説明

バルブシール

【課題】流体の圧力および温度の大きな変動にかかわらず、バルブが良好な密封性を確実にすること、いかなる塑性変形にもかかわらず、バルブが良好な密封性を確実にすること、クロージャ要素を装着するとき、バルブが密封圧力の良好な反復性を有すること、のうちの1つまたは複数を満足するバルブ内のデバイスを提供すること。
【解決手段】バルブ1内のデバイスは、第1のおよび第2の流体ポート3および4を含む、バルブハウジング2を備える。クロージャ要素5が、バルブハウジング2内に配置され、密封部分15を有し、かつ膜30を備える。クロージャ要素の第2の密封部分14が、バルブハウジング2の支持部分25と接触して配置される。当接手段16が、密封を提供するために、前記第2の密封部分14を介して支持部分25に向かって力を伝達するように配置される。前記力は、デバイス内に配置されたばね手段によって及ぼされる力である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のおよび第2の流体ポートを少なくとも備えるバルブハウジングを含むバルブ内のデバイスに関する。クロージャ要素が、バルブハウジング内に配置され、密封部分を有し、かつ膜を備える。密封部分は、バルブハウジングの少なくとも1つの流体ポートの開位置と閉位置との間の前記膜によって、クロージャ要素の軸に沿って可動である。クロージャ要素は、バルブハウジングとともに、密封部分が前記閉位置から離れるとき前記流体ポートと連通する、バルブハウジング内の流通路を形成する。前記軸から離隔された包囲部分である、クロージャ要素の第2の密封部分が、バルブハウジングの支持部分と接触して配置されている。当接手段が、前記第2の密封部分が支持部分と当接手段との間に配置されるように、前記第2の密封部分の周縁に沿って接触して配置されている。当接手段は、密封を提供するために、支持部分に向かって前記第2の密封部分を介して力を伝達するように配置される。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプのバルブは、良く知られている。このようなバルブは、第1に、高度の清浄性が必要とされる用途で使用される。このような適用例は、たとえば薬剤および食品技術目的の、またはその他のタイプの化学的目的のための、様々な流体工学プロセスまたはプロセスステップであってよい。多くの流体製品は、高価である、および/または漏出の場合に汚染もしくは危険を受けやすい。このことは、漏出が、製品または環境の使用者に対して不健康な環境を生じさせる結果となり得ることを意味している。上記で述べたタイプのバルブの密閉性は、したがって重要である。
【0003】
このタイプのバルブでは、膜要素が、開位置と閉位置との間で操作される。バルブハウジング内を流れる流体が、このようにして、調節可能な方式で容易にかつ安全に取り扱われることができる。バルブ動作は、たとえば、手動または空気圧制御を使用して、様々な方式で行われてもよい。
【0004】
さらに、このタイプのバルブは、バルブが実質上の障害となることなく、それらの開位置で良好な流容量を有するべきであり、それによって、バルブが、塵および沈殿物などの汚染物質を蓄積させるリスクを減少させる。バルブは、また絶対的に密閉性であるべきである。この条件は、たとえば、攻撃的な化学物質を使用するとき、達成することがときどき困難である。このような場合には、バルブの密封表面が、磨耗を受ける可能性があり、このことが、たとえば、材料が劣化し、脆弱になり、その弾性を失う結果を生じさせ、このことが亀裂および/または降伏および、後に漏出を生じさせる可能性がある。
【0005】
したがって、たとえば、良好な操作可能性、良好な流容量、良好な密閉性、十分な清浄性などの、このタイプのバルブによって満たされるべきである多くの要件がある。
【0006】
これらの要件に加えて、また改善されるべきであるいくつかの範囲がある。これらの問題の範囲は、以下の点、
流体の圧力および温度の大きな変動にかかわらず、バルブが良好な密封性を確実にすること、
いかなる塑性変形にもかかわらず、バルブが良好な密封性を確実にすること、
クロージャ要素を装着するとき、バルブが密封圧力の良好な反復性を有すること、を含む。
【0007】
密封の際、弾性のパッキングが通常、ボルトにプレストレス印加することによって圧縮される。しかし、弾性の材料が経年したとき、または塑性変形されたとき、しばらくしてから問題が生じる可能性があり、このことが、漏出を結果として生じさせる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上述の点のうちの1つまたは複数を満足するバルブ内のデバイスを提供することである。
【0009】
さらなる目的は、目的のために構成された密閉性を有するデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このことは、第1のおよび第2の流体ポートを少なくとも備えるバルブハウジングを含み、クロージャ要素が、バルブハウジング内に配置され、密封部分を有し、かつ膜を備え、密封部分が、バルブハウジングの少なくとも1つの流体ポートの開位置と閉位置との間で前記膜によって、クロージャ要素の軸に沿って可動であり、クロージャ要素がバルブハウジングとともに、密封部分が前記閉位置から離れるとき前記流体ポートと連通するバルブハウジング内の流通路を形成し、前記軸から離隔された包囲部分である、クロージャ要素の第2の密封部分が、バルブハウジングの支持部分と接触して配置され、当接手段が、前記第2の密封部分が支持部分と当接手段との間に配置されるように、前記第2の密封部分の周縁に沿って接触して配置され、当接手段が、密封を提供するために、前記第2の密封部分を介して支持部分に向かって力を伝達するように配置され、前記力が、少なくとも部分的に、デバイス内に配置されたばね手段によって及ぼされる力である、紹介のために述べるバルブ内のデバイスによって達成される。
【0011】
流体は、第1に、液体、液体溶液、コロイド分散液、懸濁液などを意味する。第2に、流体は、気体、気体液体混合物、または上記のうちの1つと組み合わせられた気体に関する。ばね手段は、「機械的弾力性」を備えるばね組立体を意味し、たとえばゴムなどの弾性材料製のパッキングの圧縮、または1つのみのプレストレス印加されたボルトを備える弾力性を意味しない。
【0012】
好ましくは、前記ばね手段は、ねじりばね、および曲げ作用を有するばねから成る群から選択される。
【0013】
したがって、本発明によるデバイスの大きな利点は、ある圧力または密封が、温度変化または冷却流/塑性変形による、バルブ内に含まれる部品の運動にかかわらず、連続的に維持されることである。
【0014】
好ましくは、クロージャ要素の前記第2の密封部分が、密封領域を有し、かつバルブハウジングが、相互密封のための相補的な着座部分を有する。
【0015】
さらに、クロージャ要素の密封部分が適切には、アクチュエータによって動作可能に接続され、デバイスが、結合デバイスを有し、結合デバイスが、バルブハウジングに対して配置されるように構成されたロッキング手段、およびアクチュエータを動作させるために結合デバイスと接続されるように構成された作動デバイスを有する。
【0016】
さらに、アクチュエータは、好ましくは、細長く、かつ、その長手方向軸がクロージャ要素の前記軸と一致するように配置され、かつ結合デバイス内の穴を通って作動穴内にさらに配置される。
【0017】
一実施形態では、当接手段が、ねじブシュによって結合デバイス内に調節可能に配置される。
【0018】
ねじブシュが、適切には、雄ねじを付けられ、かつ結合デバイス内の穴と接続される。
【0019】
一実施形態では、圧縮ばねが、前記軸に対して平行な圧縮力を発生させるように配置される。
【0020】
代替となる実施形態では、ばねワッシャが、前記軸に対して平行な圧縮力を発生させるように配置される。
【0021】
さらに別の代替となる実施形態では、実際の当接手段が、圧縮ばねである。
【0022】
デバイスが、組み立てられたバルブ内に意図されたように位置決めされるとき、当接手段が、好ましくはクロージャ要素と当接することになる。特に、温度変化のため、デバイス内に備えられた様々な構成要素のサイズが変化する。このことは、長期間にわたる密封が、前記ばね力によって改善されることができることを意味する。
【0023】
一実施形態では、結合デバイスがロッキング手段によってバルブハウジングと接続されてもよい。結合デバイスは、接続可能な作動デバイスを有する。作動デバイスは、バルブを動作させるためにアクチュエータとさらに接続される。
【0024】
アクチュエータは好ましくは、結合デバイス内の穴を通って作動穴内の中央に配置される。結果として、クロージャ要素が、容易な信頼性の高い方式で操作されることができる。
【0025】
アクチュエータは適切には、一方の端部で作動デバイスと接続可能であり、その他方の端部でクロージャ要素と接続可能である、中央に配置されたスピンドルである。このことは、クロージャ要素が、容易な信頼性の高い方式で操作されることができるという利点を結果としてもたらす。
【0026】
当接手段は好ましくは、当接手段を適用するための結合デバイスに対して、クロージャ要素に向かって、中央に軸方向に調節可能に配置される。さらに、当接手段は適切には、ねじブシュによって結合デバイス内に調節可能に配置される。ねじブシュは有利には、雄ねじを付けられ、かつ結合デバイス内の穴と接続されている。このようにして、バルブは、当接手段とクロージャ要素との間の良好な調節能力および制御能力を得る。
【0027】
クロージャ要素は好ましくは、少なくとも部分的に可撓性および剛性の材料で作製されている。このことは、クロージャ要素が、関連する用途で必要とされる所望の密封特性を得ることを意味する。
【0028】
可撓性材料は、第1に、機能および用途のために構成された耐性を有する曲げ可能なまたは隆起可能な材料を意味する。
【0029】
クロージャ要素は、たとえば、弾力性の柔軟な材料製であってよい。したがって、クロージャ要素は、関連する用途で必要とされる密封特性を有することになる。
【0030】
クロージャ要素は適切には、クロージャ要素が閉鎖されたときバルブハウジングの内部とともに空洞を形成する通路部分に隣接して半径方向に内向きに湾曲される。このようにして、バルブは、クロージャ要素が閉位置に残されたとき良好な流容量を得る。
【0031】
当接手段は、たとえば、柔軟な材料で作製されてもよい。また、当接手段は、バルブの用途による必要に応じて交換されることができる。
【0032】
クロージャ要素の上端部は好ましくは、装着された状態でバルブハウジングの内壁から半径方向に離隔されている。このことは、クロージャ要素の上端部が、この場合には、この場合装着および動作での抵抗のリスクを生じさせるであろう、バルブハウジングの側壁と当接しないという利点を結果としてもたらす。
【0033】
クロージャ要素は好ましくは、バルブハウジング内で周縁方向に少なくとも部分的に延びる支持部分に適用されるように構成されている。クロージャ要素は、たとえば、動作中、着座部分の周りでたわむ。結果として、バルブが、意図された密封機能、およびバルブが要望に応じて動作するために必要とされる動作機能の両方を得る。
【0034】
クロージャ要素は、たとえば、作動力がクロージャ要素に作用していないとき開位置を維持してもよい。クロージャ要素はこのようにして、結果として磨耗を生じさせるいかなる大きな応力も受けることなく、開位置内に保持されることができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態を一例として示している添付の図面を参照にして、本発明が以下で説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1は、第1の本発明の好ましい実施形態によるデバイスを備えるバルブ1を示している。バルブ1は、内部の、好ましくは円筒形の空洞を有する、従来技術のタイプのバルブハウジング2を備える。バルブハウジングは、第1の流体ポート3および第2の流体ポート4を少なくとも有する。第1の流体ポート3は、バルブハウジングの下側部分13内に好ましくは配置され、かつ取入ポートを適切に形成している(図1参照)。第2の流体ポートは、バルブハウジング2の側壁内に好ましくは配置され、かつ排出ポートを適切に形成する。
【0037】
好ましくは可動であるクロージャ要素5が、バルブハウジング2の空洞内に配置されるように構成されている。クロージャ要素は好ましくは、バルブハウジング2の上側部分12に適合されている上端部である密封部分14に回転対称である。クロージャ要素5は、使用中、隣接する第1の流体ポート3と相互に密封可能であるように、バルブハウジング2の下側部分13に適合された、別の密封部分15、この実施形態では下端部を有する。図2を参照すると、前記端部の間のクロージャ要素5の中央部分は、第2の流体ポート4に隣接する通路部分11に適合された、好ましくはウェスト様の形状を有する。
【0038】
図3を参照すると、クロージャ要素5は、第2の密封部分14、この実施形態では上端部、適切には、クロージャ要素5内へ下向きに、軸方向に延びている穴27を有する。クロージャ要素内の穴27は、たとえば、雌ねじを付けられている。これは、接続可能なアクチュエータ6のためのものである。クロージャ要素はまた、その上端部14に、バルブハウジング2に向かって内向きの縁部を有して円周に延びる密封領域29を有する。クロージャ要素5はまた、前記密封領域29の内側に、半径方向である可撓性部分30を有する。
【0039】
図2を再び参照すると、バルブハウジング2は、その上側部分12内に接続開口17を有する。バルブハウジング2の上側部分12は、結合デバイス7と接続されるように構成されている。結合デバイス7は、ロッキング手段8によって、バルブハウジング2と好ましくは接続可能である。ロッキング手段8は、適切には、相互施錠のために相補的なバルブハウジング2の雄ねじに適合された、雌ねじを備える。
【0040】
図3を参照すると、結合デバイス7はまた、適切には、雌ねじを備える中央に配置された穴19を有する。穴19は、雄ねじを備えるねじブシュ20を受けるように構成される。ねじブシュ20の上端部は、穴と好ましくは接続可能である(図2参照)。
【0041】
ねじブシュ20の下端部は、ねじブシュ上で回転可能であるように締結された、当接手段16を適切に備える。図2で見られる当接手段16は、バルブハウジングに向かって内向きに配置される。ねじブシュ20は、好ましくは、当接手段を意図された位置内に保持するためのロッキングワッシャ21を、その下側の自由端に有する。
【0042】
図3を参照すると、ねじブシュ20は、アレンキー(Allen key)のために意図された六角形の作動穴18を有する。このようにして、回転可能に接続された当接手段16を有するねじブシュ20は、ねじ山付きの穴19内で結合デバイス7に対して軸方向に調節可能である。
【0043】
図3を再び参照すると、クロージャ要素5の穴27と接続されるための雄ねじを、その下端部に好ましくは備える、細長いアクチュエータ6が見られる。さらに、アクチュエータ6は、雄ねじを付けられたピン23によって作動デバイス10と接続されかつそれを受けるための雌ねじを、その上端部に適切には備える。アクチュエータ6は、両端での意図されたアクチュエータの接続のためにねじブシュ20内の六角形の作動穴18を通って挿入されることになる。アクチュエータの上端部はまた、相補的な工具(図示せず)がアクチュエータ6のクロージャ要素5との接続を調節することを可能にするために使用される、直径溝22を備えてもよい。
【0044】
作動デバイス10は、環状の締結手段24によって結合デバイス7と好ましくは接続可能である。締結手段24は、相互接続のために結合デバイス7の相補的な雄ねじに適合された雌ねじを適切には備える。
【0045】
作動デバイスは、手動または空気圧、油圧または電気的制御あるいは別法としてそれらの組合せによって作動されることができる。
【0046】
バルブハウジング2、結合デバイス7、当接手段16およびアクチュエータ6は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの金属で好ましくは作製されるが、もちろん、本発明の意図による要件および要望を満たすその他の材料または材料の組合せで作製されてもよい。ねじブシュ20は、その容易な動作、たとえば低い摩擦を確実にするために、ブロンズなどの金属で適切には作製される。
【0047】
第1の実施形態によるクロージャ要素5は、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの可撓性ポリマーで好ましくは作製される。
【0048】
クロージャ要素5は、ゴム、またはPTFEとゴムとの組合せなどの、本発明の要件および要望を満たすその他の材料で、もちろん作製されてもよい。
【0049】
本発明に課され得る材料に対する要件および要望は、たとえば、化学耐性、温度および圧力耐性であってよい。これらの材料および材料の必要性は、関連する用途の点でもちろん、様々であってよい。
【0050】
バルブハウジング2、流体ポート3、4、クロージャ要素5、アクチュエータ6、結合デバイス7、当接手段16および接続開口17の内部空間などの構成要素は、実質上円形の断面であるが、もちろん、本発明の目的および要件が満たされる限り異なる形状を有してもよい。他の考えられる形状は、楕円形、正方形またはある種の矩形または不規則な多角形形状であってよい。
【0051】
バルブ1および他の構成要素の装着がここで、図3、4aおよび4bを参照にして以下で説明される。
【0052】
上述のように、バルブハウジング2は、バルブハウジングの上側部分12内に接続開口17を有する(図3参照)。その上側内部に、バルブハウジング2は、好ましくは、支持部分25および着座部分31を有する。クロージャ要素5が、接続開口17を通って挿入可能であり、クロージャ要素の上端部14で外側半径方向部分が支持部分25と当接する。
【0053】
図3を再び参照すると、クロージャ要素は、その上端部に、クロージャ要素5が周縁部を有するへこみを有するところの縁部部分26を好ましくは有する。クロージャ要素5の上端部、密封部分14が、装着された状態では、バルブハウジング2の内壁から小さな半径方向距離で、適切には浮遊するように好ましくは配置されていることに注意されたい。
【0054】
当接手段16が、適切にはロッキングワッシャ21を用いてねじブシュ20の下端部に接続される。ねじブシュの上端部が、結合デバイス7の雌ねじ付きの穴19内へ下から螺合される。このようにして、当接手段16が、ねじブシュ20によってその下側で結合デバイス7と調節可能に接続される。装着中、当接手段は、結合デバイスの下側と当接するようにその上側位置にある。このことは図4aに見られる。
【0055】
図3に示されているように、結合デバイス7が、上記で述べられた一体化された構成要素とともに、ロッキング手段8によってバルブハウジング2の上側部分12と接続される。
【0056】
ロッキング手段8は、好ましくは環状のナット手段である。このようにして、適切な工具(図示せず)が、ロッキング手段8および上側バルブハウジング部分12が信頼できる方式で互いに当接するように、接続を適切に行う。
【0057】
図4aおよび4bを参照すると、ねじブシュ20が、当接手段がクロージャ要素5に対して圧力嵌めで当接するように調節されるように、アレンキーを用いて六角形の作動穴18によって調節されることができることが見られる。
【0058】
アレンキーは有利には、たとえば、維持作業とともに行われる各圧力嵌め動作において同じように調節されたトルクが付加されることを確実にする、トルクレンチと呼ばれるものであってもよい。
【0059】
図3を参照すると、アクチュエータ6が、作動穴18内に挿入され、アクチュエータ6の直径溝22内に係合する適切な工具(図示せず)を用いてクロージャ要素5内に螺合される。
【0060】
その後、作動デバイスが、結合デバイスを覆って配置され、ピン23がアクチュエータ6の上側部分内に羅合されるように回転される。作動デバイス10の締結手段24が次いで、ねじによって取り付けられ、適切な工具(図示せず)を用いて締付けられる。
【0061】
装着に関するこの説明に加えて、各流体ポートがもちろん、流体ラインと接続されるが、このことは、従来技術に従って行われ、本発明の直接の部分ではないため、この作業は説明からは除かれる。
【0062】
バルブ1およびその他の構成要素の機能がここで、図4a、4bおよび5a、5bをそれぞれ参照して以下で説明される。本発明によるバルブ2内に装着されたデバイスが、たとえば、流体流を方向付けるために流体タンクと隣接する意図された位置内に配置されるとき、たとえばバルブの第1の流体ポート3が、バルブの取入口として流体タンクの下側部分に接続される。バルブの第2の流体ポート4が、バルブの排出口として流体ラインと接続される。
【0063】
使用者が、手動作動デバイス10を備えるバルブ2を開放しようと意図しているとき、ハンドル28を回す(図5a、5b参照)。ハンドルによって、ピン23が、バルブのタンク接続部から軸方向に(以下でオフ方向と呼ばれる)動かされる。ピン23が、作動穴18を通ってアクチュエータ6を同じオフ方向に作動させる。
【0064】
アクチュエータ6の運動により、クロージャ要素5が同じオフ方向に移動する(図5a参照)。クロージャ要素の端部、密封部分15が、このようにして、第1の流体ポートの当接表面から離れる。タンク内の流体が、このようにして、たとえば重力によって、バルブを通って流れる。クロージャ要素の端部、密封部分15、およびそのウェスト部分が、第1の流体ポート3と第2の流体ポート4との間のバルブハウジング2の内壁とともに、流通路11を形成する。流体は今、第1の流体ポート3から流通路11を通って流体ポート4へ流れることができる。
【0065】
それに対応して、しかし反対方向に、作動デバイスのハンドルが閉位置へ回されたときバルブの閉鎖プロセスが行われ、それによって第1の流体ポート3が再び閉鎖される(図5b参照)。第1の実施形態では、好ましくは剛性のクロージャ要素5が、バルブの位置を操作するとき、密封部分31の周りで適切にたわむことに注意されたい。
【0066】
動作中、結合デバイス7が、密封領域29がバルブハウジングの着座部分31とともに、当接手段16の作用の下で必要とされる密封機能を有することを、確実にする。この密封の漏れを示すために、標示通路32が、結合デバイス7内に配置されている(図3参照)。
【0067】
図4a、4bおよび装着についての上記の説明を参照すると、ねじブシュ20が、たとえば、六角形の作動穴18内のアレンキーによって調節されるとき、以下のことが行われる。このことは、好ましくは、アクチュエータが装着されることなしで行われてもよい。
【0068】
当接手段16がクロージャ要素5に向かって動かされるとき、好ましくは一様に分散された力が、相互密封のために上記構成要素の間で周縁に加えられる。この力が、力伝達手段としてのねじブシュ20によって中心へ適切に伝達される。この単一の調節手段は、調節が簡単かつ一様な方式で達成されることを結果としてもたらす。バルブハウジング2内で、支持部分25および着座部分31が、当接手段16が所望の機能を得るように、クロージャ要素の当接部として働く。反対方向では、結合デバイス7がねじブシュ20とともに、当接手段16によって及ぼされた圧力嵌めの力のための当接部として働く。
【0069】
当接手段16は好ましくは、縁部部分26に隣接するクロージャ要素5に、その中心から適切な半径方向距離で圧力を及ぼす。この距離は、クロージャ要素5がバルブ1を作動するために可撓性部分30に隣接してたわむことができるように調節される。言い換えれば、クロージャ要素は、端部である密封部分14にある前記部分30に隣接して、クロージャ要素が意図された鉛直方向に動くことができるように、いくらかの運動自由度を有する。
【0070】
当接手段16は好ましくは、十分な当接を確実にするためにクロージャ要素5の縁部部分26の両側に当接する。この圧力嵌合当接力は、密封領域29と着座部分31との間の所望の密封機能を、結果として生じさせる。第2の実施形態による本発明が、ここで説明される。クロージャ要素5は、当接手段16に好ましくは適合された形状を有する。第2の実施形態によるクロージャ要素5は、シリコーン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素処理されたゴム(FPM、ビトン)などの弾力性のある柔軟な材料で適切には作製される。
【0071】
クロージャ要素5はもちろん、本発明の意図によって要求される特性を有する別の材料で作製されてもよい。
【0072】
上記のクロージャ要素5は、たとえば、作動デバイス10と直接的にまたは間接的に接続可能である金属製のコアを有してもよい。クロージャ要素5は好ましくは、圧力および温度変化にかかわらず、良好な密封特性を有する。当接手段16がクロージャ要素5に直接押し付けられ、それによって密封領域29と着座部分31との間の密封が行われる。
【0073】
図1〜5では、当接手段16が弾力性のワッシャである。それに続く図は、バルブの異なる実施形態での代替となるばね手段を示している。
【0074】
図6a〜6cは、本発明によるデバイスの代替となる実施形態を示している。当接手段16が、圧縮ばね35によってクロージャ要素5に押し付けられており、このことが、デバイス内に含まれる部品のサイズの変化で当接手段16によってクロージャ要素5に圧力が及ぼされることを確実にする。図6aは閉位置でのバルブを示しており、図6bおよび6cは、開位置でのバルブを示している。図6cでは、ばね35が、図6bでよりもわずかに引っ張られている。ばね35の圧縮は、この実施形態では調節ねじ6、ワームギア33、ナット34およびねじブシュ20によって行われる。この実施形態の利点は、バルブのいかなる部品も取り外す必要なく、ばね35が引っ張られることができることである。
【0075】
本発明によるデバイスのさらなる実施形態を示している図7aおよび7bでは、当接手段が、図6a〜6cでの圧縮ばね35とまさに同様に、デバイス内に含まれる部品のサイズの変化で当接手段16によってクロージャ要素5に圧力が及ぼされることを確実にする、ばねワッシャ36を備える。図7aは、広い膨張隙間を有するある位置でのデバイスを示し、図7bは、小さい膨張隙間を有する別の位置でのデバイスを示している。
【0076】
本発明によるデバイスのさらに別の代替となる実施形態が、図8a(開いたバルブ)および図8b(閉じたバルブ)に示されている。この実施形態では、当接手段が、ねじブシュ20によって引っ張られる圧縮ばね35である。この実施形態では、「コーン(cone)」は、クロージャ要素5の膜部分とともにボルトを用いて配置される別個の部分として示されている。
【0077】
本発明によるデバイスの別の実施形態が、図9に示されており、ここでは、クロージャ要素5が主に、バルブを閉鎖するためにバルブハウジング2に属する隆起37に下向きに押し付けられている膜から成る。膜5は、膜の周縁部分に対して当接手段16を保持することによって、いくつかのボルト38によってバルブハウジング2に対して密封される。また、ばね35が、温度による構成要素の運動とは無関係に最小の密封力を維持するために、各ボルトと隣接して配置されている。図10は、同時に圧縮ばね35でもある当接手段を含む、図9と同じであるが代替となるばね作用を有するバルブを示している。圧縮ばね35が、圧縮ばね35の中央に近接する調節手段(図示せず)によって膜35に下向きに押し付けられる。
【0078】
本発明の上記で説明された実施形態が、特許請求の範囲で定義された本発明の概念から逸脱することなく当業者によって修正および変更されてもよいことを理解されよう。たとえば、様々な締結手段、ロッキング手段、ねじブシュを備える本発明によるバルブおよびその構成要素はもちろん、脱着可能なジョイント(たとえばねじ、スプライン、キー、クランプ、圧力および収縮ジョイント)または代替となるほかの弾性ジョイントまたはパワージョイントなどを、様々な方式で備えてもよいだけでなく、いくつかの適用例では、恒久的なジョイント(溶接、糊着およびリベットジョイント)を備えてもよい。様々なばね代替形態を組み合わせることが可能であることは言うまでもない。たとえば、バルブはその構成要素とともに、いくつかの流体ポート、バルブハウジング、クロージャ要素、当接手段、結合デバイス、ねじブシュなどの、別個のまたは複合された構成要素としての、いくつかの部品から成ってもよい。上述の構成要素は、便利なとき、および用途によって許されたとき、一体化されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態によるバルブ内のデバイスの概略分解図である。
【図2】図1のデバイスの下からの透視での概略分解図である。
【図3】図1によるデバイスまたは別法として図2によるデバイスの長手方向断面の概略分解図である。
【図4a】装着位置を示す、装着された状態での図1によるバルブ内のデバイスの一部分を示す図である。
【図4b】圧力嵌め位置を示す、装着された状態での図1によるバルブ内のデバイスの一部分を示す図である。
【図5a】開位置を示す、装着された状態での図1によるバルブ内のデバイスの長手方向断面である。
【図5b】閉位置を示す、装着された状態での図1によるバルブ内のデバイスの長手方向断面である。
【図6a】本発明によるデバイスの代替となる実施形態を示す図である。
【図6b】本発明によるデバイスの代替となる実施形態を示す図である。
【図6c】本発明によるデバイスの代替となる実施形態を示す図である。
【図7a】本発明によるデバイスの別の実施形態を示す図である。
【図7b】本発明によるデバイスの別の実施形態を示す図である。
【図8a】本発明によるデバイスの別の実施形態を示す図である。
【図8b】本発明によるデバイスの別の実施形態を示す図である。
【図9】本発明によるデバイスのさらに別の実施形態を示す図である。
【図10】本発明によるデバイスのさらなる実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 バルブ
2 バルブハウジング
3 第1の流体ポート、流体開口
4 第2の流体ポート、流体側部開口
5 クロージャ要素
6 アクチュエータ
7 結合デバイス
8 ロッキング手段(結合デバイス)
9 調節ねじ
10 作動デバイス
11 流通路、通路部分
12 上側部分バルブハウジング
13 下側部分バルブハウジング
14、15 密封部分
16 当接手段、当接部分
17 接続開口
18 作動穴
19 穴結合デバイス
20 ねじブシュ
21 ロッキングワッシャ
22 アクチュエータ内の溝
23 ピン作動デバイス
24 締結手段(作動デバイス)
25 支持部分(バルブハウジング)
26 縁部部分
27 クロージャ要素内の穴
28 ハンドル(作動デバイス)
29 密封領域
30 可撓性部分
31 着座部分
32 標示通路
33 ウォームギア
34 ナット
35 圧縮ばね
36 ばねワッシャ
37 隆起
38 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の(3)および第2の(4)流体ポートを少なくとも備えるバルブハウジング(2)を含むバルブ(1)内のデバイスにして、クロージャ要素(5)が、バルブハウジング(2)内に配置され、密封部分(15)を有し、かつ膜(30)を備え、密封部分(15)が、バルブハウジングの少なくとも1つの流体ポートの開位置と閉位置との間で前記膜(30)によって、クロージャ要素(5)の軸に沿って可動であり、クロージャ要素(5)がバルブハウジング(2)とともに、密封部分(15)が前記閉位置を離れるとき前記流体ポートと連通するバルブハウジング(2)内の流通路(11)を形成し、前記軸から離隔した包囲部分であるクロージャ要素の第2の密封部分(14)が、バルブハウジング(2)の支持部分(25)と接触して配置され、当接手段(16)が、前記第2の密封部分(14)が支持部分(25)と当接手段(16)との間に配置されるように、前記第2の密封部分(14)の周縁に沿って接触して配置され、当接手段(16)が、密封を提供するために、前記第2の密封部分(14)を介して支持部分(25)に向かって力を伝達するように配置される、デバイスであって、前記当接手段(16)がばね手段であることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記ばね手段が、ねじりばね、および曲げ作用を有する弾力性のばねの群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
圧力ばね(35)が、前記軸と平行な圧縮力を提供するように配置される、請求項1および2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
ばねワッシャ(36)が、前記軸と平行な圧縮力を提供するように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス
【請求項5】
当接手段が、ばねワッシャ(35)である、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
クロージャ要素(5)の前記第2の密封部分(15)が、密封領域(29)を有し、かつバルブハウジング(2)が、相互密封のための相補的な着座部分(31)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
クロージャ要素(5)の密封部分(15)が、アクチュエータ(6)によって動作可能に接続され、デバイスが、結合デバイス(7)を有し、結合デバイス(7)が、バルブハウジング(2)に対して配置されるように構成されたロッキング手段(8)、およびアクチュエータ(6)を動作させるために結合デバイス(7)と接続されるように構成された作動デバイス(10)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
アクチュエータ(6)が、細長く、かつ、その長手方向軸がクロージャ要素(5)の前記軸と一致するように配置され、かつ結合デバイス(7)内のくぼみ(19)を通ってアクチュエータくぼみ(18)内にさらに配置される、請求項6および7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
当接手段(16)が、ねじブシュ(20)を用いて結合デバイス(7)内に調節可能に配置されている、請求項7および8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
ねじブシュ(20)が、雄ねじを付けられ、かつ結合デバイス(7)内のくぼみ(19)と接続される、請求項9に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−190716(P2008−190716A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−20455(P2008−20455)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(507085139)ミリポア・アクテイエボラーグ (8)
【Fターム(参考)】