説明

ドライバ更新システム、印刷制御装置、ドライバ更新方法、およびドライバアップデートプログラム

【課題】ドライバーの自動更新機能を有するシステムを容易に構築できるドライバ更新システム、印刷制御装置、ドライバ更新方法、およびドライバアップデートプログラムを提供すること。
【解決手段】ディスプレイに表示される画面から、ドライバーの更新に用いるファイルとして、ローカルサーバー3に格納されたドライバプログラムを直接指定する入力を受けると、クライアント装置4のドライバ更新アプリケーションは、ドライバ情報ファイルを参照することなく、指定されたドライバプログラムのファイルをローカルサーバー3からダウンロードして取得する。そして、取得したドライバプログラムを用いて、クライアント装置4にインストールされたプリンタドライバーのバージョンを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してサーバーから取得するドライバプログラムを用いて、インストールされたドライバーの更新を行う印刷制御装置、ドライバ更新システム、ドライバ更新方法、およびドライバアップデートプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターのホスト装置に搭載されたバージョンアップソフトの動作によって、インターネットを介してプリンタメーカーのサーバーから最新バージョンのプリンタドライバソフトをダウンロードして、ホスト装置のプリンタドライバーをバージョンアップする印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この印刷システムによれば、プリンタドライバーのバージョンアップが自動的に行われ、ユーザーはバージョンアップ作業を簡単に行うことができる。
【0003】
また、このようなシステムにおいては、プリンタメーカーのサーバーに、サーバーに格納された各プリンタドライバソフトについて対応する機種およびOSや、バージョンなどを一元的に管理するドライバ情報ファイルを格納しておく必要がある。ホスト装置は、ドライバ情報ファイルを参照することにより、サーバーに格納されたプリンタドライバソフトのうちから、更新すべき適切なプリンタドライバソフトを選択して、ドライバーのバージョンアップを適切に行うことができる。
【0004】
さらに、ユーザーサイドで構築されるローカルネットワーク内にローカルサーバーを設け、ローカルサーバーにプリンタドライバーのソフトを格納しておくことによって、プリンタドライバーのバージョンアップを、ローカルネットワーク内で実現するシステムがある。この場合は、ローカルサーバーにドライバ情報ファイルを格納しておく必要がある。
【0005】
【特許文献1】特開2002−36098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ドライバ情報ファイルはプリンタメーカーが定めた所定のフォーマットに従って記述されなければならないので、このフォーマットを熟知していなければ、ドライバ情報ファイルを作成できない。このため、ローカルシステムの管理者などが、ドライバ情報ファイルを作成して、プリンタドライバーのバージョン更新機能を実現するシステムを独自に構築することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]インストールされたドライバーによりプリンターを制御する印刷制御装置と、ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーとを含むドライバ更新システムであって、前記印刷制御装置は、前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受ける入力手段と、前記指定されたファイルの種類を判断する判断手段と、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定されたドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得する第1の取得手段と、前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するドライバ更新手段とを備えることを特徴とするドライバ更新システム。
【0009】
[適用例2]ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーとネットワークを介して接続され、インストールされたドライバーによりプリンターを制御する印刷制御装置であって、前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受ける入力手段と、前記指定されたファイルの種類を判断する判断手段と、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定されたドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得する第1の取得手段と、前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するドライバ更新手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。
【0010】
これらの構成によれば、入力手段によって、ドライバーを更新するために用いるファイルに、ドライバプログラムのファイルが指定された場合、第1の取得手段はサーバーからドライバプログラムを取得し、取得したドライバプログラムによって、印刷制御装置にインストールされたドライバーが更新される。したがって、ドライバ情報ファイルを必要とすることなく、サーバーからドライバプログラムを取得して印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新する機能を実現できる。これにより、例えば、システムの管理者などは、ドライバ情報ファイルを作成する必要がなく、印刷制御装置にインストールされたドライバーを簡単に更新可能なシステムを容易に構築することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記印刷制御装置において、前記サーバーは、更新に必要なドライバプログラムを特定するためのドライバ情報ファイルを格納し、前記入力手段は、前記ドライバプログラムのファイル、またはドライバ情報ファイルを指定する入力を受け、前記印刷制御装置は、前記指定されたファイルが前記ドライバ情報ファイルである場合に、前記指定されたドライバ情報ファイルを参照して、更新すべきドライバプログラムを特定して前記サーバーから取得する第2の取得手段をさらに備え、前記ドライバ更新手段は、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新することを特徴とする印刷制御装置。
【0012】
この構成によれば、ドライバーを更新するために用いるファイルに、ドライバ情報ファイルが指定された場合、第2の取得手段が、指定されたドライバ情報ファイルを参照して、ドライバプログラムをサーバーから取得することによって、印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新する。したがって、ユーザーなどは、ドライバ情報ファイルまたはドライバプログラムのファイルのいずれを指定した場合にも、ドライバーを簡単に更新することができる。
【0013】
[適用例4]上記印刷制御装置において、前記判断手段は、前記入力手段に入力されたファイルの拡張子に基づいて、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルまたは前記ドライバ情報ファイルのいずれであるかを判断することを特徴とする印刷制御装置。
【0014】
この構成によれば、入力手段に入力されたファイルの拡張子に基づいて、指定されたファイルの種類を判断し、ファイルの種類に応じた方法によって、印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新することができる。したがって、ドライバ情報ファイルとドライバプログラムとのいずれのファイルが指定された場合にも、指定された方法でドライバーを更新できる。また、接続先に指定されたファイルの種類の判断は拡張子に基づいて行うので、ファイルの種類の判断を簡単且つ正確に行うことが可能である。
【0015】
[適用例5]上記印刷制御装置において、前記第2の取得手段は、前記インストールされたドライバーから、当該ドライバーの種類を示すパラメータを受け取り、当該パラメータおよびドライバ情報ファイルに基づいて更新すべきドライバプログラムを特定することを特徴とする印刷制御装置。
【0016】
この構成によれば、更新に用いるべき種類のドライバプログラムを特定して、ドライバーを適切に更新できる。
【0017】
[適用例6]ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーから印刷制御装置に配信されるドライバプログラムを用いて、前記印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新するドライバ更新方法であって、前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受けるステップと、前記指定されたファイルの種類を判断するステップと、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定された接続先のドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得するステップと、前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するステップとを含むことを特徴とするドライバ更新方法。
【0018】
このようにすれば、ドライバ情報ファイルを必要とすることなく、サーバーからドライバプログラムを取得して印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新することができる。
【0019】
[適用例7]ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーと接続する印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新するためのドライバアップデートプログラムであって、前記印刷制御装置のコンピューターに、前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受けるステップと、前記指定されたファイルの種類を判断するステップと、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定された接続先のドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得するステップと、前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するステップとを実行させることを特徴とするドライバアップデートプログラム。
【0020】
このドライバアップデートプログラムによれば、ドライバ情報ファイルを必要とすることなく、サーバーからドライバプログラムを取得してドライバーを更新する機能を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本実施例に係るドライバ更新システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、ドライバ更新システム1には、外部サーバー2と、ローカルサーバー(サーバー)3と、クライアント装置(印刷制御装置)4と、プリンター5とが含まれる。ローカルサーバー3、クライアント装置4、およびプリンター5は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されており、ローカルネットワークシステム7を構成する。また、ローカルネットワークシステム7内のクライアント装置4およびローカルサーバー3は、ネットワークに接続されたルーター6によって、インターネットを介して外部サーバー2とデータ通信可能である。以下、ドライバ更新システム1の各装置について説明する。
【0023】
まず、外部サーバー2について説明する。外部サーバー2は、プリンタメーカーのデータセンターに設置されたWebサーバーなどである。外部サーバー2は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、通信I/F、…などの構成を有しており、ハードディスクには、プリンターの各機種およびOSに対応する最新バージョンのドライバプログラムDPが格納される。そして、外部サーバー2のハードディスクには、後述するドライバ情報ファイルDIFが予め決められた場所に格納され、このドライバ情報ファイルDIFはインターネットを介して外部から接続可能になっている。
【0024】
次に、ローカルネットワークシステム7に含まれるローカルサーバー3について説明する。ローカルサーバー3の構成の一例を図2に示す。ローカルサーバー3は、各クライアント装置4からのドライバ更新の要求に応じてドライバプログラムを提供するためのサーバーであり、図2に示すように、CPU30と、ROM31と、RAM32と、ハードディスク33と、通信I/F34と、表示I/F35と、入力I/F36と、読取装置37とを備える。
【0025】
CPU30は、ローカルサーバー3の動作を制御する。ROM31は制御用のプログラムなどが記憶された不揮発性メモリであり、RAM32は受信バッファや作業用領域などとして用いられる汎用のメモリである。表示I/F35は、外部の表示装置とのインターフェイス部分であり、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ38が接続される。通信I/F34は、ネットワークに接続するインターフェイス部分である。入力I/F36は、キーボード39aやマウス39bなどの入力機器が接続するインターフェイス部分である。
【0026】
また、ローカルサーバー3のハードディスク33は、対応する機種やオペレーションシステム(以下、「OS」という)が異なる複数のドライバプログラムDPとドライバ情報ファイルDIFとを格納している。例えば、ハードディスク33には、機種Aに対応するドライバプログラムDP、機種Bに対応するドライバプログラムDP、…など、対応する機種やOSが異なる複数のドライバプログラムDPが格納される。
【0027】
ドライバプログラムDPは、外部記録媒体Mに記録された形態で読取装置37に供給されたり、ネットワークを介して外部サーバー2からダウンロードしたりすることによって、ハードディスク33に予め格納されている。
【0028】
ドライバ情報ファイルDIFは、ハードディスク33に格納されている各ドライバプログラムDPについて、ダウンロードする際に必要となる情報を一元的に管理するファイルである。このドライバ情報ファイルDIFには、図3に示すように、対応する機種名およびOSを示す対応情報CD、ドライバーのバージョンを示すバージョン情報VD、ドライバプログラムDPの格納場所へのパスを示すロケーション情報LD1、ドライバプログラムDPのデータサイズを示すサイズ情報SD、およびリリースノートの格納場所へのパスを示すロケーション情報LD2などが含まれる。そして、このドライバ情報ファイルDIFは、ハードディスク33に格納された各ドライバプログラムDPについて、上述した各種情報の記述を含んでいる。このドライバ情報ファイルDIFは予め決められた場所に格納されている。
【0029】
したがって、クライアント装置4は、ローカルサーバー3に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照することによって、ローカルサーバー3に格納された複数のドライバプログラムDPから、自身の機種やOSに対応するドライバプログラムDPの格納場所を特定して、ダウンロードすることができる。
【0030】
また、クライアント装置4は、外部サーバー2のドライバ更新用サイトに接続し、サイトを通じて、外部サーバー2に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照することによって、外部サーバー2に格納された複数のドライバプログラムDPから、自身の機種やOSに対応するドライバプログラムDPの格納場所を特定して、ダウンロードすることができる。
【0031】
なお、ハードディスク33に格納されたドライバプログラムDPと、ドライバ情報ファイルDIFとでは、ファイルの拡張子が異なっている。本実施例では、ドライバプログラムDPは圧縮された状態で、自己解凍形式の実行ファイルとしてハードディスク33に格納されており、ドライバプログラムDPの拡張子は「.EXE」である。一方、ドライバ情報ファイルDIFの拡張子は、「.DAT」であるものとする。
【0032】
次に、ローカルネットワークシステム7に含まれるクライアント装置4の構成について説明する。クライアント装置4の構成の一例を図4に示す。図4に示すように、クライアント装置4は、CPU40と、ROM41と、RAM42と、ハードディスク43と、通信I/F44と、表示I/F45と、入力I/F46と、読取装置47とを備える。このクライアント装置4はプリンター5のホスト装置であり、具体例としては、汎用のパーソナルコンピューターなどを挙げることができる。
【0033】
CPU40は、クライアント装置4の動作を制御する。ROM41は制御プログラムなどが記憶された不揮発性メモリであり、RAM42は受信バッファやワーキングメモリなどとして用いられる汎用のメモリである。表示I/F45は、外部の表示装置とのインターフェイス部分であり、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ48が接続される。通信I/F44は、ネットワークに接続するインターフェイス部分である。入力I/F46は、キーボード49aやマウス49bなどの入力機器(入力手段)が接続するインターフェイス部分である。
【0034】
また、クライアント装置4のハードディスク43には、ドライバプログラムDPおよびアプリケーションプログラム(ドライバアップデートプログラム)APが格納されている。ドライバプログラムDPは、所定のオペレーションシステムの下で、プリンタドライバーとして機能するために必要な設定が適宜行われるようにして、プリンタドライバーがインストールされている。同様に、アプリケーションプログラムAPのドライバ更新アプリケーションがインストールされている。
【0035】
なお、ハードディスク43に格納されたドライバプログラムDPおよびアプリケーションプログラムAPは、外部記録媒体Mに記録された形態で読取装置47に供給されたり、ネットワークを介して外部サーバー2またはローカルサーバー3からダウンロードされたりしたものである。
【0036】
次に、クライアント装置4が有する機能について説明する。クライアント装置4の機能構成を図5に示す。図5に示すように、クライアント装置4は、プリンタドライバー110と、ドライバ更新アプリケーション120とを有する。
【0037】
プリンタドライバー110は、プリンター5の印刷を制御するソフトウェアであり、ドライバプログラムDPがインストールされることにより機能している。プリンタドライバー110は、アプリケーションから受け取るデータから印刷用データを生成する処理、印刷用データをプリンター5に送信して印刷を実行させる処理などを行う。
【0038】
ドライバ更新アプリケーション120は、外部サーバー2またはローカルサーバー3からドライバプログラムの提供を受けてドライバーを更新する機能を実現するソフトウェアであり、アプリケーションプログラムAPがインストールされることにより機能している。このドライバ更新アプリケーション120は、ドライバ更新制御部(判断手段)121と、第1ファイル取得部(第1の取得手段)122と、第2ファイル取得部(第2の取得手段)123と、ドライバ更新部(ドライバ更新手段)124とを有する。
【0039】
ドライバ更新制御部121は、ドライバ更新の処理を制御する。具体的には、ユーザーがドライバーを更新しようとする場合に、自動アップデート設定画面(図8参照)をディスプレイ38に表示させる。ユーザーは、自動アップデート設定画面300の入力欄303に対して、ドライバーを更新するために用いるファイルへのパスを指定する入力を行う。そして、ドライバ更新制御部121は、指定されたファイルの拡張子の種類に基づいて、ファイルの種類を判断する処理を行う。すなわち、図8に例として示す自動アップデート設定画面において指定されたファイルの拡張子が「.EXE」であった場合、指定されたファイルは、拡張子が「.EXE」であるドライバプログラムDPであると判断する。この場合、ドライバ更新制御部121は、第1ファイル取得部122により以降の処理を行わせる。一方、指定されたファイルの拡張子が「.DAT」であった場合、指定されたファイルは、拡張子が「.DAT」であるドライバ情報ファイルDIFと判断する。この場合、ドライバ更新制御部121は、第2ファイル取得部123により以降の処理を行わせる。
【0040】
第1ファイル取得部122は、自動アップデート設定画面で指定されたドライバプログラムDPを取得する処理を行う。すなわち、第1ファイル取得部122は、ドライバ情報ファイルDIFを参照することなく、自動アップデート設定画面で指定されたパスのドライバプログラムDPをローカルサーバー3から直接ダウンロードすることにより、ドライバプログラムDPのファイルを取得する。
【0041】
第2ファイル取得部123は、自動アップデート設定画面で指定されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、クライアント装置4自身の機種およびOSに対応するドライバプログラムDPのファイルをローカルサーバー3からダウンロードすることにより、ドライバプログラムDPのファイルを取得する処理を行う。
【0042】
なお、自動アップデート設定画面において、外部サーバー2がファイルの取得先に指定された場合、第2ファイル取得部123は、外部サーバー2に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、クライアント装置4自身の機種およびOSに対応するドライバプログラムDPのファイルを外部サーバー2からダウンロードすることにより、ドライバプログラムDPのファイルを取得する。
【0043】
ドライバ更新部124は、第1ファイル取得部122または第2ファイル取得部123が取得したドライバプログラムDPを実行することにより、自身のクライアント装置4にインストールされたプリンタドライバー110のバージョンを更新する処理を行う。これにより、インストールされたプリンタドライバー110のバージョンを更新する自動更新機能が実現される。
【0044】
上述したように、プリンタドライバー110は、自動アップデート設定画面でパスが指定されたファイルが、ドライバプログラムDPであるかドライバ情報ファイルDIFであるかを判断して、ファイルの種類によってドライバプログラムの取得方法を適宜切り替えている。このため、例えば、システム管理者やユーザーなどは、自動アップデート設定画面300の入力欄303に、ドライバプログラムDPのファイルへのパスを入力することによって、ドライバ情報ファイルDIFを参照することなく、ドライバプログラムDPを取得してドライバーの更新を行うことができる。こうして、ドライバ情報ファイルDIFを参照することなく、ドライバーを更新できるようにしたことが本実施例のドライバ更新システム1がもつ特徴の1つである。
【0045】
次に、ユーザーなどがプリンタドライバー110のバージョンを更新しようとする際にクライアント装置4が行う処理の流れについて、図6のフローチャートに従って説明する。
【0046】
まず、クライアント装置4のプリンタドライバー110を更新または新規インストールしようとするユーザーは、キーボード49aやマウス49bなどの入力機器を操作して、図7に示す印刷設定画面200をディスプレイ48に表示させる。そして、入力機器への操作により印刷設定画面200のドライバ自動更新ボタン201が押下されると、ドライバ更新アプリケーション120が起動する。ドライバ更新アプリケーション120は、プリンタドライバー110からドライバーの種類、ドライバーが対応する機種、ドライバーのバージョンなどを示すパラメータを受け取ってから、図6の処理を開始する。
【0047】
図6の処理を開始すると、CPU40は、表示I/F45を介してディスプレイ48に自動アップデート設定画面を表示させる(ステップS100)。図8に自動アップデート設定画面の一例を示す。図8に示すように、自動アップデート設定画面300には、プリンタメーカーが管理する外部サーバー2を接続先に指定するための選択肢301と、ローカルサーバー3を接続先に指定するための選択肢302と、選択肢302を選択したときにローカルサーバー3に格納されたファイルへのパスを入力するための入力欄303と、入力を確認するための入力確認ボタン304とを含んでいる。
【0048】
システム管理者やユーザーなどは、自動アップデート設定画面300に従って、選択肢301,302のうちから所望の選択肢を選択する。選択肢301が選択された状態、または選択肢302が選択された場合にはローカルサーバー3に格納されたファイルへのパスが入力欄303に入力された状態で、入力確認ボタン304が押下されると、ステップS110に進む。
【0049】
ステップS110に処理が進むと、CPU40は、指定された接続先が指定のサイト、すなわちローカルサーバー3になっているか否かを判断する。選択肢301が選択されていた場合、指定された接続先は外部サーバー2であり、ローカルサーバー3ではないと判断して(ステップS110:No)、ステップS120に進む。
【0050】
ステップS120に処理が進むと、CPU40は、通信I/F44を介した通信により、インターネットを介して外部サーバー2のドライバ更新用サイトに接続する。そして、サイトを通じて外部サーバー2に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、クライアント装置4自身の機種およびOSと対応するファイルを検索する。
【0051】
次に、CPU40は、プリンタドライバー110から受け取ったパラメータおよびドライバ情報ファイルDIFを参照して、ドライバーの更新があるか否かを判断する(ステップS130)。クライアント装置に既にインストール済みのプリンタドライバー110より新しいバージョンのドライバーが、ドライバ情報ファイルDIFに登録されていれば(ステップS130:Yes)、機種およびOSが対応した、より新しいバージョンのドライバプログラムDPのファイルをダウンロードする(ステップS140)。そして、ダウンロードしたドライバプログラムDPの自己解凍を実行し、解凍したファイルに含まれるインストーラを実行することにより、プリンタドライバーをインストールする。これにより、既にインストールされていたドライバーの格納領域に、より新しいバージョンのドライバーが上書きされて、プリンタドライバーが更新される(ステップS150)。プリンタドライバーが更新されると、図6の処理を終了する。
【0052】
また、ステップS110の判断において、自動アップデート設定画面300で選択肢302が選択されていた場合、指定された接続先がローカルサーバー3であると判断して(ステップS110:Yes)、ステップS160に進む。
【0053】
ステップS160に処理が進むと、CPU40は、入力欄303に指定されたパスのファイルに指定された拡張子が「.EXE」であるか否かを判断する。図8に例として示したように、入力欄303に指定されたファイルの拡張子が「.EXE」であれば(ステップS160:Yes)、指定されたファイルはドライバプログラムDPであると判断して、指定されたパスのドライバプログラムDPをローカルサーバー3からダウンロードする(ステップS170)。そして、ダウンロードしたドライバプログラムDPの自己解凍を実行し、解凍したファイルに含まれるインストーラを実行することにより、プリンタドライバーをインストールする。これにより、既にインストールされていたドライバーの格納領域に新しいドライバーが上書きされて、プリンタドライバーが更新される(ステップS180)。こうして、プリンタドライバーが更新されると、図6の処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS160の判断において、指定された拡張子が「.EXE」でなければ(ステップS160:No)、指定されたパスのファイルをローカルサーバー3より参照して、指定されたファイルの書式がドライバ情報ファイルDIFとして有効なものになっているか否かを判断する(ステップS190)。指定されたパスのファイルが、ドライバ情報ファイルDIFとして有効なものでなければ(ステップS190:No)、プリンタドライバーを更新することなく、図6の処理を修了する。
【0055】
また、指定された拡張子が「.DAT」である場合や、他の有効な書式になっている場合は、ドライバ情報ファイルDIFとして有効と判断されて(ステップS190:Yes)、ステップS120に処理が進む。この場合、指定されたパスに従い、ローカルサーバー3に格納されたドライバ情報ファイルDIFを参照して、機種やOSの種類が対応するファイルを検索する(ステップS120)。
【0056】
次に、CPU40は、ドライバーの更新があるか否かを判断する(ステップS130)。既にインストール済みのプリンタドライバー110より新しいバージョンのドライバーがドライバ情報ファイルDIFに登録されていれば(ステップS130:Yes)、機種とOSが対応する、より新しいバージョンのドライバプログラムDPのファイルをダウンロードする(ステップS140)。そして、ダウンロードしたドライバプログラムDPのファイルに含まれるインストーラを実行することにより、プリンタドライバーをインストールする。これにより、既にインストールされていたドライバーの格納領域に新しいドライバーが上書きされて、プリンタドライバーが更新される(ステップS150)。そして、図6の処理を終了する。既にインストール済みのプリンタドライバー110が最新のものであり、より新しいバージョンのドライバーがドライバ情報ファイルDIFに登録されていれば(ステップS130:No)、ドライバーを更新することなく、図6の処理を終了する。
【0057】
なお、ステップS100,S110,S160,S190はCPU40がドライバ更新制御部121として行う処理である。ステップS120〜S140は第2ファイル取得部123、ステップS170はCPU40が第1ファイル取得部122として行う処理である。ステップS150,S180はCPU40がドライバ更新部124として行う処理である。
【0058】
以上に説明したように、本実施例のドライバ更新システム1は、自動アップデート設定画面300にて選択肢301,302をユーザーが選択することにより、ドライバプログラムの取得先を、外部サーバー2またはローカルサーバー3のうちから任意に選択することができる。そして、ローカルサーバー3をドライバプログラムの取得先に選択した場合には、ユーザーは、自動アップデート設定画面300の入力欄303にパスを入力することによって、ローカルサーバー3に格納されたドライバ情報ファイルDIFだけでなく、ドライバプログラムDP自体を指定することができる。ドライバプログラムDPを指定した場合には、ローカルサーバー3からクライアント装置4に、指定したパスのドライバプログラムDPを直接ダウンロードすることによって、ドライバーを更新することができる。すなわち、ユーザーやシステム管理者などがドライバプログラムDPの格納場所を直接指定することによって、ドライバ情報ファイルDIFを参照することなく、ドライバーの自動更新を行うことができる。
【0059】
このため、上記実施例では、ドライバプログラムDPおよびドライバ情報ファイルDIFをローカルサーバー3に格納したローカルネットワークシステム7の構成としたが、図9に示すように、ドライバプログラムDPは格納するが、ドライバ情報ファイルDIFを格納していないローカルサーバー3の構成とすることができる。この場合であっても、ドライバプログラムDP自体のパスを指定することによって、ドライバーを更新できる。
【0060】
したがって、ローカルネットワークシステム7の管理者などは、ドライバ情報ファイルDIFを作成してローカルサーバー3に格納する作業を行う必要がなく、ローカルネットワークシステム7内でドライバーの自動更新を実現するシステムを簡単に構築することが可能である。新たなバージョンのドライバプログラムDPをローカルサーバー3に格納するたびに、これに対応してドライバ情報ファイルDIFを更新する作業を行う必要がないため、システムを維持するための負担が低減することにもなる。
【0061】
また、ユーザーは、自動アップデート設定画面300にてドライバ情報ファイルDIFまたはドライバプログラムDPのいずれのパスを入力した場合にも、クライアント装置4にインストールされたドライバーを更新できる。したがって、ユーザーが、パスに指定するファイルの種類を誤ることによって、ドライバーの更新に失敗することがなくなる。
【0062】
さらに、上記実施例では、自動アップデート設定画面300の入力欄303に入力されたパスに指定されたファイルの拡張子の種類が、「.EXE」であるか否かによって、指定されたファイルの種類を判断しているので、判断の処理を簡単且つ正確に行うことができる。
【0063】
以上、実施の形態の一実施例について説明したが、以下の変形例としてもよい。
【0064】
(変形例1)上記実施例では、外部サーバー2からドライバプログラムDPをダウンロードする機能を有していたが、これは必須ではない。すなわち、ローカルサーバー3のみからドライバプログラムDPをダウンロードできるシステム構成としてもよい。
【0065】
(変形例2)上記実施例では、プリンターのドライバーを更新するシステムとしたが、複写機、複合機、ファックスなどの装置を制御するドライバーのドライバプログラムをクライアント装置4に配信することによってドライバーを更新するシステムとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施例に係るドライバ配信システムの構成の一例を示す図。
【図2】ローカルサーバーの構成の一例を示す図。
【図3】ドライバ情報ファイルを説明するための図。
【図4】クライアント装置の構成の一例を示す図。
【図5】プリンタドライバーの構成を示す図。
【図6】クライアント装置が行う処理の流れを示すフローチャート。
【図7】印刷設定画面の一例を示す図。
【図8】自動アップデート設定画面の一例を示す図。
【図9】ローカルサーバーの構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0067】
1…ドライバ更新システム、2…外部サーバー、3…サーバーとしてのローカルサーバー、4…印刷制御装置としてのクライアント装置、5…プリンター、6…ルーター、7…ローカルネットワークシステム、30…CPU、31…ROM、32…RAM、33…ハードディスク、34…通信I/F、40…CPU、41…ROM、42…RAM、43…ハードディスク、44…通信I/F、45…表示I/F、46…入力I/F、47…読取装置、48…ディスプレイ、49a…入力手段としてのキーボード、49b…入力手段としてのマウス、110…プリンタドライバー、120…ドライバ更新アプリケーション、121…判断手段としてのドライバ更新制御部、122…第1の取得手段としての第1ファイル取得部、123…第2の取得手段としての第2ファイル取得部、124…ドライバ更新部、200…印刷設定画面、300…自動アップデート設定画面、DP…ドライバプログラム、AP…ドライバアップデートプログラムとしてのアプリケーションプログラム、DIF…ドライバ情報ファイル、M…外部記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストールされたドライバーによりプリンターを制御する印刷制御装置と、
ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーとを含むドライバ更新システムであって、
前記印刷制御装置は、
前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受ける入力手段と、
前記指定されたファイルの種類を判断する判断手段と、
前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定されたドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得する第1の取得手段と、
前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するドライバ更新手段とを備えることを特徴とするドライバ更新システム。
【請求項2】
ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーとネットワークを介して接続され、インストールされたドライバーによりプリンターを制御する印刷制御装置であって、
前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受ける入力手段と、
前記指定されたファイルの種類を判断する判断手段と、
前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定されたドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得する第1の取得手段と、
前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するドライバ更新手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷制御装置において、
前記サーバーは、更新に必要なドライバプログラムを特定するためのドライバ情報ファイルを格納し、
前記入力手段は、前記ドライバプログラムのファイル、またはドライバ情報ファイルを指定する入力を受け、
前記印刷制御装置は、
前記指定されたファイルが前記ドライバ情報ファイルである場合に、前記指定されたドライバ情報ファイルを参照して、更新すべきドライバプログラムを特定して前記サーバーから取得する第2の取得手段をさらに備え、
前記ドライバ更新手段は、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段が取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷制御装置において、
前記判断手段は、前記入力手段に入力されたファイルの拡張子に基づいて、前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルまたは前記ドライバ情報ファイルのいずれであるかを判断することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の印刷制御装置において、
前記第2の取得手段は、前記インストールされたドライバーから、当該ドライバーの種類を示すパラメータを受け取り、当該パラメータおよびドライバ情報ファイルに基づいて更新すべきドライバプログラムを特定することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項6】
ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーから印刷制御装置に配信されるドライバプログラムを用いて、前記印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新するドライバ更新方法であって、
前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受けるステップと、
前記指定されたファイルの種類を判断するステップと、
前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定された接続先のドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得するステップと、
前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するステップとを含むことを特徴とするドライバ更新方法。
【請求項7】
ドライバプログラムのファイルを格納するサーバーと接続する印刷制御装置にインストールされたドライバーを更新するためのドライバアップデートプログラムであって、
前記印刷制御装置のコンピューターに、
前記ドライバーを更新するために用いるファイルを指定する入力を受けるステップと、
前記指定されたファイルの種類を判断するステップと、
前記指定されたファイルが前記ドライバプログラムのファイルである場合に、前記指定された接続先のドライバプログラムのファイルを前記サーバーから取得するステップと、
前記取得したドライバプログラムを用いて、前記インストールされたドライバーを更新するステップとを実行させることを特徴とするドライバアップデートプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−102541(P2010−102541A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273993(P2008−273993)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】