説明

パラジウム含有担持触媒の製造方法、その触媒、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

【課題】本発明は、担体の反応液への溶出が少なく、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造することができるパラジウム含有担持触媒の製造方法、その触媒、並びにその触媒を用いるα,β−不飽和カルボン酸の製造方法を提供すること。
【解決手段】マグネシア、カルシアおよびシリカから選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む粒子の表面に前記粒子に対して5質量%以上30質量%以下のアルミナ、セリア、およびジルコニアから選ばれる少なくとも1種の酸化物を被覆して担体前駆体を調製する工程と、前記担体前駆体を酸又はアルカリを含んだ気体の雰囲気のもとで加熱して担体を調製する工程と、前記担体にパラジウムを担持する工程を有することを特徴とする方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒の製造方法、その触媒、並びにα,β−不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
α,β−不飽和カルボン酸は工業上有用な物質が多い。例えば、アクリル酸やメタクリル酸は合成樹脂原料などの用途に極めて大量に使用されている。α,β−不飽和カルボン酸を製造する方法として、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相中で酸化して製造する方法について研究がされている。オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒として、例えば、特許文献1ではパラジウム含有担持触媒が提案されている。ここで担体としては、活性炭、シリカ、アルミナ、チタニア、およびジルコニア等が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−224657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているシリカを担体としたパラジウム含有触媒を使用した液相中での酸化では、担体が水溶性のため反応液中に溶出するという問題があることが判明した。また、担体の溶出が起こると、α,β−不飽和カルボン酸の選択率が低下することも分った。これは、担体の溶出により、担持していたパラジウムの脱落が原因と考えられた。
【0005】
したがって、本発明の目的は、担体の反応液への溶出が少なく、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造することができるパラジウム含有担持触媒の製造方法、担体の反応液への溶出が少ないパラジウム含有担持触媒、並びにオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液相中でオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有担持触媒の製造方法において、マグネシア、カルシアおよびシリカから選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む粒子の表面に前記粒子に対して5質量%以上30質量%以下のアルミナ、セリア、およびジルコニアから選ばれる少なくとも1種の酸化物を被覆して担体前駆体を調製する工程と、前記担体前駆体を酸又はアルカリを含んだ気体の雰囲気のもとで加熱して担体を調製する工程と、前記担体にパラジウムを担持する工程を有することを特徴とする方法である。
【0007】
また、本発明は、マグネシア、カルシアおよびシリカから選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む粒子の表面にアルミナ、セリア、およびジルコニアから選ばれる少なくとも1種の酸化物が被覆された担体に、パラジウムが担持されていることを特徴とする、液相中でオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム担持触媒である。
【0008】
また、本発明は、前記の本発明の方法で製造したパラジウム含有担持触媒であり、前記の本発明のパラジウム含有担持触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、担体の反応液への溶出が少なく、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造することができるパラジウム含有担持触媒の製造方法、担体の反応液への溶出が少ないパラジウム含有担持触媒、並びにオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造できる方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する(以後、略して「液相酸化」ともいう。)ためのパラジウム含有担持触媒(以下、「触媒」ともいう。)の製造方法は、マグネシア、カルシアおよびシリカから選ばれる少なくとも1種の酸化物(以下、「酸化物A」という。)を含む粒子の表面に前記粒子に対して5質量%以上30質量%以下のアルミナ、セリア、およびジルコニアから選ばれる少なくとも1種の酸化物(以下、「酸化物B」という。)を被覆して担体前駆体を調製する工程と、前記担体前駆体を酸又はアルカリを含んだ気体(以下、「加熱処理気体」という。)の雰囲気のもとで加熱して担体を調製する工程と、前記担体にパラジウムを担持する工程を有することを特徴とする。
【0011】
酸化物Aとしては、シリカが好ましい。また、酸化物Bとしては、ジルコニアが好ましい。
【0012】
酸化物Aを含む粒子の質量に対する酸化物Bの質量の割合(以下、「被覆率」という。)は、5質量%〜30質量%であり、10質量%〜27質量%が好ましく、15質量%〜20質量%がより好ましい。
【0013】
担体前駆体は、アルミニウム、セリウム、およびジルコニウムを含む化合物(以下、「酸化物Bの原料」という。)、並びに酸化物Bを原料として、これを酸化物Aに被覆することにより製造することができる。中でも、担体上にパラジウムが高分散された高活性な触媒を調製できることから、原料としてはアルミニウム、セリウム、およびジルコニウムを含む化合物が好ましい。
【0014】
酸化物Bの原料は特に限定されず、酸化物、水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、硫酸塩、オキシ硫酸塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩等を挙げることができるが、中でも硝酸塩、オキシ硝酸塩が好ましい。
【0015】
酸化物Bの原料を酸化物Aに被覆させて担体前駆体を調製する方法は、特に限定されないが、例えば沈澱法、イオン交換法、含浸法、沈着法等が挙げられる。
【0016】
加熱処理気体としては、例えば、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液および硝酸、硫酸、塩酸等の酸溶液を蒸発させた気体を挙げることができるが、中でもアンモニア水溶液を蒸発させたものが好ましい。
【0017】
加熱処理気体に含まれる酸又はアルカリの濃度は、5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましく、20体積%以上が特に好ましい。
【0018】
加熱処理気体の雰囲気のもとで加熱する方法は、例えば開放系容器または密閉系容器に担体前駆体とアルカリ溶液または酸溶液を入れ、溶液を加熱して蒸発させることで加熱処理気体と担体前駆体を接触させる方法、流通管に担体前駆体を充填して、そこに加熱処理気体を流通させる方法が挙げることができるが、中でも密閉系容器を用いる方法が好ましい。
【0019】
加熱処理気体の雰囲気のもとで加熱する温度としては、50℃〜120℃が好ましく、70℃〜100℃がより好ましい。加熱処理時間は特に限定されないが、1時間から12時間の範囲が好ましい。
【0020】
なお、酸化物Bの質量は、以下の方法で測定できる。すなわち、ジルコニアの場合、担体をテフロン(登録商標)製分解管に取り、濃硝酸、濃硫酸、塩酸及び弗酸を加えてマイクロ波加熱分解装置で溶解し、蒸留水を加えて均一溶液として、ICP発光分析法で試料溶液中のZr原子を定量することで、ジルコニウム元素の質量を得ることができる。
【0021】
パラジウム元素の担持率は、担持前の担体質量に対して1質量%〜40質量%が好ましく、2質量%〜30質量%がより好ましく、4質量%〜20質量%が特に好ましい。
【0022】
本発明の触媒は、パラジウム元素の単体金属、パラジウム元素を含む合金及び化合物をパラジウム原料として製造することができる。中でも、担体上にパラジウムが高分散された高活性な触媒を調製できることから、原料としてはパラジウム元素を含む化合物が好ましい。
【0023】
パラジウム原料は特に限定されず、パラジウム金属、パラジウム塩、酸化パラジウム等を挙げることができるが、中でもパラジウム塩が好ましい。パラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物およびビス(アセチルアセトナト)パラジウム等を挙げることができるが、中でも塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物が好ましく、硝酸パラジウムが特に好ましい。
【0024】
パラジウム原料を担体に担持させる方法は、特に限定されないが、例えば沈澱法、イオン交換法、含浸法、沈着法等が挙げられる。
【0025】
また、パラジウム塩を担体に担持した後に熱処理して、酸化パラジウムが担体に担持された状態にしてもよい。熱処理温度の範囲としては、200℃〜800℃が好ましく、300℃〜700℃がより好ましい。熱処理時間は特に限定されないが、1時間から12時間の範囲が好ましい。
【0026】
なお、パラジウムの質量は、以下の方法で測定できる。すなわち、触媒をテフロン(登録商標)製分解管に取り、濃硝酸、濃硫酸、塩酸及び弗酸を加えてマイクロ波加熱分解装置で溶解し、蒸留水を加えて均一溶液として、ICP発光分析法で試料溶液中のPd原子を定量することで、パラジウム元素の質量を得ることができる。
【0027】
本発明の触媒は、パラジウム以外の他の金属元素を含有しても良い。例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、オスミウム等の貴金属元素、アンチモン、タリウム、鉛、テルル等の卑金属元素が挙げられる。中でも、テルル元素を含有することが好ましい。他の金属元素は、2種以上含むこともできる。高い触媒活性を発現させる観点から、触媒に含まれる金属元素のうち、パラジウム元素が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
【0028】
担体に担持された酸化状態にあるパラジウム原料は、還元剤で還元してパラジウム含有担持触媒を製造することができる。
【0029】
用いる還元剤は特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、水素、蟻酸、蟻酸の塩、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、アリルアルコール、メタリルアルコール、アクロレインおよびメタクロレイン等が挙げられる。2種以上を併用することもできる。気相での還元では、還元剤として水素が好ましい。また、液相での反応では還元剤としてヒドラジン、ホルムアルデヒド、蟻酸、蟻酸の塩が好ましい。
【0030】
液相中での還元の際に使用する溶媒としては、水が好ましいが、担持型とする場合の担体の分散性によっては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸、n−吉草酸、イソ吉草酸等の有機酸類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等の有機溶媒を単独又は複数組み合わせて用いることができる。これらと水との混合溶媒を用いることもできる。
【0031】
還元剤が気体の場合、溶液中への溶解度を挙げるためにオートクレーブ等の加圧装置中で行うことが好ましい。その際、加圧装置の内部は還元剤で加圧する。その圧力は0.1MPa(ゲージ圧;以下圧力はゲージ圧表記とする)から1MPaの範囲が好ましい。
【0032】
また、還元剤が液体の場合、還元を行う装置に制限はなく、溶液中に還元剤を添加することで行うことができる。この時の還元剤の使用量は特に限定されないが、酸化状態のパラジウム元素1モルに対して1モルから100モルの範囲が好ましい。
【0033】
還元温度および還元時間は還元剤等により異なるが、還元温度は−5℃〜150℃が好ましく、15℃〜80℃以下がより好ましい。還元時間は0.1時間〜4時間が好ましく、0.25時間〜3時間がより好ましく、0.5時間〜2時間が特に好ましい。
【0034】
還元により調製した触媒は、水、溶媒等で洗浄することが好ましい。水、溶媒等での洗浄により、例えば、塩化物、酢酸根、硝酸根、硫酸根等の原料由来の不純物が除去される。洗浄の方法および回数は特に限定されないが、不純物によってはオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの液相酸化反応を阻害する恐れがあるため、不純物を十分除去できる程度に洗浄することが好ましい。洗浄された触媒は、ろ別または遠心分離などにより回収した後、そのまま反応に用いてもよい。
【0035】
また、回収された触媒を乾燥してもよい。乾燥方法は特に限定されないが、通常は乾燥機を用いて空気中または不活性ガス中で乾燥する。乾燥された触媒は、必要に応じて液相酸化反応に使用する前に活性化することもできる。活性化の方法には特に限定されないが、例えば、水素気流中の還元雰囲気下で熱処理する方法が挙げられる。この方法によれば、パラジウム金属表面の酸化皮膜と洗浄で取り除けなかった不純物を除去することができる。調製した触媒の物性は、BET表面積測定、XRD測定、COパルス吸着法、TEM測定、XPS測定等により確認できる。
【0036】
以上の本発明の方法により、酸化物Aを含む粒子の表面に酸化物Bが被覆された担体に、パラジウムが担持された本発明のパラジウム含有担持触媒が得られる。
【0037】
次に、本発明の触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化して、α,β−不飽和カルボン酸を製造する方法について説明する。
【0038】
原料のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン等が挙げられるが、中でもプロピレンおよびイソブチレンが好適である。オレフィンは2種以上併用することもできる。原料のオレフィンは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。
【0039】
オレフィンから製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がプロピレンの場合アクリル酸が得られ、原料がイソブチレンの場合メタクリル酸が得られる。また、オレフィンからは通常α,β−不飽和アルデヒドが同時に得られる。このα,β−不飽和アルデヒドは、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和アルデヒドである。例えば、原料がプロピレンの場合アクロレインが得られ、原料がイソブチレンの場合メタクロレインが得られる。
【0040】
原料のα,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。中でもアクロレインおよびメタクロレインが好適である。α,β−不飽和アルデヒドは2種以上併用することもできる。原料のα,β−不飽和アルデヒドは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。
【0041】
α,β−不飽和アルデヒドから製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基に変化したα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がアクロレインの場合アクリル酸が得られ、原料がメタクロレインの場合メタクリル酸が得られる。
【0042】
液相酸化の原料としては、オレフィン及びα,β−不飽和アルデヒドの一方だけを使用してもよく、両者の混合物を使用してもよい。
【0043】
液相酸化は連続式、バッチ式のいずれの形式で行ってもよいが、生産性を考慮すると工業的には連続式が好ましい。
【0044】
液相酸化に用いる分子状酸素の源は、空気が経済的であり好ましいが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。このような分子状酸素を含有するガスは、通常オートクレーブ等の反応容器内に加圧状態で供給することが好ましい。
【0045】
液相酸化に用いる溶媒としては、例えば、t−ブタノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、酢酸エチルおよびプロピオン酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を用いることが好ましい。中でも、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸およびiso−吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒がより好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸をより選択率よく製造するために、これら有機溶媒に水を共存させることが好ましい。共存させる水の量は特に限定されないが、有機溶媒と水の合計質量に対して2質量%〜70質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましい。2種以上の混合溶媒の場合、その溶媒は均一な状態であることが望ましいが、不均一な状態であっても差し支えない。
【0046】
液相酸化の原料となるオレフィンおよびα,β−不飽和アルデヒドの合計濃度は、反応器内に存在する溶媒に対して0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましい。
【0047】
分子状酸素の使用量は、液相酸化反応の原料となるオレフィンおよびα,β−不飽和アルデヒドの合計1モルに対して0.1モル〜20モルが好ましく、0.2モル〜15モルがより好ましく、0.3モル〜10モルが特に好ましい。
【0048】
触媒は液相酸化を行う反応液に懸濁させた状態で使用することが好ましいが、固定床で使用してもよい。触媒の使用量は、反応器内に存在する溶液に対して0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜15質量%が特に好ましい。
【0049】
反応温度は、30℃〜200℃が好ましく、50℃〜150℃が特に好ましい。反応圧力は、大気圧(0MPa)〜10MPaが好ましく、0.5MPa〜5MPaがより好ましい。
【0050】
本発明の触媒を用いることによると、担体溶出抑制と高選択率でオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造できるメカニズムの詳細は不明であるが、以下のように推定している。酸化物Aの粒子の表面を、耐水性を有する酸化物Bにより特定範囲の被覆率で被覆した担体前駆体を酸又はアルカリを含んだ気体の雰囲気のもとで加熱することで製造された担体は、前記加熱処理をしない場合に比べて酸化物Aを含む粒子の露出がより少ないので、酸化物Aの溶出が効果的に抑制されたものと推定している。また、このような担体を用いることでパラジウムの電子状態が変化し、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドが酸化されてα,β−不飽和カルボン酸が生成する主反応に対する活性が上ったものと推定している。
【実施例】
【0051】
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は質量部である。
【0052】
(メタクリル酸の製造における原料、生成物および副生物の分析)
メタクリル酸の製造における原料および生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。なお、生成するメタクリル酸選択率は以下のように定義される。
【0053】
メタクリル酸の選択率(%)=(B/A)×100

ここで、Aは反応したイソブチレンのモル数、Bは生成したメタクリル酸のモル数である。
【0054】
[実施例1]
(担体の調製)
オキシ硝酸ジルコニウム0.9998部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.01部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、25質量%アンモニア水溶液を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体がアンモニア水溶液に直接触れないように静置し、密閉した。その後、アンモニアを含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は8.43質量%であった。
【0055】
テルル酸0.0989部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)1.9992部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0056】
この溶液に担体5.74部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は8.23質量%、テルル元素の担持率は0.91質量%であった。
【0057】
(シリカ溶出量評価)
オートクレーブに上記の方法で得た触媒のうち1.0部と75質量%t−ブタノール水溶液50部を、攪拌(回転数1000rpm)しつつ、110℃で1時間加熱した。放冷後、オートクレーブから触媒入りの水溶液を取り出し、メンブランフィルターで触媒を分離して、水溶液を回収した。回収した水溶液を、白金坩堝に取り、ホットプレート上で蒸発乾固、マッフル炉で灰化させた。その後、炭酸ナトリウムを加えてガスバーナーで加熱融解し、蒸留水を加えて均一溶液として、ICPで試料溶液中のSi原子を定量することで、ケイ素濃度を算出した。結果を表1に示した。
【0058】
(反応評価)
オートクレーブに上記の方法で得た触媒のうち6.02部と反応溶媒として75質量%t−ブタノール水溶液100部を入れ、オートクレーブを密閉した。次いで、イソブチレンを8.4部導入し、攪拌(回転数1000rpm)を開始し、110℃まで昇温した。昇温完了後、オートクレーブに窒素を内圧2.4MPaまで導入した後、圧縮空気を内圧4.8MPaまで導入した。反応中に内圧が0.10MPa低下した時点(内圧4.70MPa)で、酸素を0.11MPa導入する操作を繰り返した。11回目の酸素導入後、内圧が0.15MPa低下した時点で反応を終了した。このときの反応時間は24分であった。
【0059】
反応終了後、氷浴でオートクレーブ内を氷冷した。オートクレーブのガス出口にガス捕集袋を取り付け、ガス出口を開栓して出てくるガスを回収しながら反応器内の圧力を開放した。オートクレーブから触媒入りの反応液を取り出し、メンブランフィルターで触媒を分離して、反応液を回収した。回収した反応液と捕集したガスをガスクロマトグラフィーにより分析し、イソブチレンの反応率、メタクリル酸の選択率を算出した。結果を表1に示した。
【0060】
[実施例2]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム2.0010部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、25質量%アンモニア水溶液を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体がアンモニア水溶液に直接触れないように静置し、密閉した。その後、アンモニアを含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は15.58質量%であった。
【0061】
テルル酸0.0998部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)2.0009部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0062】
この溶液に担体5.92部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は7.66質量%、テルル元素の担持率は0.86質量%であった。
【0063】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0064】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち6.47部を用いて、実施例1と同様の方法で29分反応を行った。結果は表1に示した。
【0065】
[実施例3]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム3.9989部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、25%質量アンモニア水溶液を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体がアンモニア水溶液に直接触れないように静置し、密閉した。その後、アンモニアを含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は26.94質量%であった。
【0066】
テルル酸0.1015部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)2.0015部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0067】
この溶液に担体6.84部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は6.71質量%、テルル元素の担持率は0.76質量%であった。
【0068】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0069】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち7.40部を用いて、実施例1と同様の方法で33分反応を行った。結果は表1に示した。
【0070】
[実施例4]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム1.9969部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、25質量%硝酸を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体が硝酸に直接触れないように静置し、密閉した。その後、硝酸を含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は15.59質量%であった。
【0071】
テルル酸0.1069部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)2.0000部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0072】
この溶液に担体5.92部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は7.66質量%、テルル元素の担持率は0.92質量%であった。
【0073】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0074】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち6.48部を用いて、実施例1と同様の方法で23分反応を行った。結果は表1に示した。
【0075】
[比較例1]
(触媒調製)
テルル酸0.1008部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)2.0059部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0076】
担体としてシリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。ジルコニウム酸化物の担持率は14.22質量%、パラジウム元素の担持率は8.96質量%、テルル元素の担持率は1.01質量%であった。
【0077】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0078】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち5.55部を用いて、実施例1と同様の方法で35分反応を行った。結果は表1に示した。
【0079】
[比較例2]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム2.0091部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行って担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は15.63質量%であった。
【0080】
テルル酸0.1010部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)1.9964部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0081】
この溶液に担体5.93部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は7.64質量%、テルル元素の担持率は0.87質量%であった。
【0082】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0083】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち6.48部を用いて、実施例1と同様の方法で48分反応を行った。結果は表1に示した。
【0084】
[比較例3]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム1.9992部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、蒸留水を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体が蒸留水に直接触れないように静置し、密閉した。その後、100質量%の水を含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は15.57質量%であった。
【0085】
テルル酸0.1036部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)1.9992部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0086】
この溶液に担体5.92部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は7.67質量%、テルル元素の担持率は0.89質量%であった。
【0087】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0088】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち6.48部を用いて、実施例1と同様の方法で41分反応を行った。結果は表1に示した。
【0089】
[比較例4]
(触媒調製)
オキシ硝酸ジルコニウム0.2550部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。シリカ粒子(平均粒子径:60.2μm)5.00部を上記溶液に浸漬し、エバポレーションを行った。得られた担体前駆体をガラス製瓶に入れ、25質量%アンモニア水溶液を50部入れたオートクレーブ中に、担体前駆体がアンモニア水溶液に直接触れないように静置し、密閉した。その後、アンモニアを含んだ気体の雰囲気のもと100℃で2時間加熱した。放冷後、温水1000部でろ過洗浄して、担体を得た。この担体におけるジルコニウム酸化物の被覆率は2.30質量%であった。
【0090】
テルル酸0.1000部にその10倍の質量の蒸留水を加えて均一溶液とした。硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製:24.8質量%硝酸パラジウム含有硝酸酸性水溶液)2.0002部を加えて、さらに合計5.00部となるまで蒸留水を加えてパラジウムとテルルを含む溶液を得た。
【0091】
この溶液に担体5.12部を浸漬し、エバポレーションを行った。その後、空気中300℃で3時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を37質量%ホルムアルデヒド水溶液20部に加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、温水1000部でろ過洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。この触媒におけるパラジウム元素の担持率は8.75質量%、テルル元素の担持率は0.98質量%であった。
【0092】
(シリカ溶出量評価)
上記で得られた触媒を用いて、実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示した。
【0093】
(反応評価)
上記で得られた触媒のうち5.67部を用いて、実施例1と同様の方法で28分反応を行った。結果は表1に示した。
【0094】
【表1】

【0095】
以上のように、本発明の触媒を用いることで、α,β−不飽和カルボン酸がより高い選択率で製造でき、担体の溶出も抑制できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相中でオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有担持触媒の製造方法において、マグネシア、カルシアおよびシリカから選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む粒子の表面に前記粒子に対して5質量%以上30質量%以下のアルミナ、セリア、およびジルコニアから選ばれる少なくとも1種の酸化物を被覆して担体前駆体を調製する工程と、前記担体前駆体を酸又はアルカリを含んだ気体の雰囲気のもとで加熱して担体を調製する工程と、前記担体にパラジウムを担持する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法で製造した、液相中でオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有担持触媒。
【請求項3】
請求項2記載のパラジウム含有担持触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。

【公開番号】特開2011−235215(P2011−235215A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107202(P2010−107202)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】