前記連続発生条件の識別子と連続発生回数の情報とが対応付けられた連続発生条件テーブルを記憶しており、前記エラー通知条件テーブルは、前記発生頻度テーブルと前記連続発生条件テーブルのいずれを参照すべきかを示す通知判定方法の情報を前記エラー通知条件の識別子と対応付けており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知を行うか否かの判断の際に、前記通知判定方法の情報に従って、前記発生頻度テーブルと前記連続発生条件テーブルのいずれか一方を参照することを特徴とする請求項1に記載のデータ配信装置。
【請求項6】
前記エラー通知条件テーブルは、エラー通知の通知時刻の情報を更に保持しており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知を行うか否かの判断の結果、該エラー通知を行うべきと判断した場合には、前記通知時刻の情報に基づいてエラー通知を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のデータ配信装置。
【請求項7】
ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置であって、
エラーの発生箇所別に管理者と通知先の情報を対応付けた複数のテーブルを記憶する記憶手段と、
エラーの発生を検出すると、エラー発生箇所の情報に基づいて、前記記憶手段の前記複数のテーブルの中から対応するテーブルを特定して管理者と通知先の情報を取得し、該情報に基づいてエラー通知を行うエラー処理手段とを備えたことを特徴とするデータ配信装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、エラー内容の情報を記憶しており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知の通知先を、検出したエラーと一致する前記エラー内容に基づいて、前記複数のテーブルの通知先の中から特定することを特徴とする請求項7に記載のデータ配信装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、通知種別の情報を記憶しており、
前記エラー処理手段は、前記エラー通知の通知先を、検出したエラーと一致する前記通知種別の情報に基づいて特定することを特徴とする請求項8に記載のデータ配信装置。
【請求項10】
前記通知先の情報とは、エラー発生時に指定された宛先の情報であることを特徴とする請求項7に記載のデータ配信装置。
【請求項11】
前記通知先の情報とは、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が該エラー通知を転送した場合には、転送先である第2の通知先の情報をその後の通知先の情報とすることを特徴とする請求項7に記載のデータ配信装置。
【請求項12】
前記通知先の情報とは、エラー通知を最初に受信した第1の通知先が該エラー通知を転送した場合に、同一のエラー内容についての同一の転送先に転送した回数が所定回数以上である場合に、該転送先である第2の通知先をその後の通知先の情報とすることを特徴とする請求項8に記載のデータ配信装置。
【請求項13】
データ配信装置と複数の配信元装置及び配信先装置とがネットワークを介して接続され、前記データ配信装置がいずれかの配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信システムであって、
前記データ配信装置が、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のデータ配信装置であることを特徴とするデータ配信システム。
【請求項14】
データ配信装置と配信元装置及び配信先装置とがネットワークを介して接続され、前記データ配信装置が配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信システムにおけるエラー通知方法であって、
エラー発生を検出すると、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルを参照して、該エラーの前記エラー通知条件の識別子に対応する前記発生頻度の識別子を特定し、発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルを参照して、該発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得し、該発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断することを特徴とするエラー通知方法。
【請求項15】
ネットワークを介して配信元装置及び配信先装置と接続され、配信元装置から取得したデータを所要の配信先装置へ配信するデータ配信装置のコンピュータに、エラー発生検出時に、エラー通知条件の識別子と発生頻度の識別子とが対応付けられたエラー通知条件テーブルを参照して、該エラーの前記エラー通知条件の識別子に対応する前記発生頻度の識別子を特定する処理手順と、発生頻度の識別子と発生回数及び発生間隔の情報とが対応付けられた発生頻度テーブルを参照して、該発生頻度の識別子に対応する発生回数及び発生間隔の情報を取得する処理手順と、該発生回数及び発生間隔の情報に基づいてエラー通知を行うか否かを判断する処理手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−223728(P2009−223728A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68856(P2008−68856)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】