説明

パターン生成方法、パターン形成方法およびパターン生成プログラム

【課題】EUV露光におけるフレアを低減する。
【解決手段】EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を評価するステップと、フレア量の評価結果に基づいてマスクにダミーマスクパターンを付与するステップと、ダミーマスクパターンが付与されたマスクを介してEUV露光されたレイアウトパターンについてのフレア補正および近接効果補正を行うステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はパターン生成方法、パターン形成方法およびパターン生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パターン生成装置の微細化や高集積化に対応するために、EUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外光)光源を用いたリソグラフィー技術が開発されている。EUV光源を用いたリソグラフィーでは、光源波長がArFと比べて短いため、露光装置の縮小光学系における散乱が大きくなる。この散乱光(フレア)は、マスクパターンの開口している部分から光が漏れ、基板上に形成されるレジストパターンの寸法を変動させることがある。このフレアの影響を低減し、光近接効果を精密に評価できるようにするために、評価パターンの周辺にダミーパターンを配置し、フレア光強度を等しくする手法が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−23549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの実施形態の目的は、EUV露光におけるフレアを低減することが可能なパターン生成方法、パターン形成方法およびパターン生成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のパターン生成方法によれば、EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を評価し、前記フレア量の評価結果に基づいて前記マスクにダミーマスクパターンを付与し、前記ダミーマスクパターンが付与されたマスクを介してEUV露光されたレイアウトパターンについてのフレア補正および近接効果補正を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、第1実施形態に係るパターン生成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1のパターン評価装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第2実施形態に係る露光マスクが適用されるEUV露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、第3実施形態に係るパターン生成方法を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)は、第4実施形態に係るEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLのレイアウト例を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLの一部を拡大して示す平面図、図5(c)は、図5(b)の光露光レイアウトパターンPLの代わりにダミーレイアウトパターンPDを配置した場合を拡大して示す平面図である。
【図6】図6は、第5実施形態に係るパターン形成方法の一例を示す断面図である。
【図7】図7は、第6実施形態に係るパターン生成方法を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、第7実施形態に係るEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLのレイアウト例を示す平面図、図8(b)は、図8(a)のEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLの一部を拡大して示す平面図、図8(c)は、図8(b)の光露光レイアウトパターンPLの代わりにダミーレイアウトパターンPDを配置した場合を拡大して示す平面図である。
【図9】図9は、第8実施形態に係るパターン形成方法の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係るパターン生成方法およびパターン形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るパターン生成装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、パターン生成装置には、パターン評価装置1、CADシステム2、OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)処理装置3およびマスクデータ作成装置4が設けられている。パターン評価装置1には、フレア評価部1aおよびマージン評価部1bが設けられている。
【0009】
ここで、CADシステム2は、半導体集積回路の各レイヤのレイアウトパターンに対応する設計レイアウトデータを作成することができる。なお、設計レイアウトデータとしては、例えば、各レイヤのレイアウトパターンの寸法や配置位置を挙げることができる。また、設計レイアウトデータのデータ形式としては、例えば、テキスト座標データ、GDSデータ、オアシスデータ、HSSデータあるいはイメージデータ(Tiff、Bit Map、Jpeg)などを用いることができる。
【0010】
また、OPC処理装置3は、CADシステム2にて作成された設計レイアウトデータで特定されるレイアウトパターンに対して光近接効果補正処理を施すことができる。マスクデータ作成装置4は、光近接効果補正処理が施された設計レイアウトデータに対応したマスクデータを作成することができる。
【0011】
パターン評価装置1は、CADシステム2にて作成されたレイアウトパターンおよびOPC処理装置3にて光近接効果補正処理が施されたレイアウトパターンについて、フレア量およびリソグラフィマージンを評価することができる。ここで、パターン評価装置1には、フレア評価部1aおよびマージン評価部1bが設けられている。フレア評価部1aは、EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を評価することができる。この時、マスクには、マスクを介して発生するフレア量を均一化するためにダミーマスクパターンをマスクに付加することができる。また、フレア評価部1aは、フレア補正および光近接効果補正処理が施されたレイアウトパターンのフレア量を評価することができる。なお、このフレア補正は、EUV露光時にマスクを介して発生するフレアに起因するレジストパターンの寸法変動を補償することができる。マージン評価部1bは、フレア補正および光近接効果補正処理が施されたレイアウトパターンのリソグラフィマージンを評価することができる。
【0012】
そして、CADシステム2では、半導体集積回路の各レイヤのレイアウトパターンに対応する設計レイアウトデータが作成され、OPC処理装置3に送られる。なお、CADシステム2では、EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を均一化するために、半導体集積回路のレイアウトパターンに対応するマスクパターンに対してダミーマスクパターンを付加することができる。そして、OPC処理装置3において、CADシステム2にて作成された設計レイアウトデータから得られるレイアウトパターンに光近接効果補正が行われ、マスクデータ作成装置4に送られる。なお、OPC処理装置3において光近接効果補正を行わせる場合、露光量やフォーカス位置などの露光条件をベスト条件に固定してフォトリソグラフィを行った時に、設計レイアウトデータから得られるレイアウトパターンとの間の寸法差が最も小さくなるように、設計レイアウトデータの補正を行うことができる。
【0013】
そして、CADシステム2にて設計レイアウトデータが作成されると、フレア評価部1aにおいて、ダミーマスクパターンが付加されたマスクを介して基板上に照射されるフレア量が評価される。そして、そのフレア量が所定範囲を超えるショット領域が抽出され、そのフレア量が所定範囲に収まるようにマスクに付加されるダミーマスクパターンの追加、修正または削除が行われる。
【0014】
そして、ダミーマスクパターンが付加されたマスクを介して基板上に照射されるフレア量が所定範囲に収まると、OPC処理装置3にてレイアウトパターンの光近接効果補正が行われるとともに、CADシステム2にてフレア補正が行なわれる。そして、マージン評価部1bにおいて、その光近接効果補正およびフレア補正が行なわれたレイアウトパターンのリソグラフィマージンが評価される。そして、そのレイアウトパターンが、所定のリソグラフィマージンを満たさない場合、リソグラフィマージンを満たすように光近接効果補正およびフレア補正が繰り返される。
【0015】
図2は、図1のパターン評価装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2において、パターン評価装置1には、CPUなどを含むプロセッサ11、固定的なデータを記憶するROM12、プロセッサ11に対してワークエリアなどを提供するRAM13、人間とコンピュータとの間の仲介を行うヒューマンインターフェース14、外部との通信手段を提供する通信インターフェース15、プロセッサ11を動作させるためのプログラムや各種データを記憶する外部記憶装置16を設けることができ、プロセッサ11、ROM12、RAM13、ヒューマンインターフェース14、通信インターフェース15および外部記憶装置16は、バス17を介して接続されている。
【0016】
なお、外部記憶装置16としては、例えば、ハードディスクなどの磁気ディスク、DVDなどの光ディスク、USBメモリやメモリカードなどの可搬性半導体記憶装置などを用いることができる。また、ヒューマンインターフェース14としては、例えば、入力インターフェースとしてキーボードやマウスやタッチパネル、出力インターフェースとしてディスプレイやプリンタなどを用いることができる。また、通信インターフェース15としては、例えば、インターネットやLANなどに接続するためのLANカードやモデムやルータなどを用いることができる。
【0017】
ここで、外部記憶装置16には、CADシステム2にて作成されたレイアウトパターンおよびOPC処理装置3にて光近接効果補正処理が施されたレイアウトパターンについて、フレア量およびリソグラフィマージンを評価するパターン評価プログラム16aがインストールされている。
【0018】
そして、パターン評価プログラム16aがプロセッサ11にて実行されると、CADシステム2にて作成されたレイアウトパターンおよびOPC処理装置3にて光近接効果補正処理が施されたレイアウトパターンについて、フレア量およびリソグラフィマージンが評価され、CADシステム2およびOPC処理装置3に送られる。
【0019】
なお、プロセッサ11に実行させるパターン評価プログラム16aは、外部記憶装置16に格納しておき、プログラムの実行時にRAM13に読み込むようにしてもよいし、パターン評価プログラム16aをROM12に予め格納しておくようにしてもよいし、通信インターフェース15を介してパターン評価プログラム16aを取得するようにしてもよい。また、パターン評価プログラム16aは、スタンドアロンコンピュータに実行させてもよいし、クラウドコンピュータに実行させてもよい。
【0020】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る露光マスクが適用されるEUV露光装置の概略構成を示す斜視図である。
図3において、EUV露光装置には、EUV光を発生するEUV光源21、EUV光源21から出射されたEUV光を露光マスクMに導く照明光学系22、露光マスクMから反射されたEUV光をウェハW上に投影する投影光学系23、ウェハWが載置されるウェハステージ24およびウェハW上に投影されるレイアウトパターンに対応したマスクパターンが形成された露光マスクMが設けられている。ここで、露光マスクMには、露光マスクMを介してウェハW上に照射されるフレア量が均一化されるようにダミーマスクパターンを付与することができる。
【0021】
なお、EUV光は、例えば、波長が13nm〜14nm程度に設定することができる。露光マスクMは、EUV光を反射させるミラー板を用いることができ、このミラー板に吸光パターンを設けることでマスクパターンが形成される。なお、ミラー板としては、例えば、Mo/Si多層膜にて構成された多層反射膜を用いることができる。また、吸光パターンは、Ta系材料を用いることができる。
【0022】
ここで、ダミーマスクパターンを露光マスクMに付加した場合、このダミーマスクパターンに対応したダミーレイアウトパターンがウェハW上に形成される。この時、このダミーレイアウトパターンをウェハW上から除去することにより、ダミーマスクパターンのレイアウトの自由度を確保することができる。このため、ウェハW上に照射されるフレア量のばらつきを低減することができ、ウェハW上に形成されるレイアウトパターンの寸法のばらつきを低減することができる。
【0023】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態に係るパターン生成方法を示すフローチャートである。なお、第3実施形態では、ダミーマスクパターンに対応したダミーレイアウトパターンがウェハW上に形成された場合、スリミング処理にてダミーレイアウトパターンをウェハW上から除去することを想定した。
【0024】
図4において、本体マスクパターンのレイアウトを露光マスク上で行った後(S1)、本体マスクパターンのバイアス処理を施す(S2)。本体マスクパターンは、ウェハW上に形成される半導体集積回路のレイアウトパターンに対応する。また、バイアス処理は、ダミーマスクパターンに対応して形成されたダミーレイアウトパターンをスリミングにて消滅させる分の線幅に応じて本体マスクパターンの線幅を太くすることができる。
【0025】
次に、ダミーマスクパターンを露光マスクに付加した後(S3)、露光マスクを介して基板上に照射されるフレア量を計算する(S4)。そして、そのフレア量がフレア量ばらつき上下限スペックSPを満たすかどうかを判断し(S5)、フレア量ばらつき上下限スペックSPを満たさない場合は、フレア量ばらつき上下限スペックSPを満たすまでダミーマスクパターンの追加、修正または削除を繰り返す。
【0026】
次に、フレア量がフレア量ばらつき上下限スペックSPを満たした場合、本体マスクパターンの光近接効果補正およびフレア補正を行う(S6)。そして、光近接効果補正およびフレア補正が行われた本体マスクパターンについてリソグラフィシミュレーションにてリソコンプライアンスチェックを行うことによりリソグラフィマージンを評価する(S7)。そして、その本体マスクパターンがリソグラフィマージンを満たさない場合は、ステップS1に戻り、その本体マスクパターンがリソグラフィマージンを満たすまで以上の処理を繰り返す。
【0027】
(第4実施形態)
図5(a)は、第4実施形態に係るEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLのレイアウト例を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLの一部を拡大して示す平面図、図5(c)は、図5(b)の光露光レイアウトパターンPLの代わりにダミーレイアウトパターンPDを配置した場合を拡大して示す平面図である。
【0028】
図5(a)および図5(b)において、ウェハW上には、EUV露光後にEUV露光レイアウトパターンPEが形成されるとともに、光露光後に光露光レイアウトパターンPLが形成される。なお、EUV露光レイアウトパターンPEは、例えば、ライン&スペースにて構成することができる。また、光露光は、EUV露光よりも波長の長い光を用いることができ、例えば、エキシマレーザ光を用いるようにしてもよいし、可視光を用いるようにしてもよい。
【0029】
また、図5(c)において、光露光レイアウトパターンPLがウェハW上に形成される前は、その領域にダミーレイアウトパターンPDを形成することができる。なお、EUV露光時に、EUV露光レイアウトパターンPEとともにダミーレイアウトパターンPDをウェハW上に形成することにより、ウェハW上に照射されるフレア量のばらつきを低減することができる。
【0030】
また、EUV露光後にダミーレイアウトパターンPDをウェハW上から除去することにより、その領域に光露光レイアウトパターンPLを配置することができる。このため、光露光レイアウトパターンPLを避けるようにしてダミーレイアウトパターンPDを配置する必要がなくなり、ダミーレイアウトパターンPDの配置の自由度を向上させることが可能となることから、ウェハW上に照射されるフレア量を均一化することができる。
【0031】
(第5実施形態)
図6は、第5実施形態に係るパターン形成方法の一例を示す断面図である。なお、図6の例では、図5(c)のA−A線で切断した。
図6(a)において、露光マスクMには、マスクパターンMEおよびダミーマスクパターンMDが形成されている。なお、露光マスクMの母材はミラー板を用いることができ、マスクパターンMEおよびダミーマスクパターンMDは吸光材にて構成することができる。
【0032】
そして、図6(b)に示すように、露光マスクMを介してEUVリソグラフィを行うことにより、マスクパターンMEおよびダミーマスクパターンMDにそれぞれ対応したEUV露光レイアウトパターンPEおよびダミーレイアウトパターンPDを下地層B上に形成する。なお、下地層Bは、半導体基板であってもよいし、半導体基板上に形成された絶縁層であってもよいし、絶縁層上に形成された導電層であってもよい。例えば、下地層Bは、NANDフラッシュメモリのワード線などに用いられる多結晶シリコン膜であってもよいし、トレンチが形成される半導体基板であってもよい。また、EUV露光レイアウトパターンPEおよびダミーレイアウトパターンPDの材料は、レジスト材を用いるようにしてもよいし、BSG膜やシリコン窒化膜などのハードマスク材を用いるようにしてもよい。
【0033】
なお、ダミーレイアウトパターンPDの線幅はスリミング処理にて消滅できるように設定することができる。EUV露光レイアウトパターンPEは、ダミーレイアウトパターンPDをスリミング処理にて消滅させる分だけ線幅を太くすることができる。
【0034】
次に、図6(c)に示すように、スリミング処理にてダミーレイアウトパターンPDを下地層B上から消滅させるとともに、EUV露光レイアウトパターンPEを細線化する。なお、このスリミング処理では、プラズマエッチングなどの等方性エッチングを用いることができる。
【0035】
次に、図6(d)に示すように、例えば、CVDなどの方法により、EUV露光レイアウトパターンPE全体が覆われるように側壁材を下地層B上に堆積する。そして、側壁材の異方性エッチングを行うことにより、EUV露光レイアウトパターンPEの側壁に側壁パターンPSを形成する。
【0036】
次に、図6(e)に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、側壁パターンPSを下地層B上に残したままEUV露光レイアウトパターンPEを下地層B上から除去する。
【0037】
次に、図6(f)に示すように、光リソグラフィを行うことにより、ダミーレイアウトパターンPDが除去された領域に光露光レイアウトパターンPLを形成する。
【0038】
次に、図6(g)に示すように、側壁パターンPSおよび光露光レイアウトパターンPLを介して下地層Bをエッチングすることにより、側壁パターンPSおよび光露光レイアウトパターンPLを下地層Bに転写する。なお、例えば、NANDフラッシュメモリでは、側壁パターンPSは、ワード線の形成に使用することができ、光露光レイアウトパターンPLは、ワード線からの引き出し線の形成に使用することができる。
【0039】
ここで、EUV露光後にダミーレイアウトパターンPDを下地層B上から除去することにより、光露光レイアウトパターンPLを避けるようにしてダミーレイアウトパターンPDを配置する必要がなくなる。このため、ダミーレイアウトパターンPDの配置の自由度を向上させることが可能となり、EUV露光時に露光マスクMを介して下地層B上に照射されるフレア量を均一化することができる。
【0040】
(第6実施形態)
図7は、第6実施形態に係るパターン生成方法を示すフローチャートである。なお、第3実施形態では、ダミーマスクパターンに対応したダミーレイアウトパターンがウェハW上に形成された場合、エッチング処理にてダミーレイアウトパターンをウェハW上から除去することを想定した。
【0041】
図7において、本体マスクパターンのレイアウトを露光マスク上で行う(S11)。次に、ダミーマスクパターンを露光マスクに付加した後(S12)、露光マスクを介して基板上に照射されるフレア量を計算する(S13)。そして、そのフレア量がフレア量ばらつき上下限スペックSPを満たすかどうかを判断し(S14)、フレア量ばらつき上下限スペックSPを満たさない場合は、フレア量ばらつき上下限スペックSPを満たすまでダミーマスクパターンの追加、修正または削除を繰り返す。
【0042】
次に、フレア量がフレア量ばらつき上下限スペックSPを満たした場合、本体マスクパターンの光近接効果補正およびフレア補正を行う(S15)。そして、光近接効果補正およびフレア補正が行われた本体マスクパターンについてリソグラフィシミュレーションにてリソコンプライアンスチェックを行うことによりリソグラフィマージンを評価する(S16)。そして、その本体マスクパターンがリソグラフィマージンを満たさない場合は、ステップS11に戻り、その本体マスクパターンがリソグラフィマージンを満たすまで以上の処理を繰り返す。
【0043】
(第7実施形態)
図8(a)は、第7実施形態に係るEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLのレイアウト例を示す平面図、図8(b)は、図8(a)のEUV露光レイアウトパターンPEおよび光露光レイアウトパターンPLの一部を拡大して示す平面図、図8(c)は、図8(b)の光露光レイアウトパターンPLの代わりにダミーレイアウトパターンPDを配置した場合を拡大して示す平面図である。
【0044】
図8(a)および図8(b)において、ウェハW上には、EUV露光後にEUV露光レイアウトパターンPEが形成されるとともに、光露光後に光露光レイアウトパターンPLが形成される。
【0045】
また、図8(c)において、光露光レイアウトパターンPLがウェハW上に形成される前は、その領域にダミーレイアウトパターンPDを形成することができる。ここで、EUV露光後にダミーレイアウトパターンPDをウェハW上から除去するために、EUV露光レイアウトパターンPEを覆うとともに、ダミーレイアウトパターンPDを露出させるレジストパターンRがウェハW上に形成される。そして、レジストパターンRを介してダミーレイアウトパターンPDをエッチングすることにより、ダミーレイアウトパターンPDをウェハW上から除去することができる。
【0046】
(第8実施形態)
図9は、第8実施形態に係るパターン形成方法の一例を示す断面図である。なお、図9の例では、図8(c)のA−A線で切断した。
図9(a)において、露光マスクMには、マスクパターンMEおよびダミーマスクパターンMDが形成されている。そして、図9(b)に示すように、露光マスクMを介してEUVリソグラフィを行うことにより、マスクパターンMEおよびダミーマスクパターンMDにそれぞれ対応したEUV露光レイアウトパターンPEおよびダミーレイアウトパターンPDを下地層B上に形成する。
【0047】
次に、図9(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術にてEUV露光レイアウトパターンPEを覆うとともに、ダミーレイアウトパターンPDを露出させるレジストパターンRを下地層B上に形成する。
【0048】
次に、図9(d)に示すように、レジストパターンRを介してダミーレイアウトパターンPDをエッチングすることにより、ダミーレイアウトパターンPDを下地層B上から除去する。
【0049】
次に、図9(e)に示すように、例えば、CVDなどの方法により、EUV露光レイアウトパターンPE全体が覆われるように側壁材を下地層B上に堆積する。そして、側壁材の異方性エッチングを行うことにより、EUV露光レイアウトパターンPEの側壁に側壁パターンPSを形成する。
【0050】
次に、図9(f)に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、側壁パターンPSを下地層B上に残したままEUV露光レイアウトパターンPEを下地層B上から除去する。
【0051】
次に、図9(g)に示すように、光リソグラフィを行うことにより、ダミーレイアウトパターンPDが除去された領域に光露光レイアウトパターンPLを形成する。
【0052】
次に、図9(h)に示すように、側壁パターンPSおよび光露光レイアウトパターンPLを介して下地層Bをエッチングすることにより、側壁パターンPSおよび光露光レイアウトパターンPLを下地層Bに転写する。なお、例えば、NANDフラッシュメモリでは、側壁パターンPSは、ワード線の形成に使用することができ、光露光レイアウトパターンPLは、ワード線からの引き出し線の形成に使用することができる。
【0053】
ここで、EUV露光後にダミーレイアウトパターンPDを下地層B上から除去することにより、光露光レイアウトパターンPLを避けるようにしてダミーレイアウトパターンPDを配置する必要がなくなる。このため、ダミーレイアウトパターンPDの配置の自由度を向上させることが可能となり、EUV露光時に露光マスクMを介して下地層B上に照射されるフレア量を均一化することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 パターン評価装置、1a フレア評価部、1b マージン評価部、2 CADシステム、3 OPC処理装置、4 マスクデータ作成装置、21 EUV光源、22 照明光学系、23 投影光学系、24 ウェハステージ、M 露光マスク、W ウェハ、PE EUV露光レイアウトパターン、PL 光露光レイアウトパターン、PD ダミーレイアウトパターン、PS 側壁パターン、B 下地層、R レジストパターン、ME マスクパターン、MD ダミーマスクパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を評価するステップと、
前記フレア量の評価結果に基づいて前記マスクにダミーマスクパターンを付与するステップと、
前記ダミーマスクパターンが付与されたマスクを介してEUV露光されたレイアウトパターンについてのフレア補正および近接効果補正を行うステップとを備えることを特徴とするパターン生成方法。
【請求項2】
前記ダミーマスクパターンに対応して形成されたダミーレイアウトパターンをスリミングにて消滅させる分の線幅に応じたバイアス処理をマスクパターンに施すステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン生成方法。
【請求項3】
EUV露光に基づいて、EUV露光レイアウトパターンおよびダミーレイアウトパターンをウェハ上に形成する工程と、
スリミングにて前記EUV露光レイアウトパターンを細線化するとともに、前記ダミーレイアウトパターンを消滅させる工程とを備えることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】
EUV露光に基づいて、EUV露光レイアウトパターンおよびダミーレイアウトパターンをウェハ上に形成する工程と、
前記EUV露光レイアウトパターンを覆うとともに、前記ダミーレイアウトパターンを露出させるレジストパターンを前記ウェハ上に形成する工程と、
前記レジストパターンを介して前記ダミーレイアウトパターンを除去する工程とを備えることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
前記EUV露光レイアウトパターンの側壁に配置された側壁パターンを前記ウェハ上に形成する工程と、
前記側壁パターンを前記ウェハ上に残したまま前記EUV露光レイアウトパターンを除去する工程とをさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記ダミーレイアウトパターンが除去された領域に光露光レイアウトパターンを形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
EUV露光時にマスクを介して発生するフレア量を評価するステップと、
前記フレア量の評価結果に基づいてダミーマスクパターンが付与されたマスクを介してEUV露光されたレイアウトパターンについてのフレア補正および近接効果補正を行うステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするパターン生成プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−62433(P2013−62433A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200891(P2011−200891)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】