説明

パック詰め品の包装装置

【課題】一部が盛り上がった状態でパック詰めされたイチゴ、サクランボ等の商品の盛り上がり状態がパック毎に異なっていてもフィルムによりラッピングする際に潰れたり、傷んだりすることなく盛り上がる商品の状態に応じて適切にラッピングができる包装装置を提供する。
【解決手段】パック詰め品を搬送する搬送コンベアと、その停止機構と、搬送コンベア上に停止した状態のパック詰め品の上方に繰り出されたラッピングフィルムの両端部を張った状態で把持する左右対称のクランプ機構とからなり、該クランプ機構は板バネを介して上下動可能に吊設する下降自在で、かつ内側に向けて回動可能に設置したアームと、ラッピングフィルムの端部をパックの外側上部に沿って固定する回動機構と、把持されたラッピングフィルムがパック詰め品の上部に当接状態にあり、それ以上の押圧負荷がかからない状態で上記クランプ機構を維持するバネ弾性体とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一部が盛り上がった状態でパック詰めされたイチゴ、サクランボ等の果実又は野菜その他、各種商品の表面がフィルム等のラッピング材によりラッピングする際に潰れたり、傷んだりすることなくパックから盛り上がる商品の状態に応じて適切にラッピングをすることができるパック詰め品の包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の包装装置として、上部に商品の一部が盛り上がり状態に荷詰めされた果実、野菜等の箱体を移送する搬送台を設け、該搬送台の上に枠体を配し、該枠体にラッピングフィルムを巻着した繰出ローラを配し、該枠体の一部でフィルムの繰り出し経路の途中に傾斜状の案内溝を刻設すると共に軟質果実等の商品を損傷させない張りをラッピングフィルムに与えるテンションバーを該案内溝に沿って移動自在に挿着し、箱体の上縁部とラッピングフィルムを融着するヒートプレート及びフィルムの切断手段とを昇降自在に配した加熱部を該枠体の一部に形成し、フィルムと融着させた箱体が上記搬送台を移動するのに伴ってフィルムが繰出ローラから自動的に繰り出されるようにしたラッピング装置にあって、該ラッピングフィルムの回転を制止するブレ−キ機構を配設すると共にテンションバ−の案内溝の一部に該テンションバ−の昇降で入/切して上記ブレ−キ機構の動作を制御するスイッチ機構を設けたことを特徴とする果実、野菜等のラッピング装置がある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−2021
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の包装装置は、一部が盛り上がり状態のイチゴ詰め等をした箱体の片側上縁部をラッピングフィルムにて融着した後にその盛り上がったイチゴ等を被覆するラッピングフィルムは箱体が水平方向に移動する水平方向の力とテンションバーの傾斜移動による張力を受けながら他方の箱体の上縁部に融着固定されるために、依然として包装時に盛り上がったイチゴ等に強い力が作用し、軟質果実等の商品に損傷を与えないで包装するという観点からの実現は未だ不十分であった。またラッピングフィルムに張力を与えるテンションバーが傾斜状の案内溝に沿って移動する構成は、傾斜角度が包装する対象商品により適宜案内溝の傾斜角度を変えることが出来ると言っても一度設定した傾斜角度は商品ごとに傾斜角度を変えることはできず、同種商品のラッピングフィルムの張力は常に一定であるから、容器から盛り上がる商品の状態は必ずしも均一ではないことからすれば、ラッピング時に常に同じ張力がイチゴ等の果実にかかり、その果実を結果的に損傷させる一因となっていた。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものでその目的とするところは、一部が盛り上がった状態でパック詰めされたイチゴ、サクランボ等の果実又は野菜その他、各種商品の盛り上がり状態がパック毎に異なっていても各種商品はフィルムによりラッピングする際に潰れたり、傷んだりすることなくパックから盛り上がる商品の状態に応じて適切にラッピングをすることができるパック詰め品の包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るパック詰め品の包装装置は、商品の一部が盛り上がるようにしてパック詰めされたパック詰め品を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベア上の前記パック詰め品を所定位置で停止させる停止機構と、前記搬送コンベア上に停止した状態の前記パック詰め品の上方に繰り出された所定長のラッピングフィルムの両端部を張った状態で把持する左右対称に位置するクランプ機構と、該左右のクランプ機構は左右それぞれに設けた板バネを介して上下動可能に吊設する左右対称位置に下降自在で、かつ内側に向けて回動可能に設置したアームと、該アームの下降動作と同時に前記左右のクランプ機構が内側に弧状を描きながら回動する動作を行ない、ラッピングフィルムの端部をパックの外側上部に沿って固定する回動機構と、上記クランプ機構に把持されたラッピングフィルムが上記パック詰め品の上部に当接状態にあり、それ以上の押圧負荷が商品にかからない状態で上記クランプ機構を維持可能に吊設するバネ弾性体とを備えていることを特徴とする。
【0007】
前記搬送コンベア上の被包装位置に停止したパック詰め品から所定距離を置いた上方に繰り出された所定長のラッピングフィルムの両端部が張られた状態でクランプ機構にて把持され、該ラッピングフィルムがパック詰め品に降下すると同時に左右のクランプ機構が内側に弧状を描きながら回動する間、ラッピングフィルムは張られた状態から緩み状態で商品を包むようにして被覆し、前記ラッピングフィルムは商品の天面に当接状態からそれ以上該商品に押圧負荷が過度にかからないように前記クランプ機構がバネ弾性体にて規制されながら被覆されることを特徴とする請求項1記載のパック詰め品の包装装置である。
【0008】
上記左右のクランプ機構は先端部に上側ラップクランプ爪と下側ラップクランプ爪を備え、該上側ラップクランプ爪と下側ラップクランプ爪の開閉動作を行なうピストンを備えたエアーの圧力制御によるラップクランプシリンダを備えていることを特徴とする。
【0009】
上記「0006」記載のパック詰め品の包装装置は、さらに枠体に取付けたラベル自動供給機と、そのラベル自動供給機から供給されるラベルを、エアーの圧力制御で下降動作を行うラベル下降シリンダと、そのラベル下降シリンダの先端に取付けたラベル吸着パットと、そのラベル下降シリンダをパック詰め品の幅方向上方に沿って左右に移動させるラベル左右送りシリンダとを備えている。
【発明の効果】
【0010】
一部が盛り上がった状態でパック詰めされたイチゴ、サクランボ等の果実又は野菜その他、各種商品の表面がフィルムによりラッピングする際に潰れたり、傷んだりすることなくパックから盛り上がる商品の状態に応じて適切にラッピングをすることができる。
【0011】
特に、所定長のフィルムを張設状態で把持しているクランプ機構がラップ掛け下降シリンダによる下降動作とラップ幅狭めシリンダの作動によるクランプ機構が内側に向けて回動運動とが同時作動により行われる結果、ラッピングフィルムは緊張状態から緩みながらパック詰め品を包み、かつクランプ機構を吊設するスプリングはクランプ機構の下降に伴い次第に引張勝手のバネ力が作用するとともに、スライドベアリングが上方にスライドしてパック詰め品への力のかかり具合を緩和し、パックに詰められたイチゴ等の品物にかかる所定長のラッピングフィルムの包装時における圧力を吸収してバランスをとることができる。
【0012】
また、ラップ幅狭めシリンダの作動によりクランプ機構が内側に向けて回動する時に、パック詰め品のパックにラッピングフィルムによる包装時における当接状態から必要以上の力がかからないように、左右の板バネで挟む力を吸収してバランスをとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示す外観の正面側概略斜視図、図2は本発明の一実施例を示す背面側概略斜視図、図3はアームとクランプ機構との関係を示す正面図、図4はパック詰め品がラッピングフィルムにより被覆される過程を示す説明図、図5はクランプ機構を示す説明図、図6はロール状に巻かれたラッピングフィルムの繰り出し機構及び該フィルムの切断を示す説明図、図7は複数枚のフィルム切断用カッターをジグザグ状(のこぎり山状)に配設した状態を示す説明図をそれぞれ示す。
1はパック詰め品の包装装置本体で、外部は立体的に構築された枠体1aを備えている。パック詰め品の包装装置本体1は架台2上に搭載されている。3は架台2の側面に設けた制御盤である。4は枠体1aの天頂部上に横架したベース29の中央部に立設したラップ掛け下降シリンダで、エアーの圧力制御によりそのラップ掛け下降シリンダ4に装填したピストン4aが下方に向けて下降運動をする。ピストン4aの下部は水平に配設したラップ掛けアーム受け7に固定されている。
【0014】
5は下降シリンダ4を挟んで枠体1aの天頂部の左右対称位置に立設したスライドシャフトで、枠体1aの天頂部を貫通し、そのスライドシャフト5の下部は水平に配設したラップ掛けアーム受け7に固定されている。スライドシャフト5は枠体1aの天頂部に取付けたスライドベアリング6を介して上下に昇降する。ラップ掛けアーム受け7の両端部は互いに内側に向けて対向する左右の逆L字形状(縦部分と横部分が直交するように連設されている形状)のラップ掛けアーム9の横部分9bの端部と回動自在に枢着されている。このラップ掛けアーム9の縦部分9aは非作動時は垂直方向に垂下した状態にあり、作動時にアーム9の縦部分9aが内側に向けて回動する。
【0015】
10はラップ掛けアーム9の外側に配設したガイド10aに沿って昇降自在にスライドするスライドベアリングで、そのスライドベアリング10の下部はラップ掛けアーム9の下端に設けたストッパー9cに当る構造である。
【0016】
8はラップ掛けアーム受け7の裏面中央部に垂下するように取付けたラップ幅狭めシリンダで、電磁弁等によるエアーの圧力制御により下降するピストン8aが下方に向けて取付けられている。ピストン8aの下端は水平方向に配設したリンクベース11の中央部に固定されている。リンクベース11の両端部は左右対称に略ハの字状に配設したリンク板12の上端部に回動自在に枢着されている。リンク板12の下端部はラップ掛けアーム9の縦部分9a内側の途中箇所に突設した突部片9dに回動自在に枢着されている。
【0017】
13は垂直方向に設けた板バネで、その上部はスライドベアリング10の外側面に固定され、その下部はラップクランプシリンダ46の上部に固定されている。
14はラップ切り下降シリンダで、ピストン14aの下端にラップ切りカッター52を備えている。このラップ切りカッター52を下降させることによりロール状に巻かれたラッピングフィルム18から繰り出されたラッピングフィルム18を所定の長さに切断する。本例では所定長のラッピングフィルム18を切断するためにカッターを使用した場合を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、高周波その他の熱的手段等により切断しても良い。
【0018】
図6はロール状に巻かれたラッピングフィルムの繰り出し機構についての概略説明図である。
16は搬送ベルト21の上方(例えば4cmから5cm位であるが必ずしもこれに限定されずに、パック詰め品の大きさ、種類等により異なる)に位置するエンドレスのタイミングベルトである。タイミングベルト16は搬送ベルト21の上方に平行して設置される。17は縦方向の枠体1aの上部内側に一端を係止したスプリングで、そのスプリング17の下端はクランプ機構の主要な構成要素であるラップクランプシリンダ46の上部に固定されている。このラップクランプシリンダ46は下降時に張られた所定長のフィルム44がパック詰め品の品物に強い力を作用させることがないように常時、スプリング17のバネ力により引張勝手に保持されている(図4参照)。
【0019】
次に図6に基いてロール状に巻かれたラッピングフィルムの繰り出し機構について説明する。
ロール状に巻かれたラッピングフィルム18はタイミングベルト16の手前側に所定間隔をおいて2本並設したロール状ラップ回転軸42、42に保持されている。このロール状ラップ回転軸42、42は左右の枠体1aの縦部分からそれぞれ張出したアーム30に軸着されている(図2参照)。ロール状ラップ回転軸42、42の一方にはロール状に巻かれたラッピングフィルム18の幅に合わせてロール状ラップ位置決めガイド43が設けられている。ロール状に巻かれたラッピングフィルム18はロール状ラップ位置決めガイド43を備えたロール状ラップ回転軸42を通ってタイミングベルト16上に敷設したラップ受け送り板15上に予め繰り出され、同時にラッピングフィルム18の裏面両側に形成した細幅の糊付け部(図5では「ノリ」と記載されている)が自走式のタイミングベルト16の表面に張られた状態で走行する。タイミングベルト16はラップ受け送り板15の両側に沿ってエンドレスな細幅に形成されており、ラップ受け送り板15とともに前進・後退運動を行う。この前進・後退運動はラップ送りシリンダ31により行われる。ラップ押えシリンダ34のエアーの圧力制御により下降作動を行うピストン34aの下端に設けたラップ押え32でラッピングフィルム18が固定される。エアーの圧力制御により水平方向に作動するラップ送りシリンダ31に装填したピストン31aがラップ押えシリンダ34に固定されている。ラップ押えシリンダ31のピストン31aはタイミングベルト16と下方位置に並設したガイドの役割をするスライドベアリング51に沿って前進、後退する。33は発光部側となる光センサで、38は受光部側となる光センサである。両光センサ33、38により、ラッピングフィルム18が所定長さだけ繰り出されたら停止するように設定されている。
【0020】
図5はクランプ機構を示す説明図である。
クランプ機構の主要構成要素であるラップクランプシリンダ46は板バネ13及びスプリング17でそれぞれ吊設状態に支持されている点は既に述べたが、ラップクランプシリンダ46に装填したピストン50がシリンダ内の圧力制御により前進・後退運動を行う。そのピストン50の先端に取付けた上下の爪体を介して上下に対向する上側ラップクランプ爪19と下側ラップクランプ爪20が上下方向に開閉する。上側ラップクランプ爪19の先端にはゴム等の弾性材からなるラップ貼付・押えクッション49が設けられている。上側ラップクランプ爪19と下側ラップクランプ爪20との間に挟持されるラッピングフィルム18の裏面の両側面にはイチゴ等の品物を詰めるパック45の側面に糊付けするための粘着剤が塗布されている。図中、24は包装装置本体1の枠体1aの縦部分に取付けた位置検出器で、圧力制御によりピストン24aの動きを調節してラップクランプシリンダ46の左右の不必要な動きを規制している。ピストン24aの先端はラップクランプシリンダ46の端面に設けたシリンダ当り48と近接した状態にある。図中、23はサイド押えプレートである。33は光センサで、発光部33aを示す。47はラップクランプ位置決めガイドを示す。
【0021】
25はパック詰め品の表面にラベルを自動的に貼付するラベル自動供給機で、このラベルには産地表示、生産者・製造者表示等が記載されている。ラベル自動供給機25から供給されたラベルはラベル吸着パット28で吸着される。ラベル吸着パット28はラベル下降シリンダ27のピストン27aの先端に取付けられている。枠体1aの中間部位に横断的に取付けたシリンダ取付けベース35のレール(図示せず)に沿って左右にスライド可能にラベル下降シリンダ27が取付けられている。ラベル下降シリンダ27の左右のスライド運動はラベル左右送りシリンダ26にて行われる。ラベル左右送りシリンダ26は内部の圧力制御によりラベル下降シリンダ27にスライド運動を与える。
【0022】
36はパック搬送コンベアで、架台2の上面中央部に設置され、エンドレスの搬送ベルト21、21同士は所定間隔を空けて同時に同一方向に並行して走行する。パック搬送コンベア36はコンベアモーター37を駆動源としてカップリング39で連結されている。
【0023】
図7は複数枚のフィルム切断用カッターをジグザグ状(のこぎり山状)に配設した状態を示す説明図である。フィルム切断用上下シリンダ取付ブラケット53の中央部にフィルム切断用下降シリンダ14を取付ける。フィルム切断用下降シリンダ14はエアーの圧力制御により下降、上昇動作を行うピストン14aを備え、そのピストン14a先端にラップの幅方向に沿ってカッター取付バー54が設けられている。このカッター取付バー54には複数枚のフィルム切断用カッターをジグザグ状(のこぎり山状)に配設する。ここで、隣接するフィルム切断用カッター52は刃先を外側に向けて略V字に配し、最下端の刃先同士は多少隙間を設けておく。フィルム切断用下降シリンダ14の下降動作によりカッターのV字状の先端がラッピングフィルム18に突き刺さり、更に下降させることにより傾斜した刃の部分によって順次ラッピングフィルム18の幅方向に切断されていき、先端のカッター同士の僅かな隙間部分のフィルムも下方に働く力により切り取られ、全体の切断作業が完了する。カッターをジグザグ状に配することにより刃の寿命が延びるだけでなく、刃に負担がかからずに綺麗に切断できる。
【0024】
次に、一部が盛り上がった状態でパック詰めされたパック詰め品のラッピング工程について説明する。
(1)
ロール状に巻かれたラッピングフィルム18は予め該フィルムの裏面の両端部近傍に沿って糊付けがされている。
(2)
搬送ベルト36に乗ったイチゴパック等のパック45はリミットスイッチ等の位置検出器22で定位置に停止する。
(3)
搬送ベルト21、21は両者一定間隔をおいて配設され、同時に同じ方向に走行し、中間にリミットスイッチ等の位置検出器22が取付けられている。
【0025】
(4)
ラップ回転軸42に搭載されたロール状に巻かれたラッピングフィルム18をラップ受け送り板15上に引っ張り、ラップ押え32で押える。ロール状に巻かれたラッピングフィルム18の裏面両側の糊付け部分は細幅に形成されたエンドレスのタイミングベルト16表面に貼り付けた状態で送り出される。ラッピングフィルム18はロール状ラップ位置決めガイド43を備えたロール状ラップ回転軸42を通って送られる。ラッピングフィルム18はラップ送りシリンダ31でラップ受け送り板15とタイミングベルト16とともに前進する。光センサ33、38の発光部33aと受光部38aで送りの確認をし、定位置で送りの停止を行う。
(5)
送られたラッピングフィルム18は左右の上側ラップクランプ爪19と下側ラップクランプ爪20でクランプする。ラップ押え32をラッピングフィルム18から離し、元の位置まで戻し、ラップ受け送り板15も元の位置に戻す。
(6)
ラップ押え32、上側ラップクランプ爪19及び下側ラップクランプ爪20でラッピングフィルム18を押えた状態でラップ切りカッター52が下降シリンダ14の圧力制御により下降してラッピングフィルム18を切断し、パック45のラッピングが可能な所定長のフィルム44を得る。切断後は、ラップ切りカッター52は上昇する。フィルムの切断は上記カッターに限定されるものではなく、熱等による切断であっても良い。
【0026】
(7)
左右の上側ラップクランプ爪19及び下側ラップクランプ爪20で所定長のフィルム44を張った状態で把持し、所定長のフィルム44がラップ掛け下降シリンダ4による下降動作とラップ幅狭めシリンダ8の内側に向けての回動運動の同時作動により、所定長のフィルム44は張った状態から緩んだ状態に徐々に移行しながらイチゴパック等のパック45の両側面に近づき、イチゴ等の品がくるまれるようにして包装され、パックの両側においてラップ貼付・押えクッション49により弾圧状態で糊付けがされる。
(8)
イチゴ等のパックに詰められたパック詰め品をパッキング時に傷めないようにするために、ラップ掛け下降シリンダ4が下降作動をすると、スプリング17が張られ引張勝手のバネ力が作用するとともに、スライドベアリング10が上方にスライドして力のかかり具合を緩和し、パック45に詰められたイチゴ等の品物にかかる所定長のフィルム44の上からの圧力を吸収してバランスをとることができる。
(9)
ラップ幅狭めシリンダ8の内側に向けての回動時に、パック詰め品のパック45に必要以上の力がかからないように、左右の板バネ13で挟む力を吸収してバランスをとることができる。
【0027】
(10)
タイミングベルト16は所定長のフィルム44の両端近傍に取付けて、所定長のフィルム44の左右のずれ及び所定長のフィルム44の丸まり(カール)を防止する。
(11)
生産者のラベルをラベル自動供給機25、ラベル吸着パット28、ラベル下降シリンダ27、ラベル左右送り26の動作において、ラッピング後のフィルムの指定位置に貼り付ける。
(12)
サイド押えシリンダ24、位置決めガイド47は所定長のフィルム44のクランプ時に安定したクランプができるように固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例を示す外観の正面側概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す背面側概略斜視図である。
【図3】アームとクランプ機構との関係を示す正面図である。
【図4】パック詰め品がラッピングフィルムにより被覆される過程を示す説明図である。
【図5】クランプ機構を示す説明図である。
【図6】ロール状に巻かれたラッピングフィルムの繰り出し機構及び該フィルムの切断を示す説明図である。
【図7】複数枚のフィルム切断用カッターをジグザグ状(のこぎり山状)に配設下状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 パック詰め品の包装装置本体 1a 枠体
2 架台 3 制御盤

4 ラップ掛け下降シリンダ 4a ピストン
5 スライドシャフト 6 スライドベアリング
7 ラップ掛けアーム受け 8 ラップ幅狭めシリンダ
8a ピストン 9 ラップ掛けアーム
9a 縦部分 9b 横部分
9c ストッパー 9d 突部片
10 スライドベアリング 10a ガイド
11 リンクベース 12 リンク板
13 板バネ 14 下降シリンダ
14a ピストン 15 ラップ受け送り板
16 タイミングベルト 17 スプリング
18 ラッピングフィルム 19 上側ラップクランプ爪
20 下側ラップクランプ爪 21 搬送ベルト
22 位置検出器 23 サイド押えプレート
24 位置検出器 24a ピストン
25 ラベル自動供給機 26 ラベル左右送りシリンダ
27 ラベル下降シリンダ 28 ラベル吸着パット
29 ベース 30 アーム
31 ラップ送りシリンダ 31a ピストン
32 ラップ押え 33 光センサ
33a 発光部
34 ラップ押えシリンダ 34a ピストン
35 シリンダ取付けベース 36 パック搬送コンベア
37 コンベア駆動モーター 38 光センサ
38a 受光部
39 カップリング 40 配線中継ボックス
41 エアーパーツ取付けベース 42 ロール状ラップ回転軸
43 ロール状ラップ位置決めガイド 44 所定長のフィルム
45 パック 46 ラップクランプシリンダ
47 ラップクランプ位置決めガイド 48 シリンダ当り
49 ラップ貼付・押えクッション 50 シリンダ・ピストン部
51 スライドベアリング 52 フィルム切断用カッター
53 カッター用昇降シリンダ取付ブラケット
54 カッター取付バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の一部が盛り上がるようにしてパック詰めされたパック詰め品を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベア上の前記パック詰め品を所定位置で停止させる停止機構と、前記搬送コンベア上に停止した状態の前記パック詰め品の上方に繰り出された所定長のラッピングフィルムの両端部を張った状態で把持する左右対称に位置するクランプ機構と、該左右のクランプ機構は左右それぞれに設けた板バネを介して上下動可能に吊設する左右対称位置に下降自在で、かつ内側に向けて回動可能に設置したアームと、該アームの下降動作と同時に前記左右のクランプ機構が内側に弧状を描きながら回動する動作を行ない、ラッピングフィルムの端部をパックの外側上部に沿って固定する回動機構と、上記クランプ機構に把持されたラッピングフィルムが上記パック詰め品の上部に当接状態にあり、それ以上の押圧負荷が商品にかからない状態で上記クランプ機構を維持可能に吊設するバネ弾性体とを備えていることを特徴とするパック詰め品の包装装置。
【請求項2】
前記搬送コンベア上の被包装位置に停止したパック詰め品から所定距離を置いた上方に繰り出された所定長のラッピングフィルムの両端部が張られた状態でクランプ機構にて把持され、該ラッピングフィルムがパック詰め品に降下すると同時に左右のクランプ機構が内側に弧状を描きながら回動する間、ラッピングフィルムは張られた状態から緩み状態で商品を包むようにして被覆し、前記ラッピングフィルムは商品の天面に当接状態からそれ以上該商品に押圧負荷が過度にかからないように前記クランプ機構がバネ弾性体にて規制されながら被覆されることを特徴とする請求項1記載のパック詰め品の包装装置。
【請求項3】
上記左右のクランプ機構は先端部に上側ラップクランプ爪と下側ラップクランプ爪を備え、該上側ラップクランプ爪と下側ラップクランプ爪の開閉動作を行なうピストンを備えたエアーの圧力制御によるラップクランプシリンダを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のパック詰め品の包装装置。
【請求項4】
上記記載のパック詰め品の包装装置は、さらに枠体に取付けたラベル自動供給機と、そのラベル自動供給機から供給されるラベルを、エアーの圧力制御で下降動作を行うラベル下降シリンダと、そのラベル下降シリンダの先端に取付けたラベル吸着パットと、そのラベル下降シリンダをパック詰め品の幅方向上方に沿って左右に移動させるラベル左右送りシリンダとを備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のパック詰め品の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−7116(P2008−7116A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175951(P2006−175951)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(503052748)有限会社 昭栄工業 (4)
【Fターム(参考)】