説明

ドープ処理された共役ポリマー、デバイス、およびデバイスを作製する方法

正孔注入層または正孔輸送層において特定の材料を用いることは、有機電子デバイスの操作寿命を改善させることができる。ヨードニウム塩を含む酸化還元ドーパントによってドープ処理された、ドープ処理された共役ポリマーを含む組成物は、寿命を増加させることができる。インクを配合して、OLED、PHOLED、およびOPVを含む有機電子デバイスにおいて薄膜としてキャストすることができる。1つの態様は、酸化還元ドーパントによってドープ処理された共役ポリマーを有する組成物を提供する。非水性基剤インクを配合することができる。ヨードニウム塩を用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年4月11日に提出された米国特許仮出願第61/044,380号に対して、および2008年12月2日に提出された米国特許仮出願第61/119,239号に対して優先権を主張し、これらの出願はいずれもその全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
有機物に基づく有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、リン光有機発光ダイオード(PHOLED)、および有機光起電デバイス(OPV)などのエネルギー節約型デバイスにおいて、有用な進歩が見られるが、よりよい加工および性能を提供するためにはさらなる改善がなおも必要である。たとえば、1つの有望なタイプの材料は、たとえばポリチオフェンを含む導電性ポリマーである。しかし、ドーピング、純度、および溶解度ならびに加工において問題が生じうる。特に、交互ポリマー層の溶解度(たとえば、隣接する層における直交または交互の溶解度特性)に対して非常に良好な制御を有することが重要である。特に、正孔注入層および正孔輸送層は、非常に薄いが高い品質の薄膜に対する競合する需要および必要性を考慮すると難しい問題を呈しうる。
【0003】
材料を様々な応用に適合させることができるように、ならびに発光層、光活性層、および電極などの様々な材料によって機能することができるように、溶解度ならびにHOMOおよびLUMOなどの電子エネルギーレベルなどの、正孔注入層および輸送層の特性を制御するための良好なプラットフォームシステムに対する必要性が存在する。特に、良好な溶解度、および溶媒抵抗性(intractability)の特性が重要である。特定の応用に関してシステムを構築できることおよび特性間の必要なバランスを提供できることも同様に重要である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書において記述される態様には、たとえば、組成物、組成物を作製および使用する方法、ならびにデバイスおよび製品が含まれる。組成物には、たとえばポリマー、単量体、混和物、薄膜、分散液、溶液、およびインク配合物が含まれる。
【0005】
1つの態様は、たとえば、少なくとも1つの酸化還元ドーパントと混合された少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物を提供する。酸化還元ドーパントは、たとえばスルホニウム塩、ヨードニウム塩、またはそれらの組み合わせでありうる。特に、ヨードニウム塩を用いることができる。
【0006】
もう1つの態様は、たとえば特にヨードニウム塩を含む少なくとも1つの酸化還元ドーパントと混合した少なくとも1つのポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)を含む組成物を提供する。
【0007】
もう1つの態様は、たとえば、少なくとも1つのヨードニウム塩によってドープ処理された少なくとも1つのポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)を含む組成物を提供する。
【0008】
もう1つの態様は、たとえば、少なくとも1つの共役ポリマー、該共役ポリマーと混合された少なくとも1つの酸化還元ドーパント、および溶媒担体の混合物を含む組成物を提供する。
【0009】
もう1つの態様は、ポリ(3,4-ビス(2-(2-アルコキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物を提供する。もう1つの態様は、ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物を提供する。
【0010】
他の態様は、これらの組成物を用いることによって調製され、本明細書において記述される組成物を含むデバイスを提供する。
【0011】
本明細書において記述される少なくとも1つの態様からの少なくとも1つの長所には、たとえばOLED、PHOLEDまたはOPVデバイスなどの有機電子デバイスの、たとえば長期間の安定性および全体的な寿命の増加を含む、操作安定性の改善が含まれる。特に、PEDOT/PSS制御を用いた場合と比較して改善が実現されうる。特に、電流密度および発光などの特性が改善されうる。
【0012】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる長所には、たとえばOLED、PHOLEDまたはOPVデバイスなどの有機電子デバイスの形成および構築におけるより高い適応性が含まれる。特に、キャスティングおよびアニーリングによって本明細書において記述される組成物から作製される薄膜は、トルエンに対して抵抗性でありうる。特に、本明細書において記述される組成物は、それが発光層の次の層をキャストするために望ましい場合に用いられうる。加えて、トルエンまたは他の溶媒に対する抵抗性によって、全ての溶液加工デバイスにとって必要な直交性の適合性が可能となり、溶液加工デバイスを作製するために用いることができる。
【0013】
少なくとも1つの態様に関する少なくとも1つのさらなる長所には、過フッ素化材料が存在しないことが含まれる。特に、本明細書において記述される組成物は、キャスト薄膜のぬれ性特徴を改善して、それによって改善された良好な性能を保証している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】IMDPIB(PhF5)4によってドープ処理され、クロロホルムから遠心したポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)薄膜のUV-vis-NIR(紫外-可視-近赤外線)スペクトルを示す。
【図2】異なる溶媒系において異なるアニール条件でIMDPIB(PhF5)4によってドープ処理したポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェンのUV-vis-NIRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
緒言/導電性および共役ポリマー
優先権2008年4月11日に提出された米国特許仮出願第61/044,380号および2008年12月2日に提出された第61/119,239号は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。
【0016】
本明細書において引用される参考文献は全て、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。
【0017】
本願の組成物は、少なくとも1つの共役ポリマーを含みうる。有機電子デバイスにおけるその使用を含む共役ポリマーは、当技術分野において公知である。たとえば、Friend, "Polymer LEDs" Physics World, November 1992, 5, 11, 42-46を参照されたい;たとえばKraft et al., "Electroluminescent Conjugated Polymers-Seeing Polymers in a New Light" Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 402-428を参照されたい。加えて、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリピロール、およびポリチオフェンが含まれ、これらのポリマーファミリーおよびこれらのポリマー系の誘導体を含む導電性または共役ポリマーは、The Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Wiley, 1990, pages 298-300において記述されている。この参考文献はまた、ブロックコポリマー形成を含むポリマーの混和および共重合化を記述している。
【0018】
共役ポリマーは、ポリチオフェンを含む任意の共役ポリマーであってもよく、ホモポリマー、コポリマー、またはブロックコポリマーであってもよい。側鎖を有するレジオレギュラーポリチオフェンを含む合成法、ドーピング、およびポリマーの特徴付けは、たとえばその全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、McCullough et al.に対する米国特許第6,602,974号およびMcCullough et al.に対する第6,166,172号において提供される。さらなる記述は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、記事"The Chemistry of Conducting Polythiophenes"(Richard D. McCullough, Adv. Mater. 1998, 10, No. 2)p. 93-116およびその中の引用文献において見いだされうる。当業者が用いることができるもう1つの参考文献は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、Handbook of Conducting Polymers, 2nd Ed. 1998, Chapter 9, by McCullough et al., "Regioregular, Head-to-Tail Coupled Poly(3-alkylthiophene) and its Derivatives" p. 225-258である。この参考文献はまた、第29章、p. 823-846において、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる"Electroluminescence in Conjugated Polymers"を記述する。
【0019】
ポリチオフェンは、たとえばRoncali, J., Chem. Rev. 1992, 92, 711;Schopf et al., Polythiophenes: Electrically Conductive Polymers, Springer: Berlin, 1997において記述される。同様にたとえば米国特許第4,737,557号および第4,909,959号を参照されたい。
【0020】
ポリマー半導体は、たとえば、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる"Organic Transistor Semiconductors"(Katz et al., Accounts of Chemical Research, vol. 34, no. 5, 2001)365〜367ページを含め359ページにおいて記述される。
【0021】
共役ポリマーは、たとえばブロックコポリマーを含むコポリマーでありうる。ブロックコポリマーは、たとえばBlock Copolymers, Overview and Critical Survey, by Noshay and McGrath, Academic Press, 1977において記述される。たとえば、この文献は、A-Bジブロックコポリマー(第5章)、A-B-Aトリブロックコポリマー(第6章)、および-(AB)n-マルチブロックコポリマー(第7章)を記述しており、これらは本発明におけるブロックコポリマータイプの基礎を形成しうる。
【0022】
ポリチオフェンを含むさらなるブロックコポリマーは、たとえばその全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、Francois et al., Synth. Met. 1995, 69, 463-466;Yang et al., Macromolecules 1993, 26, 1188-1190;Widawski et al., Nature (London), vol. 369, June 2, 1994, 387-389;Jenekhe et al., Science, 279, March 20, 1998, 1903-1907;Wang et al., J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 6855-6861;Li et al., Macromolecules 1999, 32, 3034-3044;Hempenius et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 2798-2804において記述される。
【0023】
側鎖を有する導電性ポリマーを可溶化するために用いることができる置換基には、たとえばC1-C25基を含むアルコキシおよびアルキル、ならびにたとえば酸素および窒素を含むヘテロ原子系が含まれる。特に、少なくとも3つの炭素原子または少なくとも5個の炭素原子を有する置換基を用いることができる。混合置換基を用いることができる。置換基は、非極性、極性、または機能的有機置換基でありうる。側鎖は置換基Rと呼ばれ、それはたとえばアルキル、ペルハロアルキル、ビニル、アセチレン、アルコキシ、アリールオキシ、ビニルオキシ、チオアルキル、チオアリール、ケチル、チオケチルであってよく、任意で水素以外の原子によって置換されうる。
【0024】
共役ポリマーは、複素環の単量体反復単位を含みえて、複素環ポリマーが特に好ましい。特に好ましい系は、ポリチオフェン系および3,4-二置換ポリチオフェン系である。ポリマーは、Plextronics, Inc., Pittsburgh, PAから得られ、たとえばPLEXCORE、Plexcoat、および類似の材料などのポリチオフェン骨格のポリマーを含む。
【0025】
3,4-二置換ポリチオフェン
共役ポリマー、ならびに該ポリマーを用いた配合物およびデバイスの1つの重要な例は、3,4-二置換ポリチオフェンである。好ましくは、3,4-二置換ポリチオフェンは、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)またはポリ(3,4-ジ-ポリエーテル)-チオフェンであってもよい。ポリエーテルは、複数のエーテル基を有する分子である。アルコキシおよびポリエーテル側鎖は、ポリマー骨格鎖に対して電子を供与することができる。
【0026】
3,4-二置換ポリチオフェンは、対称な単量体反復単位を有してもよい。しばしば、3,4-二置換ポリチオフェンは、反復単位として3,4-置換チオフェンを含み、酸素原子が二置換チオフェンの3-および4-位に直接付着して、2-および5-位を通して重合化する。置換基は、たとえば直鎖または分岐炭素鎖、たとえば鎖における炭素原子の1、2、3、4、5個または6個が酸素および/または窒素などのヘテロ原子に置換されてもよいC1〜C25基を含むアルコキシおよびポリエーテルを含みうる側鎖を有する3,4-置換チオフェンを可溶化するために用いられうる。
【0027】
共役ポリマーは、2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェンまたは2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン;および2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェンなどの単量体単位の重合化によって調製されてもよい。
【0028】
任意の公知の重合化法を用いて3,4-二置換ポリチオフェンを得てもよい。典型的に、ポリマーそのものは、ニッケル触媒を用いてジアルコキシチオフェンまたはジポリエーテルチオフェンの2,5-ジブロモ誘導体のGRIM重合化によって得られうる。
【0029】
対称な単量体のGRIM重合化は、たとえばCampos et al., Photovoltaic Activity of a PolyProDOT Derivative in a Bulk Heterojunction Solar Cell, Solar Energy Materials & Solar Cells, August 2006において記述される。
【0030】
共役ポリマーは、ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル、ポリ(3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;およびポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルなどの3,4-二置換ポリチオフェンでありうる。
【0031】
典型的に、共役ポリマーは、以下によって表される3,4-二置換ポリチオフェンである:

式中、R1は独立して、置換されてもよいアルコキシ基、またはアルコキシアルコキシアルコキシ部分などのアルコキシヘテロ原子基であってもよく、およびR2は独立して、たとえばアルコキシアルコキシアルコキシ部分などの置換されてもよいアルコキシ基アルコキシヘテロ原子基であってもよい;または
R1は独立して、置換されてもよいアルキル、および置換されてもよいアリールオキシであってもよく、ならびにR2は独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールオキシであってもよい。任意に置換される置換基の例には、ヒドロキシル、フェニル、およびさらなる置換されてもよいアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基は、次にヒドロキシル、フェニル、またはアルコキシ基によって置換されうる;または
R1は独立して、置換されてもよいアルキレンオキサイドであってもよく、R2は独立して、置換されてもよいアルキレンオキサイドであってもよい。置換基はたとえば、ヒドロキシル、フェニル、またはアルコキシ基でありうる;または
R1は独立して、置換されてもよいエチレンオキサイドまたは置換されてもよいプロピレンオキサイド、または他の低級アルキレンオキシ単位であってもよく、およびR2は独立して、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドであり、または他の低級アルキレンオキシ単位でありうる。置換基はたとえば、ヒドロキシル、フェニル、またはアルコキシ基であってもよい;または
R1は独立して、メチレンまたはエチレンなどの置換されてもよいアルキレンであってもよく;置換基はたとえば、エチレンオキシまたはプロピレンオキシなどの置換されてもよいアルキレンオキシであってもよく;置換基はたとえば、ヒドロキシル、フェニル、またはアルコキシであってもよく、およびR2は独立して、たとえばメチレンまたはエチレンなどの置換されてもよいアルキレンであってもよく、置換基はたとえばエチレンオキシまたはプロピレンオキシなどの置換されてもよいアルキレンオキシであってもよく;置換基はたとえばヒドロキシル、フェニル、またはアルコキシであってもよい。
【0032】
加えて、置換基R1およびR2は、アルコキシまたはフェノキシなどの酸素原子によってチオフェンに連結されることができ、置換基は対応するアルコールまたはフェノールをそれぞれ特徴としうる。たとえばアルコールは、直鎖または分岐鎖であってもよく、C2-C20、C4-C18、またはC6-C14炭素原子を有してもよい。アルコールはたとえば、アルキルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、またはトリプロピレングリコールでありうる。さらなる例は、モノエチレングリコールエーテルおよびアセテート、ジエチレングリコールエーテルおよびアセテート、トリエチレングリコールエーテルおよびアセテート等でありうる。酸素原子を通してチオフェン環に連結させることができるアルコールの例には、ヘキシルセロソルブ、Dowanol PnB、エチルカルビトール、Dowanol DPnB、フェニルカルビトール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、Dowanol DPM、ジイソブチルカルビノール、2-エチルヘキシルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、Dowanol Eph、Dowanol PnP、Dowanol PPh、プロピルカルビトール、ヘキシルカルビトール、2-エチルヘキシルカルビトール、Dowanol DPnP、Dowanol TPM、メチルカルビトール、Dowanol TPnBが含まれる。商品名は、当技術分野において周知である。様々なアルコキシおよびポリエーテル置換基を含むポリチオフェン置換基および配合物は、たとえば2007年7月13日に提出された米国特許出願第11/826,394号(米国特許出願公開第2008/0248313号)において記述される。
【0033】
重合化の程度nは特に制限されないが、たとえば2〜500,000または5〜100,000、10〜10,000、10〜1,000、10〜500、もしくは10〜100でありうる。多くの場合において、ポリマーは、およそ5,000から100,000 g/molのあいだの数平均分子量を有する。いくつかの態様において、Rは、モノアルコキシ、ジアルコキシ、トリアルコキシ、またはテトラアルコキシ基であり得て、共役ポリマーは、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)またはポリ(3,4-ジポリエーテルチオフェン)でありうる。
【0034】
1つの態様において、R1はブトキシエトキシ(エトキシ)であり、R2はブトキシエトキシ(エトキシ)であり、ポリマーは、以下によって表されるポリ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイルである:

重合化の程度nは特に制限されないが、たとえば2〜500,000または5〜100,000、10〜10,000、10〜1,000、もしくは10〜100でありうる。多くの場合において、ポリマーは、およそ5,000から100,000 g/molのあいだの数平均分子量を有する。
【0035】
もう1つの態様において、R1は、メトキシエトキシ(エトキシ)であり、R2は、メトキシエトキシ(エトキシ)であり、および反復単位は、以下によって表される3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイルである:

重合化の程度nは、特に制限されないが、たとえば2〜500,000または5〜100,000、10〜10,000、10〜1,000、もしくは10〜100でありうる。多くの場合において、ポリマーは、およそ5,000から100,000 g/molのあいだの数平均分子量を有する。
【0036】
他の態様において、反復単位は、たとえば3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイル;3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン-2,5-ジイル;3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェン-2,5-ジイル等でありうる。
【0037】
末端のキャッピング基を含む3-および4-位での側鎖の選択は、ドープ処理された共役ポリマーに一定の溶媒、たとえばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)、またはクロロホルムに対する抵抗性を付与するために役立ちうる。溶媒に対する抵抗性は、溶液加工デバイスにとって必要な直交性の適合性を可能にしうる。この抵抗性によって、共役ポリマーを、隣接層から用いられる他のインク系による溶液プロセスを用いて製造されるデバイスの調製において用いられるHILインクへと最初に配合されるHILとして用いることができる。同様に、メチルと比較してブチルなどのより長い鎖末端基は、トルエンのようなより低い極性溶媒における溶解度を増加させることができる。末端基の選択はまた、ドープ処理型および非ドープ処理型において熱安定性を付与することができる。いくつかの態様において、ブチル末端基は、メチル基と比較してより良好な安定性特性を提供することができる。加えて、末端のキャッピング基を含む側鎖の選択は界面のあいだでの誘電定数を変更することができ、これは界面を超えての電荷の輸送に影響を及ぼす可能性がある。
【0038】
1つの態様において、中性または酸化状態のいずれかでの共役ポリマーは、芳香族炭化水素溶媒に可溶性および/または分散性である。もう1つの態様において、共役ポリマーは、テトラヒドロフラン(THF)および/またはクロロホルムにおいて可溶性であってもよい。
【0039】
重合化後、共役ポリマーは典型的に、およそ1,000〜1,000,000 g/molのあいだの数平均分子量を有する。より典型的に、ポリマーは、およそ5,000〜100,000 g/molの数平均分子量を有する。
【0040】
ポリマーは、たとえば金属などの不純物を除去するために処理されうる。不純物の除去は、たとえば、OLEDまたはOPV試験における効能、寿命、または他のパラメータの改善などのデバイス性能を改善させることができる。精製は、一部の金属が酸素原子結合を通してアルキレンオキシ側鎖と複合体を形成することができる場合であっても、金属を除去する形で実行されうる。
【0041】
加えて、ポリマーは、末端基を調整するように処理されうる。末端基の修飾は当技術分野において公知である。たとえば、臭素末端基がグリニャール試薬によって水素末端基に変換されるスキーム3を含む J. Liu et al., Macromolecules, 2002, 35, 9882-9889を参照されたい。1つの態様において、ポリマーは、たとえば臭素末端基などの任意のハロゲン末端基を除去するために処理されうる。これは、脱ハロゲン化プロセスと呼ばれうる。たとえば、2009年4月10日に本発明と同時に提出されたElena Sheina、米国特許仮出願第61/168,470号を参照されたい。1つの態様において、ポリマーは、グリニャール試薬によって処理されうる(たとえば、Iovu et al.に対する米国特許出願公開第2008/0146754号、"Universal Grignard Metathesis Polymerization"において記述されるマグネシウム試薬を参照されたい)。ハロゲン量の制御は、たとえば、OLEDまたはOPV試験において効能、寿命、または他のパラメータの改善などのデバイス性能を改善させることができる。脱ハロゲン化は、ポリマーに対する欠乏または不純物の導入を最小限にする形で行われうる。
【0042】
酸化還元/ドーパント
共役ポリマーは、ドーパントと混合されうる。反応は混合によって起こりうる。特に、共役ポリマーは、酸化還元ドーパントによってドープ処理されうる。酸化還元ドーパントは、たとえば共役ポリマーによって1つまたは複数の電子送達反応を受けて、それによってドープ処理された共役ポリマーを生じるであろう材料でありうる。酸化還元ドーパントは、導電性ポリマーによって1つまたは複数の電子送達反応を受けてもよく、それによってドープ処理された導電性ポリマーを生じてもよい。酸化還元ドーパントは、適した電荷平衡対陰イオンを提供するように選択されうる。本明細書において考察されるように、共役ポリマーおよびドーパント、または酸化還元ドーパントは、ドープ処理されたポリマーを形成するように反応するであろう成分を指しうる。ドーピング反応は、電荷担体が生成される電荷送達反応であってもよく、反応は可逆的または非可逆的であってもよい。酸化還元ドーパントは当技術分野において公知である。たとえば、米国特許第7,070,867号;または米国特許出願公開第2005/0123793号;第2004/0113127号を参照されたい。
【0043】
最終的な配合物において、組成物は、当初の成分の組み合わせとは明確に異なりうる(すなわち、共役ポリマーおよび/または酸化還元ドーパントは、混合前と同じ型で最終組成物に存在してもしなくてもよい)。いくつかの態様は、ドーピングプロセスからの反応副産物を除去することができる。たとえば、ヨードニウム酸化還元ドーパントによって有機副産物が生じうるが、これはドープ処理ポリマーから洗浄されうる。
【0044】
当技術分野において公知である適した酸化還元ドーパントの例には、キノン、ボラン、カルボカチオン、ボラ-テトラアザペンタレン、アミニウムまたはアンモニリウム(ammonilium)塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、セレノノイウム(selenonoium)塩、ニトロソニウム塩、アルソニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、選択金属(たとえば、銀)塩、またはそれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されるわけではない。適した酸化還元ドーパントには、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,853,906号および第5,968,674号において記述されるがこれらに限定されない塩が含まれる。同様にたとえば、Iida et al.に対する米国特許出願公開第2007/0207341号を参照されたい。
【0045】
酸化還元ドーパントは、光酸であってもよい。たとえば、米国特許第6,383,715号;第4,810,613号;または米国特許出願公開第2007/0221914号;第2007/0272917号;第2007/0176167号;米国特許第7,279,524号を参照されたい。適した光酸の例には、スルホニウムおよびヨードニウム塩が含まれるがこれらに限定されるわけではない。酸化還元ドーパントは、光開始剤でありうる。たとえば、光開始剤としてのジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸の存在下でチオフェンのUV照射誘導重合化の記述が含まれるYagci et al., Macromolecular Chemistry and Physics, 206, 12, 1178-1182を参照されたい。
【0046】
ドーパント陰イオンのタイプは、共役ポリマーのドーピングレベル、およびこれらの溶液から調製されたデバイスに関するデバイスの性能に影響を及ぼしうる。
【0047】
ドーパント陰イオンの大きさは、デバイスの効率を増強するための重要なパラメータでありうる。陰イオンは、ホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、アンチモン酸塩、スルホン酸陰イオン、フッ化物陰イオン、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオンなどのハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、または置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオンでありうる。
【0048】
ハロゲン化ホウ酸塩は、任意でたとえばアルキル、アリール、部分フッ化アルキル、部分フッ化アルキルエーテル、部分フッ化アリール、過フッ化アルキル、過フッ化アルキルエーテル、および/または過フッ化アリールによって置換されうる。
【0049】
ハロゲン化リン酸塩は、任意でたとえばアルキル、アリール、部分フッ化アルキル、部分フッ化アルキルエーテル、部分フッ化アリール、過フッ化アルキル、過フッ化アルキルエーテル、および/または過フッ化アリールによって置換されうる。
【0050】
ハロゲン化アンチモン酸塩は、任意でたとえばアルキル、アリール、部分フッ化アルキル、部分フッ化アルキルエーテル、部分フッ化アリール、過フッ化アルキル、過フッ化アルキルエーテル、および/または過フッ化アリールによって置換されうる。
【0051】
ハロゲン化スルホン酸塩は、任意でたとえばアルキル、アリール、部分フッ化アルキル、部分フッ化アルキルエーテル、部分フッ化アリール、過フッ化アルキル、過フッ化アルキルエーテル、および/または過フッ化アリールによって置換されうる。
【0052】
他の態様には、たとえばアルキル、アリール、部分フッ化アルキル、部分フッ化アルキルエーテル、部分フッ化アリール、過フッ化アルキル、過フッ化アルキルエーテル、および/または過フッ化アリールによって置換されうるスルホンイミドが含まれる。スルホンイミドの例には、たとえばビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)およびビ(ベンゼンスルホンイミド)などのアルキルおよびアリールスルホンイミドが含まれる。
【0053】
ドーパントは、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、Journal of Polymer Science Part A, Polymer Chem, 37, 4241-4254, 1999において記述されるオニウム塩であってもよい。ヨードニウム塩は当技術分野において公知である。中性ポリチオフェンのドーピングは、ヨードニウム塩またはジアリールヨードニウム塩、および特にジフェニルヨードニウム塩などの光酸を用いて達成されうる。ヨードニウム塩におけるフェニル基などのアリール基は、当技術分野において公知のように任意で置換されうる。酸化還元ドーパントは、親油性のヨードニウム塩であってもよい。典型的に、ヨードニウム塩は、以下によって表される:

式中、R1は独立して、置換されてもよいアリール基であり、R2は独立して、置換されてもよいアリール基であり;およびX-は陰イオンである。
【0054】
中性ポリチオフェンのドーピングは、スルホニウム塩などの光酸を用いて達成されうる。スルホニウム塩は当技術分野において公知である。スルホニウム塩におけるアリール基は、当技術分野において公知であるように任意で置換されうる。典型的に、スルホニウム塩は、以下によって表される:

式中、R1は独立して、置換されてもよいアレーンであり、R2は独立して、置換されてもよいアレーンであり、R3は置換されてもよいアレーンであり;およびX-は陰イオンである。
【0055】
ドーパントは、分子量たとえば約100 g/mol〜約500 g/mol、またはおよそ300 g/molを有する、置換されてもよいジフェニルヨードニウム塩を含みうる。
【0056】
1つの態様において、ドーパントは光酸、以下によって表される4-イソプロピル-4'-メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート)(IMDPIB(PhF5)4)である:

【0057】
PHOLEDの1つの態様において、IMDPIB(F5Ph4)光酸を含むHIL層をポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)ポリマーと混合する。デバイスの性能は、所定の電流密度(たとえば、10 mA/cm2)での電圧および輝度を決定することによって測定された。最適なデバイスの性能は、所定の電流密度での最低電圧および最高輝度によって判断されうる。たとえば、ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)ポリマーと混合されたIMDPIB(F5Ph4)光酸を含むHIL層を含むPHOLEDは、電圧4.85 Vおよび輝度310 cd/m2を提供することができる。
【0058】
他のヨードニウム塩を用いてもよい。たとえば、用いられてもよいもう1つのヨードニウム塩は、以下によって表されるジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(DPIPF6)である:

【0059】
用いられてもよいもう1つのヨードニウム塩は、以下によって表されるジフェニルヨードニウムパラ-トルエンスルホネート(DPITos)である:

【0060】
用いられてもよいもう1つのヨードニウム塩は、以下によって表されるビス-(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(tBDPITFSO3)である:

【0061】
用いられてもよいもう1つのヨードニウム塩は、以下によって表されるジフェニルヨードニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート(DPIPFBSO3)である:

【0062】
ヨードニウム塩は、低分子量化合物でありうるか、またはポリマーなどの高分子化合物にカップリングされうる。
【0063】
酸化還元ドーパントは、スルホニウム塩であってもよい。たとえば、用いられてもよいスルホニウム塩は、以下によって表されるトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートである:

【0064】
用いられてもよいもう1つのスルホニウム塩は、以下によって表されるトリフェニルスルホニウムパラ-トルエンスルホネートである:

【0065】
用いられてもよいもう1つのスルホニウム塩は、以下によって表されるビス-(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートである:

【0066】
用いられてもよいもう1つのスルホニウム塩は、以下によって表されるジフェニルスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネートである:

【0067】
選択された対イオンに関して有効なドーピングが達成されうる限り、他のオニウム塩を用いてもよい。
【0068】
用いることができるもう1つのクラスのドーパントにはキノンが含まれる。ドーピングをもたらすために用いられてもよいキノンの例には、テトラフルオロテトラシアノ-p-キノジメタン(F4TCNQ)、トリフルオロテトラシアノ-p-キノジメタン(F3TCNQ)、ジフルオロテトラシアノ-p-キノジメタン(F2TCNQ)、フルオロテトラシアノ-p-キノジメタン(FTCNQ)、ジクロロジシアノキニン(DDQ)、o-クロラニル、およびシアニルが含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0069】
用いることができるもう1つのクラスのドーパントには、アンモニウム塩が含まれる。アンモニウムラジカル陽イオンは、電子送達を起こすために配合物に対する酸化還元添加剤として用いられうる。形成された副産物は、それらもまた正孔輸送部分であり、輸送に有害な影響を及ぼす可能性が低いことから、必ずしも組成物から除去される必要はない。アンモニウム塩の1つの例は、以下によって表されるトリス-(4-ブロモフェニル)アミンアンチモンヘキサクロリドである:

【0070】
他の有用な酸化還元ドーパントには、ボラ-テトラアザペンタレンが含まれる。ボラ-テトラアザペンタレンの1つの例は以下によって表される:

式中、R1、R2、R3は独立して、水素であり、任意で置換または非置換のアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、縮合炭素環、または縮合複素環であり、R4およびR5は独立して、ハロゲン、水素、任意で置換もしくは非置換アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、縮合炭素環もしくは縮合複素環であり、またはホウ素原子と共にホウ素含有複素環である。
【0071】
有用なドーパントのもう1つのクラスは、テトラフルオロホウ酸銀、テトラフェニルホウ酸銀、またはヘキサフルオロリン酸銀などの銀塩である。銀イオンは、銀金属および導電性ポリマー塩へのまたはそれらからの電子移動を起こす。
【0072】
組成物は、たとえばポリ(スチレンスルホネート)(PSS)およびプロトン材料などのイオンポリマーを含まなくてよい。
【0073】
ポリマー、溶媒系、およびインク配合物と十分に混合されるドーパントを用いることができる。相分離が起こるドーパントは、回避されるべきである。ドーパントは、Novaled AG(Dresden, Germany)から得られうる。たとえば2007年10月18日に公表されたWO 2007/115540(Novaled AG)を参照されたい。
【0074】
ポリマー、ドーパント、溶媒系、および用いられる場合、他の成分は、一般的に溶媒除去の前および後に、ならびに環境ストレス条件下で、良好な貯蔵安定性および良好な安定性を提供するように配合されうる。熱重量分析のような熱方法を用いて熱安定性を測定することができる。たとえば、温度の上昇と共に重量の低下が起こる速度を測定することができ、分解の開始および重量の最大低減速度を測定することができる。ガラス転移温度も同様に、DSC(示差走査熱量測定)などの熱分析によっても測定されうる。
【0075】
溶媒系
一般的に用いられる多様なポリマーHILは、ドーパントおよび結合剤として強酸ポリマーを用いて調製され、たとえばPEDOT-PSSを参照されたい。ドーパントおよび結合剤として強酸ポリマーを用いるこれらの系は、光の照射に関してより効率的で自然の選択であるPHOLED系ではうまく機能することができない。
【0076】
様々な溶媒を現在の溶媒系において用いることができる。典型的に、用いられる溶媒は有機非極性溶媒である。より典型的には、用いられる溶媒は、非プロトン性非極性溶媒である。非プロトン性非極性溶媒を用いることは、少なくともいくつかの例において、プロトンに対して感受性であるエミッター技術を有するデバイスの寿命の増加というさらなる恩典を提供しうる。そのようなデバイスの例にはPHOLEDが含まれる。
【0077】
本発明の溶媒系において用いられる一般的な溶媒には、中性および酸化型の芳香族炭化水素が含まれる。中性および酸化型のテトラヒドロフラン、クロロホルム、または芳香族炭化水素などの溶媒が用いられる。さらなる溶媒には、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、またはそれらの組み合わせが含まれる。共役ポリマーは典型的に非常に溶解性であり、これらの溶媒における処理に極めて適している。
【0078】
環境に適応するように、1つまたは複数の非ハロゲン化溶媒を選択してもよい。ハロゲン化溶媒は実質的にまたは完全に除外されうる(たとえば、総溶媒担体の容積で10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満で用いられる)。そのようなさらなる要因を考慮して、たとえば、その全ての全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、Cheremisnoff, N.P., Industrial Solvents Handbook, 2nd Ed. (Marcel Dekker, New York, 2003);Ash, M, Handbook of Solvents, 2nd Ed. (Syapse Information Resources, 2003);Wypych, G., Handbook of Solvents (Chemical) (Noyes Publications, 2000);Hansen, C.M., Durkee, J. and Kontogeorgis, G, Hanson Solubility Parameters: A User 's Handbook (Taylor and Francis, 2007)などの参考文献を参照することは有用である可能性がある。2つ以上の溶媒を含む溶媒系の選択に関する、より詳細な説明に関しては、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、2008年8月20日に提出されたU.S. 61/090,464(043419-0256)を参照されたい。
【0079】
あるいは、溶媒系において用いるために複数の溶媒を選択することは有用である可能性がある。
【0080】
共役ポリマーを可溶化する、共役ポリマーを膨張させる、またはポリマーの非溶媒系としても作用する他の溶媒も同様に考慮されてもよい。最後の物は、ぬれ性、粘度、形態の制御などのインク特性を改変するために様々な量で溶媒系に含まれてもよい。
【0081】
考慮される溶媒には、アニソール、エトキシベンゼン、ジメトキシベンゼン、およびグリコールエーテルなどのエーテル(C1-C10アルキル鎖によって置換されてもよい);1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタンなどのエチレングリコールジエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールジエーテル;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのプロピレングリコールジエーテル;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテルなどのジプロピレングリコールジエーテル;同様に、先に言及したエチレングリコールおよびプロピレングリコールエーテルの高級類似体(トリ-およびテトラ-)が含まれてもよい。
【0082】
エチレングリコールモノエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノエーテルアセテートなどのなお他の溶媒を考慮することができ、エーテルはたとえば、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシルから選択されうる。同様にジ-、トリ-、およびテトラ-などの上記の一覧の高級グリコールエーテル類似体。例には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテートが含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0083】
可能性があるなお他の溶媒には、アセトニルアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソブテニルケトン、2-ヘキサノン、2-ペンタノン、アセトフェノン、エチルフェニルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどの脂肪族および芳香族ケトンが含まれる。
【0084】
可能性があるさらなる溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が含まれる。
【0085】
他の例には、たとえばテトラヒドロピラン(THP)などの環状エーテルが含まれる。溶媒の重合化が回避されうるように溶媒を用いることができる。もう1つの例は、メトキシプロプリオニトリルである。
【0086】
基板のぬれ性、溶媒除去の容易さ、粘度、表面張力、および噴射可能性などのインク特徴を改善するために、1つまたは複数の溶媒を多様な比率で用いることができる。
【0087】
共役ポリマー、ドーパント、および溶媒を含む組成物を、最終的なデバイスの電子特性を改善するために用いられる電極またはさらなる層を任意で含有する基板上の薄膜としてキャストおよびアニールさせることができる。薄膜は、デバイスの製造の際に続いてコーティングまたは蒸着される層のためのインクにおける溶媒でありうる有機溶媒に対して抵抗性であってもよい。薄膜は、デバイスの製造の際に続いてコーティングまたは沈着される層のためのインクにおける溶媒でありうるトルエンに対して抵抗性であってもよい。
【0088】
薄膜の形成は、たとえばスピンコーティング、ディップキャスティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、インクジェットプリンティング、グラビアコーティング、ドクターブレーディング、およびたとえば有機電子デバイスの製造に関する当技術分野において公知の任意の他の方法を含む当技術分野において公知の方法によって行われうる。
【0089】
第二のポリマー
いくつかの態様において、組成物は、共役ポリマーとは異なる少なくとも1つの合成ポリマーを含む。たとえば2006年8月10日に公表された米国特許出願公開第2006/0175582号を参照されたい。合成ポリマーは、たとえば炭素骨格を含みうる。いくつかの態様において、合成ポリマーは、酸素原子または窒素原子を含む少なくとも1つのポリマー側鎖を有する。合成ポリマーはルイス塩基であってもよい。典型的に、合成ポリマーは、炭素骨格を含み、25℃より高いガラス転移温度を有する。合成ポリマーは酸性基を含んでもよい。加えて、共役ポリマーは酸性基を含んでもよい。いくつかの態様において、共役ポリマーおよび第二のポリマーは酸性基を含む。
【0090】
第二のポリマーは平坦化剤でありうる。平坦化剤は、たとえばポリ(スチレン)もしくはポリ(スチレン)誘導体、ポリ(酢酸ビニル)もしくはその誘導体、ポリ(エチレングリコール)もしくはその誘導体、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(ピロリドン)もしくはその誘導体(たとえば、ポリ(1-ビニルピロリドン-コ-酢酸ビニル))、ポリ(ビニルピリジン)もしくはその誘導体、ポリ(メチルメタクリレート)もしくはその誘導体、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(アリールエーテルケトン)、ポリ(アリールスルホン)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(エステル)もしくはその誘導体、またはそれらの組み合わせなどの有機ポリマーなどのポリマーまたはオリゴマーを含んでもよい。
【0091】
より一般的に、平坦化剤は、CH2CHArなどの単量体から構築されたポリマーまたはオリゴマーから構成され、式中Arは、任意のアリールまたは官能化アリール基、イソシアネート、エチレンオキサイド、共役ジエン、CH2CHR1R(式中R1=アルキル、アリール、またはアルキル/アリール官能基、およびR=H、アルキル、Cl、Br、F、OH、エステル、酸、またはエーテルである)、ラクタム、ラクトン、シロキサン、およびATRPマクロ開始剤である。平坦化剤はまた、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含むポリマーでありうる。加えて、以下に記述される正孔輸送化合物もまた、平坦化剤でありうる。
【0092】
正孔輸送化合物
いくつかの態様において、組成物は、正孔輸送化合物を含む。正孔輸送化合物は、主鎖および/または側鎖において正孔輸送単位を含む反復単位から構成される低分子またはポリマーであり、正孔輸送単位は正孔輸送化合物を含む。正孔輸送化合物は、中性型であってもよく、ドープ処理されてもよい。正孔輸送化合物またはポリマーの例は、参照により本明細書に組み入れられる、係属中の米国特許出願第11/009,883号において見いだされうる。
【0093】
正孔輸送化合物は、トルエンまたはTHFなどの有機溶媒に可溶性であってもよい。典型的に、正孔輸送化合物は、発光ディスプレイおよびその他の応用の製造のために用いられる。正孔輸送化合物はまた、平坦化剤であってもよい。
【0094】
用いられてもよい1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される1,4-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゼンである:

【0095】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるN-N'-ビス(3-メチルフェニル)-N-N'-ビス(フェニル)ベンジジンである:

【0096】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるN-N'-ビス(4-メチルフェニル)-N-N'-ビス(フェニル)ベンジジンである:

【0097】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるN-N'-ビス(2-ナフタレニル)-N-N'-ビス(フェニル)ベンジジンである:

【0098】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される1,3,5-トリス(3-メチルジフェニルアミノ)ベンゼンである:

【0099】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される1,3,5-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]ベンゼンである:

【0100】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるトリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニル)アミンである:

【0101】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるトリ-p-トリルアミンである:

【0102】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるN-N'-ビス(1-ナフタレニル)-N-N'-ビス(フェニル)ベンジジンである:

【0103】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4,4',4''-トリス(N-N-フェニル-3-メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミンである:

【0104】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される1,3,5-トリス(ジフェニルアミノ)ベンゼンである:

【0105】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4,4',N,N'-ジフェニルカルバゾールである:

【0106】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるN,N'-ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニルベンジジンである:

【0107】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4-(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンである:

【0108】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4-(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンである:

【0109】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4-(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンである:

【0110】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4-(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンである:

【0111】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される4-(ジベンジルアミノ)ベンズアルデヒド-N,N-ジフェニルヒドラゾンである:

【0112】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるトリス[4-(ジエチルアミノ)フェニル]アミンである:

【0113】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される9-エチル-3-カルバゾールカルボキサルデヒドジフェニルヒドラゾンである:

【0114】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される銅(II)フタロシアニンである:

【0115】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表されるチタニルフタロシアニンである:

【0116】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送化合物は、以下によって表される1,3,5-トリス(2-(9-エチルカルバジル-3)エチレン)ベンゼンである:

【0117】
用いられてもよい正孔輸送ポリマーは、以下によって表され、American Dye Source, Inc.によってADS250BEとして販売されるポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(N,N'-ビス{p-ブチルフェニル}-1,4-ジアミノ-フェニレン)]である:

【0118】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送ポリマーは、以下によって表されるポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(N,N'-ビス{4-ブチルフェニル}-1,1'-ビフェニレン-4,4-ジアミン)]である:

【0119】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送ポリマーは、以下によって表されるポリ(N,N'-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N'-ビス(フェニル)ベンゼジン(benzedine))である:

【0120】
用いられてもよいもう1つの正孔輸送ポリマーは、以下によって表されるポリ(銅フタロシアニン)である:

【0121】

1つの態様において、組成物は、約1重量%〜99重量%の共役ポリマーと、約1重量%〜約99重量%の酸化還元ドーパントとを含む。もう1つの態様において、組成物は、約25〜99%の共役ポリマーと約1%〜75%の酸化還元ドーパントとを含む。典型的に、共役ポリマーの重量による量は、酸化還元ドーパントの重量による量より大きい。共役ポリマーは、前述の任意の共役ポリマーでありうる。典型的に、反復単位は、3,4-二置換ポリチオフェンである。典型的に、酸化還元ドーパントは、約0.01 m/ru〜約1 m/ruの量のヨードニウム塩であってもよく、式中mはヨードニウム塩のモル量であり、ruは共役ポリマー反復単位のモル量である。
【0122】
いくつかの態様において、組成物は、溶媒または溶媒担体を含む。典型的に、溶媒または溶媒担体を含む態様において、組成物は、少なくとも97重量%の溶媒または溶媒担体を含み、組成物は、3重量%またはそれ未満の固体百分率を特徴とする。
【0123】
デバイス
様々なデバイスを、多くの場合において、たとえば溶液または真空プロセシングならびにプリンティングおよびパターニングプロセスによって調製されうる多層構造を用いて製造することができる。特に、本組成物が正孔注入層として用いられるために配合される正孔注入層(HIL)に関して本明細書において記述される態様を用いることは、有効に行われうる。具体的な応用には、OLED、PLED、PHOLED、SMOLED、ESD、光電池、スーパーキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、陽イオン変換器、薬物放出、エレクトロクロミクス、センサー、FET、アクチュエータ、およびメンブレンの正孔注入層が含まれる。もう1つの応用は、有機電界効果トランジスタ(OFETS)に関する電極修飾剤を含む電極修飾剤としてである。他の応用には、プリンテッドエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクスデバイス、およびロールツーロール生産プロセスの分野における応用が含まれる。加えて、本明細書において考察した組成物は、電極上でのコーティングであってもよい。
【0124】
たとえば、光起電デバイスは当技術分野において公知である。たとえば、OPV活性層に関する記述が含まれる、2006年4月13日に公表された米国特許出願公開第2006/0076050号および2008年2月14日に公表されたWO 2008/018931を参照されたい。デバイスは、たとえばガラスまたはPET上にインジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な導体を含む陽極;正孔注入層および/または正孔輸送層、P/Nバルクヘテロ接合層、LiFなどの調整層;およびたとえばCa、Al、またはBaなどの陰極を含む多層構造を含みうる。組成物は、正孔輸送層として用いるために配合されうる。デバイスは電流密度対電位測定を許容するように適合されうる。
【0125】
同様に、OLEDデバイスも当技術分野において公知である。たとえば、2006年4月13日に公開された米国特許出願公開第2006/00787661号を参照されたい。デバイスは、たとえばガラス、PET、またはPENにおいてITOなどの透明な導体を含む陽極;正孔注入層;ポリマー層などのエレクトロルミネッセント層;LiFなどの調整層;およびたとえばCa、Al、またはBaなどの陰極を含む多層構造を含みうる。
【0126】
当技術分野において公知の方法を用いて、たとえばOLEDおよびOPVデバイスを含むデバイスを製造することができる。当技術分野において公知の方法を用いてたとえば、輝度、効率、および寿命を測定することができる。OLEDの特許には、たとえば米国特許第4,356,429号および第4,539,507号(Kodak)が含まれる。光を放出する導電性ポリマーは、たとえば米国特許第5,247,190号および第5,401,827号(Cambridge Display Technologies)において記述される。同様に、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、デバイスの構築、物理的原理、溶液プロセシング、多層形成、混和、材料の合成および配合が含まれる、Kraft et al., "Electroluminescent Conjugated Polymers - Seeing Polymers in a New Light" Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37, 402-428を参照されたい。
【0127】
BEHP-PPVなど、Sumation、Merck Yellow、Merck Blue、American Dye Sources (ADS)、Kodak(たとえば、A1Q3等)およびAldrichからも入手可能な材料などの、様々な導電性ポリマーおよび有機分子を含む、当技術分野において公知でありかつ市販されている発光体を用いることができる。そのような有機エレクトロルミネッセント材料の例には、以下が含まれる:
(i)フェニレン部分上の様々な位置で置換されるポリ(p-フェニレンビニレン)およびその誘導体;
(ii)ビニレン部分上の様々な位置で置換されるポリ(p-フェニレンビニレン)およびその誘導体;
(iii)フェニレン部分上の様々な位置で置換され、かつビニレン部分上の様々な位置でも置換されるポリ(p-フェニレンビニレン)およびその誘導体;
(iv)アリーレンがナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾール等のような部分であってもよいポリ(アリーレンビニレン);
(v)アリーレンが上記(iv)のアリーレンであってもよく、かつ加えてアリーレン上の様々な位置で置換基を有してもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(vi)アリーレンが上記(iv)のアリーレンであってもよく、かつ加えてビニレン上の様々な位置で置換基を有してもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(vii)アリーレンが上記(iv)のアリーレンであってもよく、加えてアリーレン上の様々な位置で置換基を有してもよく、かつビニレン上の様々な位置で置換基を有してもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(viii)(iv)、(v)、(vi)、および(vii)のオリゴマーなどのアリーレンビニレンオリゴマーと非共役オリゴマーとのコポリマー;
(ix)ポリp-フェニレン、およびポリ(9,9-ジアルキルフルオレン)などのラダーポリマー誘導体を含むフェニレン部分上の様々な位置で置換されたその誘導体;
(x)アリーレンがナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾール等のような部分であってもよいポリ(アリーレン)、およびアリーレン部分上の様々な位置で置換されるその誘導体;
(xi)(x)のオリゴアリーレンなどのオリゴアリーレンと非共役オリゴマーとのコポリマー;
(xii)ポリキノリンおよびその誘導体;
(xiii)溶解度を提供するために、ポリキノリンと、フェニレン上でたとえばアルキルまたはアルコキシ基によって置換されたp-フェニレンとのコポリマー;
(xiv)ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスチアゾール)、ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール)、ポリp-フェニレン-2,6-ベンズイミダゾールなどの剛直棒状ポリマー、およびその誘導体;ならびに
(xv)ポリフルオレンポリマーおよびポリフルオレン単位とのコポリマー。
【0128】
好ましい有機発光ポリマーには、緑色、赤色、青色、もしくは白色光を放射するSUMATION発光ポリマー(「LEP」)、またはそのファミリー、そのコポリマー、誘導体、もしくは混合物が含まれる:SUMATION LEPはSumation K.K.から入手可能である。他のポリマーには、Covion Organic Semiconductors GmbH, Frankfurt, Germany(現在はMerck(登録商標)の所有)から入手可能なポリスピロフルオレン様ポリマーが含まれる。
【0129】
あるいは、ポリマーよりむしろ、蛍光またはリン光を放射する有機低分子が、有機エレクトロルミネッセント層として役立ちうる。低分子有機エレクトロルミネッセント材料の例には、(i)トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq);(ii)1,3-ビス(N,N-ジメチルアミノフェニル)-1,3,4-オキシダゾール(OXD-8);(iii)-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリナト)アルミニウム;(iv)ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム;(v)ビス(ヒドロキシベンゾキノリナト)ベリリウム(BeQ. sub.2);(vi)ビス(ジフェニルビニル)ビフェニレン(DPVBI);および(vii)アリールアミン置換ジスチリルアリーレン(DSAアミン)が含まれる。
【0130】
そのようなポリマーおよび低分子材料は、当技術分野において周知であり、たとえば、VanSlykeに交付された米国特許第5,047,687号;およびBredas, J. -L., Silbey, R., eds., Conjugated Polymers, Kluwer Academic Press, Dordrecht (1991)において記述される。
【0131】
デバイスにおけるHILの例には、以下が含まれる:
(1)PLEDおよびSMOLEDを含むOLEDにおける正孔注入;たとえばPLEDにおけるHILに関して、共役が炭素またはケイ素原子を伴う全てのクラスの共役ポリマーエミッターを用いることができる。SMOLEDにおけるHILに関しては、以下が例である:蛍光エミッターを含有するSMOLED;リン光エミッターを含有するSMOLED;HIL層に加えて1つまたは複数の有機層を含むSMOLED;および低分子層が溶液もしくはエアロゾルスプレー、または任意の他のプロセシング技術から加工されるSMOLED。加えて、他の例には、デンドリマーまたはオリゴマー有機半導体に基づくOLEDにおけるHIL;HILが電荷注入を改変するためにまたは電極として用いられる二極性発光FETにおけるHILが含まれる;
(2)OPVにおける正孔抽出層;
(3)トランジスタにおけるチャンネル材料;
(4)ロジックゲートなどのトランジスタの組み合わせを含む回路におけるチャンネル材料;
(5)トランジスタにおける電極材料;
(6)キャパシタにおけるゲート層;
(7)導電性ポリマーによって感知される種との会合によりドーピングレベルの改変が達成される化学センサー。
【0132】
多様な光活性層をOPVデバイスにおいて用いることができる。光起電デバイスは、たとえば米国特許第5,454,880号(Univ. Cal.);第6,812,399号;および第6,933,436号において記述されるように、たとえば導電性ポリマーと混合されるフラーレン誘導体を含む光活性層によって調製されうる。たとえば、Wienk et al, Applied Physics Letters, 88, 153511 (2006);Campos et al., Solar Energy Materials & Solar Cells, 90 (2006) 3531-3546も参照されたい。また、光活性層は、導電性ポリマーの混和物、導電性ポリマーと半導体ナノ粒子との混和物、ならびにフタロシアニン、フラーレン、およびポルフィリンなどの低分子の二重層を含んでもよい。
【0133】
一般的な電極材料および基板、ならびに封入材料を用いることができる。
【0134】
デバイスを作製する方法は典型的に、基板を提供する段階;基板上で透明な導体を積層する段階;本明細書において記述される溶媒において光酸によってドープ処理された共役ポリマーを含むHILまたはHTLインク組成物を提供する段階;正孔注入層または正孔輸送層を形成するために透明な導体上に組成物を積層する段階;正孔注入層または正孔輸送層の上に活性層を積層する段階;および活性層の上に陰極を積層する段階を含む。
【0135】
もう1つの態様において、デバイスを作製する方法は、OLED、光起電デバイス、ESD、SMOLED、PLED、センサー、スーパーキャパシタ、陽イオン変換器、薬物放出デバイス、エレクトロクロミックデバイス、トランジスタ、電界効果トランジスタ、電極修飾剤、有機電界効果トランジスタの電極修飾剤、アクチュエータ、または透明電極におけるHILまたはHTL層の一部として、本明細書において記述される溶媒において光酸によってドープ処理された共役ポリマーを含むHILまたはHTLインク組成物を適用する段階を含む。
【0136】
OLED測定
当技術分野において公知の方法を用いてOLEDパラメータを測定することができる。たとえば、測定は10 mA/cm2で行われうる。
【0137】
電圧は、たとえば約2〜約15、約2〜約8、約2〜5、約3〜14、または約3〜約7でありうる。
【0138】
輝度は、たとえば少なくとも250 cd/m2、少なくとも500 cd/m2、少なくとも750 cd/m2、または少なくとも1,000 cd/m2でありうる。
【0139】
効率は、たとえば少なくとも0.25 Cd/A、少なくとも0.45 Cd/A、少なくとも0.60 Cd/A、少なくとも0.70 Cd/A、少なくとも1.00 Cd/A、少なくとも2.5 Cd/A、少なくとも5.00 Cd/A、少なくとも7.50 Cd/A、少なくとも10.00 Cd/A、少なくとも20 Cd/A、少なくとも30 Cd/A、少なくとも60 Cd/A、または少なくとも80 Cd/Aでありうる。上限はたとえば約200 Cd/Aでありうる。
【0140】
寿命は、50 mA/cm2で、または75 mA/cm2までで時間で測定され、たとえば少なくとも50時間、少なくとも100時間、少なくとも約900時間、少なくとも1,000時間、少なくとも1100時間、少なくとも2,000時間、少なくとも5,000時間、少なくとも10,000時間、少なくとも20,000時間、または少なくとも50,000時間でありうる。たとえばT50などの当技術分野において公知の方法を用いて、寿命を測定することができる。
【0141】
輝度、効率、および寿命の組み合わせが達成されうる。たとえば輝度は少なくとも1,000 cd/m2であってもよく、効率は少なくとも1.00 cd/Aであってもよく、寿命は少なくとも1,000時間、少なくとも2,500時間、または少なくとも5,000時間であってもよい。
【0142】
熱安定性
非ドープ処理およびドープ処理ポリマー組成物は、たとえば熱重量分析(TGA)によって測定した場合に優れた熱安定性を示しうる。たとえば、安定性は、ドープ処理または非ドープ処理型に関して、分解温度開始が少なくとも100℃、少なくとも200℃、または少なくとも300℃でありうるように達成されうる。
【0143】
さらなる態様が、一連の非制限的な作業実施例と共に提供される。
【実施例】
【0144】
作業実施例
実施例1:3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェンの合成手順

窒素パージした1 L乾燥三頚丸底フラスコにブチルカルビトール420 mLを加えた後、金属ナトリウム(削りくず)29 gを加えて迅速な溶解を促進した。金属ナトリウムは、ヘキサンによって洗浄した後ブチルカルビトールに加えた。反応混合物を室温でおよそ30〜45分間撹拌した。次に、反応混合物を90℃まで加熱して金属とブチルカルビトールとの反応を完了させた。
【0145】
混合物に、3,4-ジブロモチオフェン75 gを加えた後、CuBr 4.45 gおよびKI 0.51 gを加えた。反応混合物を90〜100℃まで24時間加熱した。反応混合物のGC-MSは、98%より多くが変換されたことを示した。反応混合物をtert-ブチルメチルエーテル(MTBE)およそ500 mLによって希釈した。次に、反応混合物を90 cm×1 cm厚さのシリカゲルパッドを通して濾過した。反応混合物において見いだされる固体のいくつかを除去するために、さらなる濾過を行って、濾過速度が遅くなる場合はフィルターを交換した。濾過は、5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて行った。濾液をロータリーエバポレーターにおいて濃縮して、ブチルカルビトールを短工程蒸留セットアップを用いて蒸留した。
【0146】
GC-MSは、反応混合物が87%二置換単量体と12%一置換脱臭化チオフェン、および微量のカルビトールで構成されることを示した。産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン-酢酸エチルの60:40(v/v)混合物によって2ロットで精製すると、収量およそ80 gが得られた。
【0147】
実施例2:3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン単量体の二臭素化

3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン単量体20 gをクロロホルム90 mLに溶解した。次に、氷酢酸90 mLをこの混合物に加えた。溶液を氷浴を用いておよそ0〜5℃に冷却して、N-ブロモスクシニミド19.5 gを少量ずつ2〜3分間かけて加えた。反応混合物は急激に暗色となった。反応を室温でおよそ2時間継続した後、希重炭酸ナトリウム溶液を用いて中和した。
【0148】
反応混合物を分液漏斗に移して、MTBE 1 Lによってさらに希釈した。有機層を脱イオン水1×300 mLによって洗浄した後、1 Mチオ硫酸ナトリウム溶液2×300 mLによって洗浄した。チオ硫酸塩による洗浄に関して、層が分離するまで層をビーカーにおいて30分間撹拌した。有機層を最後に塩水2×200 mLによって洗浄後、無水MgSO4によって乾燥させて、濾過して濃縮すると、赤色の液体が得られた。赤色の液体を、80:20(v/v)のヘキサン-酢酸エチルを溶出溶媒としてシリカゲルカラムの中を通過させることによって精製した。合わせた分画を濃縮してシュレンク管において終夜乾燥させると、橙赤色の液体約22.59 gが得られた。橙赤色の液体をさらに精製せずに重合化のために得た。
【0149】
実施例3:2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン(I)の重合化

1 L三頚丸底フラスコを加熱して、窒素パージを3回行って排気した。このフラスコにMBraun溶媒送達系から無水テトラヒドロフラン(THF)400 mLを加えた。2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン単量体22.59 gを無水THFおよそ80 mLによって希釈して、1 L反応フラスコに加えた。無水THF 20 mLを用いてフラスコをすすぎ、洗浄物をリアクターに加えた。次に、1.0 M i-PrMgCl.LiClのTHF溶液36.2 mLをシリンジを通して反応混合物に注入した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。無水6 mLに懸濁したNiCl2.dppp 0.22 gをシリンジを通してTHFに加えた。反応混合物は不透明になって数分でマゼンタ色になった。
【0150】
反応混合物を終夜還流した後、エタノール4 Lに加えた。溶媒の90%以上を除去することによって反応混合物を濃縮した。ポリマーを沈殿させるために十分な量である水およそ1 Lを加えた。沈殿物を5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて濾過した。ポリマーは、暗紫色であり、その後、明記された以下の溶媒の各々の中で軽く加熱しながら撹拌して温度を約50℃〜70℃に上昇させた。各々の場合において、ポリマーを溶媒に加える前に溶媒を混合した。
・濃塩酸1×135 mL+エタノール100 mL+脱イオン水265 mL
・濃塩酸1×135 mL+エタノール150 mL+脱イオン水215 mL
・エタノール1×150 mL+脱イオン水150 mL
【0151】
上記の各々の洗浄段階後、ポリマーを脱イオン水およそ500 mLによって洗浄した。
・EDTA四ナトリウム塩1×3.8 g、脱イオン水200 mL+エタノール50 mL(EDTA-4Naを水に溶解した後、エタノールを溶液に加えた)。
【0152】
EDTA処理後、ポリマーを脱イオン水によって洗浄後、濾液が無色となるまでエタノールによって洗浄した。
・エタノール1×40 mL+脱イオン水160 mL
・ヒドラジン(35重量%水溶液)1×25 mL+エタノール80 mL+脱イオン水95 mLで室温。
【0153】
ヒドラジン処理ポリマーを濾過して、脱イオン水500 mLおよびエタノール100 mLによって洗浄した。濾過は5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて行った。エタノール50 mL+脱イオン水150 mLを加熱しながら1時間撹拌して混合物にした。ポリマーを濾過して、脱イオン水500 mLによって再度洗浄した後、エタノール5×50 mLによって洗浄し、漏斗上で吸引乾燥させて、最後に55℃の真空乾燥器で24時間乾燥させた。濾過は5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて行われた。ポリマー約11 g(68%)を収集して、後に使用するためにグローブボックスに保存した。ポリマー中の臭素含有量(0.175%)を誘導結合プラズマ(ICP)によって測定することによる末端基分析は、DPn 114を示した。
【0154】
測定されたBrは全てポリマーの鎖末端に由来すると推定されうる。公知である重合化機序の性質に基づき、脱臭素化のために処理されなければ、または処理されるまで、ポリマーは1つの端部がBrによってキャッピングされ、他の端部がHによってキャッピングされると理解されうる。
【0155】
1H-NMR、CDCl3(δppm、(# H's)):4.3 (4H)、3.9 (4H)、3.7 (4H)、3.55 (4H)、3.45 (4H)、1.55 (4H)、1.3 (4H)、0.9 (6H)。熱重量測定分析は、319℃という分解温度開始を示した。159℃でピークを有する広い結晶融解吸熱がポリマーの示差走査熱量測定において観察された。 TA Instruments TGA-Q500を用いてTGA特性を測定して、TA Instruments DSC-Q200を用いてDSC特性を測定することができる。走査速度は20℃/分でありうる。
【0156】
実施例4:2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン(II)(P3DBEETh)の重合化

2 Lの三頚丸底フラスコを真空でフレームドライして、窒素パージを行った(3回繰り返した)。このフラスコに2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン(II)モノマー44.98 gを加えた。モノマーを保存したフラスコを無水THF 10 mLによって2回すすぎ、洗浄液をリアクターに加えた。MBraun溶媒送達システムから無水THF 680 mLをカニューレを通して移した。0.79 M i-PrMgClのTHF溶液97 mLをシリンジを通して注入した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。無水THF 6 mLに懸濁したNiCl2.dppp 0.275 gをシリンジを通して加えた。反応混合物を終夜還流して、エタノール7 L中で沈殿させた。
【0157】
ポリマーを濾過してエタノール中で終夜撹拌した(全量、2 L)。濾過は5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて行った。続いてポリマーを濾過してエタノール500 mLによって洗浄した。その後ポリマーを、明記された以下の溶媒中でおよそ50〜70℃の温度まで緩やかに加熱しながら撹拌した。全ての場合において、ポリマーを溶媒に加える前に溶媒を混合した:
・濃塩酸1×100 mL+脱イオン水1300 mL
・濃塩酸1×100 mL+エタノール200 mL+脱イオン水700 mL
・エタノール1×50 mL+脱イオン水450 mL
・EDTA-4Na 1×5 g+エタノール100 mL+脱イオン水900 mL(EDTA-4Naを水に溶解した後、エタノールを溶液に加えた)
【0158】
上記の各洗浄段階後、ポリマーを脱イオン水およそ500 mLによって洗浄した。
・エタノール1×50 mL+脱イオン水450 mL
【0159】
ポリマーを濾過して脱イオン水500 mLによって洗浄した後、濾液が無色になるまでエタノールによって洗浄した。濾過は、5.0μm SVPP Durapore(登録商標)メンブレンフィルターを用いて行った。
【0160】
最終濾過段階の後、ポリマーを漏斗上で吸引乾燥させた後、50℃の真空乾燥器において48時間乾燥させた。ポリマー約21 g(65%)を得て、後に使用するためにグローブボックス内で保存した。ポリマー中の臭素含有量(0.196%)を誘導結合プラズマ(ICP)によって測定することによる末端基分析は、DPn 102を示した。
【0161】
測定されたBrは全て、ポリマーの鎖端部に由来すると仮定されうる。公知の重合化機序の性質に基づいて、脱臭素化のために処理されなければ、または処理されるまで、ポリマーは、1つの端部がBrによってキャッピングされ、他の端部がHによってキャッピングされると理解されうる。
【0162】
実施例5:P3DBEEThおよびドーパントを含有する配合物(HILインクまたはHIL配合物)
特に明記していなければ、保存液の調製および溶液の混合は全てグローブボックスの中で行った。P3DBEEThおよびIMDPIB(PhF5)4(TCI Americaから)の保存液を、実施例3および4において記述されるように調製した。トリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート(TBPAH)(Aldrichから)も同様に調製した。P3DBEETh溶液を30分間超音波処理した。
【0163】
ドーパント(IMDPIB(PhF5)4)は、多様な溶媒に容易に可溶性であった。ドーパントTBPAHをアセトニトリルに溶解した。ポリマーをトルエン/アセトニトリル-トルエン混合物に溶解した。次にドーパントをポリマー溶液に加えて、溶媒1または2を適切に加えることによって溶媒組成物を調整した。
【0164】
表1は、調製された組成物の一覧を記載する。配合物1〜12に関して、ドーパント溶液およびP3DBEETh溶液は各々0.5%固体となるように作製された。配合物13〜15に関して、溶液は各々1%固体となるように作製された。配合物16に関して、溶液は各々3%固体となるように作製された。残りの配合物に関して、溶液は2%固体となるように作製された。
【0165】
表1において記載される組成物を得るために、ドーパント溶液をP3DBEETh溶液に加えて、窒素パージした100 mL一頚丸底フラスコにおいて、特に明記していなければN2ブランケットを用いて2時間還流した。しかし、表1において報告されるように、表1における必ずしも全ての配合物を加熱したわけではなかった。溶液を室温まで冷却してバイアルに移し、グローブボックス内で保存した。
【0166】
同様に、配合物7〜9はより高い%(たとえば1.5)固体で作製されて、還流処理後希釈された。上記の配合物のコーティングは、ガラスプレート上で0.45 mmシリンジフィルターを通して溶液を濾過する段階およびグローブボックス内で遠心する段階によって得られた。薄膜のアニーリングも同様にグローブボックス内部で行った。130℃で15分間アニールしたドープ処理ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)の厚さ42 nmの薄膜の透過率は、これが可視領域で%T≧85%を有することを示している。
【0167】
【表1】


【0168】
実施例6:ドーピングに関する分光学的証明
図1は、IMDPIB(PhF5)4によってドープ処理されて、クロロホルムから遠心したポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)薄膜のUV-vis-NIRスペクトルを示す。実線は、還流した配合物のUV-vis-NIRスペクトルを示す。破線は新しく調製した配合物のUV-vis-NIRスペクトルを示す。点線は中性ポリマーのUV-vis-NIRスペクトルを示す。室温で試料をエージングすると、還流した試料に類似の結果を生じる。全ての試料をグローブボックス内で130℃で15分間アニールした。
【0169】
図2は、異なる溶媒系および異なるアニーリング条件でIMDPIB(PhF5)4によってドープ処理された薄膜ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)のUV-vis-NIRスペクトルを示す。実線は、クロロホルムから遠心した配合物のUV-vis-NIRスペクトルを示す。破線によって表される薄膜は、1:3(wt/wt)NMP-トルエン混合物を用いて、真空下の室温で48時間アニールされた。点線によって表される薄膜は、1:3(wt/wt)NMP-トルエン混合物を用いてグローブボックス内で15分間アニールされた。
【0170】
実施例7:OLEDデバイスの製造
本明細書において記述されるOLEDデバイスは、ガラス基板に蒸着したインジウムスズ酸化物(ITO)表面上で製造された。ITO表面をプレパターニングしてピクセル面積を0.05 cm2に規定した。デバイスの基板を、希釈した石けん溶液中での20分間の超音波処理によって洗浄した後、蒸留水によって洗浄した。この後イソプロパノール中で20分間超音波処理を行った。基板を窒素流下で乾燥させた後、それらを300 Wで操作するUV-オゾンチャンバーにおいて20分間処理した。
【0171】
洗浄した基板をHILインクによってコーティングして、90〜170℃で5〜15分間乾燥させて、HIL層を形成した。乾燥薄膜の厚さはおよそ20 nm〜60 nmの範囲であった。コーティングプロセスをスピンコーターにおいて行ったが、スプレーコーティング、インクジェット、コンタクトプリント、または所望の厚さのHIL薄膜を得ることができる他の任意の蒸着法によっても同様に達成することができる。次に、基板を真空チャンバーに移してそこでデバイス積層の残りの層を物理的蒸着によって蒸着させた。
【0172】
1つの例において、HILの上面に蒸着した層には、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、正孔遮断層(HBL)、電子輸送層(ETL)、および金属陰極が含まれる。本実施例において用いられる材料は、HTLとしてのN,N'(ジナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、EMLに関してトリス-(1-フェニルイソキノリン)イリジウムIII(Ir(piq)3)によってドープ処理されたビス(2-メチル-8-キノリノラト-N1,O8)-(1,1'-ビフェニル-4-オラト)アルミニウム(BAlq)、HBLとしてのBAlq、およびETLとしてのトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)であった。これらの材料は全て市販されており、典型的に当技術分野においてOLED構造において見いだされる。
【0173】
本実施例においてまた、陰極層は、2つの金属層の連続的蒸着によって調製され、第一の層は、Caの3 nm〜5 nm層(0.1 nm/秒)であり、その後にベース圧力5×10-7 TorrでAlの200 nm層(0.5 nm/秒)が続いた。
【0174】
もう1つの例において、HIL上に蒸着される材料は正孔輸送層(HTL)および発光層(EML)であった。本実施例において、HTLはN,N'(ジナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)であり、EMLは、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)であった。この場合も、陰極層は、2つの金属層の連続的蒸着によって調製され、第一の層はCaの3 nm〜5 nm層(0.1 nm/秒)であり、その後にベース圧力5×10-7 TorrでAlの200 nm層(0.5 nm/秒)が続いた。
【0175】
このようにして得られたデバイスを、4分間の80 W/cm2のUV曝露で硬化するUV光硬化エポキシ樹脂によって周囲条件への曝露を防止するために、カバーガラスによって封入した。
【0176】
実施例8:OLED試験
OLEDは、ピクセルの発光部分を含有するデバイスの封入領域外に電極が伸長するガラス基板上のピクセルを含む。各ピクセルの典型的な面積は0.05 cm2である。電極を、Keithley 2400ソースメータなどの電流ソースメータに接触させて、インジウムスズ酸化物にバイアスを適用してアルミニウム電極をアースした。これによって、陽性荷電担体(正孔)と陰性荷電担体がデバイスに注入されて、励起子を形成して光を生成する。本実施例において、HILは発光層への電荷担体の注入を補助する。その結果、デバイスの動作電圧(ピクセルの中に所定の電流密度を流すために必要な電圧として定義される)が低くなる。
【0177】
同時に、もう1つのKeithley 2400ソースメータを用いて、大きい面積のシリコンフォトダイオードを扱った。このフォトダイオードは、2400ソースメータによってゼロボルトのバイアスで維持された。これは、OLEDピクセルの光を照射した領域の真下のガラス基板領域に直ちに接するように置かれる。フォトダイオードは、OLEDによって生成された光を収集して、それらを光電流に変換して、次にこれをソースメータによって読み取る。生成されたフォトダイオード電流は、Minolta CS-200色彩輝度計の助けを借りてそれを較正することによって、光学単位(カンデラ/平方メートル)に定量される。
【0178】
デバイスの試験の際に、OLEDピクセルを扱うKeithley 2400は、それに電圧掃引を適用した。ピクセルの中を通過する得られた電流を測定した。同時に、OLEDピクセルの中を通過する電流によって、光が生成されて、それによってフォトダイオードに接続された他のKeithley 2400によって光電流を読み取る。このように、ピクセルに関する電位-電流-光またはIVLデータが生成された。次にこれによって、ピクセルに対する電気的入力パワーのワットあたりのルーメンおよびピクセル電流1アンペアあたりのカンデラなどの他のデバイス特徴の測定が可能となる。
【0179】
異なる例のOLEDタイプにおける異なるHILの性能を記述する。典型的に性能は、動作電圧(低くなければならない)、ニトで表される輝度(明るくなければならない)、cd/A単位での光効率(デバイスから光を得るためにどれほど多くの電荷が必要であるかを示す)、および操作寿命(試験開始時の初期輝度値の半分に達するために必要な時間)などの異なるパラメータの組み合わせによって定量されることに注意されたい。そのため、総合的な性能が、HIL性能の比較評価において非常に重要である。
【0180】
この特定の実施例において、1つの長所は、リン光エミッターを有するデバイスの寿命の改善であった。
【0181】
比較例としてのインク(配合A)を表2における配合に従って調製した。
【0182】
【表2】

【0183】
P3MEET-Sは、3-置換アルコキシ基を含むスルホン酸ポリチオフェンである(たとえば、2007年7月13日に提出された米国特許出願第11/826,394号、現在の米国特許出願公開第2008/0248313号を参照されたい)。
【0184】
以下の表3は、クロロホルムにより配合された本発明のHIL9、および比較として表2の配合Aに示した水性HILによるデバイス構造に関する効率の結果を提供する。
【0185】
以下の表4は、本発明のHIL対比較HILによって作製されたデバイスの寿命の改善を提供する。寿命は、デバイスの輝度がその初期値の50%に達する時間を比較することによって評価される(T50またはt50と呼ばれる)。本実施例において、HIL9を150℃で約20分間アニールした。
【0186】
【表3】

【0187】
【表4】

【0188】
表3および表4から、本発明のHILはこのデバイス構造において、比較HILと類似のデバイス効率が得られることが示される。本発明のHILによって作製されたデバイスによって、比較HILによって作製されたデバイスより7時間長い寿命が得られる。データはさらに、リン光OLEDデバイスにおける長い寿命には、HIL9などの非水性HILを用いることが必要である可能性があることを意味する。
【0189】
本発明のHILにおける成分の濃度を変化させること、およびHILアニーリング温度およびアニーリング時間の効果を変化させることは、デバイスの効率およびデバイスの寿命を改善するために制御される重要なパラメータである。表5は、クロロホルムによって作製される本発明のHILにおいて異なる濃度の光酸を有する構造ITO/HIL/NPB/Alq3/Ca/Alによって作製されたデバイスに関するデータを示す。アニーリングを150℃で20分間行った。デバイスにおける光酸の濃度が増加すると、デバイスの効率は改善されうる。1つの態様において、本発明の配合物における光酸の濃度は0.3 mol/ruである。
【0190】
【表5】

【0191】
実行1および実行2は、これらのデバイスが試験される異なる実験の実行を指す。約0.5 Vまでの実行の間での変動が存在するが、HILにおける光酸の濃度に関して見出される傾向は同じである。
【0192】
表6は、0.3 mol/ruの光酸濃度を用いるデバイスが、アニーリング時間およびアニーリング温度を制御することによってさらに改善されうることを示している。この場合のアニーリングは、スピンコーティング法を用いて溶液をキャストした後にホットプレート上でのグローブボックスの中で行われた。薄膜の厚さは、およそ20〜30 nmのあいだであった。表6に見出されるように、アニーリング時間および温度が増加するにつれ、デバイスの寿命が改善した。
【0193】
【表6】

【0194】
実施例9:透明度
本実施例において、本発明のHILの透明度は、約350 nm〜約800 nmで少なくとも85%であることが証明された。ドープ処理されたHIL薄膜は、可視領域でほとんどまたは全くピークを示さず、中性密度フィルターのように挙動する。薄膜をグローブボックス内で130℃で15分間アニールした。
【0195】
実施例10:P3DBEEThポリマーとのHIL配合物において用いられる様々な光酸
溶媒としてのクロロホルム、および様々な光酸とP3DBEEThポリマーとの混合物を含むいくつかの異なるHILを、二重層の低分子OLEDデバイスにおいて試験した。配合物を表7に示す。
【0196】
【表7】

【0197】
これらのデバイスはNPBの正孔輸送層(HTL)とAlq3の発光層(EML)を含有した。デバイスは以下の構造を有した:ITO/HIL/NPB/Alq3/Ca/Al。最適なデバイス性能はP3DBEEThポリマーと混合したIMDPIBF5Ph4光酸のHILを用いて達成された。光酸を、共溶媒として24.6%DMFに溶解して、ポリマー溶液に加えた。配合物を全て室温で混合して、グローブボックス内で室温で保存後、翌日に使用した。最善のデバイス性能は、所定の電流密度(この場合、10 mA/cm2)で最低の電圧および最高の輝度を有するデバイスとして判断された。最善のデバイス性能はIMDPIB(PhF5)4ポリマーによって得られた。表記の百分率は、重量百分率である。結果を表8に示す。
【0198】
【表8】

【0199】
実施例11:洗浄試験の寿命
HIL9(P3DBEEThおよびホウ酸塩光酸を有する1024)に関して、HIL薄膜の抵抗性を決定するためにデバイスを作製した。以下のデータは、構造ITO/HIL/NPB/Apq3/Ca/Alを有するデバイスを示す。最初の3つのデバイスに関するHILをスピンコーティング法を用いてキャストした後、所定の温度でホットプレート上でアニールした。最後の3つのデバイスに関するHILをスピンキャストしてアニールした後、トルエンによって洗浄した。溶媒をHILの上部に滴下した後、基板を700 rpmで40秒間回転させた後175℃で15分間アニールした。
【0200】
トルエンによる洗浄段階は、デバイスの性能またはデバイスの寿命を妨害しなかった。
【0201】
さらなる態様
最後に2009年4月11日に提出された米国特許仮出願第61/044,380号および2008年12月2日に提出された米国特許仮出願第61/119,239号は以下の121の態様を記述する。
【0202】
第一の態様(「態様1」)は、少なくとも1つの酸化還元ドーパントと混合された少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物を含む。
【0203】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリチオフェン骨格を含む、態様1の組成物を含む。
【0204】
さらなる態様は、共役ポリマーが3,4-二置換ポリチオフェンである、態様1の組成物を含む。
【0205】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)である、態様1の組成物を含む。
【0206】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様1の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドであり;および
R2は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドである。
【0207】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様1の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分である。
【0208】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、態様1の組成物を含む。
【0209】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントがキノン、ボラン、カルボカチオン、ボラ-テトラアザペンタレン、アミニウムもしくはアンモニリウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、セレノノイウム塩、ニトロソニウム塩、アルソニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、金属塩、またはそれらの組み合わせである、態様1の組成物を含む。
【0210】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントがジフェニルヨードニウム塩であり、ジフェニルヨードニウム塩のフェニル環が置換されてもよい、態様1の組成物を含む。
【0211】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオン、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオン、またはそれらの組み合わせである陰イオンを含む、態様1の組成物を含む。
【0212】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオン、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオン、またはそれらの組み合わせである陰イオンを含むジフェニルヨードニウム塩を含む、態様1の組成物を含む。
【0213】
さらなる態様は、共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0214】
さらなる態様は、共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含み、合成ポリマーが25℃より高いガラス転移温度を有する、態様1の組成物を含む。
【0215】
さらなる態様は、平坦化剤をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0216】
さらなる態様は、ポリ(スチレン)、ポリ(スチレン)誘導体、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)誘導体、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)誘導体、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(ピロリドン)、ポリ(アリールエーテルケトン)、ポリ(アリールスルホン)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(エステル)、またはそれらの組み合わせを含む平坦化剤をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0217】
さらなる態様は、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含むポリマーを含む平坦化剤をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0218】
さらなる態様は、約25重量%〜約99重量%の共役ポリマー、および約1重量%〜約75重量%の酸化還元ドーパントを含み、重量%が共役ポリマーおよび酸化還元ドーパントの全量に対してである、態様1の組成物を含む。
【0219】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントの量が約0.01 m/ru〜約1 m/ruであり、mが酸化還元ドーパントのモル量であり、ruが共役ポリマー反復単位のモル量である、態様1の組成物を含む。
【0220】
さらなる態様は、共役ポリマーがテトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、または炭酸プロピレンに可溶性である、態様1の組成物を含む。
【0221】
さらなる態様は、有機溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0222】
さらなる態様は、非プロトン性有機溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0223】
さらなる態様は、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、またはそれらの組み合わせである有機溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0224】
さらなる態様は、有機電子デバイスにおける正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合される態様1の組成物を含む。
【0225】
さらなる態様は、共役ポリマーと酸化還元ドーパントを混合した後に加熱される、態様1の組成物を含む。
【0226】
さらなる態様は、ドーパントがフッ素を含む陰イオンを含み、組成物がいかなる追加の過フッ素化材料も実質的に含まない、態様1の組成物を含む。
【0227】
さらなる態様は、組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、薄膜が有機溶媒に対して抵抗性である、態様1の組成物を含む。
【0228】
さらなる態様は、組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、薄膜がトルエンに対して抵抗性である、態様1の組成物を含む。
【0229】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリチオフェン骨格を含み、酸化還元ドーパントがジアリールヨードニウム塩である、態様1の組成物を含む。
【0230】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)であり、酸化還元ドーパントがジフェニルヨードニウム塩である、態様1の組成物を含む。
【0231】
さらなる態様は、低分子または正孔輸送ポリマーである、正孔輸送化合物をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0232】
さらなる態様(「態様31」)は、少なくとも光酸と混合された少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物を含む。
【0233】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリチオフェン骨格を含む、態様31の組成物を含む。
【0234】
さらなる態様は、共役ポリマーが、3,4-二置換ポリチオフェンである、態様31の組成物を含む。
【0235】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)である、態様31の組成物を含む。
【0236】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様31の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、置換されてもよいプロピレンオキサイド、または他の低級アルキレンオキシ単位であり、置換されてもよいアルキレンであってもよく;および
R2は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、もしくは置換されてもよいプロピレンオキサイド、または他の低級アルキレンオキシ単位であり、置換されてもよいアルキレンであってもよい。
【0237】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様31の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分である。
【0238】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)、またはそれらの組み合わせである、態様31の組成物を含む。
【0239】
さらなる態様は、光酸がジアリールヨードニウム塩である、態様31の組成物を含む。
【0240】
さらなる態様は、光酸がジフェニルヨードニウム塩であり、ジフェニルヨードニウム塩のフェニル環が置換されてもよい、態様31の組成物を含む。
【0241】
さらなる態様は、光酸が、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオン、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオン、またはそれらの組み合わせである陰イオンをさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0242】
さらなる態様は、共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0243】
さらなる態様は、組成物が共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含み、合成ポリマーが25℃より大きいガラス転移温度を有する、態様31の組成物を含む。
【0244】
さらなる態様は、平坦化剤をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0245】
さらなる態様は、ポリ(スチレン)、ポリ(スチレン)誘導体、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)誘導体、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)誘導体、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(ピロリドン)、ポリ(アリールエーテルケトン)、ポリ(アリールスルホン)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(エステル)、またはそれらの組み合わせを含む平坦化剤をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0246】
さらなる態様は、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含むポリマーを含む平坦化剤をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0247】
さらなる態様は、組成物が約25重量%〜約99重量%の共役ポリマー、および約1重量%〜約75重量%の光酸を含み、重量%が共役ポリマーおよび光酸の全量に対してである、態様31の組成物を含む。
【0248】
さらなる態様は、光酸の量が約0.01 m/ru〜約1 m/ruであり、mが光酸のモル量であり、ruが共役ポリマー反復単位のモル量である、態様31の組成物を含む。
【0249】
さらなる態様は、共役ポリマーがテトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、または炭酸プロピレンに可溶性である、態様31の組成物を含む。
【0250】
さらなる態様は、有機溶媒をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0251】
さらなる態様は、テトラヒドロフラン、クロロホルム、または芳香族炭化水素である有機溶媒をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0252】
さらなる態様は、有機電子デバイスにおける正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合される態様31の組成物を含む。
【0253】
さらなる態様は、共役ポリマーと光酸を混合した後に加熱される、態様31の組成物を含む。
【0254】
さらなる態様は、陰イオンがフッ素を含み、組成物がいかなる追加の過フッ素化材料も実質的に含まない、態様31の組成物を含む。
【0255】
さらなる態様は、組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、薄膜が有機溶媒に対して抵抗性である、態様31の組成物を含む。
【0256】
さらなる態様は、組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、薄膜がトルエンに対して抵抗性である、態様31の組成物を含む。
【0257】
さらなる態様は、正孔輸送化合物が低分子または正孔輸送ポリマーを含み、正孔輸送ポリマーが主鎖および/または側鎖において正孔輸送単位を含む反復単位を含む、正孔輸送化合物をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0258】
さらなる態様(「態様57」)は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)と酸化還元ドーパントとを含む組成物を含む。
【0259】
さらなる態様は、少なくとも1つの酸化還元ドーパントがキノン、ボラン、カルボカチオン、ボラ-テトラアザペンタレン、アミニウムもしくはアンモニリウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、セレノノイウム塩、ニトロソニウム塩、アルソニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、金属塩、またはそれらの組み合わせである、態様57の組成物を含む。
【0260】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが少なくとも1つのジアリールヨードニウム塩を含む、態様57の組成物を含む。
【0261】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが少なくとも1つのジフェニルヨードニウム塩を含み、ジフェニルヨードニウム塩のフェニル環が置換されてもよい、態様57の組成物を含む。
【0262】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントがジフェニルヨードニウム塩であり、陰イオンが、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオン、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオン、またはそれらの組み合わせである、態様57の組成物を含む。
【0263】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが約100 g/mol〜約500 g/molの分子量を有するジフェニルヨードニウム塩を含む、態様57の組成物を含む。
【0264】
さらなる態様は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)が以下によって表される、態様57の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、および
ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)は、およそ5,000〜100,000 g/molの数平均分子量を有する。
【0265】
さらなる態様は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)が、ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)である、態様57の組成物を含む。
【0266】
さらなる態様は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)および酸化還元ドーパントが有機溶媒中で混合されて、加熱され、有機溶媒が除去される、態様57の組成物を含む。
【0267】
さらなる態様は、共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0268】
さらなる態様は、平坦化剤をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0269】
さらなる態様は、ポリ(スチレン)、ポリ(スチレン)誘導体、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)誘導体、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)誘導体、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(ピロリドン)、ポリ(アリールエーテルケトン)、ポリ(アリールスルホン)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(エステル)、またはそれらの組み合わせを含む平坦化剤をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0270】
さらなる態様は、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含む平坦化剤をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0271】
さらなる態様は、組成物が約25重量%〜約99重量%のポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)、および約1重量%〜約75重量%の酸化還元ドーパントを含み、重量%が共役ポリマーおよび酸化還元ドーパントの全量に対してである、態様57の組成物を含む。
【0272】
さらなる態様は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)と酸化還元ドーパントとを混合した後に組成物が加熱される、態様57の組成物を含む。
【0273】
さらなる態様は、組成物が基板上にコーティングされた薄膜を含み、薄膜がトルエンに対して抵抗性である、態様57の組成物を含む。
【0274】
さらなる態様は、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)がポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)であり、酸化還元ドーパントがホウ酸陰イオンを含むジアリールヨードニウム塩である、態様57の組成物を含む。
【0275】
さらなる態様(「態様74」)は、少なくとも1つの共役ポリマー、少なくとも1つの酸化還元ドーパント、および溶媒担体の混合物を含む組成物を含む。
【0276】
さらなる態様は、有機電子デバイスにおいて正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合される、態様74の組成物を含む。
【0277】
さらなる態様は、溶媒担体が少なくとも1つの有機溶媒を含み、有機溶媒が溶媒担体における主要な溶媒である、態様74の組成物を含む。
【0278】
さらなる態様は、溶媒担体が少なくとも1つの非プロトン性溶媒を含み、非プロトン性溶媒が溶媒担体における主要な溶媒である、態様74の組成物を含む。
【0279】
さらなる態様は、少なくとも1つの平坦化剤をさらに含む、態様74の組成物を含む。
【0280】
さらなる態様は、少なくとも97重量%の溶媒担体を含み、3重量%またはそれ未満の固体百分率を特徴とする、態様74の組成物を含む。
【0281】
さらなる態様は、UV-vis-NIRスペクトルによって測定する場合にドーピングを増加するように処理される、態様74の組成物を含む。
【0282】
さらなる態様は、加熱される、態様74の組成物を含む。
【0283】
さらなる態様は、溶媒担体の還流温度まで加熱される、態様74の組成物を含む。
【0284】
さらなる態様は、ドーピングを増加させるために加熱を行わずにエージングされる、態様74の組成物を含む。
【0285】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントがヨードニウム塩である、態様74の組成物を含む。
【0286】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントが置換されてもよいジアリールヨードニウム塩である、態様74の組成物を含む。
【0287】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリチオフェン骨格を含む、態様74の組成物を含む。
【0288】
さらなる態様は、共役ポリマーが3,4-二置換ポリチオフェンである、態様74の組成物を含む。
【0289】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様74の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドであり;および
R2は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドである。
【0290】
さらなる態様は、共役ポリマーが以下によって表される、態様74の組成物を含む:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、および
共役ポリマーはおよそ5,000〜100,000 g/molの数平均分子量を有する。
【0291】
さらなる態様は、組成物が有機電子デバイスにおける正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合され、溶媒担体が少なくとも1つの有機溶媒を含み、有機溶媒が溶媒担体における主な溶媒であり、組成物が少なくとも1つの平坦化剤を含み、および組成物が少なくとも97重量%の溶媒担体を含み、組成物が3重量%またはそれ未満の固体百分率を特徴とする、態様74の組成物を含む。
【0292】
さらなる態様(「態様91」)は、態様1、31、57、または74の組成物を含む少なくとも1つの層を含むデバイスを含む。
【0293】
さらなる態様は、層が正孔注入層、正孔輸送層、または正孔抽出層である、態様91のデバイスを含む。
【0294】
さらなる態様は、有機電子デバイスである、態様91のデバイスを含む。
【0295】
さらなる態様は、OLED、PHOLED、または光起電デバイスである、態様91のデバイスを含む。
【0296】
さらなる態様は、組成物が電極上にコーティングされる、態様91のデバイスを含む。
【0297】
さらなる態様は、t50での寿命が少なくとも1400時間であるPHOLEDデバイスである、態様91のデバイスを含む。
【0298】
さらなる態様(「態様97」)は、以下を含む、デバイスを作製する方法を含む:
基板を提供する段階;
態様1、31、57、または74の組成物を提供する段階;
活性層を提供する段階;
陰極を提供する段階;および
任意で透明な導体を提供する段階;
基板、態様1、31、57または74の組成物、活性層、陰極、および透明な導体を合わせる段階。
【0299】
さらなる態様は、基板、態様1、31、57、または74の組成物、陰極、および透明な導体を合わせる段階が溶液プロセシングを含む、態様97の方法を含む。
【0300】
さらなる態様は、共役ポリマーと酸化還元ドーパントとを混合した後に組成物が加熱される、態様97の方法を含む。
【0301】
さらなる態様は、酸化還元ドーパントがヨードニウム塩であり、共役ポリマーとヨードニウム塩とを混合した後に組成物が加熱される、態様97の方法を含む。
【0302】
さらなる態様は、共役ポリマーが3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェンであり、酸化還元ドーパントがホウ酸陰イオンを含むジアリールヨードニウム塩である、態様97の方法を含む。
【0303】
さらなる態様は、共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)であり、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)および酸化還元ドーパントが有機溶媒中で混合されて、加熱され、有機溶媒が除去される、態様97の方法を含む。
【0304】
さらなる態様は、ドーピングを増加させるために加熱をせずに組成物がエージングされる、態様97の方法を含む。
【0305】
さらなる態様は、組成物が溶媒担体の還流温度まで加熱される、態様97の方法を含む。
【0306】
さらなる態様は、組成物が、有機電子デバイスにおいて正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合されて、溶媒担体が少なくとも1つの有機溶媒を含み、有機溶媒が溶媒担体における主な溶媒であり、組成物が少なくとも1つの平坦化剤を含み、および組成物が少なくとも97重量%の溶媒担体を含み、組成物が3重量%またはそれ未満の固体百分率を特徴とする、態様97の方法を含む。
【0307】
さらなる態様(「態様106」)は、OLED、光起電デバイス、PHOLED、ESD、SMOLED、PLED、センサー、スーパーキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、陽イオン変換器、薬物放出デバイス、エレクトロクロミックデバイス、トランジスタ、電界効果トランジスタ、電極修飾剤、有機電界効果トランジスタの電極修飾剤、アクチュエータ、または透明電極におけるHILまたはHTL層の一部として態様1、31、57、または74の組成物を適用する段階を含む方法を含む。
【0308】
さらなる態様は、少なくとも1つのポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)と混合された少なくとも1つのヨードニウム塩を含む組成物を含む。
【0309】
さらなる態様は、少なくとも1つのヨードニウム塩によってドープ処理された少なくとも1つのポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)を含む組成物を含む。
【0310】
さらなる態様は、少なくとも1つのポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)と少なくとも1つのヨードニウム塩とを合わせることによって調製された組成物を含む。
【0311】
さらなる態様は、非ハロゲン化溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0312】
さらなる態様は、エーテル、エチレングリコールモノエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエーテルアセテート、脂肪族ケトン、および芳香族ケトンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0313】
さらなる態様は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様1の組成物を含む。
【0314】
さらなる態様は、非ハロゲン化溶媒をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0315】
さらなる態様は、エーテル、エチレングリコールモノエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエーテルアセテート、脂肪族ケトン、および芳香族ケトンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0316】
さらなる態様は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様31の組成物を含む。
【0317】
さらなる態様は、非ハロゲン化溶媒をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0318】
さらなる態様は、エーテル、エチレングリコールモノエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエーテルアセテート、脂肪族ケトン、および芳香族ケトンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0319】
さらなる態様は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレンから選択される有機溶媒をさらに含む、態様57の組成物を含む。
【0320】
さらなる態様は、溶媒担体が少なくとも1つの非ハロゲン化溶媒を含み、非ハロゲン化溶媒が溶媒担体における主要な溶媒である、態様74の組成物を含む。
【0321】
さらなる態様は、溶媒担体がエーテル、エチレングリコールモノエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエーテルアセテート、脂肪族ケトン、および芳香族ケトンから選択される少なくとも1つの有機溶媒を含み、有機溶媒が溶媒担体における主要な溶媒である、態様74の組成物を含む。
【0322】
さらなる態様は、溶媒担体が、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレンから選択される少なくとも1つの有機溶媒を含み、有機溶媒が溶媒担体における主要な溶媒である、態様74の組成物を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の酸化還元ドーパントと混合された少なくとも1種類の共役ポリマーを含む組成物であって、該共役ポリマーが3,4-二置換ポリチオフェンである、組成物。
【請求項2】
共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
共役ポリマーが以下によって表される、請求項1記載の組成物:

式中、R1は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドであり;かつ
R2は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、または置換されてもよいプロピレンオキサイドである。
【請求項4】
共役ポリマーが以下によって表される、請求項1記載の組成物:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分である。
【請求項5】
共役ポリマーがポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
酸化還元ドーパントが、キノン、ボラン、カルボカチオン、ボラ-テトラアザペンタレン、アミニウムもしくはアンモニリウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、セレノノイウム塩、ニトロソニウム塩、アルソニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、金属塩、またはそれらの組み合わせである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
酸化還元ドーパントが、ジフェニルヨードニウム塩であり、かつ該ジフェニルヨードニウム塩のフェニル環が置換されてもよい、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
平坦化剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
平坦化剤をさらに含む組成物であって、該平坦化剤が、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含むポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
組成物が、約25重量%〜約99重量%の共役ポリマーと、約1重量%〜約75重量%の酸化還元ドーパントとを含み、重量%が共役ポリマーと酸化還元ドーパントの総量に対してである、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
酸化還元ドーパントの量が約0.01 m/ru〜約1 m/ruであり、式中mが酸化還元ドーパントのモル量であり、ruが共役ポリマー反復単位のモル量である、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
共役ポリマーが、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロピラン、またはアニソールに可溶性である、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
非プロトン性有機溶媒をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
有機電子デバイスにおいて正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合される、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
共役ポリマーと酸化還元ドーパントとを混合した後、組成物が加熱される、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
ドーパントが、フッ素を含む陰イオンを含み、かつ組成物が、いかなる追加の過フッ素化材料も実質的に含まない、請求項1記載の組成物。
【請求項18】
組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、かつ該薄膜が有機溶媒に対して抵抗性(intractable)である、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
組成物が基板上にコーティングされた薄膜であり、かつ該薄膜がトルエンに対して抵抗性である、請求項1記載の組成物。
【請求項20】
低分子または正孔輸送ポリマーである正孔輸送化合物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも光酸と混合された少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物。
【請求項22】
共役ポリマーがポリチオフェン骨格を含む、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
共役ポリマーが、3,4-二置換ポリチオフェンである、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
共役ポリマーがポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)である、請求項21記載の組成物。
【請求項25】
共役ポリマーが以下によって表される、請求項21記載の組成物:

式中、R1は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、もしくは置換されてもよいプロピレンオキサイド、または他の低級アルキレンオキシ単位であり、置換されてもよいアルキレンであってもよく;かつ
R2は独立して、アルコキシ部分、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリールオキシ、置換されてもよいアルキレンオキサイド、置換されてもよいエチレンオキサイド、もしくは置換されてもよいプロピレンオキサイド、または他の低級アルキレンオキシ単位であり、置換されてもよいアルキレンであってもよい。
【請求項26】
共役ポリマーが以下によって表される、請求項21記載の組成物:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ部分である。
【請求項27】
光酸がジアリールヨードニウム塩である、請求項21記載の組成物。
【請求項28】
光酸がジフェニルヨードニウム塩であり、かつ該ジフェニルヨードニウム塩のフェニル環が置換されてもよい、請求項21記載の組成物。
【請求項29】
光酸が、塩化物陰イオン、臭化物陰イオン、ヨウ化物陰イオン、テトラフルオロホウ酸陰イオン、ヘキサフルオロリン酸陰イオン、置換されてもよいアリールスルホン酸陰イオン、置換されてもよいアルキルスルホン酸陰イオン、ペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオン、置換されてもよいテトラアリールホウ酸陰イオン、置換されてもよいテトラアルキルホウ酸陰イオン、またはそれらの組み合わせである陰イオンをさらに含む、請求項21記載の組成物。
【請求項30】
前記共役ポリマーとは異なる合成ポリマーをさらに含む、請求項21記載の組成物。
【請求項31】
平坦化剤をさらに含む、請求項21記載の組成物。
【請求項32】
平坦化剤をさらに含む組成物であって、該平坦化剤が、置換されてもよい縮合芳香環または置換されてもよい多環式芳香族炭化水素側鎖を含むポリマーを含む、請求項21記載の組成物。
【請求項33】
光酸の量が約0.01 m/ru〜約1 m/ruであり、式中mが光酸のモル量であり、ruが共役ポリマー反復単位のモル量である、請求項21記載の組成物。
【請求項34】
有機溶媒をさらに含む、請求項21記載の組成物。
【請求項35】
有機電子デバイスにおいて正孔注入層または正孔輸送層として用いるために配合される、請求項21記載の組成物。
【請求項36】
共役ポリマーと光酸とを混合した後、組成物が加熱される、請求項21記載の組成物。
【請求項37】
光酸が、フッ素を含む陰イオンを含み、組成物がいかなる追加のフッ素化材料も実質的に含まない、請求項21記載の組成物。
【請求項38】
組成物が、基板上にコーティングされた薄膜であり、かつ該薄膜が有機溶媒に対して抵抗性である、請求項21記載の組成物。
【請求項39】
組成物が、基板上にコーティングされた薄膜であり、かつ該薄膜がトルエンに対して抵抗性である、請求項21記載の組成物。
【請求項40】
正孔輸送化合物をさらに含む組成物であって、該正孔輸送化合物が、低分子または正孔輸送ポリマーを含み、かつ該正孔輸送ポリマーが、主鎖および/または側鎖において正孔輸送単位を含む反復単位を含む、請求項31記載の組成物。
【請求項41】
ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)と酸化還元ドーパントとを含む組成物。
【請求項42】
少なくとも1つの酸化還元ドーパントが、キノン、ボラン、カルボカチオン、ボラ-テトラアザペンタレン、アミニウムもしくはアンモニリウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、セレノノイウム塩、ニトロソニウム塩、アルソニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、金属塩、またはそれらの組み合わせである、請求項41記載の組成物。
【請求項43】
酸化還元ドーパントが、分子量約100 g/mol〜約500 g/molのジフェニルヨードニウム塩を含む、請求項41記載の組成物。
【請求項44】
ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)が以下によって表される、請求項41記載の組成物:

式中、R1は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、R2は独立して、アルコキシアルコキシアルコキシ基であり、かつ
ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)はおよそ5,000〜100,000 g/molの数平均分子量を有する。
【請求項45】
請求項1、21、または41記載の組成物を含む少なくとも1つの層を含む、デバイス。
【請求項46】
層が正孔注入層、正孔輸送層、または正孔抽出層である、請求項45記載のデバイス。
【請求項47】
有機電子デバイスである、請求項45記載のデバイス。
【請求項48】
OLED、PHOLED、または光起電デバイスである、請求項45記載のデバイス。
【請求項49】
非ハロゲン化溶媒をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項50】
エーテル、エチレングリコールモノエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエーテルアセテート、脂肪族ケトン、および芳香族ケトンから選択される有機溶媒をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項51】
少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物であって、該共役ポリマーがポリ(3,4-ビス(2-(2-アルコキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、組成物。
【請求項52】
少なくとも1つの共役ポリマーを含む組成物であって、該共役ポリマーがポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルである、組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−516695(P2011−516695A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504213(P2011−504213)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/040257
【国際公開番号】WO2009/126918
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(507094393)プレックストロニクス インコーポレーティッド (24)
【Fターム(参考)】