トラックのない光ディスク面の半径方向位置合わせ
光データ記憶ディスク(126)のデータのない側(すなわちラベル側)(146)の基準パターン(300、700)によって、光ディスク装置(102)は、ディスクの、データのない側(146)の半径方向の絶対位置に、レーザ(118、308)を位置合わせすることができる。半径方向の絶対位置は、すべての半径方向の位置決めを基準とすることができる基準トラックの役割を果たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は包括的には光ディスクに関し、より詳細には、トラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を確定することに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(CD)等の光ディスクは、低出力レーザビームを用いて書込みおよび読出しを行うことができる電子データ記憶媒体である。光ディスク技術はまず、CDとともに市場に登場した。CDは通常、デジタル形式のオーディオ、ビデオ、テキスト、およびその他の情報を電子的に記録、記憶、および再生するのに用いられる。デジタル多用途ディスク(DVD)は、別のより新しいタイプの光ディスクであり、CDと同じスペースにはるかに多くのデータを記憶することができるため、一般的に映画を保存および再生するのに用いられる。
【0003】
CDは当初、複雑な製造工程によって1枚の透明なポリカーボネートプラスチックに刻印された隆起部と平らな領域とのパターンとしてデジタルデータを記憶する、読出し専用記憶媒体であった。しかし現在では、普通の消費者は、デジタルデータをCD−R(記録型コンパクトディスク)およびCD−RW(書換え型コンパクトディスク)に焼くことができるCDプレーヤで自分のCDを焼くことができる。CD−Rは、半透明の感光性染料の層を有し、この層の、レーザによって加熱された領域が不透明になる。不透明な領域と半透明の染料の領域のディスクの反射率は異なり、それによって、従来のCDにおける隆起部と平らな領域とに似た永久的な方法での、データ記憶が可能になる。CD−RWは、特殊な化合物を相転移することによる、従来のCDの隆起部および平らな領域を表す。この化合物は、結晶相においては半透明であるが、非晶質相においては不透明である。レーザビームで化合物を相転移することによって、データをCD−RW上に記録しそこから消去することができる。
【0004】
そのような光ディスクのデータのない側に、例えばテキストおよび画像でラベルを付ける方法が、絶えず開発されてきた。それは、消費者が自らのCDに焼いたデータを識別するより便利な方法を求めているからである。ディスクにラベルを付ける基本的な方法としては、データのない側に消えないマーカー(例えば、シャーピーマーカー(登録商標))で物理的に書くこと、または紙のステッカーラベルをプリントアウトしてディスクのデータのない側に貼ること、が挙げられる。従来のCDプレーヤにおいて実施するよう開発された、その他の物理的マーキング方法としては、インクジェット、ワックス熱転写、および染料熱転写が挙げられる。さらに他の方法は、従来のCDプレーヤにおけるレーザを用いて、特別に作成したCD面にマーキングする。そのような方法は、CDへのラベル付けとDVDへのラベル付けとに等しく適用される。
【0005】
CDにラベルを付けることに関する問題の1つは、CDのラベル面(すなわち、データのない側または上側)上には、半径方向の位置決めを確定するトラックまたはその他のマーキングがない、ということである。したがって、例えばラベルのプリントを開始するための、または前にマーキングしたラベルに追加するためのレーザスポットの半径方向の位置決めにより、ラベリングをし損じる結果になってしまう可能性がある。例えば、ディスクの内径に近すぎる半径でラベルデータがプリントされる場合には、ラベルは重なり合ってしまう可能性がある。同様に、ディスクの内径から離れすぎる半径でラベルデータがプリントされる場合には、ラベルにすき間ができてしまう可能性がある。
【0006】
したがって、光ディスクのデータのないすなわちラベル面等、トラックまたはその他のマーキングのない光ディスク面上で半径方向の位置決めを確定する方法が、必要とされている。
【発明の開示】
【0007】
光ディスクの、データのない側の基準パターンを、走査し、ディスク上の半径方向の絶対位置にレーザスポットを位置決めするのに用いることができる。
【0008】
図面を通して、同様の構成要素および特徴を参照するのに同じ参照番号を用いる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明は、光データ記憶ディスクのトラックのない面上での半径方向の位置を確定するシステムおよび方法に関する。光データ記憶ディスクのデータのない側(すなわちラベル側)の基準パターンによって、光ディスク装置は、ディスクの、データのない側の半径方向の絶対位置に、レーザの位置を合わせることができる。半径方向の絶対位置は、すべての半径方向の位置決めを基準とすることができる基準トラックの役割を果たす。開示するシステムおよび方法は、例えば、ディスクの、データのない側へのラベル書込みが、ディスクの内径にも外径にも近すぎない適切な半径で開始すること、および半径方向の絶対位置を基準とすることによって、ディスクをディスク装置から取り外した後にラベルを更新または追加することができることを確実にすることを含む、さまざまな利点を提供する。
【0010】
− 例示的な環境 −
図1は、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせのシステムの1つまたは複数の実施形態を実施する例示的な環境を示す。図1の例示的な環境100は、ネットワーク106を通じてホストコンピュータまたは記録システム104に動作可能に結合する光ディスク装置102を含む。
【0011】
ネットワーク106は、通常ATAPI(アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント・パケット・インタフェース)デバイスインタフェースである。これは、多くの小型のコンピュータのパラレルまたはシリアルのデバイスインタフェースのうちの1つである。一般的なコンピュータインタフェースとしては他に、SCSI(スモール・コンピュータ・システム・インタフェース)がある。これは、周辺機器をコンピュータに取り付けるための、一般化されたデバイスインタフェースである。SCSIは、コマンドの構造、コマンドの実行方法、およびステータスの処理方法を規定する。さまざまな他の物理的インタフェースとしては、パラレルインタフェース、ファイバーチャネル、IEEE1394、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、およびATA/ATAPIがある。ATAPIは、CD−ROMおよびテープドライブがATAのハードディスクドライブと同じATAケーブル上にあることができるようにする、ATAインタフェース上で用いるコマンド実行プロトコルである。ATAPI装置は、一般的に、CD−ROMドライブ、追記型CDドライブ、書換え型CDドライブ、DVD(デジタル多用途ディスク)ドライブ、テープドライブ、スーパーフロッピー(登録商標)ドライブ(例えばZIPおよびLS−120)、等を含む。
【0012】
光ディスク装置102は、通常、CD−R(CD−レコーダブルディスク)およびCD−RW(CD−リライタブルディスク)等の光ディスク上にデータを書き込むことができる、書込み可能CD(コンパクトディスク)プレーヤ/ドライブとして実施される。そのような書込み可能CD装置102は、CDバーナーと呼ばれることが多い。より一般的には、光ディスク装置102は、例えば、オーディオシステムにおける周辺コンポーネントである独立型オーディオCDプレーヤ、PC(パーソナルコンピュータ)において標準装備として一体化されているCD−ROMドライブ、DVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤ、等を含んでもよい。したがって、本明細書においては光ディスク装置102をCDプレーヤ/バーナーであるものとして説明するが、光ディスク装置102はそのような実施態様に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、CDバーナー等の例示的な光ディスク装置102は一般的に、レーザアセンブリ108、レーザアセンブリ108用のスレッド110すなわちキャリッジ、スレッドモータ112、ディスクまたはスピンドルモータ114、およびコントローラ116を含む。スレッド110上に取り付けられたレーザアセンブリ108は、レーザ源118、光ピックアップユニット(OPU)120、および、レーザビーム124の焦点を書込み可能CD126(例えばCD−RまたはCD−RW)上のレーザスポットに合わせる集光レンズ122を含む。OPU120はさらに、トラッキングおよび焦点フィードバック用の4つのフォトダイオードとビームスプリッタ(図示せず)とを含む。一般に、従来のディスク126のデータ側(144)をデータ読出しおよび書込み用のレーザアセンブリ108でトラッキングすることは、ディスク126の中心かららせん状に外へ向かう連続したデータトラックから容易に入手可能である、半径方向の位置合わせ情報に基づいている。トラッキングは、4つのフォトダイオードを用いて、反射された干渉を感知することを含む、従来のプッシュプルトラッキング方式によって行われる。
【0014】
コントローラ116は、通常、コンピュータ/プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、ディスク126上にラベルとしてプリントされる画像、およびコントローラ116用のその他のデータを保持する、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または不揮発性メモリ等のメモリ128を含む。したがってメモリ128は、レーザ/OPUドライバ130、スレッドドライバ132、およびスピンドルドライバ134を含む。スレッドドライバ132およびスピンドルドライバ134は、プロセッサ136とともに実行されて、それぞれディスク126に関するレーザアセンブリ108の半径方向の位置、およびディスク126の回転速度を制御する。ディスク126の速度およびレーザアセンブリ108の半径方向の位置は、通常、ディスク上のデータが一定の線速度(CLV)でレーザビーム124を通り過ぎるよう制御されている。
【0015】
レーザ/OPUドライバ130は、読出しドライバ138、書込みドライバ140、およびラベルドライバ142を含む。レーザ/OPUドライバ130は、ディスク126のデータ側144からデータを読み出すとき、ディスク126のデータ側144にデータを書き込むとき、および、光ディスク装置102においてディスクを裏返してディスク126のデータのない側146(すなわち、上側またはラベル側)にラベル(例えばテキスト、グラフィック)を書き込むときに、レーザ118およびOPU120を制御するよう、プロセッサ136で実行可能である。スピンドルドライバ134およびスレッドドライバ132がディスク126上のデータを、CLVでレーザビーム124を通り過ぎるよう回転する間に、読出しドライバ138は、ディスク126(すなわち、CD−Rディスク)の金属の反射層またはディスク126の相変化層(すなわち、CD−RWディスク)で反射される光を感知することによってデータを読み出すよう、OPU120とレーザ118の出力強度とを制御する。同様に書込みドライバ140は、ディスク126にデータを書き込むよう、OPU120とレーザ118の出力強度とを制御する。書込みドライバ140からのデータに応答して、レーザ118はパルス状のレーザビーム124を生成して、ディスク126のデータ側144にデータを記録する。
【0016】
ラベルドライバ142は、光ディスク装置102においてディスク126が裏返されて、ディスク126のデータのない側146がレーザアセンブリ108に面する場合に、プロセッサ136で実行されるよう構成されている。一般にラベルドライバ142は、コンピュータ104からラベルデータ(例えば、テキストデータ、画像データ)を受け取り、それを用いてディスク126のデータのない側146にラベルを書き込むようレーザ118を制御する。ラベルドライバ142からのデータに応答して、レーザ118はパルス駆動のレーザビーム124を生成して、ディスク126のデータのない側146にラベルデータを記録する。しかし、ディスク126のデータ側のトラッキングに関して上述した従来のプッシュプルトラッキング方式は、ディスク126のデータのない側146のトラッキングには利用できない。それは、従来のディスク(例えばCD−R、CD−RW、DVD)は、データのない側146には利用できるトラックまたはその他の半径方向の位置合わせ情報を有していないからである。したがって、以下の例示的な実施形態の部分では、光データ記憶ディスク126の、トラックのない面上での半径方向の位置合わせを説明する。
【0017】
コンピュータ104は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、および光ディスク装置102と通信するよう構成されているその他の装置を含む、さまざまな汎用計算装置として実施してもよい。コンピュータ104は、通常、プロセッサ144、揮発性メモリ149(すなわち、RAM)、および不揮発性メモリ148(例えば、ROM、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、等)を含む。不揮発性メモリ148は一般的に、コンピュータ/プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピュータ104用のその他のデータを記憶する。コンピュータ104は、メモリ148または揮発性メモリ149に記憶されプロセッサ144で実行可能なさまざまなアプリケーションプログラム150を実施して、ディスク装置102によってディスク126のデータ側144に書き込まれる音楽トラック等のデータをユーザが電子形式で操作またはその他の方法で作成することができるようにしてもよい。コンピュータ104上のそのようなアプリケーション150はまた、ディスク126のデータのない側146に書き込まれるテキストおよび/またはグラフィック等のラベルの作成を可能にしてもよい。一般にコンピュータ104は、ホストデータを、装置102に好適なドライバ形式でディスク装置102に出力し、ディスク装置102はこれを適切な形式に変換し書込み可能CD(例えばCD−R、CD−RW)上に出力する。
【実施例】
【0018】
図2は、図1に関して上述したもの等の環境100における、トラックのない光ディスク面(例えば、ディスク126のデータのない側146)上で半径方向の位置合わせを実施するのに好適な光ディスク装置200の例示的な実施形態を示す。図2における光ディスク装置200の例示的な実施形態は、メモリ128に記憶されプロセッサ136で実行可能な半径方向の位置ドライバ202を除いて、図1の光ディスク装置102と同じ方法で構成されている。さらに、光ディスク装置200のこの例示的な実施形態は、データのない側146がレーザアセンブリ108に向いている状態で(すなわち、ディスク126の上側146が下向きの状態で)、光データ記憶ディスク126が装置200に挿入されると想定している。さらに、光ディスク装置200のこの例示的な実施形態は、光データ記憶ディスク126がそのデータのない側146に基準パターンを含み得るということを想定している。
【0019】
半径方向の位置ドライバ202は一般的に、光ディスク126がそのデータのない側146に、そこから半径方向の絶対位置を確定することができる基準パターンを含んでいるかどうかを判定するよう構成されている。この目的のために、基準パターン、すなわちディスク126のデータのない側146に基準パターンが存在するということを示す何かその他のマークがないかディスク126を走査するために、半径方向の位置ドライバ202は上述したものと同様の方法でスピンドルモータ114、スレッドモータ112、およびレーザアセンブリ108を制御する。基準パターンが存在する場合には、半径方向の位置ドライバ202は、基準パターンを走査しレーザビーム124(すなわち、レーザビーム124からのレーザスポット)をディスク126に関して半径方向の絶対位置に合わせるよう、スピンドルモータ114、スレッドモータ112、およびレーザアセンブリ108を制御する。この位置合わせプロセスについては、2つの例示的な基準パターンに関して以下でさらに説明する。
【0020】
図3は、図2の光ディスク装置200が半径方向の絶対位置を合わせることができるようにする、データのない側146に例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスク126の一実施形態を示す。ディスク126のデータのない側146(すなわち、ラベル側)を図3に示す。図3の実施形態は、ディスク126上の最外径302および最内径304における領域に配置された鋸歯状パターンとして、基準パターン300を示す。図3においては場所302、304の両方に基準パターン300を示すが、状況によっては、パターン300はこのような場所のうちの両方ではなくどちらか一方にのみ配置されてもよい。さらに、ディスク126のラベル領域が自由にラベル付けできるままであるようにするためには、内径302および外径304が基準パターン300に好ましい場所である。しかし、この説明は基準パターンの場所をディスク126の内径302および外径304に限定するよう意図するものではなく、そのようなパターンはまた、ディスク126上のどこか他の場所に配置されてもよい、ということに注目される。
【0021】
図3はさらに、その上でスレッド110がレーザアセンブリ108を保持する、図1および図2に示すスレッド機構306の一部を示す。このスレッド機構306の両端において、およびディスク126の最外径302と最内径304の両方の領域において、レーザスポット308を示す。矢印310は、ディスク126の回転方向を示す。一定比例尺になっていないが、レーザスポット308は、ディスク126がパターン300を、ディスク126の最内径304か最外径302のいずれかの上にあるレーザスポット308を通り過ぎるよう回転するときに、どのように基準パターン300を走査するかを示すよう意図されている。
【0022】
基準パターン300における明と暗とのパターン(図4〜図6も参照されたい)は、シルクスクリーン印刷、エッチング、またはエンボス等、さまざまなプロセスによってディスク126上に形成してもよい。基準パターン300の、暗パターンを形成した領域は、ディスク126上の反射率の低いつや消しの領域(図4〜図6)を表し、一方明パターンを形成した領域(すなわち、マーキングしていない領域)は、ディスク126上の反射率の高い光沢のある領域(図4〜図6)を表す。一般に、ディスク126上のさまざまな反射率の領域を走査することによって、OPU120(図2)を通る反射率信号が生成され、この反射率信号の振幅は、ディスク126の反射率の変化に応答して変化する。
【0023】
図3の例示的な鋸歯状パターン300をさらに、図4〜図6に示す。図4〜図6は、鋸歯状パターン300を用いて図2の光ディスク装置200におけるレーザビーム124(すなわち、図3のレーザスポット308)の半径方向の絶対/基準位置を、反射率パターンのパルスのタイミングに基づいて合わせるまたは判定することを説明する。半径方向の絶対/基準位置とは、すべての半径方向の位置決めが基準とすることができる基準トラックとして用いることができる、基準パターン300内の半径方向の場所である。図4〜図6はそれぞれ、例示的な鋸歯状パターン、レーザアセンブリ108がパターンをレーザスポット308で走査するときにOPU120(図2)が生成する反射率信号応答、および反射率信号の相対的なパルス幅を示す。図4〜図6に示すように、鋸歯状パターン300の山と谷とは、ディスク126の反射率の低い領域と反射率の高い領域との間の斜めの界面を画定している。
【0024】
図4は、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に配置された場合を示す。ディスク126上の鋸歯状パターン300における反射率の低い領域と反射率の高い領域との間をレーザスポット308が移動すると、OPU120は、ディスク126で反射される光の量に基づいて反射率信号400を生成する。図4におけるレーザスポット308は、鋸歯状パターン300の山と谷との間の中心に据えられているので、反射率信号400のデューティサイクルは(ほぼ)50%である。すなわち、パルス幅404とパルス時間406との比は(ほぼ)50%である。図4の反射率信号400におけるパルス402は形状が矩形である(すなわち、上端と下端とにおいて飽和する)。それは、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300と比較して非常に小さく、したがってパターン300を走査するときには、完全に反射率の低い領域内にあるか完全に反射率の高い領域にあるかのどちらかだからである。さらに、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300と比較して非常に高速で移動しており、したがって、反射率の低い領域と反射率の高い領域との間の界面をほぼ瞬時に横切る。したがって、反射率信号400におけるHIGHの信号飽和とLOWの信号飽和との間の遷移もまたほぼ瞬時であり、まっすぐで垂直な線として現れる。鋸歯状パターン300は、このタイプの応答を達成することができるパターンの一例に過ぎず、ディスク126の半径に関して、反射率の異なる2つの面の間に同様の斜めの界面を有するその他のパターンもまた、同様の結果をもたらすのに有用でありうる、ということに注目される。
【0025】
再び図2の特定の光ディスク装置の実施形態を参照して、半径方向の位置ドライバ202はさらに、基準パターン300が走査されている間に反射率信号400のデューティサイクルを解析し、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまで、スレッドモータ114を制御することによってレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、構成されている。デューティサイクルがしきい値範囲(スレショルドレンジ)を下回る場合には、レーザアセンブリ108(レーザスポット308)は、デューティサイクルをしきい値範囲に入れる第1の向きに移動される。デューティサイクルがしきい値範囲を上回る場合には、レーザアセンブリ(レーザスポット308)は、デューティサイクルをしきい値範囲に入れる第2の向きに移動される。デューティサイクルのしきい値範囲は、通常50%の前後1〜2パーセンテージポイント内(例えば、49%〜51%のデューティサイクル範囲)に設定される。
【0026】
図5は、レーザスポット308が鋸歯状パターン300上の半径方向の絶対/基準位置よりも高くに配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。上述のように、この筋書きにおいては、半径方向の位置ドライバ202がパルス幅502を測定して、デューティサイクル(すなわち、パルス幅504とパルス時間506との比)を解析し、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に向けて調整する必要があるかどうかを判定する。図5から、レーザスポット308は鋸歯状パターン300の山と谷との間の中間に位置決めされてはいない、ということが明らかである。より正確に言えば、レーザスポット308の位置決めは、鋸歯状パターン300の反射率の低い領域のピークに近すぎる。反射率信号500のデューティサイクルがこれを示している。それは、パルス幅504とパルス時間506との比が50%を著しく下回っているからである。デューティサイクルが所与のしきい値(例えば49%〜51%)を下回るということを判定すると、半径方向の位置ドライバ202は、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまでレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、スレッドモータ112(図2)を制御する。
【0027】
図6は、レーザスポット308が鋸歯状パターン300上の半径方向の絶対/基準位置よりも低くに配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径に近すぎる。上述のように、この筋書きにおいては、半径方向の位置ドライバ202がパルス幅602を測定して、デューティサイクル(すなわち、パルス幅604とパルス時間606との比)を解析し、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に向けて調整する必要があるかどうかを判定する。図6から、レーザスポット308は鋸歯状パターン300の山と谷との間の中間に位置決めされてはいない、ということが明らかである。もっと正確に言えば、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300の反射率の高い領域のピークの過度に近くに位置決めされる。反射率信号600のデューティサイクルはこれを示している。それは、パルス幅604とパルス時間606との比が50%を著しく上回っているからである。デューティサイクルが所与のしきい値(例えば49%〜51%)を上回るということを判定すると、半径方向の位置ドライバ202は、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまでレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、スレッドモータ112(図2)を制御する。
【0028】
図7は、図2の光ディスク装置200が半径方向の絶対位置を合わせることができるようにする、ディスク126のデータのない側146に例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスク126の別の実施形態を示す。上の図3と同様に、ディスク126のデータのない側146(すなわち、ラベル側)を図7に示す。図8〜図12に示すように、図7の実施形態の例示的な基準パターン700は、タイミング同期フィールドを形成する、反射率の低い領域と反射率の高い領域の交互に並ぶバーと、互いに180度位相がずれた、2行の隣接する半分のバーとを含む。基準パターン700は、図3の基準パターン300に関して上述したものと同じ方法で、ディスク126上に配置されている。したがって、交互に並ぶバーパターン700は、通常ディスク126の最外径302および/または最内径304の近くに配置されている。
【0029】
上の図3と同様に、図7はさらに、ディスク126の最外径、最内径の間にレーザアセンブリ108を保持する、スレッド機構306の一部を示す。ディスク126が基準パターン700を、ディスク126の最内径304か最外径302のいずれかにあるレーザスポット308を通り過ぎるよう回転するときに、レーザスポット308および矢印310はどのように基準パターン700を走査するかを示す。
【0030】
図8において、図7の例示的なバーパターン700を、同期フィールド800と、2行からなる半分の積み重ねたバー802とを含んで完全に示す。図9〜図12は、パターン700の同期フィールド800は示していない。しかし、図9〜図12のパターン700において同期フィールド800を除いているのは、説明のためのみであり、同期フィールド800にこのようなパターン700がないということを示すよう意図するものではない。
【0031】
図8〜図12に示すように、図7の例示的なバーパターン700において、半径方向の基準位置は、2行の隣接する半分のバー802の間の想像線である。図8を参照して、レーザスポット308はまず、同期フィールド800の全面を走査する。同期フィールド800の走査中にOPU120(図2)が生成する反射率信号804によって、周波数情報が提供される。この周波数情報は、反射率信号804のうち、2行からなる隣接する半分のバー802の走査から生成される後半部分を解析するのに有用である。例えば、同期フィールド800からの周波数/タイミング情報は、反射率信号804における後のどの振幅パルス(振幅の変化するパルス)が半分のバー802のうちの上半分806に属し、反射率信号804における後のどの振幅パルスが半分のバー802のうちの下半分808に属するかを示す。
【0032】
図9は、図8のパターン700の走査の後半部分の拡大図である。図9から、レーザスポット308が、隣接する半分のバー802の2つの行806と808との中間点においてパターン700を横切っている、ということが明らかである。したがって、レーザスポット308は、反射率の低いバーと反射率の高いバーとに均等に遭遇し、OPU120によって生成される反射率信号804における振幅パルスはすべて等しい。したがって、レーザスポット308は半径方向の基準位置に適切に位置決めされており、半径方向の位置ドライバ202(図2)は、レーザアセンブリ108の半径方向の位置(すなわち、レーザスポット308の半径方向の位置)に対して全く修正を行う必要がない。
【0033】
しかし図10は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも高く配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。したがって、レーザスポット308は、バーパターン700の上半分1000の反射率の低いバーに遭遇する度合いの方が、下半分1002の反射率の低いバーに遭遇する度合いよりも大きい。OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1004は、バーパターン700の上半分1000に関連する振幅パルスの方が、下半分1002に関連する振幅パルスよりも大きい。
【0034】
反射率信号1004を解析する時には、半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1000と下半分1002の両方について、信号1004における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で)サンプリングする。半径方向の位置ドライバ202は次に、バーパターン700の上半分1000と下半分1002の両方について平均振幅を算出し、それらの平均を比較する。次に、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1000の平均の反射率信号の振幅と下半分1002の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値(ミニマム・スレショルド)に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202はレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を下向きに(すなわち、半径方向内向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0035】
図11は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも低く配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径に近すぎる。したがって、レーザスポット308は、バーパターン700の下半分1100の反射率の低いバーに遭遇する度合いの方が、上半分1102の反射率の低いバーに遭遇する度合いよりも大きい。OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1104は、バーパターン700の下半分1100に関連する振幅パルスの方が、上半分1102に関連する振幅パルスよりも大きい。
【0036】
半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1102と下半分1100の両方について、信号1104における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で)サンプリングすることによって、反射率信号1104を解析する。半径方向の位置ドライバ202は次に、バーパターン700の上半分1102と下半分1100の両方について平均振幅を算出し、それらの平均を比較する。次に、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1000の平均の反射率信号の振幅と下半分1002の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202は、レーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を上向きに(すなわち、半径方向外向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0037】
図12は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも高く配置された、別の場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。この場合には、レーザスポット308が完全にバーパターン700の上半分1200内に配置されている。したがって、レーザスポット308はバーパターン700の上半分1200の反射率の低いバーに遭遇し、下半分1202の反射率の低いバーには遭遇しない。したがって、OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1204は、周波数が前に走査した同期フィールド800(図8)の半分であり、バーパターン700の上半分1200に関連する振幅パルスを有するのみであって、下半分1202に関連する振幅パルスはない。したがって、反射率信号1204における振幅パルスの位相は、そのようなパルスをバーパターン700の上半分1200に関連するものとして識別する。
【0038】
半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1200と下半分1202の両方について、信号1204における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で(図8を参照されたい))サンプリングする。半径方向の位置ドライバ202は、反射率信号1204における振幅パルスの周波数を監視する。振幅パルスの周波数は、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分に過ぎない。半径方向の位置ドライバ202はまた、前に走査した同期フィールド800から、反射率信号1204における振幅パルスの位相も求める。振幅パルスの位相は、バーパターン700の上半分1200のみに関連しているということを示す。反射率信号1204における振幅パルスの周波数および位相に基づいて、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1200の平均の反射率信号の振幅と下半分1202の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202は、レーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を下向きに(すなわち、半径方向内向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0039】
− 例示的な方法 −
トラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を合わせる例示的な方法を、図13〜図15の流れ図を主に参照してこれから説明する。方法は一般的に、図2〜図12に関して上述した例示的な実施形態に適用される。説明する方法の各要素は、例えばASIC上のハードウェアの論理ブロックによって、または、ディスク、ROM、または他のそのようなメモリデバイス等のプロセッサ可読媒体上で規定されるプロセッサ可読命令の実行によって、等、いかなる適切な手段によって行ってもよい。
【0040】
図13は、CD−R、CD−RW、CD−ROM、およびDVD等のトラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を合わせる例示的な方法1300を示す。ブロック1302において、光ディスク上の基準パターンが探索される。基準パターンは、ディスクの、データのないすなわちラベルの側で探索される。基準パターンは、通常、ディスクの最内径またはディスクの最外径のいずれかで探索される。基準パターンの探索は、CDバーナー機能を含むCDプレーヤ等の光ディスク装置上で行われる。基準パターンの探索は、光ディスク装置において光ディスクが裏返して配置されて装置のレーザアセンブリがディスクのデータのない側を走査するようアクセスできるときに行われる。
【0041】
ブロック1304において、基準パターンはレーザスポットで走査される。レーザアセンブリは、ディスクの基準パターンにレーザビームを送り、光ピックアップユニットが、基準パターンおよびディスク面で反射される光に基づいて、反射率信号を生成する。
【0042】
ブロック1306において、基準パターンの走査からの位置データに基づいて、レーザスポット(レーザビーム)が半径方向の基準位置に位置決めされる。レーザは、基準パターンの走査から生成された反射率信号を解析することによって位置決めされる。基準パターンに応じて、レーザの位置決めは、反射率信号の振幅パルスに基づいて行われてもよく、または反射率信号のデューティサイクルに基づいて行われてもよい。
【0043】
図13の方法1300は、ブロック1306から図14の方法1400および図15の方法1500に続く。したがって図14は、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる例示的な方法1400の続きを示す。
【0044】
方法1400のブロック1402において、反射率信号のデューティサイクルが監視される。上述のように、反射率信号は、光ディスクのデータのない側で探索された基準パターンの走査中に、光ピックアップユニットによって生成される。本方法において用いられている特定のタイプの基準パターンは鋸歯状パターンであり、この鋸歯状パターンが生成する反射率のデューティサイクルを用いて、光ディスク面上での半径方向の位置を合わせることができる。
【0045】
ブロック1404において、反射率信号のデューティサイクルが所与のしきい値範囲よりも大きい場合には、レーザスポットは第1の半径方向の向きに移動される。デューティサイクルが50%であるということは、そのレーザスポットが半径方向の基準位置に正確に探索され、レーザスポットの半径方向の調整が不要である、ということを意味する。それよりも上または下の場合にはレーザスポットの半径方向の位置を調整するべきであるしきい値範囲は、通常、約49%〜約51%というデューティサイクルである。ブロック1406において、反射率信号のデューティサイクルがしきい値範囲よりも小さい場合には、レーザスポットは第2の半径方向の向きに移動される。
【0046】
図15もまた、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる例示的な方法1500の続きを示す。方法1500のブロック1502において、第1の監視周波数で反射率信号の第1の振幅が監視される。第1の監視周波数は、交互に並ぶバーの基準パターン内の同期フィールドから求められる周波数の半分である。信号周波数の半分で反射率の振幅を監視することによって、基準パターンの一方の側だけから生成される振幅パルスが検出される。
【0047】
ブロック1504において、第2の監視周波数で反射率信号の第2の振幅が監視される。第2の監視周波数は、第1の監視周波数と同じであるが位相が180度ずれている。したがって、基準パターンの他方の側から生成される振幅パルスが検出される。
【0048】
ブロック1506において、第1の振幅と第2の振幅との差が算出される。ブロック1508において、第1の振幅が第2の振幅よりも大きく、かつ両振幅の差が最小しきい値を超える場合には、レーザスポットは第1の半径方向の向きに移動される。ブロック1510において、第2の振幅が第1の振幅よりも大きく、かつ両振幅の差が最小しきい値を超える場合には、レーザスポットは第2の半径方向の向きに移動される。ブロック1506〜1510で、走査している基準パターンの一方の側または他方の側にどれだけレーザスポットが偏っているかを判定する。基準パターンの一方の側にレーザスポットが偏るほど、パターンの両方の側についての反射率の応答の振幅差は大きくなり、基準パターンの中央に向かってレーザが移動される距離は大きくなる。レーザスポットが基準パターンの中心の半径方向の基準位置にある場合には、反射率信号の振幅差はほとんどまたは全くない。
【0049】
上記説明は、構造的特徴および/または方法の内容に特有の文言を用いているが、添付の特許請求の範囲において規定される本発明は、説明した特定の特徴または内容に限定されるものではない、ということが理解されなければならない。むしろ、このような特定の特徴および内容は、本発明を実施する例示的な形式として開示されている。
【0050】
さらに、流れ図および流れ図のブロックに関連する文章によって、1つまたは複数の方法を開示したが、このようなブロックは必ずしも提示した順序で行わなければならないわけではなく、他の順序でも同様の利点をもたらすかもしれない、ということが理解されなければならない。さらに、このような方法は排他的ではなく、単独で行っても互いに組み合わせて行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせを実施するための例示的な環境を示す。
【図2】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせを実施するのに好適な光ディスク装置の例示的な実施形態を示す。
【図3】データのない側に例示的な基準パターンを有する、データ記憶光ディスクの例示的な実施形態を示す。
【図4】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図5】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図6】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図7】データのない側に別の例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスクの例示的な実施形態を示す。
【図8】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図9】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図10】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図11】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図12】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図13】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【図14】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【図15】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【技術分野】
【0001】
本開示は包括的には光ディスクに関し、より詳細には、トラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を確定することに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(CD)等の光ディスクは、低出力レーザビームを用いて書込みおよび読出しを行うことができる電子データ記憶媒体である。光ディスク技術はまず、CDとともに市場に登場した。CDは通常、デジタル形式のオーディオ、ビデオ、テキスト、およびその他の情報を電子的に記録、記憶、および再生するのに用いられる。デジタル多用途ディスク(DVD)は、別のより新しいタイプの光ディスクであり、CDと同じスペースにはるかに多くのデータを記憶することができるため、一般的に映画を保存および再生するのに用いられる。
【0003】
CDは当初、複雑な製造工程によって1枚の透明なポリカーボネートプラスチックに刻印された隆起部と平らな領域とのパターンとしてデジタルデータを記憶する、読出し専用記憶媒体であった。しかし現在では、普通の消費者は、デジタルデータをCD−R(記録型コンパクトディスク)およびCD−RW(書換え型コンパクトディスク)に焼くことができるCDプレーヤで自分のCDを焼くことができる。CD−Rは、半透明の感光性染料の層を有し、この層の、レーザによって加熱された領域が不透明になる。不透明な領域と半透明の染料の領域のディスクの反射率は異なり、それによって、従来のCDにおける隆起部と平らな領域とに似た永久的な方法での、データ記憶が可能になる。CD−RWは、特殊な化合物を相転移することによる、従来のCDの隆起部および平らな領域を表す。この化合物は、結晶相においては半透明であるが、非晶質相においては不透明である。レーザビームで化合物を相転移することによって、データをCD−RW上に記録しそこから消去することができる。
【0004】
そのような光ディスクのデータのない側に、例えばテキストおよび画像でラベルを付ける方法が、絶えず開発されてきた。それは、消費者が自らのCDに焼いたデータを識別するより便利な方法を求めているからである。ディスクにラベルを付ける基本的な方法としては、データのない側に消えないマーカー(例えば、シャーピーマーカー(登録商標))で物理的に書くこと、または紙のステッカーラベルをプリントアウトしてディスクのデータのない側に貼ること、が挙げられる。従来のCDプレーヤにおいて実施するよう開発された、その他の物理的マーキング方法としては、インクジェット、ワックス熱転写、および染料熱転写が挙げられる。さらに他の方法は、従来のCDプレーヤにおけるレーザを用いて、特別に作成したCD面にマーキングする。そのような方法は、CDへのラベル付けとDVDへのラベル付けとに等しく適用される。
【0005】
CDにラベルを付けることに関する問題の1つは、CDのラベル面(すなわち、データのない側または上側)上には、半径方向の位置決めを確定するトラックまたはその他のマーキングがない、ということである。したがって、例えばラベルのプリントを開始するための、または前にマーキングしたラベルに追加するためのレーザスポットの半径方向の位置決めにより、ラベリングをし損じる結果になってしまう可能性がある。例えば、ディスクの内径に近すぎる半径でラベルデータがプリントされる場合には、ラベルは重なり合ってしまう可能性がある。同様に、ディスクの内径から離れすぎる半径でラベルデータがプリントされる場合には、ラベルにすき間ができてしまう可能性がある。
【0006】
したがって、光ディスクのデータのないすなわちラベル面等、トラックまたはその他のマーキングのない光ディスク面上で半径方向の位置決めを確定する方法が、必要とされている。
【発明の開示】
【0007】
光ディスクの、データのない側の基準パターンを、走査し、ディスク上の半径方向の絶対位置にレーザスポットを位置決めするのに用いることができる。
【0008】
図面を通して、同様の構成要素および特徴を参照するのに同じ参照番号を用いる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明は、光データ記憶ディスクのトラックのない面上での半径方向の位置を確定するシステムおよび方法に関する。光データ記憶ディスクのデータのない側(すなわちラベル側)の基準パターンによって、光ディスク装置は、ディスクの、データのない側の半径方向の絶対位置に、レーザの位置を合わせることができる。半径方向の絶対位置は、すべての半径方向の位置決めを基準とすることができる基準トラックの役割を果たす。開示するシステムおよび方法は、例えば、ディスクの、データのない側へのラベル書込みが、ディスクの内径にも外径にも近すぎない適切な半径で開始すること、および半径方向の絶対位置を基準とすることによって、ディスクをディスク装置から取り外した後にラベルを更新または追加することができることを確実にすることを含む、さまざまな利点を提供する。
【0010】
− 例示的な環境 −
図1は、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせのシステムの1つまたは複数の実施形態を実施する例示的な環境を示す。図1の例示的な環境100は、ネットワーク106を通じてホストコンピュータまたは記録システム104に動作可能に結合する光ディスク装置102を含む。
【0011】
ネットワーク106は、通常ATAPI(アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント・パケット・インタフェース)デバイスインタフェースである。これは、多くの小型のコンピュータのパラレルまたはシリアルのデバイスインタフェースのうちの1つである。一般的なコンピュータインタフェースとしては他に、SCSI(スモール・コンピュータ・システム・インタフェース)がある。これは、周辺機器をコンピュータに取り付けるための、一般化されたデバイスインタフェースである。SCSIは、コマンドの構造、コマンドの実行方法、およびステータスの処理方法を規定する。さまざまな他の物理的インタフェースとしては、パラレルインタフェース、ファイバーチャネル、IEEE1394、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、およびATA/ATAPIがある。ATAPIは、CD−ROMおよびテープドライブがATAのハードディスクドライブと同じATAケーブル上にあることができるようにする、ATAインタフェース上で用いるコマンド実行プロトコルである。ATAPI装置は、一般的に、CD−ROMドライブ、追記型CDドライブ、書換え型CDドライブ、DVD(デジタル多用途ディスク)ドライブ、テープドライブ、スーパーフロッピー(登録商標)ドライブ(例えばZIPおよびLS−120)、等を含む。
【0012】
光ディスク装置102は、通常、CD−R(CD−レコーダブルディスク)およびCD−RW(CD−リライタブルディスク)等の光ディスク上にデータを書き込むことができる、書込み可能CD(コンパクトディスク)プレーヤ/ドライブとして実施される。そのような書込み可能CD装置102は、CDバーナーと呼ばれることが多い。より一般的には、光ディスク装置102は、例えば、オーディオシステムにおける周辺コンポーネントである独立型オーディオCDプレーヤ、PC(パーソナルコンピュータ)において標準装備として一体化されているCD−ROMドライブ、DVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤ、等を含んでもよい。したがって、本明細書においては光ディスク装置102をCDプレーヤ/バーナーであるものとして説明するが、光ディスク装置102はそのような実施態様に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、CDバーナー等の例示的な光ディスク装置102は一般的に、レーザアセンブリ108、レーザアセンブリ108用のスレッド110すなわちキャリッジ、スレッドモータ112、ディスクまたはスピンドルモータ114、およびコントローラ116を含む。スレッド110上に取り付けられたレーザアセンブリ108は、レーザ源118、光ピックアップユニット(OPU)120、および、レーザビーム124の焦点を書込み可能CD126(例えばCD−RまたはCD−RW)上のレーザスポットに合わせる集光レンズ122を含む。OPU120はさらに、トラッキングおよび焦点フィードバック用の4つのフォトダイオードとビームスプリッタ(図示せず)とを含む。一般に、従来のディスク126のデータ側(144)をデータ読出しおよび書込み用のレーザアセンブリ108でトラッキングすることは、ディスク126の中心かららせん状に外へ向かう連続したデータトラックから容易に入手可能である、半径方向の位置合わせ情報に基づいている。トラッキングは、4つのフォトダイオードを用いて、反射された干渉を感知することを含む、従来のプッシュプルトラッキング方式によって行われる。
【0014】
コントローラ116は、通常、コンピュータ/プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、ディスク126上にラベルとしてプリントされる画像、およびコントローラ116用のその他のデータを保持する、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または不揮発性メモリ等のメモリ128を含む。したがってメモリ128は、レーザ/OPUドライバ130、スレッドドライバ132、およびスピンドルドライバ134を含む。スレッドドライバ132およびスピンドルドライバ134は、プロセッサ136とともに実行されて、それぞれディスク126に関するレーザアセンブリ108の半径方向の位置、およびディスク126の回転速度を制御する。ディスク126の速度およびレーザアセンブリ108の半径方向の位置は、通常、ディスク上のデータが一定の線速度(CLV)でレーザビーム124を通り過ぎるよう制御されている。
【0015】
レーザ/OPUドライバ130は、読出しドライバ138、書込みドライバ140、およびラベルドライバ142を含む。レーザ/OPUドライバ130は、ディスク126のデータ側144からデータを読み出すとき、ディスク126のデータ側144にデータを書き込むとき、および、光ディスク装置102においてディスクを裏返してディスク126のデータのない側146(すなわち、上側またはラベル側)にラベル(例えばテキスト、グラフィック)を書き込むときに、レーザ118およびOPU120を制御するよう、プロセッサ136で実行可能である。スピンドルドライバ134およびスレッドドライバ132がディスク126上のデータを、CLVでレーザビーム124を通り過ぎるよう回転する間に、読出しドライバ138は、ディスク126(すなわち、CD−Rディスク)の金属の反射層またはディスク126の相変化層(すなわち、CD−RWディスク)で反射される光を感知することによってデータを読み出すよう、OPU120とレーザ118の出力強度とを制御する。同様に書込みドライバ140は、ディスク126にデータを書き込むよう、OPU120とレーザ118の出力強度とを制御する。書込みドライバ140からのデータに応答して、レーザ118はパルス状のレーザビーム124を生成して、ディスク126のデータ側144にデータを記録する。
【0016】
ラベルドライバ142は、光ディスク装置102においてディスク126が裏返されて、ディスク126のデータのない側146がレーザアセンブリ108に面する場合に、プロセッサ136で実行されるよう構成されている。一般にラベルドライバ142は、コンピュータ104からラベルデータ(例えば、テキストデータ、画像データ)を受け取り、それを用いてディスク126のデータのない側146にラベルを書き込むようレーザ118を制御する。ラベルドライバ142からのデータに応答して、レーザ118はパルス駆動のレーザビーム124を生成して、ディスク126のデータのない側146にラベルデータを記録する。しかし、ディスク126のデータ側のトラッキングに関して上述した従来のプッシュプルトラッキング方式は、ディスク126のデータのない側146のトラッキングには利用できない。それは、従来のディスク(例えばCD−R、CD−RW、DVD)は、データのない側146には利用できるトラックまたはその他の半径方向の位置合わせ情報を有していないからである。したがって、以下の例示的な実施形態の部分では、光データ記憶ディスク126の、トラックのない面上での半径方向の位置合わせを説明する。
【0017】
コンピュータ104は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、および光ディスク装置102と通信するよう構成されているその他の装置を含む、さまざまな汎用計算装置として実施してもよい。コンピュータ104は、通常、プロセッサ144、揮発性メモリ149(すなわち、RAM)、および不揮発性メモリ148(例えば、ROM、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、等)を含む。不揮発性メモリ148は一般的に、コンピュータ/プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピュータ104用のその他のデータを記憶する。コンピュータ104は、メモリ148または揮発性メモリ149に記憶されプロセッサ144で実行可能なさまざまなアプリケーションプログラム150を実施して、ディスク装置102によってディスク126のデータ側144に書き込まれる音楽トラック等のデータをユーザが電子形式で操作またはその他の方法で作成することができるようにしてもよい。コンピュータ104上のそのようなアプリケーション150はまた、ディスク126のデータのない側146に書き込まれるテキストおよび/またはグラフィック等のラベルの作成を可能にしてもよい。一般にコンピュータ104は、ホストデータを、装置102に好適なドライバ形式でディスク装置102に出力し、ディスク装置102はこれを適切な形式に変換し書込み可能CD(例えばCD−R、CD−RW)上に出力する。
【実施例】
【0018】
図2は、図1に関して上述したもの等の環境100における、トラックのない光ディスク面(例えば、ディスク126のデータのない側146)上で半径方向の位置合わせを実施するのに好適な光ディスク装置200の例示的な実施形態を示す。図2における光ディスク装置200の例示的な実施形態は、メモリ128に記憶されプロセッサ136で実行可能な半径方向の位置ドライバ202を除いて、図1の光ディスク装置102と同じ方法で構成されている。さらに、光ディスク装置200のこの例示的な実施形態は、データのない側146がレーザアセンブリ108に向いている状態で(すなわち、ディスク126の上側146が下向きの状態で)、光データ記憶ディスク126が装置200に挿入されると想定している。さらに、光ディスク装置200のこの例示的な実施形態は、光データ記憶ディスク126がそのデータのない側146に基準パターンを含み得るということを想定している。
【0019】
半径方向の位置ドライバ202は一般的に、光ディスク126がそのデータのない側146に、そこから半径方向の絶対位置を確定することができる基準パターンを含んでいるかどうかを判定するよう構成されている。この目的のために、基準パターン、すなわちディスク126のデータのない側146に基準パターンが存在するということを示す何かその他のマークがないかディスク126を走査するために、半径方向の位置ドライバ202は上述したものと同様の方法でスピンドルモータ114、スレッドモータ112、およびレーザアセンブリ108を制御する。基準パターンが存在する場合には、半径方向の位置ドライバ202は、基準パターンを走査しレーザビーム124(すなわち、レーザビーム124からのレーザスポット)をディスク126に関して半径方向の絶対位置に合わせるよう、スピンドルモータ114、スレッドモータ112、およびレーザアセンブリ108を制御する。この位置合わせプロセスについては、2つの例示的な基準パターンに関して以下でさらに説明する。
【0020】
図3は、図2の光ディスク装置200が半径方向の絶対位置を合わせることができるようにする、データのない側146に例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスク126の一実施形態を示す。ディスク126のデータのない側146(すなわち、ラベル側)を図3に示す。図3の実施形態は、ディスク126上の最外径302および最内径304における領域に配置された鋸歯状パターンとして、基準パターン300を示す。図3においては場所302、304の両方に基準パターン300を示すが、状況によっては、パターン300はこのような場所のうちの両方ではなくどちらか一方にのみ配置されてもよい。さらに、ディスク126のラベル領域が自由にラベル付けできるままであるようにするためには、内径302および外径304が基準パターン300に好ましい場所である。しかし、この説明は基準パターンの場所をディスク126の内径302および外径304に限定するよう意図するものではなく、そのようなパターンはまた、ディスク126上のどこか他の場所に配置されてもよい、ということに注目される。
【0021】
図3はさらに、その上でスレッド110がレーザアセンブリ108を保持する、図1および図2に示すスレッド機構306の一部を示す。このスレッド機構306の両端において、およびディスク126の最外径302と最内径304の両方の領域において、レーザスポット308を示す。矢印310は、ディスク126の回転方向を示す。一定比例尺になっていないが、レーザスポット308は、ディスク126がパターン300を、ディスク126の最内径304か最外径302のいずれかの上にあるレーザスポット308を通り過ぎるよう回転するときに、どのように基準パターン300を走査するかを示すよう意図されている。
【0022】
基準パターン300における明と暗とのパターン(図4〜図6も参照されたい)は、シルクスクリーン印刷、エッチング、またはエンボス等、さまざまなプロセスによってディスク126上に形成してもよい。基準パターン300の、暗パターンを形成した領域は、ディスク126上の反射率の低いつや消しの領域(図4〜図6)を表し、一方明パターンを形成した領域(すなわち、マーキングしていない領域)は、ディスク126上の反射率の高い光沢のある領域(図4〜図6)を表す。一般に、ディスク126上のさまざまな反射率の領域を走査することによって、OPU120(図2)を通る反射率信号が生成され、この反射率信号の振幅は、ディスク126の反射率の変化に応答して変化する。
【0023】
図3の例示的な鋸歯状パターン300をさらに、図4〜図6に示す。図4〜図6は、鋸歯状パターン300を用いて図2の光ディスク装置200におけるレーザビーム124(すなわち、図3のレーザスポット308)の半径方向の絶対/基準位置を、反射率パターンのパルスのタイミングに基づいて合わせるまたは判定することを説明する。半径方向の絶対/基準位置とは、すべての半径方向の位置決めが基準とすることができる基準トラックとして用いることができる、基準パターン300内の半径方向の場所である。図4〜図6はそれぞれ、例示的な鋸歯状パターン、レーザアセンブリ108がパターンをレーザスポット308で走査するときにOPU120(図2)が生成する反射率信号応答、および反射率信号の相対的なパルス幅を示す。図4〜図6に示すように、鋸歯状パターン300の山と谷とは、ディスク126の反射率の低い領域と反射率の高い領域との間の斜めの界面を画定している。
【0024】
図4は、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に配置された場合を示す。ディスク126上の鋸歯状パターン300における反射率の低い領域と反射率の高い領域との間をレーザスポット308が移動すると、OPU120は、ディスク126で反射される光の量に基づいて反射率信号400を生成する。図4におけるレーザスポット308は、鋸歯状パターン300の山と谷との間の中心に据えられているので、反射率信号400のデューティサイクルは(ほぼ)50%である。すなわち、パルス幅404とパルス時間406との比は(ほぼ)50%である。図4の反射率信号400におけるパルス402は形状が矩形である(すなわち、上端と下端とにおいて飽和する)。それは、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300と比較して非常に小さく、したがってパターン300を走査するときには、完全に反射率の低い領域内にあるか完全に反射率の高い領域にあるかのどちらかだからである。さらに、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300と比較して非常に高速で移動しており、したがって、反射率の低い領域と反射率の高い領域との間の界面をほぼ瞬時に横切る。したがって、反射率信号400におけるHIGHの信号飽和とLOWの信号飽和との間の遷移もまたほぼ瞬時であり、まっすぐで垂直な線として現れる。鋸歯状パターン300は、このタイプの応答を達成することができるパターンの一例に過ぎず、ディスク126の半径に関して、反射率の異なる2つの面の間に同様の斜めの界面を有するその他のパターンもまた、同様の結果をもたらすのに有用でありうる、ということに注目される。
【0025】
再び図2の特定の光ディスク装置の実施形態を参照して、半径方向の位置ドライバ202はさらに、基準パターン300が走査されている間に反射率信号400のデューティサイクルを解析し、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまで、スレッドモータ114を制御することによってレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、構成されている。デューティサイクルがしきい値範囲(スレショルドレンジ)を下回る場合には、レーザアセンブリ108(レーザスポット308)は、デューティサイクルをしきい値範囲に入れる第1の向きに移動される。デューティサイクルがしきい値範囲を上回る場合には、レーザアセンブリ(レーザスポット308)は、デューティサイクルをしきい値範囲に入れる第2の向きに移動される。デューティサイクルのしきい値範囲は、通常50%の前後1〜2パーセンテージポイント内(例えば、49%〜51%のデューティサイクル範囲)に設定される。
【0026】
図5は、レーザスポット308が鋸歯状パターン300上の半径方向の絶対/基準位置よりも高くに配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。上述のように、この筋書きにおいては、半径方向の位置ドライバ202がパルス幅502を測定して、デューティサイクル(すなわち、パルス幅504とパルス時間506との比)を解析し、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に向けて調整する必要があるかどうかを判定する。図5から、レーザスポット308は鋸歯状パターン300の山と谷との間の中間に位置決めされてはいない、ということが明らかである。より正確に言えば、レーザスポット308の位置決めは、鋸歯状パターン300の反射率の低い領域のピークに近すぎる。反射率信号500のデューティサイクルがこれを示している。それは、パルス幅504とパルス時間506との比が50%を著しく下回っているからである。デューティサイクルが所与のしきい値(例えば49%〜51%)を下回るということを判定すると、半径方向の位置ドライバ202は、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまでレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、スレッドモータ112(図2)を制御する。
【0027】
図6は、レーザスポット308が鋸歯状パターン300上の半径方向の絶対/基準位置よりも低くに配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径に近すぎる。上述のように、この筋書きにおいては、半径方向の位置ドライバ202がパルス幅602を測定して、デューティサイクル(すなわち、パルス幅604とパルス時間606との比)を解析し、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に向けて調整する必要があるかどうかを判定する。図6から、レーザスポット308は鋸歯状パターン300の山と谷との間の中間に位置決めされてはいない、ということが明らかである。もっと正確に言えば、レーザスポット308は、鋸歯状パターン300の反射率の高い領域のピークの過度に近くに位置決めされる。反射率信号600のデューティサイクルはこれを示している。それは、パルス幅604とパルス時間606との比が50%を著しく上回っているからである。デューティサイクルが所与のしきい値(例えば49%〜51%)を上回るということを判定すると、半径方向の位置ドライバ202は、デューティサイクルが所与のしきい値範囲に入るまでレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を調整するよう、スレッドモータ112(図2)を制御する。
【0028】
図7は、図2の光ディスク装置200が半径方向の絶対位置を合わせることができるようにする、ディスク126のデータのない側146に例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスク126の別の実施形態を示す。上の図3と同様に、ディスク126のデータのない側146(すなわち、ラベル側)を図7に示す。図8〜図12に示すように、図7の実施形態の例示的な基準パターン700は、タイミング同期フィールドを形成する、反射率の低い領域と反射率の高い領域の交互に並ぶバーと、互いに180度位相がずれた、2行の隣接する半分のバーとを含む。基準パターン700は、図3の基準パターン300に関して上述したものと同じ方法で、ディスク126上に配置されている。したがって、交互に並ぶバーパターン700は、通常ディスク126の最外径302および/または最内径304の近くに配置されている。
【0029】
上の図3と同様に、図7はさらに、ディスク126の最外径、最内径の間にレーザアセンブリ108を保持する、スレッド機構306の一部を示す。ディスク126が基準パターン700を、ディスク126の最内径304か最外径302のいずれかにあるレーザスポット308を通り過ぎるよう回転するときに、レーザスポット308および矢印310はどのように基準パターン700を走査するかを示す。
【0030】
図8において、図7の例示的なバーパターン700を、同期フィールド800と、2行からなる半分の積み重ねたバー802とを含んで完全に示す。図9〜図12は、パターン700の同期フィールド800は示していない。しかし、図9〜図12のパターン700において同期フィールド800を除いているのは、説明のためのみであり、同期フィールド800にこのようなパターン700がないということを示すよう意図するものではない。
【0031】
図8〜図12に示すように、図7の例示的なバーパターン700において、半径方向の基準位置は、2行の隣接する半分のバー802の間の想像線である。図8を参照して、レーザスポット308はまず、同期フィールド800の全面を走査する。同期フィールド800の走査中にOPU120(図2)が生成する反射率信号804によって、周波数情報が提供される。この周波数情報は、反射率信号804のうち、2行からなる隣接する半分のバー802の走査から生成される後半部分を解析するのに有用である。例えば、同期フィールド800からの周波数/タイミング情報は、反射率信号804における後のどの振幅パルス(振幅の変化するパルス)が半分のバー802のうちの上半分806に属し、反射率信号804における後のどの振幅パルスが半分のバー802のうちの下半分808に属するかを示す。
【0032】
図9は、図8のパターン700の走査の後半部分の拡大図である。図9から、レーザスポット308が、隣接する半分のバー802の2つの行806と808との中間点においてパターン700を横切っている、ということが明らかである。したがって、レーザスポット308は、反射率の低いバーと反射率の高いバーとに均等に遭遇し、OPU120によって生成される反射率信号804における振幅パルスはすべて等しい。したがって、レーザスポット308は半径方向の基準位置に適切に位置決めされており、半径方向の位置ドライバ202(図2)は、レーザアセンブリ108の半径方向の位置(すなわち、レーザスポット308の半径方向の位置)に対して全く修正を行う必要がない。
【0033】
しかし図10は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも高く配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。したがって、レーザスポット308は、バーパターン700の上半分1000の反射率の低いバーに遭遇する度合いの方が、下半分1002の反射率の低いバーに遭遇する度合いよりも大きい。OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1004は、バーパターン700の上半分1000に関連する振幅パルスの方が、下半分1002に関連する振幅パルスよりも大きい。
【0034】
反射率信号1004を解析する時には、半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1000と下半分1002の両方について、信号1004における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で)サンプリングする。半径方向の位置ドライバ202は次に、バーパターン700の上半分1000と下半分1002の両方について平均振幅を算出し、それらの平均を比較する。次に、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1000の平均の反射率信号の振幅と下半分1002の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値(ミニマム・スレショルド)に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202はレーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を下向きに(すなわち、半径方向内向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0035】
図11は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも低く配置された場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径に近すぎる。したがって、レーザスポット308は、バーパターン700の下半分1100の反射率の低いバーに遭遇する度合いの方が、上半分1102の反射率の低いバーに遭遇する度合いよりも大きい。OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1104は、バーパターン700の下半分1100に関連する振幅パルスの方が、上半分1102に関連する振幅パルスよりも大きい。
【0036】
半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1102と下半分1100の両方について、信号1104における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で)サンプリングすることによって、反射率信号1104を解析する。半径方向の位置ドライバ202は次に、バーパターン700の上半分1102と下半分1100の両方について平均振幅を算出し、それらの平均を比較する。次に、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1000の平均の反射率信号の振幅と下半分1002の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202は、レーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を上向きに(すなわち、半径方向外向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0037】
図12は、レーザスポット308が例示的なバーパターン700上において半径方向の絶対/基準位置よりも高く配置された、別の場合を示す。すなわち、レーザスポット308は、半径方向の距離がディスク126の内径から遠すぎる。この場合には、レーザスポット308が完全にバーパターン700の上半分1200内に配置されている。したがって、レーザスポット308はバーパターン700の上半分1200の反射率の低いバーに遭遇し、下半分1202の反射率の低いバーには遭遇しない。したがって、OPU120(図2)によって生成される、結果として生じる反射率信号1204は、周波数が前に走査した同期フィールド800(図8)の半分であり、バーパターン700の上半分1200に関連する振幅パルスを有するのみであって、下半分1202に関連する振幅パルスはない。したがって、反射率信号1204における振幅パルスの位相は、そのようなパルスをバーパターン700の上半分1200に関連するものとして識別する。
【0038】
半径方向の位置ドライバ202(図2)は、バーパターン700の上半分1200と下半分1202の両方について、信号1204における振幅パルスを1つおきに(すなわち、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分の周波数で(図8を参照されたい))サンプリングする。半径方向の位置ドライバ202は、反射率信号1204における振幅パルスの周波数を監視する。振幅パルスの周波数は、前に走査した同期フィールド800の周波数の半分に過ぎない。半径方向の位置ドライバ202はまた、前に走査した同期フィールド800から、反射率信号1204における振幅パルスの位相も求める。振幅パルスの位相は、バーパターン700の上半分1200のみに関連しているということを示す。反射率信号1204における振幅パルスの周波数および位相に基づいて、レーザスポット308が半径方向の絶対/基準位置に達し、バーパターン700の上半分1200の平均の反射率信号の振幅と下半分1202の平均の反射率信号の振幅とが等しくなるまたは差の最小しきい値に収まるまで、半径方向の位置ドライバ202は、レーザアセンブリ108の位置(すなわち、レーザスポット308の位置)を下向きに(すなわち、半径方向内向きに)調整するよう、スレッドモータ112を駆動する。
【0039】
− 例示的な方法 −
トラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を合わせる例示的な方法を、図13〜図15の流れ図を主に参照してこれから説明する。方法は一般的に、図2〜図12に関して上述した例示的な実施形態に適用される。説明する方法の各要素は、例えばASIC上のハードウェアの論理ブロックによって、または、ディスク、ROM、または他のそのようなメモリデバイス等のプロセッサ可読媒体上で規定されるプロセッサ可読命令の実行によって、等、いかなる適切な手段によって行ってもよい。
【0040】
図13は、CD−R、CD−RW、CD−ROM、およびDVD等のトラックのない光ディスク面上で半径方向の位置を合わせる例示的な方法1300を示す。ブロック1302において、光ディスク上の基準パターンが探索される。基準パターンは、ディスクの、データのないすなわちラベルの側で探索される。基準パターンは、通常、ディスクの最内径またはディスクの最外径のいずれかで探索される。基準パターンの探索は、CDバーナー機能を含むCDプレーヤ等の光ディスク装置上で行われる。基準パターンの探索は、光ディスク装置において光ディスクが裏返して配置されて装置のレーザアセンブリがディスクのデータのない側を走査するようアクセスできるときに行われる。
【0041】
ブロック1304において、基準パターンはレーザスポットで走査される。レーザアセンブリは、ディスクの基準パターンにレーザビームを送り、光ピックアップユニットが、基準パターンおよびディスク面で反射される光に基づいて、反射率信号を生成する。
【0042】
ブロック1306において、基準パターンの走査からの位置データに基づいて、レーザスポット(レーザビーム)が半径方向の基準位置に位置決めされる。レーザは、基準パターンの走査から生成された反射率信号を解析することによって位置決めされる。基準パターンに応じて、レーザの位置決めは、反射率信号の振幅パルスに基づいて行われてもよく、または反射率信号のデューティサイクルに基づいて行われてもよい。
【0043】
図13の方法1300は、ブロック1306から図14の方法1400および図15の方法1500に続く。したがって図14は、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる例示的な方法1400の続きを示す。
【0044】
方法1400のブロック1402において、反射率信号のデューティサイクルが監視される。上述のように、反射率信号は、光ディスクのデータのない側で探索された基準パターンの走査中に、光ピックアップユニットによって生成される。本方法において用いられている特定のタイプの基準パターンは鋸歯状パターンであり、この鋸歯状パターンが生成する反射率のデューティサイクルを用いて、光ディスク面上での半径方向の位置を合わせることができる。
【0045】
ブロック1404において、反射率信号のデューティサイクルが所与のしきい値範囲よりも大きい場合には、レーザスポットは第1の半径方向の向きに移動される。デューティサイクルが50%であるということは、そのレーザスポットが半径方向の基準位置に正確に探索され、レーザスポットの半径方向の調整が不要である、ということを意味する。それよりも上または下の場合にはレーザスポットの半径方向の位置を調整するべきであるしきい値範囲は、通常、約49%〜約51%というデューティサイクルである。ブロック1406において、反射率信号のデューティサイクルがしきい値範囲よりも小さい場合には、レーザスポットは第2の半径方向の向きに移動される。
【0046】
図15もまた、トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる例示的な方法1500の続きを示す。方法1500のブロック1502において、第1の監視周波数で反射率信号の第1の振幅が監視される。第1の監視周波数は、交互に並ぶバーの基準パターン内の同期フィールドから求められる周波数の半分である。信号周波数の半分で反射率の振幅を監視することによって、基準パターンの一方の側だけから生成される振幅パルスが検出される。
【0047】
ブロック1504において、第2の監視周波数で反射率信号の第2の振幅が監視される。第2の監視周波数は、第1の監視周波数と同じであるが位相が180度ずれている。したがって、基準パターンの他方の側から生成される振幅パルスが検出される。
【0048】
ブロック1506において、第1の振幅と第2の振幅との差が算出される。ブロック1508において、第1の振幅が第2の振幅よりも大きく、かつ両振幅の差が最小しきい値を超える場合には、レーザスポットは第1の半径方向の向きに移動される。ブロック1510において、第2の振幅が第1の振幅よりも大きく、かつ両振幅の差が最小しきい値を超える場合には、レーザスポットは第2の半径方向の向きに移動される。ブロック1506〜1510で、走査している基準パターンの一方の側または他方の側にどれだけレーザスポットが偏っているかを判定する。基準パターンの一方の側にレーザスポットが偏るほど、パターンの両方の側についての反射率の応答の振幅差は大きくなり、基準パターンの中央に向かってレーザが移動される距離は大きくなる。レーザスポットが基準パターンの中心の半径方向の基準位置にある場合には、反射率信号の振幅差はほとんどまたは全くない。
【0049】
上記説明は、構造的特徴および/または方法の内容に特有の文言を用いているが、添付の特許請求の範囲において規定される本発明は、説明した特定の特徴または内容に限定されるものではない、ということが理解されなければならない。むしろ、このような特定の特徴および内容は、本発明を実施する例示的な形式として開示されている。
【0050】
さらに、流れ図および流れ図のブロックに関連する文章によって、1つまたは複数の方法を開示したが、このようなブロックは必ずしも提示した順序で行わなければならないわけではなく、他の順序でも同様の利点をもたらすかもしれない、ということが理解されなければならない。さらに、このような方法は排他的ではなく、単独で行っても互いに組み合わせて行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせを実施するための例示的な環境を示す。
【図2】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置合わせを実施するのに好適な光ディスク装置の例示的な実施形態を示す。
【図3】データのない側に例示的な基準パターンを有する、データ記憶光ディスクの例示的な実施形態を示す。
【図4】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図5】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図6】基準パターンを用いて信号を生成し、そのデューティサイクルを用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図7】データのない側に別の例示的な基準パターンを有する光データ記憶ディスクの例示的な実施形態を示す。
【図8】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図9】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図10】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図11】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図12】基準パターンを用いて信号を生成し、その振幅を用いて光データ記憶ディスク上での半径方向の絶対位置を合わせる例を示す。
【図13】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【図14】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【図15】トラックのない光ディスク面上での半径方向の位置を合わせる方法の例を示すフロー図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク(126)のデータのない側(146)に基準パターン(300、700)を探索し(1302)、
前記基準パターン(300、700)をレーザスポット(308)で走査し(1304)、
前記走査に基づいて、前記レーザスポット(308)を前記光ディスク(126)上の半径方向の絶対位置に位置決めする(1306)
ように構成されたプロセッサ実行可能命令を備えることを特徴とする、プロセッサ可読媒体。
【請求項2】
前記走査することはさらに、
前記光ディスク(126)の回転時に前記レーザスポット(308)を前記基準パターン(300、700)上に誘導することと、
前記基準パターン(300、700)が前記レーザスポット(308)を横切るときに反射光を感知することと、
前記反射光から反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成することと
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項3】
前記位置決めすることはさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)のデューティサイクルを監視すること(1402)と、
前記デューティサイクルがしきい値範囲よりも大きい場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動すること(1404)と、
前記デューティサイクルが前記しきい値範囲よりも小さい場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動すること(1406)と
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項4】
前記位置決めすることはさらに、
第1の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第1の振幅を監視すること(1502)と、
第2の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第2の振幅を監視すること(1504)と、
前記第1の振幅と前記第2の振幅との差を求めること(1506)と、
前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きく、差が最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動すること(1508)と、
前記第2の振幅が前記第1の振幅よりも大きく、差が前記最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動すること(1510)と
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項5】
前記位置決めすることはさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)における振幅パルスの周波数を監視することと、
前記振幅パルスの位相を求めることと、
前記周波数および前記位相に基づいて、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動することと
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項6】
トラックのない光ディスク面上での半径方向の基準位置を合わせる方法であって、
光ディスク(126)のトラックのない側(146)で基準パターン(300、700)を探索すること(1302)と、
前記基準パターン(300、700)をレーザ(308)で走査すること(1304)と、
前記走査に基づいて、前記レーザ(308)を前記光ディスク(126)上の半径方向の基準位置に位置決めすること(1306)と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
光ディスク装置(102)であって、
光ディスク(126)のデータのない側(146)で基準パターン(300、700)を探索する手段(1302)と、
前記基準パターン(300、700)をレーザスポット(308)で走査する手段(1304)と、
前記レーザスポット(308)を、前記走査に基づいて前記光ディスク(126)上の半径方向の絶対位置に位置決めする手段(1306)と
を備えることを特徴とする、光ディスク装置。
【請求項8】
光ディスク装置(102)であって、
前記光ディスクの回転時に前記レーザスポット(308)を前記基準パターン(300、700)上に誘導する手段と、
前記基準パターン(300、700)が前記レーザスポット(308)を横切るときに反射光を感知する手段と、
前記反射光から反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成する手段と
をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の光ディスク装置(102)。
【請求項9】
光ディスク装置(102)であって、前記位置決めする手段はさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)のデューティサイクルを監視する手段と、
前記デューティサイクルがしきい値範囲よりも大きい場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動する手段と、
前記デューティサイクルが前記しきい値範囲よりも小さい場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動する手段と
を備えることを特徴とする、請求項8に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
光ディスク装置(102)であって、前記位置決めする手段はさらに、
第1の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第1の振幅を監視する手段(1502)と、
第2の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第2の振幅を監視する手段(1504)と、
前記第1の振幅と前記第2の振幅との差を求める手段(1506)と、
前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きく、差が最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動する手段と、
前記第2の振幅が前記第1の振幅よりも大きく、差が前記最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動する手段と
を備えることを特徴とする、請求項8に記載の光ディスク装置。
【請求項11】
光ディスク装置(102)であって、
レーザスポット(308)を光ディスク(126)に誘導するよう構成されているレーザ源(118)と、
前記レーザスポット(308)からの反射光に基づいて反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成するよう構成されている光ピックアップユニット(120)と、
光ディスク(126)のデータのない側(146)の基準パターン(300、700)全部を前記レーザスポット(308)で走査し、前記光ピックアップユニット(120)からの反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)に基づいて前記レーザスポット(308)を半径方向の絶対位置に移動するよう構成されている、半径方向の位置決めドライバ(202)と
を備えることを特徴とする、光ディスク装置。
【請求項12】
光ディスク(126)であって、
データを記憶するよう構成されているデータ側(144)と、
ラベル付けするよう構成されている、データのない側(146)と、
前記データのない側(146)にある、反射率の低い領域と反射率の高い領域とを画定する基準パターン(300、700)と
を備えることを特徴とする光ディスク。
【請求項13】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(300、700)は、前記データのない側(146)の、
前記光ディスク(126)の最内径(304)と、
前記光ディスク(126)の最外径(302)と
からなる群から選択される少なくとも1つの場所に位置決めされることを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項14】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(300、700)は、前記反射率の低い領域と前記反射率の高い領域との間の斜めの境界を画定する山および谷の鋸歯状パターン(300)を備え、前記光ディスク(126)の半径は前記斜めの境界に沿って変化することを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項15】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(700)はさらに、
第1の行の反射率の低いバー(806、1000、1102、1200)と、
前記第1の行に隣接し、前記第1の行と180度位相がずれた、第2の行の反射率の低いバー(808、1002、1100、1202)と
を備えることを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項16】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(700)はさらに、タイミング同期フィールド(800)を前記第1の行および前記第2の行の前に備え、前記タイミング同期フィールド(800)は、第3の行の反射率の低いバー(800)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の光ディスク。
【請求項1】
光ディスク(126)のデータのない側(146)に基準パターン(300、700)を探索し(1302)、
前記基準パターン(300、700)をレーザスポット(308)で走査し(1304)、
前記走査に基づいて、前記レーザスポット(308)を前記光ディスク(126)上の半径方向の絶対位置に位置決めする(1306)
ように構成されたプロセッサ実行可能命令を備えることを特徴とする、プロセッサ可読媒体。
【請求項2】
前記走査することはさらに、
前記光ディスク(126)の回転時に前記レーザスポット(308)を前記基準パターン(300、700)上に誘導することと、
前記基準パターン(300、700)が前記レーザスポット(308)を横切るときに反射光を感知することと、
前記反射光から反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成することと
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項3】
前記位置決めすることはさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)のデューティサイクルを監視すること(1402)と、
前記デューティサイクルがしきい値範囲よりも大きい場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動すること(1404)と、
前記デューティサイクルが前記しきい値範囲よりも小さい場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動すること(1406)と
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項4】
前記位置決めすることはさらに、
第1の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第1の振幅を監視すること(1502)と、
第2の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第2の振幅を監視すること(1504)と、
前記第1の振幅と前記第2の振幅との差を求めること(1506)と、
前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きく、差が最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動すること(1508)と、
前記第2の振幅が前記第1の振幅よりも大きく、差が前記最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動すること(1510)と
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項5】
前記位置決めすることはさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)における振幅パルスの周波数を監視することと、
前記振幅パルスの位相を求めることと、
前記周波数および前記位相に基づいて、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動することと
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のプロセッサ可読媒体。
【請求項6】
トラックのない光ディスク面上での半径方向の基準位置を合わせる方法であって、
光ディスク(126)のトラックのない側(146)で基準パターン(300、700)を探索すること(1302)と、
前記基準パターン(300、700)をレーザ(308)で走査すること(1304)と、
前記走査に基づいて、前記レーザ(308)を前記光ディスク(126)上の半径方向の基準位置に位置決めすること(1306)と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
光ディスク装置(102)であって、
光ディスク(126)のデータのない側(146)で基準パターン(300、700)を探索する手段(1302)と、
前記基準パターン(300、700)をレーザスポット(308)で走査する手段(1304)と、
前記レーザスポット(308)を、前記走査に基づいて前記光ディスク(126)上の半径方向の絶対位置に位置決めする手段(1306)と
を備えることを特徴とする、光ディスク装置。
【請求項8】
光ディスク装置(102)であって、
前記光ディスクの回転時に前記レーザスポット(308)を前記基準パターン(300、700)上に誘導する手段と、
前記基準パターン(300、700)が前記レーザスポット(308)を横切るときに反射光を感知する手段と、
前記反射光から反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成する手段と
をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の光ディスク装置(102)。
【請求項9】
光ディスク装置(102)であって、前記位置決めする手段はさらに、
前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)のデューティサイクルを監視する手段と、
前記デューティサイクルがしきい値範囲よりも大きい場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動する手段と、
前記デューティサイクルが前記しきい値範囲よりも小さい場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動する手段と
を備えることを特徴とする、請求項8に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
光ディスク装置(102)であって、前記位置決めする手段はさらに、
第1の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第1の振幅を監視する手段(1502)と、
第2の監視周波数で前記反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)の第2の振幅を監視する手段(1504)と、
前記第1の振幅と前記第2の振幅との差を求める手段(1506)と、
前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きく、差が最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第1の半径方向の向きに移動する手段と、
前記第2の振幅が前記第1の振幅よりも大きく、差が前記最小しきい値を超える場合には、前記レーザスポット(308)を第2の半径方向の向きに移動する手段と
を備えることを特徴とする、請求項8に記載の光ディスク装置。
【請求項11】
光ディスク装置(102)であって、
レーザスポット(308)を光ディスク(126)に誘導するよう構成されているレーザ源(118)と、
前記レーザスポット(308)からの反射光に基づいて反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)を生成するよう構成されている光ピックアップユニット(120)と、
光ディスク(126)のデータのない側(146)の基準パターン(300、700)全部を前記レーザスポット(308)で走査し、前記光ピックアップユニット(120)からの反射率信号(400、500、600、804、1004、1104、1204)に基づいて前記レーザスポット(308)を半径方向の絶対位置に移動するよう構成されている、半径方向の位置決めドライバ(202)と
を備えることを特徴とする、光ディスク装置。
【請求項12】
光ディスク(126)であって、
データを記憶するよう構成されているデータ側(144)と、
ラベル付けするよう構成されている、データのない側(146)と、
前記データのない側(146)にある、反射率の低い領域と反射率の高い領域とを画定する基準パターン(300、700)と
を備えることを特徴とする光ディスク。
【請求項13】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(300、700)は、前記データのない側(146)の、
前記光ディスク(126)の最内径(304)と、
前記光ディスク(126)の最外径(302)と
からなる群から選択される少なくとも1つの場所に位置決めされることを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項14】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(300、700)は、前記反射率の低い領域と前記反射率の高い領域との間の斜めの境界を画定する山および谷の鋸歯状パターン(300)を備え、前記光ディスク(126)の半径は前記斜めの境界に沿って変化することを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項15】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(700)はさらに、
第1の行の反射率の低いバー(806、1000、1102、1200)と、
前記第1の行に隣接し、前記第1の行と180度位相がずれた、第2の行の反射率の低いバー(808、1002、1100、1202)と
を備えることを特徴とする、請求項12に記載の光ディスク。
【請求項16】
光ディスク(126)であって、前記基準パターン(700)はさらに、タイミング同期フィールド(800)を前記第1の行および前記第2の行の前に備え、前記タイミング同期フィールド(800)は、第3の行の反射率の低いバー(800)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の光ディスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2006−510158(P2006−510158A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571487(P2004−571487)
【出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/000973
【国際公開番号】WO2004/068194
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/000973
【国際公開番号】WO2004/068194
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】
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