説明

ハイブリッド車両用トランスミッション

ハイブリッド車両用トランスミッション(3)は,シフト要素(12)により駆動機械に結合可能としたトランスミッション入力軸(9)と,トルクを伝達するためにトランスミッション入力軸(9)と作動的に結合可能とした電気機械(7)とを有する。本発明においては,更なるシフト要素(8)により電気機械(7)を,トランスミッション入力軸(9)から分離可能とし,又はトランスミッション入力軸(9)に作動的に結合可能とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,請求項1の上位概念部分に記載した形式のハイブリッド車両用トランスミッションに係るものである。
【従来技術】
【0002】
既知のハイブリッド車両用トランスミッションは,この種のトランスミッションを装備した車両の重量又は負荷状態,牽引トレーラの積載状態,所望の登坂性能等に応じて,各種の構造的形態に基づいて純電気的な走行により縁石等を乗り越え可能としている。例えば,車両重量が大きい車両においては,ハイブリッド車両用トランスミッションの電気機械又はロータを遊星歯車装置により常に伝達比1.7でトランスミッション入力軸と結合させている。また,車両重量が小さい車両では電気機械又はロータをトランスミッション入力軸と伝達比1で直結させている。
【0003】
ハイブリッド車両用ドライブトレインにおける駆動機械は,通常は内燃エンジンで構成され,トランスミッション入力軸に対してシフト要素により結合可能とされている。この場合,上述したハイブリッド車両用トランスミッションにおいては,不都合なことに駆動部全体がトランスミッション入力軸から分離されるため,内燃エンジンのみによって車両を駆動することができない。
【0004】
更に,伝達比を一定とした形態のハイブリッド車両用トランスミッションの場合には,電気機械の領域で電気的に発生させる始動トルクが,トランスミッションの入力軸領域において従来のトランスミッションで内燃エンジンにより得られる始動トルクのレベルに達するものではない。
【0005】
このような理由から,電気機械に関連する蓄電装置が十分な充電状態を示しているにも関わらず,車両の負荷状態,実際に走行する斜面,縁石等に応じて,内燃機関に接続したままでの車両のいわゆる「非常発進」が必要となることがある。しかし,このような非常発進は,ハイブリッド車両の燃料消費を増加させるものであるために望ましくない。
【0006】
更に,前述した形態のハイブリッド車両用トランスミッションにおいては,電気機械のロータをトランスミッション入力軸から分離することができず,そのため電気機械に関連する蓄電手段が長距離走行の間に完全に充電され,車両が原則的に内燃機関のみで駆動されている長距離走行の間でも電気機械のロータ質量が共に回転し又は加速され,これによって燃料消費が更に増加することとなる。
【0007】
その上,前述した形態のハイブリッド車両用トランスミッションを装備した車両の最高速度は,電気機械の許容最高回転数によって制限される。これは,使用される電気機械の許容最高回転数が約4500回転/分であることに起因する。しかしながら,実質的にトランスミッション入力軸の回転数に相当する内燃エンジン回転数が2800回転/分であり,また,トランスミッション入力軸とロータ間の一定の伝達比が1.7である条件下では,電気機械のロータが4760回転/分で駆動され,使用される電気機械の許容最高回転数を超えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は,可及的に低い燃料消費でハイブリッド車両を駆動可能であり,電気機械領域における許容不能な回転数を構造的に簡潔な様式で回避可能としたハイブリッド車両用トランスミッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は,本発明によれば,請求項1に記載した特徴を有するハイブリッド車両用トランスミッションによって解決される。
【0010】
本発明に係るハイブリッド車両用トランスミッションは,シフト要素により駆動機械と結合可能としたトランスミッション入力軸を有する。更に,ハイブリッド車両用トランスミッションは,トルク伝達のためにトランスミッション入力軸と作動的に結合可能とした電気機械を有する。
【0011】
本発明においては,更なるシフト要素を備え,この更なるシフト要素により電気機械を,トランスミッション入力軸から分離可能とし,又はトランスミッション入力軸と作動的に結合可能とする。
【0012】
そのため,長距離走行の間に電気機械をトランスミッション入力軸から分離し,純粋に内燃エンジンのみで駆動されている間に車両を可及的に低い燃料消費で駆動することが,単純な方法により可能となるものである。
【0013】
更に,電気機械とトランスミッション入力軸との間の領域において,電気機械とトランスミッション入力軸とを作動的な結合状態に切り換えることができるため,これに対応して高い伝達比に設定することが可能である。この伝達比は,電機機械に関連する蓄電装置の充電状態が不十分である場合にのみ,内燃機関として構成された追加的な駆動機械による非常発進を行わせるものである。そのため,トランスミッション入力軸が駆動機械と結合するシフト要素の領域における負荷が減少し,同様に車両の燃料消費を低下させることができる。
【0014】
また,更なるシフト要素の領域において電気機械がトランスミッション入力軸から分離可能とされているため,車両の最高速度を簡潔な様式で,電気機械の許容最高回転数に左右されずに実現することが可能であり,これによりハイブリッド車両を,ハイブリッド駆動システムが装備されていない従来の車両と同様な速度で駆動することができる。
【0015】
加えて,本発明に係るハイブリッド車両用トランスミッション構造は,1つのハイブリッド駆動システムのみで多様な車両,例えば配送車両やバス等に適用することが可能である。
【0016】
本発明に係るハイブリッド車両用トランスミッションの更なる利点及び好適な実施形態は,特許請求の範囲及び後述の図面により詳述された実施形態により証明される。なお,各実施形態については,構成及び機能において同等の構成要素を,同一の参照符号を付して説明するものとする。
【0017】
本発明に係るハイブリッド車両用トランスミッションについて従属請求項に記載した特徴や,後述の実施形態に関連して記載した特徴は,それぞれ単独で,又は任意に組み合わせて適用することができ,本発明の対象を発展させることに適している。それぞれの特徴の組み合わせは,本発明による対象の発展形態を何ら制約するものでなく,本質的に単なる例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ハイブリッド車両用ドライブトレインの概要を示す略線図である。
【図2】図1に示すハイブリッド車両用ドライブトレインに含まれるトランスミッションの第1実施形態として,トランスミッション入力部分を示す略線図である。
【図3】図1のハイブリッド車両用ドライブトレインにおけるトランスミッションの第2実施形態を示す,図2に対応する略線図である。
【図4】図1のハイブリッド車両用ドライブトレインにおけるトランスミッションの第3実施形態を示す,図2に対応する略線図である。
【図5】図1のハイブリッド車両用ドライブトレインにおけるトランスミッションの第4実施形態を示す,図2に対応する略線図である。
【図6】図1のハイブリッド車両用ドライブトレインにおけるトランスミッションの第5実施形態を示す,図2に対応する略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように,ハイブリッド車ドライブトレイン1は,駆動機械2と,前進及び後進走行のために異なる変速段に切り換え可能なハイブリッド車両用トランスミッション3と,差動ユニット4と,2本の車両軸5,6を含んでおり,本例において車軸5は後車軸であり,車軸6は前車軸6である。
【0020】
ハイブリッド車両用トランスミッション3は,図2〜図6に示すように電気機械7を含み,この電気機械7は,形状密着結合型のシフト要素8により,後述する態様でトランスミッション入力軸9と作動的に結合可能とされている。形状密着結合型のシフト要素8は,用途に応じて多板型摩擦クラッチ又は同期化手段として構成することができる。
【0021】
更にハイブリッド車両用トランスミッション3は,前進走行及び後進走行のための異なる変速段を実行できる変速域を有している。この変速域自体は,そのつど現出するハイブリッド車両用ドライブトレイン1の作動状況に応じてそれぞれ要求される変速段を実行できるよう,任意の方法で実現することができる。
【0022】
ハイブリッド車両用ドライブトレイン1の図1に示す実施形態において,駆動機械2は内燃エンジンとして構成されているが,好適な実施形態においては電気機械として実現することもできる。差動ユニット4は,ハイブリッド車両用トランスミッション3と車軸5との間に配置されている。また,車軸5は,車両の各側において少なくとも1つの駆動輪10,11と既知の態様で結合されている。
【0023】
駆動機械2は,摩擦結合型として構成されたシフト要素12により,トランスミッション入力軸9と結合可能とされており,これにより駆動機械2で発生されたトルクをハイブリッド車両用トランスミッション3及び車軸5に向けて伝達可能とされている。駆動機械2,電気機械7及びシフト要素8,12の作動状態に応じて,ハイブリッド車両用ドライブトレイン1は異なる状況下で作動させることが可能である。
【0024】
そのため,例えばシフト要素12が解放されており,駆動機械2が残りのハイブリッド車両用ドライブトレイン1の残部から分離されている場合,ハイブリッド車両用ドライブトレイン1を装備した車両を純粋に電気モーターによって駆動することが可能であり,その際に電気機械7は形状密着結合型シフト要素8により,トランスミッション入力軸9に結合されている。
【0025】
更に,シフト要素12が解放されており,ハイブリッド車両用ドライブトレインが減速作動している間,形状密着結合型シフト要素8が締結しているために,発電機として作動する電気機械7の領域で制動エネルギを回収することが可能である。摩擦結合型シフト要素12が締結されている場合にも,エネルギ回収が実行可能である。
【0026】
摩擦結合型シフト要素12が締結され,かつ,形状密着結合型シフト要素8が解放されている場合には,ハイブリッド車両用ドライブトレイン1を装備した車両を純粋に駆動機械2,即ち内燃エンジンにより駆動することが可能である。ハイブリッド車両用ドライブトレイン1における,いわゆるブースト駆動は,両シフト要素8,12が締結された駆動状態で行われ,このブースト駆動の間は車軸5に対して駆動機械2のみならず,電気機械7の駆動トルクも供給される。
【0027】
駆動機械2と形状密着結合型シフト要素12の間には振動ダンパ13が配置されており,駆動機械2の回転ムラに由来する振動が,振動ダンパ13により緩衝された状態でハイブリッド車両用トランスミッション3に,したがってハイブリッド車両におけるドライブトレイン1の残余領域に伝達される。
【0028】
形状密着結合型シフト要素8は,2つの切換位置S1,S2間で切換可能とされている。電気機械7は,形状密着結合型シフト要素8の第1切換位置S1においてトランスミッション入力軸9から分離され,第2切換位置S2においてはトランスミッション入力軸9と結合する。
【0029】
更に,電気機械7とトランスミッション入力軸9の作動結合領域においては,トランスミッションポンプ14がトランスミッション入力軸9と作動的に結合している。その結果,駆動機械2及び電気機械7によってトランスミッションポンプ14を駆動することが可能である。そのために簡単な態様をもって,ハイブリッド車両用トランスミッションにおいて作動流体を供給すべき各構成要素に対し,ハイブリッド車両用トランスミッションの機能に必要とされる作動圧を確実に作用させ,又は確実に供給することが可能である。
【0030】
図3〜図6に示すハイブリッド車両用トランスミッション1の更なる実施形態は,図2に示した実施形態と一部のみが相違しているため,以下,主として相違点について説明する。ハイブリッド車両用トランスミッションの更なる機能については,図2に関する記載を参照されたい。
【0031】
図3に示すハイブリッド車両用トランスミッション3の実施形態においては,形状密着結合型シフト要素8により電気機械7とトランスミッション入力軸9が作動的結合状態に切り換えられる領域に,遊星歯車装置15が配置されている。電気機械7のロータ7Aは,シフト要素8の第2切換位置S2において,遊星歯車装置15の内歯歯車16と相対回転不能に結合し,形状密着結合型シフト要素8の第1切換位置S1において,内歯歯車16から分離される。電気機械7のスタータ要素7Bは,遊星歯車装置15の太陽歯車17と同じ円周上でハウジング側に固定される。
【0032】
図3のトランスミッション入力軸9は,遊星歯車装置15の遊星キャリア18と相対回転不能に結合し,したがって形状密着結合型シフト要素8の第2切換位置S2においては電気機械7のトルクが例えば伝達比1.7で伝達される。しかし,用途に応じて遊星歯車装置15の伝達比を1.7に対して増減させることも可能である。
【0033】
図4に示すハイブリッド車両用トランスミッション3の実施形態においては,遊星歯車装置15の内歯歯車16がハウジング側に固定され,遊星キャリア18は形状密着結合型シフト要素8の第2切換位置S2においてトランスミッション入力軸9と作動的に結合し,ロータ7Aは遊星歯車装置15の太陽歯車17と相対回転不能に結合している。
【0034】
前述したとおり,ロータ7Aが遊星歯車装置15と結合している場合,電気機械7から供給されたトルクは,形状密着結合型シフト要素8が締結されている状態において例えば2.7の伝達比でトランスミッション入力軸に伝達される。ロータ7Aは,形状密着結合型のシフト要素8の第1切換位置S1において,トランスミッション入力軸9から分離されている。
【0035】
図5はハイブリッド車両用トランスミッション3の第4の実施形態を示す図2に対応する略線図である。図5において,形状密着結合型シフト要素8は,異なる3つの切換位置S1,S2,S3に切換可能である。第1切換位置S1においては電気機械7のロータ7Aが,トランスミッション入力軸9と遊星歯車装置15の内歯歯車16から結合が解除され,これによって電気機械7のトルクがトランスミッション入力軸9に伝達されなくなり,そのためにハイブリッド車ドライブトレイン1の残余部分にもトルクが伝達されない。形状密着結合型シフト要素8の第2切換位置S2においては,電気機械7のロータ7Aがトランスミッション入力軸9と直結されると共に,遊星歯車装置15の内歯歯車16から分離される。そのため,第2切換位置S2では,電気機械7のトルクが伝達比1をもってトランスミッション入力軸9に伝達される。
【0036】
形状密着結合型シフト要素8の第3切換位置S3においては,電気機械7がロータ7Aの領域で遊星歯車装置15の内歯歯車16と相対回転不能に結合し,ロータ7Aとトランスミッション入力軸9の直結が解除される。トランスミッション入力軸9は再び遊星歯車装置15の遊星キャリア18と相対回転不能に結合し,太陽歯車17は再びハウジング側に固定され,そのために電気機械7のトルクは形状密着結合型シフト要素8の第3切換位置S3においては,伝達比1.7でトランスミッション入力軸9に伝達される。
【0037】
図6に示すハイブリッド車両用トランスミッション3の第5実施形態においては,形状密着結合型シフト要素8が異なる3つの切換位置S1〜S3に切換可能である。電気機械7は,ロータ7Aの領域で遊星歯車装置15の太陽歯車17と相対回転不能に結合している。トランスミッション入力軸9は,再び遊星キャリア18に結合されている。遊星歯車装置15の内歯歯車16は,形状密着結合型シフト要素8の第1切換位置において,ハイブリッド車両用トランスミッション3のハウジング19及びトランスミッション入力軸9との結合が解除される。
【0038】
形状密着結合型シフト要素8の第2切換位置S2において,内歯歯車16はハウジング側に固定され,この場合に電気機械7のトルクは例えば伝達比2.7でトランスミッション入力軸9に伝達される。形状密着結合型シフト要素8が第3切換位置S3に移動すると,内歯歯車16がトランスミッション入力軸9に相対回転不能に結合され,遊星歯車装置15は拘束作動状態となる。そのため,形状密着結合型シフト要素8の第3切換位置S3において,電気機械7のトルクは伝達比1で,即ち直接的にトランスミッション入力軸9に伝達される。
【0039】
ハイブリッド車両用トランスミッション3の第4実施形態及び第5実施形態において,ハイブリッド車ドライブトレイン1は,トランスミッション3のトランスミッション入力領域において,電気機械7とトランスミッション入力軸9との間のそれぞれ異なる変速段で作動可能である。したがって,電気機械は,その都度の運転状況に応じて最適な作動点で作動させることが可能である。更に,電気機械7は,トランスミッション入力軸9からも結合を解除することが可能であるため,ハイブリッド車ドライブトレイン1を装備した車両の燃料消費を,運転状況に応じて簡単な様式で低下させることが可能である。
【0040】
図6に示すハイブリッド車両用トランスミッション3の第5実施形態において,電気機械7は遊星歯車装置15全体と共に,形状密着結合型シフト要素8によりトランスミッション入力軸9との結合を解除することができる。したがって,特に長距離走行の間に遊星歯車装置15及び電気機械7の領域において部材への負荷がより低下し,遊星歯車装置15における歯車の係合域での騒音発生も抑制され,ドラグトルクが減少するため,ハイブリッド車ドライブトレイン1を装備した車両の燃料消費を低下させることが可能である。
【0041】
原則的に,形状密着結合型シフト要素8は,ハイブリッド車両用トランスミッション3の何れの図示形態においても,電機機械7を対応作動させることにより,切換位置S1,S2の間で無負荷切り換えを行い,又は切換位置S1〜S3において同期化させることが可能であり,また,電気的又は油圧的アクチュエータ,例えばシフトフォークにより作動させることができる。
【0042】
したがって,例えば電気機械7のロータ7Aがトランスミッション入力軸9との結合を解除された場合,電気機械の駆動トルクが短期的に低下し,作動装置によって形状密着結合型シフト要素8のシフトスリーブを僅かな操作力で移動させることが可能であり,この移動によってロータ7Aは,トランスミッション入力軸9又は遊星歯車装置15の内歯歯車16から分離されるものである。
【0043】
電気機械7のロータ7Aと,トランスミッション入力軸9,即ち遊星歯車装置15の内歯歯車16とを作動的に結合させる場合,電気機械7をそれに対応するよう作動させることにより,電気機械7と結合している形状密着結合型シフト要素8の要素半部をトランスミッション入力軸9の回転数に適合させることができる。これにより,シフト要素8を僅かな係合力によりそれぞれ所要の係合位置まで移動させることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ハイブリッド車ドライブトレイン
2 駆動機械
3 ハイブリッド車両用トランスミッション
4 差動ユニット
5,6 車軸
7 電気機械
7A ロータ
7B スタータ
8 形状密着結合型シフト要素
9 トランスミッション入力軸
10,11 駆動輪
12 摩擦結合型シフト要素
13 振動ダンパ
14 トランスミッションポンプ
15 遊星歯車装置
16 内歯歯車
17 太陽歯車
18 遊星キャリア
19 トランスミッションハウジング
S1〜S3 シフト要素の切換位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフト要素(12)により駆動機械(2)に結合可能としたトランスミッション入力軸(9)と,トルクを伝達するためにトランスミッション入力軸(9)と作動的に結合可能とした電気機械(7)とを有するハイブリッド車両用トランスミッション(3)において,更なるシフト要素(8)を備え,該シフト要素(8)により電気機械(7)を,トランスミッション入力軸(9)から分離可能とし,かつ,トランスミッション入力軸(9)に作動的に結合可能としたことを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,電気機械(7)が,前記更なるシフト要素(8)の第1の切換位置(S1)でトランスミッション入力軸(9)から分離され,かつ,前記更なるシフト要素(8)の第2の切換位置(S2)でトランスミッション入力軸(9)に結合されることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,電気機械(7)とトランスミッション入力軸(9)との間の切換可能な作動結合領域内に,遊星歯車装置(15)が設けられていることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項4】
請求項3に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,遊星歯車装置(15)が,シフト要素(8)により拘束可能であることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項5】
請求項3に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,遊星歯車装置(15)が,トランスミッション入力軸(9)と電気機械(7)を作動的に結合可能とする前期更なるシフト要素(8)により拘束可能であることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,前記更なるシフト要素(8)の第2の切換位置(S2)で,遊星歯車装置(15)が非拘束の作動状態となることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項7】
請求項3〜6の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,前記更なるシフト要素(8)の第3の切換位置(S3)で,電気機械(7)がトランスミッション入力軸(9)と作動的に結合し,遊星歯車装置(15)が拘束された作動状態となることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項8】
請求項3〜7の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,遊星歯車装置(15)の太陽歯車(17)がハウジング側に固定され,内歯歯車(16)は前記更なるシフト要素(8)により電気機械(7)のロータ(7A)と結合可能とされ,遊星キャリア(18)がトランスミッション入力軸(9)に結合されていることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項9】
請求項3〜7の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,遊星歯車装置(15)の内歯歯車(16)がハウジング側に固定され,遊星キャリア(18)が前記更なるシフト要素(8)により前記トランスミッション入力軸(9)と結合可能とされ,太陽歯車(17)が電気機械(7)のロータ(7A)と結合されていることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項10】
請求項3〜7の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,遊星歯車装置(15)の前記内歯歯車(16)が,前記更なるシフト要素(8)によりハウジング側に固定可能とされ,又はトランスミッション入力軸と結合可能とされ,遊星キャリア(18)がトランスミッション入力軸(9)と作動的に結合されており,太陽歯車(17)が電気機械(7)のロータ(7A)と結合されていることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のハイブリッド車両用トランスミッションにおいて,前記更なるシフト要素(8)が形状密着結合型シフト要素として構成されており,該シフト要素が,好適には電気機械(7)により同期化できることを特徴とするハイブリッド車両用トランスミッション。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−510027(P2013−510027A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535727(P2012−535727)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065303
【国際公開番号】WO2011/054637
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】