説明

パネルを敷設して機械的に接合する方法

本発明は、互いに平行な列のパネル(10)を敷設し、機械的に接合する方法に関する。パネル(10)はそれぞれの側端部に、主にさねと溝の接続部によって形成され、それらを旋回させて相互に入れ込むことによってパネル(10)を接合するロック手段を有する。本発明による方法は、以下の手順からなる。最初に、新たに敷設するパネル列(44)の複数のパネル(10)を、対にして相互に接合する。次に、次に第2のステップで、新たに敷設するパネル列(44)の互いに接合されたパネル(10)を、幾つかの区間に分けて作業を行いながら1つまたは複数の小ステップで、新たに敷設するパネル列(44)の一方の端部(46a)から開始してそのもう一方の端部(46b)へ向かって、パネル(10)のねじれ撓み性を利用して、すでに敷設したパネル列(42)のパネルに、ロック手段を旋回させて入れ込むことによって、ジッパのような手法で接合していく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行な列をなすようにパネルを敷設し、機械的に接合する方法であって、パネルはそれぞれ、互いに相対して位置する側端部の第1の対と、互いに相対して位置する側端部の第2の対と、側端部の第1の対に割り当てられたロック手段の第1の対と、側端部の第2の対に割り当てられたロック手段の第2の対とを有し、ロック手段の対は、基本的に、さねと溝とで形成され、パネル平面に対して平行に延在し、かつそれぞれの側端部に対して直角に延在する方向だけでなく、パネル平面に対して直角に延在する方向に、隣接する2枚のパネルをロック手段を用いて互いにロックすることが可能であり、ロック手段の第1の対のさねおよび溝を旋回させて互いに入れ込むことによって、これらを互いに接合することができる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの、パネルを敷設して機械的に接合する方法は、例えば、欧州特許第0969164号(EP0969164B1)から公知である。この方法の場合、新たに敷設するパネル列に追加するパネルは、新たに敷設するパネルの列用にすでに敷設したパネルのところに運ばれる。次いで、新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルが、すでに敷設したパネル列に対して旋回されるが、すでに敷設したパネルとの係合を解除することはない。最後に、新たに敷設するパネルの短い側部の一方が、この態様で新たに敷設するパネル列にあるすでに敷設したパネルの拘束されていない短い側部に合わされ、これら2枚のパネルのパネル平面は互いにある角度をなす。新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルと新たに敷設するパネルの係合部を係合させた後、新たに敷設するパネルのパネル平面と、新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルのパネル平面と、すでに敷設したパネル列のパネルのパネル平面とは、互いに角度をなして、それぞれ対となって延在する。次のステップでは、次いで、新たに敷設するパネルと、新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルとが、すでに敷設したパネル列が整列して配置された床の領域に向かって同時に旋回されて、一方で、新たに敷設するパネルの長い側部にある係合部を最後に敷設したパネル列の係合部と係合させ、他方で、新たに敷設するパネルのパネル平面と、新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルのパネル平面とを、すでに敷設したパネル列のパネル平面と合致させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この公知の方法には、実施するために非常に労力を要し難しいという課題がある。2人の床張り職人で作業する場合、そのうちの1人が新たに敷設するパネルを取り扱い、もう1人が新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルを取り扱うか、または1人の人間で行う場合でも、一方の手で新たに敷設するパネルを取り扱い、他方の手で新たに敷設するパネル列のすでに敷設したパネルを取り扱う必要がある。前者の場合は、1人の人間が単独でパネルを敷設することはできないので、困難である。一方、後者の場合でも、空間的な向きが細かく特定されており、通常、長さが約1.2m、幅が約0.2m、重量が約0.4kgあるパネルに生じるこの作用も考慮しながらも、新たに敷設するパネル列をすでに敷設したパネルに対して正確に相対する位置に、新たに敷設するパネルを配置する必要があるため、床張り職人として、特に、新たに敷設するパネルの取り扱いはきわめて複雑になり、大きな労力を必要とするという問題がある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、先に説明した種類のパネルを、より容易に、特に1人の床張り職人で行うことができるように、敷設、および機械的に接合する方法を開示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、最初に述べた種類の方法に加えて本発明に従って実行することによって達成され、本方法では、最初に新たに敷設するパネル列の複数のパネルを、好ましくは、新たに敷設するパネル列の全てのパネルを、第1のステップにおいて、ロック手段のそれぞれの第2の対のロック手段によって、お互いに対として接合し、次に第2のステップでは、一つ以上の小ステップに分けて作業をして、新たに敷設するパネル列の端部の一方から開始して、端部の他方に向かって、側端部の第1の対に対して平行に延在する軸を中心とするパネルのねじれ撓み性を用いて、新たに敷設するパネル列のそれぞれ接合したパネルを、ロック手段のそれぞれの第1の対のロック手段を旋回させることによって、既に敷設したパネル列のパネルに接合する。本方法では、パネルを敷設する際に利用することを考慮されてこなかったパネルの二つの特性を用いる。一つは、ロック手段の係合強度であり、他方は、側端部の第1の対に対して平行に延在する軸を中心とするパネルのねじれ撓み性である。
【0006】
第1のステップでは、相互に接合する2枚のパネルのロック手段の係合強度を用いて、新たに敷設するパネル列の複数のパネルからある種の「合成パネル(super panel)」を形成する。「合成パネル」の幅は、その側端部の第2の対に沿ったパネルの寸法と等しく、「合成パネル」の長さは、それぞれの側端部の第1の対に沿った、複数のパネルの寸法の、複数のパネルに対応する、倍数に等しい。さらに、本発明による敷設方法の第2のステップのこの合成パネルを取り扱う際において、合成パネルの個々のパネルは、ロック手段の係合が強いため、他のパネルに対してそれ自体で移動することがない。必ずしも必須ではないが、合成パネルを、最後に敷設したパネル列の直近で組み立てることを推奨する。
【0007】
本発明による敷設方法の第2のステップでは、パネルのねじれ撓み性、すなわち、合成パネルのねじれ撓み性を用いて、合成パネルのロック手段を、最後に敷設したパネル列の対応するロック手段に係合する。このため、原理的には、合成パネル全体を、既に敷設したパネル列に対してある角度傾斜させて、相互に係合部を旋回させられることができるが、このためには複数の床張り職人を必要とする。本発明によると、合成パネルの長手端部に隣接する部位から開始して、この部位のロック手段を既に敷設したパネル列の対応する部位のロック手段に係合させることができる。しかしながら、これは、係合が完了した時点で、この部位の領域のパネル面が、既に敷設したパネル列のパネル面に対して同一直線上に配置されていることを意味するものではない。具体的には、ロック手段が単に係合するだけで十分である。このように、部位を分割して、合成パネルの他の長手端部に向かって作業を進め、側端部の第1の対に対して平行に延在する軸を中心としたねじれ撓み性によって、パネルまたは合成パネルは、合成パネルの一方の長手端部から合成パネルの他方の長手端部へ緩やかな「ウェイブ」運動を行う。ロック手段の係合状態が完了した時点で、合成パネルがその自重によって床面に対して旋回していない場合、合成パネルを既に敷設したパネル列に相互に接合するためのロック手段が完全を旋回するために、床張り職人は、これを、好ましくは、再び合成パネルの一方の長手端部から他方の長手端部にもう一度作業することによって、完了することができる。要約すると、合成パネルと最後に敷設したパネル列はお互いに、本発明による敷設方法の「ジッパのような」手法で接合されると言うことができる。
【0008】
上記の態様では、1人の床張り職人が、複雑な作業をせずに、パネルを容易に敷設することもできる。
【0009】
合成パネルを生成する際に、第1のステップに向けた準備として、または第1のステップを行っている間に、新たに敷設するパネル列のパネルを相互に同一直線上に配置させることが好ましい。ロック手段を旋回させて互いに入れ込むことを容易にするため、パネルを、すでに敷設したパネル列のパネルがそれらの溝を、どの場合でも、新たに敷設するパネル列のパネルに対して向くように、方向を合わせて配置すると有利である。この場合に、すでに敷設したパネル列のパネルの可視面に近いリップ部を、新たに敷設するパネル列のパネルのさねに対するストッパとして使用することにより、新たに敷設するパネル列のパネルを同一直線上に配置することができる。
【0010】
本発明による方法は、基本的にパネルの側端部の第1の対に対して平行に延在する軸を中心としたパネルのねじれ撓み性が、パネルの長さ1メートル当たり少なくとも2°、好ましくは、少なくとも4°、さらにより好ましくは、少なくとも6°である場合に、特に単純な手法で行うことができる。パネルのこのねじれ撓み性は、例えば、所定の長さのパネルをその2つの短い側端部で固定し、次いで、パネルを、これらの2つの側端部を互いに反対の旋回方向に旋回させることによって、特に、その可視面を損傷することなく、敷設とは無関係に測定で求めることができる。次いで、このようにして求めたパネルの2つの短い側端部がなす角度値を、メートル単位で測定したパネルの長さ値で単に割ればよい。
【0011】
上述のように、パネルは、例えば、長方形パネルであり、側端部の第1の対は長方形の長い辺に割り当てられ、側端部の第2の対は、長方形の短い辺に割り当ててもよい。しかし、原理的には、本発明による敷設方法を正方形のパネルで実施することも考えられる。
【0012】
ロック手段の第1の対および/またはロック手段の第2の対を、パネルのコア部と一体として構成することは、本発明による敷設方法で用いるロック手段によって2枚の隣接するパネルをロックする強度に有益である。
【0013】
原理的には、本発明による敷設方法は、溝を画定する長さと同じ長さのリップ部を有するパネルとともに使用することもできるが、本発明をさらに発展させると、ロック手段の第1の対の溝が、溝を画定する2つのリップ部を有することが提案される。この場合、パネルの可視面から遠いリップ部を、パネルの可視面に近いリップ部よりも長くしてもよい。したがって、一方のパネルのさねが、旋回して他方のパネルの溝に入るときに、下側の溝を画定するより長いリップ部にさねを置き、スライドさせ、旋回させて溝に入れることが確実にできるようにして、誤って敷設領域の比較的粗い面と係合して、破損の危険にされることとのないようにする。さらに、これは、合成パネルに新たに敷設するパネル列のパネルを接合する際に、相対するパネルの整列を簡単にするために使用することができる。
【0014】
本発明による方法は、旋回させて互いに入れ込むことによって、ロック手段の第2の対のさねと溝を互いに接合することもできるパネルで使用するのに特に有益である。原理的には、本発明による方法は、ロック手段の第2の対のさねと溝を、ほぼ同一平面内でそれらを互いに押し込むことによって互いに接合することができるパネルで使用することもできるが、1人の床張り職人で容易に実施することができる他の敷設方法も、この種のパネル用に存在する。パネルの生産を容易にするために、ロック手段の第1の対とロック手段の第2の対を基本的に同じ構成で具現化することが提案される。
【0015】
本発明による方法は、木質繊維材料または木材チップ材料からなるコア部を有し、必要に応じて、パネルの可視面に対向する側に装飾層を設け、および/または、パネルの可視面から離れて対向する側に対向する層を設けたパネルで特に有益に使用することができる。例えば、MDF板(中質繊維板)またはHDF板(高密度繊維板)が木質繊維材料として使用され、例えば、OSB板(配向性構造板)が木材チップ材料として使用される。
【0016】
また、パネルは、好ましくは床板であることを付け加えなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を以下に、添付図面を用いて典型的な実施形態に基いてさらに詳細に説明する。
【0018】
図1に、本発明による方法を用いて敷設できるパネル全体を参照番号10で示す。パネル10は、長方形の態様で具現化され、長手方向Lに互いに平行に延在する、パネル10の長い側の2つの側端部12、14と、横断方向Qに互いに平行に延在するパネル10の短い側の2つの側端部16、18とを有する。側端部の対12、14と側端部の対16、18にはともに、基本的に、溝20とさね22から構成されるロック手段が設けられている。
【0019】
溝20は、パネル10の可視面24に近い上側リップ20aと、可視面24から離間し、可視面24に対して離れて対向するパネル10のベース領域26に近い下側リップ20bとによって画定される。図示の典型的な実施形態では、下側リップ20bは、上側リップ20aよりも長く、パネルの側端部20、16を越えて突出している(図2を参照のこと)。溝20の溝ベース部20cを図1に点線で示す。ロック突起20dは、下側リップ20bからパネル10の垂直方向Hに突出しており、突起上にはロック面20eが形成されている。さらに、可視面24に対してほぼ平行に延在する下側リップ20bの溝画定面20fと、同様に、可視面24に対してほぼ平行に延在する上側リップ20aの溝画定面20gにも留意すべきである。
【0020】
図1に破線で示す、パネル10の本体の端部を表すさね22は、境界線22cから始まる。さらに、係合突起22aがさね22に設けられ、この突起は、上側リップ20aの下で係合する。図7Cに示す2枚のパネルが接合された状態では、可視面24に対してほぼ平行な合わせ面22gが溝20の溝画定面20gに対して係合している。さらに、さね22は、ロック突起22dを有する。一方で、パネル10の可視面24に対してほぼ平行に延在する合わせ面22fがロック突起22d上に形成され、図7Cに示す2つの隣接するパネルがロックされた状態では、さね22は、その合わせ面で下側リップ20bの下側溝画定面20fに支持される。他方で、ロック面22eがロック突起22dに設けられ、そのロック面は、図7Cに示すロック状態では、溝20のロック面20eに支持される。さらに、合わせ面22hもさね22の面に設けられ、その合わせ面は、基本的に、パネル10の可視面24に対して垂直に延在し、図7Cに示すロック状態では、溝20の面20hに支持される。
【0021】
図7Cに示す2つの隣接するパネルがロックされた状態では、面対20e/22eおよび面対20h/22hが相互に作用して、パネルの垂直方向Hに対して直角に延在すると同時に、それぞれ示した側端部に対しても直角に延在する方向に、2枚のパネルが互いにロックされる。一方、パネル10の可視面24に対してほぼ平行に延在する面対20g/22gおよび面対20f/22fの相互作用により、2枚のパネルがパネル10の垂直方向Hにロックされる。
【0022】
図2に示すように、溝20は、パネル10のコア部30に凹設され、そのコア部は、例えば、木質繊維材料、好ましくは、中質繊維板(MDF)もしくは高密度繊維板(HDF)で作るか、または、例えば、OSB板などの木材チップ材料で作ることができる。コア部30に、パネル10の可視面に装飾層32を設けることができる。この装飾層は、例えば、最上部に所望のパターンを印刷できる、合成樹脂を含浸させて、圧縮して積層を形成した、1つまたは複数の紙層を含む。同様に、パネル10のベース面26は、装飾層32と同様に、複数の紙層から作ることができる対向する層34で覆うことができる。対向する層34および装飾層32は、パネル10の可視面24またはベース面26の全体にわたって延在することが好ましい。ベース領域26は、下側リップ20bの、図2で示す下方への好ましくない反りを防止するように、図2に陰影で示した領域26aのみ、すなわち、下側リップ20bに隣接した領域のみ、対向する紙34がなくてもよい。
【0023】
なお、パネル10には、可視面24に隣接する側端部12、14、16、18の領域に面取りした面36を設け、この面取りした面が、隣接するパネルの対応する面取りした面とともにV字の継ぎ目を形成し、このV字継ぎ目は、主に美的効果をもたらすことに留意されたい。
【0024】
図3に示すように、上記のパネルは、それらの長手方向軸Lのまわりに所定の範囲までねじることができる特性を有する。したがって、パネル10が短い方の側端部16、18の両方で固定され、これらの2つの側端部が、パネル10の長手方向軸Lに対して平行に延在する軸のまわりに、反対方向にねじられると、側端部16に隣接する部分の可視面24と、側端部18に隣接する部分の可視面24との間に角度αが形成される。もちろん、同じことが、側端部16、18に隣接する部分のベース領域26についても同様に当てはまる。このねじり角αをパネル10の標準的な長さ、例えば、1mの長さに適用すると、その場合に、単位を「°/m」とする測定値が、パネル10のねじれ撓み性の大きさを示す。
【0025】
本発明による、パネルを敷設し、機械的に接合する方法でこのねじれ撓み性の特性をどのように使用するかについて、以下、図4および図5を参照して説明する。
【0026】
図4は、互いに平行に配置された複数のパネルの列、すなわち、すでに敷設した2枚のパネル列40、42を示し、パネル列42は、最後に敷設したパネル列であり、パネル列44は、新たに敷設するパネル列である。
【0027】
本発明による方法の第1のステップでは、新たに敷設するパネル列44のパネル10’、10”…が、短い方の側部16’/18”、16”/18′′′、…で対として相互に接合されて、合成パネル46を形成する。ここで、パネル10’、10”の長い方の側部12’、14’、12”、14”、…は、相互に同一直線上に位置する必要があることに留意されたい。
【0028】
最後に敷設したパネル列42のそれぞれのパネルにおいて、それらの溝が形成された側端部12が、新たに敷設するパネル列44のパネルに対向するように、いずれの場合もパネルを敷設するならば、図6に示すように、最後に敷設したパネル列42に、新たに敷設するパネル列44のパネルをこのように容易に整列させることができる。このために、新たに敷設するパネル列のパネルを、さね22がすでに敷設したパネル列42のパネルの下側溝画定リップ20bに対向するように配置し、さらに、すでに敷設したパネル列42のパネルに向かって、さね22に形成された係合突起22aの面22iが、すでに敷設したパネル列42のパネルに形成された上側溝画定リップ20aの面20hに当たって止まるまで、押入する。この状態を図6に断面で示し、図4に、新たに敷設するパネル列44全体または合成パネル46全体を平面図で示す。
【0029】
本発明による敷設方法の第2のステップでは、合成パネル46または新たに敷設するパネル列44を、ここで、最後に敷設したパネル列42に接合する。床張り職人は、図5の合成パネル46の一方の長手端部46a、例えば、合成パネル46の左側の長手端部から、合成パネル46のそれぞれ他方の長手端部46bへ作業をしながら、幾つかの区間に分割して、すでに敷設したパネル列42の溝20に合成パネル46をその係合突起22aを用いて導いていく(図7Aを参照のこと)。パネル10のねじれ撓み性によって、分割によるこの手順は可能になる。図5の左側の端部46aでは、敷設した最下位のパネル列のパネルにすでに接合しているが、図5の右側の端部46bはまだ図6に示す位置合わせ位置にあることが、図5からわかる。
【0030】
すでに説明したように、床張り職人は、合成パネル46の一方の長手端部46aから他方の長手端部46bまで、作業をしながら進みながら、これによって、合成パネル46の係合突起22aを、ジッパのような手法で、すでに敷設したパネル列42の溝20に導いていく。
【0031】
本発明による方法の第2のステップのこの第1の小ステップをもって、新たに敷設するパネル列44または合成パネル46と最後に敷設したパネル列42との間の機械的は接合を完全に完了する必要はまだない。これは、最後に敷設したパネル列の溝20に係合突起22aを導いた直後に、合成パネル46を、図7Cに示すように、合成パネル46が下部面U上に当たるまで、下部面Uに対して完全に旋回させる必要はないことを意味する。その代わりに、合成パネル46を手で図7Bに示す、ロック面20e、22eが、相互に僅かに嵌合しただけの、中間位置まで旋回させる、または合成パネルが重力によってそれ自体でこの位置まで旋回できるようにするだけで十分である。合成パネル46が、その全長にわたって図7Bに示す中間位置をとると、本発明による敷設方法の第2のステップの続く第2の小ステップで、再び、合成パネル46の一方の長手端部46aから他方の長手端部46bまで、幾つかの区間に分割して作業を行い、図7Cによる最終的なロック状態を実現できる。
【0032】
上記の敷設技術を用いると、材料を節約した単純な手法で、1人の床張り職人でパネル10を容易に敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による方法を用いて敷設することができるパネルの概略平面図である。
【図2】図1の線II−IIまたはII’−II’に沿った断面図である。
【図3】ねじれ撓み性という用語を説明するための、図1の矢印方向IIIから見た図1によるパネルの概略正面図である。
【図4】本発明による方法を説明するための、下部面に敷設されたパネルの概略平面図である。
【図5】本発明による方法を説明するための、下部面に敷設されたパネルの概略平面図である。
【図6】図2と同様であるが、最後に敷設したパネル列を用いて新たに敷設するパネル列を整列する工程を説明するための図である。
【図7A】図2と同様であるが、2つの隣接するパネルのロック手段を相互に旋回させて互いの入れ込む工程を説明するための図である。
【図7B】図2と同様であるが、2つの隣接するパネルのロック手段を相互に旋回させて互いの入れ込む工程を説明するための図である。
【図7C】図2と同様であるが、2つの隣接するパネルのロック手段を相互に旋回させて互いの入れ込む工程を説明するための図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な列(40、42、44)をもってパネル(10)を敷設し、機械的に接合する方法であって、前記パネル(10)はそれぞれ、互いに相対して位置する側端部の第1の対(12、14)と、互いに相対して位置する側端部の第2の対(16、18)とを有し、
ロック手段(20、22)の第1の対が前記側端部の第1の対(12、14)に割り当てられるとともに、ロック手段(20、22)の第2の対が前記側端部の第2の対(16、18)に割り当てられ、前記ロック手段(20、22)の第1の対および第2の対は、基本的に、さね(22)および溝(20)で構成され、
前記ロック手段(20、22)を用いて、パネル平面(L−Q)に対して垂直に延在する方向(H)、および前記パネル平面(L−Q)に対し平行で、かつ、前記側端部(12、14、16、18)に対して直交して延在する方向(L)または方向(Q)に、隣接する2枚のパネル(10)を互いにロックすることができ、
前記ロック手段(20、22)の第1の対の前記さね(22)および前記溝(20)を旋回させて互いに入れ込むことによって、前記さね(22)および前記溝(20)を互いに連結することができる方法において、
最初に第1のステップで、新たに敷設するパネル列(44)の複数のパネル(10、10’…)を、それらそれぞれのロック手段の第2の対(20、22)のロック手段を用いて対で互いに接合し、
次に第2のステップで、新たに敷設する前記パネル列(44)の互いに接合された前記パネル(10、10’…)を、幾つかの区間に分けて作業を行いながら1つまたは複数の小ステップで、新たに敷設する前記パネル列(44)の一方の端部(46a)から開始してそのもう一方の端部(46b)へ向かって、それらそれぞれのロック手段(20、22)の第1の対のロック手段を旋回させて他方に入れ込むことによって、前記側端部の第1の対(12、14)に対して平行に延在する軸(L)を中心とする前記パネル(10)のねじれ撓み性を利用して、すでに敷設した前記パネル列(42)の前記パネルに接合すること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記パネル(10)を旋回させて他方に入れ込む際、
最初に、一方の前記パネル列(44)の前記パネルの前記さね(22)を、他方の前記パネル列(42)の前記パネルの前記溝(20)に挿入し、次に、これが前記パネル列の全体に沿って完了した後、
すでに敷設した前記パネル列(42)の可視面(24)と新たに敷設する前記パネル列(44)の前記パネルの可視面(24)とが、ほぼ1つの平面内に配置されるように、新たに敷設する前記パネル列(44)の前記パネルを旋回させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
新たに敷設する前記パネル列(44)の前記パネルは、前記第1のステップの前処理として、または前記第1のステップを実施している間に、互いに整列されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パネル(10)は、すでに敷設した前記パネル列(42)の前記パネルが、それらの溝(20)が、新たに敷設する前記パネル列(44)の前記パネルに向くように、方向を合わせて敷設されることを特徴とする請求項1から請求項3迄の何れかにに記載の方法。
【請求項5】
すでに敷設した前記パネル列(42)の前記パネルの可視面(24)に隣接するリップ(20a)が、新たに敷設する前記パネル列(44)の前記パネルの前記さね(22)に対するストッパとして使用されることを特徴とする請求項3および請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パネル(10)の前記ねじれ撓み性は、パネルの側端部の第1の対(12、14)に対してほぼ平行に延在する軸(L)を中心として、前記パネルの長さ1メートル当たり少なくとも2°、好ましくは、少なくとも4°、さらに好ましくは、少なくとも6°であることを特徴とする請求項1から請求項5迄の何れかに記載の方法。
【請求項7】
前記パネル(10)は長方形のパネルであり、前記側端部の第1の対(12、14)は、前記長方形の長辺に割り当てられ、前記側端部の第2の対(16、18)は、前記長方形の短辺に割り当てられたことを特徴とする請求項1から請求項6迄の何れかに記載の方法。
【請求項8】
前記ロック手段の第1の対(20、22)および/または前記ロック手段の第2の対(20、22)は、前記パネル(10)のコア部(30)と一体で形成されることを特徴とする請求項1から請求項7迄の何れかに記載の方法。
【請求項9】
前記ロック手段の第1の対(20、22)の前記溝(20)は、その溝を画定する2つのリップ(20a、20b)を有し、前記パネル(10)の可視面(24)から離れたリップ(20b)は、前記パネル(10)の前記可視面(24)に近いリップ(20a)よりも長いことを特徴とする請求項1から請求項8迄の何れかに記載の方法。
【請求項10】
前記ロック手段の第2の対(20、22)の前記溝(20)および前記さね(22)はまた、それらを旋回させて互いに入れ込むことによって互いに接合できることを特徴とする請求項1から請求項9迄の何れかに記載の方法。
【請求項11】
前記ロック手段の第1の対(20、22)と前記ロック手段の第2の対(20、22)とは、ほぼ同一であるように形成されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パネル(10)は、木質繊維材料または木材チップ材料からなるコア部(30)を有し、
当該コア部は、必要に応じて、前記パネル(10)の可視面(24)に対向する側を装飾層(32)で覆われ、および/または、前記パネル(10)の前記可視面(24)から離れて対向する側を対向する層(34)で覆われたことを特徴とする請求項1から請求項11迄の何れかに記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公表番号】特表2008−542580(P2008−542580A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512771(P2008−512771)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004998
【国際公開番号】WO2006/125646
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507389543)インターグラリオン リミテッド (8)
【Fターム(参考)】