説明

トラス用T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造

【課題】トラス用T字形断面部材又は十字形断面部材へ断面が略コ字形状をなす2個の座屈補剛部材を外接状態に組付けて座屈補剛する座屈補剛構造を提供する。
【解決手段】T字形断面部材20の直角な2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす大小2個の座屈補剛部材5、6のうち、一方の補剛材6はそのウェブ6aをT字脚部20aに対して直角な配置とし、他方の補剛材5はそのウェブ5aをT字頭部20bに対して平行な配置として、それぞれ外接状態に包囲する配置に組合され、内外に重なり合った座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bはボルト7で接合してT字形断面部材20へ組付け座屈補剛されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラス用T字形断面部材又は十字形断面部材へ断面が略コ字形状をなす2個の座屈補剛部材を外接状態に組付けて座屈補剛する座屈補剛構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
1981年度の新耐震設計法が施行される以前に建てられた、大スパン屋根を例えばT字形断面部材又は十字形断面部材のトラス梁で構成する低層鉄骨建物は、耐震診断の結果、前記トラス梁の座屈耐力が不足して、建物全体の耐震性能が要求性能を満足しない場合がある。この低層鉄骨建物に地震等の水平力が作用すると、トラス梁の軸方向に圧縮力を受け、座屈現象によるたわみが生じ、急激に耐力が低下するおそれがある。
従来、ブレース材を外接状態に包囲する配置に座屈補剛部材を取付けて座屈補剛した座屈補剛構造は既に開示されている(下記特許文献1、2及び3を参照)。しかし、未だT字形断面部材又は十字形断面部材のトラス梁は座屈補剛し難く、該T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造は見聞することができない。
【0003】
【特許文献1】特開2001−132112号公報
【特許文献2】特開2000−328669号公報
【特許文献3】特許第3451327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、T字形断面又は十字形断面に組立てられた既存のトラス用T字形断面部材又は十字形断面部材へ横断面が略コ字形状をなす2個の座屈補剛部材を外接状態に組合せボルトで接合して組付け座屈補剛する構成とし、施工性・安全性に優れ、簡易・迅速に座屈補剛できる、トラス用T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造は、
T字形断面部材20の直角な2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす大小2個の座屈補剛部材5、6のうち、一方の補剛材6はそのウェブ6aをT字脚部20aに対して直角な配置とし、他方の補剛材5はそのウェブ5aをT字頭部20bに対して平行な配置としてそれぞれ外接状態に包囲する配置に組合され、内外に重なり合った座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bはボルト7で接合してT字形断面部材20へ組付け座屈補剛されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造において、
内外に重なり合った大小2個の座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bの間に隙間調整材10を設けられ、前記フランジ部同士5b、6bがボルト7で接合されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造において、
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材5のウェブ5aの内面と、T字形断面部材20との間に、両者の隙間を埋めるプレート状の座屈補剛部材11が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造において、
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材6のウェブ6aの内面に、T字形断面部材20のT字脚部20aを挟む配置で、アングル状の位置決め部材9、9を設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造において、
T字形断面部材20は、2個の山形鋼を背中合せに組合せてT字形断面に組立てた山形鋼組立部材、又はカットT形鋼部材であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載した発明は、トラス用十字形断面部材の座屈補剛構造において、
十字形断面部材21の交差する直交4辺のうち対称配置の2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす略同大の2個の座屈補剛部材6、6のウェブ6a、6aを直角な配置として外接状態に包囲する配置に組合せ、前記座屈補剛部材6、6のフランジ部6b、6bへ共通の接合用プレート13を設置し、各座屈補剛部材6のフランジ部同士6b、6bを共通な接合用プレート13とボルト7で接合して十字形断面部材21へ組付け座屈補剛されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載した発明は、請求項6に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造において、
十字形断面部材21を外接状態に包囲する配置に組合せた略同大の2個の座屈補剛部材6、6のフランジ部6b、6bと、該フランジ部6b、6bへ設置した共通な接合用プレート13との間に隙間調整材10が設けられ、各座屈補剛部材6のフランジ部同士6b、6bが共通な接合用プレート13とボルト7で接合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載した発明は、請求項6又は7に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造において、
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材6のウェブ6aの内面に、十字形断面部材21の対向部分21aを挟む配置で、アングル状の位置決め部材9、9を設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載した発明は、請求項6〜8のいずれか一に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造において、
十字形断面部材21は、4個の山形鋼3…を背中合せに組合せ十字形断面に組立てた山形鋼組立部材であることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載した発明は、請求項1〜9のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造において、
T字形断面部材20又は十字形断面部材21へ組付ける座屈補剛部材5、6(又は6、6)として、軽量形鋼である溝形鋼又はリップ付溝形鋼が用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトラス用T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造は、T字形断面部材20又は十字形断面部材21へ2個の座屈補剛部材5、6(又は6、6)が外接状態で包囲する配置に組合せ、単にボルト7で接合してT字形断面部材20又は十字形断面部材21へ組付けられた簡易な構成であり、溶接等の面倒な作業を一切必要としないから、施工性・安全性に優れており、簡易・迅速に確実に座屈補剛することができる。
【0016】
また、既成の軽量形鋼である溝形鋼5又はリップ付溝形鋼6を用いて実施することが可能なので、ボルト7を通す孔を設ける程度、或いは隙間を埋めるプレート状の座屈補剛部材11や隙間調整材10及び位置決め部材9を設置する程度の簡易な加工で実施でき、それでいて軽量形鋼は重量が軽く強いので、簡易な足場や作業車で施工することができ、施工性に優れ、コストの削減に大きく寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
T字形断面部材20の直角な2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす大小2個の屈補剛材5、6のうち、一方の補剛材6はそのウェブ6aをT字脚部20aに対して直角な配置とし、他方の補剛材5はそのウェブ5aをT字頭部20bに対して平行な配置としてそれぞれ外接状態で包囲する配置に組合せ、内外に重なり合った座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bはボルト7で接合してT字形断面部材20へ組付け座屈補剛する。
【0018】
十字形断面部材21の交差する直交4辺のうち対称配置の2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす略同大の2個の座屈補剛部材6、6のウェブ6a、6aを直角な配置として外接状態に包囲する配置に組合せ、前記座屈補剛部材6、6のフランジ部6b、6bへ共通の接合用プレート13を設置し、各座屈補剛部材6のフランジ部同士6b、6bを共通な接合用プレート13とボルト7で接合して十字形断面部材21へ組付け座屈補剛する。
【実施例1】
【0019】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、大スパン屋根の構築に使用するトラス梁1の一部を示している。このトラス梁1の斜材及び弦材は、図2に示すように、2個の山形鋼3、3をつづり材4を間に挟んで背中合せに組合せT字形断面に組立てた山形鋼組立部材20として構成されている。因みに、前記山形鋼組立部材20は、垂直部分のT字脚部20aと水平部分のT字頭部20bとで構成されている。本実施例では、前記既存の山形鋼組立部材20を既成の軽量形鋼である溝形鋼5及びリップ付溝形鋼6による座屈補剛部材を用いて座屈補剛されている。
【0020】
具体的には、図2に示すように、山形鋼組立部材20の直角な2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす大小2個の座屈補剛部材5、6のうち、リップ付溝形鋼6はそのウェブ6aを山形鋼組立部材20のT字脚部20aの上に直角な配置とし、溝形鋼5はそのウェブ5aを山形鋼組立部材20のT字頭部20bの下に平行な配置として、それぞれ外接状態で包囲する配置に組合されている。そして、予め内外に重なり合う座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bに設けた共通のボルト孔へボルト7が通され、予めリップ付溝形鋼6のフランジ部6bの内面へ前記ボルト孔と一致する配置で点溶接等したナット8へねじ込み、前記フランジ部同士5b、6bをボルト7で強く締結し接合して山形鋼組立部材20へ組付け座屈補剛されている。なお、前記ボルト7を通すボルト孔を加工することやボルト5をねじ込むナット8を溶接接合することは、現場での作業をスムーズに行うため、予め工場等で行われる。
【0021】
因みに、T字形状断面部材は、2個の山形鋼3、3を組合せT字形断面に組立てた山形鋼組立部材20に限らない。図示は省略したが、カットT形鋼部材から成る斜材及び弦材へ上記横断面が略コ字形状をなす大小2個の座屈補剛部材5、6を、前記山形鋼組立部材20と同様の構成で組付けて座屈補剛することもできる(以上、請求項1、5及び10記載の発明)。
【0022】
上記内外に重なり合った大小2個の座屈補剛部材5、6のフランジ部同士5b、6bの間には、フランジ部同士5b、6bの隙間を埋めて適切な間隔(例えば1mm〜2mm程度)を確保する隙間調整材10が設けられている。この隙間調整材10を設ける場合も、現場での作業性を考え、予め工場等でリップ付溝形鋼6のフランジ部6bの外面に溶接接合されている。因みに、前記隙間調整材10は、座屈補剛部材5、6の全長に亘って設けた構成で実施してもいいし、ボルト接合箇所7にのみ部分的に設けた構成で実施してもよい(請求項2記載の発明)。
【0023】
また、前記溝形鋼5のウェブ5aと山形鋼組立部材20の水平部20bとの間には、両者の隙間を埋めて適切な間隔(例えば1mm〜2mm程度)を確保するプレート状の座屈補剛部材11が設けられている。この座屈補剛部材11も、溝形鋼5やリップ付溝形鋼6の全長に亘って設けた構成で実施してもいいし、部分的な箇所にのみ設けた構成で実施してもよい(請求項3記載の発明)。
【0024】
更に、山形鋼組立部材20のブレを防止するため、前記リップ付溝形鋼6のウェブ6aの内面に、山形鋼組立部材20のT字脚部20aを挟む配置で、アングル状の位置決め部材9、9が山形鋼組立部材20のT字脚部20aと例えば1mm〜2mm程度の間隔で設けられている。この位置決め部材9も、やはり溝形鋼5やリップ付溝形鋼6の全長に亘って設けた構成で実施してもいいし、部分的な箇所にのみ設けた構成で実施してもよい(請求項4記載の発明)。
【0025】
したがって、実施例1の座屈補剛構造は、山形鋼3、3でT字形断面に組立てた既存の山形鋼組立部材20へ、予め工場等で加工した溝形鋼5とリップ付溝形鋼6を外接状態で包囲する配置に組合わせ単にボルト7で接合して山形鋼組立部材20へ組付けた簡易な構成であり、現場では溶接等の面倒な作業を一切必要としないから、施工性・安全性に優れており、簡易・迅速に確実に座屈補剛することができる。また、既成の軽量形鋼である溝形鋼5又はリップ付溝形鋼6にボルト7を通す孔を設ける程度、或いは隙間を埋めるプレート状の座屈補剛部材11や隙間調整材10及び位置決め部材9を設置する程度の簡易な加工で実施でき、それでいて軽量形鋼は重量が軽く強いので、簡易な足場や作業車で施工することができ、施工性に優れ、コストの削減に大きく寄与することができる。
【0026】
なお、山形鋼組立部材20へ組付けた座屈補剛部材5、6がずり動く(ずり落ちる)ことのないように同座屈補剛部材5、6を山形鋼組立部材20へ止着する手段として、例えば図3及び図4に示すように、前記山形鋼組立部材20の水平部20bに取付けた固定具12で座屈補剛部材5、6の下端部をしっかりと止着する。この止着手段は、柱など他の部材との取り合いを一切必要としないため、例えばガセットプレートなどの接合部の取替えや補強も不要であり、施工性に優れている。
【実施例2】
【0027】
図5に示す実施例のトラス梁1の斜材21は、4個の山形鋼3…をつづり材4を間に挟んで背中合せに組合せ十字形断面に組立てた山形鋼組立部材21として構成されている。本実施例では、前記既存の山形鋼組立部材21を既成の軽量形鋼であるリップ付溝形鋼6、6による座屈補剛部材を用いて座屈補剛されている。
【0028】
具体的には、図5に示すように、前記山形鋼組立部材21の交差する直交4辺のうち対称配置の2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす略同大の2個のリップ付溝形鋼6、6のウェブ6aを山形鋼組立部材21のT字脚部21aの上下に直角な配置とし、各々外接状態に包囲する配置に組合されている。そして、組合されたリップ付溝形鋼6、6のフランジ部6bへ共通の接合用プレート13が設置され、予めリップ付溝形鋼6、6のフランジ部6bと接合用プレート13に設けられた共通のボルト孔へボルト7が通され、予めリップ付溝形鋼6のフランジ部6bの内面へ前記ボルト孔と一致する配置で点溶接等したナット8がねじ込まれ、各リップ付溝形鋼6のフランジ部同士6a、6aを共通な接合用プレート13とボルト7で強く締結して接合して山形鋼組立部材21へ組付け座屈補剛されている。前記ボルト7を通すボルト孔を加工することやボルト5をねじ込むナット8の溶接接合することは、現場での作業をスムーズに行うため、予め工場等で加工されている(請求項6、9及び10記載の発明)。
【0029】
また、上記リップ付溝形鋼6、6のフランジ部6b、6bと共通の接合用プレート13の間には、両者の隙間を埋めて適切な間隔(例えば1mm〜2mm程度)を確保する隙間調整材10が設けられている。この隙間調整材10を設置する場合も、現場での作業性を考え、予め工場等でリップ付溝形鋼6のフランジ部6bの外面へ溶接接合されている。なお、前記隙間調整材10は、座屈補剛部材6、6の全長に亘って設けた構成で実施してもいいし、ボルト接合箇所にのみ部分的に設けた構成で実施してもよい(請求項7記載の発明)。
【0030】
更に、山形鋼組立部材21のブレを防止するために、前記リップ付溝形鋼6のウェブ6aの内面であって、T字形断面の山形鋼組立部材21の対向部分を挟む配置に、アングル状の位置決め部材9、9が山形鋼組立部材21のT字脚部21aと例えば1mm〜2mm程度の間隔で設けられている。この位置決め部材9も、やはりリップ付溝形鋼6の全長に亘って設けた構成で実施してもいいし、部分的な箇所にのみ設けた構成で実施してもよい(請求項8記載の発明)。
【0031】
この実施例2の座屈補剛構造も、山形鋼で十字形断面に組立てた既存の山形鋼組立部材21へ、予め工場等で加工した2個のリップ付座屈補剛部材6、6を外接状態で包囲する配置に組合わせ単にボルト7で接合して山形鋼組立部材21が組付けただけの簡易な構成であり、現場では溶接等の面倒な作業を一切必要としないから、施工性・安全性に優れており、簡易・迅速に確実に座屈補剛することができる。
【0032】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために付言する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】トラス梁の一部を示す立面図である。
【図2】T字形断面部材の座屈補剛構造を示す断面図である。
【図3】T字形断面部材へ座屈補剛部材を止着させる手段を示す部分拡大図である。
【図4】図3のI−I線矢視断面図である。
【図5】十字形断面部材の座屈補剛構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
20 T字形断面部材(山形鋼組立部材)
21 十字形断面部材(山形鋼組立部材)
3 山形鋼
5 溝形鋼(座屈補剛部材)
6 リップ付溝形鋼(座屈補剛部材)
5a、6a 座屈補剛部材のウェブ
5b、6b 座屈補剛部材のフランジ部
7 ボルト
9 位置決め部材
10 隙間調整材
11 プレート状の座屈補剛部材
13 接合用プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T字形断面部材の直角な2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす大小2個の座屈補剛部材のうち、一方の補剛材はそのウェブをT字脚部に対して直角な配置とし、他方の補剛材はそのウェブをT字頭部に対して平行な配置として、それぞれ外接状態に包囲する配置に組合され、内外に重なり合った座屈補剛部材のフランジ部同士はボルトで接合してT字形断面部材へ組付け座屈補剛されていることを特徴とする、トラス用T字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項2】
内外に重なり合った大小2個の座屈補剛部材のフランジ部同士の間に隙間調整材が設けられ、前記フランジ部同士がボルトで接合されていることを特徴とする、請求項1に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項3】
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材のウェブの内面と、T字形断面部材との間に、両者の隙間を埋めるプレート状の座屈補剛部材が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項4】
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材のウェブの内面に、T字形断面部材のT字脚部を挟む配置で、アングル状の位置決め部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項5】
T字形断面部材は、2個の山形鋼を背中合せに組合せてT字形断面に組立てた山形鋼組立部材、又はカットT形鋼部材であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項6】
十字形断面部材の交差する直交4辺のうち対称配置の2辺に対して、横断面が略コ字形状をなす略同大の2個の座屈補剛部材のウェブを直角な配置として外接状態に包囲する配置に組合せ、前記座屈補剛部材のフランジ部へ共通の接合用プレートを設置し、各座屈補剛部材のフランジ部同士を共通な接合用プレートとボルトで接合して十字形断面部材へ組付け座屈補剛されてことを特徴とする、トラス用十字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項7】
十字形断面部材を外接状態に包囲する配置に組合せた略同大の2個の座屈補剛部材のフランジ部と、該フランジ部へ設置した共通な接合用プレートとの間に隙間調整材が設けられ、各座屈補剛部材のフランジ部同士が共通な接合用プレートとボルトで接合されていることを特徴とする、請求項6に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項8】
横断面が略コ字形状をなす座屈補剛部材のウェブの内面に、十字形断面部材の対向部分を挟む配置で、アングル状の位置決め部材が設けられていることを特徴とする、請求項6又は7に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項9】
十字形断面部材は、4個の山形鋼を背中合せに組合せ十字形断面に組立てた山形鋼組立部材であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載したトラス用十字形断面部材の座屈補剛構造。
【請求項10】
T字形断面部材又は十字形断面部材へ組付ける座屈補剛部材として、軽量形鋼である溝形鋼又はリップ付溝形鋼が用いられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載したトラス用T字形断面部材又は十字形断面部材の座屈補剛構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−262716(P2007−262716A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87600(P2006−87600)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】