説明

ハンダ片を搭載した表面実装型回路部品

【課題】リード端子をランドパターンに接合固定するハンダフィレットを形成するためのハンダ片が搭載可能であり、さらに加熱溶融したハンダ片が良好にリード端子から流下してハンダフィレットが形成される表面実装型回路部品を提供する。
【解決手段】プリント基板20のランドパターン21に接合されるフットプリント15を備える実装片13と、該実装片13から立ち上がる立片14とを有するリード端子12が設けられた表面実装型回路部品10において、前記立片14には、前記実装片13のフットプリント15を臨む通孔17または凹溝18が形成されていることを特徴とする表面実装型回路部品10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路のプリント基板にハンダ付けされる表面実装型回路部品に関し、さらに詳しくはハンダ片を予め搭載し実装性に優れる表面実装型回路部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップやトランスなどに代表される回路部品をプリント基板に実装する手段としては、プリント基板のランドパターンに対して回路部品のリード端子のフットプリントを直接ハンダ接合する表面実装(サーフェイスマウント)方式が広く行われている。表面実装方式は、従来のピン実装方式と比べてスルーホールの穿設が不要であるため、多層基板への配線自由度や実装密度の向上が可能である。
【0003】
従来の回路部品をランドパターンに表面実装する一般的な態様を図4(a),(b)に示す。表面実装型の回路部品110は、電子部品素子をハウジングに収納するかまたは樹脂外装するなどして直方体状に被覆形成した外装ケース41と、その対向する側面からそれぞれ外側に導出された導電性のリード端子12とを有することが通常である。リード端子12は、電子部品素子からまず略水平に導出された後、外装ケース41の側面に沿うように下方に直角に折り曲げられて立片14が形成され、さらに折曲部16にて外装ケース41の外側、または同図に示すように内側に向かってL字状に折り曲げられて実装片13が形成される。
かかる回路部品110を搭載するプリント基板20には、導電性のランドパターン21が、対応する実装片13のフットプリント15を包含するサイズおよび位置に設けられている。ランドパターン21には信号線22を通じて電流が供給される。
【0004】
実装片13のフットプリント15をランドパターン21にハンダ付けするに際しては、実装作業の効率化のため、メタルマスク(図示せず)を介してハンダチップ30が予めランドパターン21に印刷塗布されることが一般的である(同図(a))。
かかるプリント基板20に回路部品110を載置し、リード端子12を通じて加熱することでハンダチップ30がリフローされると、溶融ハンダは毛管力によって実装片13のフットプリント15とランドパターン21との間に展開し、冷却硬化とともに両者を接合する(同図(b))。
このようにリード端子12を断面L字状に成形することで、外装ケース41に収納された電子部品素子に電流を供給するリード端子12を導電性のランドパターン21に表面実装することができる。さらに、同図に示すようにリード端子12の先端を外装ケース41の内側に折り曲げて実装片13を外装ケース41の下に配置することにより、回路部品110の実装面積を外装ケース41の外形寸法と略一致させることができるため、回路部品110の実装密度を高めることができる。
【0005】
しかし、昨今の電気回路の大電流化や高周波化に伴い、限られた実装面積に対して回路部品の大型化が求められており、特にトランスやコイルアンテナなどのコイル部品、および集積回路部品についてはその傾向が顕著である。ハンダ接合部に負荷される振動、衝撃などの外部荷重は回路部品の大型化に伴って増大することから、特に上記の回路部品については実装片の剥離強度を向上する必要がある。このため同図(b)に示すように、断面L字状のリード端子12の外側にハンダフィレット32を形成することで、リード端子12の実装片13とランドパターン21とを接合するハンダ層31が、外部荷重負荷によって折曲部16において開裂したり、または生じたピールが伸展したりしないよう、折曲部16のモーメント強度を向上する補強を行うことが通常である。
【0006】
しかし、リード端子12の幅方向に沿って十分な量のハンダフィレット32を形成するにあたっては、メタルマスクを介して印刷塗布されるハンダチップ30のみではハンダ量が不足するため、リード端子12ごとに別途ハンダを供給しなければならないという問題がある。これは、ハンダチップ30の印刷塗布は、作業効率の観点から大型の回路部品110を含むすべての表面実装型回路部品を実装する多数のランドパターンのすべてに対して均一かつ同時に行われるため、大型の回路部品110を接合するランドパターン21にのみ厚いハンダチップ30を与えることが困難であることに起因する。すなわちハンダチップ30を加熱してなるリフローハンダの一部(例えば全量に対する半分)にて実装片13のフットプリント15とランドパターン21とを接合し、他の一部(例えば残りの半分)をリード端子12の外側に引き出してフィレット状に成形することを試みた場合は、ハンダ量が全体に不足し、実装片13に所望の剥離強度を得ることができない。
【0007】
そこでハンダの上記不足分を補うための発明として、下記特許文献1ではフィレット形成用のハンダ片をリード端子に予め埋設したチップ型電子部品が提案されている。かかる発明は、リード端子の立片の中腹に一つまたは複数の空孔部を設けてこれにハンダ片を埋設することにより(特許文献1:図1,2を参照。)ハンダフィレットを形成するに十分な量のハンダが供給され、さらには他のハンダ片を実装片の内部に埋設することで、ランドパターンにハンダチップをメタルマスク塗布することをも不要とするものである。
【0008】
【特許文献1】特開平7−22277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし上記特許文献1に記載のリード端子では、ハンダフィレットを形成する実装作業において問題が生じる。
すなわち上記リード端子の立片に埋設されたハンダ片を加熱溶融したとしても、溶融ハンダは空孔部からランドパターンにむかって直ちに流下するのではなく、まず空孔部の内縁を乗り越え、さらに立片の表面を伝って下方のランドパターンに向かって流れ落ちてゆくという挙動をとることから、相当量の溶融ハンダが空孔部内やリード端子の立片の面上に残り、これが冷却されて再凝固することとなる。かかるハンダの残留および再凝固は、リード端子の美観を損ねるのみならず、ハンダの不足をもたらすこととなる。このため、立片の中腹に埋設したハンダ片を加熱溶融してハンダフィレットを綺麗に形成することはきわめて困難であるといえる。
したがって上記特許文献1に記載のリード端子を用いる場合、空孔部の内部や立片の面上に残留するハンダの量を見越して予め大量のハンダを空孔部に埋設するか、または溶融ハンダをリード端子の外側に掻き出すための特別な冶具装置や作業工程を要するという問題がある。
さらにかかるリード端子では、溶融ハンダのうちリード端子の外側に流れ出してフィレットを形成するものと、リード端子の内側に流れ込んでしまうものとが存在することとなるところ、後者は電子部品素子の外装樹脂を熱損傷させるという問題をもたらす。
【0010】
本発明は、上記従来のリード端子を備えた回路部品の有する課題を解決するためになされたものであり、すなわちリード端子をランドパターンに接合固定するハンダフィレットを形成するためのハンダ片が搭載可能であり、さらに加熱溶融したハンダ片が良好にリード端子から流下してハンダフィレットが形成される表面実装型回路部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明では、リード端子の立面に搭載されたハンダ片が加熱されて溶融ハンダとなった際に、これが前記立面上を伝って流れ落ちるのではなく、搭載された位置から立面と接触することなく直にランドパターンに至ることを可能とした。
すなわち本発明は、
(1)プリント基板のランドパターンに接合されるフットプリントを備える実装片と、該実装片から立ち上がる立片とを有するリード端子が設けられた表面実装型回路部品において、
前記立片には、前記実装片のフットプリントを臨む通孔が形成されていることを特徴とする表面実装型回路部品;
(2)プリント基板のランドパターンに接合されるフットプリントを備える実装片と、該実装片から立ち上がる立片とを有するリード端子が設けられた表面実装型回路部品において、
前記立片の外側には、前記実装片のフットプリントを臨む凹溝が形成されていることを特徴とする表面実装型回路部品;
(3)前記通孔にハンダ片が搭載されている上記(1)記載の表面実装型回路部品、または前記凹溝にハンダ片が搭載されている上記(2)記載の表面実装型回路部品;
を要旨とする。
【0012】
また本発明においては、
(4)通孔が前記実装片と立片とにまたがって形成されている上記(1)に記載の表面実装型回路部品;
(5)凹溝が前記実装片と立片とにまたがって形成されている上記(2)に記載の表面実装型回路部品;
(6)凹溝がリード端子をプレス成形してなる上記(2)または(5)に記載の表面実装型回路部品;
(7)立片に形成された通孔が、前記フットプリントに向かって幅広となるテーパー形状である上記(1)または(4)に記載の表面実装型回路部品;
(8)立片に形成された凹溝が、前記フットプリントに向かって幅広となるテーパー形状である上記(2)、(5)または(6)に記載の表面実装型回路部品;
によっても上記課題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる表面実装型回路部品(以下、「回路部品」と略記することがある。)によれば、リード端子の立片に通孔または凹溝を設けてハンダ片を搭載することにより、プリント基板のランドパターンに予め塗布されるハンダチップの厚さを変えることなくハンダフィレットを形成するための十分な量のハンダが供給される。
さらに本発明によれば、ハンダ片を搭載するための通孔や凹溝が実装片のフットプリントを臨む態様で設けられているため、回路部品の外側から加熱してハンダ片を溶融させることにより、溶融ハンダは自重によりランドパターンに直ちに流下する。ランドパターン上では、溶融ハンダはその毛管力と表面張力により実装片のフットプリントに沿ってフィレットを形成する。
このように、本発明においては溶融ハンダの流下が妨げられることがないため、通孔や凹溝にハンダが残留することがない。したがって実装作業が効率的に行われ、残留ハンダが回路部品の美観を損なうことがなく、さらにハンダフィレットの形状およびサイズを再現性よく形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて具体的に説明する。図1(a)は、本発明の第一の実施の形態にかかる回路部品10の下面側(腹側)を表す斜視図であり、同図(b)はそのb−b断面を表す模式図である。
本実施の形態にかかる回路部品10は、図4(a)に示す従来の回路部品110に対し、リード端子12の立片14に実装片13のフットプリント15を臨む通孔17が形成されていることを特徴とするものである。従来の回路部品110と共通する構成については、繰り返しの説明は省略する。
【0015】
回路部品10は、電子回路のプリント基板20(図4を参照)に表面実装される電子部品であれば限定されるものではないが、ハンダフィレットにより高い実装剥離強度を得るという本発明の目的に鑑み、特にICチップ部品、コイルアンテナ、トランス、インダクタ等のコイル部品などを特にその対象とする。したがって外装ケース41に収納される電子部品素子40としては、例えば集積回路やコイル巻線を巻成したバーコアなどが例示される。
【0016】
リード端子12の形状や本数は回路部品10の種別によって様々である。例えば電子部品素子40が集積回路の場合は、信号線の数に応じた複数本の短冊状のリード端子12が外装ケース41の対向する側面から略水平に導出され、さらに外装ケース41に対して下方および外方に二度直角に折り曲げられた、いわゆるガルウイング型が一般的である。これに対し、電子部品素子40がコイルアンテナやトランスなどのコイル部品の場合は、図1各図に示すように平板状のリード端子12がコイル巻線の本数に応じて外装ケース41から導出され、実装片13は外装ケース41の内側に折り曲げられることが一般的である。
【0017】
本実施の形態においては実装片13のフットプリント15が外装ケース41の直下に配設される態様を例示するが、本発明はこれに限られるものではない。また外装ケース41が円筒状や六角柱状など直方体状以外の形状の場合、あるいはリード端子12が外装ケース41の一の側面のみから導出されている場合、隣り合う側面から導出されている場合、または上面から導出されている場合などについても本発明を適用し得る。
【0018】
本実施の形態にかかる回路部品10の特徴である通孔17は、ハンダフィレットを形成するためのハンダ片を搭載するものである。ハンダ片をリード端子12の面上に載置するのではなく、通孔17の内部に埋設する態様とすることで、ハンダ片がリード端子12によって保護され、回路部品10の移送中や実装作業中などにこれが脱落することがない。
【0019】
通孔17は、リード端子12の立片14の面内下方に形成され、立片14の法線方向から見た場合に通孔17を通じて実装片13の断面およびフットプリント15が視認可能である。すなわち立片14の面内における通孔17の形状は、下方の実装片13のフットプリント15に向かって開口している。
【0020】
図1(a)に例示する通孔17は、リード端子12の立片14から折曲部16を介して実装片13にまたがって形成された楕円形状であるため、立片14の面内における通孔17の形状は半楕円形(釣鐘型、逆U字型)であり、またこれが立片14の面内下方において下方に向かって開口しているため上記の要件を満たす。
【0021】
ただし通孔17の形状については、上記の他は特に限定されるものではなく、実装片13にまたがることなく立片14にのみ形成されていてもよく、また立片14の面内における通孔17の形状は釣鐘型のほか、半円形、矩形、三角形(逆V字型)またはこれらの組み合わせなども採り得る。
【0022】
また通孔17の個数については、リード端子12ごとに一つであっても複数であってもよい。また複数のリード端子12を備える回路部品10については、各リード端子12に設けられる通孔17の形状や個数が互いに相違していてもよい。図1に示す本実施の形態においては、通孔17はリード端子12ごとに各3つずつ幅方向に横並びに穿設された態様を例示するものである。
【0023】
本実施の形態にかかるリード端子12は、例えば金属板に楕円形の貫通孔を横並びに3つ穿設し、かかる3つの貫通孔をいずれも通る曲げ線にて金属板を折り曲げて得ることができる。またこのほか、予め折り曲げまたは切削にてコ字状またはL字状のリード端子を成形した上で、通孔17を打ち抜き加工してもよい。
【0024】
図2(a)は、本実施の形態にかかる回路部品10のリード端子12に形成された複数の通孔17に、それぞれハンダ片33を搭載した状態を示す下面側の斜視図である。実装片13と立片14とにまたがって形成された楕円形の通孔17には、同形状に成形されたハンダ片33が嵌合固定されている。
【0025】
ハンダ片33には、ハンダまたはクリームハンダを用いることができる。これらのハンダ材料を溶融または半溶融状態に加熱して通孔17に流し入れるか、または固体のハンダ材料を通孔17の形状にあわせて成形し、これを通孔17に嵌入するなどの方法により、ハンダ片33を通孔に搭載することができる。
【0026】
ただし本発明においては、必ずしも通孔17をハンダ片33によって埋め尽くす必要はなく、一部空隙が残されていてもよい。逆にハンダ片33が通孔17から一部突出した態様で搭載されていてもよい。
【0027】
本発明にかかる回路部品10は、リード端子12の立片14に、実装片13のフットプリント15を臨む通孔17を有している。このため、通孔17にハンダ片33が搭載された回路部品10をプリント基板20(図4参照)に接合する際には、ハンダ片33の直下にランドパターン21(図4参照)が位置することとなる。このため、ハンダ片33がリフロー工程にて加熱されて溶融した場合、かかる溶融ハンダは立片14の表面と接触することなく通孔17からランドパターン21に直接落下することができる。
【0028】
また本実施の形態については、立片14の面内における通孔17の形状が上に凸の半楕円形である。このように、立片14に形成された通孔17が下方に向かって幅広となるテーパー形状であることにより、リフローしたハンダ片33が立片14の内部に残留することがないため、ハンダ片33を無駄なくハンダフィレットの形成に充てることができる。
【0029】
図2(b)は、同図(a)に示す回路部品10を、ハンダチップ30(同図では図示せず)の印刷塗布されたランドパターン21に載置し、さらにリード端子12を加熱してハンダ片33およびハンダチップ30を溶融させ、ハンダ層31とハンダフィレット32とを形成した状態を回路部品10の下面側から見上げる向きに示す斜視図である。すなわち、ハンダ層31の下面にはプリント基板20のランドパターン21(同図では図示せず)が当接している。
【0030】
加熱溶融したハンダ片33は、立片14からは上記のごとく好適に脱離してランドパターン21に流下し、実装片13からは一部がリード端子12の外側に流れ出し、また一部は溶融したハンダチップ30と混合してフットプリント15とランドパターン21との間に展開する。
ハンダ片33が加熱溶融して通孔17よりランドパターン21に流出した溶融ハンダは、毛管力によって折曲部16の稜線に沿ってリード端子12の幅方向に展開し、また溶融ハンダの自重、表面張力およびリード端子12に対する表面自由エネルギーとのバランスによってハンダフィレット32が形成される。
また、フットプリント15とランドパターン21との間に展開したハンダ層31とともに、ハンダフィレット32は冷却硬化して回路部品10とランドパターン21とを接着接合する。
【0031】
なお、本発明においてはハンダチップ30の使用は任意である。すなわち通孔17にハンダ片33を十分に搭載することにより、メタルマスクによるハンダチップ30の印刷塗布を不要とすることも可能である。
【0032】
このように、本発明にかかる回路部品10によれば、印刷塗布するハンダチップ30を肉厚に形成することなく、また表面実装時に別途フローハンダや手付けハンダを供給することなく、ハンダフィレット32を好適に形成し、高い実装剥離強度を実現することができる。
【0033】
図3に、本発明の第二の実施の形態にかかる回路部品10を示す。同図(a)は下面側からみた斜視図であり、同図(b)はそのb−b断面図である。
本実施の形態にかかる回路部品10は、リード端子12の立片14の外側に、実装片13のフットプリント15を臨む凹溝18が形成されていることを特徴とする。
【0034】
すなわち第一の実施の形態においてリード端子12に形成した通孔17に代えて、本実施の形態にかかるリード端子12には、外装ケース41の反対側、すなわち回路部品10の外方に凹溝18が形成されており、該凹溝18にハンダ片33(同図においては図示せず)を搭載することができる。
【0035】
凹溝18は、立片14の面内下方に設けられ、実装片13のフットプリント15に向かって開口している。なお上記要件を除いては、凹溝18の形状、深さ、個数については特に限定されるものではない。また凹溝18は立片14にのみ形成されていても、立片14から折曲部16を介して実装片13にまたがって形成されていてもよい。また凹溝18は、第一の実施の形態の通孔17と同様、立片14の面内における形状が、フットプリント15に向かって幅広となるテーパー形状とすることにより、リフローしたハンダ片33が凹溝18の内部に残留せず、迅速にランドパターン21に向かって流下する。
【0036】
本実施の形態として図3(a)に例示する凹溝18は釣鐘型をなし、また立片14の面内にのみ形成されている。同図に示す凹溝18を横並びに3つ備えるリード端子12は、例えば金属板をプレス成形によって横並びに3つの釣鐘型の凹溝18をまず形成し、各凹溝18の底辺を結ぶラインを折曲部16としてプレス面を山折りすることで得ることができる。
【0037】
このように凹溝18をプレス成形して得ることにより、リード端子12には凹溝18の背面、すなわち外装ケース41に相対する面に凸部19が形成される。これにより、同図(b)に示すように外装ケース41とリード端子12とは凸部19を当接させて接合されることとなるため、立片14に搭載されるハンダ片33が外装ケース41と接触することが回避されるとともに、ハンダ片33の充填工程やリフロー工程においては、電子部品素子40に対する熱損傷の虞も回避可能である。
さらに、凹溝18が立片14の面内のみに形成されていることにより、凹溝18に搭載されたハンダ片33が加熱溶融した場合に、フットプリント15の下面に流れ込む量を抑制し、すなわちリード端子12とランドパターン21との間に設計どおりのサイズのハンダフィレットを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)本発明の第一の実施の形態にかかる表面実装型回路部品の斜視図であり、(b)そのb−b断面図である。
【図2】(a)リード端子の通孔にハンダ片を搭載した状態を示す斜視図である。(b)溶融ハンダによりハンダフィレットが形成された状態を示す斜視図である。
【図3】(a)本発明の第二の実施の形態にかかる表面実装型回路部品の斜視図であり、(b)そのb−b断面図である。
【図4】(a)従来の表面実装型回路部品とプリント基板を示す斜視図である。(b)従来の表面実装型回路部品をプリント基板に接合しハンダフィレットを形成した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
10,110 回路部品
12 リード端子
13 実装片
14 立片
15 フットプリント
16 折曲部
17 通孔
18 凹溝
19 凸部
20 プリント基板
21 ランドパターン
22 信号線
30 ハンダチップ
31 ハンダ層
32 ハンダフィレット
33 ハンダ片
40 電子部品素子
41 外装ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板のランドパターンに接合されるフットプリントを備える実装片と、該実装片から立ち上がる立片とを有するリード端子が設けられた表面実装型回路部品において、
前記立片には、前記実装片のフットプリントを臨む通孔が形成されていることを特徴とする表面実装型回路部品。
【請求項2】
プリント基板のランドパターンに接合されるフットプリントを備える実装片と、該実装片から立ち上がる立片とを有するリード端子が設けられた表面実装型回路部品において、
前記立片の外側には、前記実装片のフットプリントを臨む凹溝が形成されていることを特徴とする表面実装型回路部品。
【請求項3】
前記通孔にハンダ片が搭載されている請求項1記載の表面実装型回路部品、または前記凹溝にハンダ片が搭載されている請求項2記載の表面実装型回路部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−329411(P2007−329411A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161324(P2006−161324)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000107804)スミダコーポレーション株式会社 (285)
【Fターム(参考)】