説明

パルス変調信号列の同定装置

【課題】特定のパルス変調信号列の同定性能を向上することのできる改良されたパルス変調信号列の同定装置を提案するものである。
【解決手段】パルス繰返し時間間隔データ出力手段が相関処理手段と、同一性判定手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含む。相関処理手段は、受信信号列に含まれる複数の各パルス変調信号から抜出した各特徴信号、または同一性判定手段により同一性があると判定された各特定信号の中から、順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号の相互相関を行ない相関係数特性を出力する。パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記同一性があると判定された各特徴信号から得られた前記各相関係数特性に基づいて、特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、受信信号列に含まれる特定のパルス変調信号列を同定するパルス変調信号列の同定装置に関するものである。この発明によるパルス変調信号列の同定装置は、例えばパルスレーダ装置のような多数のパルス変調方式の無線機器がそれぞれ特定のパルス変調信号列を放射する環境に設置され、特定のパルス変調信号列を同定するのに使用される。
【背景技術】
【0002】
パルスレーダ装置などのパルス変調方式の無線機器が放射するパルス変調信号列は、複数のパルス変調信号を含んでおり、これらの各パルス変調信号は、無線機器の運用目的に応じて、無線周波搬送波をパルス変調したものである。これらのパルス変調信号は、無線周波搬送波とそのパルス変調に応じた各種の特徴データを含んでおり、これらのパルス変調信号から特徴データを抽出し、その特徴データを予め記録保存した既知の多数のパルス変調方式の無線機器の特徴データと照合することにより、そのパルス変調信号が、既知のいずれのパルス変調方式の無線機器から放射されたものかを同定することができる。
【0003】
従来のパルス変調信号の同定装置は、パルス変調方式の無線機器の運用目的に応じて、付与されたパルス変調により意図的に生成される特徴データを抽出するものであり、特徴データとして、変調される無線周波搬送波の周波数、およびこの無線周波搬送波に付与されるパルス変調の変調方式と変調諸元を抽出するように構成される。
【0004】
例えば、特開2000−304849号公報(特許文献1)には、パルスレーダ信号識別装置が開示されている。このパルスレーダ信号識別装置では、受信したパルスレーダ信号について、付与されたパルス変調により直接的に生成される特徴データ、例えば変調される無線周波搬送波の周波数、この無線周波搬送波に付与される変調信号のパルス幅、パルス振幅、パルス繰返し周波数、および無線周波搬送波成分に付与されるパルス内角度変調方式とそのパルス内変調諸元が抽出される。パルス内角度変調方式の一例はチャープ変調であり、そのパルス内角度変調諸元の一例は、周波数変化幅、周波数変化率である。
【0005】
従来のパルス変調信号の同定装置では、前述のように、付与されたパルス変調により直接的に生成される特徴データが抽出されるが、同一の電波形式で運用される多数のパルス変調方式の無線機器が放射するパルス変調信号では、付与されたパルス変調により直接的に生成される特徴データは、一般に極めて類似した特徴データとなり、多数のパルス変調方式の無線機器が想定される中で、付与されたパルス変調により直接的に生成される特徴データから、各無線機器に固有の特徴データを抽出するのは困難であり、その特徴データから、それに対応する無線機器を同定するのも困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2000−304849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のパルス変調信号を含むパルス変調信号列の同定装置では、同一のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列を抽出する必要があるが、同一の電波形式で運用される多数のパルス変調方式の無線機器が想定される環境では、前述のように各パルス変調信号を同定することが困難であり、同一のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列を抽出するのが困難であるので、その後のパルス変調信号列の同定処理も困難である。
【0008】
また、パルス変調信号列の同定装置では、同一のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列に含まれる複数のパルス変調信号の到来時間差を利用して、そのパルス繰返し時間間隔を測定する必要がある。しかし、例えば船舶用レーダに使用されているマグネトロン管は、パルスの立上りが急峻でないため、パルス変調信号の振幅が閾値を越えた時点を、そのパルス変調信号の到来時刻としているが、その到来時刻の測定精度がパルス幅と同程度に制限される。そのため、パルス変調信号のパルス幅と同程度の誤差が生じる場合があり、正確にパルス繰返し時間間隔を測定できないという不都合がある。
【0009】
この発明は、このような問題に着目し、特定のパルス変調信号列の同定性能を向上することのできる改良されたパルス変調信号列の同定装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の第1の観点によるパルス変調信号列の同定装置は、受信信号列に含まれる特定のパルス変調信号列を同定するパルス変調信号列の同定装置であって、前記受信信号列に含まれる複数のパルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分を特徴信号として抜出し、前記複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号を出力する特徴信号抜出手段と、前記複数の特徴信号について同一性の判定を行ない、同一性があると判定された複数の特徴信号に基づいて、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返し時間間隔データを出力するパルス繰返し時間間隔データ出力手段と、前記パルス繰返し時間間隔データに基づいて、前記特定のパルス変調信号列を同定する同定手段を備え、
前記パルス繰返し時間間隔データ出力手段が相関処理手段と、同一性判定手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記相関処理手段は、前記各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号の相互相関を行ない相関係数特性を出力するように構成され、前記同一性判定手段は、前記相関処理手段から出力される前記各相関係数特性に基づいて、前記各特徴信号の同一性を判定し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記同一性判定手段により同一と判定された各特徴信号から得られた前記各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力することを特徴とする。
【0011】
この発明の第2の観点によるパルス変調信号列の同定装置は、受信信号列に含まれる特定のパルス変調信号列を同定するパルス変調信号列の同定装置であって、前記受信信号列に含まれる複数のパルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分を特徴信号として抜出し、前記複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号を出力する特徴信号抜出手段と、前記複数の特徴信号について同一性の判定を行ない、同一性があると判定された複数の特徴信号に基づいて、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返し時間間隔データを出力するパルス繰返し時間間隔データ出力手段と、前記パルス繰返し時間間隔データに基づいて、前記特定のパルス変調信号列を同定する同定手段を備え、
前記パルス繰返し時間間隔データ出力手段が同一性判定手段と、相関処理手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記同一性判定手段は、前記各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号を比較してそれらの同一性を判定し、前記相関処理手段は、前記同一性判定手段により同一性があると判定された複数の特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについてそれらの相関係数特性を出力し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記相関処理手段から出力される各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明の第1の観点によるパルス変調信号列の同定装置では、パルス繰返し時間間隔データ出力手段が相関処理手段と、同一性判定手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記相関処理手段は、各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号の相互相関を行ない相関係数特性を出力するように構成され、前記同一性判定手段は、前記相関処理手段から出力される前記各相関係数特性に基づいて、前記各特徴信号の同一性を判定し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記同一性判定手段により同一と判定された各特徴信号から得られた前記各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力するので、例えば、各相関係数特性のピークに基づいて、パルス繰返し時間間隔データを出力し、パルス繰返し時間間隔データを正確に得ることができ、また、同定手段が、このパルス繰返し時間間隔データに基づき、より正確に特定のパルス変調信号列の同定を行なうことができる。
【0013】
この発明の第2の観点によるパルス変調信号列の同定装置では、パルス繰返し時間間隔データ出力手段が同一性判定手段と、相関処理手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記同一性判定手段は、各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号を比較してそれらの同一性を判定し、前記相関処理手段は、前記同一性判定手段により同一性があると判定された複数の特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについてそれらの相関係数特性を出力し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記相関処理手段から出力される各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力するので、例えば、各相関係数特性のピークに基づいて、パルス繰返し時間間隔データを出力し、パルス繰返し時間間隔データを正確に得ることができ、また、同定手段が、このパルス繰返し時間間隔データに基づき、より正確に特定のパルス変調信号列の同定を行なうことができる。
【0014】
加えて、この発明の第1、第2の観点によるパルス変調信号列の同定装置では、特徴信号抜出手段が、受信信号列に含まれる複数の各パルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分を特徴信号として抜出し、複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号として出力するように構成され、前記特徴信号が、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分から抜出され、それぞれのパルス変調方式の無線機器に固有の意図しない周波数変動を含むので、パルス繰返し時間間隔データ出力手段が、複数の特徴信号の同一性を判定し、同一性があると判定された複数の特徴信号を特定のパルス変調信号列の特徴信号列として、出力することができ、特定パルス変調信号列の同定性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態1の構成を示すブロック図である。この図1に示すパルス変調信号列の同定装置100Aは、A/D変換器10と、時刻情報付与手段20と、特徴信号抜出手段30と、正規化手段40と、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aと、同定手段80と、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aを備えている。パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aは、特徴信号記録手段51と、相関処理手段53と、同一性判定手段55と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57を含む。パルス変調信号列の同定装置100Aにおける特徴信抜出手段30と、正規化手段40と、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aにおける相関処理手段53と、同一性判定手段55と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57と、同定手段80は、例えばコンピュータのCPUによって実行される機能ブロックである。パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aにおける特徴信号記憶手段51と、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aは、前記コンピュータに内蔵され、または前記コンピュータに付属するメモリ、HDDによって構成される。
【0017】
図1のパルス変調信号列の同定装置100Aには、受信信号列SSRが供給される。この受信信号列SSRは受信局で受信される。パルス変調信号列の同定装置100Aは、受信信号列SSRを受信する受信局内に設置されるか、その受信局から離れた場所に設置され、その受信局に電気的に接続されて受信局から受信信号列SSRの供給を受ける。受信信号列SSRには、特定のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列SRaと、他のパルス変調信号列SRoが含まれるものとする。特定のパルス変調信号列SRaは、未知のパルス変調信号列であり、同定手段80は、この特定のパルス変調信号列SRaを同定する。特定のパルス変調信号列SRaは、複数の特定のパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・、SRanから構成される。他のパルス変調信号列SRoは、複数の他のパルス変調信号SRo1、SRo2、・・・、SRomを含み、これらの複数の他のパルス変調信号SRo1、SRo2、・・・、SRomは、複数の特定のパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・、SRanの相互間に混在するものとする。
【0018】
図2は、受信信号列SSRと、特定のパルス変調信号列SRaと、他のパルス変調信号列SRoと、特徴信号列SSaを例示する。図2(a)は受信信号列SSRを示し、複数のパルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4を含む。複数のパルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4は、この順番に間欠的に繰返し受信されたものとする。複数のパルス変調信号SRa1、SRa2、SRa3、SRa4は、特定のパルス変調信号列SRaを構成し、複数のパルス変調信号SRo1、SRo2、SRo3は、それに混在する他のパルス変調信号列SRoを構成する。図2(a)では、パルス変調信号SRo1は、パルス変調信号SRa1とSRa2の間に、パルス変調信号SRo2は、パルス変調信号SRa2とSRa3の間に、またパルス変調信号SRo3は、パルス変調信号SRa3とSRa4に間に、それぞれ混在する。図2(b)は、受信信号列SSRに含まれた特定のパルス変調信号列SRaだけを抜き出して例示している。図2(c)は、特定のパルス変調信号列SRaの各パルス変調信号SRa1、SRa2、SRa3、SRa4から抜出された特徴信号列SSaを例示し、この特徴信号列SSaは、特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4を含む。
【0019】
受信信号列SSRはA/D変換器10に供給され、受信信号列SSRに含まれる各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4はA/D変換器10によりデジタル化され、また時刻情報付与手段20により、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4に、それぞれの到来時刻ta1、to1、ta2、to2、ta3、to3、ta4が付与される。時刻情報付与手段20は、例えばGPS受信機を備え、A/D変換器10からデジタル化されたパルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4を受け取り、GPS受信機を用いて、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4に、それぞれの到来時刻を付与する。
【0020】
特徴信号信号抜出手段30は、A/D変換器10でデジタル化され、時刻情報付与手段20で到来時刻が付与された各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4のそれぞれの過渡応答部分SRPを、特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4として抜出す。正規化手段40は、各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4を正規化し、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aに供給する。パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aは、正規化手段40により正規化された各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4の中から特定のパルス変調信号列SRaの各パルス変調信号SRa1、SRa2、SRa3、SRa4に対応する特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4を抽出し、この特定のパルス変調信号列SRaのパルス繰返し時間間隔データPRIaを、同定手段80に出力する。特定のパルス変調信号列SRaの各パルス変調信号SRa1、SRa2、SRa3、SRa4に対応する特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4が図2(c)に例示される。パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aは、既知の複数のパルス変調方式の無線機器に関するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、そのパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを同定手段80に供給する。同定手段80は、特定のパルス変調信号列SRaのパルス繰返し時間間隔データPRIaを、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aからのパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefと比較し、特定のパルス変調信号列SRaが、どのパルス変調方式の無線機器から放射されたものかを同定する。
【0021】
受信信号列SSRに含まれた各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4は、その過渡応答波形SRPが、瞬時周波数fの周波数変動を含む。これらの各パルス変調信号を記号SRで総称すると、このパルス変調信号SRは、無線周波搬送波を、パルス変調信号に基づいて変調した信号である。このパルス変調信号SRは、例えばパルスレーダ信号であり、例えば空間における目的物体の標定を行なうために、パルスレーダ機器から放射されるパルス変調信号である。このパルスレーダ機器は、パルス変調方式の無線機器である。パルス変調信号SRの一例が、図3に示される。図3において、縦軸はパルス変調信号SRの振幅Aであり、横軸は時間tである。
【0022】
図3に示すパルス変調信号SRは、1つのパルス変調波形11を含み、このパルス変調波形11は、立上り部分11aと立下り部分11bを含む。立上り部分11aでは、パルス変調信号SRの振幅Aが、0からピーク値PPまで過渡的に上昇している。立下り部分11bでは、パルス変調信号SRの振幅Aが、ピーク値PPから0まで過渡的に減少している。パルス変調信号SRは、無線周波数帯の無線周波搬送波をパルス変調した信号である。
【0023】
パルス変調信号SRは、立上り部分11aおよび立下り部分11bに、それぞれ振幅変化部分ACを含んでいる。この各振幅変化部分ACは、閾値THとピーク値PPとの間の振幅変化部分であり、立上り部分11aにおける振幅変化部分ACは、パルス変調信号SRの振幅Aが上昇する部分であり、立下り部分11bにおける振幅変化部分ACは、パルス変調信号SRの振幅Aが減少する部分である。図3には、2つの過渡応答部分SRPが例示される。この各過渡応答部分SRPは、それぞれ振幅変化部分ACとそれに連続した振幅飽和部分APとを含んでいる。図3には、各過渡応答部分SRPに対する信号抜出期間TPが過渡応答部分SRPに対応して図示されている。特徴信号抜出手段30は、信号抜出期間TPで過渡応答部分SRPを抜き出す。各過渡応答部分SRPでは、パルス変調信号SRの振幅Aが閾値THとピーク値PPとの間で変化している。
【0024】
図4は、パルス変調信号SRについて、図3と異なる過渡応答部分SRPと信号抜出期間TPを例示する。図4では、過渡応答部分SPRは、振幅飽和部分APを含まずに、振幅変化部分ACだけを含む。図4において、信号抜出期間TPは、立上り部分11aでは、その振幅Aが、閾値THに達してからピーク値PPに達するまでの期間とされ、また立下り部分11bでは、振幅Aが減少し始める直前のピーク値PPと振幅Aが閾値THに達するまでの期間とされ、振幅変化部分ACだけが過渡応答部分SRPとして抜き出される。
【0025】
図1の特徴信号抜出手段30は、デジタル化された各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4を受けて、図3または図4の信号抜出期間TPにおける過渡応答部分SRPを、特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4として抜出す。この特徴信号抜出手段30は、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4について、所定の過渡応答部分SRPを抜出す。例えば、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4のそれぞれについて、図3または図4の立上り部分11aにおける過渡応答部分SPRを、特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4として抜出す。勿論、図3または図4の立下り部分11bにおける過渡応答部分SRPを、特徴信号として抜出すように構成することもできる。
【0026】
過渡応答部分SPRから抜出された特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4は、それらを放射したパルス変調方式の無線機器に固有の周波数変動を特徴として含んでいる。この周波数変動は、付与されるパルス変調に直接的に生成される特徴ではなく、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4に、それを放射したパルス変調方式の無線機器に固有の周波数変動として、それぞれの振幅変化部分ACに間接的に生成される特徴である。特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4は、同一のパルス変調方式の無線機器から放射されたものであり、互いに同じ周波数変動を含んでいるが、特徴信号SSo1、SSo2、SSo3は、他の単数または複数のパルス変調方式の無線機器から放射されたものであり、特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4とは異なる周波数変動を含んでいる。
【0027】
図5は、特徴信号抜出手段30が、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4における所定の振幅変化部分を含む過渡応答部分SRPを、特徴信号として抜出す動作のフローチャートである。この図5のフローチャートは、3つのステップS11、S12、S13を含む。ステップS11では、各パルス変調信号SRa1、SRo1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRa4の振幅Aのピーク値PPを測定する。ステップS12では、ピーク値PPの規定割合を閾値THとして演算する。次のステップS13では、信号抜出期間TPを設定し、所定の振幅変化部分を含む過渡応答部分SPRを特徴信号として抜出す。
【0028】
正規化手段40は、特徴信号抜出手段30から出力された各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4の振幅Aを規定値に揃えて正規化し、正規化した特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4を出力する。
【0029】
パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aの特徴信号記録手段51は、正規化手段40で正規化された各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4を、それぞれの到来時刻ta1、to1、ta2、to2、ta3、to3、ta4とともに記録する。相関処理手段53は、各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4について相互相関処理を行ない、相関係数特性を出力する。相関処理手段53による相関処理では、各特徴信号の中から、例えば受信信号列SSRに含まれる最初のパルス変調信号SRa1から抜出された特徴信号SSa1をキーとして、特徴信号SSa1、SSo1との組合せ、特徴信号SSa1、SSa2の組合せ、特徴信号SSa1、SSo2の組合せ、特徴信号SSa1、SSa3の組合せ、特徴信号SSa1、SSo3の組合せ、特徴信号SSa1、SSa4の組合せを順次選択し、これらの各組合せについて、順次相関係数特性を出力する。
【0030】
特徴信号SSa1、SSo1の組合せでは、特徴信号SSa1、SSo1をそれぞれ到来時刻ta1、to1に対応して位置させ、特徴信号SSa1を特徴信号SSo1に向かって、微小な単位時間で順次インクリメントして移動しながら、これらの特徴信号SSa1、SSo1の相互相関処理を行ない、それらの相関係数特性を出力する。特徴信号SSa1、SSa2の組合せでは、特徴信号SSa1、SSa2をそれぞれ到来時刻ta1、ta2に対応して位置させ、特徴信号SSa1を特徴信号SSa2に向かって微小な単位時間で順次インクリメントして移動しながら、これらの特徴信号SSa1、SSa2の相互相関処理を行ない、それらの相関係数特性を出力する。他の特徴信号SSa1、SSo2の組合せ、特徴信号SSa1、SSa3の組合せ、特徴信号SSa1、SSo3の組合せ、特徴信号SSa1、SSa4の組合せについても、同様にして相互相関処理を行ない、それぞれ相関係数特性を出力する。
【0031】
図6(a)(b)は、特徴信号SSa1、SSa2の組合せについて、これらの特徴信号SSa1、SSa2の相対関係を例示する。図6(a)は、パルス変調信号SRa1から抜出された特徴信号SSa1を例示し、図6(b)は、パルス変調信号SRa2から抜出された特徴信号SSa2を例示する。特徴信号SSa1には、その振幅Aが閾値THに到達した時点を、その到来時刻ta1として、この到来時刻ta1が付与され、特徴信号SSa1は、図6(a)に示すように、この到来時刻ta1に対応して位置付けされる。特徴信号SSa2には、その振幅Aが前記閾値THに到達した時点を、その到来時刻ta2として、この到来時刻ta2が付与され、特徴信号SSa2は、図6(b)に示すように、この到来時刻ta2に対応して位置付けされる。これらの特徴信号SSa1、SSa2の間には、付与された到来時刻ta1、ta2の差、すなわち到来時刻差ta12−(ta2−ta1)が存在する。特徴信号SSa1、SSa2組合せについての相互相関処理では、到来時刻ta1をスタート時点として、このスタート時点から相関処理が開始され、このスタート時点ta1から、特徴信号SSa1を微小な単位時間間隔だけ順次インクリメントし、時間軸に沿って特徴信号SSa2に向かって移動させながら、特徴信号SSa1、SSa2の全体比較を行ない、図7に示す相関係数特性を求める。
【0032】
図7は、相関処理手段53によって求められる相関係数特性を示す。図7において、縦軸は相関係数を表わし、横軸は時間軸である。この図7に示す相関係数特性は、例えば図6(a)(b)に示す特徴信号SSa1、SSa2と組合せについての相互相関処理によって得られたものである。この相関係数特性について、さらに具体的に説明する。特徴信号SSa1は、スタート時点ta1から微小な単位時間間隔だけ、特徴信号SSa2に向かって、順次インクリメントし、移動される。この移動方向は、図6において、右方向とする。特徴信号SSa1、SSa2が全く重ならない状態では、相関係数は0で推移する。特徴信号SSa1の移動により、特徴信号SSa1が特徴信号SSa2と重なり始めると、相関係数が0から変化する。
【0033】
特徴信号SSa1が時間軸に沿って、図6の右方向に移動し、特徴信号SSa1、SSa2が時間軸方向に完全に重なる状態で、相関係数は、ピークPに達する。このピークPのピーク値をPmとする。特徴信号SSa1、SSa2は、ともに、同じパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列SRaのパルス変調信号SRa1、SRa2から抜出されたものであり、ともに同じ周波数変動を含むので、ピーク値Pmは同一性判定レベルPthを超える。特徴信号SSa1が、時間軸に沿って、図6の右方向にさらに移動し、特徴信号SSa2から離れると、それに伴ない相関係数は低下する。図7に示す相関係数特性において、スタート時点ta1とピークPとの間に、パルス繰返し時間間隔PRIa12が得られ、相関処理手段30からピーク値Pmとともに、このパルス繰返し時間間隔PRIa12が出力される。
【0034】
このパルス繰返し時間間隔PRIa12は、相関スタート時点ta1とピークPとの間で特徴信号SSa1を特徴信号SSa2に向かって、順次微小な単位時間ずつインクリメントした時間として算出されるので、単に到来時刻差ta12=(ta2−ta1)から算出するものに比べて、より正確なパルス繰返し時間間隔となる。
【0035】
特徴信号SSa1、SSa3の組合せについての相互相関処理では、特徴信号SSa1をその到来時刻ta1に、また特徴信号SSa3をその到来時刻ta3にそれぞれ対応して位置させた状態で、時刻ta1をスタート時点として、特徴信号SSa1を特徴信号SSa3に向かって時間軸に沿って順次インクリメントする。特徴信号SSa1、SSa3も、同一のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列SRaのパルス変調信号SRa1、SRa3から抜出された特徴信号であり、ピークPは同一性判定レベルPthを超え、スタート時点ta1とピークPとの間に、パルス繰返し時間間隔PRIa13が得られる。特徴信号SSa1、SSa4の組合せについての相互相関処理では、特徴信号SSa1をその到来時刻ta1に、また特徴信号SSa4をその到来時刻ta4にそれぞれ対応して位置させた状態で、時刻ta1をスタート時点として、特徴信号SSa1を特徴信号SSa4に向かって時間軸に沿って順次インクリメントする。特徴信号SSa1、SSa4も、同一のパルス変調方式の無線機器から放射された特定のパルス変調信号列SRaのパルス変調信号SRa1、SRa4から抜出された特徴信号であり、ピークPは同一性判定レベルPthを超え、スタート時点ta1とピークPとの間に、パルス繰返し時間間隔PRIa14が得られる。
【0036】
これらのパルス繰返し時間間隔PRIa13、PRIa14は、相関スタート時点ta1とピークPとの間で特徴信号SSa1を特徴信号SSa3、SSa4に向かって、順次微小な単位時間ずつインクリメントした時間として算出されるので、単に到来時刻差ta13=(ta3−ta1)、ta14=(ta4−ta1)から算出するものに比べて、より正確なパルス繰返し時間間隔となる。
【0037】
特徴信号SSa1、SSo1との組合せ、特徴信号SSa1、SSo2との組合せ、特徴信号SSa1、SSo3の組合せについての相互相関処理では、それぞれ特徴信号SSa1をその到来時刻ta1に、また特徴信号SSo1、SSo2、SSo3をその到来時刻to1、to2、to3にそれぞれ対応して位置させた状態で、時刻ta1をスタート時点として、特徴信号SSa1を特徴信号SSo1、SSo2、SSo3に向かって時間軸に沿って順次インクリメントする。特徴信号SSo1、SSo2、SSo3は、特定のパルス変調信号列SRaのとは異なる他のパルス変調方式の無線機器から放射されたパルス変調信号SRo1、SRo2、STo3から抜出された特徴信号であるので、ピークPは同一性判定レベルPthを超えることはない。
【0038】
なお。パルス変調信号SRa1、Sto1、SRa2、SRo2、SRa3、SRo3、SRo3、SRo4に、さらにノイズ信号が混在していても、このノイズ信号からは、特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4のような特徴信号は抜出されず、また仮にそれが抜出されても、特徴信号SSa1との相互相関は小さいので、同一性判定レベルPthを超える相関係数特性が出力されることはない。
【0039】
同一性判定手段55は、相関処理手段53から出力された各相関係数特性を受けて、ピーク値Pmが同一性判定レベルPthを超えた相関係数特性を同一性ありとして選択し、
同一性ありと判定された各相関係数特性を、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57に供給する。同一性ありと判定された各相関係数特性は、特徴信号SSa1、SSa2の組合せ、特徴信号SSa1、Ssa3の組合せ、および特徴信号SSa1、SSa4の組合せについての相互相関処理で得られた相関係数特性である。特徴信号SSa1、SSo1の組合せ、特徴信号SSa1、SSo2の組合せ、特徴信号SSa1、SSo3の組合せに相互相関処理で得られた各相関係数特性は、すべてそれぞれのピーク値Pmが同一性判定レベルPthを超えないので、同一性判定手段57により非選択とされる。
【0040】
パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、同一性があると判定された特徴信号SSa1、SSa2の組合せ、特徴信号SSa1、SSa3の組合せ、特徴信号SSa1、SSa4の組合せについての相互相関処理で得られた相関係数特性を、同一性判定手段55から受けて、特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4の相互間のパルス繰返し時間間隔データPRIaを出力する。このパルス繰返し時間間隔データPRIaは、特徴信号SSa1、SSa2間のパルス繰返し時間間隔PRIa12と、特徴信号SSa2、SSa3間のパルス繰返し時間間隔PRIa23と、特徴信号SSa3、SSa4間のパルス繰返し時間間隔PRIa34を含む。
【0041】
パルス繰返し時間間隔PRIa23、PRIa34は、次の式で求められる。パルス繰返し時間間隔PRIa23、PRIa34は、パルス繰返し時間間隔PRIa13、PRIa14が、パルス繰返し時間間隔PRIa12と同様に正確であるので、ともに正確なパルス繰返し時間間隔となる。
PRIa23=PRIa13−PRIa12
PRIa34=PRIa14−PRIa13
【0042】
パルス繰返し時間間隔データPRIaは、結果として、特定のパルス変調信号列SRaの各パルス変調信号SRa1、SRa2、SRa3、SRa4の相互間のパルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34を含み、特定のパルス変調信号列SRaのパルス繰返し時間間隔データを表わし、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57から出力され、同定手段80に供給される。
【0043】
同定手段80は、パルス繰返し時間間隔データPRIaを、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aに保存された既知の複数のパルス変調信号列のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefと順次比較し、一致したパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefに基づき、それに対応するパルス変調方式の無線機器から、パルス繰返し時間間隔データPRIaに対応するパルス変調信号列SRaが放射されたものと同定し、同定出力ISを出力する。もし、パルス繰返し時間間隔参照データPRIrefに中に、パルス繰返し時間間隔データPRIaと一致するものがなければ、同定出力ISを出力せずに、パルス繰返し時間間隔データPRIaに対応するパルス変調信号列SRaは、新たなパルス変調方式の無線機器に対応するものとして、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aに新たに記録される。
【0044】
図8は、相関処理手段53と同一性判定手段55の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、2つの特徴信号SSnと特徴信号SSmとの相関処理を行なう動作を示し、3つのステップS21、S22、S23を含む。ステップS21、S22は、相関処理手段53の動作であり、ステップS23は同一性判定手段55の動作である。ステップS21では、特徴信号SSn、SSmをそれぞれの到来時刻tn、tmとともに特徴信号記録手段51から相関処理手段53に読み込む。
【0045】
次のステップS22では、特徴信号SSn、SSmを、それぞれ到来時刻tn、tmに対応して位置させ、到来時刻tnを相関スタート時点として、特徴信号SSn、SSmの相関処理を開始する。特徴信号SSnを、例えば特徴信号SSmに向かって、微小な単位時間ずつインクリメントして移動させ、特徴信号SSn、SSmの相関係数特性を求める。ステップS23では、ステップS22で求めた相関係数のピーク値Pmは、同一性判定レベルPth以上かどうかを判定する。ステップS23の判定結果がYESならば、特徴信号SSn、SSmは、同一のパルス変調方式の無線機器から放射されたものと判定する。ステップS23の判定結果がNOになれば、特徴信号SSn、SSmは異なるパルス変調方式の無線機器から放射されたものと判定する。
【0046】
ステップS22における相関処理では、例えば特徴信号SSnを特徴信号SSmに向かって順次インクリメントしながら、特徴信号SSn、SSmの波形全体の重なりに基づき、それらの相関係数が求められる。特徴信号SSnが、特徴信号SSmと時間軸方向に重なった状態でピークPが得られ、それらの周波数変動を含んだ振幅変動が一致すれば、大きなピーク値Pmが得られる。したがって、ピーク値Pmの大きさが、特徴信号SSn、SSmの波形の同一性に依存し、このピーク値Pmが、同一性判定レベルPth以上であれば、それらの特徴信号SSn、SSmは同一と判定することができる。併せて、同一性判定レベルPth以上の大きなピーク値Pmを持ったピークPは、特徴信号SSn、SSmが全体的に最も重なった位置を示すので、相関スタート時点tnと、このピークPとの間のパルス繰返し時間間隔PRInmは、特徴信号SSn、SSmの間の時間間隔を、より正確に表わす結果となる。
【0047】
なお、特定のパルス変調信号列SRaの同定の後で、その他のパルス変調信号列SRoの中から、別の特定のパルス変調信号列SRbの同定を行なうこともできる。この特定のパルス変調列SRbの同定においては、同一性判定手段55で選択された特定の特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4以外の他の特徴信号SSo1、SSo2、SSo3について、改めて相関処理手段53が第2次相互相関処理を実行する。この第2次相互相関処理では、他の特徴信号SSo1、SSo2、SSo3の中の最初の特徴信号SSo1をキーとし、特徴信号SSo1と特徴信号SSo2との組合せ、および特徴信号SSo1、SSo3の組合せについて、順次相互相関処理が実行される。
【0048】
例えば特徴信号SSo1、SSo2、SSo3がすべて他の同じパルス変調方式の無線機器から放射された他の特定のパルス変調列SRbのパルス変調信号SRb1、SRb2、SRb3から抜出されたものであれば、特徴信号SSo1、SSo2の組合せ、特徴信号SSo1、SSo3の組合せから得られた特徴信号列SSbの各相関係数特性は、ともに同一性判定レベルPthを超えるピーク値Pmを持つ。この場合には、同一性判定手段55から、特徴信号SSo1、SSo2の組合せ、および特徴信号SSo1、SSo3の組合せについての相互係数特性が選択され、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57が、他の特定のパルス変調信号列SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIbを抽出し、同定装置80がこのパルス繰返し時間間隔データPRIbに基づいて、他の特定のパルス変調列SRbを特定する。
【0049】
また、前述の説明では、相関処理手段53は、特徴信号SSa1をキーとして、特徴信号SSa1、SSo1の組合せ、特徴信号SSa1、SSa2の組合せ、特徴信号SSa1、SSo2の組合せ、特徴信号SSa1、SSa3の組合せ、特徴信号SSa1、SSo3、特徴信号SSa1、SSa4の組合せについて、順次相互相関処理を行なうものとしたが、相関処理手段53の相関処理を次の変形相互相関処理に変更することもできる。
【0050】
この変形相互相関処理では、最初は特徴信号SSa1をキーとして、特徴信号SSa1、SSo1の組合せ、および特徴信号SSa1、SSa2の組合せについて相互相関処理を行なう。この中で特徴信号SSa1と同一性のある特徴信号SSa2が見出されると、次に特徴信号SSa2をキーとして、特徴信号SSa2、SSo2の組合せ、および特徴信号SSa2、SSa3の組合せについて相互相関処理を行なう。この中で特徴信号SSa2と同一性のある特徴信号SSa3が見出されると、次に特徴信号SSa3をキーとして、特徴信号SSa3、SSo3の組合せ、および特徴信号SSa3、SSa4の組合せについて相互相関処理を行なう。
【0051】
この変形相互相関処理では、特徴信号SSa1をキーとした特徴信号SSa1、SSa2の組合せについての相互相関処理に基づいて、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57がパルス繰返し時間間隔PRIa12を抽出することができ、また、特徴信号SSa2をキーとした特徴信号SSa2、SSa3の組合せについての相互相関処理に基づいて、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57がパルス繰返し時間間隔PRIa23を抽出することができ、さらに、特徴信号SSa3をキーとした特徴信号SSa3、SSa4の組合せについての相互相関処理に基づいて、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57がパルス繰返し時間間隔PRIa34を抽出することができる。
【0052】
以上のように、実施の形態1によるパルス変調信号列の同定装置100Aでは、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aが相関処理手段53と、同一性判定手段55と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57を含み、相関処理手段53は、受信信号列SSRに含まれる複数の各パルス変調信号から抜出した各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号の相互相関を行ない、相関係数特性を出力するように構成され、同一性判定手段55は、相関処理手段53から出力される前記各相関係数特性に基づいて、前記各特徴信号の同一性を判定し、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、同一性判定手段55により同一と判定された各特徴信号から得られた前記各相関係数特性に基づいて、特定のパルス変調列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データを出力するので、例えば、各相関係数特性のピークに基づいて、パルス繰返し時間間隔データを出力し、パルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbを正確に得ることができ、また、同定手段80が、このパルス繰返し時間間隔データに基づき、より正確に特定のパルス変調信号列SRA、SRbの同定を行なうことができる。
【0053】
加えて、実施の形態1によるパルス変調信号列の同定装置100Aでは、特徴信号抜出手段30が、受信信号列SSRに含まれる複数の各パルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分ACを含んだ過渡応答部分SRPを特徴信号として抜出し、複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号として出力するように構成され、前記特徴信号が、所定の振幅変化部分ACを含んだ過渡応答部分SRPから抜出され、それぞれのパルス変調方式の無線機器に固有の意図しない周波数変動を含むので、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Aが、複数の特徴信号の同一性を判定し、同一性があると判定された複数の特徴信号を特定のパルス変調信号列SRa、SRbの特徴信号列SSa、SSbとして、出力することができ、特定パルス変調信号列SRa、SRbの同定性能を向上することができる。
【0054】
実施の形態2.
図9は、この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態2を示すブロック図である。
【0055】
この実施の形態2のパルス変調信号列の同定装置100Bは、実施の形態1におけるパルス繰返し時間間隔出力手段50Aが、パルス繰返し時間間隔出力手段50Bに置き換えられる。このパルス繰返し時間間隔出力手段50B以外は、実施の形態1と同じに構成される。
【0056】
パルス繰返し時間間隔出力手段50Bは、特徴信号記録手段51と、信号特徴パターン出力手段60と、同一性判定手段67と、相関処理手段53と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57を有する。特徴信号記録手段51と、相関処理手段53と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、実施の形態1と同じである。
【0057】
パルス繰返し時間間隔データ出力出力手段50Bは、図9に示すように、振幅抽出手段61と、位相抽出手段63と、信号特徴パターン抽出手段65を有する。振幅抽出手段61は、特徴信号記録手段51に記録された各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4を受け、それぞれの特徴信号における時間tに対する振幅変化PAを抽出する。位相抽出手段63は、特徴信号記録手段51に記録された各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4における時間tに対する位相変化Pθを抽出する。図10は、ある特徴信号から抽出された振幅変化PAと、位相変化Pθを例示し、図10(a)は振幅変化PAを、図10(b)は位相変化Pθを示す。
【0058】
この位相抽出手段63は、例えば、高速フーリエ変換を用いて、図11に示した2つの代表サイクル部分Pi、Pjの位相θi、θjと同様に、各特徴信号について、すべてのサイクル部分の代表θを求め、時間tに対する位相変化Pθを抽出する。
【0059】
代表サイクルPiの位相θiの抽出は、任意の時刻を基準にして、サイクル部分Piの波形形状に、媒介変数(A、ω、α)によって規定される関数をあてはめることにより行なう。すなわち、
Pi(t)=Asin(ωt+α)
この関数において、Aは振幅、ωは角周波数、αは初期位相である。
【0060】
振幅Aの値は、サイクル部分Piの時系列の波形データの最大値から得られるので、媒介変数のうち、この振幅Aがすでに既知とすると、サイクル部分Piの少なくとも3つの時系列の波形データPi(t)を前記関数に代入することにより、ω、Δt、αを求めることができる。すなわち、
Pi(t)=Asin(ωt+α)
=Asin(ωt+ωΔt+α)
=Asin(ωΔt+α)
この式において、tは位相角ωtが2πの整数倍となるt以下の最大値、Δtはtとtとの差である。
【0061】
関数Pi(t)の位相角ωt+αは、サイクル部分Piの総位相回転量φiに相当し、
Asin(ωt+α)=Asin(ωΔt+α)
=Asin(φi)
=Asin(2niπ+θi)
=Asin(θi)
であることから、サイクル部分Piの位相θiを求めることができる。同様にして、サイクル部分Pjの位相θjも求めることができる。そのようにして、振幅変化部分ACを含む過渡応答部分SRPに含まれるすべてのサイクル部分の位相θを抽出する。
【0062】
なお、図10(a)(b)および図11は、図3の立上り部分11aにおける過渡応答部分SRPから抜出された特徴信号に対応するが、図3の立下り部分11bにおける過渡応答部分SRPから特徴信号を抜出す場合にも、同様にその振幅変化PAと位相変化Pθが抽出される。また、図4に示す過渡応答部分SRPの立上り部分11aおよび立下り部分11bの何れかから特徴信号を抜き出す場合にも、同様にその振幅変化PAと位相変化Pθが抽出される。
【0063】
信号特徴パターン抽出手段65は、振幅抽出手段61から振幅変化PAを、位相抽出手段83から位相変化Pθを受け取り、各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4のそれぞれについて、振幅対位相特性PAθを抽出する。この振幅対位相特性PAθは、特徴信号の振幅Aの変化に対する瞬時位相θの変化である。
【0064】
同一性判定手段67は、信号特徴パターン抽出手段65から受け取った各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4の振幅対位相特性PAθを相互に比較し、それらの同一性を判定する。具体的には、例えば受信信号列SSRの中で最初のパルス変調信号SRa1から抜出した特徴信号SSa1の振幅対位相特性PAθを、順次他の特徴信号SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4の振幅対位相特性PAθと比較する。比較する2つの特徴信号の振幅対位相特性PAθの差であるパターン差L2ノルムPDLが、閾値以下であれば、比較する2つの特徴信号には同一性があり、同一のパルス変調方式の無線機器から放射されたものと判断できる。
【0065】
図3および図4の各振幅変化部分ACでは、パルス変調信号SRの振幅Aの変化に対応して、その位相θが変化することが知られている。このパルス変調信号SRの振幅変化に対応する位相変化が振幅対位相特性PAθである。この振幅対位相特性PAθは、パルス変調方式の無線機器、例えば多くのパルスレーダ機器のそれぞれにおいて、固有に変化する特性であり、実施の形態2の同一性判定手段67では、この振幅対位相特性PAθが、各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4が同一のパルス変調方式の無線機器から放射されたものかを確認するために使用される。パルス変調方式の無線機器の送信機または送信回路は、電力増幅器を含んでいる。振幅対位相特性PAθは、この送信機または送信回路の電力増幅器に固有の特徴である。この振幅対位相特性PAθは、無線機器の運用目的に応じて、その変調方式、変調回路、変調諸元が切り替えられても、そのまま残存するので、特徴信号の同一性を判定するのに有効である。
【0066】
実施の形態2における同一性判定手段67では、特徴信号SSa1が、特徴信号SSa2、SSa3、SSa4と同一性があると判定され、特徴信号SSo1、SSo2、SSo3とは同一性がないと判定される。同一性判定手段67は、同一性があると判定された特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4を選択し、これらの特徴信号を、それぞれの到来時刻ta1、ta2、ta3、ta4とともに、相関処理手段53に供給する。
【0067】
実施の形態2における相関処理手段53は、特徴信号SSa1、SSa2の組合せ、特徴信号SSa2、SSa3の組合せ、特徴信号SSa3、SSa4の組合せについて、順次相互相関処理を行ない、それぞれの相関係数特性を出力する。パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、相関処理手段53からの各相関係数特性を受けて、特徴信号SSa1、SSa2の間のパルス繰返し時間間隔PRIa12、特徴信号SSa2、SSa3の間のパルス繰返し時間間隔PRIa23、特徴信号SSa3、SSa4の間のパルス繰返し時間間隔PRIa34を求め、パルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34を含むパルス繰り返し時間間隔データPRIaを出力する。
【0068】
実施の形態2では、相関処理手段53による相関係数特性は、同一性があると判定された特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4の間のパルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34を求めるのに使用され、各特徴信号SSa1、SSo1、SSa2、SSo2、SSa3、SSo3、SSa4の同一性を判断するのには利用されない。しかし、パルス繰返し時間間隔PRIa12は、到来時刻ta1を相関スタート時点として、この相関スタート時点ta1から特徴信号SSa1、SSa2の相関係数特性のピークPまでの時間として正確に求められ、同様に、パルス繰返し時間間隔PRIa23は、到来時刻ta2を相関スタート時点として、この相関スタート時点ta2から特徴信号SSa2、SSa3の相関係数特性のピークPまでの時間として正確に求められ、またパルス繰返し時間間隔PRIa34は、到来時刻ta3を相関スタート時点として、この相関スタート時点ta3から特徴信号SSa3、SSa4の相関係数特性のピークPまでの時間として正確に求められる。
【0069】
なお、実施の形態2でも、特定のパルス変調信号列SRaの同定の後で、その他のパルス変調信号列SRoの中から、別の特定のパルス変調信号列SRbの同定を行なうこともできる。この特定のパルス変調列SRbの同定においては、同一性判定手段67で選択された特定の特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4以外の他の特徴信号SSo1、SSo2、SSo3について、改めて第2次の同一性判定を実行する。この第2次の同一性判定では、他の特徴信号SSo1、SSo2、SSo3の中の最初の特徴信号SSo1と特徴信号SSo2との組合せ、および特徴信号SSo1、SSo3の組合せについて、順次同一性判定が実行される。
【0070】
例えば特徴信号SSo1、SSo2、SSo3がすべて他の同じパルス変調方式の無線機器から放射された他の特定のパルス変調列SRbのパルス変調信号SRb1、SRb2、SRb3から抜出されたものであれば、特徴信号SSo1、SSo2、SSo3は同一性があると判定され、この場合には、相関処理手段53が、特徴信号SSo1、SSo2の組合せ、および特徴信号SSo1、SSo3の組合せについて、順次相互係数特性を出力し、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57が、他の特定のパルス変調信号列SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIbを抽出し、同定装置80がこのパルス繰返し時間間隔データPRIbに基づいて、他の特定のパルス変調列SRbを特定する。
【0071】
以上のように、実施の形態2によるパルス変調信号列の同定装置100Bでは、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Bが同一性判定手段67と、相関処理手段53と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57を含み、同一性判定手段67は、受信信号列SSRに含まれる複数の各パルス変調信号から抜出した前記各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号を比較してそれらの同一性を判定し、相関処理手段53は、同一性判定手段67により同一性があると判定された複数の特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについてそれらの相関係数特性を出力し、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、相関処理手段53から出力される各相関係数特性に基づいて、特定のパルス変調列SRa、SEbのパルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbを出力するので、例えば、各相関係数特性のピークに基づいて、パルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbを出力し、パルス繰返し時間間隔データを正確に得ることができ、また、同定手段80が、このパルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbに基づき、より正確に特定のパルス変調信号列の同定を行なうことができる。
【0072】
加えて、実施の形態2によるパルス変調信号列の同定装置100Bでも、特徴信号抜出手段30が、受信信号列SSRに含まれる複数の各パルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分ACを含んだ過渡応答部分SRPを特徴信号として抜出し、複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号として出力するように構成され、前記特徴信号が、所定の振幅変化部分ACを含んだ過渡応答部分SRPから抜出され、それぞれのパルス変調方式の無線機器に固有の意図しない周波数変動を含むので、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Bが、複数の特徴信号の同一性を判定し、同一性があると判定された複数の特徴信号を特定のパルス変調信号列SRa、SRbの特徴信号列SSa、SSbとして、出力することができ、特定パルス変調信号列の同定性能を向上することができる。
【0073】
実施の形態3.
図12は、この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態3を示すブロック図である。
【0074】
この実施の形態3によるパルス変調信号列の同定装置100Cでは、実施の形態1におけるパルス繰返し時間間隔出力手段50Aが、パルス繰返し時間間隔出力手段50Cに置き換えられ、また実施の形態1におけるパルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aが、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Cに置き換えられる。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
【0075】
実施の形態3のパルス繰返し時間間隔データ出力手段50Cは、特徴信号記録手段51と、相関処理手段53と、同一性判定手段55と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57に加えて、パルス繰返しパターン判定手段71を有する。特徴信号記録手段51と、相関処理手段53と、同一性判定手段55と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、実施の形態1と同じであり、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、実施の形態1と同様に、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIa、PRbを出力する。パルス繰返しパターン判定手段71は、パルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbを受けて、そのパルス繰返しパターンPRを判定する。
【0076】
この実施の形態3では、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返しパターンPRが、PRIジッタ、PRIスタガ、擬似ランダムPRI、およびその他のPRIのいずれかであると想定する。図13はこれらのパルス繰返しパターンPRを示し、図13(a)は、パルス繰返しパターンPRがPRIジッタである場合、図13(b)は、パルス繰返しパターンPRがPRIスタガである場合、また図13(c)は、パルス繰返しパターンPRが擬似ランダムPRIである場合を示す。
【0077】
図13(a)に示すPRIジッタは、パルス繰返し時間間隔が単調に減少または増加しているパルス変調信号列を意味する。図13(a)では、例えばパルス変調信号列SRaが、繰返される複数のパルス繰返しパターンPRを含み、この各パルス繰返しパターンPRが、複数のパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・、SRanを含み、これらのパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・SRanの各パルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34、・・・が単調に減少している。なお、図13では、便宜上、パルス変調信号列SRaの各パルス変調信号の立上り部分11aと、立下り部分11bが単純な直線で示されるが、詳細は図3、図4に示すように、特定の周波数変動を含む。
【0078】
図13(b)に示すPRIスタガは、パルス繰返し時間間隔が、パルス繰返しパターンPRの中で、2以上の複数のグループに分類できるパルス変調信号列を意味する。図13(b)では、例えばパルス変調信号列SRaが、繰返される複数のパルス繰返しパターンPRを含み、この各パルス繰返しパターンPRが、複数のパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・、SRanを含み、これらのパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・SRanの各パルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34、・・・が、例えば、3つのパルス繰返し到来時刻間隔PRIA、PRIB、PRICに分類される。
【0079】
図13(c)に示す擬似ランダムPRIは、パルス繰返し時間間隔が、パルス繰返しパターンPRの中で、特に規則性のない変化をしているパルス列を意味する。図13(c)では、例えばパルス変調信号列SRaが、繰返される複数のパルス繰返しパターンPRを含み、この各パルス繰返しパターンPRが、複数のパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・、SRanを含み、これらのパルス変調信号SRa1、SRa2、・・・SRanの各パルス繰返し時間間隔PRIa12、PRIa23、PRIa34、・・・がパルス繰返しパターンPRの中で、ランダムな所定の変化をしている。
【0080】
この実施の形態3のパルス変調信号列の同定装置100Cでは、パルス繰返し時間間隔データ出力手段50Cにおけるパルス繰返しパターン判定手段71が、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIaを受けて、そのパルス繰返しパターンPRの種類を判定し、そのパルス繰返しパターンPRの種類を表わすパルス繰返しパターン種類データPRkを生成し、パルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbとともに、このパルス繰返しパターン種類データPRkを出力する。このパルス繰返しパターン種類データPRkは、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbのパルス繰返しパターンPRが、PRIジッタ、PRIスタガ、擬似ランダムPRI、およびその他のPRIのいずれに該当するかを表わす。
【0081】
パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Cは、PRIジッタデータ記録保存手段91と、PRIスタガデータ記録保存手段92と、擬似ランダムPRIデータ記録保存手段93と、その他のPRIデータ記録保存手段94を有し、既知の多数のパルス変調信号列SRのパルス繰返し時間間隔データPRIを、PRIジッタ、PRIスタガ、擬似ランダムPRI、およびその他のPRIに分類して、記憶保存する。PRIジッタデータ記録保存手段91は、PRIジッタに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、PRIスタガデータ記録保存手段92は、PRIスタガに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、擬似ランダムPRIデータ記録保存手段93は、擬似ランダムPRIに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、その他のPRIデータ記録保存手段94は、その他のPRIに該当する既知のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存する。
【0082】
同定手段80は、パルス繰返しデータ出力手段50Cのパルス繰返しパターン判定手段71から、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbと、そのパルス繰返しパターン種類データPRkを受ける。この同定手段80は、パルス繰返しパターン種類データPRkに基づき、このパルス繰返しパターン種類データPRkに対応するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを引き出し、それをパルス繰返し時間間隔データPRIaと比較し、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbを同定する。
【0083】
具体的には、パルス繰返しパターン種類データPRkがPRIジッタを表わす場合には、同定手段80は、PRIジッタデータ記録保存手段91から、それに記録されたPRIジッタに該当する複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを順次引き出し、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbと一致するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを探索する。パルス繰返しパターン種類データPRkがPRIスタガを表わす場合には、同定手段80は、PRIスタガデータ記録保存手段92から、それに記録されたPRIスタガに該当する複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを順次引き出し、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbと一致するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを探索する。
【0084】
また、パルス繰返しパターン種類データPRkが擬似ランダムPRIを表わす場合には、同定手段80は、擬似ランダムPRIデータ記録保存手段93から、それに記録された擬似ランダムPRIに該当する複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを順次引き出し、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbと一致するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを探索する。パルス繰返しパターン種類データPRkがその他のPRIを表わす場合には、同定手段80は、その他のPRIデータ記録保存手段94から、それに記録保存されたその他のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを順次引き出し、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbと一致するパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを探索する。
【0085】
パターンの時間パルス繰返しパターン種類データPRkに応じて、それに対応する種類のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを引き出すことにより、より効率的に、短時間に特定のパルス変調信号列SRaを同定することができる。
【0086】
パルス繰返しパターン判定手段71は、同一性があると判定された例えば特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4のパルス繰返し時間間隔データPRIaに基づいて、このパルス繰返し時間間隔データPRIaのパルス繰返しパターンPRを判定する。具体的には、以下の第1〜第5ステップで判定を行なう。
【0087】
第1ステップ:各特徴信号SSa1、SSa2、SSa3、SSa4、・・・のパルス繰返し時間間隔データPRIaを、パルス繰返しパターンPRに相当する期間分保存する。
第2ステップ:保存したパルス繰返し時間間隔データPRIaと同じパルス繰返し時間間隔データPRIaが再現するまで、保存したパルス繰返し時間間隔データPRIaの後方に向かって検索する。
【0088】
第3ステップ:保存したパルス繰返し時間間隔データPRIaと同じパルス繰返し時間間隔データが再現した場合、この特徴信号列はパルス繰返しパターンPRを持つと判断し、その再現したパルス繰返しパターンPRの開始から終了までを一回のパルス繰り返し周期と判定する。保存したパルス繰返し時間間隔PRIaが再現しなかった場合、その特定のパルス変調信号列は、パルス繰返しパターンPRを持たないと判定する。
【0089】
第4ステップ:パルス繰返しパターンPRの中で、パルス繰返し時間間隔データPRIaが単調に減少または増加している場合、このパルス繰返しパターンPRをPRIジッタと判断する。パルス繰返しパターンPRの中で、パルス繰返し時間間隔データPRIaが単調に減少あるいは増加していない場合、このパルス繰返しパターンPRはPRIスタガまたは擬似ランダムPRIと判断する。
【0090】
第5ステップ:パルス繰返しパターンPRがPRIスタガまたは擬似ランダムPRIの場合、連続するパルス繰返し時間間隔データPRIaの含まれる各パルス繰返し時間間隔が、複数のグループに分類できる場合には、PRIスタガと判断する。パルス繰返しパターンPRがPRIジッタまたは擬似ランダムPRIでない場合、すなわちパルス繰返しパターンの各パルス繰返し時間間隔がランダムに変化している場合には、擬似ランダムPRIと判断する。
【0091】
実施の形態3によれば、実施の形態1のよる効果に加えて、特定のパルス変調信号列SRaの同定を、より短時間に実行できる効果が得られる。
【0092】
実施の形態4.
図14は、この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態4を示すブロック図である。
【0093】
この実施の形態4によるパルス変調信号列の同定装置100Dでは、実施の形態2におけるパルス繰返し時間間隔出力手段50Bが、パルス繰返し時間間隔出力手段50Dに置き換えられ、また実施の形態2におけるパルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Aが、パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Cに置き換えられる。その他は、実施の形態2と同じに構成される。
【0094】
実施の形態4のパルス繰返し時間間隔データ出力手段50Dは、特徴信号記録手段51と、信号特徴パターン出力手段60と、同一性判定手段67と、相関処理手段53と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57に加えて、パルス繰返しパターン判定手段71を有する。特徴信号記録手段51と、信号特徴パターン出力手段60と、同一性判定手段67と、相関処理手段53と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、実施の形態2と同じであり、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段57は、実施の形態2と同様に、特定のパルス変調信号列SRa、SRbのパルス繰返し時間間隔データPRIa、PRIbを出力する。パルス繰返しパターン判定手段71は、実施の形態3と同じであり、パルス繰返し時間間隔データPRIaまたはPRIbを受けて、そのパルス繰返しパターン種類データPRkを出力する。
【0095】
パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Cは、実施の形態3のパルス繰返し時間間隔データ記録保存手段90Cと同じであり、PRIジッタデータ記録保存手段91と、PRIスタガデータ記録保存手段92と、擬似ランダムPRIデータ記録保存手段93と、その他のPRIデータ記録保存手段94を有し、既知の多数のパルス変調信号列SRのパルス繰返し時間間隔データPRIを、PRIジッタ、PRIスタガ、擬似ランダムPRI、およびその他のPRIデータに分類して、記憶保存する。PRIジッタデータ記録保存手段91は、PRIジッタに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、PRIスタガデータ記録保存手段92は、PRIスタガに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データPRIrefを記録保存し、擬似ランダムPRIデータ記録保存手段93は、擬似ランダムPRIに該当する既知の複数のパルス繰返し時間間隔参照データを記録保存し、また、その他のPRIデータ記録保存手段94は、その他のPRIに該当する既知のパルス繰返し時間間隔参照データを記録保存する。
【0096】
実施の形態4によれば、実施の形態2による効果に加えて、特定のパルス変調信号列SRa、SRbの同定を、より短時間で効率良く行なうことができる。
【0097】
なお、この発明は上記実施の形態1から4に限定されるものではなく、この発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
この発明によるパルス変調信号列の同定装置は、例えば多数のパルス変調方式の無線機器がパルス変調信号列を放射する環境に設置され、特定のパルス変調信号列を同定する用途に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1で受信される受信信号列とそれに含まれる特定のパルス変調信号列と、それから抜出された特徴信号を例示す説明図である。
【図3】実施の形態1で受信されるパルス変調信号とそれから抜出される特徴信号の一例を示す波形図である。
【図4】実施の形態1で受信されるパルス変調信号とそれから抜出される特徴信号の他の例を示す波形図である。
【図5】実施の形態1の特徴信号抜出手段の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1の相関処理手段の動作を説明するための波形図である。
【図7】実施の形態1の相関処理手段による相関係数特性を例示する特性図である。
【図8】実施の形態1の相関処理手段と同一性判定手段の動作を示すフローチャートである。
【図9】この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態2を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2による振幅変化と位相変化を例示する特性図である。
【図11】実施の形態2の位相抽出手段による位相抽出動作を示す説明図である。
【図12】この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態3を示すブロック図である。
【図13】実施の形態3におけるパルス変調信号列を例示する波形図である。
【図14】この発明によるパルス変調信号列の同定装置の実施の形態4を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
100A、100B、100C、100D:パルス変調信号列の同定装置、
10:A/D変換器、20:時刻情報付与手段、30:特徴信号抜出手段、
40:正規化手段、
50A、50B、50C、50D:パルス繰返し時間間隔データ出力手段、
51:特徴信号記録手段、53:相関処理手段、55、67:同一性判定手段、
60:信号特徴パターン出力手段、61:振幅抽出手段、63:位相抽出手段、
65:信号特徴パターン抽出手段、71:パルス繰返しパターン判定手段、
80:同定手段、90A、90C:パルス繰返し時間間隔データ記録保存手段、
91:PRIジッタデータ記録保存手段、92:PRIスタガデータ記録保存手段、
93:擬似ランダムPRIデータ記録保存手段、
94:その他のPRIデータ記録保存手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号列に含まれる特定のパルス変調信号列を同定するパルス変調信号列の同定装置であって、
前記受信信号列に含まれる複数のパルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分を特徴信号として抜出し、前記複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号を出力する特徴信号抜出手段と、
前記複数の特徴信号について同一性の判定を行ない、同一性があると判定された複数の特徴信号に基づいて、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返し時間間隔データを出力するパルス繰返し時間間隔データ出力手段と、
前記パルス繰返し時間間隔データに基づいて、前記特定のパルス変調信号列を同定する同定手段を備え、
前記パルス繰返し時間間隔データ出力手段が相関処理手段と、同一性判定手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記相関処理手段は、前記各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号の相互相関を行ない相関係数特性を出力するように構成され、前記同一性判定手段は、前記相関処理手段から出力される前記各相関係数特性に基づいて、前記各特徴信号の同一性を判定し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記同一性判定手段により同一と判定された各特徴信号から得られた前記各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力することを特徴とするパルス変調信号列の同定装置。
【請求項2】
受信信号列に含まれる特定のパルス変調信号列を同定するパルス変調信号列の同定装置であって、
前記受信信号列に含まれる複数のパルス変調信号のそれぞれについて、所定の振幅変化部分を含んだ過渡応答部分を特徴信号として抜出し、前記複数のパルス変調信号に対応する複数の特徴信号を出力する特徴信号抜出手段と、
前記複数の特徴信号について同一性の判定を行ない、同一性があると判定された複数の特徴信号に基づいて、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返し時間間隔データを出力するパルス繰返し時間間隔データ出力手段と、
前記パルス繰返し時間間隔データに基づいて、前記特定のパルス変調信号列を同定する同定手段を備え、
前記パルス繰返し時間間隔データ出力手段が同一性判定手段と、相関処理手段と、パルス繰返し時間間隔データ抽出手段を含み、前記同一性判定手段は、前記各特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについて、組合された2つの特徴信号を比較してそれらの同一性を判定し、前記相関処理手段は、前記同一性判定手段により同一性があると判定された複数の特徴信号の中から順次2つの特徴信号の組合せを選択し、この各特徴信号の組合せについてそれらの相関係数特性を出力し、前記パルス繰返し時間間隔データ抽出手段は、前記相関処理手段から出力される各相関係数特性に基づいて、前記特定のパルス変調列のパルス繰返し時間間隔データを出力することを特徴とするパルス変調信号列の同定装置。
【請求項3】
請求項2記載のパルス変調信号列の同定装置であって、さらに信号特徴パターン出力手段を備え、前記信号特徴パターン出力手段は、
前記受信信号列の前記各パルス変調信号から抜出された前記各特徴信号における振幅変化を抽出する振幅変化抽出手段と、
前記受信信号列の前記各パルス変調信号から抜出された前記各特徴信号における位相変化を抽出する位相変化抽出手段と、
前記振幅変化と前記位相変化に基づき、前記受信信号列の前記各パルス変調信号から抜出された前記各特徴信号について、振幅変化に対する位相変化を表わす振幅対位相特性を出力する特徴パターン抽出手段を有し、
前記同一性判定手段が、前記受信信号列の各パルス変調信号から抜き出された前記各特徴信号に対応する前記各振幅対位相特性に基づいて、前記各特徴信号の同一性を判定することを特徴とするパルス変調信号列の同定装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のパルス変調信号列の同定装置であって、さらにパルス繰返しパターン判定手段を備え、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返しパターンが、PRIジッタ、PRIスタガ、または擬似ランダムパターンを含む場合において、
前記パルス繰返しパターン判定手段は、前記特定のパルス変調信号列のパルス繰返しパターンが、PRIジッタ、PRIスタガ、および擬似ランダムパターンのいずれであるかを判定し、前記同定手段が、前記パルス繰返しパターン判定手段の判定出力を利用して、前記特定のパルス変調信号列の同定を行なうことを特徴とするパルス変調信号列の同定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−281517(P2008−281517A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128044(P2007−128044)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】