パターン形成方法
【課題】スループットが高いパターン形成方法を提供する。
【解決手段】実施形態のパターン形成方法によれば、第1の基板上に被加工膜を形成し、前記被加工膜の第1の領域上に、自己組織化材料を選択的に塗布し、ベーキングにより前記自己組織化材料を複数の成分に相分離させ、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成し、前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布し、所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させ、前記硬化樹脂を硬化させる工程と、前記第2の基板を前記硬化樹脂から離すことにより前記硬化樹脂に第2のパターンを形成し、前記第1および前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する。
【解決手段】実施形態のパターン形成方法によれば、第1の基板上に被加工膜を形成し、前記被加工膜の第1の領域上に、自己組織化材料を選択的に塗布し、ベーキングにより前記自己組織化材料を複数の成分に相分離させ、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成し、前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布し、所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させ、前記硬化樹脂を硬化させる工程と、前記第2の基板を前記硬化樹脂から離すことにより前記硬化樹脂に第2のパターンを形成し、前記第1および前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造において、パターンの微細化への対応と量産性とを両立させる技術として、被転写基板であるウェーハに原版の型を転写するナノインプリント法が注目されている。
【0003】
しかしながら、従来のナノインプリントプロセスでは、ウェーハ上の領域のうち、チップとなるチップ形成領域のみならず、ウェーハ周縁の、製品として使用されない領域についても、インプリントし、パターン形成する必要があった(図5の符号Rp参照)。これは、チップ形成領域と周縁部との間でパターンの粗密差があると、これに起因して、パターン転写後の工程、例えば下地膜の加工工程やCMP工程などでエッチング量差が発生する懸念があるためである。そのため、必要量と比較して1ウェーハ当たりのインプリント回数が増え、これによりインプリントのスループットが低下し、最終的にはコスト増加を招くという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−301839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、スループットが高いパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のパターン形成方法は、第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを有する第1の基板上に被加工膜を形成する工程と、前記被加工膜の前記第1の領域上に、複数の成分で組成される自己組織化材料を選択的に塗布する工程と、ベーキングにより前記自己組織化材料を前記複数の成分に相分離させる工程と、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成する工程と、前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布する工程と、所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させる工程と、前記硬化樹脂を硬化させる工程と、前記第2の基板を前記硬化樹脂から離すことにより前記硬化樹脂に第2のパターンを形成する工程と、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図2A】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2B】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2C】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2D】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2E】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2F】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2G】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2H】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2I】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図3】比較例によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図4A】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4B】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4C】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4D】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4E】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4F】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図5】比較例の問題点を説明する上面図。
【図6】第2の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図7A】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7B】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7C】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7D】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7E】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7F】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7G】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7H】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7I】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図8】第3の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図9A】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9B】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9C】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9D】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9E】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9F】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9G】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9H】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9I】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9J】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9K】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図10】第4の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図11A】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11B】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11C】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11D】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11E】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11F】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11G】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11H】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施の形態では、シリコンなどの半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜等の層間絶縁膜上に光ナノインプリントによりパターンを形成する場合を取り挙げて説明する。しかしながら、以下の形態に限られるものでは決して無い。例えば基板として、半導体基板以外に例えばセラミック基板やガラス基板も使用でき、被加工膜も絶縁膜に限らず例えばシリコン等の半導体層、金属等の導電体層に対しても適用できる。さらに、光ナノインプリントに限らず、熱ナノインプリントにも適用可能であることは勿論である。その場合は硬化樹脂として光硬化樹脂に代えて熱硬化樹脂を使用し、光硬化プロセスに代えて熱硬化プロセスを使用すればよい。
【0009】
(1)第1の実施の形態
(a)概略工程フロー
図1は、本実施形態によるパターン形成方法の工程フロー図である。先ず、図1を参照して本実施形態の工程を概略的に説明する。
【0010】
最初に、前処理工程として、半導体基板の周縁領域にパターンを形成するための自己組織化材料と、光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じて自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さを決定しておく(S1)。これにより、周縁領域のパターンと光硬化樹脂でなるパターンとをマスクとする最後のエッチング工程(S90)において、被加工膜を良好に加工することが可能になる。後述するとおり、以下の実施形態では、自己組織化材料の膜厚として約30nm、光硬化樹脂のパターンの高さとして約60nmを決定したが、勿論これに限るわけではなく、製品の要求仕様に応じた最適の膜厚・高さが決定される。
【0011】
次いで、半導体基板上に被加工膜として酸化膜を形成する(S10)。
【0012】
次に、複数の成分で組成される自己組織化材料としてポリスチレンーポリメチルメタクリレート(polystyrene − polymethyl methacrylate:以下、「PS−PMMA」という)を酸化膜の周縁領域に選択的に塗布する(S20)。自己組織化材料としては該PS−PMMA以外にポリスチレンーポリブタジエン(polystyrene − polybutadiene)、ポリスチレンーポリイソプレン(polystyrene − polyisoprene)およびポリスチレンーポリ(4ビニルピリジン)(polystyrene − poly(4−vinylpyridine)などを用いることができる。
【0013】
次いで、ベークによりPS−PMMAを相分離させ(S30)、光硬化樹脂をチップ形成領域に塗布し(S40)、さらに、テンプレート基板を光硬化樹脂に近接させ密着させることにより、テンプレート基板のパターンを光硬化樹脂に転写する(S50)。
【0014】
続いて、テンプレート基板を通してUV光を光硬化樹脂に照射することにより、光硬化樹脂を硬化させる(S60)。
【0015】
さらに、テンプレート基板を光硬化樹脂から剥離する(S70)。
【0016】
次いで、相分離したPS−PMMAの成分の一つを選択的に除去すると同時に、光硬化樹脂で形成された凹凸パターン中のパターン間残渣を除去する(S80)。
【0017】
最後に、残存したPS−PMMAの成分によるパターンと光硬化樹脂の凹凸パターンとをマスクとして酸化膜を選択的に除去することで加工する(S90)。
【0018】
図1のフローを図2A乃至図2Iの概略工程図を用いてより詳細に説明する。
【0019】
(b)被加工膜の形成(S10)
本実施形態では、図2Aに示すように、半導体基板S上に約200nmの厚さで酸化膜10を形成する。半導体基板Sおよび酸化膜10は、本実施形態において例えば第1の基板および被加工膜にそれぞれ対応する。
【0020】
(c)PS−PMMAの選択塗布(S20)
図2Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、酸化膜10の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで塗布することによりPS−PMMA層20を形成する。図2には、ノズルNZ1からスプレーを塗布する例が示されている。本実施形態において、周縁領域は例えば第1の領域に対応する。
【0021】
(d)ベーク(S30)
本実施形態では、200℃でベークする。これにより、図2Cに示すように、PS−PMMA層20が、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートとの一方、例えばポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートとの他方、例えばポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離される。本実施形態においてポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートは、例えば自己組織化材料を組成する複数の成分に対応する。
【0022】
(e)光硬化樹脂塗布(S40)
図2Dに示すように、例えばインクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する。チップ形成領域は、本実施形態において例えば第2の領域に対応する。
【0023】
(f)プリント(S50)
図2Eに示すように、所望のパターンに応じた凹凸パターンを有するテンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させて凹凸パターン中の掘り込みパターン内に光硬化樹脂を充填することで、テンプレート基板100のパターンが光硬化樹脂30に転写される。本実施形態において、テンプレート基板100は例えば第2の基板に対応する。
【0024】
(g)光硬化(S60)
図2Fに示すように、テンプレート基板10を通して光硬化樹脂30にUV光を照射することにより、光硬化樹脂30が硬化する。
【0025】
(h)離型
図2Gに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離すれば、約60nmの高さを有する凹凸パターン38が形成される。
【0026】
(i)PMMAおよび残渣膜の除去
凹凸パターン38中のパターン間残渣膜と、ポリメチルメタクリレートのパターン20bとをRIE(Reactive Ion Etching)により同時に除去すると、図2Hに示すように、周縁領域にポリスチレンのパターン20a,20cが形成され、チップ形成領域に光硬化樹脂のパターン40が形成される。
【0027】
図2Hからも分かるように、自己組織化材料の種類は、パターン20bの幅、即ち、パターン20a,20c間の間隔が、チップ形成領域に形成されるパターン40の間隔とほぼ一致するように、パターン40のライン間隔に応じて決定する必要がある。本実施形態において、パターン20a,20cは例えば第1のパターンに対応し、パターン40は例えば第2のパターンに対応する。
【0028】
(j)酸化膜加工
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクに、フッ素系ガスを用いたRIEで酸化膜10を加工すれば、図2Iに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50が得られる。
【0029】
(2)比較例
図3は、比較例によるパターン形成方法のフロー図である。そのプロセスS51に示すように、周縁領域についてもプリントを行っている。この比較例の工程を図4A乃至4Fを参照して説明する。
【0030】
まず、半導体基板S上に被加工膜200を形成した後(図3、S11)、図4Aに示すように、インクジェット法により光硬化樹脂30の液滴を被加工膜200上の所望の位置に配置する((図3、S40)。このとき、被加工膜200の周縁領域にも配置する。
【0031】
次に、所望の凹凸パターンが形成された石英テンプレート300を被加工膜200に近接させてパターン形成領域の光硬化樹脂30に接触させ、図4Bに示すように、凹凸パターン中の掘り込みパターン内に光硬化樹脂30を充填する(図3、S50)。
【0032】
次に、図4Cに示すように、UV光を照射して光硬化樹脂を硬化させる。次いで、図4Dに示すように、テンプレート300を被加工膜200から離型し、これによりパターン380を形成する。
【0033】
次いで、以上のプリント、光硬化および離型の一連の工程を周縁領域の光硬化樹脂30に対しても実行する(図3、S78)
続いて、主として酸素プラズマによる異方性エッチングを用いて残膜層を除去し、図4Eに示すように光硬化樹脂パターン400を得る。
【0034】
最後に、図4Fに示すように、形成したパターン400をマスクとしてRIEにより被加工膜200を加工してパターン500を形成する。
【0035】
このように、比較例の光インプリントプロセスによれば、加工やCMPなどの後の工程においてパターンのあるチップ形成領域と周縁領域との粗密差によるエッチング量差が発生する懸念があるため、図5に示すように、チップ形成領域Rcのみならず、周縁領域Rpにもインプリントしてパターン形成する必要がある。そのため、1ウェーハ当たりのインプリント回数が必要量以上に多く、例えば図5に示す例では、チップ形成領域Rcおよび周縁領域Rpへの全ショット数581中、周縁領域Rpへのダミーショットが118と約20%に及び、インプリントのスループットの低下、ひいてはコスト増加を招いている。
【0036】
これに対して、上述の第1の実施の形態によれば、高額なリソグラフィー装置を用いることもなく周縁領域をパターニングできるので、加工やCMPなどの後の工程において、パターンのあるチップ形成領域とパターンの無い周縁領域との粗密差によるエッチング量差を発生させることなく、インプリント回数を低減することができる。この結果、ナノインプリントのスループットを向上でき、製造コストの低減が図れる。
【0037】
(3)第2の実施の形態
図6は、第2の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。図6中のプロセスS12に示すように、本実施形態の特徴は、PS−PMMAの選択塗布(S20)に先立って、表面制御膜を形成する点にある。以下、図7A乃至7Jを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0038】
まず、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0039】
次いで、半導体基板S上に酸化膜10を形成した後(図6、S10)、図7Aに示すように、酸化膜10上に表面制御膜60を成膜する(図6、S12)。表面制御膜60は、自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の下地層(酸化膜10)に対する密着性とを兼ね備えた膜である。該表面接触角制御性により、自己組織化材料の下地層との接触角が所望の値に制御される。本実施形態で制御される接触角は、水の場合と同様の80度である。表面制御膜60は、本実施形態において例えば第2の膜を兼ねる第1の膜に対応する。
【0040】
次に、図7Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面制御膜60の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図6、S20)。
【0041】
次いで、200℃でベークすることにより、図7Cに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離する(図6、S30)。
【0042】
続いて、図7Dに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図6、S31)。
【0043】
次に、図7Eに示すように、インクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する(図6、S40)。
【0044】
次いで、テンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させることによりテンプレート基板100の凹凸パターンを光硬化樹脂30に転写し(図6、S50)、さらに、図7Fに示すように、テンプレート基板100を通して光硬化樹脂30にUV光を照射し、光硬化樹脂30を硬化させる(図6、S60)。
【0045】
次に、図7Gに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離し、約60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する(図6、S70)。
【0046】
次いで、凹凸パターン38中のパターン間残渣膜を、フッ素ガスを用いたRIEにより除去し、図7Hに示すように、光硬化樹脂のパターン40を形成する(図6、S81)。
【0047】
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクとして、フッ素系ガスを用いたRIEにより酸化膜10を加工し、図7Iに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50を得る(図6、S90)。
【0048】
本実施形態によれば、PS−PMMAの選択塗布に先立って、自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の密着性とを兼ね備えた制御膜60を成膜するので、より良好にPS−PMMA層20が相分離し、かつ、テンプレート基板100の剥離も容易になる。これにより、ナノインプリントの歩留まりが向上する。
【0049】
(4)第3の実施の形態
図8は、第2の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。本実施形態の第1の特徴は、図8中のプロセスS14、S33に示すように、PS−PMMAの選択塗布(S20)に先立って、表面接触角制御膜を形成し、また、光硬化樹脂の塗布(S40)前に密着膜を形成する工程をさらに含む点にある。さらに、図8中のプロセスS32に示すように、本実施形態の第2の特徴は、密着膜の形成(S33)前に、PS膜に対する表面不溶化処理を行う点にある。以下、図9A乃至9Jを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0050】
まず、上述した第1および第2の実施形態と同様に、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0051】
次いで、半導体基板S上に膜厚約200nmの酸化膜10を形成した後、図9Aに示すように、PS−PMMA層との接触角を80度にする表面接触角制御膜70を酸化膜10上に成膜する(S14)。表面接触角制御膜70は、本実施形態において例えば第1の膜に対応する。
【0052】
次に、図9Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面接触角制御膜70の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図8、S20)。
【0053】
次いで、200℃でベークすることにより、図9Cに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離する(図6、S30)。
【0054】
続いて、図9Dに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図8、S31)。
【0055】
次に、図9Eに示すように、レジスト不溶化材料としてメラミン樹脂前駆体を用い、ポリスチレンのパターン20a,20cが全て覆われる膜厚までメラミン樹脂前駆体膜75を成膜し、約150℃でベークすることにより、パターン20a,20cの表面に、約3nmの厚さでメラミン樹脂膜80を成膜する(図8、S32)。
【0056】
次いで、図9Fに示すように、後の工程で形成される光硬化樹脂との密着性を向上させるための有機膜である密着膜90を約3nmの厚さで成膜する(図8、S32)。このとき、パターン20a,20cの表面にはメラミン樹脂膜80が成膜されているので、どのような組み合わせで密着膜と自己組織化材料とを選択しても、密着膜90の成膜工程でパターン20a,20cが溶け出すことはない。密着膜90は、本実施形態において例えば第2の膜に対応する。
【0057】
その後は、前述した実施形態と同様に、インクジェット法を用いて光硬化樹脂30を密着膜90のチップ形成領域に選択的に滴下し(図8、S40、図9G)、この光硬化樹脂30にテンプレート基板100を接触させ(図8、S50)、その後、図9Hに示すようにUV光を照射して光硬化させる(図8、S60)。さらに、テンプレート基板100を密着膜90から剥離し(図8、S70)、図9Iに示すように、60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する。次いで、フッ素系ガスを用いたRIEにより、凹凸パターン38のパターン間残渣を除去してパターン40を形成する(図8、S81、図9I)。最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cと光硬化樹脂のパターン40とをマスクに、フッ素系ガスを用いたRIEにより、密着膜90、表面制御膜70および酸化膜10を選択的に除去し(図8、S90)、図9Jに示すように、パターン50を形成する。
【0058】
このように、本実施形態によっても、良好なPS−PMMA層20の相分離とテンプレート基板100の容易剥離とが同時に実現される。
【0059】
(5)第4の実施の形態
図10は、第4の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。本実施形態の特徴は、チップ形成領域でのパターンを形成した後に(S32〜S70)、周縁領域のパターンを形成する(S71〜S73)点にある。以下、図11A乃至11Hを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0060】
まず、上述した第2の実施形態と同様に、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0061】
次に、半導体基板S上に膜厚約200nmの酸化膜10を形成した後(図10、S10)、接触角80度になる自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の下地層(酸化膜10)に対する密着性とを兼ね備えた表面制御膜60を成膜する(図10、S14)。
【0062】
次いで、図11Aに示すように、インクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する(図10、S40)。
【0063】
次いで、テンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させることによりテンプレート基板100の凹凸パターンを光硬化樹脂30に転写し(図10、S50)、さらに、図11Bに示すように、テンプレート基板100を通して光硬化樹脂30にUV光を照射し、光硬化樹脂30を硬化させる(図10、S60)。
【0064】
次に、図11Cに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離し、約60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する(図10、S70)。
【0065】
続いて、図11Dに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面制御膜60の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図10、S71)。
【0066】
次いで、200℃でベークすることにより、図11Eに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bと、に相分離する(図10、S72)。
【0067】
続いて、図11Fに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図10、S73)。
【0068】
次いで、凹凸パターン38中のパターン間残渣膜を、フッ素ガスを用いたRIEにより除去し、図11Gに示すように、光硬化樹脂のパターン40を形成する(図10、S81)。
【0069】
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクとして、フッ素系ガスを用いたRIEにより酸化膜10を加工し、図11Hに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50を得る(図10、S90)。
【0070】
このように、チップ形成領域でのパターンを形成した後に周縁領域のパターンを形成することとしても、ナノインプリントのスループットの向上、および製造コスト低減を実現することができる。
【0071】
以上、実施の形態のいくつかについて説明したが、上記形態に限ることなく種々変形して適用可能である。例えば、被加工膜の種類によって光硬化樹脂との密着性が高い場合は、特に密着膜を用いることなく、自己組織化材料の表面接触角制御性を有する膜のみを周縁領域に成膜してもよい。また、上記実施形態では周縁領域にPS−PMMA膜を形成し、チップ形成領域に光硬化樹脂のパターンを形成したが、これに限ることなく、被加工膜上の同一レイア内であればいずれの領域に形成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10:酸化膜
20:PS−PMMA層
20a,20c:ポリスチレンのパターン
20b:ポリメチルメタクリレートのパターン
30:光硬化樹脂
40:光硬化樹脂のパターン
60:表面制御膜
70:表面接触角制御膜
80:メラミン樹脂膜
90:密着膜
100,300:テンプレート基板
NZ1,NZ2:ノズル
S:半導体基板
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造において、パターンの微細化への対応と量産性とを両立させる技術として、被転写基板であるウェーハに原版の型を転写するナノインプリント法が注目されている。
【0003】
しかしながら、従来のナノインプリントプロセスでは、ウェーハ上の領域のうち、チップとなるチップ形成領域のみならず、ウェーハ周縁の、製品として使用されない領域についても、インプリントし、パターン形成する必要があった(図5の符号Rp参照)。これは、チップ形成領域と周縁部との間でパターンの粗密差があると、これに起因して、パターン転写後の工程、例えば下地膜の加工工程やCMP工程などでエッチング量差が発生する懸念があるためである。そのため、必要量と比較して1ウェーハ当たりのインプリント回数が増え、これによりインプリントのスループットが低下し、最終的にはコスト増加を招くという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−301839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、スループットが高いパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のパターン形成方法は、第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを有する第1の基板上に被加工膜を形成する工程と、前記被加工膜の前記第1の領域上に、複数の成分で組成される自己組織化材料を選択的に塗布する工程と、ベーキングにより前記自己組織化材料を前記複数の成分に相分離させる工程と、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成する工程と、前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布する工程と、所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させる工程と、前記硬化樹脂を硬化させる工程と、前記第2の基板を前記硬化樹脂から離すことにより前記硬化樹脂に第2のパターンを形成する工程と、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図2A】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2B】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2C】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2D】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2E】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2F】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2G】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2H】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図2I】図1に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図3】比較例によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図4A】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4B】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4C】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4D】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4E】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図4F】図3に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図5】比較例の問題点を説明する上面図。
【図6】第2の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図7A】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7B】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7C】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7D】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7E】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7F】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7G】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7H】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図7I】図6に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図8】第3の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図9A】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9B】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9C】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9D】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9E】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9F】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9G】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9H】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9I】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9J】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図9K】図8に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図10】第4の実施の形態によるパターン形成方法の工程フロー図。
【図11A】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11B】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11C】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11D】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11E】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11F】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11G】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【図11H】図10に示すパターン形成方法を説明する概略工程図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施の形態では、シリコンなどの半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜等の層間絶縁膜上に光ナノインプリントによりパターンを形成する場合を取り挙げて説明する。しかしながら、以下の形態に限られるものでは決して無い。例えば基板として、半導体基板以外に例えばセラミック基板やガラス基板も使用でき、被加工膜も絶縁膜に限らず例えばシリコン等の半導体層、金属等の導電体層に対しても適用できる。さらに、光ナノインプリントに限らず、熱ナノインプリントにも適用可能であることは勿論である。その場合は硬化樹脂として光硬化樹脂に代えて熱硬化樹脂を使用し、光硬化プロセスに代えて熱硬化プロセスを使用すればよい。
【0009】
(1)第1の実施の形態
(a)概略工程フロー
図1は、本実施形態によるパターン形成方法の工程フロー図である。先ず、図1を参照して本実施形態の工程を概略的に説明する。
【0010】
最初に、前処理工程として、半導体基板の周縁領域にパターンを形成するための自己組織化材料と、光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じて自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さを決定しておく(S1)。これにより、周縁領域のパターンと光硬化樹脂でなるパターンとをマスクとする最後のエッチング工程(S90)において、被加工膜を良好に加工することが可能になる。後述するとおり、以下の実施形態では、自己組織化材料の膜厚として約30nm、光硬化樹脂のパターンの高さとして約60nmを決定したが、勿論これに限るわけではなく、製品の要求仕様に応じた最適の膜厚・高さが決定される。
【0011】
次いで、半導体基板上に被加工膜として酸化膜を形成する(S10)。
【0012】
次に、複数の成分で組成される自己組織化材料としてポリスチレンーポリメチルメタクリレート(polystyrene − polymethyl methacrylate:以下、「PS−PMMA」という)を酸化膜の周縁領域に選択的に塗布する(S20)。自己組織化材料としては該PS−PMMA以外にポリスチレンーポリブタジエン(polystyrene − polybutadiene)、ポリスチレンーポリイソプレン(polystyrene − polyisoprene)およびポリスチレンーポリ(4ビニルピリジン)(polystyrene − poly(4−vinylpyridine)などを用いることができる。
【0013】
次いで、ベークによりPS−PMMAを相分離させ(S30)、光硬化樹脂をチップ形成領域に塗布し(S40)、さらに、テンプレート基板を光硬化樹脂に近接させ密着させることにより、テンプレート基板のパターンを光硬化樹脂に転写する(S50)。
【0014】
続いて、テンプレート基板を通してUV光を光硬化樹脂に照射することにより、光硬化樹脂を硬化させる(S60)。
【0015】
さらに、テンプレート基板を光硬化樹脂から剥離する(S70)。
【0016】
次いで、相分離したPS−PMMAの成分の一つを選択的に除去すると同時に、光硬化樹脂で形成された凹凸パターン中のパターン間残渣を除去する(S80)。
【0017】
最後に、残存したPS−PMMAの成分によるパターンと光硬化樹脂の凹凸パターンとをマスクとして酸化膜を選択的に除去することで加工する(S90)。
【0018】
図1のフローを図2A乃至図2Iの概略工程図を用いてより詳細に説明する。
【0019】
(b)被加工膜の形成(S10)
本実施形態では、図2Aに示すように、半導体基板S上に約200nmの厚さで酸化膜10を形成する。半導体基板Sおよび酸化膜10は、本実施形態において例えば第1の基板および被加工膜にそれぞれ対応する。
【0020】
(c)PS−PMMAの選択塗布(S20)
図2Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、酸化膜10の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで塗布することによりPS−PMMA層20を形成する。図2には、ノズルNZ1からスプレーを塗布する例が示されている。本実施形態において、周縁領域は例えば第1の領域に対応する。
【0021】
(d)ベーク(S30)
本実施形態では、200℃でベークする。これにより、図2Cに示すように、PS−PMMA層20が、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートとの一方、例えばポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートとの他方、例えばポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離される。本実施形態においてポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートは、例えば自己組織化材料を組成する複数の成分に対応する。
【0022】
(e)光硬化樹脂塗布(S40)
図2Dに示すように、例えばインクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する。チップ形成領域は、本実施形態において例えば第2の領域に対応する。
【0023】
(f)プリント(S50)
図2Eに示すように、所望のパターンに応じた凹凸パターンを有するテンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させて凹凸パターン中の掘り込みパターン内に光硬化樹脂を充填することで、テンプレート基板100のパターンが光硬化樹脂30に転写される。本実施形態において、テンプレート基板100は例えば第2の基板に対応する。
【0024】
(g)光硬化(S60)
図2Fに示すように、テンプレート基板10を通して光硬化樹脂30にUV光を照射することにより、光硬化樹脂30が硬化する。
【0025】
(h)離型
図2Gに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離すれば、約60nmの高さを有する凹凸パターン38が形成される。
【0026】
(i)PMMAおよび残渣膜の除去
凹凸パターン38中のパターン間残渣膜と、ポリメチルメタクリレートのパターン20bとをRIE(Reactive Ion Etching)により同時に除去すると、図2Hに示すように、周縁領域にポリスチレンのパターン20a,20cが形成され、チップ形成領域に光硬化樹脂のパターン40が形成される。
【0027】
図2Hからも分かるように、自己組織化材料の種類は、パターン20bの幅、即ち、パターン20a,20c間の間隔が、チップ形成領域に形成されるパターン40の間隔とほぼ一致するように、パターン40のライン間隔に応じて決定する必要がある。本実施形態において、パターン20a,20cは例えば第1のパターンに対応し、パターン40は例えば第2のパターンに対応する。
【0028】
(j)酸化膜加工
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクに、フッ素系ガスを用いたRIEで酸化膜10を加工すれば、図2Iに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50が得られる。
【0029】
(2)比較例
図3は、比較例によるパターン形成方法のフロー図である。そのプロセスS51に示すように、周縁領域についてもプリントを行っている。この比較例の工程を図4A乃至4Fを参照して説明する。
【0030】
まず、半導体基板S上に被加工膜200を形成した後(図3、S11)、図4Aに示すように、インクジェット法により光硬化樹脂30の液滴を被加工膜200上の所望の位置に配置する((図3、S40)。このとき、被加工膜200の周縁領域にも配置する。
【0031】
次に、所望の凹凸パターンが形成された石英テンプレート300を被加工膜200に近接させてパターン形成領域の光硬化樹脂30に接触させ、図4Bに示すように、凹凸パターン中の掘り込みパターン内に光硬化樹脂30を充填する(図3、S50)。
【0032】
次に、図4Cに示すように、UV光を照射して光硬化樹脂を硬化させる。次いで、図4Dに示すように、テンプレート300を被加工膜200から離型し、これによりパターン380を形成する。
【0033】
次いで、以上のプリント、光硬化および離型の一連の工程を周縁領域の光硬化樹脂30に対しても実行する(図3、S78)
続いて、主として酸素プラズマによる異方性エッチングを用いて残膜層を除去し、図4Eに示すように光硬化樹脂パターン400を得る。
【0034】
最後に、図4Fに示すように、形成したパターン400をマスクとしてRIEにより被加工膜200を加工してパターン500を形成する。
【0035】
このように、比較例の光インプリントプロセスによれば、加工やCMPなどの後の工程においてパターンのあるチップ形成領域と周縁領域との粗密差によるエッチング量差が発生する懸念があるため、図5に示すように、チップ形成領域Rcのみならず、周縁領域Rpにもインプリントしてパターン形成する必要がある。そのため、1ウェーハ当たりのインプリント回数が必要量以上に多く、例えば図5に示す例では、チップ形成領域Rcおよび周縁領域Rpへの全ショット数581中、周縁領域Rpへのダミーショットが118と約20%に及び、インプリントのスループットの低下、ひいてはコスト増加を招いている。
【0036】
これに対して、上述の第1の実施の形態によれば、高額なリソグラフィー装置を用いることもなく周縁領域をパターニングできるので、加工やCMPなどの後の工程において、パターンのあるチップ形成領域とパターンの無い周縁領域との粗密差によるエッチング量差を発生させることなく、インプリント回数を低減することができる。この結果、ナノインプリントのスループットを向上でき、製造コストの低減が図れる。
【0037】
(3)第2の実施の形態
図6は、第2の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。図6中のプロセスS12に示すように、本実施形態の特徴は、PS−PMMAの選択塗布(S20)に先立って、表面制御膜を形成する点にある。以下、図7A乃至7Jを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0038】
まず、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0039】
次いで、半導体基板S上に酸化膜10を形成した後(図6、S10)、図7Aに示すように、酸化膜10上に表面制御膜60を成膜する(図6、S12)。表面制御膜60は、自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の下地層(酸化膜10)に対する密着性とを兼ね備えた膜である。該表面接触角制御性により、自己組織化材料の下地層との接触角が所望の値に制御される。本実施形態で制御される接触角は、水の場合と同様の80度である。表面制御膜60は、本実施形態において例えば第2の膜を兼ねる第1の膜に対応する。
【0040】
次に、図7Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面制御膜60の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図6、S20)。
【0041】
次いで、200℃でベークすることにより、図7Cに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離する(図6、S30)。
【0042】
続いて、図7Dに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図6、S31)。
【0043】
次に、図7Eに示すように、インクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する(図6、S40)。
【0044】
次いで、テンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させることによりテンプレート基板100の凹凸パターンを光硬化樹脂30に転写し(図6、S50)、さらに、図7Fに示すように、テンプレート基板100を通して光硬化樹脂30にUV光を照射し、光硬化樹脂30を硬化させる(図6、S60)。
【0045】
次に、図7Gに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離し、約60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する(図6、S70)。
【0046】
次いで、凹凸パターン38中のパターン間残渣膜を、フッ素ガスを用いたRIEにより除去し、図7Hに示すように、光硬化樹脂のパターン40を形成する(図6、S81)。
【0047】
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクとして、フッ素系ガスを用いたRIEにより酸化膜10を加工し、図7Iに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50を得る(図6、S90)。
【0048】
本実施形態によれば、PS−PMMAの選択塗布に先立って、自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の密着性とを兼ね備えた制御膜60を成膜するので、より良好にPS−PMMA層20が相分離し、かつ、テンプレート基板100の剥離も容易になる。これにより、ナノインプリントの歩留まりが向上する。
【0049】
(4)第3の実施の形態
図8は、第2の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。本実施形態の第1の特徴は、図8中のプロセスS14、S33に示すように、PS−PMMAの選択塗布(S20)に先立って、表面接触角制御膜を形成し、また、光硬化樹脂の塗布(S40)前に密着膜を形成する工程をさらに含む点にある。さらに、図8中のプロセスS32に示すように、本実施形態の第2の特徴は、密着膜の形成(S33)前に、PS膜に対する表面不溶化処理を行う点にある。以下、図9A乃至9Jを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0050】
まず、上述した第1および第2の実施形態と同様に、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0051】
次いで、半導体基板S上に膜厚約200nmの酸化膜10を形成した後、図9Aに示すように、PS−PMMA層との接触角を80度にする表面接触角制御膜70を酸化膜10上に成膜する(S14)。表面接触角制御膜70は、本実施形態において例えば第1の膜に対応する。
【0052】
次に、図9Bに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面接触角制御膜70の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図8、S20)。
【0053】
次いで、200℃でベークすることにより、図9Cに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bに相分離する(図6、S30)。
【0054】
続いて、図9Dに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図8、S31)。
【0055】
次に、図9Eに示すように、レジスト不溶化材料としてメラミン樹脂前駆体を用い、ポリスチレンのパターン20a,20cが全て覆われる膜厚までメラミン樹脂前駆体膜75を成膜し、約150℃でベークすることにより、パターン20a,20cの表面に、約3nmの厚さでメラミン樹脂膜80を成膜する(図8、S32)。
【0056】
次いで、図9Fに示すように、後の工程で形成される光硬化樹脂との密着性を向上させるための有機膜である密着膜90を約3nmの厚さで成膜する(図8、S32)。このとき、パターン20a,20cの表面にはメラミン樹脂膜80が成膜されているので、どのような組み合わせで密着膜と自己組織化材料とを選択しても、密着膜90の成膜工程でパターン20a,20cが溶け出すことはない。密着膜90は、本実施形態において例えば第2の膜に対応する。
【0057】
その後は、前述した実施形態と同様に、インクジェット法を用いて光硬化樹脂30を密着膜90のチップ形成領域に選択的に滴下し(図8、S40、図9G)、この光硬化樹脂30にテンプレート基板100を接触させ(図8、S50)、その後、図9Hに示すようにUV光を照射して光硬化させる(図8、S60)。さらに、テンプレート基板100を密着膜90から剥離し(図8、S70)、図9Iに示すように、60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する。次いで、フッ素系ガスを用いたRIEにより、凹凸パターン38のパターン間残渣を除去してパターン40を形成する(図8、S81、図9I)。最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cと光硬化樹脂のパターン40とをマスクに、フッ素系ガスを用いたRIEにより、密着膜90、表面制御膜70および酸化膜10を選択的に除去し(図8、S90)、図9Jに示すように、パターン50を形成する。
【0058】
このように、本実施形態によっても、良好なPS−PMMA層20の相分離とテンプレート基板100の容易剥離とが同時に実現される。
【0059】
(5)第4の実施の形態
図10は、第4の実施の形態によるパターン形成方法のフロー図である。本実施形態の特徴は、チップ形成領域でのパターンを形成した後に(S32〜S70)、周縁領域のパターンを形成する(S71〜S73)点にある。以下、図11A乃至11Hを参照して本実施形態の具体的工程を順に説明する。
【0060】
まず、上述した第2の実施形態と同様に、前処理工程として、自己組織化材料と光硬化樹脂との間のエッチングレート差を予め測定しておき、該エッチングレート差に応じ、自己組織化材料から形成する周縁領域のパターンの膜厚と、光硬化樹脂でなるパターンの高さとを決定しておく(S1)。
【0061】
次に、半導体基板S上に膜厚約200nmの酸化膜10を形成した後(図10、S10)、接触角80度になる自己組織化材料の表面接触角制御性と光硬化樹脂の下地層(酸化膜10)に対する密着性とを兼ね備えた表面制御膜60を成膜する(図10、S14)。
【0062】
次いで、図11Aに示すように、インクジェット法によりノズルNZ2から、酸化膜10上のチップ形成領域に光硬化樹脂30を選択的に塗布する(図10、S40)。
【0063】
次いで、テンプレート基板100を光硬化樹脂30に近接させ密着させることによりテンプレート基板100の凹凸パターンを光硬化樹脂30に転写し(図10、S50)、さらに、図11Bに示すように、テンプレート基板100を通して光硬化樹脂30にUV光を照射し、光硬化樹脂30を硬化させる(図10、S60)。
【0064】
次に、図11Cに示すように、硬化された光硬化樹脂30からテンプレート基板100を剥離し、約60nmの高さを有する凹凸パターン38を形成する(図10、S70)。
【0065】
続いて、図11Dに示すように、ローラー塗布、スキャン塗布、またはスプレー塗布などを用いて、表面制御膜60の周縁領域にPS−PMMAを膜厚30nmで選択的に塗布してPS−PMMA層20を形成する(図10、S71)。
【0066】
次いで、200℃でベークすることにより、図11Eに示すように、PS−PMMA層20を、ポリスチレンでなるパターン20a,20cと、ポリメチルメタクリレートでなるパターン20bと、に相分離する(図10、S72)。
【0067】
続いて、図11Fに示すように、酸素ガスを用いたRIEによりポリメチルメタクリレートのパターン20bを除去する(図10、S73)。
【0068】
次いで、凹凸パターン38中のパターン間残渣膜を、フッ素ガスを用いたRIEにより除去し、図11Gに示すように、光硬化樹脂のパターン40を形成する(図10、S81)。
【0069】
最後に、ポリスチレンのパターン20a,20cおよび光硬化樹脂のパターン40をマスクとして、フッ素系ガスを用いたRIEにより酸化膜10を加工し、図11Hに示すように、テンプレート基板100の凹凸パターンに対応したパターン50を得る(図10、S90)。
【0070】
このように、チップ形成領域でのパターンを形成した後に周縁領域のパターンを形成することとしても、ナノインプリントのスループットの向上、および製造コスト低減を実現することができる。
【0071】
以上、実施の形態のいくつかについて説明したが、上記形態に限ることなく種々変形して適用可能である。例えば、被加工膜の種類によって光硬化樹脂との密着性が高い場合は、特に密着膜を用いることなく、自己組織化材料の表面接触角制御性を有する膜のみを周縁領域に成膜してもよい。また、上記実施形態では周縁領域にPS−PMMA膜を形成し、チップ形成領域に光硬化樹脂のパターンを形成したが、これに限ることなく、被加工膜上の同一レイア内であればいずれの領域に形成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10:酸化膜
20:PS−PMMA層
20a,20c:ポリスチレンのパターン
20b:ポリメチルメタクリレートのパターン
30:光硬化樹脂
40:光硬化樹脂のパターン
60:表面制御膜
70:表面接触角制御膜
80:メラミン樹脂膜
90:密着膜
100,300:テンプレート基板
NZ1,NZ2:ノズル
S:半導体基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを有する被加工膜を第1の基板上に形成する工程と、
前記被加工膜の前記第1の領域上に、複数の成分で組成される自己組織化材料を選択的に塗布する工程と、
ベーキングにより前記自己組織化材料を前記複数の成分に相分離させる工程と、
相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成する工程と、
前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布する工程と、
所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させる工程と、
前記硬化樹脂を硬化させる工程と、
前記第2の基板を前記硬化樹脂から離して前記硬化樹脂に第2のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する工程と、
を備えるパターン形成方法。
【請求項2】
前記自己組織化材料を塗布する前に、前記自己組織化材料に所望の接触角を与える第1の膜を成膜する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記第1の膜は、前記硬化樹脂との密着性を有する第2の膜を兼ねることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
硬化樹脂を塗布する前に、前記硬化樹脂との密着性を有する第2の膜を成膜する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記第2の膜を成膜する前に前記第1のパターンに対してレジスト不溶化処理を行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記自己組織化材料を塗布する工程と、前記自己組織化材料を複数の成分に相分離させる工程と、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかを除去する工程とは、前記第2のパターンを形成する工程の後に行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記自己組織化材料および前記光硬化樹脂の塗布前に、前記自己組織化材料および前記光硬化樹脂のエッチングレート差を予め測定する工程をさらに備え、
前記自己組織化材料の膜厚と前記光硬化樹脂のパターンの高さとは、測定されたエッチングレート差に応じて決定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記第2のパターンは、ラインアンドスペースのパターンであり、
前記自己組織化材料は、前記第2のパターンにおけるライン間隔に応じて決定される、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項1】
第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを有する被加工膜を第1の基板上に形成する工程と、
前記被加工膜の前記第1の領域上に、複数の成分で組成される自己組織化材料を選択的に塗布する工程と、
ベーキングにより前記自己組織化材料を前記複数の成分に相分離させる工程と、
相分離した前記複数の成分のうちのいずれかの成分を除去することにより第1のパターンを形成する工程と、
前記被加工膜の前記第2の領域上に硬化樹脂を塗布する工程と、
所望のパターンに応じた凹凸を有する第2の基板を前記硬化樹脂と対向するように近接させて密着させる工程と、
前記硬化樹脂を硬化させる工程と、
前記第2の基板を前記硬化樹脂から離して前記硬化樹脂に第2のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンをマスクとして被加工膜を加工する工程と、
を備えるパターン形成方法。
【請求項2】
前記自己組織化材料を塗布する前に、前記自己組織化材料に所望の接触角を与える第1の膜を成膜する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記第1の膜は、前記硬化樹脂との密着性を有する第2の膜を兼ねることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
硬化樹脂を塗布する前に、前記硬化樹脂との密着性を有する第2の膜を成膜する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記第2の膜を成膜する前に前記第1のパターンに対してレジスト不溶化処理を行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記自己組織化材料を塗布する工程と、前記自己組織化材料を複数の成分に相分離させる工程と、相分離した前記複数の成分のうちのいずれかを除去する工程とは、前記第2のパターンを形成する工程の後に行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記自己組織化材料および前記光硬化樹脂の塗布前に、前記自己組織化材料および前記光硬化樹脂のエッチングレート差を予め測定する工程をさらに備え、
前記自己組織化材料の膜厚と前記光硬化樹脂のパターンの高さとは、測定されたエッチングレート差に応じて決定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記第2のパターンは、ラインアンドスペースのパターンであり、
前記自己組織化材料は、前記第2のパターンにおけるライン間隔に応じて決定される、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のパターン形成方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9I】
【図9J】
【図9K】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9I】
【図9J】
【図9K】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【公開番号】特開2012−199410(P2012−199410A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62971(P2011−62971)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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