説明

バーミキュライト及び他の鉱物の剥離、並びに汚染物質の処理等の原料のマイクロ波加工

加工対象の供給原料にマイクロ波を照射する方法が開示される。実施例の1つは、バーミキュライトを膨張するためにバーミキュライト中の層間水を加熱することに関する。別の実施例は、ドリルカッティング、汚染土壌、ある種の動物副産物等の油で汚染された材料や廃棄物から油を除去するために、それら廃棄物中の水を加熱することに関する。ある実施例においては、マイクロ波トンネルアプリケータは供給材料の下方からマイクロ波を照射する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は工業用の原料のマイクロ波加工に関する。本発明適用の1つの分野は、層間に水を含むバーミキュライト(蛭石)あるいは他の鉱物を剥離又は膨張する方法及び装置に関する。本発明適用のもう1つの分野は、汚染された土地及び土等の処理に関することに加え、ドリルカッティングやある種の動物副産物のような油汚染物質及び廃棄物から油を取り除くことに関する。
【0002】
この発明はそもそも、本発明者らがバーミキュライトの生産を熟考していた際になされた。また、バーミキュライトの生産の背景に本発明を導入することは都合がよい。付随する水を有する薄い鉱物の複数の層からなる水和された状態で、バーミキュライトは採掘される。鉱物を熱することにより、バーミキュライトは、その元のサイズの5倍から10倍、10倍から20倍の体積になるまで膨張又は剥離することができる。バーミキュライトに関しては大規模な地球規模産業があり、恐らく1年で600000トンは採掘される。バーミキュライトは、(例えば、園芸においては)水の吸収等の流動物吸収、(ブレーキパット等の)摩擦プロダクト、断熱材、耐火物、建築構造ボード及び材料、塗料や、その他様々な用途に使用される。
【0003】
膨張した粒子のサイズに応じて様々なグレードのバーミキュライトがある。
バーミキュライトのグレードは、大、中、微細、超微細、ミクロンの範囲に亘る。(米国ではV0からV4の段階がある。)このグレードのサイズは以下のウェブサイトで参照できる。
www.vermiculite.org/properties.htm
膨張したバーミキュライトは輸送コストが高く、低重量だが体積が大きい。しかし、膨張したバーミキュライトは、世界中で輸送される。上記ウェブサイトでは、次のような剥離されたバーミキュライト粒子の平均直径を与えている。:
8mm − 大
4mm − 中
2mm − 微細
1mm − 超微細
0.5mm − ミクロン
バーミキュライトを剥離する従来の方法は、炭化水素の燃料が供給された大きな窯(Kiln)あるいは炉を使用し、その最上部で未膨張バーミキュライトを加え、窯中の加熱ゾーンにバーミキュライトを通過させ、膨張したバーミキュライトを窯の端に落下させるという方法である。この方法は、恐らく1トン当たり500−1000キロワット時といった多くのエネルギーを使用する。窯と関連機器は多くのスペースを占め、窯と関連機器は高価な主要装置である。この主要装置はいつも運転させておく必要がある。さもなければ、窯の耐火性裏張りは割れて破損してしまう。剥離するバーミキュライトは、摂氏何百度かで窯から出てくるので、バーミキュライトを袋詰めする前に積もった状態で冷却させる必要がある。窯を通過する際に、バーミキュライト粒子はこすれあうため、しばしば生産物(プロダクト)にある程度の破損をもたらす。確かに、塵埃取出装置及び熱風対処装置も、工業用バーミキュライト生産窯/炉の主要部分であり、それ自体何百キロワット時電力を使用し、非常に費用がかかるものとなってしまう。
【0004】
バーミキュライトは略600℃に加熱される。バーミキュライトが長く加熱されると、加熱されたバーミキュライトは「焼けて」しまう。その結果、構造上の水酸基の除去により、剥離バーミキュライトの代わりに、タルク(滑石)が生成されてしまう。典型的な収率は(質量で)約85%である。つまり、膨張した有用なバーミキュライトの質量は膨張していないバーミキュライトの質量の約85%である。炉あるいは窯の加熱ゾーンにおける温度及び滞留時間が異なる、様々な炉あるいは窯を使用して、異なるグレード/サイズのバーミキュライトが生産される。
【0005】
バーミキュライトのような鉱物を剥離するためにマイクロ波を使用することが提案されている。しかし、これらの提案のどれもが実際にあまりうまく働かない。ある方法では過酸化水素あるいはアンモニアをバーミキュライトに加え、次にマイクロ波を照射することを含む。この方法を実行する理由は、前処理なしでバーミキュライトにマイクロ波を照射しても有効に働かないと分かったからである。例えば、マイクロ波を照射する前に前処理を行うという提案は、米国特許3758415により提案されている。
【0006】
さらに、SklyarevichとShevelevによるPCT特許出願のWO2006/127025が公開されている。この文献は、(バーミキュライトと非常に異なる鉱物構造を有する)パーライトを膨張するためにマイクロ波照射を使用することを教示している。WO2006/127025では、自由空間の中で伝搬波1平方センチメートル当たり約5キロワットのエネルギー密度を有する83GHzマイクロ波エネルギーを使用することと、毎秒約30グラムの生産速度を有する約13キロワット時の合計電力を使用することを提案している。
【0007】
微細グレードのバーミキュライトを剥離するためにマイクロ波を使用することは特に問題である。また、商用体積で任意のグレードに対してマイクロ波剥離を商用上使用することは実証されていない。
【0008】
発明の第1の態様によると、鉱物の層間に層間水を含む鉱物原料を、水和した未膨張の状態から水和が減少した膨張した状態へ、膨張させる方法であって、前記鉱物にマイクロ波を照射することにより、前記層間水が前記鉱物を膨張させるような温度にまで、前記鉱物中の前記層間水を加熱することを含み、前記マイクロ波は、
(1)1MHzから3GHzの間の周波数と、
(2)前記水相中において少なくとも1×106W/m3の電力密度と、
を有する方法である。
【0009】
この方法はバーミキュライトの剥離に適用されてもよい。水を励起する周波数を有するマイクロ波がバーミキュライト中の層間水を蒸気に変え、上記層を膨張させると、本発明者らは考える。体積はしばしば約(あるいは少なくとも)10倍に増加することがある。
【0010】
本発明では、鉱物相(または他のマイクロ波透明相)を熱することを目的とするのでなく、層間水のみを熱することを目的とする。自由照射に基づいたWO2006/127025とは異なり、本発明の装置は(先行技術より2倍から5倍高く)スループットを増加させるために、ガイドされた導波管に基づいている。鉱物を軟化させるのに水が十分熱くならないので、パーライトは本発明の適用においては役立たない。
【0011】
例えば、鉱物をマイクロ波加熱/材料膨張ゾーンを通って移動させることにより、又は、鉱物をマイクロ波加熱/材料膨張ゾーンの中を通って移動させることにより(これは鉱物上でマイクロ波エミッターを移動させるより容易である)、鉱物とマイクロ波フィールドとの間に相対的な動きを生じさせてもよい。鉱物は、概ね水平に且つ/又はベルトコンベヤー上に載せられて、前記ゾーンを通って移動するか、又は、そのゾーンの中を通って移動してもよい。
【0012】
前記マイクロ波は、マイクロ波導波管内に滞留するように実質的に拘束されることが好ましい。また、鉱物は前記導波管構造の中を通って移動してもよい。
複数のマイクロ波加熱ゾーンがあってもよい。また、好ましくは、1つのゾーンから別のゾーンへの電力の実質的転送を、マイクロ波加熱ゾーン間に配置されたフィルターかチョーク(choke)を使用して防止してもよい。
【0013】
鉱物粒子のベッドか層が形成されてもよい。前記マイクロ波は前記ベッドの下から照射してもよい。鉱物の膨張した粒子は、マイクロ波が照射される地点から離れるように粒子のベッドを上昇させ、また、膨張していない又は膨張が不十分でより密度が高い粒子は、マイクロ波が照射される地点により近くなるようにベッド中に落下させてもよい。
【0014】
加工される原料のベッドの下からマイクロ波を照射するという考えは、一般的に適用可能で、後述されるように、私たちの第2の発明を構成する。
本方法は、少なくとも、あるいは約1×106W/m3のオーダーの電力密度を発生するために適切なkW数の電力を鉱物に印加することを含んでもよい。電力密度は5×106W/m3以上でも可能である。
【0015】
高すぎる電力密度を使用する目的はほとんどないであろう。
層間水を排除するようなレベルに電力密度が一旦達すれば、余分な電力は蒸気を熱するかもしれない。実際には、約12.18×106W/m3を超えた電力密度を使用しないことを選択してもよい。
【0016】
少なくとも300kg/時の膨張したバーミキュライトは、2.45GHzで25kWの電力入力で生産されてもよい。
原料鉱物は、使用されるマイクロ波周波数に対して実質的に透過的であってもよい。
【0017】
マイクロ波は加熱ゾーンで適用され、塵埃とスチームはこの加熱ゾーンで取り出されてもよい。
前記膨張鉱物は膨張される際、約150℃以下あるいは約100℃以下のバルク温度で生産されてもよい。膨張した鉱物は、膨張プロセスから包装プロセスまでの両プロセス間で、静止させた状態で冷却プロセスを行うことなく、直接次のプロセスに渡されてもよい。
【0018】
本方法は、マイクロ波が鉱物粒子に照射される時、好ましくは少なくとも1mmの深さを有している、鉱物粒子ベッドを備えることを含んでもよい。ベッドの深さはオーダーで、あるいは少なくとも、1、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80mm、またはそれ以上の深さであってもよい。
【0019】
マイクロ波加熱ゾーンは、実質的にはベルトコンベヤー全幅に亘って延びてもよい。また、鉱物粒子が加熱ゾーンを通り抜ける時に鉱物粒子内の層間水により受けるピークプロセス電力密度は、ベルトコンベヤーのベルト幅に亘って20%以内で均一にしてもよい。
【0020】
他の変形例では、バーミキュライトはマイクロ波加熱ゾーンで加工された任意の供給原料であってもよい。しかし、異なるタイプの原料の加熱を容易にするために、マイクロ波加熱ゾーンのサイズ及び/又は構成は変更を必要とするかもしれない。
【0021】
自動車の中に又は自動車上に随意的に設けられた移動可能な鉱物剥離機により、本方法を実施してもよい。
「粒子」という用語によりバーミキュライトの全てのグレードが包含されることは認識されるであろう。他の用語とて「片」、「粒」、「顆粒」、「チップ」、「塊」等が使用されてもよい。また、バーミキュライトでない材料については、粒子はバーミキュライトより大きいかもしれないし、小さいかもしれないし、あるいはバーミキュライト粒子のサイズと同じオーダーを有するかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付図面を参照して本発明の実施例を例示の目的で以下に説明する。
【図1】従来の先行技術の炉に基づいたバーミキュライト剥離プラントを示す図である。
【図2】マイクロ波剥離を使用する本発明の実施例を示す図である。
【図3】第2実施例によるマイクロ波剥離機を示す図である。
【図4】図2あるいは図3の機械のベルトコンベヤーをより詳細に示す図である。
【図5】別の実施例による剥離機を詳細に示す図である。
【図6】本発明の実施例の中で使用されるマイクロ波アプリケータ(あるいはマイクロ波加熱ユニット)の概略を示す図である。
【図7】本発明の実施例の中で使用される、マイクロ波アプリケータ(あるいはマイクロ波加熱ユニット)の3次元の概略を示す図である。
【図8A−8B】深さ30mmのバーミキュライトの層を有する、図7のアプリケータ中の平均電界を示す図である。
【図9A−9B】深さ30mmのバーミキュライトの層を有する、図7のアプリケータ上のマイクロ波フィールドの平均電力密度を示す図である。
【図10A−10B】深さ45mmのバーミキュライト層を有する、図7のアプリケータ中の平均電界を示す図である。
【図11A−11B】深さ45mmのバーミキュライト層を有する、図7のアプリケータ中のマイクロ波フィールドの平均電力密度を示す図である。
【図12A−12B】深さ60mmのバーミキュライト層を有する、図7のアプリケータ中の平均電界を示す図である。
【図13A−13B】深さ60mmのバーミキュライト層を有する、図7のアプリケータ中のマイクロ波フィールドにおける平均電力度を示す図である。
【図14】ドリルカッティング(OCDC)、土等のような油汚染物質から油を取り除くための、そして一般的には炭化水素で汚染されたマトリックスのための、トンネルマイクロ波プロセッサーの先行技術による配置を示す図である。
【図15】本発明による別の態様によるトンネルマイクロ波プロセッサーを示す図であり、当該プロセッサーのベルトコンベヤーの下でマイクロ波照射をする構成を示す図である。
【図16】図15のマイクロ波アプリケータ配置をより詳細に示す図である。
【図17】SII(2.45GHzで反射された信号に対する前進する信号の比)における変化を示す図である。
【図18】図15の配置における、投入量(load)の高さを一定にした場合の各アプリケータの高さにおける周波数の変化によるSIIの変化を示す図である。
【図19】図18に類似しているが、高さが100mm未満であるアプリケータの場合のSIIの変化を示す図である。
【図20A−20B】図14の適用及び図15の適用の比較を示し、図15の配置により著しい電力密度の増加が達成されたことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、先行技術を概略的に示し、炉に基づいた剥離プラントである。バーミキュライト膨張システム1は、炭化水素の燃料を供給される大きな炉2、膨張又は剥離後プロダクト排出ステーション4、集塵機ユニット6および冷却領域8を含む。規模を分かりやすくするため、図1には、人5も概略的に示す。
【0024】
未膨張のバーミキュライトは炉2中に入れられ、加熱され、その後膨張させられる。膨張後のバーミキュライトは、炉2の底からプロダクト排出ステーション4中に落下する。
集塵機ユニット6は、このプロセスから生じる大量の有害な塵埃を取り除くのに必要とされる。
【0025】
膨張後のバーミキュライトは、摂氏数百度の温度で炉2から放出されて、冷却領域8に搬送される。冷却領域8で、膨張後のバーミキュライトは袋詰めされる前にパイル状態で(山積み状態で)冷却される。
【0026】
図2は、バーミキュライト膨張装置又はシステム10を示す。この装置又はシステム10は、マイクロ波加熱/剥離ユニット12、膨張/剥離後プロダクト排出ステーション14、未膨張改良後プロダクト(バーミキュライト)供給ステーション16、及び材料搬送システム18を備える。材料搬送システム18はバーミキュライトを供給ステーション16からマイクロ波加熱ユニット12に、更にはプロダクト排出ステーション14上に搬送するために提供される。
【0027】
バーミキュライトの鉱物粒子は、典型的には1ミリメートルの数十分の1程度のものから、最長では1センチメートル程度のものがある。
本例では、膨張装置10は、長さ約6.5メートル及び高さ約2メートルで、従来の炉の剥離システムよりかなり小さい。
【0028】
供給ステーション16には、供給ホッパー20が備えられ、この供給ホッパー20は、使用する未膨張バーミキュライトを収容し、上方入口端22及びこれより狭い(例えば、円錐台形(frusto−conically shaped)の)下方出口端24を有する。出口端24には、バーミキュライト又は未膨張のプロダクトを(本実施例では傾斜した供給傾斜台28を介して)搬送システム18に送出するバルブ27が設けられた出口開口26が備えられている。尚、代替の搬送システムとしては、震動性タイプ又はスクリュウタイプのフィーダーであってもよい。配送システムの目的は、制御された層の材料を適切な割合でベルト上に配送することである。
【0029】
マイクロ波加熱ユニット12は電力供給によって動作する(例えば、マグネトロンまたは三極管を用いた)マイクロ波ジェネレーター30を備える。マイクロ波ジェネレーター30は、導波管34内の処理ゾーン又は処理領域32で水層に1×106W/m3の電力密度を生成するのに適切な電界強度を有するマイクロ波を発生する。勿論、マイクロ波加熱ユニットの適用が異なれば、異なる電力密度が必要とされるかもしれないことはいうまでもない。具体的にはドリルカッティングの場合、電力密度は上記電力密度の数値より低いかもしれないし、高いかもしれない。処理領域は、幅1〜30cm、高さ約50cm、及び(処理領域を通るプロダクト移動の方向に沿って)長さ約70cm未満である。発電機30の出力は数百キロワットまである。
【0030】
一定速度で処理領域32を通るプロダクトのどの具体的な直線経路も、(このプロダクトが実質的に同じプロセスを受けるように)実質的に同電界であり、従って同電気密度にプロダクトを露出させるという意味で、処理領域32の電界は一般的に均一になるよう構成されている。
【0031】
図9A、9B,11A,11B,13A及び13Bは、以下に更に説明する処理領域32における電力密度を示す。
発熱体12は、金属トンネル36を有するトンネルマイクロ波装置を備える。金属トンネル36はトンネルの入口端40の方向に向いたマイクロ波チョーク38と、トンネル36の出口端の方向に向いたマイクロ波チョーク42とを有する。これらチョーク間にはマイクロ波ジェネレーター30が位置している。これらのチョークは、トンネル36の開放端からマイクロ波が逃げるのを防止、或いはかなり低減する。集塵機50は処理領域32に設けられている。集塵機50は、空気及びこの空気中に混入した塵埃をトンネル36の拡大した処理ゾーン部分から取り出すファン又はポンプを備える。
【0032】
鉱物搬送システム18は、使用されているマイクロ波に対して実質的に透過的な繊維ガラス(あるいは他の材料)で作られたベルトコンベヤー51を備える。ベルトコンベヤー51は、100度オーダーの温度に耐えることができる(この温度は本プロセスにおいて本発明者らが思っているものより高い。しかし、安全性のマージンを考慮した方がよい)。ベルトコンベヤー51は図4に示され、概ね平らなベース52と、上が開放された樋(とい)を形成するためにベース52から直立する2つの側壁54を有する。ベルト幅は、マイクロ波トンネルアプリケータ36(典型的には20あるいは30cm)と略同サイズである。
【0033】
ベルト51は電気モーター56により駆動され、端部ローラー58及び60の周りを回転する。ガイド又はアイドラーローラー62も各位置でベルトを支持するために設けられる。
【0034】
膨張装置あるいはシステム10はベルトコンベヤーモーター56、マイクロ波ジェネレーター30、集塵機50及び供給ステーション16のオペレーションをコントロールするコントローラ70を有する。
【0035】
コントローラ70は、本例では、コントロールされる対象のスピードあるいはレベルを設定するために人により手動で操作されてもよい。あるいは、別の実施例では、供給ステーションから導入されるバーミキュライトのグレードをセレクタースイッチあるいはコントロールにより選択してもよい。前記コントローラは単にグレードの選択情報をユーザーによる入力として用いて、機器をコントロールしてもよい。そうすれば、装置を使用するのに単純操作ですむ。
【0036】
図2に示すように、プロダクト排出ステーション14は、プロダクト包装ユニット80を有する。プロダクト包装ユニット80は、ベルトコンベヤー51から膨張したプロダクトを受け取り、受け取ったプロダクトを直接(あるいはコントロールされた通路あるいは経路を経由して)包装ステーション82に注ぐ。包装ステーション82では容器84(この場合、紙又はプラスチック製のバッグ)が、(一部、あるいは実質的に全体が)膨張プロダクトで満たされ、シーラー86により容器は密閉される。
【0037】
コントローラ70はさらに包装ユニット80をコントロールしてもよい。
実施例によっては、集塵機50及び/又は包装ユニット80及び/又は供給ステーション16及び/又は材料搬送システム18が設けられていなくてもよい。(例えば、バッチプロセスについても同様のことが言える)。
【0038】
使用時、特定のグレードの(例えば、微細な、超微細な、あるいはミクロン等級の)未処理のバーミキュライトは、ホッパー20の最上部に、断続的にひとまとまりの量で(バッチで)又は連続的な流れで導入される。
【0039】
ホッパー20は、その出口数値27がコントローラ70で「開く」にセットされ、そして、ベルトコンベヤー51はコントローラ70で決定されたある速度で走るように設定される。また、マイクロ波ジェネレーター30はコントローラ70により電源が供給され、(スループットに関連づけられた)処理ゾーンあるいは処理領域32で適切なマイクロ波電力、典型的には1×106W/m3から12×106W/m3を発生する。
【0040】
バーミキュライト粒子は、コントロールされた方法でホッパー20から傾斜台28を下ってベルト51上に落下する。ベルト51上でバーミキュライト粒子は概ね均一なベッド(厚みのある層)を実質的にはベッド全幅に亘り形成する。粒子のベッドの深さは、異なる電力及び粒径に対し剥離工程がどのくらい良好に材料に作用するかに影響する。ベッドがあまりに薄いと、十分な電力が処理量(load)(鉱物)に結合(couple)されないであろう。ベッドが深すぎると粒子は剥離するのを停止してしまう。そこで本発明では2.45Ghzで約10〜20mmの深さを使用する。915MHzでは、ベッドはより高くなるであろう。
【0041】
ベルトコンベヤー51はトンネル36に延びる。また、プロダクト(本例ではバーミキュライト)の未処理粒子は、第1傾斜台38を通り抜けマイクロ波処理ゾーン32に入る。マイクロ波処理ゾーン32では、未処理粒子はマイクロ波フィールドを受ける。(バーミキュライト中の材料層間にある)バーミキュライト粒子中の水は加熱される。これによりバーミキュライト粒子は膨張/剥離する。バーミキュライト粒子が膨張するにつれ、これら粒子の体積は増加する。また、バーミキュライト粒子が処理領域32を通るに従って、約1秒、2秒、又は3秒間に、ベッドの高さは5倍から10倍、10倍から20倍に増加する。
【0042】
膨張したプロダクトは、この時点で、バルク温度が(従来の炉技術における数100℃ではなく)約70℃である。その後、膨張プロダクトは、ベルトコンベヤー51によりプロダクト排出ステーション14へと進行し、プロダクト排出ステーション14で包装ユニット80により包装される。
【0043】
本例において、このプロセスは連続的である。しかし、装置10はスイッチを切り、破損されないように未使用の状態にされてもよい。処理ゾーン32で粒子が留まる時間は、ベルトコンベヤー51の速度の変更により変更してもよい。電力密度は入力電源の変更により増減してもよい。
【0044】
第2実施例による膨張装置を図3に示す。バーミキュライトベッドが参照番号90で示され、2つの(あるいは他の実施例では複数の)マイクロ波処理ゾーン32’及び2つの(複数の)マイクロ波ジェネレーター30’が設けられている以外は、第2実施例は図2の実施例と同様である。また、この膨張装置には参照番号31で示すフィルターをマイクロ波ジェネレーター間に設け確実にこれらを互いに分離し隔離させている(反射/定常波により、あまりにも多量の電力が特定のジェネレーターに存在する場合、マイクロ波フィールドをセットアップ状態にするのはあまり望ましくない)。第2の下流処理ゾーン32’が鉱物に第2の加熱ステップを与えるために設けられている。後の第2の加熱ステップで再加熱する前に第1の加熱ステップの後で膨張する時間を鉱物粒子に与えることは(鉱物粒子が2つの処理ゾーンを移動するので)、時によって、利点があると本発明者らは確信する。これは、第2の加熱ステップに先立って一部の水蒸気を逃すことを可能にする。
【0045】
図5は別の実施例を示す。ベルトコンベヤーは参照番号100で示され、このベルトコンベヤーは、ベース102及び直立の側壁104を備えるチャネルあるいは樋形状のものを有する。しかし、参照番号106で示すマイクロ波電源/ジェネレーターはベルト下方に設けられている。これは、参照番号108で示す粒子ベッドはベッドの底からマイクロ波を受けることを意味する。粒子が剥離/膨張するにつれ、これら粒子の体積は増えるとともに、粒子の密度は減る。膨張した粒子はベッド中を上がる傾向があり、未膨張の粒子はマイクロ波源に近いベッドの底に向かい落ちる傾向がある。この傾向は、以下のことを意味する。つまり、粒子が自身の水の中に注入するマイクロ波電力をより多くまだ必要とする粒子は、マイクロ波ジェネレーター106の方により近付き、電力をもう必要としない粒子は更に離れるということである。従って、粒子間でより多くの均一加熱を達成することができるので、より良質の膨張プロダクトを生産することができる。粒子間でより多くの均一加熱を達成することができることにより、ある粒子は加熱処理し過ぎたり、また別の粒子は加熱処理が不十分であったりする傾向は減少する。このような傾向の減少は、マイクロ波の電界強度がベルトの底ではより高くなることを前提とし、多くの場合、次の理由による。すなわち、マイクロ波がベッド大部分を通って移動せず、吸収される機会がなかったからという理由である。
【0046】
ベルト100は、より高密度の粒子がボトムへ移動するのを支援するために振動させてもよい。
ベルト100は、断面が長方形、三角形、ループ、あるいは、リング等の閉じた断面であってもよく、集塵孔あるいはループを有していてもよい。
【0047】
本発明者らは、加熱ゾーンでは、マイクロ波トンネルの中で不活性雰囲気を使用することができた。例えば、空気中のアーク放電が問題になりうるレベルまで、マイクロ波の電界強度を増加させたかったならば、且つ/又は、粒子、あるいは粒子からの塵埃が、可燃性であったならば、加熱ゾーンでは、マイクロ波トンネルの中で不活性雰囲気を使用することができるであろう。
【0048】
ベルトのトップ及び/又はベルトの底からの代わりに、あるいはベルトのトップ及び/又はベルトの底からに加えて、マイクロ波電力はベルトのサイドから印加してもよい。トンネル/ベルトの断面周辺の1つ以上の場所からマイクロ波電力を印加することも、さらに均一なプロダクトを生産するのを支援することになる。
【0049】
膨張したバーミキュライト/プロダクトがベルトから溢れ流れることを防止するために十分に深い側壁がベルトには設けられるべきである。多くの実施例においては、トンネルは、プロダクトの膨張を考慮に入れることができるほど十分高くすべきである。
【0050】
図6は、マイクロ波アプリケータ(あるいは発熱体)12の概略図であり、マイクロ波放射が上方からバーミキュライト粒子108に入射する場合を示す。互いに交わるx、y軸は図7〜13で参照される方向を示す。図6は剥離工程が生じる処理領域32を更に示す。
【0051】
バーミキュライトだけでなく、また層間に水を含む鉱物層だけでなく、他の粒子(例えば、他の鉱物、あるいは食物等)を加熱することに、図5の着想を適用可能であることは認識し得る。マイクロ波アプリケータを発明し、下方からマイクロ波を原料に印加するという着想は、油汚染物質(ドリルカッティング、汚染土壌及び動物副産物等)の処理についての文脈で後述するが、この着想は別個の発明である。
【0052】
図7はマイクロ波アプリケータ(あるいは発熱体)の立体モデルである。図7以降の例では、アプリケータは、896MHzで100kWの入力電源を持っており、ミクロンに製粉されたバーミキュライトに使用されている。
【0053】
マイクロ波アプリケータに存在するマイクロ波フィールド強度は、当該場所に存在するバーミキュライトの深さに依存する。マイクロ波フィールドは、バーミキュライトの深さに対して不変ではないことが確認された。
【0054】
図8A及び8Bは、深さ30mmのバーミキュライト層を使用し、896MHzの周波数、100kwの電力入力でのアプリケータ中の平均電界を示す。
図9A及び9Bは、バーミキュライト層が深さ30mmである場合の、アプリケータ中での平均電力密度を示す。処理量(load)における最大電力密度は略9.2×106W/m3である。
【0055】
図10A及び10Bは、深さ45mmのバーミキュライト層を使用し、896MHzの周波数、100kWの電力入力でのアプリケータ中の平均電界を示す。
図11A及び11Bは、バーミキュライト層が深さ45mmである場合の、アプリケータ中での平均電力密度を示し、ロード(処理量)における最大電力密度は略9.2×106W/m3である。
【0056】
図12A及び12Bは、深さ60mmのバーミキュライト層を使用し、896MHzの周波数、100kWの電力入力でのアプリケータ中の平均電界を示す。
図13A及び13Bは、バーミキュライト層が深さ60mmである場合の、アプリケータ中での平均電力密度を示し、ロード(処理量)における最大電力密度は略1.7×107W/m3である。
【0057】
本発明のシステムの1つの具体的な実施例においては、コンベヤー上でのバーミキュライトの深さが10mmで、200k/hrのバーミキュライトスループットを有し、2.45GHzで25kWのマイクロ波電力が印加される。この実施例は、微細なグレードのバーミキュライトを用いる。この実施例では、単位重量当たりの最大出力消費が150KWh/tである。剥離されたバーミキュライトは、グリット及び微粉(およそ10から20%)を含む<95g/lの製品特性を有する。このような剥離されたバーミキュライトは、産業仕様内にある。本実施例のプロセスでは、1トンの処理エネルギーのコストにつき(2008年12月の価格で)約9.50ポンドを要し、100リットルの微細なグレードプロダクトにつき約0.095ポンドを要する。
【0058】
本発明者らは、先行技術が誤ったアプローチを使用していることを認識した。先行技術では、バーミキュライトに閉じ込められた水が膨張する(蒸発する)ようにバーミキュライト自体(鉱物)を熱することによって、バーミキュライトを膨張させている。本発明者らは、鉱物中の自由水を選択的に加熱する方がよいことを認識した。
【0059】
更に、本発明者らは次の事実も認識した。すなわち、マイクロ波剥離プラントの加熱ゾーンでの水相中の電力密度が重要であるというということである。低すぎる電力密度は特に小さな粒径に対して、全く効果がない。
【0060】
バーミキュライトが大、中、微細、超微細、ミクロンサイズの範囲であろうと本発明によるテクニックはバーミキュライトに良好に効力を発揮する。微細、超微細、ミクロンサイズの範囲では特に良好に効力を発揮する。本発明者らは、微細、超微細、ミクロンサイズの範囲において特に良好に効力を発揮するのは、(大グレード又は中グレードのバーミキュライトと比較して)比較的高い体積対表面積比を有していることに関係していると信じる。より小さな粒子は、中間層の水のより迅速な加熱を必要とし、バーミキュライト粒子が小さければ、より大きなバーミキュライト粒子と比較してより高い電力密度が必要であると本発明者らは信じる。
【0061】
本発明のプロトタイプ機械は、1時間当たり何百キログラムもの(本発明者らの試作品では、1時間当たり300キログラムの)微細グレードの剥離されたバーミキュライトを生産することができ、1トン当たりの電力消費量は約100キロワット時間である。本発明は、マイクロ波を動力とする加熱ゾーン中において、2.45GHzで30キロワットのマイクロ波電力を使用する。このエネルギー消費は、炉ベースのシステムよりエネルギーコストが低い。しかし、2.45GHzの周波数の代わりに、896MHz、915MHz及び922MHz等のその他の周波数も使用してもよいということは認識される。
【0062】
本発明のマイクロ波システムが1トン当たり50〜150キロワット時の消費をするに対して、炉プロセスは1トン当たり500〜1000キロワット時の消費をすることに、本発明者らは気付いた。
【0063】
更に、本発明者らは製造工場で働く人々の作業条件を著しく改善した。先行技術テクニックと比較して、塵埃や騒音が減少する。本発明のマイクロ波システムでは、塵埃の放出を略完全になくすことができる。先行技術で塵埃及び熱風対処システムに要する電力が、本発明では1トン当たり400あるいは500キロワット時だけ節約される。
【0064】
本発明のシステムは本質的には、閉じたシステムである。
塵埃発生が減少する1つの理由としては、本発明の多く実施例において、バーミキュライトが水平コンベヤベルト上で搬送されることが挙げられる。従って、先行技術のようにバーミキュライト粒子が空間を落下する際に互いに衝突するということが、本発明ではない。また、本発明の技術では、バーミキュライト鉱物のバルク材料が加熱不足になることはないので、他の技術の場合ほど粒子が脆くはなく、粒子が壊れるということがなくなる。
【0065】
本発明の別の有意な利点は、少なくともいくつかの実施例中では、略70度の温度で剥離プロダクトを生産するということである。これは、炉でバーミキュライトを生成する場合の温度よりはるかに低い。本発明では、バーミキュライトを冷却するために数時間放置することなく、剥離機から包装又は袋詰機械へ直接送出されたバーミキュライトを膨張させることが出来る。
【0066】
本発明のプロセスは先行技術のプロセスに比べ、かなり適応性がある。本発明は先行技術と異なり、機器を破損せずに、生産を開始したり停止したりすることができる。本発明の機械は異なるレベルの能力で動かすことができる。これに対して先行技術では、バーミキュライトの流速を変更することは炉中の温度を著しく変えてしまうため、熟練した作業を伴う。本発明はプロセスコントロールを自動化することができる。本発明のシステムのコントロールは全く単純で、機械操作に熟練を要しない。機械を操作するには、使用されるバーミキュライトのグレードを必要に応じて入力し、単にボタンを押す必要があるかもしれないが、あとはマイクロプロセッサかコンピュータが処理をするようにしてもよい。先行技術と異なり、(本発明のような)1台の機械で、異なるグレードのバーミキュライトを生産することができる。
【0067】
別の主な利点は、本発明の剥離機の工場内での占有設置面積だけでなく、ガス設備/処理設備の工場内での占有設置面積についても、炉の機械と比べて著しく小さいということである。
【0068】
更に、本発明のメインテナンスコストは大幅に低く、休止時間はより減る。マグネトロンのメンテナンスは必要である。しかし、マグネトロンの交換は10000時間の運転毎に1度行えばよいと本発明者らは見積もる。ベルト潤滑は時々必要であるが、この作業は熟練を必要しないルーチンワークであり、安く実施できる。
【0069】
さらに、マイクロ波剥離が本質的に全くモジュール組立品であるので、休止時間を低減するために構成要素を中と外とで交換できるモジュラシステムを本発明者らは構想することができる。
【0070】
バーミキュライトだけが加熱され、その場合にも中間層自由水だけが加熱されるので、先行技術の炉システムと比べて本発明は起動、停止に要する時間が減少する。
更なる利点は、膨張するバーミキュライトの実際の性質がより一貫し、本発明の機械により規格内に維持することがより簡単であるということである。従って、製品産出は向上し浪費低減が可能になる。
【0071】
更には、本発明は、持ち運び可能な剥離機を提供することができ、異なるエンドユーザの場所に機械を移動させることができる。中心施設を設け、膨張したバーミキュライトをそこから輸送するよりもむしろ、本発明は膨張したバーミキュライトを使用の目的地又は販売地点で製造できる。例えば、本発明は、バンかローリーのような乗り物にマイクロ波剥離機を設置することができる。
【0072】
別の有利な特徴は、バーミキュライト粒子がマイクロ波加熱ゾーンで費やす時間及び/又はマイクロ波電力をコントロールすることにより、本発明が剥離/膨張の程度をコントロールすることができるということである。(すなわち、同一バーミキュライト粒子の膨張程度を条件次第で、上げたり下げたりできる)。剥離/膨張の程度をコントロールすることができることは先行技術システムにとって理論的には言えることであっても、バーミキュライト粒子が炉の加熱ゾーンで費やす時間をコントロールすることは、非常に難しい。炉の加熱ゾーンは、具体的に局所化されていない。また、垂直の炉中で、気体が上昇する状態で重力により下方に動きながら流動ベッドを通り抜ける粒子の移動時間を予測することは難しい。本発明のシステムにおいては、それぞれの粒子に適合した処理環境が可能になる。
【0073】
本発明は以下の(1)〜(7)の方法と見なすこともできる。
(1)電力消費、または(バーミキュライト等の)鉱物粒子等の膨張した材料を生産する際に放出される二酸化炭素を低減する方法、又は、
(2)膨張されてない材料から包装された(例えば、袋詰した)膨張材料を得るまでの、包装された膨張鉱物/材料を生産する速度を上げる方法(例えば、材料がそれほど熱くないので、材料が冷めるまで待つ過程が省かれる)、又は、
(3)塵埃処理必要条件、及び/又は、塵埃発生、及び/又は、大気への塵埃放出を軽減するする方法、又は、
(4)剥離プラントの物理的サイズを縮小する方法、又は、
(5)更に向上した品質/より均一な品質の剥離した/膨張した鉱物/あるいは他の材料を生産する方法、又は、
(6)炉使用の場合と比較して、剥離処理又は膨張処理の収率を向上させる方法、又は、
(7)鉱物を膨張する際に騒音を軽減する方法(炉は騒音が大きい)。
【0074】
発明の別の態様において、微粒子材料を膨張する方法は材料でベッド(層又は床ともいう)を形成し、当該ベッドを下から加熱することを含む。
ベッドを下から加熱することにより、より下方に広がっている材料の微粒子を膨張させる。従って、微粒子が膨張する際には、あまり密集せずにベッドの中で盛り上がる。密集すればするほど、微粒子は膨張しにくくなり、熱源に更に近いベッド底に落下する。
【0075】
微粒子が小さくなるほど、大きい場合に比べて、微粒子を膨張させるのに、水相においてより高い電力密度を要すると本発明者らは信じる。
本発明は、冷却及び保存要求条件が非常に低い機械を使用してもよい。本発明では、製品品質を維持し、且つ異なるグレードの膨張プロダクトを生産するために機械に自動処理コントロールを設けてもよい。
【0076】
本発明では、生産プラントのスペースが縮小されることに加え、微粒子を冷却する際に、微粒子を山積みで保存するスペースを必要としない。
本発明による逆マイクロ波アプリケータの一層の適用が実現した。この逆マイクロ波アプリケータアプローチには更なる驚くべき利点がある。
【0077】
バーミキュライト膨張に加えて、本発明者らは他の材料処理作業にマイクロ波を使用することに関心をいだいている。例えば、マイクロ波を利用して複数相の鉱石の異なる相を個別に加熱し、岩から鉱物を抽出することが挙げられる。また(例えば、石油探索産業において油で汚染されたドリルカッティング(OCDC)をきれいにしたり、及びシェール(頁岩)から油を回収したりするために)マイクロ波を利用して岩や混合物から油を取り除くことにも関心がある。逆マイクロ波アプリケータ(マイクロ波が照射される材料の上よりも下にアプリケータを位置させること)を設けることは意外な利点を有することが本発明者らは驚くほど分かった。従って、本発明は廃棄物処理用の一般的なプラットフォームとして広い適用可能性がある。
【0078】
本発明の追加発明はOCDC(Oil-Contaminated Drill Cutting)の作業中になされた。本発明に先行する特許出願(WO2008/059240)の内容は、参照として本発明に組込まれている。なお、この時点でWO2008/059240を読むとよい。WO2008/059240は、以下の資料の全開示を理解するのに役立つ。
【0079】
図14は、海底油田/ガス探鉱リグ(石油掘削装置)上で油に汚染されたドリルカッティングから連続的に油を分離するシステム101の概観を示す。このシステムは、未処理のドリルカッティング(水、油、岩の混合物から成る)106を含む供給材料105をマイクロ波処理キャビティ(空洞)103へ送り込むための供給手段107(あるいは材料フィーダ107)を備える。凝縮手段109がキャビティ103の出口に隣接して設けられている。凝縮手段109は、不活性なエアパージ111、つまり流れる気体111を回収した油と水の混合物113から分離するために配置されている。分離装置115は混合物114を油113及び水116に分けるために設けられる。抽出又は再循環システム117が設けられ、当該抽出又は再循環システム117は、気体111をフィルターにかけて清潔にし、かつマイクロ波キャビティ103の材料用入口112にこの気体を戻すために使用される。当該抽出システム117は、キャビティ103を通して気体111を汲むポンプ118及びクリーンガス用入口120を備え、再循環した気体に新鮮なガスを導入するために使用される。フィードバックシステム121は処理後のカッティング119を、処理後の乾燥した材料122としてハンドリングシステム107に送り返すために設けられる。
【0080】
使用においては、供給材料105はベルトコンベヤー等の搬送装置110のキャビティ103へ送られる。供給材料105は、(破線で境界を示した)処理エリア108でマイクロ波を放射される。マイクロ波の放射により(更に詳細に後で記載されるように)供給材料内の水が迅速に優先的に加熱される。この優先的な加熱により供給材料中の油成分の熱脱離が起こり、後には、実質的に油の無い処理されたドリルカッティング119が残る。キャビティ3を通過中のガスの流れ111は、蒸気が凝縮器109に向かい、凝縮器109で取り除かれるのを支援する。凝縮器で回収された油は、再生して掘削泥に変えてもよい(これには、いくらかの添加剤を加える必要があるかもしれない)。一方、処理された固体材料119は廃棄するのに適している(あるいは、供給材料105へ乾燥材料122を戻して混ぜ、その含水率をコントロールするために送り返すのに適している)。処理された材料に含まれる油は、コンベヤー上の材料に対して重量で1%未満であり、海中へ直接廃棄することができる。
【0081】
毎時5〜10トンのスループットを達成することができる。しかし、毎時250kgから毎時1トン範囲内のスループットであれば、ほとんどの海底油田掘削機にとって十分である。これらのような作業を実施するには、1W/mm3(109W/m3)以上の電力密度と共に約100kWの電力を有するマイクロ波ジェネレーターで達成することができる。本システムは小さくコンパクトであり、油田掘削機上に、限られたスペースにもかかわらず、容易に取り付けることができる。工業規模モデルはISOの貨物コンテナで簡単に輸送することが可能である。モジュールの性質上、多くの方法でシステムを配置できるので精密なプロセス設置面積は変更可能である。例えば、水平コンベヤーを最小限で使用して垂直に配置してもよい。また、供給システムは処理キャビティから、比較的遠くにあってもよい。このような柔軟性は、海底油田掘削機上ではシステムを特に有用なものとする。(マイクロ波キャビティ自体の形に少なくともある程度は依存するが)電磁放射の強度と均一性、及び供給材料組成の両方は、油の効果的な除去に影響を及ぼす。供給材料の準備、供給システム107、及び電磁処理キャビティ103は、全て、汚染物質の一貫した一様な処理を保証するよう設計される。発生したガス及び蒸気が回収、再利用されることを選択的に許容しつつ、これら発生したガス及び蒸気を取り除くための手段は、独立して発明されると考えられる。
【0082】
システムの性能はベルトコンベヤー110上の供給材料の物理的特性に依存することを、本発明者らは実験の試みから発見した。(例えば、含水率変化による)誘電性構成物(dielectric construct)εの変化により性能を変更してもよい。
【0083】
ベルトコンベヤー上の供給材料の深さを変更することにより、システムの性能を驚くほどに変更することができる。
1つの解決策として、以下の1つ以上(又は全て)を動的にコントロールすることにより、システムの性能に対する感度を補償することができる:ベルトコンベヤーの速度、ベルトコンベヤー上に供給される供給材料の高さ又は配分、あるいは、マイクロ波アプリケータにより供給される電力、供給材料であるバルク原料の誘電特性。
【0084】
しかしながら、マイクロ波アプリケータは、それらの(マイクロ波アプリケータの)合計電力出力変更、又は出力ピーク電力密度、あるいは得られるピーク出力電解強度に容易に素早くリアルタイムで反応しない。
【0085】
図15は、別のOCDC処理システム281を示す。同様の構成部分は、同じ参照番号で示す。このシステムでは、マイクロ波アプリケータ208/マイクロ波キャビティはコンベヤー205の下にある。
【0086】
図15に示すような構成にすることにより、ベルトコンベヤー上の供給材料の高さの変動に対するシステムの感度(影響)を軽減し、供給材料のバルク誘電特性(つまりその含水率)に対するシステムの感度を軽減するということを本発明者らは驚くほどに発見した。
【0087】
また、マイクロ波アプリケーションをベルトの上に配置しないことにより(例えば、ベルトより下に配置することにより)、発生した(多くの場合、熱い)ガス及び蒸気の取り扱いや除去がより簡単になる。発生したガス/蒸気削除システム130を、図15に示す。このシステムは、供給材料のマイクロ波処理中に当該供給材料が放出した気体物質を沈める。
【0088】
材料の誘電特性の変化が、油で汚染されたドリルカッティング(また他の材料)をマイクロ波処理する反射ステップアプリケータの運転効率に影響を与えることを本発明者らは発見した。以前に開発されたステップマイクロ波アプリケータは、含水率変動が狭い範囲内でこのアプリケータが操作される時には、供給材料の油分を減らすのに有効である。しかし、含水率変動がより広い範囲に亘る時には効果が小さくなる。供給されたカッティングを乾燥した材料に混合して、全体的な含水量の低下に全体的な影響を及ぼすことにより、この問題は克服される。しかしながら、このような克服の仕方は、(混合を実施しない)ある使用では可能ではないかもしれない。あるいは、供給材料の誘電特性の十分に幅広い変化に対処するためには、このような方法だけでは十分ではないかもしれない。従って、供給材料に対する感度の点で、また同一の電力インプットで加熱した相においてより高い電力密度をサポートする能力の点で、操作をより単純にしたアプリケータを再度設計した。
【0089】
高電力密度(典型的には約1×106W/m3のオーダー)が使用されれば、供給材料の誘電特性の変化を単に許容することができるということが、本発明者らの実験から分かった。しかしながら、要求される実際の電力密度は処理されている具体的な供給材料、及び/又は、具体的な用途に依存するかもしれないということは認識される。従って、電力密度は、ドリルカッティング、汚染土壌、他の廃棄物等の処理に応じて異なるかもしれない。変動する材料の深さ全てに亘って要求される電力密度を得ることは、プロセスコントロールシステムの開発で、かなりの難問である。なぜなら、(含水率に関する粗い基準を与えるために、場合によっては乾燥材料を混合するのみならず)ベッドの厚さを動的に変え、マイクロ波トンネル内でベルトの高さを変動させ、能力を上げることが、プロセスコントロールシステムに必要とされるからである。これらの難問は材料の供給位置が逆さになるように、アプリケータのデザインを変更することにより克服された。この構成により以下の利点が更に得られる。即ち、処理された材料の真上で、熱い蒸気及びガスの取り扱いがより容易になり、その結果、電力配送の信頼性が高まるということである。新しい逆さのアプリケータデザインの電力密度は、供給特性に対してあまり敏感でない(影響を受けない)ことに加えて、少なくとも本発明者らが研究した実施例においては、同様の電力出力より最大で29%も高いことが示された。電力出力が最大で29%も高いことは、沖合での使用により適している。
【0090】
図16は、図15の逆マイクロ波アプリケータをより詳細に示す。マイクロ波ガイド310でのマイクロ波入力電力は、2540MHzで30kWである。ベルトコンベヤーは、厚さ3mmの玄武岩(これは良好な透過的マイクロ波特性を有する)で作られている。トンネルの高さをhで示すのと同様に、マイクロ波トンネル(図ではw)の幅は100mmである。ODCDカッティングの深さdは、40mmである。ドリルカッティングは約5%の水分含有量を減らし(shave)、ε’及びε”がそれぞれ7及び1.9である。
【0091】
図17は、図16の入力(左)ポートでのSII(前進信号及び反射信号の比)の変化を、異なるロード(投入量)の厚さに対応したマイクロ波周波数と共に示す。
最適化パラメーターとして、2.45GHzの周波数(マイクロ波アプリケータ周波数)でのSIIの望ましい値は、できるだけ低くする必要があり、また反射減衰量(return loss)ピークはできるだけ広くする必要がある。SIIの値が低いことは、低い線質係数に相当するので、アプリケータから反射された電力は減少する。その結果、プロセス時に、より良好なマッチング(釣り合い)が確保され、プロセスの総合的な効率の向上につながる。従って、(反射電力を最小限にするために)システムがどれくらいよく釣り合いがとれているかの貴重な指標を、SII値は我々に提供してくれる。一方、幅広いピークは、システムが周波数と材料特性の変化に対してより敏感でないことを(つまり、より影響を受けなくなるということを)意味する。
【0092】
この段階で考慮する必要のある別のパラメーターは、ベッド高さが材料のスループットに影響を与えるかもしれないということである。
図17から明白なように、アプリケータからの反射を最小限にすることと、高いスループットを得ることの両者が良好に妥協するためには、ベッド高さを40mmに選択するとよい。
【0093】
図18は、SIIパラメーター対マイクロ波アプリケータの異なるキャビティ高さに対応した周波数を示す。周波数を2.45GHzにチューニング(調整)する場合においては、高さを100mmとすればアプリケータの最高の性能を達成することができることが分かる。
【0094】
同様の方法で、図19は、アプリケータのSIIパラメーター対100mm未満のキャビティの高さに対応した周波数を示す。図19からは、キャビティの高さが低くなるにつれ、反射減衰量の最低値は2.45GHzから変動し、調整に関するアプリケータの総合的性能は低下するという結論が得られる。
【0095】
図19は、SIIパラメーター対(ロード(投入量)の高さが40mm、玄武岩ベルト厚さが3mmで、アプリケータの幅が100mmに保たれた場合の)アプリケータの高さが100mm未満の異なる高さに対する周波数の変化を示す。
【0096】
従って、図17、図18及び図19から、(2.45GHzにおける)アプリケータの最適な寸法は、幅と高さが100mmであり、ロード(投入量)の高さが40mmであると結論付けることができる。これらの寸法においては、アプリケータのチューニングを容易にするために、反射減衰量は十分に低い値となる。さらに、アプリケータは低線質係数で作動する。反射減衰量の値が低く、アプリケータが低線質係数で作動することは、その周波数応答及びパワー・カップリング(電力結合)の容易さの点においてロバスト性がある(安定性がある)と本質的に解釈できる。マグネトロンマイクロ波装置が、その周波数出力に関して明瞭な信号を生成せず、また、信号はしばしば数MHzの帯域幅を有することは周知であり、このことが、チューニングを非常に問題的なものにしてしまうことがよくある。低い線質係数を備えたアプリケータは帯域幅を補い、この周波数範囲にわたって良好に作動することができる。
【0097】
図20A及び20Bは、2.45GHzで30kWの力で操作された材料と同じ材料を使用した場合における、図14のアプリケータ対図15の新しいアプリケータとの比較を示す。図20Aは図14のアプリケータに対応し、図20Bは図15のアプリケータに対応する。
【0098】
古いアプリケータと比較した新しいアプリケータの向上した性能は、ピーク電界強度の点から図20A及び20Bで評価することができる。両方のアプリケータにおける2450MHzで30kWのマイクロ波電力入力については、全く同じロード(処理量)に対して、古いアプリケータは7.9×107W/m3の電力密度を有するのに対し、新しいアプリケータでは11.1×107W/m3の電力密度を有する。この相違は、チューニングをより困難にする定常波を支援するように設計された古いアプリケータとは対照的に、新しいアプリケータは、より周期的な挙動と連動したより低い線質係数を得たという事実に起因する。
【0099】
マイクロ波での被処理材料より下方にマイクロ波アプリケータを配置することにより、マイクロ波で処理される供給材料の的確な誘電特性、的確な体積、及び的確な位置に対するシステムの感度は軽減される。
【0100】
塵埃除去は塵埃除去装置230により達成される。塵埃除去装置230は、供給材料ベルトが伸びるマイクロ波トンネルから、気体及び気体に混入した塵埃を吸引するポンプ又はファンを備える。
【0101】
(様々な種類のマイクロ波処理のための)マイクロ波処理プロセスは、熱いガス、または蒸気、または塵埃(例えば、蒸気、ガス状炭化水素、あるいは鉱物埃)を生成することが可能である。除去装置はそのような不要な(かつ危険性のある)物質を取り除くことができる。微細塵埃の発生あるいは物質の酸化のリスクを抑えるために、マイクロ波トンネルの中で不活性ガス(例えば、N2)を使用してもよい。熱いガスは上昇傾向にある。そのため、マイクロ波アプリケータを、供給材料より下に(あるいは、少なくとも供給材料の側面に)配置するということは、発生した物質がアプリケータ中へ上昇してアプリケータを腐食してしまうのを防止するという意味である。
【0102】
塵埃スクリーンかトラップをマイクロ波ジェネレーター自体とマイクロ波チャンバとの間に設けてもよい。これにより、マイクロ波ジェネレーター中に物が落下する危険性を緩和できるかもしれない。スクリーンかフィルターは図16に参照番号320で示す。
【0103】
マイクロ波チャンバの上からマイクロ波アプリケータを取り除くことにより、スペースが開放され、当該場所に蒸気除去及び/又は蒸気回収機器を配置できるようになる。
供給材料を載せたベルトより下にマイクロ波アプリケータを配置することにより、マイクロ波ジェネレーター入力ポートからの供給材料の基準面(底面)の位置及び距離は一定になり、ベルト上の供給材料の高さにより変動するということがなくなる。驚くことに、この配置は任意のロード(処理量)に対して、予想以上の電力密度を有するようである。
【0104】
従って、加工/処理される材料の下方からマイクロ波エネルギーを放射することによって、多くの有益な利点がもたらされることは上に述べたことから容易に認識することができる。主要な利点は、変化する材料の特性に対するシステムの感度と、効率を最適にするためにシステムを適合させる能力を網羅している。マイクロ波エネルギーがベッドを通過することにより、システムが適合し易くなることが判明した。このことは、言い換えると、材料特性の変化に対して耐性があることを意味する。下からマイクロ波エネルギーを供給することの利点は、システムがベルトの高さ及びベッドの厚みの変化に対する耐性を有することである。しかしながら、ベッドの厚みは、電界パターンをコントロールし、かつ所望の加熱方式を実施するために利用してもよい。
【0105】
更なる利点としては、発生したいかなる熱いガス及び蒸気も、マイクロ波供給地点を干渉することなく、加熱ゾーンの上から直接削除することができることである。導波管供給がベルトコンベヤーの下方であるので、このベルトは「防護壁」あるいは防御の役目もし、塵埃や砕片が導波管の中に落下するのを防ぐ。これにより、(塵埃、気体等の)汚染物質が導波管の中を通過するというリスクを防いだり、当該リスクを少なくとも最小限にしたりする。その結果、システムの信頼性及び/又は寿命は著しく向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物の層間に層間水を含むバーミキュライトを、水和した未膨張の状態から、水和が減少した膨張の状態へ、膨張させる方法であって、前記バーミキュライトにマイクロ波を照射することにより、前記層間水が前記バーミキュライトを膨張させるような温度にまで、前記バーミキュライトの前記層間水を加熱することを含み、前記マイクロ波は、
(1) 1MHzから3GHzの間の周波数と、
(2) 水相中において少なくとも1×106W/m3の電力密度と、を有し、
前記マイクロ波は、マイクロ波導波管内に滞留するように実質的に拘束され、
該マイクロ波導波管内において、前記バーミキュライトは前記導波管に取り付けられるマイクロ波アプリケータを通過し、
当該方法は、毎時、少なくとも50kg、100kg、200kg、300kg、又はそれ以上の膨張バーミキュライトを生産し、前記鉱物層は使用される前記マイクロ波に対して実質的に透過的である方法。
【請求項2】
前記鉱物をマイクロ波加熱/材料膨張ゾーンを通って移動させること、又は、前記鉱物をマイクロ波加熱/材料膨張ゾーンの中を通って移動させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記鉱物を、概ね水平に且つ/又はベルトコンベヤー上に載せて、前記ゾーンを通って、又は、そのゾーンの中を通って移動させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数のマイクロ波加熱ゾーンを有することを含み、1つのゾーンから別のゾーンへの電力の実質的転送を、前記マイクロ波加熱ゾーン間に配置されたフィルターかチョークを使用して防止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バーミキュライトの粒子のベッドを形成することを含み、前記ベッドの下方から前記マイクロ波を照射することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
バーミキュライトの膨張粒子は、マイクロ波が照射される地点から離れるように粒子のベッドを上昇させ、また、膨張していない又は膨張が不十分でより密度が高い粒子は、マイクロ波が照射される地点により近くなるように前記ベッド中を落下する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1kW、5kW、10kW、20kW、30kW又はそれ以上のkWの電力を前記バーミキュライト鉱物に印加することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
マイクロ波は加熱ゾーンで照射され、該ゾーンで塵埃機により塵埃が除去される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
膨張バーミキュライトは膨張される際、150℃のオーダーあるいは150℃未満のバルク温度で生産される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
膨張したバーミキュライトは、膨張プロセスと包装プロセスとの間でかなりの時間、静止した状態で冷却プロセスを受けることなく、両者間を直接通過させられる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
マイクロ波が粒子に照射される時、少なくとも5mm、好ましくは、少なくとも10mm又は少なくとも20mmの、概ね均一な深さを有するバーミキュライト鉱物粒子ベッドを備えることを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
マイクロ波加熱ゾーンは、実質的にはベルトコンベヤーの全幅に亘って延び、
バーミキュライト鉱物粒子が前記加熱ゾーンを通り抜ける時にバーミキュライト鉱物粒子により受けるピークマイクロ波エネルギー密度及び/又は累積マイクロ波エネルギーは、ベルトの幅に亘って20%以内で均一であることを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
車あるいは他の車に引っ張られる車の中または上に随意的に設けられる、移動式の鉱物剥離機により実施される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロ波は、約2.45GHzの周波数、約15kWの電力、および約1×106W/m3の電力密度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記マイクロ波は、約2.45GHzの周波数、約30kWの電力、および約1×106W/m3の電力密度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記マイクロ波は、約900MHzの周波数、約75〜100kWの電力、および約1×106W/m3の電力密度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロ波は、約900MHzの周波数、約150kWの電力、および約1×106W/m3の電力密度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
水相を有する粒子を、マイクロ波を使用して膨張するために用いられる、マイクロ波粒子膨張機であって、
粒子受け取り領域及びマイクロ波ジェネレーターを備え、
前記マイクロ波ジェネレーターは、水を励起可能であり且つ使用時にマイクロ波フィールドを生成可能である波長を有する前記粒子受け取り領域でマイクロ波を発生し、
該マイクロ波フィールドは、約2.45GHzの周波数と、少なくとも1×106W/m3の電力密度と、約15kW又は30kWの電力を有するか、あるいは、
該マイクロ波フィールドは、約900MHzの周波数と、少なくとも1×106W/m3の電力密度と、約75〜100kW又は150kWの電力を有し、
前記電力密度は前記粒子の前記水相で得られる、マイクロ波粒子膨張機。
【請求項19】
前記マイクロ波ジェネレーターは、少なくとも20kW、30kW、又はそれ以上のkWのマイクロ波を発生する、請求項18に記載の剥離機。
【請求項20】
前記マイクロ波ジェネレーターを通って膨張対象の粒子を搬送するための粒子搬送システムを更に備え、前記粒子搬送システムは随意的にベルトコンベヤーを備える、請求項18又は請求項19に記載の剥離機。
【請求項21】
膨張対象の粒子を前記粒子配送システムに配送する粒子配送ステーションを更に備える、請求項20に記載の剥離機。
【請求項22】
膨張した粒子が前記粒子搬送システムを離れる際、当該膨張した粒子を袋詰めする袋詰めステーションを更に備える、請求項20又は請求項21に記載の剥離機。
【請求項23】
前記粒子搬送システムは、ベースと、樋を形成するためにベースから延びる側壁とを有するベルトコンベヤーを備える、請求項20及び請求項21のいずれか1項に記載の剥離機。
【請求項24】
前記側壁は、少なくとも、5cm、10cm、20cm、25cm、30cm、40cm、50cm、又はそれ以上の高さである、請求項23に記載の剥離機。
【請求項25】
前記マイクロ波ジェネレーターは、前記粒子受け取り領域の下方に設けられている、請求項18から請求項24のいずれか1項に記載の剥離機。
【請求項26】
前記粒子受け取り領域で作用する集塵機が設けられている、請求項18から請求項25のいずれか1項に記載の剥離機。
【請求項27】
車あるいは他の車に引っ張られる車の中または上に設けられる、請求項23から請求項26のいずれか1項に記載の剥離機。
【請求項28】
供給材料をマイクロ波で加工する方法であって、前記供給材料の下方からマイクロ波を照射することを含む方法。
【請求項29】
107Wm-3のオーダーの電力密度で約2.45GHzのマイクロ波を照射することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも9×107Wm-3、好ましくは少なくとも10×107Wm-3、より好ましくは少なくとも11×107Wm-3の電力密度を得るマイクロ波を照射することを含む、請求項28又は請求項29に記載の方法。
【請求項31】
炭化水素で汚染されたマトリックスから炭化水素含有物を分離するために、好ましくは、油で汚染されたドリルカッティング、汚染土壌、及び動物副産物のうち1つ以上を処理するために、使用される、請求項28から請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
マイクロ波処理キャビティ内の供給材料をマイクロ波処理する方法であって、当該方法は前記供給材料の水分含有量をコントロールすることを含み、
炭化水素で汚染された材料の水分量を測定することと、
得られた供給材料がコントロールされた水分量を有するようにするように、前記炭化水素で汚染された材料に周知の水分量の材料を加えることと、を随意的に又は好ましくは含むか、あるいは、
供給材料の前記水分量をコントロールするためのマイクロ波処理キャビティ及び材料フィーダーを備えるマイクロ波照射装置を有する、方法。
【請求項33】
油又は気体を生成するプロセスであって、
ドリルプラットホームを使用してテストドリルにより油又は気体のフィールド又はポケットを発見することと、次に前記フィールド又はポケットから油又は気体を取り出すこととを含み、
前記テストドリルは、油ベースのボーリング泥水でドリルすることと、請求項28から請求項31のうちいずれか1項に記載の方法を使用して、油で汚染されたドリルカッティングを前記ドリルプラットホームでそのまま処理することを含むプロセス。
【請求項34】
炭化水素で汚染されたマトリックスから炭化水素含有量を減少させる方法であって、
前記炭化水素で汚染されたマトリックスを含む供給材料の誘電特性をコントロールすることと、
処理キャビティ内に前記処理材料を連続的に搬送することと、
前記処理キャビティの処理領域内の前記処理材料をマイクロ波照射に晒すことであって、該マイクロ波照射は、蒸気を生成するために前記供給材料の水分量の少なくとも一部を急速加熱するように構成されており、急速な蒸気生成により、前記マトリックスから少なくとも一部の炭化水素含有物が熱により脱着することと、
前記処理キャビティから処理された前記マトリックスを連続的に取り除くことであって、前記マイクロ波が請求項28から請求項31のいずれか1項に記載の方法に従って照射されることと、
を含む方法。
【請求項35】
前記誘電特性をコントロールすることは、水分量をコントロールすることを含み、
前記供給材料の水分量と平均粒径の少なくとも一方を測定する工程を随意的に又は好ましくはさらに含み、かつ、前記測定された水分量及び/又は粒径を変更する工程を随意的に又は好ましくはさらに含むか、あるいは、
供給材料を連続的に処理ゾーンに供給し、かつ、前記ゾーンから取り出すマイクロ波処理プラント、および、前記処理ゾーン内で前記材料処理中に発生した蒸気を回収する蒸気回収システムを含むか、あるいは、
少なくとも毎時50kgの供給材料の流速、および、材料処理ゾーンにおける材料の加熱された相内で少なくとも109W/m3の電力密度を有するマイクロ波処理プラントを含むか、あるいは、
少なくとも100mmの高さと少なくとも100mmの幅を有する連続供給トンネルマイクロ波アプリケータを有するマイクロ波処理プラントを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
供給原料を処理するためのマイクロ波処理機であって、
供給原料がマイクロ波で処理される処理領域と、
下方から前記供給原料を照射するように、前記処理領域において前記供給原料の下方に配置されたマイクロ波配送ポート又はアプリケータと、を備え、
好ましくは、トンネルマイクロ波アプリケータを備えるマイクロ波処理機。
【請求項37】
前記供給領域を通って原料材料を搬送するために使用される、ベルトコンベヤー等の供給原料コンベヤーを更に備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
10cmの幅(これより約10%広くても狭くてもよい)および10cmの高さ(これより約10%高くても低くてもよい)を有するマイクロ波トンネルは、コントローラによりコントロールされて、使用時に約4cmの深さを有する供給原料の層を形成し、
前記マイクロ波は、約2.45GHzを有し、少なくとも107Wm-3の電力密度、随意的には少なくとも9×107Wm-3の電力密度を有する、請求項36または請求項37に記載の方法。
【請求項39】
マイクロ波アプリケータの使用であって、前記マイクロ波アプリケータを、前記アプリケータからのマイクロ波により加工される供給材料の下方で使用することにより、前記原料材料の高さ又は位置による前記供給原料の前記マイクロ波加工への影響を減少させる、使用。
【請求項40】
案内された導波管マイクロ波システムによってマイクロ波処理される際に、供給材料内で受ける電力密度を増加させる方法であって、前記供給材料の下方からマイクロ波を照射する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【公表番号】特表2012−512804(P2012−512804A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541605(P2011−541605)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051744
【国際公開番号】WO2010/070357
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(501038322)ユニバーシティ オブ ノッティンガム (10)
【Fターム(参考)】