説明

バルブカバーを有するフラップトランスファーバルブ

【課題】スロット状の開口部を有するトランスファーバルブであって、保守および修理時に、プロセスチャンバからトランスファーバルブを取り外すことなく、交換可能であり、バルブ閉鎖部の全長に亘って、均等な接触力および密閉力を生成できるトランスファーバルブを提供する。
【解決手段】バルブ閉鎖ビーム4、回転軸受およびシャフト11は気密なバルブハウジング14内でバルブカバー20上に配置され、シャフト11、回転軸受およびバルブ閉鎖ビーム4は、バルブカバー20を切り離して移動させることによって、バルブハウジング14から切り離し可能である。バルブハウジング14内で、シャフト軸に沿って、互いに所定距離離れて分散配置され、そしてバルブ閉鎖ビーム4およびシャフト11が取り付けられた少なくとも3つの軸受要素27によって、回転軸受が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、気密様式で、隔離可能である、半導体または基板処理プロセスチャンバ内への、半導体素子または基板の搬送のためのフラップトランスファーバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフラップトランスファーバルブの1つは、EP第0554522号により知られている。
【0003】
特に、できる限り汚染粒子の存在しない保護雰囲気内で行われなければならないICおよび半導体製造の分野では、種々の真空バルブが使用されている。例えば、半導体ウェーハまたは液晶基板のための製造設備では極めてセンシティブな半導体素子または液晶素子が複数のプロセスチャンバ内を連続して通過し、これらのチャンバでは、各々の通過の際に、プロセスチャンバ内に位置する半導体素子が処理装置によって処理される。プロセスチャンバ内での処理プロセス時、および、1つのプロセスチャンバからもう1つのプロセスチャンバへの搬送時の両方の場合に、極めてセンシティブな半導体素子は常に、保護雰囲気内(特に空気が存在せず、粒子が存在しない環境内)、またはバリアガス雰囲気内に位置しなければならない。
【0004】
例としてプロセスチャンバは、搬送チャネルを介して互いに接続される。これらのプロセスチャンバは、1つのプロセスチャンバから次のチャンバに部品を搬送するために真空トランスファーバルブによって開放されることと、それからそれぞれの製造ステップを実行するために気密様式で閉鎖されることが可能である。更に、プロセスチャンバとドッキングして、プロセスチャンバ間をバリア雰囲気内で、半導体素子を搬送できる移動性搬送チャンバが使用される。
【0005】
半導体素子、特に半導体ウェーハ−を製造するための多数のチャンバシステムは、従来技術から、例えばUS第5,275,303号、WO第00/45422号、US第5,076,205号またはUS第5,292,393号により知られており、これらの従来技術では複数のプロセスチャンバは中心の搬送チャンバの周りに星形に配置されている。中心の搬送チャンバは、トンネルを介して第2の搬送チャンバに接続されており、この第2の搬送チャンバの周りに更なるプロセスチャンバが星形に配置されているので、多数のこのような処理アイランドによって大きな統合性半導体製造システムが製造可能である。半導体素子は、搬送チャンバ内に配置されたハンドリングシステムによって搬送チャンバを介して1つのプロセスチャンバから次のプロセスチャンバに搬送される。
【0006】
更に真空チャンバシステムは、従来技術から知られており、この従来技術のプロセスチャンバは一列に配置されており、そして真空気密様式で閉鎖されることができて同じ方向に向いている開口部を持っている。プロセスチャンバの列に直線的に平行に動かすことが可能である搬送チャンバは、個々のプロセスチャンバとドッキングすることができ、1つのプロセスチャンバから次のプロセスチャンバに部品を搬送するために使用される。この目的のために真空搬送チャンバは、これの搬送チャンバ開口部によってプロセスチャンバ開口部と真空気密様式でドッキングする。このようなシステムは一般的形式で、例えばUS第2007−0186851−A1号(Geiser)に記載されている。
【0007】
更に、トランスファーバルブによって気密様式で閉鎖可能である接続開口部であって隣接するプロセスチャンバ間に設けられた接続開口部を有するプロセスチャンバをプロセスチャンバのリンクシステム内に連続して配置することが可能である。この場合、各プロセスチャンバは、各ケースにおける1つのプロセスチャンバの出口開口部と、プロセスチャンバ・チェーン内の次のプロセスチャンバの入口開口部と、の少なくとも2つの開口部を有する。各2つのプロセスチャンバ間、および、プロセスチャンバ・チェーンの先頭と末尾、に各ケースに1つのトランスファーバルブが配置され、これらのトランスファーバルブは各々、これらのバルブハウジング内に気密様式で互いに分離可能である2つのバルブ開口部を有する。
【0008】
上記の真空チャンバシステムは、半導体および基板製造の異なる領域で使用され、そして小型サイズから中型サイズの半導体部品および基板部品の製造および処理に関して実績が明らかになっている。しかしながら新しい技術分野は常に、新しい製造システムの調達を必要とする更に大きな集積半導体部品および基板を必要としている。これに関連する例は、1メートルより大きな幅を有するソーラーパネルまたはスクリーンパネル、特にプラズマおよびLCDパネルである。このような大きな半導体部品、液晶基板または他の基板を処理するために、これに対応する大きな寸法を有するプロセスチャンバおよびトランスファーバルブが必要とされる。
【0009】
一般に、また材料科学の分野では、基板とは処理される材料、特に基板の表面が研磨またはコーティングされる材料を意味する。これは、半導体技術の分野におけるウェーハ、プリント回路基板の基本材料または他の材料、特に、真空またはプロセスガス環境内で実行されなくてはならないコーティング、研磨または処理工程によって適切に処理されるボード状またはストリップ状の材料であってもよい。用語「基板」はまた、例えば0.5ミリメートル未満から5ミリメートルを超える厚さを有するフラットスクリーンまたはソーラーパネルのためのコーティングされるガラスプレート、あるいは0.05ミリメートル未満から0.2ミリメートルを超える厚さを有するステンレス鋼の箔またはステンレス鋼のストリップを意味する。
【0010】
したがってプロセスチャンバを開放および閉鎖するためのこれらのようなトランスファーバルブは、それぞれの処理に依存して、ある幾つかの場合には1000ミリメートルより大きな幅を有するような、極めて大きな開口部断面、長い密閉長さ、極めて大きな寸法によって区別される。特に開口部断面は、開口部の高さよりかなり大きな幅をもって細長くてスロット状である。上記の用途分野およびこれに関連する寸法のため、これらのバルブはトランスファーバルブと呼ばれ、これらのバルブの矩形開口部断面のためこれらはまた矩形バルブとも呼ばれ、またこれらの動作方法に依存してスライドバルブ、矩形スライド、トランスファースライドバルブ、フラップバルブ、フラップトランスファーバルブ、または回転スルースとも呼ばれる。
【0011】
小さな寸法を持ち、バルブスライドまたは矩形スライドとも呼ばれる真空スライドバルブまたはスライドバルブの形をしたトランスファーバルブは、US第6,416,037号(Geiser)またはUS第6,056,266号(Blecha)に記載されている。従来技術では、一般に閉鎖および開放は、2つのステップで行われる。第1のステップでは、バルブ閉鎖部、特に閉鎖プレートは、この工程時に行われるバルブ閉鎖部とバルブハウジングのバルブ台座との間の如何なる接触もなしに、バルブ台座に実質的に平行な開口部の上で直線的に動かされる。第2のステップで、バルブ閉鎖部の閉鎖面は、バルブハウジングのバルブ台座に押し付けられ、これによって開口部を気密に閉鎖する。密閉は、例えばバルブ閉鎖部の閉鎖面に配置されて開口部を取り囲むバルブ台座に押し付けられる密閉リング、または、バルブ閉鎖部の閉鎖面が押し付けられるバルブ台座上の密閉リングのいずれかによって行われる。
【0012】
更に、単一の直線状の動きによって閉鎖および密閉工程が行われる比較的小さなスライドバルブが知られている。1つのこのようなバルブは、例えば製品名「MONOVATシリーズ02および03」として知られていて矩形の挿入バルブの形をしている、スイスのハーグにあるVAT Vakuumventile AGのトランスファーバルブである。このようなバルブの動作の設計および方法は、例えばUS第4,809,950号(Geiser)および第US4,881,717号(Geiser)に記載されている。
【0013】
これらのような駆動技法は、従来技術から実績が明らかになっているが、これらは極めて大きな開口部断面、特に細長いスロット状の開口部断面のためだけに、限定された範囲で適している。
【0014】
密閉部、バルブ閉鎖部の案内、および駆動部に関する要件は、大きな開口部断面から結果的に生じる長い密閉長さのために極めて厳しい。
【0015】
従来技術、例えばUS第6,629,682B2号(Duelli)の種々の密閉装置が知られている。密閉リングのために適当な1つの材料は、例えば商標名Viton(登録商標)として知られている弾性密閉材料である。
【0016】
このような長い密閉長さおよび開口部断面に関する1つの特定の要件は、圧力差が極めて高いときでも全密閉長さに亘って密閉を保証することである。使用される密閉部の密閉作用は一般に、極めて狭い範囲に限定される。もしバルブ閉鎖部とバルブ台座との間の距離が特定の限界値を超えれば、バルブ台座上の密閉の接触力が低くなり過ぎて、密閉はもはや保証されない。これに対して、もしバルブ閉鎖部とバルブ台座との間の距離が小さ過ぎて、そのためにバルブ台座上の密閉の接触力が大きくなり過ぎれば、密閉部は大きな磨耗を受け、そして状況によっては破壊されるであろう。この理由から、圧力差が高いときでもバルブが閉鎖状態にあるときに密閉部の全長に亘って密閉部とバルブ台座との間には常にある一定の接触圧力が維持されていなくてはならない。このある一定の接触圧力は、比較的狭い範囲に限定される。
【0017】
大きな寸法を有するバルブ、特に顕著な非対称の断面、例えば細長いスロット状開口部を有するバルブの場合は殊に、圧力差が比較的高いときに一定の接触圧力維持する際に問題が存在する。一定の接触圧力を維持するために、ある幾つかのトランスファーバルブは、バルブ閉鎖部上の圧力差から結果的に高い力が加えられたときでもバルブ閉鎖部がそれの公称位置を維持し、そしてその位置を不用意に変えないように、バルブ閉鎖部の、およびそれの駆動部およびそれの軸受の特に堅牢な設計を有する。非弾性的で可能な限り堅牢である、バルブ閉鎖部の、およびそれの駆動部およびそれの軸受の設計は、当初は明らかであるように思われる。しかしながら更なる問題は、バルブ閉鎖部とそれの周辺部との可能な弾性作用だけからなるのではない。大きな寸法を有するプロセスチャンバの場合、チャンバ内部と周辺領域との間の、または2つのチャンバの間の圧力差は、チャンバ壁全体の変形を引き起こす。チャンバ壁上に配置されてこれに連結されたトランスファーバルブは、チャンバ壁のこの変形の影響を受ける可能性が高い。チャンバ壁に連結されたバルブ台座はチャンバ壁の湾曲に対応して変形するので、変形しなかったバルブ閉鎖部は密閉長さに沿って密閉の一定の接触圧力を保証しない。
【0018】
EP第0554522A2号は、基板を1つの処理チャンバ内に導入する、および/または基板を1つの処理チャンバから隣接処理チャンバ内に、または大気圏から低圧力チャンバ内に移動させるための回転スルースを、特に固定位置軸受に保持されたフラップ状バルブプレートとこのバルブプレートに動作可能に接続された2つの閉鎖モータとを有する連続フロー真空コーティング装置のためのスロットタイプのスルースを、説明している。このバルブプレートは、2つのスプリング付きバーの介在によってバルブビーム上に連接されており、そしてバルブプレート自身、圧力に抵抗する仕方でチャンバの壁を貫通するモータのシャフトによって、共に回転するように2つのモータのシャフトに連結された互いに直径方向に反対の2つの軸受ジャーナルを有する。この構成は、バルブプレートの全長に亘って均等な閉鎖力および接触力を作り出すことが可能であることを保証するように意図されている。保守および修理の場合に問題なく圧力ステージおよび駆動ユニットを交換することが可能であるべきであり、そしてこの場合比較的大きくて重いバルブユニットは容器内で完全に組み立てられた状態のままになっている。上記の回転スルースの1つの欠点は、チャンバの壁が変形した場合に装置の弾性が一定の接触力を保証するために十分でないことである。大きくて重いバルブユニットの交換は、大きな努力を包含する。
【0019】
US第5,275,303号は、半導体装置のための閉鎖機構を説明している。この閉鎖機構は、閉鎖される開口部と平行して延びる壁上で回動できるように直接取り付けられたバルブプレートを有するフラップバルブの形をしている。したがって言い換えれば、バルブプレートは、閉鎖される開口部が形成された壁上で回動できるように配置される。回動機構は、この壁に直接連結されない軸受ブロック上に配置される。バルブプレートおよび回動機構の保守または交換は、異なるセクション上での処置のために大きな努力を包含する。更に壁の変形はまた、閉鎖プレートがそこに取り付けられていて閉鎖プレートと軸受ブロックとの間に相対運動という結果を招くので、閉鎖プレートの動きを引き起こす。これは回動機構を引っ張って、バルブ台座上の閉鎖プレートの接触力を変化させる。したがって漏洩の危険または密閉部の損傷の危険が存在する。
【0020】
WO第00/45422号は、狭い開口部と保守目的のために、半導体製造装置のチャンバから直線的に引き出すことができ、直線的に動くことができ、閉鎖プレートとを有する直線的に動くことができるトランスファーバルブを説明している。細長く幅広い開口部に沿ったバルブ開口部の全周辺に亘るバルブ台座上の一定の垂直接触力を、狭い開口幅を有する開口部断面のために設計されたこのようなバルブによって保証することはできない。
【0021】
特に、細長い特にスロット状の開口部断面の場合に発生するようなバルブ台座およびバルブ閉鎖部の避けられない弾性的変形の場合にも、トランスファーバルブの密閉部の密閉長さに沿って可能な限り一定である接触力の必要性は、従来技術では未だに十分に解決されていない問題を示している。
【0022】
バルブの動作時および気密な閉鎖および開放の動作時に再び、使用される密閉部は動的な負荷を受け、それによって必然的にある一定量の機械的磨耗を受ける。したがって特にバルブの密閉と粒子が存在しないこととに関して極めて厳しい要件が存在する場合は、この密閉部の、または密閉支持部全体の、特にバルブ閉鎖部の、定期的交換が必要である。
【0023】
プロセスチャンバ内における幾つかの工程は、活性プロセスガス雰囲気内で実行される。ある幾つかの場合には、ある幾つかの工程はプロセスチャンバ内部のかなりの汚染という結果を招く。これらのような活性ガスはまた、ある場合にはトランスファーバルブのバルブ閉鎖部およびその密閉部も攻撃する。ある場合には、気密性とプロセス雰囲気の純粋性とを保証するために、真空トランスファーバルブの定期的保守、特に密閉部の、または閉鎖部全体の交換は避けられない。
【0024】
多数の用途においてトランスファーバルブは、2つのプロセスチャンバ間の狭い中間スペース内に配置される。従来技術から知られていて、細長い特にスロット状の開口部断面を有するトランスファーバルブは、トランスファーバルブの保守のために、特に密閉部の、または閉鎖プレートの交換のためにバルブ全体がプロセスチャンバから取り外されることを必要とする。これを行うためにプロセスチャンバ間の距離は、バルブへのアクセスを可能にするために一時的に増やされなければならない。バルブ閉鎖部だけを、設置されたバルブと交換することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
したがって本発明は、トランスファーバルブが保守し易く、保守容易性であり、そしてバルブ閉鎖部が、保守および修理を受けるときに、プロセスチャンバからトランスファーバルブを取り外す如何なる必要もなく、トランスファーバルブが交換可能であるように、細長い、特にスロット状の、開口部を有するトランスファーバルブを設計するという目的に基づいている。更なる目的は、このトランスファーバルブが、全バルブ閉鎖部の全長に亘って、均等な接触力および密閉力を生成できることである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
これらの目的は、独立特許請求項の特性的特徴の実現によって達成される。代替的または有利な仕方で本発明を発展させる特徴は、従属的特許請求項に明記されている。
【0027】
本発明は、気密様式で、隔離可能である、半導体または基板処理プロセスチャンバ内への半導体素子、または、基板の搬送のための保守容易性フラップトランスファーバルブに関する。言い換えれば本発明は、半導体または基板処理プロセスチャンバ内への半導体素子または基板の搬送のために設計された搬送開口部の開放および気密閉鎖のためのフラップ駆動部を有するトランスファーバルブに関する。
【0028】
フラップトランスファーバルブは、第1の長手方向軸に沿って延びていて、第1の密閉面によってフレームの形に取り囲まれた細長い、特にスロット状の、第1の開口部を有する。細長い、および、スロット状は、バルブの第1の長手方向軸に沿った、特に、矩形の第1の開口部の幅が、第1の長手方向軸に直角の、第1の開口部の高さの少なくとも3倍、特に、4倍、5倍、6倍、8倍、10倍、あるいは12倍、であることを意味する。例として、第1の開口部の幅は、500ミリメートルより大きく、特に800ミリメートルより大きく、特別の場合には1000ミリメートルより大きい。第1の長手方向軸は、開口部の幅に沿って延びており、そして開口部断面に対する垂線を形成する、開口部軸に直角に延びている。
【0029】
第1の開口部が気密様式で閉鎖されることを可能にするために、細長いバルブ閉鎖ビームが設けられる。この細長いバルブ閉鎖ビームは、好適には、バルブ閉鎖ビームが第1の開口部を完全にカバーできるように、第1の開口部の、好適には、矩形の断面に対応し、第1の開口部全体と重なり合う矩形断面を有する。したがって、また、第1の開口部の上記の幅と高さとの比率は、バルブ閉鎖ビームにも当てはまる。バルブ閉鎖ビームは、第1の長手方向軸に実質的に平行であって、第2の長手方向軸に沿って延びる。言い換えれば、第2の長手方向軸は、バルブ閉鎖ビームの幅に沿って延びて、第1の長手方向軸に平行に延びる。一般にバルブ閉鎖ビームは、細長いバルブ閉鎖部、特に幅広いバルブプレートを意味する。このバルブ閉鎖ビームは、前面と後面とを有する。第1の開口部は、前面によって閉鎖可能である。この目的のために前面には、第1の開口部を閉鎖するための閉鎖面と、第1の密閉面に対応してこの面に気密接触できる第2の密閉面と、が設けられる。言い換えれば、第1の開口部全体に亘って延びる第1の密閉面との気密接触は、バルブ閉鎖ビームの第2の密閉面に実質的に直角に押し付けることによって、作り出すことが可能である。
【0030】
1つの可能な実施形態では第1の密閉面は、特に平坦であって、第1の開口部全体を取り囲むバルブ台座である。第2の密閉面は、例えば、弾力性があって、バルブ閉鎖ビームの前面の閉鎖面に配置された密閉部によって形成される。しかしながら、この密閉部は、また第1の密閉面によって形成されることも可能である。
【0031】
バルブ閉鎖ビームは、閉鎖位置と開放位置との間で回転軸受によって、バルブ閉鎖ビームの第2の長手方向軸に実質的に平行であり、したがって、第1の開口部の第1の長手方向軸にも実質的に平行であって、回転軸の周りに回動可能である。閉鎖位置において、バルブ閉鎖ビームの閉鎖面は、第1の開口部をカバーし、そして互いに気密接触する第1の密閉面と第2の密閉面とによって、気密様式で、第1の開口部を閉鎖する。、バルブ閉鎖ビームは、第1の開口部の方に回動して、これを閉鎖位置で閉鎖する。
【0032】
開放位置においてバルブ閉鎖ビームは、第1の開口部から離れるように回動させられる。それによってバルブ閉鎖ビームは、第1の開口部を開放する。開放位置においてバルブ閉鎖ビームは、好適には、基板および半導体素子が何らの障害もなしに第1の開口部を通って搬送されることを可能にするように、開口部断面の投影から完全に外れるように、回動させられる。開放位置と閉鎖位置との間のバルブ閉鎖ビームの回動角度は、好適には、約90度、特に60度と105度との間、である。
【0033】
一般に回転軸受は、機能的に、バルブ閉鎖ビームが回転軸の周りに回動することを可能にする軸受を意味する。更に展開する本発明の態様は、このような回転軸受が実現可能である構造的特徴をカバーする。
【0034】
更にフラップトランスファーバルブは、中心的にシャフトに沿って延びるシャフト軸の周りに回転できるように取り付けられたシャフトを有する。このシャフト軸は、バルブ閉鎖ビーム上の第2の長手方向軸に実質的に平行に、したがって第1の開口部の第1の長手方向軸にも実質的に平行に延びている。このシャフトは、シャフト軸の周りのシャフトの回転が回転軸の周りにバルブ閉鎖ビームを回動させるように、バルブ閉鎖ビームに動作可能に接続される。この動作可能な接続の性質は、本発明の更に広範な態様によって同様にカバーされ、また下記の文章に更に詳細に説明されるであろう。
【0035】
シャフト軸の周りにシャフトを回転させるために、少なくとも1つの駆動部がシャフトに連結される。バルブ閉鎖ビームとのシャフトの動作可能な接続のせいで、バルブ閉鎖ビームは、シャフトの回転によって開放位置と閉鎖位置との間で動かされる。例として駆動部は、駆動部が作り出す回転運動が直接または間接的にシャフトの回転運動を引き起こす回転駆動部であってもよく、または、駆動部の軸方向運動が特に直接または間接的にシャフト上に配置されたレバーによってシャフトの回転運動に変換される直進駆動部であってもよい。
【0036】
本発明によればフラップトランスファーバルブは、気密なバルブハウジングを有する。既により詳細に上記に説明された第1の開口部は、バルブハウジング内の第1の開口面に形成される。
【0037】
1つの可能な実施形態では第1の開口部は、バルブハウジング内の第2の開口部とは反対側にある。これらの開口部は各ケースにおいて、バルブハウジングの内側をバルブハウジングの外側に接続し、この場合少なくとも第1の開口部は、バルブ閉鎖ビームによって閉鎖されることによって、閉鎖されることが可能であり、それによって、バルブ内部とバルブ外部との間の、これに関する接続を切り離すことを可能にしている。バルブが組み立てられるとき、バルブハウジングは、好適には、2つ開口部のうちの第1の開口部が気密様式で閉鎖されることが可能であり、そして、第2の開口部が常に開放されているか、その代わりに、同様に閉鎖可能であるこれら2つの開口部を、例外として、気密様式で閉鎖される。外側の第1の開口面とは反対側にあるバルブハウジングの外面は、バルブハウジングの第2の開口面と呼ばれる。これに関連して、反対側にあるということは、正確に幾何学的に反対側にあることを必ずしも意味せず、一般に、第1の開口面および第2の開口面が異なる方向を向いていることを意味する。しかしながら、バルブハウジングが、このような第2の開口部を持たないことも可能である。
【0038】
1つの可能な変形例では、第1の開口面および第2の開口面は、互いに平行に、特に平行に延びる、これら2つの開口部の2つの開口部軸を持って、特に互いに同一直線上を延びる。
【0039】
バルブ閉鎖ビーム、回転軸受およびシャフトは、気密なバルブハウジング内に配置される。1つの細長い側壁上においてバルブハウジングは、バルブハウジングの残り部分に気密様式で連結されたバルブカバーを有し、第1の開口面に平行な横方向に移動可能である。
【0040】
言い換えれば、バルブハウジングは、好適には、第1の開口面と直角に、また特に、第2の開口面と直角になっている面にサービス開口部を有する。このサービス開口部は、バルブハウジングの細長い面上で、すなわち、第1、第2の長手方向軸、および、シャフトに実質的に平行に延びる。したがって、サービス開口部は、バルブハウジングが、プロセスチャンバに取り付けられたときに、アクセス可能である面に配置される。たとえ、バルブハウジングが、2つのプロセスチャンバ間の中間スペース内に配置されても、各々が、プロセスチャンバに隣接する2つの開口面と、プロセスチャンバ内に通じる2つの開口部とによって、バルブハウジングの細長い側壁は、なおアクセス可能である。サービス開口部は、前記のバルブカバーによって、気密様式で閉鎖される。例として、バルブカバーは、サービス開口部の気密な閉鎖のために、バルブハウジングに、ねじによって配置され、そして、サービス開口部が向いている、前記の横方向に移動可能である。
【0041】
シャフト軸の周りのシャフトの回転が、バルブ閉鎖ビームを回転軸の周りに回動させるように、バルブ閉鎖ビームに動作可能に接続されたシャフトは、回転できるように、バルブカバーに取り付けられる。回転軸受、シャフトおよびバルブ閉鎖ビームは、バルブカバーを切り離して横方向に移動させることによって、シャフト、回転軸受およびバルブ閉鎖ビームが、バルブハウジングから切り離されることも可能であるように、バルブカバー上に配置される。言い換えれば、バルブ閉鎖ビームは、回動できるようにバルブカバーに取り付けられ、この場合、バルブ閉鎖ビームが、回転軸の周りで回動できる回転軸受と、バルブ閉鎖ビームが回動することを可能にするシャフトと、の両者がバルブカバーに連結される。
【0042】
したがってバルブ閉鎖ビームは、また、バルブハウジングからのバルブカバーの取外しによって、フラップトランスファーバルブの残り部分から切り離される。したがって、バルブカバーを取り外すことによって、バルブ閉鎖ビームを保守すること、特に、その密閉部を交換すること、または、バルブ閉鎖ビーム全体を新しいバルブ閉鎖ビームと交換することが可能になる。バルブカバーの1構成要素として、汚染に特にセンシティブである回転軸受は、また、プロセスチャンバから遠く離れた地点で、大きな努力なしに、保守されることも可能である。この構成の1つの大きな利点は、増加した磨耗および汚染を受けるフラップトランスファーバルブの実質的にすべての構成要素が、バルブカバーの取外しによって、プロセスから遠く離れたサービスポイントに持って来ることが可能であることだけでなく、取り外されたサービスカバーを新しい構成要素を有する新しいサービスカバーと交換することによってこれらの構成要素のすべてが容易に交換可能であることである。
【0043】
本発明の1つの発展例では駆動部は、バルブカバーから切り離されたバルブハウジングのセクション上に配置される。バルブカバーに取り付けられていない駆動部が、バルブカバーに取り付けられたシャフトから切り離されることを可能にするために、シャフトと駆動部との間には、横方向に取り外し可能である継手が配置される。この継手は、バルブカバーを取り外すために、シャフトが駆動部から切り離し可能であるように設計される。言い換えれば、この継手は、バルブカバーが移動可能である横方向に取り外し可能であるシャフトと、駆動部との間の接続を形成する。
【0044】
例として、この継手は、シャフトの第1のセクションと、インタロック様式でこの第1のセクションに連結される駆動部の駆動シャフトの第2のセクションと、によって形成される。このインタロックは、バルブカバーを横方向に移動させることによって解放されることが可能であり、それによってシャフトが駆動部から切り離されることを可能にする。例として、これら2つのセクションは、かみ合わされた歯車によって形成可能である。1つの特定の実施形態では、シャフト軸および駆動シャフトの駆動シャフト軸は、互いに平行して延びているか、または同一直線上にある、すなわち、これらは互いに一致している。例として、シャフトの第1のセクションは、シャフトの一端部によって形成されており、シャフトのこの端部は、シャフトが基本位置にあるときに、シャフト軸に少なくとも所定程度直角に、また横方向に延びる第1の成形部を有する。駆動シャフトの第2のセクションは、駆動シャフトの一端部によって形成されており、駆動シャフトのこの端部は、シャフトが基本位置にあるときに、シャフト軸に少なくとも所定程度直角に、また横方向に延びる第2の成形部を有する。この第2の成形部は、インタロックを作り出すために、第1の成形部に対応している。例として、シャフトの基本位置は、バルブ閉鎖ビームが開放位置にあるシャフトの位置である。特に、第2の成形部は、駆動シャフトの端部において溝の形をしており、第1の成形部は、シャフトの端部において、舌片の形をしている。代替として、第1の成形部は、シャフトの端部において、溝の形をしており、第2の成形部は、駆動シャフトの端部において、舌片の形をしている。バルブカバーが取り付けられると、舌片および溝は、インタロック様式で互いに係合し、それによってトルクが駆動部からシャフトに伝達されることを可能にし、そして、シャフトが基本位置にあるときに、両者は横方向に、すなわち、特にサービス開口部の平面に直角の方向に、延びる。本発明の一実施形態では、駆動シャフトは、バルブカバーに連結されないバルブハウジングのこのセクションにおいて、バルブハウジングの外側に配置された駆動部によって、気密様式で、バルブハウジングを貫通する。
【0045】
代替として、本発明によれば、駆動部は、バルブハウジングからバルブカバーと共に切り離し可能であるように、バルブカバーに連結されることも可能である。言い換えれば、駆動部は、直接、または、間接的にバルブカバーに取り付けられて、特に、シャフトを直接駆動する。この構成の1つの利点は、バルブカバーを移動させることによって、駆動部が、バルブハウジングから切り離されることが可能であり、それによって、簡単な保守、および、必要であれば、駆動部の交換も可能にすることである。しかしながら、この構成の1つの欠点は、バルブカバーが、多数の用途において、特に、密閉部を有するバルブ閉鎖ビームよりかなり少ない磨耗を受ける、比較的重い構成要素であるということである。しかしながら、この実施形態は、定期的保守が実行され、そして、適当なときに、駆動部の定期的交換が行われる場合に特に有利である。
【0046】
本発明によれば、回転軸受を設計、および、シャフトとバルブ閉鎖ビームとの間の、動作可能な接続の形成を設計するための、種々の方法が存在する。1つの可能で単純な実施形態では、バルブ閉鎖ビームは、シャフト上に直接配置され、シャフトによって回動させられる。例えば、バルブ閉鎖ビームは、共に回転するようにシャフトに接続された、少なくとも1つのアーム上に配置される。したがって、回転軸、および、シャフト軸は、同一線上にあって、共通の軸を形成する。バルブ閉鎖ビームの機能的回転軸受は、回転可能なシャフトによって、特に、上記の少なくとも1つのアームによって形成される。このような従来型の回転軸受は、例えばEP第0554522号が知られている。
【0047】
本発明の1つの発展例は、バルブ閉鎖ビームの有利な回転軸受を含む。本発明のこの発展形によれば、回転軸受は、少なくとも3個の、特に少なくとも5個の、また殊に少なくとも8個の、軸受要素によって形成される。これらの軸受要素は、バルブハウジング内において、シャフト軸、および、回転軸に沿って、互いに所定距離を置いて、分散配置される。これらの軸受要素は、好適には、均等に分散配置され、実質的に、互いから同じ距離だけ離れている。
【0048】
バルブ閉鎖ビームは、共通の回転軸の周りに回動できるように、軸受要素に取り付けられ、この場合、回転軸は、第1の開口部の側面において、特に、第1の密閉面の平面の近くを、また、特に、実質的に、第1の密閉面の平面上を、延びる。言い換えれば、バルブ閉鎖ビームは、バルブ閉鎖ビームが回転軸の周りに動くことを可能にする軸受要素上の回転軸受によって、バルブ閉鎖ビームが回動できるように、軸受要素に接続される。回転軸は、1つの特定の実施形態では、第1の開口面の側面において、第1および第2の密閉面の平面の交差線の近くを、または、交差線上を延びる。
【0049】
シャフトは、軸受要素の少なくとも幾つかに取り付けられる。すべての軸受要素は、好適には、シャフトが取り付けられるラジアル軸受、特に、軸受要素を貫通するシャフトを有するラジアル軸受を有する。シャフト軸は、第1の密閉面の平面に直角の方向に、回転軸から所定距離に在る。言い換えれば、回転軸、および、シャフト軸は、一致しておらず、第1の開口部の開口軸の方向に分離されており、すなわち、これらは、第1の密閉面の平面に対する垂線の方向に分離されている。特に、回転軸は、第1の開口部が配置されているバルブハウジングの側面上を延びており、また、シャフト軸は、特に、第2の開口部が配置されたバルブハウジングの反対側面上を延びている。
【0050】
軸受要素は各々、共に回転するように、シャフトに配置された、少なくとも1つの第1のアームに結合される。特に、第1のアームは、互いに平行に、また、シャフト軸と直角に延びる。第1のアームの自由端部において、第1のアームは、各々、開放位置と閉鎖位置との間で、回転軸の周りにバルブ閉鎖ビームを回動させるために、シャフトの回転によって、したがって、シャフト軸の周りの第1のアームの回動によって、バルブ閉鎖ビームの後面に力を加えることができるように、直接、または、間接的に、バルブ閉鎖ビームの後面に係合する。言い換えれば、シャフトは、バルブ閉鎖ビームの後面に、第1のアームによって、閉鎖力が作用するという点において、回転軸の周りに、バルブ閉鎖ビームを回動させるために、第1のアームを介して、バルブ閉鎖ビームに動作可能に接続される。
【0051】
バルブ閉鎖ビームの回転軸と、シャフト軸との間の分離と、バルブ閉鎖ビームおよびシャフトの両者の軸受と、を与えるこの構成は、バルブの負荷容量と、密閉とに関して、従来技術より大きな利点、という結果をもたらす。バルブ閉鎖ビームの後面に、閉鎖力が導入され、そしてアームは、回転軸から所定距離に在るシャフト上で支持されるので、従来技術の場合よりかなり大きな閉鎖力を、バルブ閉鎖ビームに沿って、導入することが可能である。シャフト、および、バルブ閉鎖ビームの両者は、長手方向軸に沿って、分散配置されている別々の軸受要素上で支持されるので、バルブ閉鎖ビームの接触力は、互いに切り離された軸受要素によって、第1の長手方向軸に沿って、離散的に分配される。例えば、もし、バルブ閉鎖ビームの曲がりのせいで、側方の軸受要素より中心に配置された軸受要素上に、大きな力が作用するならば、側方の軸受要素が、これによって影響されることはなく、中心の軸受要素が、この圧縮力に応じて弾力的に曲がる可能性がある。バルブ閉鎖ビームの後面上の第1のアームのレバー作用のせいで、シャフトは、如何なる大きなねじれも受けず、軸受要素における軸受ポイントに関する第1のアームの位置に依存して、僅かな曲がりを受けるだけであるので、シャフトは、負荷がかけられたときに、軸受要素を互いに連結することはほとんどない。
【0052】
本発明の1つの発展形では、第1のアームは、各々、回転軸に平行に延びる第2アーム軸の周りに回動できるように、バルブ閉鎖ビームの後面に取り付けられた第2のアームに結合される。第1のアーム、および、第2のアームは、各々、第2アーム軸に実質的に平行であって、第1アーム軸の周りに連接されるように、これらのアームの自由端で、互いに接続される。したがって、シャフト、第1のアーム、および、第2のアームは、レバー駆動機構、特に、トグルレバー、または、圧力レバー機構を形成する。好適には、第1のアーム、および、第2のアームの長さ、および、共通のシャフト軸、共通の第1アーム軸、および、共通の第2アーム軸の間の距離は、シャフト軸、第1アーム軸、および、第2アーム軸が、閉鎖位置において、実質的に、共通平面上に在り、そして、第1のアーム、および、第2のアームが、実質的に、死点において、位置合わせされていると同様の値である。この死点位置合わせは、バルブ閉鎖ビーム上に圧力差が存在するときに、閉鎖位置にはトルクは作用せず、その結果として、シャフト上には、トルクが存在しないことを意味する。もし、第1のアームが軸受要素の近くに、すなわち、シャフト上の軸受要素の領域に配置されれば、シャフトの曲がりを概ね回避することも可能であり、その結果として、本発明によるフラップトランスファーバルブは、極めて高い圧力差が存在するときでも、フラップトランスファーバルブの必要とされる密閉を保持する。しかしながら、代替として、例えば、シャフト湾曲の結果としての、ある一定量の曲がりを意図的に可能にするために、各場合に、シャフト上の2つの軸受要素の中心に、第1のアームを配置することも可能である。
【0053】
本発明の1つの発展例は、バルブ閉鎖ビーム、回転軸受およびシャフトがバルブハウジング内に配置されることを提供する。第1の開口部は、バルブハウジングの第1の開口面に配置される。第1の開口部とは反対側にある第2の開口部は、バルブハウジングの、第1の開口面とは反対側にある第2の開口面に配置される。軸受要素は、2つの開口面の間で、実質的に直角に延びるバルブハウジングの細長い側壁上で延びる。軸受要素は、取外し可能なバルブカバー、特に、前述のような取外し可能なバルブカバーに取り付けられる。
【0054】
本発明の更なる発展例では、軸受要素は、各々、バルブハウジング内の第1の開口面と、第2の開口面と、の間で延びる。特に、軸受要素は、すべて、互いに平行に配列される。軸受要素は、2つの半分に、特に、第1の開口面に向き合う半分と、第1の開口面からそれている半分、すなわち、第2の開口面に向き合う半分と、に細分される。軸受要素は、第1の開口面に向き合う半分上では、バルブハウジングに固定されるが、これに対して軸受要素は、第2の開口面に向き合う半分上では、固定されず、側壁に直角に、また、側壁から離れる方向に、少なくとも所定程度、動くことができる。言い換えれば、軸受要素は、第1の開口面に向き合う軸受要素の半分だけによって、正確に言うと、好適には、第1の開口面に向き合う側壁の半分上で、および/または、バルブハウジングの第1の開口面上で、バルブハウジングに垂直な方向に固定される。第1の開口面からそれている軸受要素の半分は、これとは対照的に、固定されず、側壁から離れる方向に、少なくとも所定程度、動くことができる。回転軸は、第1の開口面に向き合う軸受要素の半分を貫通して延びる。シャフト軸は、第2の開口面に向き合う軸受要素の半分を貫通して延びる。第1の開口面に向き合う軸受要素の半分は、好適には、側壁上に置かれて、垂直方向に側壁に固定されるが、これとは対照的に、第2の開口面に向き合う軸受要素の半分は、側壁上に置かれて、側壁から離れるように、垂直方向に固定されない。
【0055】
この構成は、フラップトランスファーバルブがプロセスチャンバ上に配置される第1の開口部と、第2の開口部と、に隣接するバルブハウジングのセクションに軸受要素が連結される、という結果をもたらす。もし、大きな圧力差が、バルブ内部の方向への、第1の開口面に置かれたバルブハウジングの壁全体の湾曲、という結果を引き起こすならば、バルブ閉鎖ビームは、バルブ閉鎖ビームの全幅に沿って、アーム、シャフト、および、軸受要素を介して、第1の開口部の全周辺で、第1の密閉面によって、壁全体を支持する。この場合、この支持は、主として、第2の開口面に向き合う軸受要素の半分が置かれた側壁に直角の方向に、第2の開口面に向き合う軸受要素の半分を介して与えられる。
【0056】
反対方向の圧力差、および、バルブの外部方向への第1の開口面に置かれたバルブハウジングの壁全体の湾曲の場合、これは、バルブ閉鎖ビームが静止しているときに、第1の密閉面が、第2の密閉面から引き上げられる、という結果を招くであろう。しかしながら、本発明によれば、軸受要素は、特に、第1の開口面に向き合う側壁の半分によって、および/または、バルブハウジングの第1の開口面によって、ただし、バルブハウジングの他の半分によってではなく、湾曲を受けるバルブハウジングのセクションに連結されているので、第1の開口部を取り囲む壁の変形は、軸受要素にも作用する。軸受要素が、第1の開口部からそれている面に、固定されていないので、軸受要素は、ハウジングの湾曲に応じて、曲がる可能性があり、そして、第1の開口部の方向に傾く可能性がある。したがって、軸受要素は、バルブ閉鎖ビームの第2の密閉面と、第1の開口部の全周辺の第1の密閉面と、の間の距離が、第1の長手方向軸に沿って、一定に留まるように、ハウジングの変形に応じて曲がる。したがって、これは、密閉面が引き上げられるのを防止する。個々の軸受要素は、互いに引き離されているので、第1の開口部の第1の長手方向軸に沿った壁の不均等な湾曲を、均等に補正することは可能である。したがって、本発明によるフラップトランスファーバルブは、極めて大きな開口部断面、および、大きな長手方向の長さの場合でも、必要とされる密閉によって、高い圧力差に耐えることができる。
【0057】
本発明によるフラップトランスファーバルブは、純粋に、例として、下記の図面に略図的に示されている、特定の、例示的実施形態を参照しながら、下記の文章で、より詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】取り外されたバルブカバーを有する本発明によるフラップトランスファーバルブの斜視図である。
【図2】取り外されたバルブカバーの斜視図である。
【図3】バルブ閉鎖ビームの中間位置における、取り付けられたバルブカバーを有するフラップトランスファーバルブの断面斜視図である。
【図4】バルブ閉鎖ビームの開放位置における、取り付けられたバルブカバーを有するフラップトランスファーバルブの側断面図である。
【図5】取り外されたバルブカバーの側面図である。
【図6】継手の要素として、舌片の形をしたシャフトの端部における、第1の成形部の詳細斜視図である。
【図7】継手の要素として、溝の形をした駆動シャフトの端部における、第2の成形部の詳細斜視図である。
【図8a】バルブ閉鎖ビームの中間位置における、取り付けられたバルブカバーを有するフラップトランスファーバルブの側断面図である。
【図8b】バルブ閉鎖ビームの閉鎖位置における、取り付けられたバルブカバーを有するフラップトランスファーバルブの側断面図である。
【図8c】バルブ閉鎖ビームの閉鎖位置における、取り付けられたバルブカバーを有するフラップトランスファーバルブの軸受要素を通した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1〜8cは、種々の状態における、本発明によるフラップトランスファーバルブの同じ例示的実施形態を、異なる見地から、および、異なる詳細さの程度で示す。したがって、これらの図は、連帯して説明され、そして、ある幾つかの場合には、上記の図で既に説明された参照符号および特徴は再び説明されないであろう。
【0060】
気密様式で、隔離可能である、半導体または基板処理プロセスチャンバ内への、半導体素子、または、基板の搬送のための、フラップトランスファーバルブは、形が基本的に直平行六面体であり、そして、4個の細長い矩形と、2個の垂直方向に正方形で小さな矩形と、を含む気密なバルブハウジング14を有する。2つの反対側の細長い面は、バルブハウジング14の第1の開口面15と、第2の開口面16と、を形成する。これらの図における下側の細長い面は、図4に示されているように、側壁18として示されている。細長いスロット状の第1の開口部1は、バルブハウジング14の第1の開口面15に形成されており、図3および4に見られるように、矩形断面を有する。第2の開口部17は、第1の開口部1とは反対側にあって、バルブハウジング14の第2の開口面16に配置されている。これら2つの開口部1および17は、実質的に同じ細長いスロット状の断面を有し、これら開口部の投影において、位置合わせされている。言い換えれば、2つの開口部1および17は、共通の開口部軸36を有する。第1の開口部1は、図4に示されているように、第1の長手方向軸2に沿って延び、フレームの形をした第1の密閉面3によって、囲まれている。第1の密閉面3は、平面28上を延びており、バルブ内部に向き合う平坦なバルブ台座を形成する。
【0061】
細長いバルブ閉鎖ビーム4は、バルブハウジング内に配置されており、とりわけ、図1および4に示されているように、第1の長手方向軸2に実質的に平行であって、第2の長手方向軸5に沿って、延びる。バルブ閉鎖ビーム4は、開口部1および17の断面に実質的に対応するが、幾分大きい断面を有し、その結果として、第1の開口部1をカバーできる。
【0062】
図示の例示的実施形態では、2つの開口部1、17およびバルブ閉鎖ビーム4の幅は、それぞれの高さの6倍を超えている。したがって断面は、高さ方向より幅方向、すなわち、長さ方向に実質的に長く延びており、この理由から、断面は細長いと言われる。
【0063】
第1の開口部1を閉鎖するための閉鎖面8は、バルブ閉鎖ビーム4の前面6上に配置されている。
【0064】
更にOリングの形をした第2の密閉面9は、閉鎖面8上に配置されている。Oリング9は、第1の密閉面3に対応しており、すなわちOリング9は図8aに示されているように第1の密閉面3と気密接触することができる。
【0065】
バルブハウジング14の細長い側壁18は、気密様式で、サービス開口部37を閉鎖するバルブカバー20によって形成される。バルブカバー20は、バルブハウジング14の残り部分に、気密様式で連結され、第1の開口面15に平行に、また、開口軸36に直角に、延びる横方向に移動可能である。例として、バルブカバー20は、図示されていないねじによって、バルブハウジング14の残り部分に、同様に図示されていないOリング密閉部を用いて接続され、サービス開口部37が、バルブカバー20とバルブハウジング14の残り部分との間で、気密様式で閉鎖されることを保証する。
【0066】
3個の軸受要素27は、バルブカバー20上に、したがって、側壁18上に、互いに同じ距離だけ離れて配置される。軸受要素27は、互いに平行に位置合わせされ、各々は、バルブハウジング14内において、第1の開口面15と第2の開口面16との間で、実質的に直角に延びる。軸受要素は、論理的に2つの半分から、図4および8cに示されているように、特に、第1の開口面15に向き合う半分34と、第2の開口面16に向き合う半分35と、から構成される。これら2つの半分34および35は、バルブカバー20上に置かれる。軸受要素27は、第1の開口面15に向き合う半分34上で、バルブカバー20に固定される。この目的のために、第1の開口面15に向き合う各軸受要素27の半分34上の2つのねじ38が、各ケースで軸受要素自身を貫通して、バルブカバー20内のねじ孔39に係合する。これらのねじ孔39は、第1の開口面15に向き合うバルブカバー20の半分に形成される。この方法で、各軸受要素27は、バルブカバー20上で垂直方向に、また、横方向19に固定されて、上方向に動くことができない。第2の開口面16に向き合う半分35上では、これとは対照的に、軸受要素27は、バルブカバー20に関して垂直方向に、また、バルブカバー20から離れる方向に、すなわち、上方向に、固定されず、また、したがって、図8cに示されているように、バルブカバー20、および/または、バルブハウジングの壁が曲がった場合に、第1の開口面15上で、動くことができる。
【0067】
シャフト11は、放射状に、また、軸受要素27内で、回転できるように、取り付けられており、特に、図1に示されているように、バルブ閉鎖ビーム4の第2の長手方向軸5に、実質的に平行であって、シャフト軸12の周りに回転できる。したがって、シャフト11は、回転できるように、バルブカバー20に取り付けられる。
【0068】
バルブ閉鎖ビーム4は、特に、図4、5および8a〜8cに示されているように、共通回転軸10の周りに回動できるように、軸受要素27に取り付けられる。回転軸10は、特に、図4に図示されているように、第1の開口部1の側面において、実質的に、第1の密閉面3の平面28上を延びている。
【0069】
第2の長手方向軸5に実質的に平行であって、回転軸10の周りに、バルブ閉鎖ビーム4を回動可能な軸受は、機能的に回転軸受を形成し、それによって、バルブ閉鎖ビーム4は、図8bおよび8cの閉鎖位置Cと、図4の開放位置Oと、の間で、回転軸10の周りに、約90°の回動角まで回動できる。図8b、8cの閉鎖位置Cでは、バブル閉鎖ビーム4の閉鎖面8は、第1の開口部1をカバーして、これを閉鎖する。この閉鎖位置Cにおいて、第1の密閉面3、および、第2の密閉面9は、互いに気密な接触を行う。開放位置Oでは、バルブ閉鎖ビーム4は、第1の開口部1から離れるように回動して、第1の開口部1を開放する。
【0070】
シャフト軸12は、回転軸10から所定距離だけ離れて、第1の密閉面3の平面28に直角の方向に延びている。回転軸10は、図4に示されているように第1の開口面15に向き合う軸受要素27の半分34を貫通して延びているが、これとは対照的に、シャフト軸12は、第2の開口面16に向き合う軸受要素27の半分35を貫通して延びている。
【0071】
第1のアーム29は、各ケースにおいて、軸受要素27の領域で、第1のアーム、および、シャフトが共に回転するように、シャフト11上に配置される。3つの第1のアーム29のすべては、互いに平行にシャフト軸12に直角に延びている。第1のアーム29は、シャフト11の回転によって、シャフト軸12の周りに回動可能である。
【0072】
第1のアーム29は、各々、結合された第2のアーム30を有する。第2のアーム30は、回転軸10に平行に延びる第2アーム軸32の周りに、バルブ閉鎖ビーム4の後面7上で回動できるように、取り付けられる。それぞれの第1のアーム29、および、第2のアームは、第2アーム軸32に実質的に平行であって、第1アーム軸31の周りに、これらの自由端において、連接様式で、互いに接続される。それによって、シャフト11、第1のアーム29、および、第2のアーム30は、レバー駆動部を形成する。したがって、それぞれの第1のアーム29は、開放位置Oと、閉鎖位置Cと、の間で、回転軸10の周りにバルブ閉鎖ビーム4を回動させるために、シャフト11の回転によって、そして、その結果の、シャフト軸12の周りの第1のアーム29の回動によって、バルブ閉鎖ビーム4の後面7に力を加えることができるように、第2のアーム30を介して、バルブ閉鎖ビーム4の後面7に係合する。
【0073】
第1のアーム29と第2のアーム30との長さ、および、共通シャフト軸12、共通第1アーム軸31および共通第2アーム軸の間の距離は、図8bに示されているようにシャフト軸12、第1アーム軸31および第2アーム軸32が、閉鎖位置Cにおいて、実質的に共通平面33上にあり、そして、第1のアーム29および第2のアーム30が、実質的に死点において、位置合わせされると同様の値である。
【0074】
シャフト軸12の周りに回転できるシャフト11は、シャフト軸12の周りのシャフト11の回転が、バルブ閉鎖ビーム4を回転軸10の周りに回動させるように、アーム29および30を介して、バルブ閉鎖ビーム4に動作可能に接続される。
【0075】
バルブ閉鎖ビーム4、軸受要素の形をした回転軸受、アーム29および30、およびシャフト11は、バルブカバー20を切り離して横方向19に移動させることによって、シャフト11、軸受要素27、アーム29および30およびバルブ閉鎖ビーム4が、共通ユニットとして、バルブハウジング14から切り離し可能であるように、バルブハウジング14内で、バルブカバー上に、ユニットの形で配置される。したがって、これらの要素は、図1、2および5に示されているように、バルブカバー20上で、バルブハウジング14の残り部分から切り離し可能である共通ユニットを形成する。したがって、図2および5に示されているように、これらの要素を保守すること、または、ユニット全体を交換することが可能である。
【0076】
シャフト11を回転させて、開放位置Oと閉鎖位置Cとの間でバルブ閉鎖ビーム4を動かすために、バルブカバー20から切り離されたバルブハウジング14のセクション上で、バルブハウジング14の側面に、電気モータの形をした駆動部13が配置される。シャフト11と駆動部13との間には、継手21が配置され、この継手21は、横方向19に取り外されることが可能であり、そして、バルブカバー20を移動させるために、シャフト11が、駆動部13から切り離し可能であるように、設計される。
【0077】
この継手21は、図6および7に示されている。継手21は、シャフト11の第1のセクション22と、駆動部13の駆動シャフト24の第2のセクション23と、によって形成され、この第2のセクション23は、インタロック様式で、第1のセクション22に連結される。
【0078】
駆動シャフト24は、図7に示されているように、気密様式で、バルブハウジングを貫通し、バルブハウジング14の外側に取り付けられた駆動部13によって駆動される。シャフト軸12、および、駆動シャフト24の駆動シャフト軸25は、互いに関して、同一線上を延びており、それによって、バルブカバー20がバルブハウジング4に取り付けられたときに、共通軸を形成する。
【0079】
シャフト11の第1のセクションは、シャフト11の一端部によって形成され、シャフト11のこの端部は、シャフト11が基本位置にあるときに、シャフト軸12に対して、所定程度直角に、また、横方向19に延びる第1の成形部22を有する。この第1の成形部は、図6に示されているように、シャフト11の端部において、舌片22の形をしている。駆動シャフト24の端部は、駆動シャフト24の第2のセクション23を表す。駆動シャフト24の端部は、シャフト11が基本位置にあるときに、駆動シャフト軸25に所定程度直角に、また、横方向19に延びる第2の成形部23を有する。第2の成形部23は、バルブカバー20がバルブハウジング14に取り付けられたときに、駆動部13からシャフト11にトルクを伝達するために、インタロック様式で、舌片22が係合する溝23の形をしているという点で、インタロックを作り出すために、第1の成形部22に対応している。このインタロックは、バルブカバー20を横方向19に移動させることによって、解放可能である。この目的のために、舌片22、および、溝23は、図4〜7に示されているように、シャフト11が基本位置にあるときに、シャフト軸12に直角に、また、横方向19に延びる。シャフト11の基本位置は、図4〜7に示されているように、バルブ閉鎖ビームが開放位置Oにある位置である。
【0080】
しかしながら、代替として、駆動部13が、バルブカバー20と共にバルブハウジング14から切り離し可能であるように、駆動部13をバルブカバー20に連結することも可能である。この場合、駆動部13は、図2および5に示されたユニットの構成要素でもあり、したがって、バルブカバー20と共にバルブハウジング14の残り部分から切り離されることができる。この場合、継手21の必要性は存在せず、シャフト11および駆動シャフト24は、互いに、固く接続されることが可能であるか、あるいは、一体化が可能である。
【0081】
図1〜8cで図示され説明された特定の例示的実施形態は、単に略図に基づく本発明の例示的図解として意図されている。本発明がこれらの例示的実施形態およびこれらの特徴の組合せに限定されないことは無論である。
【符号の説明】
【0082】
1 第1の開口部(細長い、特にスロット状の)
2 第1の長手方向軸(第1の開口部の)
3 第1の密閉面(第1の開口部の周りの)
4 バルブ閉鎖ビーム(細長い)
5 第2の長手方向軸(バルブ閉鎖ビームの)
6 前面(バルブ閉鎖ビームの)
7 後面(バルブ閉鎖ビームの)
8 閉鎖面
9 第2の密閉面(バルブ閉鎖ビームの)=Oリング
10 回転軸
11 シャフト
12 シャフト軸
13 駆動部
14 バルブハウジング(気密な)
15 第1の開口面
16 第2の開口面
17 第2の開口部
18 側壁(細長い)
19 横方向
20 バルブカバー
21 継手
22 第1のセクション(シャフトの)=第1の成形部
23 第2のセクション(駆動シャフトの)=第2の成形部
24 駆動シャフト(駆動部の)
25 駆動シャフト軸(駆動シャフトの)
27 軸受要素
28 第1の密閉面の平面
29 第1のアーム
30 第2のアーム
31 第1アーム軸
32 第2アーム軸
33 共通平面
34 第1の開口面に向き合う半分
35 第2の開口面に向き合う半分
36 開口部軸
37 サービス開口部
38 ねじ
39 ねじ孔
C 閉鎖位置
O 開放位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密様式で、隔離可能である、半導体または基板処理プロセスチャンバ内への、半導体素子または基板の搬送のためのフラップトランスファーバルブであって、
・第1の長手方向軸(2)に沿って延びて、第1の密閉面(3)によってフレームの形に取り囲まれた、細長い、特に、スロット状の、第1の開口部(1)と、
・−前記第1の長手方向軸(2)に実質的に平行であって、第2の長手方向軸(5)に沿って延びており、そして、
−前面(6)に、前記第1の開口部(1)を閉鎖するための閉鎖面(6)と、前記第1の密閉面(3)に対応し、これと気密接触可能である第2の密閉面(9)と、を有する、
細長いバルブ閉鎖ビーム(4)と、
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)の閉鎖面(8)が、前記第1の開口部(1)をカバーして閉鎖し、そして、
−前記第1の密閉面(3)と第2の密閉面(9)とが気密接触する閉鎖位置(C)と、
−前記バルブ閉鎖ビーム(4)が、前記第1の開口部(1)から離れるように回動させられて、前記第1の開口部(1)を開放する開放位置(O)と、
の間で、
前記第2の長手方向軸(5)に実質的に平行であって、回転軸(10)の周りに、特に、60°から105°の回動角度で、前記バルブ閉鎖ビーム(4)が回動可能である回転軸受と、
・前記第2の長手方向軸(5)に実質的に平行であって、シャフト軸(12)の周りに回転できるシャフト(11)であり、そして、シャフト軸(12)の周りの前記シャフト(11)の回転が、前記バルブ閉鎖ビーム(4)を前記回転軸(10)の周りに回動させるように、前記バルブ閉鎖ビーム(4)に、動作可能に接続されたシャフト(11)と、
・前記シャフト(11)を回転させて、開放位置Oと閉鎖位置Cとの間で、前記バルブ閉鎖ビーム(4)を動かすために、前記シャフト(11)に連結された少なくとも1つの駆動部(13)と、
を有し、
気密なバルブハウジング(14)は、
・前記バルブハウジング(14)の第1の開口面(15)の第1の開口部(1)と、
・前記バルブハウジング(14)の、第1の開口面(15)とは反対側にある第2の開口面(16)の、第1の開口面とは反対側にある第2の開口部(17)と、
を有し、
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)、回転軸受およびシャフト(11)は、前記バルブハウジング(14)内に配置され、
・細長い側壁(18)上に、前記バルブハウジング(14)は、前記バルブハウジング(14)の残り部分に、気密様式で、連結されていて、前記第1の開口面(15)に平行な横方向(19)に移動可能であるバルブカバー(20)を有し、
・前記シャフト(11)は、回転できるように、前記バルブカバー(20)に取り付けられ、および、
・前記回転軸受、シャフト(11)およびバルブ閉鎖ビーム(4)は、バルブカバー(20)を切り離して横方向(19)に移動させることによって、前記シャフト(11)、回転軸受およびバルブ閉鎖ビーム(4)が前記バルブハウジング(14)から切り離し可能であるように、バルブカバー(20)上に配置される、フラップトランスファーバルブ。
【請求項2】
・前記駆動部(13)は、前記バルブカバー(20)から切り離されるバルブハウジング(14)のセクション上に配置され、および、
・横方向(19)に取り外し可能である継手(21)は、前記シャフト(11)と駆動部(13)との間に配置され、バルブカバー(20)を移動させるために、前記シャフト(11)が駆動部(13)から切り離し可能であるように設計される、請求項1に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項3】
・前記継手(21)は、前記シャフト(11)の第1のセクション(22)と、前記駆動部(13)の駆動シャフト(24)の前記第1のセクション(22)に、インタロック様式で連結された第2のセクション(23)と、によって形成され、前記インタロックは、横方向(19)に、前記バルブカバー(20)を移動させることによって解放可能である、請求項2に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項4】
・前記シャフト軸(12)および前記駆動シャフト(24)の駆動シャフト軸(25)は、互いに平行に延びているか、または同一直線上にあり、
・前記シャフト(11)の第1のセクションは、前記シャフト(11)の一端部によって形成され、前記シャフト(11)の前記端部は、前記シャフト(11)が基本位置にあるときに、シャフト軸(12)に少なくとも所定程度直角に、また、横方向(19)に延びる第1の成形部(22)を有し、および、
・前記駆動シャフト(24)の第2のセクションは、前記駆動シャフト(24)の一端部によって形成され、前記駆動シャフト(24)の前記端部は、前記シャフト(11)が基本位置にあるときに、駆動シャフト軸(25)に少なくとも所定程度直角に、また、横方向(19)に延び、そして、インタロックを作り出すために、前記第1の成形部(22)に対応している、請求項3に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項5】
前記第1の成形部(22)および前記第2の成形部(23)は、前記シャフト(11)および前記駆動シャフト(24)の端部において、溝および舌片の形をしている、請求項4に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項6】
前記駆動シャフト(24)は、気密様式で前記バルブハウジング(14)を貫通しており、そして、前記駆動部(13)は、前記バルブハウジング(14)の外側に配置されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項7】
前記駆動部(13)は、前記バルブハウジング(14)から、前記バルブカバー(20)と共に切り離し可能であるように、前記バルブカバー(20)に連結される、請求項1に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項8】
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)は、アームと共に回転するように前記シャフト(11)に接続された少なくとも1つのアーム上に配置され、
・前記回転軸(10)およびシャフト軸(12)は、同一直線上にあり、および、
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)の回転軸受は、前記回転可能なシャフト(11)と、前記少なくとも1つのアームと、によって形成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項9】
・前記回転軸受は、前記バルブハウジング(14)内で、前記シャフト軸(12)と前記回転軸(10)とに沿って、互いに所定距離を置いて分散配置された、少なくとも3つの、特に、少なくとも5つの、軸受要素(27)によって形成され、
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)は、共通回転軸(10)の周りに回動できるように、前記軸受要素(27)に取り付けられ、前記回転軸(10)は、前記第1の開口部(1)の側面において、特に、前記第1の密閉面(3)の平面(28)の近くを、−特に、実質的に平面(28)上を、延びており、
・前記シャフト(11)は、前記軸受要素(27)の少なくとも幾つかに取り付けられ、
・前記シャフト軸(12)は、前記回転軸(10)から所定距離を置いて、−前記第1の密閉面(3)の平面(28)に直角な方向に、延びており、
・前記軸受要素(27)は、各々、共に回転するように前記シャフト(11)上に配置された、少なくとも1つの結合された第1のアーム(29)を有し、および、
・前記それぞれの第1のアーム(29)は、前記開放位置Oと閉鎖位置Cとの間で、前記回転軸(10)の周りに前記バルブ閉鎖ビーム(4)を回動させるために、前記シャフト(11)の回転によって、そして、その結果の、前記シャフト軸(12)の周りの前記第1のアーム(29)の回動によって、前記バルブ閉鎖ビーム(4)の後面(7)に力を加えることができるように、前記第1のアームの自由端において、直接または間接的に、前記バルブ閉鎖ビーム(4)の後面(7)に係合する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項10】
・前記第1のアーム(29)は、各々、前記回転軸(10)に平行して延びる第2アーム軸(32)の周りに回動できるように、前記バルブ閉鎖ビーム(4)の後面(7)に取り付けられた第2のアーム(30)に結合され、
・前記第1のアーム(29)および前記第2のアーム(30)は、各々、前記第2アーム軸(32)に実質的に平行であって、第1アーム軸(31)の周りに連接されるように、これらのアームの自由端において、互いに接続され、および、
・前記シャフト(11)、第1のアーム(29)および第2のアーム(30)は、レバー駆動部を形成する、請求項9に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項11】
・前記第1のアーム(29)および第2のアーム(30)の長さおよび前記共通シャフト軸(12)、共通第1アーム軸(31)および共通第2アーム軸(32)の間の距離は、前記シャフト軸(12)、第1アーム軸(31)および第2アーム軸(32)が、前記閉鎖位置(C)において、実質的に共通平面(33)上にあり、そして、前記第1のアーム(29)および第2のアーム(30)が、実質的に死点において位置合わせされると同様の値である、請求項10に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項12】
・前記第1のアーム(29)は、各々、前記シャフト(11)上の前記軸受要素(27)の領域に配置される、請求項9〜11のいずれか1項に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項13】
・前記バルブ閉鎖ビーム(4)、回転軸受およびシャフト(11)は、バルブハウジング(14)内に配置され、
・前記第1の開口部(1)は、前記バルブハウジング(14)の第1の開口面(15)に配置され、前記第1の開口部(1)の反対側にある第2の開口部(17)は、前記バルブハウジング(14)の、前記第1の開口面(15)とは反対側にある第2の開口面(16)に配置され、
・前記軸受要素(27)は、特に、取外し可能なバルブカバー(20)上において、前記開口面(15、16)間で実質的に直角に延びる該バルブハウジング(14)の細長い側壁(18)に取り付けられる、請求項9〜12のいずれか1項に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項14】
・前記軸受要素(27)は、各々、前記第1の開口面(15)と第2の開口面(16)との間で延びており、
・前記軸受要素(27)は、
−前記第1の開口面(15)に向き合う前記軸受要素の半分上で、特に、前記第1の開口面(15)に向き合う側壁の半分上で、および/または、前記バルブハウジング(14)の第1の開口面(16)上で、バルブハウジング(14)に固定され、
−前記第2の開口面(16)に向き合う半分上では、特に、第2の開口面(16)に向き合う側壁(18)の半分、には固定されず、前記側壁(18)に直角に、また前記側壁(18)から離れる方向に少なくとも所定程度動くことができ、
・前記回転軸(10)は、前記第1の開口面(15)に向き合う軸受要素(27)の前記半分(34)を貫通して延び、そして、前記シャフト軸(12)は、前記第2の開口面(16)に向き合う前記軸受要素(27)の前記半分(35)を貫通して延びる、請求項13に記載のフラップトランスファーバルブ。
【請求項15】
・前記第1の開口面(15)に向き合う前記軸受要素(27)の前記半分(34)は、前記側壁(18)上に置かれ、そして、垂直方向に前記側壁(18)に固定されており、そして、
・前記第2の開口面(16)に向き合う前記軸受要素(27)の前記半分(35)は、前記側壁(18)上に置かれ、そして、前記側壁から離れるように垂直方向に固定されない、請求項14に記載のフラップトランスファーバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【公開番号】特開2011−93711(P2011−93711A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−237296(P2010−237296)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(593030945)バット ホールディング アーゲー (31)
【Fターム(参考)】