説明

バルブリフト制御装置用アクチュエータ

【課題】回転運動を直線運動に変換する直動機構の放熱性を向上することを目的とする。
【解決手段】制御対象バルブ6のリフト量を制御するバルブリフト制御装置に用いられ、リフト量を制御軸12の軸方向位置に応じて変化させる変化機構8の制御軸12を直線駆動するアクチュエータ10において、制御軸12と共に軸方向に直線運動するねじ軸39、およびねじ軸39と同軸に配置されて回転運動する回転軸38(ナット41)を有し、回転軸38の回転運動をねじ軸39の直線運動に変換する送りねじ機構21と、回転軸38の反制御軸側に設けられ、通電により回転軸38を回転駆動するモータ部26と、回転軸38の反制御軸側の第1の周域(第1内部空間)49と、回転軸38の制御軸側の第2の周域(第1空間および第2内部空間)32、46との間をオイルが流れるオイル供給経路34、36とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブリフト制御装置用アクチュエータに関し、例えば内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方についてリフト量を制御するバルブリフト制御装置のアクチュエータに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バルブリフト制御装置において、制御対象バルブのリフト量を制御軸の軸方向位置に応じて変化させる変化機構の当該制御軸を直線駆動するために、各種のアクチュエータが用いられている。
【0003】
例えば特許文献1では、変化機構の制御軸を、油圧力を利用して直線運動させるアクチュエータが開示されている。この技術では、制御軸に連動するピストンと、ピストンを収容する空間を、ピストンを隔てて軸方向に区画した第1油圧室と第2油圧室とを備え、流量制御弁により第1油圧室と第2油圧室とにオイルを選択的に供給することで制御軸を軸方向に直線駆動している。
【特許文献1】特開2001−263015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧力を利用する場合には、例えば低温環境時や内燃機関の始動直後等にて油圧の制御条件が厳しくなるときに高精度に制御することが難しくなる場合がある。
【0005】
そこで発明者らは、モータ部等の電動機の回転力を利用して、その回転力によりトルク伝達された回転軸の回転運動を、ねじ軸の直線運動に変換する送りねじ機構等の機構を用いたいわゆる直動機構を検討している。このような直動機構をアクチュエータに適用すると、互いに同軸の回転軸とねじ軸とを直接的にまたは間接的に連繋させた構成によって比較的大きな直線駆動力を得るため、熱発生し易いという問題がある。この直動機構が熱発生すると、モータ部温度の上昇や、モータ部を駆動制御する制御装置の駆動回路へ影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
これに対して、直動機構内部にオイルを注入等しておき、冷却のためのオイルを溜めておくことが考えられるが、溜まった後に循環しなければ放熱性に限界がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、回転運動を直線運動に変換する直動機構の放熱性を向上することを目的とする。
【0008】
また、別の目的は、直動機構の放熱性向上を図るとともに、直動機構内で連繋される作動部材の信頼性向上が図れるバルブリフト制御装置用アクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
【0010】
即ち、請求項1乃至7に記載の発明では、内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブのうち少なくとも一方のバルブのリフト量を制御するバルブリフト制御装置に用いられ、リフト量を制御軸の軸方向位置に応じて変化させる変化機構の制御軸を直線駆動するバルブリフト制御装置用アクチュエータにおいて、
制御軸と共に軸方向に直線運動するねじ軸、およびねじ軸と同軸に配置されて回転運動する回転軸を有し、回転軸の回転運動をねじ軸の直線運動に変換する送りねじ機構と、回転軸の反制御軸側に設けられ、通電により回転軸を回転駆動するモータ部と、回転軸の反制御軸側の第1の周域と、回転軸の制御軸側の第2の周域との間を作動油が流れる作動油供給経路とを備えていることを特徴とする。
【0011】
これによると、回転軸の反制御軸側の第1の周域と、回転軸の制御軸側の第2の周域との間を作動油が流れる作動油供給経路を備えるので、制御軸を直線駆動するための送りねじ機構において、作動油供給経路によって、回転運動を直線運動に変換する回転軸とねじ軸との間にエンジンオイル等の作動油が流れるように、作動油を供給することができる。
【0012】
したがって、回転運動を直線運動に変換する送りねじ機構等の直動機構の放熱性を、その内部に流れるエンジンオイル等の作動油の循環により向上することが可能である。
【0013】
特に、請求項2に記載の発明では、ねじ軸は、回転軸内に配置されており、第1の周域は、回転軸と、回転軸内に配置されるねじ軸とで区画されていることを特徴とする。
【0014】
これによると、作動油供給経路の作動油が流れる第1の周域は、回転軸と、回転軸内に配置されるねじ軸とで区画されているので、回転運動を直線運動に変換する回転軸とねじ軸との間に、作動油を確実に流すことができる。
【0015】
また、請求項3乃至4記載の発明では、作動油供給経路は、第1の周域に作動油を導く第1の導口と、第2の周域に作動油を導く第2の導口を備え、第1の周域および第2の周域を作動油が循環することを特徴とする。
【0016】
これにより、回転運動を直線運動に変換する回転軸とねじ軸との間を、作動油供給経路を流れる作動油によって強制循環させることができる。
【0017】
特に、請求項4記載の発明では、ねじ軸は、ねじ軸内を第1の周域側に開口する貫通孔を備え、当該開口部は、第1の導口を形成していることを特徴とする。
【0018】
これによると、ねじ軸には、第1の周域側に開口する開口部を有する貫通孔を設け、その開口部を、第1周域に作動油を導く第1の導口とするので、第1周域と第2周域が比較的離れているものであっても、第1の周域と第2の周域との間を作動油が流れる作動油供給経路を比較的簡素に形成することができる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明では、ねじ軸と制御軸の対向する端部を回転可能に連繋する継手部材を備え、貫通孔は、回転軸の端部に開口するように延びていることを特徴とする。
【0020】
一般に、ねじ軸と制御軸の対向する端部を回転可能に連繋する継手部材は、制御軸によりリフト量を変化させる制御対象のバルブ作動によって制御軸に比較的大きな引張り力が作用する。その引張り力が発生するごとに、制御軸の端部、ねじ軸の端部、およびそれら端部を連繋する継手部材に加わるため、制御軸の端部、ねじ軸の端部、および継手部材は磨耗し易い。
【0021】
これに対して請求項5に記載の発明では、作動油が導かれる貫通孔を、ねじ軸の端部に開口するように延びていることが好ましい。これにより、ねじ軸の端部に開口するように延びる貫通孔によって、作動油供給経路を流れる作動油を、制御軸の端部、ねじ軸の端部、およびそれら端部を連繋する継手部材内に導くことができる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明では、回転軸に装着される内輪を有し、回転軸を回転自在に支持する転がり軸受と、第2の周域と、転がり軸受との間に配置され、第2の周域に導かれている作動油をシールするオイルシールとを備え、
作動油供給経路は、第2の周域より作動油を導入し、第1の周域より作動油を排出していることを特徴とする。
【0023】
一般に、第2の周域と転がり軸受との間に、第2の周域に導かれている作動油をシールするオイルシールを設ける場合、オイルシールの耐圧上、作動油供給経路から供給される作動油の油量を最小限にする必要がある。
【0024】
これに対して請求項6に記載の発明では、作動油供給経路は、第2の周域より作動油を導入し、第1の周域より作動油を排出しているので、作動油の油量を調節して第2の周域内の作動油圧を耐圧以下にすることが容易である。
【0025】
また、請求項7に記載の発明では、モータ部と第1の周域を隔離する隔壁部材を備え、隔壁部材は、回転軸に装着されていることを特徴とする。
【0026】
これによると、冷却が必要な回転軸とねじ軸の間を作動油により冷却するとともに、モータ部内を隔壁部材で気密にシールし、かつ冷却が必要なモータ部を隔壁部材を介して作動油で冷却することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】

以下、本発明のバルブリフト制御装置用アクチュエータを、内燃機関(以下、エンジン)の吸気バルブのリフト量を制御するバルブリフト制御装置に適用して具体化した実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態によるバルブリフト制御装置のアクチュエータを示す部分的断面図である。図2は、本実施形態によるバルブリフト制御装置を示す模式図であって、図2(a)は制御軸の軸方向部分断面図、図2(b)は径方向断面図である。図3は、本実施形態によるバルブリフト制御装置のアクチュエータを示す断面図である。
【0028】
変化機構8は、例えば特開2001−263015号公報等に開示される如き図2の構成を有し、エンジン4に組み込まれている。具体的には、図2(a)に示すように変化機構8は、制御軸12の軸方向に制御軸12と共に直線運動可能なスライダギア14を入力部15および揺動カム16にヘリカルスプライン嵌合させており、制御軸12の軸方向位置に応じて入力部15と揺動カム16との相対位相差が変化する。
【0029】
また、図2(b)に示すように、入力部15はカム軸17の吸気カム18に接触し、また揺動カム16は吸気バルブ6のロッカーアーム19に接触可能に設けられており、入力部15と揺動カム16との相対位相差に応じてロッカーアーム19の揺動角度が変化する。したがって、変化機構8では、制御軸12の軸方向位置が変化するのに応じて吸気バルブ6のリフト量(以下単に、バルブリフト量と呼ぶ)が変化し、それによって作用角や最大バルブリフト量等といったバルブ特性が調整される。
【0030】
なお、本実施形態において吸気バルブ6から制御軸12へと伝達されるバルブ反力は、アクチュエータ10とは反対側へ向かうスラスト力として制御軸12に作用する。
【0031】
アクチュエータ10は、図2(a)および図2(b)に示すように、変化機構8の制御軸12を軸方向に直線駆動するものである。具体的には、図3に示すようにアクチュエータ10は、本体ケース20、送りねじ機構21、スラスト軸受22、ラジアル軸受23、オイルシール24、変位規制部25、モータ部26、磁石部27、センサ部28、および通電部29とを備えている。なお、アクチュエータ10は、図3の左右方向が略水平方向となるようにして車両に搭載されている。
【0032】
本体ケース20は、図3に示すように、有底筒状に形成され、底部31がエンジン4の取付孔30に嵌合した状態でエンジン4にボルト固定されている。本体ケース20は、軸方向において互いに隣接する空間(以下、第1空間と呼ぶ)32及び第2空間33を内部に形成している。なお、図3においては、第1空間32と第2空間33との境界線Bを二点鎖線にて模式的に示している。
【0033】
送りねじ機構21は、図1および図3に示すように、互いに同軸に配置される回転軸38とねじ軸39とを組み合わせてなる台形ねじ機構である。この回転軸38は、全体として略円筒状に形成されており、第1空間32と第2空間33とに跨って配置されることで通電部29と変化機構8の制御軸12との間に位置している。
【0034】
図1に示すように、回転軸38は、歯断面が台形の雌ねじ40が内周壁に切られているナット41を備えており、ナット41には、ナット41に装着されるリッド42、および係止部材としてのサークリップ43が設けられている。ナット41は、それと同軸に配置されたスラスト軸受22とラジアル軸受23とで軸受されることにより、周方向に正逆回転可能となっている。ナット41の一端部41aは第1空間32に開口し、ナット41の他端部41bは第2空間33においてリッド42により閉塞されている。サークリップ43は、C字状等に形成されてナット41の外周壁の周方向溝45に嵌められており、ナット41に対して軸方向に相対変位不能となっている。
【0035】
リッド42は、ナット41と同軸の略円筒状に形成されている。リッド42は、隔壁部44a、嵌合部44b、およびスリーブ部44cを有している。隔壁部44aは略円板状に形成され、ナット41の他端部41bの開口部を塞いでいる。また、嵌合部44bは、隔壁部44aの外周部から制御軸12側に延びる略筒状に形成され、シール部材としてのOリング98を介して他端部41bの内周に液密に装着されている。リッド42の隔壁部44aおよび嵌合部44bと、ナット41の他端部41bと、ねじ軸39とにより、内部空間(以下、第1内部空間と呼ぶ)49が形成されている。リッド42は、第1内部空間49と空間33の間を液密にシールしている。第1内部空間49は、空間33に対して液密にシールされており、この空間49内に、オイルを液密に溜めることが可能である。さらに、スリーブ部44cは、隔壁部44aの外周部から通電部29側に向かって開口するように筒状に延びている。
【0036】
なお、第1内部空間49と、この空間49にオイルを導くオイル循環経路の構成については、後述する。
【0037】
ねじ軸39は、本体ケース20の底部31をエンジン4側に挿通しており、エンジン4側より順に、エンジン4のオイル通路47と、第1空間32と、ナット41の制御軸12側の第2内部空間46とに跨って配置されている。ねじ軸39は、通電部29と、変化機構8の制御軸12との間に位置している。また、ねじ軸39においてナット41側の端部の外周壁には、歯断面が台形の雄ねじ48が設けられており、この雄ねじ48がナット41の雌ねじ40と螺合するように構成されている。これにより、回転軸38が回転することによってねじ軸39が軸方向変位するようになっている。即ち、送りねじ機構21では、回転軸38の回転運動をねじ軸39の軸方向運動に運動変換され、回転軸38の回転駆動がねじ軸39の直線駆動に変換されるのである。
【0038】
また、図3に示すように、ねじ軸39においてオイル通路47側の端部39jは、継ぎ手部材99を介して、制御軸12のスライダギア14とは反対側の端部12jに同軸に連結されている。これによりねじ軸39は、制御軸12と共に直線運動可能となっており、且つ上記バルブ反力によって軸方向の制御軸12側へと付勢されるようになっている。
【0039】
継手部材99は、両端部12j、39jを回転可能に連繋しており、上記バルブ反力による引張り力が、端部12j、端部39j、およびこれら端部12j、39jに連繋する継手部材99に作用する。
【0040】
図1に示すように、ねじ軸39は、雄ねじ48と上記端部39jと間の中間部の外周壁に、インボリュートスプライン50が形成されている。また、本体ケース20において底部31に嵌着されたブッシュ(以下、回転規制ブッシュと呼ぶ)51の内周壁には、このインボリュートスプライン50に径方向で凹凸嵌合するインボリュートスプライン52が形成されている。
【0041】
これらインボリュートスプライン50、52同士の嵌合(以下、インボリュート嵌合と呼ぶ)により、回転規制ブッシュ51に対するねじ軸39の摺動抵抗を低減しつつ、ねじ軸39の回転並びに心ずれを規制可能にしてる。そのようなインボリュート嵌合によって送りねじ機構21における運動変換効率が高められている。
【0042】
回転軸38に働くスラスト力を支持するスラスト軸受22は、第1空間32に配置されている。このスラスト軸受22は、図1および図3に示すように、内輪53と外輪54との間に玉状の転動体55を挟持してなるアキシアルコンタクト式の玉軸受である。なお、スラスト軸受22は、これに限らず、アンギュラコンタクト式又はアキシアルコンタクト式のころ軸受であってもよく、回転軸38に働くスラスト力を支持する軸受であればいずれの構造であってもよい。
【0043】
外輪54は、本体ケース20の内周壁に嵌合している。内輪53はナット41の端部41aに軸方向の制御軸12側から係合しており、また外輪54には本体ケース20の底部31が軸方向の制御軸12側から係合している。
【0044】
回転軸38に働くラジアル力を支持するラジアル軸受23は、第2空間33に配置されている。このラジアル軸受23は、図1および図3に示すように、内輪56と外輪57との間に玉状の転動体58を挟持してなるラジアルコンタクト式の玉軸受である。なお、ラジアル軸受23は、これに限らず、アンギュラコンタクト式のころ軸受又はアンギュラコンタクト式の玉軸受であってよく、回転軸38に働くラジアル力を支持する軸受であればいずれの構造であってもよい。
【0045】
内輪56はナット41の外周壁に嵌合装着されており、この内輪56にサークリップ43が軸方向の制御軸12側から係合している。外輪57は、本体ケース20の内壁から円筒状に突出するリテーナ部59の内周壁に嵌合している。
【0046】
オイルシール24は、本体ケース20とナット41の端部41aとの間に介装されている。このオイルシール24は第1空間32と第2空間33との境界線B上に配置され、サークリップ43を挟んでラジアル軸受23とは反対側に位置している。
【0047】
変位規制部25は、ストッパ60と、弾性部材としてのウェーブワッシャ61とで構成され、第2空間33に配置されている。ストッパ60は、嵌合部62、固定部63、および係止部64を有している。嵌合部62は円筒状に形成され、本体ケース20のリテーナ部59の外周壁に嵌合している。固定部63は、嵌合部62の一端部から外周側に突出する円環板状に形成され、本体ケース20の内壁にねじ止めされている。係止部64は、嵌合部62の他端部から内周側に突出する円環板状に形成され、ラジアル軸受23の軸方向において外輪57よりも通電部29側に配置されている。
【0048】
そして、この係止部64と外輪57との間に円環板状のウェーブワッシャ61が介装されている。ウェーブワッシャ61は、係止部64及び外輪57に同軸に配置されて軸方向に圧縮されている。この圧縮によりウェーブワッシャ61には復元力が生じており、この復元力は、ラジアル軸受23を制御軸12側に付勢するスラスト力として外輪57に作用している。また、ウェーブワッシャ61の復元力は外輪57だけでなく、通電部29側に向かうスラスト力として係止部64にも作用しているので、係止部64と外輪57との間のスラスト方向移動が低減されるようになっている。
【0049】
モータ部26は、図1に示すように、回転ロータ65とステータ66とを組み合わせてなるブラシレスモータであり、第2空間33に配置されている。回転ロータ65は、円環板状の鉄片が積層されてなるロータコア67と、このロータコア67に装着された永久磁石68および磁石カバー69を有している。ロータコア67はナット41の端部41bの外周壁に同軸に嵌合装着されており、回転軸38と共に正逆回転可能となっている。即ち回転軸38は、モータ部26におけるモータ軸としての機能も担っている。永久磁石68は、ロータコア67の外周縁近傍において周方向に等間隔をあけた複数個所に埋設されている。磁石カバー69は非磁性体で円環板状に形成され、ロータコア67の軸方向両側にそれぞれ設けられている。これにより二つの磁石カバー69は、複数の永久磁石68を間に挟み込んで軸方向に位置決めしている。
【0050】
ステータ66は回転ロータ65の外周側に配置され、内周側に突出した複数の突出部70aを持つ円環板状のステータコア70と、各突出部70aにそれぞれ対応して設けられたコイル71及びボビン72を有している。ステータコア70は鉄片の積層によってブロック状に形成され、本体ケース20の内周壁に装着されている。そして、このステータコア70の各突出部70aにコイル71がボビン72を介して巻装されている。
【0051】
磁石部27は、磁石ホルダ74と、センサ部28側の端面において複数の磁極を円周状に有する永久磁石75とで構成され、第2空間33に配置されている。磁石ホルダ74は、磁性体で形成され、ロータコア67の通電部29側に磁石カバー69と共にリベット固定されている。永久磁石75は、凹凸嵌合と磁気作用とを利用することで、磁石ホルダ74の所定箇所に位置決めして保持されている。したがって、それら永久磁石75および磁石ホルダ74からなる磁石部27は、回転ロータ65および回転軸38と共に正逆回転可能となっている。
【0052】
センサ部28は、複数のホール素子76で構成されており、回転軸38の軸方向の磁石部27よりも通電部29側に配置されて第2空間33に露出している。各ホール素子76は通電部29の所定箇所にそれぞれ保持されており、磁石部27の永久磁石75から磁気作用を受けることにより回転軸38の回転角を検出する。そして、永久磁石75の各磁極の位置を変化させる回転軸38の回転角に対して各ホール素子76の出力が所定の相関関係を示すように、センサ部28及び磁石部27が構成されている。なお、本実施例では、センサ部28にホール素子を用いたが、これに限らず、磁気抵抗素子などのセンサ素子であってもよい。また、ホール素子76等のセンサ素子の数については、適宜設定可能である。
【0053】
図3に示すように、通電部29は、本体ケース20にボルト固定された回路ケース80と、回路ケース80に収容された駆動回路81とを有している。回路ケース80は、共にカップ状に形成されたベース部材82とカバー部材83とで構成されている。ベース部材82は、その底部84によって本体ケース20の開口を覆うと共に、本体ケース20とは反対側に向かって開口している。図1に示すように、ベース部材82は、底部84から本体ケース20側に突出する支持部85を有している。支持部85は円筒状に形成され、リッド42のスリーブ部44c内に同軸に挿入されている。
【0054】
なお、ウェーブワッシャ61および各隙間の関係は、下記のように設定されていることが好ましい。スラスト力が作用していない状態での回転軸38の軸方向において、ホール素子76と永久磁石75との正対時におけるそれら要素76、75間の隙間量C1がウェーブワッシャ61の最大圧縮量よりも大きくなるように、センサ部28及び磁石部27が配置されている。そして、底部84とスリーブ部44cとの間の隙間量C2並びに支持部85とリッド42との間の隙間量C3がウェーブワッシャ61の最大圧縮量よりも大きくなるように、ベース部材82および回転軸38が配置されている。ここで最大圧縮量とは、スラスト力が回転軸38に作用していない状態でのウェーブワッシャ61に許容される圧縮量の最大値をいう。
【0055】
また、支持部85とスリーブ部44cとの間に円筒状の摺動ブッシュ86が介装されており、スリーブ部44cは摺動ブッシュ86を介して支持部85に支持されている。これによりスリーブ部44cの径方向変位が規制されるので、ラジアル軸受23の軸受個所を支点とする回転軸38の傾きを防止される。
【0056】
図3に示すように、ベース部材82の開口縁部には、カバー部材83の開口縁部が液密にするように重なり合っており、それらベース部材82とカバー部材83とで囲まれた空間87内に駆動回路81が配置されている。駆動回路81は、回路素子88が実装された複数の基板89を回転軸38の軸方向に複数並べてなる電気回路である。駆動回路81は、モータ部26の各コイル71に電気的に接続されていると共に、回路ケース80の外部の制御回路90にターミナル(図示しない)を介して電気的に接続される。
【0057】
また図1に示すように、駆動回路81においてベース部材82の底部84に嵌合保持された基板89aとこの底部84との間には、センサ部28の各ホール素子76を実装してなる基板91が介装されており、駆動回路81はそれらのホール素子76にも電気的に接続されている。なお、基板91に実装された各ホール素子76は、ベース部材82の底部84を貫通する貫通孔92を通じて第2空間33に露出している。
【0058】
制御回路90は、各ホール素子76の出力を駆動回路81を通じて受け取ることにより回転軸38の回転角、さらには制御軸12の軸方向位置を認識する電気回路である。さらに制御回路90は、認識した制御軸12の軸方向位置から実際のバルブリフト量を推定し、この実際のバルブリフト量と目標のバルブリフト量との差分を小さくするための通電を駆動回路81に指令する。この指令を受けて駆動回路81は、各コイル71への通電を制御することにより、それらのコイル71を所定の順で励磁して回転ロータ65および回転軸38を回転駆動する。これにより、ねじ軸39および制御軸12が、上記差分を小さくする軸方向に直線駆動されるため、目標のバルブリフト量が実現される。なお、目標のバルブリフト量とは、エンジン回転数、アクセル開度等の車両の運転状況に基づいて決定される物理量である。
【0059】
次に、アクチュエータ10の特徴部分についてさらに詳しく説明する。図1および図3に示すように、第2空間33よりも底部31側に位置する第1空間32には、本体ケース20を貫通するオイル供給孔34を通じてエンジン4のオイルポンプ35からエンジンの作動油としてのエンジンオイル等の潤滑油(以下、オイルと呼ぶ)が供給されるようになっている。さらに、第1空間32内のオイルがねじ軸39と回転規制ブッシュ51との間の隙間を通じて本体ケース20の外部のオイル通路47に排出されるようになっている。なお、エンジン4において、オイル通路47に排出されたオイルはオイルポンプ35へと戻される。
【0060】
なお、ここで、第2空間33は、モータ部を主体とする電動機が配置され、雰囲気等の気体が気密に保たれている空間である。第1空間32は、送りねじ機構を主体とするいわゆる直動機構が配置され、内部にオイルが導かれ液密に保たれている空間である。
【0061】
また、本実施形態では、回転軸38において、ねじ軸39を内部に運動自在に収容するナット41の両端部41a、41b内に、第1内部空間49および第2内部空間46が配置されている。第1内部空間49および第2内部空間46は、上記第1空間31に連通するように構成されており、内部にオイルが導かれている第1空間32の一部を構成している。なお、第1内部空間49と第1空間32は、ねじ軸39の雄ねじとナット41の雌ねじとの間の隙間を通じて連通している。
【0062】
さらに、本実施形態では、第1内部空間49は、余剰オイルをオイルポンプ35へ回収するためのオイル通路47に連通している。具体的には、図1および図3に示すように、ねじ軸39には、内部を軸方向に延びるオイル排出孔36が設けられており、オイル排出孔36の開口部36aは第1内部空間49に開口している。そして、オイル排出孔36は、オイル通路47側のねじ軸39に形成された連通孔37を介して、オイル通路47に連通する。
【0063】
なお、上記オイル排出孔36は、端部39jまで貫通している貫通孔であることが好ましい。
【0064】
さらにまた、オイル供給孔34の第1空間32側に開口する開口部34aは、第1空間32へ流入するオイル流量を制限するように、絞られている。具体的には、図1に示すように、例えばスラスト軸受22の外輪54と開口部34aとの重なり部分により、開口部34aの開口面積を、所定の面積に絞っている。
【0065】
なお、ここで、絞りにより制限されたオイル流量とは、空間32のオイル圧がオイルシール24の耐圧以下になるオイル供給孔34から空間32へのオイル流入量以下であって、上記ねじ軸39とナット41との間の隙間を通じてオイルが空間32から第1内部空間49へ流れることが可能なオイル流入量以上である。さらに、このようなオイル流量範囲において、オイル流入量によってエンジン側のオイル圧低下を比較的小さく抑えるために、その範囲の下限側に設定することが好ましい。
【0066】
なお、ここで、オイルは、特許請求の範囲に記載の作動油に対応する。第1空間32および第2内部空間46は、特許請求の範囲に記載の回転軸の制御軸側の第2の周域を構成する。また、第1内部空間49は、特許請求の範囲に記載の回転軸の反制御軸側の第1の周域を構成する。
【0067】
さらに、オイル供給孔34およびオイル排出孔36は、オイルポンプ35からのオイルの供給によりオイルが循環するオイル供給経路であり、特許請求の範囲に記載の作動油供給経路を構成する。また、オイル供給孔34の開口部34aは、特許請求の範囲に記載の第2の導口に対応し、オイル排出孔36の開口部36aは、特許請求の範囲に記載の第1の導口に対応している。
【0068】
さらになお、リッド42は、特許請求の範囲に記載の隔壁部材を構成する。また、ラジアル軸受23は、特許請求の範囲に記載の転がり軸受を構成する。また、吸気バルブ6は、制御軸12によりリフト量を変化させる制御対象バルブに対応する。
【0069】
以上説明した本実施形態では、送りねじ機構21において、回転軸39であるナット41の制御軸12側に液密にシールされた第1空間32および第2内部空間46が設けられ、またナット41の反制御軸側に液密にシールされた第1内部空間49が設けられている。そして、第1空間32に開口するオイル供給孔34と、第1内部空間49に開口するオイル排出孔36を有し、エンジン側のオイルポンプ35によってオイルが供給されるオイル供給経路34、36が設けられている。
【0070】
このように構成されることで、送りねじ機構21において、第1空間32および第2内部空間46と、第1内部空間49とは、ねじ軸39とナット41との間の隙間を通じて連通しており、オイル供給経路34、36によって、回転運動を直線運動に変換するねじ軸39とナット41との間にオイルが流れるように、ねじ軸39とナット41の内部にオイルを供給できる。
【0071】
したがって、回転運動を直線運動に変換するねじ軸39とナット41から構成される送りねじ機構12の放熱性が、その内部に流れるオイルの循環により向上する。
【0072】
また、本実施形態では、第1空間32および第2内部空間46、特にねじ軸39とナット41のは、ナット41の端部41aと、このナット41内に配置されるねじ軸39とで区画されているので、送りねじ機構12におけるねじ軸39とナット41のとの間に、オイルを確実に流すことができる。
【0073】
また、上記オイル供給経路34、36は、オイル供給孔34の開口部34aを第1空間32に接続し、オイル排出孔36の開口部36aを第1内部空間49に接続するように構成している。これにより、オイルポンプ35よりオイル供給経路34、36に供給されるオイルが、第1空間32および第2内部空間46と、第1内部空間49の間で循環できるので、オイル供給経路34、36を流れるオイルによって、上記送りねじ機構12でのねじ軸39とナット41のとの間を強制循環させることができる。
【0074】
また、本実施形態は、オイル排出孔36は、ねじ軸39に貫通する貫通孔で形成されているので、第1空間32および第2内部空間46と、第1内部空間49の間でオイルが流れるオイル供給経路として、比較的簡素に形成することができる。
【0075】
上記オイル排出孔36は、制御軸12側に延びる端部39に開口するように貫通していることが好ましい。
【0076】
一般に、継手部材99は、制御軸12によりリフト量を変化させる吸気バルブ6の作動によって制御軸12に比較的大きな引張り力が作用する。その引張り力が発生するごとに、制御軸12の端部12j、ねじ軸39の端部39j、およびそれら端部12j、39jを連繋する継手部材99に加わるため、制御軸12の端部12j、ねじ軸39の端部39j、および継手部材99は磨耗し易い。
【0077】
これに対して本実施形態では、作動油供給経路34、36を流れるオイルを、両端部12j、39j、およびそれら端部部12j、39jを連繋する継手部材内99に導くことができる。したがって、制御軸12の端部12j、ねじ軸39の端部39j、および継手部材99の磨耗防止が図れる。
【0078】
さらになお、本実施形態では、ナット41に装着される内輪を有し、ナット41を回転自在に支持するラジアル軸受23と、第1空間32と、第2空間33側のラジアル軸受23との間に配置され、第1空間32に導かれているオイルをシールするオイルシール24とを備えている。さらに、オイル供給経路24、36は、第1空間32にオイルを導入し、第1内部空間49よリオイルを排出するように構成している。
【0079】
一般に、第1空間32とラジアル軸受23との間にオイルシール24を設ける場合、オイルシール24の耐圧上、作動油供給経路34、36から供給されるオイルの流量を最小限にする必要がある。
【0080】
これに対して本実施形態では、オイル供給経路34、36は、第1空間32にオイルを導入し、第1内部空間49よリオイルを排出するので、オイルの流量を調節して第1空間32のオイル圧を耐圧以下にすることが容易である。
【0081】
さらになお、本実施形態では、第2空間33に配置されたモータ部26と、第1内部空間49を隔離するリッド42を備えており、リッド42はナット41の端部41bに装着されている。
【0082】
これによると、冷却が必要なナット41とねじ軸39の間をオイルにより冷却するとともに、モータ部26内をリッド42で気密にシールし、かつ冷却が必要なモータ部26をリッド42を介してオイルで冷却することが可能である。
【0083】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
【0084】
(1)例えば以上説明した本実施形態では、回転軸38とねじ軸39とが直接に噛み合ってなる送りねじ機構21を用いているが、回転軸とねじ軸とが歯車や玉等を介して間接的に連繋してなる機構を用いてもよい。
【0085】
(2)また、以上説明した本実施形態では、ねじ軸39と制御軸12とを互いに同軸に連繋しているが、制御軸12に対してねじ軸39を偏心させて連繋してもよい。
【0086】
(3)さらに以上説明した本実施形態では、オイル潤滑経路34、36において、第1内部空間49にオイル排出孔36を接続し、第1空間32および第2内部空間46にオイル供給孔34を接続するという構成で説明した。これに限らず、第1内部空間49にオイルを供給するオイル供給孔を接続し、第1空間32および第2内部空間46にオイルを排出するオイル排出孔を接続するようにしてもよい。
【0087】
(4)さらになお以上説明した本実施形態では、第1内部空間49を、回転軸38に一体にするリッド42で、他の空間33と隔離するようにした。リッド42は、隔壁部44a、嵌合部44b、およびスリーブ部44cを有するものに限らず、少なくとも隔壁部44aを有する隔壁部材であればよい。
【0088】
(5)さらになお以上説明した本実施形態では、オイルを液密にする内部空間46、49を、回転軸38の両端部41a、41b内と、ねじ軸39とで区画するものとした。このような構成に限らず、回転運動を直線運動に変換するねじ軸39と回転軸38(ナット41)から構成される送りねじ機構12において、第1内部空間49を回転軸38の反制御軸12側の第1の周域に設け、第1内部空間46を回転軸38の制御軸12側の第2の周域に設けるように構成したものであればよい。
【0089】
(6)さらになお、以上説明した本実施形態では、アキシアルコンタクト式の玉軸受をスラスト軸受22として設けていると説明した。なお、これに限らず、スラスト軸受22を設置しないようにしてもよい。
【0090】
(7)さらになお、以上説明した本実施形態では、回転ロータ65に永久磁石68が埋設されてなるIPMブラシレスモータをモータ部26として用いていると説明した。これに限定されるものではなく、例えばDCモータ等、公知の各種のモータをモータ部として用いることができる。
【0091】
(8)さらになお、以上説明した本実施形態において、アクチュエータ10と組み合わされる変化機構8としては、制御軸12の軸方向位置に応じてバルブリフト量を変化させるものであれば、本実施形態で説明した図2以外の構成のものを用いてもよい。また、制御軸12に伝わるバルブ反力によってねじ軸を軸方向の通電部側に付勢する変化機構を用い、この変化機構とアクチュエータと組み合わせて用いてもよい。さらに、エンジンの排気バルブのリフト量を変化させる変化機構8をアクチュエータ10と組み合わせて用いてもよい。
【0092】
(9)さらになお、以上説明した本実施形態では、吸気バルブ6のリフト量を変化させる変化機構8をアクチュエータ10と組み合わせて用いたが、これに限らず、制御対象バルブとして、排気バルブのリフト量を変化させる変化機構をアクチュエータと組み合わせるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態によるバルブリフト制御装置のアクチュエータを示す部分的断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるバルブリフト制御装置を示す模式図であって、図2(a)は制御軸の軸方向部分断面図、図2(b)は径方向断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるバルブリフト制御装置のアクチュエータを示す断面図である。
【符号の説明】
【0094】
2 バルブリフト制御装置
2 エンジン(内燃機関)
6 吸気バルブ(制御対象バルブ)
8 変化機構
10 アクチュエータ
12 制御軸
12j 端部
20 本体ケース
21 送りねじ機構
22 スラスト軸受
23 ラジアル軸受(転がり軸受)
24 オイルシール
25 変位規制部
26 モータ部
27 磁石部
28 センサ部
29 通電部
32 第1空間(第2の周域)
33 第2空間
34 オイル供給孔
34a 導入口(開口部、第2の導口
35 オイルポンプ
36 オイル排出孔(貫通孔)
36a 導入口(開口部、第1の導口)
38 回転軸
39 ねじ軸
39j 端部
41 ナット
41a 一端部(端部)
41b 他端部(端部)
42 リッド(隔壁部材)
44a 隔壁部
43 サークリップ(係止部材)
46 第2内部空間(第2の周域)
49 第1内部空間(第1の周域)
56 内輪
57 外輪
60 ストッパ
61 ウェーブワッシャ(弾性部材)
64 係止部
65 回転ロータ
66 ステータ
74 磁石ホルダ
75 永久磁石
76 ホール素子
80 回路ケース
81 駆動回路
90 制御回路
99 継手部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブのうち少なくとも一方の当該バルブのリフト量を制御するバルブリフト制御装置に用いられ、
前記リフト量を制御軸の軸方向位置に応じて変化させる変化機構の当該制御軸を直線駆動するバルブリフト制御装置用アクチュエータにおいて、
前記制御軸と共に軸方向に直線運動するねじ軸、および前記ねじ軸と同軸に配置されて回転運動する回転軸を有し、前記回転軸の回転運動を前記ねじ軸の直線運動に変換する送りねじ機構と、
前記回転軸の反制御軸側に設けられ、通電により前記回転軸を回転駆動するモータ部と、
前記回転軸の反制御軸側の第1の周域と、前記回転軸の制御軸側の第2の周域との間を作動油が流れる作動油供給経路と、
を備えていることを特徴とするバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項2】
前記ねじ軸は、前記回転軸内に配置されており、
前記第1の周域は、前記回転軸と、前記回転軸内に配置される前記ねじ軸とで区画されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項3】
前記作動油供給経路は、前記第1の周域に作動油を導く第1の導口と、前記第2の周域に作動油を導く第2の導口を備え、前記第1の周域および前記第2の周域を前記作動油が循環することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項4】
前記ねじ軸は、前記ねじ軸内を前記第1の周域側に開口する貫通孔を備え、
当該開口部は、前記第1の導口を形成していることを特徴とする請求項3に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項5】
前記ねじ軸と前記制御軸の対向する端部を回転可能に連繋する継手部材を備え、
前記貫通孔は、前記ねじ軸の前記端部に開口するように延びていることを特徴とする請求項4に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項6】
前記回転軸に装着される内輪を有し、前記回転軸を回転自在に支持する転がり軸受と、
前記第2の周域と、前記転がり軸受との間に配置され、前記第2の周域に導かれている作動油をシールするオイルシールとを備え、
前記作動油供給経路は、前記第2の周域より作動油を導入し、前記第1の周域より作動油を排出していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。
【請求項7】
前記モータ部と前記第1の周域を隔離する隔壁部材を備え、
前記隔壁部材は、前記回転軸に装着されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のバルブリフト制御装置用アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−211752(P2007−211752A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35565(P2006−35565)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】