説明

ドキュメントセット作成装置及びドキュメントセット作成方法

【課題】システムのリソースの使用量を減少させることを目的とする。
【解決手段】帳票ドキュメントセットを読み込む読込手段と、操作画面を介したユーザ操作に応じて、帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報を編集するデータ取得指示情報編集手段と、帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報に、保存手段に保存さている、編集前のデータ取得指示情報と、編集後のデータ取得指示情報との相違を示す相違情報を適用してデータ取得指示情報を更新する更新手段と、を有し、更新手段が更新したデータ取得指示情報と、帳票ドキュメントセット内の帳票テンプレートと、を組み合わせ、新たな帳票ドキュメントセットを作成することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメントセット作成装置及びドキュメントセット作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバの記憶部に保存された帳票ファイル(帳票)をユーザがクライアント端末から検索条件を入力し、検索して印刷するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
更に、検索条件入力の際に必要となる検索条件を表示させ、ユーザに選択させることにより、保存された帳票ファイルを検索して印刷するシステムが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−84784号公報
【特許文献2】特開2005−122454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、例えばユーザ毎に元の帳票を編集し、カスタマイズした新たな帳票を作成した場合、新たに作成した帳票を全て記憶しなければならない問題があった。つまり、帳票が新たに作成される毎に、システムのメモリ等に帳票が保存されていき、多くのシステムのリソースが消費される問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、システムのリソースの使用量を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明のドキュメントセット作成装置は、帳票の書式情報と取得したデータを帳票のどこに挿入するかを規定するデータマージ情報とから構成される帳票テンプレートと、データの取得指示に係るデータ取得指示情報とから構成される帳票ドキュメントセットを読み込む読込手段と、操作画面を介したユーザ操作に応じて、前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報を編集するデータ取得指示情報編集手段と、前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報に、保存手段に保存さている、編集前のデータ取得指示情報と、編集後のデータ取得指示情報との相違を示す相違情報を適用してデータ取得指示情報を更新する更新手段と、を有し、更新手段が更新したデータ取得指示情報と、前記帳票ドキュメントセット内の帳票テンプレートとを組み合わせ、新たな帳票ドキュメントセットを作成することを特徴とする。
【0008】
係る構成とすることにより、例えば、帳票編集時に、ユーザの目的に合うよう編集された帳票と元の帳票との相違情報を記録して、次回使用時に元の帳票を相違情報により更新し、ユーザの編集した帳票を作成することができる。よって、システムのリソースの使用量を減少させることができる。
【0009】
ここで、ドキュメントセット作成装置とは、例えば、後述する複写機等に対応する。なお、ドキュメントセット作成装置は、複写機に限定されるものではなく、例えば、プリンタやハンディターミナル、デジタルカメラといった他の印刷機能をもった組込み機器であってもよい。また、操作画面とは、例えば、後述する編集用のUI等に対応する。
【0010】
また、本発明は、ドキュメントセット作成方法、プログラム及び記憶媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、システムのリソースの使用量を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1は、複写機の構成を示すブロック図である。図1において、101は、複写機100全体を制御するCentral Processing Unit(CPU)である。
【0014】
102は、外部装置等から供給されるプログラムやデータベース110から取得したデータ、プログラム実行中の中間データ、作成した帳票データを一時的に記憶するRandom Access Memory(RAM)である。107は、複写機100に固定して設置されたハードディスクであり、複写機100を制御するプログラム、帳票作成を行うプログラム、作成した帳票データ、データ取得指示情報相違情報を記憶する。なお、CPU101が、帳票作成を行うプログラム等をハードディスクから読み出して実行することにより、後述するフローチャートに係る処理を行う。また、後述するように、データ取得指示情報相違情報は、ファイルサーバに保存するようにしてもよい。
【0015】
103は、印刷を行う印刷部である。108は、ユーザが操作を行う操作部で、ボタンとタッチパネルとで構成されている。109は、表示部で、印刷前の帳票データの表示、帳票の編集結果の確認、及び、ユーザインターフェースの表示のために用いられる。なお、複写機100は、この表示部109と操作部108とが一体となったタッチパネル付きディスプレイを有してもよい。
【0016】
104は、ネットワークアダプタで、プログラムに従いネットワーク105を介してデータベース111からデータを取得する。また、ネットワークアダプタ104は、ネットワーク105を介して、帳票データ及び/又はデータ取得指示情報相違情報をファイルサーバ112に保存することも行う。ここで、データベース111は、複写機100とネットワーク105を介して通信可能な他の装置(例えばデータベースサーバ)のハードディスク等に格納されている。
【0017】
106は、文書の取り込みを行うスキャナである。110は、ユーザ識別情報を入力するためのICカードリーダや指紋や静脈等の生体情報を認識する装置等の認証用装置である。113は、各装置等を結ぶバスである。
【0018】
図2は、帳票ドキュメントセットを説明するための図である。
帳票ドキュメントセットは、帳票テンプレート201と、データ取得指示情報202とから構成されている。
【0019】
データ取得指示情報202には、例えば、データベースサーバの名前214、データベースからデータを取得するときの検索条件215が記述されている。更に、データ取得指示情報202には、216には、検索条件215で取得したデータのどのようなデータ項目を取得するかについても記述されている。
【0020】
図2の例では、データ取得指示情報202には、「database.university.com」という帳票データ格納サーバ(ファイルサーバ)から、216内の項目のaddressが"東京都"であるデータを検索することが記述されている。そして、データ取得指示情報202には、データとして「name」要素218、「tel」要素219、「address」要素220を持つデータリスト217として取得することが記述されている。
【0021】
一方、帳票テンプレート201は、203〜208で示される帳票の書式情報と、209〜213で示される取得したデータをどのようにマージしていくかを示すデータマージ情報とから構成されている。
【0022】
209〜213のマージ情報は、データリストdataList217に含まれるデータを一つずつ取り出す。そして、取り出したデータを構成する各々の「name」要素、「tel」要素、「address」要素を取り出し、テンプレートとマージすることを示す記述である。
【0023】
ここで、帳票ドキュメントセットは、図3の501の様に、複写機に固定されて設置されているハードディスク107に記憶されている。なお、帳票ドキュメントセットは、ネットワークアダプタ104により、ネットワーク105を経由してアクセス可能な、外部のファイルサーバ112に記憶されてもよい。図3は、ハードディスク107に格納されている情報の一例を示す図である。
【0024】
図4−1は、複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その1)である。図4に示す管理テーブルは、図3の502の様に、複写機100のハードディスク107内に保存されている。
【0025】
図4−1に示される管理テーブル300は、まだ帳票ドキュメントセットを編集しておらず、ユーザの目的に合うようにカスタマイズを行っていない場合の管理テーブルである。
【0026】
図4−2は、複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その2)である。
図4−2に示される管理テーブル301は、次の幾つかの状態を表している。ユーザAが、帳票ドキュメントA(501)内のデータ取得指示情報202を編集してそのデータ取得指示情報相違情報を記録している(相違情報1)状態。また、ユーザBも、ユーザAと同じく元帳票ドキュメントとして帳票ドキュメントA(501)内のデータ取得指示情報202を編集してそのデータ取得指示情報相違情報を記録している(相違情報2)状態。更に、ユーザCは、帳票ドキュメントB(503)内のデータ取得指示情報202を編集してそのデータ取得指示情報相違情報を記録している(相違情報3)状態。
【0027】
図4−3は、複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その3)である。
図4−3の管理テーブル302に示されるように、データ取得指示情報相違情報はユーザ毎に一つしか持てないわけではなく、同じユーザが同じ帳票ドキュメントセットに対して違うデータ取得指示情報相違情報を持つことができる。管理テーブル302では、ユーザAが、帳票ドキュメントA内のデータ取得指示情報を2回に渡って編集し、そのデータ取得指示情報相違情報が2つ存在することを示している(相違情報1と相違情報11)。
【0028】
図4−4は、複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その4)である。
また、図4−4の管理テーブル303に示されるように、同じユーザが違う帳票ドキュメントセットに対してそれぞれデータ取得指示情報相違情報を持つこともできる。管理テーブル303では、ユーザAは、まず、帳票ドキュメントA(501)内のデータ取得指示情報202を編集してそのデータ取得指示情報相違情報が存在することを示している(相違情報1)。更に、帳票ドキュメントB(503)内のデータ取得指示情報202を編集してそのデータ取得指示情報相違情報が存在することを示している(相違情報4)。
【0029】
このように、管理テーブルには、ユーザ識別情報と、元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との関連が記録されている。データ取得指示情報相違情報自体は、図3の504の様に複写機100のハードディスク107内に保存されている。
【0030】
図5は、複写機100において帳票が出力されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
認証用装置110がICカード装置だとすると、ステップS401において、ユーザは、ICカードを読み込ませ、認証情報を入力し、ログインする。なお、認証用装置110は、ICカード装置に限らず、指紋や静脈等の生体認証装置でもよい。また、ユーザは、ユーザアカウントとパスワードとを操作部108を用いて入力することで、認証情報を入力し、ログインを行ってもよい。複写機100は、入力された認証情報と、例えば、ハードディスク107に保持している認証用の情報と、に基づいて、認証を行う。
【0032】
ステップS402において、複写機100は、カスタマイズした帳票派生ドキュメントセットを使用するか否かを表示部109に表示してユーザに問い合わせる。図6−1は、表示部109に表示するUI(ユーザインターフェース)を示す図(その1)である。ステップS402において、複写機100は、図6−1のカスタマイズ帳票使用問い合わせUI1201に示すようなUIを表示部109に表示する。
【0033】
ここで、ユーザアカウント名はユーザAとしている。カスタマイズした帳票派生ドキュメントセットを使用する場合、ユーザAは、「用いる」ボタンを押す。ユーザAが「用いる」ボタンを押下したと判定すると、複写機100は、ステップS414に進む。
【0034】
一方、カスタマイズした帳票派生ドキュメントセットを使用しない場合、ユーザAは、「用いない」ボタンを押す。ユーザAが「用いない」ボタンを押下したと判定すると、複写機100は、ステップS403に進む。
【0035】
ステップS403において、複写機100は、インストールされている(又はハードディスク107等に保管されている)帳票ドキュメントセットを表示部109にリスト表示する。図6−2は、表示部109に表示するUIを示す図(その2)である。ステップS403において、複写機100は、図6−2の帳票ドキュメントセットリスト表示UI1202に示すようなUIを表示部109に表示する。
【0036】
ステップS404において、複写機100は、リスト表示した中から扱いたい帳票ドキュメントセットをユーザに選択させる。図6−2では、ユーザが、大学時代の名簿を選択している例を示している。ユーザは、「決定」ボタンを押すことによって、選択を確定させる。
【0037】
ステップS405において、複写機100は、選択された帳票ドキュメントセットを例えば、ハードディスク107より、読み込む。ステップS406において、複写機100は、読み込んだ帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報202に従ってデータを取得する。そして、ステップS407において、複写機100は、読み込んだ帳票ドキュメントセットに含まれる帳票テンプレートのデータマージ情報に従ってデータマージを行う。
【0038】
続いて、ステップS408において、複写機100は、帳票を出力する。この際出力は、図1の印刷部103を用いて印刷を行ってもよいし、表示部109に表示させてもよい。ここで、操作部108と表示部109とを併せ持つタッチパネル付きディスプレイに、帳票を表示させた一例を図7に示す。図7は、タッチパネル付きディスプレイに、帳票を表示させた一例を示す図である。
【0039】
続いて、ステップS409において、複写機100は、帳票ドキュメントセットを編集してカスタマイズするか否かをユーザに選択させる。複写機100は、ユーザが帳票ドキュメントセットを編集してカスタマイズすることを選択したと判定すると、ステップS410に進む。一方、複写機100は、帳票ドキュメントセットを編集してカスタマイズしないことを選択したと判定すると、図5に示す処理を終了する。
【0040】
帳票ドキュメントセットを編集してカスタマイズしない場合とは、例えばユーザが帳票ドキュメントセットをデフォルトのまま出力したい場合である。
【0041】
ここで、ステップS408において複写機100が帳票を印刷した場合、図7に示す各種ボタン601の内、例えば、「*」ボタンをユーザに押されると、複写機100は、編集モードに入る。また、ステップS408において複写機100が帳票を表示部107等に表示させた場合、複写機100は、図8に示すように、タッチパネル付きディスプレイ701に、編集ボタンを表示する。そして、編集ボタンがユーザに押されると、複写機100は、編集モードに入る。図8は、タッチパネル付きディスプレイ701に、帳票と編集ボタンとを表示させた一例を示す図である。
【0042】
ステップS410において、複写機100は、帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報を編集する。
【0043】
編集モードになった場合、複写機100は、ユーザがカスタマイズできる部分である、図2のデータベース214、検索条件215、216のデータ構造から、編集用のUIを作成する。そして、複写機100は、作成した編集用のUIをユーザに提示する。ここで、ユーザが、データベースと、検索条件とを選択できるようにした編集用のUIの一例を、図9に示す。図9は、タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その1)である。
【0044】
図2のデータ取得指示情報202では、データベースは、database.university.comが選択されており、検索条件は、addressが"東京都"を含むようなデータとなっている。そのため、図9のデータベースのリスト801では、名簿のデータベースとして、「大学(database.university.com)」が予め選択されている。また、データ検索条件のリスト802では、「東京都」が検索条件として予め選択されている。この状態で、ユーザが編集を行い、データベースとして「高校(database.highschool.com)」を選択した図が図10である。図10は、 タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その2)である。
【0045】
更に、データ検索条件として、ユーザが「千葉県」を選択した図が図11である。図11は、タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その3)である。図11に示されるUIにおいて、編集を終了するため、ユーザが「保存」ボタンを押すと、複写機100は、ステップS411に進む。ステップS411において、複写機100は、元データ取得指示情報と、編集されたデータ取得指示情報との差分を相違情報として抽出する。
【0046】
図12は、実施形態1の相違情報抽出方法の一例を説明するための図である。編集前の元データ取得指示情報は、元データ取得指示情報1101である。編集後のデータ取得指示情報は、編集後データ取得指示情報1102である。複写機100は、元データ取得指示情報1101と編集後データ取得指示情報1102との相違を、UNIX(登録商標)でテキストファイルの差分を作成する際に使用されるdiffの機能と同様の機能を用いて抽出する。差分を抽出した結果が、データ取得指示情報相違情報1103である。
【0047】
データ取得指示情報相違情報1103の前半部分は、4行目がdatabase.university.comからdatabase. highschool.comに変更されたことを示している。また、データ取得指示情報相違情報1103の後半部分は、7行目が「address="東京都"」から「address="千葉県"」に変更されたことを示している。
【0048】
続いて、ステップS412において、複写機100は、ユーザ識別情報と、相違情報とを関連付けて保存する。より具体的に説明すると、複写機100は、図4に示したような管理テーブルに、ユーザ識別情報と、元データ取得指示情報1101を含む帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報1103と、を保存する。ここで、ユーザ識別情報とは、例えば、ICカードを用いてログインする構成の場合、ユーザID、ユーザアカウントとパスワードとを用いてログインする構成の場合、ユーザアカウント(ユーザ名)である。
【0049】
図13は、複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その5)である。
【0050】
管理テーブル1301には、既に、中学時代の名簿(埼玉県在住者)の情報が入っている。複写機100は、追加されたデータ取得指示情報相違情報のみを管理テーブルに保存する。なお、上述したように、管理テーブルは、ハードディスク107内に保存されていてもよいし、ネットワークアダプタ104を介して、ネットワーク105を経由して外部のファイルサーバ112等に保存されていてもよい。
【0051】
続いて、ステップS413において、複写機100は、カスタマイズした派生帳票を出力するか否かをユーザに選択させる。複写機100は、ユーザが、カスタマイズした派生帳票を出力しないことを選択したと判定すると、図5に示す処理を終了する。一方、複写機100は、ユーザが、カスタマイズした派生帳票を出力することを選択したと判定すると、ステップS417に進む。
【0052】
ステップS414において、複写機100は、ユーザがカスタマイズした帳票派生ドキュメントセットを管理テーブル1301より読み出し、帳票派生ドキュメントセットを表示部109にリスト表示する。図6−3は、表示部109に表示するUIを示す図(その3)である。ステップS414において、複写機100は、図6−3の帳票派生ドキュメントセットリスト表示UI1203に示すようなUIを表示部109に表示する。
【0053】
続いて、ステップS415において、複写機100は、リスト表示した中から扱いたい帳票派生ドキュメントセットをユーザに選択させる。図6−3では、ユーザが、高校時代の名簿(千葉県在住者)を選択している例を示している。ユーザは、「決定」ボタンを押すことによって、選択を確定させる。
【0054】
次に、ステップS416において、複写機100は、カスタマイズして派生させた元帳票ドキュメントセットを例えば、ハードディスク107より、読み込む。管理テーブル1301の場合、複写機100は、「大学時代の名簿」を元帳票ドキュメントセットとして読み込む。
【0055】
ステップS417において、複写機100は、データ取得指示情報相違情報を例えば、ハードディスク107より、読み込む。管理テーブル1301の場合、複写機100は、「高校時代の名簿(千葉県在住者)」即ち、データ取得指示情報相違情報1103を読み込む。
【0056】
続いて、ステップS418において、複写機100は、元帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報(元データ取得指示情報1101)と、データ取得指示情報相違情報1103とからデータ取得指示情報1102を更新する。
【0057】
ここで、図14は、帳票派生ドキュメントセット作成処理を説明するための図である。
複写機100は、元データ取得指示情報1101と、データ取得指示情報相違情報1103とから編集後(カスタマイズされた)データ取得指示情報1102を得る。例えば複写機100は、UNIX(登録商標)でテキストファイルの差分を基にファイルの更新を行う際に使用されるpatchの機能と同様の機能を用いてデータ取得指示情報を更新する。
【0058】
即ち、複写機100は、データ取得指示情報相違情報1103より、元データ取得指示情報1101の4行目をdatabase.university.comからdatabase.highschool.comへ更新する。同様に、複写機100は、データ取得指示情報相違情報1103より、元データ取得指示情報の7行目をaddress="東京都"から、address="千葉県"に更新する。このような処理を行うことで、複写機100は、編集後データ取得指示情報1102を得る。
【0059】
続いて、ステップS419において、複写機100は、データ取得指示情報1102に従って、データを取得する。続いて、ステップS420において、複写機100は、元帳票ドキュメントセットに含まれる帳票テンプレート201のデータマージ情報に従ってデータマージを行う。
【0060】
続いて、ステップS421において、複写機100は、ユーザがカスタマイズした帳票派生ドキュメントセット1401を作成する。つまり、複写機100は、ステップS420のデータマージの結果として、帳票派生ドキュメントセット1401を作成する。
【0061】
続いて、ステップS422において、複写機100は、ユーザがカスタマイズした帳票派生ドキュメントセット1401を出力する。そして、複写機100は、図5に示す処理を終了する。図15は、実施形態1におけるタッチパネル付きディスプレイに、ユーザがカスタマイズした帳票を表示させた一例を示す図である。なお、複写機100は、印刷部103を用いて、ユーザがカスタマイズした帳票派生ドキュメントセット1401を印刷してもよい。
【0062】
<実施形態2>
実施形態1では、図5のS411におけるデータ取得指示情報の相違情報の抽出方法として、行数と相違文字列とを抽出する方法を示した。しかしながら、本実施形態では、W3Cで定義されているXML文章の変換を行うための変換定義、XSLTを用いる方法を示す。なお、ここで、W3Cとは、World Wide Web Consortiumの略である。また、XMLとは、eXtensible Markup Languageの略である。また、XSLTとは、eXtensible Style Language Transformationの略である。
【0063】
XSLTは一種のプログラミング言語であるため、複雑な処理を記述することができる。しかし、単純な相違で、且つ、少ないデータ取得指示情報であった場合には、編集後のデータ取得指示情報よりもデータ取得指示情報相違情報の方が大きなデータになってしまうことがある。この場合は、実施形態1の方法を取ればよい。
【0064】
しかし、実施形態1で示したデータ取得指示情報のデータ量は少ないが、実際の帳票においては、データ取得指示情報のデータ量は多くなる。実施形態1の図12に示した元データ取得指示情報1101と、図16に示した元データ取得指示情報1601とを例に取って説明する。図16は、実施形態2の相違情報抽出方法の一例を説明するための図である。
【0065】
元データ取得指示情報1601は、元データ所得指示情報1101に比べ、tel1、2、3と、電子メール(e−mail)1、2、3と、の項目が追加されている。また、更に、ホームページ(home page)と、血液型(blood type)と、生年月日(birthday)との項目も追加されている。
【0066】
編集後データ取得指示情報1602は、元データ取得指示情報1601を実施形態1と同様に、データベースと検索条件とを変更した編集後データ取得指示情報である。この元データ取得指示情報1601と編集後データ取得指示情報1602との相違情報をXSLTで記述したものが、データ取得指示情報相違情報1603である。
【0067】
データ取得指示情報相違情報1603では、XSLTで、serverタグにマッチした場合は、<server>database.juniorhigh.com</server>へ変更する。また、queryタグにマッチした場合は、<query>address="千葉県"</query>へ変更し、それ以外はすべてcopyするように記述されている。
【0068】
ステップS412において、複写機100は、ユーザ識別情報と、データ取得指示情報相違情報1603とを関連付けて保存する。このことで、複写機100は、実施形態1と同様に、図5のステップS414〜ステップS423を経て、カスタマイズされた派生帳票を作成することができる。ステップS423において、複写機100が、カスタマイズ派生帳票を表示部109に出力した図を図17に示す。図17は、実施形態2におけるタッチパネル付きディスプレイに、ユーザがカスタマイズした帳票を表示させた一例を示す図である。
【0069】
また、実施形態1では、管理テーブルにユーザ識別情報と、元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報とを記録していた。しかし、図18に示すように、XSLTで記述したデータ取得指示情報相違情報の中に、XMLで、
<user>
ユーザ識別情報
</user>
と、
<originalData>
元帳票ドキュメントセット
</originalData>
とを記述するようにしてもよい。図18は、データ取得指示情報相違情報の一例を示す図である。
【0070】
このような構成とすると、データ取得指示情報相違情報の中からユーザ識別情報と、元帳票ドキュメントセットとを取得することができるので、管理テーブルをなくすことができる。
【0071】
しかし、図5のステップS418において、userタグと、originalDataタグとは、編集後データ取得指示情報1602を得る時に不要なタグである。そこで、複写機100が、実際にステップS418を実行するときには、userタグと、originalDataタグとを抜いたデータ取得指示情報相違情報を用いる。
【0072】
<その他の実施形態>
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(又は記憶媒体)を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0073】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0074】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0075】
本発明を前記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0076】
以上、上述した各実施形態によれば、ユーザが元の帳票をユーザの目的に合うよう編集すると、複写機100は、編集後の帳票と元の帳票との相違情報を記録して、次回使用時に元の帳票と相違情報とにより、帳票を更新する。そして、ユーザの編集した帳票を復元する。これにより、全ての帳票データの記録を行わなくてよいため、システムのリソースの使用量を減少させることができる。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】複写機の構成を示すブロック図である。
【図2】帳票ドキュメントセットを説明するための図である。
【図3】ハードディスク107に格納されている情報の一例を示す図である。
【図4−1】複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その1)である。
【図4−2】複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その2)である。
【図4−3】複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その3)である。
【図4−4】複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その4)である。
【図5】複写機100において帳票が出力されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6−1】表示部109に表示するUIを示す図(その1)である。
【図6−2】表示部109に表示するUIを示す図(その2)である。
【図6−3】表示部109に表示するUIを示す図(その3)である。
【図7】タッチパネル付きディスプレイに、帳票を表示させた一例を示す図である。
【図8】タッチパネル付きディスプレイ701に、帳票と編集ボタンとを表示させた一例を示す図である。
【図9】タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その1)である。
【図10】タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その2)である。
【図11】タッチパネル付きディスプレイに表示する編集用のUIを示す図(その3)である。
【図12】実施形態1の相違情報抽出方法の一例を説明するための図である。
【図13】複写機100にログインしたユーザ毎の元帳票ドキュメントセットと、データ取得指示情報相違情報との対応を管理する管理テーブルを示す図(その5)である。
【図14】帳票派生ドキュメントセット作成処理を説明するための図である。
【図15】実施形態1におけるタッチパネル付きディスプレイに、ユーザがカスタマイズした帳票を表示させた一例を示す図である。
【図16】実施形態2の相違情報抽出方法の一例を説明するための図である。
【図17】実施形態2におけるタッチパネル付きディスプレイに、ユーザがカスタマイズした帳票を表示させた一例を示す図である。
【図18】データ取得指示情報相違情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
101 CPU
102 RAM
103 印刷部
104 ネットワークアダプタ
105 ネットワーク
106 スキャナ
107 ハードディスク
108 操作部
109 表示部
110 認証用装置
111 データベース
112 ファイルサーバ
113 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票の書式情報と取得したデータを帳票のどこに挿入するかを規定するデータマージ情報とから構成される帳票テンプレートと、データの取得指示に係るデータ取得指示情報とから構成される帳票ドキュメントセットを読み込む読込手段と、
操作画面を介したユーザ操作に応じて、前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報を編集するデータ取得指示情報編集手段と、
前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報に、保存手段に保存さている、編集前のデータ取得指示情報と、編集後のデータ取得指示情報との相違を示す相違情報を適用してデータ取得指示情報を更新する更新手段と、
を有し、
更新手段が更新したデータ取得指示情報と、前記帳票ドキュメントセット内の帳票テンプレートとを組み合わせ、新たな帳票ドキュメントセットを作成することを特徴とするドキュメントセット作成装置。
【請求項2】
編集前のデータ取得指示情報と、編集後のデータ取得指示情報とを用いて、前記相違情報を抽出する抽出手段を更に有し、
前記保存手段は、前記抽出手段が抽出した前記相違情報と、前記編集に係るユーザを識別するユーザ識別情報と、を関連付けて保存することを特徴とする請求項1に記載のドキュメントセット作成装置。
【請求項3】
ユーザを識別するユーザ識別情報を入力するユーザ識別情報入力手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドキュメントセット作成装置。
【請求項4】
前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報に基づいて、データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得したデータを前記帳票ドキュメントセットに含まれる帳票テンプレートのデータマージ情報に基づいて、前記帳票テンプレートに挿入し、帳票データを作成するデータマージ手段と、
前記データマージ手段が作成した帳票データを出力する帳票出力手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のドキュメントセット作成装置。
【請求項5】
ドキュメントセット作成装置におけるドキュメントセット作成方法であって、
帳票の書式情報と取得したデータを帳票のどこに挿入するかを規定するデータマージ情報とから構成される帳票テンプレートと、データの取得指示に係るデータ取得指示情報とから構成される帳票ドキュメントセットを読み込む読込工程と、
操作画面を介したユーザ操作に応じて、前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報を編集するデータ取得指示情報編集工程と、
前記帳票ドキュメントセットに含まれるデータ取得指示情報に、保存手段に保存さている、編集前のデータ取得指示情報と、編集後のデータ取得指示情報との相違を示す相違情報を適用してデータ取得指示情報を更新する更新工程と、
を有し、
更新工程が更新したデータ取得指示情報と、前記帳票ドキュメントセット内の帳票テンプレートとを組み合わせ、新たな帳票ドキュメントセットを作成することを特徴とするドキュメントセット作成方法。
【請求項6】
請求項5に記載のドキュメントセット作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−33647(P2008−33647A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206602(P2006−206602)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】