説明

トレーリングアーム支持構造

【課題】 トレーリングアーム支持構造の剛性を高め、小型化及び軽量化を可能にする。
【解決手段】 サイドシルエクステンション4に設けられるトレーリングアーム支持構造であって、サイドシルエクステンションは、角稜部45が車外側かつ上方側へと凹まされて、凹部上壁部51と、凹部側壁部52とによって画成される凹部49を有し、凹部の上方における車内側壁部の車内側面には、凹部側壁部との間に支持軸75が取り付けられるブラケット65が溶接され、ブラケットは、支持軸の周囲に受座67を有すると共に、受座の周縁部68から凹部側壁部との接合部へと延びる、凹部側と相反する側に凸となる複数の補強ビード70を有し、サイドシルエクステンションは、車内側壁部から凹部上壁部へと延び、ブラケットと相反する側及び凹部と相反する側に凸となる補強ビード57を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアーム支持構造に係り,詳しくはトレーリングアームの前端部を車体フレームに枢支する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体フレームの左右それぞれに、対向する一対の側壁を形成するブラケットを突設し、一対の側壁間に支持軸を固定し、この支持軸にブッシュを介して左右のトレーリングアームの前端部を枢支させることによって、車体フレームにトレーリングアームを回動可能に支持させたトレーリングアーム支持構造が公知である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4075445号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなトレーリングアーム支持構造において、支持軸の一端を車体フレームの一部をなすサイドシルに固定し、他端のみをブラケットに固定すれば、ブラケットの小型化が可能になり、更にはトレーリングアーム支持構造全体の小型化が図れる。このようなトレーリングアーム支持構造において、更なる小型化及び軽量化を図るためには、ブラケット単体の剛性を高めると共に、ブラケットとサイドシルとによって形成されるトレーリングアーム支持構造の剛性を高める必要がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑みてなされたものであって、トレーリングアーム支持構造の剛性を高め、小型化及び軽量化を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、トレーリングアーム(90)の前端を支持すべく、車体両側にて車体前後方向に延設されたサイドシル(2)の後端部(4)に設けられるトレーリングアーム支持構造であって、前記サイドシルは、前部において上壁部(43)、車内側壁部(41)、下壁部(42)及び車外側壁部(5)からなる略四角形状の断面を有する一方、その後端部は車内側壁部と下壁部との間に形成される角稜部(45)が車外側かつ上方側へと凹まされて、前記車内側壁に連続する凹部上壁部(51)と、前記凹部上壁部から前記下壁部へと延びる凹部側壁部(52)とによって画成される凹部(49)を有し、前記凹部の上方における前記車内側壁部の車内側面には、下方に延びて前記凹部側壁部と対向し、前記凹部側壁部との間に前記トレーリングアームの前端を枢支する支持軸(75)が取り付けられるブラケット(65)が接合され、前記ブラケットは、前記支持軸が取り付けられる部分の周囲に前記トレーリングアームの前端と対向する受座(67)を有すると共に、前記受座の縁部(68)から前記車内側壁部との接合部へと延びる、前記凹部側と相反する側に凸となる複数のブラケット補強ビード(70)を有し、前記サイドシルは、前記凹部の上方における前記車内側壁部から凹部上壁部へと延び、前記ブラケットと相反する側及び前記凹部側と相反する側に凸となるサイドシル補強ビード(57)を有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、サイドシルに形成した凹部にトレーリングアームの前端部を受容するため、各構成を高密度に配置して空間の有効利用が図れる。また、ブラケット補強ビード及びサイドシル補強ビードによって、ブラケット及びサイドシルの凹部を補強し、トレーリングアーム支持構造の剛性を高めることができる。これにより、ブラケットの薄肉化や小型化が可能になる。
【0008】
本発明の他の側面は、前記ブラケット補強ビードのそれぞれは、互いに間隔をおいて配置され、前記ブラケットは、隣り合うブラケット補強ビード間において前記車内側壁に溶接されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、ブラケットとサイドシルとの接合部の剛性を高めることができる。
【0010】
本発明の他の側面は、前記ブラケット補強ビードのそれぞれと、前記サイドシル補強ビードの前記車内側壁部に設けられた部分のそれぞれとは互いに対向するように配置され、前記ブラケット補強ビードと前記サイドシル補強ビードの前記車内側壁部に設けられた部分とによって閉断面が形成されることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ブラケットとサイドシルとによって閉断面構造を形成することができ、トレーリングアーム支持構造の剛性を高めることができる。
【0012】
本発明の他の側面は、前記受座は、円板状をなし、その周縁部(68)において前記凹部側壁部側へと膨出していることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ブラケットの剛性を高めることができる。
【0014】
本発明の他の側面は、前記凹部側壁部の後端は、前記凹部を除いて前記サイドシルの後端を閉塞する蓋部材(61)によって前記車外側壁部(5)に連結されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、サイドシルの凹部の剛性を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成によれば、トレーリングアーム支持構造の剛性を高めることができ、ブラケットの小型化及び軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車体の左側部を車外側から見た分解斜視図
【図2】車体の左側部を車内側から見た分解斜視図
【図3】サイドシルエクステンションを車外側から見た斜視図
【図4】サイドシルエクステンション及びサイドシルスチフナを車外側から見た分解斜視図
【図5】トレーリングアーム支持構造を後方から見た斜視図
【図6】車体後部構造を示す底面図
【図7】図6の矢印VIIの方向からトレーリングアーム支持構造を見た斜視図
【図8】図6の矢印VIIIの方向からトレーリングアーム支持構造を見た斜視図
【図9】図7のIX−IX断面図
【図10】図7のX−X断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明のトレーリングアーム支持構造を自動車の車体1に適用した実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、車体の前進方向を前方とし、これを基準として左右方向を定め、鉛直上方を上方とする。なお、以下に説明する車体1は、概ね左右対称形をなすため、左半部について説明し、右半部の同様の構成については説明を省略する。また、以下に説明する車体1の各要素は、特に説明がない限り、鋼板をプレス成形することによって形成されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、4ドア自動車の車体1は、下部両側部に前後方向に延設された左右一対のサイドシル2を有している。サイドシル2は、その車内側部分を構成するサイドシルインナパネル3及びサイドシルインナパネル3の後端に接続されたサイドシルエクステンション4と、その車外側部分を構成するサイドシルアウタパネル5と、サイドシル2を補強するためのサイドシルスチフナ6とを備えている。
【0020】
サイドシルインナパネル3及びサイドシルエクステンション4は、それぞれ断面形状が車外側に向けて開口すると共にその上縁及び下縁にフランジを有するハット形をなす。サイドシルアウタパネル5は、断面形状が車内側に向けて開口すると共にその上縁及び下縁にフランジを有するハット形をなす。サイドシルインナパネル3及びサイドシルエクステンション4と、サイドシルアウタパネル5とは、上縁及び下縁のフランジが互いに接合されて閉断面を形成する。サイドシルスチフナ6は、サイドシルインナパネル3及びササイドシルエクステンション4とイドシルアウタパネル5との間に介装される。
【0021】
本実施形態では、サイドシルインナパネル3とサイドシルエクステンション4とを別部材から構成しているが、他の実施形態ではサイドシルインナパネル3及びサイドシルエクステンション4を単一部材から形成してもよい。
【0022】
左右一対のサイドシルインナパネル3及びサイドシルエクステンション4は、センタフロアクロスメンバ8、ミドルフロアクロスメンバ9及びフロントフロア10によって互いに連結されている。
【0023】
各サイドシルエクステンション4の後端部上部には、左右一対のリヤフレーム11の前端が接合されている。リヤフレーム11は、サイドシルエクステンション4の接合部から車内側かつ斜め上後方へと延びるキックアップ部12と、キックアップ部12の後端から略水平に後方へと延びる水平部13とを有している。リヤフレーム11は、断面が上方に向けて開口するコ字状のリヤフレームロア15と、リヤフレームロア15の上部開口を閉塞して閉断面を形成するリヤフレームアッパ16とから形成されている。左右一対のリヤフレーム11同士は、リアフロアパネル17、ミドルフロアクロスメンバ9及びリアフロアパネル17の下方に配置されたミドルシートクロスメンバ18(図6参照)によって連結されている。
【0024】
リヤフレーム11の車幅方向における外側には、リヤフレーム11に沿ってリヤインナパネル21が接合されている。リヤインナパネル21は、車体1の後部側壁を構成し、後輪93(図6参照)を収容するホイールハウス部22と、リヤダンパ(図示しない)の上端を支持するダンパ取付座23とを備えている。
【0025】
図1に示すように、サイドシルアウタパネル5は、車体1の後部外殻をなすリヤサイドアウタパネル26や、センタピラースチフナ27等と組み合わされてアウタパネル組立体31を構成する。アウタパネル組立体31には、サイドシルスチフナ6やセンタピラースチフナ等が予め組み合わされる。
【0026】
図3に示すように、サイドシルエクステンション4の前部は、上下方向に延在する車内側壁部41と、車内側壁部41の下縁から水平に車外側へと延びる下壁部42と、車内側壁部41の上縁から水平に車外側へと延びる上壁部43(図4参照)とを有して断面コ字状に形成されている。車内側壁部41と下壁部42との境界部には、直角に屈曲された角稜部45が形成されている。また、下壁部42の外縁には下方へと延びるフランジ部46が形成され、上壁部43の外縁には上方へと延びるフランジ部47が形成されている。
【0027】
サイドシルエクステンション4の後部は、後方に進むにつれて車内側及び上側に幅が徐々に広くなるように拡幅されている。また、サイドシルエクステンション4の後部は、角稜部45が車外側かつ上方へと凹まされた形状をなし、車内側かつ下部に凹部49を備えている。凹部49は、車内側壁部41に連続する凹部上壁部51と、凹部上壁部51に連続すると共に下壁部42に連続する凹部側壁部52とによって画成されている。凹部上壁部51は、前方に進むほど下方に向かうように傾斜して配置されており、その前端は下壁部42に連続している。凹部上壁部51と車内側壁部41との境界部には、直角に屈曲された角稜部53が形成されている。
【0028】
サイドシルエクステンション4の凹部上壁部51及び車内側壁部41の後端部には、リヤフレームロア15の前端部が接合されている。サイドシルエクステンション4の後端部の上壁部43は切除されている。この上壁部43の切除された部分は、リヤフレームロア15より前方に延出するリヤフレームアッパ16によって閉塞される。リヤフレームアッパ16の前端は、上壁部43の後端及び車内側壁部41に接合されている。
【0029】
サイドシルエクステンション4の車内側壁部41には、車外側に膨出し、前後方向に延在する補強ビード56が複数(本実施形態では2つ)形成されている。また、サイドシルエクステンション4の後部の車内側壁部41及び凹部上壁部51には、角稜部53を跨ぐようにして複数(本実施形態では3つ)の補強ビード57が形成されている。各補強ビード57は、車内側壁部41においては車外側に膨出すると共に、凹部上壁部51においては上方に膨出し、角稜部53の稜線と直交する方向に延在している。各補強ビード56、57は、鋼板をプレス成形することによって形成されている。
【0030】
図4及び図5に示すように、サイドシルエクステンション4にサイドシルアウタパネル5を接合した際に、サイドシル2の後端に形成される開口は、エンドプレート61によって閉塞される。エンドプレート61は、主面が前後方向を向くように配置され、上縁部を除いた周縁部に、後方へと曲げ起こされた鍔部62を有している。エンドプレート61は、その鍔部62がリヤフレームロア15の車外側面、凹部側壁部52の車外側面、下壁部42の上面及びサイドシルアウタパネル5の内面に接合されると共に、その上縁部がリヤインナパネル21のホイールハウス部22の前端下縁部に接合され、サイドシル2の後端を閉塞する。また、エンドプレート61は、その前面においてサイドシルスチフナ6に接合されている。
【0031】
凹部側壁部52と、凹部側壁部52に接合されるエンドプレート61の鍔部62とには、それぞれ両部材を同軸かつ同形に貫通する軸受孔63が形成されている。
【0032】
サイドシルエクステンション4の後部における車内側壁部41の車内側面には、図5及び図6に示すように、ブラケット65が接合されている。ブラケット65は、鋼板のプレス成形品であり、略板状を呈し、その上部にて車内側壁部41の車内側面に溶接によって接合されている。ブラケット65は、車内側壁部41との接合部から下方かつ後方へと、凹部49の右方を覆うように延出している。ブラケット65の下部は、凹部側壁部52と空隙を介して対向し、軸受孔63と同軸となる軸受孔66を有している。軸受孔66の周囲には、後述するトレーリングアーム90の前端部と対向する部分として、円形平面状の受座67が形成されている。受座67は、その周縁部68においてブラケット65の上部から車外側(左方)へと突出し、段違いに形成されている。
【0033】
図7及び8に示すように、ブラケット65の上部には、受座67の周縁部68から上端縁69まで延びる複数(本実施形態では3つ)の補強ビード70が形成されている。各補強ビード70は、車内側壁部41側とは相反する側(車内側、右方)に膨出している。また、図9及び10に示すように、各補強ビード70は、ブラケット65が車内側壁部41に取り付けられた状態で、車内側壁部41の補強ビード57に対向し、補強ビード57に沿って延在するように互いに間隔をおいて設けられている。これにより、図10に示すように、補強ビード70と補強ビード57の車内側壁部41に設けられた部分とが互いに一致し、閉断面構造を形成する。
【0034】
図5、6及び10に示すように、ブラケット65における受座67の周縁部68から上端縁69へと延びる側縁部71は、車内側(車内側壁部41と相反する側)に凸となる円弧形状に湾曲し、端面が車外側を向くように形成されている。
【0035】
図7及び図10に溶接箇所を×印で示すように、ブラケット65は、その上部の各補強ビード70間の部分及び補強ビード70と側縁部71との間の部分において車内側壁部41の車内側面に溶接されている。すなわち、溶接箇所は補強ビード70によって分散され、千鳥状となっている。溶接箇所は、各部分において任意の個数、面積で行ってよい。
【0036】
図9に示すように、ブラケット65の軸受孔66の車内側を向く部分には、ウェルドナット74が溶接されている。凹部側壁部52及びエンドプレート61の軸受孔63及びブラケット65の軸受孔66には、先端部に雄ねじを有する共に、基端部に6角柱状の頭部を有する支持軸75がエンドプレート61側(車外側)から挿入される。支持軸75は、先端部がウェルドナット74に螺合することによって、ブラケット65、凹部側壁部52及びエンドプレート61に固定される。支持軸75には、ブッシュ76を介してトレーリングアーム90の先端部が支持される。ブッシュ76は、支持軸75に支持される内筒81と、内筒81と同軸に配置される外筒82と、内筒81と外筒82との間に介装された、例えばゴムである可撓性部材83とから構成されている。外筒82は、トレーリングアーム90の前端に設けられた連結部91のブッシュ受容孔92に受容され、溶接等によって固定されている。
【0037】
トレーリングアーム90は、後方へと延びて、後輪93を支持する車軸(図示しない)を備えている。トレーリングアーム90は、左右一対として設けられており、車幅方向に延在するクロスビーム94によって互いに連結されている。
【0038】
以上のようにして、サイドシルエクステンション4及びブラケット65を含むトレーリングアーム支持構造は、サイドシル2を含む車体1にトレーリングアーム90を回動可能に支持している。
【0039】
本実施形態のトレーリングアーム支持構造は、支持軸75の一端をサイドシルエクステンション4に支持させ、他端をブラケット65に支持させる構造としたため、支持軸75の両端を支持するブラケットを形成する場合に比べて、ブラケット65の小型化及び軽量化が図れる。また、サイドシルエクステンション4に凹部49を形成し、この凹部49内にトレーリングアーム90の前端を収容する構造としたため、各部材を高密度に配置することができ、スペースの有効利用が図れる。
【0040】
ブラケット65は、受座67の周縁部68を湾曲させたこと、補強ビード70を形成したこと、及び側縁部71を湾曲させたことによって剛性が高められている。また、ブラケット65は、補強ビード70及び側縁部71をそれぞれ周縁部68に連結したことによって、更に剛性が高められている。
【0041】
一方、サイドシルエクステンション4は、凹部49を形成したことと、補強ビード56、57を設けたこととによって、剛性が高められている。特に、補強ビード57は、角稜部53を跨ぐにように配置されているため、剛性を高める効果が大きい。また、サイドシルエクステンション4の後端部が、サイドシル2の後端を閉塞するエンドプレート61によってサイドシル2の車外側壁部をなすサイドシルアウタパネル5に連結されていることによっても、サイドシルエクステンション4の剛性が高められている。特に、軸受孔63が形成される部分は、サイドシルエクステンション4の凹部側壁部52とエンドプレート61の鍔部62とで鋼板が2重となっており、支持軸75の支持剛性が高められている。
【0042】
また、ブラケット65がサイドシルエクステンション4の車内側壁部41に溶接された状態で、図10に示すように、ブラケット65の補強ビード70と、サイドシルエクステンション4の補強ビード57とが複数の閉断面を形成するため、ブラケット65及びサイドシルエクステンション4の剛性が高められる。
【0043】
以上のように、本実施形態のトレーリングアーム支持構造では、上述した各種の構造によってブラケット65及びサイドシルエクステンション4の剛性が高められているため、ブラケット65の小型化、軽量化及び薄肉化が図れる。
【0044】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。特に、補強ビード56、57、70の配置箇所は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…車体、2…サイドシル、3…サイドシルインナパネル、4…サイドシルエクステンション、5…サイドシルアウタパネル、6…サイドシルスチフナ、11…リヤフレーム、21…リヤインナパネル、31…アウタパネル組立体、41…車内側壁部、42…下壁部、43…上壁部、45…角稜部、49…凹部、51…凹部上壁部、52…凹部側壁部、53…角稜部、56…補強ビード、57…補強ビード(サイドシル補強ビード)、61…エンドプレート、62…鍔部、63…軸受孔、65…ブラケット、66…軸受孔、67…受座、68…周縁部、69…上端縁、70…補強ビード(ブラケット補強ビード)、71…側縁部、75…支持軸、76…ブッシュ、90…トレーリングアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーリングアームの前端を支持すべく、車体両側にて車体前後方向に延設されたサイドシルの後端部に設けられるトレーリングアーム支持構造であって、
前記サイドシルは、前部において上壁部、車内側壁部、下壁部及び車外側壁部からなる略四角形状の断面を有する一方、その後端部は車内側壁部と下壁部との間に形成される角稜部が車外側かつ上方側へと凹まされて、前記車内側壁に連続する凹部上壁部と、前記凹部上壁部から前記下壁部へと延びる凹部側壁部とによって画成される凹部を有し、
前記凹部の上方における前記車内側壁部の車内側面には、下方に延びて前記凹部側壁部と対向し、前記凹部側壁部との間に前記トレーリングアームの前端を枢支する支持軸が取り付けられるブラケットが接合され、
前記ブラケットは、前記支持軸が取り付けられる部分の周囲に前記トレーリングアームの前端と対向する受座を有すると共に、前記受座の縁部から前記車内側壁部との接合部へと延びる、前記凹部側と相反する側に凸となる複数のブラケット補強ビードを有し、
前記サイドシルは、前記凹部の上方における前記車内側壁部から前記凹部上壁部へと延び、前記ブラケットと相反する側及び前記凹部側と相反する側に凸となるサイドシル補強ビードを有することを特徴とするトレーリングアーム支持構造。
【請求項2】
前記ブラケット補強ビードのそれぞれは、互いに間隔をおいて配置され、前記ブラケットは、隣り合うブラケット補強ビード間において前記車内側壁に溶接されていることを特徴とする請求項1に記載のトレーリングアーム支持構造。
【請求項3】
前記ブラケット補強ビードのそれぞれと、前記サイドシル補強ビードの前記車内側壁部に設けられた部分のそれぞれとは互いに対向するように配置され、前記ブラケット補強ビードと前記サイドシル補強ビードの前記車内側壁部に設けられた部分とによって閉断面が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトレーリングアーム支持構造。
【請求項4】
前記受座は、円板状をなし、その周縁部において前記凹部側壁部側へと膨出していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載のトレーリングアーム支持構造。
【請求項5】
前記凹部側壁部の後端は、前記凹部を除いて前記サイドシルの後端を閉塞する蓋部材によって前記車外側壁部に連結されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載のトレーリングアーム支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−180056(P2012−180056A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45390(P2011−45390)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】