説明

トリフルオロメタンスルフィン酸塩の調製方法

本発明は、「トリフリニン酸」と呼ばれるトリフルオロメタンスルフィン酸の塩の調製方法に関する。より具体的には、本発明は、高純度のトリフリニン酸塩の調製方法に関する。高純度のトリフリニン酸塩を調製するための本発明の方法は、トリフルオロ酢酸塩およびトリフリニン酸塩を調製する方法に由来する塩不純物と一緒になった後者を含む水性混合物から出発し、前記混合物を、以下の操作:すなわち、−トリフルオロ酢酸塩が、本質的に、これの酸形態で放出され、トリフリニン酸の大部分が、塩化形態にとどまるような第1の制御された酸性化、−酸性化および水相の回収のために使用された酸に由来する塩の場合による分離、−トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相からトリフルオロ酢酸を分離し、これによりトリフルオロ酢酸は乏しいがトリフリニン酸のアルカリ塩を含む水相をもたらすこと、−水相からのトリフリニン酸のアルカリ塩の回収にかけることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、トリフルオロメタンスルフィン酸塩の調製方法である。
【0002】
本発明は、高純度のトリフルオロメタンスルフィン酸塩、より特定すればトリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩の調製を対象としている。
【背景技術】
【0003】
「トリフリニン酸(triflinic acid)」として一般的に知られているトリフルオロメタンスルフィン酸、またはこの塩化形態は、多数の分野(植物防疫、医薬品など)において使用される製品である。
【0004】
EP0735023に記載されている前記酸の合成経路の1つは、有機または無機陽イオンによって少なくとも部分的に塩化されたトリフルオロ酢酸を、二酸化硫黄と極性有機溶媒中で反応させ、得られる混合物を、100℃から200℃の間の温度で、30分から20時間の間、加熱することにある。
【0005】
トリフルオロ酢酸および二酸化硫黄の相対量は、トリフルオロ酢酸の1モル当たりの硫黄原子の数の比が、1から10の間、有利には2の近傍となるような量である。
【0006】
反応の終わりにおいて、トリフルオロ酢酸、塩化形態の、好ましくはアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩の形態のトリフリニン酸、および有機溶媒が得られる。
【0007】
フッ化物または一般的にアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩の形態の硫酸塩も、反応の間に副生成される。形成されるこれらの塩は、以下の本明細書において「塩不純物」として識別される。
【0008】
水を添加して希釈し、次いで、極性有機溶媒を、好適な有機溶媒、例えば塩素化脂肪族炭化水素で抽出する。
【0009】
有機相および水相を分離する。
【0010】
−5から35重量%のトリフリニン酸塩、好ましくはアルカリ金属塩、
−5から35重量%のトリフルオロ酢酸塩、好ましくはアルカリ金属塩、
−0.5から2重量%の塩不純物
を含む10から40重量%の固体含有量を有する水溶液が一般的に得られる。
【0011】
前記水溶液は、好ましくは、15から20重量%のトリフリニン酸塩、10から15重量%のトリフルオロ酢酸塩および0.5から2重量%の塩不純物を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0735023号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、トリフルオロ酢酸塩およびトリフリニン酸塩の調製の過程に由来する塩不純物と一緒にトリフリニン酸塩を含む水相から出発して、高純度のトリフリニン酸塩を提供することである。
【0014】
「高純度」という用語は、本明細書において、90%以上、好ましくは95%以上の純度を有するトリフリニン酸塩を意味するものと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の主題は、トリフルオロ酢酸塩およびトリフリニン酸塩の調製の過程に由来する塩不純物と一緒にトリフリニン酸塩を含む水性混合物から出発し、前記混合物が、以下の操作:
−本質的に、トリフルオロ酢酸の塩が、この酸形態で放出され、トリフリニン酸の大部分が、塩化形態にとどまるように制御される第1の酸性化、
−酸性化および水相の回収のために使用された酸に由来する塩の場合による分離、
−トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相からトリフルオロ酢酸を分離し、次いでトリフルオロ酢酸は乏しいがトリフリニン酸のアルカリ金属塩を含む水相をもたらすこと、
−水相からのトリフリニン酸のアルカリ金属塩の回収
にかけられることを特徴とする、高純度のトリフリニン酸塩の調製方法である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態によれば、トリフルオロ酢酸のトリフリニン酸と同時の分離は、トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相の、形成される有機酸(トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸)を抽出し得る有機溶媒を用いる処理、次いで有機相および水相の分離によって実施し得る。
【0017】
本発明の方法の別の代替形態によれば、トリフルオロ酢酸が、トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む水相から蒸留によって分離される。
【0018】
本発明の方法は、トリフルオロ酢酸の塩は、本質的に、トリフルオロ酢酸の塩が、酸形態に変換され、トリフリニン酸の大部分が、塩化形態にとどまるように、これらを含む水性混合物の制御された酸性化を実施することによって、トリフリニン酸の塩から分離されるという事実に基づく。
【0019】
本発明の方法によれば、出発水性混合物の制御された酸性化は、第1の段階において実施される。
【0020】
酸性化は、1以下のpKを有する強酸を用いて実施される。
【0021】
pKは、水が溶媒として使用される場合に酸塩基対のイオン解離定数として定義される。
【0022】
有利には酸化性を示さない強酸が選択される。したがって、硝酸は好まれない。硫酸、塩酸またはリン酸が、より好ましくは用いられる。
【0023】
硫酸が好ましく選択される。
【0024】
使用される強酸の量は、Hイオンとして表される酸のモル数の、トリフルオロ酢酸塩のモル数に対する比が、1から3の間で、好ましくは1と2の間で変化するような量である。
【0025】
強酸の濃厚溶液が、有利に用いられる。
【0026】
より特定すれば酸の商用形態が使用される。
【0027】
特に、95または98重量%の硫酸溶液、37重量%の塩酸溶液または95−100重量%のリン酸溶液に言及し得る。
【0028】
気体形態の塩酸または(その濃度が、10から60重量%の間で変わり得る三酸化硫黄SOを満たした硫酸に相当する)発煙硫酸も使用し得る。20、40または60重量%のSOを含む発煙硫酸が市販されている。
【0029】
酸性化操作は、有利には、0℃から60℃の間、好ましくは0℃から10℃の間の温度で実施される。
【0030】
酸処理の終わりに、トリフリニン酸の塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸、過剰な強酸、酸性化の後に形成された塩および塩不純物に対応する酸形態を含む水溶液または懸濁液を回収する。
【0031】
一般的に、この懸濁液は、10から20重量%のトリフリニン酸の塩、5から20重量%のトリフルオロ酢酸および30から80%の水を含む。
【0032】
本発明の代替形態によれば、得られる水溶液または懸濁液に、フッ化水素酸を捕捉し得る化合物、例えばホウ酸またはシリカを、例えば1重量%の含有量で、添加することが可能である。
【0033】
有機酸の抽出を実施する前に、必須ではないが、通常の固体/液体分離技術による、好ましくは濾過による水性懸濁液中に存在する固体(塩、シリカなど)の分離を実施することが可能である。
【0034】
本発明の方法の第1の代替形態によれば、トリフルオロ酢酸は、有機溶媒を使用する液体/液体抽出によってトリフリニン酸と同時に分離される。
【0035】
この目的を達成するために、トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む、得られた分離された水相が、形成される有機酸(トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸)を有機相中に抽出するために、遊離電子対を有する原子を示す有機溶媒を用いて処理される。
【0036】
このような溶媒の例としてアミンまたはエーテルタイプの溶媒に言及し得る。
【0037】
アミンタイプの溶媒の好ましい例は、2から20個の炭素原子を有するアミンであり、非常に特には、エチルアミン、プロピルアミンもしくはイソプロピルアミンなどの1級アミン、またはトリエチルアミンもしくはTDA−1の名称で市販されているトリス(3,6−ジオキサヘプチル)アミンなどの三級アミンに言及し得る。
【0038】
本発明の方法に適したエーテルタイプの溶媒に関して、脂肪族エーテル、脂環式エーテルまたは芳香族エーテル、より特定すればメチルtert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(すなわち1,2−ジメトキシエタン)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(すなわち1,5−ジメトキシ−3−オキサペンタン)、アニソール、ベラトロールまたは環式エーテル、例えばジオキサンまたはテトラヒドロフランに特に言及し得る。
【0039】
好ましい溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルである。
【0040】
使用される溶媒の量は、一般的に、水相の重量の100から1000%、好ましくは100から500%に相当する。
【0041】
抽出の終わりに、2つの相:すなわちトリフリニン酸の塩および場合によって酸性化後に形成される塩(例えば、硫酸が、酸性化用に使用される場合にKHSO4)を含む水相、ならびに有機溶媒、形成される有機酸および場合によって酸性化に使用される過剰な酸を含む有機相が得られる。
【0042】
次の段階において、水相および有機相が、通常の沈殿または遠心分離技術によって分離され、トリフリニン酸のアルカリ金属塩が、分離された水相から回収される。
【0043】
本発明の方法の第2の代替形態によれば、トリフルオロ酢酸が、分離された水相から蒸留によって分離される。
【0044】
トリフリニン酸の塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸、過剰な強酸、酸性化後に形成される塩および塩不純物に対応する酸形態を含む上述の水相が、蒸留塔に導入され、トリフルオロ酢酸および場合によって水が、蒸留トップにおいて回収され、過剰な強酸、強酸の塩、特に酸性化に由来する塩、および水を伴うトリフリニン酸が、蒸留ボトムにおいて回収される。
【0045】
蒸留は、60℃から90℃の間のリボイラー中の温度で、700mbarから10mbarの範囲の圧力下で実施される。
【0046】
これは、通常の蒸留装置で実施される。
【0047】
当業者は、分離すべき化合物に応じて使用すべき手段を完全に選択することができる。
【0048】
以下は簡単な確認である。蒸留塔のサイズ(特に直径)は、循環流れおよび内部圧力によって決まる。したがって、これらは、主に処理すべき混合物の流速に応じて設計される。理論的な段階の数である内部パラメーターは、特に出発化合物の純度および蒸留トップにおいて得られる必要のある生成物の純度によって決定される。
【0049】
カラムは、当業者に完全に知られているように、無差別に、プレートでまたは積層充填物で充填し得ることは明記される。
【0050】
プラントが設置されると、当業者は、カラムの操作パラメーターを調節する。
【0051】
したがって、蒸留塔は、有利には、しかし限定的でなく、次の仕様:
−理論的な段階の数:1から10、好ましくは1から5、
−1から20の間、好ましくは5から10の間の還流比R
を有するカラムであってよい。
【0052】
トリフリニン酸の塩を含む蒸留濃縮物は、カラムボトムにおいて回収され、場合によって水を伴うトリフルオロ酢酸からなる気相は、カラムトップにおいて回収される。
【0053】
気相は、冷却され、例えば、−20℃から20℃の間、好ましくは−10℃から10℃の間の温度に冷却することによって液体形態に変換される。
【0054】
この操作は、通常の装置、例えば選択される冷却温度の近傍の温度に維持される水または流体が供給される管熱交換器である凝縮器を通過することによって実施される。
【0055】
分離すべき化合物によってもたらされる腐食に耐え得る装置が、蒸留操作の実施で有利に選択される。
【0056】
この目的を達成するために、有利には琺瑯鋼である材料が選択される。
【0057】
トリフリニン酸のアルカリ金属塩および塩不純物を含む蒸留濃縮物が回収される。
【0058】
液体/液体抽出後に得られる水相中または蒸留濃縮物中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩は、様々な代替実施形態によって回収し得る。
【0059】
本発明の第1の実施形態によれば、液体/液体抽出後に得られる水相中または蒸留濃縮物中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩は、これらを以下の操作:
−トリフリニン酸の塩がこの酸形態で放出されるような回収された相の第2の酸性化、
−トリフリニン酸を抽出し得る有機溶媒を使用する、本質的にトリフリニン酸を含む分離された水相の処理、
−有機相および水相の分離、
−トリフリニン酸の塩が水相中に集められるような、塩基性水溶液を使用する有機相の処理、
−蒸留による水の除去および有機溶液中のトリフリニン酸の塩を得るための有機溶媒による置換、
−非溶媒の使用または結晶化によるトリフリニン酸の塩の沈殿、
−前記塩の分離および回収
にかけることによって回収される。
【0060】
集められた水相は、はるかにより大量の酸が使用されるという違いを除いて上に記載された第2の酸処理にかけられる。こうして、トリフリニン酸の塩がこの酸形態で放出される。
【0061】
使用される強酸の量は、Hイオンとして表される、酸のモル数の、トリフリニン酸の塩のモル数に対する比が、1から10の間、好ましくは2から4の間で変化するような量である。
【0062】
次の段階において、トリフリニン酸が、有機溶媒を用いて抽出される。上に記載された塩基性有機溶媒が、好ましく用いられる。好ましくは、エーテルタイプの溶媒、より好ましくは、さらにメチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたはベラトロールが選択される。
【0063】
抽出の終わりに、2つの相:すなわち、酸性化後に形成される塩を含む水相、ならびに有機溶媒、トリフリニン酸および残余の強酸を含む有機相が得られる。
【0064】
次の段階において、水相および有機相が、通常の沈殿または遠心分離技術によって分離される。
【0065】
集められた有機相は、得られたトリフリニン酸を塩化するために塩基性処理にかけられる。
【0066】
この目的を達成するために、市販の塩基性溶液が好ましく用いられる。例として、有利には10から50重量%の濃度を有する、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液に言及し得る。
【0067】
添加される塩基の量は、5から9の間、好ましくは7の近傍のpHが得られるような量である。
【0068】
塩基性処理の終わりに、2つの相:すなわち、トリフリニン酸の塩を含む水相、および有機溶媒を含む有機相が得られる。
【0069】
次の段階において、水相および有機相が、通常の沈殿または遠心分離技術によって分離される。
【0070】
分離された水相は、蒸留トップにおいて水を除去し、蒸留ボトムにおいて、本質的にトリフリニン酸の塩および2から10重量%未満の水を集めることを可能にする蒸留操作にかけられる。
【0071】
この目的を達成するために、蒸留は、安全の理由で、90℃未満に維持されるリボイラー温度で実施される。
【0072】
蒸留は、好ましくは、60℃から90℃の間のリボイラー中の温度で、1mbarから600mbarの間の圧力下で実施される。
【0073】
次の段階において、水の痕跡が、有機溶媒を使用する蒸留濃縮物の処理によって除去される。
【0074】
2つの要求によって溶媒の選択が決定される。これは、水と混和性である、すなわち、水と均一な混合物を形成しなければならず、これは、得られるトリフリニン酸の塩も溶解しなければならない。
【0075】
特に、これらの要求に合致する有機溶媒の例として、アルコールタイプの溶媒に言及し得る。
【0076】
低炭素縮合(low carbon condensation)、好ましくは6個未満の炭素原子、より好ましくは、さらに4個未満の炭素原子を有するアルコールを用いることが好ましい。
【0077】
本発明の実施のために適するアルコールのより具体的な例として、とりわけ、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールまたはジベンジルアルコールに言及し得る。
【0078】
イソプロパノールは、好ましく使用されるアルコールである。
【0079】
使用し得る他の溶媒として、例えば、メチルイソブチルケトン、もしくはメチルエチルケトンなどのケトンタイプの溶媒、または、例えば、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステルタイプの溶媒に言及し得る。
【0080】
溶媒、トリフリニン酸の塩および水を含む単一相が得られる。
【0081】
濾過を、有機溶媒によって抽出される酸性化に使用された強酸に由来する不溶性の塩が存在する場合に、場合によって実施し得る。
【0082】
トリフリニン酸の塩は、溶媒、トリフリニン酸の塩および水を含む相から、2つの好ましい実施形態:すなわち、非溶媒を使用する前記相の処理による沈殿によってまたは結晶化によってのいずれかによって回収される。
【0083】
第1の実施形態によれば、トリフリニン酸の塩を、非溶媒を使用する得られた相の処理によって沈殿させる。
【0084】
非溶媒の例として、特に、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素、より特定すればヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテルタイプの石油留分;特にトルエン、キシレン、クメン、メシチレンなどの芳香族炭化水素またはアルキル−ベンゼンの混合物からなる石油留分、特にSolvessoタイプの石油留分に言及し得る。
【0085】
ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素に関して、より特定すれば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼンまたはジクロロベンゼンに言及し得る。
【0086】
トリフリニン酸の塩が、好ましくは濾過によって分離され、アルコールタイプの溶媒および非溶媒を含む有機相が回収される。
【0087】
上に定義された非溶媒を使用して実施される1回または複数回の洗浄操作が、場合によって実施される。
【0088】
乾燥は、有利には20℃から80℃の間、好ましくは30℃から50℃の間の温度で場合によって実施される。
【0089】
乾燥は、好ましくは、0.1から200mbarの間で、好ましく選択される減圧下で実施される。
【0090】
乾燥は、窒素または希ガス、例えばアルゴンなどの不活性ガスの制御された雰囲気下で実施される。
【0091】
トリフリニン酸の精製された塩が得られる。
【0092】
本発明の他の実施形態によれば、トリフリニン酸の塩は、溶媒、トリフリニン酸の塩および水を含む相から結晶化によって回収される。
【0093】
この目的を達成するために、これを、例えば0℃から40℃の間で前記相の冷却を実施することによって結晶化する。
【0094】
トリフリニン酸の結晶化した塩を、好ましくは濾過によって分離し、上に記載のように乾燥する。
【0095】
本発明の第2の実施形態によれば、水相中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩は、水相を以下の操作:
−分離された水相の濃縮、
−トリフリニン酸の塩を抽出し得る有機溶媒を使用する、本質的に、トリフリニン酸の塩、酸性化後に形成された塩および塩不純物に対応する酸形態を含む分離された水相の処理、
−懸濁された塩の分離、
−有機相および水相の分離、
−分離された有機相からのトリフリニン酸の塩の回収
にかけることによって回収される。
【0096】
有機相および水相の分離後に集められるトリフリニン酸の塩を含む水相は、濃縮操作にかけられる。
【0097】
本発明の方法の1つの特徴によれば、反応媒体を、2から30%の間、好ましくは5から20%の間の水が、得られる濃縮された溶液中に存在するように、トリフリニン酸の塩の濃度を増すように濃縮し得る。
【0098】
反応媒体を濃縮するための別の実施形態は、反応媒体中に塩化形態のトリフリニン酸の所望の濃度を達成するために水の一部の量の蒸留を実施することにある。
【0099】
蒸留は、大気圧で100℃の温度で実施し得る。
【0100】
蒸留は、大気圧をわずかに下回る圧力下で、例えば5mbarから600mbarの間で、100℃未満の温度でも実施し得る。一般に、圧力は、40℃から90℃の間にある蒸留温度を有するために選択される。
【0101】
別の実施形態は、流体、例えば蒸気または不活性ガス、とりわけ窒素の噴射による飛沫同伴を実施することにある。
【0102】
実用上の見地から、上記の濃縮操作および蒸留操作は、蒸発器で実施し得る。市販されているものを使用することができ、とりわけ、LUWA(登録商標)タイプのワイプドフィルムエバポレーターまたはフォーリングフィルムエバポレーターに言及することができる。
【0103】
本発明は、限外濾過または逆浸透などの他の濃縮技術の使用を排除しない。
【0104】
次の段階では、トリフリニン酸の塩が、有機溶媒を使用して抽出される。水に不溶性または部分的に溶解性(例えば、5重量%未満)である極性非プロトン性有機溶媒が、好ましくは用いられる。
【0105】
好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールもしくはジベンジルアルコールなどのアルコールタイプの溶媒、またはメチルイソブチルケトンもしくはメチルエチルケトンなどのケトンタイプの溶媒、またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルもしくはイソアミルアセテートなどのエステルタイプの溶媒が選択される。溶媒のこのリストは、決して制限的なものではない。
【0106】
抽出の終わりに、本質的にトリフリニン酸の塩を含む有機相、ならびに酸性化後に形成される塩および塩不純物に対応する酸形態を含む水相が得られる。
【0107】
水相および有機相が分離される。
【0108】
有機相は、トリフリニン酸の塩が沈殿するように有機溶媒の蒸発によって濃縮される。
【0109】
この目的を達成するために、得られる有機溶液を、90℃未満、好ましくは30℃から60℃の温度にする。
【0110】
この溶液を周囲温度に冷却すると、トリフリニン酸の塩が沈殿する。
【0111】
トリフリニン酸の塩は、通常の固体/液体分離技術によって、好ましくは濾過によって分離される。
【0112】
アルコール、ケトンもしくはエステルタイプの上で使用された溶媒を用いて、または上に挙げられたものから選択し得る非溶媒を用いて実施される1回または複数回の洗浄操作を実施し得る。
【0113】
次の段階では、得られるトリフリニン酸の塩を、本発明の第1の代替実施形態のために上に示されたように実施し得る乾燥操作にかけることができる。
【0114】
トリフリニン酸の塩が純粋な形態で得られる。
【0115】
本発明の第3の実施形態によれば、水相中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩は、この水相を以下の操作:
−トリフリニン酸のアルカリ金属塩を含む水相中に存在する水の除去、
−トリフリニン酸の塩を溶解するための有機溶媒の添加、
−分離された有機相からのトリフリニン酸の塩の回収
にかけることによって回収される。
【0116】
この実施形態によれば、水は、100℃の温度で、または大気圧を下回る圧力が選択される場合、より低い温度で実施される水の簡単な蒸留によって除去することができるが、水と共沸混合物を形成することができ、同様にトリフリニン酸の塩を溶解することができる溶媒の使用による共沸蒸留によって水を除去することが好ましい。
【0117】
完全に適切な溶媒として、特に、アルコールタイプの溶媒、より特定すればメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールまたはジベンジルアルコールに言及し得る。ブタノールが、これらのアルコールの中では好ましい。
【0118】
蒸留は、一般的に、40℃から70℃の間のリボイラー中の温度で、1barを下回り10mbarを上回る、好ましくは15mbarから400mbarの間の減圧下で有利に実施される。
【0119】
蒸留の終わりに、有機溶媒中に溶解されたトリフリニン酸の塩は、蒸留ボトムにおいて回収される。
【0120】
前記塩は、上記のように、例えば非溶媒の添加による沈殿によって、またはより簡単に冷却による結晶化によって回収される。
【0121】
トリフリニン酸の塩は、通常の固体/液体分離技術によって、好ましくは濾過によって分離される。
【0122】
これを上記の乾燥操作にかけることができる。
【0123】
トリフリニン酸の塩が純粋な形態で得られる。
【0124】
本発明の方法は、これが、90%以上、好ましくは95%以上、優先的には95から98%の間の高純度を有するトリフリニン酸の塩をもたらすので極めて有利である。
【0125】
本発明の実施例が、例示の目的で性質を制限することなく以下に与えられる。
【実施例1】
【0126】
16重量%のトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムを含み15重量%のトリフルオロ酢酸カリウムを含む水溶液(1.7kg)を、中心撹拌機を備え窒素雰囲気下に維持されたジャケット付きガラス反応器に装入する。
【0127】
濃縮された96%硫酸(163g)を、反応塊の温度を10℃未満に維持しながら添加する。
【0128】
沈殿が現れ、この沈殿は濾過によって容易に除去される。
【0129】
こうして、1750gの水溶液が得られた。
【0130】
水相の4回の液体/液体抽出を、4430gのメチルtert−ブチルエーテルを用いて実施する。
【0131】
得られる有機相を廃棄し、残りの水相(1440g)を375gの濃縮された96%硫酸で酸性化する。
【0132】
水相を1720gのメチルtert−ブチルエーテルで3回抽出する。
【0133】
有機相を合わせ(W=1560g)、残余の水相(W=1538g)を廃棄した。
【0134】
前述の有機溶液を、0℃において138gの濃縮された50重量%の水酸化カリウム溶液を用いて中和する。
【0135】
中和の終わりでは、水相は、ほぼ中性である。
【0136】
こうして、456gの水溶液が得られた。
【0137】
この溶液を、241gの水を除去するように20mbarの減圧下および約50℃の温度で濃縮した。
【0138】
イソプロパノールを添加(320g)し、蒸留を521gの有機溶液が得られるまで同一条件下に維持した。
【0139】
この有機溶液を1100gの無水トルエンに注ぐ。
【0140】
沈殿した固体を、濾過により単離し、10mbarの減圧下で50℃で乾燥する。
【0141】
97%の純度を有する184gのトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが得られた。
【実施例2】
【0142】
16重量%のトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムおよび15重量%のトリフルオロ酢酸カリウムを含む水溶液(1.7kg)を反応器に装入する。
【0143】
濃縮された96%硫酸(163g)を、反応塊の温度を10℃未満に維持しながら添加する。
【0144】
沈殿が現れ、この沈殿は濾過によって容易に除去される。
【0145】
こうして、1750gの水溶液が得られた。
【0146】
この水相の4回の液体/液体抽出を、4430gのメチルtert−ブチルエーテルを用いて実施する。
【0147】
得られた有機相を廃棄し、残りの水相(1440g)を、375gの濃縮された96%硫酸を用いて酸性化した。
【0148】
この水相を、186gの水を留去するように3mbarの減圧下および45℃の温度で濃縮した。
【0149】
得られた濃縮された水溶液(W=353g)を、630gのイソプロピルアルコール中に希釈する。
【0150】
沈殿が形成され、この沈殿は濾過によって除去される。
【0151】
こうして、778gの均一な有機溶液が得られた。
【0152】
この溶液を、230gのイソプロピルアルコールを留去するように20mbarの減圧下および40℃の温度で濃縮した。
【0153】
濃縮後、この有機溶液を、910gのトルエンに注ぎ、これによってトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの沈殿がもたらされる。
【0154】
固体を濾過によって単離し、50℃において10mbarの減圧下で乾燥する。
【0155】
175gの96%の純度を有するトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが得られた。
【実施例3】
【0156】
16重量%のトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムおよび15重量%のトリフルオロ酢酸カリウムを含む水溶液(1.7kg)を反応器に装入する。
【0157】
濃縮された96%硫酸(163g)を、反応塊の温度を10℃未満に維持しながら添加する。
【0158】
沈殿が現れ、この沈殿は、濾過によって容易に除去される。
【0159】
こうして、1750gの水溶液が得られた。
【0160】
この水相の4回の液体/液体抽出を、4430gのメチルtert−ブチルエーテルを用いて実施する。
【0161】
得られた有機層を廃棄し、残りの水相(1440g)を、375gの濃縮された96%硫酸を用いて酸性化した。
【0162】
この水相を、186gの水を留去するように3mbarの減圧下および45℃の温度で濃縮した。
【0163】
得られた濃縮された水溶液(W=353g)を、630gのイソプロピルアルコール中に希釈した。
【0164】
沈殿が形成され、この沈殿は濾過によって除去される。
【0165】
こうして、785gの均一な有機溶液が得られた。
【0166】
この溶液を、291gの濃縮された有機溶液を得るように20mbarの圧力下および40℃の温度で濃縮した。
【0167】
温度を周囲温度に下げると固体が結晶化する。
【0168】
後者を濾過によって単離し、45℃において2mbarの圧力下で乾燥する。
【0169】
133gの96%の純度を有する乾燥したトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが得られた。
【実施例4】
【0170】
16重量%のトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムおよび15重量%のトリフルオロ酢酸カリウムを含む水溶液(100g)を反応器に装入する。
【0171】
硫酸(9.5g、0.09mol)を、温度を10℃に維持しながら添加する。
【0172】
固体が現れ、後者は濾過によって取り出される。
【0173】
14.6gの固体および90.4gの濾液が得られた。
【0174】
次いで、この濾液を減圧下で蒸留する。
【0175】
温度を20mbarの減圧下で70℃にする。
【0176】
水を添加して、液体のレベルをリボイラー中で一定に保つ。
【0177】
こうして、16重量%のトリフルオロ酢酸および84重量%の水を含む92gの留分が得られた。
【0178】
イソブタノール(800g)を媒体に添加し、水を、120mbarの圧力下で、媒体の温度を60℃にして共沸蒸留によって除去する。
【0179】
42℃の沸点を有する留分が単離される。
【0180】
水が除去されると、白色固体が現れる。
【0181】
後者は、濾過によって媒体から取り出される。
【0182】
12.9gの固体が得られた。
【0183】
共沸蒸留を、774gの蒸留物が得られた時に停止した。
【0184】
温度を0℃に下げると固体が結晶化する。
【0185】
後者を不活性雰囲気下で濾過によって単離し、次いで窒素流下で吸引乾燥する。
【0186】
39.6gの白色固体が得られた。
【0187】
後者を、0.1mbarの圧力下で周囲温度で72時間乾燥する。
【0188】
32.8gの96重量%の純度を有するトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリフルオロ酢酸塩およびトリフリニン酸塩の調製の過程に由来する塩不純物と一緒にトリフリニン酸塩を含む水性混合物から出発し、前記混合物が、以下の操作:
−本質的に、トリフルオロ酢酸の塩が、この酸形態で放出され、トリフリニン酸の大部分が、塩化形態にとどまるように制御される第1の酸性化、
−酸性化および水相の回収のために使用された酸に由来する塩の場合による分離、
−トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相からトリフルオロ酢酸を分離し、次いでトリフルオロ酢酸は乏しいがトリフリニン酸のアルカリ金属塩を含む水相をもたらすこと、
−水相からのトリフリニン酸のアルカリ金属塩の回収
にかけられることを特徴とする、高純度のトリフリニン酸塩の調製方法。
【請求項2】
水性混合物が、
−5から35重量%のトリフリニン酸塩、好ましくはアルカリ金属塩、
−5から35重量%のトリフルオロ酢酸塩、好ましくはアルカリ金属塩、
−0.5から2重量%の塩不純物
を含む10から40重量%の固体含有量を有する水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水溶液が、15から20重量%のトリフリニン酸塩、10から15重量%のトリフルオロ酢酸塩および0.5から2重量%の塩不純物を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
酸性化が、硫酸、塩酸またはリン酸、発煙硫酸またはガス状塩酸を使用して実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
使用される強酸の量が、Hイオンとして表される酸のモル数の、トリフルオロ酢酸塩のモル数に対する比が、1から3の間、好ましくは1と2の間で変化するような量であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
強酸の濃厚溶液が用いられることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
酸処理の終わりに、トリフリニン酸の塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸、過剰な強酸、酸性化後に形成される塩および塩不純物に対応する酸形態を含む、水溶液または懸濁液が回収されることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
得られる溶液または懸濁液が、10から20重量%のトリフリニン酸の塩、5から20重量%のトリフルオロ酢酸および30から80%の水を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フッ化水素酸を捕捉し得る化合物が、有機酸の抽出前に、得られる水溶液または懸濁液に添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
トリフリニン酸と同時のトリフルオロ酢酸の分離が、形成される有機酸(トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸)を抽出し得る有機溶媒を使用して、トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相を処理し、次いで有機相および水相を分離することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
得られた水相が、アミンまたはエーテルタイプの有機溶媒を使用して処理されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
2つの相:トリフリニン酸の塩および場合によって酸性化後に形成される塩を含む水相、ならびに有機溶媒、形成される有機酸および場合によって酸性化に使用される過剰な酸を含む有機相が、抽出の終わりに得られることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
トリフルオロ酢酸が、蒸留トップにおいて、トリフルオロ酢酸および場合によって水を取り出すことを可能にし、蒸留ボトムにおいて、過剰な強酸、強酸の塩、特に酸性化に由来する塩、および水を伴うトリフリニン酸の塩を回収することを可能にする、トリフリニン酸のアルカリ金属塩、トリフルオロ酢酸、トリフリニン酸および過剰な強酸を含む分離された水相に対して実施される蒸留によって分離されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
蒸留が、60℃から90℃の間のリボイラー中の温度で、700mbarから10mbarの範囲の圧力下で実施されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
水相中または蒸留濃縮物中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩が、これらを、以下の操作:
−トリフリニン酸の塩がこの酸形態で放出されるような回収された相の第2の酸性化、
−トリフリニン酸を抽出し得る有機溶媒を使用する、本質的にトリフリニン酸を含む分離された水相の処理、
−有機相および水相の分離、
−トリフリニン酸の塩が水相中に集められるような、塩基性水溶液を使用する有機相の処理、
−蒸留による水の除去および有機溶液中のトリフリニン酸の塩を得るための有機溶媒による置換、
−非溶媒の使用または結晶化によるトリフリニン酸の塩の沈殿、
−前記塩の分離および回収
にかけることによって回収されることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
集められた水相が、Hイオンとして表される酸のモル数のトリフリニン酸の塩のモル数に対する比が、1から10の間、好ましくは2から4の間で変化するような量の強酸を使用する第2の酸処理にかけられることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
トリフリニン酸が、有機溶媒、好ましくはメチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたはベラトロールを使用して抽出されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
2つの相:すなわち、酸性化後に形成される塩を含む水相、ならびに有機溶媒、トリフリニン酸および残余の強酸を含む有機相が、抽出の終わりに得られることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
集められた有機相が、得られたトリフリニン酸を塩化するための塩基性処理にかけられることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
添加される塩基の量が、5から9の間、好ましくは7の近傍のpHが得られるような量であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
2つの相:すなわち、トリフリニン酸の塩および酸性化後に形成される塩を含む水相、ならびに有機溶媒を含む有機相が、塩基性処理の終わりに得られることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
分離された水相を、60℃から90℃の間のリボイラー中の温度における1mbarから600mbarの間の圧力下での蒸留操作にかけることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
蒸留濃縮物が、アルコール、ケトンまたはエステルタイプの有機溶媒、好ましくはイソプロパノールを使用して処理されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
トリフリニン酸の塩を、非溶媒、好ましくは脂肪族、脂環式もしくは芳香族炭化水素、またはハロゲン化脂肪族もしくは芳香族炭化水素を使用して得られた相の処理によって沈殿させることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
トリフリニン酸の塩が、好ましくは濾過によって分離され、アルコールタイプの溶媒および非溶媒を含む有機相が回収されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
水相中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩が、水相を、以下の操作:
−分離された水相の濃縮、
−トリフリニン酸の塩を抽出し得る有機溶媒を使用する、本質的に、トリフリニン酸の塩、酸性化後に形成された塩および塩不純物に対応する酸形態を含む分離された水相の処理、
−懸濁された塩の分離、
−有機相および水相の分離、
−分離された有機相からのトリフリニン酸の塩の回収
にかけることによって回収されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
反応媒体が、2から30%の間、好ましくは5から20%の間の水が、得られる濃縮された溶液中に存在するように、トリフリニン酸の塩の濃度を増加させるように濃縮されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
水が、大気圧におけるもしくは大気圧未満の圧力下での蒸留によって、または蒸気もしくは不活性ガス流体の噴射によって除去されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
トリフリニン酸の塩が、アルコール、ケトンまたはエステルタイプの有機溶媒を使用して抽出されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
抽出の終わりに、本質的にトリフリニン酸の塩を含む有機相、ならびに酸性化後に形成される塩および塩不純物に対応する酸形態を含む水相が得られることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
水相および有機相が分離され、有機相が、トリフリニン酸の塩が沈殿するような有機溶媒の蒸発によって濃縮されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
水相中に存在するトリフリニン酸のアルカリ金属塩が、水相を、以下の操作:
−トリフリニン酸のアルカリ金属塩を含む水相中に存在する水の除去、
−トリフリニン酸の塩を溶解するための有機溶媒の添加、
−分離された有機相からのトリフリニン酸の塩の回収
にかけることによって回収されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
水が、好ましくはアルコールタイプの溶媒の存在下で実施される共沸蒸留によって除去されることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
トリフリニン酸の塩を、冷却によって結晶化させることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
トリフリニン酸の塩が、通常の固体/液体分離技術によって、好ましくは濾過によって分離されることを特徴とする、請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
乾燥が、20℃から80℃の間、好ましくは30℃から50℃の間の温度において、好ましくは0.1から200mbarの間で選択される減圧下および好ましくは不活性ガス、より好ましくは窒素またはアルゴンの制御された雰囲気下で実施されることを特徴とする、請求項1から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
得られるトリフリニン酸の塩が、90%以上、好ましくは95%以上、優先的には95から98%の間の純度を有することを特徴とする、請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2011−504905(P2011−504905A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535358(P2010−535358)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066162
【国際公開番号】WO2009/068534
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508183151)ロデイア・オペラシヨン (70)
【Fターム(参考)】