説明

ネットワークデータの格納

IMSのS−CSCF(1)によってHSS(2)の中にデータを記憶するための一般的な方法を説明する。IMPI/IMPUペアに関する新たな情報を含むSIPメッセージがS−CSCF(1)によって受信されると、新たな情報を含むデータパッケージが作成されて、HSS(2)に保存される。HSS(2)への命令と新たなデータパッケージとを含むAVPを有するSARコマンドが、HSS(2)へ送信される。一態様では、一意のデータパッケージが、S−CSCF(1)によって制御される。IMPI/IMPUに関する新たな情報が、SIPメッセージの中で受信されると、これが、以前に送信されたデータパッケージのいずれかに追加されて、新たなデータパッケージが作成される。別の態様では、HSS(2)が一意のデータパッケージを制御し、必要に応じて修正されるためにデータパッケージをS−CSCF(1)へ返信する。別の態様では、別個のデータパッケージが用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、IPマルチメディアシステムを有する全球規模の移動体通信システム(UMTS)のような通信ネットワークにおけるネットワークデータの格納に関する。特に、本発明は、IPマルチメディアサブシステム内のホーム加入者サーバにおけるネットワークデータの格納に関する。
【背景技術】
【0002】
IPマルチメディアサービスは、同一セションの中で音声、動画、メッセージング、データ等の動的な組み合わせを提供する。基本的なアプリケーションの数と組み合わせが可能なメディアとを増やすことによって、エンドユーザに提供されるサービスの数は増加するであろうし、個人間の通信体験は豊かになるであろう。これは、いわゆる“組み合わせIPマルチメディア”サービスを含めて、新しい世代の、カスタマイズされた、豊かなマルチメディア通信サービスをもたらすであろう。
【0003】
全球規模の移動体通信システム(UMTS)は、より高速のデータ速度と高度サービスを加入者に提供することを目的とした第三世代ワイヤレスシステムである。UMTSは、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)の後継であり、GSMとUMTSとの間の重要な進展のステップは、汎用パケット無線サービス(GPRS)である。GPRSは、パケット交換をGSMコアネットワークに導入し、パケットデータネットワーク(PDN)への直接アクセスを可能にする。これによって、GSM呼ネットワークを通してISDNの64kbpsの限度を大幅に超える高速のデータ速度でのパケット交換送信が可能になるのであり、それは最大2MbpsのUMTSデータ送信速度に必要なものである。UMTSは、例えば、欧州電気通信標準化協会(ETSI)や電波産業会(ARIB)等のような地域的な標準化団体の集合体である第三世代パートナシッププロジェクト(3GPP)によって標準化される。詳しくは、非特許文献1を参照されたい。
【0004】
UMTSアーキテクチャには、従来の電話だけでなく新たなIPマルチメディアサービス(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8)をサポートするための、IPマルチメディアサブシステム(IMS)として知られるサブシステムが含まれる。IMSは、エンドユーザの個人対個人の通信体験を豊かにするための重要な特色を、標準化されたIMSサービスイネーブラの使用を通して提供するものだが、それらによって、新しい豊かな個人対個人(クライアント対クライアント)の通信サービスだけでなく、個人対コンテンツ(クライアント対サーバ)サービスもIPベースのネットワーク上で円滑に行われるようになる。IMSは、インターネットだけでなく公衆交換電話網/サービス総合デジタル網(PSTN/ISDN)にも接続することができる。
【0005】
IMSは、ユーザ端末間(またはユーザ端末とアプリケーションサーバ間)の呼またはセションをセットアップして制御するのに、セション開始プロトコル(SIP)を利用する。SIPシグナリングによって搬送されるセション記述プロトコル(SDP)を用いて、セションのメディアコンポーネントを記述し、ネゴシエーションする。SIPがユーザ間のプロトコルとして作成されたのに対して、IMSにより、オペレータおよびサービスプロバイダが、サービスへのユーザのアクセスを制御し、それに従ってユーザに課金することが可能になる。3GPPでは、ユーザ機器(UE)とIMSとの間の、並びに、IMSの内部のコンポーネント間のシグナリング用にSIPを選択した。
【0006】
UMTS通信ネットワークとそのようなネットワーク内の各種コンポーネントの動作の具体的詳細は、http://www.3gpp.orgで利用可能なUMTS技術仕様に見い出すことができる。UMTS内でのSIPの利用のさらなる詳細は、非特許文献9に見い出すことができる。
【0007】
添付図面の図1は、GPRS/PSアクセスネットワークの場合にIMSがどのようにして移動体ネットワークのアーキテクチャに適合するのかを概略的に図示している(IMSは、もちろん他のアクセスネットワーク上でも動作できる)。呼セション制御機能(CSCF)は、IMSの内部でSIPプロキシとして動作する。3GPPアーキテクチャは、3つのタイプのCSCF、即ち、SIP端末にとってIMSの中での最初の接続点であるプロキシCSCF(P−CSCF)と、ユーザが加入するサービスをユーザに提供するサービングCSCF(S−CSCF)と、正しいS−CSCFを識別して、そのS−CSCFに対してP−CSCFを介してSIP端末から受信した要求を転送する役割を持つインタロゲーティングCSCF(I−CSCF)とを定義する。
【0008】
ユーザは、指定されたSIP REGISTERの方法を用いてIMSに登録する。これは、IMSに接続して、SIPユーザIDに到達できるアドレスをIMSに知らせるためのメカニズムである。3GPPでは、SIP端末が登録を行う時、IMSがユーザを認証し、利用可能なS−CSCFの集合から、あるS−CSCFをそのユーザに割り当てる。3GPPではS−CSCFを割り当てる基準が指定されていないが、これらには、負荷分散やサービス要件が含まれてもよい。なお、S−CSCFの割当ては、IMSベースのサービスへのユーザアクセスを制御するための(そして課金するための)かぎである。オペレータ各社は、そうしないとS−CSCFを迂回するはずの、直接のユーザ対ユーザのSIPセションを防ぐためのメカニズムを提供することがある。
【0009】
登録プロセスの間、S−CSCFがまだ選択されていないのなら、S−CSCFを選択するのはI−CSCFの責任である。I−CSCFは、ホームネットワークのホーム加入者サーバ(HSS)から必要なS−CSCF機能を受信し、そして、受信した機能に基づいて適切なS−CSCFを選択する。(なお、あるユーザに別のパーティから呼が着信し、そのユーザが現時点ではS−CSCFを割り当てられていない場合には、そのユーザのためのS−CSCFの割当てもI−CSCFによって実行される。)登録されたユーザが、その後、セション要求をIMSへ送信する時、P−CSCFは、選択されたS−CSCFに、登録プロセスの間にS−CSCFから受信した情報に基づいて、要求を転送することができる。
【0010】
IMSサービスネットワークの中では、IMSサービス機能を実施するためにアプリケーションサーバ(AP)が提供される。アプリケーションサーバは、IMSシステム内でエンドユーザにサービスを提供し、そして、3GPPで定義されたMrインタフェース上でエンドポイントとしてか、或は、3GPPで定義されたISCインタフェース上でS−CSCFによって「リンクされる」かによって接続されてもよい。後者の場合、どのアプリケーションサーバがSIPセション確立の間に「リンクされる」べきかを、S−CSCFは初期フィルタ基準(IFC)を用いて判断する。さまざまな呼の事例に対して、さまざまなIFCが適用されてもよい。S−CSCFは、IFCをIMS登録手順の間にユーザのユーザプロフィールの一部としてHSSから受信する。一部のアプリケーションサーバは、加入者ID(被呼加入者であろうと発呼加入者であろうと、アプリケーションサーバを制御しているネットワークによって「所有され」ている方)に依存する動作を行うであろう。例えば、呼転送の場合、適切な(着信)アプリケーションサーバが、所与の加入者への呼が転送されることになる新たな着信ユーザを判断するであろう。IFCが、S−CSCFで受信したSIPメッセージは特定のSIP ASへ転送されるべきだと指示する場合、そのASは、メッセージ経路に追加される。SIPメッセージは、ASによってS−CSCFへ返信されると、最終着信先へ転送されるか、または、IFCの中で指示されるならば、別のASへ転送される。
【0011】
3GPPは、IMSネットワークにおいて連絡先アドレスという概念を用いる。これらのアドレスは、IMSプライベートユーザ識別子(IMPI)とIMSパブリックユーザ識別子(IMPU)に結び付けられ、通常はユーザ端末のIPアドレスである。特定のIMPUが、異なるIMPIと異なる連絡先アドレスを用いる複数のUEから同時に登録されてもよい。最終的には、IMS登録手順を介して(同じUEでかまたは別個のUEを介して)複数の連絡先アドレス全体で同時に共有されるパブリックユーザ識別子を登録することも可能であろう。
【0012】
IMSの一部のエンティティは、耐障害性があると期待される重要なエンティティであるが、それは、そのようなエンティティで障害が起きると、重大なネットワーク障害が発生し、そのようなネットワークの大勢の加入者が、通信できなくなる可能性があるからである。特に、多数のIMS加入者にサービスを提供するS−CSCFは、そこで障害が起きるとS−CSCFでサービス提供される多数のIMS加入者が適切にサービスを利用できなかったり、或は、発呼することすらできなかったりするような異常な処理条件にIMSを追い込みかねない、これらのエンティティの1つである。この点で、ほとんどの、あるいはすべての障害に対して、一貫性のないデータが障害の理由であると分かったならば、恐らく恒久的で安定したデータを再ローディングすることによって、故障したエンティティのリセットと、障害が解決した後の再起動とが行われる。また、その他の問題で、重要なエンティティがサービスを停止する必要が生じることもある。例えば、ソフトウェアまたはハードウェアの更新の際に、関係する重要なエンティティの再起動を行うことなく動作を開始することができない場合がそれに該当する。
【0013】
IMS回復の後でネットワークを復旧させるメカニズムが、3GPP作業項目CP−070031.0と、その結果の研究である非特許文献10で検討されている。この研究には、S−CSCFは、S−CSCF障害の後、後になって検索をする目的で、何らかのネットワーク情報をHSSの中に格納すべきであるという提案が含まれている。この提案では、このデータの性質は、ユーザの登録された連絡ヘッダであり、それには、経路ヘッダおよび登録に関連するタイムスタンプと一緒にDisplay-NameとSIP URIと全ての連絡ヘッダパラメータとが含まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】3GPP TS23.002
【非特許文献2】3GPP TS22.228
【非特許文献3】3GPP TS23.228
【非特許文献4】3GPP TS24.229
【非特許文献5】3GPP TS29.228
【非特許文献6】3GPP TS29.229
【非特許文献7】3GPP TS29.328
【非特許文献8】3GPP TS29.329 リリース5〜7
【非特許文献9】3GPP TS24.228 V5.8.0(2004−03)
【非特許文献10】3GPP TS23.820 V0.2.0及びV0.3.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、障害から完全に復旧することを目的としてS−CSCFがHSSの中に格納する必要がある可能性がある他のタイプの情報が存在するかもしれない。そのような情報の一例はS−CSCFによって処理される登録イベントパッケージへの加入である。この情報は、イベントに加入しているUE、P−CSCF、ASのようなエンティティの詳細を含んでいるわけだから、それがS−CSCFによって復旧されることは重要である。この情報が失われると、これらの加入エンティティは、ユーザがこうしない場合に登録抹消されても気付かないままになるであろう。これは、次には、あたかもユーザが登録されているかのように加入エンティティがトラフィックを開始することを試みることへとつながり、そしてネットワーク内での障害につながる可能性がある。
【0016】
このように、HSSに記憶されるS−CSCFデータについての既存の提案は、完全に復旧してIMS全域で状態情報を整合させることができるようにするため、S−CSCFがHSSの中に記憶する必要があるかもしれない全てのデータをカバーしていない。既存の提案は本質的に一般的であり、S−CSCFデータがHSSの中に記憶される方法の詳細を定めていない。
【0017】
1つの提案は、連絡先データ情報をHSSの中に記憶するための登録プロセスの間のCx Server Assignment Request(サーバ割当て要求:SAR)コマンドの使用に関与する。しかしながら、このメカニズムは、複数の連絡先アドレスが用いられている場合には、1つの連絡先アドレスが登録抹消されても、他の連絡先アドレスは依然として登録されたままであることがあるため、簡単には適用できず、従って、結果的にユーザ登録ステータスに何の変化ももたらさないであろう。
【0018】
さらに、通常のSARコマンドは、再登録の場合に以前の連絡先情報を上書きすることにつながるため、連絡先アドレスがHSSの中でどのように記憶されているかについて何らかの指示が行われなければならない。
【0019】
従って、それによってS−CSCF情報(例えば、連絡先アドレスと登録イベントパッケージ情報)がHSSの中に記憶され、必要に応じて削除されることが可能な、適切なメカニズムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、S−CSCFがHSSの中にデータを記憶して検索するためのCxインタフェースにおける一般的なメカニズムを導入する。
【0021】
本発明の一側面からすれば、IMSのS−CSCFで用いる方法を提供する。その方法は、IMPI/IMPUペアに関する情報を有するSIPメッセージを受信することと、SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別することとを含む。また、S−CSCFは、IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが、記憶されるために以前にHSSに送信されたか否かも識別し、そして、その情報を有し、かつ、ホーム加入者サーバ“HSS”へ送信されてHSSによって記憶されることになる新たなデータパッケージを作成する。HSSへの命令と新たなデータパッケージとを含むServer-Assignment-type AVPを有するSARコマンドがHSSへ送信される。
【0022】
一実施例では、まだ、IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが記憶されるためにHSSに送信されたことはなく、SIPメッセージは登録要求である。この場合、SARコマンドの中のAVPは、“REGISTRATION”命令を含む。
【0023】
IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが、記憶されるためにHSSに送信されていた場合には、新たなデータパッケージは、SIPメッセージで受信されたIMPI/IMPUペアについての情報を、以前のデータパッケージに含まれる情報と組み合わせる。情報のこの“組み合わせ”には、新たなデータパッケージを作成するために以前のデータパッケージにデータを追加することか、または、新たなデータパッケージを作成するために以前のデータパッケージからデータを削除することが含まれてもよい。以前に記憶されたパッケージ全体が削除されることになる場合、新たなデータパッケージは空であり、そして、SARコマンドの中のAVPは、以前のデータパッケージを削除するようHSSに命令するために、“DE-REGISTRATION”命令と空のデータパッケージとを含む。
【0024】
SIPメッセージが、追加アドレスをIMPI/IMPUペアに関連付けるための登録要求である場合には、SARコマンドの中のAVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含む。SIPメッセージが、登録または登録抹消に関連していない場合には、SARコマンドの中のAVPは“STORE”命令を含む。このようにして、たとえ登録もしくは登録抹消プロセスによってトリガされなくても、情報をHSSに記憶させることができる。例として、IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求や、そのような加入の解約などがある。
【0025】
SIPメッセージが登録抹消要求である場合には、SARコマンドの中のAVPは、“DE-REGISTRATION”命令を含む。
【0026】
本発明の別の側面からすれば、IMSで用いる方法を提供する。その方法は、IMPI/IMPUペアに関する情報を有するSIPメッセージを、S−CSCFで受信することを含む。S−CSCFは、SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別し、その情報を有し、HSSへ送信されてHSSによって記憶されることになる新たなデータパッケージを作成する。第1のSARコマンドが、S−CSCFからHSSへ送信される。第1のSARコマンドは、HSSへの命令と新たなデータパッケージとを含むServer-Assignment-type AVPを有する。HSSは、IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で記憶されているか否かを識別する。
【0027】
IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが、現時点でHSSに記憶されていない場合、新たなデータパッケージがHSSに記憶される。一実施例では、SIPメッセージは登録要求であり、その場合、第1のSARコマンドの中のAVPは、“REGISTRATION”命令を含む。
【0028】
IMPI/IMPUペアに関連する以前のデータパッケージが、現時点でHSSに記憶されている場合には、エラーメッセージがHSSからS−CSCFへ返信され、そのエラーメッセージには、以前に記憶されたデータパッケージが含まれる。C−CSCFは、SIPメッセージで受信されたIMPI/IMPUペアに関する情報を、以前のデータパッケージに含まれる情報と組み合わせた、別のデータパッケージを作成する。“STORE”命令と別のデータパッケージとを含めてAVPを含む第2のSARコマンドが、S−CSCFからHSSへ送信され、HSSで記憶される。この場合もやはり、別のデータパッケージの中の情報の“組み合わせ”には、別のデータパッケージを作成するために以前のデータパッケージにデータを追加することかまたは、別のデータパッケージを作成するために以前のデータパッケージからデータを削除することが含まれてもよい。以前に記憶されたパッケージ全体が削除されることになる場合、別のデータパッケージは空であり、SARコマンドの中のAVPは、以前のデータパッケージを削除するようHSSに命令するために、“STORE”命令と空のデータパッケージとを含む。
【0029】
SIPメッセージが、追加アドレスをIMPI/IMPUペアに関連付けるための登録要求である場合には、第1のSARコマンドの中のAVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含む。SIPメッセージが、登録に関連していない場合には、第1のSARコマンドの中のAVPは、依然として“RE-REGISTRATION”命令を含む。例として、IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求や、そのような加入の解約などがある。SIPメッセージが登録抹消要求である場合には、第1のSARコマンドの中のAVPは、“DE-REGISTRATION”命令を含む。
【0030】
場合によっては、S−CSCFは、HSSが以前のデータパッケージを記憶したことを知っていて、それに上書きすることを選択するかもしれない。この場合、第1のSARコマンドの中のAVPは、“STORE”命令を含み、IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点でHSSに記憶されているか否かに関らず、新たなデータパッケージがHSSによって記憶される。同様に、第1のSARコマンドの中のAVPが“STORE”命令を含み、かつ、新たなデータパッケージが空である場合には、以前のデータパッケージはHSSで削除される。
【0031】
本発明の別の側面からすれば、IMSのS−CSCFで用いる方法を提供する。その方法は、IMPI/IMPUペアに関する情報を有するSIPメッセージを受信することと、SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別することとを含む。HSSへ送信されてHSSによって記憶されることになるデータパッケージが作成される。データパッケージは、SIPメッセージの中に含まれる情報と、データのタイプを示すデータラベルとを含む。SARコマンドが、HSSへ送信されるが、そのSARコマンドは、HSSへの命令とデータパッケージとを含むServer-Assignment-type AVPを有する。
【0032】
SIPメッセージが登録要求であって、かつ、IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが記憶されるためにHSSへと送信されたことがない場合には、データラベルは、データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示し、そして、SARコマンドの中のAVPは、“REGISTRATION”命令を含む。SIPメッセージが、追加アドレスをIMPI/IMPUペアに関連付けるための登録要求である場合には、ここでもやはり、データラベルは、データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示すが、SARコマンドの中のAVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含む。
【0033】
SIPメッセージが登録に関連していない場合には、SARコマンドの中のAVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含む。一例として、IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求があり、その場合、データラベルは、データパッケージが登録イベントパッケージに関する情報を有するという指標を含む。
【0034】
以前に記憶されたデータパッケージがHSSから削除されるべきである場合には、SARコマンドの中のAVPは“DE-REGISTRATION”命令を含み、データパッケージは、同じデータラベルによって識別される、以前に記憶されたデータパッケージは削除されるべきであることをHSSに示すため、データラベルと空のデータフィールドだけを有する。SIPメッセージが登録抹消要求である場合には、データラベルは、データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示す。
【0035】
また、本発明は上記の方法を実施するように構成されたS−CSCFとHSSとの内の少なくともいずれかを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】IPマルチメディアサブシステムの3G移動体通信システムへの統合を概略的に示す図である。
【図2】一意のデータパッケージがS−CSCFによって制御される場合に、加入者がIMSに登録される間に実行される一連の動作を示すシーケンス図である。
【図3】登録プロセスによってトリガされるのではなく、結果としてHSSにデータが記憶される一連のイベントを示すシーケンス図である。
【図4】データがどのようにしてデータパッケージに追加されるかを示すシーケンス図である。
【図5】登録プロセスによってトリガされないデータパッケージの修正について示すシーケンス図である。
【図6】アドレス登録抹消に関る一連の動作を示すシーケンス図である。
【図7】データパッケージ全体がどのように削除されるかを示すシーケンス図である。
【図8】登録抹消プロセスによってトリガされないデータパッケージの削除について示すシーケンス図である。
【図9】一意のデータパッケージがHSSによって制御される場合に、加入者がIMSに登録される間に実行される一連の動作を示すシーケンス図である。
【図10】データパッケージへのデータの追加について示すシーケンス図である。
【図11】データパッケージからのデータの削除について示すシーケンス図である。
【図12】別個のデータパッケージがS−CSCFによって生成される場合に、加入者がIMSに登録される間に行われる一連の動作を示すシーケンス図である。
【図13】HSSに記憶された情報へのデータ追加について示すシーケンス図である。
【図14】HSSに記憶された情報からのデータ削除について示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
例えば、連絡先アドレスや登録イベントパッケージ情報のようなS−CSCF情報をHSSに記憶することを可能にする3つのメカニズムについて説明する。以下の検討において、HSSがデータを理解するか否かは重要ではない。また、データは適切なフォーマットであればいかなるフォーマットであってもよい。この検討において、データは、1つ以上の“blob”またはデータパッケージのかたちでパッケージ化されることになると考えてもよい。3つのメカニズムは、これらのパッケージを処理することへの異なるアプローチを提供するものであり、それらは以下のとおりである。即ち、
1.S−CSCFによって制御される一意のデータパッケージ、
2.HSSによって制御される一意のデータパッケージ、
3.別個のデータパッケージ
である。
【0038】
1.S−CSCFによって制御される一意のデータパッケージ
第1のアプローチは、すべてのS−CSCF情報が、プライベートとパブリックユーザ識別子のIMPI/IMPUペアに結び付けられた一意のデータパッケージとしてHSSの中に記憶されるメカニズムを提供する。HSSは、情報のデータパッケージを登録/登録抹消手順の間にCxメッセージの中でS−CSCFに提供する。S−CSCFは、どのデータがデータパッケージに追加されることになり、またはデータパッケージから削除されることになるかを知っている。従って、S−CSCFは、情報を記憶するため、HSSへの一意の書き込み動作を実行する。
【0039】
S−CSCFが、記憶すべき情報を有する時、データは、Cx−SARコマンドの中でS−CSCF情報の一部として、パッケージ化されてHSSへ送信される。これが登録手順または登録抹消手順の一部である場合、S−CSCFによって発行されたSARコマンドは、3GPPによってすでに規定されている値に設定されたServer-Assignment-type Attribute-Value Pair(属性値ペア:AVP)(即ち、“REGISTRATION”、“RE-REGISTRATION”、“DE-REGISTRATION”等)を含むであろう。しかし、Cx−SARコマンドは、登録プロセスによってトリガされる必要はなく、その場合にAVPは“STORE”の値を含む。HSSがSARコマンドの中でS−CSCF情報のAVPを受信する度に、SARコマンドの中で受信されたIMPI/IMPUペアについて、データパッケージが記憶される。
【0040】
これは、図2及び図3を参照して理解されるであろう。図2は、加入者5がIMSに登録される間に実行される一連の動作を例示する図である。説明を簡略化するために、適用可能な3GPP技術仕様を読むという観点で当業者の誤解を招く可能性がないと仮定して、この明細書全体を通して所与の加入者に言及し、所与の加入者と所与の加入者によって用いられるユーザ機器とを区別しない。
【0041】
加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先1”を登録することを望むと仮定する。この例では、そのペアについて他の連絡先は存在せず、そのペアについての登録イベントパッケージ情報が記憶されていないと想定する。ステップS−21で、所与の加入者の登録が、説明を簡潔にするために描かれていないアクセスネットワークを通して、所与の加入者5からIMSのP−CSCF4に対する登録メッセージのサブミッションによって開始される。ステップS−22で、登録メッセージは、P−CSCF4から、所与の加入者にサービス提供するのに適したS−CSCFの選択を担当するI−CSCF3へ転送される。連絡先1は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。ステップS−23の間に、I−CSCF3は、個別の加入者データを記憶せず、IMSの加入者についての加入者データを保持するHSS2に問い合わせる。
【0042】
ステップS−24で、HSS2は、この問い合わせに対して、所与の加入者にサービス提供するために選択可能なS−CSCF1によって必要とされる機能を使って、応答する。ここでは、図2に図解する登録手順が最初の登録であって、以前にどのS−CSCFも割り当てられていないと想定する。
【0043】
ステップS−24の間に受信した機能を使って、I−CSCF3は、所与の加入者にサービス提供するため、(図2でS−CSCF1としてラベルを付けた)S−CSCF1を選択し、選択されたS−CSCF11へステップS−25の間に登録メッセージを転送する。S−CSCF11は、受信した情報を“S-CSCF info”としてパッケージ化する。この例では、これは、連絡先ヘッダ(連絡先1、……)に相当する。次いでS−CSCF1は、このデータパッケージをAVP“REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってステップS−26の間にHSS2へ送信する。データパッケージはHSS2で受信され、ステップS−27でHSS2に記憶される。所与の加入者にサービス提供するためのHSSでのその割当てをS−CSCF11に確認として返信することを目的として、HSS2は、ステップS−28の間に所与の加入者についてのサービスプロフィールを、即ち、所与の加入者にサービス提供するのに必要なすべての加入者データを持つ加入者プロフィールを、S−CSCF11にアップロードしてもよい。
【0044】
図3は、HSS2でのデータ記憶が登録プロセスによってトリガされるのではない一連のイベントを例示している。この例では、AS6が、パブリックユーザ識別子であるIMPU1のための登録イベントパッケージに加入することを望んでいると仮定する。AS6は、ステップS−31で加入メッセージをS−CSCF11へ送信する。S−CSCF11は、この情報がHSSに記憶されなければならないことを知っており、かつ、IMPU1について以前の情報が存在しないことを知っている。S−CSCF11は、受信した情報を“S-CSCF info”としてパッケージ化する。この例では、これは登録イベントパッケージに相当する。
【0045】
ステップS−32で、S−CSCF11は、AVP“STORE”を含むCx−SARコマンドを使って、データパッケージをHSS2へ送信するが、それは、このプロセスが登録手順に結び付けられていないからである。HSS2は、ステップS−33でデータパッケージを保存し、この保存が成功したことを確認するため、ステップS−34でS−CSCF11に応答する。S−CSCF11は、登録イベントパッケージへの加入の成功を確認するため、ステップS−35で200−OKメッセージをAS6に返信する。
【0046】
図2と図3は、HSSに保存されることになるデータパッケージを作成するための適切なメカニズムを説明している。場合によっては、HSSにすでに記憶されたデータパッケージの修正が必要になることがある。このプロセスは、S−CSCFが、データがすでに記憶されているIMPI/IMPUペアについてのデータをHSSへ送信することとして理解されてもよい。これは、既存のデータパッケージへのデータの追加(即ち、既に記憶されたデータに加えて新たなデータを記憶すること)を意味することがある。あるいは、既存のデータパッケージからデータを削除することを意味することがある。
【0047】
図4は、データパッケージへのデータの追加を必要とする状況において実行される一連の動作を図示している。この例では、加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先2”を登録することを望んでいると仮定する。この例では、そのペアについて連絡先1が、登録イベントパッケージ情報と一緒にすでに登録されていると想定する。
【0048】
最初の3つのステップであるS−41〜S−43は、図2に示すステップS−21〜S−23と同様である。加入者5は、ステップS−41でIMSのP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、そして、この登録メッセージは、ステップS−42でI−CSCF3へ転送される。連絡先2は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−43でHSS2に問い合わせる。
【0049】
ステップS−44で、HSS2は、この問い合わせに対して、加入者5にサービス提供するために以前に割り当てられたS−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、ステップS−45の間に、割り当てられたS−CSCF11へ登録メッセージを転送する。S−CSCF11は、HSS2に記憶されることになる情報に修正があったことを認識する。S−CSCF11は、追加情報(連絡先2、……)を以前に記憶された情報(連絡先1、……)と一緒に1つのパッケージとしてパッケージ化し、この場合もやはり、“S-CSCF info”というラベルを付ける。ステップS−46でS−CSCF1は、このデータパッケージをAVP“RE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってHSS2へ送信する。データパッケージは、HSS2で受信されて、ステップS−47でHSS2に記憶される。ステップS−48で、HSS2は、所与の加入者についてのサービスプロフィールを、即ち、所与の加入者にサービス提供するために必要なすべての加入者データを持つ加入者プロフィールをS−CSCF11へ返信する。
【0050】
従って、理解されるであろうが、HSS2に記憶されたデータパッケージに新たなデータを追加することは本質的に、新たなデータと一緒に古いデータを含む、新たなデータパッケージを送信して、以前記憶されたデータパッケージを置換することを伴う。
【0051】
データパッケージの最初の作成の場合と同様、データパッケージの修正が登録手順によってトリガされる必要はない。図5は、P−CSCF4が、登録の後で登録イベントパッケージに加入することを望む場合の一連の動作を図示している。この例では、連絡先アドレスがすでに、登録イベントパッケージ情報として、登録プロセスの間にデータパッケージとしてHSS2に記憶されていると想定されてもよい。
【0052】
ステップS−51で、UE5は、登録イベントパッケージ情報に加入することを目的として、加入メッセージをS−CSCF11へ送信する。S−CSCF11は、データパッケージの中にすでに記憶された他のデータに対して加入要求が行われたという情報を追加する。新たな、拡張されたデータパッケージが、AVP“STORE”を含むCx−SARコマンドを用いてHSS2へ送信される。
【0053】
データパッケージの部分の削除も、記憶と同様に実行されてもよい。S−CSCFが、削除されることになるデータパッケージの部分を削除し、残りを維持し、(不要なデータのない)新たなデータパッケージをHSSに記憶する。同じ原則をHSSの中のデータパッケージ全体を削除することにも適用することができる。S−CSCFは、データパッケージの部分の代わりに、データパッケージ全体を削除し、空のS−CSCF情報AVPを、SARコマンドの中でHSSへ送信する。
【0054】
図6は、加入者がプライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1について連絡先2を登録抹消することを望む場合に関連する一連の動作を図示している。そのプロセスは図4を参照して説明したプロセスと同様であり、加入者5は、ステップS−61でIMSのP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、この登録メッセージは、ステップS−62でI−CSCF3へ転送される。連絡先2は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−63でHSS2に問い合わせ、HSS2は、ステップS−64で、この問い合わせに対して、S−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、割り当てられたS−CSCF11へステップS−65の間に登録メッセージを転送する。
【0055】
S−CSCF11は、HSS2に記憶されることになる情報に修正があったことを認識し、連絡先2はないが、以前に保持されていた、それ以外のすべての情報を有する、新たなデータパッケージを生成する。新たなパッケージは、この場合もやはり、“S-CSCF info”としてラベルを付けられ、そして、ステップS−66で、AVP“DE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってHSS2へ送信される。データパッケージは、HSS2で受信されて、以前に記憶されたデータパッケージに代わって、ステップS−67でHSS2に記憶される。ステップS−68で、HSS2は、所与の加入者についてのサービスプロフィールを、即ち、所与の加入者にサービス提供するために必要なすべての加入者データを持つ加入者プロフィールをS−CSCF11へ返信する。
【0056】
図7は、データパッケージ全体を削除することに関連する一連の動作を図示する。加入者5が、IMPI1/IMPU1ペアについて連絡先1の登録を抹消することを望み、このIMPI1/IMPU1ペアについてそれ以外の情報が存在しないと仮定する。そのプロセスは、図6を参照して説明したプロセスと同様であり、加入者5は、ステップS−71でIMSのP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、この登録メッセージは、ステップS−72でI−CSCF3へ転送される。連絡先1は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−73でHSS2に問い合わせ、HSS2は、ステップS−74で、この問い合わせに対して、S−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、割り当てられたS−CSCF11へステップ7−65の間に登録メッセージを転送する。
【0057】
S−CSCF11は、連絡先1がデータパッケージから削除されなければならないことを知っているが、同時に、HSS2に記憶されることになるIMPI1/IMPU1ペアに結び付けられたデータが他には存在しないことも認識している。従って、S−CSCF11は、“S-CSCF info”としてラベルを付けられてはいるが空である、新たなデータパッケージを生成する。ステップS−76で、データパッケージは、AVP“DE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってHSS2へ送信される。HSS2が空のデータパッケージを受信すると、記憶されたデータパッケージは削除される。ステップS−78で、HSS2は、所与の加入者についてのサービスプロフィールを、ユーザステータス(ここでは登録抹消された)に関する更新と一緒に、S−CSCF11へ返信する。
【0058】
データパッケージの削除は、登録抹消プロセスによってトリガされる必要はない。図8は、そのような削除に関連する一連の動作を図示している。P−CSCF4が、登録イベントパッケージから加入を止めることを望んでいると仮定する。
【0059】
ステップS−81で、UE5は、登録イベントパッケージ情報から加入を止めることを目的として、加入メッセージをS−CSCF11へ送信する。S−CSCF11は、データパッケージが削除されるべきであることを認識し、ステップS−82で、空のデータパッケージがHSS2へ送信される。HSS2は、それに応じてデータパッケージを削除する。空のデータパッケージは、AVP“STORE”を含むCx−SARコマンドを用いてHSS2へ送信される。
【0060】
上記状況の各々において、S−CSCFは、データパッケージが含んでいなければならないデータのタイプ(例えば、連絡先アドレス、登録イベントパッケージ加入)を前もって知らなければならない。これを実現する1つのやり方は、どのデータが、どのような環境において、データパッケージの中に保存されなければならないかを、S−CSCFの構成パラメータが定義することである。こうすればS−CSCFは、どのデータが、ネットワーク内で更新される場合に、Cx−SARのHSSへの送信をトリガすべきかを、常に知るであろう。また、どのデータがデータパッケージに追加されるべきかまたはデータパッケージから削除されるべきか、そしてどのデータがデータパッケージの中に維持されるべきかについても知るであろう。
【0061】
理解されるであろうが、(3GPPが要求するとおり)IMPI/IMPUペアに割り当てられるのは、1つのS−CSCFだけであることから、2つの異なるS−CSCFが同時にデータを修正しようとすると、同時並行の問題が生じるであろう。
【0062】
2.HSSによって制御される一意のデータパッケージ
前に説明したアプローチと同様、第2のアプローチでは、すべてのS−CSCF情報が、IMPI/IMPUペアに結び付けられた一意のデータパッケージとしてHSSの中に記憶されるメカニズムを提供する。HSSは、この場合もやはり、情報のデータパッケージを登録/登録抹消手順の間にCxメッセージの中でS−CSCFに提供する。しかしながら、今度は、S−CSCFは、どの情報がHSSに記憶されるかを追跡しない。従って、S−CSCFがデータパッケージを記憶するためHSSへ送信しようとする時、まずHSSからデータを検索する必要がある。必要に応じて情報を追加するか、或は、削除することによって、このデータに対して作用を及ぼすことが可能であり、次いで、新たなデータパッケージを再度HSSにアップロードすることができる。
【0063】
前に説明したアプローチと同様、このプロセスは、以前にデータが記憶されていないIMPI/IMPUペアについてS−CSCFがデータをHSSに記憶することとして理解することができる。前述の様に、記憶すべき情報をS−CSCFが有する時、データはパッケージ化されて、Cx−SARコマンドの中でS−CSCF情報の一部としてHSSへ送信される。前述の様に、それは通常は当初の登録プロセスの間に行われるであろうが、ユーザの登録状態を問わず、いつ何時行われてもよい。それが登録または登録抹消手順の一部である場合、S−CSCFによって発行されたSARコマンドは、3GPPによってすでに規定された値に設定されたServer-Assignment-type(AVP)(例えば、“REGISTRATION”、“RE-REGISTRATION”、“DE-REGISTRATION”等)を含むであろう。Cx−SARコマンドが登録プロセスによってトリガされない場合、AVPは、“STORE”という値を含む。HSSがSARコマンドでS−CSCF情報AVPを受信する度に、SARコマンドで受信されたIMPI/IMPUペアについて、データパッケージが記憶される。
【0064】
図9は、加入者5がIMSに登録される間に実行される一連の動作を図示している。加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先1”を登録することを望んでいると仮定する。加入者の観点からは、これは図2で行われた動作と同様である。この例では、そのペアについて他の連絡先は存在せず、そのペアについての登録イベントパッケージ情報が記憶されていないと想定する。図2と同様、ステップS−91で、登録メッセージが加入者5からP−CSCF4へ提出される。登録メッセージは、ステップS−92で、所与の加入者にサービス提供するのに適したS−CSCFの選択を担当するI−CSCF3へ転送される。連絡先1は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−93の間に、IMSの加入者についての加入者データを保持するHSS2に問い合わせる。
【0065】
HSS2は、この問い合わせに対して、所与の加入者にサービス提供するために選択可能なS−CSCF1によって必要とされる機能を使って、ステップS−94で応答する。図2と同様、この登録手順が最初の登録であって、以前にどのS−CSCFも割り当てられていないということを想定する。I−CSCF3は、所与の加入者にサービス提供するためのS−CSCF11を選択し、選択されたS−CSCF11へステップS−95の間に登録メッセージを転送する。
【0066】
前述の様に、S−CSCF11は、(連絡先ヘッダ(連絡先1、……)に相当する)受信した情報を“S-CSCF info”としてパッケージ化し、このデータパッケージをAVP“REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってステップS−96の間にHSS2へ送信する。データパッケージは、HSS2で受信され、HSS2は、データがすでにIMPI/IMPUペアについて記憶されているかどうかをチェックする。この例では、以前にデータが記憶されていなかったため、S−CSCF情報のデータパッケージが、ステップS−97でHSS2に記憶される。所与の加入者にサービス提供するためのHSSでのその割当てをS−CSCF11に確認として返信することを目的として、HSS2は、ステップS−98の間に所与の加入者についてのサービスプロフィールをS−CSCF11にアップロードする。サービスプロフィールの返信によって、S−CSCFは、データの記憶が成功したことを確認する。
【0067】
以前に検討したように、場合によっては、HSSにすでに記憶されたデータパッケージの修正が必要であるかもしれない。このプロセスは、S−CSCFが、データがすでに記憶されているIMPI/IMPUペアについてのデータをHSSへ送信することとして理解されてもよい。これは、既存のデータパッケージへのデータの追加、或は、既存のデータパッケージからのデータの削除を意味することがある。
【0068】
図10は、データパッケージへのデータの追加を必要とする状況において実行される一連の動作を図示している。図4の例と同様、加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先2”を登録することを望んでいると仮定する。この例では、そのペアについて連絡先1が、登録イベントパッケージ情報と一緒にすでに登録されていると想定する。
【0069】
最初の5つのステップであるS−101〜S−105は、図4に示すステップS−41〜S−45と同様である。加入者5は、ステップS−101でP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、そして、この登録メッセージは、ステップS−102でI−CSCF3へ転送される。連絡先2は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−103でHSS2に問い合わせる。ステップS−104で、HSS2は、この問い合わせに対して、加入者5にサービス提供するために以前に割り当てられたS−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、ステップS−105の間に、割り当てられたS−CSCF11へ登録メッセージを転送する。
【0070】
S−CSCF11は、HSS2に記憶されることになる情報の修正があったことを認識せず、記憶されることになる情報(連絡先2、……)をパッケージ化して、“S-CSCF info”とラベルを付けられた1つのパッケージにする。ステップS−106でS−CSCF1は、このデータパッケージをAVP“RE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドを使ってHSS2へ送信する。データパッケージは、HSS2で受信され、HSS2は、データがすでにIMPI/IMPUペアについて記憶されているかどうかをチェックする。今度は、(連絡先1等を含んでいる)“S-CSCF info”というラベルの付いたデータパッケージがすでにHSS2に記憶されているので、ステップS−107で、データパッケージがすでに存在することを示すエラーコードがS−CSCF11へ返信される。記憶されたデータパッケージ自身もこのエラーメッセージに含まれる。
【0071】
エラーメッセージを受信すると、S−CSCF11は、返信されたデータパッケージを復号し、それに新たなデータ(連絡先2、……)を追加して、この場合もやはり“S-CSCF info”というラベルの付いた新たなデータパッケージを作成する。言い換えると、新たなデータパッケージには、ステップ105でS−CSCF1によって受信された新たな情報と一緒に、HSS2に以前に記憶されたデータが含まれる。この例では、連絡先2が、既存の連絡先1と登録イベントパッケージ情報とに追加される。
【0072】
次いでステップS−108で、新たなデータパッケージが、この場合もやはりHSS2へ送信されるのだが、今回は、AVP“STORE”を含むCx−SARコマンドを使って送信される。HSSは、“STORE”という指標を伴うSARコマンドを受信すると、そのIMPI1/IMPU1ペアについて以前に記憶されたデータパッケージを上書きする。HSS2は、ステップS−109で新たなデータパッケージを保存し、S−110で成功メッセージを返信する。
【0073】
同様のプロセスが、データパッケージの一部もしくは全部を削除するのに用いられてもよい。図11は、データパッケージからのデータの削除を必要とする状況で行われる一連の動作を図示している。加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先2”を登録抹消することを望んでいると仮定する。
【0074】
最初の5つのステップS−111〜S−115は、図6に示すステップS−61〜S−65と同様であり、加入者5は、ステップS−111でP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、この登録メッセージは、ステップS−112でI−CSCF3へ転送される。連絡先2は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−113でHSS2に問い合わせる。ステップS−114で、HSS2は、この問い合わせに対して、加入者5にサービス提供するために以前に割り当てられたS−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、割り当てられたS−CSCF11へステップS−115の間に登録メッセージを転送する。
【0075】
S−CSCF11は、連絡先2を登録抹消するよう命令されているので、HSS2へ送信するためのデータパッケージを作成しない。代わりに、ステップS−116で、“S-CSCF info”というラベルの付いた空のフィールドを含む、AVP“DE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドが、HSS2へ送信される。HSS2は、“S-CSCF info”というラベルの付いたデータパッケージがIMPI1/IMPU1ペアについてHSS2に記憶されているという事実を識別し、ステップS−117でエラーコードをS−CSCF11へ返信して、データパッケージが存在することを示す。記憶されたデータパッケージ自身も、このエラーメッセージに含まれる。
【0076】
エラーメッセージを受信すると、S−CSCF11は、返信されたデータパッケージを復号し、登録抹消されたデータ(連絡先2、……)をそれから削除して、この場合もやはり“S-CSCF info”というラベルの付いた新たなデータパッケージを作成する。次いでステップS−118で、新たなデータパッケージが、AVP“STORE”を含むCx−SARコマンドを使ってHSS2へ送信される。HSS2は、ステップS−109で新たなデータパッケージを保存し、S−110で成功メッセージを返信する。
【0077】
認識されるであろうが、S−CSCFが、HSSによって返信されたデータパッケージからデータを削除すると、新たなデータパッケージは空になる可能性があるだろう。例えば、加入者5がIMPI1/IMPU1ペアについて連絡先1を登録抹消することを望み、このIMPI1/IMPU1ペアについてそれ以外の残りの情報がないような、図7に示す状況に類似した状況を考えよう。この場合、S−CSCFが、HSSから返信されたデータパッケージから連絡先1データを削除すると、データパッケージは空であり、HSSによって削除されるべきである。この場合、S−CSCFは、AVP“STORE”と“S-CSCF info”というラベルの付いた空のフィールドとを含むCx−SARコマンドをHSSへ送信する。次いでHSSは、データパッケージ全体を削除する。
【0078】
S−CSCFが当初、データパッケージ全体が削除されるべきであるということを知っている場合には(例えば、IMPI全体が登録解消されている場合)、S−CSCFは、AVP“STORE”と“S-CSCF info”というラベルの付いた空のフィールドとを含むCx−SARコマンドを単純にHSSへ送信する。次いでHSSは、データパッケージ全体を削除する。
【0079】
上記のアプローチはいずれも、記憶されるデータの性質をHSSが知る必要がないという利点を持っている。HSSは単純に、S−CSCFから受信したデータパッケージ全体を記憶する。(今説明した)第2のアプローチは、データパッケージが、単純に作成されるかまたは削除されるのではなく、修正されることになる場合、HSSに対する2つのSARコマンドを必要とする。
【0080】
3.別個のデータパッケージ
第2のアプローチは、S−CSCF情報が、IMPI/IMPUペアに結び付けられた、ラベルの付いた複数の(即ち、別個にアドレッシング可能な)データパッケージとしてHSSの中に記憶されるメカニズムを提供する。HSSは、データパッケージをCxメッセージの中でS−CSCFに提供する。S−CSCFは、別個のデータパッケージの各々の中に記憶された情報を、多様なラベルによって、アドレス指定し、管理し、操作する。
【0081】
情報のための適切なフォーマットは、以下のとおりである。即ち、
<S-CSCF-info>
<type of data=id>
<packed data package=data to be stored>
である。ここで、“type of data”は、記憶されるかまたは削除されることになるデータを示し、例えば、“Contact_Info”または“Reg-Event_Package_Info”である。参照記号idは、データパッケージの中のアドレス指定データを示す整数である。
【0082】
加入者が最初にIMSに登録する時の状況を考えよう。この状況では、初めてデータパッケージを作成することが必要であろう。図12は、加入者5がIMSに登録される間に行われる一連の動作を図示している。加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1についてアドレス“連絡先1”を登録することを望んでいると仮定する。加入者の観点からは、これは図2及び図9で行われた動作と同様である。この例では、そのペアについて他の連絡先は存在せず、そのペアについての登録イベントパッケージ情報が記憶されていないと想定する。登録メッセージがステップS−121で、加入者5からP−CSCF4へ提出される。登録メッセージは、ステップS−122で、所与の加入者にサービス提供するのに適したS−CSCFの選択を担当するI−CSCF3へ転送される。連絡先1は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−123の間に、IMSの加入者についての加入者データを保持するHSS2に問い合わせる。
【0083】
HSS2は、この問い合わせに対して、所与の加入者にサービス提供するために選択可能なS−CSCF1によって必要とされる機能を使って、ステップS−124で応答する。前と同様、この登録手順が最初の登録であって、以前にどのS−CSCFも割り当てられていないと想定する。I−CSCF3は、所与の加入者にサービス提供するためのS−CSCF11を選択し、選択されたS−CSCF11へステップS−125の間に登録メッセージを転送する。HSSへ送信されるデータは、(前のように)AVP“REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドで、“S-CSCF info”と一緒にラベルを付けられる。ここで、“S-CSCF info”はさらに、
<type of data: Contact_info>と
パックされたデータパッケージと
を含む。
【0084】
IMPI1/IMPU1ペアについてのそれ以外のデータが、以前にHSS2に記憶されたことはない。従って、HSS2は、ステップS−127で、IMPI1/IMPU1ペアに結び付けられた連絡先情報を“Contact_info”というラベルの中に記憶する。ステップS−128で、成功メッセージがC−CSCF11へ返信される。
【0085】
このアプローチを用いて既存のデータパッケージに追加することは簡単であり、図13を参照して理解することができる。例えば、P−CSCF4が登録イベントパッケージに加入することを望んでいると仮定する。ステップS−132〜135は、必要な情報をS−CSCF11に提供する。S−CSCFは、このデータを、すでにHSS2に記憶されているデータに追加する必要があり、ステップS−136では、“S-CSCF info”と一緒にAVP“RE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドをHSS2へ送信する。ここで、“S-CSCF info”はさらに、
<type of data: Reg-Event-Package>と
パックされたデータパッケージと
を含む。
【0086】
HSS2は、それは、以前に登録されたIMPI/IMPUペアについての新たな参照であると気付く。HSSは、新たな情報だけを、新たなラベルを持つ別個のデータパッケージとして記憶する。
【0087】
記憶されたデータパッケージ情報からデータを削除することも簡単であり、S−CSCFは、空の値で削除されなければならないデータについてのラベルを含むSARコマンドをHSSへ送信する。これは、図14を参照して理解することができる。図14は、加入者5が、プライベート/パブリックユーザ識別子ペアであるIMPI1/IMPU1について連絡先2を登録解消することを望む場合に必要な一連の動作を図示している。図6の場合のように、加入者5は、ステップS−141でIMSのP−CSCF4に対して登録メッセージを提出し、この登録メッセージは、ステップS−142でI−CSCF3へ転送される。連絡先2は、SIP連絡先ヘッダの一部として搬送される。I−CSCF3は、ステップS−143でHSS2に問い合わせを行い、HSS2はステップS−144で、この問い合わせに対して、S−CSCF11の識別子を使って応答する。次いでI−CSCF3は、割り当てられたS−CSCF11へステップS−145の間に登録メッセージを転送する。
【0088】
S−CSCFは、“S-CSCF info”と一緒にAVP“DE-REGISTRATION”を含むCx−SARコマンドをHSS2へ送信する。ここで、“S-CSCF info”はさらに、
<type of data: Contact_info>と
空のデータパッケージと
を含む。
S−CSCFは、連絡先2についてのデータパッケージが削除されなければならないことを認識し、ステップS−147で、関連するデータパッケージを削除する。成功を確認するメッセージが、ステップS−148で返信される。
【0089】
HSSによって記憶されたすべてのデータパッケージが削除される場合、IMPI/IMPUペアについての最後のラベルが削除されたとHSSが認識した時に、ユーザは登録抹消される。認識されるであろうが、例えば、連絡先の登録抹消の間に、登録イベントパッケージ情報は、最後の連絡先が削除、或は、登録抹消の内の少なくともいずれかが生じるまでは、維持されなければならない。
【0090】
この第3のアプローチは、連絡先アドレスと登録イベントパッケージ情報とのいずれについても単純である。情報を記憶するために必要とされるのは、1つのSARコマンドだけであり、S−CSCFは、SARコマンドで受信されたいかなる情報も復号する必要がない。ただし、標準化されたデータパッケージのラベルは必要であろう。
【0091】
認識されるであろうが、上記の1つ以上の要素の動作を、デバイスまたは装置に関して動作するプログラムによって制御することができる。そのようなオペレーティングプログラムをコンピュータ可読媒体に記憶することも可能であるし、あるいは、例をあげれば、信号、例えば、インターネットのウェブサイトから提供されるダウンロード可能なデータ信号で実施されることも可能であろう。添付の請求の範囲は、オペレーティングプログラムを、単独で、または搬送波上の記録として、または信号として、またはいずれかの他の形で、対象とすると解釈されるべきである。
【0092】
また、理解されるであろうが、添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施例に対して各種の修正を行うことができる。特に、理解されるであろうが、IPマルチメディアサブシステムを有する全球規模の移動体通信システム(UMTS)に関して説明したが、本発明は他のタイプのネットワークにも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)のサービング呼セション制御機能(S−CSCF)で用いる方法であって、
プライベートユーザ識別子/パブリックユーザ識別子(IMPI/IMPU)ペアに関する情報を含むセション開始プロトコル(SIP)メッセージを受信する工程と、
前記SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別する工程と、
前記IMPI/IMPUのペアに関する以前のデータパッケージが記憶されるために、以前にホーム加入者サーバ(HSS)に送信されたか否かを識別する工程と、
前記情報を有し、前記HSSへ送信され前記HSSによって記憶される新たなデータパッケージを作成する工程と、
前記HSSへの命令と前記新たなデータパッケージとを含む属性値ペア(AVP)を含むサーバ割当て要求(SAR)コマンドを前記HSSへ送信する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記SIPメッセージが登録要求であり、
前記IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが記憶されるために前記HSSに送信されたことはなく、
前記SARコマンドのAVPは“REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが記憶されるために、前記HSSに送信されており、
前記新たなデータパッケージは、前記SIPメッセージで受信された前記IMPI/IMPUペアについての情報を、前記以前のデータパッケージに含まれる情報と組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記新たなデータパッケージを作成するために前記以前のデータパッケージにデータが追加されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記SIPメッセージは、前記IMPI/IMPUペアに関連付けるための追加アドレスの登録要求であり、
前記SARコマンドの前記AVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記SIPメッセージは登録に関連しておらず、
前記SARコマンドの前記AVPは“STORE”命令を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記SIPメッセージは、前記IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記新たなデータパッケージを作成するために前記以前のデータパッケージからデータが削除されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記SIPメッセージが登録抹消要求であり、
前記SARコマンドの前記AVPは、“DE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記SIPメッセージは登録抹消に関連しておらず、
前記SARコマンドの前記AVPは“STORE”命令を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記SIPメッセージは、前記IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージからの加入解約要求を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記データが前記以前のデータパッケージから削除され、前記新たなデータパッケージは空である場合、前記SARコマンドを前記HSSに送信する工程をさらに有し、
前記SARコマンドの前記AVPは、前記以前のデータパッケージを削除するよう前記HSSに命令するために、前記“DE-REGISTRATION”命令と空のデータパッケージとを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)で用いる方法であって、
サービング呼セション制御機能(S−CSCF)において、プライベートユーザ識別子/パブリックユーザ識別子(IMPI/IMPU)ペアに関する情報を含むセション開始プロトコル(SIP)メッセージを受信する工程と、
前記S−CSCFにおいて、前記SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別する工程と、
前記S−CSCFにおいて、前記情報を含み、ホーム加入者サーバ(HSS)へ送信され、前記HSSによって記憶される新たなデータパッケージを作成する工程と、
前記S−CSCFから前記HSSへ、前記HSSへの命令と前記新たなデータパッケージとを含む属性値ペア(AVP)を有する第1のサーバ割当て要求(SAR)コマンドを送信する工程と、
前記HSSでは、前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で記憶されているか否かを識別する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で前記HSSに記憶されていない場合、前記新たなデータパッケージを前記HSSに記憶する工程をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記SIPメッセージは登録要求であり、
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記IMPI/IMPUペアに関連する以前のデータパッケージが、現時点で前記HSSに記憶されている場合には、前記方法はさらに、
前記以前に記憶されたデータパッケージを含むエラーメッセージを前記HSSから前記S−CSCFへ返信する工程と、
前記S−CSCFでは、前記SIPメッセージで受信された前記IMPI/IMPUペアに関する情報を、前記以前のデータパッケージに含まれる情報と組み合わせた、更なるデータパッケージを作成する工程と、
“STORE”命令と前記更なるデータパッケージとを含めてAVPを含む第2のSARコマンドを、前記S−CSCFから前記HSSへ送信する工程と、
前記更なるデータパッケージを前記HSSで記憶する工程とを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記更なるデータパッケージを作成するために前記以前のデータパッケージにデータが追加されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記SIPメッセージは、前記IMPI/IMPUペアに関連付けるための追加アドレスの登録要求であり、
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記SIPメッセージは、登録に関連しておらず、
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記SIPメッセージは、前記IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記新たなデータパッケージを作成するために前記以前のデータパッケージからデータが削除されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記SIPメッセージは、登録抹消要求であり、
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“DE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記更なるデータパッケージは前記以前のデータパッケージからのデータの削除として空であり、
前記第2のSARコマンドの前記AVPは“STORE”命令と前記空のデータパッケージとを含み、前記HSSに前記以前のデータパッケージを削除するように指示することを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“STORE”命令を含み、
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で前記HSSに記憶されているか否かに関らず、前記新たなデータパッケージが前記HSSによって記憶されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で前記HSSに記憶されており、
前記第1のSARコマンドの前記AVPは、“STORE”命令を含み、
前記新たなデータパッケージは空であり、
前記以前のデータパッケージは前記HSSで削除されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項26】
IPマルチメディアサブシステムのサービング呼セション制御機能(S−CSCF)で用いる方法であって、
プライベートユーザ識別子/パブリックユーザ識別子(IMPI/IMPU)ペアに関する情報を含むセション開始プロトコル(SIP)メッセージを受信する工程と、
前記SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別する工程と、
ホーム加入者サーバ(HSS)へ送信され、前記HSSによって記憶される、前記SIPメッセージの中に含まれる情報と前記情報のタイプを示すデータラベルとを含むデータパッケージを作成する工程と、
前記HSSへの命令と前記データパッケージとを含む属性値ペア(AVP)を有するサーバ割当て要求(SAR)コマンドを前記HSSへ送信する工程とを有することを特徴する方法。
【請求項27】
前記SIPメッセージは登録要求であり、
前記IMPI/IMPUペアについての以前のデータパッケージが記憶されるために前記HSSへと送信されたことがなく、
前記データラベルは、前記データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示し、
前記SARコマンドの前記AVPは、“REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記SIPメッセージが、前記IMPI/IMPUペアに関連付けるための追加アドレスの登録要求であり、
前記データラベルは、前記データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示し、
前記SARコマンドの前記AVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記SIPメッセージが登録に関連しておらず、
前記SARコマンドの前記AVPは、“RE-REGISTRATION”命令を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記SIPメッセージが前記IMPI/IMPUペアについての登録イベントパッケージへの加入要求を含み、
前記データラベルは、前記データパッケージが登録イベントパッケージに関する情報を含んでいるという指標を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
以前に記憶されたデータパッケージが前記HSSから削除されるべきであり、
前記SARコマンドの前記AVPは“DE-REGISTRATION”命令を含み、
前記データパッケージは、同じデータラベルによって識別される、以前に記憶されたデータパッケージは削除されるべきであることを前記HSSに示すため、前記データラベルと空のデータフィールドだけを有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記SIPメッセージが登録抹消要求であり、
前記データラベルは、前記データパッケージが連絡先アドレス情報を含むことを示すことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
IPマルチメディアサブシステムで用いられる装置であって、
請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法を実行するための手段を有することを特徴とする装置。
【請求項34】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)において登録された加入者にサービスを行なうために割当て可能なサービング呼セション制御機能(S−CSCF)であって、
プライベートユーザ識別子/パブリックユーザ識別子(IMPI/IMPU)ペアに関する情報を有するセション開始プロトコル(SIP)メッセージを受信する受信機と、
前記SIPメッセージに含まれる情報のタイプを識別し、ホーム加入者サーバ(HSS)へ送信され前記HSSによって記憶される、前記情報を含む新たなデータパッケージを作成するプロセッサと、
前記HSSへの命令と前記新たなデータパッケージとを含む属性値ペア(AVP)を含むサーバ割当て要求(SAR)コマンドを前記HSSへ送信する送信機とを有することを特徴とするS−CSCF。
【請求項35】
前記プロセッサは、前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが記憶のために前記HSSに以前に送信されたかどうかを識別するように構成されることを特徴とする請求項34に記載のS−CSCF。
【請求項36】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが記憶のために前記HSSに以前に送信されたなら、前記プロセッサは前記SIPメッセージで受信した前記IMPI/IMPUペアに関する前記情報と前記以前のデータパッケージに含まれる情報とを組み合わせるように構成されることを特徴する請求項35に記載のS−CSCF。
【請求項37】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で前記HSSに記憶されているなら、前記受信機と前記プロセッサと前記送信機とは、
前記受信機が、前記以前に格納されたデータパッケージを含むエラーメッセージを前記HSSから受信し、
前記プロセッサが、前記SIPメッセージで受信した前記IMPI/IMPUペアに関する前記情報と前記以前のデータパッケージに含まれている情報とを組み合わせた更なるデータパッケージを作成し、
前記送信機が、“STORE”命令と前記更なるデータパッケージとを含むAVPを有する第2のSARコマンドを前記HSSに送信する
ように構成されることを特徴とする請求項36に記載のS−CSCF。
【請求項38】
前記プロセッサは前記新しいデータパッケージに前記情報のタイプを示すデータラベルを含ませるように構成されることを特徴とする請求項34に記載のS−CSCF。
【請求項39】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)の加入者のために加入者データを保持するホーム加入者サーバ(HSS)であって、
前記HSSへの命令とプライベートユーザ識別子/パブリックユーザ識別子(IMPI/IMPU)ペアに関するSIP要求からとられた情報を含むデータパッケージとを含む属性値ペア(AVP)を含むサーバ割当て要求(SAR)コマンドをサービング呼セション制御機能(S−CSCF)から受信する受信機と、
前記データパッケージを格納する記憶手段とを有することを特徴とするHSS。
【請求項40】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で前記記憶手段に格納されているかどうかを識別するプロセッサをさらに有することを特徴とする請求項39に記載のHSS。
【請求項41】
前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージが現時点で、前記以前のデータパッケージを保持するように構成された前記記憶手段に格納されているなら、前記S−CSCFに、前記IMPI/IMPUペアに関する前記以前のデータパッケージを含むエラーメッセージを送信するように構成された送信機をさらに有することを特徴とする請求項40に記載のHSS。
【請求項42】
前記送信機は、前記SARコマンドが“RE-REGISTRATION”命令、或は、“DE-REGISTRATION”命令を含む場合にのみ、前記S−CSCFに前記エラーメッセージを送信するよう構成されていることを特徴とする請求項41に記載のHSS。
【請求項43】
前記記憶手段は、前記SARコマンドが“STORE”命令を含む場合に、前記データパッケージを格納し、前記IMPI/IMPUペアに関する以前のデータパッケージを上書きするよう構成されていることを特徴とする請求項40乃至42のいずれか1項に記載のHSS。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−508469(P2011−508469A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535248(P2010−535248)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063095
【国際公開番号】WO2009/068113
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】