説明

ドアロック機構の制御装置及びドアロック機構の制御方法

【課題】 異なる通信方式のアンテナにおける干渉を回避して、異なる通信方式のそれぞれにおいて安定した通信を行ってドアロック機構を制御する。
【解決手段】 電子キー51にスマートエントリアンテナ5を介して無線信号の送出を行ってドアロック機構を作動させるための認証情報を受信するスマートキーレスエントリ用アンテナ駆動回路20と、携帯電話端末52との間でRFIDアンテナ4を介した無線信号の授受を行ってドアロック機構を作動させるための認証情報を受信するRFID用アンテナ駆動・受信回路16及びRFID通信IC21とを備え、CPU19により、スマートエントリアンテナ5によって無線信号の送出を行っている場合には、RFIDアンテナ4によって受信した認証情報に基づくアクチュエータ18の動作を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術によって車両等のドアロック機構を制御するドアロック機構の制御装置及びドアロック機構の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、無線通信技術を利用して車両のドアロック機構を駆動させて、車両ドアの施解錠を行うキーレスエントリシステムが下記の特許文献1や特許文献2などで知られている。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、携帯電話に内蔵した無線ICタグと、車両に搭載したリーダライタとの間で通信を行うことによって、車両のドアロック機構を駆動させて車両ドアの施錠、解錠を行っている。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、ユーザが車両のドアノブに設けられたリクエストスイッチを押すと、車両のドアノブにアンテナが設けられた通信回路が起動し、当該アンテナから所定範囲内に磁界を発生させ、当該磁界の範囲内に電子キーが存在する場合に、当該電子キーから通信回路にID信号を送信する。そして、当該通信回路によって受信した電子キーからのIDと車両内に保持しておいた正規のIDとを照合して、当該電子キーからのIDが正規なものであると判定した場合には、車両のドアのロック機構を駆動させて車両のドアをロック又はアンロックしている。
【特許文献1】特開2006−060683号公報
【特許文献2】特開2005−120662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザの利便性向上のために、上述した特許文献1に記載された無線ICタグを利用したドアロック機構の制御機能と、上述した特許文献2に記載された電子キーを利用したドアロック機構の制御機能との双方を備えることが考えられるが、当該双方の制御機能を単一の車両に搭載して双方の通信方式を利用できるとすると、下記のような問題が発生するおそれがある。
【0006】
例えば、特許文献2に記載のリクエストスイッチがユーザによって押されたことによって、電子キーと通信するアンテナから磁界を発生させた場合、当該磁界が、漏れ磁束となって無線ICタグと通信するリーダライタで検知されてしまい、リーダライタが誤動作する可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、異なる通信方式のアンテナにおける干渉を回避して、異なる通信方式のそれぞれにおいて安定した通信を行ってドアロック機構を制御できるドアロック機構の制御装置及びドアロック機構の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両ドアの施錠及び解錠を行うドアロック機構を作動させるアクチュエータを制御するドアロック機構の制御装置において、第1のアンテナを介して無線信号を送出して、ドアロック機構を作動させるための認証情報を第1の通信端末から受信する第1の通信手段と、第2のアンテナを介して無線信号を送出して、ドアロック機構を作動させるための認証情報を第2の通信端末から受信する第2の通信手段と、第1の通信手段で受信した認証情報又は第2の通信手段で受信した認証情報に基づいてアクチュエータを制御する制御手段とを備える。このようなドアロック機構の制御装置は、上述の課題を解決するために、制御手段により、第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合には、第2の通信手段によって受信した認証情報に基づくアクチュエータの動作を禁止する。これにより、第1のアンテナによって無線信号を送出している時に第2の通信手段によって受信した認証情報に基づいてアクチュエータを動作させることはない。
【0009】
本発明は、車両ドアの施錠及び解錠を行うドアロック機構を作動させるアクチュエータを制御するドアロック機構の制御方法において、第1のアンテナを介して無線信号の送出を行って、ドアロック機構を作動させるための認証情報を第1の通信端末から受信するステップと、第2のアンテナを介して無線信号の送出を行って、ドアロック機構を作動させるための認証情報を第2の通信端末から受信するステップと、第1のアンテナで受信した認証情報又は第2のアンテナで受信した認証情報に基づいて、アクチュエータを制御するステップとを有する。このようなドアロック機構の制御方法は、上述の課題を解決するために、アクチュエータを制御するステップにおいて、第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合、第2のアンテナによって受信した認証情報に基づくアクチュエータの動作を禁止する。これにより、第1のアンテナによって無線信号を送出している時に第2のアンテナによって受信した認証情報に基づいてアクチュエータが動作させることはない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るドアロック機構の制御装置及びドアロック機構の制御方法によれば、第1のアンテナによって無線信号を送出している時に第2のアンテナによって受信した認証情報に基づいてアクチュエータが動作することはないので、第1のアンテナが駆動することによるノイズによって第2のアンテナが誤動作することを回避でき、異なる通信方式のアンテナにおける干渉を回避して、異なる通信方式のそれぞれにおいて安定した通信を行ってドアロック機構を制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
本発明は、図1に示すように、ドアパネル1の車外側に取り付けられたドアノブのハンドルグリップ2に、リクエストスイッチ3,RFID(radio frequency identification)アンテナ4,スマートエントリアンテナ5が搭載されている。このRFIDアンテナ4及びスマートエントリアンテナ5は、共に、磁界変化によって無線信号を発生させるため、金属材のドアパネル1の影響を受けることによって通信範囲が狭くなることを回避するために、樹脂性であるハンドルグリップ2に組み込まれている。
【0013】
図2は、ドアロック機構制御装置の構成を示すブロック図であり、スマートエントリアンテナ5は、リクエストスイッチ3が押された場合に、例えば125kHzの搬送波である無線信号を所定範囲に送出する。このスマートエントリアンテナ5は、コイル31及びコンデンサ32からなる共振回路で構成されて前述した無線信号を送出する。また、スマートエントリアンテナ5と同様の構成のアンテナ(図示せず)が車室内に設けられ、このアンテナから車内に存在する電子キー51を探索する無線信号が送出される。
【0014】
スマートエントリアンテナ5が無線信号を送出した所定範囲に電子キー51が存在する場合、すなわち電子キー51がスマートエントリアンテナ5が送出した無線信号を受信した場合に、電子キー51のメモリ(不図示)に記憶されているID情報を返信する。この電子キー51のID情報は、車載コントローラ11によって電子キー51を認証する認証情報である。
【0015】
この電子キー51により返信されたID情報は、UHFアンテナ15によって受信され、UHF受信機14へと入力され、さらにCPU19へと出力される。ここでUHF受信機14は、UHF帯の搬送波を取り除き、ID情報のみを取り出してCPU19へと出力する。
【0016】
RFIDアンテナ4は、例えばISO(国際標準化機構)/IEC(国際電気委員会)14443に準拠した13.56MHzの搬送波を所定期間ごとに10cmといった通信範囲で無線信号の送出を行う。
【0017】
RFIDアンテナ4が無線信号を送出した所定範囲に、RFIDタグを内蔵した携帯電話端末52が存在する場合、すなわち携帯電話端末52がRFIDアンテナ4が送出した無線信号を受信した場合に、携帯電話端末52のRFIDタグ(不図示)に記憶されたID情報を返信する。この携帯電話端末52のID情報は、車載コントローラ11によって携帯電話端末52を認証する認証情報である。
【0018】
RFIDアンテナ4は、コイル33及びコンデンサ34からなる共振回路と、電界効果トランジスタ35とを備え、RFID用アンテナ駆動・受信回路16からの送信信号に従ってコイル33から磁界を発生させることによって、13.56MHzの無線信号を送出する。また、コイル33及びコンデンサ34による電磁誘導によって携帯電話端末52からの無線信号をRFID用アンテナ駆動・受信回路16に出力する。RFID用アンテナ駆動・受信回路16は、出力された無線信号から搬送波を取り除いたうえで、RFID通信IC21へと出力し、RFID通信IC21は更にID情報のみを取り出して、CPU19へ出力する。
【0019】
電界効果トランジスタ35は、ゲート端子がCPU19に接続され、ソース端子及びドレイン端子がコイル33及びコンデンサ34とRFID用アンテナ駆動・受信回路16との接続線に接続されている。電界効果トランジスタ35は、CPU19から供給される制御信号に従って遮断状態又は導通状態とされる。電界効果トランジスタ35は、携帯電話端末52との通信を許可する場合には遮断状態とされる。電界効果トランジスタ35が遮断状態とされることにより、コイル33及びコンデンサ34で受信した無線信号は、受信信号としてRFID用アンテナ駆動・受信回路16に供給され、RFID用アンテナ駆動・受信回路16から供給された送信信号は、コイル33及びコンデンサ34によって無線信号として送出される。一方、電界効果トランジスタ35は、携帯電話端末52との通信を禁止する場合には導通状態とされる。電界効果トランジスタ35が導通状態とされることにより、コイル33及びコンデンサ34で受信された無線信号は、RFID用アンテナ駆動・受信回路16に供給されない。
【0020】
車載コントローラ11は、スマートキーレスエントリ用アンテナ駆動回路20及びRFID通信IC21を制御してスマートエントリアンテナ5及びRFIDアンテナ4の動作を制御すると共に、UHFアンテナ15を介して受信したID情報又はRFIDアンテナ4を介して受信したID情報に基づいて、アクチュエータ18を制御するものである。この車載コントローラ11は、CPU19とスマートキーレスエントリ用アンテナ駆動回路20とRFID通信IC(Integrated Circuit)23とを備える。
【0021】
アクチュエータ18は、アクチュエータ駆動回路17による電力供給を受けて、ドアロック機構を作動させて、ドアロックをロック状態又はアンロック状態にする。車載コントローラ11は、ドアロック機構の制御信号をアクチュエータ駆動回路17に出力し、当該制御信号に従ってアクチュエータ18を動作させる。
【0022】
このように異なる周波数帯の搬送波を利用した通信方式によって無線通信を行うドアロック機構制御装置において、CPU19は、リクエストスイッチ3が操作されたことを検知した場合に、スマートエントリアンテナ5による無線通信を行うと共に、RFIDアンテナ4によって無線通信を行うことによるアクチュエータ18の動作を禁止する。図2に示す構成において、CPU19は、リクエストスイッチ3が操作されていない場合、電界効果トランジスタ35を遮断状態にすることによって、コイル33の電磁誘導によって携帯電話端末52からの無線信号を、受信信号としてRFID用アンテナ駆動・受信回路16に供給させる。一方、CPU19は、リクエストスイッチ3が操作されたことを検知した場合、電界効果トランジスタ35を導通状態にして、RFIDアンテナ4で受信した受信信号をショートさせて、無線信号をRFID用アンテナ駆動・受信回路16に供給することを禁止する。これによって、RFIDアンテナ4の受信自体を行わせないようにしてRFIDアンテナ4の無線通信を禁止し、RFIDアンテナ4によって無線通信を行うことによるアクチュエータ18の動作を禁止する。
【0023】
つぎに、上述したように構成されたドアロック機構制御装置の動作について図4を参照して説明する。
【0024】
リクエストスイッチ3が操作される前には、スマートエントリアンテナ5から磁界発生は行われない。図4(d)に示すようにRFIDアンテナ4から定期的に磁界が発生されることで定期的に13.56MHzの無線信号を送出して携帯電話端末52の探索が行われる。この探索が行われる期間をRFIDのサーチ動作期間と呼ぶ。このRFIDのサーチ動作期間において、CPU19は、電界効果トランジスタ35を遮断状態にしておき、RFIDアンテナ4からの無線信号の送信を許可する状態とする。
【0025】
CPU19は、図4(a)に示すように時刻t1においてリクエストスイッチ3が操作されたことを検知すると、車外の電子キー51を探索する無線信号送信命令と車内の電子キー51を探索する無線信号送信命令とを定期的にスマートエントリアンテナ5及び図示しない車内用のアンテナに供給して、125kHzの無線信号を送出させる。このスマートエントリアンテナ5から無線信号が送出されている期間をスマートキーレスエントリのサーチ動作期間と呼ぶ。このスマートキーレスエントリのサーチ動作期間においては、図4(b)に示すように、車外の電子キー51を探索する無線信号と車内の電子キー51を走査する無線信号とを交互に走査させる。そして、CPU19は、電子キー51からの応答の待機状態となっている時に、電子キー51が車外の所定範囲あるいは車室内に存在する場合には、図4(c)に示すように、電子キー51からUHF帯の無線信号によって応答が得られる。
【0026】
このスマートエントリアンテナ5から無線信号を走査させている期間において、CPU19は、図4(e)に示すように、電界効果トランジスタ35を導通状態にする制御信号(インヒビット信号)を発生させて、図4(d)に示すようにRFIDアンテナ4によって受信した無線信号を、受信信号としてRFID用アンテナ駆動・受信回路16に供給させないようにする。なお、この実施の形態では、RFID用アンテナ駆動・受信回路16が単一の回路である場合であるが、少なくともRFIDアンテナ4からの受信信号を受信する部分の動作を禁止すればよい。
【0027】
そして、スマートキーレスエントリのサーチ動作期間において電子キー51が検知されてアクチュエータ18によってドアロック機構を動作させた場合、又は、所定の回数に亘ってスマートエントリアンテナ5から無線信号を走査させて電子キー51の探索を行ったにも拘わらず電子キー51からの応答が得られなかった期間が所定の期間に達した場合には、スマートキーレスエントリのサーチ動作期間を終了する。その後、RFIDのサーチ動作期間に移行し、電界効果トランジスタ35を遮断状態にすることによってRFIDアンテナ4を介した無線信号の受信の禁止を解除し、図4(d)に示すようにRFIDアンテナ4から無線信号を送出する動作を再開する。
【0028】
以上詳細に説明したように、本発明を適用したドアロック機構制御装置によれば、スマートエントリアンテナ5で無線信号を送出している場合には、RFIDアンテナ4で受信したID情報に基づくアクチュエータ18の動作を禁止するので、異なる通信方式によってスマートエントリアンテナ5,RFIDアンテナ4で同時に通信した場合の干渉を回避して、異なる通信方式のそれぞれにおいて安定した通信を行ってドアロック機構を制御できる。すなわち、図1に示したよう同一のハンドルグリップ2にRFIDアンテナ4、スマートエントリアンテナ5の双方を収容した場合であっても、一方のアンテナを駆動していることによって、当該一方のアンテナからのノイズで他方のアンテナへの影響を与えることなく誤動作を回避できる。具体的には、RFIDアンテナ4から13.56MHzが無線信号の送受信を行い、スマートエントリアンテナ5から発生した125kHzの漏れ磁束のうち13.56MHz付近の高周波ノイズがRFIDアンテナ4に誘導電流を励起して、RFID用アンテナ駆動・受信回路16にノイズとして受信されることを回避できる。
【0029】
また、このドアロック機構制御装置によれば、スマートエントリアンテナ5によって無線信号を送出している時にRFIDアンテナ4による無線信号の受信を禁止するので、スマートエントリアンテナ5からの高周波ノイズを検知した場合であっても当該高周波ノイズによってRFID用アンテナ駆動・受信回路16が動作することがない。
【0030】
更に、このドアロック機構制御装置によれば、スマートエントリアンテナ5によって無線信号を送出している時にRFIDアンテナ4によって無線信号を受信してID情報を取り出す処理を禁止するので、スマートエントリアンテナ5からの高周波ノイズを検知した場合であっても当該高周波ノイズによってID情報の照合が行われることがない。
【0031】
更にまた、このドアロック機構制御装置によれば、スマートエントリアンテナ5から無線信号を送出して電子キー51からの応答がない期間が所定期間を超えた場合には、電子キー51の探索を停止して携帯電話端末52の探索に移行するので、携帯電話端末52からの無線信号に基づくアクチュエータ18の作動を禁止させている期間を限定的なものとすることができる。したがって、双方のアンテナを利用した通信を安定して行うことができる。
【0032】
また、ドアロック機構制御装置は、リクエストスイッチ3が操作されたことを検知した場合に、RFIDアンテナ4によって無線通信を行うことによるアクチュエータ18の動作を禁止するための構成として、RFIDアンテナ4に備えられた電界効果トランジスタ35に代えて、図3に示すように、RFID用アンテナ駆動・受信回路16からRFID通信IC21への受信信号の供給を遮断する位置に電界効果トランジスタ41を設けても良い。この電界効果トランジスタ41は、ゲート端子がCPU19に接続され、ソース端子がRFID通信IC21とRFID用アンテナ駆動・受信回路16との接続線に接続され、ドレイン端子が接地されている。
【0033】
電界効果トランジスタ41を備えた構成である場合、CPU19は、リクエストスイッチ3が操作されたことを検知していない時には電界効果トランジスタ41を遮断状態とする。これによって、RFID用アンテナ駆動・受信回路16からRFID通信IC21に受信信号が伝達されて、RFID通信IC21によってID情報を取り出す処理が行われる。一方、リクエストスイッチ3が操作されたことを検知した場合、CPU19は、電界効果トランジスタ41を導通状態とする。これによって、RFID用アンテナ駆動・受信回路16から出力された受信信号は、電界効果トランジスタ41で遮断されて、RFID通信IC21には供給されず、RFID通信IC21によってID情報を取り出す処理は行われない。
【0034】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0035】
すなわち、上述した実施の形態においては、電磁誘導方式によって無線信号の授受を行う場合について説明したが、これに限らず、電波方式で無線信号の授受を行っても良い。
【0036】
また、上述した説明では、スマートエントリアンテナ5と電子キー51との間で無線通信を行い、RFIDアンテナ4と携帯電話端末52との間で無線通信を行う場合について説明したが、同一の携帯機に電子キー51の無線通信機能と携帯電話端末52の無線通信機能とが備えられていても良い。
【0037】
更に、上述した説明では、スマートエントリアンテナ5とRFIDアンテナ4とが別個の例について説明したが、同じコイル及びコンデンサからなるアンテナ回路によってスマートキーレスエントリ用の無線信号及びRFID用の無線信号を授受するものであっても良い。
【0038】
更にまた、CPU19は、ドアパネル1のドアロック機構を作動させることを検知するセンサが他の車載コントローラ13として接続されている場合に、当該他の車載コントローラ13からのセンサ信号によってスマートキーレスエントリ用アンテナ駆動回路20を制御してスマートエントリアンテナ5から無線信号を送出させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】スマートエントリアンテナとRFIDアンテナとを同一のハンドルグリップに収容されている構成を示す概略図である。
【図2】本発明を適用したドアロック機構制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用したドアロック機構制御装置の他の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明を適用したドアロック機構制御装置による動作を説明するタイミングチャートであり、(a)はリクエストスイッチのオンオフ状態、(b)はスマートキーレスエントリ用アンテナ部の駆動状態、(c)はUHFアンテナの受信状態、(d)はRFID用アンテナ部の駆動状態、(e)はRFID用アンテナ駆動・受信回路の動作状態を示す。
【符号の説明】
【0040】
1 ドアパネル
2 ハンドルグリップ
3 リクエストスイッチ
3 リクエストスイッチ
4 RFIDアンテナ
5 スマートエントリアンテナ
11 車載コントローラ
12 車内LANバス
13 他の車載コントローラ
14 UHF受信機
15 UHFアンテナ
16 RFID用アンテナ駆動・受信回路
17 アクチュエータ駆動回路
18 アクチュエータ
19 CPU
20 スマートキーレスエントリ用アンテナ駆動回路
21 RFID通信IC
31,33 コイル
32,34 コンデンサ
35,41 電界効果トランジスタ
51 電子キー
52 携帯電話端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアの施錠及び解錠を行うドアロック機構を作動させるアクチュエータを制御するドアロック機構の制御装置において、
第1のアンテナを介して無線信号を送出して、前記ドアロック機構を作動させるための認証情報を第1の通信端末から受信する第1の通信手段と、
第2のアンテナを介して無線信号を送出して、前記ドアロック機構を作動させるための認証情報を第2の通信端末から受信する第2の通信手段と、
前記第1の通信手段で受信した認証情報又は前記第2の通信手段で受信した認証情報に基づいて前記アクチュエータを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合には、前記第2の通信手段によって受信した認証情報に基づく前記アクチュエータの動作を禁止することを特徴とするドアロック機構の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合には、前記第2のアンテナによる無線信号の受信を禁止することを特徴とする請求項1に記載のドアロック機構の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合には、前記第2のアンテナによって受信した無線信号に含まれる認証情報を取り出す処理を禁止することを特徴とする請求項1に記載のドアロック機構の制御装置。
【請求項4】
ユーザに操作される操作手段を更に備え、
前記第2の通信手段は、所定の周期で前記第2のアンテナから無線信号の送出を行うものであり、
前記制御手段は、前記操作手段が操作されたことに応じて、前記第1の通信手段によって前記第1のアンテナを介した無線信号の送出を開始させると共に前記第2の通信手段による無線信号の受信を禁止させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のドアロック機構の制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1のアンテナを介した無線信号の送出に対する前記第1の通信端末による応答が所定期間に亘って無い場合には、前記第1のアンテナを介した無線信号の送出を停止し、前記第2の通信手段による無線信号の受信の禁止を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のドアロック機構の制御装置。
【請求項6】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとが車両の同一のドアノブに収容されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のドアロック機構の制御装置。
【請求項7】
車両ドアの施錠及び解錠を行うドアロック機構を作動させるアクチュエータを制御するドアロック機構の制御方法において、
第1のアンテナを介して無線信号の送出を行って、前記ドアロック機構を作動させるための認証情報を前記第1の通信端末から受信するステップと、
第2のアンテナを介して無線信号の送出を行って、前記ドアロック機構を作動させるための認証情報を前記第2の通信端末から受信するステップと、
前記第1のアンテナで受信した認証情報又は前記第2のアンテナで受信した認証情報に基づいて、前記アクチュエータを制御するステップとを有し、
前記アクチュエータを制御するステップは、前記第1のアンテナによって無線信号の送出を行っている場合、前記第2のアンテナによって受信した認証情報に基づく前記アクチュエータの動作を禁止することを特徴とするドアロック機構の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−332547(P2007−332547A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162176(P2006−162176)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】