説明

バックライティングアプリケーションのための側面放射LED光源

本発明は、光学的に結合される2つの部分組立品を有する側面放射照明装置に関する。各部分組立品は、基板と、前記基板に配置される少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源に光学的に結合される発光板とを有する。前記光源は、前記発光板からルミネセンス光を励起することが可能な波長の光を放射する。前記2つの部分組立品は、前記発光板の自由表面を互いに向き合わせて配設される。前記側面放射照明装置は、例えば、TFFC(Thin Film Flip Chip)技術を用いて配設されるむきだしのチップ又はレーザダイオードを有する光源に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の分野に関する。より詳しくは、本発明は、側面放射照明装置、及びこのような側面放射照明装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルバックライティングアプリケーションにおいては、最先端の側面放射発光ダイオード装置(LED装置)が一般に用いられている。従来技術の側面放射LED装置の基本構成は、LEDチップ及び電気的接続部を備える基板、並びに光導体であって、放射された光がLEDパッケージをその側面を通って出るように、LEDチップによって放射された光を光導体内に反射する反射構造部又はトップコーティングを具備する光導体である。
【0003】
米国特許出願公開第US 2006/0273337 A1号は、側面放射LEDパッケージ及びその製造方法を開示している。側面放射LEDパッケージは、中央が凹状にへこんだ上面であって、基板及び光源を覆い、保護する上面を持つ成形部によって構成される光導体を備える上記のような基本構成を有する。更に、上面は、反射層によって覆われる。反射層は、光源によって放射される光を、基板に関して横方向への光伝送面を形成する成形部から横方向へ反射させる。
【0004】
上記で例を挙げた従来技術の側面放射LEDの側面を出る光は、多くの場合、一様でない角度分布を持つ。従来技術の文献、米国特許出願公開第US 2006/0239000 A1号において、この問題に対する1つの解決策が提案されており、前記文献は、基本構成の2つの別々の側面放射LEDが、各々の側面放射LEDからのビーム拡がりを補うよう頭を付き合わせて取り付けられる側面放射LEDパッケージを開示している。しかしながら、別々の側面放射LEDの取付けは、機械的に複雑で、場所をとる構造を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の上記の不利な点を改善する側面放射照明装置及びこのような装置を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1及び15において規定されているような本発明による装置及び方法によって達成される。
【0007】
従って、請求項1に記載の本発明の第1の態様によれば、2つの部分組立品を有する側面放射照明装置であって、各部分組立品が、基板と、前記基板に配置される少なくとも1つの光源と、第1面及び反対側の第2面を持つ発光板とを有する側面放射照明装置が提供される。前記第1面は、前記少なくとも1つの光源と光学的に結合される。前記少なくとも1つの光源は、前記発光板からルミネセンス光を励起することが可能な波長の光を放射する。前記2つの部分組立品は、前記発光板の前記第2面を光学的に結合させて配設される。
【0008】
従って、発光板からルミネセンス光を励起する光源を備える側面放射照明装置であって、2つの部分組立品から成る側面放射照明装置が提供される。前記部分組立品は、対称的に構成され、製造プロセスにおいて光学的に結合される前に、別々に調べられることができる。これは、前記装置が取り付けられる前に製造欠陥を検出するのに有利である。更に、向かい合わせの、対称的な構成の、少なくとも1つの光源の2つのセットを有する場合、前記側面放射照明装置を出る光は、少なくとも1つの光源の個々のセットの光拡散特性に関して、補償される。必要とされる照明装置の面積に比例する光の強度も、通常の構成の側面放射照明装置を用いる場合と比較して、2倍になる。
【0009】
請求項2において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記発光板は、発光セラミック小板である。発光セラミック小板は、前記光源によって生成された光を吸収し、その後、光励起により、ルミネセンス光を放射するのに適する材料を供給する。前記発光セラミック小板は、光導体の役割を果たし、透明度及び透光性の特性に関して最適化され得る。
【0010】
請求項3において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記少なくとも1つの光源は、むきだしの発光ダイオードチップによって形成される。
【0011】
前記発光板と光学的に結合されるむきだしのチップを用いることによって、前記チップからの光抽出は高い効率を持つ。更に、前記装置の側面からの全角度わたって対称色放射が得られる。
【0012】
請求項4において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記少なくとも1つの光源は、レーザダイオードによって形成される。これは、高出力アプリケーション及び狭帯域アプリケーションに有利である。
【0013】
請求項5において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記光源に前記発光板を光学的に結合するのに光学接着剤が用いられる。これは、前記発光板と前記光源との有利な光学的な結合及び組み立てを供給する。前記光源の光は、前記光学接着剤を介して前記発光板内へ案内され、前記光源と前記発光板との間の高い光学的結合を供給する。更に、前記発光板及び前記光源に対して前記光学接着剤の屈折率を最適化することで、前記光源から前記発光板への最適な光抽出が達成される。前記光源から前記発光板内への光抽出を最適化することによって、前記装置の光効率は高められる。
【0014】
請求項6において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記発光板を光学的に結合するのに光学接着剤が用いられ、従って、2つの前記発光板の間の良好な光学的な結合及び組み立てを供給する。これは有利である。更に、前記発光板において生成される光の全内部反射を供給する、前記発光板に対する屈折率を持つ光学接着剤は、前記発光板と前記光学接着剤との間の境界における屈折による光の損失を減らすであろう。
【0015】
請求項7において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記光学接着剤は無機である。
【0016】
請求項8において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記発光板は、白色光放射材料、赤色光放射材料、緑色光放射材料、青色光放射材料、及びアンバー光放射材料から成るグループから選択される。これは、前記装置を様々なディスプレイアプリケーションにおいて利用する場合に有利である。
【0017】
請求項9において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記装置は、前記光源又は前記発光板上に配設される特定波長用光学層を更に有する。前記層は、各々、前記光源と前記光学接着剤との間、及び前記基板と前記光学接着剤との間の光学的結合の特定波長用光学特性を選択するのに有利である。
【0018】
請求項10において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記特定波長用光学層は、前記光源によって生成される光に対して透明であり、前記発光板において生成される光に対して反射性である。これは、前記装置の光効率を更に高めるであろう。
【0019】
請求項11において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記装置は、前記装置の前記基板と接続して配設されるヒートシンクを更に有する。前記ヒートシンクは、前記装置の両方の部分組立品に対して同じ熱的条件を確保するための熱拡散機能を供給する。
【0020】
請求項12において規定されているような前記装置の実施例によれば、1つの発光板しか用いられない。これは、依然として、対称的な装置を供給するが、より短い製造プロセスしか必要とせず、有利である。
【0021】
請求項13において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記部分組立品の前記光源は、電気的に接続される。これは、前記部分組立品の電力供給スキームをより効率的にする。
【0022】
請求項14において規定されているような前記装置の実施例によれば、前記基板は、不透明又は反射性である。前記部分組立品の前記基板が、固有不透明特性を持つ場合、又は反射性である場合、本発明による装置は、従来技術の側面放射LEDとは対照的に、前記装置からの光度を高めるために直接光を遮り、且つ/又は光を横方向に反射するためのトップミラーを必要としない。
【0023】
請求項15に記載の本発明の第2の態様によれば、側面放射照明装置を製造する方法であって、
2つの部分組立品のために、
− 基板を設けるステップと、
− 前記基板上に少なくとも1つの光源を配置するステップと、
− 前記少なくとも1つの光源に発光板を光学的に結合するステップとを有し、更に、
− 前記2つの部分組立品を、前記発光板が光学的に結合されるように組み立てるステップを有する方法が提供される。
【0024】
従って、組み立てる前に、まず、2つの部分組立品が製造される方法が提供される。これは、取り付ける前の別々の部分組立品の検査を可能にするので有利である。前記2つの部分組立品が同一であるよう選ばれる場合には、前記部分組立品が同じ製造ラインで製造され得るので、前記製造プロセスがより効率的になる。
【0025】
請求項16において規定されているような前記方法の実施例によれば、前記組み立てるステップは、前記発光板を光学的に結合するステップを有する。これは有利である。
【0026】
請求項17において規定されているような前記方法の実施例によれば、前記光学的な結合は、光学接着剤を用いて接着することで実施される。
【0027】
請求項18において規定されているような前記方法の実施例によれば、前記方法は、前記光源と前記発光板との間に特定波長用光学層を設けるステップを更に有する。
【0028】
請求項19において規定されているような前記方法の実施例によれば、前記方法は、前記部分組立品間の電気的接続部を設けるステップを更に有する。
【0029】
本発明は、2つの光学的に結合される部分組立品であって、前記部分組立品が、各々、基板上に取り付けられる少なくとも1つの光源を有し、前記光源が、発光板と光学的に結合され、前記発光板が、対応する他の部分組立品の発光板に面する2つの光学的に結合される部分組立品によって構成される側面放射照明装置は、前記側面からの全角度にわたっての一様な対称色放射を備える、対称的な、高出力、高効率側面放射照明装置をもたらすという洞察に基づいている。
【0030】
下記の実施例を参照して、本発明のこれら及び他の態様、特徴及び利点を説明し、明らかにする。
【0031】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】本発明による装置の実施例の部分組立体の概略的な断面図を図示する。
【図1b】本発明による側面放射照明装置の実施例の概略的な断面図を図示する。
【図2a】本発明による側面放射照明装置の実施例の概略的な断面図を図示する。
【図2b】本発明による側面放射照明装置の実施例の概略的な断面図を図示する。
【図3】本発明による側面放射照明装置の実施例であって、ヒートシンクを有する実施例を図示する。
【図4】本発明による側面放射照明装置を製造する方法の主要なステップの別の実施例の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の第1の態様においては、単一の側面放射照明装置が形成されるように組み立てられる2つの部分組立品を有する側面放射照明装置が提供される。図1a)は、1つ以上の光源140が設けられる基板130を有する部分組立品を図示している。光源140は、発光板110と光学的に結合される。発光板は、第1面111と第2面112とを持つ。光学的結合は、光源140において生成された光が発光板110の方へ案内され、発光板110においてフォトルミネセンスによって光が生成される、即ち、光源からの光が、発光板材料に吸収され、発光板材料によってより長い波長で再放射されるように構成される。従って、光源140、及び発光板110の材料は、光源140が、発光板110からルミネセンス光を励起することが可能な波長の光を放射するように整合させられなければならない。
【0034】
以下に記載する説明的なものであって、限定するものではない実施例においては、基板130はセラミックである。基板130の表面には、LEDの形態の光源が配設される。光源140は、発光ダイオードのためのTFFC(Thin Film Flip Chip)技術を用いて取り付けられる。この技術は、陽極及び陰極を光源の光出力経路から離して配置し、むきだしのチップを、チップにおいて生成される光の遮るものがない光学的結合に利用可能なままにすることを可能にする。これは、チップからの最大限の光の抽出を可能にし、前記装置の高い光効率を可能にする。TFFC(Thin Film Flip Chip)技術は、http://www.lumileds.com/newsandevents/releases/PR73.pdf.pdfにおいて説明されているので、本願明細書ではこれ以上詳細には説明しない。
【0035】
側面放射照明装置の実施例200においては、光源140は、レーザダイオードで実現される。しかしながら、ただ簡単にするために、以下の実施例であって、これらに限定しない例を挙げている以下の実施例においては、LED光源について述べる。
【0036】
この実施例においては、光源、即ち、むきだしのチップ140が、発光セラミック小板110と光学的に結合される。光源140と発光セラミック小板110との間の光学的結合は、図においては層120として図示されている光学接着剤から成る。
【0037】
図1b)には、本発明による側面放射照明装置の実施例200が図示されている。2つの、上記のような部分組立品100、100'は、それらの各々の、発光板110、110'の第2面112、112'を光学的に結合させるよう配設される。光学的結合は、光学接着剤から成り、層250として図示されている。
【0038】
側面放射照明装置の実施例200においては、前記部分組立体100、100'の光源140、140'は、電気的に接続される。これは、電気コネクタ260として図示されている(例えば、図3参照)。本発明の実施例においては、発光セラミック小板110は、透明な且つ/又は半透明な特性に関して最適化される。発光セラミックの形成時には、粉末蛍光体(又は他の適切な材料)が、蛍光体粒子を焼結してセラミック体にするよう高圧及び高熱にさらされる。その場合、前記粒子は、密に詰められ、粒子の堅いかたまりを形成するようくっつき合う。結果として生じる発光セラミックの光学的挙動は、別々の蛍光体粒子が別々の蛍光体粒子の間の境界面に小さな光学的不連続性をもって密集しているものの光学的挙動である。これは、発光セラミックを形成する蛍光体材料と同じ屈折率を持つ光学的にほぼ同質の材料を与える。別々の蛍光体粒子の間には異なる屈折率の材料はごくわずかしかないので、発光セラミックは、透明又は半透明である。
【0039】
更に、用いられる発光板110は、白色光放射材料、赤色光放射材料、緑色光放射材料、青色光放射材料、及びアンバー光放射材料であり得る。当業者には分かるであろうように、他の如何なる色の光を放射する材料も、用いることが可能であり、本発明の範囲内とみなされるべきである。側面放射照明装置200の光特性を、或る特定の用途又は必要とされる発光色に合わせるよう設計する場合、発光板の厚さ及び発光材料内の発光中心の密度に関して、発光板の構成が選択される。
【0040】
層120及び250の光学接着剤は、実施例においては無機である。高い屈折率を備える無機接着剤は、発光セラミック材料の屈折率に近い屈折率を備える優れた光学的結合を供給する。他の例においては、接着は、ゾルゲルガラス、又はエポキシ若しくはシリコーンのような有機若しくは有機・無機ハイブリッド接着剤の極薄層を用いて行われ得る。
【0041】
前記装置の有利な実施例においては、光学接着剤は、光源から発光板への最適な光抽出のために適合させられる、発光板110及び光源140に対する屈折率を持つ。また、発光板に対する屈折率を、発光板110において生成される光の全内部反射を得るよう選ぶと、高効率の側面放射照明装置が供給される。
【0042】
光学接着剤の特性は、好ましくは、発光板において生成される光の色のために適合させられる。このような特性は、屈折率、接着層の厚さ、透明度及び透光性である。
【0043】
側面放射照明装置の別の実施例においては、前記装置に、図2に示されているような特定波長用光学層280が配設される。図2a)においては、特定波長用光学層280は、発光板110上に配設されており、より詳しくは、発光板110の表面であって、光源140に面する表面上に配設されている。別の実施例においては、特定波長用光学層280は、光源140の上に、即ち、LEDの結合面上に配設される(図2b)参照)。従って、両方の実施例において、層280は、光源140と発光板110との間に配設される。特定波長用光学層280は、励起波長、即ち、光源140において生成される光に対しては透明であり、発光板110において生成される光に対しては反射性である特定波長用鏡を構成する。この方法においては、基板130上の光源140からの光が、発光板110において板の材料を励起し、フォトルミネセンスを引き起こすよう発光板110に入り得る。このフォトルミネセンスプロセスにより生成された光は、次いで、特定波長用光学層280と反対方向に、発光板110内へ後方反射され、その後、発光板110の側面113及び114を通って側面放射照明装置を出て行き得る。これは、別の方法では前記装置内で生じ得る後方散乱損失を減らす。特定波長用光学層280は、フォトニック構造を利用して実現される。
【0044】
別の実施例においては、特定波長用光学層280は、ダイクロイックミラーとして実現される。この場合には、発光板110、又は光源140の上面に、屈折率に違いがある少なくとも2つの材料を有する多層スタック280が設けられる。このようなスタックは、光学フィルタとして知られている。このようなダイクロイックミラー(即ち、スタック)280の例が表1に示されている。ここで、用いられている材料は、二酸化ケイ素(SiO)及び五酸化ニオブ(Nb)である。これらの材料は両方ともよく知られている光学材料である。目的は、光源140において放射される青色光を透過することであり、前記光は、このダイクロイックミラーのために、発光板110、110'において赤色光に変換される必要がある。その場合、この赤色光は、前記赤色光が前記装置の側面113又は114のうちの一方からしか出て行かないように、発光板110、110'の上面及び底面において反射される。このタイプのダイクロイックミラー280は、変換ルミネセンス光(この例においては赤色光)を反射し、ルミネセンス光がダイクロイックミラー280を逆に通過するのを妨げながら、励起光源からの広範囲の角度の光(この例においては青色光)を、ダイクロイックミラー280を通して発光板内へ伝送することを可能にする。一般に、ダイクロイックミラーは、青色光又はUV光を透過し、青色又はUVより高い任意の波長を反射するために設計され、利用され得る。
【表1】

【0045】
図3は、側面放射照明装置の実施例300を図示している。この場合には、ヒートシンク310が、側面放射照明装置200と接続して配設される。ヒートシンク310は、2つの部分組立品100、100'の一様な熱的条件、より詳しくは、光源の2つのセット140、140'の一様な熱的条件を達成するために、装置200によって外部的に生成される熱及び内部的に生成される熱を散らすという目的に役立つ。ヒートシンクは、前記装置からの光を反射するという目的にも役立つ。ヒートシンク310は、更に、装置200に電力を供給する電気的接続部(図示せず)の配線支持部としての役割も果たす。ヒートシンク310は、適切な反射特性及び熱拡散特性を持っている任意の材料、例えばアルミニウムから成ってもよく、又は熱拡散のための材料と、アルミニウム、銀のような鏡面反射コーティング、若しくは拡散(白色)反射コーティングとの組み合わせから成ってもよい。
【0046】
本発明の別の実施例においては、各部分組立品の基板130は、固有不透明特性を持つ、又は反射性である。その場合、前記装置において生成される光は、光が前記装置の側面113又は114のうちの一方からしか出て行かないように、基板130の表面において反射される、又は少なくとも妨げられる。
【0047】
本発明の第2の態様は、側面放射照明装置を製造する方法である。前記方法は、図4において、ステップごとの図で図示されている。ステップ400乃至420は、側面放射照明装置200の別々の部分組立品100を製造するステップを図解で示している。ステップ430乃至440は、2つの部分組立品100、100'の最終的な組み立てを示している。
【0048】
最初のステップ400においては、基板が設けられる。ステップ405において、むきだしのチップの発光ダイオードを有する光源140が、基板に配置され、電極及び陽極に電気的に接続されるように、基板には、発光ダイオードのためのTFFC(Thin Film Flip Chip)技術を用いて、電極及び陽極(図示せず)が装備される。別の実施例においては、光源は、レーザダイオード又は他の適切な光源を含む。
【0049】
前記方法の或る実施例においては、ステップ405のすぐ後にステップ410が続く。ステップ410においては、光源140が、発光板110と光学的に結合される。まず、スクリーン印刷、スピンコーティング又は他の任意の適切な塗布方法によって、光源140の上に、光学接着剤の層120が塗布される。次いで、光学接着剤の層120に発光板110が取り付けられ、光学接着剤が、用いられる接着剤に適した方法で、圧力下で硬化させられる。硬化は、接着剤によっては、例えば、部分組立品100を、適切な時間の間、UV光又は熱にさらすことによって実施され得る。光学接着剤は、発光板110を、基板130上の光源140に固定させる他に、光源140と発光板110との間の光学的結合を形成する。ステップ420には、完成した部分組立品100が示されている。
【0050】
ステップ430においては、2つの部分組立品100、100'が、この例示的な実施例においては、まず、第1部分組立品100の上面112に光学接着剤の層250を塗布することによって、側面放射照明装置200を形成するよう、組み立てられる。これは、上記で、層120について記載したのと同じ方法で実施される。次いで、第1部分組立品100に、第2部分組立品100'が、接着することによって、即ち、光学接着剤の層250の上に第2部分組立品100'の上面112を押し付けることによって、取り付けられる。光学層250は、次いで、現在の接着剤にとって適切な硬化条件下で硬化することを可能にされる。現在の接着剤と関連する硬化条件は、例えば、圧力、温度及び/又は放射線のタイプである。最後に、別のステップ440において、側面放射照明装置200に、第1部分組立品100の光源と第2部分組立品100'の光源との間の電気コネクタ260が供給される。
【0051】
別の実施例においては、2つの部分組立品100及び100'は、別の適切な接着材料を用いて組み立てられる。接着は、ゾルゲルガラス、又はエポキシ若しくはシリコーンのような有機若しくは有機・無機ハイブリッド接着剤の極薄層を用いて行われ得る。
【0052】
別の実施例においては、前記方法は、フォトニック構造又はダイクロイックミラーである特定波長用光学層280を設ける付加的なステップを有する。この付加的なステップは、それが前記方法のどこで実施され得るのかを示すために2つのステップ406又は407として示されている。ステップ406は、光源を配置した後、即ち、ステップ405の後に実施され、次いで、ステップ410に続く。ステップ406の代わりに、ステップ407を用いることを選んで前記方法を実施する場合、ステップ407は、ステップ410において光学接着剤を塗布する前、即ち、ステップ405とステップ410との間に実施される。
【0053】
付加的なステップ406又は407は、屈折率に違いがある少なくとも2つの材料を有する多層スタック280を形成するよう材料の薄層を設けることによって実施される(表1参照)。ステップ406を利用する実施例による方法を実施する場合、多層スタック280は光源に塗布される。ステップ407を利用する実施例による方法を実施する場合、多層スタックは、光源140と発光板110を接着するステップの前に、直接、発光板110に塗布される。
【0054】
別の実施例においては、前記方法は、ステップ450を更に有し、ステップ450においては、側面放射照明装置200にヒートシンク310が設けられる。例であって、これに限定しない例においては、これは、適切な形状のアルミニウム片又は他の熱拡散材料片内に装置200を取り付けることによりヒートシンク310を付すことによって実施される。
【0055】
上記の例においては、光源140は、TFFC(Thin Film Flip Chip)を用いて取り付けられる発光ダイオード、LEDであるが、前記方法の原理は、あらゆる適切な既存の又は将来の光源に適用可能であり、請求項の範囲は、特に、むきだしのチップのLEDには限定されない。
【0056】
上記では、添付の請求項において規定されているような本発明による側面放射照明装置の実施例を説明した。これらは、単なる例であって、これらに限定されない例とみなされるべきである。当業者には分かるように、添付の請求項によって規定されるような本発明の範囲内で、多くの修正例及び別の実施例が考えられる。
【0057】
この出願のためには、とりわけ、添付の請求項に関しては、「有する」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しないことに注意されたい。このこと自体は当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部分組立品を有する側面放射照明装置であり、各部分組立品が、
基板と、
前記基板に配置される少なくとも1つの光源と、
第1面及び反対側の第2面を持つ発光板とを有する側面放射照明装置であって、前記第1面が、前記少なくとも1つの光源と光学的に結合され、前記少なくとも1つの光源が、前記発光板からルミネセンス光を励起することが可能な波長の光を放射し、前記2つの部分組立品が、前記発光板の前記第2面を光学的に結合させて配設される側面放射照明装置。
【請求項2】
前記発光板が、発光セラミック小板である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源が、むきだしの発光ダイオードチップによって形成される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源が、レーザダイオードによって形成される請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記光源に前記発光板を光学的に結合するのに光学接着剤が用いられる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記発光板を光学的に結合するのに光学接着剤が用いられる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記光学接着剤が無機である請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記発光板が、白色光放射材料、赤色光放射材料、緑色光放射材料、青色光放射材料、及びアンバー光放射材料から成るグループから選択される請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記光源又は前記発光板上に配設される特定波長用光学層を更に有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記特定波長用光学層が、前記光源によって生成される光に対して透明であり、前記発光板において生成される光に対して反射性である請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置の前記基板と接続して配設されるヒートシンクを更に有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記部分組立品のうちの1つだけが発光板を有する請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記部分組立品の前記光源が、電気的に接続される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記基板が、不透明又は反射性である請求項1乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
側面放射照明装置を製造する方法であって、
2つの部分組立品のために、
基板を設けるステップと、
前記基板上に少なくとも1つの光源を配置するステップと、
前記少なくとも1つの光源に発光板を光学的に結合するステップとを有し、更に、
前記2つの部分組立品を、前記発光板が光学的に結合されるように組み立てるステップを有する方法。
【請求項16】
前記組み立てるステップが、前記発光板を光学的に結合するステップを有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記光学的な結合が、光学接着剤を用いて接着することで実施される請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記光源と前記発光板との間に特定波長用光学層を設けるステップを更に有する請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記部分組立品間に電気コネクタを設けるステップを更に有する請求項15乃至18のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−501427(P2011−501427A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529476(P2010−529476)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054172
【国際公開番号】WO2009/050623
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】