説明

パネル体への部材取付構造

【課題】薄板状の表面材を用いた場合でも、パネル体の表面に取付部材を強固に取付けることが可能なパネル体への部材取付構造を提供する。
【解決手段】ペーパーハニカム10を芯材とするとともに、裏側表面材12を貫通し且つ穴底がペーパーハニカム10の内部に達するように形成された取付穴部17を有する天板3と、取付穴部17に挿入される筒状の挿入部21、挿入部21の先端側に埋設されたナット23、及び端部に形成されたフランジ部22を備えるとともに、フランジ部22が裏側表面材12に当接した状態で、ナット23が引張られることにより、挿入部21がペーパーハニカム10の内部で径方向外方に変形し、その変形部分とフランジ部22とで裏側表面材12を挟込む締結具20とを備える。そして、取付部材6の透孔7を通してナット23にボルト8が螺合されることにより、天板3に対して取付部材6が締結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル体への部材取付構造、特に、ハニカム構造材を芯材とするパネル体に対し、別部材をボルトで取付けるための、パネル体への部材取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば折畳み式のテーブルとして、木質材からなる天板と、天板の裏面に取付けられた金属製の取付部材(補強枠や脚部材等)とを備えて構成されたものが知られている。なお、これらの取付部材は、製造時に天板の裏面に組付けられるが、特に、脚部材等においては、テーブルの使用時に比較的大きな荷重が加わる可能性があるため、確実に且つ強固に取付ける必要がある。そこで、一般には、取付部材に透孔を穿設するとともに、その透孔を通して比較的長めの木ネジを天板の裏面に直接ねじ込むことで、取付部材を固着させるようにしている。
【0003】
一方、住宅内のドアや収納扉等に用いられるパネル体として、ペーパーハニカムを芯材とし、その表面に薄板状の化粧板やMDF(中質繊維板)等からなる表面材を貼り合わせてなるサンドイッチ構造のパネル体が知られている(特許文献1参照)。また、このパネル体によれば、軽量化を図るとともに反りを防止することが可能となるため、折畳み式テーブルの天板においても、この種のパネル体を用いることが試みられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ペーパーハニカムを芯材とするパネル体においては、木ねじを用いても取付部材を強固に取付けることが困難となっていた。なぜなら、ペーパーハニカムに木ねじをねじ込んでも十分な締結力を発生させることができず、しかも、ペーパーハニカムの表面に貼着された表面材は薄板状であり、表面材だけでは締結に必要な雌ネジの長さを確保することができないためである。
【0005】
なお、芯材に対する、表面材の割合を比較的大きくすれば(すなわち、表面材の厚みを大きくすれば)、十分な長さの雌ネジを形成することが可能になるが、これによれば、パネル体全体の重量が大幅に増加し、ハニカム構造材を用いた効果が半減されることになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、薄板状の表面材を用いた場合でも、パネル体の表面に取付部材を強固に取付けることが可能なパネル体への部材取付構造の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるパネル体への部材取付構造は、「ハニカム構造材、及び該ハニカム構造材を芯材として該ハニカム構造材の表面に接着された表面材を備えるとともに、前記表面材を貫通し且つ穴底が前記ハニカム構造材の内部に達するように形成された取付穴部を有するパネル体と、
該パネル体の前記取付穴部に挿入される筒状の挿入部、該挿入部の先端側内周面に形成された雌ネジ部、及び前記挿入部の端部に形成され外径が前記取付穴部の内径よりも大きなフランジ部、を備えて構成されるとともに、前記フランジ部が前記表面材に当接した状態で、前記雌ネジ部が開口側へ引張られることにより、前記挿入部が前記ハニカム構造材の内部で径方向外方に変形し、該変形部分と前記フランジ部とで前記表面材を挟込む締結具と
を備え、
取付部材に穿設された透孔を通して前記締結具の前記雌ネジ部にボルトが締付けられることにより、前記パネル体に対して前記取付部材が締結される」ことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「ハニカム構造材」の構成及び材質は特に限定されるものではないが、複数の片面段ボールが並設して一体化されたペーパーハニカムを例示することができる。また、「表面材」の材質も特に限定されるものではないが、メラミン化粧板、またはMDF(中質繊維板)を例示することができる。また、「表面材」は、一枚の部材から構成してもよいが、複数枚の薄板部材を貼り合わせて構成してもよい。また、「取付穴部」の個数及び間隔は、取付部材の形状や大きさに応じて適宜設定することができる。
【0009】
また、「挿入部」の材質は、「雌ネジ部」が引張られた際に径方向外方へ変形可能であれば特に限定されるものではない。なお、ここで言う「変形」には、塑性変形及び弾性変形の両方が含まれる。また、「雌ネジ部」は、挿入部と一体に形成してもよいが、例えば雌ネジ部を有するナットを挿入部の中に埋込むようにしてもよい。
【0010】
本発明のパネル体への部材取付構造によれば、締結具は、筒状の挿入部と、挿入部の端部に形成されたフランジ部と、挿入部の先端側内周面に形成された雌ネジ部とを備えて構成されており、パネル体に形成された取付穴部に挿入部が挿入され、且つフランジ部が表面材に当接した状態で、雌ネジ部が開口側へ引張られると、フランジ部に対する雌ネジ部の距離が短くなり、雌ネジ部及びフランジ部を繋ぐ挿入部が径方向外方に変形するように力が作用する。ここで、挿入部が挿入される取付孔部は、表面材を貫通するとともに穴底がハニカム構造材の内部に達するように形成されており、また、ハニカム構造材は構成上、内部に空隙が多いことから、取付孔部に挿入された挿入部はハニカム構造の内部すなわち空隙内で膨出するように、径方向外方に変形する。これにより、変形した部分及びフランジ部によって表面材が挟持された状態となり、表面材に対して締結具が固着される。
【0011】
このようにハニカム構造材の内部に雌ネジ部が形成されるため、パネル体上に取付部材をセットし、取付部材に穿設された透孔を通して締結具の雌ネジ部にボルトを締付ければ、パネル体に対し取付部材を締結することが可能になる。特に、比較的厚みのあるハニカム構造材の内部に雌ネジ部が形成されることから、雌ネジ部の長さを十分に長くすることができ、パネル体の表面に取付部材を強固に取付けることが可能となる。
【0012】
なお、挿入部の変形は、ボルトを螺合させる前に専用の工具を用いて行われるようにしてもよいが、ボルトを締結する際に、すなわち締結用のボルトを雌ネジ部に螺合させることにより行われるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明にかかるパネル体への部材取付構造において「前記締結具の前記雌ネジ部は、前記挿入部に埋設されたナットによって構成され、
前記挿入部は、前記ボルトの締付け時に、前記ナットが開口側へ引張られることにより、径方向外方に膨出する弾性変形部材で形成されている」構成とすることができる。
【0014】
本発明によれば、挿入部の先端側に金属製のナットが埋設されているため、ボルトの雄ネジ部分を、取付部材の透孔を通してナットの雌ネジ部に螺合させると、ボルトの回転によってナットに推進力が作用し、ナットを開口側に引張ることが可能になる。なお、挿入部は合成樹脂やゴム等の弾性変形部材で形成されているため、ボルトの回転によるナットの推進力のみによって容易に変形させることが可能になる。
【0015】
このように、取付部材の取付作業と同時に、締結具が表面材に固着されるため、作業工程を少なくし生産性を高めることが可能になる。また専用の工具が不要となるため、設備費を抑制するとともに作業者の負担を軽減することができる。また、ボルトが緩められると挿入部は変形前の形状に戻るため、例えば取付部材を交換する際にも、取外したの締結具をそのまま再利用することが可能となる。
【0016】
また、本発明にかかるパネル体への部材取付構造において「前記パネル体の前記ハニカム構造体は、ペーパーハニカムであり、前記挿入部の変形によって前記ペーパーハニカムにおける前記取付穴部の内径が拡径される」構成とすることができる。
【0017】
本発明によれば、ハニカム構造体としてペーパーハニカムが用いられるため、挿入部が径方向外方に変形すると、ペーパーハニカムの内部に形成された空隙部分だけではなく、取付孔部の周囲のペーパーハニカム構成部材(例えばダンボール等の紙部材)を押し潰すように膨出される。このため、取付孔部の周囲の表面材を全周に亘って均等に押圧することが可能になり、ひいては表面材に対する締結具の固着を一層強固なものとすることができる。また、膨出された挿入部の外周面がペーパーハニカム構成部材にも圧接するため、摩擦抵抗が大きくなり、締結具がボルトまたは専用工具と一緒に回転してしまうこと(所謂空回り)を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明によれば、雌ネジ部を有する締結具を表面材に圧着させるため、薄板状の表面材を用いた場合でも、パネル体の表面に取付部材を強固に取付けることができる。特に、ハニカム構造材の内部の空隙を利用して締結具の挿入部を径方向外方に変形させるため、パネル体に対し締結具を確実に固着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の部材取付構造を適用した折畳みテーブルを示す斜視図である。
【図2】折畳みテーブルにおける天板(パネル体)の構成を示す分解斜視図である。
【図3】天板への部材取付構造を示す断面図であり、(a)はボルトの締結前を示し、(b)はボルトの締結後を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態であるパネル体への部材取付構造(以下、単に「部材取付構造1」という)について、図1乃至図3に基づき説明する。図1は、本例の部材取付構造1を適用した折畳みテーブル2を示したものであり、この折畳みテーブル2は、平面視が長方形である天板3と、天板3を支持する脚部材5と、天板3の裏面4に対して脚部材5を折畳み可能に取付ける脚部材取付部6(以下「取付部材6」という)と、を具備して構成されている。なお、脚部材5及び取付部材6は周知の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略するが、取付部材6は、角パイプで形成されるとともに取付方向に貫通した透孔7(図3参照)が穿設されており、この透孔7を通して螺合されるボルト8によって天板3に締結されている。ここで、天板3が本発明のパネル体に相当する。
【0021】
まず、天板3について詳細に説明する。図2に示すように、天板3は、芯材であるペーパーハニカムと、その表面側に貼り付けられた表側表面材11と、裏面側に貼り付けられた裏側表面材12とから構成されている。また、天板3の木口面には、化粧縁部材13が全周に亘って貼着されており、天板3の表面側及び裏面側だけでなく木口面においても意匠性が高められている。ここで、ペーパーハニカム10が本発明のハニカム構造材に相当し、表側表面材11及び裏側表面材12が本発明の表面材に相当する。
【0022】
ペーパーハニカム10は、長手方向に沿って波形に形成された波状部15と、その波状部15の頂部に接着され、幅及び長さが波状部15と等しい平板状の平坦部16とから構成された片面段ボール14を一つの層として有している。そして、複数の片面段ボール14が平坦部16に直交する水平方向に並設し互いに接着されることで一体化された板状のハニカム構造を構成している。このようなペーパーハニカム10は、紙を原材料として使用し、しかも内部に多くの空隙を有するため、パーティクルボード等の木質材と比べると軽量化が可能となり、しかもハニカム構造を有するため、反りや捩れを防止することが可能となっている。
【0023】
ペーパーハニカム10の表面側に接着剤を介して貼り付けられた表側表面材11は、メラミン化粧板18及び紙管原紙19から構成されている。メラミン化粧板18は、家具やドア等の仕上面として一般に使用されているものであり、表面硬度が高いため傷がつき難く、また耐水性に優れ掃除がしやすいものとなっている。さらに、色や木目等様々な種類があるため、装飾性の優れたものに仕上げることが可能である。一方、紙管原紙19は、古紙を再生した再生紙であり、紙、箔、織物等を巻く芯棒の製造に用いられているものである。
【0024】
ペーパーハニカム10の裏面側に接着剤を介して貼り付けられた裏側表面材12は、MDF(中質繊維板)から構成されている。MDFは、木材を繊維状にほぐし接着剤を配合してボード状に成形したものであり、安定した強度を得るとともに、反りや捩れが生じにくく加工しやすいものとなっている。
【0025】
また、図3に示すように、取付部材6が取付けられる天板3の裏面4には、複数の取付穴部17が設けられている。この取付穴部17は、裏側表面材12を貫通するとともに、穴底がペーパーハニカム10の内部に達するように形成されている。
【0026】
一方、化粧縁部材13は、図2に示すように、ペーパーハニカム10、表側表面材11、及び裏側表面材12からなる天板3の木口面全体に貼着されており、ABS樹脂で形成された帯状の形状を呈している。なお、ABS樹脂以外の合成樹脂または木材で形成することも可能である。
【0027】
続いて、締結具20について説明する。図3(a)に示すように、締結具20は、天板3の取付穴部17に挿入される円筒状の挿入部21と、挿入部21の端部に一体成形され外径が取付穴部17の内径よりも大きなフランジ部22と、挿入部21の先端側に埋設され内周面に雌ネジ部24を有する金属製のナット23とを具備して構成されている。なお、挿入部21の長さは、裏側表面材12からナット23までの距離が所定の長さ(例えば5mm)以上となるように設定されている。つまり、ナット23が開口側に引張られた際に挿入部21をペーパーハニカム10内で弾性変形させ、裏側表面材12の内面に当接する膨出部分が形成されるように長さが設定されている。なお、取付穴部17の深さは、挿入部21の長さよりも僅かに深くなるように設定されている。
【0028】
次に、取付部材6の取付方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、天板3に形成された取付穴部17に締結具20の挿入部21を挿入させ、フランジ部22を裏側表面材12の表面に当接させる。その後、角パイプからなる取付部材6をセットするとともに、取付部材6の透孔7を通して、ボルト8の雄ネジ部9を締結具20内に挿入させ、さらに雄ネジ部9の先端をナット23の雌ネジ部24に螺合させる。これにより、締結具20と取付部材6とがボルト8によって締結された状態となる。
【0029】
なお、この状態(図3(a)の状態)では、締結具20は天板3に対して固定されていないため、取付穴部17から締結具20を抜取ることも可能である。換言すれば、締結具20を取付穴部17に挿入させることなく取付部材6に固定させ、その後、挿入部21のみを取付穴部17に挿入させるようにしても、図3(a)に示す状態とすることが可能である。
【0030】
その後、締結具20のフランジ部22を裏側表面材12に当接させた状態で、ボルト8をさらに深くまで螺合させる。すると、図3(b)に示すように、ナット23が開口側へ引張られ、ナット23及びフランジ部22間の距離が短くなり、ナット23及びフランジ部22を繋ぐ挿入部21が径方向外方に変形するように力が作用する。ここで、上記したように、挿入部21が挿入される取付穴部17は、裏側表面材12を貫通するとともに穴底がペーパーハニカム10の内部に達するように形成されており、また、ペーパーハニカム10は構成上、内部に空隙が多いことから、取付穴部17に挿入された挿入部21は、ペーパーハニカム10の内部すなわち空隙内で膨出するように、径方向外方に変形する。これにより、変形した部分21a及びフランジ部22によって裏側表面材12が挟持された状態となり、裏側表面材12に対して締結具20が固着される。すなわち、天板3の裏側表面材12に取付部材6が締結された状態となる。
【0031】
このように、本実施形態の部材取付構造1によれば、ナット23を有する締結具20を裏側表面材12に固着させるため、薄板状の裏側表面材12を用いた場合でも、天板3の裏面側に取付部材6を強固に取付けることができる。特に、比較的厚みのあるペーパーハニカム10の内部に雌ネジ部24が形成されることから、雌ネジ部24の長さを十分に長くすることができ、取付部材6の取付強度を確実に高めることができる。
【0032】
また、本実施形態の部材取付構造1によれば、ハニカム構造体としてペーパーハニカム10を用いるため、挿入部21が径方向外方に変形すると、ペーパーハニカム10の内部に形成された空隙部分だけではなく、取付穴部17の周囲の波状部15及び平坦部16を押し潰すように膨出されるため、取付穴部17の周囲の裏側表面材12に対して均等に圧接させることが可能になり、ひいては裏側表面材12に対する締結具20の固着を一層強固なものとすることができる。また、膨出された部分21aの外周面がペーパーハニカム10の波状部15及び平坦部16にも圧接するため、摩擦抵抗が大きくなり、締結具20がボルト8と一緒に回転してしまうことを防止できる。
【0033】
さらに、本実施形態の部材取付構造1によれば、挿入部21を弾性変形部材で形成し、ボルト8の締付け時にナット23を開口側へ引張るように構成したため、取付部材6の取付作業と同時に、締結具20を裏側表面材12に固着させることができ、ひいては作業工程を少なくすることができる。また専用の工具が不要となるため、設備費を抑制するとともに作業者の負担を軽減することができる。また、ボルト8が緩められると挿入部21は変形前の形状に戻るため、例えば取付部材6を交換する場合には、取外した締結具20を再利用することができる。
【0034】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0035】
すなわち、上記実施形態では、表面材3として、メラミン化粧板18及び紙管原紙19を用いるものを示したが、裏側表面材12と同様、MDF等の木質材を用いるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、ペーパーハニカム10に対して表側表面材11及び裏側表面材12を直接接着するものを示したが、ペーパーハニカム10の表面側及び裏面側に段ボール等の紙部材を予め貼着してなるペーパーハニカムボードに対して表側表面材11及び裏側表面材12を接着するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、ハニカム構造材として紙から構成されたペーパーハニカム10を用いるものを示したが、アルミニウム等の軽金属またはプラスチック等の樹脂、あるいは紙に樹脂を含浸させたもので構成されたハニカム構造材を用いるようにしてもよい。また、ハニカムの形状も特に限定されるものではなく、例えば六角形のセルを多数配列して形成されたものを用いるようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、裏側表面材12に取付部材6を取付けるものを示したが、表側表面材11に取付部材6を取付ける場合においても本発明の構成を適用することができる。また、折畳みテーブル2の天板3をパネル体として適用するものを示したが、収納扉、棚、または室内のドア等においても適用することが可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、締結具20の挿入部21を弾性変形させるものを示したが、挿入部を塑性変形させるようにしてもよい。また、上記実施形態では、ボルト8によってナット23を引張ることで挿入部21を変形させるものを示したが、専用の工具によってナット23を引張りながら挿入部21を変形させるようにしてもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態では、締結具20にナット23を埋設することで締結具20の内周面に雌ネジ部24を形成するものを示したが、挿入部21の内周面に直接雌ネジ部を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 部材取付構造(パネル体への部材取付構造)
3 天板(パネル体)
6 取付部材
7 透孔
8 ボルト
10 ペーパーハニカム(ハニカム構造材)
12 裏側表面材(表面材)
17 取付穴部
20 締結具
21 挿入部
22 フランジ部
23 ナット
24 雌ネジ部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開平10−711号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造材、及び該ハニカム構造材を芯材として該ハニカム構造材の表面に接着された表面材を備えるとともに、前記表面材を貫通し且つ穴底が前記ハニカム構造材の内部に達するように形成された取付穴部を有するパネル体と、
該パネル体の前記取付穴部に挿入される筒状の挿入部、該挿入部の先端側内周面に形成された雌ネジ部、及び前記挿入部の端部に形成され外径が前記取付穴部の内径よりも大きなフランジ部、を備えて構成されるとともに、前記フランジ部が前記表面材に当接した状態で、前記雌ネジ部が開口側へ引張られることにより、前記挿入部が前記ハニカム構造材の内部で径方向外方に変形し、該変形部分と前記フランジ部とで前記表面材を挟込む締結具と
を備え、
取付部材に穿設された透孔を通して前記締結具の前記雌ネジ部にボルトが締付けられることにより、前記パネル体に対して前記取付部材が締結される
ことを特徴とするパネル体への部材取付構造。
【請求項2】
前記締結具の前記雌ネジ部は、前記挿入部に埋設されたナットによって構成され、
前記挿入部は、前記ボルトの締付け時に、前記ナットが開口側へ引張られることにより、径方向外方に膨出する弾性変形部材で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のパネル体への部材取付構造。
【請求項3】
前記パネル体の前記ハニカム構造体は、ペーパーハニカムであり、前記挿入部の変形によって前記ペーパーハニカムにおける前記取付穴部の内径が拡径される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパネル体の部材取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−261205(P2010−261205A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112519(P2009−112519)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(391034488)イビケン株式会社 (29)
【Fターム(参考)】