ノズル翼
【課題】タービン効率を向上させることが可能なノズル翼を提供する。
【解決手段】前縁形状がノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、後縁形状がノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する。
【解決手段】前縁形状がノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、後縁形状がノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル翼に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変容量型のターボチャージャにおいては、タービンインペラの周囲に対してノズル翼が環状に複数配列されており、これらのノズル翼の回動角度によってノズル開度を調節することによってタービンの容量を変更している。
【0003】
このようなタービンインペラの周囲に配置されるノズル翼の形状を変化させると、ノズル翼の形状変化に伴ってタービンインペラに供給される排気ガスの流れが変化し、タービン効率が変化することが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1においては、前縁形状と後縁形状とを翼高さ方向(回動軸方向)において湾曲させたノズル翼が提案されている。
より詳細には、特許文献1においては、ノズル翼の前縁形状と後縁形状とが翼高さ方向の中央が回動軸側に凹むように湾曲するように形状設定されており、これによってタービン効率が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7255530号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたノズル翼よりもよりタービン効率が高いノズル翼が求められている。
さらに、タービンにおいては、何らかの事情によってノズル翼に動力が伝達されなくなった場合に、排気ガスが詰まることを抑止するために、ノズルの開度が大きくなるようにノズルが回動することが望ましい。ところが、特許文献1に開示されたノズル翼においては、このような考慮がなされていないため、タービン効率を向上させてさらに常に排気ガスから受けるトルクが、ノズル開度が大きくなる方向となるノズル翼が望まれている。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることが可能なノズル翼を提供し、さらにはタービン効率を向上させると共に常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けるノズル翼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
第1の発明は、可変容量型のターボチャージャが備えるタービンインペラの周囲に回動可能に複数配置されるノズル翼であって、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有するという構成を採用する。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記タービンインペラが有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウドと当該シュラウドに対して上記ノズル翼高さ方向に離間して対向配置される対向壁とに挟まれることによって形成されるノズルに上記ノズル翼が配置され、上記ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に上記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在するという構成を採用する。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記ノズル翼高さ方向において上記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が、上記ノズル翼高さ方向における中央よりも上記対向壁側に配置されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のノズル翼は、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する。
このようなノズル翼は、ノズル翼高さ方向における前縁形状とノズル高さ方向における後縁形状とが共に湾曲線形状を有する特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のノズル翼は、ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在し、この最も回動軸から前縁までの距離が短い領域がノズル翼高さ方向における中央寄りも対向壁側に配置されている。
このようなノズル翼は、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態におけるノズル翼が設置されたターボチャージャの要部拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるノズル翼の回動の様子を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるノズル翼の模式図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションにて最も高い性能を示すノズル翼の詳細な形状を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るノズル翼の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
図1は、本実施形態のノズル翼10を含むターボチャージャの要部拡大断面図である。この図に示すように、ターボチャージャは、排気ガスを受けることによって回転駆動されるタービンインペラ1を備えている。
このタービンインペラ1の上流側には、タービンインペラ1が有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウド2と当該シュラウド2に対してノズル翼高さ方向に離間して対向配置されるハブ3(対向壁)とによって形成されるノズルNが形成されている。
このノズルNは、タービンインペラ1の全周を囲って設けられている。そして、当該ノズルNからタービンインペラ1に向けて排気ガスが供給されることによって、タービンインペラ1の全周に亘って排気ガスが供給される。
【0017】
本実施形態のノズル翼10は、図1に示すようにノズルNに回動可能に配置されており、図2の模式図に示すようにタービンインペラ1の周囲に環状に複数配列されている。
【0018】
なお、図3に示すように、ノズル翼10は、当該ノズル翼10の回動軸Oを中心軸とする軸部20がノズル翼高さ方向に接続されている。
そして、全ての軸部20が不図示の駆動部によって同期して回動されることによって、図2に示すように、ノズル翼10が回動されてノズル翼10間の隙間の大きさが変化することでノズルNの開度が調節される。
なお、図2において、(a)がノズルNの開度が大きく開いた状態を示し、(b)がノズルNの開度が小さくなった状態を示している。
【0019】
そして、本実施形態のノズル翼10においては、図3(a)に示すように、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸Oから前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有している。
また、本実施形態のノズル翼10においては、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
【0020】
さらに、本実施形態のノズル翼10においては、図3(a)に示すように、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に回動軸Oから前縁までの距離が最も短い領域(以下、最短キャンバー長領域Rと称する)が存在する。
そして、この最短キャンバー長領域Rは、ノズル翼高さ方向における中央よりもハブ側に配置されている。
【0021】
以下に、本実施形態のノズル翼10の効果についてシミュレーション結果等を参照して説明を行う。
なお、以下の説明においては、図3(b)に示すように、回動軸Oから前縁までの距離を前縁部キャンバー長L1と称し、回動軸Oから後縁までの距離を後縁部キャンバー長L2と称し、キャンバーライン及び回動軸Oと直交する翼の厚みを翼厚と称し、前縁に回動軸O側から接する仮想上の円を前縁側内接円と称し、後縁に回動軸O側から接する仮想上の円を後縁側内接円と称する。
【0022】
本シミュレーションについては、前縁形状(すなわち前縁部キャンバー長L1の翼高さ方向における変化プロファイル)と後縁形状(すなわち後縁部キャンバー長L2の翼高さ方向における変化プロファイル)とが、図4〜図7に示す形状のノズル翼[base、d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]を用いた。
なお、本シミュレーションにおいて用いる長さの値としては、翼厚を基準値として正規化した値を用いている。そして、各ノズル翼の翼高さ方向において最も長いキャンバー長(Max(L1+L2))と、各ノズル翼の翼高さ方向において最も短いキャンバー長(Max(L1+L2))と、各ノズル翼の翼高さ方向におけるキャンバー長の平均値(Average(L1+L2))は、表1に示すように設定されている。
【0023】
【表1】
【0024】
そして、本シミュレーションでは、前縁形状と後縁形状とが直線形状とされたノズル翼[base]を基準として、各ノズル翼[d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]に作用するトルク比とタービンの効率差を検証した。その結果については、表2及び図8に示す。なお、トルク比の値においては、ノズル翼に対してノズルの開度を大きくする方向にトルクが作用する場合を正、ノズル翼に対してノズルの開度を小さくする方向にトルクが作用する場合を負として示している。
【0025】
【表2】
【0026】
このようなシミュレーション結果に基づいてノズル翼[d3−10]と、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]と比較すると、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]はノズル翼[d3−10]に対して、タービン効率差の値が非常に良く、タービン効率が高いことが分かる。
ここで、ノズル翼[d3−10]は、図6(b)から分かるように、前縁形状と後縁形状とが共に中央部が回動軸O側に入り込んだ湾曲線形状を有している。一方、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]は、前縁形状が湾曲線形状であり、後縁形状が直線形状を有している。
つまり、前縁形状と後縁形状とが共に湾曲線形状を有しているよりも、前縁形状のみが湾曲線形状で後縁形状が直線形状である方が、タービン効率が高いことが分かった。
【0027】
本実施形態のノズル翼10は、上述のように、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
このため、本実施形態のノズル翼10は、ノズル翼高さ方向における前縁形状とノズル高さ方向における後縁形状とが共に湾曲線形状を有する特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることができる。
【0028】
また、表3及び図9に示すように、ノズル翼[d3−01〜04]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点からノズル翼[d3−02]が最も性能が高いことが分かる。
【0029】
【表3】
【0030】
ここで、ノズル翼[d3−02]は、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。すなわち、ノズル翼[d3−02]は、ノズル翼高さ方向の両端が中央よりも長いキャンバー長を有する形状を有している。
このように、上記シミュレーションからは、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在することによって、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができると分かった。
【0031】
そして、本実施形態のノズル翼10は、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。
このため、本実施形態のノズル翼10は、常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【0032】
また、表4及び図10に示すように、ノズル翼[d3−02,05,07]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点からノズル翼[d3−02]、ノズル翼[d3−05]、ノズル翼[d3−07]の順に性能が高くなることが分かる。
【0033】
【表4】
【0034】
ここで、ノズル翼[d3−02,05,07]では、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在することで共通するが、ノズル翼[d3−02]、ノズル翼[d3−05]、ノズル翼[d3−07]の順に最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄っている。
したがって、上記シミュレーションからは、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在していることを前提として、最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄ることによってタービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができると分かった。
【0035】
そして、本実施形態のノズル翼10は、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在し、さらに最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄った形状を有している。
このため、本実施形態のノズル翼10によれば、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【0036】
最後に表2及び図8を参照して、全てのノズル翼[base、d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点から見てノズル翼[d3−12]の性能が高いことが分かる。
図11は、ノズル翼[d3−12]の形状を示す図であり、キャンバー長と翼厚との関係を翼高さを基準値として正規化した値で示すグラフと、前縁内接円直径と後縁内接円直径とを示している。
なお、ノズル翼[d3−12]は、本実施形態のノズル翼10と同様に、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
また、ノズル翼[d3−12]は、本実施形態のノズル翼10と同様に、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。そして、この最短キャンバー長領域Rは、ノズル翼高さ方向における中央よりもハブ側に配置されている。
【0037】
さらに、ノズル翼[d3−12]は、表1及び図11から分かるように、ノズル翼高さを基準値とする正規化値が、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁から後縁までの長さが2.128、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁から後縁までの長さが2.858、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さの平均値が2.508、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁内接円直径が0.146、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁内接円直径が0.142、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での後縁内接円直径が0.04、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での後縁内接円直径が0.04となるように形状設定されている。
【0038】
つまり、本実施形態のノズル翼10を、上述の正規化値に基づいて形状設定することによって、タービン効率をより向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向に大きなトルクを受けることができる。
【0039】
なお、ノズル翼[d3−12]の形状に限定されず、ノズル翼高さを基準値とする正規化値が、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁から後縁までの長さが2.0〜2.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁から後縁までの長さが2.7〜2.9、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さの平均値が2.4〜2.6、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁内接円直径が0.1〜0.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁内接円直径が0.1〜0.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での後縁内接円直径が0.01〜0.1、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での後縁内接円直径が0.01〜0.1となるように形状設定することで、少なからずタービン効率をより向上させ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向に大きなトルクを受けることが期待できる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0041】
例えば、図2に示す、タービンインペラ1の周りに配列されるノズル翼10の個数は一例であり、図2に示す個数よりも少なくとも良いし、多くても良い。
【0042】
また、タービンインペラ1の周り配置される全てのノズル翼が上記実施形態のノズル翼10である必要もない。
【符号の説明】
【0043】
10……ノズル翼、1……タービンインペラ、2……シュラウド、3……ハブ(対向壁)、N……ノズル
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル翼に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変容量型のターボチャージャにおいては、タービンインペラの周囲に対してノズル翼が環状に複数配列されており、これらのノズル翼の回動角度によってノズル開度を調節することによってタービンの容量を変更している。
【0003】
このようなタービンインペラの周囲に配置されるノズル翼の形状を変化させると、ノズル翼の形状変化に伴ってタービンインペラに供給される排気ガスの流れが変化し、タービン効率が変化することが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1においては、前縁形状と後縁形状とを翼高さ方向(回動軸方向)において湾曲させたノズル翼が提案されている。
より詳細には、特許文献1においては、ノズル翼の前縁形状と後縁形状とが翼高さ方向の中央が回動軸側に凹むように湾曲するように形状設定されており、これによってタービン効率が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7255530号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたノズル翼よりもよりタービン効率が高いノズル翼が求められている。
さらに、タービンにおいては、何らかの事情によってノズル翼に動力が伝達されなくなった場合に、排気ガスが詰まることを抑止するために、ノズルの開度が大きくなるようにノズルが回動することが望ましい。ところが、特許文献1に開示されたノズル翼においては、このような考慮がなされていないため、タービン効率を向上させてさらに常に排気ガスから受けるトルクが、ノズル開度が大きくなる方向となるノズル翼が望まれている。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることが可能なノズル翼を提供し、さらにはタービン効率を向上させると共に常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けるノズル翼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
第1の発明は、可変容量型のターボチャージャが備えるタービンインペラの周囲に回動可能に複数配置されるノズル翼であって、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有するという構成を採用する。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記タービンインペラが有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウドと当該シュラウドに対して上記ノズル翼高さ方向に離間して対向配置される対向壁とに挟まれることによって形成されるノズルに上記ノズル翼が配置され、上記ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に上記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在するという構成を採用する。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記ノズル翼高さ方向において上記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が、上記ノズル翼高さ方向における中央よりも上記対向壁側に配置されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のノズル翼は、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する。
このようなノズル翼は、ノズル翼高さ方向における前縁形状とノズル高さ方向における後縁形状とが共に湾曲線形状を有する特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のノズル翼は、ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在し、この最も回動軸から前縁までの距離が短い領域がノズル翼高さ方向における中央寄りも対向壁側に配置されている。
このようなノズル翼は、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態におけるノズル翼が設置されたターボチャージャの要部拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるノズル翼の回動の様子を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるノズル翼の模式図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションに用いたノズル翼の形状を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態におけるノズル翼の効果を説明するためのシミュレーションにて最も高い性能を示すノズル翼の詳細な形状を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るノズル翼の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
図1は、本実施形態のノズル翼10を含むターボチャージャの要部拡大断面図である。この図に示すように、ターボチャージャは、排気ガスを受けることによって回転駆動されるタービンインペラ1を備えている。
このタービンインペラ1の上流側には、タービンインペラ1が有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウド2と当該シュラウド2に対してノズル翼高さ方向に離間して対向配置されるハブ3(対向壁)とによって形成されるノズルNが形成されている。
このノズルNは、タービンインペラ1の全周を囲って設けられている。そして、当該ノズルNからタービンインペラ1に向けて排気ガスが供給されることによって、タービンインペラ1の全周に亘って排気ガスが供給される。
【0017】
本実施形態のノズル翼10は、図1に示すようにノズルNに回動可能に配置されており、図2の模式図に示すようにタービンインペラ1の周囲に環状に複数配列されている。
【0018】
なお、図3に示すように、ノズル翼10は、当該ノズル翼10の回動軸Oを中心軸とする軸部20がノズル翼高さ方向に接続されている。
そして、全ての軸部20が不図示の駆動部によって同期して回動されることによって、図2に示すように、ノズル翼10が回動されてノズル翼10間の隙間の大きさが変化することでノズルNの開度が調節される。
なお、図2において、(a)がノズルNの開度が大きく開いた状態を示し、(b)がノズルNの開度が小さくなった状態を示している。
【0019】
そして、本実施形態のノズル翼10においては、図3(a)に示すように、ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸Oから前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有している。
また、本実施形態のノズル翼10においては、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
【0020】
さらに、本実施形態のノズル翼10においては、図3(a)に示すように、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に回動軸Oから前縁までの距離が最も短い領域(以下、最短キャンバー長領域Rと称する)が存在する。
そして、この最短キャンバー長領域Rは、ノズル翼高さ方向における中央よりもハブ側に配置されている。
【0021】
以下に、本実施形態のノズル翼10の効果についてシミュレーション結果等を参照して説明を行う。
なお、以下の説明においては、図3(b)に示すように、回動軸Oから前縁までの距離を前縁部キャンバー長L1と称し、回動軸Oから後縁までの距離を後縁部キャンバー長L2と称し、キャンバーライン及び回動軸Oと直交する翼の厚みを翼厚と称し、前縁に回動軸O側から接する仮想上の円を前縁側内接円と称し、後縁に回動軸O側から接する仮想上の円を後縁側内接円と称する。
【0022】
本シミュレーションについては、前縁形状(すなわち前縁部キャンバー長L1の翼高さ方向における変化プロファイル)と後縁形状(すなわち後縁部キャンバー長L2の翼高さ方向における変化プロファイル)とが、図4〜図7に示す形状のノズル翼[base、d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]を用いた。
なお、本シミュレーションにおいて用いる長さの値としては、翼厚を基準値として正規化した値を用いている。そして、各ノズル翼の翼高さ方向において最も長いキャンバー長(Max(L1+L2))と、各ノズル翼の翼高さ方向において最も短いキャンバー長(Max(L1+L2))と、各ノズル翼の翼高さ方向におけるキャンバー長の平均値(Average(L1+L2))は、表1に示すように設定されている。
【0023】
【表1】
【0024】
そして、本シミュレーションでは、前縁形状と後縁形状とが直線形状とされたノズル翼[base]を基準として、各ノズル翼[d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]に作用するトルク比とタービンの効率差を検証した。その結果については、表2及び図8に示す。なお、トルク比の値においては、ノズル翼に対してノズルの開度を大きくする方向にトルクが作用する場合を正、ノズル翼に対してノズルの開度を小さくする方向にトルクが作用する場合を負として示している。
【0025】
【表2】
【0026】
このようなシミュレーション結果に基づいてノズル翼[d3−10]と、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]と比較すると、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]はノズル翼[d3−10]に対して、タービン効率差の値が非常に良く、タービン効率が高いことが分かる。
ここで、ノズル翼[d3−10]は、図6(b)から分かるように、前縁形状と後縁形状とが共に中央部が回動軸O側に入り込んだ湾曲線形状を有している。一方、ノズル翼[d3−01〜05,07〜09,11〜15]は、前縁形状が湾曲線形状であり、後縁形状が直線形状を有している。
つまり、前縁形状と後縁形状とが共に湾曲線形状を有しているよりも、前縁形状のみが湾曲線形状で後縁形状が直線形状である方が、タービン効率が高いことが分かった。
【0027】
本実施形態のノズル翼10は、上述のように、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
このため、本実施形態のノズル翼10は、ノズル翼高さ方向における前縁形状とノズル高さ方向における後縁形状とが共に湾曲線形状を有する特許文献1に開示されたノズル翼よりもタービン効率を向上させることができる。
【0028】
また、表3及び図9に示すように、ノズル翼[d3−01〜04]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点からノズル翼[d3−02]が最も性能が高いことが分かる。
【0029】
【表3】
【0030】
ここで、ノズル翼[d3−02]は、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。すなわち、ノズル翼[d3−02]は、ノズル翼高さ方向の両端が中央よりも長いキャンバー長を有する形状を有している。
このように、上記シミュレーションからは、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在することによって、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができると分かった。
【0031】
そして、本実施形態のノズル翼10は、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。
このため、本実施形態のノズル翼10は、常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【0032】
また、表4及び図10に示すように、ノズル翼[d3−02,05,07]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点からノズル翼[d3−02]、ノズル翼[d3−05]、ノズル翼[d3−07]の順に性能が高くなることが分かる。
【0033】
【表4】
【0034】
ここで、ノズル翼[d3−02,05,07]では、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在することで共通するが、ノズル翼[d3−02]、ノズル翼[d3−05]、ノズル翼[d3−07]の順に最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄っている。
したがって、上記シミュレーションからは、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在していることを前提として、最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄ることによってタービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができると分かった。
【0035】
そして、本実施形態のノズル翼10は、最短キャンバー長領域Rがノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に存在し、さらに最短キャンバー長領域Rがハブ3側に寄った形状を有している。
このため、本実施形態のノズル翼10によれば、タービン効率を向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向にトルクを受けることができる。
【0036】
最後に表2及び図8を参照して、全てのノズル翼[base、d3−01〜15(ただしd3−06を除く)]を比較すると、タービン効率差とトルク比とのバランスという観点から見てノズル翼[d3−12]の性能が高いことが分かる。
図11は、ノズル翼[d3−12]の形状を示す図であり、キャンバー長と翼厚との関係を翼高さを基準値として正規化した値で示すグラフと、前縁内接円直径と後縁内接円直径とを示している。
なお、ノズル翼[d3−12]は、本実施形態のノズル翼10と同様に、ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸Oから後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有している。
また、ノズル翼[d3−12]は、本実施形態のノズル翼10と同様に、ノズル翼高さ方向の両端(ハブ側端及びシュラウド側端)に挟まれた領域に最短キャンバー長領域Rが存在する。そして、この最短キャンバー長領域Rは、ノズル翼高さ方向における中央よりもハブ側に配置されている。
【0037】
さらに、ノズル翼[d3−12]は、表1及び図11から分かるように、ノズル翼高さを基準値とする正規化値が、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁から後縁までの長さが2.128、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁から後縁までの長さが2.858、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さの平均値が2.508、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁内接円直径が0.146、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁内接円直径が0.142、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での後縁内接円直径が0.04、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での後縁内接円直径が0.04となるように形状設定されている。
【0038】
つまり、本実施形態のノズル翼10を、上述の正規化値に基づいて形状設定することによって、タービン効率をより向上させることができ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向に大きなトルクを受けることができる。
【0039】
なお、ノズル翼[d3−12]の形状に限定されず、ノズル翼高さを基準値とする正規化値が、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁から後縁までの長さが2.0〜2.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁から後縁までの長さが2.7〜2.9、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さの平均値が2.4〜2.6、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での前縁内接円直径が0.1〜0.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での前縁内接円直径が0.1〜0.2、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も短い領域での後縁内接円直径が0.01〜0.1、ノズル翼高さ方向において前縁から後縁までの長さが最も長い領域での後縁内接円直径が0.01〜0.1となるように形状設定することで、少なからずタービン効率をより向上させ、さらには常にノズル開度が大きくなる方向に大きなトルクを受けることが期待できる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0041】
例えば、図2に示す、タービンインペラ1の周りに配列されるノズル翼10の個数は一例であり、図2に示す個数よりも少なくとも良いし、多くても良い。
【0042】
また、タービンインペラ1の周り配置される全てのノズル翼が上記実施形態のノズル翼10である必要もない。
【符号の説明】
【0043】
10……ノズル翼、1……タービンインペラ、2……シュラウド、3……ハブ(対向壁)、N……ノズル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量型のターボチャージャが備えるタービンインペラの周囲に回動可能に複数配置されるノズル翼であって、
ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、
ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する
ことを特徴とするノズル翼。
【請求項2】
前記タービンインペラが有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウドと当該シュラウドに対して前記ノズル翼高さ方向に離間して対向配置される対向壁とに挟まれることによって形成されるノズルに前記ノズル翼が配置され、
前記ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に前記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在する
ことを特徴とする請求項1記載のノズル翼。
【請求項3】
前記ノズル翼高さ方向において前記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が、前記ノズル翼高さ方向における中央よりも前記対向壁側に配置されていることを特徴とする請求項2記載のノズル翼。
【請求項1】
可変容量型のターボチャージャが備えるタービンインペラの周囲に回動可能に複数配置されるノズル翼であって、
ノズル翼高さ方向における前縁形状が、ノズル翼高さ位置によってノズル翼の回動軸から前縁までの距離が変化することによって形成される湾曲線形状を有し、
ノズル翼高さ方向における後縁形状が、ノズル翼高さ位置によらずノズル翼の回動軸から後縁までの距離が一定であることによって形成される直線形状を有する
ことを特徴とするノズル翼。
【請求項2】
前記タービンインペラが有するタービン翼のチップ側を囲うシュラウドと当該シュラウドに対して前記ノズル翼高さ方向に離間して対向配置される対向壁とに挟まれることによって形成されるノズルに前記ノズル翼が配置され、
前記ノズル翼高さ方向の両端に挟まれた領域に前記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が存在する
ことを特徴とする請求項1記載のノズル翼。
【請求項3】
前記ノズル翼高さ方向において前記回動軸から前縁までの距離が最も短い領域が、前記ノズル翼高さ方向における中央よりも前記対向壁側に配置されていることを特徴とする請求項2記載のノズル翼。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−246807(P2012−246807A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118104(P2011−118104)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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