説明

トイレ装置、その制御方法、およびプログラム

【課題】人感センサなどの入退室センサを別設する必要のないトイレ装置の提供。
【解決手段】衛生洗浄便座装置5を遠隔操作する電波リモコン装置3から間欠的に送信した電文を、衛生洗浄便座装置5で受信した際の電界強度値の変化を計測する構成により、トイレ室1へ人4が入退室する際に人の動作やドアの開閉による電波の反射、吸収、散乱といったトイレ室内の電波状態の変動を検知する。この方法により、人のトイレ室への入退室を判定できる構成したことで、ドア付近に人感センサや振動センサなどを備える必要なく、人4が入退室した際の便座の便蓋の白動開閉や便座ヒータの白動入切などのサービス機能を提供可能なトイレ装置を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波リモコンを備えた衛生洗浄便座装置において、トイレ室に赤外線センサや振動センサなどの入退室を検出する特別のセンサを備え付ける必要がなく、電波リモコンが衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波の電界強度値の変化によりトイレ室への入退室を判定できるトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、これまでの赤外線リモコン装置に代わって電波式の電波リモコンを備えた家電機器が登場し始めている。電波リモコンは、赤外線リモコンの赤外線に比べて、電波が回折や反射しやすい特徴を活かして、リモコンと機器の間に人や遮蔽物が有った場合や、リモコン側の発光部と機器側の受光部が対向していない場合でも、リモコン操作が可能となる利点がある。
【0003】
一方、人体洗浄ノズルおよび暖房便座を備えた従来の衛生洗浄便座装置は本体に操作スイッチを備えると共に、着座した姿勢で衛生洗浄便座装置の操作スイッチを操作するのに比べて、より楽な姿勢で操作できるよう赤外線リモコン装置をトイレ室の壁などに設置する構成が一般的であった。
【0004】
また、より高機能な衛生洗浄便座装置では、人がトイレ室に入室した際に便座の便蓋を自動的に上げたり、着座前に便座を加温する便座ヒータを通電したり、退室時には便座ヒータへの通電を止めて節電を行なうといったサービス機能を備えるものも実用化されている。
【0005】
こうした衛生洗浄便座装置では、トイレ室への入退室を判定するために、トイレ室の出入口やドア付近に人の発する赤外線を検知する人感センサや振動センサを備える構成を採っている(例えば、参考文献1)。
【0006】
参考文献1では、トイレ室のドア周囲に人が入室した際の赤外線を検知するドア開閉検知装置を配設し、衛生洗浄便座装置の本体部にドア開閉検知装置からの検知信号の受信手段と受信した検知信号に基づいてトイレ室に対する入室と退室を判定する入退室判定部を有する制御部を設けた構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−120766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の赤外線リモコン装置を備えた衛生洗浄便座装置では、人のトイレ室への入退室を判定するのにドア付近などに人感センサや振動センサなどの付帯装置を別途設置する必要があるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解消するもので、赤外線リモコン装置により遠隔操作を行う衛生洗浄便座装置の場合のように、人感センサや振動センサを別途設置する必要なく、簡易な構成で、トイレ室への人の入退室が検知でき、人の入退室時のサービス機能を充実できる衛生洗浄便座装置を提供することを目的とする。
【0010】
しかし、電波リモコン装置を備えた衛生洗浄便座装置においては、電波リモコンが衛生洗浄便座装置に遠隔操作の電文を発信するための無線通信手段を用いて、この電波の電界強度値の時間変化や乱れを検出することにより、人がトイレ室に出入りしたことを検出することが可能になる。
【0011】
この構成により、赤外線リモコン装置により遠隔操作を行う衛生洗浄便座装置の場合のように、人感センサや振動センサを別途設置する必要なく、簡易な構成で、トイレ室に人が入室したことを検知し、白動的に便座の便蓋を上げるといったサービス機能を実現することが可能となるものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解消するために、本発明のトイレ装置は、トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコンからの電文を受信する電波リモコン受信部と、前記電波リモコンからの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測部と、前記電界強度計測部が受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方を判定する入退室判定部を備えた構成としたものである。
【0013】
これによって、電波リモコン装置から衛生洗浄便座装置に間欠的に送信した電文の電界強度値が、トイレ室へ人が入退室する際の人の動作やドアの開閉により、電波の反射、吸収、散乱といったトイレ室内の電波状態の変化を検出して、人のトイレ室への入退室を判定できるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトイレ装置は、電波リモコン装置を備え、人のトイレ室への入退室を検知するために、人感センサなどの新たなセンサ装置を付加する必要なく、簡易な構成で、人の入退室時のサービス機能を提供できる機能を備えた衛生洗浄便座装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置を設置したトイレ室の一例を示す上視略図
【図2】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置を設置した電波リモコン及び衛生洗浄便座装置の略ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置の電波リモコン装置からの無線電文を衛生洗浄便座装置で受信した際の電界強度値の時間変化の一例を示したグラフ
【図4】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置を設置した電波リモコン及び衛生洗浄便座装置の動作シーケンスの一例を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における衛生洗浄便座装置および電波リモコン装置の外観斜視図
【図6】本発明の実施の形態2における便座の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、
前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、
前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコンからの電文を受信する電波リモコン受信部と、
前記電波リモコンからの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測部と、
前記電界強度計測部が受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方を判定する入退室判定部を備えた構成となっている。
【0017】
これにより、人感センサや振動センサなどの付加装置を備える必要なく、本来備える電波リモコン装置だけで、人のトイレ室への入退室が検知できうるようになっている。
【0018】
第2の発明は、第1の発明に加えて、前記入退室判定部は、前記電界強度値が所定の閾値幅以上変化した際に入室と判定する構成となっている。
【0019】
これにより、電波リモコン装置からの電波の電界強度値の時間変化を判定することで、人のトイレ室への入室を判定できる構成となっている。
【0020】
第3の発明は、第1の発明に加えて、前記入退室判定部は、入室と判定している状態において、前記電界強度値の変化幅が所定の閾値幅に満たない期間が所定時間以上継続した場合に退室と判定する構成となっている。
【0021】
これにより、電波リモコン装置からの電波の電界強度値の時間変化を判定することで、人のトイレ室からの退室を判定できる方法となっている。
【0022】
第4の発明は、第3の発明に加えて、前記衛生洗浄便座装置は、前記便座上への着座を検出する着座検出手段を備え、前記入退室判定部は、前記電波リモコン装置が操作された際の電文を前記電波リモコン受信部が受信している期間は、退室判定を行なわない構成となっている。
【0023】
これにより、人がトイレ室内で衛生洗浄便座装置を使用中であり、大きな体の動きなどを伴わず、電界強度値の変化が小さい場合でも、人がトイレ室から退室と誤判定しない構成となっている。
【0024】
第5の発明は、第3の発明に加えて、前記衛生洗浄便座装置は、前記便座上への着座を検出する着座検出手段を備え、前記着座検出手段が着座を検出している期間は、退室判定を行なわない構成となっている。
【0025】
これにより、人がトイレ室内で衛生洗浄便座装置の操作を行わず安静にしており、電界強度値の変化が小さい場合でも、入がトイレ室から退室と誤判定しない構成となっている。
【0026】
第6の発明は、トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、
前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、
前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコン装置からの電文を受信する電波リモコン受信部と、
前記電波リモコン装置からの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測部と、
前記電界強度計測部が受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方および便座へ着座または離座の少なくとも一方を判定する入退室着座判定部を備えた構成となっている。
【0027】
これにより、従来トイレ室への入退室を検知するための人感センサ、および着座を検知するや着座センサをそれぞれ赤外線センサ等により構成して備える必要があったが、人のトイレ室への入退室検知および便座への着座検知のいづれも電波リモコン装置で、兼用検知でき、赤外線センサ方式の人体センサと着座センサとも無しにできる。したがって、従来の人体センサと着座センサで赤外線透過用の黒窓を無くすことができ、センサを削減できて部品装着工数やコスト等を低減できる。さらに、衛生洗浄便座装置の外観上も黒窓のない美しいデザインを実現することができる。
【0028】
第7の発明は、第6の発明の便座を、少なくとも着座面の一部を金属で形成し、前記金属部を前記電波リモコン装置のアンテナ部とすることにより、第6の発明の作用効果に加えて、人がアンテナ部である金属便座に着座した場合、電波リモコン装置からの電文を受信する衛生洗浄便座装置の電波リモコン受信部および電界強度計測部の電界強度値の大きい確実な変化が得られるため、特にトイレ室の間取りや壁の材質仕様や衛生洗浄便座装置と電波リモコン装置との位置関係などにかかわらず、確実に着座状態の有無を判別できる。
【0029】
第8の発明は、トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコンからの電文を受信する電波リモコン受信ステップと、前記電波リモコンからの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測ステップと、前記電界強度計測ステップが受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方を判定する入退室判定ステップとを備えたトイレ装置の制御方法となっている。
【0030】
これにより、人感センサや振動センサなどの付加装置を備える必要なく、本来備える電波リモコン装置だけで、人のトイレ室への入退室が検知できうる制御方法を提供できうるようになっている。
【0031】
第9の発明は、第1から第8の発明のいずれかに記載のトイレ装置の制御を実行するプログラムとなっている。
【0032】
これにより、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明のトイレ装置の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるトイレ装置の一例として、一般家屋のトイレ室1に本発明のトイレ装置を設置した場合の上視略図である。トイレ室1には人4がトイレ室1に入退室するドア2を備えている。また、便蓋6および下部の便器22には衛生洗浄便座装置5を設置する。なお、図1において、衛生洗浄便座装置5の便座は閉じられた便蓋6で覆われて見えない状態にある。タンク7は上部に手洗い用の蛇口を備えた洗浄水タンクである。
【0035】
トイレ室1の壁には電波リモコン装置3を備え、便器22に備えた衛生洗浄便座装置5と無線通信を行い、人4は電波リモコン装置3のスイッチを操作することにより、衛生洗浄便座装置5を遠隔操作できる。
【0036】
衛生洗浄便座装置5本体にも、電波リモコン装置3と同様に操作スイッチを構成し、人4は衛生洗浄便座装置5の操作スイッチ、若しくは、壁に備えた電波リモコン装置3の、操作し易い方を操作して衛生洗浄便座装置5を使用できる。
【0037】
図2は、図1の電波リモコン装置3および、衛生洗浄便座装置5の主要な構成部を示した略ブロック図である。
【0038】
電波リモコン3の制御部8は、電波リモコン3の全体を制御し、マイコンやその周辺回路で構成する。表示操作部7は、人4が衛生洗浄便座装置5を操作するためのスイッチやLEDなどから構成する表示操作部である。電波リモコン送信部9は、衛生洗浄便座装置5に無線電文を送信し、人4により表示操作部7が操作された際の遠隔操作用電文や、衛生洗浄便座装置5で電界強度値を計測するための電文を、制御部8からの信号により送信する。
【0039】
衛生洗浄便座装置5の制御部13は、衛生洗浄便座装置5の備える洗浄ノズルの収納、突出、放水や、便座の便蓋の開閉モータなどのアクチュエータ制御および、無線リモコン装置3から電文の受信に関連する制御などの衛生洗浄便座装置5の全体を制御し、マイコンやその周辺回路で構成する。
【0040】
電波リモコン受信部10は、電波リモコン3からの無線電文を復調して制御部13に入力する。電界強度値計測部11は電波リモコン受信部10が受信した無線電文の電界強度値を計測し、入退室判定部12に入力する。入退室判定部12は電界強度値計測部11から入力された電界強度値を記憶し、その時系列変化から人4のトイレ室1への入退室を判定し、制御部に入力する。
【0041】
なお、図2で入退室判定部12は、制御部13と同じマイコン上で動作するプログラムとして構成しても構わない。更に、電波リモコン装置3の電波リモコン送信部9は無線電文の送信を行い、衛生洗浄便座装置5の電波リモコン受信部10は無線電文の受信を行うとしたが、無線電文の受信の確認通信(ACK)の返信を行うなど、送信や受信のみに限定せず双方が無線電文の送受信を行えるよう構成しても構わない。
【0042】
以上のように、電波リモコン装置3と衛生洗浄便座装置5との間で、無線電文の送受信を行うため、双方の電波リモコン送信部9および電波リモコン受信部10は、それぞれアンテナ部(図示せず)を備えている。
【0043】
衛生洗浄便座装置5に設ける電波リモコン受信部10のアンテナ部(図示せず)は、衛生洗浄便座装置5の本体ケーシング200や制御基板のパターン配線により構成することが可能であるが、本実施の形態1では、電波リモコン受信部10のアンテナ部(図示せず)を便座部に設ける構成について説明する。
【0044】
便座表面もしくは便座裏面に「略コの字」形の電極のパターンを塗布する構成や、電波リモコン装置と便座の暖房用ヒータの金属部分との間に、使用する周波数の整合回路を設けて便座の暖房用ヒータをアンテナとして兼用する構成などにより構成する。この際、衛生洗浄便座装置5と便座のヒンジ部分を導体摺動部品で構成すれば、清掃のための便座の取り外し機構を実現することも可能となる。
【0045】
このように、便座部分にアンテナ部分を構成することによって、人4が便座に着座すると、着座した人4により電波伝搬状況が変化して電界強度値が大きく減衰するため、予め設定した所定の閾値と比較することで、着座した状態かどうかを検出することが可能となる。
【0046】
次に、図3には、人4がトイレ室1に入室してから退室する際における電界強度値計測部11が計測する電界強度値の時系列変化を示すグラフ図の一例を示す。以下、図3を用いて、本実施の形態1における入退室判定部12の判定動作方法について説明する。
【0047】
図3の横軸は、時刻tを示し、縦軸は時刻tにおいて電界強度計測部11が計測した電界強度値R(t)を示し、実線で示すグラフ線14は、人4がトイレ室に入退室した場合
の電界強度値R(t)の時間変化を示したものである。グラフ線14は、実際には電波リモコン装置3が100ミリ秒間隔といった時間間隔で間欠的に送信した無線電文を受信した際の電界強度値であり離散的な値となるが、図3では図の簡略化のために連続した実線で図示している。
【0048】
図3においては、時刻t1で人4がトイレ室1に入室を始め、時刻t3で衛生洗浄便座装置5に着座し、時刻t4〜t5で衛生洗浄便座装置5の使用を終わってトイレ室1から退室した場合の例である。
【0049】
電波リモコン装置3は、制御部8からの信号により、電波リモコン送信部9から、例えば100ミリ秒間隔で電界強度値計測用の無線電文を送信する。電波リモコン受信部10では、この電界強度値計測用の無線電文を受信し、この無線電文の受信信号の電界強度値を電界強度値計測部11で計測する。計測した電界強度値を入退室判定部12に入力し、人4のトイレ室への入退室を判定する。
【0050】
入退室判定部12では、時刻経過と共に順次、所定判定時刻幅tw、例えばtw=1秒間のR(t)の最大値−最小値幅(ピークピーク値)Rppを算出し、予め設定した判定閾値幅Rthと比較し、Rpp≧Rthであれば人4がトイレ室1に入室していると判定して、制御部13に「入室」判定信号を入力する。逆に、Rpp<Rthであれば「退室」判定信号を入力する。
【0051】
図3では、時刻t0〜t1では、Rpp<Rthとなり、人4はトイレ室1に入室していないと判定する。続いて、時刻t1〜t2で、初めてRpp≧Rthとなり、入退室判定部12は入室があった「入室」判定信号を制御部13に送る。制御部13では、「入室」判定信号が入力されたことに対応して、便座の便蓋を開いたり、便座ヒータや洗浄水加温ヒータへの通電などの、予め設定した「入室時制御」を開始する。
【0052】
次に、入退室判定部12は、電界強度値R(t)が予め設定した着座判定閾値Rsitと比較し、時刻t3においてR(t3)≦Rsitとなり着座を検出し、制御部13に「着座中信号」を入力する(図示せず)。
【0053】
時刻t3〜t4の衛生洗浄便座装置5の使用中は、人4の動作が小さくなり、Rpp<Rthとなる期間が発生し、入退室判定部12から「退室」判定信号が制御部13に入力するが、制御部13は「着座中信号」を検出中は「退室時制御」は実行しない。
【0054】
続いて時刻t4で人4が衛生洗浄便座装置5の使用を終えて便座から立ち上がると、時刻t4において、電界強度値R(t4)>Rsitとなり、入退室判定部12は「着座中信号」の制御部13の入力を終了する。
【0055】
時刻t5で再びRpp<Rthとなり、入退室判定部12より「退室」判定信号が制御部13に入力されると、制御部13は「着座中信号」が検出されていなため、人4がトイレ室1から退室したとして、便座の便蓋を閉める、便座ヒータや洗浄水ヒータへの通電を停止するといった、予め設定した「退室時制御」を実行する。
【0056】
なお、人4が電波リモコン装置3の操作スイッチを操作して、衛生洗浄便座装置5の洗浄ノズルの突出、収納などの遠隔操作している場合には、電波リモコン送信部9はリモコン操作用無線電文を送信する。上述の説明では、電界強度値計測用の電文を送信して電界強度値R(t)を計測する例を説明したが、このリモコン操作用無線電文の電界強度値を計測した電界強度値を入退室判定部12で用いても、もちろん構わない。
【0057】
また、入室中にも関らず人4が安静な期間を退室と判断しない構成については、「着座中信号」を判定する例を示したが、別の構成も可能である。例えば、「退室」判定信号が所定期間3分間続いた時点で「退室時制御」を開始する構成や、制御部13で「リモコン操作無線電文を受信せず」、且つ、「退室」判定信号が2分間続いた場合に「退室時制御」を開始するといった構成でも構わない。
【0058】
更に、判定閾値幅Rthについては、トイレ室1やトイレ装置の設置状況などの条件に応じて最適値が選択できるよう幾つかの複数の代表値を用意しておく方法も有効である。例えば、トイレ室1の大きさや、電波リモコン装置3と衛生洗浄便座装置5の距離や配置関係、などから決まるRthの目安値を取扱説明書などに記載し、衛生洗浄便座装置5の操作スイッチなどからRthを選択設定する構成などが可能である。
【0059】
この他、「学習モード」などを設けて設置時に自動的に最適値を取得する方法も効果的である。実装方法の一例としては、例えば、複数のボタンを同時押しするなどして「学習モード」に移行してから速やかに退室してもらい、30秒後〜1分後の間に計測した電界強度値から入退室判定部12が閾値Rthを自動設定するといった構成などが考えられる。
【0060】
なお、着座判定閾値Rsitについても同様に、幾つかの数値から選択したり、実際に便座に座った際に閾値を設定して記憶するスイッチを操作する「学習モード」を設けておく方法が有効である。
【0061】
以下に、本実施の形態1の動作フロー図の一例を図4に示す。
【0062】
まず、電波リモコン装置3は、通電され動作が始まると、操作表示部7のスイッチの表示操作が行なわれたかどうか(ステップS15)を判定し、操作が行なわれていれば(YESの場合)、操作されたスイッチに対応した衛生洗浄便座装置5の遠隔操作用無線電文を送信する(ステップS16)。操作が行なわれていない場合(NOの場合)は、ステップS17に進み、所定の送信周期(例えば100ミリ秒)を経過したかどうかを判定し、経過していれば(YESの場合)、電界強度値計測用無線電文を送信する(ステップS18)。経過していなければ(NOの場合)ステップS15に戻り処理を繰り返す。
【0063】
次に、衛生洗浄便座装置5は、電波リモコン装置3からの電文の受信を待ち合わせる(ステップS19)。電文が受信されれば(YESの場合)、電界強度値計測部11により、受信した電文の電界強度値を計測する(ステップS20)。続いて、所定期間(例えば過去1秒間)の最大−最小値差であるピークピーク値Rppを算出する(ステップS21)。
【0064】
続いて、ステップS22では、入退室判定部12でRppが入退室判定の閾値幅Rth以上かどうかを判定し、Rth以上であれば入退室判定部12では「入室」判定信号を制御部12に入力する(YESの場合)。制御部13では現在状態が「退室」であったかどうか判定し(ステップS23)、「退室」状態であった場合(YESの場合)は、便座の便蓋を白動的に上げたり、便座ヒータや洗浄水ヒータを通電するといった「入室時制御」を行い(ステップS24)、現在状態を「入室」に変更する(ステップS25)。ステップS23で現在状態が「入室」であった場合(NOの場合)には、「入室時制御」は既に行なった後であるので何もせずステップS19に戻る。
【0065】
ステップS22で、閾値幅Rth未満であれば入退室判定部12では「退室」判定信号を制御部12に入力する(NOの場合)。制御部13では現在状態が「入室」かどうかを判定し(ステップS26)、現在状態が「退室」であれば(NOの場合)、既に「退室時
制御」を行なった後であるので、何もせずステップS19に戻る。
【0066】
ステップS26で現在状態が「入室」であった場合には(YESの場合)、更に「着座中信号」が検出されているかどうか判定する(ステップS27)。「着座中信号」の検出は、その時刻tでの電界強度値R(t)≦着座判定閾値Rsitの条件により判定する。
【0067】
「着座中信号」が検出中の場合は、人4 がトイレ室1内に滞在中のため何もせず、再びステップS19に戻る。ステップS27で「着座中信号」が検出されない場合(YESの場合)は、便座の便蓋を白動的に閉じる、便座ヒータや洗浄水ヒータの通電を停止して省エネモードにするといった「退室時制御」を行ない(ステップS28)、現在状態を「退室」に変更する(ステップS29)。
【0068】
なお、トイレ室のドアは必ずしも必要ではないが、本実施の形態1では、より密閉空間となるトイレ室に適応する構成により、人の出入りや動作による電界強度値の変化が大きくなり、判定精度の向上に有効なものである。
【0069】
最後に、本実施の形態1では、衛生洗浄便座装置に適応した例を例示しているが、照明器具やエアコンなど、リモコン装置を備えると共に、入退室のタイミングでアクチュエータ制御することが好ましい機能を有する機器については本発明の構成を適応しても効果のあるものである。
【0070】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態の衛生洗浄便座装置を便器上に設置し、便蓋を開いた状態の外観斜視図および電波リモコン装置の外観斜視図である。
【0071】
図5に示すように、衛生洗浄便座装置5は、本体ケーシング20、便座21、便蓋6、電波リモコン装置3により構成され、本体ケーシング20、便座21、便蓋6は一体で構成され便器22の上面に設置される。
【0072】
本体ケーシング20には、便座21および便蓋6が便座便蓋回動機構(図示せず)を介して電動で開閉可能に取り付けられている。図4に示すように便蓋6を開放した状態においては、便蓋6は衛生洗浄便座装置5の最後部に位置するように起立する。
【0073】
また、本体ケーシング20には、図示しない洗浄水供給機構(図示せず)、熱交換器(図示せず)、洗浄ノズル201等からなる洗浄機構と、乾燥ユニット(図示せず)と、制御部13等が内蔵される。
【0074】
また、本体ケーシング20の側部には操作部23が設けてあり衛生洗浄便座装置5の主要な機能の操作が可能である。
【0075】
また、洗浄水供給機構と熱交換器は洗浄ノズル201に接続されており、水道配管から供給される洗浄水を熱交換器で加熱することにより温水を洗浄ノズル201に供給し、洗浄ノズル201から使用者の局部に向けて洗浄水を噴出し、使用者の局部を洗浄するものである。洗浄ノズル201はお尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と女性の局部を洗浄するビデノズル部を備えている。
【0076】
また、乾燥ユニットは洗浄水により濡れた局部に向けて温風を噴出し、局部を乾燥することができる。
【0077】
電波リモコン装置3には、複数の操作スイッチが設けられている。電波リモコン装置3
は便座21上に着座した使用者が操作可能なトイレ室1の壁面等の場所に取り付けられ、衛生洗浄便座装置5の各機能の操作を行う。
【0078】
以上の説明は、実施の形態1と同じであり、前記実施の形態1において、電波リモコン受信部10のアンテナ部を便座表面もしくは便座裏面に「略コの字」形の電極のパターンを塗布する構成や、電波リモコン装置と便座ヒータの金属部分との間に、使用する周波数の整合回路を設けて便座ヒータをアンテナとして兼用する構成などについて説明したが、実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、少なくとも人が着座する便座21の着座面の一部をアルミニウムやアルミニウム合金あるいはステンレスなどの金属で形成した、いわゆる金属便座で構成し、その金属便座を電波リモコン装置のアンテナ部として兼用する構成にしたことである。
【0079】
そこで、図6に分解斜視図で示した実施の形態2の便座の構成について説明する。便座21は、主としてアルミニウムにより形成された略楕円形状の環状の上部便座ケーシング310と、上部便座ケーシング310の裏面に粘着した略馬蹄形状の便座ヒータ350および合成樹脂により形成された略楕円形状の環状の下部便座ケーシング320を主構成部品として構成されている。
【0080】
以下、着座した使用者から見て前方側を便座21の前部とし、着座した使用者から見て後方側を便座21の後部とする。
【0081】
上部便座ケーシング310は、厚さ約1mmのアルミニウム板をプレス加工等により成形し、表面にはアルマイト層と表面化粧層を施し、裏面には絶縁性を有する耐熱性を有するポリエステル粉体塗装膜が形成されている。このアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された上部便座ケーシング310を図2の電波リモコン受信部10のアンテナ部とする構成である。上部便座ケーシング310は電波リモコン受信部10と導電接続されている。
【0082】
なお、アルミニウム板の代わりに銅やステンレス等の板材あるいはマグネシウム合金の成型品等の熱伝導の良く、かつ、アンテナとして機能できる他の金属を使用してもよい。また、アルミニウム板に施される表面処理は上記仕様に限定されるものではなく、他の化学的な処理やアクリル系やウレタン系の塗料を使用した他の塗装等も選択可能である。
【0083】
便座ヒータ350は、前部の一部が切り取られた略馬蹄状に形成されている。便座ヒータ350は、アルミニウムからなる2枚の金属箔の間に、線状ヒータを蛇行させて配設して構成されている。便座ヒータ350は着座面311と起曲部312を加熱できるように線状ヒータを配設してあり、特に着座した使用者の大腿部と臀部が快適に加熱されるように場所によって密度を変えて配設してある。
【0084】
下部便座ケーシング320は樹脂材料を使用した成型品であり、平面形状が上部便座ケーシング310と略同形状の本体ケーシング部321と、本体ケーシング部321の両側後方に斜め上方に突出した腕部322で構成されている。上部便座ケーシング310と下部便座ケーシング320は内周部および外周部で結合し、結合部にはゴムまたは樹脂系のパッキンまたは接着シール剤による水密手段が施されている。
【0085】
上部便座ケーシング310の裏面には便座ヒータ350を粘着し、下部便座ケーシング320を結合した便座300は、図6に示すように後部に腕部322を備えており、腕部322を本体ケーシング200の便座便蓋回動機構(図示せず)に結合することにより、回動自在に枢支されている。
【0086】
以上のように構成された衛生洗浄装置は次のように動作する。
【0087】
非使用時において、便蓋6は閉成しており、便座21の上面と上部便座ケーシング310の側面を隠蔽しており、冬季等の室温が低い場合は、制御部の制御により便座ヒータ350に通電することにより、便座21が例えば約18℃となるように温度調整される。このときの温度を待機温度と称する。当然ながら夏季等で室温が高い場合には便座21の温度も高くなり便座ヒータ350への通電は行わない。
【0088】
ここで、使用者が電波リモコン装置3の便座温度調整スイッチを操作することにより、便座設定温度が制御部13に送信される。制御部13は、電波リモコン装置3から受信した便座設定温度を記憶部に記憶する。
【0089】
図2で説明のと同じように、電波リモコン装置3の電波リモコン送信部9から、例えば100ミリ秒間隔で電界強度値計測用の無線電文を送信されており、使用者がトイレ室1に入室すると、人体4によって影響を受けるこの無線電文の電界は、電波リモコン受信部10のアンテナ部であるアルミニウムの上部便座ケーシング310を介して、電界強度値計測部11で計測され、その計測された電界強度値が入退室着座判定部12に入力され、図3の時刻t1〜t2で示されるようにRpp≧Rthとなり、入退室着座判定部12は入室があった「入室」判定信号が制御部13に送信される。
【0090】
制御部13は入退室着座判定部12からの入室検知信号により使用者のトイレ室1への入室を検知すると、制御部13は便蓋6を開くとともに、記憶された便座設定温度に基づいて便座ヒータ350の駆動に関する特定のヒータ制御パターンを選択する。
【0091】
選択されたヒータ制御パターンおよび計時部により得られる時間情報に基づいて便座ヒータ350の駆動を制御する。それにより、便座ヒータ350が昇温駆動され、便座21の温度が便座設定温度へと瞬時に上昇される。
【0092】
便座設定温度へと瞬時に上昇させるために、便座ヒータ350の最大容量である1200ワット駆動は、少なくとも、便座21の表面温度が使用者が着座した際に冷たいという不快を感じない最低限界の温度(以降冷感限界温度と称する)に達するまで行われる。この冷感限界温度は、被験者実験により約29℃であることがわかっている。
【0093】
一方、実施した被験者実験では、使用者がトイレットルームに入室してから通常の着衣状態から脱衣して便座に座るまでに要する最短時間の平均値は6秒である。
【0094】
したがって、便座ヒータ350の昇温駆動を開始して冷感限界温度(29℃)に達するまでの時間を、使用者が脱衣して着座するまでの時間より短く設定することにより、使用者が便座に座った際に冷たく感じることがない快適な瞬間暖房便座を提供することができる。
【0095】
便座21に使用者が着座すると、アルミニウムのような金属で便座21の上部便座ケーシング310を形成し、電波リモコン受信部10のアンテナ部としたことによって、使用者である人体4が着座したことにより電波伝搬状況が格別大きく変化するため、電界強度値が大きく減衰し、図3の時刻t3においてR(t3)≦Rsitとなり着座を検出し、制御部13に「着座中信号」が入力される。これにより、着座状態で使用できる、洗浄機能や乾燥機能の操作が受付可能状態となる。
【0096】
例えば、使用者が電波リモコン装置3のお尻洗浄スイッチを操作すると、洗浄ノズル201のお尻洗浄ノズルが前方に突出し、洗浄水が噴出してお尻洗浄を開始する。次に、終
了スイッチを操作すると、洗浄水の噴出が停止し、お尻洗浄ノズルは元の収納位置に収納される。
【0097】
次に、乾燥スイッチを操作すると、使用者のお尻に向けて温風が噴出し、洗浄で濡れたお尻を乾燥させることができる。
【0098】
次に、使用者が衛生洗浄便座装置5の使用を終えて便座から立ち上がると、図3の時刻t4のように、電界強度値R(t4)>Rsitとなり、入退室着座判定部12は「着座中信号」の制御部13の入力が終了される。この信号により、制御部13は所定時間経過後に便座ヒータ350への通電が停止される。
使用者がトイレ室1から退出すると、図3の時刻t5のように再びRpp<Rthとなり、入退室着座判定部12より「退室」判定信号が制御部13に入力される。制御部13は「着座中信号」が検出されていなため、使用者がトイレ室1から退室したとして、所定時間後に便蓋6を閉じる。
【0099】
本実施の形態2は、便座21の着座面311をアルミニウム合金で形成した、いわゆる金属便座で便座ヒータ350の熱が瞬時に着座面311に伝達される、いわゆる瞬間暖房便座であって、トイレ室1に人が入室しようとした時点を、電波リモコン装置3および電波リモコン受信部10で検出されるので、その時点から便座を昇温すべく便座ヒータに通電され着座するまでの間に便座が昇温される。
【0100】
さらに、電波リモコン装置3からの電界を金属で形成された便座21がアンテナ部を兼ねていることにより、アンテナ部に人4が着座することによって受信される電界強度は特に大きい変化を得ることができ、確実な着座検知ができる。
【0101】
このように、着座面を金属で形成した便座21を電波リモコン受信部10のアンテナ部とした構成により、便座21にアンテナ部を別に設ける必要がなく、アンテナ組み付け工数やアンテナスペースを削減できるだけでなく、アンテナ部である金属の着座面311に人が着座することで、より確実な着座検知ができる。
【0102】
しかも本来、使用者が衛生洗浄便座装置の洗浄や乾燥などを指示操作する電波リモコン装置だけで、赤外線式の人体センサ(入退室センサ)や着座センサなしに、入退室検知および着座検知ができる。したがって、従来の人体センサと着座センサで赤外線透過用の黒窓を無くすことができ、センサを削減できて部品装着工数やコスト等を低減できる。さらに、衛生洗浄便座装置の外観上も黒窓のない美しいデザインを実現することができる。
【0103】
つまり、本実施の形態2は上記のように、金属便座が瞬間暖房便座および人体センサの両機能をつかさどるように作用し、人が使用するとき自動的に便座を即昇温できる瞬間暖房便座機能を有して、退室して不使用時に自動節電され省エネルギー性に優れ、かつ、赤外線式等の人体センサ(入退室センサ)や着座センサなどのセンサ不要で、赤外線透過用の黒窓がなく美しいデザインの衛生洗浄便座装置を備えたトイレ装置を提供できる特有の作用効果を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上のように、本発明にかかるトイレ装置は、電波リモコン装置を備え、人の入退室を検知するために、人感センサなどの新たなセンサ装置を付加する必要なく、簡易な構成で、人の入退室時のサービス機能を提供できる機能を備えた衛生洗浄便座装置を実現でき、トイレ室の衛生洗浄便座装置の機能付加だけにとどまらず、トイレ室の冷暖房や照明のレベル調節や運転開始停止等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0105】
1 トイレ室
2 ドア(トイレ室)
3 電波リモコン装置
4 人
5 衛生洗浄便座装置
6 便蓋
10 電波リモコン受信部
11 電界強度計測部
12 入退室判定部(入退室着座判定部)
21 便座
311 着座面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、
前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、
前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコン装置からの電文を受信する電波リモコン受信部と、
前記電波リモコン装置からの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測部と、
前記電界強度計測部が受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方を判定する入退室判定部を備えたトイレ装置。
【請求項2】
前記入退室判定部は、前記電界強度値が所定の閾値幅以上変化した際に入室と判定する請求項1記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記入退室判定部は、入室と判定している状態において、前記電界強度値の変化幅が所定の閾値幅に満たない期間が所定時間以上継続した場合に退室と判定する請求項1記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記衛生洗浄便座装置は、便座上への着座を検出する着座検出手段を備え、前記入退出判定部は、前記電波リモコン装置が操作された際の電文を前記電波リモコン受信部が受信している期間は、退室判定を行なわない請求項3記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記衛生洗浄便座装置は、便座上への着座を検出する着座検出手段を備え、前記着座検出手段が着座を検出している期間は、退室判定を行なわない請求項3記載のトイレ装置。
【請求項6】
トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、
前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、
前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコン装置からの電文を受信する電波リモコン受信部と、
前記電波リモコン装置からの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測部と、
前記電界強度計測部が受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方および便座へ着座または離座の少なくとも一方を判定する入退室着座判定部を備えたトイレ装置。
【請求項7】
前記便座は、少なくとも着座面の一部を金属で形成し、金属で形成された前記着座面を前記電波リモコン受信部のアンテナ部とした請求項6記載のトイレ装置。
【請求項8】
トイレ室に設置された衛生洗浄便座装置と、
前記衛生洗浄便座装置を遠隔操作する電波リモコン装置と、
前記衛生洗浄便座装置は、前記電波リモコンからの電文を受信する電波リモコン受信ステップと、
前記電波リモコンからの電文の電界強度値を計測する電界強度値計測ステップと、
前記電界強度計測ステップが受信した電界強度値の変化に基づいて前記トイレ室への入室または退室の少なくとも一方を判定する入退室判定ステップとを備えたトイレ装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のトイレ装置の制御を実行するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−255270(P2010−255270A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105992(P2009−105992)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】