説明

パネル接続材並びに連結部材

【課題】 この発明は、パネル同士の接続部における水密性を持ち、施工性に優れたパネル接続材、並びに連結部材を提供することを目的としている。
【解決手段】 接続基体2と圧着蓋体3とで構成され、接続基体2は、口部2dの狭い嵌装溝2bが形成され、嵌装溝2bの外側壁面には、弾性体2fが長手に沿って形成され、圧着蓋体3は、硬質の蓋板3a後面幅中央部に栓体3bが長手に沿って形成されて、該栓体3bは前記嵌装溝2b幅より板厚を大きく設定され、接続基体2の嵌装溝2bに栓体3bを圧入させたとき、栓体3bの板厚で、接続基体2の嵌装溝2b側壁が外方へ押され、外側の弾性体2fを外方へ押動可能に構成されたパネル接続材1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル接続材並びに連結部材に係り、特に建築用パネルを、上下左右に接続させるためのパネル接続材と、パネル接続材の連結部に配設される連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用の石膏ボード等パネルを、平面的に上下左右に接続する場合、左右間においては継手を使用しているが、上下間においては、雨水の捌けが悪いので手作業でシール材を詰装している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パネルを上下方向へ接続させる場合、下のパネルと上のパネルの間に適当な間隔を開けて固定してから、接続させる部分のパネル端縁部に防汚テープを貼着し、隙間に流体ガスケット材を詰装して固め、しかる後に防汚テープを剥離するという手間をかけている。
この発明は、前記のような手間をかけずに、パネルを上下方向並びに左右方向に、簡便に連続して接続させることが出来、水密性の優れたパネル接続材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、前記課題を解決し目的を達成するために、パネル接続材を、シール性のある接続基体と、圧着性を保持させる圧着蓋体とで構成した。発明の具体的な内容は次の通りである。
【0005】
(1) パネル同士の接合部に嵌合させる、樹脂製接続材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の細長い主部正面に長手に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の左右外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の押出成形体で、蓋板背面幅中央部に栓体が長手に沿って形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外側方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成されたパネル接続材。
【0006】
(2) 前記接続基体の弾性体には、割れ蓋を介して収納洞が長手に沿って形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されている、前記(1)に記載されたパネル接続材。
【0007】
(3) 前記接続基体の主部嵌装溝には、正面前部に両脇の関板を介して口部が形成され、嵌装溝内には係止突条が左右から突設され、これに対応して圧着蓋体は、栓体の基部並びに中間部を、口部関板対向間隔、並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されている、前記(1)(2)のいずれかに記載されたパネル接続材。
【0008】
(4) 前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に、係止可能な係合突条が形成されている、前記(1)〜(3)のいずれかに記載されたパネル接続材。
【0009】
(5) パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略L形主部にL形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略L形蓋板後面にL形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外側方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成された、パネル接続材の連結部材。
【0010】
(6) パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略L形主部にT形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略T形蓋板背面にT形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成された、パネル接続材の連結部材。
【0011】
(7) パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略+形主部に+形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略+形蓋板後面に+形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成された、パネル接続材の連結部材。
【0012】
(8) 前記接続基体の弾性体には、割れ蓋を介して収納洞が長手に沿って形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されている、前記(5)〜(7)のいずれかに記載された、パネル接続材の連結部材。
【0013】
(9) 前記接続基体の主部嵌装溝には、正面前部に両脇の関板を介して口部が形成され、嵌装溝内には係止突条が左右から突設され、これに対応して圧着蓋体は、栓体の基部並びに中間部を、口部関板対向間隔並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されている、前記(5)〜(7)のいずれかに記載された、パネル接続材の連結部材。
【0014】
(10) 前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に係止可能な係合突条が長手に沿って形成されている、前記(5)〜(7)のいずれかに記載された、パネル接続材の連結部材。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると次のような効果がある。
(1) 請求項1に記載されたパネル接続材は、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体をパネルの継ぎ目に嵌合させて、口部から嵌装溝へ、圧着蓋体の栓体を圧入させると、該栓体は前記嵌装溝の幅より大きく設定されているため、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外方へ押され、外側の弾性体を外方のパネルへ圧着させてシールする。
【0016】
(2) 請求項2に記載されたパネル接続材は、前記接続基体の弾性体には、割れ蓋を介して収納洞が長手に沿って形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されているので、嵌装溝に圧着蓋体の栓体を圧入させると、割れ蓋が開口し収納洞内の粘着剤が漏出して弾性体とパネルの接合部に付着し、水密性を高める。
【0017】
(3) 請求項3に記載されたパネル接続材は、接続基体の主部嵌装溝に圧着蓋体の栓体を圧入したとき、栓体の基部並びに中間部が、口部関板対向間隔並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されているので、主部嵌装溝側壁を外方へ押動して、接続基体の外側の弾性体をパネルに容易に圧着させる。
【0018】
(4) 請求項4に記載されたパネル接続材は、前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に、係止可能な係合突条が形成されているので、一度嵌装溝に栓体を圧入させると、容易に抜去することが困難となる。
【0019】
(5) 請求項5に記載されたパネル接続材の連結部材は、正面でL形に形成されているので、パネルの側部と上下部のコーナ部分に配設し、これに直線状のパネル接続材を接続させることが出来る。
【0020】
(6) 請求6に記載されたパネル接続材の連結部材は、正面でT形に形成されているので、パネルを左右に連結するとき上下部分に配設し、これに直線状のパネル接続材を接続させることが出来る。
【0021】
(7) 請求項7に記載されたパネル接続材の連結部材は、正面で+形に形成されているので、パネルを上下左右に連結するとき、その交点部分に配設し、これに直線状のパネル接続材を接続させることが出来る。
【0022】
(8) 請求項8に記載されたパネル接続材の連結部材は、前記接続基体の弾性体には、割れ蓋を介して収納洞が形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されているので、嵌装溝に圧着蓋体の栓体を圧入させると、割れ蓋が開口し収納洞内の粘着剤が漏出して、弾性体とパネルの接合部に付着し、水密性を高める。
【0023】
(9) 請求項9に記載されたパネル接続材の連結部材は、接続基体の主部嵌装溝に圧着蓋体の栓体を圧入したとき、栓体の基部並びに中間部が、口部関板対向間隔並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されているので、主部嵌装溝側壁を外方へ押動して、接続基体外側の弾性体をパネルに容易に圧着させることができる。
【0024】
(10) 請求項10に記載されたパネル接続材の連結部材は、前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に、係止可能な係合突条が形成されているので、一度嵌装溝に栓体を圧入させると、容易に抜去することが困難となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
パネル接続材を、接続基体と圧着蓋体とで構成する。接続基体の嵌装溝より圧着蓋体の栓体の板厚を大きく設定する。接続基体をパネルの継目に嵌合させて、口部から嵌装溝へ、圧着蓋体の栓体を圧入させると、該栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外方へ押され、外側の弾性体を、外方のパネルへ圧着させてシールする。
【実施例1】
【0026】
本願発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1は本発明に係るパネル接続材の接続基体の平面図、図2はパネル接続材の圧着蓋体の平面図である。パネル接続材(1)は、接続基体(2)と圧着蓋体(3)とで構成されている。
【0027】
接続基体(2)は樹脂押出成形されるもので、図4に示すように、パネル(P)の板厚が普通9mmもしくは12mmなので、平面における前後幅をこれに合わせて設定される。押出成形なので、図1に示す断面形で長く押出されて、適当な長さ(例えば2m)に裁断される。
【0028】
図1において 接続基体(2)は、断面門構え状の細長い主部(2a)の幅中央部に嵌装溝(2b)が形成され、嵌装溝(2b)正面前縁部に両脇の関板(2c)を介して、幅の狭い口部(2d)が形成されている。また主部(2a)の嵌装溝(2b)中の前後の中間部に、左右から係止突条(2e)が長手に沿って突設されている。この主部(2a)は、硬質の樹脂で構成される。
【0029】
主部(2a)の左右外壁面には、弾性体(2f)が形成されている。該弾性体(2f)は1枚ものでもよいが、図示するように、複数の鰭条形とすることが、パネル接合部の間隙が狭い時に嵌装させやすい。該弾性体(2f)は、主部(2a)より軟質で弾力性のある素材で、主部(2a)と同時に押出成形で一体に形成される。
【0030】
前記弾性体(2f)には、割れ蓋(2g)を介して収納洞(2h)が形成され、該収納洞(2h)には粘着剤(2j)が収容されている。該粘着剤(2j)は、未加硫ゴム、感圧接着剤などが選択される。粘着剤(2j)は、主部(2a)及び弾性体(2f)と同時に押出成形で詰装される。割れ蓋(2g)は、加圧されると開口して中から粘着剤(感圧接着剤)が漏出する。
【0031】
前記圧着蓋体(3)は、図2に示す平面図の断面形で押出されるので、長いものを適当な長さ(例えば2m)に裁断される。素材は前記接続基体(2) の主部(2a)と同じか、少し硬質のものが選択される。
【0032】
圧着蓋体(3)は、蓋板(3a)の背面幅中央部に、栓体(3b)が長手に沿って突設されている。蓋板(3a)の左右幅は、前記接続基体(2)の前面を被覆出来る幅に形成される。栓体(3b)の板厚は、接続基体(2)の主部(2a)嵌装溝(2b)に、嵌合可能に厚めに構成される。
【0033】
栓体(3b)の基部(3c)は、主部(2a)の嵌装溝(2b)の口部(2d)幅より厚く形成される。基部(3c)の後方に、主部(2a)の関板(2c)に係止される係合突条(3d)が、左右対称に形成されている。栓体(3b)の先端部は、前記嵌装溝(2b)の口部(2d)から入る大きさとし、その左右に、前記主部(2a)の嵌装溝(2b)の係止突条(2e)に係止される係合突条(3e)が、形成されている。
【0034】
栓体(3b)の中間部の板厚は、前記主部(2a)の嵌装溝(2b)の係止突条(2e)の対向間隔より大きく設定されている。すなわち、圧着蓋体(3)の栓体(3b)を、主部(2a)の嵌装溝(2b)に嵌装したとき、栓体(3b)の中間部が、嵌装溝(2b)の係止突条(2e)対向間隔を押し広げて、弾性体(2f)をパネルに圧接させる。
【0035】
図3は建物の壁面にパネル(P)を上下左右に接合する状態を示す正面図である。図3においてパネル接続材(1) は、上下及び左右のパネル(P)の合わせ目に配設される。符号(4)はL形連結部材、(5)はT形連結部材、(6)は+形連結部材である。
【0036】
図4は、パネル(P)の左右接続を示す平面図である。左右のパネル(P)同士の間隔が少し狭いので、パネル接続材(1)の接続基体(2)を間隙に押し込むと、横幅の広い鰭条形とした奥の弾性体(2f)は、先端部が折曲してパネル(P)に圧接している。
【0037】
そこで図5に示すように、接続基体(2)の嵌装溝(2b)に圧着蓋体(3)の栓体(3b)を圧入させると、栓体(3b)の中間部が嵌装溝(2b)の係止突条(2e)対向間隔を押し広げて、鰭条形の弾性体(2f)をパネル(P)に押しつける。同時に栓体(3b)の基部(3c)が嵌装溝(2b)の口部(2d)を押し広げて、前部の鰭条形の弾性体(2f)をパネル(P)に圧接させる。
【0038】
これによって、前後に位置する割れ蓋(2g)を開口させ、収納洞(2h)を歪に変形させて、中の粘着剤(2j)を外に押し出すことになる。収納洞(2h)から押し出された粘着剤(2j)は、割れ蓋(2g) の外面近傍からパネル(P)へと移動して、弾性体(2f)とパネル(P)との接合部を粘着して水密状に密閉させる。
【0039】
図5で判るように、圧着蓋体(3)の栓体(3b)は、接続基体(2) の嵌装溝(2b)に圧入されているため、係合突条(3e)(3d)が係止突条(2d)と関板(2c)に係止されて抜出しが出来ないので、外面に雨水があたっても、圧着蓋体(3)の蓋板(3a)により覆われ、中に雨水が浸みても、弾性体(2f)とパネル(P)の接合部を粘着剤(2j)が粘着して、水密状に密閉させているので、パネル(P)より内部に雨水が入ることがない。図5を側面として見ても同様に水密性に優れているので、パネル(P)の上下水密接合も可能になった。
【0040】
図6は、L形連結部材(4)の接続基体(41)の正面図、図7は図6におけるAーA断面図である。図8はL形連結部材(4)の圧着蓋体(42)の背面図、図9は図8におけるAーA断面図である。 L形連結部材(4)は、接続基体(41)と圧着蓋体(42)とで構成されている。
【0041】
接続基体(41)は、正面において、断面門構え状の主部(41a)に、嵌装溝(41b)がL形に形成され、嵌装溝(41b)前部に両脇の関板(41c)を介して、口部(41d)が形成されている。
また主部(41a)の嵌装溝(41b)側壁前後の中間部に、左右壁から係止突条(41e)が対向状に突設されている。この主部(41a)は硬質の樹脂材で構成される。
【0042】
主部(41a)の外壁面には、弾性体(41f)が長手に沿って形成されている。該弾性体(41f)は、主部(41a)より軟質で弾力性のある任意の素材が選択され、主部(41a)と同時成形で一体に形成される。
【0043】
前記弾性体(41f)には、割れ蓋(41g)を介して収納洞(41h)が形成され、該収納洞(41h)には粘着剤(41j)が収容されている。該粘着剤(41j)は、主部(41a)及び弾性体(41f)と同時成形で詰装される。
【0044】
図8は前記圧着蓋体(42)の背面図、図9は図8のAーA断面図。圧着蓋体(42)の素材は、前記接続基体(41) の主部(41a)と同じか、少し硬質の素材が選択される。
圧着蓋体(42)は、蓋板(42a)の背面幅中央部に栓体(42b)が長手に沿って突設されている。蓋板(42a)の左右幅は、前記接続基体(41)の前面を被覆出来る幅に形成される。栓体(42b)は、接続基体(41)の、主部(41a)嵌装溝(41b)に嵌合可能に構成される。
【0045】
栓体(42b)の基部(42c)は、主部(41a)の嵌装溝(41b)の口部(41d)幅より板厚を厚く形成される。基部(42c)の後方に、主部(41a)の関板(41c)に係止される係合突条(42d)が平行に形成されている。栓体(42b)の先端部は前記口部(41d)から入る大きさとし、その左右に、前記主部(41a)の嵌装溝(41b)の係止突条(41e)に係止される、係合突条(42e)が形成されている。
【0046】
栓体(42b)の中間部の板厚は、前記主部(41a)の嵌装溝(41)の係止突条(41e)の対向間隔より大きく設定されている。すなわち、圧着蓋体(42)の栓体(42b)を、主部(41a)の嵌装溝(41b)に嵌装したとき、栓体(42b)の中間部が、嵌装溝(41b)の係止突条(41e)の対向間を押し広げて、嵌装溝(41b)側壁を外方へ押し、弾性体(41f)をパネル(P)に押しつける。
【0047】
図10は、T形連結部材(5)の接続基体(51)の正面図、図11は図10におけるAーA断面図である。図12は、T形連結部材(5)の圧着蓋体(52)の背面図、図13は、図12におけるAーA断面図である。 T形連結部材(5)は、接続基体(51)と圧着蓋体(52)とで構成されている。
【0048】
接続基体(51)は正面において、断面門構え状の主部(51a)に嵌装溝(51b)が形成され、嵌装溝(51b)前部に、両脇の関板(51c)を介して口部(51d)が形成されている。
また主部(51a)の嵌装溝(51b)中の前後の中間部に、左右から係止突条(51e)が長手に沿って突設されている。この主部(51a)は硬質の樹脂材で構成される。
【0049】
接続基体(51)主部(51a)の外壁面には、弾性体(51f)が長手に沿って形成されている。該弾性体(51f)は、主部(51a)より軟質で弾力性のある素材が選択され、主部(51a)と同時成形で一体に形成される。
【0050】
前記弾性体(51f)には、割れ蓋(51g)を介して収納洞(51h)が長手に沿って形成され、該収納洞(51h)には、粘着剤(51j)が収容されている。該粘着剤(51j)は、主部(51a)及び弾性体(51f)と同時押出成形で詰装される。
【0051】
図12は前記圧着蓋体(52)の背面図、図13は図12のAーA断面図。素材は前記接続基体(51) の主部(51a)と同じか、少し硬質の素材が選択される。
圧着蓋体(52)は、蓋板(52a)の背面幅中央部に、栓体(52b)が長手に沿って突設されている。蓋板(52a)の左右幅は、前記接続基体(51)の前面を被覆出来る幅に形成される。栓体(52b)は、接続基体(51)の、主部(51a)嵌装溝(51b)に嵌合可能に構成される。
【0052】
栓体(52b)の基部(52c)は、主部(51a)の嵌装溝(51b)の口部(51d)幅より太く形成される。基部(52c)の後方に、主部(51a)の関板(51c)に係止される係合突条(52d)が平行に形成されている。栓体(52b)の先端部は前記口部(51d)から入る大きさとし、その左右に、前記主部(51a)の嵌装溝(51b)の係止突条(51e)に係止される、係合突条(52e)が形成されている。
【0053】
栓体(52b)の中間部の厚みは、前記主部(51a)の嵌装溝(51)の係止突条(51e)の対向間隔より大きく設定されている。すなわち、圧着蓋体(52)の栓体(52b)を、主部(51a)の嵌装溝(51b)に圧入したとき、栓体(52b)の中間部が嵌装溝(51b)の係止突条(51e)対向間隔を押し広げて、嵌装溝(51b)の側壁を外方へ押し、弾性体(51f)をパネル(P)に押圧する。
【0054】
図14は+形連結部材(6)の接続基体(61)の正面図、図15は図14におけるAーA断面図である。図16は+形連結部材(6)の圧着蓋体(62)の背面図、図17は図16におけるAーA断面図である。+形連結部材(6)は接続基体(61)と圧着蓋体(62)とで構成されている。
【0055】
接続基体(61)は正面において、断面門構え状の主部(61a)に嵌装溝(61b)が+形状に形成され、嵌装溝(61b)前部に両脇の関板(61c)を介して口部(61d)が形成されている。
また主部(61a)の嵌装溝(61b)中の前後の中間部に、左右から係止突条(61e)が突設されている。この主部(61a)は硬質の樹脂材で構成される。
【0056】
主部(61a)の外壁面には、弾性体(61f)が長手に沿って形成されている。該弾性体(61f)は、主部(61a)より軟質で弾力性のある素材が選択され、主部(61a)と同時成形で一体に形成される。
前記弾性体(61f)には、割れ蓋(61g)を介して収納洞(61h)が長手に沿って形成され、該収納洞(61h)には粘着剤(61j)が収容されている。該粘着剤(61j)は、主部(61a)及び弾性体(61f)と同時成形で詰装される。
【0057】
図16は前記圧着蓋体(62)の背面図、図17は図16のAーA断面図。素材は前記接続基体(61) の主部(61a)と同じか、少し硬質の素材が選択される。
圧着蓋体(62)は、蓋板(62a)の幅中央部に栓体(62b)が突設されている。蓋板(62a)の左右幅は、前記接続基体(61)の前面を被覆出来る幅に形成される。栓体(62b)は、接続基体(61)の、主部(61a)嵌装溝(61b)に嵌合可能に構成される。
【0058】
栓体(62b)の基部(62c)は、主部(61a)の嵌装溝(61b)の口部(61d)幅より太く形成される。基部(62c)の後方に、主部(61a)の関板(61c)に係止される係合突条(62d)が、平行に形成されている。栓体(62b)の先端部は、前記口部(61d)から中へ入る大きさとし、その左右に、前記主部(61a)の嵌装溝(61b)の係止突条(61e)に係止される、係合突条(62e)が形成されている。
【0059】
栓体(62b)の中間部の厚みは、前記主部(61a)の嵌装溝(61)の係止突条(61e)の対向間隔より、大きく設定されている。すなわち、圧着蓋体(62)の栓体(62b)を、主部(61a)の嵌装溝(61b)に嵌装したとき、栓体(62b)の中間部が、嵌装溝(61b)の係止突条(51e)対向間隔を押し広げ、嵌装溝(61b)の側壁を外方へ押し、柔軟体(61f)をパネル(P)に押圧する。
【0060】
これらL形、T形、+形の連結部材4,5,6は、押出成形では製造が困難なので、射出成形で形成し、接着剤は手作業で詰装することができる。使用時においては、予めパネル(P)の角部に、それぞれ適合する接続基体(41)(51)(61)を配設し、しかる後に直線の接続基体(2)を接続する。
【0061】
接続基体(2)に圧着蓋体(3)を嵌合させた後に、L形、T形、+形の連結部材(4)(5)(6)の、それぞれの圧着蓋体(42)(52)(62)を嵌合させる。
【実施例2】
【0062】
図18は、接続基体(2)の実施例2を示す平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。この実施例においては、柔軟体(2f)の先端部を割れ蓋(2g)に兼用となっている。
【0063】
図19は、接続基体(2)の実施例3を示す平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。この実施例3おいては、弾性体(2f)の後部を複数の鰭条形として近接させた。これによって、パネル間に、接続基体(2)を圧入したとき、後部の鰭条形の弾性体(2f)の先端部は、それぞれ折曲して2重3重に重なるので、水密性がたかまる。
【0064】
また前部の柔軟体(2f)を、全体として幅広くして先端部を複数に割った。これによって、パネルに密接する面積が広くなり、また粘着剤が漏出したとき、接着面が広くなるので、確実に水密性を高めることができる。
【0065】
なおこの発明は、前記実施例の形状に限定されるものではなく、目的に沿って適宜設計変更をすることができる。圧着蓋体(3)は接続基体(2)の弾性体(2f)を、パネル(P)に圧接させる為のものなので、その目的に沿う形状なら、どのような形状でもかまわない。また粘着剤の収容される収納洞は3個でも4個でも任意に形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本願パネル接続材は、建築内外のパネル接続に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るパネル接続材の接続基体平面図である。
【図2】本発明に係るパネル接続材の圧着栓体平面図である。
【図3】本発明に係るパネル接続材の使用状体を示す正面図である。
【図4】本発明に係るパネル接続材の使用状体を示す平面図である。
【図5】本発明に係るパネル接続材の使用状体を示す平面図である。
【図6】本発明に係るL形連結部材の接続基体正面図である。
【図7】図6におけるAーA断面図である。
【図8】本発明に係る連結部材の圧着栓体背面図である。
【図9】図8におけるAーA断面図である。
【図10】本発明に係るT形連結部材の接続基体正面図である。
【図11】図10におけるAーA断面図である。
【図12】本発明に係るT形連結部材の圧着栓体背面図である。
【図13】図12におけるAーA断面図である。
【図14】本発明に係る+形連結部材の接続基体正面図である。
【図15】図14におけるAーA断面図である。
【図16】本発明に係る+形連結部材の圧着栓体背面図である。
【図17】図16におけるAーA断面図である。
【図18】第2実施例を示す接続基体の平面図である。
【図19】第3実施例を示す接続基体の平面図である。
【符号の説明】
【0068】
(1)パネル接続材
(2)接続基体
(2a)主部
(2b)嵌装溝
(2c)関板
(2d)口部
(2e)係止突条
(2f)弾性体
(2g)割れ蓋
(2h)収納洞
(2j)粘着剤
(3)圧着栓体
(3a)蓋板
(3b)栓体
(3c)基部
(3d)係合突条
(3e)係合突条
(4) L形連結部材
(41)接続基体
(41a)主部
(4b)嵌装溝
(4c)関板
(4d)口部
(4e)係止突条
(4f)弾性体
(4g)割れ蓋
(4h)収納洞
(4j)粘着剤
(4)圧着栓体
(4a)蓋板
(4b)栓体
(4c)基部
(4d)係合突条
(4e)係合突条
(5) T形連結部材
(51)接続基体
(51a)主部
(51b)嵌装溝
(51c)関板
(51d)口部
(51e)係止突条
(51f)弾性体
(51g)割れ蓋
(51h)収納洞
(51j)粘着剤
(52)圧着栓体
(52a)蓋板
(52b)栓体
(52c)基部
(52d)係合突条
(52e)係合突条
(6) +形連結部材
(61)接続基体
(61a)主部
(61b)嵌装溝
(61c)関板
(61d)口部
(61e)係止突条
(61f)弾性体
(61g)割れ蓋
(61h)収納洞
(61j)粘着剤
(62)圧着栓体
(62a)蓋板
(62b)栓体
(62c)基部
(62d)係合突条
(62e)係合突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル同士の接合部に嵌合させる、樹脂製接続材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の細長い主部正面に長手に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の左右外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の押出成形体で蓋板背面幅中央部に、栓体が長手に沿って形成され、該栓体は、前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝外側壁が外方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成されたことを特徴とするパネル接続材。
【請求項2】
前記接続基体の弾性体には、割れ蓋を介して収納洞が長手に沿って形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されていることを特徴とする、請求項1に記載されたパネル接続材。
【請求項3】
前記接続基体の主部嵌装溝には、正面前部に両脇の関板を介して口部が形成され、嵌装溝内には係止突条が左右から長手に沿って突設され、これに対応して圧着蓋体は、栓体の基部並びに中間部を、口部関板対向間隔並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されていることを特徴とする、請求項1、2の何れかに記載されたパネル接続材。
【請求項4】
前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に係止可能な、係合突条が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載されたパネル接続材。
【請求項5】
パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略L形主部にL形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略L形蓋板背面にL形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外側方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成されたことを特徴とする、パネル接続材の連結部材。
【請求項6】
パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略T形主部にT形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略T形蓋板背面にT形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外側方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成されたことを特徴とする、パネル接続材の連結部材。
【請求項7】
パネル用接続材の樹脂製連結部材であって、接続基体と圧着蓋体とで構成され、接続基体は、硬質の正面略+形主部に+形に沿って、口部の狭い嵌装溝が形成され、嵌装溝の外側壁面には、弾性体が長手に沿って形成され、圧着蓋体は、硬質の正面略+形蓋板背面に+形栓体が形成されて、該栓体は前記嵌装溝幅より板厚を大きく設定され、接続基体の嵌装溝に栓体を圧入させたとき、栓体の板厚で、接続基体の嵌装溝側壁が外側方へ押され、外側の弾性体を外方へ押動可能に構成されたことを特徴とする、パネル接続材の連結部材。
【請求項8】
前記接続基体の柔軟体には、割れ蓋を介して収納洞が長手に沿って形成され、該収納洞には粘着剤が詰装されていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載されたパネル接続材の連結部材。
【請求項9】
前記接続基体の主部嵌装溝には、正面前部に両脇の関板を介して口部が形成され、嵌装溝内には係止突条が左右から長手に沿って突設され、これに対応して圧着蓋体は、栓体の基部並びに中間部を、口部関板対向間隔並びに係止突条の対向間隔より大きく設定されていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載されたパネル接続材の連結部材。
【請求項10】
前記圧着蓋体は、栓体の両側部に接続基体嵌装溝の係止突条並びに口部に、係止可能な係合突条が長手に沿って形成されていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載されたパネル接続材の連結部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−125040(P2006−125040A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−314461(P2004−314461)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(390018245)イワキ化成株式会社 (8)
【Fターム(参考)】