説明

バスバーモジュールの製造方法及びバスバーモジュール

【課題】バスバーを一括モールド成形することで生産性を向上でき、その成形時にバスバー同士の間隔を維持して電気絶縁性の低下を防止することができるバスバーモジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】複数のバスバー2a,2bを所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂3により一括モールド成形して、樹脂モールド体4を成形すると共に樹脂モールド体4から各バスバー2a,2bの接続端子5が露出するように形成するバスバーモジュール1の製造方法において、樹脂モールド体4を成形するための金型10内に、各バスバー2a,2bを接続端子5を除いて所定間隔で離間させて中空保持すると共に、各バスバー2a,2bを中空保持した金型10に、成形中にバスバー2a,2b同士の間隔を維持する接近防止手段18を設ける方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバスバーの電気的絶縁などを目的として、各バスバーを狭ギャップで積層し、その各バスバー間と周囲を絶縁性樹脂により一括モールド成形されてなるバスバーモジュールの製造方法及びバスバーモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図16に示すように、複数枚積層されたバスバー101において高電界(例えば、4kV/mm程度)に耐える電気絶縁性と信頼性を確保するために絶縁性樹脂102でバスバー間と周囲をモールド成形する手法が用いられる。具体的な製造手法は射出成形、押出成形が一般的である。
【0003】
このように、各バスバー101を積層し、その各バスバー101間と周囲を絶縁性樹脂102によりモールド成形したものをバスバーモジュール100と言う。
【0004】
インバータ回路の入力側にバスバーモジュール100を用いる場合、バスバーモジュール100には直流電圧が印加されており、インバータ回路でスイッチングして概略方形波電流を出力するようにして使用される。概略方形波電流において電流が時間的に変化している部分(LowとHighとの間)では損失が発生するため、損失低減のため電流の時間変化は速いほうが好ましい。
【0005】
しかし、電流の時間変化を大きくすると大きいサージ電圧が発生する(サージ電圧は、電流の時間変化とインダクタンスに比例)。
【0006】
このため、インバータ入力回路のインダクタンスは小さいことが好ましい。電極であるバスバー101同士の間隔が広いとインダクタンスが大きくなるため、この観点ではバスバー101同士の間隔を狭くすることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−38490号公報
【特許文献2】特開2004−304874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
インバータ入力回路のインダクタンスを小さくすべく、各バスバー101同士の間隔を狭くした場合、積層されたバスバー101がモールド成形時に金型内で樹脂に押され、バスバー101が変形(ソリ)、若しくは動くようなことがあれば、積層間隔が狭くなり十分な電気絶縁性が得られない問題が生じる。
【0009】
この問題を回避すべく、予めバスバー101間にスペーサとしての樹脂成形物を挟んでおく方法が考えられるが、この樹脂成形物がモールド樹脂である絶縁性樹脂102と完全に融解しないで界面を作る場合があり、また、樹脂成形物とバスバー101との間に気泡が入る場合があり、電気絶縁性が低下してしまう問題がある。さらに、バスバー101間に樹脂成形物を挟み込む工程が必要となり製造コストの上昇を招いてしまう問題もある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、バスバーを一括モールド成形することで生産性を向上でき、その成形時にバスバー同士の間隔を維持して電気絶縁性の低下を防止することができるバスバーモジュールの製造方法及びバスバーモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、複数のバスバーを所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂により一括モールド成形して、樹脂モールド体を成形すると共に該樹脂モールド体から各バスバーの接続端子が露出するように形成するバスバーモジュールの製造方法において、前記樹脂モールド体を成形するための金型内に、前記各バスバーを前記接続端子を除いて所定間隔で離間させて中空保持すると共に、前記各バスバーを中空保持した前記金型に、成形中にバスバー同士の間隔を維持する接近防止手段を設けるバスバーモジュールの製造方法である。
【0012】
前記接近防止手段は、前記各バスバーの両面にそれぞれ対向する前記金型の各面からそれぞれ前記金型内に挿入され、中空保持された前記各バスバーの両面にそれぞれ当接して前記各バスバーを挟持する複数の接近防止ピンからなるとよい。
【0013】
また、前記接近防止手段は、前記各バスバーの他のバスバーに対向する対向面に対向する前記金型の面から前記金型内に挿入され、中空保持された前記各バスバーの前記対向面に当接する複数の接近防止ピンからなってもよい。
【0014】
前記各バスバーに、他のバスバーに当接する前記接近防止ピンを挿通してかわすためのピン穴を形成するとよい。
【0015】
前記ピン穴の内径を、前記接近防止ピンの外径よりも大きく形成するとよい。
【0016】
前記接近防止ピンを、前記接近防止ピンが前記バスバーと当接する位置と隣接する前記接近防止ピンが前記バスバーと当接する位置との間における前記絶縁性樹脂の表面を沿う距離が沿面絶縁距離以上となるように、間隔を空けて配置するとよい。
【0017】
前記樹脂モールド体を成形した後あるいは成形中に、前記樹脂モールド体から前記接近防止ピンを除去するとよい。
【0018】
前記接近防止ピンは、前記金型内に固定されるか、或いは前記金型内に移動可能に挿入されるとよい。
【0019】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、複数のバスバーを所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂により一括モールド成形して、樹脂モールド体を成形すると共に該樹脂モールド体から各バスバーの接続端子が露出するように形成するバスバーモジュールにおいて、前記バスバーの所定箇所には、成形中にバスバー同士が接近することを防止するべく間隔を維持するための接近防止ピンを挿入するためのピン穴が形成されていることを特徴とするバスバーモジュールである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、バスバーを一括モールド成形することで生産性を向上でき、その成形時にバスバー同士の間隔を維持して電気絶縁性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明により得られたバスバーモジュールを示す図である。
【図2】図1のバスバーモジュールの構造を示す図である。
【図3】図1のバスバーモジュールの製造に用いる金型を示す図である。
【図4】図3の金型を組み立ててバスバーを保持させたときの構造を示す図である。
【図5】図4の状態で金型内に絶縁性樹脂を注入したときの構造を示す図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】金型を省略した樹脂モールド体を示す図である。
【図8】金型を省略した樹脂モールド体の構造を示す図である。
【図9】金型の変形例を示す図である。
【図10】図9の金型を用いたバスバーモジュールの製造方法を説明する図である。
【図11】図10のB−B線断面図である。
【図12】金型の変形例を示す図である。
【図13】本発明の適用例としてのバスバーを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図14】本発明の適用例としてのバスバーを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図15】図13,14のバスバーを用いたバスバーモジュールの製造方法を説明する図であり、(a)はバスバーの配置例を示す図、(b)は得られたバスバーモジュールを示す図である。
【図16】一般的なバスバーモジュールの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0023】
図1は、本発明により得られたバスバーモジュールを示す斜視図であり、図2は、その構造を示す断面斜視図である。
【0024】
図1,2に示すように、本発明により得られるバスバーモジュール1は、例えば、厚さ1.5mmの複数のバスバー2を所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂)3により一括モールド成形して、樹脂モールド体4を成形すると共に樹脂モールド体4から各バスバー2の接続端子5が露出するように形成されたものである。樹脂モールド体4の上下面には、それぞれ複数の穴6が形成されている。この穴6の詳細については後述する。
【0025】
ここで、所定間隔とは、おおよそ1mm以下(インダクタンスを小さくするため)であってバスバー2間の電気絶縁性を良好に保てる間隔(例えば、0.5mm)を言う。
【0026】
このバスバーモジュール1の製造方法を、その製造に用いる金型と共に説明する。
【0027】
先ず、図3に示すように、上型11と下型12とからなる中空の金型10を用意する。
【0028】
金型10は、樹脂モールド体4を成形するためのものであり、その金型10の上型11の側部には絶縁性樹脂3を注入するためのゲート(樹脂注入孔)13が複数形成されている(図6参照)。ゲート13は、その開口部の形状は、例えば、金型10の長手方向に沿って細長い形状を成している。なお、ゲート13の数は、単数でも良い。また、ゲート13の開口部の形状は、金型10の長手方向に沿って細長い形状を成していなくても良く、例えば、円形形状でも良い。
【0029】
上型11は、図示上側から上型本体11a、枠体形状に形成された第1保持溝付金型11b、枠体形状に形成された第2保持溝付金型11cの3つの金型部品からなる。
【0030】
第1保持溝付金型11bの内周面には、第1バスバー2aを保持するための第1保持溝14aが形成され、第2保持溝付金型11cの内周面には、第2バスバー2bを保持するための第2保持溝14bが形成される(図4参照)。
【0031】
これら保持溝14a,14bにそれぞれバスバー2a,2bを収容した後、上型11を組み立てると第1保持溝14aの上部が上型本体11aの下面15aで閉じられ、その下面15aと第1保持溝14aの底面を構成する座16aとの間に第1バスバー2aが挟み込まれて保持される。同様に、第2バスバー2bが第1保持溝付金型11bの下面15bと第2保持溝14bの座16bとの間に挟み込まれて保持される。
【0032】
このとき、座16a,16bと下面15a,15bとで挟み込まれた部分が、後に接続端子5となる。つまり接続端子5となる部分に絶縁性樹脂3が流れ込まないように、座16a,16bと下面15a,15bとの間隙はバスバー2a,2bの厚さと同じにされる。
【0033】
その後、上型11と下型12を組み立てると各バスバー2a,2bが所定間隔で離間された状態で金型10内のキャビティ17に中空保持される。
【0034】
従来は、この状態でゲート13から絶縁性樹脂3を注入し、各バスバー2a,2b間と周囲をモールド成形していた。
【0035】
しかし、絶縁性樹脂3を注入する際の樹脂圧でバスバー2a,2bが変形したり動いたりしてバスバー2a,2b同士が接近してその間隔が縮まり、結果として十分な電気絶縁性を確保できなくなる場合がある。
【0036】
そこで、本発明では各バスバー2a,2bを中空保持した金型10に、成形中にバスバー2a,2b同士の間隔を維持する接近防止手段18を設けるようにした。
【0037】
接近防止手段18は、各バスバー2a,2bの両面にそれぞれ対向する金型10の各面からそれぞれ金型10内に挿入され、中空保持された各バスバー2a,2bの両面にそれぞれ当接して各バスバー2a,2bを挟持する複数の接近防止ピン19からなる。
【0038】
接近防止ピン19としては、各バスバー2a,2bの間隔を維持してしっかりと支持する目的から、φ1mm程度(例えば、φ1.5mm)のものを用いるとよい。また、各バスバー2a,2bに関して、接近防止ピン19の先端面が当接する部分は、絶縁性樹脂3がモールドされないので、成形後に露出することになる。この露出する部分の間隔、即ち、バスバー2aに係る露出部分とバスバー2bに係る露出部分との各間隔は、絶縁性を確保する観点から、当該間隔における絶縁性樹脂の表面を沿う距離が材料や使用環境で決まる沿面絶縁距離以上となるように、設計するとよい。
【0039】
なお、接近防止ピン19は、金型10内に固定されるか、或いは金型10内に移動可能に挿入される。接近防止ピン19をその軸方向に移動可能にすることで様々な厚さのバスバーを所定間隔で離間させて保持することができるため、金型10の汎用性が向上する。そのため、本実施の形態においては接近防止ピン19を金型10に対して移動可能に設けた。
【0040】
次いで、この金型10を組み立てて各バスバー2a,2bを保持させる。図4に示すように、バスバー2a(又は2b)には、他のバスバー2b(又は2a)に当接する接近防止ピン19を挿通してかわすためのピン穴20が形成される。ピン穴20の内径は、接近防止ピン19の外径よりも大きく形成しているが、例えば、接近防止ピン19の外経とピン穴20の内径の差をバスバー2aとバスバー2bの間の距離tの2倍以上とすると、ピン穴20の内面をバスバー2aとバスバー2bの間の距離t以上の厚さの絶縁性樹脂3で覆うことができる。この様に構成することにより、電気絶縁特性をバスバー2aとバスバー2bの間の電気絶縁特性より良くすることができる。また、ピン穴20の内側の絶縁性樹脂3の厚さをバスバー2aとバスバー2bの間の距離tと同じにすることで、過不足のない電気絶縁特性とすることができると共に、絶縁性樹脂3の使用量を最適化することができ、接近防止ピン19の外経に対して必要最小限の穴径とすることができる。
【0041】
金型10の組み立て後、図5,6に示すように、ゲート13から金型10内のキャビティ17に絶縁性樹脂3を注入する。このとき、接近防止ピン19によって、各バスバー2a,2bの変形や移動を規制してバスバー2a,2bの間隔が所定間隔に維持される。また、接近防止ピン19の外径とピン穴20の内径の差が1mm以上あるため、その隙間に絶縁性樹脂3が回り込み、各バスバー2a,2bのピン穴20間においても十分な電気絶縁性を確保することができる。金型10を省略した樹脂モールド体4の斜視図及び構造図を図7,8に示す。
【0042】
この状態で絶縁性樹脂3を硬化させて、図7,8に示すように、樹脂モールド体4を成形すると共に樹脂モールド体4から各バスバー2a,2bの各接続端子5が露出するように形成する。
【0043】
その後、樹脂モールド体4を金型10から離型すると共に樹脂モールド体4から接近防止ピン19を除去する。以上の工程により、バスバーモジュール1を得る。
【0044】
つまり、樹脂モールド体4に形成された穴6は、樹脂モールド体4を成形する際に各バスバー2a,2bの間隔を維持するための接近防止ピン19により形成されたものである。樹脂モールド体4の成形時に絶縁性樹脂3の硬化と共に接近防止ピン19を徐々に引き抜いて(コアバックして)いくことで完成品に穴6を残さないようにすることも可能である。この様に構成することで、つまり、穴6からバスバーが露出させないようにすることで、電気絶縁特性を更に向上させることができる。
【0045】
この様に、穴6からバスバー2a,2bが露出させないようにした場合でも、接近防止ピン19が挿入されていた部分に充填される樹脂とその周囲の樹脂は、温度、圧力等の成形条件が異なってしまうおそれがある。この場合、接近防止ピン19が挿入されていた部分の樹脂とその周囲の樹脂の界面の電気絶縁強度が樹脂の電気絶縁強度より低くなるおそれがある。しかし、前記したように、接近防止ピン19がバスバーに当接する部分同士の間隔を樹脂の沿面絶縁距離以上となるように設計しておけば、前記樹脂の界面の電気絶縁強度が低いことによる影響を受けないようにすることができる。
【0046】
以上要するに本実施の形態に係るバスバーモジュールの製造方法によれば、各バスバー2a,2bを中空保持した金型10に、成形中にバスバー2a,2b同士の間隔を維持する接近防止手段18を設けるため、バスバー2a,2bが変形したり移動したりすることなくバスバー2a,2b間の間隔を一定に保つことができ、十分な電気絶縁性を確保することができる。
【0047】
また、本実施の形態においては、接近防止手段18は、各バスバー2a,2bの両面にそれぞれ対向する金型10の各面からそれぞれ金型10内に挿入され、中空保持された各バスバー2a,2bの両面にそれぞれ当接して各バスバー2a,2bを挟持する複数の接近防止ピン19からなるため、簡易な構成で上述の効果を実現することができる。
【0048】
本実施の形態においては、金型10として上型11が3つの金型部品からなるものを用いたが、これに限定されず、例えば、図9に示すように、上型11が1つの金型部品からなる金型90を用いてもよい。なお、図9では、各バスバー2a,2bを保持するための保持溝などの構成は省略して描いてある。
【0049】
この金型90を用いる場合も、図10,11に示すように、金型90を組み立てて各バスバー2a,2bを保持し、金型90のゲート91から絶縁性樹脂3を注入し、同様にバスバーモジュール1を製造することができる。
【0050】
また、図12に示すように、接近防止手段18が、バスバー2a(又は2b)の他のバスバー2b(又は2a)に対向する対向面に対向する金型120の面から金型120内に挿入され、中空保持された各バスバー2a,2bの対向面に当接する複数の接近防止ピン121からなってもよい。このように構成した場合であっても、絶縁性樹脂3の注入時の樹脂圧によって各バスバー2a,2bが接近する方向に力が働くため、バスバー2a,2bの間隔が広がることはない。
【0051】
本発明は、板状のバスバー2だけではなく、図13,14に示すようなL字型のバスバー130,140を用いたバスバーモジュールにも適用することができる。各バスバー130,140は、接続端子131,141となる端部をそれぞれ有し、その端部には金型に固定するための固定穴132,142がそれぞれ形成されている。また、各バスバー130,140には、ピン穴133,143がそれぞれ形成される。
【0052】
このような形状のバスバー130,140に合わせた金型を用意し、図15(a)に示すように、この金型により各バスバー130,140を所定間隔で離間させた状態で保持した後、金型内に絶縁性樹脂3を注入し、これを硬化させて樹脂モールド体150を成形すると共にその樹脂モールド体150から各接続端子131,141を露出させることにより、図15(b)に示すようなバスバーモジュール151が得られる。このバスバーモジュール151の樹脂モールド体150には、成形時に接近防止ピン19により形成された穴152が残っている。
【0053】
なお、図15(b)に示すようなバスバーモジュール151は、接続端子131,141が反対方向に出ているため、接続端子間の沿面絶縁距離を長くとることが容易になるという特徴がある。
【符号の説明】
【0054】
1 バスバーモジュール
2a,2b バスバー
3 絶縁性樹脂
4 樹脂モールド体
5 接続端子
10 金型
18 接近防止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバスバーを所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂により一括モールド成形して、樹脂モールド体を成形すると共に該樹脂モールド体から各バスバーの接続端子が露出するように形成するバスバーモジュールの製造方法において、
前記樹脂モールド体を成形するための金型内に、前記各バスバーを前記接続端子を除いて所定間隔で離間させて中空保持すると共に、前記各バスバーを中空保持した前記金型に、成形中にバスバー同士の間隔を維持する接近防止手段を設けることを特徴とするバスバーモジュールの製造方法。
【請求項2】
前記接近防止手段は、
前記各バスバーの両面にそれぞれ対向する前記金型の各面からそれぞれ前記金型内に挿入され、中空保持された前記各バスバーの両面にそれぞれ当接して前記各バスバーを挟持する複数の接近防止ピンからなる請求項1に記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項3】
前記接近防止手段は、
前記各バスバーの他のバスバーに対向する対向面に対向する前記金型の面から前記金型内に挿入され、中空保持された前記各バスバーの前記対向面に当接する複数の接近防止ピンからなる請求項1に記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項4】
前記各バスバーに、他のバスバーに当接する前記接近防止ピンを挿通してかわすためのピン穴を形成した請求項2又は3に記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ピン穴の内径を、前記接近防止ピンの外径よりも大きく形成する請求項4に記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記接近防止ピンを、前記接近防止ピンが前記バスバーと当接する位置と隣接する前記接近防止ピンが前記バスバーと当接する位置との間における前記絶縁性樹脂の表面を沿う距離が沿面絶縁距離以上となるように、間隔を空けて配置する請求項2〜5のいずれかに記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項7】
前記樹脂モールド体を成形した後あるいは成形中に、前記樹脂モールド体から前記接近防止ピンを除去する請求項2〜6のいずれかに記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項8】
前記接近防止ピンは、前記金型内に固定されるか、或いは前記金型内に移動可能に挿入される請求項2〜7のいずれかに記載のバスバーモジュールの製造方法。
【請求項9】
複数のバスバーを所定間隔で離間させた状態で絶縁性樹脂により一括モールド成形して、樹脂モールド体を成形すると共に該樹脂モールド体から各バスバーの接続端子が露出するように形成するバスバーモジュールにおいて、
前記バスバーの所定箇所には、成形中にバスバー同士が接近することを防止するべく間隔を維持するための接近防止ピンを挿入するためのピン穴が形成されていることを特徴とするバスバーモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−88406(P2011−88406A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245644(P2009−245644)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】