説明

ハードディスクレコーダおよび情報記録再生装置

【課題】 リングバッファに記録された番組を最初から容易に再生する。
【解決手段】 情報記録再生装置100は、放送および放送の番組名を受信するチューナ11と、映像の情報を上書き記録するハードディスク装置12と、放送の番組名をアドレスとともに記録するメモリ16と、情報を出力するセレクタ18と、タイムシフトタイトル一覧表を生成するOSD画像生成回路19と、番組名のいずれかを受付ける操作装置22と、ハードディスク装置12から、映像の情報を読出すピックアップ装置121と、情報を記録するハードディスク装置12上の位置を巡回するように制御し、情報を上書き記録する際、アドレスを書換え、タイムシフトタイトル一覧表を生成し出力するようにOSD画像生成回路19およびセレクタ18を制御し、映像を記録する位置を特定し、映像の情報を出力するようにセレクタ18を制御するシステム制御回路10とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクレコーダおよび情報記録再生装置に関し、特に、タイムシフト機能を備えたハードディスクレコーダおよび情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の番組録画再生システムは、特許文献1に開示されるように、テレビジョン放送局が放送するテレビジョン番組についての放映時間や番組名等の番組情報を取得する番組情報取得回路と、テレビジョン番組を録画する1または複数の録画装置と、番組情報取得回路によって取得した番組情報に基づいて、録画装置によってすでに録画済の所望のテレビジョン番組に対して視聴可能な録画場所を見つける録画場所探索回路と、この録画場所探索回路によって視聴可能な録画場所が見つかったときこれを表示する録画場所表示装置と、録画場所探索回路によって見つかったテレビジョン番組をその録画場所から取得して放映する放映装置とを具備する。
【0003】
この発明によると、現在放送されているテレビジョン番組を時間を遡らせて、あるいは番組の最初から視聴する(一般に、このような機能を「タイムシフト機能」と称する)ことができる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示された発明では、リングバッファ(情報が定期的に上書きされる記録領域のこと)に記録されたテレビジョン番組を最初から視聴しようとする場合、番組を最初から視聴できない可能性があるという問題点がある。
【特許文献1】特開2003−333484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の間遠点を解決するためになされたものであって、その目的は、リングバッファに記録された番組の最初の情報を容易に再生できるハードディスクレコーダおよび情報記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある局面にしたがうと、ハードディスクレコーダは、放送および放送の番組名を受信するチューナと、放送が表わす映像の情報を、上書き記録するハードディスク装置と、情報を記録する位置が巡回するように、情報を記録するハードディスク装置上の位置を制御するための第1の制御手段と、放送の番組名を、放送の日時に対応する情報とともに記録するメモリと、ハードディスク装置が情報を上書き記録する際、ハードディスク装置が情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、ハードディスク装置が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えるための書換え手段と、情報を出力するための出力手段と、放送の番組名を表わす情報のうち、ハードディスク装置が記録中の情報に対応する情報を検出するための第1の検出手段と、放送の番組名を表わす情報のうち、書換え手段が書き換えている情報に対応する情報を検出するための第2の検出手段と、ハードディスク装置が情報を記録中であることを第1の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、書換え手段が情報を書き換えていることを第2の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、かつ番組名の順序が放送の日時に対応する画像として、放送の番組名を表わす情報を、書換え手段が放送の日時に対応する情報を書換えるたびに生成するための生成手段と、生成手段が生成した情報を出力するように、出力手段を制御するための第2の制御手段と、出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付けるための受付け手段と、受付け手段が受付けた番組名の情報およびメモリが記録する情報を用いて、受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定するための特定手段と、ハードディスク装置から、特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出すための読出し手段と、読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、出力手段を制御するための第3の制御手段とを含む。
【0007】
すなわち、第1の制御手段は、情報を記録する位置が巡回するように、情報を記録するハードディスク装置上の位置を制御する。ハードディスク装置は、放送が表わす映像の情報を、上書き記録する。メモリは、放送の番組名を、放送の日時に対応する情報とともに記録する。書換え手段は、ハードディスク装置が情報を上書き記録する際、ハードディスク装置が情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、ハードディスク装置が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換える。これにより、ハードディスク装置が情報を上書き記録される一方、ハードディスク装置が情報を上書き記録する前に記録していた映像の情報の放送の日時に対応する情報を、ハードディスク装置が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えることが可能となる。放送の日時に対応する情報が遅い日時に書換えられると、生成手段は、ハードディスク装置が情報を記録中であることを第1の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、書換え手段が情報を書き換えていることを第2の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、かつ番組名の順序が放送の日時に対応する画像として、放送の番組名を表わす情報を、書換え手段が放送の日時に対応する情報を書換えるたびに生成する。第2の制御手段は、生成手段が生成した情報を出力するように、出力手段を制御する。受付け手段は、出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付ける。特定手段は、受付け手段が受付けた番組名の情報およびメモリが記録する情報を用いて、受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定する。読出し手段は、ハードディスク装置から、特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出す。第3の制御手段は、読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、出力手段を制御する。その結果、情報を書換え中の番組名を明らかにすることができ、情報を記録中の番組名を明らかにすることができ、リングバッファに記録された番組をリアルタイムかつ的確に知ることができ、その上その番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【0008】
本発明の他の局面にしたがうと、情報記録再生装置は、放送および放送の番組名を受信するための受信手段と、放送が表わす映像の情報を、上書き記録するための第1の記録手段と、情報を記録する位置が巡回するように、情報を記録する第1の記録手段上の位置を制御するための第1の制御手段と、放送の番組名を、放送の日時に対応する情報とともに記録するための第2の記録手段と、第1の記録手段が情報を上書き記録する際、第1の記録手段が情報を上書き記録する前に記録していた映像の情報の、放送の日時に対応する情報を書換えるための書換え手段と、情報を出力するための出力手段と、番組名の順序が放送の日時に対応するように、放送の番組名を表わす情報を生成するための生成手段と、生成手段が生成した情報を出力するように、出力手段を制御するための第2の制御手段と、出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付けるための受付け手段と、受付け手段が受付けた番組名の情報および第2の記録手段が記録する情報を用いて、受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定するための特定手段と、第1の記録手段から、特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出すための読出し手段と、読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、出力手段を制御するための第3の制御手段とを含む。
【0009】
すなわち、第1の制御手段は、情報を記録する位置が巡回するように、情報を記録する第1の記録手段上の位置を制御する。第1の記録手段は、放送が表わす映像の情報を、上書き記録する。第2の記録手段は、放送の番組名を、放送の日時に対応する情報とともに記録する。書換え手段は、第1の記録手段が情報を上書き記録する際、第1の記録手段が情報を上書き記録する前に記録していた映像の情報の、放送の日時に対応する情報を書換える。これにより、第1の記録手段が情報を上書き記録される一方、放送の日時に対応する情報を情報の上書きに応じて書き換えることが可能となる。放送の日時に対応する情報が情報の上書きに応じて書き換えられると、生成手段は、情報の上書きに応じて書き換えられた放送の日時に、番組名の順序が対応するように、放送の番組名を表わす情報を生成する。第2の制御手段は、生成手段が生成した情報を出力するように、出力手段を制御することができる。受付け手段は、出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付けることができる。特定手段は、受付け手段が受付けた番組名の情報および第2の記録手段が記録する情報を用いて、受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定することができる。読出し手段は、第1の記録手段から、特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出すことができる。第3の制御手段は、読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、出力手段を制御することができる。その結果、リングバッファに記録された番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【0010】
また、上述の書換え手段は、第1の記録手段が情報を上書き記録する際、第1の記録手段が情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、第1の記録手段が上書き記録した情報の量に対応する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えるための手段を含むことが望ましい。あわせて、生成手段は、書換え手段が放送の日時に対応する情報を書換えるたびに、放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含むことが望ましい。
【0011】
すなわち、書換え手段は、第1の記録手段が情報を上書き記録する際、第1の記録手段が情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、第1の記録手段が上書き記録した情報の量に対応する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換える。生成手段は、書換え手段が放送の日時に対応する情報を書換えるたびに、放送の番組名を表わす情報を生成する。第2の制御手段は、生成手段が生成した情報を出力するように、出力手段を制御する。これにより、放送の番組名を表わす情報が、情報の上書きのたびに出力される。このように放送の番組名を表わす情報が出力されるので、記録されている番組名をリアルタイムに知ることができる。その結果、リングバッファに記録された番組をリアルタイムに知ることができ、その上その番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【0012】
また、上述の第1の記録手段が上書き記録した情報の量に対応する時間は、第1の記録手段が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間であることが望ましい。
【0013】
すなわち、書換え手段は、第1の記録手段が情報を上書き記録すると、放送の日時に対応する情報を、第1の記録手段が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換える。これにより、記録されている番組名をリアルタイムかつ的確に知ることができる。その結果、リングバッファに記録された番組をリアルタイムかつ的確に知ることができ、その上その番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【0014】
また、上述の情報記録再生装置は、放送の番組名を表わす情報のうち、第1の記録手段が記録中の情報に対応する情報を検出するための第1の検出手段をさらに含むことが望ましい。あわせて生成手段は、第1の記録手段が情報を記録中であることを第1の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示した画像を表わす情報として、放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含むことが望ましい。
【0015】
すなわち、第1の記録手段が情報を記録中であることが、第1の記録手段が記録中の情報に対応する番組名に並べて表示される。これにより、情報を記録中の番組名を明らかにすることができる。その結果、情報を記録中の番組名を明らかにすることができ、リングバッファに記録された番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【0016】
また、上述の情報記録再生装置は、放送の番組名を表わす情報のうち、書換え手段が書き換えている情報に対応する情報を検出するための検出手段をさらに含むことが望ましい。あわせて生成手段は、書換え手段が情報を書き換えていることを検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示した画像を表わす情報として、放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含むことが望ましい。
【0017】
すなわち、情報を書換え中であることが、情報を書換え中の情報に対応する番組名に並べて表示される。これにより、情報を書換え中の番組名を明らかにすることができる。その結果、情報を書換え中の番組名を明らかにすることができ、リングバッファに記録された番組を最初から容易に再生できる情報記録再生装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るハードディスクレコーダおよび情報記録再生装置は、リングバッファに記録された番組を最初から容易に再生できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0020】
図1は、本発明のディスク再生装置の第1の実施の形態である情報記録再生装置100の構成を示す図である。本実施の形態に係る情報記録再生装置100は、ハードディスクレコーダである。
【0021】
図1において、チューナ11は、システム制御回路10からディジタル放送のチャンネル指定信号が供給された場合には、この指定されたチャンネルのディジタル放送波ならびにEPG(Electronic Program Guide)を受信する。EPGには、チューナが受信したディジタル放送の番組名が含まれている。この際、チューナ11は、受信したディジタル放送波を復調することによりMPEG(Moving Picture Experts Group)信号を得て、これをMPEG信号MAとしてハードディスク装置12およびセレクタ13の各々に供給する。これにより、ハードディスク装置12は、放送が表わす映像の情報を、上書き記録することができる(どのように上書き記録するかということは後述する)。また、チューナ11は、システム制御回路10からアナログテレビジョン放送(NTSC(National Television Standards Committee)方式、PAL(Phase Alternation by Line)方式、またはSECAM(SEquential Couleur A Memoire)方式)のチャンネル指定信号が供給された場合には、この指定されたチャンネルのアナログテレビジョン放送波を受信する。この際、チューナ11は、受信したアナログテレビジョン放送波を復調して得たテレビジョン信号をMPEGエンコーダ14に供給する。MPEGエンコーダ14は、かかるテレビジョン信号に対してMPEG符号化処理を施して得た信号をMPEG信号MBとしてハードディスク装置12に供給する。
【0022】
セレクタ13は、上記ハードディスク装置12から供給された再生MPEG信号RM、およびチューナ11から供給されたMPEG信号MAの中から、システム制御回路10から供給された選択信号に応じた方を択一的に選択し、これをMPEGデコーダ17に供給する。MPEGデコーダ17は、セレクタ13から供給されたMPEG信号に対してMPEG復号処理を施すことにより、映像信号を得てこれを映像信号DAVとしてセレクタ18に供給する。
【0023】
クロック15は、システム制御回路10の信号に応じて、時刻を検出する。時刻が検出されると、クロック15は、検出した時刻を表わす情報をシステム制御回路10に出力する。
【0024】
メモリ16は、情報を記録する。メモリ16は、情報を一時的に記録する領域(バッファ)と、タイムシフトタイトル一覧表を記録する領域と、仮のタイムシフトタイトル一覧表を記録する領域と、ハードディスク装置12に記録された番組に関するデータベースを記録する領域とを含む。データベースは、録画した日時、録画された番組のタイトル、ハードディスク装置12におけるアドレス、出演者名、録画中であるか否かを表わす録画フラグ、上書きされていることを表わす上書きフラグ、およびその他の情報(この情報は情報記録再生装置100の設計者が任意に決定する)を1つのグループとする。これら1つのグループに属する情報は、新たな番組の録画が開始されるたびに作成される。これらの情報を作成するための具体的な手順は後述する。
【0025】
OSD(On Screen Display)画像生成回路19は、システム制御回路10から供給された各種メッセージ表示指令に応じた画像を表示させるべきメッセージ画像信号DC を生成し、これをセレクタ18に供給する。セレクタ18は、上記映像信号DAVおよびメッセージ画像信号DC の中から、システム制御回路10から供給された選択信号に応じた方を択一的に選択し、これをディスプレイ装置200に供給する。
【0026】
ディスプレイ装置200は、情報記録再生装置100から供給された、上記映像信号DAVまたはメッセージ画像信号DC に基づく画像表示を行なう。
【0027】
操作装置22は、ユーザからの、放送チャンネル指定操作、録画済み番組指定操作、録画指令操作、再生指令操作、録画停止操作、および、再生停止操作等を受付け、その操作に応じた各種操作信号をシステム制御回路10に供給する。尚、操作装置22は、情報記録再生装置100の筐体とは分離しているリモートコントローラであっても良い。
【0028】
操作装置22を用いたユーザによる各種操作に応じて、システム制御回路10は、情報記録再生装置100に、テレビモニタ、録画、タイムシフト再生を実施させることができる。
【0029】
テレビモニタは、動作放送中の番組をリアルタイムで視聴するための動作である。この場合、ユーザは、上記操作装置22を用いて所望の放送チャンネルを指定すべき放送チャンネル指定操作を行なう。かかる操作に応じて、システム制御回路10は、この所望放送チャンネルの番組を受信させるべきチャンネル指定信号をチューナ11に供給する。これと同時に、システム制御回路10は、上記チューナ11から出力されたMPEG信号MAを択一的にMPEGデコーダ17に導出すべき選択信号をセレクタ13に供給する。さらに、システム制御回路10は、MPEGデコーダ17から出力された音声信号DAVを択一的にディスプレイ装置200に導出すべき選択信号をセレクタ18に供給する。
【0030】
このような制御がなされることにより、チューナ11によって受信および復調して得られたMPEG信号MAは、セレクタ13を介してMPEGデコーダ17に供給される。そして、MPEGデコーダ17にて復号された音声信号DAVが、セレクタ18を介してディスプレイ装置200に供給されることになる。これにより、ディスプレイ装置200は、チューナ11にて受信された所望チャンネルのディジタル放送番組をリアルタイムで画像表示することになる。
【0031】
録画動作は、上述したようにチューナ11にて受信された番組を録画するための動作である。この場合、ユーザは、上記操作装置22を用いて録画指令操作を行なう。このような録画指令操作に応じて、システム制御回路10は、記録を指令する旨の信号をハードディスク装置12に供給すると共に、メモリ16の一部であるプレイポイントカウンタの現在のカウント値を取込み、これをプレイポイントWPとしてハードディスク装置12に供給する。さらに、システム制御回路10は、チューナ11にて受信して得られた上記MPEG信号MAまたはMBのビットレートに応じた速度を表す信号SW を求め、これを内蔵レジスタ(図示略)に記憶させると共に、プレイポイントカウンタに供給する。これにより、ハードディスク装置12は、ハードディスク本体120のタイムシフト領域に、上述した信号SW に応じた速度で、ピックアップ装置121を用いて、上記MPEG信号MAまたはMB(ひいては番組の映像を表わす情報)を順次記録していく。
【0032】
タイムシフト再生動作とは、上記したような録画動作と同時に、録画済みの番組の再生を行なう、いわゆるタイムシフト再生を実施するための動作である。この場合、ユーザは、上記操作装置22を用いて再生を指令する旨の操作および録画済み番組を指定する操作を行なう。このような操作に応じて、システム制御回路10は、再生を指令する旨の信号をハードディスク装置12に供給すると共に、プレイポイントカウンタの現在のカウント値を取込み、これをプレイポイントWPとしてハードディスク装置12に供給する。さらに、システム制御回路10は、ハードディスク本体120に記録された信号のビットレートに応じた速度を表す信号SR を求め、これを内蔵レジスタ(図示略)に記憶させると共に、プレイポイントカウンタに供給する。これにより、ハードディスク装置12のピックアップ装置121は、ハードディスク本体120のタイムシフト領域から、上述した信号SR に応じた速度で、信号(ひいてはハードディスク本体120が記録した情報)を順次読出す。
【0033】
図2に、操作装置22の平面図を示す。上記した操作装置22を用いての各操作を、操作装置22に備えられたキーを用いて説明する。
【0034】
放送チャンネル指定操作は、0〜9の各数字に対応して設けられたテンキー229を用いて行なわれる。
【0035】
録画済み番組指定操作は、ハードディスク装置12に記録されている番組の一覧を表示する画面に対してテンキー229を用いて番組を特定し、決定キー222が操作されることにより当該特定された番組が指定されることによって、行なわれる。
【0036】
録画指令操作は、録画キー223が操作されることにより行なわれる。
【0037】
再生指令操作は、再生キー224が操作されることにより行なわれる。
【0038】
録画停止操作、および、再生停止操作は、録画動作中または再生動作中に停止キー225が操作されることにより行なわれる。
【0039】
また、電源キー221が操作されることにより、情報記録再生装置100への電源の投入のON−OFFが切替えられる。早送りキー228が操作されることにより、録画された画像の再生位置が早送りされ、巻戻しキー227が操作されることにより、録画された画像の再生位置が巻戻しされる。一時停止キー226が操作されることにより、再生中の録画画像の再生動作が一時停止され、また、一時停止中の再生動作が再開される。
【0040】
図3を参照して、情報記録再生装置100で実行されるプログラムは、タイトルの記録処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0041】
ステップ100(以下、ステップをSと略す。)にて、システム制御回路10は、カウンタを「0」に設定する。S102にてチューナ11は、アンテナを介してEPGを受信する。EPGは、メモリ16のバッファに記録される。S104にて、クロック15は時刻を検出する。S106にて、システム制御回路10は、EPGからタイトルを抽出する。
【0042】
S108にて、システム制御回路10は、抽出したタイトルがデータベースのタイトルと同じか否かを判断する。データベースのタイトルと同じと判断した場合(S108にてYES)、処理はS112へと移される。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS110へと移される。
【0043】
S110にて、メモリ16は、データベースに、録画した日時、録画された番組のタイトル、ハードディスク装置12におけるアドレス、出演者名、録画フラグ、上書きフラグ、およびその他の情報を記録する。本実施の形態の場合、録画した日時およびハードディスク装置12におけるアドレスは、いずれも放送の日時に対応する情報にあたる。これらの情報を記録するための手順は次の通りである。第1の手順は、このステップにおいて記録しようとするアドレスが既にデータベースに記録された記録済みアドレスのいずれかに一致するか否かを、システム制御回路10が判断する手順である。第2の手順は、このステップにおいて記録しようとするアドレスが記録済みアドレスのいずれかに一致する場合に、このステップにおいて記録しようとするアドレスに一致する記録済みアドレス(一致アドレス)が他の記録済みアドレスのいずれかの1つ前のアドレスか否かを、システム制御回路10が判断する手順である。第3の手順は、一致アドレスが他の記録済みアドレスのいずれかの1つ前のアドレスである場合に、データベースの情報のうち記録済みアドレスとともに上述したグループを構成する情報を、システム制御回路10が削除する手順である。第4の手順は、一致アドレスが他の記録済みアドレスのいずれかの1つ前のアドレスではない場合に、一致アドレスの値を、システム制御回路10が1つ後のアドレスの値に書き換える手順である。これにより、システム制御回路10は、ハードディスク装置12が映像の情報を上書き記録する際、放送の日時に対応する情報を、ハードディスク装置12が上書き記録した情報の量に対応する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えることとなる。その際、ハードディスク装置12が上書き記録した情報の量に対応する時間は、ハードディスク装置12が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間となる。その理由は、あるアドレスに記録された情報が映像として表示された後、次のアドレスに記録された情報が映像として表示されるまでの時間は、アドレス1つ分の情報を映像として出力するために要する時間にほかならないという点にある。このとき、システム制御回路10は、一致アドレスとともに上述したグループを構成する上書きフラグの値を「1」に書き換える。第5の手順は、このステップにおいて記録しようとする録画した日時、録画された番組のタイトル、ハードディスク装置12におけるアドレス、出演者名、録画フラグ、上書きフラグ、およびその他の情報を記録する手順である。システム制御回路10は、録画フラグの値として「1」を記録する。システム制御回路10は、上書きフラグの値として「0」を記録する。
【0044】
S112にて、チューナ11は、アンテナを介して受信した電波を信号に変換する。S114にて、ハードディスク装置12は、MPEGエンコーダ14が圧縮した信号を記録する。すなわち、システム制御回路10は、ハードディスク装置12におけるアドレス(チューナ11が受信した放送が表わす、映像の情報を記録する位置)が巡回するように、映像の情報を記録するハードディスク装置12上の位置を制御する。受信された映像の情報は、MPEGエンコーダ14により圧縮される。圧縮された情報は、ハードディスク装置12(具体的にはハードディスク本体120)のタイムシフト領域に記録される。システム制御回路10は、メモリ16のバッファに、映像の情報が記録された(ハードディスク本体120の)アドレスを記録する。S116にて、システム制御回路10は、カウンタに「1」を加算する。
【0045】
S118にて、システム制御回路10は、カウンタの値がEPGを読込む周期に達したか否かを判断する。EPGを読込む周期に達したと判断した場合(S118にてYES)、処理はS100へと移される。もしそうでないと(S118にてNO)、処理はS104へと移される。
【0046】
図4を参照して、情報記録再生装置100で実行されるプログラムは、タイムシフトタイトル一覧表の表示処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0047】
S120にて、システム制御回路10は、次の手順により、データベースからタイムシフトタイトルを検索する。第1の手順は、データベースに記録されたタイトル、録画フラグ、および上書きフラグを読み出す(すなわち検索する)手順である。これらの情報は、録画した日時の順序に一致する順序で読み出される。第2の手順は、読み出したタイトル、録画フラグ、および上書きフラグをタイムシフトタイトル一覧表(後述)の領域に記録する手順である。本実施の形態の場合、タイトルは、録画した日時の順序に一致する順序で記録される。
【0048】
S122にて、システム制御回路10は、OSD画像生成回路19およびセレクタ18を介してタイムシフトタイトル一覧表をディスプレイ装置200に表示させる。すなわち、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を表わす情報を出力するように、OSD画像生成回路19およびセレクタ18を制御する。OSD画像生成回路19は、タイムシフト領域に記録された情報の順にタイトルを表わす、画像の情報(タイムシフト一覧表)を作成する。セレクタ18は、ディスプレイ装置200にタイムシフトタイトル一覧表を出力する。このとき、システム制御回路10は、録画フラグが「1」の番組の隣に、録画中である旨のアイコンを表示させる。すなわち、まずシステム制御回路10は、放送の番組名を表わす情報のうち、ハードディスク装置12が記録中の情報に対応する情報(録画フラグ)を検出する。次にシステム制御回路10は、録画中である旨のアイコン(すなわちハードディスク装置12が情報を記録中であること)を放送の番組名に並べて表示した画像として、タイムシフトタイトル一覧表を生成するように、OSD画像生成回路19を制御する。次にシステム制御回路10は、OSD画像生成回路19が生成した情報を出力するように、セレクタ18を制御する。また、システム制御回路10は、上書きフラグが「1」の番組の隣に、上書き中である旨のアイコンを表示させる。すなわち、まずシステム制御回路10は、放送の番組名を表わす情報のうち、システム制御回路10自身が書き換えている情報に対応する情報(上書きフラグ)を検出する。次にシステム制御回路10は、上書き中である旨のアイコン(すなわちシステム制御回路10自身が情報を書き換えていること)を放送の番組名に並べて表示した画像として、タイムシフトタイトル一覧表を生成するように、OSD画像生成回路19を制御する。次にシステム制御回路10は、OSD画像生成回路19が生成した情報を出力するように、セレクタ18を制御する。本実施の形態に係るタイムシフト一覧表の内容は後述する。
【0049】
S124にて、システム制御回路10は、操作装置22からタイマ割込みが入ったか否かを判断する。タイマ割込みのためのタイマはシステム制御回路10が内蔵している。本実施の形態の場合、タイマ割込みの間隔は情報記録再生装置100の設計者により任意に設定される。タイマ割込みが入ったと判断した場合(S124にてYES)、処理はS126へと移される。もしそうでないと(S124にてNO)、処理はS132へと移される。
【0050】
S126にて、システム制御回路10は、メモリ16のデータベースからタイムシフト領域に記録された番組のタイトルを検索する。本実施の形態の場合、タイトルを検索する手順は、S122と同様である。ただし、システム制御回路10は、読出したタイトルなどを仮のタイムシフトタイトル一覧表の領域に記録する。
【0051】
S128にて、システム制御回路10は、検索したタイトルのうち先頭のタイトル名が変わったか否か(メモリ16のタイムシフトタイトル一覧表の領域の最初に記録されたタイトルと、仮のタイムシフトタイトル一覧表の領域の最初に記録されたタイトルとが一致するか否か)を判断する。先頭のタイトル名が変わったと判断した場合(S128にてYES)、処理はS130へと移される。もしそうでないと(S128にてNO)、処理はS132へと移される。
【0052】
S130にて、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を更新する。すなわち、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表の領域の内容を、仮のタイムシフトタイトル一覧表の領域の内容に置換える。あわせて、システム制御回路10は、S122と同様の処理により、タイムシフトタイトル一覧表を表わす情報を出力するように、OSD画像生成回路19およびセレクタ18を制御する。OSD画像生成回路19およびセレクタ18は、タイムシフト一覧表を生成し、ディスプレイ装置200に出力する。ディスプレイ装置200は、新たなタイムシフトタイトル一覧表を表示する。
【0053】
S132にて、システム制御回路10は、ユーザがタイトルを表示するように要求したか否か(ユーザは、操作装置22の決定キー222を押すことにより、タイトルを表示するように要求できる。システム制御回路10は、操作装置22が送信した信号により、どのキーが押されたか検出することができる。)を判断する。ユーザがタイトルを表示するように要求したと判断した場合(S132にてYES)、処理はS134へと移される。もしそうでないと(S132にてNO)、処理はS142へと移される。
【0054】
S134にて、システム制御回路10は、操作装置22が送信した信号に基づき、最初のタイトルを再生するのか否かを判断する。システム制御回路10の判断に用いられる信号は、S132にて送信された信号(決定キー222が押された旨の信号)以降に送信された信号である。S132にて送信された信号以降にどのような信号が送信されたかということは、フラグの値として記録されている(フラグの値はメモリ16のバッファに記録されている)。本実施の形態の場合、操作装置22から「1」を表わすテンキー229が押された旨が送信されると、システム制御回路10はフラグの値を「1」加算する。加算の結果フラグの値がタイムシフト領域に記録された番組の数を上回った場合、システム制御回路10はフラグの値を「1」に変更する。フラグの値が変更されると、システム制御回路10は、OSD画像生成回路19およびセレクタ18を介して、フラグの値に対応する番組のタイトル(フラグの値は、タイムシフトタイトル一覧表における番組名の順序に対応付けられている)が太枠で囲まれた画像をディスプレイ装置200に出力する。操作装置22から「2」を表わすテンキー229が押された旨が送信されると、システム制御回路10はフラグの値を「1」減算する。減算の結果フラグの値が「0」となった場合、システム制御回路10は、フラグの値をタイムシフト領域に記録された番組の数に変更する。フラグの値が変更されると、システム制御回路10は、フラグの値が増加した場合と同様にして、フラグの値に対応する番組のタイトルが太枠で囲まれた画像をディスプレイ装置200に出力する。システム制御回路10は、操作装置22から決定キー222が押された旨が送信されると、最初のタイトルを再生するのか否か(すなわちフラグの値が「1」か否か)を判断する。最初のタイトルを再生すると判断した場合(S134にてYES)、処理はS136へと移される。もしそうでないと(S134にてNO)、処理はS138へと移される。
【0055】
S136にて、システム制御回路10は、プレイポイント(ハードディスク装置12上のアドレスのうち、再生のために情報が読出されるアドレスを表わす情報)をタイムシフト領域の先頭部分を表わす内容にする。この処理は、次の手順を経て実施される。第1の手順は、システム制御回路10が、操作装置22が受付けたタイトル(すなわち番組名)の情報およびメモリ16が記録する情報を用いて、そのタイトルに対応する映像の情報を記録する位置を特定する手順である。本実施の形態の場合、このような特定は、データベースの中から、操作装置22が受付けたタイトルと同じグループを構成するアドレスを読み出すことにより実施される。第2の手順は、ハードディスク装置12から、システム制御回路10が特定した位置以降の映像の情報を読出すように、ピックアップ装置121を制御する手順である。第3の手順は、ピックアップ装置121が読出した映像の情報を出力するように、セレクタ18を制御する手順である。
【0056】
S138にて、プレイポイントを当該タイトルの先頭部分を表わす内容にする。「当該タイトルの先頭部分を表わす内容にする」とは、プレイポイントの値を、ハードディスク装置12上のアドレスのうち、操作装置22のテンキー229を押すことによりユーザが選択した番組の冒頭部分の映像が記録されたアドレスの値にすることをいう。
【0057】
S140にて、システム制御回路10は、プレイポイントが表わすアドレスの映像から再生を開始させる。このために、システム制御回路10は、ハードディスク装置12、セレクタ13、MPEGデコーダ17、およびセレクタ18を制御する。ハードディスク装置12は、プレイポイントが表わすアドレスに記録された情報を出力する。MPEGデコーダ17は、セレクタ13を介して出力された情報を復号する。セレクタ18は、復号された情報をディスプレイ装置200に出力する。
【0058】
S142にて、システム制御回路10は、ユーザにより、タイトル一覧表の表示を取消す旨の要求があったか否かを判断する。表示を取消す旨の要求があったと判断した場合(S142にてYES)、処理はS144へと移される。もしそうでないと(S142にてNO)、処理はS124へと移される。
【0059】
S144にて、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を取消す。すなわち、システム制御回路10は、セレクタ13、MPEGデコーダ17、およびセレクタ18を介して、ディスプレイ装置200にハードディスク装置12から読出した画像を表示させる。
【0060】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、情報記録再生装置100の動作について説明する。
【0061】
システム制御回路10は、カウンタを「0」に設定する(S100)。カウンタが「0」に設定されると、チューナ11はアンテナを介してEPGおよび番組の画像の情報を読込む(S102)。読込まれた画像の情報は、ハードディスク装置12のタイムシフト領域に記録される。タイムシフト領域の末尾まで画像の情報が記録されると、その後読込まれた画像の情報は、タイムシフト領域の先頭以降に記録される。タイムシフト領域の情報は、一定の情報が読込まれるごとに書き換えられることとなる。タイムシフト領域はリングバッファとなっている。記録されたEPGおよび番組の画像の情報が読込まれると、クロック15は、時刻を検出する(S104)。時刻が検出されると、システム制御回路10は、EPGからタイトルを抽出する(S106)。当初、チューナ11が受信する番組は番組(1)である。これにより、EPGから抽出されるタイトルは「番組(1)」となる。タイトルが抽出されると、システム制御回路10は、抽出したタイトルがデータベースのタイトルと同じか否かを判断する(S108)。当初、データベースにはタイトルが記録されていないので(S108にてNO)、メモリ16は、データベースにタイトルなどを記録する(S110)。タイトルなどが記録されると、チューナ11は、アンテナが受信した電波を信号に変換する(S112)。電波が信号に変換されると、ハードディスク装置12は、MPEGエンコーダ14が圧縮した信号を記録する(S114)。信号が記録されると、システム制御回路10は、カウンタに「1」を加算する(S116)。カウンタに「1」が加算されると、システム制御回路10は、カウンタの値がEPGを読込む周期に達したか否かを判断する(S118)。当初、カウンタの値はEPGを読込む周期に達していないので(S118にてNO)、S104〜S106の処理を経て、システム制御回路10は、再び抽出したタイトルがデータベースのタイトルと同じか否かを判断する(S108)。この場合、抽出したタイトルはデータベースのタイトルと同じなので(S108にてYES)、チューナ11は電波を信号に変換する(S112)。電波が信号に変換されると、S114〜S108の処理が繰返される。その後、番組(1)の放送時間が終了し、番組(2)の放送時間が到来した後、再びシステム制御回路10は、EPGからタイトルを抽出する(S106)。タイトルが抽出されると、システム制御回路10は、抽出したタイトルがデータベースのタイトルと同じか否かを判断する(S108)。この場合、抽出したタイトル「番組(2)」はデータベースのタイトル「番組(1)」と同じではないので(S108にてNO)、メモリ16は、データベースにタイトル「番組(2)」などを記録する(S110)。以後、同様にS100〜S118の処理が繰返される。
【0062】
そのまま録画が継続されると、ハードディスク装置12には複数の番組が記録されることとなる。図5は、ハードディスク装置12のタイムシフト領域すべてに番組の情報が記録された状況を示す。ハードディスク装置12のタイムシフト領域には「番組(1)」〜「番組(4)」が記録されている。図6は、このときメモリ16に記録されたデータベースの内容を表わす。このとき、操作装置22を介して、ユーザがタイムシフトタイトル一覧表を表示する旨を要求すると(本実施の形態の場合、ユーザは、タイムシフト再生中に決定キー222を押すことで、タイムシフトタイトル一覧表を表示するよう要求できる)、システム制御回路10は、データベースからタイムシフトタイトルを検索する(S120)。この間にもS100〜S118の処理が繰返されている。タイムシフトタイトルが検索されると、システム制御回路10は、OSD画像生成回路19およびセレクタ18を介してタイムシフトタイトル一覧表を表示する(S122)。図7を参照して、このときのディスプレイ装置200の内容を示す。「録画中」との表示は、番組(4)の映像の情報を記録中であることを意味する。番組(1)の欄が太枠で囲まれている。このことは、このとき決定キー222が押されると、番組(1)の最初から再生が始まることを意味する。タイムシフトタイトル一覧表が表示されると、システム制御回路10は、タイマ割込みが入ったか否かを判断する(S124)。この時たまたまタイマ割込みが入ったとすると(S124にてYES)、システム制御回路10は、タイトルを検索する(S126)。タイトルが検索されると、システム制御回路10は、先頭のタイトル名が変わったか否かを判断する(S128)。この時点ではまだタイムシフト領域の末尾まで番組が記録されたばかりである。タイムシフト領域の末尾まで番組が記録されたばかりなので、先頭のタイトル名が変わっていない。先頭のタイトル名が変わっていないので(S128にてNO)、システム制御回路10は、決定キー222によりユーザがタイトルを表示するように要求したか否かを判断する(S132)。ユーザがタイトルを表示するように要求した場合(S132にてYES)、システム制御回路10は、操作装置22が送信した信号に基づき、最初のタイトルを再生するのか否かを判断する(S134)。図7の場合、最初のタイトルを再生する(すなわち操作装置22が、セレクタ18が出力した情報が表わす番組名のうち最初の番組名を受付けた)と判断されるので(S134にてYES)、システム制御回路10は、プレイポイントをタイムシフト領域の先頭部分を表わす内容にする(S136)。プレイポイントがタイムシフト領域の先頭部分を表わす内容にされると、システム制御回路10は、プレイポイントが表わすアドレスの映像から再生を開始させる(S140)。再生が開始されると、処理は終了する。
【0063】
その後、操作装置22を介して、ユーザが再びタイムシフトタイトル一覧表を表示する旨を要求すると、S120〜S142の処理を繰返した後、システム制御回路10は、再び先頭のタイトル名が変わったか否かを判断する(S128)。上述したように、既にハードディスク装置12のタイムシフト領域の末尾まで番組が記録されたので、番組(4)の映像の情報は、同じハードディスク装置12のタイムシフト領域の、番組(1)が記録された領域に上書きされ始めている。これに伴い、データベースも更新されている。すなわち、システム制御回路10は、ハードディスク装置12が番組(4)の映像の情報を上書き記録すると、番組(1)の映像の情報のアドレスを書換える。具体的なアドレスの書換えの手順は上述した通りである。図8を参照して、このときのデータベースの内容を示す。番組(1)のアドレスおよび上書きフラグの値が書き換えられている。システム制御回路10は、先頭のタイトル名が変わったと判断する(S128にてYES)、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を更新する(S130)。これにより、システム制御回路10は、システム制御回路10自身が放送の日時に対応する情報を書換えるたびにOSD画像生成回路19を制御することとなる。図9を参照して、このときのディスプレイ装置200の内容を示す。「上書中」との表示は、番組(1)の領域に「録画中」と表示された番組の映像の情報が上書きされていることを意味する。タイムシフトタイトル一覧表が更新されると、S124〜S144の処理が繰返される。その間にハードディスク装置12のタイムシフト領域の情報は上書きされる。情報の上書きの結果、最終的に番組(1)の情報は消滅する。図10を参照して、番組(1)の情報が消滅した時点のタイムシフト領域の情報の配置を示す。この間にも、S124〜S144の処理が繰返されている。その途中、システム制御回路10は、タイマ割込みが入ったか否かを判断する(S124)。この時たまたまタイマ割込みが入ったとすると(S124にてYES)、システム制御回路10は、タイトルを検索する(S126)。タイトルが検索されると、システム制御回路10は、先頭のタイトル名が変わったか否かを判断する(S128)。この時点で既に先頭のタイトル名が変わっているので(S128にてYES)、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を更新する(S130)。図11を参照して、このときのディスプレイ装置200の内容を示す。番組(1)の表示がない。「上書中」との表示は番組(2)の隣に表示されている。このことは、番組(2)の領域に番組(4)の映像の情報が上書きされていることを意味する。番組(1)の映像の情報が消滅した場合、リアルタイムでディスプレイ装置200の内容は更新される。
【0064】
タイムシフトタイトル一覧表が更新されると、S124〜S132の処理を繰返した後、システム制御回路10は、ユーザにより、タイトル一覧表の表示を取消す旨の要求があったか否かを判断する(S142)。表示を取消す旨の要求があった場合(S142にてYES)、システム制御回路10は、タイムシフトタイトル一覧表を取消す(S144)。
【0065】
以上のようにして、本実施の形態に係る情報記録再生装置は、次の処理を実施することができる。第1の処理は、タイムシフト領域に記録された番組の番組名を表示する処理である。特に本実施の形態に係る情報記録再生装置は、定期的に番組名を更新することにより、実際に視聴できる番組名を表示させることができる。第2の処理は、ユーザの選択に応じて、タイムシフト領域に記録された映像を番組の先頭から表示させる処理である。これらにより、タイムシフト領域に記録された映像であっても、ユーザは見たい番組各々の先頭から再生をさせることができる。番組各々の先頭から再生をさせることができるので、より利便性が高い情報記録再生装置を提供することができる。
【0066】
なお、上述したデータベースは、メモリ16に代えてハードディスク装置12に記録されてもよい。
【0067】
また、S110にて、アドレスを書き換えることに代えて、録画した日時を書き換えてもよい。あるいは、S110にて、アドレスを書き換えるとともに、録画した日時を書き換えてもよい。
【0068】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置の制御ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る操作装置の外観図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置のタイトル名の記録処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置のタイムシフトタイトル一覧表の表示処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るタイムシフト領域の情報の内容を表わす図(その1)である。
【図6】本発明の実施の形態に係るメモリに記録されたデータベースの内容を表わす図(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の表示の内容を示す図(その1)である。
【図8】本発明の実施の形態に係るメモリに記録されたデータベースの内容を表わす図(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の表示の内容を示す図(その2)である。
【図10】本発明の実施の形態に係るタイムシフト領域に記録された映像の内容を表わす図(その2)である。
【図11】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の表示の内容を示す図(その3)である。
【符号の説明】
【0070】
10 システム制御回路、11 チューナ、12 ハードディスク装置、13,18 セレクタ、14 MPEGエンコーダ、15 クロック、16 メモリ、17 MPEGデコーダ、19 OSD画像生成回路、22 操作装置、100 情報記録再生装置、120 ハードディスク本体、121 ピックアップ装置、200 ディスプレイ装置、221 電源キー、222 決定キー、223 録画キー、224 再生キー、225 停止キー、226 一時停止キー、227 巻戻しキー、228 早送りキー、229 テンキー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送および前記放送の番組名を受信するチューナと、
前記放送が表わす映像の情報を、上書き記録するハードディスク装置と、
前記情報を記録する位置が巡回するように、前記情報を記録する前記ハードディスク装置上の位置を制御するための第1の制御手段と、
前記放送の番組名を、前記放送の日時に対応する情報とともに記録するメモリと、
前記ハードディスク装置が前記情報を上書き記録する際、前記ハードディスク装置が前記情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、前記ハードディスク装置が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えるための書換え手段と、
情報を出力するための出力手段と、
前記放送の番組名を表わす情報のうち、前記ハードディスク装置が記録中の情報に対応する情報を検出するための第1の検出手段と、
前記放送の番組名を表わす情報のうち、前記書換え手段が書き換えている情報に対応する情報を検出するための第2の検出手段と、
前記ハードディスク装置が情報を記録中であることを前記第1の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、前記書換え手段が情報を書き換えていることを前記第2の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示し、かつ番組名の順序が前記放送の日時に対応する画像として、前記放送の番組名を表わす情報を、前記書換え手段が前記放送の日時に対応する情報を書換えるたびに生成するための生成手段と、
前記生成手段が生成した情報を出力するように、前記出力手段を制御するための第2の制御手段と、
前記出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付けるための受付け手段と、
前記受付け手段が受付けた番組名の情報および前記メモリが記録する情報を用いて、前記受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定するための特定手段と、
前記ハードディスク装置から、前記特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出すための読出し手段と、
前記読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、前記出力手段を制御するための第3の制御手段とを含む、ハードディスクレコーダ。
【請求項2】
放送および前記放送の番組名を受信するための受信手段と、
前記放送が表わす映像の情報を、上書き記録するための第1の記録手段と、
前記情報を記録する位置が巡回するように、前記情報を記録する前記第1の記録手段上の位置を制御するための第1の制御手段と、
前記放送の番組名を、前記放送の日時に対応する情報とともに記録するための第2の記録手段と、
前記第1の記録手段が前記情報を上書き記録する際、前記第1の記録手段が前記情報を上書き記録する前に記録していた映像の情報の、放送の日時に対応する情報を書換えるための書換え手段と、
情報を出力するための出力手段と、
番組名の順序が前記放送の日時に対応するように、前記放送の番組名を表わす情報を生成するための生成手段と、
前記生成手段が生成した情報を出力するように、前記出力手段を制御するための第2の制御手段と、
前記出力手段が出力した情報が表わす番組名のいずれかを受付けるための受付け手段と、
前記受付け手段が受付けた番組名の情報および前記第2の記録手段が記録する情報を用いて、前記受付け手段が受付けた番組名に対応する映像の情報を記録する位置を特定するための特定手段と、
前記第1の記録手段から、前記特定手段が特定した位置以降の映像の情報を読出すための読出し手段と、
前記読出し手段が読出した映像の情報を出力するように、前記出力手段を制御するための第3の制御手段とを含む、情報記録再生装置。
【請求項3】
前記書換え手段は、前記第1の記録手段が前記情報を上書き記録する際、前記第1の記録手段が前記情報を上書き記録する前に記録していた情報の放送の日時に対応する情報を、前記第1の記録手段が上書き記録した情報の量に対応する時間の分、遅い日時に対応する情報に書換えるための手段を含み、
前記生成手段は、前記書換え手段が前記放送の日時に対応する情報を書換えるたびに、前記放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含む、請求項2に記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記第1の記録手段が上書き記録した情報の量に対応する時間は、前記第1の記録手段が上書き記録した情報を映像として出力するために要する時間である、請求項3に記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記情報記録再生装置は、
前記放送の番組名を表わす情報のうち、前記第1の記録手段が記録中の情報に対応する情報を検出するための第1の検出手段をさらに含み、
前記生成手段は、前記第1の記録手段が情報を記録中であることを前記第1の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示した画像を表わす情報として、前記放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含む、請求項2に記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
前記情報記録再生装置は、
前記放送の番組名を表わす情報のうち、前記書換え手段が書き換えている情報に対応する情報を検出するための第2の検出手段をさらに含み、
前記生成手段は、前記書換え手段が情報を書き換えていることを前記第2の検出手段が検出した放送の番組名に並べて表示した画像を表わす情報として、前記放送の番組名を表わす情報を生成するための手段を含む、請求項2に記載の情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−41728(P2006−41728A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216156(P2004−216156)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】