説明

パチンコ遊技機

【課題】画像表示器に満杯エラー画像が長期間表示されることによって、遊技の興趣が損なわれるのを軽減する。
【解決手段】満杯検知センサが球受皿の満杯を検知している間は、画像表示器14に、遊技者に前記球受皿の満杯解消を促す満杯エラー画像を、演出画像30と同時に表示するとともに、満杯検知開始から少なくとも所定期間は、画像表示器14の表示画面19に占める満杯エラー画像31a〜31dの割合を段階的に減少させるようにする。かかる構成にあっては、満杯エラー画像31a〜31dの表示画面19に占める割合が減少するにつれて、演出画像30を徐々に見易くなる。このため、球受皿から遊技球を思うように排出できず、満杯エラー画像31a〜31dが長期間表示された場合でも、遊技者は、満杯エラー画像31a〜31dを過度に気にすることなく、演出画像30を楽しむことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を貯留する球受皿が満杯となったときに、遊技者に満杯解消を促す満杯エラー画像を画像表示器に表示するパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊技機は、賞球等の遊技球を、機体前面に設けられた球受皿に払い出すよう構成されている。ここで、少なくとも一つの球受皿には、遊技球で満杯になったことを検知する満杯検知センサが設けられており、当該球受皿が満杯となると、遊技球の払出しが停止して、遊技者に満杯解消を促す満杯エラー画像が画像表示器に表示される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−165758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、満杯エラー画像は、演出画像を表示する画像表示器を用いて表示されるため、満杯エラー画像が表示されると、遊技者は演出画像を見難くなってしまう。満杯エラー画像の表示は、球受皿の遊技球を球箱に排出して満杯を解消すれば停止させることができるが、遊技場の係員が球箱を運んでくるのが遅くなると、遊技者は球受皿の遊技球を思うように排出できず、満杯エラー画像が長期間表示されることにより、演出画像の演出効果が大きく損なわれてしまう。とりわけ、球受皿が満杯となるのは、賞球が多量に払い出される大当り遊技中であるが、大当り遊技中は、通常よりも盛大な演出画像が表示されるため、満杯エラー画像が長期間表示されると、大当り遊技が興醒めとなってしまう。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、満杯エラー画像が長期間表示されることによって、遊技の興趣が損なわれるのを軽減できるパチンコ遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像表示器と、該画像表示器に演出画像を表示させる演出制御手段と、遊技球を貯留する球受皿と、該球受皿の満杯を検知する満杯検知センサと、遊技球を前記球受皿に払い出す払出装置と、入賞が発生すると所定個数の遊技球を払い出すように払出装置を制御し、且つ、満杯検知センサの満杯検知中は、払出装置を停止させ、入賞発生に基づいて払い出すべき遊技球数を、未払出球数として蓄積記憶する払出制御手段と、該満杯検知センサの満杯検知中に、前記画像表示器に、遊技者に前記球受皿の満杯解消を促す満杯エラー画像を、演出画像と同時に表示させる満杯エラー表示手段とを備えてなるパチンコ遊技機において、満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、満杯検知センサが満杯を検知してから、少なくとも所定期間は、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させるものであることを特徴とするパチンコ遊技機である。ここで、上記「所定期間」は、絶対時間で定められるものに限らず、所定条件が満了するまでの期間も含む。また、パチンコ遊技機には、球受皿が上下二段に配設されるものがあるが、かかるパチンコ遊技機では、満杯検知センサが配設される下側の球受皿が、本発明に係る「球受皿」に相当する。
【0007】
かかる構成にあっては、満杯エラー画像が表示画面に占める割合が段階的に減少し、これに伴って、演出画像が相対的に見易くなっていくため、遊技者が球受皿から遊技球を思うように排出できず、満杯エラー画像が長期間表示された場合でも、遊技者は、満杯エラー画像を過度に気にすることなく、演出画像を楽しむことが可能となる。
【0008】
本発明にあって、満杯エラー表示手段は、満杯エラー画像を、演出画像の上を覆うように重ねて表示させるものであり、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させることによって、満杯エラー画像が演出画像を覆う面積を段階的に減少させるものである構成が提案される。かかる構成にあっては、満杯エラー画像が演出画像を覆う面積が段階的に減少していくことで、演出画像の視認性を徐々に向上させることができる。
【0009】
また、本発明にあって、満杯エラー表示手段は、画像表示器の表示画面に演出画像を縮小表示して、該表示画面に、満杯エラー画像を演出画像と重ならないように表示するものであり、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させるのに伴って、該表示画面に表示する演出画像を段階的に大きくする構成が提案される。かかる構成にあっては、満杯エラー画像の縮小に伴って演出画像が段階的に拡大することで、演出画像の視認性を徐々に向上させることができる。
【0010】
また、本発明にあって、満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、未払出球数が所定の上限個数に達すると満杯エラー画像の表示を停止する、又は、満杯検知開始から所定の上限時間が経過すると満杯エラー画像の表示を停止するものである構成が提案される。すなわち、かかる構成にあっては、満杯エラー画像は、少なくとも所定期間が経過するまでは、段階的に表示面積が減少していき、満杯状態がさらに長期化した場合には、満杯エラー画像が表示されなくなる。このため、遊技者は、球受皿の満杯状態がさらに長期化した場合には、満杯エラー画像に煩わされず、演出画像を楽しむことが可能となる。
【0011】
また、本発明にあって、満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、未払出球数が、所定の上限個数に達すると、満杯検知センサの満杯検知開始時点の態様で、満杯エラー画像を前記画像表示器に表示させる、又は、満杯検知開始から所定の上限時間が経過すると、満杯検知センサの満杯検知開始時点の態様で、満杯エラー画像を前記画像表示器に表示させるものである構成が提案される。
【0012】
すなわち、かかる構成にあっては、満杯エラー画像は、少なくとも所定期間が経過するまでは、段階的に表示面積が減少していき、これにより演出画像の視認性が向上することとなるが、満杯状態がさらに長期化した場合には、満杯エラー画像は、満杯検知開始時点の大きさで表示されることとなる。上述のように、満杯エラー画像が長期間表示される原因の多くは、遊技場スタッフが球箱を運ぶのが遅れることによるものであるが、遊技場スタッフの遅れを原因とするものは数分程度で解消され、それ以上満杯エラー画像が長期化するのは、遊技者が、満杯エラー画像を無視して、満杯状態を放置していることによるものが殆どである。したがって、かかる構成のように、満杯状態が極度に長期化した場合に、満杯エラー画像を満杯検知開始時点の大きさで再度表示するようにすれば、球受皿の満杯状態を放置している遊技者に、満杯解消を強く促すことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上に述べたように、本発明によれば、大当り遊技などの際に、球受皿からの遊技球排出に手間取り、満杯エラー画像が画像表示器に長期間表示された場合でも、遊技者は、満杯エラー画像に大きく煩わされることなく遊技演出を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチンコ遊技機1の斜視図である。
【図2】遊技盤10の正面図である。
【図3】(a)は、パチンコ遊技機1の背面図であり、(b)は、(a)のA部分の拡大図である。
【図4】遊技を制御する制御回路を示すブロック図である。
【図5】満杯エラー画像の表示態様を示すタイミングチャートである。
【図6】満杯エラー画像の表示態様を示す説明図である。
【図7】画像表示器14の表示画像出力に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図8】満杯エラー画像の表示切替えに係る処理手順を示すフローチャートである。
【図9】変形例の満杯エラー画像を示す説明図である。
【図10】実施例2に係る満杯エラー画像の表示態様を示す説明図である。
【図11】実施例3に係る満杯エラー画像の表示態様を示すタイミングチャートである。
【図12】実施例4に係る満杯エラー画像の表示態様を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【実施例1】
【0016】
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、二つの球受皿7,8が上下に列設されており、各球受皿7,8を臨む位置には、遊技球が払い出される球払出口20,21が夫々開口している。二つの球受皿7,8のうち、下側に設置された下部球受皿8の底部には、開閉可能な球抜孔23が設けられており、遊技者は、下部球受皿8の手前側に設けられた球抜レバー24を操作して球抜孔23を開放することで、下部球受皿8の遊技球を機外に排出できる。また、前枠5には、右下部に発射ハンドル9が突設され、右上部にスピーカ16が配設される。
【0017】
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。このセンターケース13には、本発明に係る画像表示器14が組み付けられている。画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面19には各種の演出画像等が表示される。
【0018】
また、センターケース13の下部には、4個のLED(発光ダイオード)からなる特別図柄表示装置15が配設される。この特別図柄表示装置15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものであり、後述するように、所定契機によって、各LEDを点滅させることによって特別図柄が変動状態となり、点滅後にいずれかのLEDが点灯することで特別図柄が停止表示状態となる。本実施例では、右側のLEDが点灯した態様が当り態様、それ以外のLEDが点灯した態様がハズレ態様と設定されており、特別図柄が当り態様で停止表示された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り遊技に移行する。
【0019】
また、図2に示すように、センターケース13の下方には、各種の入賞装置17a〜17dが配設されており、これらの入賞装置17a〜17dに設けられた入賞口に遊技球が入賞すると、入賞装置17a〜17dに内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
【0020】
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3(a)に示すように、遊技島から供給される遊技球を貯留する球タンク25と、該球タンク25から、球受皿7,8の球払出口20,21へ遊技球を流下させる球流下樋26と、球流下樋26に配設されて、球タンク25側から流下する遊技球を球払出口20,21側へ送り出すことで、球受皿7,8に遊技球を払い出す払出装置27とが設けられている。払出装置27が送り出す遊技球は、上側の上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となると自然に下部球受皿8へ遊技球が払い出されることとなる。そして、球流下樋26には、下部球受皿8の球払出口21の直前位置に、下部球受皿8の満杯状態を検知する満杯検知センサ28が配設される。この満杯検知センサ28は、リミットスイッチからなり、下部球受皿8が満杯となった時に、球払出口21の手前に滞留した遊技球を検知し、満杯検知信号を出力する。本実施例では、上下の球受皿7,8のうち、満杯検知センサ28が配設された下部球受皿8が、本発明に係る球受皿に相当する。
【0021】
かかるパチンコ遊技機1は、既存一般のパチンコ遊技機と同様の遊技内容を有している。すなわち、入賞装置17aに設けられた始動口に遊技球が入賞すると、特別図柄表示装置15が点滅して特別図柄が変動表示され、一定時間経過後に変動表示が停止する。そして、変動停止した時の特別図柄の停止態様が所定の大当り態様であった場合には、大入賞口を備える入賞装置17bが所定時間開閉作動する大当り遊技が実行されることとなる。
【0022】
そして、上記画像表示器14の表示画面19には、遊技の進行に合わせて図柄やキャラクターなどの演出画像が表示される。例えば、特別図柄が変動表示されている間は、表示画面19で演出図柄が変動表示され、時折リーチ演出画像や予告演出画像などが表示されることによって、遊技者の大当りへの期待感を盛り上げる。また、大当り遊技中には大当り用の演出画像が画像表示器14に表示され、大当り遊技を盛り上げる。また、演出画像の表示と並行して、演出用LED(図示省略)が発光・点滅する。さらに、これらと並行するように、スピーカ16から演出音声が逐次出力されることで、画像、光、音声などを組み合わせた盛大な演出が行われる。
【0023】
次に、本実施例のパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
【0024】
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選乱数を参照して当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
【0025】
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
【0026】
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
【0027】
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御信号を三つの制御基板62,63,64へ出力し、これらの制御基板62,63,64の中央制御装置CPUがこの制御信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0028】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、及び払出制御基板64の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートや出力ポートには、盤面中継基板61を介して、入賞装置17a〜17d等が接続される。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、17a〜17dに内蔵されたソレノイドを作動させる。
【0029】
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、画像表示器14を制御する画像制御基板65、スピーカ16を制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からの制御信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該制御信号で指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けて制御信号を送信する。
【0030】
上記の画像制御基板65には、画像表示器14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、表示態様を制御処理する画像制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや画像データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、描画領域等のデータを読み書きする領域が設けられた記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。画像制御基板65は、演出制御基板62から演出画像の表示に係る信号を受信し、また、払出制御基板64から満杯エラー画像の表示に係る信号を受信する。画像制御基板65は、これらの信号を受信すると、画像制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所要の演出画像や満杯エラー画像に係る画像データを記憶装置RAMに書き込んで一画面分の画像データを作成し、出力ポートを介して画像表示器14に出力し、画像表示器14の表示画面19に、出力した画像データに係る画像を表出させる。
【0031】
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音声データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。音源制御基板66は、演出制御基板62から演出音声の出力に係る信号を受信し、また、払出制御基板64から満杯エラー音声の出力に係る信号を受信する。音源制御基板66は、これらの信号を受信すると、所要の演出音声や満杯エラー音声に係る音声データを記憶装置RAMで展開・混合してスピーカ16に送出し、スピーカ16から出力させる。
【0032】
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された多数の演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出用ランプの点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、演出ランプを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板67は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の演出制御基板62から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、出力ポートを介して、各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
【0033】
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、特別図柄表示装置15のLEDの点灯、点滅等を制御する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LEDを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この図柄制御基板63は、図柄制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、特別図柄表示装置15のLEDを発光作動するドライバを配した図柄作動基板に出力し、この図柄作動基板が、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
【0034】
上記の払出制御基板64には、遊技球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、払出装置27のソレノイドを作動して、賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータや未払出球数等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力される払出要求信号を払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、出力ポートを介して払出装置27のソレノイドを作動して、所定個数の賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板64には、下部球受皿8の奥に配設された満杯検知センサ28が接続されており、下部球受皿8の満杯時には、満杯検知センサ28から払出制御基板64へ満杯検知信号が送信される。
【0035】
払出制御基板64の出力ポートには、発射制御基板68が接続される。発射制御基板68には、発射装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板68の入力ポートには、発射ハンドル9に内蔵された回動角度検知センサから発射ハンドル9の現在角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板68の出力ポートには発射装置が接続されており、発射制御基板68は、発射ハンドル9からの入力信号に応じた電圧強度で、発射装置に内蔵されたロータリーソレノイドを間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。
【0036】
以上の、制御回路にあって、本発明に係る演出制御手段は、主に、演出制御基板62及び画像制御基板65によって実現される。また、本発明に係る払出制御手段は、主に、主制御基板60及び払出制御基板64によって実現される。また、本発明に係る満杯エラー表示手段は、主に、払出制御基板64及び画像制御基板65によって実現される。
【0037】
以下に、本発明の要部に係る構成について説明する。
【0038】
本実施例では、遊技中に入賞が発生すると、通常は、入賞の種類に応じた数の遊技球が賞球として球受皿7,8に払い出される。払出装置27が送出する遊技球は、上述のように、上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となって遊技球が上部球受皿7に流入不能となると、下部球受皿8に払い出される。そして、下部球受皿8も満杯となると、遊技球の払出しが停止する。そして、下部球受皿8の満杯状態にあっては、画像表示器14に、遊技者に下部球受皿8からの遊技球排出を促す満杯エラー画像が表示され、また、スピーカ16からは、遊技者に下部球受皿8からの遊技球排出を促す満杯エラー音声が出力される。
【0039】
具体的には、入賞装置17a〜17dの入賞口に遊技球が入賞すると、球検知信号が主制御基板60に送信され、主制御基板60は、かかる球検知信号を受信すると、入賞の種類に応じた個数の遊技球を賞球として払い出すよう払出制御基板64に払出要求信号を送信する。払出制御基板64は、払出要求信号を受信すると、通常は、遅滞なく払出装置27を作動させて、所要個数の遊技球を球受皿7,8へ送出する。
【0040】
一方、下部球受皿8の満杯時には、上述の満杯検知センサ28が作動して、満杯が解消されるまで払出制御基板64に満杯検知信号を送信し続ける。そして、払出制御基板64は、満杯検知信号の受信中は、払出要求信号を受信しても、払出装置27を作動させず、払出要求信号によって払出しを要求された遊技球数を「未払出球数」として記憶装置RAMに蓄積記憶する。また、払出制御基板64は、満杯検知信号の受信中は、図5に示すように、画像制御基板65及び音源制御基板66に向けて満杯エラー信号を送信する。この満杯エラー信号は、満杯検知信号の受信中に1分間隔で繰返し送信される。
【0041】
そして、下部球受皿8の満杯状態が解消されて、満杯検知センサ28が満杯検知信号の送信を停止すると、図5に示すように、払出制御基板64は、満杯エラー信号の送信を停止し、画像制御基板65及び音源制御基板66に向けて満杯エラー解除信号を送信するとともに、払出装置27を作動させて、未払出球数として蓄積記憶した個数の遊技球の払出しを開始する。
【0042】
画像制御基板65は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信していない状態では、演出制御基板62から送信される信号にしたがって、図6(a)に示すように、画像表示器14の表示画面19に演出画像30を表示させる。一方、画像制御基板65は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信すると、図6(b)に示すように、画像表示器14に満杯エラー画像31aを表示させる。満杯エラー画像31aは、矩形の枠に「球受皿が満杯です!/球を排出して下さい!」というメッセージを表記してなるものであり、演出画像30の上を覆うように表示される。
【0043】
ここで、画像制御基板65には、満杯エラー画像に係る画像データが、エラー画像レベル1〜4の4種類記憶されている。これらの画像データは、模様は同じであるが、下記のようにサイズが異なっている。
エラー画像レベル4:サイズ大
エラー画像レベル3:サイズ中
エラー画像レベル2:サイズ小
エラー画像レベル1:サイズ極小
【0044】
画像制御基板65は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信する度に、図5に示すように、満杯エラー画像として用いる画像データのエラー画像レベルを、4→3→2→1の順に段階的に切り替えていく。具体的には、画像制御基板65は、満杯エラー画像の非表示状態で満杯エラー信号を受信すると、まず、エラー画像レベル4の画像データを満杯エラー画像31aとして選択し、演出画像データと重ね合わせて画像表示器14の表示画面19に表示する。エラー画像レベル4の満杯エラー画像31aは、図6(b)に示すように、表示画面19に占める割合が大きいため、この時の演出画像30は、大部分が満杯エラー画像31aに覆われて視認不能となる。そして、エラー画像レベル4の満杯エラー画像31aの表示から1分が経過すると、画像制御基板65は、エラー画像レベル3の満杯エラー画像31bを表示画面19に表示する。図6(c)に示すように、エラー画像レベル3の満杯エラー画像31bは、レベル4の満杯エラー画像31aよりも小さいため、この時の演出画像30は半分程度を視認可能となる。そして、さらに1分が経過すると、画像制御基板65は、エラー画像レベル2の満杯エラー画像31c(サイズ小)を表示画面19に表示し、これにより、演出画像30は、半分以上を視認可能となる(図6(d)参照)。そして、さらに1分が経過すると、画像制御基板65は、エラー画像レベル1の満杯エラー画像31d(サイズ極小)を表示画面19に表示し、これにより、演出画像30は、その大部分を視認可能となる(図6(e)参照)。このように、本実施例では、満杯検知開始から1分が経過する度に、満杯エラー画像31a〜31dが表示画面19に占める割合が段階的に減少していき、これに伴って、満杯エラー画像31a〜31dに覆われた演出画像30の視認性が向上する。
【0045】
また、画像制御基板65は、下部球受皿8の満杯状態がさらに継続すると、満杯エラー画像の表示を停止する。具体的には、図5に示すように、エラー画像レベル1の満杯エラー画像31dを表示してから1分が経過すると、画像表示器14は、満杯エラー画像31dを非表示とし、画像表示器14に演出画像30のみを表示させる(図6(a)参照)。
【0046】
また、画像制御基板65は、満杯エラー画像を非表示としてから、下部球受皿8の満杯状態がさらに継続した場合には、満杯検知開始時点の態様で満杯エラー画像を表示させる。具体的には、図5に示すように、満杯エラー画像を非表示にしてから1分が経過すると、画像制御基板65は、画像表示器14に、エラー画像レベル4の満杯エラー画像31aを表示させる(図6(b)参照)。そして、下部球受皿8の満杯状態がさらに継続した場合には、1分が経過する度に(満杯エラー信号が送信される度に)、画像表示器14に表示する満杯エラー画像のエラー画像レベルを4→3→2→1→非表示の順番に切り替えていく。
【0047】
また、図5に示すように、画像制御基板65は、払出制御基板64から満杯エラー解除信号を受信すると、直ちに満杯エラー画像の表示を停止する。これにより、画像表示器14には、満杯エラー信号の受信前と同様に、演出画像30のみが表示される(図6(a)参照)。
【0048】
このように、本実施例にあっては、満杯検知開始から4分間は、満杯エラー画像31a〜31dの表示サイズが段階的に小さくなっていくことで、演出画像30が徐々に視認し易くなっていく。このため、遊技者が下部球受皿8からの遊技球排出に手間取って、画像表示器14に満杯エラー画像が長期間表示された場合でも、遊技者は、満杯エラー画像に大きく煩わされることなく、遊技演出を楽しむことができる。
【0049】
また、満杯エラー画像の表示は、満杯検知状態が4分継続すると停止するため、遊技者は、満杯検知開始から4分経過後は、満杯エラー画像に邪魔されることなく、演出画像を楽しむことができる。
【0050】
さらに、下部球受皿8の満杯検知開始から5分が経過しても満杯状態が解消されない場合は、再び、満杯検知開始時点のエラー画像レベル4で満杯エラー画像が表示されることとなるため、遊技者が、満杯となった下部球受皿8を無為に放置することも防止できる。
【0051】
図7は、画像制御基板65における、画像表示器14の表示画像の処理手順を示すフローチャートである。まず、画像制御基板65は、演出制御基板62からの信号に基づいて、記憶装置ROMから所要の演出画像データを読み出し、記憶装置RAMに展開する(S1)。続いて、下部球受皿8の満杯状態を示す満杯エラーフラグが「1」であるか否かをを判定する(S2)。そして、満杯エラーフラグが「1」でないと判定した場合は、ステップS4に移行し、満杯エラーフラグが「1」であると判定した場合は、現在のエラー画像レベルの画像データを読み出して、記憶装置RAMに展開してから(S3)、ステップS4に移行する。ステップS4では、記憶装置RAMの描画領域に、展開した演出画像データを書き込み、次に、満杯エラーフラグが「1」であるか否かを判定する(S5)。そして、満杯エラーフラグが「1」でないと判定した場合は、描画領域の画像データを画像表示器14に出力する(S7)。一方、満杯エラーフラグが「1」であると判定した場合は、記憶装置RAMに展開した満杯エラー画像に係る画像データを描画領域に書き込んでから(S6)、描画領域の画像データを画像表示器14に出力する(S7)。
【0052】
図8は、画像制御基板65における、満杯エラー画像の表示切替に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、画像制御基板65は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信したか否かを判定し(S11)、満杯エラー信号を受信していないと判定した場合は、ステップS17に移行する。一方、ステップS11で、満杯エラー信号を受信したと判定した場合は、満杯エラーフラグが「1」であるか否かをを判定する(S12)。そして、満杯エラーフラグが「1」でないと判定した場合は、満杯エラーフラグを「1」にし(S13)、さらに、エラー画像レベルを「4」に設定してから(S16)、ステップS17に移行する。また、ステップS12で、満杯エラーフラグが「1」であると判定した場合は、エラー画像レベルが「0」であるか否かを判定し、エラー画像レベルが「0」でないと判定した場合は、現在のエラー画像レベルを1段階低下させてから(S15)、ステップS17に移行する。一方、エラー画像レベルが「0」であると判定した場合は、エラー画像レベルを「4」に設定してから(S16)、ステップS17に移行する。ここで、エラー画像レベル1〜4は、上述のエラー画像レベルに対応するものであり、エラー画像レベル「0」は、満杯エラー画像として何も表示しない非表示状態である。そして、ステップS17では、払出制御基板64から、満杯エラー解除信号を受信したか否かを判定し、満杯エラー解除信号を受信していないと判定した場合には、そのまま処理を終了し、満杯エラー解除信号を受信したと判定した場合は、満杯エラーフラグを「0」にしてから処理を終了する。
【0053】
なお、本実施例では、満杯エラー用の画像データを記憶装置に複数記憶しておき、それらの画像データを選択的に演出画像データと重ね合わせることで、画像表示器14に表示する満杯エラー画像の大きさを変更しているが、かかる方法に限らず、満杯エラー画像用の画像データを一つだけ記憶しておき、該画像データを、演出画像データと重ね合わせる前に縮小率を変えて縮小するようにしてもよい。また、本実施例では、文字と矩形の背景とで構成された満杯エラー画像31a〜31dを表示しているが(図6参照)、図9に示すように、文字だけの満杯エラー画像32a〜32cを採用することもできる。
【0054】
音源制御基板66は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信していない状態では、演出制御基板62から送信される信号にしたがってスピーカ16に演出音声を出力させる。一方、音源制御基板66は、払出制御基板64から満杯エラー信号を受信すると、満杯エラー解除信号を受信するまで、スピーカ16から満杯エラー音声を繰返し出力する。満杯エラー音声は、「球受皿が満杯です!/球を排出して下さい!」という音声であり、演出音声と同時に出力される。
【0055】
具体的には、満杯エラー音声に係る音声データは、音源制御基板66の記憶装置ROMに記憶されており、満杯エラー音声を出力する際には、記憶装置ROMから読み出された満杯エラー音声に係る音声データが、演出音声の音声データと混合されてスピーカ16に出力される。
【0056】
ここで、本実施例にあって、満杯エラー音声に係る音声データは、エラー音声レベル1〜4の4種類が用意されている。これらの音声データは、下記のように音量のみが異なっている。
エラー音声レベル4:音量大
エラー音声レベル3:音量中
エラー音声レベル2:音量小
エラー音声レベル1:音量極小
【0057】
音源制御基板66は、図5に示すように、払出制御基板64から一回目の満杯エラー信号を受信すると、まず、エラー音声レベル4(音量大)の満杯エラー音声をスピーカ16に出力させる。そして、満杯エラー信号を受信する度に、スピーカ16が出力するエラー音声レベルを4→3→2→1の順番に切り替える。すなわち、かかる構成によれば、満杯エラー音声は、満杯検知開始から1分が経過する度に、音量が段階的に低下することとなる。
【0058】
また、音源制御基板66は、下部球受皿8の満杯状態がさらに継続すると、満杯エラー音声の出力を停止する。具体的には、図5に示すように、エラー音声レベル1の満杯エラー音声を出力してから1分経過すると、スピーカ16からは演出音声のみが出力される。
【0059】
また、音源制御基板66は、満杯エラー音声の出力を停止してから、下部球受皿8の満杯状態がさらに継続した場合には、満杯検知開始時点の音量で満杯エラー音声を出力させる。具体的には、図5に示すように、満杯エラー音声の出力を停止してから1分が経過すると、音源制御基板66は、再び、エラー音声レベル4(音量大)の満杯エラー音声をスピーカ16に出力する。そして、以下は同様にして、1分が経過する度に、スピーカ16に出力するエラー音声レベルを4→3→2→1の順番に切り替えていく。
【0060】
また、図5に示すように、音源制御基板66は、払出制御基板64から満杯エラー解除信号を受信すると、直ちに満杯エラー音声の出力を停止する。これにより、スピーカ16からは演出音声のみが出力される。
【0061】
このように、本実施例にあっては、満杯検知開始から4分間は、満杯エラー音声の音量が段階的に減少していくことによって、演出音声を徐々に聞き取り易くなっていく。このため、遊技者が下部球受皿8からの遊技球排出に手間取って、満杯エラー音声が長期間出力された場合でも、遊技者は、満杯エラー音声に大きく煩わされることなく、遊技演出を楽しむことができる。
【0062】
また、満杯エラー音声の出力は、満杯検知から4分が経過すると停止されるため、遊技者は、4分経過後は、満杯エラー音声に邪魔されずに、演出音声を楽しむことができる。
【0063】
さらに、下部球受皿8の満杯検知開始から5分が経過しても、満杯状態が解消されない場合は、満杯検知開始時点の音量で満杯エラー音声が出力されることとなるため、遊技者が、満杯となった下部球受皿8を極めて長期間放置することも防止できる。
【実施例2】
【0064】
本実施例は、上記実施例1から、満杯エラー画像の表示態様を変更したものである。
まず、本実施例では、演出画像と満杯エラー画像は、画像表示器14の表示画面19で、重ならずに並列表示される。すなわち、満杯エラー画像の非表示時には、図10(a)に示すように、画像表示器14に演出画像30が全画面表示されるが、満杯エラー画像の表示時には、図10(b)に示すように、演出画像30aが表示画面19に縮小表示され、演出画像30aの下方のスペースに、「球受皿が満杯です! 球を排出して下さい!」という文字列で、満杯エラー画像33aが横方向にスクロール表示される。
【0065】
ここで、本実施例では、画像制御基板65は、図10(b)〜10(e)に示すように、演出画像30a〜30d及び満杯エラー画像33a〜33dの表示サイズを下記の4段階に変更可能となっている。
エラー画像レベル4: 演出画像(極小)−満杯エラー画像(大)
エラー画像レベル3: 演出画像(小) −満杯エラー画像(中)
エラー画像レベル2: 演出画像(中) −満杯エラー画像(小)
エラー画像レベル1: 演出画像(大) −満杯エラー画像(極小)
【0066】
そして、画像制御基板65は、満杯検知センサ28の満杯検知中は、実施例1同様にして、満杯エラー信号を受信する度に、エラー画像レベルを4→3→2→1→非表示の順番に切り替えていく(図5参照)。具体的には、画像制御基板65は、満杯エラー画像の非表示状態で満杯エラー信号を受信すると、まず、図10(b)に示すように、エラー画像レベル4の、極小サイズの演出画像30aと大サイズの満杯エラー画像33aとを表示画面19に並列表示する。その後、1分が経過すると(満杯エラー信号を受信すると)、画像制御基板65は、エラー画像レベル3の演出画像30bと満杯エラー画像33bを表示画面19に表示する(図10(c)参照)。そして、さらに1分が経過すると、画像制御基板65は、エラー画像レベル2の演出画像30cと満杯エラー画像33cを表示し(図10(d)参照)、その1分後には、エラー画像レベル1の演出画像30dと満杯エラー画像33dを表示する(図10(e)参照)。このように、本実施例では、満杯エラー画像33a〜33dが時間経過に伴って段階的に縮小表示され、また、これに伴って、演出画像30a〜30dが拡大表示される。
【0067】
したがって、かかる構成にあっても、満杯エラー画像が表示されてから、時間経過に伴って、段階的に満杯エラー画像が目立たなくなるとともに、演出画像の視認性が向上していくこととなる。このため、遊技者は、満杯エラー画像が長期間表示されていても、満杯エラー画像に過度に煩わされずに遊技を楽しむことができる。
【実施例3】
【0068】
本実施例は、上記実施例1から、満杯エラー画像や満杯エラー音声を切り替えるタイミングを変更し、払出制御基板64が記憶する未払出球数の増加に伴って満杯エラー画像や満杯エラー音声を切り替えるようにしたものである。すなわち、図11に示すように、払出制御基板64は、満杯検知信号を受信すると、まず、画像制御基板65及び音源制御基板66に満杯エラー信号を1回送信するとともに、未払出球数の増加個数を計数開始する。そして、払出制御基板64は、満杯検知信号を受信してから未払出球数が100個増加する度に満杯エラー信号を送信する。このため、本実施例では、下部球受皿8の満杯時は、未払出球数が100個増加する度に、エラー画像レベルやエラー音声レベルが4→3→2→1の順番に切り替わり、これに伴って、満杯エラー画像のサイズが段階的に縮小し、また、満杯エラー音声の音量が段階的に低下していくこととなる。
【実施例4】
【0069】
本実施例は、上記実施例3の構成をさらに変更し、満杯エラー画像や満杯エラー音声を、下記のように、払出制御基板64が記憶する未払出球数の絶対個数に応じて変化させるようにしたものである。
エラー画像(音声)レベル4 :未払出球数0〜99個
エラー画像(音声)レベル3 :未払出球数100〜199個
エラー画像(音声)レベル2 :未払出球数200〜299個
エラー画像(音声)レベル1 :未払出球数300個以上
具体的には、払出制御基板64は、満杯検知センサ28から満杯検知信号を受信した時に、未払出球数に応じたエラー画像レベルやエラー音声レベルとなるように、満杯エラー信号を送信し、その後は、未払出球数が所定の上限個数(100個,200個,300個)に達する度に、満杯エラー信号を1回送信する。例えば、図12に示すように、満杯検知信号の受信時に未払出球数が100〜199個である場合には、払出制御基板64は満杯エラー信号を立て続けに2回送信する。画像制御基板65や音源制御基板66は、満杯エラー信号の受信回数によってエラー画像レベルやエラー音声レベルを切り替えるため、払出制御基板64が満杯エラー信号を立て続けに2回送信することによって、図12に示すように、画像表示器14にはエラー画像レベル3の満杯エラー画像が表示され、スピーカ16からはエラー音声レベル3の満杯エラー音声が出力される。同様に、本実施例では、満杯検知信号受信時に未払出球数が0〜100個の場合には1回、未払出球数が200〜299個の場合には3回、未払出球数が300個以上の場合には4回の満杯エラー信号が払出制御基板64から送信され、これにより、未払出球数の絶対個数に応じたレベルの満杯エラー画像や満杯エラー音声が出力される。
【0070】
なお、本発明は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、本発明に係る満杯エラー画像は、時間をおいて明滅的に表示されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 パチンコ遊技機
14 画像表示器
16 スピーカ
19 表示画面
20,21 球払出口
26 球流下樋
27 払出装置
28 満杯検知センサ
30,30a,30b,30c,30d 演出画像
31a〜31d,32a〜32c,33a〜33d 満杯エラー画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示器と、
該画像表示器に演出画像を表示させる演出制御手段と、
遊技球を貯留する球受皿と、
該球受皿の満杯を検知する満杯検知センサと、
遊技球を前記球受皿に払い出す払出装置と、
入賞が発生すると所定個数の遊技球を払い出すように払出装置を制御し、且つ、満杯検知センサの満杯検知中は、払出装置を停止させ、入賞発生に基づいて払い出すべき遊技球数を、未払出球数として蓄積記憶する払出制御手段と、
該満杯検知センサの満杯検知中に、前記画像表示器に、遊技者に前記球受皿の満杯解消を促す満杯エラー画像を、演出画像と同時に表示させる満杯エラー表示手段とを備えてなるパチンコ遊技機において、
満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、満杯検知センサが満杯を検知してから、少なくとも所定期間は、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させるものであることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
満杯エラー表示手段は、満杯エラー画像を、演出画像の上を覆うように重ねて表示させるものであり、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させることによって、満杯エラー画像が演出画像を覆う面積を段階的に減少させるものであることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
満杯エラー表示手段は、画像表示器の表示画面に演出画像を縮小表示して、該表示画面に、満杯エラー画像を演出画像と重ならないように表示するものであり、画像表示器の表示画面に占める満杯エラー画像の割合を段階的に減少させるのに伴って、該表示画面に表示する演出画像を段階的に大きくすることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、未払出球数が所定の上限個数に達すると満杯エラー画像の表示を停止する、又は、満杯検知開始から所定の上限時間が経過すると満杯エラー画像の表示を停止するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
満杯エラー表示手段は、満杯検知センサの満杯検知中にあって、未払出球数が、所定の上限個数に達すると、満杯検知センサの満杯検知開始時点の態様で、満杯エラー画像を前記画像表示器に表示させる、又は、満杯検知開始から所定の上限時間が経過すると、満杯検知センサの満杯検知開始時点の態様で、満杯エラー画像を前記画像表示器に表示させるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−239593(P2012−239593A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111653(P2011−111653)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】