説明

トルクリングを組み入れたフェースギア差動装置

【課題】サイドギアとヘリカルピニオンとを有するギアセット及びこれを用いて輸送能力を向上させた差動装置を提供する。
【解決手段】ギアセット10は、少なくとも1つのヘリカル歯50を有するヘリカルフェースギアを含むサイドギア14と、ヘリカルピニオン12とを備える。ヘリカルピニオン12は、少なくとも1つのヘリカル歯20を有し、かつ、約20°より小さい頂角を有する。このヘリカルピニオン12は、サイドギア14にかみあい係合する。また、差動装置が設けられ、この差動装置は、ディファレンシャルケース64とギアセット10を含む。さらに、ヘリカルピニオン12を支持するために形成されたトルクリング18を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリカルフェースギアからなる第1ギアと、ヘリカルフェースギアにかみ合うヘリカルピニオンからなる第2ギアを含むギアセットに関する。このギアセットは、差動装置に用いる形状となっている。
【背景技術】
【0002】
差動装置に用いるためのヘリカルフェースギアは、従来技術として知られ、例えば、特許文献1及び特許文献2に記述されている。しかし、差動装置にヘリカルフェースギアを組み合わせることは、ギア歯の構造の決定及びギアの強度に関して制限があるため、商業的には利用されてこなかった。これらの両方は、ギアセットの性能に悪影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,253,483号明細書
【特許文献2】米国特許第4,791,832号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの制限を克服できるフェースギア技術を利用することが望ましい。フェースギア技術は、より多くおよび/またはより大きい径のピニオン及び支持がより良い頑丈な第1のヘリカルフェースギアの選択を許容できる。差動装置に関連するフェースギアの使用に関して、トルクリングに関連するフェースギア技術を用いるサイドギアのコンパクトな寸法が、パッケージ及び設計において、より大きな柔軟性をもたらすことができる。このように、ギアセット及びトルクリングのコンパクト化は、ある実施形態において、より有益な方法での動的な力を与え、そして、自動車の種々のモデルのパッケージ設計に関連して用いられる同一のギアセット及び内部コンポーネントを可能にし、これによって、差動装置の輸送能力を増加させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ギアセットは、少なくとも1つのヘリカル歯を有するヘリカルフェースギアを含むサイドギアと、ヘリカルピニオンとを備えている。ヘリカルピニオンは、少なくとも1つのヘリカル歯を有し、かつ、約20°より小さい頂角を有する。このヘリカルピニオンは、サイドギアにかみあい係合する形状となっている。また、差動装置が設けられている。差動装置は、ディファレンシャルケースとギアセットを含んでいる。ギアセットは、少なくとも1つのヘリカル歯とヘリカルピニオンを有するヘリカルフェースギアからなるサイドギアを含んでいる。ヘリカルピニオンは、少なくとも1つのヘリカル歯を有し、かつ、約20°より小さい頂角を有する。差動装置は、さらに、ヘリカルピニオンを支持するように作られたトルクリングを含んでいる。
【0006】
本発明の実施形態は、例として、以下に、添付の図面と関連して記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に従う第1ギアの斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態に従う第2ギアの前面図である。
【図2B】図2Aの第2ギアの側面図である。
【図3A】本発明の実施形態に従う図1の第1ギアを用いるためのトルクリングの斜視図である。
【図3B】図3Aのトルクリングの側面図である。
【図4】本発明の実施形態に従う第1ギアの頂角を示す概略図である。
【図5】本発明の実施形態に従う第1ギアの歯フランク形状を示す概略図である。
【図6A】差動装置に組み込まれた本発明の実施形態に従うギアセットの断面図である。
【図6B】図6Aにおけるギアセットの部分の前面図である。
【図7】差動装置に組み込まれた本発明の実施形態に従うギアセットの断面図である。
【図8】本発明の実施形態に従うギアセットを含む、電気的に選択可能なロッキング・ディファレンシャルの分解図である。
【図9】本発明の実施形態に従う、トルク制限ヒューズとギアセットを含む差動装置の断面図である。
【図10】本発明の実施形態に従う、トルク制限クラッチプレートとギアセットを含む差動装置の断面図である。
【図11】本発明の実施形態に従う、エア/油圧アクチュエータとギアセットを含む差動装置の部分断面図である。
【図12】本発明の実施形態に従うギアセットを含む差動装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について詳細に言及する。この例示は、以下に記載されかつ添付の図面において説明される。本発明は、実施形態に関係して記載され、これらの実施形態は、本発明を制限することを意図するものではないことを理解してほしい。反対に、本発明は、添付の請求項で具体化されるように、本発明の技術的思想及び請求の範囲内に包含される変更例、修正例、及び等価物を包含することを意図している。
【0009】
本発明に従うギアセット10は、第1ギア12と第2ギア14を含んでいる。図1及び図2を参照すると、第1ギア12は、ヘリカルピニオンからなり、第2ギア14は、サイドギアからなる。1つの実施形態において、第1ギア12は、差動装置に用いるためのヘリカルピニオンを含む。この差動装置用の実施形態では、第1ギア12は、トルクリング18から第2ギア14(例えば、サイドギア14)にトルクを伝達するために設けられている。
【0010】
トルクギア18は、図3A−Bに示されて、ここで、さらに詳細に記載されるように作ることができる。代わりに、第1ギア12は、1つのサイドギア14から別のサイドギア14にトルクを伝達するために設けることができる。さらに、この実施形態では、複数のピニオン12がある。ギアセット10におけるピニオンの数は、変えることができる。しかし、ピニオン12が差動装置に用いられるとき、ギアセットには、少なくとも2つのピニオンを有する。より多くのまたは少ないピニオン12が他の実施形態に用いられるけれども、1つの実施形態では、ピニオンの数をほぼ6個とすることができる。対照的に、差動装置のための通常のギアセットに用いられるベベルピニオンの数は、約4個のみとすることができる。差動装置に用いられるピニオン12の最大数は、以下の公式を用いて決定することができ、ここで、ピニオン12の外径は、dO.P、また対応するサイドギア14の内径は、din.sgで示す。
【0011】
【数1】

【0012】
また、ピニオン12の寸法は、変えることができる。1つの実施形態では、ピニオン12は、差動装置に用いられる通常のベベルピニオンギアの約半分の寸法とすることができる。さらに、ピニオン12は、通常のギア設計と比較すると、小さい頂角θを有するように作られている。
図4を参照すると、ピニオン12の頂角を示す概略図が示されている。1つの実施形態において、頂角θは、約20°未満である。この頂角θは、次式に依存し、ここで、dO.Pは、ピニオン12の外径であり、dl.Pは、ピニオン12の限界直径であり、dO.sgは、サイドギア14の外径であり、din.sgは、サイドギア14の内径である。
【0013】
【数2】

【0014】
ピニオン12上のヘリカル歯20の数及びピニオン12上のヘリカル歯20の歯フランクの形状は、本発明の実施形態に従って柔軟性がある。ヘリカル歯20は、鍛造技術によって形成することができる。機械加工技術の代わりに鍛造技術を用いることは、ピニオン12の強度を改善するのに重要である。また、ヘリカル歯20の使用は、ピニオン12が通常のベベルピニオンと比較して回転動作中にあることを軽視でき、インデックスの必要をなくす。ピニオン12上のヘリカル歯20の数は、ピニオン12の寸法に対するロー歯の数とみなすことができる。例えば、歯数(即ち、ヘリカル歯20の数)は、約4〜10の間とすることができる。約4〜10の歯数は、詳細に述べられているが、ピニオン12の歯数は、本発明の他の実施形態ではより少ないかより大きい数とすることができる。
【0015】
図5を参照すると、ピニオン12上のヘリカル歯20に対する歯フランクの形状Gは、次式に従って決定される。ここで、r=ピニオン12の歯フランクの点の位置ベルトル、U,V=ピニオン12の歯フランクの点の曲線座標(ガウス座標)、rb.P=ピニオン12のベースシリンダの直径、τb.P=ピニオン12の底部らせん角度である。
【0016】
【数3】

【0017】
ピニオン12が固定されているとき、ピニオン12の歯フランクは、式3によって分析的に表される。ピニオン12が、ある角度ψ内の軸22回りに回転し、かつサイドギア14の軸回りに移動するとき、ピニオン12の現在位置におけるピニオン12の歯フランクの点の位置ベクトルは、次式で表現される。
【0018】
【数4】

【0019】
また、ピニオン12は、種々の実施形態に適合する構造的特徴に対して柔軟性を有するように作ることができる。例えば、ピニオン12は、図6A−6Bに示すように、C−クリップ26に接近するように修正することができる。C−クリップ26は、軸シャフト上のサイドギア14を軸方向に位置決めかつ軸シャフトを保持するように設けられている。別の例では、ピニオン12は、図7に図示するように、第1端部30にボス28を、また、第2端部34に含むように修正することができる。ボス28とカウンター直径32は、ピニオンをより良く支持するよう作られ、かつ所望の結果に依存するバイアス比を増加および/または減少するように形成される。ボア36は、軸線22に沿ってピニオン12の中心を通って伸びている。このボア36は、ピニオン12を回転する車軸を受け入れるように作られる。ボア36は、詳細にかつ図示されているが、ピニオン12は、本発明の他の実施形態では、ボア36を有しなくてもよい。
【0020】
本発明の実施形態において、ピニオン12の第1端部30は、フラットであり、ピニオン12の第2端部34(即ち、第1端部の反対側)は、半球状とすることができる。第2端部34は、図3に示されたトルクリング18の外側面56と同様の曲率半径を有するように半球状に形作られている。さらに、ピニオン12の第2端部34はギアセット10(例えば、ディファレンシャルケース)用のハウジングの内側面に合致するように形作られる。トルクリング18の外形状を維持するのに別の装置を必要としないので、ピニオン12の形状は、ギアセット10の摩擦を制御するのを有効である。ピニオン12の第1端部30は、平面とし、ピニオン12の第2端部34は半球形状として記載されているが、ピニオン12は、本発明の他の実施形態において、他の形状とすることもできる。
【0021】
第2ギア14は、ヘリカル面のギアとして構成することができる。第2ギア14は、第1ギア12とかみ合うように形作ることができる。1つの実施形態において、第2ギア14は、差動装置に用いるサイドギアとして構成することができる。差動装置用のこの実施形態では、第2ギア14は、第1ギア12から出力(例えば、自動車の車軸)へトルクを伝達するように形作られる。さらに、差動装置のこの実施形態において、複数の(たとえば、対の)サイドギア14とすることができる。各サイドギア14は、第1の環状のハブ部分37を有することができる。各環状ハブ部分37は、たとえば、自動車の車軸(図示略)を受け入れるように形成することができる。環状ハブ部分37は、内側に、軸方向に整列した開口38を形成する。開口38を形成するサイドギア14の環状ハブ部分37の内側ラジアル表面は、複数のスプライン40(即ち、スプライン結合される)を有することができる。車軸(図示略)は、内側に軸方向に整列された開口37を形成する内側表面上にスプライン40で相互結合によりサイドギア14に接続することができる。従って、サイドギア14は、一対の車軸にスプライン結合されるように形作ることができる。
【0022】
複数のサイドギア14(たとえば、差動装置に用いられる実施形態において)は、第1ギア12の反対側に配置することができる。特に、ある実施形態において、対のサイドギア14は、ヘリカルピニオン12を保持するように形作られたトルクリング18の反対側に配置することができる。各サイドギア14は、外側表面43を有する主部分42を有する。外側表面43は、サイドギア14の軸線24の円周回りに伸びている。外側表面43は、そこから径方向外側に伸びる少なくとも1つの凸部を有する。この凸部44は、サイドギア14を支持するように形成することができる。特に、凸部44は、トルクリング18上に対応する要素と接触してサイドギア14を支持するように形作られる。凸部44は、トルクリング18に設けた対応する凹部によって受け入れられるように作ることができる。サイドギア14は、図示するように6つの凸部44を含んでいる。6つの凸部44は、詳細に述べられているが、サイドギア14は、他の実施形態において、より少数またはより多くの凸部44を含むことができる。凸部44は、サイドギア14を頑丈にするように形成することができる。
【0023】
サイドギア14の主部分42は、さらに、ヘリカル面46を含んでいる。各サイドギア14のヘリカル面46は、トルクリング18に面する。各サイドギア14のヘリカル面46は、ピニオン12とかみ合い係合している。ピニオン12とサイドギア14は、ギアのかみ合いを介してトルクを分け合うことができる。ある実施形態において、各サイドギア14は、さらに、ヘリカル面46に対向する平坦な表面48を有する。ヘリカル面46に対向する表面48は、フラットに記載されているが、対向表面は、本発明に実施形態において、必ずしもフラットである必要はない。
【0024】
ヘリカル面46は、複数の歯50を含む。サイドギア14のヘリカル歯50は、鍛造される。機械加工技術のかわりに鍛造技術を用いることは、サイドギア14の強度を十分に改善する。さらに、サイドギア14と関連した鍛造技術を用いることにより、サイドギア14にハブ52を有することができる。ハブ52は、サイドギア14と一体となり、さらに、サイドギア14の内径din.sgの円周回りに延びている。ハブ52は、径方向に伸びる厚さTを有する。径方向に伸びる厚さTは、本発明の異なる実施形態に従って変化することができる。ハブ52は、サイドギア14の弱い部分の強度を改善するように形作ることができる。サイドギア14のヘリカル歯50の各々は、ハブ52に向けて半径方向内方に伸びている。ハブ52は、サイドギア14のヘリカル歯50の各々と一体になる。ある実施形態において、各ヘリカル歯50の頂部表面は、ハブ52の頂部表面にぴったり重なる。ハブ52の頂部表面が、実施形態において、各ヘリカル歯の頂部表面にぴったり重なるが、ハブ52の頂部表面は、本発明の他の実施形態において、各ヘリカル歯50の頂部表面よりも高くまたは低くすることができる。
【0025】
サイドギア14上のヘリカル歯50の数と、サイドギア14上の歯フランクの形状は、本発明の実施形態に従って柔軟性を有する。サイドギア14の歯数(即ち、ヘリカル歯50の数)は、少ない歯数を考慮することができる。できる限り低い歯数が詳細に記載されているが、歯数は、本発明の他の実施形態において、低くまたは高くすることができる。ピニオン12がその軸線回りに回転しそしてサイドギア14の軸線24の回りに移動するとき、サイドギア14上のヘリカル歯50に対する歯フランクは、ピニオン歯のフランクの連続する位置に対する包絡表面として決定される。サイドギア14上の歯50の歯フランクの点rsgの位置ベクトルは、以下に設定されるピニオン歯のフランク(式5)に対する式から導かれる。
【0026】
【数5】

【0027】
ψの置換は、rsgを決定することが必要とされる。これは、以下に設定した接触(式6)の式を用いて達成できる。
【0028】
【数6】

式6に関連して、nは、ピニオン歯のフランクに対する単位法線ベクトルを示す。VΣは、サイドギア14に対するピニオン12の合力のベクトルを示す。n及びVΣは、以下の式(7及び8)に設定されるようにψの関数である。
【0029】
【数7】

【0030】
【数8】

式7及び式8において、ψを解くことにより、ψに対して導出された式は、式5に代入することができ、サイドギア14の歯50の歯フランクに対する表現に戻る。
【0031】
サイドギア14は、さらに、支持直径53を含んでいる。特に、支持直径53は、第2の環状ハブ部分53(たとえば、第1の環状ハブ部分37と同様の)を含む。しかし、支持直径53は、第1の環状ハブ部分37の外径よりも大きい外径を有する。さらに、支持直径53は、ヘリカル面46を含むサイドギア14の主部分42の外径よりも小さい外径を有する。支持直径53は、サイドギア14を更に補強するように形成される。
【0032】
図8を参照すると、本発明の実施形態に従うギアセット10を包含する、電気的に選択可能なロッキング・ディファレンシャルの分解図が図示されている。この差動装置は、更に、スラストワッシャーおよび/またはシム62を含む。シム62は、組立中のサイドギア14の適当な方向/配置を調整するように形成される。シム62は、支持直径53に隣接して配置され、かつ第1の環状ハブ37の回りに配置されている。従来のギアセットでは、シム62は、ハブ37の端部に配置される。本発明の実施形態に従うサイドギア14を含むギアセット10を包含する差動装置におけるシム62の配置は、軸方向巻取りに影響を及ぼす。
【0033】
ある実施形態において、上述のように設定すると、第1ギア12は、差動装置に用いるヘリカルピニオンを含み、かつ、第1ギア12は、トルクリング18から第2ギア(たとえば、サイドギア14)にトルクを伝達するように設けられている。ギアセット10は、実施形態ではトルクリング18の使用に関連して記載されているが、トルクリング18は、本発明の他の実施形態では省略しても良い。また、第1ギア12は、ボア36を貫通して伸びる車軸に支持されるようにすることもできる。トルクリング18を用いる実施形態において、トルクリング18は、一般的にリング形状とすることができる。トルクリング18は、本発明の実施形態において、1つの部品(即ち、単一の、統合したおよび/または単一構造)で作ることができる。トルクリング18は、サイドギア14間の放射状パターンに1つ以上のピニオン12を配置するように構成することができる。トルクリング18は、トルクリング18の外周面56からトルクリング18内に伸びる複数の径方向内方に伸張する孔54を有する。トルクリング18の外周面56は、図3Bに最も良く図示されているように、円筒形状である。したがって、トルクリング18の最終面56は、球面ではない。トルクリング18を備えるギアセット10の組立体を、球形の外周面で作ることはより難しいが、実施形態に従う外周面56の円筒形状は、組立てを容易にする。
【0034】
トルクリング18の複数の孔54は、各々軸線を有する。孔54の軸線は、ほぼ径方向外側に伸びている。制限なしの例示のみであるが、トルクリング18を貫通する概略6個の孔54を設けることができる。6個の孔は、詳細に示されているが、本発明の他の実施形態において、孔54の数を少なく又はより多くすることができる。これらの孔54は、トルクリング18の円周方向に等間隔に配置されている。複数の孔54は、トルクリング18の円周方向に等間隔に配置されていることが記載されているが、これらの孔54は、本発明の他の実施形態において、異なる配置および/または形状で配置することができる。ピニオン12は、トルクリング18内の孔54内に配置することができる。このように、ピニオン12は、トルクリング18の回りに円周方向に間隔を置いて配置される。ピニオン12の数は、トルクリング18内の孔の数に対応する。孔54の数に対してより少ないピニオン12が本発明の実施形態において用いることができる。本発明のこれらの実施形態において、少なくとも1つまたはそれ以上の孔54は、開口したままである。この実施形態において、少なくとも1つまたはそれ以上の孔54は開口のままであり、開いた孔54は、トルクリングの回りに間隔を置いて、必ずしも規則的(たとえば、等角度で)に配置されていなくても良い。代わりに、開口した孔54は、互いに隣接し、互いに離間し、いずれの配置および/または組合せで配置されていても良い。
【0035】
ピニオン12は、孔54内で自由に回転することができる。ピニオン12は、トルクリング18のハウジング(ディファレンシャルケース)の内面と、トルクリング18の半径方向内側部分58との間で軸方向に捕捉されている。トルクリング18のハウジング及びトルクリングの半径方向内側部分58は、ピニオン12が軸方向移動しないようにする。半径方向内側部分58は、トルクリング18の円周方向に伸びている。これにより、孔58の各々を盲孔に構成する。孔54の半径方向外側表面にある第1端部は、開口し、一方、半径方向内側部分58にある孔54の第2端部は、閉じている。孔54の第2端部は、孔54の第1端部に対向している。孔54は盲孔を形成しているため、ピニオン12に作用する他の移動部品(たとえば、差動装置の他の移動部品)から付加的な摩擦はないので、ギアセット10に関連する摩擦量は減少する。さらに、半径方向内側部分58は、中央車軸(図示略)の大きさをトルクリング18に修正を必要としないで変更することができる。本発明のいくつかの実施形態では、トルクリング18は、半径方向内側部分58を通って中央車軸に伸びる開口を含んでいる。この開口は、ギアセット10の部分的および/または完全な分解を必要としないで、ツールおよび/または他の道具を中央車軸に近づけられるように形作られている。
【0036】
トルクリング18は、トルクリング18の側面に溝60を更に含むことができる。このトルクリング18は、ピニオン12を外側表面上に支持するように作られ、ピニオン12がサイドギア14とかみ合うように規制している。トルクリング18は、ピニオン12(たとえば、ピニオン12の外径dO.P)に圧力を加え、サイドギア14の軸線24(たとえば、軸中心線)回りにピニオンを半径方向に移動する。ピニオン12とサイドギア14とのかみ合いにより、サイドギア14は、その軸線回りに回転するようになる。出力(たとえば、車軸)がサイドギア14に結合して、地面に接地されると、ギアセット10に連結された自動車が動き出す。サイドギア14は、出力(たとえば、車軸)を介して接地され、異なる速度で回転すると、ピニオン12は、トルクリング18内でサイドギア14とかみ合って補償されて回転する。ピニオン12のヘリカル歯20は、トルクリング18の側面にあるチャネル60(たとえば、対応するチャネル60)内に伸びている。サイドギア14のヘリカル面上のヘリカル歯50は、トルクリング18の側面に設けたチャネル60内の伸びるようにしても良い。この場合、ピニオン12のヘリカル歯20は、サイドギア14のヘリカル歯50とかみ合うことができる。
【0037】
トルクリング18は、種々の実施形態を組み入れるために、構造的特徴に対して柔軟性を有するように形作ることができる。たとえば、トルクリング18は、たとえば、図6A−Bの実施形態で図示するように、車軸のCクリップ26に近づきかつ保持するための特徴を含むように修正することができる。別の例では、トルクリング18は、トルクリング18に加わる可能な差動トルクの量を支配する所定のせん断値で機能しないように設計された機械的フューズリンク68を含むように修正することができる。
たとえば、機械的フューズリンク68は、所定のトルクでせん断するせん断ピンを含む。この機械的フューズリンク68は、トルクフューズおよび/またはトルク制限のために用いられる。機械的フューズリンク68は、たとえば、所定のトルクに到達するまで、トルクリング18をディファレンシャルケース64に保持することができる。
【0038】
ここで説明するように、ギアセット10は、差動装置に用いられる。ギアセット10は、差動装置と連結して用いるために記載されているが、ギアセット10は、本発明の他の実施形態において他の応用に使用することができる。ギアセット10が差動装置に用いられるとき、差動装置は、駆動軸の左右の車輪の両方に動力を維持しながら、自動車が回転することを可能にするように設けられている。本発明に従うギアセット10と組み合う差動装置は、強度とタフネスを増加し、そして、コンパクトな差動装置の寸法に対して特に強靭である。ギアセット10に組み合う差動装置のためのギアセットの包絡線は、比較的コンパクトであり、かつパッケージにおいて大いに柔軟性がある。さらに、本発明の実施形態に従うギアセット10に組み合う差動装置は、部品の共通性(即ち、構成部品が差動装置の種々の形式に共通する)と輸送能力(即ち、自動車の種々のモデルに対して同一のギアセットと内部構成部品を用いる能力)を可能にし、これにより、製造の容易性を改善する。最後に、本発明の実施形態に従うギアセット10を包含する差動装置は、より高いコストの材料の必要を減らし、かつ他の従来設計に関連するノイズ、振動、及び厳しさ(NVH)を減じることができる。
【0039】
ギアセット10が差動装置内に組み込まれると、差動装置は、更に、ディファレンシャルケース64を含む。ディファレンシャルケース64は、ギアセット10および/または差動装置の他のいくつかの構成要素を収納するように設ける。1つの実施形態において、ディファレンシャルケース64は、製造を容易にするピニオンのクロスシャフトの複数のボアを必要としない。
【0040】
従って、ディファレンシャルケース64は、ピニオンのクロスシャフトの複数のボアを必要としないこれらの実施形態において、ディファレンシャルケースの各軸方向端部にのみ開口を有するように形作られる。ディファレンシャルケース64は、低コスト材料から作ることができる。ディファレンシャルケース64は、最小の負荷を受ける。差動装置は、更に、リングギア(図示略)を含むことができる。このリングギアは、ディファレンシャルケース64を回転するための従来の方法において、入力源および/または駆動源(図示略)に連結することができる。ギアセット10がトルクリング18を用いる実施形態では、トルクリング18は、従来技術の方法でディファレンシャルケース64内に取り付けられ、差動装置と共転するように形成される。たとえば、トルクリング18は、複数の軸方向に延びる開口を含み、この開口を通って、複数の固定具66がトルクリング18とディファレンシャルケース64を貫通する。この方法では、リングギアからのトルクは、リングギアに機械的な接続具および/または取付具(たとえば、リングギアに直接取り付けられる)によってトルクリング18に加えられる。
【0041】
ギアセット10は、種々の実施形態におけるオープン・ディファレンシャル、制限スリップ型差動装置、および/またはロッキング・ディファレンシャルに用いることができる。しかし、オープン・ディファレンシャルは、一般的に、トルクが最小の抵抗路となるように形作られる。この抵抗路は、自動車が、最大牽引を有する車輪にトルクを伝達すべき能力がないために動きが取れないような最も危険な状態を与える。
【0042】
制限スリップ型差動装置は、オープン・ディファレンシャルに本質的に類似するが、更にクラッチパック65を含んでいる。このクラッチパックは、1つの車輪から他の車輪に一部の動力を伝達することによって(たとえば、サイドギア14が牽引のアンバランスによって異なる速度に強いられる場合)、オープン・ディファレンシャルに関連するスリップを制限するように構成される。クラッチパック65は、図10に最も良く説明されている。このクラッチパック65は、機械的にサイドギア14、トルクギア18、および/またはディファレンシャルケースに連結され、スリップを制限し、牽引力を保つ。制限スリップ型差動装置において、ピニオン12がサイドギア14にかみ合ってトルクリング内で回転するので、分離力が、サイドギア14を外側に押圧する圧力を加える。サイドギア14の力は、クラッチパック65のクラッチ板を押圧するの用いることができる。本発明によれば、トルクリング18及びサイドギア14は、サイドギア14を外側にねじるためのギア分離力をより多く与えるように形作られる。これにより、クラッチパック65のクラッチ板を押圧するために利用できる圧力を増加させる。代わりに、本発明に従うギアセット10を包含する制限スリップ型差動装置は、ピニオンがトルクリング18内で回転するように、ピニオン12上に抗力を導くように構成される。
【0043】
ロッキング・ディファレンシャルは、オープン・ディファレンシャルに略類似しているが、自動車の通常運転中、自由な差動動作を維持し、しかし、過度に車輪がスリップするとき、十分にロックされるように、2つの車輪が異なる速度(即ち、オープン・ディファレンシャルと同様に)で作動できるようにする。すなわち、車輪がスリップし始めると、駆動車軸は、両方の車輪に十分な動力を与えて、左右に十分ロックされる。ロッキング・ディファレンシャルは、実施形態に下って、選択可能なロッキング・ディファレンシャルを含む。しかし、このロッキング機能は、他の実施形態において自動的である。
【0044】
図8を参照すると、ロッキング・ディファレンシャルの分解図が図示されている。本発明の実施形態において、ギアセット10の少なくとも一部分が収納されるディファレンシャルケース64は、フランジ本体(たとえば、図示するように)を含んでいる。特に、ディファレンシャルケース12は、従来設計に対比して比較的短い差動装置の構成部品を収納するために軸方向長さLを有するように形作られる。従って、ロッキング・ディファレンシャルは、コンパクトな寸法を有するが、差動装置の構成部品を収納するように形成することができる。ある実施形態において、ギアセット10とトルクリング18のコンパクト化なしでは、ロッキング用構成要素と同様に、差動装置のために十分な空間を見出すことが困難である。図8を参照すると、ロッキング・ディファレンシャルは、更にカバー70を含む。カバー70は、ディファレンシャルケース64に連結するように形作られる。カバー70は、ハブ72とフランジ部分74とを含む。カバー70のフランジ部分74は、差動装置の実施形態において、ディファレンシャルケース64のフランジ部分に対応するように形作られる。
【0045】
さらに、図8において、ロッキング・ディファレンシャルは、さらに、ロッキングリング76を含む。また、このロッキングリング76は、ロックカラーと呼ばれる。ロッキングリング76は、このリングが係合するとき、左右の車軸をロックさせるように構成されている。トルクリング18は、差動または設計のモードに依存するピニオン12またはロッキングリング76へのトルク径路を与えるように構成される。ロッキングリング76は、一般的にリング形状であり、軸方向に伸びる複数の突起78を含む。複数の突起78は、ロッキングリング76の周回りに間隔を置いて配置されている。突起78は、本発明の実施形態において、等角度に間隔を置いて配置されているが、これらの突起78は、本発明の他の実施形態において、異なる配置および/または形状で配置することができる。ロッキングリング76は、実質的に増加した直径に配置され、かつトルクリング18に直接結合される。
【0046】
さらに図8において、ロッキング・ディファレンシャルは、アクチュエータ80を更に含む。このアクチュエータ80は、ロッキングリング76を係合し、ロッキングリング76をサイドギア14に係合させるように設けられ、左右に車軸を固定させる。アクチュエータ80は、次の方法:電気、真空、空気圧、油圧、又は機械的手段の1つまたはそれ以上の方法によって駆動および/または信号を送ることができる。図11によれば、アクチュエータ80の空気または油圧による機械的手段が図示されている。図8に戻ると、電気手段が、実施形態において、アクチュエータ80用として用いられる。アクチュエータ80は、スタータハウジング82とアーマチュアプレート84を含む。スタータハウジング82は、アーマチュアプレート84を作動させるように構成されたスタータを収納する。アーマチュアプレート84は、次にロッキングリング76を作動させるように作られる。このように、アクチュエータ80は、動作時に、サイドギア14にスプライン係合し、さらに、補完のフェース歯形状を介してトルクリング18に連結(例えば、結合)されるロッキングリングにその動きを中継する。フェース歯形状は、負荷されたトルクを利用し、そして、ロッキングリング76を引っ張って十分に係合させるように、角度付けされた接触面を有している。
【0047】
例えば、図8に示されるロッキング・ディファレンシャルは、アクチュエータ80が係合するまでオープン・ディファレンシャルとして機能する。リングギア(図示略)からのトルクが、トルクリング18に加えられると、ロッキングリング76(例えば、トルクリング18に連結された)は、サイドギア14にトルクを伝達し、そして、サイドギア14とトルクリング18との間の相対運動を起こさない。サイドギア14の一方は、トルクリング18に直接連結されるが、サイドギア14の他方は、ピニオン12とかみ合うギアを介してトルクリング18に対して移動することはできない。このロック状態は、駆動中、アクチュエータ80の動力が維持されている限り、惰性、前進、逆転、停止、および始動の動きをし続ける。アクチュエータの動力及びトルク圧力が取り除かれると、サイドギア14とロッキング構成部品76との間で作動する戻りばね(図示略)が、ロッキング構成部品76をデフォルトの非ロック位置に戻す。アクチュエータ80が電気アクチュエータから構成されるとき、スタータハウジング82内のスタータを作動させないことにより、アーマチュアプレート84は、後退し、そして、選択可能なロッキング・ディファレンシャルが、オープン差動状態に戻る。
【0048】
図8に示すように、例えば、ロッキング・ディファレンシャルは、12VDC電源(即ち、自己充足の)以外、作動のための外部設備を必要としない。ロッキング・ディファレンシャルは、低いバックラッシュを有する改良された作動方法を有し、いくつかの実施形態において、共通のワイヤハーネスを用いる確かなロック指示を有する。ロッキング・ディファレンシャルは、また、異なるおよび/または種々のディファレンシャルケースにおける設備のために形作られ、システムに対して必要な修正部分として、このような伝達能力を達成するために、アクチュエータピンおよび/またはサイドギア14のハブにスプライン係合した車軸の長さがある。
【0049】
本発明の特定の実施形態についての上記記述は、説明及び記述を目的として表現してきた。これらは、本発明を開示された正確な形状を包括し、または、これらに限定することを意図するものではなく、種々の修正及び変形が上記考察に照らして可能である。複数の実施形態が、本発明の原理及び実際の利用を説明するために選択されかつ記述された。これにより、当業者が本発明、及び熟慮した特定の使用に適している種々の修正を含む実施形態を利用することができる。本発明は、上記記載において詳細に説明してきたが、本発明の種々の変形及び修正は、この明細書を読みかつ理解することにより当業者には明らかになるであろう。全てのこのような変更及び修正は、添付の請求の範囲内にある限り、本発明に包含されることを意図している。本発明の範囲は、ここに添付された請求項及び等価物によって定められることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギアセット(10)であって、
少なくとも1つのヘリカル歯(50)を有するヘリカルフェースギアを含むサイドギア(14)と、
該サイドギア(14)とかみ合い係合するヘリカルピニオン(12)と、を含み、
該ヘリカルピニオン(12)が、少なくとも1つのヘリカル歯(20)を有し、かつ、約20°より少ない頂角を有することを特徴とするギアセット。
【請求項2】
前記サイドギア(14)のヘリカル歯(50)と前記ヘリカルピニオン(12)のヘリカル歯(20)は、鍛造されていることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項3】
前記サイドギア(14)とかみ合い係合するように作られた複数のヘリカルピニオン(12)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項4】
前記頂角は、次式
【数1】

ここで、dO.Pは、ピニオン(12)の外径であり、dl.Pは、ピニオン(12)の限界直径であり、dO.sgは、サイドギア(14)の外径であり、din.sgは、サイドギア(14)の内径である、に規定されていることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項5】
前記ヘリカルピニオン(12)は、約4〜10の間の歯数を有することを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項6】
前記ヘリカルピニオン(12)は、該ピニオン(12)の第1端部(30)にボス(28)を含んでいることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項7】
前記ヘリカルピニオン(12)は、該ピニオン(12)の第1端部(30)が平坦であり、かつ前記ヘリカルピニオン(12)の第2端部(34)が半球状であることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項8】
前記サイドギア(14)は、車軸を受け入れるために作られた第1の環状ハブ部分(37)を含んでいることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項9】
前記サイドギア(14)は、円周方向に伸びる外表面(43)を有する主部分(42)を含み、前記外表面(43)から半径方向外側に伸びる少なくとも1つの突起(44)を有することを特徴とする請求項8記載のギアセット。
【請求項10】
前記サイドギア(14)は、さらに前記ヘリカルフェース(46)上にハブ(52)を含み、該ハブ(52)は、前記サイドギア(14)の内径の円周回りに延在し、前記サイドギア(14)のヘリカル歯(50)が前記ハブ(52)に向かって半径方向内方に延在していることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項11】
前記ハブ(52)は、前記サイドギア(14)上のヘリカル歯(50)と一体であることを特徴とする請求項10記載のギアセット。
【請求項12】
前記サイドギア(14)上のヘリカル歯(50)の頂部表面は、前記ハブ(52)の頂部表面と同一平面上にあることを特徴とする請求項11記載のギアセット。
【請求項13】
前記サイドギア(14)は、ほぼ12以下の歯数であることを特徴とする請求項1記載のギアセット。
【請求項14】
前記サイドギア(14)は、第2の環状ハブ部分(53)を含み、該環状ハブ部分(53)の外径が、第1の環状ハブ部分(37)の外径より大きく、かつ前記第2の環状ハブ部分(53)の外径は、主部分(42)の外径よりも小さいことを特徴とする請求項9記載のギアセット。
【請求項15】
ディファレンシャルケース(64)と、
ヘリカルフェースギアを含むサイドギア(12)と、
該サイドギア(14)とかみ合い係合するために作られたヘリカルピニオン(12)とを含み、
前記ヘリカルピニオン(12)は、約20°より小さい頂角を有することを特徴とする差動装置。
【請求項16】
前記ヘリカルピニオン(12)を支持するために作られたトルクリングをさらに含んでいることを特徴とする請求項15記載の差動装置。
【請求項17】
前記ヘリカルピニオン(12)は、半球状の端部を含み、かつ前記ヘリカルピニオン(12)の半球状の端部の曲率半径が、前記トルクリング(18)の外側表面(56)の曲率半径にほぼ等しいことを特徴とする請求項15記載の差動装置。
【請求項18】
前記トルクリング(18)は、このトルクリング(18)の外周面から半径方向内方に伸びる少なくとも1つの孔(54)を含み、前記ヘリカルピニオン(1)が前記孔(54)内に配置されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの孔(54)は、盲孔であり、該孔(54)は、前記トルクリング(18)の外周面の第1端部を開放し、かつ前記第1端部に対向する第2端部を閉鎖していることを特徴とする請求項18記載の差動装置。
【請求項20】
前記トルクリング(18)は、前記ヘリカルピニオン(12)が、前記サイドギア(14)とかみ合い係合できるように、前記トルクリング(18)の側面に少なくとも1つのチャネル(60)を含んでいることを特徴とする請求項16記載の差動装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−530222(P2012−530222A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515217(P2012−515217)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/038520
【国際公開番号】WO2010/144910
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】