説明

トリアゾロピリジンカルボキサミド誘導体およびトリアゾロピリミジンカルボキサミド誘導体、これらの調製、ならびにこれらの治療的使用

本発明は、一般式(I)


[式中、AおよびXは、互いに独立に、窒素原子またはCH基であり、Rは、(ハロゲン原子または(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基もしくはハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されている)アリール基またはヘテロアリール基であり、Rは、ハロゲン原子またはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基もしくはトリフルオロメトキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されているアリール基である。]のトリアゾロピリジンカルボキサミド誘導体およびトリアゾロピリミジンカルボキサミド誘導体、それらの調製法、ならびにそれらの治療的使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアゾロピリジンカルボキサミド誘導体およびトリアゾロピリミジンカルボキサミド誘導体、これらの調製、ならびにこれらの治療的使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の主題は、式(I)
【0003】
【化1】

[式中、
AおよびXは、互いに独立に、窒素原子またはCH基であり、
は、(ハロゲン原子または(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基もしくはハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されている)アリール基またはヘテロアリール基であり、
は、ハロゲン原子またはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基もしくはトリフルオロメトキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されているアリール基である。]
に対応する化合物である。
【0004】
式(I)の化合物は、1個または複数の不斉炭素原子を含んでいてもよい。したがって、それらは、鏡像体またはジアステレオ異性体の形態で存在してもよい。これらの鏡像体およびジアステレオ異性体、さらにラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0005】
式(I)の化合物は、塩基または酸との付加塩の形態で存在してもよい。このような付加塩は、本発明の一部である。
【0006】
これらの塩は、医薬として許容できる酸を用いて調製してもよいが、例えば式(I)の化合物を精製または単離するのに有用な他の酸の塩も本発明の一部である。
【0007】
また、式(I)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態、即ち1つもしくは複数の水分子とのまたは溶媒との結合形態または複合形態で存在してもよい。このような水和物および溶媒和物も本発明の一部である。
【0008】
本発明との関連において、
−「C」という用語は、tおよびzが1から7の値を取り得る場合、tからz個の炭素原子を含有し得る炭素系の鎖または環を意味することが意図されている。例えば、C1−3は、1から3個の炭素原子を含有する炭素系鎖を特徴づけることができる。
【0009】
−「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味することが意図されている。
【0010】
−「アルキル基」という用語は、直鎖または分枝の飽和脂肪族基を意味することが意図されている。例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。
【0011】
−「ハロアルキル基」という用語は、1個または複数の水素原子が、フッ素原子で置換されたアルキル基を意味することが意図されている。
【0012】
−「アルコキシ基」という用語は、アルキル基が上に定義したとおりである、−O−アルキル基を意味することが意図されている。
【0013】
−「ハロアルコキシ基」という用語は、1個または複数の水素原子が、ハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を意味することが意図されている。
【0014】
−「アリール基」という用語は、5から14個の間の炭素原子を含有する環状芳香族基を意味することが意図されている。アリール基の例として、フェニルまたはナフチルを挙げることができる。
【0015】
−「ヘテロアリール基」という用語は、5または6個の炭素原子を含み、1から4個のヘテロ原子(例えば窒素、酸素または硫黄)を含む芳香族複素環基を意味することが意図されている。ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジンまたはトリアジンを挙げることができる。
【0016】
以下に定義されている様々な基において、基A、X、RおよびRは、これらが定義されていない場合、上記と同じ定義を有する。
【0017】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、化合物の第1の群は、
Aが窒素原子であり、
XがCH基である、
化合物からなる。
【0018】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、化合物の第2の群は、
が、(ハロゲン原子または(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基もしくはハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されている)アリール基またはヘテロアリール基である、
化合物からなる。
【0019】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、化合物の第3の群は、
が、(ハロゲン原子で場合によって置換されている)フェニル基、フラン基、チオフェン基またはナフタレン基である、
化合物からなる。
【0020】
上に定義した群1から3の組合せも本発明の一部である。
【0021】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、以下の化合物を特に挙げることができる。
【0022】
−[5−(2−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−[5−(3−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−[5−(4−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−(5−フラン−3−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−(5−チオフェン−3−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−(5−ナフタレン−2−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
−(5−ナフタレン−1−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の本文において、「保護基Pg」という用語は、一方では合成中にヒドロキシルまたはアミン等の反応性官能基を保護すること、他方では合成の最後に無傷の反応性官能基を再生することを可能にする基を意味することが意図されている。保護基の例、さらに保護および脱保護の方法は、「Protective Groups in Organic Synthesis」Green等、第2版(John Wiley & Sons,Inc.、New York)、1991に示されている。
【0024】
以下の本文において、「脱離基」という用語は、一対の電子の離脱を伴って、不均一結合を破断することにより、分子から容易に開裂することができる基を意味することが意図されている。したがって、この基は、例えば置換反応中に別の基で容易に置き換えることができる。このような脱離基は、例えばハロゲンまたは活性ヒドロキシル基、例えばメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、トリフレート、アセテート等である。脱離基の例、さらにそれらの調製に関する言及は、「Advances in Organic Chemistry」J.March、第3版、Wiley Interscience、1985、310−316頁に示されている。
【0025】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、以下に続くスキーム1に例示されている方法に従って調製することができる。
【0026】
経路Aに従って、第1の段階では、一般式(II)(式中、Xは上に定義されたとおりである。)の化合物が、一般式(III)(式中、XおよびRは上に定義されたとおりである。)の化合物に変換される。変換は、パラジウム錯体により触媒される、それぞれ一般式(IV)または(V)[式中、Rは上に定義されたとおりであり、(OR”)はピナコール基である。]のボロン酸またはボロン酸エステルとの結合反応により行われる。
【0027】
第2の段階では、一般式(III)(式中、XおよびRは上に定義されたとおりである。)の化合物は、一般式(VII)の塩化カルバモイルとの反応により、一般式(VI)(式中、R、R、XおよびAは上に定義されたとおりである。)の化合物に変換される。反応は、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ペントキシド等の塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドン等の溶媒中で行われる。
【0028】
第3の段階では、一般式(VI)の化合物は、ニトロ基をアミノ基に還元することにより、一般式(VIII)(式中、R、A、RおよびXは上に定義されたとおりである。)の化合物に変換される。反応は、例えばパラジウム、白金またはニッケル、およびそれらの変形形態に基づく触媒の存在下での水素化等、文献に記載されているまたは当業者に公知である様々な方法で行ってもよい。
【0029】
第4の段階では、一般式(VIII)の化合物は、ジアゾ化/閉環反応により一般式(I)の化合物に変換される。反応は、溶媒、例えば水もしくはテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物中で、亜硝酸塩、例えば酸性媒体中の亜硝酸ナトリウムもしくは亜硝酸カリウム、亜硝酸イソアミルまたは亜硝酸tert−ブチルを用いて行うことができる。
【0030】
【化2】

【0031】
スキーム1の経路Bは、式(I)の化合物を調製する代替法を例示している。
【0032】
第1の段階では、一般式(II)の化合物は、上に定義したような一般式(VII)の塩化カルバモイルとの反応により、一般式(IX)の化合物に変換される。第2の段階では、一般式(IX)の化合物は、上に定義したような一般式(IV)または(V)のボロン酸またはボロン酸塩との反応により、一般式(VI)の化合物に変換される。続いて、一般式(VI)の化合物は、上に記載したような一般式(VIII)の化合物に変換され、次いで一般式(I)の化合物に変換される。
【0033】
一般式(II)、(IV)および(V)の化合物は、商業的に入手できる。一般式(VII)の塩化カルバモイルは、それらが商業的に入手できない場合、例えばホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンとの反応により、対応するアミンから開始する、文献に記載されているまたは当業者に公知である任意の方法で調製することができる。
【0034】
以下に続く実施例は、本発明のいくつかの化合物の調製を例示している。これらの実施例は、本発明を限定しているのではなく、単に例示している。微量分析、IRスペクトルおよびNMRスペクトル、ならびに/またはLC−MSでは、得られた化合物の構造および純度を確認する。融点(Mp)は、摂氏温度で示される。
【実施例1】
【0035】
(表の化合物No.3)
[5−(4−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン
1.1. 4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、(6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミド
経路B:
アルゴン雰囲気下で、油中の60%水素化ナトリウム0.55g(13.83mmol)を、氷浴で冷却したジメチルホルムアミド11ml中の2−アミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジン1g(5.76mmol)および4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−ピペラジンカルボニルクロリド[1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピペラジンおよびトリホスゲンから調製]2g(6.91mmol)の溶液に少量ずつ加える。反応媒体を、氷浴温度で15分間攪拌し続け、次いで周囲温度で2時間攪拌し続ける。該混合物を氷浴で冷却し、1M塩酸水溶液40mlを滴下する。酢酸エチル40mlを加え、混合物を15分間勢いよく攪拌する。得られた混合物を、1M水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより塩基性pHに調整する。有機相を沈殿させることにより分離し、水25mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液25mlで洗浄する。得られた生成物は、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾燥させる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの80:20、次いで60:40の混合物で溶出する。生成物1.54g(収率:62%)がオレンジ色のゴムの形態で得られる。
【0036】
H NMR(DMSO−d,δ ppm):8.65(d,1H)、7.40−7.75(m+d,4H)、7.35(d,1H)、3.90(m,4H)、3.50(m,4H)。
【0037】
1.2. 4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[6−(4−クロロフェニル)−3−ニトロピリジン−2−イル]アミド
経路B:
窒素雰囲気下で、段階1.1.(経路B)で得られた4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、(6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミド0.64g(1.50mmol)を、エタノール/トルエン/水(v/v:1/1/0.4)の予脱気混合物100ml中で4−クロロベンゼンボロン酸0.33g(2.1mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液1.87ml(3.75mmol)および塩化リチウム0.18g(4.26mmol)と混合する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.08g(0.07mmol)を加える。混合物を攪拌しながら90℃にて8時間加熱する。混合物を周囲温度まで冷却し、次いでジクロロメタン50mlおよび水25mlで希釈する。有機相を沈殿させることにより分離し、水25mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液25mlで洗浄する。得られた生成物は、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾燥させる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの80:20、次いで60:40の混合物で溶出する。生成物0.6g(収率:79%)が油の形態で得られる。
【0038】
H NMR(DMSO−d,δ ppm):8.55(d,1H)、8.30(d,2H)、8.00(d,1H)、7.80(d,2H)、7.80(m,1H)、7.60(m,1H)、7.40(m,2H)、7.20(m,1H)、3.8(m,4H)、3.50(m,4H)。
【0039】
経路A:代替的に、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[6−(4−クロロフェニル)−3−ニトロピリジン−2−イル]アミドは、以下のように調製できる。
【0040】
窒素雰囲気下で、2−アミノ−6−クロロ−3−ニトロピリジン1g(5.76mmol)を、エタノール/トルエン/水(v/v:1/1/0.4)の予脱気混合物44ml中で4−クロロベンゼンボロン酸1.26g(8.07mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液7.2ml(14.4mmol)および塩化リチウム0.7g(16.36mmol)と混合する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.34g(0.29mmol)を加える。混合物を攪拌しながら90℃で18時間加熱する。得られた混合物を周囲温度まで冷却し、次いでジクロロメタン50mlおよび水25mlで希釈する。有機相を沈殿させて分離し、水25mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液25mlで洗浄する。得られた生成物は硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥蒸発させる。該生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタンおよびシクロヘキサンの50:50、次いで80:20の混合物で溶出する。6−(4−クロロフェニル)−3−ニトロピリジン−2−イルアミン0.395g(収率:27%)が白色粉末の形態で得られる。
【0041】
LC−MS(m/z):250(MH+)
H NMR(DMSO−d,δ ppm):8.45(d,1H)、8.15(d,1H)、7.95(m,2H)、7.60(d,1H)、7.30(d,1H)、7.20(d,1H)。
【0042】
この生成物は、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[6−(4−クロロフェニル)−3−ニトロピリジン−2−イル]アミドを得るために段階1.1.で使用されている。
【0043】
1.3. 4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[3−アミノ−6−(4−クロロフェニル)ピリジン−2−イル]アミド
水素化フラスコ中、段階1.2(経路AまたはB)で得られた4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[6−(4−クロロフェニル)−3−ニトロピリジン−2−イル]アミド0.72g(1.44mmol)を、エタノール250mlおよび1M塩酸(1.44mmol)水溶液1.44mlの混合物中に溶解させる。木炭上の10%白金(0.72mmol)0.13gを加える。混合物を水素雰囲気下で、40Psi(2.5bar)の圧力にて2時間攪拌する。イソプロパノール中の5N塩酸溶液5mlを加え、混合物をセライトを介して濾過し、エタノールで洗浄する。赤色粉末の形態で生成物0.57g(収率:84%)が得られるように、濾液を蒸発させる。
【0044】
LC−MS(m/z):476(MH+)
H NMR(DMSO−d,δ ppm):7.90(d,2H)、7.65(d,2H)、7.50(m,3H)、7.35(m,1H)、7.20(m,2H)、7.00(m,1H)、3.60(m,4H)、3.25(m,4H)。
【0045】
1.4.[5−(4−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン
100mlの3つ首フラスコ中、段階1.3で得られた4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸、[3−アミノ−6−(4−クロロフェニル)ピリジン−2−イル]アミド0.55g(1.17mmol)を、氷浴中で冷却した、水5mlおよび37%塩酸水溶液5mlの混合物中に溶解させる。滴下漏斗を用いて、水4ml中に溶解させた亜硝酸ナトリウム0.24g(3.50mmol)を少量ずつ加える。混合物を0℃で2時間攪拌する。それを氷浴中で1時間放置し、次いで固体を濾過除去する。ベージュ色の固体が得られるように、水10mlで3回洗浄する。ベージュ色の固体を五酸化リンの存在下で真空乾燥する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの80:20、次いで60:40の混合物で溶出する。淡黄色の粉末の形態で生成物0.15g(収率:26%)が得られるように、得られた油をペンタンから結晶化する。
【0046】
融点(℃):139−141℃
LC−MS(m/z):487(MH+)
IR(KBr,cm−1):1718、1591
H NMR(DMSO−d,δ ppm):8.80(d,1H)、8.25(dd,3H)、7.60(d,2H)、7.45(t,1H)、7.25(d,1H)、7.20(s,1H)、7.10(d,1H)、3.30−4.00(m,8H)。
【0047】
以下に続く表1は、本発明による化合物のいくつかの例の化学構造および物理的性質を例示している。この表では、
−「塩」の行において、「−」は、遊離塩基の形態の化合物を表し、一方、「HCl」は塩酸の形態の化合物を表す。
【0048】
−Phはフェニル基を表す。
【0049】
【表1】

【0050】
本発明による化合物は、驚くべきことに、MGL(モノアシルグリセロールリパーゼ)酵素に対する阻害作用を示す。MGL酵素は、様々な脂肪酸のモノグリセリドエステルの内因性誘導体の加水分解(FEBS Letters、1998、429、152−156)、特に2−アラキドノイルグリセロール(2−AG)および1(3)−アラキドノイルグリセロール[1(3)−AG]の加水分解(J.Biol.Chem.1987、272(48)、27218−27223;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2002、99(16)、10819−10824;Biochem.Pharmacol.2004、67、1381−1387;Mol.Pharmacol.2004、66(5)、1260−1264)を触媒する。2−AG誘導体および1(3)−AG誘導体は特にカンナビノイド受容体と相互作用する(J.Biol.Chem.1999、274(5)、2794−2801;J.Biol.Chem.2000、275(1)、605−612;British J.Pharmacol.2001、134、664−672)。
【0051】
本発明の化合物は、分解経路をブロックし、これらの誘導体、特に2−AGおよび/または1(3)−AGの組織レベルを上昇させる。このため、これらは、特に2−AGおよび/もしくは1(3)−AG、ならびに/またはMGL酵素により代謝される任意の他の基質が関わる病的状態の予防および治療に使用できる(Progress Lipid Research 2006、45、405−446)。
【0052】
本発明による化合物は、FAAH(脂肪酸アミドヒドラーゼ)酵素に対する阻害作用もさらに有し得る。FAAH酵素(Chemistry and Physics of Lipids(2000)、108、107−121)は、N−アラキドノイルエタノールアミン(アナンドアミド)、N−パルミトイルエタノールアミン、N−オレオイルエタノールアミンまたはオレアミド等の、様々な脂肪酸のアミドおよびエステルの内因性誘導体の加水分解を触媒する。これらの誘導体は、とりわけカンナビノイド受容体およびバニロイド受容体と相互作用することにより様々な薬理活性を発揮する。
【0053】
本発明の化合物は、この分解経路を妨害し、これらの内因性物質の組織レベルを上昇させる。このため、これらは、FAAH酵素により代謝される内因性カンナビノイドおよび/または任意の他の基質が関わる病的状態の予防および治療に使用できる。
【0054】
試験は、MGL酵素上で本発明の化合物のインビトロ活性を測定することを含んでいた。
【0055】
阻害活性は、MGLにより2−オレオイルグリセロール([H]2−OG)の加水分解生成物を測定することに基づく放射酵素測定法で測定した。グリセロール上を標識された[H]2−OGの加水分解生成物は、オレイン酸および[H]グリセロールであり、MGL酵素源は、小脳および延髄が除去されたマウス脳ホモジェネートである。マウス脳を除去し、それらが使用されるまで−80℃で保存するまたは10mM Tris−HCl、150mM NaCl、1mM EDTAの緩衝液(pH8)中で4℃にて5000rpmのPrecelly装置(Bertin)を用いて5秒間の均質化を2回直ぐに行う。次いで、ホモジェネート濃度を7.5μg/μlに調整する。
【0056】
化合物の希釈系列を100%DMSO中の20mM原液から調製する。この系列の第1の希釈液を100%DMSO中で調製し、第2の希釈液を酵素反応緩衝液(50mMリン酸、0.1%BSA)中で調製すると、10倍濃縮の濃度範囲に調製される。マウス脳ホモジェネートの調製と共に、試験化合物を選択した濃度にて20分間プレインキュベートする。酵素反応においてDMSOの最終濃度は0.1%を超えない。
【0057】
MGL活性のアッセイは、最終反応容積100μlの96ウェルマイクロプレートで行われる。簡単に言えば、試験化合物と共にプレインキュベートしたタンパク質75μgを、0.1%BSAを含有する50mMリン酸緩衝液中で希釈し、[H]2−OG0.027μCi/ウェル(比放射能20Ci/mmol)の量を含有する2−OG50μMの存在下で周囲温度にて20分間インキュベートする。反応を停止し、形成された生成物を、クロロホルム/メタノール(1/1)100μlを加えて、混合することにより分離する。10分間攪拌した後、マイクロプレートを4000gにて15分間遠心分離し、生成した[H]グリセロールを含有する水相の一定分量30μlを除去し、次いで液体シンチレーション(Wallac 1450Microbeta)により5分間計数する。
【0058】
MGLに対する阻害活性は、MGL活性の50%を阻害する濃度により得られる。
【0059】
これらの条件下で、本発明の最も活性な化合物は、0.001から0.1μMの間のIC50(MGLの制御酵素活性の50%を阻害する濃度)を示す。
【0060】
例えば、化合物No.3およびNo.5は、各々0.002μMおよび0.007μMのIC50を示した。
【0061】
試験は、FAAH酵素上での本発明の化合物のインビトロ活性を測定することを含んでいた。
【0062】
阻害活性は、FAAHによりアナンドアミドの加水分解生成物(エタノールアミン[1−3H])を測定することに基づく放射酵素測定法で測定した(Life Science(1995)、56、1999−2005およびJournal of Phramacology and Experimented Therapeutics(1997)、283、729−734)。エタノールアミン上を標識化された[H]アナンドアミドの加水分解生成物は、アラキドン酸および[H]エタノールアミンであり、FAAH酵素源は、小脳および延髄が除去されたマウス脳ホモジェネートである。マウス脳を除去し、それらが使用されるまで−80℃で保存するまたは10mM Tris−HCl、150mM NaCl、1mM EDTAの緩衝液(pH8)中で4℃にて5000rpmのPrecelly装置(Bertin)を用いて5秒間の均質化を2回直ぐに行う。次いで、ホモジェネート濃度を20μg/μlに調製する。
【0063】
化合物の希釈系列を100%DMSO中の20mM原液から調製する。この系列の第1の希釈液を100%DMSO中で調製し、次いで第2の希釈液を酵素反応緩衝液[10mM Tris−HCl、150mM NaCl、1mM EDTA(pH8)、0.1%BSA]中で調製すると、10倍濃縮の濃度範囲に調製される。マウス脳ホモジェネートの調製と共に、試験化合物を選択した濃度にて20分間プレインキュベートする。酵素反応においてDMSOの最終濃度は0.1%を超えない。
【0064】
FAAH活性のアッセイは、最終反応容積70μlの96ウェルマイクロプレートで行われる。簡単に言えば、試験化合物と共にプレインキュベートしたマウス脳ホモジェネート200μgを、0.1%BSAを含有する10mMTris−HCl、150mM NaCl、1mM EDTA(pH8)中で希釈し、[H]−アナンドアミド0.01μCi/ウェル(比放射能60Ci/mmol)の量を含有するアナンドアミド10μMの存在下で周囲温度にて20分間インキュベートする。反応を停止し、形成された生成物を、クロロホルム/メタノール(2/1)140μlを加えて、混合することにより分離する。10分間攪拌した後、マイクロプレートを4000gにて15分間遠心分離し、生成した[H]エタノールアミンを含有する水相の一定分量30μlを除去し、次いで液体シンチレーション(Wallac 1450Microbeta)により5分間計数する。
【0065】
これらの条件下で、本発明の最も活性な化合物は、0.001から0.1μMの間のIC50(FAAHの制御酵素活性の50%を阻害する濃度)を示す。
【0066】
例えば、化合物No.3は、0.002μMのIC50を示した。
【0067】
したがって、本発明による化合物は、MGLに対して選択的であるまたはMGLおよびFAAHに対して混合される阻害活性を有すると思われる。
【0068】
したがって、本発明による化合物は、薬剤、特に、MGL酵素またはMGL酵素およびFAAH酵素を阻害する薬剤の調製に使用することができる。
【0069】
したがって、その態様の別のものによれば、本発明の主題は、式(I)の化合物、または式(I)の化合物の医薬として許容できる酸との付加塩、他には式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含む薬剤である。
【0070】
これらの薬剤は、治療法、特に以下のものの治療および予防における使用が判明している:
疼痛、特に急性または慢性の神経性疼痛;片頭痛、ヘルペスウイルスおよび糖尿病に伴う形態を含む神経障害性疼痛、
炎症性疾患に伴う急性または慢性の疼痛;関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、脊椎炎、通風、血管炎、クローン病、過敏性腸症候群、
急性または慢性の末梢性疼痛、
特に化学療法後のめまい、嘔吐、悪心、
摂食障害、特に様々な性質の拒食症および悪液質、
肥満を含む、メタボリックシンドロームおよびそれらの徴候、
アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患を含む、脂質異常症およびそれらの徴候、
神経学的および精神医学的に病的な状態;震え、運動障害、ジストニア、痙性、強迫性の挙動、トゥーレット症候群、任意の性質または起源の鬱病および不安神経症のすべての形態、気分障害、精神病、
急性および慢性の神経変性疾患;パーキンソン病、アルツハイマー病、老年性認知症、ハンチントンコレラ、脳虚血、ならびに頭蓋および脊髄の外傷に伴う病変、筋萎縮性側策硬化症、
てんかん、
睡眠時無呼吸を含む睡眠障害、
心血管疾患、特に高血圧症、心不整脈、アテローム性動脈硬化症、心臓発作、心虚血
腎虚血、
癌;良性の皮膚腫瘍、脳腫瘍および乳頭腫、前立腺腫瘍、脳腫瘍(膠芽細胞腫、隋様上皮腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、胚起源の腫瘍、星状細胞腫、星状芽細胞腫、上衣腫、希突起膠腫、脈絡叢腫瘍、神経上皮腫、骨端腫、上衣芽細胞腫、悪性髄膜腫、肉腫症、悪性メラノーマ、神経鞘腫)、
免疫系障害、特に自己免疫疾患;乾癬、紅斑性狼瘡、結合組織疾患または膠原病、シェーグレン症候群、強直性脊椎関節症、未分化脊椎関節炎、ベーチェット病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、筋萎縮性側策硬化症、アミロース、移植拒絶反応、形質細胞株に影響を与える疾患、
アレルギー性疾患;即時型または遅延型の過敏症、アレルギー性の鼻炎または結膜炎、接触皮膚炎、
寄生虫性、ウイルス性または細菌性の感染症:AIDS、髄膜炎、
炎症性疾患、特に関節疾患;関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、脊椎炎、通風、血管炎、クローン病、過敏性腸症候群、
骨粗しょう症、
眼症状;高眼圧症、緑内障、
肺疾患;気道疾患、気管支痙攣、咳、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性気道疾患、気腫、
消化器疾患;過敏性腸症候群、腸炎症性疾患、潰瘍、下痢、
尿失禁および膀胱炎。
【0071】
その態様の別のものによれば、本発明は、有効成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、有効量の少なくとも1種の本発明による化合物または前記化合物の医薬として許容できる塩、水和物もしくは溶媒和物と、少なくとも1つの医薬として許容できる賦形剤とを含有する。
【0072】
前記賦形剤は、医薬品形態および所望の投与方法に従って、当業者に公知である通常の賦形剤から選択される。
【0073】
経口投与、舌下投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、局所投与、局部投与、気管内投与、鼻腔内投与、経皮投与または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の有効成分またはそれらの可能性のある塩、溶媒和物もしくは水和物は、単位投与形態で、従来の医薬賦形剤との混合物として、上記の障害または疾患の予防または治療のために動物およびヒトに投与することができる。
【0074】
適当な単位投与形態は、錠剤、ソフトゲルカプセルもしくはハードゲルカプセル、粉末、顆粒および経口溶液もしくは経口懸濁液等の経口形態、舌下投与、口腔投与、気管内投与、眼内投与および鼻腔内投与の形態、吸入投与、局所投与、経皮投与、皮下投与、筋肉内投与もしくは静脈内投与の形態により投与するための形態、直腸投与形態、ならびにインプラントを含む。局所適用については、本発明による化合物は、クリーム、ゲル、軟膏またはローションに使用できる。
【0075】
例として、錠剤の形態での本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含むことができる:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg。
【0076】
その態様の別のものによれば、本発明は、有効量の本発明による化合物、またはそれらの医薬として許容できる塩、水和物もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、上記に示した病的状態を治療する方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態、さらに水和物または溶媒和物の形態の、式(I)
【化1】

[式中、
AおよびXは、互いに独立に、窒素原子またはCH基であり、
は、(ハロゲン原子または(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基もしくはハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されている)アリール基またはヘテロアリール基であり、
は、ハロゲン原子またはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基もしくはトリフルオロメトキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されているアリール基である。]
に対応する化合物。
【請求項2】
Aが窒素原子であり、
XがCH基である、
ことを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態、さらに水和物または溶媒和物の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
が、(ハロゲン原子または(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基もしくはハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1個または複数の基で場合によって置換されている)アリール基またはヘテロアリール基であることを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態、さらに水和物または溶媒和物の形態の、請求項1および2のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が、(ハロゲン原子で場合によって置換されている)フェニル基、フラン基、チオフェン基またはナフタレン基であることを特徴とする、塩基または酸との付加塩の形態、さらに水和物または溶媒和物の形態の、請求項1から3の一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
以下のものから選択されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の式(I)の化合物
[5−(2−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
[5−(3−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
[5−(4−クロロフェニル)[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル][4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(5−フラン−3−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(5−チオフェン−3−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(5−ナフタレン−2−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(5−ナフタレン−1−イル[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]メタノン。
【請求項6】
一般式(VIII)
【化2】

[式中、R、R、XおよびAが請求項1に記載の式(I)に定義されたとおりである。]
の化合物が、亜硝酸の作用下で、ジアゾ化/閉環反応により一般式(I)の化合物に変換されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物の医薬として許容できる酸との付加塩、または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする薬剤。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物の医薬として許容できる塩、水和物もしくは溶媒和物と、少なくとも1種の医薬として許容できる賦形剤も含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項9】
内因性2−アラキドノイルグリセロール(2−AG)および内因性1(3)−アラキドノイルグリセロール、ならびに/またはMGL酵素により代謝される任意の他の基質が関わる病的状態の治療および予防において使用する薬剤を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
内因性アナンドアミドおよび/またはFAAH酵素により代謝される任意の他の基質が関わる病的状態の治療および予防において使用する薬剤を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
急性または慢性の疼痛、めまい、嘔吐、悪心、摂食障害、メタボリックシンドローム、脂質異常症、神経学的および精神医学的に病的な状態、急性または慢性の神経変性疾患、てんかん、睡眠障害、心血管疾患、腎虚血、癌、免疫系障害、アレルギー性疾患、寄生虫性、ウイルス性または細菌性の感染症、炎症性疾患、骨粗しょう症、眼症状、肺疾患、消化器疾患、尿失禁および膀胱炎を予防または治療するために使用する薬剤を調製するための、医薬として許容できる塩基、水和物または溶媒和物の形態の、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
急性または慢性の疼痛、めまい、嘔吐、悪心、摂食障害、メタボリックシンドローム、脂質異常症、神経学的および精神医学的に病的な状態、急性または慢性の神経変性疾患、てんかん、睡眠障害、心血管疾患、腎虚血、癌、免疫系障害、アレルギー性疾患、寄生虫性、ウイルス性または細菌性の感染症、炎症性疾患、骨粗しょう症、眼症状、肺疾患、消化器疾患、尿失禁および膀胱炎の予防または治療のための、医薬として許容できる塩基、水和物または溶媒和物の形態の、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。

【公表番号】特表2010−524908(P2010−524908A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503551(P2010−503551)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000536
【国際公開番号】WO2008/145843
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】