説明

ナノバブル含有磁気活水を用いた処理装置および処理方法、並びにナノバブル含有磁気活水製造装置

【課題】その能力を十分に発揮することができる処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部4と、マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部5と、ナノバブル含有水を用いて処理を行う処理部28とを有する。このとき、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水には、第1磁気活水作製部9によって磁場がかけられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に磁気活性を付与するとともにナノバブルを含有させてナノバブル含有磁気活水を作製した後、当該ナノバブル含有磁気活水を用いて各種処理を行う処理装置および処理方法、並びに上記ナノバブル含有磁気活水を製造するためのナノバブル含有磁気活水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な目的に合わせて液体を加工処理するための、多様な処理装置および処理方法が存在している。つまり、液体に対して、化学処理、物理処理または生物処理などを施すことによって、様々な有用な液体を製造したり、あるいは液体から様々な物質を除去したりすることができる処理装置および処理方法が、従来から用いられている。
【0003】
例えば、従来から、廃水または用水などの液体から有機物等を除去するための設備が用いられている。上記設備としては、例えば、生物学的処理設備または物理学的処理設備を挙げることができる。更に具体的には、上記生物学的処理設備としては、例えば、各種微生物槽を挙げることができる。一方、上記物理学的処理設備としては、例えば、活性炭吸着塔を挙げることができる。
【0004】
活性炭吸着塔の場合、廃水または用水中に含まれる有機物が活性炭吸着塔に吸着されたのち、活性炭吸着塔から活性炭を取り出し、当該活性炭から有機物が回収される。これによって、廃水または用水から有機物が除去される。一方、微生物槽の場合、微生物の代謝経路中に有機物が取り込まれ、当該代謝経路中で有機物が分解される。
【0005】
ところで、従来から、小さな直径を有する気泡(バブル)には様々な生理作用があることが知られており、現在、このような気泡を作製する技術およびその効果に対する研究が進みつつある。
【0006】
上記気泡は、その直径に応じて、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。具体的には、マイクロバブルは、その発生時において10μm〜数十μmの直径を有する気泡であり、マイクロナノバブルは、その発生時において数百nm〜10μmの直径を有する気泡であり、ナノバブルは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡である。なお、マイクロバブルは、発生後の収縮運動によって、その一部がマイクロナノバブルに変化することがある。また、ナノバブルは、長期に渡って液体中に存在することができるという性質を有している。
【0007】
例えば、従来から、様々なナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、特許文献1には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献1には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種物体を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献1には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献1では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
【0008】
また、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
【0009】
また、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献3参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。
【特許文献1】特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開)
【特許文献2】特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開)
【特許文献3】特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の処理装置および処理方法は、その能力を十分に発揮することができないため、処理できない作業が多く存在するという問題点を有している。
【0011】
例えば、ダイオキシンおよび有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)等)は化学的に安定な物質であって、耐熱性および耐薬品性(例えば、耐酸性)に優れている。それゆえ、例えば有機フッ素化合物は、界面活性剤、または半導体製造における反射防止膜等の産業用材料として広く用いられている。しかしながら、有機フッ素化合物が広く用いられれば用いられるほど、有機フッ素化合物が自然界に放出される可能性が増加する。上述したように、有機フッ素化合物は化学的に安定な物質であるが故に、一度自然界に放出されれば、分解されないので、深刻な環境汚染の原因となり得る。例えば、北極熊、アザラシおよび鯨の体内から有機フッ素化合物が検出されており、有機フッ素化合物による環境汚染が国際的に深刻化しつつあることが明らかになっている。
【0012】
例えば、上記従来の生物学的処理設備を用いて有機フッ素化合物などを処理しようとする場合、有機フッ素化合物を効率的に分解することができる微生物が存在しない。したがって、大量の有機フッ素化合物を処理することができないという問題点を有している。
【0013】
また、上記従来の物理学的処理設備を用いて有機フッ素化合物などを処理しようとする場合、例えば活性炭を頻繁に交換することが必要であるため作業が煩雑であるという問題点を有するとともに、活性炭を再生するために多くのコストを必要とするという問題点を有している。また、上記物理学的処理設備は、基本的に有機フッ素化合物を回収するための設備であって、有機フッ素化合物を分解するための設備ではない。したがって、上記物理学的処理設備を用いる場合、有機フッ素化合物を分解するための更なる設備(例えば、高温で焼却するための装置)を必要とするという問題点を有している。
【0014】
また、上記気泡を用いる場合、気泡によって多様な有機物を分解することができるが、有機フッ素化合物のような化学的に安定な物質に関しては、効率的に分解することができない。したがって、大量の有機フッ素化合物を処理することができないという問題点を有している。
【0015】
したがって、従来から1000℃以上の高温にて有機フッ素化合物を焼却する処理を行っているが、このような方法では、大量の有機フッ素化合物を処理する場合には、多くの燃料を必要とするとともに、放出される二酸化炭素によって地球温暖化を招くという問題点を有している。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、その能力を十分に発揮することができる処理装置および処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の1)〜4)を見出し、本発明を完成させるに至った。つまり、
1)ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル含有水よりも大きなマイナス電荷を有し、それゆえ、ナノバブル含有磁気活水は強い酸化力を示す。したがって、上記ナノバブル含有磁気活水を各種装置の前処理として用いれば、各種装置における処理効率を上昇させることができること、
2)ナノバブル含有磁気活水は、磁力とナノバブルとの相乗効果によって、ナノバブル含有水よりも格段に多くの不安定なフリーラジカルを発生する。その結果、ナノバブル含有磁気活水は、強い酸化力を有する。したがって、上記ナノバブル含有磁気活水を各種装置の前処理として用いれば、各種装置における処理効率を上昇させることができること、
3)ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル以上に、化学処理、物理処理、生物処理等の処理効率に影響する。したがって、上記ナノバブル含有磁気活水を各種装置の前処理として用いれば、各種装置における処理効率を上昇させることができること、
4)難分解性の物質(例えば、有機フッ素化合物など)を含有する廃水の処理に、ナノバブル含有磁気活水を活用することが有効であること。
【0018】
本発明の処理装置は、上記課題を解決するために、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化手段と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部とを有しているので、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0020】
また、上記構成によれば、第1活性化手段を用いて上記ナノバブル含有水に対して磁場をかけるので、当該ナノバブル含有水に磁気活性を付与することができる。換言すれば、上記ナノバブル含有水をナノバブル含有磁気活水に変換することができる。
【0021】
例えば、上記ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力と、磁気活水中に発生する活性酸素が有する酸化能力の両方を備えている。その結果、当該酸化能力によって酸化処理された後の液体を後段の処理手段に導入することができるので、当該処理手段によって効率よく後段の処理工程を行うことができる。また、酸化能力を有するナノバブル含有磁気活水が処理手段に導入されるので、当該処理手段の処理能力を高めることができる。
【0022】
また、本発明の処理装置は、上記課題を解決するために、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段と、前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断部と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有することを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段とを有しているので、マイクロバブル含有水を作製することができるとともに、当該マイクロバブル含有水に磁気活性を付与することができる。換言すれば、効率よく、マイクロバブル含有磁気活水を作製することができる。
【0024】
また、上記構成によれば、磁場がかけられたマイクロバブル含有水(マイクロバブル含有磁気活水)を更にせん断する第2気体せん断部を有しているので、マイクロバブルの気泡サイズを更に小さくすることができる。つまり、ナノバブル含有磁気活水を作製することができる。
【0025】
例えば、上記ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力と、磁気活水中に発生する活性酸素が有する酸化能力の両方を備えている。その結果、当該酸化能力によって酸化処理された後の液体を後段の処理手段に導入することができるので、当該処理手段によって効率よく後段の処理工程を行うことができる。また、酸化能力を有するナノバブル含有磁気活水が処理手段に導入されるので、当該処理手段の処理能力を高めることができる。
【0026】
本発明の処理装置では、前記液体は、液体原料と、第2活性化手段によって磁場がかけられた第2気体とが、混合手段によって混合されたものであることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、第2活性化手段によって第2気体に対して磁場がかけられるので、当該第2気体に対して磁気活性を付与することができる。そして、混合手段によって、磁気活性を有する第2気体と、液体原料とが混合されるので、液体原料に対して磁気活性を付与することができる。そして、予め磁気活性が付与された液体原料が、第1気体せん断部に対して液体として供給された後、更に第1活性化手段によって磁気活性が付与されるので、製造されるナノバブル含有磁気活水が有する磁気活性を増強することができる。そして、これによって、後段の処理手段によって、更に効率よく処理工程を行うことができる。
【0028】
本発明の処理装置では、前記混合手段は、前記第2気体と前記液体原料とを接触させる第1槽と、前記第1槽の底部近傍に連結されて、前記第1槽の底部近傍に存在する前記液体原料を取り込むとともに、当該取り込んだ液体原料を前記第1気体せん断部に供給する第2槽と、を有することが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、上記第1槽内にて、第2気体と液体原料とが接触する。その結果、液体原料中に存在する比較的大きな混入物は、第2気体が当該混入物の表面に付着することによって、当該第2気体との複合体を形成する。そして、上記複合体には大きな浮力が働くので、当該複合体は、第1槽の上部近傍(液体原料の表面近傍)に浮上する。その結果、上記第1槽の底部近傍からは、混入物が除去される。
【0030】
上記第2槽には、上記第1槽の底部近傍の液体原料が取り込まれた後、当該液体原料が第1気体せん断部に導入される。つまり、上記第1気体せん断部には、予め比較的大きな混入物が除去された液体原料が導入される。その結果、後段の処理手段において処理すべき物質の量を減少させることができるので、後段の処理手段によって更に効率よく処理工程を行うことができる。
【0031】
本発明の処理装置では、前記第2活性化手段は、前記第2気体を通過させるための第2流路を有し、前記第2流路は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置されていることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記第2活性化手段は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置された流路を有している。したがって、当該流路中を上記第2気体が通過することによって、当該第2気体に磁場をかけることができる。そして、その結果、上記第2気体に磁気活性を付与することができる。
【0033】
本発明の処理装置では、前記第2活性化手段には、第2配管を介して前記第2気体が供給されており、前記第2配管には、当該第2配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第2配管径調節手段が設けられていることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、上記第2配管径調節手段によって、第2配管の少なくとも一部の領域において配管内腔の横断面の大きさを変化させることができる。その結果、第2配管を介して上記第2活性化手段に供給される第2気体の量を調節することができる。つまり、上記第2活性化手段によって磁気がかけられているときの第2気体の流速を調節することができるとともに、上記第2活性化手段によって磁気がかけられているときの第2気体の流れを乱流ではなく相流にすることができる。
【0035】
気体に対して効率よく磁気活性を付与するためには、磁場がかけられる気体の流速を調節する必要がある。したがって、上記構成によれば、効率よく第2気体に対して磁気活性を付与することができる。また、上記第2気体の流れが相流であれば、当該第2気体に対して均等に磁場をかけることができる。その結果、第2気体に対して効率よく磁気活性を付与することができる。
【0036】
本発明の処理装置では、前記第1活性化手段は、前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水を通過させるための第1流路を有し、前記第1流路は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置されていることが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、上記第1活性化手段は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置された流路を有している。したがって、当該流路中をマイクロバブル含有水またはナノバブル含有水を通過させることによって、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水に磁場をかけることができる。そして、その結果、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水を磁気活水に変換することができる。換言すれば、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水に、磁気活性を付与することができる。
【0038】
本発明の処理装置では、前記第1活性化手段には、第1配管を介して前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水が供給されており、前記第1配管には、当該第1配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第1配管径調節手段が設けられていることが好ましい。
【0039】
上記構成によれば、上記第1配管径調節手段によって、第1配管の少なくとも一部の領域において配管内腔の横断面の大きさを変化させることができる。その結果、第1配管を介して上記第1活性化手段に供給されるマイクロバブル含有水またはナノバブル含有水の量を調節することができる。つまり、上記第1活性化手段によって磁気がかけられているときのマイクロバブル含有水またはナノバブル含有水の流速を調節することができるとともに、上記第1活性化手段によって磁気がかけられているときのマイクロバブル含有水またはナノバブル含有水の流れを乱流ではなく相流にすることができる。
【0040】
効率よく磁気活水を作製するためには磁場がかけられる液体の流速を調節する必要がある。したがって、上記構成によれば、効率よく磁気活水を作製することができる。また、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水の流れが相流であれば、マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水に対して均等に磁場をかけることができる。その結果、効率的に磁気活水を作製することができる。
【0041】
本発明の処理装置では、前記処理手段は、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置および健康維持装置からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、上記ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力と、磁気活水中に発生する活性酸素が有する酸化能力の両方を備えている。その結果、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置および健康維持装置からなる群から選択される少なくとも1つの装置に導入される前に、ナノバブル含有磁気活水中に含まれる物質を酸化処理することができる。したがって、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置または健康維持装置では、上記酸化処理では処理できなかった物質のみを処理すればよいことになる。つまり、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置または健康維持装置において処理すべき物質の量を減少させることができるので、多量の液体をも処理することができる。
【0043】
また、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置および健康維持装置内においても、上記酸化能力を発揮させることができる。そして、当該酸化能力によって処理手段自体の処理能力を上昇させることもできるので、多量の液体をも処理することができる。
【0044】
本発明の処理装置では、前記化学処理装置が、化学反応装置、廃水処理装置、中和処理装置、重油精製装置、石油精製装置およびバイオエタノール精製装置からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0045】
上記構成によれば、化学処理装置における化学反応を、従来よりも効率的に進行させることができる。そして、その結果、省エネルギー化、省資源化、および化学反応製品の生産効率の向上を実現することができる。
【0046】
本発明の処理装置では、前記物理処理装置が、活性炭吸着装置、急速ろ過装置、膜分離装置、冷却塔、排ガス処理装置、および脱臭装置からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0047】
上記構成によれば、物理処理装置における物理処理を、従来よりも効率的に進行させることができる。そして、その結果、省エネルギー化、省資源化、および物理処理製品の生産効率の向上を実現することができる。
【0048】
本発明の処理装置では、前記生物処理装置が、活性汚泥装置、発酵装置、醸造装置、水耕栽培装置、水産養殖装置、および蓄養装置からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0049】
上記構成によれば、生物処理装置における生物反応を、従来よりも効率的に進行させることができる。そして、その結果、省エネルギー化、省資源化、および生物反応製品の生産効率の向上を実現することができる。
【0050】
本発明の処理装置では、前記健康維持装置が、家庭用浴槽、大規模浴槽、エステ用浴槽、治療用浴槽、プール、および温泉用浴槽からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0051】
上記構成によれば、健康維持装置における作用を、従来よりも効率的に体に及ぼすことができる。そして、その結果、省エネルギー化、省資源化、および健康維持装置の普及率の向上を実現することができる。
【0052】
本発明の処理装置は、前記ナノバブル含有磁気活水を更にせん断する第3気体せん断部を有することが好ましい。
【0053】
上記構成によれば、ナノバブル含有磁気活水中に含まれるナノバブルのサイズをさらに小さくすることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水中に含まれるナノバブルの量を多くすることができる。
【0054】
本発明の処理方法は、上記課題を解決するために、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断工程と、前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化工程と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有することを特徴としている。
【0055】
上記構成によれば、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断工程とを有しているので、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0056】
また、上記構成によれば、第1活性化工程を用いて上記ナノバブル含有水に対して磁場をかけるので、当該ナノバブル含有水に磁気活性を付与することができる。換言すれば、上記ナノバブル含有水をナノバブル含有磁気活水に変換することができる。
【0057】
例えば、上記ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力と、磁気活水中に発生する活性酸素が有する酸化能力の両方を備えている。その結果、当該酸化能力によって酸化処理された後の液体を後段の処理工程に導入することができるので、当該処理工程にて効率よく所望の処理を行うことができる。また、酸化能力を有するナノバブル含有磁気活水が処理工程に導入されるので、当該処理工程の処理能力を高めることができる。
【0058】
また、本発明の処理方法は、上記課題を解決するために、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化工程と、前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断工程と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有することを特徴としている。
【0059】
上記構成によれば、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、上記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化工程とを有しているので、マイクロバブル含有水を作製することができるとともに、当該マイクロバブル含有水に磁気活性を付与することができる。換言すれば、効率よく、マイクロバブル含有磁気活水を作製することができる。
【0060】
また、上記構成によれば、磁場がかけられたマイクロバブル含有水(マイクロバブル含有磁気活水)を更にせん断する第2気体せん断工程を有しているので、マイクロバブルの気泡サイズを更に小さくすることができる。つまり、ナノバブル含有磁気活水を作製することができる。
【0061】
例えば、上記ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力と、磁気活水中に発生する活性酸素が有する酸化能力の両方を備えている。その結果、当該酸化能力によって酸化処理された後の液体を後段の処理工程に導入することができるので、当該処理工程にて効率よく所望の処理を行うことができる。また、酸化能力を有するナノバブル含有磁気活水が処理工程に導入されるので、当該処理工程の処理能力を高めることができる。
【0062】
本発明の処理方法では、前記液体は、第2気体に磁場をかける第2活性化工程と、前記磁場がかけられた第2気体と、液体原料とを混合する混合工程と、を経て製造されることが好ましい。
【0063】
上記構成によれば、第2活性化工程にて第2気体に対して磁場がかけられるので、当該第2気体に対して磁気活性を付与することができる。そして、混合工程にて、磁気活性を有する第2気体と、液体原料とが混合されるので、液体原料に対して磁気活性を付与することができる。そして、予め磁気活性が付与された液体原料は、第1気体せん断工程に導入された後、更に第1活性化工程にて磁気活性が付与されるので、製造されるナノバブル含有磁気活水が有する磁気活性を増強することができる。そして、これによって、後段の処理工程にて、効率よく所望の処理を行うことができる。
【0064】
本発明の処理方法では、前記混合工程は、前記第2気体と前記液体原料とを第1槽内で接触させる第1工程と、前記第1槽の底部近傍に存在する前記液体原料を回収する第2工程と、を含むことが好ましい。
【0065】
上記構成によれば、第1工程にて、上記第1槽内で第2気体と液体原料とが接触する。その結果、液体原料中に存在する比較的大きな混入物は、第2気体が当該混入物の表面に付着することによって、当該第2気体との複合体を形成する。そして、上記複合体には大きな浮力が働くので、当該複合体は、第1槽の上部近傍(液体原料の表面近傍)に浮上する。その結果、上記第1槽の底部近傍からは、混入物が除去される。
【0066】
上記第2工程では、上記第1槽の底部近傍の液体原料が回収される。なお、回収された当該液体原料は、第1気体せん断工程に導入される。つまり、上記第1気体せん断工程には、予め比較的大きな混入物が除去された液体原料が導入される。その結果、後段の処理工程において処理すべき物質の量を減少させることができるので、後段の処理工程にて、効率よく所望の処理を行うことができる。
【0067】
本発明の処理方法は、前記ナノバブル含有磁気活水を更にせん断する第3気体せん断工程を有することが好ましい。
【0068】
上記構成によれば、ナノバブル含有磁気活水中に含まれるナノバブルのサイズをさらに小さくすることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水中に含まれるナノバブルの量を多くすることができる。
【0069】
本発明のナノバブル含有磁気活水製造装置は、上記課題を解決するために、第2気体に対して磁場をかける第2活性化手段と、前記磁場がかけられた第2気体と液体原料とを混合して磁気活水を作製する混合手段と、前記磁気活水と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段と、を有することを特徴としている。
【0070】
上記構成によれば、予め磁気活性が付与された液体を原材料として、ナノバブル含有磁気活水が作製される。具体的には、まず、原材料として予め磁気活性が付与された液体を用いて、磁気活性を有するマイクロバブル含有水またはナノバブル含有水が製造される。そして、第1活性化手段によって当該マイクロバブル含有水またはナノバブル含有水に対して更に磁場がかけられてナノバブル含有磁気活水が製造される。したがって、より高い磁気活性を有するナノバブル含有磁気活水を製造することができる。
【発明の効果】
【0071】
本発明の処理装置は、以上のように、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化手段と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有するものである。
【0072】
また、本発明の処理装置は、以上のように、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段と、前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断部と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有するものである。
【0073】
本発明の処理方法は、以上のように、液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断工程と、前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化工程と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有する方法である。
【0074】
また、本発明の処理方法は、以上のように液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化工程と、前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断工程と、前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有する方法である。
【0075】
それゆえ、処理装置および処理方法の能力を最大限に引き出すことができるという効果を奏する。
【0076】
また、本発明の処理装置および処理方法を例えば廃水処理に用いれば、廃水中の有機物を強力に酸化分解することによって、化学的酸素要求量、生物学的酸素要求量および色度を低下させる等の効果を奏する。
【0077】
また、本発明の処理装置および処理方法は微生物を活性化させることができるので、当該微生物によって廃水中の難分解性の有機フッ素化合物を分解することができるという効果を奏する。つまり、本発明の処理装置および処理方法を用いれば、ナノバブル含有磁気活水の酸化能力と、微生物の分解能力との両方を用いて廃水中の難分解性の有機フッ素化合物を分解することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0079】
本実施の形態の処理装置は、ナノバブル含有磁気活水を作製するとともに、当該ナノバブル含有磁気活水を処理装置に導入することによって液体を処理する。なお、本明細書において「ナノバブル」とは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡が意図される。また、本明細書において「磁気活水」とは、例えば人工的に作り出された磁場中に水を通過させることにより、磁界のエネルギーによって活性化された液体(例えば、水)が意図される。また、本明細書において「磁気活性」とは、磁力線の作用によって、液体(例えば、水)が備える活性が意図される。
【0080】
本実施の形態の処理装置は、前処理部45および処理部28(処理手段)を備えており、上記前処理部45には前槽18が接続されている。以下に、各構成について説明する。
【0081】
〔1:前槽〕
以下に、前槽18について説明する。
【0082】
前槽18には、ナノバブル含有磁気活水を作製するための材料の1つである液体原料が、一時的に貯蔵される。
【0083】
上記液体原料としては特に限定されず、目的に応じて適宜液体の種類を選択すればよい。例えば、上記液体としては、上水、廃水(例えば、有機フッ素化合物含有廃水など)、浴槽水(例えば、治療用浴槽水)、再利用水、培養液(例えば、微生物または細胞の培養液、魚等の養殖に用いる水、植物の栽培に用いる水など)、薬品、化粧品、有機溶剤、重油、原油、またはバイオエタノールなどを用いることができるがこれらに限定されない。
【0084】
上記前槽18に貯蔵された液体原料は、ポンプ19によって、配管21を介して槽1内に吐出される。なお、上記槽1内に吐出される液体原料の量は、バルブ20によって調節されている。
【0085】
〔2:前処理部〕
以下に、前処理部45について説明する。
【0086】
上記前処理部45は、槽1、第2磁気活水作製部38(第2活性化手段)およびナノバブル含有磁気活水発生部17を備えている。以下に、各構成について説明する。
【0087】
〔2−1:槽〕
まず、槽1について説明する。
【0088】
上記槽1は、第1槽22と第2槽27とを備えており、当該第1槽22と第2槽27とは互いに接続されている。なお、上述した液体原料は、上記第1槽22内に吐出される。上記第1槽22内には、第2磁気活水作製部38に配管23を介して接続されている散気管24が設けられている。そして、上記散気管24から気体25(第2気体)が吐出され、当該気体25と水流43を形成する上記液体原料とが上記第1槽22内で攪拌される。
【0089】
上述したように、上記第1槽22内では、気体25と液体原料とが攪拌される。後述するように、上記気体25は磁気活性が付与された気体である。したがって、当該気体25と液体原料とを攪拌することによって、磁気活性が付与された液体原料を作製することができる。また、このとき液体原料中に比較的大きな不純物が混入していれば、当該不純物の表面に気体25が付着して複合体が形成される。当該複合体には表面に付着した気体25に由来する浮力が働くので、上記複合体が、第1槽22内に蓄えられた液体原料の表面近傍に蓄積することになる。その結果、第1槽22の底部近傍に存在する液体原料からは、比較的大きな不純物を除去することができる。
【0090】
このとき、上記第1槽22と第2槽27とは、第1槽22の底部近傍を介して互いに接続されていることが好ましい。上記構成によれば、比較的大きな不純物が除去された液体原料を選択的に第2槽27中に取り込むことができる。そして、比較的大きな不純物を予め除去することができるので、後述する処理部28等で処理すべき物質の量を減少させることができる。
【0091】
〔2−2:第2磁気活水作製部〕
次いで、第2磁気活水作製部38について説明する。
【0092】
上記第2磁気活水作製部38は、気体(第2気体)に対して磁気活性を付与するための構成である。そして、上述したように、磁気活性が付与され気体25と液体原料とを攪拌することによって、当該液体原料に磁気活性を付与することができる。
【0093】
本実施の形態の処理装置では、ブロワー29によって、第2磁気活水作製部38へ配管50(第2配管)を介して気体が供給される。
【0094】
上記気体としては特に限定されず、適宜公知の気体を用いることができる。例えば、上記気体としては、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガスまたは窒素ガスなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0095】
また、上記配管50には、配管50の少なくとも一部の内空横断面の大きさを変化させることができる第2配管径調節部31(第2配管径調節手段)が設けられていることが好ましい。上記構成によれば、乱流である気体を相流に変換することができるとともに、第2磁気活水作製部38に導入される気体の流速を調節することができる。そして、これによって、後述する第2磁気活水作製部にて、気体に対して均等に磁場をかけることができる。
【0096】
なお、第2磁気活水作製部38に導入される気体の流速は、10m/秒以上であることが好ましい。上記構成によれば、気体に対して効率よく磁場の影響を及ぼすことができる。
【0097】
上記第2配管径調節部31は、配管50の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。
【0098】
例えば図9(a)および図9(b)に示すように、上記第2配管径調節部31は、円筒形状を有する配管によって形成され得る。図9(a)に示すように、上記配管50の各端部には、フランジ30およびフランジ32が備え付けられている。また、上記第2配管径調節部31の各端部にも、フランジ30およびフランジ32が備え付けられている。また、上記フランジ30およびフランジ32にはボルト孔65が設けられている。そして、図9(b)に示すように、当該ボルト孔65にボルトを着脱することによって、配管50に備え付けられたフランジ30と第2配管径調節部31に備え付けられたフランジ30同士、および配管50に備え付けられたフランジ32と第2配管径調節部31に備え付けられたフランジ32同士を着脱することができる。これによって、上記配管50の端部の間に連結する第2配管径調節部31を交換することができる。このとき、異なる円筒形状、つまり横断面の直径が異なる円筒形状を有する複数の第2配管径調節部31を準備しておき、これらの中から所望の第2配管径調節部31を選択して、当該第2配管径調節部31を配管50の端部の間に連結すれば、これによって、配管50の少なくとも一部の内腔横断面を、所望の大きさに変化させることができる。なお、第2配管径調節部31の横断面の形状および大きさに応じて、適宜、フランジ30およびフランジ32の形状および大きさを選択することができる。
【0099】
第2配管径調節部31が円筒形状の配管によって形成される場合、気体が流れる方向における上記第2配管径調節部31の長さは特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記第2配管径調節部31の長さは、後述するフランジ36に開けられた開口の直径の10倍以上の長さであることが好ましい。また、上記第2配管径調節部31の長さは、円筒形状を有する第2配管径調節部31の横断面の直径の10倍以上の長さであることが更に好ましい。
【0100】
上記構成によれば、乱流として第2配管径調節部31内に導入された気体を確実に相流にした後、当該気体を第2磁気活水作製部38側に吐出することができる。
【0101】
上記第2配管径調節部31によって相流に変換された気体は、第2磁気活水作製部38に導入される。
【0102】
上記第2磁気活水作製部38は、気体に磁場をかけることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、図1に示すように、フランジ36は配管50の端部に備え付けられており、フランジ42は配管23の端部に備え付けられている。また、上記第2磁気活水作製部38の一方の端部にはフランジ36が備え付けられているとともに、別の端部にはフランジ42が備え付けられている。そして、上記フランジ36同士、および上記フランジ42同士をボルト等によって固定することによって、上記フランジ36とフランジ42との間に上記第2磁気活水作製部38が設けられ得る。
【0103】
上記第2磁気活水作製部38は、気体を通過させるための流路37(第2流路)を有している。そして、当該流路37の少なくとも一部は、磁石のS極として機能する領域と磁石のN極として機能する領域によって挟まれており、これによって、上記流路37中を通過する気体に磁場をかけることが可能になる。
【0104】
上記流路37の横断面の形状は特に限定されず適宜設定することができる。上記流路37の横断面の形状としては、例えば、対向する少なくとも1対の面を有するもの(例えば、正方形または長方形など)であることが好ましい。なお、上記流路37の横断面の形状が例えば正方形または長方形である場合には、上記流路37の立体的な形状は、略平板状になることが好ましい。
【0105】
一例として、図10に、横断面の形状が長方形である流路37を有する第2磁気活水作製部38の断面図を示す。図10に示すように、流路37は、互いに対向する面60(第1面)および面61(第2面)を有している。そして、上記面60の側には磁石のS極40が配置されており、上記面61の側には磁石のN極39が配置されている。そして、上記S極40とN極39との間で磁場が形成され、当該磁場の中を気体が通過する。換言すれば、図1に示すように、上記S極40とN極39との間で形成される磁力線41の中を気体が通過する。そして、磁場の中を通過することによって、気体には磁気活性が付与される。
【0106】
上記面60と上記面61との間の距離は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記面60と上記面61との間の距離は、30mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、気体に対して効率よく磁気活性を付与することができる。
【0107】
また、上記流路37内の磁束密度(残留磁束密度)は、350ミリテスラ(3500ガウス以上であることが好ましく、450ミリテスラ以上であることが、より好ましい。
【0108】
以上のようにして磁気活性が付与された気体は、上述したように第1槽22内に気体25として吐出され、その結果、液体原料と攪拌されることになる。そして、これによって磁気活性が付与された液体原料は、ナノバブル含有磁気活水発生部17へ導入される。
【0109】
〔2−3:ナノバブル含有磁気活水発生部〕
次いで、ナノバブル含有磁気活水発生部17について説明する。
【0110】
上記ナノバブル含有磁気活水発生部17は、配管2、気液混合循環ポンプ3を有する第1気体せん断部4、第2気体せん断部5、第3気体せん断部14、第1配管径調節部34(第1配管径調節手段)、第1磁気活水作製部9(第1活性化手段)、配管7、および電動ニードルバルブ8を備えている。
【0111】
上記第1気体せん断部4には配管2および配管7が接続されている。そして、上記配管2を介して第1気体せん断部4に液体(上記第2槽27内の液体原料)が供給されるとともに、上記配管4を介して第1気体せん断部4に気体(第1気体)が供給される。そして、上記第1気体せん断部4の中で上記液体と上記気体とが混合およびせん断されて、その結果、マイクロバブル含有水が作製される。
【0112】
なお、上記気体(第1気体)としては特に限定されない。例えば、上記気体としては、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガスまたは窒素ガスなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0113】
上記第1気体せん断部4内への液体の供給は、気液混合循環ポンプ3を動作させることによって行われる。また、上記第1気体せん断部4内への気体の供給、および気体の供給量の調節は、電動ニードルバルブ8の開閉動作によって調節されている。
【0114】
上記電動ニードルバルブ8の開閉動作のタイミングは特に限定されない。例えば、まず上記気液混合循環ポンプ3の運転を開始することによって上記第1気体せん断部4内に液体を導入するとともに当該液体を攪拌させる。その後、上記気液混合循環ポンプ3の出力が最大値に達した時点以降に上記電動ニードルバルブ8を開いて、これによって上記第1気体せん断部4内に気体を供給することが好ましい。また、上記気液混合循環ポンプ3の運転を開始してから60秒後以降に上記電動ニードルバルブ8を開いて、これによって上記第1気体せん断部4内に気体を供給することが、より好ましい。
【0115】
上記気液混合循環ポンプ3の運転開始時に上記電動ニードルバルブ8を開くことも可能であるが、この場合、気液混合循環ポンプ3がキャビテーション現象を起し、その結果、気液混合循環ポンプ3が損傷する恐れがある。しかしながら、上記構成であれば、気液混合循環ポンプ3がキャビテーション現象を起すことを防止することができるので、その結果、気液混合循環ポンプ3が破損することを防ぐことができる。
【0116】
上記電動ニードルバルブ8を開くことによって上記第1気体せん断部4内に供給される気体の量は特に限定されない。例えば、上記第1気体せん断部4に対して、1.2リットル/分以下にて気体を供給することが好ましい。上記構成であれば、効率よく多量のナノバブル含有水を作製することができる。
【0117】
次いで、ナノバブル含有磁気活水発生部17によってナノバブル含有水が作製される工程について説明する。なお、ナノバブル含有水は、大まかに言えば2つの工程(第1気体せん断工程および第2気体せん断工程)を経て製造される。以下に、第1気体せん断工程および第2気体せん断工程について更に詳細に説明する。
【0118】
〔2−3−1:第1気体せん断工程〕
第1気体せん断工程では、気体と液体とから、マイクロバブル含有水が作製される。
【0119】
第1気体せん断工程では、上記第1気体せん断部4において、気液混合循環ポンプ3を用いて気体と液体との混合物の圧力が流体力学的に制御されるとともに、負圧部に対して気体が吸入される。なお、「負圧部」とは、気体と液体との混合物の中で周りと比較して圧力が小さな領域を意図する。そして、上記混合物を高速流体運動させて負圧部を形成しながら気体をせん断することによって、微細なマイクロバブルを発生させる。換言すれば、液体と気体とを効果的に自給混合溶解するとともに、圧送する。これによって、より微細なマイクロバブルを含有するマイクロバブル含有水を形成することができる。
【0120】
上記気液混合循環ポンプ3としては特に限定されないが、揚程40m以上(4kg/cmの圧力)の高揚程のポンプであることが好ましい。また、気液混合循環ポンプ3としてはトルクが安定している2ポールのポンプを用いることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4内のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能であり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルをより微細にせん断することができる。
【0121】
また、気液混合循環ポンプ3では、ポンプの圧力が制御されていることが好ましい。例えば、気液混合循環ポンプ3の回転数が、インバーター等の回転制御部(図示せず)によって制御されていることが好ましい。なお、上記回転制御部は、更にシーケンサー(図示せず)によって制御され得る。上記構成によれば、上記第1気体せん断部4の中のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能となり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルを所望のサイズに揃えることができる。
【0122】
上記第1気体せん断部4の材料は特に限定されないが、ステンレス、プラスチック、または樹脂であることが好ましい。上記材料の中では、ステンレスが最も好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水中に不純物が混入することを防止することができるとともに、第1気体せん断部4が振動することを防止することができる。
【0123】
また、上記第1気体せん断部4の厚さ(隔壁の厚さ)は特に限定されないが、6mm〜12mmであることが好ましい。一般的に、第1気体せん断部4の厚さが薄ければ、第1気体せん断部4中のマイクロバブル含有水の運動によって、第1気体せん断部4が振動する。つまり、マイクロバブル含有水の運動エネルギーが振動として外部に伝播して失われるので、マイクロバブル含有水の高速流動運動が低下し、その結果、せん断エネルギーが低下する。しかしながら、上記構成によれば、第1気体せん断部4の振動を防ぐことかできるので、効率よくマイクロバブルを作製することができる。
【0124】
次いで、気液混合循環ポンプ3を有する第1気体せん断部4がマイクロバブルを発生させるメカニズムについて詳細に説明する。
【0125】
まず、上記第1気体せん断部4において、マイクロバブル含有水の構成成分である液体と気体とからなる混相旋回流を発生させる。具体的には、インペラと呼ばれる羽を超高速で回転させて、液体と気体とからなる混相旋回流を発生させる。このとき、第1気体せん断部4の中心部には、高速旋回する気体空洞部が形成される。
【0126】
次いで、上記気体空洞部を圧力によって竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。このとき、上記気体空洞部に対しては、当該気体空洞部の負圧を利用して、気体を自動的に供給させる。そして、さらにマイクロバブルを切断・粉砕しながら混相旋回流を回転させる。なお、上記切断・粉砕は、第1気体せん断部4の出口内外における気液二相流体の回転速度の差によって生じる。なお、上記回転速度の差は、500〜600回転/秒であることが好ましい。
【0127】
すなわち、第1気体せん断部4において、気液混合循環ポンプ3によってマイクロバブル含有水を高速流体運動させることによって負圧部を形成するとともに、流体力学的にマイクロバブル含有水の圧力を制御することによって上記負圧部に対して気体を供給している。その結果、第1気体せん断部4では、マイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、気液混合循環ポンプ3を用いて液体と気体とを効果的に自給混合溶解しながら圧送することによりマイクロバブル含有水を製造することができる。
【0128】
上記第1気体せん断部4の内腔の横断面の形状は特に限定されないが、楕円形であることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。また、上記第1気体せん断部4の内腔表面は、鏡面仕上げによって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4の内部表面の摩擦が小さいので、気体と液体との混合物を高速旋回させることができるとともに、気体を効率良くせん断することができる。その結果、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0129】
また、第1気体せん断部4の内部表面(内腔表面)には、溝が設けられていることが好ましい。また、上記溝の数は特に限定されないが、2本以上設けられていることが好ましい。また、上記溝は、第1気体せん断部4の内部表面上に形成された凹形状を有するものであればよく、その形状は特に限定されない。例えば、上記溝は、深さ略0.3mm〜0.6mm、幅略0.8mm以内であることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4内の液体と気体との混合物の旋回乱流の発生を制御することができるので、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0130】
また、上記第1気体せん断部4へは、配管2を介して液体が供給され、配管51を介してマイクロバブル含有水が吐出されている。このとき、上記液体を供給する配管(第2配管)の内腔の横断面の面積は、マイクロバブル含有水を吐出する配管(第3配管)の内腔の横断面の面積よりも大きいことが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水の吐出圧力を高めることができるので、安定的にマイクロバブルを発生させることができる。
【0131】
〔2−3−2:第2気体せん断工程〕
第2気体せん断工程では、上記第1気体せん断工程にて作製されたマイクロバブル含有水からナノバブル含有水が作製される。更に詳細には、上記第1気体せん断部4によって作製されたマイクロバブル含有水を第2気体せん断部5にて更にせん断して、これによって、ナノバブル含有水を作製している。
【0132】
なお、必要に応じて第3気体せん断部14を更に備えることができる。第3気体せん断部14を備えれば、第2気体せん断部5によって作製されたナノバブルの大きさを更に小さくすることができるとともに、ナノバブルの量を増加させることができる。上記第3気体せん断部14の設置位置としては特に限定されない。例えば、後述する第1磁気活水作製部9よりも下流側に設置することも可能であり、第1磁気活水作製部9よりも上流側に設置することも可能である。
【0133】
上記気液混合循環ポンプ3によって、マイクロバブル含有水が第1気体せん断部4から第2気体せん断部5へ、さらには第3気体せん断部14へ圧送される。マイクロバブル含有水が第1気体せん断部4から第2気体せん断部5へ、さらには第3気体せん断部14へへと配管を介して圧送される場合には、マイクロバブル含有水が圧送される方向に向かって、徐々にまたは段階的に配管の直径が小さくなることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水をより高速で流体運動しながら竜巻状に細くすることができる。換言すれば、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることができる。その結果、マイクロバブルからナノバブルを効率よく発生させることができるとともに、ナノバブル含有水中に超高温の極限反応場を形成することができる。
【0134】
上記極限反応場が形成されると、ナノバブル含有水が局部的に高温高圧状態となり、当該局所にて不安定なフリーラジカルができるとともに、同時に熱が発生される。フリーラジカルは不対電子を有する原子または分子であって、他の原子または分子から電子を奪い取って安定化しようとする。それゆえ、フリーラジカルを含むナノバブル含有水は、強い酸化力を示すことになる。したがって上記構成によれば、フリーラジカルの作用によって、有機物などを酸化分解することができる。
【0135】
また、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14は、ステンレス、プラスチック、または樹脂によって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水の使用目的に応じて、上記第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の材料を選択することができる。例えば、製薬業界では、薬に不純物が混入することを避ける必要がある。この場合、上記構成であれば、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の材料が混入する可能性が低いので、製造されたナノバブル含有水を医薬品の製造、すなわち製薬に使用することができる。
【0136】
また、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の内腔の横断面の形状は、楕円形であることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。上記構成によれば、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の内部表面の抵抗(摩擦)が小さいので、マイクロバブル含有水を高速旋回させることができるとともに、マイクロバブル含有水を効率良くせん断することができ、その結果、多くのナノバブルを発生させることができる。
【0137】
また、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の内部表面には、孔が開いていることが好ましい。上記孔の開口の直径は特に限定されないが、4mm〜9mmであることが好ましい。上記構成によれば、上記第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の内部におけるバブル含有水の旋回運動を制御することができる。つまり、上記構成によれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部の旋回乱流の発生を制御することができる。その結果、第2気体せん断部および第3気体せん断部によって、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0138】
なお、上述した気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の具体的な構成としては、市販のものを用いることが可能である。各々の構成としては特に限定しないが、例えば、株式会社 協和機設社製のバビダスHYK型を用いることが可能である。
【0139】
次いで、第1配管径調節部34について説明する。
【0140】
第2気体せん断部5にて作製されたナノバブル含有水は、次いで第1配管径調節部34に導入される。
【0141】
本実施の形態の処理装置では、上記第1配管径調節部34は、後述する第1磁気活水作製部9に導入するナノバブル含有水の流量を調節するとともに、上記第2気体せん断部5から乱流として吐出されたナノバブル含有水の流れを相流の状態に整える。これによって、第1磁気活水作製部9によって、ナノバブル含有水に対して磁気活性を効率よく付与させることができる。
【0142】
なお、第1磁気活水作製部9に導入されるナノバブル含有水の流速は、2m/秒以上であることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水に対して効率よく磁場の影響を及ぼすことができる。
【0143】
以下に、第1配管径調節部34の具体的な構成について説明する。
【0144】
本実施の形態の処理装置では、第2気体せん断部5と第1磁気活水作製部9とを連結する配管51に第1配管径調節部34が設けられている。
【0145】
上記第1配管径調節部34は、配管51の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。
【0146】
例えば図9(a)および図9(b)に示すように、上記第1配管径調節部34は、円筒形状を有する配管によって形成され得る。図9(a)に示すように、上記配管51の各端部には、フランジ33およびフランジ35が備え付けられている。また、上記第1配管径調節部34の各端部にも、フランジ33およびフランジ35が備え付けられている。また、上記フランジ33およびフランジ35にはボルト孔65が設けられている。そして、図9(b)に示すように、当該ボルト孔65にボルトを着脱することによって、配管51に備え付けられたフランジ33と第1配管径調節部34に備え付けられたフランジ33同士、および配管51に備え付けられたフランジ35と第1配管径調節部34に備え付けられたフランジ35同士を着脱することができる。これによって、上記配管51の端部の間に連結する第1配管径調節部34を交換することができる。このとき、異なる円筒形状、つまり横断面の直径が異なる円筒形状を有する複数の第1配管径調節部34を準備しておき、これらの中から所望の第1配管径調節部34を選択して、当該第1配管径調節部34を配管51の端部の間に連結すれば、これによって、配管51の少なくとも一部の内腔横断面を、所望の大きさに変化させることができる。
【0147】
第1配管径調節部34が円筒形状の配管によって形成される場合、ナノバブル含有水が流れる方向における上記第1配管径調節部34の長さは特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記第1配管径調節部34の長さは、後述するフランジ6に開けられた開口の直径の10倍以上の長さであることが好ましい。また、上記第1配管径調節部34の長さは、円筒形状を有する第1配管径調節部34の横断面の直径の10倍以上の長さであることが更に好ましい。
【0148】
上記構成によれば、乱流として第1配管径調節部34内に導入されたナノバブル含有水を確実に相流に変換した後、当該ナノバブル含有水を第1磁気活水作製部9側に吐出することができる。
【0149】
次いで、第1磁気活水作製部9について説明する。
【0150】
本実施の形態の処理装置では、上記第1配管径調節部34を通過したナノバブル含有水は、第1磁気活水作製部9に導入される。
【0151】
本実施の形態の処理装置では、上記第1磁気活水作製部9において、上記第2気体せん断部5にて製造されたナノバブル含有水に磁場をかける。その結果、ナノバブル含有水に対して磁気活水としての活性(磁気活性)を付与することができる。
【0152】
以下に、第1磁気活水作製部9の具体的な構成について説明する。
【0153】
本実施の形態の処理装置では、第2気体せん断部5と第3気体せん断部14との間に第1磁気活水作製部9が設けられている。なお、第1磁気活水作製部9の位置としては、これに限定されない。例えば、第1磁気活水作製部9を、第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の上流に設けることも可能である。更に具体的には、例えば、第1磁気活水作製部9の下流に第2気体せん断部5を設けるとともに、当該第2気体せん断部の更に下流に上記第3気体せん断部14を設けることも可能である。
【0154】
上記第1磁気活水作製部9は、第2気体せん断部5にて製造されたナノバブル含有水に磁場をかけることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、図1に示すように、上記第1磁気活水作製部9は、フランジ6およびフランジ12に挟まれるように設けられ得る。図1に示すように、フランジ6は配管51の端部に接続されており、フランジ12は配管13の端部に接続されている。そして、上記フランジ6とフランジ12との間に上記第1磁気活水作製部9が設けられ得る。
【0155】
上記第1磁気活水作製部9は、ナノバブル含有水を通過させるための流路26を有している。そして、当該流路26の少なくとも一部は、磁石のS極として機能する領域と磁石のN極として機能する領域によって挟まれており、これによって、上記流路26中を通過するナノバブル含有水に磁場をかけることが可能になる。
【0156】
上記流路26の横断面の形状は特に限定されず適宜設定することができる。上記流路26の横断面の形状としては、例えば、対向する少なくとも1対の面を有するもの(例えば、正方形または長方形など)であることが好ましい。なお、上記流路26の横断面の形状が例えば正方形または長方形である場合には、上記流路26の立体的な形状は、略平板状になることが好ましい。
【0157】
一例として、図10に、横断面の形状が長方形である流路26を有する第1磁気活水作製部9の断面図を示す。図に示すように、流路26は、互いに対向する面62(第3面)および面63(第4面)を有している。そして、上記面62の側には磁石のS極10が配置されており、上記面62の側には磁石のN極16が配置されている。そして、上記S極10とN極16との間で磁場が形成され、当該磁場の中をナノバブル含有水が通過する。換言すれば、図1に示すように、上記S極10とN極16との間で形成される磁力線11の中をバブル含有水が通過する。そして、磁場の中を通過することによって、ナノバブル含有水には磁気活性が付与される。
【0158】
つまり、磁力線11の中を液体が通過すると、微弱な電流が発生する。そして、微弱な電流の作用によって水分子同士の結合が崩れ、その結果、クラスター(分子のかたまり)が細分化する。クラスターが細分化された水は、当該クラスターのすき間に酸素を吸収する作用が高いので、外気から大量の酸素を吸収して溶存酸素濃度が高くなる。それと同時に、微弱な電流の作用により、液体中にラジカルを発生させることが可能になる。その結果、液体に磁気活性を付与すれば、当該液体中に活性酸素を発生させることが可能になる。したがって、磁気活性を有するナノバブル含有水は、ナノバブルに由来するフリーラジカルの酸化能力と、上記活性酸素に由来する酸化能力の両方を備えることが可能になり、当該強力な酸化能力によって難分解性の有機物をも分解することができる。
【0159】
上記面62と上記面63との間の距離は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記面62と上記面63との間の距離は、30mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水に対して効率よく磁気活水としての活性を付与することができる。
【0160】
また、上記流路26内の磁束密度(残留磁束密度)は、350ミリテスラ(3500ガウス以上であることが好ましく、450ミリテスラ以上であることが、より好ましい。
【0161】
また、上記面62の側に配置される磁石のS極10の数、および上記面63の側に配置される磁石のN極16の数も特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、図1に示すように、S極10およびN極16を各々3つずつ配置することができるが、これに限定されない。
【0162】
なお、上記第1磁気活水作製部9と上記第2磁気活水作製部38とは同じ構成を用いることが可能である。更に具体的には、上記第1磁気活水作製部9としては、例えば、株式会社ビー・シー・オー製のBK型を用いることも可能である。
【0163】
本実施の形態の処理装置では、第1磁気活水作製部9にて作製されたナノバブル含有磁気活水は、配管13を介して第3気体せん断部14に導入される。上述したように、当該第3気体せん断部14では、ナノバブルが更にせん断される。その結果、ナノバブル含有磁気活水中のナノバブルのサイズを更に小さくするとともに、含有されるナノバブルの量を多くすることができる。なお、第3気体せん断部14の詳細については既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0164】
本実施の形態の処理装置では、第3気体せん断部14にて処理されたナノバブル含有磁気活水は、矢印15に示すように第2槽27内に吐出される。なお、ナノバブル含有磁気活水の吐出場所は上記第2槽27に限定されない。例えば、第2槽27とは別の槽を準備しておき、当該別の槽内へ吐出することもできる。
【0165】
以上のようにして作製されたナノバブル含有磁気活水は、後述する処理部28に導入されて、更なる処理が施されることになる。
【0166】
〔3:処理部〕
以下に、処理部28について説明する。
【0167】
ナノバブル含有磁気活水発生部17にて作製されたナノバブル含有磁気活水は、処理部28に導入される。
【0168】
上記処理部28としては特に限定されず、目的に応じて適宜各種処理装置を用いることができる。例えば、上記処理部28としては、化学処理装置46(図2参照)、物理処理装置47(図3参照)、生物処理装置48(図4参照)、健康維持装置55(図5参照)、またはこれらの組み合わせ(例えば、図6参照)を用いることができる。
【0169】
上記化学処理装置46の具体的構成としては特に限定されず、適宜公知の化学処理装置を用いることができる。例えば、上記化学処理装置46としては、化学反応装置、廃水処理装置、中和処理装置、重油精製装置、石油精製装置、曝気槽、接触酸化槽、またはバイオエタノール精製装置を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0170】
本実施の形態の処理装置であれば、上記化学処理装置46にて実際に処理しなくてはならない物質の量を減少させることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水が触媒的に作用することによって、化学処理装置46内で生じる各種化学反応の反応効率を向上させることができるので、化学処理装置46における化学反応効率、および最終産物の生産効率を向上させることができる。
【0171】
上記物理処理装置47の具体的構成としては特に限定されず、適宜公知の物理処理装置を用いることができる。例えば、上記物理処理装置47としては、活性炭吸着装置、急速ろ過装置、膜分離装置、冷却塔、排ガス処理装置(例えば、スクラバー)、または脱臭装置を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0172】
本実施の形態の処理装置であれば、上記物理処理装置47にて実際に処理しなくてはならない物質の量を減少させることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水によって物理処理装置47内で生じる各種物理反応を改善することができるので、物理処理装置47における処理効率、および最終産物の生産効率を向上させることができる。
【0173】
上記生物処理装置48の具体的構成としては特に限定されず、適宜公知の生物処理装置を用いることができる。例えば、上記生物処理装置48としては、活性汚泥装置、発酵装置、醸造装置、水耕栽培装置、水産養殖装置、または蓄養装置を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0174】
本実施の形態の処理装置であれば、上記生物処理装置48にて実際に処理しなくてはならない物質の量を減少させることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水によって生物処理装置48内で生じる各種生物反応を促進することができるので、物理処理装置47における生物処理効率、生物反応効率、および最終産物の生産効率を向上させることができる。
【0175】
上記健康維持装置55の具体的構成としては特に限定されず、適宜公知の健康維持装置を用いることができる。例えば、上記健康維持装置55としては、家庭用浴槽、大規模浴槽、エステ用浴槽、治療用浴槽、プール、および温泉用浴槽を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0176】
本実施の形態の処理装置であれば、上記健康維持装置55にて実際に処理しなくてはならない物質の量を減少させることができるとともに、ナノバブル含有磁気活水によって健康維持装置55内で生じる各種反応を活性化することができるので、物理処理装置47における処理効率、および最終産物の生産効率を向上させることができる。また、ナノバブル含有磁気活水を用いることによって、皮膚に対する洗浄効果、および血流量の増加効果を得ることができる。
【0177】
また、図6に示すように、化学処理装置46、物理処理装置47、および生物処理装置48を組み合わせて処理部28を形成することもできる。
【0178】
本実施の形態の処理装置であれば、処理部28によって、ナノバブル含有磁気活水中の物質を確実に処理することができるとともに、最終産物の生産効率を向上させることができる。
【0179】
また、図7に示すように、有機フッ素化合物含有廃水処理装置53によって処理部28を形成することもできる。
【0180】
本実施の形態の処理装置であれば、有機フッ素化合物含有廃水処理設備53の処理効率を向上させることができる。その結果、処理水の水質を向上させることができる。
【0181】
また、図8に示すように、曝気槽49、接触酸化槽50、急速ろ過機51および活性炭吸着塔52によって処理部28を形成することもできる。
【0182】
本実施の形態の処理装置であれば、曝気槽49、接触酸化槽50、急速ろ過機51、および活性炭吸着塔52における処理効率、反応効率を向上させることができる。その結果、例えば、合理的に有機フッ素化合物含有廃水を処理することができる。
【0183】
なお、上記処理部28の具体的な構成としては、例えば、『水処理その新しい展開』(技報堂出版、著者:佐藤敦久)に記載された構成を用いることが可能であるが、これに限定されない。また、当該文献は、本明細書中に参考として援用される。
【実施例】
【0184】
〔1.処理装置の作製〕
図1に基づいて、処理装置を製作した。当該処理装置では、前槽18の容量を約2m、第1槽22の容量を0.5m、第2槽27の容量を0.5mとし、ブロワー29として1.5kwの電動機を用いた。また、3.7kwの電動機からなる気液混合循環ポンプ3を含むナノバブル発生機として、株式会社協和機設製のHYK型を用いた。
【0185】
第2磁気活水作製部38として、全長800mm、横幅160mm、縦幅310mmのものを用い、第1磁気活水作製部9として、全長800mm、横幅160mm、縦幅310mmのものを用いた。なお、具体的に上記第1磁気活水作製部9および第2磁気活水作製部38としては、株式会社ビー・シー・オー製のBK型を用いた。
【0186】
そして、前槽18に水道水を1500リットル投入して、ブロワー29とナノバブル含有磁気活水発生部17とを同時に12分間運転し、作製されたバブルの直径をベックマンコールター株式会社製の測定器にて測定した。
【0187】
【表1】

【0188】
表1に示すように、直径が0.1μmであるナノバブルを中心として、バブルが略正規分布していることが確認できた。
【0189】
また、磁力活性による酸化還元電位を東亜ディーケーケー株式会社のORP計HC型で測定した。
【0190】
【表2】

【0191】
表2に示すように、対照である水道水は、420mvの酸化還元電位を有するのに対し、本実施例の処理装置によって作製したナノバブル含有磁気活水は、プラスの760mvの酸化還元電位を有していた。
【0192】
〔2.磁気活性を有する気体を用いた磁気活水の製造〕
上記処理装置に、処理部28として曝気槽を接続した。そして、磁気をかけた気体(空気)と廃水とを混合して磁気活水を作製し、当該磁気活水をナノバブル含有磁気活水発生部17に導入した場合と、通常の気体(空気)と廃水とを混合した後、当該廃水をナノバブル含有磁気活水発生部17に導入した場合とで、曝気槽出口の処理水におけるpH、生物学的酸素要求量、化学的酸素要求量および色度を検出した。
【0193】
なお、上記化学的酸素要求量は、JIS0K102に基づいて過マンガン酸カリウム消費量として測定した。また、上記生物学的酸素要求量は、JIS0K102に基づいてウインクラーアジ化ナトリウム法を用いて測定した。また、上記色度は、JIS0K102に基づいて吸光光度色度計によって測定した。
【0194】
【表3】

【0195】
表3に示すように、磁気をかけた気体を用いた場合には、より効率よく廃水を処理することができた。
【0196】
〔3.処理装置の処理能力〕
上記処理装置に、処理部28として有機フッ素化合物含有廃水処理装置を接続した。
【0197】
次いで、前処理部45がある処理装置と、前処理部45がない処理装置との間で、有機フッ素化合物含有廃水処理装置へ流入する廃水における有機フッ素化合物(パーフルオロオクタン酸:PFOA)の含有量と、有機フッ素化合物含有廃水処理装置にて処理されたあとの廃水における有機フッ素化合物の含有量とを比較した。なお、有機フッ素化合物の含有量は、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析法(LC/MS/MS法)によって測定した。
【0198】
【表4】

【0199】
表4からも明らかなように、前処理部45を用いることによって、より効率よく有機フッ素化合物含有廃水を処理することができた。
【0200】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0201】
本発明は、浄水装置、入浴装置、飲料水製造装置、石油関連製品製造装置などに代表される各種液体処理装置やその部品を製造する分野に利用することができる。更に詳細には、本発明は各種液体(例えば、上水、廃水、地下水、難分解性物質含有廃水、再利用水、植物栽培の水耕液、各種分野の洗浄水、浴槽水、蒸留前の重油、蒸留前のバイオエタノール等)に含まれる有機物質を除去することを必要とする分野に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】本発明における処理装置の実施の一形態を示す模式図である。
【図2】本発明における処理装置の他の実施の形態を示す模式図である。
【図3】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図4】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図5】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図6】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図7】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図8】本発明における処理装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図9】(a)および(b)は、上記処理装置における、第1配管径調節部および第2配管径調節部の模式図である。
【図10】上記処理装置における、第1磁気活水作製部および第2磁気活水作製部の断面図である。
【符号の説明】
【0203】
1 槽
2・7・21・23・51 配管
3 気液混合循環ポンプ
4 第1気体せん断部
5 第2気体せん断部
8 電動ニードルバルブ
9 第1磁気活水作製部(第1活性化手段)
14 第3気体せん断部
17 ナノバブル含有磁気活水発生部
18 前槽
19 ポンプ
20 バルブ
22 第1槽
24 散気管
25 気体(第2気体)
26 流路(第1流路)
27 第2槽
28 処理部(処理手段)
29 ブロワー
6・12・30・32・33・35・36・42 フランジ
31 第2配管径調節部(第2配管径調節手段)
34 第1配管径調節部(第1配管径調節手段)
37 流路(第2流路)
38 第2磁気活水作製部(第2活性化手段)
16・39 N極
10・40 S極
11・41 磁力線
43 水流
45 前処理部
46 化学処理装置
47 物理処理装置
48 生物処理装置
50 配管(第2配管)
53 有機フッ素化合物含有廃水処理装置
55 健康維持装置
60 面(第1面)
61 面(第2面)
62 面(第3面)
63 面(第4面)
65 ボルト孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、
前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、
前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化手段と、
前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、
前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段と、
前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断部と、
前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理手段と、を有することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
前記液体は、液体原料と、第2活性化手段によって磁場がかけられた第2気体とが、混合手段によって混合されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記混合手段は、
前記第2気体と前記液体原料とを接触させる第1槽と、
前記第1槽の底部近傍に連結されて、前記第1槽の底部近傍に存在する前記液体原料を取り込むとともに、当該取り込んだ液体原料を前記第1気体せん断部に供給する第2槽と、を有することを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第2活性化手段は、前記第2気体を通過させるための第2流路を有し、
前記第2流路は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項6】
前記第2活性化手段には、第2配管を介して前記第2気体が供給されており、
前記第2配管には、当該第2配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第2配管径調節手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項7】
前記第1活性化手段は、前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水を通過させるための第1流路を有し、
前記第1流路は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項8】
前記第1活性化手段には、第1配管を介して前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水が供給されており、
前記第1配管には、当該第1配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第1配管径調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項9】
前記処理手段は、化学処理装置、物理処理装置、生物処理装置および健康維持装置からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項10】
前記化学処理装置が、化学反応装置、廃水処理装置、中和処理装置、重油精製装置、石油精製装置およびバイオエタノール精製装置からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
前記物理処理装置が、活性炭吸着装置、急速ろ過装置、膜分離装置、冷却塔、排ガス処理装置、および脱臭装置からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項12】
前記生物処理装置が、活性汚泥装置、発酵装置、醸造装置、水耕栽培装置、水産養殖装置、および蓄養装置からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項13】
前記健康維持装置が、家庭用浴槽、大規模浴槽、エステ用浴槽、治療用浴槽、プール、および温泉用浴槽からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項14】
前記ナノバブル含有磁気活水を更にせん断する第3気体せん断部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項15】
液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、
前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断工程と、
前記ナノバブル含有水に対して磁場をかけてナノバブル含有磁気活水を作製する第1活性化工程と、
前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有することを特徴とする処理方法。
【請求項16】
液体と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断工程と、
前記マイクロバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化工程と、
前記磁場がかけられたマイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有磁気活水を作製する第2気体せん断工程と、
前記ナノバブル含有磁気活水を用いて処理を行う処理工程と、を有することを特徴とする処理方法。
【請求項17】
前記液体は、
第2気体に磁場をかける第2活性化工程と、
前記磁場がかけられた第2気体と、液体原料とを混合する混合工程と、を経て製造されることを特徴とする請求項15または16に記載の処理方法。
【請求項18】
前記混合工程は、
前記第2気体と前記液体原料とを第1槽内で接触させる第1工程と、
前記第1槽の底部近傍に存在する前記液体原料を回収する第2工程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の処理方法。
【請求項19】
前記ナノバブル含有磁気活水を更にせん断する第3気体せん断工程を有することを特徴とする請求項15または16に記載の処理方法。
【請求項20】
第2気体に対して磁場をかける第2活性化手段と、
前記磁場がかけられた第2気体と液体原料とを混合して磁気活水を作製する混合手段と、
前記磁気活水と第1気体とを混合およびせん断してマイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、
前記マイクロバブル含有水を更にせん断してナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、
前記マイクロバブル含有水または前記ナノバブル含有水に対して磁場をかける第1活性化手段と、を有することを特徴とするナノバブル含有磁気活水製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−28595(P2009−28595A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193172(P2007−193172)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】