説明

ハイブリット触媒

【課題】
日常の鉄鋼生産で、不可避に副産物として生成するスラグ中に多量に含有されFeO(X<1)組成を有する鉄酸化物が紫外線の照射なしで光触媒効果を有する事も確認した。FeO(X<1)の機能をさらに向上する為の提案を行う。
本発明の提案により、紫外線の照射なしで、光触媒機能を有する低廉な材料が得られる。【解決手段】
FeO(X<1)粉末に、活性炭粉末とを組み合わせる事により、FeO(X<1)のp型半導体としての酸化触媒効果が飛躍的に向上する。とくに細孔の大きさの分布範囲の大きい木質活性炭でその効果が大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅精錬スラグ中に不可避に含有される鉄酸化物がp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物(以下、FeO(X<1)と記載)と木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物とを組み合わせて構成されるフィルター用構造体の発明とその有効活用に関する。
【背景技術】
【0002】
今からおおよそ30年前、セラミックス半導体(ルチル型二酸化チタン)を光電極として用い水の光分解ができる光触媒反応がわが国で発見され、これを契機に、光触媒反応に関する開発研究が活発に開始された。
【0003】
その後、広範に渡る研究開発が進められ、量産市販さている二酸化チタンの白色の微細粉末(アナターゼ型・比表面積大)を構造体に主としてコーティンングして使用する光触媒反応の実用化が進められている。
【0004】
対象となる光触媒には、紫外線の照射が必須であり、光触媒機能を有するアナターゼ型の二酸化チタン、TiOの実用化に関する開発研究が積極的に進められた。
【0005】
すでに実用化されているアナターゼ型の二酸化チタン、TiOの機能を活用しての用途開発の例は枚挙に暇がない程となっている。
【0006】
光触媒、TiOは、そのバンドギャップエネルギー3.2eVに相当するエネルギーを、波長380nmの紫外線から受けて励起して、はじめて半導体としての機能を発揮する。
【0007】
紫外線からのエネルギーを受けると価電子帯の電子が励起して、電導帯に移動する。電子が抜けた跡には正孔が形成される。この正孔に接触したHOが電子を奪われて生成するヒドロキシルラジカル(・OH)の強力な酸化機能が光触媒の機能そのものであると説明されている。
【0008】
ヒドロキシルラジカルの有する酸化力は、環境汚染の原因となる化学物質等の無機、有機物を構成する分子中のC-C、C-H、C-N、C-O、O-H、N-H等の結合エネルギーよりはるかに大きいため、これらの結合を切断し分解することができる。
【0009】
したがって、強い酸化力により環境汚染の原因となる化学物質等の分解を紫外線の照射でクリーンに行うことが可能であり、環境浄化の有力な手段となりうる。最大の特徴は酸化チタン自身が消耗したり、その性質を変化させたりすることなく、永続的に反応が進むという点である。なお、生活空間に存在する程度の紫外線量の下では、生成されるヒドロキシルラジカルの濃度は非常に小さく、人体には全く無害な程度とされている。
【0010】
しかし、紫外線を受けて初めて半導体化する事に本技術の限界が存在すると思われる。その目的で、可視光線および赤外線の波長域にも反応する新しい光触媒の開発が進んでいる。
【0011】
発明者等は光触媒の機能が、p型半導体の有する電子授受機能に起因して発現する事に着目した。燃焼合成法により新規に合成したp型半導体特性を有する金属欠乏型の不定比遷移金属酸化物が、光照射をしない環境下で、光触媒と同等な機能を発揮する事を見出し特許出願している。
【0012】
この技術的観点に基づき、幅広く、p型半導体特性を有する金属欠乏型の不定比金属酸化物について、さらに研究調査を進めた。その結果、鉄鋼精錬の副産物である鉄鋼スラグの構成要素である鉄酸化物、熱間圧延スケールを構成する鉄酸化物および銅精錬の副産物である銅スラグに含有される鉄酸化物の中に、p型半導体である鉄酸化物、FeO(X<1)が存在する事を発見した。
【0013】
路盤材、セメントクリンカー用原料等に年間で約7,000千トンが使用されているこれらの副産物中に、数%のp型半導体が存在すると総括的には表現できる。これらの副産物で、電気炉スラグ中の酸化スラグに約30%、銅スラグに約50%さらに圧延スケールに95%以上含有されている複数の鉄酸化物中に50%を越えるp型半導体特性が有する鉄酸化物FeO(X<1)が含有されている事も発見した。
【0014】
言い換えると、p型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)が、その特性を活用されずに、他の成分と混合されて、無為に、路盤材等の構造部材として放置されている事になる。
【0015】
その中から、p型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)をとり出して、機能材料として活用すれば、その社会的貢献度は計り知れない膨大なものになり得ると言えよう。
【0016】
p型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)の有する特性を種々測定して、その価値ある用途について提案した。
【0017】
さらに検討を続けた結果、FeO(X<1)の触媒機能に木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物の優れた吸着性能との組合せにより、更に優れた機能が得られる事を見出した。
【特許文献1】特願2004−227533号
【特許文献2】特開2002−316056号広報
【特許文献3】特願2005−37233号
【非特許文献1】日本化学会『光が関わる触媒化学』(1994)
【非特許文献2】橋本、小早川『光触媒と半導体電極』(シーエムシー出版)
【非特許文献3】小菅『不定比化合物の化学』(培風館)
【非特許文献4】エヌ・ア・トロボフ他『金属酸化物の状態図』(日ソ通信社刊)
【非特許文献5】T.Akiyama,N.Akae,T.Shimada,R.Takahashi:ISIJInt.,41(2001), pp.206-208.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
p型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物はその欠乏している金属原子(+電荷)に相当する正孔が価結晶内に形成される事による触媒機能が、種の臭い成分を分解する原理に基づき提案を行った。
【0019】
さらに、高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅スラグ等に含有されているp型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)が優れた触媒機能を有する事も特許出願している。
【0020】
その機能を纏めて(表1)に示した。
【0021】
【表1】

【0022】
本提案の基本的概念は既に提案しているFeO(X<1)が臭い成分を構成する各種の反応物を吸着して活性化、分解する事にある。条件の異なる幅広い環境条件においても、安定したばらつきの少ない触媒効果を発揮する事が必要である。
【0023】
その為の提案が本発明の提案である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
常に安定した吸着環境手段を提供するのが本発明の提案である。
【0025】
既に提案しているFeO(X<1)に安定した吸着環境を構成する為の手段として、反応物を大量に吸着できる多孔質活性炭とFeO(X<1)とを混合して活用する事が有効である事を見出した。
【0026】
活性炭の表面積は500〜1500mと大きく、表面積の大きさは活性炭を構成する多数の細孔に起因している。これらの細孔に反応物が吸着されている活性炭がFeO(X<1)粉体の周辺を取り巻く環境を形成される。これにより、FeO(X<1)粉体の近接周囲に臭い成分が取り巻く環境が構成され、その臭い成分のFeO(X<1)に対する圧縮効果が常時形成される事になる。これによりFeO(X<1)粒子による臭い成分の分解反応が継続的に進行する。
【0027】
既に提案しているFeO(X<1)粉体をこれらの活性炭と混合する事により、FeO(X<1)粉体周辺に、常に臭い成分が取り巻く環境が提供できる。
【0028】
活性炭の細孔の大きさは(表2)の例に示す様に原料により異なる。
【0029】
【表2】

【0030】
本発明の提案に使用する活性炭は、いずれの活性炭でも効果を発揮するが、細孔直径の大きい木質系活性炭がより効果があがる。微細に粉砕されたFeO(X<1)粒子が、活性炭細孔内に入り込み、これにより圧縮効果がさらに向上する為である。
【発明の効果】
【0031】
本提案により既提案の低価格FeO(X<1)が、あらゆる環境で安定して使用でき、環境改善に幅広く活用できるので、その社会的効果は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
製鋼スラグ等から粉体形態で得られるFeO(X<1)を可能な限り微細化し、これと活性炭粉体とを混合して以下の様に供する。
(1)FeO(X<1)と木質製活性炭の粉末を重量比で0.1〜0.3%配合して得た混合粉末をセラミックス球体の表層に被覆して得た構造体。
(2)0.1ミクロン以下に微粉砕した混合物を重量比で0.1〜0.3%配合した混錬材と紙とで構成もしくはこれらの3層のサンドイッチ構造とした事を特徴とするフィルター素材。
(3)上記の素材構造体1を波付け加工を行って形成した筐体2内に均一に一層配置したフィルター構造体。
(4)紙単体、もしくは上記のフィルター素材でハニカム構造としその空間にFeO(X<1)の被覆球体と活性炭とを混合充填したフィルター構造体。
(5)上記のフィルター構造体(2)〜(4)を交互に複数、もしくは単列設置したフィルターを流体の流れの方向に対して直角配置する悪臭分解フィルター。
(6)腐食し難い金属材料もしくはプラスチック製作された、流体に対して抵抗の少ないメッシュ構造を有する外装材内部に本提案の混合体を装着した汚水浄化用フィルター。
(7)加湿器用フィルター。
【実施例1】
【0033】
以下の実施例に用いた供試材を纏めて(表3)に示した。なお活性炭としてFeO(X<1)粉末との組み合わせで効果を発揮する木質活性炭を用いた。
【0034】
【表3】

【0035】
(表4)に実施例1の結果を示した。実施例1は、水中に含まれる塩素分の時間経過に伴う低減状況に対する本発明材1〜3の効果をしめしている。比較材として既に提案済みであるFeO(X<1)粉末を被覆したセラミックス5mm球を用いている。
【0036】
FeO(X<1)粉末と木質活性炭の混合粉末を被覆したセラミックス球、および同混合体の燒結材ともに、FeO(X<1)粉末単独材よりも塩素分の低減効果の大きい事が認められる。また適用個数が増加するとその効果はさらに増加する。
【0037】
【表4】

【実施例2】
【0038】
FeO(X<1)を被覆したセラミックス球体を、木質活性炭に混合して、
10cm当り、100個を装填したフィルターを装着した発明材2およびFeO(X<1)と木質活性炭粉末との混合体を被覆したセラミックス球体を、木質活性炭に混合して、10cm当り、100個を装填したフィルターを装着した発明材4とをそれぞれ装着した空気清浄機を用いて、光の照射は行わない環境下で、一般家屋内の臭気の変化を測定した。比較材として木質活性炭のみで構成したフィルターを用いた。
【0039】
測定はCIAQ(Composite Index of Air
Quality)計器により空気清浄機の排気口の直下で行い、CIAQ値で表示した。なお、CIAQ値は炭化水素系化合物の臭いを総合的に示す尺度である。
【0040】
結果を(表5)に示した。部屋は強烈な悪臭のする部屋で、初期CIAQ値は60を示していた。本発明材2および4で構成したフィルターを装着した空気清浄機では約10分稼動で、嗅覚で感じる臭気は皆無となり、CIAQ値は10以下となった。木質活性炭のみで構成したフィルター(比較材2)を装着場合に比較して、FeO(X<1)と木質活性炭との組み合わせ効果が明確に認められる。
【0041】
【表5】

【実施例3】
【0042】
本発明材の抗菌効果について、(表6)に示した。本発明材を3個投入した100CCの精製水に黄色ブドウ球菌液入れ、それぞれの時間、暗室で保持した後の菌の数の変化を測定した。その結果を(開始時の菌数―保持後の菌数)/開始時の菌数の式により求め殺菌率(%)として表示している。なお、測定はいずれも無照明の下で実施している。
【0043】
【表6】

【0044】
無照明下で、殺菌効果が認められる。投入する数を増す事によって、その効果は加速度的に向上する事も確認している。
【0045】
無照明下で認められ本発明材1、2のFeO(X<1)と木質活性炭との複合効果は、今までに認められた事のない極めて大きな価値を有する事は疑う余地もない。実施例に挙げた、バクテリア以外の各種菌類、ウイルス等に対しても本発明材の効果は容易に立証され、本発明の権利請求範囲に包含される事は言うまでもない。将来、医薬品として活用できる可能性を示唆している。
【実施例4】
【0046】
本発明の材料は既に詳細記載した様に、p型半導体の特性を有する。p型半導体の結晶表面に有機物または無機物が接触した際に、p型半導体と接触物との間にマイナス電子が授受される事は、物理現象として認められている。
【0047】
本発明の提案するp型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)には、さらに酸化活性触媒効果を確認し既に提案している。さらに、木質活性炭との組み合わせ効果について新規の確認をおこなった。
【0048】
酸化触媒効果を測定した結果を(表7)に示した。CO:4.8%,O:4.8%の標準ガス雰囲気で、COの酸化分解の状況を分解率(%)で表示した。
比較材1はFeO(X<1)を被覆したセラミックス球体である。本発明材3はFeO(X<1)に木質活性炭を混合して燒結で構成した燒結体である。比較材1よりも良好な酸化活性触媒機能を発揮しており、両者の混合による相乗効果が認められる。微細カーボン粒(すす)についても同様酸化分解効果を確認している。
【0049】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0050】
製鋼スラグ等にp型半導体特性を有する鉄酸化物FeO(X<1)が存在する事を見出し、あわせて、FeO(X<1)は紫外線の照射なしで、光触媒効果以上の機能を発揮する事を測定データとして把握でき既に特許出願している。
【0051】
FeO(X<1)は高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅スラグ等に含有される。これらは、全て鉄鋼・銅生産の副産物であり、安価に入手できる事は言うまでもなく、その結果、FeO(X<1)の製造コストは、従来の光触媒対比、極めて低廉である。併せて、従来から、産業廃棄物的扱いを受けていた上記副産物が機能製品として活用できる効果も極めて大きいと言える。
【0052】
また、得られたFeO(X<1)の機能は従来の光触媒以上に高機能であり、p型半導体としての特性を兼備しているので、低価格p型半導体として幅広く新しい機能用途へ活用できる。
【0053】
本提案は、既出願のFeO(X<1)に、活性炭とを組み合わせる事により、p型半導体としての効果が相乗的に向上するのでその適用範囲と用途をさらに拡大できる。各種ガスセンサー、サーミスター、バリスター、発光ダイオード、および電導性酸化物等としての用途も期待できる。
【0054】
本発明のポイントを一言で言えば「産業廃棄物の中に半導体を発見した」となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】:本発明の構造体を波型成形した紙またはプラスチック筐体の空間に均一配置した図。
【符号の説明】
【0056】
1.本発明の構造体または特願2005−37233号による構造体
2.波型加工した紙またはプラスチック等で構成した筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅スラグの少なくとも1種以上で構成された粉体であり、該粉体を構成する鉄酸化物の1種以上がp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物と、木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物とを組み合わせて構成される構造体が、紫外線を照射しない環境下で、(1)空気中環境に於いて、アンモニア、アセトアルデヒド、イソ吉草酸、インドールおよびスカトール等の不快臭の脱臭、防黴および汚れ防止効果とマイナスイオン発生に伴う快適空間提供効果(2)水中環境において、大腸菌、黄色ブドウ球菌およびレジオネラ菌等のバクテリアに対する抗菌効果、腐食防止効果および塩素等の不快性無機化合物の分解効果と良質水の提供効果(3)生活排水環境において、活性汚泥の分解効果において、両者の相乗効果を発揮する事を特徴とする機能性粉体および構造体。
【請求項2】
請求項1のp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物と木炭または/および活性炭等の炭化物の組み合わせにおいて、両者の粉末を0.1ミクロン以下に微粉砕し木炭または/および活性炭等の炭化物のp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物に対する重量比で0.1〜0.3%を配合、混錬して構成したペレット状のフィルター素材用の構造体。
【請求項3】
請求項1のp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物と木炭または/および活性炭等の炭化物の組み合わせにおいて、両者の粉末を0.1ミクロン以下に微粉砕し木炭または/および活性炭等の炭化物のp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物に対する重量比で0.1〜0.3%を配合、混錬した混錬体と紙とで構成したフィルター素材用の構造体。
【請求項4】
請求項2の構造体1を、波付け加工を施した紙、樹脂等の構造体保持用筐体2の空間に均等挿入した筐体の複数を積層構造となし、しかる後に適当な厚みに切断した事を特徴とするフィルター構造材用の構造体。
【請求項5】
紙単体、もしくは請求項2の構造体でハニカム構造を構成し、該ハニカム構造体が形成する空間に、p型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物、もしくは請求項2に記載する混合粉体を充填した事を特徴とするフィルター構造材用の構造体。
【請求項6】
流体の流れ方向に対して直角に請求項3〜5のフィルター構造材を交互に複数、もしくは単列配置する事を特徴とするフィルター。
【請求項7】
高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅スラグの少なくとも1種以上で構成された粉体であり、該粉体を構成する鉄酸化物の1種以上がp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物と、木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物とを組み合わせて構成される混合粉体と該混合粉体を表層に被覆する事を目的とするセラミックス球体とを同一容器内に挿入し、然る後に内装材に遠心力を与える回転数で容器を回転させて該球体の表層に混合粉体の被覆層を形成した事を特徴とする機能性構造体。
【請求項8】
高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ、熱間圧延スケールおよび銅スラグの少なくとも1種以上で構成された粉体であり、該粉体を構成する鉄酸化物の1種以上がp型半導体特性を有する金属欠乏型不定比酸化物と、木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物とを組み合わせて構成される混合粉体を燒結処理して任意の形状に成形する事を特徴とする機能性構造体。
【請求項9】
腐食し難い金属材料もしくはプラスチック製作された流体に対して抵抗の少ないメッシュ構造を有する外装材で、その外装材の内寸法が請求項7に記載する球体の直径+1mm以内で外装材であって、その外装材内部に、請求項7に記載する球体を均一充填する事を特徴とするフィルター。
【請求項10】
請求項9のフィルター間に、木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭または/および活性炭等の炭化物で構成するフィルターを適宜配置する事を特徴とするフィルター。
【請求項11】
請求項8〜10において、空気清浄化用途および加湿装置に適用される事を特徴とするフィルター。
【請求項12】
請求項1の粉体をセラミッックスに練りこんで構成した各種の陶磁器。
【請求項13】
請求項1の混合紛体を焼成して得た例えば多孔質構造体で、ガソリンエンジン車およびディーゼルエンジン車からの排気ガスの酸化触媒用途に適用する事を特徴とする機能性構造体。
【請求項14】
請求項1〜13に記載するフィルター構成要素である混合粉体に金属銅または/およびp型半導体特性を有する銅酸化物を添加して構成される構造体がメチルカプタン、硫化水素等の硫黄を含有する臭い成分を分解除去する事を特徴とするフィルター用機能性構造体。

【図1】
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【公開番号】特開2007−75671(P2007−75671A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263292(P2005−263292)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(303066208)株式会社イスマンジェイ (15)
【出願人】(501295682)
【出願人】(593111060)株式会社金星 (15)
【出願人】(599118920)常裕パルプ工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】