説明

ナビゲーション装置

【課題】移動形態や設置施設の特徴に合致した適切な充電時間で充電を行う充電スタンドを検索できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地までの走行に消費されるバッテリ充電量aと、目的地到着時の残充電量nと、現在位置のバッテリ充電量pとをもとに、目的地到着時の残充電量nが確保されるように目的地まで走行する場合の総充電量V1を算出し、総充電量V1と、充電スタンドでの充電時間Tcから換算した充電量とをもとに案内経路上を目的地まで走行するときの充電回数Ccを算出する。目的地までの距離Lと充電回数Ccとから算出した目的地からの仮想充電スタンド間距離LL内で最終充電スタンドを道路地図データベースをもとに検索し、最終充電スタンドを基点として仮想充電スタンド間距離LL内で最も離れた充電スタンドを次の基点として検索し充電スタンドの検索を少なくとも充電回数分繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車で目的地へ向かって移動する場合、長時間、1か所の充電スタンドで充電のために留まることのないように充電時間を含む適切な充電スタンドを案内できるようにしたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境への影響を極力軽減した電気自動車が普及しつつある。この電気自動車は、バッテリ、例えばリチウムイオン電池を搭載し、このバッテリに充電した電気エネルギーを利用して電動機を駆動させ、この電動機で発生させた駆動力で走行するものである。このため、バッテリに蓄えた電気エネルギーで走行できる範囲が電気自動車による移動可能なエリアとなることから、バッテリに蓄えた電気エネルギーが無くなる前に充電スタンドに到着し、搭載しているバッテリに充電する必要がある。
また、充電スタンドでの電気自動車の充電時間については、急速充電を行う充電スタンドであっても、搭載しているバッテリを充電するには相応な充電時間を要するのが現状である。
このような電気自動車で走行するときの、現在のバッテリの残存容量を考慮した走行可能範囲内にある充電スタンドを検索するナビゲーションシステムがある(特許文献1参照)。
このナビゲーションシステムは、電気自動車のバッテリの残存容量が一定のレベル以下になると、そのときの走行可能距離を算出し、走行可能範囲内にある充電スタンドを、到達可能性に係わる識別情報とともに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−210702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来のナビゲーション装置では、電気自動車で移動する場合の移動形態や充電スタンドの設置施設の特徴に合致した充電時間を考慮した充電スタンドは検索できないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電気自動車で移動する場合の移動形態や設置施設の特徴に合致した適切な充電時間で充電を行う充電スタンドを検索できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、自車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、目的地を設定する目的地設定手段と、充電スタンドの位置情報を含む充電スタンド情報および道路地図情報を記憶した道路地図データベースと、前記現在位置検出部で検出した現在位置から前記目的地までの案内経路および距離を前記道路地図データベースの道路地図情報上で検索し算出する経路検索部と、前記経路検索部で検索された案内経路で走行した場合、目的地までの経路中で新たに必要となる充電量を算出する総充電量算出部と、前記経路検索部で検索された案内経路に近接する複数の充電スタンドを設定し、前記総充電量算出部で算出された総充電量に基づいて各充電スタンドでの充電量を設定する充電スタンド管理部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項6に記載の発明は、滞在時間が長くなるほど優先度が高くなるように前記滞在時間と対応させて充電スタンドの設置施設の優先順位を規定する優先順位表を設定する優先順位表設定手段と、前記優先順位表の最上位の優先順位の設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量が、前記目的地到着時の残充電量を確保できるとともに前記目的地まで走行可能である範囲に入る設置施設を前記道路地図データベースをもとに検索する設置施設検索部と、前記設置施設検索部により、前記範囲に入る設置施設がないと判定されると、前記優先順位表に従って優先順位を前記設置施設検索部が検索した設置施設に対して一段下げた設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量が、前記目的地到着時の残充電量を確保できるとともに前記目的地まで走行可能である範囲に入る設置施設が検索されるまで前記設置施設の検索を前記道路地図データベースをもとに繰り返す設置施設再検索部と、前記設置施設検索部または前記設置施設再検索部が検索した設置施設を第1の設置施設としたとき、前記第1の設置施設まで出発前の充電量で走行可能であるか否かを判定し、走行可能であると判定すると、前記第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定し、走行可能でないと判定すると、前記第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定すると共に、前記優先順位表に従って優先順位を前記第1の設置施設に対して一段下げた設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量で走行可能な範囲に前記第1の設置施設が入り、かつ、前記出発前の充電量で現在位置から走行可能な範囲に入る設置施設が検索されるまで前記設置施設の検索を前記道路地図データベースをもとに繰り返し、検索された設置施設を案内すべき第2の設置施設として決定する最終設置施設判定部と、前記最終設置施設判定部により決定された前記案内すべき設置施設を、表示された前記道路地図上の案内経路上へ出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、目的地を設定し、目的地までの案内経路の検索結果が得られると、必要とする充電量を複数の充電スタンドで適切に分担するため、充電時間を含めた移動効率の向上を図れる効果がある。
請求項2記載の発明によれば、充電スタンドでの充電時間(滞在時間)を適切に設定できるため、充電時間を含めた移動効率の向上を図れる効果がある。
請求項3記載の発明によれば、一回の充電時間が、あらかじめ設定された充電スタンド一か所あたりの最大充電時間の範囲内になるように前記案内経路上の適切な充電スタンドが検索され、案内経路上に表示出力される。したがって、電気自動車で移動する場合の移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電を行うことの出来る充電スタンドをあらかじめ検索し移動効率の向上を図れる効果がある。
請求項4記載の発明によれば、充電スタンドにおける最大充電時間が変更された場合、その最大充電時間の変更に応じた適切な充電スタンドを検索することが可能になる。したがって、電気自動車で移動する場合の移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電を行う上でより一層有利となる。
請求項5記載の発明によれば、充電スタンドが設置されている施設の特徴に合致した充電時間(滞在時間)を設定できるため、充電を行う上でより一層有利となる。
請求項6記載の発明によれば、目的地を設定し、目的地までの案内経路の検索結果が得られると、目的地までの距離と、滞在時間が長くなるほど設置施設の優先順位が高くなるようにあらかじめ設定されている優先順位表を利用し、前記優先順位に従った、適切な充電を行うことの出来る設置施設が前記案内経路に沿って順次検索され、前記案内経路に沿って表示される。したがって、電気自動車で移動する場合の移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電を行うことの出来る充電スタンドをあらかじめ検索し移動効率の向上を図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置により検索される充電スタンドを示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置の充電スタンド案内方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置の充電スタンド案内方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置における充電スタンド案内方法を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置における充電スタンド案内方法を示す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置における充電スタンド案内方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置の優先順位表を示す説明図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置における充電施設案内方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態の充電スタンド案内方法が適用されるナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。図2は、この実施の形態の充電スタンド案内方法により検索される充電スタンドを示す説明図である。
このナビゲーション装置は、GPS受信部1、現在位置検出部2、経路検索部3、入力部4、出力部5、道路地図データベース6、総充電量算出部7、バッテリ管理部8、充電回数算出部9、充電スタンド検索部10および表示制御部11を備えている。
GPS受信部1は、GPS衛星から送られてくる電波に乗せられている時刻情報を受信する。
現在位置検出部2は、GPS受信部1が受信した時刻情報をもとに、前記時刻情報を受信した位置の緯度、経度、高さを計算して検出する。
経路検索部3は、現在位置から目的地までの案内経路を、道路地図データベース6から読み出した道路地図情報をもとに検索し、さらに前記現在位置から前記目的地までの前記案内経路上の距離を算出する。
【0011】
入力部4はタッチパネル装置を備え、目的地、優先道路および経由地などのナビゲーション装置への各種入力データの取り込みを行う他、充電スタンド1か所あたりの最大充電時間Tc、目的地到着時に自車両のバッテリに残存しているべき残充電量あるいは到着後の走行予定距離を含むディスプレイ上から入力操作された各種設定データを取り込む。
出力部5は、ナビゲーション装置を操作するための各種操作画面をディスプレイへ出力し、また、現在位置、目的地、案内経路などを道路地図とともにディスプレイへ表示出力する。また、後述する充電スタンド検索部10により検索された現在位置から目的地までの案内経路周辺の充電スタンドを、道路地図とともにディスプレイへ出力する。
【0012】
道路地図データベース6は、ハードディスクあるいはDVDなどの記録メディアにより構成され、充電スタンドの位置情報などの充電スタンド情報を含む全国の道路地図およびその距離情報を道路地図情報として保存しており、必要に応じて読み出される。
総充電量算出部7は、目的地到着時にバッテリに残充電量が確保され残っている前提で、前記目的地までこの電気自動車が走行するために充電されるべき総充電量V1を算出する。この残充電量は、入力部4からあらかじめ入力され設定された目的地到着時のバッテリの残充電量である。
【0013】
バッテリ管理部8は、この電気自動車が搭載しているバッテリの現在の残容量の算出、前記バッテリの充電電流、放電電流の制御などを含むバッテリ管理を行う。
充電回数算出部9は、目的地まで走行するのに必要な、途中の充電スタンドで充電を行う回数を算出する。この充電回数の算出は次のようにして行われる。先ず、総充電量算出部7で算出された“目的地まで走行するのに必要な現在地から目的地までの距離に応じたバッテリの総充電量V1”に“目的地到着時のバッテリの残容量”を加算したバッテリ容量を求め、このバッテリ容量から現在のバッテリの残容量を減算することで目的地まで走行するのに必要なバッテリ充電量を求める。そして、このバッテリ充電量を、入力部4から入力された充電スタンド1か所あたりの最大充電時間Tcから換算された充電スタンド一か所あたりでバッテリへ充電可能な充電量で除算し、目的地までの案内経路周辺の充電スタンドが均等に設置されているものとしたときの、前記目的地まで走行するのに必要な必要充電回数Ccを算出する。
【0014】
充電スタンド検索部10は、“現在位置から前記目的地までの前記案内経路の距離”を前記算出された必要充電回数Ccで除算することで、前記案内経路上あるいは案内経路周辺の充電スタンド間の距離、仮想充電スタンド間距離LLを算出し、前記目的地から前記算出した仮想充電スタンド間距離LLの範囲内であって、案内経路上を前記目的地から現在位置の方向へ戻ったときの前記目的地から最も遠くにある充電スタンドを、最後に充電する最終充電スタンドとして道路地図データベース6にアクセスすることで検索する。さらに、前記最終充電スタンドを基点として仮想充電スタンド間距離LLの範囲内で、前記案内経路上を現在位置の方向へ辿ったときの前記基点から最も遠くにある充電スタンドを次の基点として道路地図データベース6にアクセスすることで検索する。そして、この基点とする充電スタンドの検索は、少なくとも前記算出した充電回数分の充電スタンドが検索されることになる。なお、充電回数算出部9と充電スタンド検索部10とは充電スタンド管理部13を構成している。
【0015】
表示制御部11は、出力部5におけるディスプレイへの各種データの表示制御を行うとともに、充電スタンド検索部10により検索された各充電スタンドに対応させて、入力部4からあらかじめ入力された充電スタンドでの1回あたりの最大充電時間Tcを、後述する図2に示す充電時間出力部411、412、413、414へ表示する。
【0016】
図3は、この実施の形態のナビゲーション装置に適用される充電施設案内方法の動作を示すフローチャートであり、以下、このフローチャートに従って説明する。
先ず、電気自動車の運転者あるいは同乗者により入力操作された、ナビゲーション装置の入力部4から必要な各種情報、目的地、目的地到着時の残存するバッテリ充電量あるいは目的地到着後の走行予定距離、充電スタンド一か所あたりの最大充電時間Tcなどの各種情報を取り込む(ステップS1)。このときの目的地の入力はナビゲーション装置が備えている登録情報から選択したり、あるいは施設、電話番号などから目的地を設定する目的地設定機能により行うことが可能である。この目的地が設定され、さらに経由地、優先道路の指定などが入力操作されると、ナビゲーション装置の経路検索部3は、自車両の現在位置から前記設定された目的地までの案内経路を道路地図データベース6に保存されている道路地図情報をもとに検索し、出力部5のディスプレイへ道路地図データベース6から読み出した道路地図と、前記検索した案内経路とを出力する。
【0017】
続いて、目的地到着時に前記残充電量が確保される前提で前記目的地まで走行するために充電されるべき総充電量V1を総充電量算出部7が算出する(ステップS2)。この総充電量V1は次のようにして算出される。経路検索部3が検索した目的地までの案内経路の距離L(Km)と、自車両が搭載しているバッテリが満充電された状態のエネルギー量x(Wh)と、バッテリが満充電された状態で走行可能な距離とから、バッテリに蓄えられた充電量の単位エネルギーあたりの走行距離、つまり電費yが明らかになる。
さらに、目的地までの案内経路の距離L/電費yから、目的地まで走行するのに必要なバッテリのエネルギー量、つまり目的地まで走行するのに必要なバッテリ充電量a(Wh)が求められる。そして、目的地へ到着した時点で残しておきたいバッテリ充電量、残充電量をn(Wh)とし、さらに現在、自車両のバッテリに蓄えられている充電量をp(Wh)とすると、目的地まで走行するのに必要な総充電量V1は、“目的地まで走行するのに必要な充電量a(Wh)”+“目的地到着時にバッテリに残しておきたいバッテリ充電量n(Wh)”−“現在、自車両のバッテリに蓄えられている充電量p(Wh)”から求められる。
“目的地到着時にバッテリに残しておきたい充電量n(Wh)”は、ステップS1で入力された目的地到着時の残充電量、あるいは、目的地到着後の走行予定距離をq(Km)として“目的地到着後の走行予定距離q”/電費yから求められる。
【0018】
続いて、前記求めた目的地まで走行するのに必要な総充電量V1を、前記ステップS1で入力部4から入力された充電スタンド一か所あたりの最大充電時間Tcから換算された充電スタンド一か所あたりでバッテリへ充電可能な充電量で除算し、目的地まで充電スタンドが案内経路周辺に均等に設置され、各充電スタンドに均等に充電時間を割り当てるとしたときの、前記目的地まで走行するのに必要な必要充電回数Ccを算出する(ステップS3)。
【0019】
充電スタンド検索部10は、“現在位置から前記目的地までの前記案内経路の距離”を前記算出された必要充電回数Ccで除算することで、前記案内経路周辺の充電スタンド間の仮想的な間隔、すなわち仮想充電スタンド間距離LLとして算出し(ステップS4)、前記目的地から前記算出した充電スタンド間の仮想充電スタンド間距離LLの範囲内であって、前記目的地から案内経路上を現在位置の方向へ辿ったときの最も遠くにある充電スタンドを道路地図データベース6にアクセスすることで検索する(ステップS5)。この場合、図2に示す充電スタンドSS2が検索される。
【0020】
さらに、前記充電スタンドSS2を案内経路上で最終案内する最終充電スタンドとして、その最終充電スタンドを基点として前記案内経路上を現在位置の方向へ前記仮想充電スタンド間距離LLだけ辿り、このときの仮想充電スタンド間距離LLの範囲内の案内経路上あるいはその近辺にある前記基点から最も遠くにある充電スタンドを道路地図データベース6にアクセスすることで検索する(ステップS6)。この場合、図2に示す充電スタンドSS4が検索される。
【0021】
続いて、ステップS3で求めた必要充電回数分の充電スタンドを検索したか否かを判定し(ステップS7)、必要充電回数分の充電スタンドの検索が完了していなければ、基点にする充電スタンドをステップS6で検索した充電スタンドに置き換えて(ステップS8)、ステップS6へ戻る。この結果、ステップS6では、今度は充電スタンドSS4を基点にして前記案内経路上を現在位置の方向へ仮想充電スタンド間距離LLだけ辿り、このときの仮想充電スタンド間距離LLの範囲内の案内経路上あるいはその近辺にある、前記基点とした充電スタンドSS4から最も遠くにある充電スタンドを道路地図データベース6にアクセスすることで検索する。この場合、図2に示す充電スタンドSS5が検索される。
【0022】
このようにしてステップS3で求めた必要充電回数分の充電スタンドを検索し終わると、検索した充電スタンドSS2、SS4、SS5、SS7を、案内経路が表示出力されている道路地図データベース6から読み出した道路地図上へ、他の充電スタンドと識別可能な表示形態で出力する(ステップS9)。
【0023】
以上のようにして検索された必要充電回数分の充電スタンドが、図2に示すように案内経路の表示出力されている道路地図上へ表示される。図2に示す例では、現在位置から目的地までの案内経路が道路地図上へ表示出力されており、さらに前記案内経路上あるいはその近辺にある必要充電回数分の充電スタンド検索部9で検索された充電スタンドSS2、SS4、SS5、SS7が他の充電スタンドと識別可能な表示形態で出力されている。さらに、充電スタンドSS2、SS4、SS5、SS7には、各充電スタンドとの対応関係が明らかになるように、ステップS1で入力された充電スタンド一か所あたりの最大充電時間Tc、例えば“20分”が表示制御部11により充電時間出力部411、412、413、414へ表示される。
【0024】
以上説明したように、この実施の形態によれば、目的地を設定し、目的地までの案内経路の検索結果が得られると、一回の充電時間が、あらかじめ設定された充電スタンド一か所あたりの最大充電時間Tcの範囲内になるように前記案内経路上の適切な充電スタンドが検索され、案内経路上に表示出力される。この充電スタンドの検索結果に従って、検索された充電スタンドで充電を行いながら走行すると、一カ所の充電スタンドに長時間充電のため停車することなく、複数の充電スタンドで短時間の充電を行いながら、全体として目的地まで走行するのに必要な充電量を確保しつつ走行できる。
【0025】
このため、移動中の休憩を兼ねて充電スタンドでの充電を行う場合などでは、休憩を兼ねた軽い食事をする一方で、充電スタンドで充電を行うことが可能になる。また、配送車による荷物配送の経路をあらかじめ設定できる場合などでは、あらかじめ設定した経路に従って荷物の配送、配達を行う一方で、充電スタンドで充電を行うことが可能になり、それぞれの車固有の移動形態に合致した適切な充電スタンドをあらかじめ知って複数の充電スタンドで充電時間を分散させながら移動できる。また、車により移動するとき、長時間停車していたくないような場所の充電スタンドで無用に長時間、充電のために停車しなければならないなどの状況を無くすことができ、運転者や同乗者は充電時間を休憩や軽い食事に利用しなが目的地まで移動できるなど、電気自動車で移動する場合の移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電を行うことの出来る充電スタンドをあらかじめ検索し移動効率の向上を図れる効果がある。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、この実施の形態の充電スタンド案内方法が適用されるナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。図4において図1と同一または相当の箇所については同一の符号を付し説明を省略する。
この実施の形態では、表示制御部12は、出力部5のディスプレイへの各種データの表示制御を行うとともに、第1の実施の形態で説明した充電スタンド検索部10により検索された各充電スタンドに対応させて、入力部4からあらかじめ入力された充電スタンドでの1回あたりの最大充電時間Tcを、後述する図6に示す充電時間出力部411、412、413、414へ表示する。さらに、各充電スタンドに対応させて表示された最大充電時間Tcを、各充電スタンドごとに例えば10分単位で最大充電時間Tcを変更可能にするための充電時間変更操作部411A、412A、413A、414Aを表示する。
また、この実施の形態では、経路検索部3に充電スタンド再計算部101が構成されている。充電スタンド再計算部101は、充電時間変更操作部411A、412A、413A、414Aに表示された最大充電時間Tcが変更操作されると、その最大充電時間Tcの変更に応じて案内経路上の適切な充電スタンドを再計算する。すなわち、最大充電時間Tcが変更操作されると、変更された充電時間に基づいて目的地側の充電スタンドについて仮想充電スタンド間距離を再算出し、前記充電スタンド検索部で検索された充電スタンドの再検索を行う。
【0027】
次に動作について説明する。
図5は、この実施の形態のナビゲーション装置に適用される充電スタンド案内方法の動作を示すフローチャートである。図6および図7は、この実施の形態の充電スタンド案内方法により検索される充電スタンドを示す説明図である。
第1の実施の形態で図2に一例として示したように案内経路Rに沿って充電スタンドSS2、SS4、SS5およびSS7が検索されている。第1の実施の形態では最大充電時間Tcは各充電スタンド共通の20分であったが、この実施の形態では図6に示すように充電スタンドSS4の最大充電時間Tcが20分から30分へ変更される。この最大充電時間Tcが変更される理由は、例えば充電スタンドSS4の近くにレストランがあって昼の食事をとる時間を充電時間にあてることができるため、20分から30分へ変更する。
【0028】
先ず、充電スタンド再計算部101は、図2に示すように案内経路Rに沿って検索された充電スタンドSS2、SS4、SS5およびSS7に対し最大充電時間Tcの変更操作が行われたか否かを判定する(ステップS21)。この場合、図6に示すように充電スタンドSS4の最大充電時間Tcが20分から30分へ変更されたことから、この最大充電時間Tcが変更された充電スタンドとして充電スタンドSS4を判定し(ステップS22)、続いて充電スタンドSS4を基点にして、元の最大充電時間Tcに対する変更された最大充電時間Tc´の割合を演算する(ステップS23)。
【0029】
次に、ステップS23で演算した“元の最大充電時間Tcに対する変更された最大充電時間Tc´の割合”に第1の実施の形態で算出した“仮想充電スタンド間距離LL“を乗算して変更後の仮想充電スタンド間距離LLを求める(ステップS24)。この場合の例では、“変更された最大充電時間Tc”/“元の最大充電時間Tc”は“1.5”であり、“変更前の仮想充電スタンド間距離LL”×1.5が変更後の仮想充電スタンド間距離LLとなる。
そして、前記基点から仮想充電スタンド間距離LLの範囲内で最も離れた案内経路R沿いの充電スタンドを道路地図データベース6に保存してある充電スタンド情報をもとに検索する(ステップS25)。この例では、検索される充電スタンドは充電スタンドSS1である。
前記基点から最も離れた案内経路R沿いの充電スタンドSS1を検索すると、ステップS22で判定した最大充電時間Tcの変更された充電スタンドと、新たに検索された充電スタンドSS1との間の既検索充電スタンドSS2を無効にして対象とする充電スタンドから外す(ステップS26)。
そして、ステップS25で検索した充電スタンドSS1の最大充電時間Tcを表示する。この場合、最大充電時間“20分”を、図7に示すように再表示する(ステップS27)。
【0030】
そして、充電スタンドSS1で“20分”の充電を行なった場合の充電量で充電スタンドSS1から走行可能な距離の範囲内に目的地が入るか判定を行い(ステップS28)、前記走行可能な距離の範囲内に目的地が入ることになれば充電スタンドの検索を終了する。一方、前記走行可能な距離の範囲内に目的地が入らない場合、最大充電時間“20分”で充電を行なった場合の充電量で走行可能な距離の範囲内の、ステップS25で検索された充電スタンドSS1から最も離れた次の充電スタンドを充電スタンド再計算部101が再計算し再検索する(ステップS29)。この結果、次の充電スタンドの検索結果が得られるとステップS26へ戻り、その充電スタンドについての表示を行い、さらに最大充電時間“20分”を表示し(ステップS27)、前記検索結果として得られた充電スタンドについてステップS28以降の処理を、最大充電時間“20分”の充電を行なった場合の充電量で走行可能な距離の範囲内に目的地が入るまで繰り返す。
【0031】
なお、以上の説明では、最大充電時間Tcが20分から30分へ変更される場合を例に説明したが、最大充電時間Tcが20分から例えば10分などのように短縮される場合にも、最大充電時間Tcの変更に応じた適切な充電スタンドを充電スタンド再計算部101が再計算し、検索することが可能である。
【0032】
以上説明したように、この実施の形態によれば、充電スタンドにおける最大充電時間Tcが変更された場合、その最大充電時間Tcの変更に応じた適切な充電スタンドを充電スタンド再計算部101が再計算し、検索することが可能になる。このため、この充電スタンドの検索結果に従って、検索された充電スタンドで充電を行いながら走行すると、一カ所の充電スタンドに長時間充電のため停車することなく、複数の充電スタンドで短時間の充電を行いながら、全体として目的地まで走行するのに必要な充電量を確保しつつ走行できる。さらに特定の充電スタンドでは、例えば昼の食事をとるため、あるいは近くの観光地を訪れるために他の充電スタンドに比べて2倍、3倍の充電時間を割り当てるなどの充電スタンド固有の状況を考慮した最大充電時間の変更が可能になるため、移動中の休憩を兼ねて充電スタンドでの充電を行う場合などでは、特定の充電スタンドでは休憩を兼ねて観光や昼の食事をする一方で、他の充電スタンドに比べて2倍、3倍の充電時間を割り当てて充電を行うことが可能になる。また配送車による荷物配送の経路をあらかじめ設定できる場合などでは、他の充電スタンドに比べてより多くの荷物の配送、配達先が近隣にある充電スタンドに対し2倍、3倍の充電時間を割り当てることで、その充電時間中に荷物の配達を行うなど、充電時間を有効に利用して移動でき、電気自動車で移動する場合の移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電を行うことの出来る充電スタンドをあらかじめ検索し、移動効率を向上できる効果がある。
【0033】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図8は、この実施の形態の充電スタンド案内方法が適用されるナビゲーション装置の構成を示す概略構成図である。
このナビゲーション装置は、GPS受信部151、現在位置検出部152、経路検索部153、入力部154、出力部155、道路地図データベース156、総充電量算出部157、バッテリ管理部158、設置施設検索部160および表示制御部162を備えている。
GPS受信部151は、GPS衛星から送られてくる電波に乗せられている時刻情報を受信する。
現在位置検出部152は、GPS受信部151が受信した時刻情報をもとに、前記時刻情報を受信した位置の緯度、経度、高さを計算して検出する。
【0034】
経路検索部153は、最終設置施設判定部201、優先順位表選択部202、滞在時間充電量計算部203および優先順位表設定手段301を備えている。経路検索部153は、現在位置から目的地までの案内経路を、道路地図データベース156から読み出した道路地図情報をもとに検索し、さらに、前記現在位置から前記目的地までの案内経路上の距離を算出する。
最終設置施設判定部201は、現在位置から目的地までの案内経路上の充電スタンドを備えた設置施設の内で、出発前のバッテリに残っている充電量で、現在位置から後述する設置施設検索部160または設置施設再検索部204が検索した設置施設まで走行可能であるか否かを判定し、現在位置から前記設置施設まで走行可能であると判定した場合には、その設置施設を最終設置施設とする。
【0035】
優先順位表選択部202は、現在位置から目的地までの案内経路の距離をもとに決定された遠目的地あるいは近目的地に応じた優先順位表を道路地図データベース156から選択する。なお、遠目的地は、現在位置から例えば60Km以上離れた遠距離にある目的地、近目的地は、現在位置から例えば60Km未満の距離にある目的地とする。図10(a)は遠目的地に応じた設置施設とその滞在時間についての優先順位表、同図(b)は近目的地に応じた設置施設とその滞在時間についての優先順位表の一例を示す。
図8に戻り、滞在時間充電量計算部203は、各設置施設の滞在時間に対応する充電時間、充電を行なった場合、バッテリに充電可能な充電量を計算する。
優先順位表設定手段301は、滞在時間が長くなるほど優先度が高くなるように前記滞在時間と対応させて充電スタンドの設置施設の優先順位を規定する優先順位表を道路地図データベース156に設定する。
入力部154は各種入力操作キーおよびタッチパネル装置を備え、目的地、優先道路および経由地などのナビゲーション装置への各種入力操作を受け付ける他、目的地到着時のバッテリの残充電量あるいは到着後の走行予定距離、設置施設とその滞在時間についての前記優先順位表を含む前記各種入力操作キーあるいはディスプレイ上から入力された各種設定データを取り込む。
出力部155は、ナビゲーション装置を操作するための各種操作画面を前記ディスプレイへ出力し、また、現在位置、目的地、案内経路などを道路地図とともに前記ディスプレイへ表示出力する。また、後述する設置施設検索部160、設置施設再検索部204により検索された現在位置から目的地までの案内経路上の充電スタンドを備えた設置施設を、道路地図とともに前記ディスプレイへ出力する。
【0036】
道路地図データベース156は、ハードディスクあるいはDVDなどの記録メディアにより構成され、充電スタンドを備えた設置施設情報、前記設置施設の位置情報を含む全国の道路地図情報、前記設置施設とその滞在時間についての優先順位表などを保存しており、必要に応じて読み出される。図10は優先順位表の一例を示す説明図であり、同図(a)は遠目的地に応じた設置施設とその滞在時間についての優先順位表、同図(b)は近目的地に応じた設置施設とその滞在時間についての優先順位表を示す。
この優先順位表は、充電スタンドを備えた設置施設の優先度を規定している。そして、この優先順位表は目的地が遠距離の範囲内(例えば60Km以上の距離範囲)である遠目的地の場合と、目的地が中距離あるいは近距離の範囲内(60Km未満の距離範囲)である近目的地に応じてそれぞれ設定される。この優先順位表では、上段になるほど優先順位が高くなるように設定されており、また優先順位が高い設置施設ほど滞在時間が長くなるように設定されている。
【0037】
遠目的地用の優先順位表では、設置施設の優先順位は、旅行あるいは出張などで遠くへ移動する状況と設置施設の特徴とから判断して観光地やサービスエリアほど優先度は高く滞在時間が長く設定されている。例えば、観光地である設置施設と、コンビニである設置施設との優先度は、観光地のほうが遠距離にあって、滞在時間が長くなることから観光地である設置施設の方がコンビニに比べて優先順位は高く設定される。
また、近目的地用の優先順位表では、設置施設の優先順位は、出かける頻度、短時間で出かける状況と設置施設の特徴とから判断してコンビニやスーパーほど優先度は高く滞在時間が長く設定されている。例えば、コンビニである設置施設と、サービスエリアである設置施設との優先度は、コンビニのほうが近距離にあって出かける頻度が大きく、短時間で出かける設置施設であって、滞在時間が長くなることからコンビニである設置施設の方がサービスエリアに比べて優先順位は高く設定される。
総充電量算出部157は、前記目的地までこの電気自動車が充電しながら走行し、目的地到着時には一定量の残充電量が確保されているときの総充電量V1を算出する。目的地到着時の前記残充電量は、目的地に到着したときバッテリに残しておくべき充電量として入力部154からあらかじめ入力され設定される。
【0038】
バッテリ管理部158は、この電気自動車が搭載しているバッテリの現在の充電量の算出、前記バッテリの充電電流、放電電流の制御などを含むバッテリ管理を行う。
【0039】
設置施設検索部160は設置施設再検索部204を備えている。
設置施設検索部160は“現在位置から前記目的地までの前記案内経路の距離”をもとに判定された遠目的地あるいは近目的地に応じて、優先順位表選択部202で選択された優先順位表に設定された優先順位で、案内経路上の前記目的地を基準にして、“その設置施設の滞在時間中に充電を行なったときのバッテリ充電量である滞在時間充電量”≧“目的地到着時に残しておきたい残充電量”+“設置施設から目的地までの走行に必要な充電量“の条件を満足する範囲に入る設置施設を判定する。そして、前記条件を満足する設置施設を道路地図データベース156の道路地図上の設置施設情報から検索する。そして、検索された設置施設が複数ある場合には、前記条件を満足する範囲に入る設置施設のうち前記目的地から最も離れた設置施設を案内する設置施設として判定する。
設置施設再検索部204は、前記設置施設が設置施設検索部160により前記条件を満足する範囲に入る設置施設が検索できない判定された場合に、前記優先順位表に従って優先順位を一段下げた設置施設について前記条件をもとに再検索する。
【0040】
表示制御部162は、出力部155におけるディスプレイへの各種データの表示制御を行うとともに、設置施設検索部160により検索された設置施設のディスプレイへの表示を制御する。
【0041】
図9は、この実施の形態のナビゲーション装置に適用される充電施設案内方法の動作を示すフローチャートである。図11は、この実施の形態のナビゲーション装置における充電施設案内方法を示す説明図である。以下、この実施の形態のナビゲーション装置に適用される充電施設案内方法の動作を図9のフローチャートに従って説明する。
先ず、ナビゲーション装置の入力部4から、電気自動車の運転者あるいは同乗者により入力された目的地、目的地到着時の残存する充電量あるいは目的地到着後の走行予定距離、優先順位表の滞在時間を変更するときの変更滞在時間などの各種情報を取り込む(ステップS41)。
このときの目的地の入力はナビゲーション装置が備えている登録情報から選択したり、あるいは施設、電話番号などから目的地を設定する目的地設定機能により行うことが可能である。この目的地が設定され、さらに経由地、優先道路の指定などが入力操作されると、ナビゲーション装置の経路検索部153は、自車両の現在位置から前記設定された目的地までの案内経路を道路地図データベース156に保存されている道路地図をもとに検索し、現在位置から前記目的地までの距離を算出し、出力部155のディスプレイへ道路地図データベース156から読み出した道路地図、前記検索した案内経路、現在位置から前記目的地までの距離などの案内情報を出力する。
【0042】
続いて、優先順位表選択部202は、前記現在位置から前記目的地までの距離をもとに前記目的地について、遠目的地であるか、あるいは近目的地であるかの判定を行い、その判定結果に応じて、優先順位表を選択し、使用する優先順位表を決定する(ステップS42)。
【0043】
次に、案内経路上で、前記決定した優先順位表に従って、先ず優先順位が最上位となる設置施設に対応する案内経路上の設置施設について、その滞在時間中に充電を行なったときのバッテリ充電量が、案内経路上の前記設置施設から目的地まで走行が可能であって、かつ、ステップS41で入力した目的地到着時に残しておきたい残充電量を確保できる範囲に入る設置施設を判定する(ステップS43)。つまり、前記案内経路上の設置施設について、その滞在時間中に充電を行なったときのバッテリ充電量を“滞在時間充電量”とすると、“滞在時間充電量”≧“目的地到着時に残しておきたい残充電量”+“設置施設から目的地までの走行に必要な充電量“の条件を満足する範囲(目的地からの距離範囲L1)に入る設置施設を設置施設検索部60が検索し判定する。
【0044】
図11は、この条件をもとに設置施設検索部60により判定される案内経路上の設置施設を示している。図11に示す例では、使用される優先順位表は遠目的地に対応する図10(a)に示される優先順位表、設置施設は観光地、滞在時間は60分である。また、符号Rは現在位置から目的地までの間の案内経路、501、502は前記条件を満足する範囲(目的地からの距離範囲L1)内に入る2個の設置施設である。設置施設検索部60は、優先順位表の設置施設である観光地に対応して規定されている滞在時間60分を、充電時間60分としたときの充電量である滞在時間充電量に換算し、“滞在時間充電量”≧“目的地到着時に残しておきたい残充電量”+“設置施設から目的地までの走行に必要な充電量“の条件を満足する範囲に入る設置施設“観光地”を検索する。そして、検索した前記条件を満足する設置施設“観光地”が複数ある場合には目的地から最も遠い設置施設“観光地”を案内する設置施設として決定する。図11では、充電時間60分としたときの充電量から“目的地到着時に残しておきたい残充電量”を減算した残りの充電量で走行可能な距離が、目的地を基準にしてL1で示されている。この結果、前記条件を満足する範囲L1に入る設置施設“観光地”は設置施設501と設置施設502が検索される。そして、設置施設501と設置施設502のうち目的地から最も遠い設置施設“観光地”として設置施設502が案内する設置施設として決定される。
すなわち、判定された設置施設が1つである場合には、その設置施設を案内する設置施設として決定し、また、前記判定された設置施設が複数ある場合には目的地から最も離れた距離にある設置施設を案内する設置施設として決定する(ステップS45)。
【0045】
一方、設置施設検索部60により前記条件を満足する範囲内の設置施設がないと判定されると、設置施設再検索部204は、前記優先順位表に従って優先順位が次に高い設置施設について、“滞在時間充電量”≧“目的地到着時に残しておきたい残充電量”+“設置施設から目的地までの走行に必要な充電量“の条件を満足する範囲に入る設置施設を判定する(ステップS44)。
この結果、前記条件を満足する範囲に入る設置施設を設置施設再検索部204が検索し判定すると、今回、優先順位表から読み出した最上位の優先順位より1つ優先度の低い設置施設を今回案内する設置施設に決定する(ステップS45)。
一方、設置施設再検索部204は、前記条件を満足する範囲に入る設置施設が再度検索できないと判定すると、前記優先順位表の優先順位をさらに1つ下げ(ステップS46)、ステップS44の処理を前記条件を満足する範囲に入る設置施設が検索できるまで繰り返す。
【0046】
このように、優先順位表に従って、案内する設置施設を道路地図データベース156の設置施設情報、設置施設の位置情報を含む道路地図情報をもとに検索する。この結果、案内する設置施設が検索できると、次に、最終設置施設判定部201は、出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内に前記検索された設置施設が入っているか判定を行う(ステップS47)。
図11の符号LLで示す範囲は出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲を示している。図11に示す例では、案内する設置施設は設置施設502であり、最終設置施設判定部201は設置施設502について、出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲LL内に入っているか判定を行う。
この結果、前記検索された設置施設が前記出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内にあれば、設置施設の検索を終了し、前記検索した設置施設を出力部155のディスプレイへ道路地図、案内経路とともに表示出力する(ステップS61)。
すなわち、最終設置施設判定部201は、設置施設検索部160または設置施設再検索部204が検索した設置施設を第1の設置施設としたとき、第1の設置施設まで出発前の充電量で走行可能であるか否かを判定し、走行可能であると判定すると、第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定する。
【0047】
図11の例では出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲LL内に前記設置施設502は入っていない。従って、前記検索された設置施設が、前記出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内にない場合、最終設置施設判定部201は、ステップS45で決定した設置施設より優先度を1つ下げた優先順位の設置施設を前記優先順位表に従って再検索する。この場合、ステップS45で決定した設置施設を基点にして、前記再検索する設置施設に対応する滞在時間を充電時間とした充電量で走行可能な範囲に入る設置施設を検索し判定する。つまりステップS45で決定した設置施設より優先度を1つ下げた優先順位の設置施設について、“滞在時間中、充電可能な充電量”≧“基点とした設置施設502まで走行可能な充電量”の条件を満足する範囲に入る設置施設を検索し判定する(ステップS48)。
図10(a)に示す優先順位表の例では、ステップS45で決定した設置施設より優先度を1つ下げた優先順位の設置施設はサービスエリアであり、その滞在時間は20分である。従って滞在時間20分を充電時間とした充電量で走行可能な範囲に入る設置施設をステップS45で決定した設置施設502を基点にして検索し判定する。図11に示す例では、L2が設置施設502を基点にして滞在時間20分を充電時間とした充電量で走行可能な範囲を示している。従って、“滞在時間中、充電可能な充電量”≧“基点とした設置施設502まで走行可能な充電量”の条件を満足する範囲L2に入る設置施設として設置施設503が検索され判定される。
そして、前記設置施設503を案内する次の設置施設として決定する(ステップS49)。
【0048】
さらに、最終設置施設判定部201は、前記決定した設置施設503について、出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内に設置施設503が入っているか判定を行う(ステップS50)。
この結果、前記基点にした設置施設が、自車両の出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内にあれば、設置施設の検索を終了し、前記決定した設置施設を出力部155のディスプレイへ道路地図、案内経路とともに表示出力する(ステップS61)。
【0049】
図11に示す例で、現在位置が設置施設503から離れた距離にあるような場合には、前記決定した設置施設503は、出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲には入らない。
このため、前記決定した設置施設503が出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲に入らない場合、ステップS48の処理へ戻る。
このときのステップS48の処理では、最終設置施設判定部201は、ステップS49で決定した設置施設503より優先度を1つ下げた優先順位の設置施設を前記優先順位表に従って検索し、前記優先度を1つ下げた優先順位の設置施設について、対応する滞在時間を充電時間としたときの充電量で走行可能な、ステップS49で決定した設置施設503を基点にしたときの範囲に入る設置施設を検索し判定する。
なお、ステップS48の処理は、前記優先度を1つ下げた優先順位の設置施設について、対応する滞在時間を充電時間としたときの充電量で走行可能な前記範囲に入る設置施設が検索され、かつ、出発前のバッテリに残っている充電量で現在位置から走行可能な範囲内に前記検索された設置施設が入るまで繰り返される。
【0050】
すなわち、最終設置施設判定部201は、前記の第1の設置施設(設置施設503)まで出発前の充電量で走行可能でないと判定すると(ステップS47)、第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定すると共に、優先順位表に従って優先順位を前記第1の設置施設に対して一段下げた設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量で走行可能な範囲に前記第1の設置施設が入り、かつ、出発前の充電量で現在位置から走行可能な範囲に入る設置施設が検索されるまで設置施設の検索を道路地図データベース156をもとに繰り返し、検索された設置施設を案内すべき第2の設置施設として決定する(ステップS48、S49、S50、S61)。
【0051】
以上説明したように、この実施の形態によれば、目的地を設定し、目的地までの案内経路の検索結果が得られると、目的地までの距離と、滞在時間が長くなるほど設置施設の優先順位が高くなるようにあらかじめ設定されている優先順位表を利用し、前記優先順位に従った、適切な充電を行うことの出来る設置施設が前記案内経路に沿って順次検索され、前記案内経路に沿って表示される。
従って、検索された設置施設で充電を行いながら走行すると、移動中の観光地や休憩場所などの設置施設では設置施設の特徴に合致した充電時間で充電を行うことが可能になり、観光や休憩をする一方で、その滞在時間に適切な充電量の充電を行うことが可能になる。
この結果、検索された各設置施設ごとの状況に適合させた適切な充電量の充電を行ないながら、複数の充電スタンドで充電時間を分散させて移動でき、長時間滞在したくない設置施設で長時間の充電時間を無為に費やすなどの、電気自動車での移動するときの設置施設と充電時間とのミスマッチを回避でき、車により移動するときの移動形態、設置施設の特徴に合致した適切な充電時間で充電を行う充電スタンドを検索でき、移動効率の向上を図れる効果がある。
【符号の説明】
【0052】
1、151……GPS受信部、2、152……現在位置検出部、3、153……経路検索部、4、154……入力部(目的地設定手段、残充電量設定手段、充電時間設定手段)、5、155……出力部、6、156……道路地図データベース、7、157……総充電量算出部、8、158……バッテリ管理部、9……充電回数算出部、10……充電スタンド検索部、11……表示制御部(目的地設定手段、残充電量設定手段、充電時間設定手段)、13……充電スタンド管理部、101……充電スタンド再計算部、160……設置施設検索部、201……最終設置施設判定部、202……優先順位表選択部、203……滞在時間充電量計算部、204……設置施設再検索部、301……優先順位表設定手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
充電スタンドの位置情報を含む充電スタンド情報および道路地図情報を記憶した道路地図データベースと、
前記現在位置検出部で検出した現在位置から前記目的地までの案内経路および距離を前記道路地図データベースの道路地図情報上で検索し算出する経路検索部と、
前記経路検索部で検索された案内経路で走行した場合、目的地までの経路中で新たに必要となる充電量を算出する総充電量算出部と、
前記経路検索部で検索された案内経路に近接する複数の充電スタンドを設定し、前記総充電量算出部で算出された総充電量に基づいて各充電スタンドでの充電量を設定する充電スタンド管理部と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記充電スタンド管理部は、
充電スタンドにおいて充電を行う充電時間を設定する充電時間設定手段を備え、
各充電スタンドでの充電量は前記充電時間設定手段で設定された充電時間によって算出されることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地到着時に前記自車両のバッテリに残存しているべき残充電量を設定する残充電量設定手段と、
前記バッテリに蓄えられている現在のバッテリ充電量を検出するバッテリ管理部とを備え、
前記総充電量算出部は前記自車両が前記案内経路に従った前記目的地までの走行に消費されるバッテリ充電量と、前記残充電量設定手段により設定された前記残充電量と、前記バッテリ管理部により検出された現在のバッテリ充電量とをもとに、前記目的地到着時に前記残充電量が確保されるように前記目的地まで走行するために充電されるべき総充電量を算出し、
前記充電スタンド管理部は、前記総充電量算出部により算出した前記総充電量と、前記充電時間設定手段により設定した充電時間から換算した充電量とをもとに、前記案内経路に従って前記目的地まで走行するときの充電回数を算出する充電回数算出部と、
前記案内経路上の前記目的地までの距離と、前記充電回数算出部で算出した充電回数とをもとに前記案内経路上の仮想充電スタンド間距離を算出し、前記案内経路上で前記目的地から前記仮想充電スタンド間距離の範囲内で前記目的地から最も離れた充電スタンドを最後に充電する最終充電スタンドとして、前記道路地図データベースの道路地図情報および充電スタンド情報をもとに検索し、次に、前記検索した最終充電スタンドを基点として、前記基点から前記案内経路上での前記仮想充電スタンド間距離の範囲内で、最も離れた充電スタンドを次の基点として前記道路地図データベースの道路地図情報および充電スタンド情報をもとに検索し、このように前記仮想充電スタンド間距離の範囲内の充電スタンドの検索を少なくとも前記充電回数分繰り返す充電スタンド検索部と、
前記検索された充電スタンドを、表示された前記道路地図上の案内経路上へ出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記検索された複数の充電スタンドのうちの1つの充電スタンドに対して前記充電時間設定手段で設定された前記充電時間を変更可能にする充電時間変更操作部と、
前記充電時間変更操作部により充電時間が変更されると、変更された充電時間に基づいて前記1つの充電スタンドから前記目的地側の前記仮想充電スタンド間距離を再算出し、前記再算出された仮想充電スタンド間距離に基づいて、前記充電スタンド検索部で検索された充電スタンドの再検索を行う充電スタンド再計算部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記道路地図データベースは前記充電スタンドが設置されている施設情報を記憶し、
前記充電時間設定手段は、前記施設情報に基づいて充電時間を設定することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
滞在時間が長くなるほど優先度が高くなるように前記滞在時間と対応させて充電スタンドの設置施設の優先順位を規定する優先順位表を設定する優先順位表設定手段と、
前記優先順位表の最上位の優先順位の設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量が、前記目的地到着時の残充電量を確保できるとともに前記目的地まで走行可能である範囲に入る設置施設を前記道路地図データベースをもとに検索する設置施設検索部と、
前記設置施設検索部により、前記範囲に入る設置施設がないと判定されると、前記優先順位表に従って優先順位を前記設置施設検索部が検索した設置施設に対して一段下げた設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量が、前記目的地到着時の残充電量を確保できるとともに前記目的地まで走行可能である範囲に入る設置施設が検索されるまで前記設置施設の検索を前記道路地図データベースをもとに繰り返す設置施設再検索部と、
前記設置施設検索部または前記設置施設再検索部が検索した設置施設を第1の設置施設としたとき、前記第1の設置施設まで出発前の充電量で走行可能であるか否かを判定し、走行可能であると判定すると、前記第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定し、走行可能でないと判定すると、前記第1の設置施設を案内すべき設置施設として決定すると共に、前記優先順位表に従って優先順位を前記第1の設置施設に対して一段下げた設置施設について、その滞在時間を充電時間としたときの充電量で走行可能な範囲に前記第1の設置施設が入り、かつ、前記出発前の充電量で現在位置から走行可能な範囲に入る設置施設が検索されるまで前記設置施設の検索を前記道路地図データベースをもとに繰り返し、検索された設置施設を案内すべき第2の設置施設として決定する最終設置施設判定部と、
前記最終設置施設判定部により決定された前記案内すべき設置施設を、表示された前記道路地図上の案内経路上へ出力する出力部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−198081(P2012−198081A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61880(P2011−61880)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】