説明

ドレイン排水溝部材、及びドレイン排水床構造

【課題】屋外の床面に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、施工が容易なドレイン排水溝部材を床材とともに設置し、ドレイン水が排水可能なドレイン排水床構造を提供する。
【解決手段】ドレイン排水溝部材41の両側部46の外面と床材47の縁部との距離が比較的大きい状態で、ドレイン排水部材41の両側部46の外面と張出部42の裏面とで形成された空間部と床材47の厚みが、床材47の厚みが厚い場合には、ドレイン排水溝部材41の裏面が床下地と載置、又は接着剤等の接合処理剤G4により貼着されるが、張出部42の裏面と床材47表面の間に隙間が生じることとなる。当該隙間はシーリング剤等による接合処理によって、塞ぐことにより外部からの埃や砂、水等の浸入を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレイン排水溝部材、及びドレイン排水床構造に関するものであり、より具体的にはドレイン水を受けて排水するばかりでなく、施工が容易なドレイン排水溝部材、及び前記ドレイン排水溝部材を床材とともに設置し、ドレイン水が排水可能なドレイン排水床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンション等の集合住宅の共通廊下やベランダ等である屋外には、通常、冷暖房機の外機が設置されている。そして、外機からは、ドレインホースを通じてドレイン水が排出されている。
【0003】
ところで、ドレイン水をそのまま屋外の床面に垂れ流すと、ドレイン水が床面に広がっていくため、ドレイン水の広がった場所に埃や砂等が付着し、床面に、汚れやしみができたりカビが発生したりしていた。また、ドレイン水により床面が濡れることにより、滑りやすくなり、歩行者の転倒事故が発生しやすくなり、安全性の観点からも好ましくなかった。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するため、ドレインホースからのドレイン水を排出するための溝状の排水路を設けたドレイン排水溝部材が提供されている(特許文献1)。また、当該ドレイン排水溝部材の改良技術として、床材との熱溶着作業を容易にするため、排水路の両側に熱溶着するための作業領域を設けたドレイン排水溝部材が提供されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−46762号公報
【特許文献2】特開2000−136602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にドレイン排水溝部材では、床材とともに床面に施工する際、ドレイン排水溝部材を設置する部分の床材を切り欠いて施工するか、或いは当該部分を開けて床材を施工しなければならない。上記ドレイン排水溝部材はその側面と隣接する床材とを熱溶着等の接合処理を行わなければならなかった。従って、かなり正確に計測して、ドレイン排水溝部材を設置する部分を当該ドレイン排水溝部材の幅に合わせるという施工をしなければならず、きわめて煩雑であった。
【0006】
また、上記ドレイン排水溝部材を設置する部分の幅が一部でも狭すぎる場合にはドレイン排水溝部材が床材間に設置できないという問題があり、一方、ドレイン排水溝部材を設置する部分の幅が一部でも広すぎる場合には床材との接合が不十分となって隙間が生じ、当該隙間から水、埃、砂等が入り込み、美観上好ましくないばかりかドレイン排水溝部材はもちろん、当該ドレイン排水溝部材と隣接する床材も剥離してくる等の問題が生じ、改善が強く望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決したものであり、請求項1記載の発明は、屋外の床面に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されたことを特徴とするドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項1記載の発明により、排水路を構成する両側部から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されているため、床面に施工する際、前記空間部に隣接する床材の端部を挿設して施工することができる。従って、床面に本発明ドレイン排水溝部材を施工する際、厳密に幅寸法を計測し、床材間に当該ドレイン排水溝部材の施工する位置を空ける必要がないため容易に施工することができ、施工技術が未熟な作業者でも効率的に施工作業を行うことができる。尚、本明細書において、床材とは、合成樹脂、石材、又は陶器からなるタイル、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂からなるシートをいう。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、屋外の床面に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部、及び前記両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部が形成され、前記両側部の外面と両側部の前記張出部の裏面、及び前記下縁張出部の表面により空間部が形成されたことを特徴とするドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の特徴に加え、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が略直角であるドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項2又は3の特徴に加え、両側部の外面と下縁張出部の表面とのなす角度が略直角であるドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一に記載の特徴に加え、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であるドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至4に何れか一に記載の特徴に加え、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6に何れか一に記載の特徴に加え、張出部裏面に溝部を設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0014】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至7に何れか一に記載の特徴に加え、張出部の裏面、及び/又は先端部に下方に突出したスカート部を設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0015】
また、請求項9記載の発明は、請求項8に記載の特徴に加え、スカート部の突出方向と両側部の外面とのなす角度が鋭角であるドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0016】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9に何れか一に記載の特徴に加え、排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0017】
また、請求項11記載の発明は、請求項10記載の特徴に加え、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0018】
また、請求項12記載の発明は、請求項11に記載の特徴に加え、排水路を形成する両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0019】
また、請求項13記載の発明は、請求項11、又は12に記載の特徴に加え、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が形成されている請求項11、又は12記載のドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0020】
また、請求項14記載の発明は、請求項12、又は13に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部が上向き及び/又は下向きの突部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の突部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0021】
また、請求項15記載の発明は、請求項12、又は13に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部が上開き及び/又は下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の凹部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0022】
また、請求項16記載の発明は、請求項12、又は13に記載の特徴に加え、蓋部材の縁部が、断面波形形状を有しており、排水路の両側部の溝部が、前記縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、前記蓋部材の縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている記載のドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0023】
また、請求項17記載の発明は、請求項12に記載の特徴に加え、排水路を形成する両側部に設けられた溝部が、水平に対して傾斜して形成されているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0024】
また、請求項18記載の発明は、請求項11に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0025】
また、請求項19記載の発明は、請求項18に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部の溝部が水平に対して傾斜して形成されているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0026】
また、請求項20記載の発明は、請求項12、13、18、19の何れか一に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部に設けられた溝部が上開き及び/又は下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の凸部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の溝部の凹部が前記排水路の両側部の凸部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0027】
また、請求項21記載の発明は、請求項12、13、18、19の何れか一に記載の特徴に加え、蓋部材の両縁部に設けられた溝部が上向き及び/又は下向きの突部を有しており、排水路の両側部の凸部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の縁部の溝部の突部が前記排水路の両側部の凸部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0028】
また、請求項22記載の発明は、請求項12、13、18、19の何れか一に記載の特徴に加え、蓋部材の縁部の溝部が、断面波形形状を有しており、排水路の前記両側部の凸部が、前記縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、蓋部材の前記縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0029】
また、請求項23記載の発明は、請求項1乃至22に何れか一に記載の特徴に加え、排水路が中央の幅狭領域と、その幅狭領域を含む幅広領域とを有しているドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0030】
また、請求項24記載の発明は、請求項1乃至23に何れか一に記載の特徴に加え、排水路の底部に複数のリブを設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0031】
また、請求項25記載の発明は、請求項1乃至24に何れか一に記載の特徴に加え、蓋部材の裏面に複数のリブを設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0032】
また、請求項26記載の発明は、請求項1乃至25に何れか一に記載の特徴に加え、排水路の底面が両側から中央に向けて漸次低くなっているドレイン排水溝部材提供するものである。
【0033】
請求項27記載の発明は、床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されたドレイン排水溝部材を前記空間部に隣接した床材を挿設して床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造を提供するものである。
【0034】
また、請求項28記載の発明は、床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部、及び前記両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部が形成され、前記両側部の外面と両側部の前記張出部の裏面、及び前記下縁張出部の表面により空間部が形成されたドレイン排水溝部材を前記空間部に隣接する床材を挿設して床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造を提供するものである。
【0035】
また、請求項29記載の発明は、請求項27、又は28の特徴に加え、張出部の少なくとも裏面の一部、及び/又は張出部の先端部が接合処理することにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0036】
また、請求項30記載の発明は、請求項27乃至29に何れか一に記載の特徴に加え、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であることによって形成された空洞部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0037】
また、請求項31記載の発明は、請求項27乃至30に何れか一に記載の特徴に加え、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0038】
また、請求項32記載の発明は、請求項27乃至31に何れか一に記載の特徴に加え、張出部の裏面に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0039】
また、請求項33記載の発明は、請求項27乃至32に何れか一に記載の特徴に加え、張出部の裏面、及び/又は張出部の先端部、に設けた下方に突出したスカート部の少なくとも先端部分の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0040】
また、請求項34記載の発明は、請求項27乃至33に何れか一に記載の特徴に加え、張出部の裏面に設けられた両側部の外面と突出方向のなす角度が鋭角であるスカート部の突出方向側、又は前記両側部の外面側と、前記張出部の裏面から形成される空間部に隣接する床材が挿設され、接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0041】
また、請求項35記載の発明は、請求項27乃至34に何れか一に記載の特徴に加え、ドレイン排水溝部材の排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0042】
また、請求項36記載の発明は、請求項35の特徴に加え、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0043】
また、請求項37記載の発明は、請求項36の特徴に加え、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水床構造を提供するものである。
【0044】
また、請求項38記載の発明は、請求項27乃至37に何れか一に記載の特徴に加え、排水路の底部に複数のリブを設けたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0045】
また、請求項39記載の発明は、請求項27乃至38に何れか一に記載の特徴に加え、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が形成されているドレイン排水床構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0046】
本発明の請求項1記載の発明によれば、排水路を構成する両側部の上縁から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されているため、床面に施工する際、前記空間部に隣接する床材の端部を挿設して施工することができる。従って、床面に本発明ドレイン排水溝部材を施工する際、厳密に幅寸法を計測し、床材間に当該ドレイン排水溝部材の施工する位置を空ける必要がないため容易に施工することができ、施工技術が未熟な作業者でも効率的に施工作業を行うことができる。
【0047】
また、床材の厚みにかかわらず、種種の床材とともに施工した場合、不自然な段差を生じることがなく美麗に施工することが可能である。従って、本発明の請求項1記載の発明によれば、床材の厚み差による段差を生じることはなく、施工後の仕上がりも良好であることに加え、床材とドレイン排水溝部材との組み合わせの自由度が飛躍的に向上させることができる。
【0048】
本発明の請求項2記載の発明によれば、排水路を構成する両側部の上縁から横方向に張り出した張出部、及び前記両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部が形成され、前記両側部の外面と両側部の前記張出部の裏面、及び前記下縁張出部の表面により空間部が形成されているため、床面に施工する際、前記空間部に隣接する床材の端部を挿設して施工することができる。従って、床面に本発明ドレイン排水溝部材を施工する際、厳密に幅寸法を計測し、床材間に当該ドレイン排水溝部材の施工する位置を空ける必要がないため容易に施工することができ、施工技術が未熟な作業者でも効率的に施工作業を行うことができる。
【0049】
また、万一、床材と本発明ドレイン排水溝部材の継ぎ目部分から水が浸入したとしても、上記下縁張出部により、浸入した水が床材、及びドレイン排水溝部材と床下地の界面まで到達しにくいので、床材、及びドレイン排水溝部材が上記浸入した水によって剥離するという現象を未然に防止することができる。さらに、ドレイン排水溝部材も前記下縁張出部によって安定的に床面に固定することができる。
【0050】
請求項3記載の発明によれば、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が略直角であるため、隣接する床材を前記張出部と両側部の外面で形成される空間部に挿設しやすくなり、安定的に床材と接合し固定することができる。
【0051】
請求項4記載の発明によれば、両側部の外面と下縁張出部の表面とのなす角度が略直角であるため、隣接する床材を前記下縁張出部と両側部の外面で形成される空間部に挿設しやすくなり、安定的に床材と接合し固定することができる。
【0052】
請求項5記載の発明によれば、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であることにより、両側部の外面と張出部の裏面とから形成された空間部に床材を挿設したときに当該床材表面と前記張出部の裏面により空間部を形成することができ、当該空間部に、シーリング材等の接合処理剤を充填することが可能となり、床材との接合の安定性、及び床材とドレイン排水溝部材の継ぎ目からの水等の浸入をより有効に防止することができる。尚、本明細書において、接合処理とは、接着剤による貼着処理、シーリング剤による貼着処理、シーム液による貼着処理、熱溶着処理のうちの少なくとも一以上をいうものとする。また、接合処理剤とは、前記接合処理に使用する処理剤をいうものとし、具体的には接着剤、シーリング剤、シーム液、熱溶着処理にあっては、熱溶着処理に使用する溶接棒をいうものとする。
【0053】
請求項6記載の発明によれば、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に設けた溝部に、シーリング材等の接合処理剤を充填することが可能となり、床材との接合の安定性、及び床材とドレイン排水溝部材の継ぎ目からの水等の浸入をより有効に防止することができる。
【0054】
請求項7記載の発明によれば、張出部の裏面に設けた溝部にシーリング材等の接合処理剤を充填することが可能となり、床材との接合の安定性、及び床材とドレイン排水溝部材の継ぎ目からの水等の浸入をより有効に防止することができる。
【0055】
請求項8記載の発明によれば、張出部の裏面、及び/又は先端部に下方に突出するように設けたスカート部を利用して接合処理を行うことにより、本発明ドレイン排水溝部材と床材との継ぎ目から水等の浸入を有効に防止することができる。スカート部は凹凸に対する追従性を有しているため、シーム液によって容易かつ迅速に水密的に接合させることが可能であり、スカート部と床材表面との接合部にシーリング処理、又は接着剤で貼着させても同様な効果を得ることができる。
【0056】
請求項9記載の発明によれば、スカート部の突出方向と両側部の外面とのなす角度が鋭角であるため、施工する際、スカート部が張出部の先端方向に向かって床材表面と追従するため、接合処理がよりしやすくなるという利点がある。
【0057】
請求項10記載の発明によれば、排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられているため、ドレイン水が風で吹き飛ばされて床面を濡らせてしまうことがなく、加えて、排水路に埃や砂等が溜まることがない。従って、円滑なドレイン水の排水が確保されるとともに、排水路に溜まる埃や砂等の除去のためのメンテナンス作業の労力負担が極めて軽減される。
【0058】
請求項11記載の発明によれば、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているため、容易に蓋部材の着脱が可能である。また、長年の使用により、排水路が詰まった場合には、蓋部材をスライドさせることにより、取り外すことができるため、メンテナンス作業が非常に容易に行うことができる。さらに、蓋部材の交換作業等も容易かつ迅速に行うことができる。
【0059】
請求項12記載の発明によれば、排水路を形成する両側部に設けられた溝部に蓋部材を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているため、簡単な構造で蓋部材の脱着が安定的に可能となる。また、蓋部材の両縁部が通水部材の排水路の両側部の溝部に挿入された状態で、蓋部材が通水部材に取り付けられるので、蓋部材は利用者の通常の歩行によっても外れにくいという効果を奏することができる。さらに、蓋部材の両縁部と通水部材の排水路の両側部の溝部との間には蓋部材と通水部材としての遊びが存在しているため、蓋部材の脱着が困難になることはなく、さらには、脱着を繰り返してもスライドが困難になったり、蓋部材が外れやすくなることはない。また、部材が経時的に変化しても、遊びがその変形を吸収することができるので、蓋部材のスライドが不可能になることはない。さらに、部材の可撓性の大小にかかわらず、蓋部材のスライドを円滑に行うことができる。尚、本明細書において、通水部材とは、本発明ドレイン排水溝部材可能な蓋部材を有する実施形態において、排水路を有する部材をいうものとする。
【0060】
請求項13記載の発明によれば、排水路を流れるドレイン水がスライド部分、即ち、両側部に設けられた溝部から溢れ出すのを、突出部によって効果的に防止できる。
【0061】
しかも、上記突出部が蓋部材の両縁部を支持しているので、通水部材に対する蓋部材の装着安定性を向上させ、また、蓋部材が踏まれた場合の凹み具合を低減することができる。
【0062】
請求項14、15、または16記載の発明によれば、スライド部分における蓋部材と通水部材との装着状態を安定させることができ、また、ドレイン水がスライド部分から漏れて溢れ出すのを防止することができる。
【0063】
請求項17記載の発明によれば、排水路を形成する両側部に設けられた溝部が、水平に対して傾斜して形成されているため、前記溝部が傾斜している分だけ蓋部材に応力が働くので、上からの踏圧等の圧力に対する強度を向上させることができる。
【0064】
請求項18記載の発明によれば、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっているため、蓋部材を簡単な構成によって、安定して通水部材に対してスライドさせることができる。また、蓋部材の両縁部の溝部に通水部材の排水路の両側部の凸部が挿入された状態で蓋部材が通水部材に取り付けられるので、蓋部材は利用者の歩行によっても外れにくい。また、蓋部材の両縁部の溝部と通水部材の排水路の両側の凸部との間には、蓋部材を通水部材に対してスライドさせるために、遊びが存在しているため、さらに、蓋部材の両縁部と通水部材の排水路の両側部の溝部との間には蓋部材と通水部材としての遊びが存在しているため、蓋部材の脱着が困難になることはなく、さらには、脱着を繰り返してもスライドが困難になったり、蓋部材が外れやすくなることはない。また、部材が経時的に変化しても、遊びがその変形を吸収することができるので、蓋部材のスライドが不可能になることはない。さらに、部材の可撓性の大小にかかわらず、蓋部材のスライドを円滑に行うことができる。
【0065】
請求項19記載の発明によれば、蓋部材の両縁部の溝部が水平に対して傾斜して形成されているため、当該傾斜によって生じる蓋部材に働く応力により、蓋部材のスライドをより安定的にすることができる。
【0066】
請求項20、21、又は22記載の発明によれば、スライド部分における蓋部材と通水部材との装着状態を安定させることができ、また、ドレイン水がスライド部分から漏れて溢れ出すのを防止することができる。
【0067】
請求項23記載の発明によれば、ドレイン水が少ない場合にはドレイン水を幅狭領域に流し、ドレイン水が多い場合にはドレイン水を幅広領域に流すことにより、排水路が不必要に広く使用されるのを回避できる。従って、メンテナンスの領域も小さくなり、メンテナンスの労力負担を軽減することができる。
【0068】
請求項24記載の発明によれば、排水路の底部に設けられたリブによって下方から蓋部材を支持することができるため、蓋部材の上方から加わる踏圧等の圧力に対する前記蓋部材の変形等を有効に防止することができる。さらに、前記リブがドレイン水の導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0069】
請求項25記載の発明によれば、蓋部材の裏面に設けられたリブによって下方から蓋部材を支持することができるため、請求項24記載の発明と同様、蓋部材の上方から加わる踏圧等の圧力に対する前記蓋部材の変形等を有効に防止することができる。さらに、前記リブがドレイン水に達する程度の長さを有する場合には、ドレイン水の導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0070】
請求項26記載の発明によれば、ドレイン水を排水路の中央に集めて効率よく導水することができる。
【0071】
請求項27記載の発明によれば、ドレイン排水溝部材の通水部材の両側部と隣接する床材の縁部との間に隙間があっても張出部によって当該隙間を塞ぐことができる。従って、床面への施工の際、ドレイン排水溝部材と床材との間の正確な寸法合わせが不要となり、施工作業性を向上させることができる。
【0072】
請求項28記載の発明によれば、ドレイン排水溝部材の通水部材の両側部と隣接する床材の縁部との間に隙間があっても張出部によって当該隙間を塞ぐことができることに加え、下縁張出部によって隣接する床材との接合安定性、及びドレイン排水溝部材と床材との間から水等が浸入したとしても床下地と接着剤との界面に当該水等が達することを防止できるため、施工後に浸入した水等が原因となる剥離等は起こらず、施工後の施工安定性を向上させることができる。
【0073】
請求項29記載の発明によれば、張出部の少なくとも裏面の一部、及び/又は張出部の先端部が接合処理により隣接する床材と接合されているため、床材との接合を強化することができる。さらに、張出部の裏面の全面、又は張出部の全先端部が接合処理により接合されている場合には、床材との接合を強化することができることに加え、外部からの水等の浸入を防止することができ、施工後の施工安定性を向上させることができる。
【0074】
請求項30記載の発明によれば、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であることによって形成された空洞部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合され、前記空洞部によって、より多くの接合処理剤を当該空洞部に充填することができるため、床材との接合をより強化することができる。さらに、両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であることによって形成された空洞部の全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている場合には、前記空洞部によって、より多くの接合処理剤を充填することができるため、より有効に外部からの水等の浸入を防止することができ、施工後の施工安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0075】
請求項31記載の発明によれば、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合され、前記溝部によって、より多くの接合材を当該溝部に充填することができるため、床材との接合をより強化することができる。さらに、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に設けた溝部の全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている場合には、前記溝部によって、より多くの接合材を充填することができるため、より有効に外部からの水等の浸入を防止することができ、施工後の施工安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0076】
請求項32記載の発明によれば、張出部の裏面に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているため、前記溝部によって、より多くの接合処理剤を当該溝部に充填することができるため、床材との接合をより強化することができる。さらに、張出部の裏面に設けた溝部の全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている場合には、前記溝部によって、より多くの接合材を充填することができるため、より有効に外部からの水等の浸入を防止することができ、施工後の施工安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0077】
請求項33記載の発明によれば、張出部の裏面、及び/又は張出部の先端部、に設けた下方に突出したスカート部の少なくとも先端部分の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているため、前記スカート部の凹凸への追従性、及びスカート部への接合処理により、より隣接する床材との接合を強化することができ、加えて、前記スカート部により、張出部と床材の継ぎ目部分から埃や砂等の進入を最小限に抑止することができる。さらに、張出部の裏面、及び/又は張出部の先端部、に設けた下方に突出したスカート部の少なくとも先端部分の全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている場合には、張出部と床材との継ぎ目部分の隙間を網羅的に塞ぐことができるため、外部からの埃や砂等のみならず、水等の浸入もより有効に防止することができ、施工後の施工安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0078】
請求項34記載の発明によれば、張出部の裏面に設けられた両側部の外面と突出方向のなす角度が鋭角であるスカート部の突出方向側、又は前記両側部の外面側と、前記張出部の裏面から形成される空間部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されているため、前記空間部に接合処理剤を使用することによって、より隣接する床材との接合を強化することができ、加えて、前記スカート部、及び接合処理剤により、張出部と床材の継ぎ目部分への外部からの埃や砂等のみならず、水等の浸入もより有効に防止することができ、施工後の施工安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0079】
請求項35記載の発明によれば、ドレイン排水溝部材の排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられているため、ドレイン水が風で吹き飛ばされて床面を濡らせてしまうことがなく、加えて、外部から運ばれてきた排水路に埃や砂等が溜まることがない。従って、円滑なドレイン水の排水が確保されるとともに、排水路に溜まる埃や砂等の除去のためのメンテナンス作業の労力負担が極めて軽減される。
【0080】
請求項36記載の発明によれば、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているため、容易に蓋部材の着脱が可能である。また、長年の使用により、排水路が詰まった場合には、蓋部材をスライドさせることにより、取り外すことができるため、メンテナンス作業が非常に容易に行うことができる。さらに、蓋部材の交換作業等も容易かつ迅速に行うことができる。
【0081】
請求項37記載の発明によれば、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっているため、簡単な構造で蓋部材の脱着が安定的に可能となる。また、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、通水部材の排水路の両側部に設けられた凸部を挿入された状態で、蓋部材が通水部材に取り付けられるので、蓋部材は利用者の通常の歩行によっても外れにくいという効果を奏することができる。さらに、蓋部材の両縁部に形成された溝部と通水部材の排水路の両側部に形成された凸部との間には蓋部材と通水部材としての遊びが存在しているため、蓋部材の脱着が困難になることはなく、さらには、脱着を繰り返してもスライドが困難になったり、蓋部材が外れやすくなることはない。また、部材が経時的に変化しても、遊びがその変形を吸収することができるので、蓋部材のスライドが不可能になることはない。さらに、部材の可撓性の大小にかかわらず、蓋部材のスライドを円滑に行うことができる。
【0082】
請求項38記載の発明によれば、排水路の底部に複数のリブを設けたによって下方から蓋部材を支持することができるため、蓋部材の上方から加わる踏圧等の圧力に対する前記蓋部材の変形等を有効に防止することができる。さらに、前記リブがドレイン水の導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0083】
請求項39記載の発明によれば、排水路を流れるドレイン水がスライド部分から溢れ出すのを、突出部によって効果的に防止できる。しかも、上記突出部が蓋部材の両縁部を支持しているので、通水部材に対する蓋部材の装着安定性を向上させ、また、蓋部材が踏まれた場合の凹み具合を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0084】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ詳述する。図1は本発明ドレイン排水溝部材の一例のドレイン排水床構造の部分斜視図を示すものである。両側部6、6‘と底部3によって排水路4が形成されている。また、両側部6,6’から横方向に張り出した張出部2,2‘が形成されている。前記両側部6,6’の外面と張出部2,2‘の裏面とから形成された空間部に隣接している床材5,5’が挿設されている。尚、図1において、本発明ドレイン排水溝部材1と隣接している床材5、5‘の表面のエンボスは省略してある。また、図2は本発明ドレイン排水溝部材の一例の断面図を示すものである。図2に示すように、本発明ドレイン排水溝部材21は両側部26、26‘と底部24から排水路23が形成されている。また、前記両側部26、26’から横方向に張出部22、22‘が形成されている。さらに、本発明ドレイン排水溝部材21に形成されている張出部22、22’の裏面と両側部26、26‘の外面により空間部27、27’が形成されている。
【0085】
本発明ドレイン排水溝部材21を構成する素材はポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂の他、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、及びSBR、CR等の熱可塑性エラストマー、さらには、金属類、セラミクスであってもよい。また、運送時、及び施工時の取り扱いの容易性の見地から、可撓性を付与できる素材、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂、若しくはポリエチレン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を混合した樹脂や熱可塑性エラストマーが好ましく用いることができる。
【0086】
本発明ドレイン排水溝部材21に形成されている張出部22、22‘は前記空間部が形成されていればよく、必ずしも両側部26、26’の上縁から形成される必要はない。また、本発明ドレイン排水溝部材21の張出部22、22‘の幅は、上記空間部が形成されていれば特に限定はされないが、施工時に床材を当該空間部に床材を挿設し、安定的に設置するという観点から、2mm〜50mmであることが好ましく、さらに、5mm〜20mmがより好ましい。
【0087】
図3に本発明ドレイン排水溝部材を床材とともに施工した排水床構造の一例の部分断面図を示す。図3に示すように、張出部32、32‘の裏面と両側部36、36’の外面とから形成される空間部に床材37、37’が挿設される。本発明ドレイン排水溝部材31は施工の際、施工後の剥離、離脱等防止の観点から、少なくとも本発明ドレイン排水溝部材31の底部34の裏面、即ち、床下地と接している部分は接着剤、粘着剤、両面テープ等の貼着剤で貼着しておくことが好ましいが、歩行量等の使用条件によって、底部34の裏面について部分的に貼着剤で貼着してもよいし、また、全面的に貼着剤で貼着してもよい。ここで床下地とは一般的に使用される床下地をいい、例えば、モルタル、コンクリート、木床等を意味する。
【0088】
また、好ましくは、本発明ドレイン排水溝部材31の底部34の裏面を貼着剤で貼着することに加え、両側部36、36‘の外面と床材の縁部の間を接着剤、粘着剤、両面テープといった貼着剤で貼着、又はシーリング剤を充填する、若しくはシーム液で処理する、等の接合処理をし、さらに好ましくは、張出部32、32’の裏面と当該裏面に相対する床材の表面を上記と同様に接合処理をする。尚、本明細書において、接合処理とは、接着剤、粘着剤、両面テープといった貼着剤で貼着、又はシーリング剤を充填する、若しくはシーム液で処理する、等を言うものとする。G3は接合処理した接合処理剤を示す。本明細書において、接合処理剤とは接着剤、粘着剤、両面テープといった貼着剤、シーリング剤、及びシーム液をいうものとする。
【0089】
本発明ドレイン排水溝部材31の施工後、両側部36、36‘の外面と床材の縁部を接合処理すれば、張出部32、32’と床材の隙間から、外部からの埃や砂等が浸入を防止し、さらには水等が浸入して底部34の裏面と床下地まで達することによる剥離等の問題を未然に防止することができる。さらに、本発明ドレイン排水溝部材31の張出部32、32’の裏面と当該裏面と相対する床材表面とを接合処理することにより、より完全に外部からの埃、砂、水等の浸入を防止することができる。さらに、本発明ドレイン排水溝部材31の張出部32、32’と床材の隙間を塞ぐ手段として、溶接棒等により熱溶着する方法を用いてもよい。但し、上記接合処理も歩行量、埃、砂、水等の持込み量、又は暴露の程度によって、部分的に接合処理を行ってもよいし、全面的に接合処理を行ってもよい。
【0090】
また、本発明ドレイン排水溝部材は張出部裏面と両側部の外面とによって形成される空間部に床材が挿設され、両側部の外面、及び/又は張出部裏面により、床材と貼着、固定することができる。図4、及び5は前記空間部に床材が挿設された一例の本発明ドレイン排水床構造の部分断面図を示す。図4は本発明ドレイン排水溝部材41の両側部46の外面と床材47の縁部との距離lが比較的大きい状態を示しており、図5は本発明ドレイン排水溝部材51の両側部56の外面と床材57の縁部との距離が小さい状態を示している。図4、及び5に示すように、本発明ドレイン排水溝部材は床材の縁部と両側部外面との距離につき、ばらつきが生じても、対応することができる。即ち、本発明ドレイン排水溝部材を施工する際、従来のドレイン排水溝部材のように、精密に幅取りを行なって施工すべき部分の床材間にドレイン排水溝部材の施工すべき部分を設ける必要がない。従って、本発明ドレイン排水溝部材は従来のドレイン排水溝部材と比較して、容易かつ迅速に施工することができ、施工の熟練も従来のドレイン排水溝部材ほど必要としない。尚、参考までに図19に従来のドレイン排水溝部材の床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【0091】
また、図4、5は厚みの異なる床材の一例のドレイン排水床構造の部分断面図をも示している。図4は両側部の外面と張出部の裏面とで形成された空間部の高さと略同じ厚みを有する床材を施工した状態の部分断面図を示し、図5は両側部の外面と張出部の裏面とで形成された空間部の高さより大きい厚みを有する床材を施工した状態の部分断面図を示している。図5に示すように、前記空間部の高さより、床材の厚みが厚い場合には、本発明ドレイン排水溝部材の張出部52が床材間に橋設される状態で施工される。また、図4に示すように、前記空間部と床材の厚みが略同等の場合には、床材47の表面と張出部42の裏面とが接合処理されるとともに、本発明ドレイン排水溝部材41の底面の裏面と床下地が載置、又は接着剤等の接合処理剤により貼着される。さらに、前記空間部の高さより、床材の厚みが厚い場合には、本発明ドレイン排水溝部材の裏面が床下地と載置、又は接着剤等の接合処理剤により貼着されるが、前記張出部裏面と床材表面の間に隙間が生じることとなる。当該隙間はシーリング剤等による接合処理によって、塞ぐことにより外部からの埃や砂、水等の浸入を防ぐことができる。従って、本発明ドレイン排水溝部材は隣接する床材の厚さにかかわらず、施工可能であり、床材との施工の自由度が従来のドレイン排水溝部材と比較して向上させることができる。
【0092】
また、本発明ドレイン排水溝部材において、両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部を形成してもよい。図6は本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である下縁張出部を設けた一例の部分断面図を示す。図6で一例として示すように、両側部66の上縁から張出部62が、両側部66の下縁から下縁張出部68が形成されている。前記張出部62の裏面、前記下縁張出部68の上面、及び両側部66の外面が空間部67を形成している。床面に施工の際、前記空洞部67に床材が挿設される。本発明ドレイン排水溝部材61を施工する際には、床下地と底面64の裏面、及び/又は下縁張出部68の裏面に接着剤、粘着剤、両面テープ等の接合処理剤により、全面的、又は部分的に適宜使用条件に応じて、接合処理することができる。
【0093】
また、図7に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態の一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。図7に示すように、施工の際には張出部72の裏面、両側部76の外面、及び下縁張出部78の上面によって形成される空間部に床材77が挿設される。
【0094】
前記下縁張出部78の厚みが大きすぎると前記空間部に床材を挿設したとき、当該挿設されることによる床材77のひずみが大きくなり、本発明ドレイン排水溝部材71の前記ひずみに起因する張出部72の変形や床材77自体の部分的な剥離を生ずることがある。従って、下縁張出部78の最大の厚みは0.1mm〜1.5mmが好ましく、さらに、0.3mm〜0.8mmがより好ましい。
【0095】
また、前記下縁張出部78の幅、即ち、両側部76の外面から下縁張出部78の先端部までの張り出している長さは、とくに施工時、運搬時に支障がなければ限定はされない。また、必ずしも張出部72の幅と同等の幅である必要はない。たとえ前記下縁張出部78の幅が小さくとも当該下縁張出部78の存在により、床下地との接地面積が大きくなるため、本発明ドレイン排水溝部材71と床下地との貼着安定性を向上させることが可能であり、加えて、張出部72の裏面側に形成されている空間部に挿設された床材77との接地面積も大きくなり、又は接合処理剤G7の充填等を行った際には、当該接合処理剤G7と本発明ドレイン排水溝部材71との貼着面積が大きくなるため、本発明ドレイン排水溝部材71、及び床材間の貼着安定性も向上させることができるからである。
【0096】
前記空間部に挿設された床材77と、本発明ドレイン排水溝部材71の下縁張出部78、両側部76の外面、及び張出部72の裏面との間隙を接着剤、シーリング剤、さらには、シーム液によって接合処理をして前記隙間を塞ぎ、かつ床材77と本発明ドレイン排水溝部材71とを貼着、固定してもよい。前記接合処理は部分的に行ってもよいし、全面的に行ってもよく、床材77や本発明ドレイン排水溝部材71の使用状態により適宜選択するとよい。また、本発明ドレイン排水溝部材71は下縁張出部78により、床下地との貼着面積、及び床材77との貼着面積を大きくすることができるため、施工安定性が向上し、施工後に剥離等の問題が生じることは少ない。さらに、本発明ドレイン排水溝部材71に設けられた下縁張出部78により、接合処理可能な部位が大きくなるため、外部から浸入する埃、砂、水等をより有効かつ完全に防止することもできる。
【0097】
また、本発明ドレイン排水溝部材は図1で示すように両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が略直角になるように設けてもよい。前記両側部の外面と前記張出部の裏面とのなす角度が略直角に設けることにより、床材を本発明ドレイン排水溝部材の両側部の外面と張出部の裏面とによって形成される空間部に挿設する際、床材の縁部が略直角であることが多いことから、前記空間部に床材をより挿設しやすくなる観点から好ましい。
【0098】
また、本発明ドレイン排水溝部材に下縁張出部を設ける実施形態の場合も上記と同様に、両側部の外面と下縁張出部の表面とのなす角度を略直角になるように設けてもよい(図示せず)。前記両側部の外面と前記下縁張出部の裏面とのなす角度が略直角に設けることにより、床材を本発明ドレイン排水溝部材の両側部の外面と下縁張出部の裏面とによって形成される空間部に挿設する際、床材の縁部が略直角であることが多いことから、前記空間部に床材をより挿設しやすくなる観点から好ましい。
【0099】
また、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、両側部の外面と張出部の表面とのなす角度が鋭角にしてもよい。図8は本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角にした一例の部分断面図を示す。図8に示すように、両側部86の外面と張出部82の裏面とのなす角度が鋭角、即ち、90°未満になっている。さらに、図9に両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角にした本発明ドレイン排水溝部材の床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【0100】
図9に示すように、前記両側部96の外面と張出部92の裏面とのなす角度が鋭角になっているため、床材97を挿設したときに床材97の表面と張出部92の裏面との間に空間部が形成される。当該空間部により、シーリング等による接合処理がしやすくなり、加えてより多くの接合処理剤を充填することができるため、埃や砂、水等の浸入を効果的に防止することができる。尚、接合処理の作業性等の見地から、両側部96の外面と張出部92の裏面とのなす角度としては55°〜88°が好ましく、65°〜85°がより好ましい。
【0101】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けてもよい。図10は本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けた一例の部分断面図を示す。図10で示すように、両側部106の外面と張出部102の裏面とから形成されたコーナー部に溝部D10が設けられている。図11に両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けた本発明ドレイン排水溝部材に床材が挿設された一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。図11に示すように、本発明ドレイン排水溝部材111の空間部に床材117を挿設する場合、図10に示す溝部D10に接合処理の際、シーリング剤等を充填することができるため、非常に接合処理がしやすくなる。加えて、前記溝部D10にシーリング剤等を充填することができるため、より安定的に本発明ドレイン排水溝部材111と床材を接合、固定することができる。また、前記溝部D10に接合処理剤を部分的に充填して接合処理を行うか、全面的に充填して接合処理を行うかは本発明ドレイン排水溝部材111、及び当該部材とともに施工する床材の使用状態により、任意に選択することができる。さらに、前記溝部D10に接合処理剤を充填するとともに、張出部112の裏面と床材117の表面の間隙に部分的、又は全面的に接合処理剤を充填してもよい。
【0102】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の裏面に図10に示す溝部D10と同様の溝部を設けてもよい(図示せず)。本発明ドレイン排水溝部材の空間部に挿設する場合、前記溝部に接合処理の際、シーリング剤等を充填することができるため、非常に接合処理がしやすくなる。加えて、前記溝部にシーリング剤等を充填することができるため、より安定的に本発明ドレイン排水溝部材と床材を接合、固定することができる。本発明ドレイン排水溝部材に設ける溝部は例えば、図10、11に示すような比較的小さな溝を一又は二以上設けてもよいし、大きな一つの大きな溝部を設けてもよい。さらに、図10に示すような張出部の裏面と両側部の外面とのコーナー部の溝部を前記溝部に加えて設けてもよい。
【0103】
また、前記溝部に接合処理剤を部分的に充填して接合処理を行うか、全面的に充填して接合処理を行うかは本発明ドレイン排水溝部材、及び当該部材とともに施工する床材の使用状態により、任意に選択することができる。さらに、前記溝部に接合処理剤を充填するとともに、張出部の裏面と床材の表面の間隙に部分的、又は全面的に接合処理剤を充填してもよい。また、張出部裏面と両側部外面とから形成されるコーナー部に設けた溝部と比較して、本発明ドレイン排水溝部材の実施形態では張出部先端により近い位置に溝部が存在するために、より接合処理の際、接合処理剤の充填作業がしやすく、かつ埃や砂、水等の浸入をより手前で確実に阻止することができる点で有効である。
【0104】
また、張出部先端に接合処理部を設けてもよい。図20に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である張出部先端に接合処理部を設けた一例の部分断面図を示す。また、図21に張出部先端に接合処理部を設けた他の実施形態の本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。前記接合処理部208は張出部202の先端にシーリング剤等による接合処理をするため部分であり、接合処理に使用する接合処理剤が溜まりやすい構造を有している。具体的構造としては、図20に示すように、張出部202の先端部に接合処理部208が設けられている。前記接合処理部208は図20においては、前記張出部202から上方へ立ち上がる小さな面として示されているが、図示するような、小さな面でなくとも先端部に溝部を設けて接合処理部としたものでもよい。尚、前記接合処理部は接合処理剤を溜まりやすくし、より接合処理を行いやすくするためのものであることから、図20に示す接合処理部の場合、当該接合処理部の幅w20は0.5mm〜5mmが好ましく、1mm〜2mmがさらに好ましい。また、本実施形態では、接合処理剤が溜まりやすい構造を有しているため、接合処理が容易であり、加えて接合処理がより確実に行うことができる。接合処理部に接合処理することにより、シーリング剤等の接合処理剤G21により、張出部212の裏面と床材217の表面との間隙を塞ぐことができる。
【0105】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の裏面、及び/又は先端部に下方に突出したスカート部を設けてもよい。図12に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の裏面に下方に突出したスカート部を設けた一例の部分断面図を示す。図12で示すように、張出部122の裏面にスカート部S12が設けられている。当該スカート部S12は空間部127に挿設された床材の表面が平滑である場合にはさほど前記スカート部S12に可撓性は必ずしも必要はない。しかしながら、挿設される床材の表面がエンボス等の凹凸を有している場合には、前記スカート部に可撓性を有するようにすることで、当該凹凸に追従させることができるため、前記床材と張出部122との隙間を最小限に抑えることができ、さらに、シーリング剤等により接合処理を行うことにより、より確実に前記隙間を塞ぐことができる。また、可撓性を有するスカート部S12は空間部127に挿設される床材の表面の凹凸状態にかかわらず、床材と張出部122との隙間を最小限に抑えることができるという観点から好ましい。
【0106】
上述したように、前記スカート部S12は床材表面の凹凸に追従可能な程度の可撓性を有していることが好ましい。図13に張出部の裏面に下方に突出したスカート部を設けた本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。本発明ドレイン排水溝部材について、接合処理を行う際、スカート部S13の外側部、即ち、張出部132の先端部に近い側にシーリング剤等の充填処理等の接合処理をしてもよいし、スカート部S13の内側部、即ち、張出部132の両側部外面に近い側にシーリング剤等の充填処理等の接合処理をしてもよい。図13においては、スカート部S13の外側部に設けられた接合処理剤をG13、スカート部S13の内側部に設けられた接合処理剤をG13‘で示している。尚、前記接合処理発明スカート部S13と床材の表面との隙間部分のみを接合処理すれば、少ない接合処理剤で前記隙間部分を塞ぐことができコスト面でも有効である。さらに、張出部132の裏面と床材137の表面との間隙をより確実に塞ぐために、スカート部S13の内側部、及び外側部の双方に対して接合処理を行ってもよい。
【0107】
さらに、張出部132の裏面と床材137の表面との隙間が大きい場合でも、スカート部S13によって当該隙間を覆い隠すことができ、加えて、また、スカート部S13の突出している長さは床材表面の凹凸の追従することができ、スカート部S13の内側部、及び/又は外側部にシーリング剤等の充填処理等の接合処理ができれば、特に限定はされないが、床材137の表面のエンボス等の凹凸への追従性、及び張出部裏面と床材表面間の間隙を覆うという観点から、0.2mm〜5mmが好ましく、0.3mm〜2.5mmがさらに好ましい。また、張出部裏面に設けられるスカート部は一つでもよいし、2つ以上設けてもよい。
【0108】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の先端部に下方に突出したスカート部を設けてもよい。図14は本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の先端部に下方に突出したスカート部を設けた一例の部分断面図を示す。また、図15は張出部の先端部に下方に突出したスカート部を設けた他の実施形態の本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。図14に示すようにスカート部S14が設けられ、床材と施工した場合、図15に示すように、スカート部S15が床材の凹凸に追従するように構成されている。従って、張出部152の裏面と床材157の表面との隙間を前記スカート部S15を床材表面の凹凸等表面状態にかかわらず、覆うことができる。また、シーリング剤等による接合処理は上述した実施形態と同様、スカート部S15の外側部、又は内側部、さらには、外側部、及び内側部の双方で行ってもよい。
【0109】
さらに、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、張出部の裏面、及び先端部の双方にスカート部を設けてもよい(図示せず)。張出部の裏面、及び先端部の双方にスカート部を設けることにより、張出部裏面と床材表面との隙間を塞ぐ効果を向上させることができる。即ち、本発明ドレイン排水溝部材は張出部の裏面、及び先端部の双方にスカート部を設けてられていることから、少なくとも複数のスカート部を有しているため、張出部の裏面と床材表面との隙間の被覆性が向上させることができ、さらに、各スカート部の外側部、若しくは内側部、又はそれらの双方について、シーリング剤等による接合処理を行えば、張出部裏面と床材表面との隙間を塞ぐ効果を向上させることができる。加えて、本発明ドレイン排水溝部材と隣接する床材との貼着安定性も向上させることができる。
【0110】
本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けてもよい(図示せず)。前記排水路を蓋部材で塞ぐことにより、ドレイン水の風による床面への飛散や外部からの埃、砂等の排水路への進入を有効に防止することができ、実用上非常に有効であり、メンテナンス面でも頻繁に排水路に溜まった埃、砂等を排除する必要がない。本発明ドレイン排水溝部材に設ける蓋部材は排水路を上方から覆うように、一体的に構成されていても、脱着可能に構成されていてもよい。
【0111】
本発明ドレイン排水溝部材の排水路と一体的に構成する場合にはあらかじめ一体成型して蓋部材を設けてもよいし、接着剤等の貼着剤を用いて、別途排水路上方に蓋部材を設けてもよい。脱着可能に設ける場合には、公知の任意の構成を用いることができるが、嵌合、マジックテープ等構成を用いることが好ましい。嵌合によって蓋部材を脱着可能にする構成は、排水路を形成する両側部の上縁部に凹部を設け、蓋部材の裏面、即ち、排水路側に面する面の凸部を設けて嵌合可能にすることが好ましい。また、排水路を形成する両側部の上縁部に凸部を設け、蓋部材の裏面に前記凸部と嵌合可能な凹部を設けることも好ましい。尚、排水路を形成する両側部の上縁部に設ける凸部に代えて、排水路を構成する両側部の上縁部を蓋部材に設けられた凹部と嵌合させて脱着可能にしてもよい。
【0112】
さらに、本発明ドレイン排水溝部材に蓋部材を設ける場合には、ドレインホース差込孔部とドレイン排水溝部材の排水路を上方から塞ぐ蓋体から構成されているドレインホース連結具を蓋部材とともに装着することが好ましい。図16に本発明ドレイン排水溝部材に装着する一例のドレインホース連結具を示す。図16で示すように、円筒形状のドレインホース差込孔部161と平板状の蓋体162から構成されている。
【0113】
前記ドレインホース連結具を構成する蓋体162は、装着容易性の観点から本発明ドレイン排水溝部材の蓋部材と同様な構成にすることが好ましい。例えば、蓋部材に被嵌合部となる溝部が設けられている場合には、ドレインホース連結具を構成する蓋体162にも被嵌合部となる溝部を設ける。尚、あらかじめ、蓋部材とともに排水路と一体化させてもよい。
【0114】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能としてもよい。図17に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能とした一例の断面図を示す。両側部に溝部M17、M17‘が形成されており、蓋部材170の両縁部が当該溝部M17、M17’に挿入することによって、スライドして脱着可能になっている。蓋部材170がスライドによって脱着可能となっているため、脱着が容易であり、排水路のメンテナンスの際にも非常に便利である。
【0115】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようにしてもよい(図示せず)。蓋部材がスライドによって脱着可能となっているため、脱着が容易であり、排水路のメンテナンスの際にも非常に便利である。
【0116】
また、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部を設けてもよい。図22に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が設けた一例の断面図を示す。また、図23に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が設けた一例の部分断面図を示す。図22に示すように、両側部から突出部T22、22‘が設けられている。当該突出部T22、22’により、排水路223を流れるドレイン水が蓋部材220と嵌合するスライド部分、即ち、溝部M22、22‘から漏れて溢れ出すのを有効に防止することができる。
【0117】
また、前記構造によれば、図23に示す蓋部材230に踏圧等上からの力が加わっても突出部T23が前記蓋部材230を保持する効果があるので、蓋部材230の凹み具合を効果的に防止することができる。従って、突出部T23の幅、即ち、両側部から排水路内側に向かって突出している長さを調整することにより、上記スライド部分からのドレイン水の漏れ等の防止効果、及び蓋部材の上からの力に対する保持効果を任意に調節することも可能である。
【0118】
さらに、図23において、図示するように突出部は蓋部材の裏面に沿った状態で設けてもよいが、突出部の先端部分が蓋部材の裏面に向かって突出している構造であってもよい。図27に本実施形態の一例の断面図を示す。図27に示すように、突出部T27,27‘の先端部分が蓋部材270の裏面に向かって突出している。
【0119】
この構造によっても、上述したドレイン水の漏れ等の防止、及び蓋部材の保持による蓋部材の凹み低減の効果は奏することができるからである。
【0120】
さらに、突出部T27,27‘の先端部分は蓋部材270の裏面に当接していても当接していなくともよいが、当接している方が排水路の水密性がより向上し、スライド部分からのドレイン水の漏れ等をより有効に防止することができる。
【0121】
また、突出部は少なくともその一部が蓋部材に踏圧等上からの力が加わったとき、支持可能なように設けても良い。例えば、突出部が湾曲形状であって、当該突出部の腹部分、即ち、先端部以外の部分が蓋部材に踏圧等上からの力が加わった場合に支持するように設けても良い。尚、この場合でも蓋部材と突出部が当接してもしなくてもいずれでも良いが、当接している方が排水路の水密性がより向上し、スライド部分からのドレイン水の漏れ等をより有効に防止することができる。
【0122】
また、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が上向き及び/又は下向きの突部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の突部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようにしてもよい。図24に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が下向きの突部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の突部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。蓋部材240の縁部に突部t24が設けられている。一方、通水部材の側部には前記突部t24を有した蓋部材の縁部が嵌合し、かつスライドにより脱着可能なように溝部M24に上開きの凹部m24が形成されている。
【0123】
この構造によれば、蓋部材240の縁部に設けられた突部t24と、通水部材の側部の溝部M24に設けられた凹部m24とが嵌合しているため、当該溝部M24における蓋部材240と通水部材の装着状態を安定化させることができ、また、ドレイン水がスライド部分、即ち、溝部M24から漏れて溢れ出すことを有効に防止することができる。
【0124】
さらに、蓋部材両縁部に上向き、及び下向きの突部を設け、通水部材の両側部に設けられた溝部に前記突部と嵌合可能な凹部を形成してもよい。
【0125】
この構造によれば、蓋部材の両縁部の上下双方で蓋部材の突部、及び通水部材の両側部の溝部の凹部が嵌合して通水部材と装着されるため、より安定的に蓋部材を通水部材に装着することができ、ドレイン水が通水部材の両側部に設けられたスライド部分、即ち、溝部から漏れ、溢れ出すことをより有効に防止することができる。
【0126】
また、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が上開き及び/又は下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の凹部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている形態であってもよい。図25に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の凹部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。図25に示すように、蓋部材250の縁部に凹部m25が設けられている。一方、通水部材の側部には前記凹部m25を有した蓋部材の縁部が嵌合し、かつスライドにより脱着可能なように突部t25が形成されている。
【0127】
この構造によれば、蓋部材250の縁部に設けられた凹部m25と、通水部材の側部の溝部M25に設けられた突部t25とが嵌合しているため、当該溝部M25における蓋部材250と通水部材の装着状態を安定化させることができ、また、ドレイン水がスライド部分、即ち、溝部M25から漏れて溢れ出すことを有効に防止することができる。
【0128】
さらに、蓋部材の縁部に設けられた凹部が上開き、及び下開きの双方に設けられ、通水部材の側部に設けられた溝部に前記凹部と嵌合可能な突部を設けてもよい(図示せず)。
【0129】
この構造によれば、蓋部材の縁部の上下双方で蓋部材の凹部、及び通水部材の溝部の突部が嵌合して通水部材と装着されるため、より安定的に蓋部材を通水部材に装着することができ、ドレイン水が通水部材の側部に設けられたスライド部分、即ち、溝部から漏れ、溢れ出すことをより有効に防止することができる。
【0130】
さらに、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が、断面波形形状を有しており、排水路の両側部の溝部が、前記縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、前記蓋部材の両縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている形態のであってもよい。図26に蓋部材の両縁部が、断面波形形状を有しており、排水路の両側部の溝部が、前記両縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、前記蓋部材の両縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。図26で示すように、蓋部材260の縁部の断面波形状を有しており、排水路263の側部に設けられた溝部が前記蓋部材260の縁部の断面波形状と嵌合、スライド、及び脱着が可能となっている。
【0131】
この構造によれば、通水部材の溝部M26に形成された断面波形状部N26と蓋部材260の縁部に形成された断面波形状部n26同士が嵌合しているため、溝部M26における蓋部材260と通水部材との装着状態を安定させることができ、また、ドレイン水がスライド部分、即ち、溝部M26から漏れて溢れ出すのを防止できる。
【0132】
また、両側部に設けられた溝部を水平に対して傾斜して形成してもよい(図22、27参照)。溝部が傾斜しているため、蓋部材に応力が働き、踏圧等上からの圧力があっても、蓋部材が外れにくく安定的に装着させておくことができる。
【0133】
さらに、本発明ドレイン排水部材の他の実施形態として、排水路が中央の幅狭領域と、その幅狭領域を含む幅広領域とを有するようにしてもよい(図示せず)。この排水路では底部の中央に一段低い排水路が形成されており、これにより排水路は中央の幅狭領域と当該幅狭領域とを含む幅広領域を有している。
【0134】
この構造によれば、ドレイン水が少ない場合にはドレイン水を幅狭領域に流し、ドレイン水が多い場合にはドレイン水を幅広領域に流すことにより、排水路が不必要に広く使用されることを回避できる。従って、メンテナンスを簡素に行うことができる。
【0135】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路の底部に複数のリブを設けてもよい。図18に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路の底部に複数のリブを設けた一例の断面図を示す。図18に示すように、底部184に複数のリブL18が形成されているため、ドレイン水の導水を円滑に行うことができ、ドレイン水の流量が多い場合であっても、排水路183からドレイン水が溢れ出ることがない。
【0136】
さらに、排水路に蓋部材を有する場合には、底部に設けられたリブによって、上方からの踏圧等の圧力が加わっても蓋部材が大きく変形することがなく、本発明ドレイン排水溝部材の排水性能を維持することができる。
【0137】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の裏面に複数のリブを設けてもよい(図示せず)。上述した排水路の底面にリブを設けた場合と同様、蓋部材裏面に設けられたリブによって、上方からの踏圧等の圧力が加わっても蓋部材が大きく変形することがなく、本発明ドレイン排水溝部材の排水性能を維持することができる。さらに、蓋部材に設けられたリブが排水路を流れるドレイン水に達する程度の高さを有している場合には、上記効果に加え、ドレイン水の導水性の向上に寄与することができる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明ドレイン排水溝部材はドレイン水を円滑に導水することができるほか、容易に施工できるため、施工上の作業負担が著しく軽減することができる。さらに、本発明ドレイン排水溝部材と床材との縁部は従来の熱溶着が可能であることに加え、シーリング剤等の接合処理剤の充填処理に適した構造を有しているため、施工作業者の熟練を要さず確実に接合処理を行うことができ産業上の利用価値はきわめて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分斜視図を示す。
【図2】本発明ドレイン排水溝部材の一例の断面図を示す。
【図3】本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図4】本発明ドレイン排水溝部材の空間部に床材が挿設された本発明ドレイン排水床構造の一例の部分断面図を示す。
【図5】本発明ドレイン排水溝部材の空間部に床材が挿設された本発明ドレイン排水床構造の他の一例の部分断面図を示す。
【図6】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である下縁張出部を設けた一例の部分断面図を示す。
【図7】下縁張出部を設けた本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図8】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角にした一例の部分断面図を示す。
【図9】両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角にした本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図10】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けた一例の部分断面図を示す。
【図11】両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けた本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図12】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である張出部の裏面に下方に突出したスカート部を設けた一例の部分断面図を示す。
【図13】張出部の裏面に下方に突出したスカート部を設けた本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図14】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である張出部の先端部に下方に突出したスカート部を設けた一例の部分断面図を示す。
【図15】張出部の先端部に下方に突出したスカート部を設けた他の実施形態の本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図16】本発明ドレイン排水溝部材に装着する一例のドレインホース連結具の斜視図を示す。
【図17】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能とした一例の断面図を示す。
【図18】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である排水路の底部に複数のリブを設けた一例の断面図を示す。
【図19】従来のドレイン排水溝部材の床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図20】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である張出部先端に接合処理部を設けた一例の部分断面図を示す。
【図21】張出部先端に接合処理部を設けた他の実施形態の本発明ドレイン排水溝部材と床材との一例のドレイン排水床構造の部分断面図を示す。
【図22】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が設けた一例の断面図を示す。
【図23】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が設けた一例の部分断面図を示す。
【図24】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が下向きの突部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の突部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。
【図25】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が下開きの凹部を有しており、排水路の側部の溝部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の凹部が前記排水路の側部の溝部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。
【図26】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、蓋部材の両縁部が、断面波形形状を有しており、排水路の両側部の溝部が、前記両縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、前記蓋部材の両縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入される形態の一例の部分断面図を示す。
【図27】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路を形成する両側部から前記排水路の内側であって、蓋部材の裏面に向かって突出部が設けた一例の部分断面図を示す。
【符号の説明】
【0140】
1、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、121、131、141、151:本発明ドレイン排水溝部材
2、2‘、22、32、32‘、42、52、62、72、82、92、102、112、122、132、142、152、182、182’:張出部
3、23、183:排水路
4、24、34、64、74、84、104、114、124、134、144、152、184:底部
5、5‘7、37、37‘、47、57、77、97、107、117、137、157:床材
6、6‘、26、36、46、66、76、86、96、106、116、126、136、146、156、186、186‘206、216:両側部
68下縁張出部
27、67、87、107、127、147、187、187‘:空間部
161:ドレインホース差込孔部
162:蓋体
170:蓋部材
208:接合処理部
D10:溝部
G3、G3‘、G4、G5、G7、G9、G11、G13、G13’、G15、G21:接合処理剤
l:両側部外面から床材縁部までの距離
L18:リブ
M17、M17‘:両側部の溝部
S12、S13、S14、S15:スカート部
T22、T22‘、T23、T27、T27’:突出部
w:張出部幅
w20:接合処理部の幅


【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の床面に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されたことを特徴とするドレイン排水溝部材。
【請求項2】
屋外の床面に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部から横方向に張り出した張出部、及び前記両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部が形成され、前記両側部の外面と両側部の前記張出部の裏面、及び前記下縁張出部の表面により空間部が形成されたことを特徴とするドレイン排水溝部材。
【請求項3】
両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が略直角である請求項1又は2記載のドレイン排水溝部材。
【請求項4】
両側部の外面と下縁張出部の表面とのなす角度が略直角である請求項2又は3記載のドレイン排水溝部材。
【請求項5】
両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角である請求項1乃至3の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項6】
両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に溝部を設けた請求項1乃至4に何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項7】
張出部の裏面に溝部、及び/又は張出部先端に接合処理部を設けた請求項1乃至6に何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項8】
張出部の裏面、及び/又は先端部に下方に突出したスカート部を設けた請求項1乃至7の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項9】
スカート部の突出方向と両側部の外面とのなす角度が鋭角である請求項8記載のドレイン排水溝部材。
【請求項10】
排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられた請求項1乃至9の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項11】
蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっている請求項10に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項12】
排水路を形成する両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっている請求項11記載のドレイン排水溝部材。
【請求項13】
排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が形成されている請求項11、又は12記載のドレイン排水溝部材。
【請求項14】
蓋部材の両縁部が上向き及び/又は下向きの突部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の両縁部の突部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、又は13記載のドレイン排水溝部材。
【請求項15】
蓋部材の両縁部が上開き及び/又は下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の溝部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の凹部が前記排水路の両側部の溝部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、又は13記載のドレイン排水溝部材。
【請求項16】
蓋部材の縁部が、断面波形形状を有しており、排水路の両側部の溝部が、前記縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、前記蓋部材の縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、又は13記載のドレイン排水溝部材。
【請求項17】
排水路を形成する両側部に設けられた溝部が、水平に対して傾斜して形成されている請求項12記載のドレイン排水溝部材。
【請求項18】
蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっている請求項11記載のドレイン排水溝部材。
【請求項19】
蓋部材の両縁部の溝部が水平に対して傾斜して形成されている、請求項18記載のドレイン排水溝部材。
【請求項20】
蓋部材の両縁部に設けられた溝部が上開き及び/又は下開きの凹部を有しており、排水路の両側部の凸部に前記凹部が嵌合可能な突部が設けられており、前記蓋部材の縁部の溝部の凹部が前記排水路の両側部の凸部に設けられた突部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、13、18、19の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項21】
蓋部材の両縁部に設けられた溝部が上向き及び/又は下向きの突部を有しており、排水路の両側部の凸部に前記突部が嵌合可能な凹部が設けられており、前記蓋部材の縁部の溝部の突部が前記排水路の両側部の凸部に設けられた凹部に嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、13、18、19の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項22】
蓋部材の縁部の溝部が、断面波形形状を有しており、排水路の前記両側部の凸部が、前記縁部が嵌合する断面波形形状を有しており、蓋部材の前記縁部が、波形形状同士を嵌合させた状態で、前記溝部に挿入されるようになっている請求項12、13、18、19の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項23】
排水路が中央の幅狭領域と、その幅狭領域を含む幅広領域とを有している請求項1乃至22の何れか一記載のドレイン排水溝部材。
【請求項24】
排水路の底部に複数のリブを設けた請求項1乃至23の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項25】
蓋部材の裏面に複数のリブを設けた請求項1乃至24の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項26】
排水路の底面が両側から中央に向けて漸次低くなっている請求項1乃至25の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項27】
床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部の上縁から横方向に張り出した張出部が形成され、前記両側部の外面と前記張出部の裏面により空間部が形成されたドレイン排水溝部材を前記空間部に隣接した床材を挿設して床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造。
【請求項28】
床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた底部と両側部とから構成された排水路を有し、前記両側部の上縁から横方向に張り出した張出部、及び前記両側部の下縁から横方向に張り出した下縁張出部が形成され、前記両側部の外面と両側部の前記張出部の裏面、及び前記下縁張出部の表面により空間部が形成されたドレイン排水溝部材を前記空間部に隣接する床材を挿設して床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造。
【請求項29】
張出部の少なくとも裏面の一部、及び/又は張出部の先端部が接合処理することにより隣接する床材と接合されている請求項27又は28記載のドレイン排水床構造。
【請求項30】
両側部の外面と張出部の裏面とのなす角度が鋭角であることによって形成された空洞部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている請求項27乃至29の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項31】
両側部の外面と張出部の裏面とから形成されたコーナー部に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている請求項27乃至30の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項32】
張出部の裏面に設けた溝部の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている請求項27乃至31の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項33】
張出部の裏面、及び/又は張出部の先端部、に設けた下方に突出したスカート部の少なくとも先端部分の一部、又は全部に接合処理をすることにより隣接する床材と接合されている請求項27乃至32の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項34】
張出部の裏面に設けられた両側部の外面と突出方向のなす角度が鋭角であるスカート部の突出方向側、又は前記両側部の外面側と、前記張出部の裏面から形成される空間部に挿設された隣接する床材を接合処理をすることにより前記隣接する床材と接合されている請求項27乃至33の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項35】
ドレイン排水溝部材の排水路に上方から塞ぐための平板状の蓋部材が設けられた請求項27乃至34の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項36】
蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっている請求項35に記載のドレイン排水床構造。
【請求項37】
蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっている請求項36に記載のドレイン排水床構造。
【請求項38】
排水路の底部に複数のリブを設けた請求項27乃至37何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項39】
排水路を形成する両側部から前記排水路の内側に向かって突出部が形成されている請求項27乃至38の何れか一に記載のドレイン排水床構造。


【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図3】
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【図4】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−113180(P2007−113180A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302499(P2005−302499)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】