説明

パターン形状検査装置及び検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ライン

【課題】
本発明は、本高速でパターンドメディア表面やスタンパのパターン形状の整形不良を検査できるパターン形状検査装置または検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ラインを提供することである。
【解決手段】
本発明は、パターンが形成された被検査対象を載置して回転させながら半径方向に移動させ、前記被検査対象に対して遠紫外光を含む広帯域の照明光を斜め方向から照射し、該照射光学系で照射された被検査対象から発生する0次反射光を検出し、前記検出された0次反射光を一定の波長幅を有するチャンネル分光データを得、該チャンネル分光データが設定許容範囲内に存在するか判断し、前記判断結果を基に前記被検査対象に形成されたパターン形状を検査することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンドメディア等のパターン形状検査装置及び検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ラインに関する関わり、特にパターンの整形不良を検出するのに好適なパターン形状検査装置及び検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクドライブはサーバやコンピュータ向けの利用が増大するだけでなく、家庭用ハードディスクレコーダやカーナビゲーション、ポータブルAV再生機器等様々な用途への利用が拡大しており、またその容量も種々の用途のデジタル化に伴い増大する傾向にある。
【0003】
容量を増大することは、すなわちメディアディスクの記録密度を増大させることである。メディアディスクの記録密度を増大させる技術の一つとして、将来導入が期待されているのがパターンドメディアである。パターンドメディアには、図2に示すディスクリートトラックメディアとビットパターンドメディアの2つがある。ディスクリートトラックメディア(DTM)とは同図左に示すようにメディアディスク1上に同心円状のトラックパターン14を形成する方式で、ビットパターンドメディアとは同図右に示すように無数のビットパターン16を形成する方式である。
【0004】
パターンの形成には、ナノインプリント技術を用いる方法が有力視されている。ナノインプリント技術とは、図3に示すように、光を透過する例えば石英製のスタンパ20(図3(a))を、磁性膜を形成したディスク基板12の表面に塗布したレジスト15に押し当てインプリントし(図3(b))、この状態でレジスト15を露光し(図3(c))、スタンパ20を取り除いた後にエッチングで磁性層にビットパターン16を形成し(図3(d))、その後レジスト除去し非磁性膜17を埋め込み(図3(e))、保護膜18を表面に形成する(図3(f)という方法である。このとき、スタンパ20自体に欠陥がある場合や、異物が付着している場合には、転写されるパターンにも欠陥が生じることになる。そのため、ナノインプリント技術の導入により、パターンが適切に形成されているかを検査する必要が新たに生じることとなる。
【0005】
現在、パターンドディスク表面やスタンパのパターン欠陥を検出する方法として、特許文献1に記載されている方法がある。この方法は、例えば、磁性体のパターンが形成されたパターンドメディア表面に複数の波長を含む光を照射し、パターンドメディアの各位置で反射光(以下0次光と記載)の分光反射率波形を算出し、算出した分光反射率波形と基準分光反射率波形とを比較してパターンドメディア上に形成されたパターンの形状を検査するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−257993 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の提案する方法でパターン形状の整形不良を検査すると、総ての位置で分光反射率波形を算出し基準分光反射率波形と比較するために検査に時間が掛かる課題がある。
【0008】
本発明の目的は、高速でパターンドメディア表面やスタンパのパターン形状の整形不良を検査できるパターン形状検査装置または検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ラインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、パターンが形成された被検査対象を載置して回転させながら半径方向に移動させ、前記被検査対象に対して遠紫外光を含む広帯域の照明光を斜め方向から照射し、該照射光学系で照射された被検査対象から発生する0次反射光を検出し、前記検出された0次反射光を一定の波長幅を有するチャンネル分光データを得、該チャンネル分光データが設定許容範囲内に存在するか判断し、前記判断結果を基に前記被検査対象に形成されたパターン形状を検査することを第1の特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記形状検査は予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データと被検査対象の前記チャンネル分光データとの差に基づいて整形不具合度を評価することを第2の特徴とする
さらに、上記目的を達成するために、第2の特徴に加え、前記形状検査は前記差の符号を求めることを第3の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記判断は前記設定許容範囲外の前記チャンネル分光データが存在する前記チャンネル分光データ群を欠陥分光データとして記憶し、前記形状検査は前記欠陥分光データの検査位置から隣接する欠陥分光データを結合させ、線状、面状或は点状の欠陥として欠陥種類を判定することを第4の特徴とする。
【0011】
さらに、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記形状検査は前記欠陥種類を構成する前記欠陥分光データと前記欠陥分光データに対応する予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データ群との差の符号を求めることを第5の特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するために、磁性層を有するディスクにレジストを塗布し、サーボ情報やデータトラックなどのパターンが形成されたスタンパを用いてレジスト塗布面にパターンを転写し、転写されたレジストパターンをマスクとしてドライエッチングしてパターンドメディアディスクを製造するパターンドメディアディスク製造ラインに、前記転写したパターンの形状を検査する第1乃至第5のいずれかの特徴を有するパターン形状検査装置を設けたことを第6の特徴とする。
【0013】
さらに、上記目的を達成するために、磁性層を有するディスクにレジストを塗布し、サーボ情報やデータトラックなどのパターンが形成されたスタンパを用いてレジスト塗布面にパターンを転写し、転写されたレジストパターンをマスクとしてドライエッチングして該磁性層にパターンを形成し、該パターンの凹に非磁性膜17を埋め込みパターンドメディアディスクを製造するパターンドメディアディスク製造ラインに、非磁性層形成前あるいは非磁性層形成後における前記パターンの形状を検査する第1乃至第5のいずれかの特徴を有するパターン形状検査装置を設けたことを第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高速でパターンドメディア表面やスタンパのパターン形状の整形不良を検査できるパターンドメディアの検査装置または検査方法並びにパターンドメディアディスク製造ラインを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態であるパターン形状検査装置の構成を示す図である。
【図2】パターンドメディアの一例を示す概略図である。
【図3】ナノインプリントプロセスを示す工程図である。
【図4】ディスクリートトッラクメディアおける検査箇所の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における整形不良検出処理フローを示す図である。
【図6】分光器のリニア検出器の出力である各チャネルchの信号波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における整形良品の分光データ波形と被検査対象の分光データ波形の一例を示す図である。
【図8】入出力端末に表示した判定結果の一例を模式的に示した図である。
【図9】本発明の実施形態であるパターンドメディアディスク製造ラインの一例であるDTM製造ラインのパターンニングに関係するパターンニング関連DTM製造装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
まず、図1を用いて本発明の実施形態であるパターン形状検査装置60の構成を説明する。被検査対象としてはDTMディスク(以下、単にディスクという)上の凹凸パターンを、例えば図4(a)に示すレジスト15のパターンや非磁性層形成前あるいは非磁性層形成前後における磁性層12の凹凸パターンを考え、それらのパターンの高さ(深さ)15h,12hや幅15w、12wを有するLand形状の整形具合を検査するものである。
【0017】
パターン形状検査装置はディスクである被検査対象1を搭載し回転するθステージ2と該θステージ2を1方向に移動するXステージ3とで構成され、前記被検査対象を載置して回転させながら半径方向に移動させる移動機構を有する。この移動機構によって被検査対象1上を全面走査できる。
【0018】
また、パターン形状検査装置は遠紫外(DUV)光を含む広帯域の照明光を射出する広帯域光源4と該照明光を集光する集光レンズ5と被検査対象上の検出視野を決める視野絞り6と被検査対象1に適するように照明光を特定方向に偏光させる偏光プリズム(偏光光学要素)7と特定方向に偏光された照明光を斜め方向から被検査対象1上に結像させる照明レンズ8と前記偏光プリズム7の回転制御を行う偏光制御部21とで構成される照射光学系と、被検査対象であるディスク1からの0次反射光を結像する対物レンズ9と迷光等を遮蔽する絞り10とで構成される検出系と、検出光(0次反射光)を分光する回折格子41と該回折格子41で分光された分光波形を検出するリニア光検出器42とで構成される分光器11とを有する。
【0019】
さらに、パターン形状検査装置は該分光器11で検出された分光波形を入力してA/D変換し、デジタル化された分光反射強度が設定許容範囲内かを判断する設定範囲内判断部22と該設定範囲内判断部で得られた判断データに基づき被検査対象1のパターン形状を検査する形状検査処理部23とで構成される形状検査手段と、全体のシーケンスを制御する全体制御部31と、該全体制御部31に接続された入出力端末32及びデータベース33とを有する。
【0020】
ディスク上における凹凸パターンのパターン形状の検査を行うためには、パターン形状変化による反射強度の変化量が大きく、形状変化検出感度が大きいことが必要である。そのため、偏光方向が被検査対象に適するように制御(調節)された照明光を被検査対象1に対して斜方から入射し、被検査対象1からの0次反射光(正反射光)を斜方方向から検出するように構成した。また、照明光を斜方入射させることによって、被検査対象がDUV光を含むUV光を透過する石英製のスタンパであっても反射率を大きくし、検出光量を大きくしてパターン形状について高感度の検査が可能となる。
【0021】
次に、パターン形状検査装置の動作について説明する。被検査対象1はθステージ2上に保持され、回転するとともに、Xステージ3で一方向に移動され、θステージ2の回転位置及びXステージ3の移動位置は全体制御部31に入力される。広帯域光源4は遠紫外(DUV)光を含む広帯域(多波長)の照明光(波長は、例えば200〜500nm)を射出するもので、例えば、Xeランプ、ハロゲンランプ、重水素ランプ、またはそれらを組み合わせて構成される。照明は斜め入射で入射角αとし、照明光は被検査対象1の半径方向、即ち、ディスクのパターン方向に対して略直角に入射される。広帯域光源4からの照明光は集光レンズ5により視野絞り6上に集光される。そして、視野絞り6の像は反射型照明レンズ8により被検査対象上に結像され、検出視野が形成される。そのとき、被検査対象の種類に適するように偏光制御部21からの偏光プリズム7への回転制御により照明光の偏光方向(p偏光47、s偏光48)が選択されて設定される。後述するように被検査対象1のパターン形状の計測を高感度に行う条件から照明光の偏光方向を予め求めてデータベース33に格納しておくことにより、被検査対象の種類に適するように照明光の偏光方向が選択設定されることになる。ところで、視野絞り6を縦、横、同一の寸法の方形とすると、斜め入射のため、被検査対象1上において検出視野の大きさは光軸方向に
1/cosα倍だけ長い矩形となる。そこで、視野絞り6の形状はそれを考慮して決定される。
【0022】
そして、被検査対象1のパターンからの0次反射光(正反射光)は対物レンズ9により集光されて絞り10上に結像される。ここで、照明レンズ8及び対物レンズ9は、照明光の遠紫外光(DUV)領域において、レンズの吸収損失が小さく、色収差を低減できる反射型レンズを使用している。絞り10は、大きさを被検査対象1上の検出視野の大きさに対応させているため迷光や絞り10上に結像しない光を遮蔽する。例えば、被検査対象1への入射光の内一部は被検査対象1の表面を透過して被検査対象1の裏面で反射して再度被検査対象1の表面に到達し、被検査対象1の表面から0次反射光と平行方向に射出される。
【0023】
次に、本実施形態と最も特徴である整形不良を検出する検出処理方法を説明する。図5にその整形不良検出処理フローを示す。この検出処理は分光反射強度が設定許容範囲内かを判断する設定範囲内判断部22と該設定範囲内判断部で得られた判断データに基づき被検査対象1のパターン形状を検査する形状検査処理部23とで構成される形状検査手段と全体制御部31とで実施される。
【0024】
まず、全体制御部31はθステージ2及びXステージ3を制御し被検査対象1上の走査を開始する(Step1)。その後、設定範囲内判断部22は所定の間隔(時間または距離)毎にD/A変換された分光器11の出力を取り込む(Step2)。分光器11のリニア検出器42はチャネル幅20nmのチャンネルchを16個有し、200nmから500nmの範囲をカバーしている。図6は各チャネルchの信号波形を示す。図6における縦軸は分光データである分光反射強度を、横軸はθステージ2(図1参照)の回転方向に相当する時間を示している。縦軸における+SLは正常と見做される上限スライスレベルを、−SLは同じく下限スライスレベルを示している。
【0025】
次に、設定範囲内判断部22は、検査位置でチャネルch毎に検出した分光データが設定許容範囲内、即ち±のスライスレベル内にあるかを判断する(Step3)。検査に用いるチャンネルchは、16チャンネル全てを必ずしも用いる必要がなく、予め異常を把握し易いチャネル或いは等間隔に選んだ複数のチャネルを選んで判定してもよい。図7は整形良品の分光データ波形Rdと被検査対象の分光データ波形Rbを示し、本実施形態では3つおきのチャンネルch2、5、8,11及び14を選んで検査している。
【0026】
形状検査処理部23は、検査チャネルのうち一つでも許容範囲外のチャンネルがあれば、欠陥と判断しStep4に行き、総ての検査チャネルが許容範囲内であればStep6に行く。
【0027】
Step4では、形状検査処理部23は、図7に示す整形良品の分光データと被検査対象の分光データとに基づいて、式(1)に示す整形不具合度Eを、式(2)に示すその正負符号Fを評価する。
E=Σn│Rdch(n)−Rbch(n)│)/N (1)
ここで、Rdch(n):整形良品のチャンネルnの分光データ
Rbch(n):被検査対象のチャンネルnの分光データ
N:検査用いたチャンネル数
F=+ : Σ(Rdch(n)−Rbch(n)) >0 (2)
− : Σ(Rdch(n)−Rbch(n)) <0
整形不具合度Eの符号が+ということは、0次光の強度が整形良品と比べて高いということであり、このことは図4に示すLandの高さ15h(深さ12h)が整形良品と比べて高い形状(深い形状)であることを示す。逆に符号がマイナスということはLandの高さ15h(深さ12h)が低い形状(浅い形状)であることを示す。従って、符号を示すことで被検査対象の整形不具合度がどちらの方向に不具合なのかを知ることができる。
【0028】
次に、整形不具合度、整形不具合度の正負符号、総ての検査チャネルの分光データ(欠陥分光データ)及び検査位置を記憶し(Step5)、Step6に行く。検査位置はθステージ2及びXステージ3の位置から定めることができる。
【0029】
Step6では、全体制御部31がディスク上の全ての位置を走査したことを判断する。
全ての位置を走査した後に、形状検査処理部23は欠陥分光データがあるかを判断する(Step7)。欠陥分光データなければ、良品ディスクと判定し次の処理位置に搬送する(Step8)。欠陥分光データがあればStep9へ行く。
【0030】
Step9では、形状検査処理部23は、欠陥分光データの検査位置から隣接欠陥分光データを結合させ、線状、面状或は点状などの欠陥種類を判定し、欠陥種類を構成する欠陥分光データの整形不具合度の正負符号に基づいて欠陥種類の符号を判定する。この場合、全欠陥データの全チャネル欠陥データを用いて式(1)、式(2)と同様に欠陥種類としての整形不具合度、整形不具合度の正負符号を求めてもよい。
【0031】
次に、欠陥種類の整形不具合度、整形不具合度の正負符号、欠陥種類、欠陥の個数、サイズに基づいて欠陥ランクを判定し、欠陥ランクに応じてディスクを処理する(Step10)。例えば、一番下の欠陥ランク0であれば、許容範囲内と考えて次の処理位置に搬送する。また、欠陥ランクが1上であれば不良品と判定し製造ラインから排出する。
【0032】
最後に、欠陥分光データ、欠陥種類、欠陥の個数、サイズをデータベース33に記憶し、入出力端末32に判定結果を表示する(Step11)。図8はその一例を模式的に示した図である。図8において欠陥を指定した場合に、例えば、その欠陥の種類、サイズ、出力レベルを入出力端末32に表示する。それらのデータは、データベース33に記憶されるときに、欠陥指定時に予め表示すべきデータリストとして作成されている。
【0033】
以上に説明した実施形態によれば、検査位置毎に、全チャンネルに亘って分光データ波形を計算することなく、単に各チャネルにスライスレベルを設けることで、ディスクの整形不良を検出できる。
【0034】
また、以上に説明した実施形態によれば、整形不良を検出したときだけ、必要なチャネルよる整形不具合度Eを求めるので、ディスクなどの被検査対象を高速で検査できる。
【0035】
なお、以上に説明した実施形態では、設定範囲内判断部22をソフトウエアで構成したが、図6に示す上限スライスレベル+SL及び下限スライスレベル−SLを比較レベルとして有する比較器を各チャネルに設け、各チャネルの比較器の出力をORで結ぶことで、欠陥が発生した時のみ各チャネルの出力を読み込めばよく、さらに高速で検査することができる。
【0036】
また、以上に説明した実施形態では、反射光を分光器で検出したが、受光器で検出し検出したデータを周波数分析し各チャネルの分光データを得てもよい。
【0037】
図9はパターンドメディアディスク製造ラインの一例であるDTM製造ラインのうちパターンニングに関係するパターンニング関連DTM製造装置100を示した図である。DTM製造ラインは、パターンニング関連DTM製造装置の上流にはガラス基板に磁性層を形成するディスクを製造する工程の装置やディスクの表面を洗浄する工程の装置が、パターンニング関連DTM製造装置の下流には潤滑膜を形成する装置がある。
【0038】
パターンニング関連DTM製造装置は、ディスク表面にレジストをスピンコートするレジスト塗布装置51、サーボ情報やデータトラックなどのパターンが形成されたスタンパを用いてレジスト塗布面にパターンをインプリントするスタンピング装置52、スタンピング状態で露光する露光装置53、レジストパターンをマスクとしてドライエッチングしディスク表面に溝を形成するエッチング装置54、該溝に非磁性層を埋め込む非磁性層形成装置55、ディスク表面に保護膜を形成する保護膜形成装置56及びディスクのパターン形状を検査するパターン形状検査装置60を有する。
【0039】
パターン形状検査装置60は、スタンパでインプリントした直後及び非磁性膜を形成した後に、一定の割合でサンプリングしパターン形状の良否を検査できるように、それぞれスタンピング装置52及び非磁性層形成装置55の下流に設けている。検査した結果、不良品と判断した場合スはタンピング装置52或いは保護膜形成装置には戻さず廃棄し、良品と判断した場合はスタンピング装置或いは保護膜形成装置に戻す。また、不良品の頻度が高くなれば作業員にその旨をモニタ等に表示し、場合によってはDTM製造ラインを停止する。
【0040】
以上説明したDTM製造ラインの実施形態によれば、パターン形状の良否の検査が短時間で行われるのでDTM製造ラインのタットを向上できる。
【0041】
以上実施形態では検査対象としてパターンドメディアで説明したが、課題の欄で触れたようにスタンパ20の凹凸を、さらに該スタンパを形成するスタンパの型を検査対象としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1:被検査対象(DTMディスク等) 2:θステージ
3:Xステージ 4:広帯域光源
11:分光器 12:ディスク基板
12h、22h:Land高さ(深さ) 12w、22w:Land幅
14:トラックパターン 15:レジスト
16:ビットパターン 17:非磁性膜
18:保護膜 20…スタンパ
21:偏光制御部 22:設定範囲内判断部
23:形状検査処理部 31:全体制御部
32:入出力端末 33:データベース
42:リニア光検出器 51:レジスト塗布装置
52:スタンピング装置 53:露光装置
54:エッチング装置 55:非磁性層形成装置
56:保護膜形成装置 60:パターン形状検査装置
100:パターンニング関連DTM製造装置 E:整形不具合度
F:整形不具合度の正負符号 Rb:被検査対象の分光データ波形
Rd:整形良品の分光データ波形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンが形成された被検査対象を載置して回転させながら半径方向に移動させる移動機構と、該移動機構により回転させながら半径方向に移動する前記被検査対象に対して遠紫外光を含む広帯域の照明光を斜め方向から照射する照射光学系と、該照射光学系で照射された被検査対象から発生する0次反射光を検出する検出光学系と、前記検出された0次反射光を一定の波長幅を有するチャンネル単位のチャンネル分光データを得る分光手段と、該チャンネル分光データが設定許容範囲内に存在するか判断する設定範囲内判断手段と、該設定範囲内判断手段の結果を基に前記被検査対象に形成されたパターン形状を検査する形状検査手段と、を備えたことを特徴とするパターン形状検査装置。
【請求項2】
前記形状検査手段は予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データと被検査対象の前記チャンネル分光データとの差に基づいて整形不具合度を評価することを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項3】
前記形状検査手段は前記差の符号を求めることを特徴とする請求項2に記載のパターン形状検査装置。
【請求項4】
前記設定範囲内判断手段は前記設定許容範囲外の前記チャンネル分光データが存在する前記チャンネル分光データ群を欠陥分光データとして記憶し、形状検査手段は前記欠陥分光データの検査位置から隣接の欠陥分光データを結合させ、線状、面状或は点状の欠陥として欠陥種類を判定することを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項5】
前記形状検査手段は前記欠陥種類を構成する前記欠陥分光データと前記欠陥分光データに対応する予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データ群との差の符号を求めることを特徴とする請求項4に記載のパターン形状検査装置。
【請求項6】
前記分光手段は前記反射光を前記チャンネル単位に検出する分光器であって、前記検出光学系は前記分光器を有することを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項7】
前記設定範囲内判断手段は設定範囲の上限及び下限のスライスレベルを設定値とする比較器を有することを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項8】
前記分光手段は前記検出光学系の出力を周波数分析する手段であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項9】
前記被検査対象がディスクリートトラックメディア又はビットパターンドメディアであることを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項10】
前記被検査対象がディスクリートトラックメディア或いはビットパターンドメディアの型であるスタンパ又は該スタンパの型であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形状検査装置。
【請求項11】
パターンが形成された被検査対象を載置して回転させながら半径方向に移動させ、前記被検査対象に対して遠紫外光を含む広帯域の照明光を斜め方向から照射し、該照射光学系で照射された被検査対象から発生する0次反射光を検出し、前記検出された0次反射光を一定の波長幅を有するチャンネル分光データを得、該チャンネル分光データが設定許容範囲内に存在するか判断し、前記判断結果を基に前記被検査対象に形成されたパターン形状を検査することを特徴とするパターン形状検査方法。
【請求項12】
前記形状検査は予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データと被検査対象の前記チャンネル分光データとの差に基づいて整形不具合度を評価することを特徴とする請求項11に記載のパターン形状検査方法。
【請求項13】
前記形状検査は前記差の符号を求めることを特徴とする請求項12に記載のパターン形状検査方法。
【請求項14】
前記判断は前記設定許容範囲外の前記チャンネル分光データが存在する前記チャンネル分光データ群を欠陥分光データとして記憶し、前記形状検査は前記欠陥分光データの検査位置から隣接する欠陥分光データを結合させ、線状、面状或は点状の欠陥として欠陥種類を判定することを特徴とする請求項11に記載のパターン形状検査方法。
【請求項15】
前記形状検査は前記欠陥種類を構成する前記欠陥分光データと前記欠陥分光データに対応する予め得られた整形良品の前記チャンネル分光データ群との差の符号を求めることを特徴とする請求項14に記載のパターン形状検査方法。
【請求項16】
磁性層を有するディスクにレジストを塗布し、サーボ情報やデータトラックなどのパターンが形成されたスタンパを用いてレジスト塗布面にパターンを転写し、転写されたレジストパターンをマスクとしてドライエッチングしてパターンドメディアディスクを製造するパターンドメディアディスク製造ラインにおいて、
前記転写したパターンの形状を検査する請求項1乃至10のいずれかに記載のパターン形状検査装置を設けたことを特徴とするパターンドメディアディスク製造ライン。
【請求項17】
磁性層を有するディスクにレジストを塗布し、サーボ情報やデータトラックなどのパターンが形成されたスタンパを用いてレジスト塗布面にパターンを転写し、転写されたレジストパターンをマスクとしてドライエッチングして該磁性層にパターンを形成し、該パターンの凹に非磁性膜を埋め込みパターンドメディアディスクを製造するパターンドメディアディスク製造ラインにおいて、
非磁性層形成前あるいは非磁性層形成後における前記パターン形状を検査する請求項1乃至10のいずれかに記載のパターン形状検査装置を設けたことを特徴とするパターンドメディアディスク製造ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−237255(P2011−237255A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108345(P2010−108345)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】