説明

ナビゲーション装置及び目的地到着予想時刻提示方法

【課題】目的地の到着予想時刻を、その変化の要因をユーザが認識可能に提示する「ナビゲーション装置及び目的地到着予想時刻提示方法」を提供する。
【解決手段】制御部16は、文字盤と短針と長針とを有する時計を模した時計図形400の短針と長針で到着予想時刻を表示する(a)。その後、VICS受信機6により受信した交通情報が示す交通事象を原因として、目的地到着予想時刻が大きく変化したならば、時計を模した時計図形401の短針と長針で新たな到着予想時刻を表示すると共に、時計図形401の文字盤上に、時間変化表示図形402によって交通事象による旅行時間の変化量を表示する(b)。一方、VICS受信機6により受信した交通情報が示す交通事象によらず目的地到着予想時刻が変化した場合は、表示する時計図形400の短針と長針位置の変更のみを行って新たな到着予想時刻を表示する(a)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載されたナビゲーション装置において、目的地到着時刻を予想しユーザに対して提示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において目的地到着時刻を予想しユーザに対して提示する技術としては、ユーザから指定された目的地まで間に設定した推奨ルートに従って走行した場合の目的地到着予想時刻を、現在位置から目的地までの間の推奨ルート上の各区間の高速道路や一般道などの道路種別や、VICSによって受信した渋滞情報や旅行時間情報に基づいて算出すると共に、当該算出した時刻を表す時計型の図形を表示することを繰り返すことにより、各時点における目的地到着予想時刻をユーザに対して提示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平9-96539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、ユーザに対して提示される目的地到着予想時刻は、車両の実際の走行速度や、推奨ルート上の渋滞の発生状況などに応じて刻々と変化することになる。
しかし、前記従来の技術によれば、目的地到着予想時刻が変化したときに、変化後の目的地到着予想時刻のみがユーザに対して提示されるため、ユーザは、目的地到着予想時刻の変化の要因がなんであるのかを即座に把握することができない。すなわち、たとえば、目的地到着予想時刻が大きく遅れたときに、ユーザは、その遅れの原因が、車両の実際の車速によるものなのか、それとも渋滞などの交通状況が変化したことによるものなのかを把握することができない。そして、このために、ユーザが、突然の到着予想時刻の大きな変化に対する不審感を抱いてしまうことがある。また、このような、目的地到着予想時刻の大きな変化があったときに、ユーザが、その後の走行予定を、目的地到着予想時刻の変化の原因に応じて適宜修正することも困難である。
【0004】
そこで、本発明は、各時点における目的地の到着予想時刻を、その変化の要因をユーザが認識可能に提示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、ユーザに対して目的地までの推奨ルートの案内を行うナビゲーション装置に、発生している交通事象を表す交通情報を受信する交通情報受信手段と、前記推奨ルートの案内を行っている期間中、前記推奨ルートに従って走行した場合の、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響を考慮した、前記目的地への到着予想時刻を繰り返し算出する目的地到着予想時刻算出手段と、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻をユーザに提示する目的地到着予想時刻提示手段とを備え、前記目的地到着予想時刻提示手段において、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻の変化が、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によるものであることをユーザが把握可能な形態で、前記目的地到着予想時刻のユーザへの提示を行うようにしたものである。
【0006】
このようなナビゲーション装置によれば、目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、その旨をユーザが把握可能な形態で、前記目的地到着予想時刻のユーザへの提示を行う。したがって、ユーザは、受信した交通情報が表す交通事象の影響によって目的地到着予想時刻が変化したときには、その変化の要因が、受信した交通情報から認知される交通状況の変化(たとえば、渋滞の発生)にあることを即座に把握することができるので、受信した交通情報から認知される交通状況の変化によって到着予想時刻の大きな変化があった場合にも、ナビゲーション装置に対する不審感を抱かずに済む。また、ユーザが、目的地到着予想時刻の変化時に、目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の内容を確認などして、その後の走行予定を適宜修正することなども可能となる。
【0007】
ここで、より詳細には、前記ナビゲーション装置は、前記目的地到着予想時刻提示手段において、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻を、表示装置に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間と共に表示するものとしてもよい。すなわち、より具体的には、たとえば、目的地到着予想時刻提示手段において、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻を示す時針と分針と文字盤とを有する時計を模擬した図形を前記表示装置に表示し、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記時計を模擬した図形と共に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間を前記時計を模擬した図形の文字盤の目盛を用いて表す変化時間表示図形を表示するようにしてもよい。
【0008】
このようにすることにより、ユーザは、表示装置の表示より、目的地到着予想時刻の変化時に、変化後の目的地到着予想時刻と共に、受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を直ちに把握して、その評価などを行うことができるようになる。また、前記時計を模擬した図形を用いる場合には、ユーザは、時計を模擬した図形より直感的に、受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を、目的地到着予想時刻と共に認識することができるようになる。
【0009】
また、前記目的地到着予想時刻提示手段において、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻を、前記表示装置に、前記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の種別を表す情報と共に表示するようにしてもよい。すなわち、より具体的には、たとえば、前記目的地到着予想時刻提示手段において、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻を示す時針と分針と文字盤とを有する時計を模擬した図形を前記表示装置に表示し、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記時計を模擬した図形と共に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間を前記時計を模擬した図形の文字盤の目盛を用いて表す変化時間表示図形を、前記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の種別に応じて定まる表示形態で表示するなどしてよい。
【0010】
このようにすることにより、ユーザは、表示装置の表示より、目的地到着予想時刻の変化時に、変化後の目的地到着予想時刻と共に、目的地到着予想時刻の変化の要因となった交通事象を直ちに把握して、その評価などを行うことができるようになる。また、前記時計を模擬した図形を用いる場合には、ユーザは、より直感的に、目的地到着予想時刻の変化の要因となった交通事象の種別や、目的地到着予想時刻の変化量を、目的地到着予想時刻と共に認識することができるようになる。
【0011】
また、以上の目的地到着予想時刻の表示を行うナビゲーション装置には、さらに、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、前記目的地到着予想時刻提示手段によって行われる前記表示に対するユーザ操作に応じて、記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の内容をユーザに提示する発生交通事象提示手段を備えることが好ましい。
【0012】
このようにすることにより、ユーザは、目的地到着予想時刻の変化時に、目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の内容を容易に確認することができるようになる。
また、以上の各ナビゲーション装置は、前記目的地到着予想時刻提示手段において、以上のような表示に代えて、または、以上のような表示を行うと共に、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻の変化が、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によるものであることを通知する音声メッセージを前記スピーカから出力するようにして、当該目的地到着予想時刻の変化に対するユーザの注意を、単に表示のみを行う場合よりも能動的に喚起するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、各時点における目的地の到着予想時刻を、その変化の要因をユーザが認識可能に提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す。
図示するように、ナビゲーション装置100は、制御装置1と、操作部2と、表示装置3と、車両状態センサ4と、GPS受信機5と、VICS受信機6と、スピーカ7とを備えて構成される。ここで、ここで、車両状態センサ4は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや車速パルスセンサなどである車速センサなどの車両状態を検出するセンサ群である。
【0015】
また、VICS受信機6は、VICS(Vehicle Information and Communication System)における交通情報を、FM多重放送により送信するFM放送局や路側に設けられたビーコン装置などであるVICS情報放送局200から交通情報を受信する装置である。
【0016】
そして、制御装置1は、地図を表す地図データを記憶したDVDドライブやHDDなどの記憶装置である地図データ記憶部11、現在状態算出部12、操作部2や表示装置3を用いたユーザとの間の入出力を制御するGUI制御部13、ルート探索部14、メモリ15、制御部16、案内画像生成部17、交通情報処理部18、音声出力部19とを有する。
【0017】
但し、以上の制御装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示した制御装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、制御装置1に提供されるものであって良い。
【0018】
このような構成において、ナビゲーション装置100の制御装置1の交通情報処理部18は、VICS受信機6がVICS情報放送局200から受信した交通情報の処理を行う。
ここで、VICS受信機6で受信可能な交通情報の種別には、渋滞(区間・程度等)、事故(場所等)、臨時規制(区間・場所、内容等)、旅行時間(区間、所要時間等)、駐車場(場所、名称、満空等)、その他(注意メッセージなど)の6つの種別がある。また、交通情報の内容のレベルとしては3つのレベルがあり、このうちレベル3の交通情報のみが交通情報が対象とする道路区間/地点を地図上で特定可能な位置情報を伴う。そして、本実施形態において、VICS受信機6は、このレベル3の交通情報をVICS情報放送局200から受信する。
【0019】
さて、交通情報処理部18は、VICS受信機6で受信した交通情報を、メモリ15に交通情報レコードとして格納する。図2aに示すように、この交通情報レコードには、受信した交通情報の識別子として与えた交通情報番号、交通情報の受信時刻、受信した交通情報の渋滞/事故/臨時規制/旅行時間/駐車場などの情報種別、受信した交通情報が対象としている地点や区間などの情報対応位置情報、受信した交通情報が示す交通事象の詳細な内容(たとえば、情報種別が旅行時間である場合旅行時間の値や、情報種別が渋滞である場合の渋滞の程度など)である詳細情報を含む。
【0020】
また、交通情報処理部18は、新たな交通情報を受信した場合に、交通情報の種別や位置情報に基づいて、受信した交通情報と同じ対象についての過去の情報を表している既存の交通情報レコードを抽出して削除したり、現在時刻や現在位置から見て、受信時刻が、交通情報レコードがもはや有効でないことを表している交通情報レコードを消去したりする処理も行う。
【0021】
さて、このような構成において、制御装置1の現在状態算出部12は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部12は、車両状態センサ4やGPS受信機5の出力から推定される現在位置に対して、地図データ記憶部11から読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ15に設定する。
【0022】
また、制御部16は、ユーザの目的地設定要求に応じて、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ15にセットする。そして、目的地までの推奨ルートをルート探索部14に探索させる。ルート探索部14は、必要地理的範囲の地図データを地図データ記憶部11から読み出し、メモリ15に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小、時間最小など所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ15にセットする。
【0023】
また、制御部16は、メモリ15にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ15にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理も行う。
そして、案内画像生成部17は、メモリ15にセットされた現在位置もしくはユーザがカーソルで指定したポイントと、その時点で設定されている地図の表示縮尺に従って制御部16が算定した地図表示範囲の地図画像を、地図データ記憶部11に記憶された地図データに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ15にセットされている現在位置や推奨ルートや目的地や、渋滞区間や事故地点や臨時規制区間を地図画像上で表す交通情報図形を描画した案内画像を生成し表示装置3に表示する。ここで、案内画像生成部17は、渋滞区間や事故地点や臨時規制区間を地図画像上で表す交通情報図形は、メモリ15に保持されている、情報種別が渋滞区間や事故地点や臨時規制区間である交通情報レコードの情報に基づいて生成し、その描画を行う。
【0024】
図2bは、このようにして表示装置3に表示される案内画像200の例を示すものであり、図示した例では、現在位置を基準に地図表示範囲が定められている。また、案内画像200は、現在位置周辺の地図画像201上に、現在位置を表す現在位置マーク202などが表されたものとなっている。なお、推奨ルートが設定されている場合には、案内画像200は地図表示範囲内の推奨ルートを表すルート図形203が地図画像201上に表され、さらに、表示範囲内に目的地が含まれる場合には、目的地を表す目的地マーク204も地図画像201上に表示されることになる。
【0025】
また、情報対応位置情報が示す地点や区間が表示範囲内に含まれる交通情報レコードが存在する場合には、情報対応位置情報が示す地点や区間に、その交通情報レコードの情報種別に応じた交通情報図形が表示されることになる。図2bに示した例では、渋滞区間を表す矢印図形207と、工事地点を表すアイコン208が、交通情報図形として地図画像201上に表示されている。
【0026】
さて、制御部16は、このようにして表示される案内画像200に重畳して、現在時刻209をGUI制御部13を介して表示する。また、推奨ルートが設定されている場合には、メモリ15に記憶されている推奨ルートと現在位置を参照して、目的地までの道程距離を求め、これを、図中210に示すように案内画像200に重畳して表示する。
【0027】
以下、このようなナビゲーション装置100において、目的地及び推奨ルート設定時に、制御部16が、ユーザに対して目的地に到着する予想時刻を提示するために行う到着予想時刻提示処理について説明する。
ここで、この到着予想時刻提示処理は、前述のようにして目的地と推奨ルートが設定されると起動され、前述のように目的地到着が判定され、推奨ルートと目的地が消去されるまで実行される。
図3に、この到着予想時刻の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、地図データ記憶部11に記憶されている地図データを参照しつつ、メモリ15に設定されている現在位置と推奨ルートと、メモリ15に記憶されている交通情報レコードに基づいて到着予想時刻を算出する(ステップ302)。すなわち、まず、情報対応位置情報が推奨ルート上の区間を示す交通情報レコードを抽出し、抽出した交通情報レコードの情報対応位置情報が示す推奨ルート上の区間以外の、現在位置より目的地側の推奨ルート上の区間を、無交通情報区間として、この無交通情報区間の旅行時間を以下のように算出する。すなわち、無交通情報区間を、地図データ記憶部11の地図データを参照して道路種別毎の区域に分割し、分割した各区域について、当該区域の区域長を、当該区域に対応する道路種別に対して予め定めておいた標準走行速度(たとえば、高速道路なら90km/h、一般道なら50km/h)で除算した値を区域旅行時間として求める。そして、求めた区域旅行時間の総和を、無交通情報区間の旅行時間とする。
【0028】
次に、抽出した交通情報レコードの情報対応位置情報が示す区間のうちの、現在位置より目的地側の推奨ルート上の各区間の旅行時間を、当該区間に対応する交通情報の情報種別や詳細情報に基づいて算出する。たとえば、情報種別が旅行時間の交通情報レコードに対応する区間については、その交通情報レコードの詳細情報が示す旅行時間を、そのまま、その区間の旅行時間として用いる。また、情報種別が渋滞の交通情報レコードに対応する区間については、同じ区間についての情報種別が旅行時間の交通情報レコードが存在しない場合には、その区間の区間長を、交通情報レコードの詳細情報が示す渋滞の程度に対して予め道路種別毎に定めた速度で除算した値を、その区間の旅行時間として用いる。また、情報種別が臨時規制の交通情報レコードに対応する区間については、同じ区間についての情報種別が旅行時間の交通情報レコードが存在しない場合には、その区間の区間長を、交通情報レコードの詳細情報が示す臨時規制の内容に応じた速度(たとえば、臨時規制の内容が速度規制であれば当該規制速度)で除算した値を、その区間の旅行時間として用いる。
【0029】
そして、抽出した交通情報レコードの情報対応位置情報が示す現在位置より目的地側の推奨ルート上の各区間について算出した旅行時間の和を、無交通情報区間の旅行時間に加えて目的地までの旅行時間を求め、求めた目的地までの旅行時間を現在時刻に加算して、到着予想時刻とする。なお、以上の交通情報レコードに対応しない道路種別毎の各区域及び交通情報レコードに対応する各区間について算出した旅行時間と、旅行時間の算出に用いた交通情報レコードの内容は、これを次回の目的地到着予想時刻の算出時まで、参照情報として保持する。
【0030】
次に、このようにして到着予想時刻を算出したならば、到着予想時刻表示形態を通常表示形態として、算出した到着予測時刻を通常表示形態により、GUI制御部13を介して案内画像200上に重畳して表示する(ステップ304)。
ここで、本実施形態では、到着予想時刻のユーザに対する表示形態である到着予想時刻表示形態として、通常表示形態と、変化要因表示形態との二つ表示形態を設けている。そして、通常表示形態とは、図4a1に示すように、文字盤(ダイヤル)と短針(時針)と長針(分針)とを有するいわゆるアナログ式の時計を模した時計図形400を用い、その短針と長針で到着予想時刻を表示する表示形態である。なお、この時計図形400は、図4a2に示すように案内画像200上に、目的地までの距離表示210近傍の位置に重畳表示される。
【0031】
さて、このようにして、算出した到着予測時刻を通常表示形態により表示したならば(ステップ304)、所定のタイムアウト時間(たとえば、10分)を持つタイマAをスタートする(ステップ306)。そして、タイマAのタイムアウトの発生(ステップ310)か、最後に行った目的地到着予想時刻算出時以降の交通情報処理部18による新たな交通情報レコードのメモリ15への格納を監視する(ステップ308)。そして、タイマAのタイムアウトが発生した場合には(ステップ310)、ステップ312に進む。
【0032】
一方、タイマAのタイムアウト発生前に、最後に行った目的地到着予想時刻算出時以降の交通情報処理部18による新たな交通情報レコードのメモリ15への格納が発生したならば(ステップ308)、最後に行った目的地到着予想時刻算出時以降に格納された交通情報レコードの情報対応位置情報が、推奨ルート上の現在位置より目的地側の区間や地点を示しているかどうかを調べ(ステップ318)、情報対応位置情報が、推奨ルート上の現在位置より目的地側の区間や地点を示していれば、その交通情報レコードを着目交通情報に設定し、ステップ312に進む。なお、情報対応位置情報が、推奨ルート上の現在位置より目的地側の区間や地点を示している、最後に行った目的地到着予想時刻算出時以降に格納された交通情報レコードが複数存在する場合には、その複数の交通情報レコードの全てを着目交通情報に設定する。
【0033】
一方、最後に行った目的地到着予想時刻算出時以降に格納された全ての交通情報レコードの情報対応位置情報が、推奨ルート上の現在位置より目的地側の区間や地点を示していなければ、タイマAのタイムアウトの発生(ステップ310)と、交通情報処理部18による新たな交通情報レコードのメモリ15への格納の監視(ステップ308)に戻る。
【0034】
さて、ステップ312では、新たな目的地到着予想時刻を、当該時点においてメモリ15に格納されている現在位置と推奨ルートと交通情報レコードと、現在時刻とに基づいて前述のように算出する。なお、ここでも、現在位置より目的地側の推奨ルート上の交通情報レコードに対応しない道路種別毎の各区域、交通情報レコードに対応する各区間について算出した旅行時間と、旅行時間の算出に用いた交通情報レコードの内容を、これを次回の目的地到着予想時刻の算出時まで、参照情報として保持する。
【0035】
そして、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の、前回の目的地到着予想時刻の算出時において当該着目交通情報に対応する区間の旅行時間とした時間に対する変化量の絶対値が、予め定めたしきい値Th(たとえば、15分)より大きいかどうかを、前回の目的地到着予想時刻算出時に保持しておいた参照情報を参照して調べる(ステップ314)。なお、着目交通情報が存在しない場合には、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量の絶対値がしきい値Thより大きくないと判定する。また、着目交通情報が複数ある場合には、ステップ314では、各着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量の和の絶対値がしきい値Thより大きいかどうかを調べるようにする。ただし、このステップ314は、着目交通情報が存在する場合には、無条件にステップ322に進み、存在しない場合にステップ316に進むステップに置き換えてもよい。
【0036】
そして、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量の絶対値が、予め定めたしきい値Thより大きくないか、着目交通情報が存在しなければ、通常表示形態により行われている目的地到着予想時刻の表示を、算出した新たな目的地到着予想時刻を、そのまま通常表示形態により示すように更新し(ステップ316)、ステップ306からの処理に戻る。
【0037】
一方、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量の絶対値が予め定めたしきい値Thより大きければ(ステップ314)、到着予想時刻表示形態を変化要因表示形態に変更した上で、今回算出した目的地到着予想時刻を、GUI制御部13を介して案内画像200上に重畳表示する(ステップ322)。
【0038】
ここで、変化要因表示形態とは、図4b1-1、b1-2に示すように、文字盤と短針(時針)と長針(分針)とを有するいわゆるアナログ式の時計を模した時計図形401を用い、その短針と長針で到着予想時刻を表示すると共に、時間変化表示図形402によって着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量を文字盤上に表示する表示形態である。すなわち、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が正(目的地到着が遅れる方向の変化)であれば、図4b1-1に示すように、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が何分であるかを、当該分相当の中心角(2π分/60)を持つ扇型の時間変化表示図形402を文字盤上に扇形の中心を文字盤の中心に一致させ、扇形の時計廻り方向側の辺の角度を時計図形401の長針の角度に一致させて描画することにより示す。また、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が負(目的地到着が早まる方向の変化)であれば、図4b1-2に示すように、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が何分であるかを、当該分相当の中心角を持つ扇型の時間変化表示図形402を文字盤上に扇形の中心を文字盤の中心に一致させ、扇形の反時計廻り方向側の辺の角度を時計図形401の長針の角度に一致させて描画することにより示す。すなわち、時間変化表示図形402によって、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量を、時計図形401の文字盤の目盛を用いて、長針を基準として表す。
【0039】
なお、このような、変化要因表示形態による時計図形401は、図4b2に示すように案内画像200の目的地までの距離表示210の上の位置に重畳表示される。
ところで、変化要因表示形態による時計図形401では、扇型の時間変化表示図形402の表示色を、時間変化表示図形402が表す時間の大きさに応じて、図5a1-a3に示すように変化させるようにしてもよい。また、この場合において、時間変化表示図形402が表す時間が大きいほど、時間変化表示図形402の表示色を強調色とすることが好ましい。すなわち、たとえば、時間変化表示図形402が表す時間が大きいほど、時間変化表示図形402の表示色が寒色(たとえば、水色)から暖色(たとえば、赤)に変化するようにするなどして良い。
【0040】
また、もし、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が1時間を超えた場合には、時間変化表示図形402を、図5b1、b2に示すように、各々の円が1時間を表す時間(hour)数分の同心状の、相互に異なる表示色の円402bと、端数の分(minute)を表す各円と表示色の異なる扇形402aより構成するようにしてもよい。なお、図5b1の時間変化表示図形402は1時間6分を、図5b2の時間変化表示図形402は2時間6分を表している。または、図5cに示すように、時間変化表示図形402を、一巻きが1時間を表す螺旋状の形状の図形として、1時間以上の時間を表すようにしてもよい。なお、図5cの時間変化表示図形402は2時間6分を表している。
【0041】
また、このような変化要因表示形態による時計図形401では、少なくとも、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が正である場合には、図5d1、d2に示すように、時間変化表示図形402上に、着目交通情報の情報種別、すなわち、着目交通情報に対応する区間の旅行時間をしきい値Th以上変化させた要因となった交通事象の種類を表すアイコン403を表示したり、当該交通事象の種別に応じて定まる表示色で時間変化表示図形402を表示することも好ましい。なお、図5d1に示した例は、着目交通情報の情報種別が渋滞である場合のものであり、アイコン403は渋滞の発生を示している。また、図5d2に示した例は、着目交通情報の情報種別が事故である場合のものであり、アイコン403は渋滞の発生を表している。
【0042】
また、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が負であった場合に、着目交通情報に対応する区間と同区間についての交通情報レコードの内容が参照情報に含まれているときは、この交通情報レコードの内容と着目交通情報とより当該区間で解消された交通事象(渋滞や臨時規制)などを判別し、図5d3に示すように、判別した交通事象の種類と、当該交通事象の解消を表すアイコン404を、時間変化表示図形402上に表示したり、当該解消した交通事象の種別に応じて定まる表示色で時間変化表示図形402を表示するようにしてもよい。なお、図5d3に示した例は、着目交通情報が情報種別が渋滞で詳細情報が渋滞無しを表しており、参照情報に含まれる着目交通情報と同区間についての交通事象を表す交通情報レコードの内容が、渋滞程度大を表している場合についてのものであり、渋滞を表す図形にXを付したアイコン404は渋滞の解消を表している。
【0043】
さて、図3に戻り、変化要因表示形態による時計図形401を表示したならば(ステップ322)、音声出力部19に所定の注意音をスピーカ7に出力させ(ステップ324)、所定のタイムアウト時間(たとえば、10秒)を持つタイマBをスタートする(ステップ326)。そして、タイマBのタイムアウトの発生(ステップ330)と、操作部2を介したユーザからの変化要因表示指示の入力の発生(ステップ328)を監視する。
【0044】
そして、タイマBのタイムアウトが発生したならば、(ステップ330)、到着予想時刻表示形態を通常表示形態に復帰し(ステップ332)、ステップ306からの処理に戻る。
一方、タイマBのタイムアウト発生前に、ユーザからの変化要因表示指示の入力が発生したならば(ステップ328)、着目交通情報に設定されている交通情報レコードの情報対応位置情報が示す区間や地点を含むように、案内画像生成部17に地図画像201、案内画像200を生成させる範囲である地図表示範囲を変更する(ステップ334)。
【0045】
ここで、変化要因表示指示の受け付けは、図4cに示すように、変化要因表示形態で表示されている時計図形401の、ユーザのアイコン211による選択操作に応じて受け付ける。そして、地図表示範囲の変更は、たとえば、図4cに示すように、地図表示範囲が、現在位置から目的地までの全ての推奨ルートが含まれる最小範囲となるように、地図表示縮尺と地図表示範囲を設定することにより行う。そして、これにより案内画像200に含まれて表示されることになる着目交通情報に対応する交通情報図形207、208より、ユーザが目的地到着予想時刻が変化した要因を把握できるようにする。ただし、この地図表示範囲の変更は、地図表示範囲が、現在位置から着目交通情報に対応する区間までの推奨ルートの範囲を含む最小範囲となるように地図表示縮尺と地図表示範囲を設定することにより行ってもよいし、地図表示範囲が、着目交通情報に対応する区間を含む最小範囲となるように地図表示縮尺と地図表示範囲を設定することにより行ってもよい。ただし、地図表示縮尺は、予め用意した複数の縮尺のうちからのみ設定することができるものとしてよい。
【0046】
なお、この後、地図表示範囲は、ユーザ操作に応じて、適宜、元の現在位置を基準とした所定の地図表示縮尺による地図表示範囲に復帰する。
さて、図3に戻り、以上のように地図表示範囲を変更したならば、タイマBのタイムアウトの発生(ステップ330)の監視に戻る。
以上、制御部16が行う到着予測時刻提示処理について説明した。
ところで、以上の実施形態では、文字盤と長針、短針とを有する、いわゆるアナログ表示式の時計を模した時計図形400、401により、目的地到着予想時刻をユーザに対して表示したが、これは、たとえば、図6a1に示すように、いわゆるデジタル表示式の時計を模した時計図形600によって目的地到着予想時刻を、目的地までの道程距離と共に表示するようにしてもよい。そして、目的地到着予想時刻表示形態として通常表示形態が設定されている場合には、この時計図形600のみを表示し、変化要因表示形態が設定されている場合には、図6a2、a3に示すように、この時計図形と共に、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量分の時間の表示601を行うようにするようにしてもよい。また、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が正であった場合には、この時間の表示601と共に、図6a2に示すように、着目交通情報に対応する区間の旅行時間をしきい値Th以上増加させた要因となった交通事象の種類を表すアイコン602を表示するようにしてよい。また、同様に、着目交通情報に対応する区間の旅行時間の変化量が負であった場合には、時間の表示601と共に、図6a3に示すように着目交通情報に対応する区間で起こった交通事象の解消を表すアイコン603を表示するようにしてもよい。
【0047】
また、以上の実施形態は、目的地到着予想時刻を常時、前述した通常表示形態で行い、旅行時間をしきい値Th以上変化させる交通情報を受信したときに、当該交通情報が示す交通事象の内容と、当該交通事象を要因とする目的地到着予想時刻の変化量を通知するメッセージを、図6bに示すように案内画像200の上に設定したメッセージウインドウ610中に表示したり、当該交通情報が示す交通事象の内容と、当該交通事象を要因とする目的地到着予想時刻の変化量を通知する音声メッセージを、音声出力部19にスピーカ7に出力させるようにしてもよい。また、このようなメッセージの表示や音声メッセージの出力は、前述した目的地到着予想時刻の表示形態の通常表示形態と変化要因表示形態との表示の切り替えを行いながら、併せて行うようにしてもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、その旨をユーザが把握可能な形態で、前記目的地到着予想時刻のユーザへの提示を行う。したがって、ユーザは、受信した交通情報の影響によって目的地到着予想時刻が変化したときに、その変化の要因が、受信交通情報から認知される交通状況の変化(たとえば、渋滞の発生)にあることを即座に把握することができる。また、この場合に表示される時計図形401を操作するだけで、目的地到着予想時刻を変化させた交通事象を地図上で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面例を示すブ図である。
【図3】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置が行う到着予想時刻表示処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の到着予想時刻の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置において到着予想時刻の表示のために用いる時計図形を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の到着予想時刻の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1…制御装置、2…操作部、3…表示装置、4…車両状態センサ、5…GPS受信機、6…VICS受信機、7…スピーカ、11…地図データ記憶部、12…現在状態算出部、13…GUI制御部、14…ルート探索部、15…メモリ、16…制御部、17…案内画像生成部、18…交通情報処理部、19…音声出力部、100…ナビゲーション装置、200…VICS情報放送局、200…案内画像、201…地図画像、202…現在位置マーク、203…ルート図形、204…目的地マーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載され、ユーザに対して目的地までの推奨ルートの案内を行うナビゲーション装置であって、
発生している交通事象を表す交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記推奨ルートの案内を行っている期間中、前記推奨ルートに従って走行した場合の、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響を考慮した、前記目的地への到着予想時刻を繰り返し算出する目的地到着予想時刻算出手段と、
前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻をユーザに提示する目的地到着予想時刻提示手段とを有し、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、当該目的地到着予想時刻の変化が、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によるものであることをユーザが把握可能な形態で、前記目的地到着予想時刻のユーザへの提示を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置であって、
表示装置を備え、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻を、前記表示装置に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間と共に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のナビゲーション装置であって、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻を、前記表示装置に、前記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の種別を表す情報と共に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1記載のナビゲーション装置であって、
スピーカを備え、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記目的地到着予想時刻の変化が、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によるものであることを通知する音声メッセージを前記スピーカから出力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2または3記載のナビゲーション装置であって、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻を示す時針と分針と、文字盤とを有する時計を模擬した図形を前記表示装置に表示し、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記時計を模擬した図形と共に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間を前記時計を模擬した図形の文字盤の目盛を用いて表す変化時間表示図形を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3記載のナビゲーション装置であって、
前記目的地到着予想時刻提示手段は、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻を示す時針と分針と文字盤とを有する時計を模擬した図形を前記表示装置に表示し、前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときには、前記時計を模擬した図形と共に、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響による目的地到着予想時刻の変化量を表す時間を前記時計を模擬した図形の文字盤の目盛を用いて表す変化時間表示図形を、前記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の種別に応じて定まる表示形態で表示する特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項2、3、5または6記載のナビゲーション装置であって、
前記目的地到着予想時刻算出手段が算出した目的地到着予想時刻が変化した場合に、前記目的地到着予想時刻提示手段によって行われる前記表示に対するユーザ操作に応じて、記目的地到着予想時刻の変化に影響を与えた交通事象の内容をユーザに提示する発生交通事象提示手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
自動車に搭載され、ユーザに対して目的地までの推奨ルートの案内を行うナビゲーション装置において、前記推奨ルートに従って走行した場合の、前記目的地への到着予想時刻をユーザに提示する目的地到着予想時刻提示方法であって、
発生している交通事象を表す交通情報を受信するステップと、
前記推奨ルートの案内を行っている期間中、前記推奨ルートに従って走行した場合の、前記交通情報受信手段が受信した交通情報が表す交通事象の影響を考慮した、前記目的地への到着予想時刻を繰り返し算出するステップと、
前記目的地到着予想時刻が変化した場合に、当該変化が受信した交通情報が表す交通事象の影響によって生じたものであるときに、前記目的地到着予想時刻の変化が、受信した前記交通情報が表す交通事象の影響によるものであることをユーザが把握可能な形態で、前記目的地到着予想時刻をユーザへ提示するステップとを有することを特徴とする目的地到着予想時刻提示方法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−53017(P2006−53017A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234293(P2004−234293)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】