ドライブ装置、異常検出方法、およびプログラム
【課題】スイッチなどの検出部の数を抑制しつつ、的確に挿排動作の異常の有無を判断する。
【解決手段】ドライブ装置において、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータ102と、駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、スライド部の往復運動に連動し、挿排口を介して筐体に記憶媒体を挿入、または筐体から記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部234と、駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部232と、第1の検出部の状態と、第2の検出部により検出された駆動モータの回転方向と、に基づいて搬送部による挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部236とを備える。
【解決手段】ドライブ装置において、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータ102と、駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、スライド部の往復運動に連動し、挿排口を介して筐体に記憶媒体を挿入、または筐体から記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部234と、駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部232と、第1の検出部の状態と、第2の検出部により検出された駆動モータの回転方向と、に基づいて搬送部による挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部236とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像や音声をデジタル形式で記録するメディアとして、記録媒体である光ディスクが急速に普及している。また、光ディスクを駆動するディスク駆動装置として、トレイ型や、スロットイン型のディスク駆動装置が普及している。
【0003】
例えば特許文献1に記載されているように、スロットイン型のディスク駆動装置においては、ユーザが筐体の前面に設けられたスロットに光ディスクを差し込むだけで自動的に光ディスクをディスク駆動装置に装着することができる。トレイ型のディスク駆動装置においては、ユーザがトレイを開閉した後に光ディスクをトレイに置く、またはトレイから取り出すため、ユーザの操作性という観点からはスロットイン型のディスク駆動装置の方が有利である。
【0004】
また、スロットイン型のディスク駆動装置は、内蔵されている部材を回転、摺動などさせて光ディスクの挿排動作を行なうために、各部材位置を把握する必要がある。このため、スロットイン型のディスク駆動装置は、部材位置を検出するためのスイッチを複数備える。そして、スロットイン型のディスク駆動装置は、各スイッチの状態に基づき、光ディスクの挿排動作に異常が発生したか否かを判断し得た。
【0005】
【特許文献1】特開2006−302399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のスロットイン型のディスク駆動装置は、光ディスクの挿排動作の異常発生の有無を単に各スイッチの状態にのみ基づいて判断するため、各部材の位置を一義的に導出できる数のスイッチを設ける必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、内蔵する例えばスイッチなどの検出部の数を抑制しつつ、適確に挿排動作の異常発生の有無を判断することが可能な、新規かつ改良されたドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部の状態と、前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向と、に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部と、を備えるドライブ装置が提供される。
【0009】
かかる構成においては、判断部が、スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部の状態と、第2の検出部により検出された駆動モータの回転方向を、複合的に用いて挿排動作の異常発生の有無を判断する。したがって、単に第1の検出部の状態にのみ基づいて挿排動作の異常発生の有無を判断する場合と比較して、第1の検出部の構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
前記スライド部は、前記駆動モータによる動力が伝達され、前記スライド部の前記直線方向の所定範囲内で可動であるラック部材を有し、前記ラック部材は、前記駆動モータが所定方向に回転すると、前記所定範囲における一側の当接部に当接されながら前記スライド部と共に前記一側へ移動され、前記第1の検出部は、前記スライド部および前記ラック部材の位置に応じて状態が切り替えられ、前記駆動モータが前記所定方向に回転していると前記第2の検出部に検出され、前記ラック部材が前記一側の当接部に当接していないと前記第1の検出部により検出されると、前記判断部は、前記挿排動作の異常が発生していると判断してもよい。
【0011】
かかる構成においては、ラック部材は、通常、駆動モータが所定方向に回転すると、スライド部の所定範囲における一側の当接部に当接されながらスライド部と共に上記一側へ移動される。そこで、判断部は、第2の検出部により駆動モータが所定方向に回転していると検出され、第1の検出部によりラック部材が上記一側の当接部に当接していないと検出されている場合、適確に挿排動作の異常が発生していると判断することができる。
【0012】
前記判断部により前記挿排動作の異常が発生していると判断されると、前記駆動モータを制御し、前記搬送部に前記挿排動作を継続させる制御部をさらに備えてもよい。例えば、記憶媒体の排出動作時に、正常に記憶媒体が排出されず記憶媒体がドライブ装置内に存在するという異常が発生した場合、搬送部に不要な負荷がかかりかねない。そこで、制御部は、挿排動作の異常が発生していると判断部により判断されると搬送部に挿排動作を継続させることにより、搬送部などに不要な負荷がかかる場合を抑制することができる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置において実行される異常検出方法であって、前記搬送部が前記挿排動作を行なうステップと、前記第1の検出部が前記スライド部の位置に応じて状態を切り替えるステップと、前記第2の検出部が前記駆動モータの回転方向を取得するステップと、前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断するステップと、を含む異常検出方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置における、前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部として機能させるための、プログラムが提供される。
【0015】
かかるプログラムは、例えばCPU、ROMまたはRAMなどを含むコンピュータのハードウェア資源に、上記のような判断部の機能を実行させることができる。すなわち、当該プログラムを用いるコンピュータを、上述のドライブ装置として機能させることが可能である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明にかかるドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムによれば、内蔵する例えばスイッチなどの検出部の数を抑制しつつ、適確に挿排動作の異常発生の有無を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
まず、図1および図2を参照し、本実施形態にかかるディスク駆動装置の概要を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1が適用される情報処理装置の一例を示した説明図である。図1に示したように、本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、例えば携帯可能な大きさにまで小型化されたノート型のパーソナルコンピュータ(PC)1000の装置本体1001に搭載されるドライブ装置である。
【0020】
なお、図1においては情報処理装置の一例としてPCを示しているが、情報処理装置は、例えば、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、車載器などであってもよい。また、ディスク駆動装置1は、PC用外付けドライブであってもよく、BD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの次世代光ディスクシステムに適用してもよい。
【0021】
図2は、PC1000の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、PC1000は、光ディスク2が装着されるディスク駆動部200、およびディスク駆動部200の動作を制御するサーボ部220を含むディスク駆動装置1、バックエンド242、およびメインシステムを備える。
【0022】
ディスク駆動部200は、スピンドルモータ24と、駆動モータ102と、中継基板202と、光ピックアップ25と、スレッドモータ31aと、ディスク搬送機構34と、を備える。
【0023】
スピンドルモータ24は、ディスク駆動部200に装着された光ディスク2を回転させる光ディスク2のドライバとして機能する。
【0024】
光ピックアップ25は、光源と、光源から入射されたレーザー光を偏向するビームスプリッタと、光ディスク2に偏光されたレーザー光を照射する照射部と、光ディスク2からの反射光を読取る検出部とを含む光学系モジュールである。光ピックアップ25は、サーボ部220からの指示に基づき、光ディスク2の記録面にデータを記録したり、光ディスク2の記録面からデータを読み出したりすることができる。
【0025】
スレッドモータ31aは、サーボ部220からの指示に基づき、光ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に往復運動させるためのモータである。該スレッドモータ31aが生成した動力は、例えば、ボールネジ送り機構、ラック・オピニオン機構、ベルト送り機構、またはワイヤ送り機構などにより光ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に往復運動させる動力に変換されてもよい。
【0026】
駆動モータ102は、搬送部の一例としてのディスク搬送機構34に光ディスク2の挿入、または排出させるための動力を生成するモータである。駆動モータ102により生成された動力がディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に利用される詳細な様子については後述する。
【0027】
サーボ部220は、高周波処理部222と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)224と、FLASH(メモリ)226と、CPU228と、フロントエンド230を含む。
【0028】
フロントエンド230は、回転方向検出部232、スイッチ状態検出部234、判断部236、駆動モータ制御部238、およびリード・ライト制御部240を備える。かかるフロントエンド230は、高周波処理部222、DRAM224、FLASH226、およびCPU228と協働して、ディスク駆動部200における各種動作を制御する。
【0029】
例えば、回転方向検出部232は駆動モータ102の回転方向を検出する第2の検出部としての機能を有する。具体的には、回転方向検出部232は、駆動モータ102の回転方向を監視することにより駆動モータ102の回転方向を検出しても、駆動モータ制御部238が駆動モータ102に対して出力する制御信号を監視することにより駆動モータ102の回転方向を検出してもよい。
【0030】
また、ディスク駆動部200には、ディスク搬送機構34を構成する各メカ位置を検出するためのスイッチが設けられており、スイッチ状態検出部234はかかるスイッチの状態を検出する第1の検出部としての機能を有する。そして、判断部236は、回転方向検出部232により検出された駆動モータ102の回転方向と、スイッチ状態検出部234により検出されたスイッチの状態に基づいて、ディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に異常が発生したか否かを判断する。
【0031】
駆動モータ制御部238は、スイッチ状態検出部234により光ディスク2の挿入行為が検出されると、ディスク搬送機構34が光ディスク2を挿入(引き込む)する方向(CCW)に駆動モータ102を回転させる。また、駆動モータ制御部238は、挿入されている光ディスク2の排出(イジェクト)を指示されると、ディスク搬送機構34が光ディスク2を排出する方向(CW)に駆動モータ102を回転させる。
【0032】
さらに、駆動モータ制御部238は、ディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に異常が発生したと判断部236により判断されると、駆動モータ102を制御し、ディスク搬送機構34に挿排動作を継続させる。当該具体例の詳細については後述する。
【0033】
リード・ライト制御部240は、ディスク駆動部200による光ディスク2からのデータの読み出し、または光ディスク2へのデータの記録を制御する。具体的には、リード・ライト制御部240は、スピンドルモータ24を所定速度で回転させ、スレッドモータ31aに光ピックアップ25を該当位置に移動させ、光ピックアップ25から光ディスク2に対してレーザを照射させることにより、ディスク駆動部200にデータの読み出し、または記録を行わせることができる。
【0034】
バックエンド242は、サーボ部220、またはオーディオ機器266などから入力された各種データのデコード、またはエンコードを行なう。各種データは、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどの任意のデータであってもよい。
【0035】
また、バックエンド242がデコードして生成するデータのフォーマットとしては、JPEG(Joint Photographic coding Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)1、MPEG2またはMPEG4などの画像圧縮形式や、MP3(MPEG1 Layer−3)、AAC(Advanced Audio Codec)、LPCM(Linear PCM)、WMA9(Windows Media Audio9)、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)またはATRAC3などの音声圧縮形式があげられる。
【0036】
メインシステム250は、チューナ262、通信網264、およびオーディオ機器266などと接続される。また、メインシステム250は、ユーザからの光ディスク2の再生、記録などの指示を受け、該当するコマンドをサーボ部220に出力する。
【0037】
なお、上述したディスク駆動装置1は、装置全体の厚さD1を12.7mmとし、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)といった円盤状の記憶媒体を光ディスク2として用いることができる。また、ディスク駆動装置1は、直径を12cmとする標準サイズの光ディスク2と、この大径のディスクよりも小径な直径を8cmとする光ディスク2を装着可能としている。
【0038】
以上、図1および図2を参照して本実施形態にかかるディスク駆動装置1の概要を説明した。続いて、図3〜図17を参照し、当該ディスク駆動装置1の構成を詳細に説明する。
【0039】
図3は本実施形態に係るディスク駆動装置1の外観斜視図、図4はディスク駆動装置1のトップカバーを内面側から見た斜視図、図5はディスク駆動装置1の構造を示す平面図である。
【0040】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図3に示すように、外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。
【0041】
トップカバー5は、図3および図4に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aと、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部5bとを有する。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部6が形成されている。この開口部6は、後述するチャッキング動作時に例えば光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部28aを外部に臨ませるためのものである。また、天板部5aの開口部6の周囲には、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部7が設けられている。
【0042】
天板部5aの内側の主面には、図4に示すように後述する第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とを高さ方向に規制しながら、互いに近接又は離間する方向に案内するガイド部材8が設けられている。このガイド部材8は、天板部5aの両側板部5bの間に亘って略円弧状をなす板金からなり、天板部5aの前面側にスポット溶接やかしめ等により取り付けられている。
【0043】
また、このガイド部材8は、背面側が前面側の取付面よりも一段高くなされた係止部8aを有している。これにより、ガイド部材8の背面側の係止部8aと天板部5aとの間には、第1の回動アーム35の先端部及び第2の回動アーム36の先端部が係合されるガイド溝9が形成されている。また、天板部5aには、このガイド溝9に第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とを係合させるための作業用の窓部10がそれぞれ設けられている。
【0044】
ボトムケース4は、図5に示すように、略扁平箱状に形成された板金からなり、底面部が略矩形状である。また、ボトムケース4の一方の側面部には、底面部よりも底上げされて外側へと張り出したウィング部4aが設けられている。
【0045】
ボトムケース4の底面部には、ディスク駆動装置1の駆動を制御する図示を省略したサーボ部230を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための後述する検出スイッチ等が配置された回路基板がネジ止め等により取り付けられている。また、ボトムケース4の底面部には、シャーシ11がネジ止めにより取り付けられている。このシャーシ11は、回路基板の上方において、ボトムケース4の内部を上記ウィング部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。
【0046】
そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、ボトムケース4の複数のガイドスリット17にトップカバー5の複数のガイド片14を係合させた状態で、トップカバー5を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー5の天板部5aがボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー5の複数の貫通孔13を通してボトムケース4のネジ孔16にネジ12を螺合する。以上のようにして、図3に示す筐体3が構成されている。
【0047】
なお、トップカバー5の天板部5aには、組付後に、上述した開口部6や作業用の窓部10を覆うラベルシール(図示せず。)が貼り付けられる。これにより、筐体3の内部への塵埃等の侵入や外部へのレーザの漏れ等を防止する。
【0048】
筐体3の前面には、図3に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に挿入及び排出されるスロット19(挿排口)が設けられている。したがって、ディスク駆動装置1は、直径12cmの大径ディスク及び直径8cmの小径ディスクに対応可能である。例えば、ディスク駆動装置1は、大径ディスクを、スロット19から筐体3の内部へと挿入したり、スロット19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能である。
【0049】
また、フロントパネル18の前面には、表示部20、イジェクトボタン21、およびカーテン32が設けられている。表示部20は光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示し、イジェクトボタン21は光ディスク2を排出する際に押圧され、カーテン32は塵埃の進入を防止すると共に排出後の光ディスク2を摩擦力により保持する。
【0050】
図6は、ディスク駆動装置1のベースユニットの斜視図である。
【0051】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図5及び図6に示すように、ボトムケース4の底面部にディスク駆動装置本体を構成するベースユニット22を備えている。
【0052】
ベースユニット22は、スロット19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24と、このディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光学ピックアップ25と、この光学ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベース27に一体に設けられた超薄型構造を有している。
【0053】
また、ベースユニット22は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部23が略々中央に位置するように、シャーシ11よりも前面側に配置されている。また、このベースユニット22は、後述するベース昇降機構55によって昇降可能とされており、初期状態において、スロット19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置している。
【0054】
ベース27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベース27の主面には、ディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部と、光学ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部とが連続形成されている。なお、ベース27の上面部には、これら開口部に対応した開口部が形成された化粧板(図示せず。)が取り付けられる。
【0055】
ベース27は、図6に示すように、後述する駆動レバー52と対向する側面のディスク装着部23側に突設された第1の支軸59と、図12に示す後述するカムレバー56と対向する側面のディスク装着部23側に突設された第2の支軸60と、駆動レバー52と対向する側面とは反対側の側面の前面側に突設された第3の支軸62と、カムレバー56と対向する側面とは反対側の側面の前面側に設けられた固定支持部65とを備えている。
【0056】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構28が設けられている。このチャッキング機構28は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部28aと、この係合突部28aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪28bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0057】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有する。スピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベース27のテーブル用開口部から僅かに突出するように、支持板24bを介してベース27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0058】
光学ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射する。そして、光学ピックアップ25は、光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0059】
また、光学ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカッシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有する。光学ピックアップ25は、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカッシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うことができる。
【0060】
なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0061】
ピックアップ送り機構26は、光学ピックアップ25が搭載されたピックアップベース29と、このピックアップベース29を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸30a,30bと、これら一対のガイド軸30a,30bに支持されたピックアップベース29を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構31とを有する。
【0062】
ピックアップベース29には、一対のガイド軸30a,30bのうち、一方のガイド軸30aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片32a,32bと、他方のガイド軸30bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片33とが互いに対向する側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース29は、一対のガイド軸30a,30bにスライド可能に支持されている。
【0063】
一対のガイド軸30a,30bは、ベース27の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベース27のピックアップ用開口部から光学ピックアップ25が臨むピックアップベース29を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0064】
変位駆動機構31は、ベース27に取り付けられたスレッドモータ31aの回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース29を一対のガイド軸30a,30bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させる。
【0065】
このディスク駆動装置1は、図5に示すように、スロット19から光ディスク2が挿入及び排出されるディスク挿入排出位置と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに光ディスク2が装着されるディスク装着位置との間で光ディスク2の搬送を行う搬送部としてのディスク搬送機構34を備えている。
【0066】
ディスク搬送機構34は、光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で広がるように、かつ、狭まるように移動することで、光ディスク2の周縁部を挟持しながら、スロット19側とディスク装着部23側との間で光ディスク2を搬送させるためのアーム機構135と、後述するようにこれらのアーム機構135の移動を途中で規制する規制機構120とを備えている。
【0067】
アーム機構135は、光ディスク2の周縁部の両側を挟むように回動可能に設けられた第1の回動アーム35、第2の回動アーム36、光ディスク2などの挿入を補助する第3の回動アーム46及び光ディスク2などの排出を補助する第4の回動アーム49などを備えている。
【0068】
第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23を挟んだ左右の両側に各々配置されており、それぞれディスク装着部23よりも背面側に位置する基端部が、シャーシ11上に設けられた第1の支軸37を軸として支持されると共に、ディスク装着部23よりも前面側に位置する先端部がスロット19から挿入された光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で互いに近接又は離間する図5に示す矢印a1、a2、b2、b2方向に回動可能となっている。
【0069】
第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、光ディスク2がスロット19に挿入される前の初期状態(HOME状態、あるいは後述のポジション4)において、それぞれの先端部が所定の広がり角で開いた状態で保持されている。
【0070】
この広がり角は、直径が8cmの小径ディスクをスロット19に挿入したときに、小径ディスクを保持できるようにするため、少なくともフランジ138、140の間の距離L1が小径ディスクの直径よりも小さくなるように設計されている。例えば、第1の前面側当接部材38の回転ローラ73aと第2の前面側当接部材40の回転ローラ73c間の最短距離L2は、小径ディスクの直径よりも小さくてもよい。
【0071】
第1の回動アーム35には、第1の前面側当接部材38と、フランジ138とが設けられている。図5に示したように、第1の前面側当接部材38は第1の回動アーム35の先端部に設けられ、回転可能に設けられた前後一対の回転ローラ73a,73bを備えている。フランジ138は、光ディスク2の高さ方向の移動を規制するために設けられている。
【0072】
第1の回動アーム35の基端部近傍には、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めする際に、第1の前面側当接部材38と共に光ディスク2の外周部に当接される第1の背面側当接部材39が下方に向かって突出して設けられている。
【0073】
第1の前面側当接部材38、フランジ138及び第1の背面側当接部材39は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【0074】
第1の回動アーム35には、図5に示すように、捻じりコイルバネ71dが設けられており、捻りコイルバネ71dは、回動部材71のギヤ部71aと内歯ギヤ94とを介して第1の回動アーム35と、第2の回動アーム36をと互いに近接する方向に付勢している。
【0075】
回動部材71は、図5に示すように、その外周部の所定の領域に亘って形成されたギヤ部71aを有し、このギヤ部71aがシャーシ11上に配置された内歯ギヤ94と噛合されることによって、第1の回動アーム35の回動動作に連動しながら回動操作される。
【0076】
第2の回動アーム36の先端部には、第2の前面側当接部材40と、フランジ140とが設けられている。第2の前面側当接部材40は、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部に当接される。フランジ140は、光ディスク2の高さ方向の移動を規制する。第2の前面側当接部材40は、回転ローラ73c、73dを備えており、第2の前面側当接部材40、フランジ140は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【0077】
このように、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とは、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んで略対称となる位置に配置されており、互いの回動中心がディスク装着部23よりも背面側の略中央部において一致している。また、第1の回動アーム35の先端部及び第2の回動アーム36の先端部は、天板部5aのガイド溝9に係合された状態で回動方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【0078】
第1の回動アーム35と、第2の回動アーム36とは連動機構41を介して互いに逆向きに回動可能となっている。
【0079】
具体的に説明すると、この連動機構41は、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを連結する第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43を有している。これら第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43は、長尺状の板金からなり、それぞれの長手方向の一端部が第1の回動アーム35の基端部と第2の回動アーム36の基端部とに回動可能に支持され、それぞれの長手方向の他端部が第2の支軸44を介して回動可能に支持された、いわゆるパンタグラフ構造を有している。
【0080】
また、第2の支軸44は、シャーシ11の第1の支軸37よりも前面側に設けられたガイドスリット45に係合されており、このガイドスリット45は、光ディスク2の挿入方向に亘って直線状に形成されている。
【0081】
第1の支軸37には、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接する方向に付勢するための第1の捻じりコイルバネ75が設けられている。第1の捻じりコイルバネ75は、その巻回部分に第1の支軸37が挿通された状態で、その一端部が第1の回動アーム35の基端部に掛止され、その他端部が第2の回動アーム36に掛止され設けられている。
【0082】
したがって、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とは、第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることで、第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43を介して互いに逆向きに回動可能となっている。すなわち、第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とは、このような連動機構41によって、互いに近接又は離間する方向に回動可能となっている。
【0083】
第3の回動アーム46は、光ディスク2などをスロット19から筐体3の内部へと引き込むローディング動作を補助するためにスロット19から挿入される光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で回動可能に設けられている。
【0084】
第3の回動アーム46は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んだ左右の一方側(例えば図5中左側)の第2の回動アーム36の前面側に位置して、ウィング部4a上に設けられた支軸47を介して矢印c1方向及び矢印c2方向に回動可能に支持されている。
【0085】
図7は、ディスク駆動装置1の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【0086】
第3の回動アーム46は、支軸47が挿通される挿通される図7に示す略L字状の軸孔46aと、図11に示す駆動レバー52の上面部に形成されたカム溝80に係合されるカムピン46bと、第3の回動アーム46の先端部に設けられた第3の当接部材48とを備えている。
【0087】
第3の回動アーム46は、図5及び図7に示すように、ウィング部4a上に配置された捻りコイルバネ79によって付勢されている。この捻りコイルバネ79は、その一端部がウィング部4aの掛止ピン79aに掛止され、その他端部が第3の回動アーム46の下面に設けられた掛止ピン79bに掛止されている。
【0088】
第3の回動アーム46は、駆動レバー52のスライド動作に連動して、カムピン46bが図7に示す駆動レバー52に形成されたカム溝80内をスライドすることによって回動操作される。また、第3の回動アーム46は、軸孔46a内における支軸47の位置によって、この第3の回動アーム46の回動中心を切り替えることが可能となっている。
【0089】
第3の当接部材48は、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部に当接されるように、第3の回動アーム46の先端部に上方に向かって突出して設けられている。第3の当接部材48は、第3の回動アーム46の天板部5aと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径の回転ローラであり、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなる。
【0090】
図8は、ディスク駆動装置1の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。図9は、ディスク駆動装置1の駆動レバー52と検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【0091】
アーム機構135は、各回動アーム35,36,46,49等を協働させるためのスライド部として機能する駆動レバー52を備えている。この駆動レバー52は、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4の一方の側面部とベースユニット22との間に配置されている。また、この駆動レバー52は、スロット19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2などよりも下方に位置しており、その上面部がウィング部4aの底面部と略一致した高さにされている。
【0092】
図11は、駆動レバー52の詳細な構成を示した説明図である。特に、図11(a)は、駆動レバー52を一方側から見た側面図であり、図11(b)は、駆動レバー52を上方側から見た平面図であり、図11(c)は、駆動レバー52を他方側から見た側面図であり、図11(d)は、駆動レバー52を下方側から見た平面図である。
【0093】
駆動レバー52は、図11(c)に示すように、ベースユニット22を昇降操作するため、ベース27と対向する側面に形成された第1のカムスリット95を有する。第1のカムスリット95は、ベース27をチャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部95aと、ベース27をチャッキング位置に位置させるための頂上面部95bと、ベース27を上記中間位置に位置させるための第2の水平面部95cとを有している。また、図11(d)に示すように、駆動レバー52の底面部には、ガイドスリット100が形成されている。
【0094】
続いて、駆動レバー52に設けられたラック部材101の機能について図13及び図14を参照して説明する。
【0095】
図13はローディング時の駆動レバー52の平面図を示し、図14はイジェクト時の駆動レバー52の平面図を示している。駆動レバー52の前面側には、図13及び図14に示すように、駆動レバー52に対して所定のストローク範囲だけ前後方向にスライド可能とされたラック部材101が取り付けられている。また、ラック部材101には、前後方向に亘ってラックギヤ101aが形成されている。一方、ボトムケース4の底面部には、図8に示すように、変位駆動機構を構成する駆動モータ102と、この駆動モータ102の回転軸に取り付けられたウォームギヤ103と、このウォームギヤ103からラックギヤ101aへと駆動モータ102の動力を伝達するギヤ列104とが配置されている。
【0096】
したがって、この変位駆動機構は、図13に示すように、駆動モータ102をCCW方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ103、ギヤ列104及びラックギヤ101a介してラック部材101が駆動レバー52の背面側に引き込まれた状態で、駆動レバー52をラック部材101と一体に背面側へと変位駆動する。すなわち、駆動モータ102をCCW方向に回動駆動させると、駆動レバー52の背面側の当接部53(一側の当接部)にラック部材101が当接する。そして、ラック部材101が、駆動モータ102により生成された動力に基づいて駆動レバー52の背面側の当接部53を押圧する。その結果、ラック部材101が駆動レバー52の背面側の当接部53に当接した状態で、駆動レバー52がラック部材101と一体に背面側へと移動される。
【0097】
なお、図13においては、ラック部材101が駆動レバー52の背面側の当接部53に当接し、駆動モータ102により生成された動力に基づいて駆動レバー52の背面側の当接部53を押圧する場合を示した。しかし、駆動レバー52の背面側の当接部53は一側の当接部の一例に過ぎず、駆動モータ102がCCW方向に回転するときにラック部材101が当接し、駆動モータ102により生成された動力に基づいて押圧する部位が一側の当接部としての機能を有する。
【0098】
一方、この変位駆動機構は、図14に示すように、駆動モータ102をCW方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ103、ギヤ列104及びラックギヤ101a介してラック部材101が駆動レバー52の前面側に引き出された状態で、駆動レバー52をラック部材101と一体に前面側へと変位駆動する。すなわち、駆動モータ102をCW方向に回動駆動させると、駆動レバー52の背面側の当接部53とラック部材101とが離隔した状態で、駆動レバー52がラック部材101と一体に前面側へと移動される。
【0099】
第4の回動アーム49は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んだ左右の一方側(例えば図5中左側)の第2の回動アーム36の中間部において、イジェクト動作を補助するために光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で矢印d1方向及び矢印d2方向に回動可能に支持されている。また、第4の回動アーム49の先端部には、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部の背面側に当接される第4の当接部材50が上方に向かって突出して設けられている。
【0100】
第4の当接部材50は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、第4の回動アーム49の天板部5aと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径の回転ローラである。
【0101】
また、第2の回動アーム36には、この第4の回動アーム49が背面側、すなわち矢印d1方向に回動された際に、第4の回動アーム49の背面側への回動を規制する図示を省略した規制片が設けられている。規制片は、例えば、第2の回動アーム36の側縁がコ字状に折り曲げられて形成されている。
【0102】
第4の回動アーム49は、図5に示した連結機構81を介し、図7に示した駆動レバー52のスライド動作に連動して回動操作される。
【0103】
具体的に、この連結機構81は、第1の支軸37を介して回動可能に支持されたクランクアーム82aと、このクランクアーム82aと第4の回動アーム49との間を連接する連接アーム82bとからなるクランク機構を有している。また、連接アーム82bには、第2の回動アーム36に設けられたガイドピン83aを挿通させる長孔83bが形成されている。したがって、このクランク機構は、第4の回動アーム49の回動動作に連動して、クランクアーム82aを回動させることが可能となっている。
【0104】
また、この連結機構81は、図8に示すように、ボトムケース4の底面部に、上述したクランクアーム82aを介して回動される第1のギヤ84と、この第1のギヤ84と噛み合わされる第2のギヤ85と、この第2のギヤ85と噛み合わされる第3のギヤ86が形成された回動操作部材87とを有している。
【0105】
この回動操作部材87は、駆動レバー52のスライド動作に連動して、第4の回動アーム49を回動操作するためのものであり、駆動レバー52に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材92と係合される係合ピン88と、記録再生時に駆動レバー52の背面側の端部に当接されて駆動レバー52を位置決め固定する位置決めピン89とを有している。
【0106】
そして、この回動操作部材87は、引張りコイルバネ90によって回動方向の一方側(ここでは、図8中時計回りの方向)に付勢されている。この引張りコイルバネ90は、その一端部がボトムケース4の底面部に設けられた掛止ピン90aに掛止され、その他端部が回動操作部材87に設けられた掛止ピン90bに掛止されることによって、この回動操作部材87を回動方向の一方側に付勢している。なお、回動操作部材87には、掛止ピン90aを逃がすための略円弧状のスリット91が形成されている。
【0107】
駆動レバー52の背面側には、この駆動レバー52に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材92が取り付けられている。そして、このスライド部材92は、第1の及び第2の引張りコイルバネ93a,93bにより前面側へと付勢されており、背面側の端部に回動操作部材87の係合ピン88が係合されることによって、駆動レバー52のスライド動作に連動して、この回動操作部材87を回動操作する。
【0108】
第1の及び第2の引張りコイルバネ93a,93bは、それぞれ前面側の端部が駆動レバー52に掛止され、背面側の端部がスライド部材92に掛止されることによって、スライド部材92を駆動レバー52に対して前面側へと付勢している。このうち、第1の引張りコイルバネ93aは、通常の駆動レバー52及びスライド部材92を一体で動作させるためのものであり、そのバネ力は、200〜300gf程度である。一方、第2の引張りコイルバネ93bは、光ディスク2の正常な排出ができない場合に機構を保護するためのものであり、そのバネ力は、400〜600gf程度である。
【0109】
また、ボトムケース4の底面部には、図9に示すように、各部の駆動制御を行う駆動制御回路が構成された回路基板105が配置されている。この回路基板105は、ボトムケース4の背面側の底面部にネジ止めにより取り付けられている。また、このボトムケース4の底面部及び回路基板105上には、上記駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品(図示せず。)や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ106、各部の動作を検出するための検出スイッチSW1,SW2,およびSW3等が配置されている。
【0110】
そして、駆動制御回路は、これら検出スイッチSW1,SW2,およびSW3からの検出信号に基づいて、上述した変位駆動機構により駆動される駆動レバー52の位置を検出しながら、この変位駆動機構による駆動レバー52の駆動制御を行っている。
【0111】
このうち、検出スイッチSW1は、ボトムケース4の前面側に配置されている。そして、この検出スイッチSW1は、駆動レバー52の前端部によってH/Lが切り替わる。一方、検出スイッチSW2,およびSW3は、回路基板105の駆動レバー52と対向する端縁部に所定の間隔で前後に並んで配置されている。そして、これら検出スイッチSW2,およびSW3は、図11(b),(c)に示す駆動レバー52の側面部に設けられたカム部107によってH/Lが切り替わる。なお、各検出スイッチSWは凸部を有し、該凸部が駆動レバー52のいずれかの部位に押圧されると信号レベルがLとなり、該凸部が駆動レバー52のいずれかの部位にも押圧されていないと信号レベルがHとなる。
【0112】
図10は、カム部107の形状を示した概略図である。図10に示したように、カム部107は、第一の押圧部107aと、第二の押圧部107bと、第三の押圧部107cと、を備える。例えば、検出スイッチSW2は、第一の押圧部107aに押圧されることにより信号レベルがLとなる。すると、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52がモーターオンポジション(ポジション5)に達したと判断し、駆動モータ102をCCW方向に回転させる。同様に、検出スイッチSW3は、第二の当接部107b、または第三の当接部107cに押圧されることにより信号レベルが切替えられる。
【0113】
規制機構120は、スロット19から光ディスク2が排出されるときに、アーム機構135の移動を途中で規制するために用いられている。規制機構120は、図5に示すように、押圧レバー76と、光ディスクの排出の途中で押圧レバー76に係合するストッパー110と、押圧レバー76を押圧可能な第2の捻じりコイルバネ77とを備えている。ストッパー110は、例えば第2の回動アーム36に設けられており、スロット19から光ディスク2が排出される途中で当接ピン76aに当接する部分がステップ状とされている。ストッパー110は、押圧レバー76が回動する方向で当接ピン76aと対面して当接する当接面を備えている。
【0114】
第2の捻じりコイルバネ77は、図7に示すように、その巻回部分がシャーシ11に軸支された状態で、その一端部が同じくシャーシ11に掛止され、その他端部が押圧レバー76の当接ピン76cに掛止されことによって、当接ピン76aがストッパー110に当接する方向に付勢している。当接ピン76は、図7に示す点Pを軸として回動可能に設けられている。光ディスク2の排出の途中で、当接ピン76aがストッパー110に係合されたときに、アーム機構135が光ディスク2を押し出す力は、スロット19を介して光ディスク2に働く摩擦力より小さく設定されている。
【0115】
例えば第1の捻じりコイルバネ75は、スロット19から光ディスク2が引き抜かれると、押圧レバー76の当接ピン76aとストッパー110との係合が解除されるように第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36に回動力を付与している。
【0116】
したがって、規制機構120では、押圧レバー76が第2の回動アーム36を押圧することによって、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが互いに近接する方向に付勢された状態から、駆動レバー52の背面側へのスライド動作に連動して、押圧レバー76のカムピン76bが駆動レバー52のカム溝78内をスライドしながら、駆動レバー52が背面側の端部までスライドされたとき、第2の捻じりコイルバネ77の付勢に抗して回動されることによって、非付勢状態に切り替えることが可能である。
【0117】
アーム機構135では、これら第1の回動アーム35、第2の回動アーム36、第3の回動アーム46及び第4の回動アーム49等が互いに協働しながら、光ディスク2をスロット19から筐体3の内部へと引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作と、光ディスク2をスロット19から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0118】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図5に示すように、駆動レバー52のスライドに連動して、ベース27を昇降操作するベース昇降機構55を備えている。
【0119】
ベース昇降機構55は、ベース27を上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aに装着する図16に示すチャッキング位置と、ベース27を下降させて、ディスク装着部23のターンテーブル23aから光ディスク2を離脱する図15に示すチャッキング解除位置と、ベース27をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う図17に示す中間位置との間でベース27を昇降操作する。
【0120】
具体的に、駆動レバー52のベース27と対向する側面には、図11に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第1のカムスリット95が長手方向に亘って形成されている。
【0121】
また、ボトムケース4の底面部には、図7に示すようにベース27の背面側の側面に沿ってカムレバー56が配置されている。
【0122】
図12は、カムレバー56の形状を示した説明図である。図12に示したように、長尺状の平板部材からなり、駆動レバー52の前後方向のスライドに連動して、駆動レバー52のスライド方向と略直交する方向にスライド操作される。このカムレバー56の中間部には、ベース27と対向する端縁部から上方に向かって折り曲げられたカム片57が設けられている。
【0123】
カム片57の水平面部57aには、図7に示すように直径が12cmの大径ディスクに対応した第1のカム部74aと、この第1のカム部74aよりも前面側をスリット状に切り欠くことによって、直径が8cmの小径ディスクに対応した第2のカム部74bとが形成されている。このカム片57には、図12に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第2のカムスリット96が長手方向に亘って形成されている。
【0124】
第2のカムスリット96は、ベース27をチャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部96aと、ベース27をチャッキング位置に位置させるための頂上面部96bと、ベース27を中間位置に位置させるための第2の水平面部96cとを有している。
【0125】
ここで、カムレバー56は、その主面に形成された前後一対のガイドスリット97a,97bを有しており、これらガイドスリット97a,97bに、図8に示すボトムケース4の底面部から突出された一対の頭付ガイドピン98a,98bが係合されることによって、ベース27の背面側の側面に沿って、駆動レバー52のスライド方向と略直交する、すなわち左右方向にスライド可能に支持されている。
【0126】
また、カムレバー56の駆動レバー52と交差する位置には、図8に示すガイドピン99が上方に向かって突出形成されている。カムレバー56は、図8に示すように、駆動レバー52の前後方向のスライドに連動して、ガイドピン99がガイドスリット100内をスライドすることによって、駆動レバー52のスライド方向と直交する方向にスライド操作される。
【0127】
連動機構41では、筐体3のスロット19から大径ディスクが挿入された場合と小径ディスクが挿入された場合との第1の回動アーム35と第2の回動アーム36との開き具合の違いによって、上記第2の支軸44の第1のカム部74aと第2のカム部74bとに対する係合状態が切り替わる。
【0128】
具体的に、大径ディスクが挿入された場合には、第2の支軸44が第1のカム部74aに係合されて、上述したカムレバー56の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることになる。これにより、大径ディスクの外径に対応して、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【0129】
一方、小径ディスクが挿入された場合には、第2の支軸44が第2のカム部74bに係合されて、上述したカムレバー56の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることになる。これにより、小径ディスクの外径に対応して、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【0130】
また、ボトムケース4の底面部には、図8に示すように折曲げ片58がベース27の背面側の側面に沿って折り曲げ形成されている。この折曲げ片58には、ベース27を昇降させるための鉛直スリット(図示せず。)が上下方向に亘って形成されている。
【0131】
ベース27の第1の支軸59は、図6に示すように、駆動レバー52の図11に示す第1のカムスリット95に係合されて支持され、第2の支軸60はカム片57の第2のカムスリット96及び折曲げ片58の鉛直スリットに係合されて支持され、第3の支軸62はボトムケース4の他方側の側面に設けられた軸孔61に回動可能に支持され、固定支持部65はゴム等の粘弾性部材からなるインシュレータ63を介してボトムケース4の底面部にネジ64により固定支持されている。
【0132】
したがって、このベース昇降機構55では、駆動レバー52及びカムレバー56のスライドに連動して、第1の支軸59が駆動レバー52の第1のカムスリット95内をスライドすると共に、第2の支軸60がカムレバー56の第2のカムスリット96及び折曲げ片58の鉛直スリット内をスライドする。その結果、ベース27のディスク装着部23側が前面側に対して、チャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置との間で昇降操作される。
【0133】
また、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、このベース昇降機構55がベース27を下降させたとき、ディスク装着部23のターンテーブル23a上に装着された光ディスク2をターンテーブル23aから離脱させるための押上ピン66が設けられている。この押上ピン66は、ベースユニット22のディスク装着部23近傍、具体的にはディスク装着部23に最も近接したベース27の背面側に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出して設けられている。
【0134】
次に、以上のように構成されるディスク駆動装置1の具体的な動作について図18〜図29を参照して説明する。
【0135】
図18は、大径ディスク2Aが挿入される前の初期状態(ポジション4)のディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図19は、ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0136】
図18に示すように、大径ディスク2Aが挿入されるポジション4では、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、それぞれの先端部が所定の広がり角で開いた状態となる。すなわち、図5に示すように、ポジション4において、第1の前面側当接部材38の回転ローラ73aと第2の前面側当接部材40の回転ローラ73c間の最短距離L2は、小径ディスク2Bの直径よりも小さくなっている。
【0137】
また、図18に示すポジション4では、第3の回動アーム46は、先端部が基端部よりも外側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置し、第4の回動アーム49は先端部が基端部よりも内側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置した状態でボトムケース4の前面側に位置している。
【0138】
このディスク駆動装置1では、筐体3のスロット19から外径の異なる大径ディスク2A,2Bが挿入された場合であっても、これら大径ディスク2A,2Bをディスク装着位置まで引き込むローディング動作を行うことが可能である。
【0139】
かかるポジション4においては、図19に示したように、検出スイッチSW1〜3は駆動レバー52のいずれの部位にも押圧されていないため、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔H H H〕となる。なお、〔H H H〕という表現は、検出スイッチSW1の信号レベル、検出スイッチSW2の信号レベル、検出スイッチSW3の信号レベルを順に示している。また、SW2およびSW3の拡大図はディスク駆動装置1を上面から見た場合の平面図であり、SW1の拡大図はディスク駆動装置1の側面図である。図21、25、27および29も同様である。
【0140】
ここでは、筐体3のスロット19から大径ディスク2Aが挿入された場合について説明する。先ず、図18に示すように、スロット19から筐体3の内部に挿入された大径ディスク2Aの外周部の背面側が、第1の回動アーム35の第1の前面側当接部材38及び第2の回動アーム36の第2の前面側当接部材40に当接する。
【0141】
次に、この状態から更に大径ディスク2Aがスロット19から筐体3の内部に押し込まれると、駆動レバー52は、図20および図21に示すように、ポジション5へと移動される。
【0142】
図20は、駆動レバー52がポジション5にあるときのディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図21は、ポジション5における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0143】
図20に示すように、大径ディスク2Aがスロット19から筐体3の内部に押し込まれると、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40との間で大径ディスク2Aの外周部を挟み込む。このとき、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77の付勢に抗して互いに離間する方向、すなわち図20に示す矢印a2,b2の方向に回動する。
【0144】
そして、図20に示した位置まで第3の回動アーム46が所定量だけ回動したとき、回路基板105に設けられた検出スイッチSW2が駆動レバー52に押圧され、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H L H〕となる。スイッチ状態検出部234が検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H L H〕であることを検出すると、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCCW方向に回転させることにより、変位駆動機構による駆動レバー52の背面側へのスライドが開始される。
【0145】
これにより、第3の回動アーム46は、図20に示す矢印c1の方向に更に回動する。また、第3の回動アーム46は、第3の当接部材48が大径ディスク2Aの外周部の前面側に当接された状態となることで、この大径ディスク2Aの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを筐体3の内部へと引き込むことになる。
【0146】
そして、図22に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とを結ぶ直線よりも背面側に位置するまで、大径ディスク2Aが筐体3の内部に引き込まれると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが、大径ディスク2Aの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の前面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図11に示す矢印a1,b1の方向に回動される。
【0147】
また、第4の回動アーム49は、第4の当接部材50が大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図23に示す矢印d1の方向に回動される。そして、第4の回動アーム49は、大径ディスク2Aが図23に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第2の回動アーム36の規制片(不図示)に当接され、その回動が規制された状態となる。
【0148】
これにより、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、大径ディスク2Aの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを図23に示すディスク装着位置まで引き込むことになる。
【0149】
このディスク駆動装置1では、図23に示すように、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が、これら外径の異なる大径ディスク2Aをディスク装着位置まで引き込んだ際に、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第4の当接部材50の内側に大径ディスク2Aを挟み込むことによって、大径ディスク2Aをディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作を行う。すなわち、大径ディスク2Aの中心孔2aと、ターンテーブル23aの係合突部28aとを大径ディスク2Aの記録面と直交する方向において一致させる。
【0150】
次に、このディスク駆動装置1では、大径ディスク2Aのセンタリング動作の後に、ベース昇降機構55がベース27を上昇させることによって、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク2Aをディスク装着部23のターンテーブル23aに装着するチャッキング動作を行う。
【0151】
具体的には、図15に示すチャッキング解除位置からベース昇降機構55によりベース27が図16に示すチャッキング位置まで上昇すると、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク2Aの中心孔2aに係合突部28aが入り込みながら、天板部5aの当接突部7に大径ディスク2Aの中心孔2aの周囲が押し付けられることによって、係合突部28aが大径ディスク2Aの中心孔2aに係合されると共に、複数の係止爪28bが大径ディスク2A、又は小径ディスク2Bの中心孔2aの周囲を係止した状態で、大径ディスク2Aがターンテーブル23a上に保持される。そして、大径ディスク2Aがターンテーブル23a上に保持された状態で、ベース昇降機構55によりベース27が図17に示す中間位置まで下降する。
【0152】
また、ディスク駆動装置1では、チャッキング動作の後に、図24に示すように、駆動レバー52の背面側へのスライドに連動して、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が互いに離間する方向、すなわち図24に示す矢印a2,b2の方向に僅かに回動される。このとき、第4の回動アーム49は、規制片(不図示)に当接されたまま、第2の回動アーム36と一体に回動されることになる。また、第3の回動アーム46は、駆動レバー52の背面側へのスライドに連動して、図24に示す矢印c2の方向に僅かに回動される。
【0153】
これにより、ターンテーブル23aに保持された大径ディスク2Aの外周部からは、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第3の当接部材48、第4の当接部材50が離間した状態となる。当該図24に示した状態を、ポジション8と称する。
【0154】
ディスク駆動装置1の駆動レバー52が図24に示すポジション8にある場合、駆動制御回路(フロントエンド230)から記録又は再生の指令が送られると、この指令に基づいて、大径ディスク2Aに対して信号の記録又は再生が行われる。具体的には、スピンドルモータ24aが大径ディスク2Aをターンテーブル23aと一体に回転駆動すると共に、ピックアップ送り機構26によって光学ピックアップ25が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかかると、この大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bのリードイン領域に記録されているTOCデータの読み出しを行う。
【0155】
その後、信号を記録する場合にあっては、読み出したTOCデータに基づいて、大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bのプログラム領域内の所定のアドレスに、光学ピックアップ25が移動する。また、信号の再生時にあっては、指定されたデータが記録されたプログラム領域内のアドレスに、光学ピックアップ25が移動する。そして、この光学ピックアップ25が大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bの所望の記録トラックに対して信号の書き込み又は読み出し動作を行う。
【0156】
図25は、ポジション8における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。かかるポジション8においては、図25に示したように、検出スイッチSW1〜3は駆動レバー52のいずれの部位にも押圧されていないため、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔H H H〕となる。なお、図25に示したポジション8と図20に示したポジション5の間には、スイッチ状態が〔H H H〕となるポジション6と、スイッチ状態が〔H H L〕となるポジション7が存在する。
【0157】
このディスク駆動装置1では、表示部20に設けられたイジェクトボタン21が押圧される、或いはパーソナルコンピュータからディスク駆動装置1に対してイジェクトの指令が送られると、この指令に基づいて、先ず、図26に示すように、変位駆動機構による駆動レバー52の前面側へのスライドが開始される。
【0158】
図26は、駆動レバー52がポジション4にあるときのディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図27は、ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0159】
図26に示すように、駆動レバー52の前面側へのスライドに連動して、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が互いに近接する方向、すなわち図23に示す矢印a1,b1の方向に僅かに回動される。このとき、第4の回動アーム49は、規制片に当接されたまま、第2の回動アーム36と一体に回動されることになる。
【0160】
これにより、ターンテーブル23aに保持された大径ディスク2Aの外周部に、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第4の当接部材50が当接された状態となる。
【0161】
次に、このディスク駆動装置1では、ベース昇降機構55がベース27をチャッキング解除位置まで下降させることによって、ディスク装着部23のターンテーブル23aから大径ディスク2Aを離脱するチャッキング解除動作を行う。
【0162】
具体的には、ベース27がチャッキング解除位置まで下降すると、押上ピン66の先端部がターンテーブル23aに装着された大径ディスク2Aの内周側の非信号記録領域に当接することによって、大径ディスク2Aを押し上げながら、大径ディスク2Aをターンテーブル23a上から離脱する。
【0163】
次に、このディスク駆動装置1では、ディスク装着部23にある大径ディスク2Aをスロット19から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作を行う。
【0164】
具体的に、筐体3のスロット19から大径ディスク2Aを排出する場合には、先ず、図26に示すように、駆動レバー52の前面側へのスライドに連動して、第4の回動アーム49が図26に示す矢印d2の方向に回動される。また、第4の回動アーム49は、第4の当接部材50が大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態となることで、この大径ディスク2Aの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを筐体3の外部へと押し出すことになる。
【0165】
図26に示した位置に駆動レバー52が移動されると、図27に示したように、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔L L H〕となる。かかるスイッチ状態は、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H H L〕であるポジション7が検出され、スイッチ状態が〔H H H〕であるポジション6が検出され、スイッチ状態が〔H L H〕であるポジション5が検出された後に現れるため、ポジション4のスイッチ状態に該当する。
【0166】
このように、ローディング動作時にはポジション4においてスイッチ状態〔H H H〕が検出されるが、イジェクト動作時にはポジション4においてスイッチ状態〔L L H〕が検出される。これは、図13および図14を参照して説明したように、駆動レバー52のラック部材101が、ローディング動作時には背面側に引き込まれている一方、イジェクト動作時には前面側に引き出されているためである。
【0167】
そして、図28に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、大径ディスク2Aが筐体3の外部へと排出されると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図28に示す矢印a1,b1の方向に回動される。
【0168】
大径ディスク2Aの排出の途中において、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が閉じるときに、押圧レバー76の当接ピン76aは図26に示す位置から矢印e1方向に移動し、図28に示すようにストッパー110のステップ状の部分に係合する。これにより、当接ピン76aがストッパー110を押圧する力を伝達できなくなり、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が閉じようとするトルクは、ストッパー110が設けられてない場合に比べて大きく減少する。
【0169】
大径ディスク2Aと、カーテン32と間の摩擦力よりも、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が大径ディスク2Aを押し出そうとする力の方が十分小さく設定されている。このため、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、大径ディスク2Aの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク2Aをディスク挿入排出位置、すなわち大径ディスク2Aの中心孔2aがスロット19から筐体3の外部に露出する位置まで押し出すことになる。
【0170】
かかる図28に示した位置に駆動レバー52が移動されると、図29に示したように、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔L H H〕となる。かかるスイッチ状態は、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション4から、スイッチ状態が〔L H H〕であるポジション3が検出され、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション2が検出された後に現れるため、ポジション1のスイッチ状態に該当する。
【0171】
使用者が、大径ディスク2Aをスロット19から取り出すと、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36の回動を規制する力がなくなり、捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77の力によって第1の回動アーム35、第2の回動アーム36は閉じ、駆動レバー52はポジション4に移動し、一連の動作が終了する。なお、上記では大径ディスク2Aがローディング、イジェクトされる場合を説明したが、本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、小型ディスクをローディング、イジェクトすることも同様に可能である。
【0172】
ここで、各ポジションにおいて検出されるスイッチ状態を、図30を参照して説明する。
【0173】
図30に示したように、ポジション1においてはスイッチ状態〔L H H〕が検出され、ポジション2においてはスイッチ状態〔L L H〕が検出され、ポジション3においてはスイッチ状態〔L H H〕が検出される。また、ポジション5においてはスイッチ状態〔H L H〕が検出され、ポジション6においてはスイッチ状態〔H H H〕が検出され、ポジション7においてはスイッチ状態〔H H L〕が検出され、ポジション8においてはスイッチ状態〔H H H〕が検出される。
【0174】
さらに、ポジション4においては、駆動モータ102がCCW方向に回転するローディング動作時にはスイッチ状態〔H H H〕が検出され、駆動モータ102がCW方向に回転するイジェクト動作時にはスイッチ状態〔L L H〕が検出される。
【0175】
なお、上記のポジション番号は、駆動レバー52が最も前面側にあるときが「1」とされ、駆動レバー52がポジション1から背面側に移動してスイッチ状態が変わる位置に到達する度にカウントアップされてもよい。
【0176】
また、図30に示したように、例えばポジション6とポジション8のように異なるポジションにおいて、同一のスイッチ状態が検出される場合がある。このため、スイッチ状態のみに基づいて駆動レバー52の位置を判断することは困難である。そこで、本実施形態においては、判断部236が、スイッチ状態と、駆動モータ102の直近の回転方法とに基づいて駆動レバー52の位置を判断することができる。
【0177】
例えば、スイッチ状態〔H H H〕が検出された場合、駆動レバー52はポジション4、6、8のいずれかに配されていると考えられる。ここで、駆動モータ102をCW方向に回転させると、判断部236は、次に現れたスイッチ状態に基づいて駆動レバー52の位置を判断することが出来る。すなわち、判断部236は、次にスイッチ状態〔L H H〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション4に配されていたと判断し、次にスイッチ状態〔H L H〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション6に配されていたと判断し、次にスイッチ状態〔H H L〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション8に配されていたと判断してもよい。
【0178】
以上、ディスク駆動装置1の具体的な動作を説明した。続いて、ディスク駆動装置1の動作とスイッチ状態の関係を図31〜図33を参照して説明する。
【0179】
図31は、ローディング動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図31に示したように、ポジション4に配されている駆動レバー52がローディング動作時に、光ディスク2の挿入によりスイッチ状態が〔H L H〕であるポジション5に移動されると、駆動モータ102がCCW方向に回転する。そして、駆動レバー52がポジション5からスイッチ状態が〔H H H〕であるポジション8に移動されると、スイッチ状態が〔H H H〕であるポジション6に戻され、再度ポジション8へ移動する。このように駆動レバー52がポジション8〜ポジション6に戻されるのは、光ディスク2をダブルチャッキングするためである。
【0180】
図32は、イジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図32に示したように、ポジション8に配されている駆動レバー52は、イジェクト動作が開始すると、駆動モータ102がCW方向に回転され、ポジション8からスイッチ状態が〔L H H〕であるポジション1まで移動される。そして、光ディスク2がスロット19から取り出された後、駆動モータ102がCCW方向に回転され、駆動レバー52は、ポジション1からスイッチ状態が〔H H H〕であるポジション4へと移動され、イジェクト動作が完了する。
【0181】
図33は、異常時のイジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図33において、LDMCCWがHである期間は駆動モータ102がCCW方向に回転していることを示し、LDMCWがHである期間は駆動モータ102がCW方向に回転していることを示す。図34および図35においても同様である。
【0182】
図33に示したように、ポジション8に配されている駆動レバー52は、イジェクト動作が開始すると、駆動モータ102がCW方向に回転され、ポジション8からスイッチ状態が〔L H H〕であるポジション1まで移動される。そして、光ディスク2がスロット19から取り出されなかった場合でも、駆動モータ102がCCW方向に回転される。しかし、この場合、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション2、スイッチ状態が〔L H H〕であるポジション3が検出された後に現れるポジション4のスイッチ状態は、正常時と異なる〔L L H〕となる。
【0183】
これは、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されないと、駆動レバー52のラック部材101が前面側に引き出された状態で駆動レバー52と共にポジション1からポジション4へ移動されるためである。
【0184】
詳細に説明すると、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されなかった場合、駆動レバー52がポジション1からポジション4へ移動されたとき、第1の回動アーム35および第2の回動アーム36は、図18に示した状態より開いた状態となる。すなわち、第1の回動アーム35および第2の回動アーム36は、第一の支軸37を反時計回り(上面から見たとき)に回転させるよう作用する。
【0185】
したがって、駆動レバー52は、第1のギヤ84、第2のギヤ85および回転操作部財87を介し、背面側に引き込まれる方向に付勢された状態となる。その結果、ラック部材101が、図27に示すように前面側に引き出された状態となる。
【0186】
本実施形態にかかる判断部236は、このように、駆動モータ102がCCW方向に回転しているにも拘らず、ポジション4においてスイッチ状態〔L L H〕が検出された場合、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断することができる。そして、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断部236により判断されると、駆動モータ制御部238は、光ディスク2のイジェクト動作を継続、またはローディング動作を行い、正常にイジェクト動作またはローディング動作を終了できる。
【0187】
例えば、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されないと、ポジション4において駆動レバー52が背面側に継続的に付勢されるため、故障の原因となる。そこで、上記のように、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断部236により判断されると光ディスク2のイジェクト動作を継続、またはローディング動作を行うことにより、ディスク駆動装置1の各構成に不要な負荷がかかってしまう場合を抑制できる。
【0188】
次に、図34〜図38を参照し、本実施形態にかかるディスク駆動装置1において実行されるディスク駆動方法(異常検出方法)を説明する。
【0189】
図34は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1による光ディスク2の挿入動作(ローディング)の流れを示したフローチャートである。まず、スイッチ状態検出部234によりポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出されると(S304)、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102をCCW方向(挿入方向)に回転させる(S308)。
【0190】
続いて、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション6からポジション8に移動させ、さらにダブルチャッキングのためにポジション6まで戻すという一連のシーケンス2を実行する(S312)。その後、設定時間内にポジション6のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス2が正常に完了すると(S316)、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション8に移動させるシーケンス3を実行する(S320)。
【0191】
そして、設定時間内にポジション8のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス3が正常に完了すると(S324)、駆動モータ制御部238は一連の光ディスク2の挿入動作をディスク挿入状態で終了する。
【0192】
一方、シーケンス2またはシーケンス3が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102をCW方向(排出方向)に回転させる(S328)。その後、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション5からポジション4に移動させるシーケンス7を実行する(S332)。そして、設定時間内にポジション4のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス7が正常に完了すると(S336)、駆動モータ制御部238は一連の光ディスク2の挿入動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0193】
さらに、S332において実行されたシーケンス7が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ、一連の光ディスク2の挿入動作をエラーストップとして終了する。
【0194】
図35は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1による光ディスク2の排出動作(いイジェクト)の流れを示したフローチャートである。まず、駆動レバー52がポジション8に配されている状態において光ディスク2のイジェクト指示が入力されると、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102をCW方向に回転させる(S404)。
【0195】
続いて、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション3に移動させるシーケンス6を実行する(S408)。そして、ポジション3のスイッチ状態〔L H H〕がスイッチ状態検出部234により検出されると、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション2からポジション1に移動させ、さらにポジション3に移動させるシーケンス1を実行する(S412)。
【0196】
その後、判断部236は、次に検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であるか〔H H H〕であるか判断する(S416)。判断部236は、回転方向検出部232により駆動モータ102がCCW方向に回転していることが検出されているにも拘らずスイッチ状態が〔L L H〕であった場合、光ディスク2の排出動作に異常が生じたと判断し、駆動モータ102を継続して回転させる。すなわち、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102にローディング動作に移行させる。その後、ポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出されると(S420)、駆動モータ制御部238が上記シーケンス2を実行する(S424)。
【0197】
そして、設定時間内にポジション6のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス2が正常に完了すると(S428)、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション8に移動させるシーケンス3を実行する(S432)。
【0198】
そして、設定時間内にポジション8のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス3が正常に完了すると(S436)、駆動モータ制御部238はディスク挿入状態で一連の処理を終了する。このように、S416においてスイッチ状態〔L L H〕が検出された場合、すなわち光ディスク2が正常にスロット19から取り出されなかった場合、当該ディスク駆動装置1は、駆動レバー52をポジション8に配した状態で処理を終了することができる。
【0199】
一方、シーケンス2またはシーケンス3が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S440)、一連の光ディスク2の排出動作をエラーストップとして終了する。
【0200】
さらに、S416においてスイッチ状態〔H H H〕が検出された場合、光ディスク2が正常にスロット19から取り出されたと考えられるため、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S444)、一連の光ディスク2の排出動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0201】
図36〜図38は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1の初期動作の流れを示したフローチャートである。まず、ディスク駆動装置1の電源がオンされると、スイッチ状態検出部234は現在のスイッチ状態を検出する(S504)。スイッチ状態が〔L H H〕または〔L L H〕であった場合(S508)、図37に示す処理1へ移行し(S512)、スイッチ状態が〔L H H〕または〔L L H〕以外であった場合(S508)、図38に示す処理2へ移行する(S516)。すなわち、電源オン時のスイッチ状態によりその後の処理が分岐する。
【0202】
図37に示したように、処理1においては、まず、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCCW方向に回転させる(S520)。そして、スイッチ状態検出部234が次に現れるスイッチ状態を検出する(S524)。次のスイッチ状態が〔H H H〕であった場合(S528)、初期のポジションはポジション3であったと考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転方向を逆転させるシーケンス5を実行する(S544)。
【0203】
そして、スイッチ状態検出部234によりポジション3のスイッチ状態〔L H H〕が検出されると(S548)、駆動モータ制御部238が上記シーケンス1を実行する(S552)。その後、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S556)、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S560)、初期動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0204】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔L H H〕であった場合(S532)、初期のポジションはポジション2であったと考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を継続させ、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S562)、S544の処理に移行する。
【0205】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であった場合(S536)、初期のポジションはポジション1または3であったと考えられる。そこで、さらにスイッチ状態検出部234により検出された次のスイッチ状態が、ポジション3を示す〔L H H〕であるか、ポジション5を示す〔H L H〕であるかを判断部236が判断する(S564)。次のスイッチ状態が〔L H H〕であった場合、初期のポジションがポジション1であり、現在ポジション3であると考えられるため、さらに次のスイッチ状態が正常な〔H H H〕であるか、異常な〔L L H〕であるかを判断部236が判断する(S570)。次のスイッチ状態が〔H H H〕であると判断された場合、S544の処理に移行する。
【0206】
一方、S570において次のスイッチ状態が〔L L H〕であると判断されると、継続して駆動モータ102がCCW方向に回転されるため、スイッチ状態検出部234がポジション5のスイッチ状態〔H L H〕を検出する(S572)。その後、またはS564において次のスイッチ状態が〔H L H〕であると判断された後、駆動モータ制御部238はシーケンス2を実行し(S566)、シーケンス3を実行し(S568)、一連の処理をディスク挿入状態で終了する。
【0207】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔H L H〕であった場合(S540)、駆動モータ制御部238はシーケンス5を実行し(S574)、シーケンス4を実行し(S576)、シーケンス1を実行する(S578)。そして、次のスイッチ状態が、ポジション4において正常な〔H H H〕であるか、異常な〔L L H〕であるかを判断部236が判断する(S580)。次のスイッチ状態が〔H H H〕である場合にはS560に移行し、次のスイッチ状態が〔L L H〕である場合にはS572に移行する。なお、次のスイッチ状態が〔L L H〕であるということは、シーケンス1において光ディスク2が逆方向に押し込まれるなど、光ディスク2の排出が妨害されたことが想定される。
【0208】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔H H H〕、〔L H H〕、〔L L H〕、〔H L H〕のいずれでもない場合、駆動モータ制御部238は、一連の初期動作をエラーストップとして終了する。
【0209】
図38に示したように、処理2においては、まず、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCW方向に回転させる(S604)。そして、スイッチ状態検出部234が次に現れるスイッチ状態を検出する(S608)。スイッチ状態が〔H H L〕であった場合(S612)、初期のポジションはポジション8であり、現在ポジション7にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102を継続してCW方向に回転させ、スイッチ状態検出部234がポジション6のスイッチ状態〔H H H〕を検出する(S632)。
【0210】
その後、駆動モータ制御部238はシーケンス3を実行し(S636)、一連の初期動作をディスク挿入状態で終了する。
【0211】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H L H〕であった場合(S616)、初期のポジションはポジション6であり、現在ポジション5にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238はシーケンス4を実行し(S640)、シーケンス1を実行する(S644)。その後、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S648)、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S652)、初期動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0212】
一方、S648において、ポジション4の異常なスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、駆動モータ制御部238は駆動モータ102のCCW方向への回転を継続させ、
スイッチ状態検出部234によりポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出される(S668)。続いて、駆動モータ制御部238はシーケンス2を実行し(S672)、シーケンス3を実行し(S636)、一連の初期動作をディスク挿入状態で終了する。
【0213】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔L H H〕であった場合(S620)、初期のポジションはポジション4であり、現在ポジション3にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238はシーケンス1を実行し(S656)、スイッチ状態検出部234により正常なポジション4のスイッチ状態〔H H H〕が検出されると、S652の処理に移行する(S660)。
【0214】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であった場合(S624)、初期のポジションはポジション5であり、現在ポジション4にあると考えられる。この場合、スイッチ状態検出部234によりポジション3のスイッチ状態〔L H H〕が検出されると、S644の処理に移行する。
【0215】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H H H〕であった場合(S628)、初期のポジションはポジション7であり、現在ポジション7にあると考えられる。
この場合、駆動モータ制御部238がシーケンス3を実行するS636の処理に移行する。
【0216】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H H L〕、〔H L H〕、〔L H H〕、〔L L H〕、〔H H H〕のいずれでもない場合、駆動モータ制御部238は、一連の初期動作をエラーストップとして終了する。
【0217】
なお、上記9通りのスイッチ状態が得られるポジションのうち、下記の5つのポジションで駆動レバー52を停止させる場合には位置精度が重要となるため、直線のポジションにて駆動モータ102の回転速度を制御してもよい。
(1)ポジション4(光ディスク2の挿入待ち、待機ポジション。)
(2)ポジション5(光ディスク2の挿入を検出。駆動モータ102の回転を開始させ、光ディスク2をローディングし始める。)
(3)ポジション6(ダブルチャックポジション、光ディスク2のチャッキングを確実にするために、トラバースリフトアップを行い、2回チャッキング動作を行なう。)
(4)ポジション8(リードライトポジション、光ディスク2の再生、記録位置。)
(5)ポジション1(イジェクトポジション、光ディスク2のイジェクトが完了する位置。)
【0218】
以上説明した本実施形態にかかるディスク駆動装置1において実行される動作の流れを、以下の表1〜17に示す。なお、各表中の、確認順番の数字は対応するスイッチ状態がスイッチ状態検出部234により検出される順番を示し、ポジション番号はディスク駆動装置1に対する光ディスク2の相対位置を番号化したものである。また、下矢印は駆動モータ102がCCW方向に回転していることを示し、上矢印は駆動モータ102がCW方向に回転していることを示し、右矢印は駆動モータ102がCCW方向からCW方向へ回転方向が切り替わったことを示し、左矢印は駆動モータ102がCW方向からCCW方向へ回転方向が切り替わったことを示す。
【0219】
また、各表が示す動作内容は以下の通りである。
表1:挿入動作(正常時)
表2:排出動作(正常時)
表3:排出動作(光ディスク2が正常に取り出されない、または排出途中で再挿入されたなどの異常発生時、以下、単に異常発生時とする。)
表4:ポジション8において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表5:ポジション7において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表6:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表7:ポジション5において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表8:ポジション5において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表9:ポジション6において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表10:ポジション6において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表11:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表12:ポジション2において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表13:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表14:ポジション3において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表15:ポジション1において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表16:ポジション3において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表17:ポジション1において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
【0220】
【表1】
【0221】
【表2】
【0222】
【表3】
【0223】
【表4】
【0224】
【表5】
【0225】
【表6】
【0226】
【表7】
【0227】
【表8】
【表9】
【0228】
【表10】
【0229】
【表11】
【0230】
【表12】
【0231】
【表13】
【0232】
【表14】
【0233】
【表15】
【0234】
【表16】
【0235】
【表17】
【0236】
表1〜表17に示しように、本実施形態においては、駆動モータ102がCCW方向に回転しているにも拘らず、スイッチ状態が〔L L H〕である場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の制御を継続する。例えば、表3に示したように、駆動レバー52がポジション8からポジション1へ移動され、ポジション4に戻ったときにスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、駆動モータ制御部238は駆動モータ102を制御し、ポジション8へと駆動レバー52を移動させる。表8、10、13、16および17は電源オン時の初期動作を表しているが、駆動レバー52がポジション4に戻ったときにスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、ポジション8へと駆動レバー52が移動される点は表3と同様である。
【0237】
また、駆動レバー52が中途半端な位置にあるときに電源が遮断された場合にも、電源オン後の初期動作にて、各部材を破損することなく駆動レバー52を初期位置(例えば、ポジション4、8)へ移動させることができる。
【0238】
以上説明したように、本実施形態によれば、判断部236が、駆動レバー52の位置に応じて状態が切り替えられる検出スイッチSWの状態と、回転方向検出部232により検出された駆動モータ102の回転方向を、複合的に用いて挿排動作の異常発生の有無を判断する。したがって、単に検出スイッチSWの状態にのみ基づいて挿排動作の異常発生の有無を判断する場合と比較して、検出スイッチSWの数を削減することができる。なお、検出スイッチSWの数が1つ減って本実施形態のように3つになれば、ディスク駆動部200およびサーボ部220間の信号線も1つ削減することができる。その結果、例えば50pinFFC1本でディスク駆動部200およびサーボ部220間を接続可能となり、コストダウンを図り得る。
【0239】
また、本実施形態においては、ラック部材101は、通常、駆動モータ102がCCW方向に回転すると、駆動レバー52の所定範囲における背面側の当接部53に当接されながら駆動レバー52と共に背面側へ移動される。そこで、判断部236は、回転方向検出部232により駆動モータ102がCCW方向に回転していると検出され、スイッチ状態検出部234によりラック部材101が背面側の当接部53に当接していないと検出されている場合、適確に挿排動作の異常が発生していると判断することができる。
【0240】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0241】
例えば、本明細書のディスク駆動装置1の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、ディスク駆動装置1の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】本実施形態にかかるディスク駆動装置が適用される情報処理装置の一例を示した説明図である。
【図2】PCの構成を示した機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るディスク駆動装置1の外観斜視図である。
【図4】ディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図である。
【図5】ディスク駆動装置の構造を示す平面図
【図6】ディスク駆動装置のベースユニットの斜視図である。
【図7】ディスク駆動装置の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図8】ディスク駆動装置の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図9】ディスク駆動装置の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【図10】カム部の形状を示した概略図である。
【図11】駆動レバーの詳細な構成を示した説明図である。
【図12】カムレバーの形状を示した説明図である。
【図13】ローディング時の駆動レバーの平面図
【図14】イジェクト時の駆動レバーの平面図
【図15】ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す側面図である。
【図16】ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す側面図である。
【図17】ベースユニットがチャッキング中間位置にある状態を示す側面図である。
【図18】大径ディスクが挿入される前の初期状態(ポジション4)を示す平面図である。
【図19】ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図20】大径ディスクの引き込み開始状態(ポジション5)を示す平面図である。
【図21】ポジション5における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図22】大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図23】大径ディスクのセンタリングの状態を示す平面図である。
【図24】大径ディスクのチャッキング完了(ポジション8)状態を示す平面図である。
【図25】ポジション8における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図26】大径ディスクのイジェクト途中のポジション4を示す平面図である。
【図27】イジェクト途中のポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図28】大径ディスクが取り出されるポジション1の状態を示した説明図である。
【図29】ポジション1における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図30】各ポジションにおいて検出されるスイッチ状態を示した説明図である。
【図31】ローディング動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図32】イジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図33】異常時のイジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図34】本実施形態にかかるディスク駆動装置による光ディスク2の挿入動作(ローディング)の流れを示したフローチャートである。
【図35】本実施形態にかかるディスク駆動装置による光ディスク2の排出動作(いイジェクト)の流れを示したフローチャートである。
【図36】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【図37】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【図38】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0243】
19 スロット
34 ディスク搬送機構
35 第1の回動アーム
36 第2の回動アーム
52 駆動レバー
53 背面側の当接部
102 駆動モータ
232 回転方向検出部
234 スイッチ状態検出部
236 判断部
238 駆動モータ制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像や音声をデジタル形式で記録するメディアとして、記録媒体である光ディスクが急速に普及している。また、光ディスクを駆動するディスク駆動装置として、トレイ型や、スロットイン型のディスク駆動装置が普及している。
【0003】
例えば特許文献1に記載されているように、スロットイン型のディスク駆動装置においては、ユーザが筐体の前面に設けられたスロットに光ディスクを差し込むだけで自動的に光ディスクをディスク駆動装置に装着することができる。トレイ型のディスク駆動装置においては、ユーザがトレイを開閉した後に光ディスクをトレイに置く、またはトレイから取り出すため、ユーザの操作性という観点からはスロットイン型のディスク駆動装置の方が有利である。
【0004】
また、スロットイン型のディスク駆動装置は、内蔵されている部材を回転、摺動などさせて光ディスクの挿排動作を行なうために、各部材位置を把握する必要がある。このため、スロットイン型のディスク駆動装置は、部材位置を検出するためのスイッチを複数備える。そして、スロットイン型のディスク駆動装置は、各スイッチの状態に基づき、光ディスクの挿排動作に異常が発生したか否かを判断し得た。
【0005】
【特許文献1】特開2006−302399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のスロットイン型のディスク駆動装置は、光ディスクの挿排動作の異常発生の有無を単に各スイッチの状態にのみ基づいて判断するため、各部材の位置を一義的に導出できる数のスイッチを設ける必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、内蔵する例えばスイッチなどの検出部の数を抑制しつつ、適確に挿排動作の異常発生の有無を判断することが可能な、新規かつ改良されたドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部の状態と、前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向と、に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部と、を備えるドライブ装置が提供される。
【0009】
かかる構成においては、判断部が、スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部の状態と、第2の検出部により検出された駆動モータの回転方向を、複合的に用いて挿排動作の異常発生の有無を判断する。したがって、単に第1の検出部の状態にのみ基づいて挿排動作の異常発生の有無を判断する場合と比較して、第1の検出部の構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
前記スライド部は、前記駆動モータによる動力が伝達され、前記スライド部の前記直線方向の所定範囲内で可動であるラック部材を有し、前記ラック部材は、前記駆動モータが所定方向に回転すると、前記所定範囲における一側の当接部に当接されながら前記スライド部と共に前記一側へ移動され、前記第1の検出部は、前記スライド部および前記ラック部材の位置に応じて状態が切り替えられ、前記駆動モータが前記所定方向に回転していると前記第2の検出部に検出され、前記ラック部材が前記一側の当接部に当接していないと前記第1の検出部により検出されると、前記判断部は、前記挿排動作の異常が発生していると判断してもよい。
【0011】
かかる構成においては、ラック部材は、通常、駆動モータが所定方向に回転すると、スライド部の所定範囲における一側の当接部に当接されながらスライド部と共に上記一側へ移動される。そこで、判断部は、第2の検出部により駆動モータが所定方向に回転していると検出され、第1の検出部によりラック部材が上記一側の当接部に当接していないと検出されている場合、適確に挿排動作の異常が発生していると判断することができる。
【0012】
前記判断部により前記挿排動作の異常が発生していると判断されると、前記駆動モータを制御し、前記搬送部に前記挿排動作を継続させる制御部をさらに備えてもよい。例えば、記憶媒体の排出動作時に、正常に記憶媒体が排出されず記憶媒体がドライブ装置内に存在するという異常が発生した場合、搬送部に不要な負荷がかかりかねない。そこで、制御部は、挿排動作の異常が発生していると判断部により判断されると搬送部に挿排動作を継続させることにより、搬送部などに不要な負荷がかかる場合を抑制することができる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置において実行される異常検出方法であって、前記搬送部が前記挿排動作を行なうステップと、前記第1の検出部が前記スライド部の位置に応じて状態を切り替えるステップと、前記第2の検出部が前記駆動モータの回転方向を取得するステップと、前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断するステップと、を含む異常検出方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置における、前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部として機能させるための、プログラムが提供される。
【0015】
かかるプログラムは、例えばCPU、ROMまたはRAMなどを含むコンピュータのハードウェア資源に、上記のような判断部の機能を実行させることができる。すなわち、当該プログラムを用いるコンピュータを、上述のドライブ装置として機能させることが可能である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明にかかるドライブ装置、異常検出方法、およびプログラムによれば、内蔵する例えばスイッチなどの検出部の数を抑制しつつ、適確に挿排動作の異常発生の有無を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
まず、図1および図2を参照し、本実施形態にかかるディスク駆動装置の概要を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1が適用される情報処理装置の一例を示した説明図である。図1に示したように、本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、例えば携帯可能な大きさにまで小型化されたノート型のパーソナルコンピュータ(PC)1000の装置本体1001に搭載されるドライブ装置である。
【0020】
なお、図1においては情報処理装置の一例としてPCを示しているが、情報処理装置は、例えば、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、車載器などであってもよい。また、ディスク駆動装置1は、PC用外付けドライブであってもよく、BD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの次世代光ディスクシステムに適用してもよい。
【0021】
図2は、PC1000の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、PC1000は、光ディスク2が装着されるディスク駆動部200、およびディスク駆動部200の動作を制御するサーボ部220を含むディスク駆動装置1、バックエンド242、およびメインシステムを備える。
【0022】
ディスク駆動部200は、スピンドルモータ24と、駆動モータ102と、中継基板202と、光ピックアップ25と、スレッドモータ31aと、ディスク搬送機構34と、を備える。
【0023】
スピンドルモータ24は、ディスク駆動部200に装着された光ディスク2を回転させる光ディスク2のドライバとして機能する。
【0024】
光ピックアップ25は、光源と、光源から入射されたレーザー光を偏向するビームスプリッタと、光ディスク2に偏光されたレーザー光を照射する照射部と、光ディスク2からの反射光を読取る検出部とを含む光学系モジュールである。光ピックアップ25は、サーボ部220からの指示に基づき、光ディスク2の記録面にデータを記録したり、光ディスク2の記録面からデータを読み出したりすることができる。
【0025】
スレッドモータ31aは、サーボ部220からの指示に基づき、光ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に往復運動させるためのモータである。該スレッドモータ31aが生成した動力は、例えば、ボールネジ送り機構、ラック・オピニオン機構、ベルト送り機構、またはワイヤ送り機構などにより光ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に往復運動させる動力に変換されてもよい。
【0026】
駆動モータ102は、搬送部の一例としてのディスク搬送機構34に光ディスク2の挿入、または排出させるための動力を生成するモータである。駆動モータ102により生成された動力がディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に利用される詳細な様子については後述する。
【0027】
サーボ部220は、高周波処理部222と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)224と、FLASH(メモリ)226と、CPU228と、フロントエンド230を含む。
【0028】
フロントエンド230は、回転方向検出部232、スイッチ状態検出部234、判断部236、駆動モータ制御部238、およびリード・ライト制御部240を備える。かかるフロントエンド230は、高周波処理部222、DRAM224、FLASH226、およびCPU228と協働して、ディスク駆動部200における各種動作を制御する。
【0029】
例えば、回転方向検出部232は駆動モータ102の回転方向を検出する第2の検出部としての機能を有する。具体的には、回転方向検出部232は、駆動モータ102の回転方向を監視することにより駆動モータ102の回転方向を検出しても、駆動モータ制御部238が駆動モータ102に対して出力する制御信号を監視することにより駆動モータ102の回転方向を検出してもよい。
【0030】
また、ディスク駆動部200には、ディスク搬送機構34を構成する各メカ位置を検出するためのスイッチが設けられており、スイッチ状態検出部234はかかるスイッチの状態を検出する第1の検出部としての機能を有する。そして、判断部236は、回転方向検出部232により検出された駆動モータ102の回転方向と、スイッチ状態検出部234により検出されたスイッチの状態に基づいて、ディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に異常が発生したか否かを判断する。
【0031】
駆動モータ制御部238は、スイッチ状態検出部234により光ディスク2の挿入行為が検出されると、ディスク搬送機構34が光ディスク2を挿入(引き込む)する方向(CCW)に駆動モータ102を回転させる。また、駆動モータ制御部238は、挿入されている光ディスク2の排出(イジェクト)を指示されると、ディスク搬送機構34が光ディスク2を排出する方向(CW)に駆動モータ102を回転させる。
【0032】
さらに、駆動モータ制御部238は、ディスク搬送機構34による光ディスク2の挿排動作に異常が発生したと判断部236により判断されると、駆動モータ102を制御し、ディスク搬送機構34に挿排動作を継続させる。当該具体例の詳細については後述する。
【0033】
リード・ライト制御部240は、ディスク駆動部200による光ディスク2からのデータの読み出し、または光ディスク2へのデータの記録を制御する。具体的には、リード・ライト制御部240は、スピンドルモータ24を所定速度で回転させ、スレッドモータ31aに光ピックアップ25を該当位置に移動させ、光ピックアップ25から光ディスク2に対してレーザを照射させることにより、ディスク駆動部200にデータの読み出し、または記録を行わせることができる。
【0034】
バックエンド242は、サーボ部220、またはオーディオ機器266などから入力された各種データのデコード、またはエンコードを行なう。各種データは、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどの任意のデータであってもよい。
【0035】
また、バックエンド242がデコードして生成するデータのフォーマットとしては、JPEG(Joint Photographic coding Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)1、MPEG2またはMPEG4などの画像圧縮形式や、MP3(MPEG1 Layer−3)、AAC(Advanced Audio Codec)、LPCM(Linear PCM)、WMA9(Windows Media Audio9)、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)またはATRAC3などの音声圧縮形式があげられる。
【0036】
メインシステム250は、チューナ262、通信網264、およびオーディオ機器266などと接続される。また、メインシステム250は、ユーザからの光ディスク2の再生、記録などの指示を受け、該当するコマンドをサーボ部220に出力する。
【0037】
なお、上述したディスク駆動装置1は、装置全体の厚さD1を12.7mmとし、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)といった円盤状の記憶媒体を光ディスク2として用いることができる。また、ディスク駆動装置1は、直径を12cmとする標準サイズの光ディスク2と、この大径のディスクよりも小径な直径を8cmとする光ディスク2を装着可能としている。
【0038】
以上、図1および図2を参照して本実施形態にかかるディスク駆動装置1の概要を説明した。続いて、図3〜図17を参照し、当該ディスク駆動装置1の構成を詳細に説明する。
【0039】
図3は本実施形態に係るディスク駆動装置1の外観斜視図、図4はディスク駆動装置1のトップカバーを内面側から見た斜視図、図5はディスク駆動装置1の構造を示す平面図である。
【0040】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図3に示すように、外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。
【0041】
トップカバー5は、図3および図4に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aと、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部5bとを有する。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部6が形成されている。この開口部6は、後述するチャッキング動作時に例えば光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部28aを外部に臨ませるためのものである。また、天板部5aの開口部6の周囲には、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部7が設けられている。
【0042】
天板部5aの内側の主面には、図4に示すように後述する第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とを高さ方向に規制しながら、互いに近接又は離間する方向に案内するガイド部材8が設けられている。このガイド部材8は、天板部5aの両側板部5bの間に亘って略円弧状をなす板金からなり、天板部5aの前面側にスポット溶接やかしめ等により取り付けられている。
【0043】
また、このガイド部材8は、背面側が前面側の取付面よりも一段高くなされた係止部8aを有している。これにより、ガイド部材8の背面側の係止部8aと天板部5aとの間には、第1の回動アーム35の先端部及び第2の回動アーム36の先端部が係合されるガイド溝9が形成されている。また、天板部5aには、このガイド溝9に第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とを係合させるための作業用の窓部10がそれぞれ設けられている。
【0044】
ボトムケース4は、図5に示すように、略扁平箱状に形成された板金からなり、底面部が略矩形状である。また、ボトムケース4の一方の側面部には、底面部よりも底上げされて外側へと張り出したウィング部4aが設けられている。
【0045】
ボトムケース4の底面部には、ディスク駆動装置1の駆動を制御する図示を省略したサーボ部230を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための後述する検出スイッチ等が配置された回路基板がネジ止め等により取り付けられている。また、ボトムケース4の底面部には、シャーシ11がネジ止めにより取り付けられている。このシャーシ11は、回路基板の上方において、ボトムケース4の内部を上記ウィング部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。
【0046】
そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、ボトムケース4の複数のガイドスリット17にトップカバー5の複数のガイド片14を係合させた状態で、トップカバー5を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー5の天板部5aがボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー5の複数の貫通孔13を通してボトムケース4のネジ孔16にネジ12を螺合する。以上のようにして、図3に示す筐体3が構成されている。
【0047】
なお、トップカバー5の天板部5aには、組付後に、上述した開口部6や作業用の窓部10を覆うラベルシール(図示せず。)が貼り付けられる。これにより、筐体3の内部への塵埃等の侵入や外部へのレーザの漏れ等を防止する。
【0048】
筐体3の前面には、図3に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に挿入及び排出されるスロット19(挿排口)が設けられている。したがって、ディスク駆動装置1は、直径12cmの大径ディスク及び直径8cmの小径ディスクに対応可能である。例えば、ディスク駆動装置1は、大径ディスクを、スロット19から筐体3の内部へと挿入したり、スロット19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能である。
【0049】
また、フロントパネル18の前面には、表示部20、イジェクトボタン21、およびカーテン32が設けられている。表示部20は光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示し、イジェクトボタン21は光ディスク2を排出する際に押圧され、カーテン32は塵埃の進入を防止すると共に排出後の光ディスク2を摩擦力により保持する。
【0050】
図6は、ディスク駆動装置1のベースユニットの斜視図である。
【0051】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図5及び図6に示すように、ボトムケース4の底面部にディスク駆動装置本体を構成するベースユニット22を備えている。
【0052】
ベースユニット22は、スロット19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24と、このディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光学ピックアップ25と、この光学ピックアップ25を光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベース27に一体に設けられた超薄型構造を有している。
【0053】
また、ベースユニット22は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部23が略々中央に位置するように、シャーシ11よりも前面側に配置されている。また、このベースユニット22は、後述するベース昇降機構55によって昇降可能とされており、初期状態において、スロット19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置している。
【0054】
ベース27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベース27の主面には、ディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部と、光学ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部とが連続形成されている。なお、ベース27の上面部には、これら開口部に対応した開口部が形成された化粧板(図示せず。)が取り付けられる。
【0055】
ベース27は、図6に示すように、後述する駆動レバー52と対向する側面のディスク装着部23側に突設された第1の支軸59と、図12に示す後述するカムレバー56と対向する側面のディスク装着部23側に突設された第2の支軸60と、駆動レバー52と対向する側面とは反対側の側面の前面側に突設された第3の支軸62と、カムレバー56と対向する側面とは反対側の側面の前面側に設けられた固定支持部65とを備えている。
【0056】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構28が設けられている。このチャッキング機構28は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部28aと、この係合突部28aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪28bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0057】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有する。スピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベース27のテーブル用開口部から僅かに突出するように、支持板24bを介してベース27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0058】
光学ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射する。そして、光学ピックアップ25は、光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0059】
また、光学ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカッシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有する。光学ピックアップ25は、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカッシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うことができる。
【0060】
なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0061】
ピックアップ送り機構26は、光学ピックアップ25が搭載されたピックアップベース29と、このピックアップベース29を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸30a,30bと、これら一対のガイド軸30a,30bに支持されたピックアップベース29を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構31とを有する。
【0062】
ピックアップベース29には、一対のガイド軸30a,30bのうち、一方のガイド軸30aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片32a,32bと、他方のガイド軸30bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片33とが互いに対向する側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース29は、一対のガイド軸30a,30bにスライド可能に支持されている。
【0063】
一対のガイド軸30a,30bは、ベース27の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベース27のピックアップ用開口部から光学ピックアップ25が臨むピックアップベース29を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0064】
変位駆動機構31は、ベース27に取り付けられたスレッドモータ31aの回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース29を一対のガイド軸30a,30bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させる。
【0065】
このディスク駆動装置1は、図5に示すように、スロット19から光ディスク2が挿入及び排出されるディスク挿入排出位置と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに光ディスク2が装着されるディスク装着位置との間で光ディスク2の搬送を行う搬送部としてのディスク搬送機構34を備えている。
【0066】
ディスク搬送機構34は、光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で広がるように、かつ、狭まるように移動することで、光ディスク2の周縁部を挟持しながら、スロット19側とディスク装着部23側との間で光ディスク2を搬送させるためのアーム機構135と、後述するようにこれらのアーム機構135の移動を途中で規制する規制機構120とを備えている。
【0067】
アーム機構135は、光ディスク2の周縁部の両側を挟むように回動可能に設けられた第1の回動アーム35、第2の回動アーム36、光ディスク2などの挿入を補助する第3の回動アーム46及び光ディスク2などの排出を補助する第4の回動アーム49などを備えている。
【0068】
第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23を挟んだ左右の両側に各々配置されており、それぞれディスク装着部23よりも背面側に位置する基端部が、シャーシ11上に設けられた第1の支軸37を軸として支持されると共に、ディスク装着部23よりも前面側に位置する先端部がスロット19から挿入された光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で互いに近接又は離間する図5に示す矢印a1、a2、b2、b2方向に回動可能となっている。
【0069】
第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、光ディスク2がスロット19に挿入される前の初期状態(HOME状態、あるいは後述のポジション4)において、それぞれの先端部が所定の広がり角で開いた状態で保持されている。
【0070】
この広がり角は、直径が8cmの小径ディスクをスロット19に挿入したときに、小径ディスクを保持できるようにするため、少なくともフランジ138、140の間の距離L1が小径ディスクの直径よりも小さくなるように設計されている。例えば、第1の前面側当接部材38の回転ローラ73aと第2の前面側当接部材40の回転ローラ73c間の最短距離L2は、小径ディスクの直径よりも小さくてもよい。
【0071】
第1の回動アーム35には、第1の前面側当接部材38と、フランジ138とが設けられている。図5に示したように、第1の前面側当接部材38は第1の回動アーム35の先端部に設けられ、回転可能に設けられた前後一対の回転ローラ73a,73bを備えている。フランジ138は、光ディスク2の高さ方向の移動を規制するために設けられている。
【0072】
第1の回動アーム35の基端部近傍には、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めする際に、第1の前面側当接部材38と共に光ディスク2の外周部に当接される第1の背面側当接部材39が下方に向かって突出して設けられている。
【0073】
第1の前面側当接部材38、フランジ138及び第1の背面側当接部材39は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【0074】
第1の回動アーム35には、図5に示すように、捻じりコイルバネ71dが設けられており、捻りコイルバネ71dは、回動部材71のギヤ部71aと内歯ギヤ94とを介して第1の回動アーム35と、第2の回動アーム36をと互いに近接する方向に付勢している。
【0075】
回動部材71は、図5に示すように、その外周部の所定の領域に亘って形成されたギヤ部71aを有し、このギヤ部71aがシャーシ11上に配置された内歯ギヤ94と噛合されることによって、第1の回動アーム35の回動動作に連動しながら回動操作される。
【0076】
第2の回動アーム36の先端部には、第2の前面側当接部材40と、フランジ140とが設けられている。第2の前面側当接部材40は、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部に当接される。フランジ140は、光ディスク2の高さ方向の移動を規制する。第2の前面側当接部材40は、回転ローラ73c、73dを備えており、第2の前面側当接部材40、フランジ140は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【0077】
このように、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とは、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んで略対称となる位置に配置されており、互いの回動中心がディスク装着部23よりも背面側の略中央部において一致している。また、第1の回動アーム35の先端部及び第2の回動アーム36の先端部は、天板部5aのガイド溝9に係合された状態で回動方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【0078】
第1の回動アーム35と、第2の回動アーム36とは連動機構41を介して互いに逆向きに回動可能となっている。
【0079】
具体的に説明すると、この連動機構41は、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを連結する第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43を有している。これら第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43は、長尺状の板金からなり、それぞれの長手方向の一端部が第1の回動アーム35の基端部と第2の回動アーム36の基端部とに回動可能に支持され、それぞれの長手方向の他端部が第2の支軸44を介して回動可能に支持された、いわゆるパンタグラフ構造を有している。
【0080】
また、第2の支軸44は、シャーシ11の第1の支軸37よりも前面側に設けられたガイドスリット45に係合されており、このガイドスリット45は、光ディスク2の挿入方向に亘って直線状に形成されている。
【0081】
第1の支軸37には、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接する方向に付勢するための第1の捻じりコイルバネ75が設けられている。第1の捻じりコイルバネ75は、その巻回部分に第1の支軸37が挿通された状態で、その一端部が第1の回動アーム35の基端部に掛止され、その他端部が第2の回動アーム36に掛止され設けられている。
【0082】
したがって、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とは、第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることで、第1の連結アーム42及び第2の連結アーム43を介して互いに逆向きに回動可能となっている。すなわち、第1の回動アーム35の先端部と第2の回動アーム36の先端部とは、このような連動機構41によって、互いに近接又は離間する方向に回動可能となっている。
【0083】
第3の回動アーム46は、光ディスク2などをスロット19から筐体3の内部へと引き込むローディング動作を補助するためにスロット19から挿入される光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で回動可能に設けられている。
【0084】
第3の回動アーム46は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んだ左右の一方側(例えば図5中左側)の第2の回動アーム36の前面側に位置して、ウィング部4a上に設けられた支軸47を介して矢印c1方向及び矢印c2方向に回動可能に支持されている。
【0085】
図7は、ディスク駆動装置1の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【0086】
第3の回動アーム46は、支軸47が挿通される挿通される図7に示す略L字状の軸孔46aと、図11に示す駆動レバー52の上面部に形成されたカム溝80に係合されるカムピン46bと、第3の回動アーム46の先端部に設けられた第3の当接部材48とを備えている。
【0087】
第3の回動アーム46は、図5及び図7に示すように、ウィング部4a上に配置された捻りコイルバネ79によって付勢されている。この捻りコイルバネ79は、その一端部がウィング部4aの掛止ピン79aに掛止され、その他端部が第3の回動アーム46の下面に設けられた掛止ピン79bに掛止されている。
【0088】
第3の回動アーム46は、駆動レバー52のスライド動作に連動して、カムピン46bが図7に示す駆動レバー52に形成されたカム溝80内をスライドすることによって回動操作される。また、第3の回動アーム46は、軸孔46a内における支軸47の位置によって、この第3の回動アーム46の回動中心を切り替えることが可能となっている。
【0089】
第3の当接部材48は、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部に当接されるように、第3の回動アーム46の先端部に上方に向かって突出して設けられている。第3の当接部材48は、第3の回動アーム46の天板部5aと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径の回転ローラであり、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなる。
【0090】
図8は、ディスク駆動装置1の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。図9は、ディスク駆動装置1の駆動レバー52と検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【0091】
アーム機構135は、各回動アーム35,36,46,49等を協働させるためのスライド部として機能する駆動レバー52を備えている。この駆動レバー52は、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4の一方の側面部とベースユニット22との間に配置されている。また、この駆動レバー52は、スロット19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2などよりも下方に位置しており、その上面部がウィング部4aの底面部と略一致した高さにされている。
【0092】
図11は、駆動レバー52の詳細な構成を示した説明図である。特に、図11(a)は、駆動レバー52を一方側から見た側面図であり、図11(b)は、駆動レバー52を上方側から見た平面図であり、図11(c)は、駆動レバー52を他方側から見た側面図であり、図11(d)は、駆動レバー52を下方側から見た平面図である。
【0093】
駆動レバー52は、図11(c)に示すように、ベースユニット22を昇降操作するため、ベース27と対向する側面に形成された第1のカムスリット95を有する。第1のカムスリット95は、ベース27をチャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部95aと、ベース27をチャッキング位置に位置させるための頂上面部95bと、ベース27を上記中間位置に位置させるための第2の水平面部95cとを有している。また、図11(d)に示すように、駆動レバー52の底面部には、ガイドスリット100が形成されている。
【0094】
続いて、駆動レバー52に設けられたラック部材101の機能について図13及び図14を参照して説明する。
【0095】
図13はローディング時の駆動レバー52の平面図を示し、図14はイジェクト時の駆動レバー52の平面図を示している。駆動レバー52の前面側には、図13及び図14に示すように、駆動レバー52に対して所定のストローク範囲だけ前後方向にスライド可能とされたラック部材101が取り付けられている。また、ラック部材101には、前後方向に亘ってラックギヤ101aが形成されている。一方、ボトムケース4の底面部には、図8に示すように、変位駆動機構を構成する駆動モータ102と、この駆動モータ102の回転軸に取り付けられたウォームギヤ103と、このウォームギヤ103からラックギヤ101aへと駆動モータ102の動力を伝達するギヤ列104とが配置されている。
【0096】
したがって、この変位駆動機構は、図13に示すように、駆動モータ102をCCW方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ103、ギヤ列104及びラックギヤ101a介してラック部材101が駆動レバー52の背面側に引き込まれた状態で、駆動レバー52をラック部材101と一体に背面側へと変位駆動する。すなわち、駆動モータ102をCCW方向に回動駆動させると、駆動レバー52の背面側の当接部53(一側の当接部)にラック部材101が当接する。そして、ラック部材101が、駆動モータ102により生成された動力に基づいて駆動レバー52の背面側の当接部53を押圧する。その結果、ラック部材101が駆動レバー52の背面側の当接部53に当接した状態で、駆動レバー52がラック部材101と一体に背面側へと移動される。
【0097】
なお、図13においては、ラック部材101が駆動レバー52の背面側の当接部53に当接し、駆動モータ102により生成された動力に基づいて駆動レバー52の背面側の当接部53を押圧する場合を示した。しかし、駆動レバー52の背面側の当接部53は一側の当接部の一例に過ぎず、駆動モータ102がCCW方向に回転するときにラック部材101が当接し、駆動モータ102により生成された動力に基づいて押圧する部位が一側の当接部としての機能を有する。
【0098】
一方、この変位駆動機構は、図14に示すように、駆動モータ102をCW方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ103、ギヤ列104及びラックギヤ101a介してラック部材101が駆動レバー52の前面側に引き出された状態で、駆動レバー52をラック部材101と一体に前面側へと変位駆動する。すなわち、駆動モータ102をCW方向に回動駆動させると、駆動レバー52の背面側の当接部53とラック部材101とが離隔した状態で、駆動レバー52がラック部材101と一体に前面側へと移動される。
【0099】
第4の回動アーム49は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部23のターンテーブル23aを挟んだ左右の一方側(例えば図5中左側)の第2の回動アーム36の中間部において、イジェクト動作を補助するために光ディスク2の記録面とほぼ平行な面内で矢印d1方向及び矢印d2方向に回動可能に支持されている。また、第4の回動アーム49の先端部には、スロット19から挿入された光ディスク2の外周部の背面側に当接される第4の当接部材50が上方に向かって突出して設けられている。
【0100】
第4の当接部材50は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、第4の回動アーム49の天板部5aと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径の回転ローラである。
【0101】
また、第2の回動アーム36には、この第4の回動アーム49が背面側、すなわち矢印d1方向に回動された際に、第4の回動アーム49の背面側への回動を規制する図示を省略した規制片が設けられている。規制片は、例えば、第2の回動アーム36の側縁がコ字状に折り曲げられて形成されている。
【0102】
第4の回動アーム49は、図5に示した連結機構81を介し、図7に示した駆動レバー52のスライド動作に連動して回動操作される。
【0103】
具体的に、この連結機構81は、第1の支軸37を介して回動可能に支持されたクランクアーム82aと、このクランクアーム82aと第4の回動アーム49との間を連接する連接アーム82bとからなるクランク機構を有している。また、連接アーム82bには、第2の回動アーム36に設けられたガイドピン83aを挿通させる長孔83bが形成されている。したがって、このクランク機構は、第4の回動アーム49の回動動作に連動して、クランクアーム82aを回動させることが可能となっている。
【0104】
また、この連結機構81は、図8に示すように、ボトムケース4の底面部に、上述したクランクアーム82aを介して回動される第1のギヤ84と、この第1のギヤ84と噛み合わされる第2のギヤ85と、この第2のギヤ85と噛み合わされる第3のギヤ86が形成された回動操作部材87とを有している。
【0105】
この回動操作部材87は、駆動レバー52のスライド動作に連動して、第4の回動アーム49を回動操作するためのものであり、駆動レバー52に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材92と係合される係合ピン88と、記録再生時に駆動レバー52の背面側の端部に当接されて駆動レバー52を位置決め固定する位置決めピン89とを有している。
【0106】
そして、この回動操作部材87は、引張りコイルバネ90によって回動方向の一方側(ここでは、図8中時計回りの方向)に付勢されている。この引張りコイルバネ90は、その一端部がボトムケース4の底面部に設けられた掛止ピン90aに掛止され、その他端部が回動操作部材87に設けられた掛止ピン90bに掛止されることによって、この回動操作部材87を回動方向の一方側に付勢している。なお、回動操作部材87には、掛止ピン90aを逃がすための略円弧状のスリット91が形成されている。
【0107】
駆動レバー52の背面側には、この駆動レバー52に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材92が取り付けられている。そして、このスライド部材92は、第1の及び第2の引張りコイルバネ93a,93bにより前面側へと付勢されており、背面側の端部に回動操作部材87の係合ピン88が係合されることによって、駆動レバー52のスライド動作に連動して、この回動操作部材87を回動操作する。
【0108】
第1の及び第2の引張りコイルバネ93a,93bは、それぞれ前面側の端部が駆動レバー52に掛止され、背面側の端部がスライド部材92に掛止されることによって、スライド部材92を駆動レバー52に対して前面側へと付勢している。このうち、第1の引張りコイルバネ93aは、通常の駆動レバー52及びスライド部材92を一体で動作させるためのものであり、そのバネ力は、200〜300gf程度である。一方、第2の引張りコイルバネ93bは、光ディスク2の正常な排出ができない場合に機構を保護するためのものであり、そのバネ力は、400〜600gf程度である。
【0109】
また、ボトムケース4の底面部には、図9に示すように、各部の駆動制御を行う駆動制御回路が構成された回路基板105が配置されている。この回路基板105は、ボトムケース4の背面側の底面部にネジ止めにより取り付けられている。また、このボトムケース4の底面部及び回路基板105上には、上記駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品(図示せず。)や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ106、各部の動作を検出するための検出スイッチSW1,SW2,およびSW3等が配置されている。
【0110】
そして、駆動制御回路は、これら検出スイッチSW1,SW2,およびSW3からの検出信号に基づいて、上述した変位駆動機構により駆動される駆動レバー52の位置を検出しながら、この変位駆動機構による駆動レバー52の駆動制御を行っている。
【0111】
このうち、検出スイッチSW1は、ボトムケース4の前面側に配置されている。そして、この検出スイッチSW1は、駆動レバー52の前端部によってH/Lが切り替わる。一方、検出スイッチSW2,およびSW3は、回路基板105の駆動レバー52と対向する端縁部に所定の間隔で前後に並んで配置されている。そして、これら検出スイッチSW2,およびSW3は、図11(b),(c)に示す駆動レバー52の側面部に設けられたカム部107によってH/Lが切り替わる。なお、各検出スイッチSWは凸部を有し、該凸部が駆動レバー52のいずれかの部位に押圧されると信号レベルがLとなり、該凸部が駆動レバー52のいずれかの部位にも押圧されていないと信号レベルがHとなる。
【0112】
図10は、カム部107の形状を示した概略図である。図10に示したように、カム部107は、第一の押圧部107aと、第二の押圧部107bと、第三の押圧部107cと、を備える。例えば、検出スイッチSW2は、第一の押圧部107aに押圧されることにより信号レベルがLとなる。すると、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52がモーターオンポジション(ポジション5)に達したと判断し、駆動モータ102をCCW方向に回転させる。同様に、検出スイッチSW3は、第二の当接部107b、または第三の当接部107cに押圧されることにより信号レベルが切替えられる。
【0113】
規制機構120は、スロット19から光ディスク2が排出されるときに、アーム機構135の移動を途中で規制するために用いられている。規制機構120は、図5に示すように、押圧レバー76と、光ディスクの排出の途中で押圧レバー76に係合するストッパー110と、押圧レバー76を押圧可能な第2の捻じりコイルバネ77とを備えている。ストッパー110は、例えば第2の回動アーム36に設けられており、スロット19から光ディスク2が排出される途中で当接ピン76aに当接する部分がステップ状とされている。ストッパー110は、押圧レバー76が回動する方向で当接ピン76aと対面して当接する当接面を備えている。
【0114】
第2の捻じりコイルバネ77は、図7に示すように、その巻回部分がシャーシ11に軸支された状態で、その一端部が同じくシャーシ11に掛止され、その他端部が押圧レバー76の当接ピン76cに掛止されことによって、当接ピン76aがストッパー110に当接する方向に付勢している。当接ピン76は、図7に示す点Pを軸として回動可能に設けられている。光ディスク2の排出の途中で、当接ピン76aがストッパー110に係合されたときに、アーム機構135が光ディスク2を押し出す力は、スロット19を介して光ディスク2に働く摩擦力より小さく設定されている。
【0115】
例えば第1の捻じりコイルバネ75は、スロット19から光ディスク2が引き抜かれると、押圧レバー76の当接ピン76aとストッパー110との係合が解除されるように第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36に回動力を付与している。
【0116】
したがって、規制機構120では、押圧レバー76が第2の回動アーム36を押圧することによって、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが互いに近接する方向に付勢された状態から、駆動レバー52の背面側へのスライド動作に連動して、押圧レバー76のカムピン76bが駆動レバー52のカム溝78内をスライドしながら、駆動レバー52が背面側の端部までスライドされたとき、第2の捻じりコイルバネ77の付勢に抗して回動されることによって、非付勢状態に切り替えることが可能である。
【0117】
アーム機構135では、これら第1の回動アーム35、第2の回動アーム36、第3の回動アーム46及び第4の回動アーム49等が互いに協働しながら、光ディスク2をスロット19から筐体3の内部へと引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作と、光ディスク2をスロット19から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0118】
本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、図5に示すように、駆動レバー52のスライドに連動して、ベース27を昇降操作するベース昇降機構55を備えている。
【0119】
ベース昇降機構55は、ベース27を上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aに装着する図16に示すチャッキング位置と、ベース27を下降させて、ディスク装着部23のターンテーブル23aから光ディスク2を離脱する図15に示すチャッキング解除位置と、ベース27をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う図17に示す中間位置との間でベース27を昇降操作する。
【0120】
具体的に、駆動レバー52のベース27と対向する側面には、図11に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第1のカムスリット95が長手方向に亘って形成されている。
【0121】
また、ボトムケース4の底面部には、図7に示すようにベース27の背面側の側面に沿ってカムレバー56が配置されている。
【0122】
図12は、カムレバー56の形状を示した説明図である。図12に示したように、長尺状の平板部材からなり、駆動レバー52の前後方向のスライドに連動して、駆動レバー52のスライド方向と略直交する方向にスライド操作される。このカムレバー56の中間部には、ベース27と対向する端縁部から上方に向かって折り曲げられたカム片57が設けられている。
【0123】
カム片57の水平面部57aには、図7に示すように直径が12cmの大径ディスクに対応した第1のカム部74aと、この第1のカム部74aよりも前面側をスリット状に切り欠くことによって、直径が8cmの小径ディスクに対応した第2のカム部74bとが形成されている。このカム片57には、図12に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第2のカムスリット96が長手方向に亘って形成されている。
【0124】
第2のカムスリット96は、ベース27をチャッキング解除位置に位置させるための第1の水平面部96aと、ベース27をチャッキング位置に位置させるための頂上面部96bと、ベース27を中間位置に位置させるための第2の水平面部96cとを有している。
【0125】
ここで、カムレバー56は、その主面に形成された前後一対のガイドスリット97a,97bを有しており、これらガイドスリット97a,97bに、図8に示すボトムケース4の底面部から突出された一対の頭付ガイドピン98a,98bが係合されることによって、ベース27の背面側の側面に沿って、駆動レバー52のスライド方向と略直交する、すなわち左右方向にスライド可能に支持されている。
【0126】
また、カムレバー56の駆動レバー52と交差する位置には、図8に示すガイドピン99が上方に向かって突出形成されている。カムレバー56は、図8に示すように、駆動レバー52の前後方向のスライドに連動して、ガイドピン99がガイドスリット100内をスライドすることによって、駆動レバー52のスライド方向と直交する方向にスライド操作される。
【0127】
連動機構41では、筐体3のスロット19から大径ディスクが挿入された場合と小径ディスクが挿入された場合との第1の回動アーム35と第2の回動アーム36との開き具合の違いによって、上記第2の支軸44の第1のカム部74aと第2のカム部74bとに対する係合状態が切り替わる。
【0128】
具体的に、大径ディスクが挿入された場合には、第2の支軸44が第1のカム部74aに係合されて、上述したカムレバー56の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることになる。これにより、大径ディスクの外径に対応して、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【0129】
一方、小径ディスクが挿入された場合には、第2の支軸44が第2のカム部74bに係合されて、上述したカムレバー56の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第2の支軸44がガイドスリット45内をスライドすることになる。これにより、小径ディスクの外径に対応して、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【0130】
また、ボトムケース4の底面部には、図8に示すように折曲げ片58がベース27の背面側の側面に沿って折り曲げ形成されている。この折曲げ片58には、ベース27を昇降させるための鉛直スリット(図示せず。)が上下方向に亘って形成されている。
【0131】
ベース27の第1の支軸59は、図6に示すように、駆動レバー52の図11に示す第1のカムスリット95に係合されて支持され、第2の支軸60はカム片57の第2のカムスリット96及び折曲げ片58の鉛直スリットに係合されて支持され、第3の支軸62はボトムケース4の他方側の側面に設けられた軸孔61に回動可能に支持され、固定支持部65はゴム等の粘弾性部材からなるインシュレータ63を介してボトムケース4の底面部にネジ64により固定支持されている。
【0132】
したがって、このベース昇降機構55では、駆動レバー52及びカムレバー56のスライドに連動して、第1の支軸59が駆動レバー52の第1のカムスリット95内をスライドすると共に、第2の支軸60がカムレバー56の第2のカムスリット96及び折曲げ片58の鉛直スリット内をスライドする。その結果、ベース27のディスク装着部23側が前面側に対して、チャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置との間で昇降操作される。
【0133】
また、ボトムケース4の底面部には、図5に示すように、このベース昇降機構55がベース27を下降させたとき、ディスク装着部23のターンテーブル23a上に装着された光ディスク2をターンテーブル23aから離脱させるための押上ピン66が設けられている。この押上ピン66は、ベースユニット22のディスク装着部23近傍、具体的にはディスク装着部23に最も近接したベース27の背面側に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出して設けられている。
【0134】
次に、以上のように構成されるディスク駆動装置1の具体的な動作について図18〜図29を参照して説明する。
【0135】
図18は、大径ディスク2Aが挿入される前の初期状態(ポジション4)のディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図19は、ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0136】
図18に示すように、大径ディスク2Aが挿入されるポジション4では、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、それぞれの先端部が所定の広がり角で開いた状態となる。すなわち、図5に示すように、ポジション4において、第1の前面側当接部材38の回転ローラ73aと第2の前面側当接部材40の回転ローラ73c間の最短距離L2は、小径ディスク2Bの直径よりも小さくなっている。
【0137】
また、図18に示すポジション4では、第3の回動アーム46は、先端部が基端部よりも外側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置し、第4の回動アーム49は先端部が基端部よりも内側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置した状態でボトムケース4の前面側に位置している。
【0138】
このディスク駆動装置1では、筐体3のスロット19から外径の異なる大径ディスク2A,2Bが挿入された場合であっても、これら大径ディスク2A,2Bをディスク装着位置まで引き込むローディング動作を行うことが可能である。
【0139】
かかるポジション4においては、図19に示したように、検出スイッチSW1〜3は駆動レバー52のいずれの部位にも押圧されていないため、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔H H H〕となる。なお、〔H H H〕という表現は、検出スイッチSW1の信号レベル、検出スイッチSW2の信号レベル、検出スイッチSW3の信号レベルを順に示している。また、SW2およびSW3の拡大図はディスク駆動装置1を上面から見た場合の平面図であり、SW1の拡大図はディスク駆動装置1の側面図である。図21、25、27および29も同様である。
【0140】
ここでは、筐体3のスロット19から大径ディスク2Aが挿入された場合について説明する。先ず、図18に示すように、スロット19から筐体3の内部に挿入された大径ディスク2Aの外周部の背面側が、第1の回動アーム35の第1の前面側当接部材38及び第2の回動アーム36の第2の前面側当接部材40に当接する。
【0141】
次に、この状態から更に大径ディスク2Aがスロット19から筐体3の内部に押し込まれると、駆動レバー52は、図20および図21に示すように、ポジション5へと移動される。
【0142】
図20は、駆動レバー52がポジション5にあるときのディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図21は、ポジション5における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0143】
図20に示すように、大径ディスク2Aがスロット19から筐体3の内部に押し込まれると、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40との間で大径ディスク2Aの外周部を挟み込む。このとき、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77の付勢に抗して互いに離間する方向、すなわち図20に示す矢印a2,b2の方向に回動する。
【0144】
そして、図20に示した位置まで第3の回動アーム46が所定量だけ回動したとき、回路基板105に設けられた検出スイッチSW2が駆動レバー52に押圧され、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H L H〕となる。スイッチ状態検出部234が検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H L H〕であることを検出すると、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCCW方向に回転させることにより、変位駆動機構による駆動レバー52の背面側へのスライドが開始される。
【0145】
これにより、第3の回動アーム46は、図20に示す矢印c1の方向に更に回動する。また、第3の回動アーム46は、第3の当接部材48が大径ディスク2Aの外周部の前面側に当接された状態となることで、この大径ディスク2Aの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを筐体3の内部へと引き込むことになる。
【0146】
そして、図22に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とを結ぶ直線よりも背面側に位置するまで、大径ディスク2Aが筐体3の内部に引き込まれると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが、大径ディスク2Aの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の前面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図11に示す矢印a1,b1の方向に回動される。
【0147】
また、第4の回動アーム49は、第4の当接部材50が大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図23に示す矢印d1の方向に回動される。そして、第4の回動アーム49は、大径ディスク2Aが図23に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第2の回動アーム36の規制片(不図示)に当接され、その回動が規制された状態となる。
【0148】
これにより、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、大径ディスク2Aの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを図23に示すディスク装着位置まで引き込むことになる。
【0149】
このディスク駆動装置1では、図23に示すように、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が、これら外径の異なる大径ディスク2Aをディスク装着位置まで引き込んだ際に、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第4の当接部材50の内側に大径ディスク2Aを挟み込むことによって、大径ディスク2Aをディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作を行う。すなわち、大径ディスク2Aの中心孔2aと、ターンテーブル23aの係合突部28aとを大径ディスク2Aの記録面と直交する方向において一致させる。
【0150】
次に、このディスク駆動装置1では、大径ディスク2Aのセンタリング動作の後に、ベース昇降機構55がベース27を上昇させることによって、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク2Aをディスク装着部23のターンテーブル23aに装着するチャッキング動作を行う。
【0151】
具体的には、図15に示すチャッキング解除位置からベース昇降機構55によりベース27が図16に示すチャッキング位置まで上昇すると、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク2Aの中心孔2aに係合突部28aが入り込みながら、天板部5aの当接突部7に大径ディスク2Aの中心孔2aの周囲が押し付けられることによって、係合突部28aが大径ディスク2Aの中心孔2aに係合されると共に、複数の係止爪28bが大径ディスク2A、又は小径ディスク2Bの中心孔2aの周囲を係止した状態で、大径ディスク2Aがターンテーブル23a上に保持される。そして、大径ディスク2Aがターンテーブル23a上に保持された状態で、ベース昇降機構55によりベース27が図17に示す中間位置まで下降する。
【0152】
また、ディスク駆動装置1では、チャッキング動作の後に、図24に示すように、駆動レバー52の背面側へのスライドに連動して、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が互いに離間する方向、すなわち図24に示す矢印a2,b2の方向に僅かに回動される。このとき、第4の回動アーム49は、規制片(不図示)に当接されたまま、第2の回動アーム36と一体に回動されることになる。また、第3の回動アーム46は、駆動レバー52の背面側へのスライドに連動して、図24に示す矢印c2の方向に僅かに回動される。
【0153】
これにより、ターンテーブル23aに保持された大径ディスク2Aの外周部からは、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第3の当接部材48、第4の当接部材50が離間した状態となる。当該図24に示した状態を、ポジション8と称する。
【0154】
ディスク駆動装置1の駆動レバー52が図24に示すポジション8にある場合、駆動制御回路(フロントエンド230)から記録又は再生の指令が送られると、この指令に基づいて、大径ディスク2Aに対して信号の記録又は再生が行われる。具体的には、スピンドルモータ24aが大径ディスク2Aをターンテーブル23aと一体に回転駆動すると共に、ピックアップ送り機構26によって光学ピックアップ25が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかかると、この大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bのリードイン領域に記録されているTOCデータの読み出しを行う。
【0155】
その後、信号を記録する場合にあっては、読み出したTOCデータに基づいて、大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bのプログラム領域内の所定のアドレスに、光学ピックアップ25が移動する。また、信号の再生時にあっては、指定されたデータが記録されたプログラム領域内のアドレスに、光学ピックアップ25が移動する。そして、この光学ピックアップ25が大径ディスク2A,又は小径ディスク2Bの所望の記録トラックに対して信号の書き込み又は読み出し動作を行う。
【0156】
図25は、ポジション8における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。かかるポジション8においては、図25に示したように、検出スイッチSW1〜3は駆動レバー52のいずれの部位にも押圧されていないため、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔H H H〕となる。なお、図25に示したポジション8と図20に示したポジション5の間には、スイッチ状態が〔H H H〕となるポジション6と、スイッチ状態が〔H H L〕となるポジション7が存在する。
【0157】
このディスク駆動装置1では、表示部20に設けられたイジェクトボタン21が押圧される、或いはパーソナルコンピュータからディスク駆動装置1に対してイジェクトの指令が送られると、この指令に基づいて、先ず、図26に示すように、変位駆動機構による駆動レバー52の前面側へのスライドが開始される。
【0158】
図26は、駆動レバー52がポジション4にあるときのディスク駆動装置1の構成を示した説明図である。図27は、ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【0159】
図26に示すように、駆動レバー52の前面側へのスライドに連動して、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36が互いに近接する方向、すなわち図23に示す矢印a1,b1の方向に僅かに回動される。このとき、第4の回動アーム49は、規制片に当接されたまま、第2の回動アーム36と一体に回動されることになる。
【0160】
これにより、ターンテーブル23aに保持された大径ディスク2Aの外周部に、第1の前面側当接部材38、第1の背面側当接部材39、第2の前面側当接部材40、第4の当接部材50が当接された状態となる。
【0161】
次に、このディスク駆動装置1では、ベース昇降機構55がベース27をチャッキング解除位置まで下降させることによって、ディスク装着部23のターンテーブル23aから大径ディスク2Aを離脱するチャッキング解除動作を行う。
【0162】
具体的には、ベース27がチャッキング解除位置まで下降すると、押上ピン66の先端部がターンテーブル23aに装着された大径ディスク2Aの内周側の非信号記録領域に当接することによって、大径ディスク2Aを押し上げながら、大径ディスク2Aをターンテーブル23a上から離脱する。
【0163】
次に、このディスク駆動装置1では、ディスク装着部23にある大径ディスク2Aをスロット19から筐体3の外部へと排出するイジェクト動作を行う。
【0164】
具体的に、筐体3のスロット19から大径ディスク2Aを排出する場合には、先ず、図26に示すように、駆動レバー52の前面側へのスライドに連動して、第4の回動アーム49が図26に示す矢印d2の方向に回動される。また、第4の回動アーム49は、第4の当接部材50が大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態となることで、この大径ディスク2Aの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク2Aを筐体3の外部へと押し出すことになる。
【0165】
図26に示した位置に駆動レバー52が移動されると、図27に示したように、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔L L H〕となる。かかるスイッチ状態は、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態が〔H H L〕であるポジション7が検出され、スイッチ状態が〔H H H〕であるポジション6が検出され、スイッチ状態が〔H L H〕であるポジション5が検出された後に現れるため、ポジション4のスイッチ状態に該当する。
【0166】
このように、ローディング動作時にはポジション4においてスイッチ状態〔H H H〕が検出されるが、イジェクト動作時にはポジション4においてスイッチ状態〔L L H〕が検出される。これは、図13および図14を参照して説明したように、駆動レバー52のラック部材101が、ローディング動作時には背面側に引き込まれている一方、イジェクト動作時には前面側に引き出されているためである。
【0167】
そして、図28に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、大径ディスク2Aが筐体3の外部へと排出されると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第1の前面側当接部材38と第2の前面側当接部材40とが大径ディスク2Aの外周部の背面側に当接された状態で、第1の回動アーム35と第2の回動アーム36とが捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図28に示す矢印a1,b1の方向に回動される。
【0168】
大径ディスク2Aの排出の途中において、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が閉じるときに、押圧レバー76の当接ピン76aは図26に示す位置から矢印e1方向に移動し、図28に示すようにストッパー110のステップ状の部分に係合する。これにより、当接ピン76aがストッパー110を押圧する力を伝達できなくなり、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が閉じようとするトルクは、ストッパー110が設けられてない場合に比べて大きく減少する。
【0169】
大径ディスク2Aと、カーテン32と間の摩擦力よりも、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36が大径ディスク2Aを押し出そうとする力の方が十分小さく設定されている。このため、第1の回動アーム35及び第2の回動アーム36は、大径ディスク2Aの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク2Aをディスク挿入排出位置、すなわち大径ディスク2Aの中心孔2aがスロット19から筐体3の外部に露出する位置まで押し出すことになる。
【0170】
かかる図28に示した位置に駆動レバー52が移動されると、図29に示したように、検出スイッチSW1〜3のスイッチ状態は〔L H H〕となる。かかるスイッチ状態は、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション4から、スイッチ状態が〔L H H〕であるポジション3が検出され、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション2が検出された後に現れるため、ポジション1のスイッチ状態に該当する。
【0171】
使用者が、大径ディスク2Aをスロット19から取り出すと、第1の回動アーム35、第2の回動アーム36の回動を規制する力がなくなり、捻じりコイルバネ71d、第2の捻じりコイルバネ77の力によって第1の回動アーム35、第2の回動アーム36は閉じ、駆動レバー52はポジション4に移動し、一連の動作が終了する。なお、上記では大径ディスク2Aがローディング、イジェクトされる場合を説明したが、本実施形態にかかるディスク駆動装置1は、小型ディスクをローディング、イジェクトすることも同様に可能である。
【0172】
ここで、各ポジションにおいて検出されるスイッチ状態を、図30を参照して説明する。
【0173】
図30に示したように、ポジション1においてはスイッチ状態〔L H H〕が検出され、ポジション2においてはスイッチ状態〔L L H〕が検出され、ポジション3においてはスイッチ状態〔L H H〕が検出される。また、ポジション5においてはスイッチ状態〔H L H〕が検出され、ポジション6においてはスイッチ状態〔H H H〕が検出され、ポジション7においてはスイッチ状態〔H H L〕が検出され、ポジション8においてはスイッチ状態〔H H H〕が検出される。
【0174】
さらに、ポジション4においては、駆動モータ102がCCW方向に回転するローディング動作時にはスイッチ状態〔H H H〕が検出され、駆動モータ102がCW方向に回転するイジェクト動作時にはスイッチ状態〔L L H〕が検出される。
【0175】
なお、上記のポジション番号は、駆動レバー52が最も前面側にあるときが「1」とされ、駆動レバー52がポジション1から背面側に移動してスイッチ状態が変わる位置に到達する度にカウントアップされてもよい。
【0176】
また、図30に示したように、例えばポジション6とポジション8のように異なるポジションにおいて、同一のスイッチ状態が検出される場合がある。このため、スイッチ状態のみに基づいて駆動レバー52の位置を判断することは困難である。そこで、本実施形態においては、判断部236が、スイッチ状態と、駆動モータ102の直近の回転方法とに基づいて駆動レバー52の位置を判断することができる。
【0177】
例えば、スイッチ状態〔H H H〕が検出された場合、駆動レバー52はポジション4、6、8のいずれかに配されていると考えられる。ここで、駆動モータ102をCW方向に回転させると、判断部236は、次に現れたスイッチ状態に基づいて駆動レバー52の位置を判断することが出来る。すなわち、判断部236は、次にスイッチ状態〔L H H〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション4に配されていたと判断し、次にスイッチ状態〔H L H〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション6に配されていたと判断し、次にスイッチ状態〔H H L〕が検出された場合に駆動レバー52がポジション8に配されていたと判断してもよい。
【0178】
以上、ディスク駆動装置1の具体的な動作を説明した。続いて、ディスク駆動装置1の動作とスイッチ状態の関係を図31〜図33を参照して説明する。
【0179】
図31は、ローディング動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図31に示したように、ポジション4に配されている駆動レバー52がローディング動作時に、光ディスク2の挿入によりスイッチ状態が〔H L H〕であるポジション5に移動されると、駆動モータ102がCCW方向に回転する。そして、駆動レバー52がポジション5からスイッチ状態が〔H H H〕であるポジション8に移動されると、スイッチ状態が〔H H H〕であるポジション6に戻され、再度ポジション8へ移動する。このように駆動レバー52がポジション8〜ポジション6に戻されるのは、光ディスク2をダブルチャッキングするためである。
【0180】
図32は、イジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図32に示したように、ポジション8に配されている駆動レバー52は、イジェクト動作が開始すると、駆動モータ102がCW方向に回転され、ポジション8からスイッチ状態が〔L H H〕であるポジション1まで移動される。そして、光ディスク2がスロット19から取り出された後、駆動モータ102がCCW方向に回転され、駆動レバー52は、ポジション1からスイッチ状態が〔H H H〕であるポジション4へと移動され、イジェクト動作が完了する。
【0181】
図33は、異常時のイジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。図33において、LDMCCWがHである期間は駆動モータ102がCCW方向に回転していることを示し、LDMCWがHである期間は駆動モータ102がCW方向に回転していることを示す。図34および図35においても同様である。
【0182】
図33に示したように、ポジション8に配されている駆動レバー52は、イジェクト動作が開始すると、駆動モータ102がCW方向に回転され、ポジション8からスイッチ状態が〔L H H〕であるポジション1まで移動される。そして、光ディスク2がスロット19から取り出されなかった場合でも、駆動モータ102がCCW方向に回転される。しかし、この場合、スイッチ状態が〔L L H〕であるポジション2、スイッチ状態が〔L H H〕であるポジション3が検出された後に現れるポジション4のスイッチ状態は、正常時と異なる〔L L H〕となる。
【0183】
これは、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されないと、駆動レバー52のラック部材101が前面側に引き出された状態で駆動レバー52と共にポジション1からポジション4へ移動されるためである。
【0184】
詳細に説明すると、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されなかった場合、駆動レバー52がポジション1からポジション4へ移動されたとき、第1の回動アーム35および第2の回動アーム36は、図18に示した状態より開いた状態となる。すなわち、第1の回動アーム35および第2の回動アーム36は、第一の支軸37を反時計回り(上面から見たとき)に回転させるよう作用する。
【0185】
したがって、駆動レバー52は、第1のギヤ84、第2のギヤ85および回転操作部財87を介し、背面側に引き込まれる方向に付勢された状態となる。その結果、ラック部材101が、図27に示すように前面側に引き出された状態となる。
【0186】
本実施形態にかかる判断部236は、このように、駆動モータ102がCCW方向に回転しているにも拘らず、ポジション4においてスイッチ状態〔L L H〕が検出された場合、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断することができる。そして、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断部236により判断されると、駆動モータ制御部238は、光ディスク2のイジェクト動作を継続、またはローディング動作を行い、正常にイジェクト動作またはローディング動作を終了できる。
【0187】
例えば、光ディスク2がスロット19から正常に取り出されないと、ポジション4において駆動レバー52が背面側に継続的に付勢されるため、故障の原因となる。そこで、上記のように、光ディスク2のイジェクト動作に異常が発生したと判断部236により判断されると光ディスク2のイジェクト動作を継続、またはローディング動作を行うことにより、ディスク駆動装置1の各構成に不要な負荷がかかってしまう場合を抑制できる。
【0188】
次に、図34〜図38を参照し、本実施形態にかかるディスク駆動装置1において実行されるディスク駆動方法(異常検出方法)を説明する。
【0189】
図34は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1による光ディスク2の挿入動作(ローディング)の流れを示したフローチャートである。まず、スイッチ状態検出部234によりポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出されると(S304)、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102をCCW方向(挿入方向)に回転させる(S308)。
【0190】
続いて、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション6からポジション8に移動させ、さらにダブルチャッキングのためにポジション6まで戻すという一連のシーケンス2を実行する(S312)。その後、設定時間内にポジション6のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス2が正常に完了すると(S316)、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション8に移動させるシーケンス3を実行する(S320)。
【0191】
そして、設定時間内にポジション8のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス3が正常に完了すると(S324)、駆動モータ制御部238は一連の光ディスク2の挿入動作をディスク挿入状態で終了する。
【0192】
一方、シーケンス2またはシーケンス3が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102をCW方向(排出方向)に回転させる(S328)。その後、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション5からポジション4に移動させるシーケンス7を実行する(S332)。そして、設定時間内にポジション4のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス7が正常に完了すると(S336)、駆動モータ制御部238は一連の光ディスク2の挿入動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0193】
さらに、S332において実行されたシーケンス7が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ、一連の光ディスク2の挿入動作をエラーストップとして終了する。
【0194】
図35は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1による光ディスク2の排出動作(いイジェクト)の流れを示したフローチャートである。まず、駆動レバー52がポジション8に配されている状態において光ディスク2のイジェクト指示が入力されると、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102をCW方向に回転させる(S404)。
【0195】
続いて、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション3に移動させるシーケンス6を実行する(S408)。そして、ポジション3のスイッチ状態〔L H H〕がスイッチ状態検出部234により検出されると、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション2からポジション1に移動させ、さらにポジション3に移動させるシーケンス1を実行する(S412)。
【0196】
その後、判断部236は、次に検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であるか〔H H H〕であるか判断する(S416)。判断部236は、回転方向検出部232により駆動モータ102がCCW方向に回転していることが検出されているにも拘らずスイッチ状態が〔L L H〕であった場合、光ディスク2の排出動作に異常が生じたと判断し、駆動モータ102を継続して回転させる。すなわち、駆動モータ制御部238は、駆動モータ102にローディング動作に移行させる。その後、ポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出されると(S420)、駆動モータ制御部238が上記シーケンス2を実行する(S424)。
【0197】
そして、設定時間内にポジション6のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス2が正常に完了すると(S428)、駆動モータ制御部238は、駆動レバー52をポジション7からポジション8に移動させるシーケンス3を実行する(S432)。
【0198】
そして、設定時間内にポジション8のスイッチ状態〔H H H〕がスイッチ状態検出部234により検出され、シーケンス3が正常に完了すると(S436)、駆動モータ制御部238はディスク挿入状態で一連の処理を終了する。このように、S416においてスイッチ状態〔L L H〕が検出された場合、すなわち光ディスク2が正常にスロット19から取り出されなかった場合、当該ディスク駆動装置1は、駆動レバー52をポジション8に配した状態で処理を終了することができる。
【0199】
一方、シーケンス2またはシーケンス3が正常に完了しなかった場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S440)、一連の光ディスク2の排出動作をエラーストップとして終了する。
【0200】
さらに、S416においてスイッチ状態〔H H H〕が検出された場合、光ディスク2が正常にスロット19から取り出されたと考えられるため、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S444)、一連の光ディスク2の排出動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0201】
図36〜図38は、本実施形態にかかるディスク駆動装置1の初期動作の流れを示したフローチャートである。まず、ディスク駆動装置1の電源がオンされると、スイッチ状態検出部234は現在のスイッチ状態を検出する(S504)。スイッチ状態が〔L H H〕または〔L L H〕であった場合(S508)、図37に示す処理1へ移行し(S512)、スイッチ状態が〔L H H〕または〔L L H〕以外であった場合(S508)、図38に示す処理2へ移行する(S516)。すなわち、電源オン時のスイッチ状態によりその後の処理が分岐する。
【0202】
図37に示したように、処理1においては、まず、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCCW方向に回転させる(S520)。そして、スイッチ状態検出部234が次に現れるスイッチ状態を検出する(S524)。次のスイッチ状態が〔H H H〕であった場合(S528)、初期のポジションはポジション3であったと考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転方向を逆転させるシーケンス5を実行する(S544)。
【0203】
そして、スイッチ状態検出部234によりポジション3のスイッチ状態〔L H H〕が検出されると(S548)、駆動モータ制御部238が上記シーケンス1を実行する(S552)。その後、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S556)、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S560)、初期動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0204】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔L H H〕であった場合(S532)、初期のポジションはポジション2であったと考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を継続させ、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S562)、S544の処理に移行する。
【0205】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であった場合(S536)、初期のポジションはポジション1または3であったと考えられる。そこで、さらにスイッチ状態検出部234により検出された次のスイッチ状態が、ポジション3を示す〔L H H〕であるか、ポジション5を示す〔H L H〕であるかを判断部236が判断する(S564)。次のスイッチ状態が〔L H H〕であった場合、初期のポジションがポジション1であり、現在ポジション3であると考えられるため、さらに次のスイッチ状態が正常な〔H H H〕であるか、異常な〔L L H〕であるかを判断部236が判断する(S570)。次のスイッチ状態が〔H H H〕であると判断された場合、S544の処理に移行する。
【0206】
一方、S570において次のスイッチ状態が〔L L H〕であると判断されると、継続して駆動モータ102がCCW方向に回転されるため、スイッチ状態検出部234がポジション5のスイッチ状態〔H L H〕を検出する(S572)。その後、またはS564において次のスイッチ状態が〔H L H〕であると判断された後、駆動モータ制御部238はシーケンス2を実行し(S566)、シーケンス3を実行し(S568)、一連の処理をディスク挿入状態で終了する。
【0207】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔H L H〕であった場合(S540)、駆動モータ制御部238はシーケンス5を実行し(S574)、シーケンス4を実行し(S576)、シーケンス1を実行する(S578)。そして、次のスイッチ状態が、ポジション4において正常な〔H H H〕であるか、異常な〔L L H〕であるかを判断部236が判断する(S580)。次のスイッチ状態が〔H H H〕である場合にはS560に移行し、次のスイッチ状態が〔L L H〕である場合にはS572に移行する。なお、次のスイッチ状態が〔L L H〕であるということは、シーケンス1において光ディスク2が逆方向に押し込まれるなど、光ディスク2の排出が妨害されたことが想定される。
【0208】
また、S524において検出されたスイッチ状態が〔H H H〕、〔L H H〕、〔L L H〕、〔H L H〕のいずれでもない場合、駆動モータ制御部238は、一連の初期動作をエラーストップとして終了する。
【0209】
図38に示したように、処理2においては、まず、駆動モータ制御部238が駆動モータ102をCW方向に回転させる(S604)。そして、スイッチ状態検出部234が次に現れるスイッチ状態を検出する(S608)。スイッチ状態が〔H H L〕であった場合(S612)、初期のポジションはポジション8であり、現在ポジション7にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102を継続してCW方向に回転させ、スイッチ状態検出部234がポジション6のスイッチ状態〔H H H〕を検出する(S632)。
【0210】
その後、駆動モータ制御部238はシーケンス3を実行し(S636)、一連の初期動作をディスク挿入状態で終了する。
【0211】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H L H〕であった場合(S616)、初期のポジションはポジション6であり、現在ポジション5にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238はシーケンス4を実行し(S640)、シーケンス1を実行する(S644)。その後、スイッチ状態検出部234によりポジション4の正常なスイッチ状態〔H H H〕が検出されると(S648)、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の回転を停止させ(S652)、初期動作をディスク挿入準備状態で終了する。
【0212】
一方、S648において、ポジション4の異常なスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、駆動モータ制御部238は駆動モータ102のCCW方向への回転を継続させ、
スイッチ状態検出部234によりポジション5のスイッチ状態〔H L H〕が検出される(S668)。続いて、駆動モータ制御部238はシーケンス2を実行し(S672)、シーケンス3を実行し(S636)、一連の初期動作をディスク挿入状態で終了する。
【0213】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔L H H〕であった場合(S620)、初期のポジションはポジション4であり、現在ポジション3にあると考えられる。この場合、駆動モータ制御部238はシーケンス1を実行し(S656)、スイッチ状態検出部234により正常なポジション4のスイッチ状態〔H H H〕が検出されると、S652の処理に移行する(S660)。
【0214】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔L L H〕であった場合(S624)、初期のポジションはポジション5であり、現在ポジション4にあると考えられる。この場合、スイッチ状態検出部234によりポジション3のスイッチ状態〔L H H〕が検出されると、S644の処理に移行する。
【0215】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H H H〕であった場合(S628)、初期のポジションはポジション7であり、現在ポジション7にあると考えられる。
この場合、駆動モータ制御部238がシーケンス3を実行するS636の処理に移行する。
【0216】
また、S608において検出されたスイッチ状態が〔H H L〕、〔H L H〕、〔L H H〕、〔L L H〕、〔H H H〕のいずれでもない場合、駆動モータ制御部238は、一連の初期動作をエラーストップとして終了する。
【0217】
なお、上記9通りのスイッチ状態が得られるポジションのうち、下記の5つのポジションで駆動レバー52を停止させる場合には位置精度が重要となるため、直線のポジションにて駆動モータ102の回転速度を制御してもよい。
(1)ポジション4(光ディスク2の挿入待ち、待機ポジション。)
(2)ポジション5(光ディスク2の挿入を検出。駆動モータ102の回転を開始させ、光ディスク2をローディングし始める。)
(3)ポジション6(ダブルチャックポジション、光ディスク2のチャッキングを確実にするために、トラバースリフトアップを行い、2回チャッキング動作を行なう。)
(4)ポジション8(リードライトポジション、光ディスク2の再生、記録位置。)
(5)ポジション1(イジェクトポジション、光ディスク2のイジェクトが完了する位置。)
【0218】
以上説明した本実施形態にかかるディスク駆動装置1において実行される動作の流れを、以下の表1〜17に示す。なお、各表中の、確認順番の数字は対応するスイッチ状態がスイッチ状態検出部234により検出される順番を示し、ポジション番号はディスク駆動装置1に対する光ディスク2の相対位置を番号化したものである。また、下矢印は駆動モータ102がCCW方向に回転していることを示し、上矢印は駆動モータ102がCW方向に回転していることを示し、右矢印は駆動モータ102がCCW方向からCW方向へ回転方向が切り替わったことを示し、左矢印は駆動モータ102がCW方向からCCW方向へ回転方向が切り替わったことを示す。
【0219】
また、各表が示す動作内容は以下の通りである。
表1:挿入動作(正常時)
表2:排出動作(正常時)
表3:排出動作(光ディスク2が正常に取り出されない、または排出途中で再挿入されたなどの異常発生時、以下、単に異常発生時とする。)
表4:ポジション8において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表5:ポジション7において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表6:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表7:ポジション5において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表8:ポジション5において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表9:ポジション6において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表10:ポジション6において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表11:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表12:ポジション2において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表13:ポジション4において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表14:ポジション3において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表15:ポジション1において電源オンされた場合の初期動作(正常時)
表16:ポジション3において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
表17:ポジション1において電源オンされた場合の初期動作(異常発生時)
【0220】
【表1】
【0221】
【表2】
【0222】
【表3】
【0223】
【表4】
【0224】
【表5】
【0225】
【表6】
【0226】
【表7】
【0227】
【表8】
【表9】
【0228】
【表10】
【0229】
【表11】
【0230】
【表12】
【0231】
【表13】
【0232】
【表14】
【0233】
【表15】
【0234】
【表16】
【0235】
【表17】
【0236】
表1〜表17に示しように、本実施形態においては、駆動モータ102がCCW方向に回転しているにも拘らず、スイッチ状態が〔L L H〕である場合、駆動モータ制御部238は駆動モータ102の制御を継続する。例えば、表3に示したように、駆動レバー52がポジション8からポジション1へ移動され、ポジション4に戻ったときにスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、駆動モータ制御部238は駆動モータ102を制御し、ポジション8へと駆動レバー52を移動させる。表8、10、13、16および17は電源オン時の初期動作を表しているが、駆動レバー52がポジション4に戻ったときにスイッチ状態〔L L H〕が検出されると、ポジション8へと駆動レバー52が移動される点は表3と同様である。
【0237】
また、駆動レバー52が中途半端な位置にあるときに電源が遮断された場合にも、電源オン後の初期動作にて、各部材を破損することなく駆動レバー52を初期位置(例えば、ポジション4、8)へ移動させることができる。
【0238】
以上説明したように、本実施形態によれば、判断部236が、駆動レバー52の位置に応じて状態が切り替えられる検出スイッチSWの状態と、回転方向検出部232により検出された駆動モータ102の回転方向を、複合的に用いて挿排動作の異常発生の有無を判断する。したがって、単に検出スイッチSWの状態にのみ基づいて挿排動作の異常発生の有無を判断する場合と比較して、検出スイッチSWの数を削減することができる。なお、検出スイッチSWの数が1つ減って本実施形態のように3つになれば、ディスク駆動部200およびサーボ部220間の信号線も1つ削減することができる。その結果、例えば50pinFFC1本でディスク駆動部200およびサーボ部220間を接続可能となり、コストダウンを図り得る。
【0239】
また、本実施形態においては、ラック部材101は、通常、駆動モータ102がCCW方向に回転すると、駆動レバー52の所定範囲における背面側の当接部53に当接されながら駆動レバー52と共に背面側へ移動される。そこで、判断部236は、回転方向検出部232により駆動モータ102がCCW方向に回転していると検出され、スイッチ状態検出部234によりラック部材101が背面側の当接部53に当接していないと検出されている場合、適確に挿排動作の異常が発生していると判断することができる。
【0240】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0241】
例えば、本明細書のディスク駆動装置1の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、ディスク駆動装置1の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】本実施形態にかかるディスク駆動装置が適用される情報処理装置の一例を示した説明図である。
【図2】PCの構成を示した機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るディスク駆動装置1の外観斜視図である。
【図4】ディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図である。
【図5】ディスク駆動装置の構造を示す平面図
【図6】ディスク駆動装置のベースユニットの斜視図である。
【図7】ディスク駆動装置の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図8】ディスク駆動装置の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図9】ディスク駆動装置の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【図10】カム部の形状を示した概略図である。
【図11】駆動レバーの詳細な構成を示した説明図である。
【図12】カムレバーの形状を示した説明図である。
【図13】ローディング時の駆動レバーの平面図
【図14】イジェクト時の駆動レバーの平面図
【図15】ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す側面図である。
【図16】ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す側面図である。
【図17】ベースユニットがチャッキング中間位置にある状態を示す側面図である。
【図18】大径ディスクが挿入される前の初期状態(ポジション4)を示す平面図である。
【図19】ポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図20】大径ディスクの引き込み開始状態(ポジション5)を示す平面図である。
【図21】ポジション5における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図22】大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図23】大径ディスクのセンタリングの状態を示す平面図である。
【図24】大径ディスクのチャッキング完了(ポジション8)状態を示す平面図である。
【図25】ポジション8における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図26】大径ディスクのイジェクト途中のポジション4を示す平面図である。
【図27】イジェクト途中のポジション4における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図28】大径ディスクが取り出されるポジション1の状態を示した説明図である。
【図29】ポジション1における各検出スイッチSWの状態を示した説明図である。
【図30】各ポジションにおいて検出されるスイッチ状態を示した説明図である。
【図31】ローディング動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図32】イジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図33】異常時のイジェクト動作とスイッチ状態の関係を示した説明図である。
【図34】本実施形態にかかるディスク駆動装置による光ディスク2の挿入動作(ローディング)の流れを示したフローチャートである。
【図35】本実施形態にかかるディスク駆動装置による光ディスク2の排出動作(いイジェクト)の流れを示したフローチャートである。
【図36】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【図37】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【図38】本実施形態にかかるディスク駆動装置の初期動作の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0243】
19 スロット
34 ディスク搬送機構
35 第1の回動アーム
36 第2の回動アーム
52 駆動レバー
53 背面側の当接部
102 駆動モータ
232 回転方向検出部
234 スイッチ状態検出部
236 判断部
238 駆動モータ制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と;
駆動モータと;
前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と;
前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と;
前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と;
前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と;
前記第1の検出部の状態と、前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向と、に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部と;
を備えることを特徴とする、ドライブ装置。
【請求項2】
前記スライド部は、前記駆動モータによる動力が伝達され、前記スライド部の前記直線方向の所定範囲内で可動であるラック部材を有し、
前記ラック部材は、前記駆動モータが所定方向に回転すると、前記所定範囲における一側の当接部に当接されながら前記スライド部と共に前記一側へ移動され、
前記第1の検出部は、前記スライド部および前記ラック部材の位置に応じて状態が切り替えられ、
前記駆動モータが前記所定方向に回転していると前記第2の検出部に検出され、前記ラック部材が前記一側の当接部に当接していないと前記第1の検出部により検出されると、前記判断部は、前記挿排動作の異常が発生していると判断することを特徴とする、請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記判断部により前記挿排動作の異常が発生していると判断されると、前記駆動モータを制御し、前記搬送部に前記挿排動作を継続させる制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項4】
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置において実行される異常検出方法であって:
前記搬送部が前記挿排動作を行なうステップと;
前記第1の検出部が前記スライド部の位置に応じて状態を切り替えるステップと;
前記第2の検出部が前記駆動モータの回転方向を取得するステップと;
前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断するステップと;
を含むことを特徴とする、異常検出方法。
【請求項5】
コンピュータを、
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置における、
前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部として機能させるための、プログラム。
【請求項1】
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と;
駆動モータと;
前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と;
前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と;
前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と;
前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と;
前記第1の検出部の状態と、前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向と、に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部と;
を備えることを特徴とする、ドライブ装置。
【請求項2】
前記スライド部は、前記駆動モータによる動力が伝達され、前記スライド部の前記直線方向の所定範囲内で可動であるラック部材を有し、
前記ラック部材は、前記駆動モータが所定方向に回転すると、前記所定範囲における一側の当接部に当接されながら前記スライド部と共に前記一側へ移動され、
前記第1の検出部は、前記スライド部および前記ラック部材の位置に応じて状態が切り替えられ、
前記駆動モータが前記所定方向に回転していると前記第2の検出部に検出され、前記ラック部材が前記一側の当接部に当接していないと前記第1の検出部により検出されると、前記判断部は、前記挿排動作の異常が発生していると判断することを特徴とする、請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記判断部により前記挿排動作の異常が発生していると判断されると、前記駆動モータを制御し、前記搬送部に前記挿排動作を継続させる制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項4】
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置において実行される異常検出方法であって:
前記搬送部が前記挿排動作を行なうステップと;
前記第1の検出部が前記スライド部の位置に応じて状態を切り替えるステップと;
前記第2の検出部が前記駆動モータの回転方向を取得するステップと;
前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断するステップと;
を含むことを特徴とする、異常検出方法。
【請求項5】
コンピュータを、
円盤状の記憶媒体が挿入および排出される挿排口を有する筐体と、駆動モータと、前記駆動モータによる動力を受け直線方向に往復運動するスライド部と、前記スライド部の往復運動に連動し、前記挿排口を介して前記筐体に前記記憶媒体を挿入、または前記筐体から前記記憶媒体を排出する挿排動作を行なう搬送部と、前記スライド部の位置に応じて状態が切り替えられる第1の検出部と、前記駆動モータの回転方向を検出する第2の検出部と、を備えるドライブ装置における、
前記第1の検出部の状態と前記第2の検出部により検出された前記駆動モータの回転方向に基づいて前記搬送部による前記挿排動作の異常発生の有無を判断する判断部として機能させるための、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2009−37693(P2009−37693A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201200(P2007−201200)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]