説明

バイオマスからの2−ピロリドン乃至ポリアミド4、N−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリドンの合成方法

【課題】本発明は、ポリアミド4、N−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリドン
の原料となる2−ピロリドンを、低エネルギー、安価かつ簡便に入手することを主な目的
とする。
【解決手段】微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液を利用して、グルタミン
酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を効率良く生産する方法。微生物を利
用することにより得られたγ−アミノ酪酸から、2−ピロリドンを効率良く合成する方法
。グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのγ−アミノ酪酸生産後に残存する、未
反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収し、回収されたグルタミン酸及び
/またはグルタミン酸塩を用いてγ−アミノ酪酸を生産し、さらに2−ピロリドンを合成
するシステム。得られた2−ピロリドンから、ポリアミド4、N−メチル−2−ピロリド
ン、ポリビニルピロリドンを合成する方法及びシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスから2−ピロリドン乃至ポリアミド4、N−メチル−2−ピロリ
ドン、ポリビニルピロリドンを合成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド(ナイロン)は軽さ、強度、耐熱性、弾性及び染色性など点で優れているた
め、繊維、医療用品、工業材料など多くの用途に使用されている。ポリアミドには所謂ナ
イロン6やナイロン66などの多くの種類が存在するが、これらは主に焼却や埋立てなど
、多くのエネルギーを要する方法や手間のかかる方法により処分されている。一方、ポリ
アミドの一種であるポリアミド4(ナイロン4)は、生分解可能なプラスチックである(
非特許文献1)。このため、ポリアミド4は従来のナイロン6などとは異なり、微生物に
よる低エネルギーかつ簡便な分解処理が可能である。このため、ポリアミド4は有用な生
分解性のナイロンとして注目されている。
【0003】
このようなポリアミド4は2−ピロリドンから合成されるが、現在、2−ピロリドンは
石油から生産されている(非特許文献2)。また、ポリビニルピロリドンも2−ピロリド
ンから合成される。N−メチル−2−ピロリドンは石油由来のγーブチロラクトンから合
成されるが、2−ピロリドンからの合成も可能である。しかしながら、現在の2−ピロリ
ドン合成法では化石資源に依存しており、また多くのエネルギーを必要とする。このため
、原料として石油ではなくバイオマスを原料とし、低エネルギー、安価かつ簡便な2−ピ
ロリドン乃至ポリアミド4、N−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリドンの合成
方法を構築することは重要である。
【0004】
一方、2−ピロリドンの原料となるγ−アミノ酪酸(GABA)は神経伝達物質として
脳内に存在するほか、発芽玄米、漬物などの発酵製品中に多く含まれ、精神安定作用、血
圧降下作用などの生理作用がある。そのために、機能性食品として近年注目されている。
GABAの生産方法としては微生物や植物に内在する酵素を利用した方法がある。微生物
としては食品として利用されるため、発酵食品生産に用いる乳酸菌、カビが主として利用
されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−143487号公報
【特許文献2】特開2007−135416号公報
【特許文献3】特開2007−028998号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】N. Kawasaki et al., Polymer, 46, 9987-9993 (2005).
【非特許文献2】新食品添加物安全性検討委員会報告書p.9(資料2−1:ポリビニルピロリドンの指定に向けた検討のための報告書)、平成18年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリアミド4、さらにはN−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロリド
ンの原料となる2−ピロリドンを、石油を使用することなく、低エネルギー、安価かつ簡
便に入手することを目的とする。また、本発明は、2−ピロリドンの原料となるγ−アミ
ノ酪酸を、効率よく入手することを目的とする。また、本発明は、2−ピロリドンの原料
となるグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を無駄なく使用できるγ−アミノ酪酸生
産システム、更には2−ピロリドンを低エネルギー、安価かつ簡便に入手できる2−ピロ
リドン合成システムを提供することを目的とする。また、本発明は、このようにして入手
された2−ピロリドンからポリアミド4、N−メチル−2−ピロリドン、ポリビニルピロ
リドンを合成する方法及び合成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題に鑑み検討を行った結果、微生物を利用して、グルタミン酸及
び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸(以下、GABAと称する場合もある)を
効率良く生産する方法を見出した。また、本発明者らは、微生物を利用することにより得
られたγ−アミノ酪酸から、2−ピロリドンを効率良く合成する方法を見出した。また、
本発明者らは、γ−アミノ酪酸生産後に残存する未反応のグルタミン酸及び/またはグル
タミン酸塩を回収し、回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いてγ−
アミノ酪酸を生産する、γ−アミノ酪酸生産システムを構築した。また、本発明者らは、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いてγ−アミノ酪酸を生産し、
さらに2−ピロリドンを合成する2−ピロリドン合成システムを構築した。本発明は当該
知見に基づきさらに検討を重ねた結果完成されたものであり、下記に掲げるものである。
項1.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製さ
れた酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程を含む、γ−アミノ酪酸生産
方法。
項2.栄養成分を含まない混合液中で、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生
物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させる、項1に記載の方法。
項3.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と水との混合液中で、グルタミン酸及び
/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用さ
せる、項1に記載の方法。
項4.微生物が大腸菌である、項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.γ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程を含む、2−ピロリ
ドン合成方法。
項6.γ−アミノ酪酸が項1〜4のいずれかで生産されたものである、項5に記載の方法

項7.γ−アミノ酪酸の加熱処理が有機溶媒存在下で行われる、項5または6に記載の方
法。
項8.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製さ
れた酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程、及び、
該工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程を含む

グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成方法。
項9.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製さ
れた酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
る第2工程、及び
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工
程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのγ−アミノ酪酸生産システム。
項10.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製
された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
る第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工
程、及び
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリド
ンを合成する第4工程
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成システム。
項11.項5〜8のいずれかで合成された2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を
合成する工程を含む、ポリアミド4合成方法。
項12.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製
された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
る第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工
程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリド
ンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を合成する第5工程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリアミド4合成システム。
項13.項5〜8のいずれかで合成された2−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル
−2−ピロリドンを合成する工程を含む、N−メチル−2−ピロリドン合成方法。
項14.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製
された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
る第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工
程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリド
ンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル−2−ピロリドンを
合成する第6工程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのN−メチル−2−ピロリドン合
成システム。
項15.項5〜8のいずれかで合成された2−ピロリドンをN−ビニル化し、重合してポ
リビニルピロリドンを合成する工程を含む、ポリビニルピロリドン合成方法。
項16.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製
された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
る第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工
程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリド
ンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンをN−ビニル化し、重合してポリビニルピロリドン
を合成する第7工程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリビニルピロリドン合成シス
テム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、微生物を利用して、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ
−アミノ酪酸を効率良く生産することができる。また、本発明によれば、微生物を利用す
ることにより得られたγ−アミノ酪酸から2−ピロリドンを、効率良く合成することがで
きる。また、本発明によれば、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ
酪酸を生産させた際に得られる溶液中に残存する未反応のグルタミン酸及び/またはグル
タミン酸塩を回収し、回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩から、さらに
微生物を利用してγ−アミノ酪酸を効率良く生産することができる。
【0010】
このため、本発明によれば、2−ピロリドンの原料であるグルタミン酸及び/またはグ
ルタミン酸塩を無駄なく利用することができる。また、本発明では微生物を利用してグル
タミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産し、得られたγ−アミノ
酪酸から2−ピロリドンを生産することができるため、従来の石油から2−ピロリドンを
合成する場合とは異なり、2−ピロリドン、さらにはポリアミド4を低エネルギー、安価
かつ簡便に合成することができる。また、本発明によれば、ポリアミド4のほかにも、上
記のように得られた2−ピロリドンからさらにN−メチル−2−ピロリドンやポリビニル
ピロリドンも低エネルギー、安価かつ簡便に合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物との作用条件の例を示す。
【図2】図2は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成システムの例を示す。
【図3】図3は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのγ−アミノ酪酸の生産量及び転換率を示す。
【図4】図4は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物との実施例2における作用条件を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.γ−アミノ酪酸生産方法
本発明のγ−アミノ酪酸生産方法は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生
物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する
工程を含む。
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩
本発明においては、γ−アミノ酪酸の原料としてグルタミン酸及び/またはグルタミン
酸塩が使用される。ここでグルタミン酸塩は特に限定されないが、グルタミン酸ナトリウ
ム、グルタミン酸塩酸塩、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン
酸マグネシウム、などが例示される。本発明においてγ−アミノ酪酸の原料としては、好
ましくはグルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸塩酸塩、さらに好ましく
はグルタミン酸が使用される。
【0013】
本発明において、上記のようなグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩は、バイオマ
スから発酵法を用いて生産することもできる。バイオマスとしては限定されないが、サト
ウキビ、キャッサバ、サトウ大根、トウモロコシが例示される。
【0014】
グルタミン酸を生産する微生物は日本で発見され、発酵法によるバイオマスからのグル
タミン酸及び/またはグルタミン酸塩生産法は日本で開発された生産システムであり、そ
の生産量は世界で年間約100万トンである。例えば、発酵生産されたグルタミン酸塩の
用途としては、ナトリウム塩は主として食品調味料として利用され、その他には医薬品合
成の中間体や界面活性剤として利用されている(文献:発酵ハンドブック 共立出版 2
001)。このように、バイオマスからのグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩の生
産は、公知の方法に従い行うことができる。
微生物
該工程において使用される微生物は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ
−アミノ酪酸を生産できるものであれば限定されず、大腸菌、酵母、カビ、乳酸菌などが
例示される。これらは、グルタミン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含む核酸
が導入された組み換え体であってもよいが、環境中に放出された際の動物や生態系への影
響などを考えると、微生物は非組み換え体である方が容易に使用できる。例えば、大腸菌
を例に挙げると、大腸菌NBRC3806株、大腸菌NBRC12713が例示される。
また、乳酸菌を例に挙げると、Lactobacillus brevis NBRC12005、Lactococcus
lactis NBRC100933が例示される。
微生物を破砕して調製された酵素溶液
該工程において使用される微生物を破砕して調製された酵素溶液は、微生物を破砕して
適宜調製されたものであり、かつグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミ
ノ酪酸を生産できるものであれば限定されない。このような酵素溶液は、従来公知の微生
物から酵素溶液を調製する方法により、当業者が適宜製造することができる。ここで使用
される微生物としては、前記の微生物が挙げられ、同様に、組み換え体であっても非組み
換え体であってもよい。また、必要に応じて酵素を固定化して用いてもよい。
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵
素溶液との作用条件
ここで、「作用」とは、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸
を生産するために、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破
砕して調製された酵素溶液とを混合し、一定時間共存させておくことを意味する。
【0015】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された
酵素溶液との作用条件は、微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液を作用させ
ることにより、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産でき
るものであれば限定されない。
【0016】
例えば、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物とを作用させる場合、これ
らの作用は該工程において使用される微生物が増殖可能な栄養成分を含有しない条件下で
行ってもよく、また該栄養成分を含有する条件下で行ってもよい。好ましくは、これらの
作用は栄養成分を含有しない条件下で行われる。
【0017】
これらの作用が栄養成分を含有しない条件下で行われる場合、例えば、グルタミン酸及
び/またはグルタミン酸塩と微生物とは、以下のようにして作用させることができる。
【0018】
例えば、該工程において使用される微生物を、該微生物が増殖可能な栄養培地で培養し
、集菌、洗浄することにより培地成分を除去し、得られた微生物を、グルタミン酸及び/
またはグルタミン酸塩と水の混合液に添加することにより、グルタミン酸及び/またはグ
ルタミン酸塩と微生物とを作用させることができる(例えば図1の〔1−1〕参照)。こ
のように微生物をグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と水の混合液に添加した場合
であっても、微生物の活性は長時間低下することなく、効率よくγ−アミノ酪酸を生産す
ることができる。
【0019】
また、例えば、同様に培地成分を除去して得られた微生物を、グルタミン酸及び/また
はグルタミン酸塩と緩衝液の混合液に添加することにより、グルタミン酸及び/またはグ
ルタミン酸塩と微生物とを作用させることができる(例えば図1の〔1−2〕参照)。
【0020】
好ましくは、培地成分を除去して得られた微生物を、グルタミン酸及び/またはグルタ
ミン酸塩と水の混合溶液に添加することにより、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸
塩と微生物とを作用させることにより行われる。
【0021】
ここで、増殖可能な培地での培養回数は限定されず、いわゆる本培養の前に、前培養を
単回乃至複数回行ってもよい。好ましくは、本培養の前に、前培養を単回乃至複数回行わ
れる。増殖可能な培地は、使用する微生物の種類に応じて、適宜選択できる。
【0022】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物との作用が栄養成分を含有する条件
下で行われる場合、例えば、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物とは、以
下のようにして作用させることができる。
【0023】
例えば、該工程において使用される微生物を、該微生物が増殖可能な栄養培地で培養し
、得られた培養液にグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を添加することにより作用
させることができる(例えば図1の〔2−1〕、〔2−1’〕参照)。また、例えば、該
工程において使用される微生物を、該微生物が増殖可能な栄養培地で培養し、得られた培
養液を、別に用意しておいたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と新しい栄養培地
との混合液に添加することにより作用させることができる(例えば図1の〔2−2〕、〔
2−2’〕参照)。また、例えば、該工程において使用される微生物を、該微生物が増殖
可能な栄養培地で培養し、集菌、洗浄することにより得た微生物を、別に用意しておいた
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と新しい栄養培地との混合液に添加することに
より作用させることができる(例えば図1の〔2−3〕参照)。
【0024】
ここで、別に用意する混合液に含まれる新たな培地は、微生物が生育できるものであれ
ば、該工程において使用される微生物を培養した培地と同一でもよく、異なってもよい。
また、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物との作用が栄養成分を含有する
条件下で行われる場合も、増殖可能な培地での培養回数は限定されず、いわゆる本培養の
前に、前培養を単回乃至複数回行ってもよい。好ましくは、本培養の前に、前培養を単回
乃至複数回行われる。増殖可能な培地は、使用する微生物の種類に応じて、適宜選択でき
る。
【0025】
また、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物とを作用させる場合、ほかの
作用条件としては、作用させる溶液(以下、「作用溶液」と称する場合がある)のpH、
作用温度、作用時間、微生物の濃度、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度が
挙げられるが、これらはグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸が
生産されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類や濃度、グルタミン酸及び/または
グルタミン酸塩の濃度、作用溶液中の緩衝液成分の有無及び栄養成分の有無などに応じて
適宜調整すればよい。
【0026】
例えば、作用溶液のpHはグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪
酸が生産されるかぎり限定されないが大腸菌の場合は酸性域、好ましくはpH3.5〜5
.5、さらに好ましくはpH4.5〜5.5である。例えば、前述のように、グルタミン
酸と水の混合溶液中で、グルタミン酸と微生物とを作用させる場合には、得られる作用溶
液は栄養成分及び緩衝液成分を含んでおらず、従って、pH値を調整しなくともこれらを
好適なpH値とすることができる。グルタミン酸塩と微生物とを作用させる場合には、適
宜pHを調整すればよい。
【0027】
作用温度は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産でき
、かつ使用する微生物が生育可能であるかぎり限定されず、使用する微生物に応じて適宜
調整できる。大腸菌の場合、好ましくは20〜55℃、さらに好ましくは25〜37℃で
ある。
【0028】
作用時間も、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸が生産され
るかぎり限定されず、作用溶液のpH、反応温度、使用する微生物の種類や濃度、グルタ
ミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度、作用溶液中の緩衝液成分の有無及び栄養成分
の有無などその溶媒の組成に応じて適宜調整すればよい。例えば、作用溶液中のγ−アミ
ノ酪酸濃度があるレベルに到達した際に、これらの作用を終了させてもよい。また例えば
、作用溶液中のγ−アミノ酪酸濃度があるレベルに到達した際に、生産されたγ−アミノ
酪酸を分離し、当該作用溶液中で、残存するグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と
微生物との作用をさらに続けてもよい。この場合、必要に応じて作用溶液中にグルタミン
酸及び/またはグルタミン酸塩を新たに添加してもよい。
【0029】
微生物の濃度も、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸が生産
されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類、グルタミン酸及び/またはグルタミン
酸塩の濃度、pH、反応温度、溶媒の組成などに応じて適宜調整すればよい。例えば微生
物の濃度は0.1〜30g/100mL、好ましくは0.5〜10g/100mL、さら
に好ましくは0.5〜5g/100mLである。
【0030】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度も、グルタミン酸及び/またはグルタ
ミン酸塩からγ−アミノ酪酸が生産されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類や濃
度、pH、反応温度、溶媒の組成などに応じて適宜調整すればよい。例えばグルタミン酸
及び/またはグルタミン酸塩の濃度は、0.5重量%以上、好ましくは5〜50重量%、
さらに好ましくは10〜50重量%である。
【0031】
これらグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩は、すべて溶液中に溶けている必要は
ない。これらが溶けていない状態であってもグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩か
らγ−アミノ酪酸を生産することができる。
【0032】
また、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物を破砕して調製された酵素溶
液とを作用させる場合、緩衝成分及び補酵素の少なくとも一方を含有する条件下で行って
もよく、緩衝成分及び補酵素を含有しない条件で行ってもよい。好ましくは、これらの作
用は、前記栄養成分、緩衝成分及び補酵素を含有しない条件で行われる。さらに好ましく
は、これらの作用は、微生物を破砕して調製された酵素溶液を、グルタミン酸と水の混合
液に添加することにより行われる。
【0033】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物を破砕して調製された酵素溶液とを
作用させる場合、ほかの作用条件としては、作用溶液のpH、作用温度、作用時間、微生
物を破砕して調製された酵素溶液の種類及び濃度、グルタミン酸及び/またはグルタミン
酸塩の濃度が挙げられるが、これらはグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−
アミノ酪酸が生産されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類、作用溶液中の栄養成
分、緩衝液成分及び栄養成分の有無などに応じて適宜調整すればよい。
【0034】
例えば、作用溶液のpHはグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪
酸が生産されるかぎり限定されないが、微生物として大腸菌を使用した場合は酸性域、好
ましくはpH3.5〜5.5、さらに好ましくはpH4.5〜5.5である。例えば、前
述のように、グルタミン酸と水の混合液中で、グルタミン酸と微生物を破砕して調製され
た酵素溶液とを作用させる場合には、得られる作用溶液は栄養成分及び緩衝液成分を含ん
でおらず、従って、pH値を調整しなくともこれらを好適なpH値とすることができる。
グルタミン酸塩と微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させる場合には、適宜p
Hを調整すればよい。
【0035】
作用温度は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産でき
るかぎり限定されず、使用する微生物に応じて適宜調整できる。微生物が大腸菌の場合、
好ましくは20〜55℃、さらに好ましくは25〜37℃である。
【0036】
作用時間も、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸が生産され
るかぎり限定されず、作用溶液のpH、反応温度、使用する微生物の種類や濃度、グルタ
ミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度、作用溶液中の緩衝液成分の有無及び栄養成分
の有無などその溶媒の組成に応じて適宜調整すればよい。例えば、作用溶液中のγ−アミ
ノ酪酸濃度があるレベルに到達した際に、これらの作用を終了させてもよい。また例えば
、作用溶液中のγ−アミノ酪酸濃度があるレベルに到達した際に、生産されたγ−アミノ
酪酸を分離し、当該作用溶液中で、残存するグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と
微生物を破砕して調製された酵素溶液との作用をさらに続けてもよい。この場合、必要に
応じて作用溶液中にグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を新たに添加してもよい。
【0037】
微生物を破砕して調製された酵素溶液の濃度も、グルタミン酸及び/またはグルタミン
酸塩からγ−アミノ酪酸が生産されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類、グルタ
ミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度、pH、反応温度、溶媒の組成などに応じて適
宜調整すればよい。例えば酵素溶液のタンパク濃度は0.1〜30mg/mL、好ましく
は0.5〜10mg/mL、さらに好ましくは1〜5mg/mLである。
【0038】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩の濃度も、グルタミン酸及び/またはグルタ
ミン酸塩からγ−アミノ酪酸が生産されるかぎり限定されず、使用する微生物の種類や濃
度、pH、反応温度、溶媒の組成などに応じて適宜調整すればよい。例えばグルタミン酸
及び/またはグルタミン酸塩の濃度は、0.5重量%以上、好ましくは5〜50重量%、
さらに好ましくは10〜50重量%である。
【0039】
微生物を破砕して調製された酵素溶液を使用する場合も、これらグルタミン酸及び/ま
たはグルタミン酸塩は、すべて溶液中に溶けている必要はない。これらが溶けていない状
態であってもグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産するこ
とができる。
2.γ−アミノ酪酸からの2−ピロリドン合成方法
本発明の2−ピロリドン合成方法は、γ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを
合成する工程を含む。
γ−アミノ酪酸
ここで使用されるγ−アミノ酪酸は限定されず、前述のようにして微生物または微生物
を破砕して調製された酵素溶液を使用して生産されたγ−アミノ酪酸を使用してもよく、
ほかのγ−アミノ酪酸を使用してもよい。
2−ピロリドンの合成
2−ピロリドンはγ−アミノ酪酸を加熱処理することにより合成できる。γ−アミノ酪
酸はそのまま加熱してもよく、またγ−アミノ酪酸を種々の溶媒に添加し、その後、当該
溶媒とともに加熱してもよい。溶媒としては水、酢酸、酢酸塩水溶液、塩酸、水酸化ナト
リウム水溶液、各種緩衝液、培地を含む水溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2
−ピロリドンなどの有機溶媒が例示され、好ましくは水、酢酸水溶液、投入するGABA
のモル量の10%以下の酸もしくはアルカリ量を含む水溶液、DMSOや2−ピロリドン
などのように200℃まで安定な有機溶媒であり、さらに好ましくは水、酢酸水溶液、2
−ピロリドンである。例えば、溶媒として水を用いた場合には、迅速に2−ピロリドンを
合成することができる。また、例えば溶媒として酢酸水溶液を用いた場合には、反応系の
着色を抑制することができる。この場合、酢酸は2−ピロリドンの生成速度を抑制するの
で少ない方が望ましく、酢酸の量は反応系内のGABAのモル数の20%以下が望ましい
。また、2−ピロリドンそのものを溶媒として用いた場合、反応温度を下げることができ
、かつ、精製が容易である。
【0040】
また、前述のようにして微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液を使用して
生産されたγ−アミノ酪酸を用いる場合、作用溶液から分離・精製されたγ−アミノ酪酸
を加熱してもよく、得られた作用溶液そのものを加熱してもよい。得られた作用溶液その
ものを加熱する場合には、γ−アミノ酪酸を分離・精製する手間が省け、また分離時に生
じ得るγ−アミノ酪酸の損失を回避することができる。
【0041】
また、前述のようにして微生物を使用して生産されたγ−アミノ酪酸を使用する場合、
好ましくは、作用溶液は栄養成分を含有していないものであり、さらに好ましくは栄養成
分及び緩衝液成分のいずれも含有していないものである。これらの作用溶媒は、得られた
作用溶液そのものを加熱する場合に特に好ましい。また、前述のようにして微生物を破砕
して調製された酵素溶液を使用して生産されたγ−アミノ酪酸を使用する場合、好ましく
は、作用溶液は栄養成分を含有していないものであり、さらに好ましくは栄養成分、緩衝
液成分及び補酵素のいずれも含有していないものである。これらの作用溶媒は、得られた
作用溶液そのものを加熱する場合に特に好ましい。
【0042】
このような作用溶媒であれば、γ−アミノ酪酸を加熱する前に該作用溶液からγ−アミ
ノ酪酸を分離・精製するという手順を省いた場合であっても、より迅速に2−ピロリドン
を合成することができる。その場合、系内に残存していたグルタミン酸は環化し、2−ピ
ロリドンより高沸点分であるピログルタミン酸となり、2−ピロリドンの減圧蒸留により
容易に分離される。
【0043】
また、前記の方法に従い微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液を使用して
生産されたγ−アミノ酪酸を用いる場合、さらに作用溶液が緩衝液成分または培地成分の
少なくともいずれか一方を含有する場合には、得られた作用溶液をそのまま加熱してもよ
いが、pHが酸もしくはアルカリ側に偏る場合あるいはGABAの塩を形成する場合、反
応速度が低下するので、作用溶液からγ−アミノ酪酸を分離・精製し、得られたγ−アミ
ノ酪酸を加熱することが好ましい。得られたγ−アミノ酪酸は、必要に応じて溶媒に添加
され、その後に加熱されてもよい。
【0044】
加熱条件は、γ−アミノ酪酸から2−ピロリドンが合成されるかぎり限定されず、γ−
アミノ酪酸の濃度、溶媒の有無及び種類などにより適宜調整できる。例えば加熱温度は水
もしくは無溶媒の場合、200℃以上、好ましくは210〜240℃、さらに好ましくは
220℃である。
【0045】
該加熱は有機溶媒存在下で加熱してもよく、有機溶媒としてはDMSO、DMF、ピロ
リドンなどの高沸点の有機溶媒が例示される。有機溶媒を用いると、加熱温度を低くする
ことができる。例えば加熱温度は150℃以上、好ましくは170〜200℃、さらに好
ましくは180℃で副反応が起こることなく2−ピロリドンが合成される。ただし、溶媒
の沸点に注意すべきである。
3.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成方法
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成方法は、
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵
素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程、及び該工程で生産されたγ−アミ
ノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程を含む。
【0046】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された
酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程は、前述と同様にして行うことが
できる。また、γ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程も、前述と
同様にして行うことができる。
【0047】
ここでは、該工程で生産されたγ−アミノ酪酸から2−ピロリドンを合成することから
、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物との作用は、栄養成分及び緩衝液成
分を含まない水中で行うことが好ましい。また、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸
塩と微生物を破砕して調製された酵素溶液との作用は、栄養成分、緩衝液成分及び補酵素
を含まない水中で行うことが好ましい。
【0048】
このようにすれば、γ−アミノ酪酸を分離・精製する手間が省けるとともに、2−ピロ
リドンを迅速かつ高収率で合成することができる。
4.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのγ−アミノ酪酸生産システム
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのγ−アミノ酪酸生産システム
は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製され
た酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、第1工程で得られた溶液
から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、及び回収さ
れたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程を含
む。
第1工程
第1工程は、前述のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を
破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程と同様にして
行うことができる。
第2工程
第2工程は、作用溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収す
るものである。該回収は、作用溶液においてγ−アミノ酪酸濃度があるレベルに到達した
際に行ってもよく、また、γ−アミノ酪酸の生産量が増加しなくなった、すなわち生産反
応が停止した際におこなってもよい。
【0049】
回収方法としては、以下のものが挙げられる。沈殿による分離、カラムによる分離、膜
分離、電気泳動法による分離。これらのうち、沈殿による分離が簡便で推奨される。その
方法は、酸性、好ましくは微酸性にpHを保ち、例えば4℃に冷却、静置してグルタミン
酸を沈殿させ、遠心もしくはろ過により分離する。
第3工程
第3工程は、前記第1工程と同様にして行うことができる。ただし、第3工程では、グ
ルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩として、一旦第1工程に導入されたもののγ−ア
ミノ酪酸に変換されなかった未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いる
ことができる。また、第3工程では、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩として、
前記未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩のみを用いてもよく、一度も第1
工程を経ていない新たなグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を併用してもよい。
5.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成システム
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成システム
は、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製され
た酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、第1工程で得られた溶液
から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、回収された
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、及び第
1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドン
を合成する第4工程を含む。当該2−ピロリドン合成システムの例を図2に示す。
第1工程
第1工程は、前述と同様にして行うことができる。
第2工程
第2工程は、前述と同様にして行うことができる。
第3工程
第3工程も、前述と同様にして行うことができる。
第4工程
第4工程は、前述のγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程と同
様にして行うことができる。ただし、該合成システムの第4工程において、γ−アミノ酪
酸として、前記第1工程で得られたγ−アミノ酪酸と、前記第3工程で得られたγ−アミ
ノ酪酸の両者を加熱処理することができる。
6.2−ピロリドンからのポリアミド4合成方法
本発明のポリアミド4合成方法は、前記のようにして微生物または微生物を破砕して調
製された酵素溶液を使用して生産されたγ−アミノ酪酸から合成された2−ピロリドンを
、開環重合してポリアミド4を合成する工程を含む。例えば、2−ピロリドンを、減圧蒸
留などによる精製、及び乾燥後、開環重合してポリアミド4を合成することができる。開
環重合は公知の方法に従い適宜行うことができ、例えば2−ピロリドンを金属ナトリウム
などの塩基で活性化させ、酸塩化物を開始剤として用い、25〜90℃で10分以上の反
応時間で行うことができる。
7.2−ピロリドンからのN−メチル−2−ピロリドン合成方法
本発明のN−メチル−2−ピロリドン合成方法は、前記のようにして微生物または微生
物を破砕して調製された酵素溶液を使用して生産されたγ−アミノ酪酸から合成された2
−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル−2−ピロリドンを合成する工程を含む。N
−メチル化は公知の方法に従い適宜行うことができ、例えば、塩基触媒下、ヨウ化メチル
を作用させて合成できる。
8.2−ピロリドンからのポリビニルピロリドン合成方法
本発明のポリビニルピロリドン合成方法は、前記のようにして微生物または微生物を破
砕して調製された酵素溶液を使用して生産されたγ−アミノ酪酸から合成された2−ピロ
リドンをN−ビニル化し、重合してポリビニルピロリドンを合成する工程を含む。N−ビ
ニル−2−ピロリドンの合成は公知の方法に従い適宜行うことができ、例えばアルカリ触
媒存在下、アセチレンを反応させて得ることができ、N−ビニル−2−ピロリドンを重合
させるとポリビニルピロリドンが得られる。
9.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリアミド4合成システム
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリアミド4合成システムは
、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された
酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、第1工程で得られた溶液か
ら未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、回収されたグ
ルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、第1工程
及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成
する第4工程、及び第4工程で合成された2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を
合成する第5工程を含む。
第1工程
第1工程は、前述と同様にして行うことができる。
第2工程
第2工程は、前述と同様にして行うことができる。
第3工程
第3工程も、前述と同様にして行うことができる。
第4工程
第4工程も、前述と同様にして行うことができる。
第5工程
第5工程は、前述の2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を合成する工程と同様
にして行うことができる。
10.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのN−メチル−2−ピロリドン合成
方法
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのN−メチル−2−ピロリドン
合成システムは、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕
して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、第1工程で
得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程
、回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3
工程、第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピ
ロリドンを合成する第4工程、及び第4工程で合成された2−ピロリドンをN−メチル化
してN−メチル−2−ピロリドンを合成する第6工程を含む。
第1工程
第1工程は、前述と同様にして行うことができる。
第2工程
第2工程は、前述と同様にして行うことができる。
第3工程
第3工程も、前述と同様にして行うことができる。
第4工程
第4工程も、前述と同様にして行うことができる。
第6工程
第6工程は、前述の2−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル−2−ピロリドンを
合成する工程と同様にして行うことができる。
11.グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリビニルピロリドン合成方法
本発明のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリビニルピロリドン合成シ
ステムは、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調
製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、第1工程で得られ
た溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、回収
されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリド
ンを合成する第4工程、及び第4工程で合成された2−ピロリドンをN−ビニル化し、重
合してポリビニルピロリドンを合成する第7工程を含む。
第1工程
第1工程は、前述と同様にして行うことができる。
第2工程
第2工程は、前述と同様にして行うことができる。
第3工程
第3工程も、前述と同様にして行うことができる。
第4工程
第4工程も、前述と同様にして行うことができる。
第7工程
第7工程は、前述の2−ピロリドンをN−ビニル化し、重合してポリビニルピロリドン
を合成する工程と同様にして行うことができる。
【0050】
このように本発明の方法及びシステムによれば、特にグルタミン酸及び/またはグルタ
ミン酸塩と水という、栄養成分及び緩衝液成分を含まない単純な系で微生物を使用したと
しても、該微生物の活性を維持させ続けることが可能であり、高収率でグルタミン酸及び
/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸を生産させることができる。また、本発明の
方法及びシステムによれば、特にグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と水という、
栄養成分、緩衝液成分及び補酵素を含まない単純な系で微生物または微生物を破砕して調
製された酵素溶液を使用したとしても、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ
−アミノ酪酸を生産させることができる。
【0051】
また、本発明によれば、石油を使用することなく、低エネルギー、安価かつ簡便にグル
タミン酸及び/またはグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸、さらに2−ピロリドンを合成
することができる。また、本発明によれば、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を
無駄にすることなく、γ−アミノ酪酸、さらに2−ピロリドンを生産・合成することがで
きる。また、このようにして得られた2−ピロリドンから、ポリアミド4、N−メチル−
2−ピロリドン、ポリビニルピロリドンを合成することができる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
試験例1.グルタミン酸からのγ−アミノ酪酸生産(微生物)
1−1.作用溶液を用いたγ−アミノ酪酸の合成(微生物)
実施例1
802培地(ポリペプトン10g、酵母エキス2g、MgSO4・H2O1g/L、pH7.0
)で生育させた大腸菌NBRC3806株の前培養液を、同組成の培地に植菌、37℃で
24時間振とう培養した。菌体を8000rpm、10分の遠心分離で集菌した後、−8
0℃のフリーザーで凍結した。その後55℃、30分加熱処理した菌体を以下のGABA
生産に使用した。グルタミン酸40gを含む100mL溶液に菌体(湿重量600mg)
を加え、振とうしながら、25℃でGABAへの変換を行った。反応途中に遠心分離で上
清を回収、グルタミン酸と水を加えながらインキュベートを続けた。培養上清のグルタミ
ン酸およびGABA量は、HPLCで定量した。アミノ酸分析用カラムWakosil-PTC(Wak
o)を用い、試料はイソチオシアン酸フェニル(PITC)でフェニルチオカルバモイル
(PTC)化した後に、分析を行った。最終的に415時間で520gのグルタミン酸を
添加し、1300mLの上清を得た。得られた上清は280gのGABAを含み、変換率
は80%であった。結果を図3に示す。
実施例2
大腸菌NBRC3806および12713株を802培地で37℃、overnight生育さ
せた前培養液1mLを、同組成の培地50mL(1b1,1b2,1a)または5gグル
タミン酸を含む同組成の培地50mL(2)に植菌、37℃で振とう培養した。
【0053】
1の培養液は24時間後に、5gグルタミン酸を添加(1b1)、または集菌後、5g
グルタミン酸を含む同組成の培地50mLに懸濁(1b2)、または5gグルタミン酸を
含む蒸留水50mLに懸濁(1a)し、37℃で振とうした。各条件を図4に示す。
【0054】
48時間後に遠心により上清を回収し、GABAの生産量をHPLCで定量した。
【0055】
その結果、NBRC3806では集菌後グルタミン酸を含む水溶液(1a)のGABA
生産量を100とすると、培地にグルタミン酸を添加した場合(1b1,1b2)は10
,12,培養開始時にグルタミン酸を添加した場合(2)は1となった。
【0056】
各条件におけるGABAの生産量の比較を以下の表1に示す。表中、1aの条件におけ
るGABAの生産量を100とする。
【0057】
なお、大腸菌としてNBRC3806にかえてNBRC12713を用いた場合でも、
同様に上記1aの条件において、GABAを生産することができた。
【0058】
【表1】

【0059】
1−2.作用溶液を用いたγ−アミノ酪酸の合成(微生物を破砕して調製された酵素溶液

実施例3
802培地で生育させた大腸菌NBRC3806株の前培養液を、同組成の培地に植菌
し、37℃で24時間振とう培養した。菌体を8000rpm、10分の遠心分離で集菌
した後、これを0.85%NaCl溶液に懸濁し、超音波処理により菌体を破砕し、遠心
分離により沈殿した菌体成分を除去し、酵素溶液を調製した。
【0060】
この酵素溶液に1/2容量の5%グルタミン酸溶液を加え、37℃で24時間反応を行
った後、反応液のGABA濃度を測定した。その結果、GABA濃度は1%、変換率は8
4%であった。
試験例2.γ−アミノ酪酸からの2−ピロリドン合成
2−1.非水系でのγ−アミノ酪酸から2−ピロリドンの合成
実施例4〜10
手順
20mlのナスフラスコ中にGABA粉末1gを入れ、上部に空冷式の冷却管を取り付
け、マグネチックスターラーで攪拌しながら、オイルバスにて室温から加熱した。加熱開
始から15分後に215℃に達した。そのままバス温を215−230℃に保った。21
5℃に達した時点から水蒸気の発生が顕著になり、5分間でガスの発生が終わった。その
後、2分間その温度を保った後、室温に戻し、少量試料を採取し、1HNMRにて分析し
たところ、98%以上の純度で2−ピロリドンが生成していた。転換率93%であった。
【0061】
実施例5以降で、窒素置換する場合は、フラスコ上部の空冷管の上に三方コックを介し
て、窒素ガスバックを取り付け、窒素置換した。
【0062】
溶媒を使った試験の場合、GABA量を500mgにし、溶媒を1mlにして実施した
。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】

【0064】
2−2.水系でのγ−アミノ酪酸から2−ピロリドンの合成
実施例11〜17
手順
20ml容のナスフラスコに500mgのGABAと蒸留水1mlを入れ、230℃の
オイルバスで加熱した。水の留去と反応による水蒸気の発生が納まるまでに要した時間は
8分であった(実施例11)。冷却後、少量試料を採取し、1HNMRで分析して2−ピ
ロリドンの生成を確認した。実施例12〜17は蒸留水の代わりに各種水溶液を用いて同
様に行った。結果を以下の表3に示す。
【0065】
【表3】

【0066】
2−3.作用溶液を用いた2−ピロリドンの合成
実施例18〜20
手順
用いたGABA水溶液は組換え大腸菌によりグルタミン酸から生合成したGABA(2
08g/l, 2.0mol/l)で、実際には未反応グルタミン酸42.4g/l(0
.29mol/l)を含んでいる。この培養液306mlをトの字管、温度計、リービッ
ヒ冷却管、アダプター、受器を備えた500mlナスフラスコに入れ、マグネチックスタ
ーラーにて攪拌しつつ、オイルバスにて加熱し、精製することなく水の留去と220−2
50℃での熱分解(18min)とをワンポットで連続して行い、そのまま減圧蒸留する
ことにより純度99%以上の2−ピロリドンを49g(転換率92%)得た。なお、副生
物としてピログルタミン酸も得られたがこれは減圧蒸留後、残渣として分離された(実施
例20)。GABA濃度、GABA濃度とグルタミン酸の比率、溶媒、反応温度などを変
更し、実施例18及び19も同様にして行った。結果を以下の表4に示す。
【0067】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程を含む、2−ピロリドン合成方法。
【請求項2】
γ−アミノ酪酸が、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程を含む、γ−アミノ酪酸生産方法により生産されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
γ−アミノ酪酸の加熱処理が有機溶媒存在下で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する工程、及び、
該工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する工程を含む、
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成方法。
【請求項5】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、及び
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する第4工程
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からの2−ピロリドン合成システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかで合成された2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を合成する工程を含む、ポリアミド4合成方法。
【請求項7】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンを開環重合してポリアミド4を合成する第5工程、を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリアミド4合成システム。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかで合成された2−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル−2−ピロリドンを合成する工程を含む、N−メチル−2−ピロリドン合成方法。
【請求項9】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンをN−メチル化してN−メチル−2−ピロリドンを合成する第6工程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのN−メチル−2−ピロリドン合成システム。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかで合成された2−ピロリドンをN−ビニル化し、重合してポリビニルピロリドンを合成する工程を含む、ポリビニルピロリドン合成方法。
【請求項11】
グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩と微生物または微生物を破砕して調製された酵素溶液とを作用させてγ−アミノ酪酸を生産する第1工程、
第1工程で得られた溶液から未反応のグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を回収する第2工程、
回収されたグルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩を用いて第1工程を繰り返す第3工程、
第1工程及び/または第3工程で生産されたγ−アミノ酪酸を加熱処理して2−ピロリドンを合成する第4工程、及び
第4工程で合成された2−ピロリドンをN−ビニル化し、重合してポリビニルピロリドンを合成する第7工程、
を含む、グルタミン酸及び/またはグルタミン酸塩からのポリビニルピロリドン合成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−214496(P2012−214496A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161483(P2012−161483)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2007−339895(P2007−339895)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】