説明

トレーサビリティ方法およびトレーサビリティシステム

【課題】連続型製造システム等における製造活動情報、原材料情報、品質情報、製品情報の収集・分析、追跡、遡及を実現する。
【解決手段】複数の工程間のイベント等のリンクを定義、記録する工程間リンクマスタ71、工程間リンクデータマスタ72、バッチイベントマスタ73、工程間リンク実績ヘッダ83、工程間リンク実績データ84、イベント実績テーブル85、イベント実績データテーブル86を用いて、工程間の物質の受け払いを契機として、前後の工程にリンクした各種イベントや計測データの実績値の関係を工程間リンク実績データとして記録することで、複数の工程間にまたがった製品情報の収集・分析、追跡、遡及を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーサビリティ技術に関し、特に、食品製造工程のような連続型製造システムにおけるトレーサビリティ技術等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、非特許文献1にも記載されているように、加工食品の安全性への要求の高まりとともに、加工食品の製造工程を遡って製造履歴や使用原料等の情報を迅速、的確に把握して適切な対策を講ずることが、食品製造メーカ等において緊急の課題となっている。
【0003】
ところで、加工食品の製造工程のような、連続型(バッチプラント型、連続プラント型)製造システムにおける原料投入〜加工製造〜製品出荷の過程(工程)においては、原料または中間品の混合、積層、分離、配分、マルチパス、合流、分岐、繰り返し等を含む特徴がある。また、生産形態として、製造単位をロット、バッチに分けて生産を計画・実行・管理することが行われている。これらの特有な製造形態が、生産システムにおける各工程間、原料と製品、中間品と製品等の関係を複雑化し、生産過程における各種問題点の真因特定、ハザード分析、リスク管理に大きな壁となっている。
【0004】
たとえば、コンピュータによる統合製造技術としては、特許文献1に開示されているように、半導体装置の製造工程において、生産結果を工場モデリングや生産計画にフィードバックすることで、工場生産の一貫管理を行う技術が開示されているが、食品製造のように、各工程間、原料と製品、中間品と製品等の関係が複雑な場合における上述のような技術的課題は認識されていない。
【0005】
また、特許文献2には、食品製造工場内のコンピュータから食品衛生管理に関する各種リクエストやデータを通信回線を介して外部の管理会社に送り、管理会社が保有するソフトウェア等のコンテンツを用いて、食品製造工場における衛生管理システムの運営を行う技術が開示されているが、製造工程自体を管理する場合における上述の技術的課題は、やはり認識されていない。
【非特許文献1】平成15年4月25日、農林水産省総合食料局、社団法人、農協流通研究所、掲載“「食品トレーサビリティシステム導入の手引き」の策定について”(URL http://www.maff.go.jp/syohi/guide.htm)
【特許文献1】特開2001−143981号公報
【特許文献2】特開2002−49660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、連続型製造システム等において、製造活動情報、原材料情報、品質情報、製品情報の収集・分析、追跡、遡及が可能な仕組みおよび方法を確立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、隣接する複数の工程間に、個々の前記工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録し、前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行うトレーサビリティ方法を提供する。
【0008】
本発明の第2の観点は、個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を含むトレーサビリティシステムを提供する。
【0009】
本発明の第3の観点は、コンピュータを用いて製造工程の管理を行うプログラムであって、
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を前記コンピュータに実現させるプログラムを提供する。
【0010】
本発明の第4の観点は、コンピュータを用いて製造工程の管理を行うプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を前記コンピュータに実現させるプログラムが格納された記録媒体を提供する。
【0011】
本発明の第5の観点は、個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与するステップと、
隣接する任意の2つの前記工程の間において、互いに他の前記工程における前記プロシジャ識別情報、装置識別情報、イベント識別情報を関連付けて工程間リンク情報として定義し、当該工程間リンク情報を識別する工程間リンク識別情報を付与して工程間リンクマスタに設定するステップと、
前記工程間リンク識別情報に基づいて管理する払いデータアイテム識別情報と受けデータアイテム識別情報を工程間リンクデータマスタに設定することによって、前工程と後工程における生産実績情報をイベント情報により動的にリンクするステップと、
前記工程間リンクマスタおよび工程間リンクデータマスタに登録される前記生産実績情報を用いて、発生したイベントが登録された前記イベントの場合、受けイベントの終了時に払いイベントを検出し、前記受けイベントおよび払いイベントに関係する製造単位情報と実績データとを関連付けることによって、前後の前記工程の製造単位、実績情報が関連付けられた工程間リンク実績情報を作成するステップと、
前記工程間リンク情報と、前記工程間リンク実績情報を用いて、検索条件をもとに、前記製造単位の検索及び、それに関連付けられた全ての前記工程の製造単位を検出し、それらの製造単位に関連付けられた実績を表示するステップと、
を含むトレーサビリティ方法を提供する。
【0012】
本発明の第6の観点は、個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する任意の2つの前記工程の間において、互いに他の前記工程における前記プロシジャ識別情報、装置識別情報、イベント識別情報を関連付けて工程間リンク情報として定義し、当該工程間リンク情報を識別する工程間リンク識別情報を付与して工程間リンクマスタに設定する機能と、
前記工程間リンク識別情報に基づいて管理する払いデータアイテム識別情報と受けデータアイテム識別情報を工程間リンクデータマスタに設定することによって、前工程と後工程における生産実績情報をイベント情報により動的にリンクする工程間リンク情報設定機能と、
前記工程間リンクマスタおよび工程間リンクデータマスタに登録される情報を用いて、発生するイベントが登録された前記イベントの場合、受けイベントの終了時に払いイベントを検出し、前記受けイベントおよび払いイベントに関係する製造単位情報と実績データと関連付けることによって、前後の前記工程の製造単位と実績情報が関連付けられた工程間リンク実績情報を作成する工程間リンク実績情報生成手段と、
前記工程間リンク情報と、前記工程間リンク実績情報を用いて、検索条件をもとに、製造単位の検索及び、それに関連付けられた全ての工程の前記製造単位を検出し、それらの製造単位に関連付けられた実績を表示する実績検索表示機能と、
を含むトレーサビリティシステムを提供する。
【0013】
すなわち、本発明では、たとえば、バッチプラント型製造システムにおいて、製造の計画情報と実績情報、製造プロセスにおけるイベント情報、及び原料、製品情報を管理し、各工程では工程間リンク処理により、イベント情報とトレンド実績の連携を行い、更に、各工程と関係付けた実績履歴データと、ロットおよびバッチ情報とを関連付けたことによって、製造プロセスにおける工程間の関係、実行イベント及びその前後関係を把握し、製品製造過程に使用されている原料、製造単位(ロット、バッチ)、設備等のトレーサビリティ(追跡、遡及)を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、連続型製造システム等における製造活動情報、原材料情報、品質情報、製品情報の収集、分析、追跡、遡及を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムの作用の一例を示すフローチャートであり、図2は、本実施の形態のトレーサビリティシステムを含む生産管理システムの全体構成の一例を示す概念図である。
【0016】
図2に例示されるように、本実施の形態の生産管理システムは、製造設備60を計装機器50を介して監視および制御する生産制御コンピュータ40と、情報ネットワーク41を介してこの生産制御コンピュータ40に接続されるトレーサビリティサーバ20およびトレーサビリティサーバ20の配下のデータベース装置30を備えている。さらに、トレーサビリティサーバ20には、情報ネットワーク42を介してクライアント装置10が接続されている。
【0017】
トレーサビリティサーバ20および生産制御コンピュータ40は、汎用スケジューラ等から出力された製造計画のファイルを指図展開して製造レシピを生成し、この指図展開から製造指図が構築され、生産制御コンピュータ40は、この製造指図に従って運転指示展開等の処理を行い、所定の量の目的の製品の製造が、所定のスケジュールにて完了するように製造設備60を制御する。製造過程で発生した情報は、データベース装置30に格納されて、進捗管理や汎用実績分析、後述のトレーサビリティ等の用途に用いられる。
【0018】
図3に例示されるように、本実施の形態のトレーサビリティサーバ20は、中央処理装置として機能するMPU21と、このMPU21が実行するソフトウェアやデータ等が格納される主記憶22と、情報ネットワーク41および情報ネットワーク42に接続されるネットワークインターフェイス23と、システムを管理するためのディスプレイやキーボード等のユーザインターフェイス24と、記録媒体26に対する情報の記録/再生を行う可搬媒体ドライブ25と、これら各部を接続する情報伝送路としてのバス27を備えている。さらに、トレーサビリティサーバ20は配下にデータベース装置30を備えている。
【0019】
主記憶22には、オペレーティングシステム22a、汎用データベースプログラム22b、後述の工程間リンク処理を実現する工程間リンク処理プログラム22c、後述のトレーサビリティ処理を実現するトレーサビリティプログラム22d、クライアント装置10との情報の授受を行うためのWebサーバプログラム22e、が実装されている。
【0020】
これらのプログラムは、たとえば、記録媒体26に格納されて流通し、可搬媒体ドライブ25を介して読み出されて主記憶22に実装される。あるいは、ネットワークインターフェイス23を介して外部から実装するようにしてもよい。
【0021】
図4に例示されるように、クライアント装置10は、中央処理装置として機能するMPU11と、このMPU11にて実行されるプログラムやデータ等が格納される主記憶12と、ユーザインターフェイスとしてのディスプレイ13および入力装置14と、情報ネットワーク42に接続されるネットワークインターフェイス15と、外部記憶装置16と、記録媒体18に対する情報の記録/再生を行うための可搬媒体ドライブ17と、これらの各部を接続する情報伝送路としてのバス19を備えている。
【0022】
主記憶12には、オペレーティングシステム12aと、後述のようなトレーサビリティ処理における各種の情報の授受をトレーサビリティサーバ20のWebサーバプログラム22eとの間で行うWebブラウザプログラム12bが実装されている。
【0023】
ここで、製造設備60として、たとえば、ある飲料の製造工場を例にとると、生産制御コンピュータ40は、図9に例示されるような階層モデルにて製造工程の制御管理を行う。
【0024】
すなわち、製造設備60の製造工程全体を、たとえば、仕込設備61、発酵設備62、貯酒設備63に区分したものを最上位の階層であるプロシジャ60aとし、個々のプロシジャ60aは、当該プロシジャ60aを構成するユニット60b(たとえば、仕込設備61の場合は、原料処理装置、仕込装置、ろ過装置、煮沸装置)を含み、さらに個々のユニット60bには、実際の加工処理に相当するオペレーション60cが含まれ、個々のオペレーション60cには、さらに、バルブ開閉、加熱、攪拌、冷却、等の個々の動作に相当するフェーズ60dが含まれる。
【0025】
個々のフェーズ60dのバルブ開閉、加熱ON/OFF、攪拌ON/OFF、冷却ON/OFF等は、イベント60eとして検出され記録される。
たとえば、バルブ開イベントの場合、個々のイベント60e毎に開始時刻、終了時刻、ロットID、バッチID、プロシジャID、ユニットID、オペレーションID、フェーズID等の識別情報および情報が記録される。
【0026】
さらに、図10に例示されるように、本実施の形態の場合、あるユニット60b中の時系列に連続した観測データ(トレンドデータ60f)がある場合(たとえば原料処理装置温度)、このトレンドデータ60fは、個々のイベント60eに対応付けられたトレンドデータ60f−1、および、個々のオペレーション60cに対応付けられたトレンドデータ60f−2として記録される。
【0027】
すなわち、プロシジャ60a、ユニット60b、オペレーション60c、フェーズ60dの各々の階層別実績データとして、実績発生時刻、ロットID、バッチID、プロシジャID、ユニットID、オペレーションID、フェーズID、実測データの最大/最小/平均、実測データ、等が記録される。
【0028】
ところで、飲料等の食品製造工程のような連続型製造システムでは、図11のように、複数の設備1〜8の間で、マルチパス、合流、繰り返し、分岐などの複雑な処理経路が構成されるため、個々の設備(プロシジャ60a)単位で実績データを管理したのでは、プロシジャ60a間にまたがるトレーサビリティ困難になる。そこで、本実施の形態では、データベース装置30内に、工程間リンク処理プログラム22cにて後述のような工程間リンク情報を管理するための各種データベースを構築して、複数の設備にまたがる追跡/遡及等のトレーサビリティを実現する。
【0029】
このため、データベース装置30には、後述のような工程間リンク処理およびトレーサビリティ処理を行うための各種の情報が格納されるデータベースが構築されている。
本実施の形態の場合、個々の設備(工程)における加工物の払い出し、および受け入れの契機に、払いイベントおよび受けイベントを設定し、受けイベントが終了した時点で終了している払いイベントを、後述のように、あらかじめ設定された工程間リンク情報から検索して受けイベントと払いイベントとを対応付けて実績情報として記録することで、工程間リンクを実現する。
【0030】
すなわち、図5に例示されるように、本実施の形態のデータベース装置30には、工程間リンクマスタ71、工程間リンクデータマスタ72、バッチイベントマスタ73、および、イベント実績ヘッダ81、イベント実績データ82、工程間リンク実績ヘッダ83、工程間リンク実績データ84が設定されている。
【0031】
これらの情報は、汎用データベースプログラム22bにて制御されているデータセットマスタ74、データセットアイテムマスタ75およびデータアイテムマスタ76等の汎用データベースの上に構築/設定されており、工程間リンク処理プログラム22cおよびトレーサビリティプログラム22dにて後述のように、設定/制御される。
【0032】
図5に示されるように、払い側と受け側の基本的なリンク関係を定義する工程間リンクマスタ71には、キー項目としての工程間リンクID71aと、受けプロシジャID71b、受け装置ID71c、受けイベントID71d、払いプロシジャID71e、払い装置ID71f、払いイベントID71g、の各情報が設定されている。個々のリンク関係は、工程間リンクID71aにて識別される。
【0033】
バッチイベントの定義が格納されるバッチイベントマスタ73には、キー項目としてのプロシジャID73a、装置ID73bおよびイベントID73cと、データセットID73d、項目間演算ID73e、バッチレベル73f、親イベントID73g、の各情報が設定されている。
【0034】
イベント実績ヘッダ81には、キー項目としてのイベント番号81a、プロシジャID81b、装置ID81c、イベントID81d、開始時刻81e、終了時刻81f、締め状態81g、ロット番号81h、バッチ番号81i、の各情報が設定されている。
【0035】
イベント実績データ82には、キー項目としてのイベント番号82aおよびデータアイテムID82bと、実績値82c、等の各情報が設定されている。この実績値82cは、原料や中間製品、中間原料、最終製品等の名称、あるいは量、各種測定データの実測値、等が含まれる。
【0036】
ロット、バッチの対応付け情報が設定される工程間リンク実績ヘッダ83には、工程間リンクID83a、受け終了時刻83b、受けロット番号83c、受けバッチ番号83d、払い終了時刻83e、払いロット番号83f、払いバッチ番号83g、リンク状態83h、等の各情報が格納されている。
【0037】
受け払いの実績値が格納される工程間リンク実績データ84には、工程間リンクID84a、受け終了時刻84b、データアイテムID84c、受け実績値84d、払い実績値84e、の各情報が格納されている。
【0038】
データベース装置30には、画面定義データベース90も設定されており、クライアント装置10に適切な入力画面や表示画面を表示させるために、Webサーバプログラム22eおよびトレーサビリティプログラム22dによって参照される。
【0039】
なお、これらの情報の実体は、上述のように、汎用データベースプログラム22bが提供するデータセットマスタ74、データセットアイテムマスタ75およびデータアイテムマスタ76にて管理される汎用データベース内に格納される。
【0040】
次に、トレーサビリティプログラム22dおよびWebサーバプログラム22eにて、クライアント装置10の側のディスプレイ13に提示される画面例について説明する。
図13は、トレーサビリティ定義画面91の構成例である。このトレーサビリティ定義画面91は、工程間リンクを利用したプロシジャをまたがるトレーサビリティ検索か、またがらない単独のプロシジャ内のトレーサビリティ検索かのいずれか一方を指定するラジオボタン91a、大域的な工程を選択させるリストボックス91b、大域的な工程名を表示するテキストボックス91c、検索対象のプロシジャまたはイベントを指定する(ただし、ラジオボタン91aで、またがるを選択した場合は選択できない)リストボックス91d、検索キー指定のためのチェックボックス91e、実績表示設定のためのチェックボックス91f、プロシジャ、イベント毎に検索種別を指定するためのリストボックス91gおよびチェックボックス91h、等の要素で構成されている。
【0041】
図14は、トレースデータ検索画面92の構成例であり、大域的な工程を選択させるためのリンク領域92a、検索条件としてロット/バッチの指定するか否かを指示するラジオボタン92b、具体的な検索項目、検索条件を指定するコンボボックス92c、検索範囲を指定するコンボボックス92d、等の要素で構成されている。
【0042】
図15は、トレーサビリティ結果表示画面93の構成例である。このトレーサビリティ結果表示画面93は、工程を選択させるためのリンク93a、検索した工程の前後何工程を表示するかを指定するコンボボックス93b、実行した検索条件を表示するテキスト表示領域93c、検索結果を表示するコンボボックス93d、等で構成されている。
【0043】
コンボボックス93dは、指定した工程についての検索結果を示す中央の結果表示領域93d−1と、その工程の後続の工程についての検索結果を示す右側の結果表示領域93d−2と、その工程の先行する工程についての検索結果を示す左側の結果表示領域93d−3と、で構成されている。
【0044】
すなわち、本実施の形態の場合、後述のように、工程間リンク情報を利用して複数の工程間にまたがる生産実績情報の追跡/遡及が可能なため、トレーサビリティ結果表示画面93では、ある工程とその前後の一つまたは複数の工程に及ぶ検索結果の表示が可能である。
【0045】
以下、図1、図7および図12のフローチャート等を参照して、本実施の形態の作用の一例について説明する。
まず、図1のフローチャートにて、工程間リンク実績データの作成処理について説明する。製造設備60の稼働中に図10のようにして収集された階層別の実績データは、データベース装置30に蓄積される。
【0046】
そして、任意の工程における受けイベントの終了契機に、工程間リンク情報の作成処理が開始される。
すなわち、工程間リンク処理プログラム22cは、まず、その工程での受けイベントの終了時点で、イベント実績テーブル85、バッチイベントマスタ73、および工程間リンクマスタ71を用いて払いイベントの最新情報を取得する(ステップ101)。
【0047】
次に、工程間リンク実績ヘッダ83から前回の工程間リンクの実績を読み出し(ステップ102)、新たな工程間リンク実績ヘッダを作成して、工程間リンク実績ヘッダ83に格納する(ステップ103)。
【0048】
その後、工程間リンクデータマスタ72とイベント実績データテーブル86から、受け払いイベントに対応した実績データを読み出し(ステップ104)、工程間リンク実績データを作成し(ステップ105)、工程間リンク実績データ84に格納する。
【0049】
この工程間リンク実績データの作成処理をより詳細に例示したものが、図6、および図7のフローチャートである。
すなわち、終了イベントを受信すると(ステップ111)、受信イベントが工程間リンクマスタの受けイベントに設定されているかをチェックする(ステップ112)。そして、受けイベントとして定義されている場合、対応するマスタ情報(工程間リンクID、その以下)を取得し(ステップ113)、さらに、払いイベントを取得する(ステップ114)。
【0050】
次に、ステップ113の工程間リンクIDに対応する工程間リンクデータの定義を取得する(複数ある)(ステップ115)。
次に、
払いイベントのイベント実績ヘッダを取得する(払いロット番号、払いバッチ番号、払い終了日時)(ステップ116)。
【0051】
次に、
前回の実績から払いイベントの終了時間を取得する(ステップ117)。
そして、今回取得した払いイベントの終了時間と前回の払いイベントの終了時間を比較し(ステップ118)、同じ場合は、エラーとして終了する。
【0052】
違う場合は、受けと払いのヘッダ情報から工程間リンク実績ヘッダを作成する(ステップ119)。
その後、受けイベントと払いイベントのデータアイテムから実績値[払い:(払いデータアイテム、払い実績値)、受け:(受けデータアイテム、受け実績値)]を取得し(ステップ120)、
受けと払いのデータアイテム情報から工程間リンク実績データを作成する(ステップ121)。
【0053】
そして、ステップ115で複数のデータアイテムが定義されている場合、ステップ120、ステップ121を繰り返す(ステップ122)。
さらに、ステップ114
で複数のリンクがあった場合、ステップ115〜ステップ122を繰り返す(ステップ123)。
【0054】
図8に、この工程間リンク実績データの作成例を示す。先行する工程に払いイベントAと、払いイベントBがあり、後続の工程に受けイベントBがある場合、払いイベントAと受けイベントAをリンクするケースC1の場合、工程間リンク定義はテーブルT1−1となり、実績値は、テーブルT1−2となる。
【0055】
また、払いイベントBと受けイベントAをリンクするケースC2の場合、工程間リンク定義はテーブルT2−1となり、実績値は、テーブルT2−2となる。
次に、図12のフローチャート等を参照して、上述のようにして設定/記録された工程間リンク定義や工程間リンク実績データ等の情報に基づいて、トレーサビリティを実行する例を示す。
【0056】
まず、クライアント装置10側からのトレーサビリティ検索画面表示要求(ステップ141)に応答して、トレーサビリティサーバ20のWebサーバプログラム22eは、画面定義データベース90から画面定義情報を読み込み(ステップ131)、クライアント装置10側に画面を表示する(ステップ132)。
【0057】
そして、クライアント装置10では、トレーサビリティ定義画面91用いて、リストボックス91bにて目的の工程を指定するとともに、ラジオボタン91aにて、前後の工程にまたがったトレーサビリティの実行の有無を指定し、チェックボックス91e、チェックボックス91f等にてロット番号やバッチ番号等の検索キーや実績表示等の設定を行う(ステップ142)。
【0058】
これらの指定に基づいて、トレーサビリティサーバ20のトレーサビリティプログラム22dは、指定されたロット/バッチに関する実績データの収集を行い(ステップ133)、収集結果をクライアント装置10に表示する(ステップ134)。
【0059】
クライアント装置10では、この結果表示に対して、さらに、トレースデータ検索画面92にて検索条件や検索範囲等を指定してロット/バッチ等に関する実績表示要求を行い(ステップ143)、これを受けた、トレーサビリティプログラム22dは、実績データの収集を実行し(ステップ135)、Webサーバプログラム22eを介してクライアント装置10に、トレーサビリティ結果表示画面93を用いて結果を表示する(ステップ136)。
【0060】
このトレーサビリティ結果表示画面93では、工程間リンク情報に基づいて、コンボボックス93d内において、中央の結果表示領域93d−1に検索指定した工程のロットやバッチの実績情報が表示され、その左右の結果表示領域93d−3および結果表示領域93d−2には、リンクした前後の工程のロットやバッチの実績情報が表示される。
【0061】
また、クライアント装置10から分析画面表示要求が行われると(ステップ144)、Webサーバプログラム22eは、画面定義データベース90から各種分析画面の定義を読み込んで(ステップ137)、図16に例示されるような、各種の分析画面を表示する(ステップ138)。また、これらの分析画面では、必要に応じて、上述のトレースデータ検索画面92、トレーサビリティ結果表示画面93等のトレーサビリティ画面と連携して表示させることもできる。
【0062】
図16の例では、「汎用グラフ」、「表」、「系統図」、「表形式ガントチャート」、などから、ロットID、バッチID等をキーにしてトレースデータ検索画面92、トレーサビリティ結果表示画面93の画面を表示し、さらに、「総合進捗ガントチャート」、「総合進捗メニュー」に連携できる。
【0063】
また、「挙動解析」、「ロットフロー」、「相関図」、等の加工グラフ画面の表示と連携することもできる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、たとえば、バッチプラント型製造システムにおいて、製造の計画情報と実績情報、製造プロセスにおけるイベント情報、及び原料、製品情報を管理し、各工程では工程間リンク定義に基づいて、各種のイベント情報とトレンド実績の連携を行い、更に、各工程を関係付けた実績履歴データと、ロットおよびバッチ情報とを対応付けたことによって、製造プロセスにおける工程間の関係、実行イベント及びその前後関係を把握し、製品製造過程に使用されている原料、製造単位(ロット、バッチ)、設備のトレーサビリティ(追跡、遡及)を実現することができる。これにより、製造活動情報、原材料情報、品質情報、製品情報の収集・分析、追跡、遡及が可能となる。
【0064】
この結果、製品に異常があったときに原料や製造中のもの(中間物)を検索・表示できる。また、製品に異常があるときに同じ原料を使って生産した製品を検索・表示できる。また、原料に異常があるときにその原料を使って生産した製品を検索・表示できる。また、異常が分った製品と同じ原料やタンクを使った製品を検索・表示できる。また、製品に異常があったときに、どのタンク等の設備を使った原料か、までを検索・表示できる。また、異常のあった製品は何時何分にどの工程を通過しているか、どのぐらい使ったかを検索・表示できる。
【0065】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムの作用の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティシステムを含む生産管理システムの全体構成の一例を示す概念図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティサーバの構成の一例を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムに用いられるクライアント装置の構成の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムに用いられるデータベースの構成および作用の一例を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムに用いられるデータベースの入出力関係の一例を示す概念図である。
【図7】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおける工程間リンク情報の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおける工程間リンク情報の生成処理の一例を示す概念図である。
【図9】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるイベント実績モデルの一例を示す概念図である。
【図10】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるイベントデータの収集方法の一例を示す概念図である。
【図11】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおける工程間リンクの例を示す概念図である。
【図12】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるトレーサビリティ処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるトレーサビリティ処理の定義画面例である。
【図14】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるトレーサビリティ処理の検索処理の画面例である。
【図15】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるトレーサビリティ処理の検索結果の画面例である。
【図16】本発明の一実施の形態であるトレーサビリティ方法およびシステムにおけるトレーサビリティ処理と他の分析機能との連携を示す画面例である。
【符号の説明】
【0067】
10 クライアント装置
11 MPU
12 主記憶
12a オペレーティングシステム
12b Webブラウザプログラム
13 ディスプレイ
14 入力装置
15 ネットワークインターフェイス
16 外部記憶装置
17 可搬媒体ドライブ
18 記録媒体
19 バス
20 トレーサビリティサーバ
21 MPU
22 主記憶
22a オペレーティングシステム
22b 汎用データベースプログラム
22c 工程間リンク処理プログラム
22d トレーサビリティプログラム
22e Webサーバプログラム
23 ネットワークインターフェイス
24 ユーザインターフェイス
25 可搬媒体ドライブ
26 記録媒体
27 バス
30 データベース装置
40 生産制御コンピュータ
41 情報ネットワーク
42 情報ネットワーク
50 計装機器
60 製造設備
60a プロシジャ
60b ユニット
60c オペレーション
60d フェーズ
60e イベント
60f トレンドデータ
60f−1 トレンドデータ
60f−2 トレンドデータ
61 仕込設備
62 発酵設備
63 貯酒設備
71 工程間リンクマスタ
71a 工程間リンクID
71b 受けプロシジャID
71c 受け装置ID
71d 受けイベントID
71e 払いプロシジャID
71f 払い装置ID
71g 払いイベントID
72 工程間リンクデータマスタ
72a 工程間リンクID
72b 受けデータアイテムID
72c 払いデータアイテムID
73 バッチイベントマスタ
73a プロシジャID
73b 装置ID
73c イベントID
73d データセットID
73e 項目間演算ID
73f バッチレベル
73g 親イベントID
74 データセットマスタ
75 データセットアイテムマスタ
76 データアイテムマスタ
81 イベント実績ヘッダ
81a イベント番号
81b プロシジャID
81c 装置ID
81d イベントID
81e 開始時刻
81f 終了時刻
81g 締め状態
81h ロット番号
81i バッチ番号
82 イベント実績データ
82a イベント番号
82b データアイテムID
82c 実績値
83 工程間リンク実績ヘッダ
83a 工程間リンクID
83b 受け終了時刻
83c 受けロット番号
83d 受けバッチ番号
83e 払い終了時刻
83f 払いロット番号
83g 払いバッチ番号
83h リンク状態
84 工程間リンク実績データ
84a 工程間リンクID
84b 受け終了時刻
84c データアイテムID
84d 受け実績値
84e 払い実績値
85 イベント実績テーブル
86 イベント実績データテーブル
90 画面定義データベース
91 トレーサビリティ定義画面
91a ラジオボタン
91b リストボックス
91c テキストボックス
91d リストボックス
91e チェックボックス
91f チェックボックス
91g リストボックス
91h チェックボックス
92 トレースデータ検索画面
92a リンク領域
92b ラジオボタン
92c コンボボックス
92d コンボボックス
93 トレーサビリティ結果表示画面
93a リンク
93b コンボボックス
93c テキスト表示領域
93d コンボボックス
93d−1 結果表示領域
93d−2 結果表示領域
93d−3 結果表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する複数の工程間に、個々の前記工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録し、前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行うことを特徴とするトレーサビリティ方法。
【請求項2】
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を含むことを特徴とするトレーサビリティシステム。
【請求項3】
コンピュータを用いて製造工程の管理を行うプログラムであって、
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を前記コンピュータに実現させるプログラム。
【請求項4】
コンピュータを用いて製造工程の管理を行うプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する複数の前記工程間に、前記プロシジャ識別情報と、前記装置識別情報と、前記イベント識別情報に関する工程間連携情報を設定および記録する機能と、
前記工程間連携情報に基づいて、複数の前記工程間における生産実績情報の追跡および/または遡及を行う機能と、
を前記コンピュータに実現させるプログラムが格納された記録媒体。
【請求項5】
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与するステップと、
隣接する任意の2つの前記工程の間において、互いに他の前記工程における前記プロシジャ識別情報、装置識別情報、イベント識別情報を関連付けて工程間リンク情報として定義し、当該工程間リンク情報を識別する工程間リンク識別情報を付与して工程間リンクマスタに設定するステップと、
前記工程間リンク識別情報に基づいて管理する払いデータアイテム識別情報と受けデータアイテム識別情報を工程間リンクデータマスタに設定することによって、前工程と後工程における生産実績情報をイベント情報により動的にリンクするステップと、
前記工程間リンクマスタおよび工程間リンクデータマスタに登録される前記生産実績情報を用いて、発生したイベントが登録された前記イベントの場合、受けイベントの終了時に払いイベントを検出し、前記受けイベントおよび払いイベントに関係する製造単位情報と実績データとを関連付けることによって、前後の前記工程の製造単位、実績情報が関連付けられた工程間リンク実績情報を作成するステップと、
前記工程間リンク情報と、前記工程間リンク実績情報を用いて、検索条件をもとに、前記製造単位の検索及び、それに関連付けられた全ての前記工程の製造単位を検出し、それらの製造単位に関連付けられた実績を表示するステップと、
を含むことを特徴とするトレーサビリティ方法。
【請求項6】
請求項5記載のトレーサビリティ方法において、
個々の前記工程では前記工程間リンク情報および前記イベント情報とトレンド実績の連携を行い、更に、各工程を関連付けた実績履歴データと、製造単位情報とを関連付けて記録するステップと、
検索表示したいデータ項目の設定と、トレーサビリティの表示形式を定義するステップと、
原材料、製造単位、設備、時刻を指定して多彩な切口から生産実績情報を追跡および/または遡及するステップと、
製造単位、設備などの情報をパラメータとして他の分析機能から、または他の分析機能へと受け渡すことにより、より多くの側面から分析するステップと、
を更に備えることを特徴とするトレーサビリティ方法。
【請求項7】
個々の工程毎に当該工程での処理内容を識別するプロシジャ識別情報と、当該工程に含まれる装置を識別する装置識別情報と、当該工程にて発生する事象を識別するためのイベント識別情報とを付与する機能と、
隣接する任意の2つの前記工程の間において、互いに他の前記工程における前記プロシジャ識別情報、装置識別情報、イベント識別情報を関連付けて工程間リンク情報として定義し、当該工程間リンク情報を識別する工程間リンク識別情報を付与して工程間リンクマスタに設定する機能と、
前記工程間リンク識別情報に基づいて管理する払いデータアイテム識別情報と受けデータアイテム識別情報を工程間リンクデータマスタに設定することによって、前工程と後工程における生産実績情報をイベント情報により動的にリンクする工程間リンク情報設定機能と、
前記工程間リンクマスタおよび工程間リンクデータマスタに登録される情報を用いて、発生するイベントが登録された前記イベントの場合、受けイベントの終了時に払いイベントを検出し、前記受けイベントおよび払いイベントに関係する製造単位情報と実績データと関連付けることによって、前後の前記工程の製造単位と実績情報が関連付けられた工程間リンク実績情報を作成する工程間リンク実績情報生成手段と、
前記工程間リンク情報と、前記工程間リンク実績情報を用いて、検索条件をもとに、製造単位の検索及び、それに関連付けられた全ての工程の前記製造単位を検出し、それらの製造単位に関連付けられた実績を表示する実績検索表示機能と、
を含むことを特徴とするトレーサビリティシステム。
【請求項8】
請求項7記載のトレーサビリティシステムにおいて、
個々の前記工程では工程間リンク情報およびイベント情報とトレンド実績の連携を行い、更に、各工程を関連付けた実績履歴データと、製造単位情報とを関連付けて記録する機能と、
検索表示したいデータ項目の設定と、トレーサビリティの表示形式を定義するトレーサビリティ定義手段と、
原材料、製造単位、設備、時刻を指定して多彩な切口から生産実績情報を追跡および/または遡及する検索表示手段と、
製造単位、設備などの情報をパラメータとして他の分析機能から、または他の分析機能へと受け渡すことにより、より多くの側面から分析することのできる分析連繋手段と、
を更に備えることを特徴とするトレーサビリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図5】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−249326(P2007−249326A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68729(P2006−68729)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】