説明

パチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システム

【課題】各システムを接続した通信回線が故障した場合に、パチンコ玉貸・計数装置で遊技者の持ち玉を払い出すことが出来ないという問題を解決したパチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システムを提供する。
【解決手段】遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸出す台間玉貸部Sと、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部Rと、前記台間玉貸部Sと前記玉計数部Rとで相互に通信可能な通信手段70と、を備え、前記台間玉貸部Sの払出指示信号と払出し数とを前記通信手段70により前記玉計数部Rに送信し、受信した前記玉計数部Rは、持ち玉数を読み出し、演算して、払出可の情報を前記台間玉貸部Sに送信し、前記台間玉貸部Sは当該払出し数を払出すパチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システムに関し、より詳しくは接続される上位の装置間で通信障害が発生した場合にも遊技客の遊技に支障のないパチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコホールにおいて、遊技客は、ホールまたは島毎に設置された玉貸機からパチンコ玉の貸出しを受けていた。また、遊技客が獲得したパチンコ玉は、パチンコゲーム機の位置で玉箱に貯留しておき、そのパチンコゲーム機におけるパチンコ遊技を終了すると貯留された玉箱を、ホール内の景品交換カウンタに設置された玉計数器まで持参し、従業員が集中して計数することが多かった。
【0003】
しかし、これでは獲得したパチンコ玉を比較的長い距離運搬する必要があった。特に多量の獲得パチンコ玉がある場合には遊技客にとって大きな負担となるおそれがあった。このような負担を軽減するために、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器をパチンコゲーム機に近接して設置する機器が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数器で計数し持ち玉として会員の持ち玉として会員カードや専用のICコインに記憶され、遊技者の操作に対応して払出すシステムが一般的に適用されている。払い出しに際しては、遊技店舗の運営上の制約から接続されている上位システムで各種の制約(例えば、遊技台の買単価に対応した持ち玉のみが払い出される)した運用がなされることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−149526号公報
【非特許文献1】遊技通信「スタッフを玉運びから解放しサービス向上に労力を傾注」株式会社遊技通信社、2007年8月25日、p.66−67
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの提案を提供したパチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システムにおいても、何らかの理由で各システムを接続した通信回線が故障した場合に、遊技店舗の運営上の制約から接続されている上位システムで各種の制約した運用がなされていた場合に、パチンコ玉貸・計数装置で遊技者の持ち玉を払出すことができないという問題があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決し接続される上位の装置間で通信障害が発生した場合にも遊技客の遊技に支障のないパチンコ玉貸・計数装置及びパチンコ玉管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸機(台間玉貸部)と遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器(玉計数部)とを通信可能にすることの有用性を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
(1) パチンコ玉管理システムに用いられるパチンコ玉貸・計数装置であって、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する計数部と、前記台間玉貸部と前記計数部とで相互に通信可能な通信手段と、を備え、前記台間玉貸部の払出指示信号と払出数とを前記通信手段により前記玉計数部に送信し、受信した前記玉計数部は、記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出し、払出数と比較し、払出数が持ち玉数以下である場合は、払出可の情報を前記台間玉貸部に送信し、前記台間玉貸部は当該払出数を払出すパチンコ玉貸・計数装置。
【0009】
(1)に記載のパチンコ玉貸・計数装置の発明は、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部と、台間玉貸部と玉計数部とで相互に通信可能な通信手段と、を備える。
【0010】
台間玉貸部の払出指示信号と払出数とを通信手段により玉計数部に送信する。受信した玉計数部は、記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出す。そして、払出数と比較し、払出数が持ち玉数以下である場合は、払出可の情報を台間玉貸部に送信する。受信した台間玉貸部は、当該払出数を払出す。
【0011】
このような構成にすることにより、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合に、パチンコ玉貸・計数装置で遊技者の持ち玉を払出すことができないという問題を解決することができる。
【0012】
(2) 前記玉計数部は、払出数が持ち玉数を超える場合は、当該持ち玉数を前記台間玉貸部に返信し、前記台間玉貸部は、受信した持ち玉数のパチンコ玉数を払出す(1)に記載のパチンコ玉貸・計数装置。
【0013】
(2)に記載のパチンコ玉貸・計数装置の発明は、玉計数部が、払出数が持ち玉数を超える場合は、当該持ち玉数を台間玉貸部に返信する。台間玉貸部は、受信した持ち玉数のパチンコ玉数を払出す。
【0014】
このような構成にすることにより、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合に、払出数が持ち玉数を超える場合にも、パチンコ玉貸・計数装置で遊技者の持ち玉を払出すことができないという問題を解決することができる。
【0015】
(3) パチンコ玉管理システムに用いられるパチンコ玉貸・計数装置であって、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部と、前記台間玉貸部と前記玉計数部とで相互に通信可能な通信手段と、オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段と、前記玉計数部には記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段と、前記台間玉貸部のオフライン返却ボタンが操作された信号を前記通信手段を経由して前記玉計数部に送信し、当該玉計数部の記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出して前記台間玉貸部に送信するとともに当該玉計数部の記憶手段に記憶されている持ち玉数をクリアし、前記台間玉貸部は受信した持ち玉数を表示部に表示するか、又は外部記録媒体に記録するオフライン返却手段と、を備えるパチンコ玉貸・計数装置。
【0016】
(3)に記載のパチンコ玉貸・計数装置の発明は、特にパチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合には、持ち玉は、上位システム側で持ち玉をコインや会員カードに対応付けて記憶されているため、遊技客が適切な処理をして帰れなくなってしまう。この問題を解決した発明である。ここで、オフライン返却とは、パチンコ玉貸・計数装置が上位システムとの通信に頼らないでパチンコ玉を返却することをいう。なお、上位システムと通信できる場合にパチンコ玉を返却してもよいし、通信できない場合に返却してもよい。
【0017】
(3)に記載のパチンコ玉貸・計数装置の発明も、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部と、前記台間玉貸部と前記玉計数部とで相互に通信可能な通信手段と、を備える。これに加えて、オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段と、前記玉計数部には記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段と、前記台間玉貸部のオフライン返却ボタンが操作された信号を前記通信手段により前記玉計数部に送信し、当該玉計数部の記憶手段に記憶されている持ち玉数をクリアするオフライン返却手段と、を備えるので、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合にも、オフライン返却手段を用いることにより、持ち玉を表示部に表示して店員がメモするか、又は外部記録媒体に記録することができ、遊技客は、適切な処理をして帰ることができる。
【0018】
ここで、オフライン返却手段は、持ち玉を表示部に表示することと外部記録媒体に記録することの両方の機能も持たせてもよい。また、表示された内容を印刷する手段を持たせることもできる。また、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合にも、オフライン返却手段を用いることにより、遊技客の交代が可能である。
【0019】
(4) 前記玉計数部の記憶手段には、払出応答情報をさらに記憶し、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムと通信可能になったことを検出し、当該払出応答情報を上位システムに送信する復旧手段と、をさらに備える(2)または(3)に記載のパチンコ玉貸・計数装置。
【0020】
(4)に記載の発明によるパチンコ玉貸・計数装置によれば、払出応答情報を上位システムに送信する復旧手段をさらに備える。その復旧手段により、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムと通信可能になったことを検出し、通信ができなかった際の払出応答情報を上位システムに送信する。
【0021】
(5) パチンコ玉管理システムであって、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸機と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器と、前記台間玉貸機と前記玉計数器とで相互に通信可能な通信手段と、を備え、前記台間玉貸機の払出指示信号と払出数とを前記通信手段により前記玉計数器に送信し、受信した前記玉計数器は、記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出し、払出数と比較し、払出数が持ち玉数以下である場合は、払出可の情報を前記台間玉貸機に送信し、前記台間玉貸機は当該払出数を払出すことを特徴とするパチンコ玉管理システム。
【0022】
(6) 前記玉計数器は、払出数が持ち玉数を超える場合は、当該持ち玉数を前記台間玉貸機に返信し、前記台間玉貸機は、受信した持ち玉数のパチンコ玉数を払出す(5)に記載のパチンコ玉管理システム。
【0023】
(7) パチンコ玉管理システムであって、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸機と、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器と、前記台間玉貸機と前記玉計数器とで相互に通信可能な通信手段と、オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段と、前記玉計数器には記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段と、前記台間玉貸機のオフライン返却ボタンが操作された信号を前記通信手段を経由して前記玉計数器に送信し、当該玉計数器の記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出して前記台間玉貸機に送信するとともに当該玉計数器の記憶手段に記憶されている持ち玉数をクリアし、前記台間玉貸機は受信した持ち玉数を表示部に表示するか、又は外部記録媒体に記録するオフライン返却手段と、を備えるパチンコ玉管理システム。
【0024】
(8) 前記玉計数器の記憶手段には、払出応答情報をさらに記憶し、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムと通信可能になったことを検出し、当該払出応答情報を上位システムに送信する復旧手段と、をさらに備える(6)または(7)に記載のパチンコ玉管理システム。
【0025】
(5)から(8)に記載の発明は、台間玉貸機と玉計数器が独立の装置となっている場合にも、適用できるものである。パチンコ玉台間玉貸機に使用される外部記録媒体は、磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ICコイン等各種の媒体が適用可能である。また、各種の装置が競って開発されている。また、パチンコ玉計数器についても、色々な用途に合わせた便利なものが開発されている。遊技店舗に最適な台間玉貸機と玉計数器とを選択してシステムを構成することが望ましい。このような場合に、(5)から(8)に記載の発明は、有効である。
【0026】
具体的には、選択した台間玉貸機と玉計数器とを通信回線で相互に接続し、上記(1)から(4)で説明した手段と同様なものを備えることにより実現することができる。作用効果については、上記で説明した内容と同様であるので説明を省略する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、何らかの理由で各システムを接続した通信回線が故障した場合に、パチンコ玉貸・計数装置又は本願発明のパチンコ玉管理システムで遊技者の持ち玉を払出すことができ、パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムが通信可能になった場合に、通信ができなかった場合に行われた特別処理の清算処理をすることもできる。また、オフライン返却手段を使用することにより、遊技者の持ち玉情報を表示部に表示するか、又は外部記憶媒体に記憶することができるので、何らかの理由で各システムを接続した通信回線が故障した場合にも遊技者は、適切な対応がされて、遊技店舗を出ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0029】
<第1の実施例>
図1は本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置の概略ブロック図であり、図2は、本発明に係るパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが上位システムに接続された場合のブロック図である。図3は、パチンコ遊技玉の遊技時の変遷を示す図である。図4と図5は、通常使用時の払出指示がされた場合の、持ち玉の処理を表すシーケンス図である。図6は、通信回線が故障時の各機能の状態を示す図である。図7と図8は、本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが、通信回線が故障した場合の処理を表すシーケンス図である。図9は、本発明の効果を示す図である。
【0030】
本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置1は、図1に示すように、パチンコ台遊技部Pの側方(通常は、隣接するパチンコ台遊技機の間)には台間玉貸部S(一般的に「サンド」等と呼ばれている)が設置されている。台間玉貸部Sの前面には、硬貨投入口、ICカード挿入口、パチンコ玉をパチンコ台遊技機の上皿P2に供給する貸出ノズルS1、各種表示ランプ、各種表示器、各種操作ボタン等が設けられている。上皿P2は、パチンコ台遊技機Pに供給するパチンコ玉を一時的に貯留する皿である。
【0031】
図1に示すように、台間玉貸部Sの下方には、パチンコ玉を計数する玉計数部Rが、台間玉貸部Sと一体的に設置されている。玉計数部Rの前面には、パチンコ玉貸・計数装置1における計数部連結部4が連結される玉受け部2が設けられている。
【0032】
第1実施例のパチンコ玉貸・計数装置1は、図1に示すように、パチンコ台遊技機Pの下皿P1とカウンタQの上面との間に配設される玉受け部2と、パチンコ台遊技機Pの側方に設置された玉計数部Rに連結される計数部連結部4と、下皿P1から落下して玉受け部2に受け取られたパチンコ玉を計数部連結部4に案内する玉案内部3と、パチンコ玉計数部Rには回収されるパチンコ玉を計数する玉計数ユニット(図示せず)とを備えている。
【0033】
下皿P1は、パチンコ台遊技機Pから排出された当たり玉(出玉)を一時的に貯留する皿である。下皿P1は、その底面にシャッター(図示せず)を備えており、該シャッターを開放することにより、下皿P1に貯留されているパチンコ玉を、下皿P1の下方に配設された玉受け部2に落下させることができるようになっている。
【0034】
また、台間玉貸部Sには、図1に示すように、紙幣挿入口10、会員カード挿入口12、表示部14、ICコイン投入口16、貯玉払出ボタン18、ICコイン返却口20が設けられている。
【0035】
パチンコ玉貸・計数装置1は、図2のブロック図に示すように、台間玉貸部Sは、島中継器350と通信回線Aで相互に接続されている。島中継器350は、遊技店舗の売り上げ管理を行う認証協会用サーバ300と通信回線Bで相互に接続されている。認証協会用サーバ300は施設管理システムのサーバ200と通信回線Cにより相互に接続されている。
【0036】
また、遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部Rと、玉計数部Rによる計数結果を通信回線Eを経由して受信し各遊技客の獲得した持ち玉を演算し、集計する持ち玉集中制御装置150と、持ち玉データと貯玉データを記憶し、記憶された持ち玉情報を認証協会用サーバ300に通信回線Dを経由して送信する施設管理システムのサーバ200とが接続されている。本願発明では、玉計数部Rと台間玉貸部Sとを通信手段70で接続されている。
【0037】
次にパチンコ遊技玉の遊技時の変遷を、図3に沿って説明をする。台間玉貸部Sに設けられた紙幣挿入口10に金額を投入すると貸出ノズルS1より所定のパチンコ玉が貸し出される(S12)。貸し出された遊技玉で遊技者はパチンコゲームを行う。遊技者が勝ち玉を獲得した場合は、玉計数部Rにより計数され台の持ち玉として持ち玉集中制御装置150に記憶される(S30)。
【0038】
台の持ち玉は、会員の口座数玉A、玉B、・・・玉nとして別個に管理することができる。つまり会員毎に別々に管理することができる。また、口座毎に買単価、売単価を設定することで価値が違うパチンコ玉として扱うことができる。遊技台毎に使用する持ち玉の口座を設定することができる。
【0039】
遊技者がカード会員である場合は、会員カードを会員カード挿入口12に挿入し(S42)、パチンコ遊技が終了してカード返却した場合は、会員カードに台の持ち玉が口座数玉A、玉B、・・・玉n毎に記憶される(S40)。
【0040】
遊技者がカード会員でない場合は、遊技者が一時的にパチンコ遊技を中断する場合は、返却ボタンを押すとパチンコ玉貸・計数装置にストックされているICコインに台の持ち玉が口座数玉A、玉B、・・・玉n毎に記憶されて貸し出される(S50)。
【0041】
閉め処理で営業日付が変わると、会員カードに記憶されて持ち玉玉A、玉B、・・・玉nは、会員の貯玉、玉A、玉B、・・・玉nと移行して記憶される(S60)。会員が別の日に同じ遊技店舗を訪れた場合に、会員カードを会員カード挿入口12に挿入すると、貯玉の再プレイの場合には、会員カードに関連付けられた状態でパチンコ玉貸・計数装置からの指示により遊技玉が貸出ノズルS1より供給される(S70)。
【0042】
一方で、ICコインに記憶された持ち玉は、その日のうちにその店舗内の景品交換所に提出して景品と交換する。閉め処理で営業日付が変わると無効となる(S64)からである。また、台の持ち玉も閉め処理で営業日付が変わると無効となる(S62)。
【0043】
遊技者が持ち玉より払い出したい場合は、貯玉払出ボタン18を押下すると、記憶された持ち玉が払い出される。この場合は、遊技台の買単価に応じた持ち玉のみが払い出される(S32)。
【0044】
具体的には、通常使用時の払出指示がされた場合の、持ち玉の処理を表すシーケンスを図4と図5に示す。図4は、払出指示された以上の持ち玉がある場合であり、図5は、払出指示されたが、持ち玉が0の場合である。
【0045】
図4のように、払出指示された以上の持ち玉がある場合は、台間玉貸部Sの貯玉払出ボタン18を押下すると、払出指示が台間玉貸部Sから玉計数部Rに送信される(S112)。玉計数部Rでは、持ち玉より払出指示の玉数の減算が行われ(S114)、払出応答がされる(S116)。払出応答を受信した台間玉貸部Sは、指示された個数の遊技玉が貸出ノズルS1より供給される。
【0046】
図5のように、払出指示されたが、持ち玉が0で遊技者が会員である場合は、台間玉貸部Sの貯玉払出ボタン18を押下すると、払出指示が台間玉貸部Sから玉計数部Rに送信される(S112)。玉計数部Rからは、払出応答(0玉)がされる(S115)。払出応答を受信した台間玉貸部Sは、貯玉/貯メダル引落し確認を施設管理システムサーバ200に行う(S118)。施設管理システムサーバ200にて貯玉引落しが行われる(S118)。施設管理システムサーバ200から、払出応答が行われ(S120)、指示された個数の遊技玉が貸出ノズルS1より供給される。
【0047】
以上は正常に接続されたシステムが動作していた場合である。しかし、接続されている機器間で障害が発生した場合は、図6に示すようにパチンコ玉の貸出し、払出しができなくなる。図6の故障個所ABCDEは図2で示した通信経路である。図6の中で、「○」をつけた部分はその処理ができることを示している。一方「×」をつけた部分は、その処理ができないことを示している。図6に示すように、ABCDEのどの通信回線に障害があっても持ち玉からの払出しができない。また、通信回線A又は通信回線Bの通信回線が故障の場合は、現金からの貸出し、貯玉からの貸出しができない。さらに、通信回線Cが故障の場合は、貯玉からの貸出しもできない。
【0048】
しかし、新しい通信手段70を実現するとABCDEの通信回線に障害があっても、持ち玉からの払出しができるようになる。
【0049】
図7に示すように、具体的には、台間玉貸部Sと玉計数部Rとで相互に通信可能な通信手段70を有するので、台間玉貸部Sの貯玉払出ボタン18が押下された払出指示の信号を通信手段70により玉計数部Rに送信し(S112)、玉計数部Rは、持ち玉情報に基づき払い出し可能なパチンコ玉数を演算し(S114)、払出応答(玉数)を台間玉貸部Sに返信し(S116)、台間玉貸部Sが受信したパチンコ玉数を払出す。
【0050】
通信回線が回復した後に、玉計数部Rは、払出情報の送信を施設管理システムサーバ200に行う(S130)。払出情報を受信した施設管理システムサーバ200は、払出履歴登録を行う(S132)。
【0051】
また、図7に示すように、具体的には、台間玉貸部Sと玉計数部Rとで相互に通信可能な通信手段70を有するので、台間玉貸部Sの貯玉払出ボタン18が押下された払出指示の信号を通信手段70により玉計数部Rに送信し(S112)、玉計数部Rは、持ち玉情報に基づき払い出し可能なパチンコ玉数を演算し(S114)、払出応答(玉数)を台間玉貸部Sに返信し(S116)、台間玉貸部Sが受信したパチンコ玉数を払出す。
【0052】
通信回線が回復した後に、玉計数部Rは、払出情報の送信を施設管理システムサーバ200に行う(S130)。払出情報を受信した施設管理システムサーバ200は、払出履歴登録を行う(S132)。
【0053】
また、図8に示すように、払出指示されたが、持ち玉が0で遊技者が会員である場合は、台間玉貸部Sの貯玉払出ボタン18を押下すると、払出指示が台間玉貸部Sから玉計数部Rに送信される(S112)。玉計数部Rからは、払出可能数が応答される(S140)。払出応答を受信した台間玉貸部Sは、払出可能数な遊技玉を貸出ノズルS1より供給する。
【0054】
通信回線が回復した後に、玉計数部Rは、払出情報の送信を施設管理システムサーバ200に行う(S140)。払出情報を受信した施設管理システムサーバ200は、払出履歴登録を行う(S142)。このようにして、ABCDEのどの通信回線に障害があっても図9に示すように、持ち玉からの払出しが少なくともできるようになる。
【0055】
<第2の実施例>
第2の実施例は、特にパチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位の通信に障害があった場合には、持ち玉は、上位システム側で持ち玉をコインや会員カードに対応付けて記憶されているため、遊技客が適切な処理をして帰れなくなってしまう。この問題を解決した実施例である。
【0056】
図10は、本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置1`の概略ブロック図であり、図11は、本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが、通信回線が故障時のオフライン処理を表すシーケンス図である。
【0057】
図10に示すように、図1の第1の実施例に加えて、オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段40と、玉計数部Rには記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段60と、復旧手段80と、オフライン返却手段50と、をさらに有する。オフライン返却手段50は、台間玉貸部Sのオフライン返却ボタンが操作された信号を通信手段70を経由して玉計数部Rに送信し、当該玉計数部Rの記憶手段60に記憶されている持ち玉数を読み出して台間玉貸部Sに送信するとともに玉計数部Rの記憶手段60に記憶されている持ち玉数を0に置き換え、台間玉貸部Sは受信した持ち玉数を外部記録媒体に記録する。
【0058】
このような構成のパチンコ玉貸・計数装置1のオフライン返却操作について、図11を参照して以下説明をする。遊技店舗内の通信回線が故障した際や、上位システムが動作しなくなった場合は、遊技で獲得した持ち玉を会員カードやICコインに返却できなくなってしまう。遊技客は、帰りたくとも獲得した持ち玉の処理ができない。
【0059】
このような場合は、遊技店舗内の従業員がオフライン返却始動手段40が始動するオフライン返却カードを会員カード挿入口12に挿入する(S210)。オフライン返却カードが挿入されると、オフライン返却手段が始動して、始動ボタンが表示部14に表示される(S212)。始動ボタンを従業員等が操作すると(S214)、オフライン返却指示が、台間玉貸部Sから通信手段70を経由して玉計数部Rに送信される(S220)。
【0060】
玉計数部Rでは、記憶手段60に記憶されている持ち玉数を読み出す(S222)。読み出された持ち玉数は、玉計数部Rより、台間玉貸部Sに通信手段70を介して返信される(S224)。また、玉計数部Rでは、記憶手段60に記憶されている持ち玉数を0とする(S226)。返信を受けた台間玉貸部Sは、表示部に表示するか、又は外部記録媒体に持ち玉数を記録する(S228)。記録した後、オフライン終了表示を表示部14に行う(S230)。
【0061】
通信回線が回復した後に、玉計数部Rは、払出情報の送信を施設管理システムサーバ200に行う(S240)。払出情報を受信した施設管理システムサーバ200は、払出履歴登録を行う(S242)。
【0062】
以上のようにして、遊技店舗内の通信回線が故障した際や、上位システムが動作しなくなった場合は、遊技で獲得した持ち玉を外部記録媒体である会員カードやICコイン記録することができる。遊技客は、会員カードやICコインに記録された持ち玉を景品に交換するなどして、帰ることができる。
【0063】
以上の説明は、玉計数部と台間玉貸部により説明したが、玉計数器と台間玉貸機と独立の機器として接続しても第1の実施例及び第2の実施例として実現することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、通信手段は、RS−232でもよいし、USBでもよいし、無線通信でも、光通信であってもよい。また、外部記録媒体は、磁気カード、ICコインで主に説明をしたが、ICカード又は非接触ICカードであってもよいし、メモリカード、であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明に係るパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが上位システムに接続された場合のブロック図である。
【図3】パチンコ遊技玉の遊技時の変遷を示す図である。
【図4】通常使用時の払出指示がされた場合の、持ち玉の処理を表すシーケンス図である。
【図5】通常使用時の払出指示がされた場合の、持ち玉の処理を表すシーケンス図である。
【図6】通信回線が故障時の各機能の状態を示す図である。
【図7】本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが、通信回線が故障時の処理を表すシーケンス図である。
【図8】本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが、通信回線が故障した場合の処理を表すシーケンス図である。
【図9】本発明の効果を示す図である。
【図10】本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置1`の概略ブロック図である。
【図11】本発明に係るパチンコ台遊技機のパチンコ玉貸・計数装置又はパチンコ玉管理システムが、通信回線が故障時のオフライン処理を表すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0066】
1 パチンコ玉貸・計数装置
A 通信回線
B 通信回線
C 通信回線
D 通信回線
E 通信回線
P パチンコ台遊技機
R 玉計数部
S 台間玉貸部
S1 貸出ノズル
10 紙幣挿入口
12 会員カード挿入口
14 表示部
16 ICコイン投入口
18 貯玉払出ボタン
20 ICコイン返却口
40 オフライン返却始動手段
50 オフライン返却手段
60 記憶手段
70 通信手段
80 復旧手段
150 玉集中制御装置
200 施設管理システムサーバ
300 認証協会用サーバ
350 島中継器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ玉管理システムに用いられるパチンコ玉貸・計数装置であって、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部と、
前記台間玉貸部と前記玉計数部とで相互に通信可能な通信手段と、
を備え、
前記台間玉貸部の払出指示信号と払出数とを前記通信手段により前記玉計数部に送信し、
受信した前記玉計数部は、記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出し、払出数と比較し、払出数が持ち玉数以下である場合は、払出可の情報を前記台間玉貸部に送信し、
前記台間玉貸部は当該払出数を払出すパチンコ玉貸・計数装置。
【請求項2】
前記玉計数部は、払出数が持ち玉数を超える場合は、当該持ち玉数を前記台間玉貸部に返信し、
前記台間玉貸部は、受信した持ち玉数のパチンコ玉数を払出す請求項1に記載のパチンコ玉貸・計数装置。
【請求項3】
パチンコ玉管理システムに用いられるパチンコ玉貸・計数装置であって、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸部と、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数部と、
前記台間玉貸部と前記玉計数部とで相互に通信可能な通信手段と、
オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段と、
前記玉計数部には記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段と、
前記台間玉貸部のオフライン返却ボタンが操作された信号を前記通信手段を経由して前記玉計数部に送信し、当該玉計数部の記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出して前記台間玉貸部に送信するとともに当該玉計数部の記憶手段に記憶されている持ち玉数をクリアし、前記台間玉貸部は受信した持ち玉数を表示部に表示するか、又は外部記録媒体に記録するオフライン返却手段と、
を備えるパチンコ玉貸・計数装置。
【請求項4】
前記玉計数部の記憶手段には、払出応答情報をさらに記憶し、
パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムと通信可能になったことを検出し、当該払出応答情報を上位システムに送信する復旧手段と、
をさらに備える請求項2または3に記載のパチンコ玉貸・計数装置。
【請求項5】
パチンコ玉管理システムであって、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸機と、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器と、
前記台間玉貸機と前記玉計数器とで相互に通信可能な通信手段と、
を備え、
前記台間玉貸機の払出指示信号と払出数とを前記通信手段により前記玉計数器に送信し、
受信した前記玉計数器は、記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出し、払出数と比較し、払出数が持ち玉数以下である場合は、払出可の情報を前記台間玉貸機に送信し、
前記台間玉貸機は当該払出数を払出すことを特徴とするパチンコ玉管理システム。
【請求項6】
前記玉計数器は、払出数が持ち玉数を超える場合は、当該持ち玉数を前記台間玉貸機に返信し、
前記台間玉貸機は、受信した持ち玉数のパチンコ玉数を払出す請求項5に記載のパチンコ玉管理システム。
【請求項7】
パチンコ玉管理システムであって、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技に必要なパチンコ玉を貸し出す台間玉貸機と、
遊技客がパチンコ玉遊技機での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器と、
前記台間玉貸機と前記玉計数器とで相互に通信可能な通信手段と、
オフライン返却を始動させるオフライン返却始動手段と、
前記玉計数器には記憶されている持ち玉数を記憶する記憶手段と、
前記台間玉貸機のオフライン返却ボタンが操作された信号を前記通信手段を経由して前記玉計数器に送信し、当該玉計数器の記憶手段に記憶されている持ち玉数を読み出して前記台間玉貸機に送信するとともに当該玉計数器の記憶手段に記憶されている持ち玉数をクリアし、前記台間玉貸機は受信した持ち玉数を表示部に表示するか、又は外部記録媒体に記録するオフライン返却手段と、
を備えるパチンコ玉管理システム。
【請求項8】
前記玉計数器の記憶手段には、払出応答情報をさらに記憶し、
パチンコ玉貸・計数装置が接続されている上位システムと通信可能になったことを検出し、当該払出応答情報を上位システムに送信する復旧手段と、
をさらに備える請求項6または7に記載のパチンコ玉管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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