説明

パルス幅変調周波数変換

パルス幅変調(PWM)周波数変換器100は、入力PWM信号を等しいデューティ比を維持しつつ、異なる周波数を有する出力PWM信号を変換する。PWM周波数変換器100は、サンプリングクロック112を用いてPWMサイクルで入力PWM信号をサンプリングする。フィルタモジュール108は、クロック不整合の可能性、クロックジッタ、環境変化、および非決定性問題によって導入された雑音を補償するためのPWMパラメタの得られたセットをフィルタリングし、フィルタリングされたPWMパラメタを生成する。フィルタモジュールによって採用されたサンプリングは、PWMパラメタと以前にサンプルされたPWMサイクルから以前のPWMパラメタとの差を所定変化閾値に比較する。PWMパラメタのフィルタリングされたセットは次に、出力信号の相当するPWMサイクルを生成するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはパルス幅変調(PWM)に関し、さらに詳しくはPWM信号のための周波数変換に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス幅変調(PWM)信号はしばしば、電気モーター、発光ダイオード(LED)バックライト、スイッチングモード電源、などのような電子デバイスを正確に制御するために用いられる。しかしながら多くの場合において、PWM信号は、電磁干渉(EMI)をまたはユーザが監視できるアーティファクトを得られることのような望ましくない効果を導入する周波数を有する。例えばディスプレイデバイスにおけるLEDバックライトを駆動するために用いられたPWN信号はしばしば人間可聴範囲(0〜20kHz)以内の周波数を有し、したがって監視者によって可聴的に識別できる。さらに、より低周波数のPWM信号は、PWM信号の周波数によって制御または影響された出力電圧において、顕著な垂下またはリップルを導入し得る。このような問題を対応するために、PWM周波数を増加または低下し、同時に、同一PWMデューティ比を維持するように電子システムはしばしば、或る形態のPWM信号における周波数変換を採用し、したがって、EMIおよび可聴ノイズのような望ましくない効果を減少または取り除き、PWM信号によって影響されたいかなる出力電圧におけるリップルまたは垂下の大きさを減少する。或る従来の周波数変換技術において、アナログ手法が採用されることによって、到来信号のデューティ比に基づき到来PWM信号は、変動する電圧に変換され、該到来信号のデューティ比は、さらに異なる周波数において到来PWM信号の元のデューティ比を再現するためにランプ信号および複数の基準信号とともに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0073735号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら代表的電圧、基準電圧、およびランプ信号を比較するための代表的電圧におけるノイズおよび比較器におけるオフセットは、デューティ比のための正確なPWM信号生成(特に、0%および100%の近く)を抑制してしまう。また、電圧変換に入力PWM信号におけるノイズおよび比較器におけるオフセットも、生成された出力PWM信号におけるノイズおよびオフセットを生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、図面を参照することによって、より良く理解されえ、数々の特徴は、当業者にとって明確になる。異なる図面における同じ参照番号は、同様または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、フィルタリングを実施するパルス幅変調(PWM)周波数変換器を示す図である。
【図2】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器の動作の代表的方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、入力PWM信号のサンプリングの間、クロックジッタおよびサンプリングクロックの非同期の他の発現(manifestations)によるサンプリング不一致の導入を示す図である。
【図4】本明細書の少なくとも1つ実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器100の動作の別の方法を示すフロー図である。
【図5】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、入力PWM信号からサンプリング結果のフィルタリングに基づき、出力PWM信号を生成するための図1のPWM周波数変換器のPWM生成モジュールを示す図である。
【図6】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器を実装する発光ダイオード(LED)システムを示す図である。
【図7】本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器を実装する別の代表的LEDシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1〜図7は、入力パルス幅変調(PWM)信号を、入力PWM信号とは異なる周波数を有し且つほぼ等しいデューティ比を有する出力PWM信号に変換するためのPWM周波数変換器、およびPWM周波数変換器を採用する代表的システムを示す。PWM周波数変換器は、入力PWM周波数の周波数よりも高い周波数を有するサンプリングクロックを用いることによって、PWMサイクルにおける入力PWM信号をサンプリングする。フィルターモジュールは、1または複数のPWMパラメタの結果として得られたセットをフィルタリングすることによって、クロック不整合な可能性、クロックジッタ、環境変化、および非決定性問題を補償する。比決定性問題は、入力PWM信号を生成するために用いられるクロックと、入力PWM信号をサンプリングするために用いられるサンプリングクロックとの間にあり、それによってフィルタリングされたPWMパラメタを生成する。少なくとも1つの実施形態において、1または複数のPWMパラメタのフィルタリングされたセットを決定するにおいて、フィルタモジュールによって採用されたサンプリングは、現行PWMパラメタと以前(または過去の)PWMパラメタとの差を、変化閾値と比較する。1または複数のPWMパラメタのフィルタリングされたセットは、出力信号の1または複数の対応するPWMサイクルを生成するために用いられる。サンプリング周波数とフィルタにおける適切な変化閾値と適切な選択によって、PWM周波数変換器器は、出力PWM信号の特定解像度における出力PWM信号のために1つの最下位ビット(LSB)のPWMステップ解像度を達成し、同時に、全体デューティ範囲の0%から100%に亘って出力PWM信号を正確に生成できる。
【0008】
図1は、入力PWM信号102を、異なる周波数を有し且つ実質的に等しいデューティ比を維持する出力PWM信号104に変換するためのPWM周波数変換器100を示す。図示された例において、PWM周波数変換器100は、サンプリングモジュール106、フィルタモジュール108、PWM生成モジュール110およびクロックソース112,114(例えば、発振器)を含む。図1〜図7示されたようなPWM生成モジュール110の種々のモジュールの機能は、ハードウェア、ファームウェア、相当する機能を示すソフトウェアまたはそれの組み合わせを実行する1または複数のプロセッサとして実施される。例えば特定部品の機能は、別項のロジック、特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、などとして実施され得る。
【0009】
1つの実施形態において、入力PWM信号102は、PWMソース116によって生成され、周波数fを有する。PWMソース116は、例えば、入力PWM信号102がバックライト制御信号であるコンテキストのためのビデオプロセッサ、入力PWM信号102がモーター制御信号であるコンテキストのためのマイクロコントローラ、等を含む可能性がある。PWM周波数変換器100における入力信号102のサンプリングにおいて、クロックソース112は、入力PWM信号102の周波数fより大きな周波数fを有するサンプリングクロック122を生成する。クロックソース114は、周波数fを有する出力PWM信号104の生成のために周波数fを有する生成クロック124を生成する。ここで周波数fは、クロック124の周波数fおよび出力PWM信号のPWM解像度(例えば、8ビットPWMステップ解像度の場合、255*f)の積である。
【0010】
サンプリングモジュール106は、入力PWM信号102を受信するための入力と、サンプリングクロック122を受信するための入力と、未処理PWMパラメタ126のセットとしてサンプリングクロック122を用いて入力PWM信号102のサンプリング処理の結果を提供するための出力とを含む。フィルタモジュール108は、未処理PWMパラメタ126を受信するための入力と、未処理PWMパラメタ126のフィルタリングに基づき生成されたフィルタリングされたPWMパラメタ128のセットを提供する出力とを有する。PWM生成モジュール110は、フィルタリングされたPWMパラメタ128を受信するための入力と、生成クロック124を受信するための入力と、出力PWM信号104を提供するための出力とを含み、ここで、PWM生成モジュール110は、図2、図4、および図5を参照して以下に記載されるように、生成クロック124およびフィルタリングされたPWMパラメタ128を用いて出力PWM信号104を生成する。
【0011】
図2は、本明細書の少なくとも1つの実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器100の動作方法200を示す。方法200のブロック202、204、206、および208は、サンプリングモジュール106によって実行されたサンプリング工程を示す。ブロック210、212、214、216、218、220、および222は、フィルタモジュール108によって実行されたフィルタリング工程を示す。ブロック224、226、および228は、PWM生成モジュール110によって実行されたPWM生成工程を示す。
【0012】
ブロック202において、PWM周波数変換器100は、入力PWM信号のPWMサイクルをサンプリングするための準備として、サンプリングモジュール106を初期化することによって初期化される。入力PWM信号102のサンプリングにおいて、サンプリングモジュール106は、2つの変数または値を採用する:N_totalとN_highである。N_totalは、PWMサイクルに亘ってサンプリングされるサンプルの総数を示す。N_highは、PWMサイクルに亘って選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を示す(例えば、この場合、論理「ハイ」または「1」)。フィルタリングにおいて、フィルタモジュール108は、4つの追加的値または変数を用いる:N_H0、N_T0、N_H、およびN_Tである。N_H0は、選択サンプル値を有するこれまで任意にサンプリングされたPWMサイクルに亘る過去のまたはベースラインのサンプル数を示す。N_T0、これまで任意にサンプリングされたPWMサイクルに亘る過去のまたはベースラインのサンプル総数を示す。N_Hは、生成されたPWMサイクルにおけるデューティ比を算出することに用いられた選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を示す。N_Tは、生成されたPWMサイクルにおけるデューティ比を計算することに用いられたサンプルの総数を示す。したがって、比較のためにこれらの値のためのベースラインをゼロに設定するように、少なくともN_T0およびN_H0の値をゼロに設定することによってサンプリングされる第1PWMサイクルをサンプリングする前に、フィルタモジュール108は、ブロック202で初期化され得る。
【0013】
ブロック204において、サンプルモジュール106は、サンプリングクロック122を用いて入力PWM信号102のPWMサイクルをサンプリングすることによって、サンプリング周波数を駆動する。図2に示されるように、このサンプリング工程は、ブロック206で入力PWM信号102のサンプルを獲得し、次に、サンプルが選択サンプル値を有する場合、カウンタをインクリメントすることによって、PWMサイクルに亘って選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数(N_high)をサンプリングモジュール106が決定することを含んでもよい。サンプリング工程はまた、ブロック208で入力PWM信号102のPWMサイクルに亘ってサンプルの総数(N_total)をサンプリングモジュール106が決定することを含んでもよい。例えば、ハイの第1PWMサイクルにおいて、立上りエッジを検出すると、サンプリングモジュール106は、カウンタをリセットし、そして次の立上りエッジが検出されるまでカウンタをインクリメントしてもよい。この時点で、次の立上りエッジの時間におけるカウンタ値は、PWMサイクルの間に獲得されたサンプルの総数を示す。ローの第1PWMサイクルにおいて、立下りエッジを検出されると、サンプリングモジュール106は、カウンタをリセットし、そして次の立ち下りエッジまでカウンタをインクリメントしてもよい。サンプリングモジュール106はそして、未処理PWMパラメタ126のセットとしてN_totalおよびN_highの決定された値をフィルタモジュール108に提供する。
【0014】
ブロック210で、フィルタモジュール108は、N_high値(すなわち、サンプリングされたPWMサイクルにおける「ハイ」サンプルのサンプル数)とN_H0値との差が、所定の変化閾値以上であるか否か判定する。以下の説明から理解されるように、N_H0値は、1または複数の以前にサンプリングされたPWMサイクルからのハイのサンプルのフィルタリングされたまたはベースラインのサンプル数を示す。したがって、ブロック210で、フィルタモジュール108は、PWMサイクルによる最も新しくサンプリングされたハイサンプルのサンプル数はハイPWMサンプルの過去のサンプル数の変化閾値範囲以内にあるか否か判定する。ここで、変化閾値範囲は、所定変化閾値によって定義される。変化閾値範囲外の場合(すなわち、これらの値同士の差が所定変化閾値以上である場合)、ブロック212で、フィルタモジュール108は、N_HをN_high値に設定する。以下に記載されるように、N_H値は、生成される出力PWM信号104の対応するPWMサイクルにおけるデューティ比を計算するために(N_T値と組み合わせられて)用いられる。したがってブロック212で、N_H値をN_high値に設定することは、出力PWM信号104のために生成される対応するPWMサイクルのデューティサイクルを制御するように機能する最も新しくサンプリングされたPWMサイクルのために決定されたハイサンプルのサンプル数をもたらす。さもなければ、選択サンプル値(N_high)を有するサンプルのサンプル数が過去の値の変化閾値範囲以内にある場合(すなわち、N_high値とN_H0値との差が所定変化閾値よりも小さい場合)、ブロック214で、代わりに、N_H値は、N_H0値に設定され、出力PWM信号104の対応するPWMサイクルにおけるデューティ比は、以前のPWMサイクルからハイサンプルの過去のまたはベースラインのサンプル数に基づき設定される。
【0015】
同様のフィルタリング工程は、N_total値に基づきN_T値を設定するために用いられる。ブロック216で、フィルタモジュール108は、N_total値(すなわち、サンプリングされたPWMサイクルにおけるサンプルの総数)がN_T0値の変化閾値範囲以内にあるか否か判定する。ここでブロック216における変化閾値範囲は、ブロック210のように同一所定変化閾値によって、または別の所定変化閾値によって定義される。以下に記載されるように、N_T0値が1または複数のサンプリングされたPWMサイクルからサンプルの過去のまたはベースラインのサンプル総数を示す。したがってフィルタモジュール108は、PWMサイクルからサンプルの総数が変化閾値範囲以内にあるか否か(すなわち、サンプルの総数がPWMサンプルの過去の総数とはどれくらい異なるか否か)判定する。それらの値の差が所定変化閾値以上の場合、ブロック218で、フィルタモジュール108は、N_T値をN_total値に設定する。そのように最も新しくサンプリングされたPWMサイクルからのサンプルの総数は、出力PWM信号104のために生成される対応するPWMサイクルのデューティサイクルを制御するために働く。さもなければ、N_total値およびN_T0値との差が所定変化閾値よりも小さい場合、ブロック220で、代わりに、N_T値は、N_T0値に設定され、出力PWM信号104の対応するPWMサイクルにおけるデューティ比は以前のPWMサイクルからのサンプルの過去のまたはベースラインの総数に基づき設定されるという結果をもたらす。ブロック22で、N_H0値は、N_H値に設定され(それによって、一PWMサイクル当たりのハイサンプルの過去のまたはベースラインの数を、生成される対応するPWMサイクルのデューティ比を決定するために用いられたハイサンプルのサンプル数に設定する。)、N_T0値は、N_T値に設定される(それによって、一PWMサイクル当たりのハイサンプルの過去のまたはベースラインの総数を、生成される対応するPWMサイクルのデューティ比を決定するために用いられたサンプルの総数に設定する。)。
【0016】
以上に記載され、以下でより詳細に記載されるように、N_H値およびN_T値は、出力信号104のために生成されたPWMサイクルにおけるデューティ比を決定するために用いられる。したがって、N_Hの過去の値とN_highの現在の値との差が所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲以上の時のみ(同様に、過去の値N_T0および現在に決定されたN_total値に関する値N_Tに対し)、N_H値の過去の値から、最も新しくサンプリングされたPWMサイクルのために決定されたN_high値に、N_H値を変化させることによって提供されたフィルタリングは、ある程度のノイズフィルタリングを提供する。それによって、サンプリングされたPWMサイクルのデューティ比の誤ったまたは不一致計算および出力PWM信号104の対応するPWMサイクルにおけるデューティ比の誤ったまたは不一致生成の可能性を減少する。
【0017】
ブロック222で、過去の値N_H0は、ブロック210〜214から決定されたN_Hの現在の値に設定され、過去の値N_T0は、ブロック216〜220から決定されたN_Tの現在の値に設定される。ブロック204〜220のサンプリング工程はそして、入力PWM信号102の次のPWMサイクルで繰り返される可能性がある。並行して、サンプリングされたPWMサイクルからのN_HおよびN_Tにおける現在の値は、フィルタリングされたPWMパラメタ128としてPWM生成モジュール110に提供される。
【0018】
ブロック224で、PWM生成モジュール110は、N_HおよびN_Tの値に基づきサンプリングされたPWMサイクルのデューティ比(したがって、生成されるべきPWMサイクルのデューティ比)を決定する。1つの実施形態において、デューティ比は、、すなわち、ハイサンプルのサンプル数(N_H)の、サンプリングされたPWMサイクル(N_T)のためのサンプルの総数に対する比、すなわちN_H/N_Tとして計算される。代替的には、サンプリングされたPWMサイクルにおけるローサンプル(N_L)のサンプル数は、追跡されてもよく、したがってデューティ比は、(N_T−N_L)/N_Tとして計算されてもよい。さらに図5を参照して下述されるように、PWM生成モジュール110は、デューティ比と、出力PWM信号104のPWMステップ範囲(R)との積として、すなわちPWM_Duty=R*(N_H/N_T)として、デューティ値(PWM_Duty)を計算する。例えば、N_H=50、N_T=120、および出力PWM信号が8ビットPWMステップ範囲(すなわち、R=2^8−1すなわち255ステップ)を有すると仮定すると、PWM_デューティの値は、255*(50/120)=106.25であり、整数値を生成するために106に切り捨てまたは四捨五入する。ブロック226で、PWM生成モジュール110は、図5を参照して以下に記載されるように、デューティ値PWM_Dutyを用いて出力PWM信号104の対応するPWMサイクルを生成することによって、生成されたPWMサイクルのデューティ比を制御する。ブロック228において、生成されたPWMサイクルと共に出力PWM信号104はそして、宛先モジュールに提供されることによって、宛先モジュールを駆動、または宛先モジュールの動作を制御しうる。制御は例えば、ディプレイのLEDを活性化/不活性化するためにまたはモーターを駆動するために、出力PWM信号104を用いる。
【0019】
ブロック210、212、214、216、218および220に適用されたフィルタリング工程において、所定の変化閾値は、過去の値の代わりに現在の値が用いられる前に、現在の値が過去の値と異なる程度を定義する。したがって、クロックジッタの可能性、クロック不整合、環境変化、現行値の計算にノイズを導入し得る、他の決定性アーティファクトまたはランダムエラーを補償するように変化閾値における適切な値が選択される。理想的には、特定PWM性能要件を満たすために、例えば、PWMステップ解像度の1LSBまたは0%〜100%の全範囲に亘ってデューティ比を有するPWM信号を提供する能力、PWM周波数変換器100をさらに補助するように変化閾値はまた、選択され得る。所定変化閾値が1つまたはそれより高い数字として選択され得るが、発明者は、サンプリング工程の条件が2つの潜在的サンプリング差まで導入することと、よって、3よりも大きい所定変化閾値が1LSBの最小PWMステップ解像度のPWM性能パラメタを達成するための最適閾値および出力PWM信号104に0%デューティ比を再現する能力を提供することとを決定した。例えば図3は、後のデューティ計算に関するサンプリング差の原因を示す。図示されたチャート300において、11個のサンプルは、3つのPWM信号302、304、および306の各々のためにそれぞれのサンプル点S〜S11で獲得される。11サンプル点は図解を簡略するために示されるが、十分なサンプリング解像度を提供するために所与のPWMサイクル以内サンプルのサンプル数は、典型的にはより高いことを理解されたい。
【0020】
PWM信号302によって示されるように、PWM信号の立ち上がりおよび立ち下りエッジがサンプル点同士の間に発生する場合(例えば、サンプル点SとSとの間およびSとSとの間)、不正確なサンプリング測定である可能性はほとんどない。しかしながらPWM信号304によって示されるように、PWM信号のエッジの1つがサンプル点の近傍にある場合(例えば、サンプルSで起こっているPWM信号の立上りエッジ)、サンプリング不一致が発生するおそれがあり、したがってPWM信号304におけるハイサンプル(N_high)の決定されたサンプル数は、2つの値のうちのいずれか1つであってよい。例えば図3において、サンプル点SにおけるPWM信号304のサンプルがハイサンプル値として処理される場合、N_high値は、6である。しかし、サンプル点SにおけるPWM信号304のサンプルがローサンプル値として処理される場合、N_high値は、5である。したがってPWM信号304のPWMサイクルに対する11サンプルの総数(N_total=11)において、サンプルSで割当てられた立上りエッジにおける値に依存して測定されたデューティ比は、54.5%(6/11)または45.4%(5/11)である。PWM信号306によって示されるように、サンプリングされたPWMサイクルの立上りエッジおよび立下がりエッジの両方が対応するサンプル点の近傍で発生する場合、サンプリング工程の非決定性は、さらに悪化され得る。サンプル点Sで起こっている立上りエッジは、ハイサンプル値またはローサンプル値として処理され、サンプル点Sで起こっている立下りエッジは、同様であり、PWM信号306の図示されたPWMサイクルにおけるハイサンプルのサンプル数は、5、6、または7である可能性があり、サンプリングされたPWMサイクルのデューティ比は45.4%、54.5%、または63.6%のいずれかとして解釈される(処理される)可能性をもたらす。上述のようにサンプリングパラメタの過去の値ベースのフィルタリングが無い場合、一定なデューティ比が出力PWM信号104のPWMサイクルで維持され得るが、このサンプリングにおける非決定性は、出力PWM信号104の連続PWMサイクルのデューティ比に頻繁にかつ実質的な変化を寄与する。したがって所与のPWMサイクルで2つのサンプリング不一致点が存在するおそれがあるので(1つは立ち上がりエッジであり、1つは立ち下がりエッジである)、この2つの不一致点の可能性を勘案してフィルタモジュール108によって適用された変化閾値は、3に設定されてもよい。
【0021】
サンプリング工程の特性を考慮すると3の変化閾値が適しているが、本明細書の範囲から逸脱することなく3以外の閾値も実行され得る。しかしながらより大きな閾値において、特定性能目標、例えば、0%の最低PWNデューティまたは1LSBの最低PWM解像度ステップ、を達成するために、1つのPWMサイクルあたりより大きなサンプル数が必要とされる。例えば、8ビット解像度(255ステップ)および1つのPWMサイクルあたり450サンプルの総数(N_total=450)と共に、出力PWM信号104では、変化閾値が1LSBの時(trunc[3/450x255]=1LSB)の最低PWMステップである。しかしながら、同一のサンプル数と共に4に設定された変化閾値において、最低PWMステップは、2LSB(trunc[4/450x255]=2LSB)である。1LSBと共に4の変化閾値を達成するために、1つのPWMサイクルあたりのサンプルの総数は、1つのPWMサイクルあたり少なくとも511サンプルに増加される必要がある。したがって1つの実施形態において、サンプリングクロック122は、PWMステップ範囲RとサンプルN_totalの総数に対する所定変化閾値の比との切り捨てまたは四捨五入した積がPWMステップ解像度の1LSBよりも大きくないように、サンプリングモジュール106におけるサンプリング周波数を提供すべく構成または選択される。
【0022】
図4は、本明細書の少なくとも1つ実施形態にしたがって、図1のPWM周波数変換器100の動作の別の方法400を示す。方法400のブロック402および404は、サンプリングモジュール106によって実行されたサンプリング工程を示す。ブロック406、408、410、および412は、フィルタモジュール108によって実行されたフィルタリング工程を示す。ブロック414および416は、PWM生成モジュール110によって実行されたPWM生成工程を示す。図2の方法200とは対照的に、方法400は、入力PWM信号102のPWMデューティ比の一時的代表値をまず計算し、次に、所定変化閾値および以前PWMサイクルのサンプリングから決定された以前のまたは過去のPWMデューティ比に基づきこのPWMパラメタをフィルタリングする。
【0023】
ブロック402では、PWM周波数変換器100は、入力PWM信号102のPWMサイクルをサンプリングする準備のために、サンプリングモジュール106を初期化することによって初期化される。入力PWM信号102のサンプリングにおいて、上述のように、サンプリングモジュール106は、2つの変数または値、N_totalおよびN_high、を採用する。方法400のフィルタリングにおいて、フィルタモジュール108は、3つの追加的値または変数を用いる:PWM_Duty0、PWM_Duty_Temp、およびPWM_Duty_Finalである。PWM_Duty0は、これまでサンプリングされたPWMサイクルに亘って過去のまたはベースラインのPWMデューティ比を示す。PWM_Duty_Tempは、現在にサンプリングされたPWMサイクルのPWMデューティ比(N_totalおよびN_highを用いて計算される)を示す。PWM_Duty_Finalは、PWM_Duty0および事前選択された変化閾値に基づきPWM_Duty_Tempのフィルタリングから得られたPWMデューティ比を示す。したがって比較のために、N_total、N_high、PWM_Duty0、PWM_Duty_Temp、およびPWM_Duty_Finalにおけるベースラインをゼロに設定するように少なくともN_total、N_high、PWM_Duty0、PWM_Duty_Temp、およびPWM_Duty_Finalを0に設定することによってサンプリングされる第1PWMサイクルをサンプリングする前に、フィルタモジュール108は、ブロック402で初期化されてもよい。
【0024】
ブロック404で、サンプルモジュール106は、図2のブロック204、206、および208に対して上述されたように、サンプリングクロック122を用いて入力PWM信号102のPWMサイクルをサンプリングすることによって、サンプリング周波数を駆動し、PWMサイクルに亘って選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数(N_high)と、入力PWM信号102(N_total)のPWMサイクルに亘って獲得されたサンプルの総数とを決定する。
【0025】
ブロック406では、フィルタモジュール108は、N_high値およびN_total値を用いることによって、PWM_Duty_Temp値を決定する。例えば1つの実施形態において、PWM_Duty_Temp値は、デューティ比と出力PWM信号104のPWMステップ範囲Rとの積、すなわちPWM_Duty_Temp=R*(N_high/N_total)として計算される。ブロック408で、フィルタモジュール108は、PWM_Duty_Temp(すなわち、サンプリングされたPWMサイクルの測定されたデューティ比)とPWM_Duty0(すなわち、以前にサンプリングされたPWMサイクルからの過去のデューティ比)との差は所定変化閾値以上であるか否か判定する。1つのPWMサイクル、PWMステップ範囲(R)、などあたり1または複数のサンプルの予定総数に基づき変化閾値を計算することによって、図3に上述された2つの潜在的サンプリングエラーに適応するように所定変化閾値は選択されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、所望に応じてより広くまたは狭く変化閾値を可能にするように変化閾値が10進数として実行されるように、PWM_Duty_Temp値およびPWM_Duty0値は、10進数として維持される。例えば、PWM_Duty_Tempおよびフィルタモジュール108の所望感知度を計算するために用いられた特定予定範囲における値に依存して、変化閾値は、例えば、0.25、0.5、1.0、1.5または2.0のうちのいずれに設定されてもよい。
【0026】
PWM_Duty_TempとPWM_Duty0との差が変化閾値を超える場合、ブロック410で、次にサンプリングされたPWMサイクルにおける過去のPWMでユーティ値として現行PWM_Duty_Tempを用いるように、フィルタモジュール108は、PWM_Duty_FinalをPWM_Duty_Tempの整数表現に設定し、PWM_Duty0をPWM_Duty_Tempに設定する。さもなければ、PWM_Duty_TempとPWM_Duty0との差が変化閾値を超えない場合、ブロック412で、フィルタモジュール108は、PWM_Duty_Finalを過去のPWMデューティ(PWM_Duty0)の整数表現に設定する。
【0027】
ブロック404〜412のサンプリング工程は、入力PWM信号102の次のPWMサイクルで繰り返される。並行して、サンプリングされたPWMサイクルからのPWM_Duty_Finalの値は、フィルタリングされたPWMパラメタ128としてPWM生成モジュール110に提供される。ブロック414で、PWM生成モジュール110は、図5を参照して以下により詳細に記載されるように、生成されたPWMサイクルのデューティ比を制御するためのデューティ値PWM_Duty_Finalを用いて出力PWM信号104の対応するPWMサイクルを生成する。ブロック416で、宛先モジュールの動作を駆動または他の方法で宛先モジュールを制御するために、例えば出力PWM信号104を使用することによってディスプレイのLEDを活性化/不活性化またはモータを駆動するために、生成されたPWMサイクルと共に出力PWM信号104は、次に宛先モジュールに提供されてもよい。
【0028】
図5は、本明細書の少なくとも1つの実施形態にしたがって、出力PWM信号104のハイの第1PWMサイクル(high−first PWM cycle)を生成するためのPWM生成モジュール110の代表的実施例を示す。本明細書で記載されたガイドラインを用いて、同様な構成は、ローの第1PWMサイクル(low−first PWM cycle)を生成するために実装されてもよい。図示された例において、PWM生成モジュール110は、出力ドライバ502、デジタル比較器504および506、レジスタ508および510、およびカウンタ412を含む。カウンタ512は、(周波数fを有する)生成クロック124を受信するためのクロック入力と、リセット信号514を受信するためのリセット入力と、カウント516を与えるための出力とを含む。ここで、リセット信号516のアサートに応答してカウンタ512は、カウント516をゼロに初期化し、そして次のリセットイベントまで生成クロック124の各サイクルにおけるカウント516をインクリメントする。デジタル比較器504は、レジスタ508からPWMステップ範囲値Rを受信するための入力と、カウント516を受信するための入力と、リセット信号514を与えるための出力とを有する。ここで、カウント516がPWMステップ範囲値Rに届く時、デジタル比較器504は、リセット信号514をアサートする。さもなければ、カウント516がPWMステップ範囲Rを未満する時、デアサート状態でリセット信号514を維持する。デジタル比較器506は、カウント516を受信するための入力と、レジスタ510からデューティ値PWM_Dutyを受信するための入力と、ハイ/ロー信号518を与えるための出力とを含む。ここで、カウント516がデューティ値PWM_Duty以下の時、デジタル比較器506は、ハイ/ロー信号518をアサートする。さもなければ、カウント516がデューティ値PWM_Dutyより大きい時、デアサート状態にハイ/ロー信号518を維持する。ドライバ502は、ハイ/ロー信号518を受信するための入力および出力PWM信号104を与えるための出力を含む。ここで、ハイ/ロー信号518がアサートされる時、ドライバ502は、出力PWM信号104ハイに引き上がり、さもなければ、ハイ/ロー信号518がアサートされない時、PWM信号104ロー(例えば、接地または電圧基準VSSに)に引き下がる。
【0029】
図6および図7は、複数の発光ダイオード(LED)列を有するLEDシステムにおける動的電力管理のための図1のPWM周波数変換器の代表的実施例を示す。本発明で「LED列」という用語は、1または複数の直列に接続されたLEDの組を意味する。LED列の「ヘッド端部」は、駆動電圧/電流を受けるLED列の端部または部分であり、LED列の「テール端部」は、LED列の別の端部または部分である。本明細書で「テール電圧」という用語は、LED列のテール端部における電圧またはそれの代表(例えば、電圧分割された代表、増幅された代表、など)を意味する。「サブセットのLED列」という用語は、1または複数のLED列を意味する。
【0030】
図6は、本明細書の少なくとも1つの実施形態にしたがって、動的電力管理を有するLEDシステム600を示す。図示された例において、LEDシステム600は、LEDパネル602およびLEDドライバ604を含む。LEDパネル602は、複数のLED列(例えば、LED列605、606、607、および608)を含む。各LED列は、1または複数の直列に接続されたLED609を含む。LED609は例えば、白LED,赤い、緑、青い(RGB)LED,有機LED(OLED),などを含んでもよい。各LED列は、電圧バス610(例えば、導電性トレース、ワイヤ、など)を介してLEDドライバ604の電圧源612からLED列のヘッド端部で受取られた調整可能電圧VOUTによって駆動される。図6の実施形態において、電圧源612は、供給された入力電圧を用いて出力電圧VOUTを駆動するように構成されたブースト変換器として実施される。
【0031】
LEDドライバ604は、LED列605〜608のテール端部におけるテール電圧に基づき電圧源612を制御するように構成されたフィードバックコントローラ614を含む。1つの実施形態において、LEDドライバ604は、いずれのLED列605〜608が対応するパルス幅変調(PWM)サイクルの間にいずれの時間に活性化されるか表すディスプレイデータを受信し、LEDドライバ604は、ディスプレイデータに基づきそれぞれのPWMサイクルの適切時間でLED列605〜608を全体的または個々に活性化するように構成される。
【0032】
1つの実施形態において、フィードバックコントローラ614は、複数の電流調整器(例えば、電流調整器615、616、617、および618)、アナログ列選択モジュール620、ADC622、コード処理モジュール624、制御デジタル・アナログ変換器(DAC)626、エラー増幅器628、およびデータタイミングコントローラ630を含む。データ/タイミングコントローラ630は、PWM周波数変換器632を含む(図1、PWM周波数変換器100に相当する)。
【0033】
図6の例において、電流調整器615は、活性の時、固定電流(例えば、30mA)または固定電流近くでLED列605を通して流れる電流Iを維持するように構成される。同様に、電流調整器616、617、および618は、活性の時、固定電流または固定電流近くでLED列606、607、および608を通してそれぞれの電流I、I、およびIを維持するように構成される。
【0034】
電流調整器の入力が非ゼロ電圧の時、電流調整器は、電流調整器の電流調整工程からしばしば得られた入力電圧における変化を適応するように、より効率的に動作する。このバッファ電圧はしばしば、電流調整器の「ヘッドルーム」と呼ばれる。電流調整器615から618はそれぞれのLED列605〜608のテール端部に接続されるので、LED列605〜608のテール電圧は、対応する電流調整器615〜618におけるヘッドルームの使用可能量を示す。しかしながら、電流調整ために必要なヘッドルームを上回るヘッドルームは、電流調整器によって不要な電力消費を生じる。したがって、より詳細に記載されるように、所定閾値電圧または所定閾値電圧近くで活性LED列の最低テール電圧を維持するようにLEDシステム600は、動的ヘッドルーム制御を提供する技術を採用し、したがって所定閾値電圧または所定閾値電圧近くで電流調整器615〜618の最低ヘッドルームを維持する。閾値電圧は、電流調整器615〜618による適切な電流調整を可能にするための十分なヘッドルームの必要と電流調整器615〜618における過度ヘッドルームを減少することによる減少された電力消費の利点との間の決定された平衡を代表してもよい。
【0035】
データ/タイミングコントローラ630は、制御LED列605〜608に与えられた入力PWM信号633を受信する。典型的には、この入力PWM信号633は、20kHz未満の周波数を有し、したがって電流調整器615〜618を直接的に駆動するために用いる場合、監視者に可聴であり、電圧VOUTにおけるリップルをより受けやすくなる。したがってPWM周波数変換器632は、入力PWM信号633をより高い周波数に変換し、同時に、上述された工程を用いることによって元のデューティ比を維持する。次に、得られたPWM信号634は、それぞれのPWMサイクルの相当する部分の間、LED列605〜608の活性LED列を制御するための電流調整器615〜618における制御信号通信として提供される。
【0036】
アナログ列選択モジュール620は、それぞれのLED列605〜608のテール電圧VT1、VT2、T3、およびVT4を受けるためのLED列605〜608のテール端部に接続された複数のテール入力と、検出期間に亘って任意の所与時点でLED列605〜608の最低テール電圧VTminを示すアナログ信号632を与えるための出力とを含む。1つの実施形態において、アナログ列選択モジュール620は、LED列605〜608のテール端部に接続された複数の入力およびアナログ信号632を与えるための出力を有するダイオードOR回路として実施される。
【0037】
ADC622は、1または複数の相当するサンプル点でアナログ信号632の電圧を示す1または複数のデジタルコード値COUTを生成するように構成される。コード処理モジュール624は、所与検出期間における受信されたコード値COUTの最低値あるいは以前の検出期間からCregにおける以前の値に基づき、1または複数のコード値COUTを受信するための入力とコード値Cregを与えるための出力とを含む。コード値COUTがLED列605〜608全てのための検出期間(たとえばPWMサイクル、表示フレームサイクルなど)の間に起こった最低テール電圧を示すように、1つの実施形態において、コード処理モジュール624は、コード値COUTを閾値コードCthreshに比較し、該比較に基づきコード値Cregを生成する。コード処理モジュール624は、ハードウェア、1または複数のプロセッサによって実行されたソフトウェア、またはこれらの組み合わせとして実施され得る。例えば、コード処理モジュール624は、論理ベースハードウェア状態機械、プロセッサによって実行されたソフトウェア、などとして実施され得る。
【0038】
制御DAC626は、コード値Cregを受信するための入力と、コード値Cregを表す調整電圧Vregを与えるための出力とを含む。調整電圧Vregは、エラー増幅器628に提供される。エラー増幅器628も、出力電圧VOUTを表すフィードバック電圧Vfbを受ける。図示された実施形態において、出力電圧VOUTから電圧Vfbを生成するために、電圧分割器640は用いられる。エラー増幅器628は、電圧Vfbを電圧Vregと比較し、該比較に基づき信号ADJを構成する。電圧源612は、信号ADJを受信し、信号ADJの大きさに基づき出力電圧VOUTを調整する。
【0039】
図7は、図6のLEDシステム600におけるフィードバックコントローラの代替的実施例を示す。図6記載されるように、所与時間で複数のLED列の最低テール電圧を変換するために1つのADCを利用するよりもむしろ、図7示されたLEDシステム700は、各LED列にADCを利用する。したがって図7のLEDドライバ704は、複数のADC715、716、717、および717とデジタル最低選択モジュール720とを含む。ADC715は、LED列605のタール端部に接続された入力と、対応するサンプル点におけるLED列605のテール端部の電圧を表す1または複数のコード値Cを与えるための出力とを含む。対応する1または複数のサンプル点のためにそれぞれの1または複数のコード値C、C、およびCの生成のために、ADC716〜718は、LED列606〜608に対して同様に構成される。検出期間の終わりに、デジタル最低選択モジュールは、受信されたコード値の最低値を認識し、上述されるようにコード処理モジュール624によって処理するためにコード値COUTとして該最低値を転送する。
【0040】
各LED列のLED609の順方向電圧バイアスにおける静的変化かつLED/609のオン・オフを切り替えることによる動的変化によって、LEDシステム600かつ700におけるLED列605〜608の各々に亘る電圧降下の間にかなりの変化が存在する可能性がある。したがって、LED列605〜1108を適切に動作するために、必要とされるバイアス電圧における有意な変化が存在する可能性がある。しかしながら、従来LEDドライバで対応するように最小電圧降下に必要な電圧より実質的に高い固定出力電圧VOUTを駆動することよって、図6示されたLEDドライバ604は、LED列606〜1108を亘る電圧降下における変化の存在下でLEDドライバ604の電力消費を減少または最小化するように出力電圧VOUTを調整することを可能にするフィードバック機構を利用する。さらに、入力PWM信号633の周波数をより高い周波数に変換することによって、LEDドライバ604および704は、出力電圧VOUTにおいて、より低い電圧降下を受け、そして、監視者が検出できない周波数で電流調整器615〜618を動作しうる。また、上述された、サンプリングされた入力PWMサイクルから示すデューティ比を決定するために過去のベースフィルタリング工程を用いることによって、出力PWM信号634のデューティ比における意図的でないジャンプによるLED列605〜608の点滅を最小化または回避しうる。
【0041】
第1パルス幅変調(PWM)信号を受信し、第1PWM信号と異なる周波数を有する第2PWM信号を出力するPWM周波数変換器において、方法が提供される。1つの態様において、方法は、第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第1セットを生成するステップと、所定変化閾値に基づき1または複数のPWMパラメタの第1セットをフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第2セットを生成するステップとを含む。方法はさらに、1または複数のPWMパラメタの第2セットに基づき第2PWM信号における第2PWMサイクルを生成するステップを含む。1つの実施形態において、第2PWMサイクルを生成するステップは、1または複数のPWMパラメタの第2セットを用いて第1PWMサイクルのデューティ比を決定するステップと、第1PWMサイクルで決定されたデューティ比と実質的に等しいデューティサイクルを有するように第2PWMサイクルを生成するステップとを含む。
【0042】
1つの態様にしたがって、第1PWMサイクルをサンプリングするステップは、第1PWMサイクルをサンプリングすることによって、1または複数のPWMパラメタの第1セットの第1値および第2値を決定するステップを含み、第1値は、第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第2値は、第1PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表す。この場合において、1または複数のPWMパラメタの第1セットをフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第2セットを生成するステップは、所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき第1値をフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第2セットの第3値を生成するステップおよび変化閾値範囲に基づき第2値をフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第2セットの第4値を生成するステップを含んでもよい。したがって、第2PWMサイクルを生成するステップは、第2PWM信号のPWMステップ範囲および第3値と第4値の比に基づきデューティ値を生成するステップおよびデューティ値に基づき第2PWMサイクルを生成するステップを含んでもよい。1つの実施形態において、方法はさらに、PWMステップ範囲の切り捨てされたまたは四捨五入された積と第2値に対する所定変化閾値の比は第2PWM信号のPWMステップ解像度の1つの最下位ビット(LSB)より大きくないようにサンプリング周波数を構成するステップを含む。さらに、デューティ値に基づき第2PWMサイクルを生成するステップは、デューティ値と等しい生成クロックのサイクルのサイクル数を有する第1期間で第1状態に第2PWM信号を駆動するステップと、PWMステップ範囲とデューティ値との差と等しい生成クロックのサイクルのサイクル数を有する第2期間で第2状態に第2PWM信号を駆動するステップとを含んでもよく、ここで、第2期間は、第1期間に先立つまたは続く。
【0043】
1つの実施形態において、第3値を生成するために変化閾値範囲に基づき第1値をフィルタリングするステップは、第1値と第5値との差が所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、第1値と等しくなるように第3値を設定するステップであって、第5値は、第1PWMサイクルを先立って起こっている第1PWM信号のPWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第1値と第5値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して第5値に等しくなるように第3値を設定するステップを含む。この場合において、第4値を生成するために変化閾値範囲に基づき第2値をフィルタリングするステップは、第2値と第6値との差が所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して第2値と等しくなるように第4値を設定するステップであって、第6値は、第1PWMサイクルに先立って起こっている第1PWM信号のPWMサイクルにおけるサンプルの総数を表し、第2値と第6値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定すること応答して、第6値と等しくなるように第4値を設定するステップを含んでもよい。
【0044】
別の実施形態において、第1PWMサイクルをサンプリングするステップは、第1PWMサイクルをサンプリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第1値および第2値を決定するステップを含み、ここで第1値は、第1PWMサイクルで選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第2値は、第1PWMサイクルでサンプルの総数を表す。この実施形態において、1または複数のPWMパラメタの第1セットをフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタを生成するステップは、第1値と第2値の比に基づき第1デューティ値を決定するステップと、所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき第1デューティ値をフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第2セットの第2デューティ値を生成するステップを含んでもよい。変化閾値範囲に基づき第1デューティ値をフィルタリングことによって第2値を生成するステップは、第1デューティ値と第3デューティ値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、第1値を等しくなるように第2値を設定するステップであって、第3デューティ値は、第1PWMサイクルに先立って起こっている第1PWM信号のPWMサイクルのPWMデューティ比を表し、第1デューティ値と第3デューティ値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、第3デューティ値と等しくなるように第2値を設定するステップを含んでもよい。
【0045】
別の態様にしたがって、パルス幅変調(PWM)周波数変換器が提供される。PWM周波数は、第1PWM信号を受信するための入力と、第1PWM信号と異なる周波数を有する第2周波数を与えるための出力とを有する。PWM周波数変換器はさらに、第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって1または複数のPWMパラメタの第1セットを生成するためのサンプリングモジュールと、所定変化閾値に基づき1または複数のPWMパラメタの第1セットをフィルタリングすることによって1または複数のPWMパラメタを生成するためのフィルタモジュールと、1または複数のPWMパラメタの第2セットに基づき第2PWM信号における第2PWMサイクルを生成するためのPWM生成モジュールとを含む。
【0046】
第1PWM信号を受取り、第1PWM信号よりも高い周波数を有する第2周波数を出力するPWM周波数変換器において、また更なる態様にしたがって、方法は提供される。方法は、第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって第1値および第2値を決定するステップであって、第1値は、第1PWMサイクルで選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第2値は、第1PWMサイクルでサンプルの総数を表すステップと、第3値および第4値を決定するために第1PWMサイクルに続いて発生する第1PWM信号の第2PWMサイクルをサンプリングするステップであって、第3値は、第2PWMサイクルで選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第4値は、第2PWMサイクルでサンプルの総数を表すステップとを有する。方法は、第1値および所定変化閾値に基づき第3値をフィルタリングすることによって第5値を生成するステップと、第2値および所定変化閾値に基づき第4値をフィルタリングすることによって第6値を生成するステップとを含む。方法はさらに、第5値および第6値に基づき第2PWM信号のPWMサイクルを生成するステップを含む。
【0047】
1つの実施形態において、第2PWM信号のPWMサイクルを生成するステップは、第2PWM信号のPWMステップ範囲かつ第5値および第6値の比に基づきデューティ値を決定するステップと、デューティ値に基づき第2PWM信号におけるPWMサイクルを生成するステップとを含む。さらに、第5値を生成するために第3値をフィルタリングするステップは、第3値と第1値との差が所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して第3値と等しくなるように第5値を設定するステップと、第3値と第1値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、第1値と等しくなるように第5値を設定するステップとを含む。第6値を生成するために第4値をフィルタリングするステップは、第4値と第2値との差が所定変化閾値以上であることを判定することに応答して、第4値と等しくなるように第6値を設定するステップと、第4値と第2値との差が所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、第2値と等しくなるように第6値を設定するステップとを含む。
【0048】
「他の、別の(another)」という語は、本明細書で用いられているように、少なくとも第2のものかそれ以上という意味としてとして定義されている。「有する、含む(including,having)」という語やこれらの語の他のいずれの変形も、本明細書で用いられているように、「備えている(comprising)」という意味として定義されている。「結合された(coupled)」という語は、電気光学技術を参照して本明細書で用いられているように、「接続された(connected)」という意味として定義されており、必ずしも直接的に、また機械的に結合する状態を意味するものではない。
【0049】
本開示の他の実施形態、使用法、及び効果は、本明細書に開示された開示の内容及び実践を考慮すると、当業者には明白であろう。開示内容及び図面は単なる例示にすぎないと見なされるべきであり、それ故に、本開示の範囲は、以下の請求項及びその等価物によってのみ限定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1PWM信号を受信し、前記第1PWM信号と異なる周波数を有する第2PWM信号を出力するパルス幅変調周波数変換器において、方法は、
第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって、PWMパラメタの第1セットを生成する第1セット生成ステップと;
所定変化閾値に基づき前記第1セットをフィルタリングすることによって、PWMパラメタの第2セットを生成する第2セット生成ステップと;
前記第2セットに基づき前記第2PWM信号における第2PWMサイクルを生成する第2PWMサイクル生成ステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記第2PWMサイクル生成ステップは、
前記第2セットを用いることによって、前記第1PWMサイクルのデューティ比である第1デューティ比を決定するステップと;
決定された前記第1デューティ比と等しいデューティ比を有するように前記第2PWMサイクルを生成するステップと
をからなる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1セット生成ステップは、前記第1PWMサイクルをサンプリングすることによって前記第1セットの第1値および第2値を決定するステップを有し、前記第1値は、第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、第2値は、第1PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表し、
前記第2セット生成ステップは、
所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき第1値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第3値を生成する第3値生成ステップと;
前記変化閾値範囲に基づき前記第2値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第4値を生成する第4値生成ステップと
を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2PWMサイクル生成ステップは、
前記第2PWM信号のPWMステップ範囲と、前記第3値および前記第4値の比とに基づき、デューティ値を決定するステップと;
前記デューティ値に基づき前記第2PWMサイクルを生成するステップと
からなる、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2値の所定変化閾値に対する比を、第2比とし、
前記PWMステップ範囲と前記第2比との積を第1積とすると、
前記方法はさらに、切り捨てたまたは四捨五入した前記第1積が前記第2PWM信号のPWMステップ分解度の1つの最下位ビットよりも大きくないように、サンプリング周波数を構成するステップを有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記デューティ値に基づき前記第2PWMサイクルを生成するステップは、
第1期間で前記第2PWM信号を第1状態に駆動するステップであって、前記第1期間は、前記デューティ値と等しい生成クロックのサイクル数を有するステップと;
第2期間で前記第2PWM信号を第2状態に駆動するステップであって、前記第2期間は、前記PWMステップ範囲と前記デューティ値との差と等しい生成クロックのサイクル数を有し、第2期間は、前記第1期間に先立つまたは続くステップと
を有する、
請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記第3値生成ステップは、
前記第1値と第5値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第1値と等しくなるように前記第3値を設定するステップであって、前記第5値は、前記第1PWMサイクルに先立って起こっている前記第1PWM信号のPWMサイクルにおける前記選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を示ステップと
を有し、
前記第4値生成ステップは、
前記第2値と第6値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第2値と等しくなるように第4値を設定するステップであって、前記第6値は、前記第1PWMサイクルに先立って発生する前記第1PWM信号のPWMサイクルにおけるサンプルの総数を示すステップと;
前記第2値と前記第6値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第6値と等しくなるように前記第4値を設定するステップと
を有する、
請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記所定変化閾値は、3である、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第1セット生成ステップは、前記第1PWMサイクルをサンプリングすることによって、前記第1セットの第1値および第2値を決定するためにステップを有し、
前記第1値は、前記第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を示し、
前記第2値は、前記第1PWMサイクルにおけるサイクルの総数を示し、
前記第2セット生成ステップは、
前記第1値および前記第2値に基づき第1デューティ値を決定する第1デューティ値決定ステップと;
前記所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき前記第1デューティ値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第2デューティ値を生成する第2デューティ値生成ステップと、
を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記第2デューティ値生成ステップは、
前記第1デューティ値と第3デューティ値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第1値に等しくなるように前記第2値を設定するステップであって、前記第3デューティ値は、前記第1PWMサイクルに先立って発生する前記第1PWM信号のPWMサイクルのPWMデューティ比を示すステップと;
前記第1デューティ値と前記第3デューティ値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第3デューティ値と等しくなるように前記第2デューティ値を設定するステップと
を有する、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
第1PWM信号を受信するための入力と、第2PWM信号を与えるための出力とを有するパルス幅変調周波数変換器であって、前記パルス幅変調周波数変換器は、
前記第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって、PWMパラメタの第1セットを生成するためのサンプリングモジュールと;
所定変化閾値に基づき前記第1セットをフィルタリングすることによって、PWMパラメタの第2セットを生成するためのフィルタモジュールと;
前記第2セットに基づき前記第2PWM信号における第2PWMサイクルを生成するためのPWM生成モジュールと
を備える、パルス幅変調周波数変換器。
【請求項12】
前記PWM生成モジュールは、
前記第2セットを用いることによって前記第1PWMサイクルのデューティ比である第1デューティ比を決定し、
決定された前記第1デューティ比と等しいデューティサイクルを有するように前記第2PWMサイクルを生成する、
請求項11記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項13】
前記サンプリングモジュールは、前記第1PWMサイクルをサンプリングすることによって前記第1セットの第1値および第2値を決定し、前記第1値は、前記第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を表し、前記第2値は、前記第1PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表し、
前記フィルタモジュールは、前記所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき前記第1値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第3値を生成し、前記変化閾値範囲に基づき前記第2値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第4値を生成する、
請求項11記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項14】
前記PWM生成モジュールは、
前記第2PWM信号のPWMステップ分解度と、前記第3値および前記第4値の比とに基づき、デューティ値を決定し、
前記デューティ値に基づき前記第2PWMサイクルを生成する、
請求項13記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項15】
前記PWM生成モジュールは、
第1期間で第1状態に前記第2PWM信号を駆動することであって、前記第1期間は、前記デューティ値と等しい生成クロックのサイクル数を有することと;
第2期間で第2状態に前記第2PWM信号を駆動することであって、前記第2期間は、前記PWMステップ分解度と前記デューティ値との差に等しい前記生成クロックのサイクル数を有し、前記第2期間は、前記第1期間を先立つまたはその後であることと
によって、前記デューティ値に基づき前記第2PWMサイクルを生成する、
請求項14記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項16】
前記フィルタモジュールは、
前記第1値と第5値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第3値を設定することであって、前記第5値は、前記第1PWMサイクルに先立って発生している前記第1PWM信号のPWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表すことと;
前記第1値と前記第5値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第5値と等しくなるように前記第3値を設定することと
によって、前記第1値をフィルタリングして前記第3値を生成し、
前記フィルタモジュールは、
前記第2値と第6値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第2値と等しくなるように前記第4値を設定することであって、前記第6値は、前記第1PWMサイクルを先立って起こっている前記第1PWM信号のPWMサイクルにおけるサンプルの総数を表すことと;
前記第2値と前記第6値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第6値と等しくなるように前記第4値を設定することと
によって、前記変化閾値範囲に基づき前記第2値をフィルタリングして前記第4値を生成する、
請求項13記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項17】
前記サンプリングモジュールは、前記第1PWMサイクルをサンプリングすることによって前記第1セットの第1値および第2値を決定し、前記第1値は、前記第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、前記第2値は、前記第1PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表し、
前記フィルタモジュールは、
前記第1値と前記第2値との比に基づき、第1デューティ値を決定することと;
前記所定変化閾値によって定義された変化閾値範囲に基づき前記第1デューティ値をフィルタリングすることによって、前記第2セットの第2デューティ値を生成することと
によって、前記第1セットをフィルタリングして前記第2セットを生成する、
請求項11記載のパルス幅変調周波数変換器。
【請求項18】
第1PWM信号を受信し、前記第1PWM信号よりも高い周波数を有する第2PWM信号を出力するパルス幅変調周波数変換器において、方法は、
前記第1PWM信号の第1PWMサイクルをサンプリングすることによって、第1値および第2値を決定する第1決定ステップであって、前記第1値は、前記第1PWMサイクルにおける選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、前記第2値は、前記第1PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表す第1決定ステップと;
前記第1PWMサイクルに続いて起こる前記第1PWM信号の第2PWMサイクルをサンプリングすることによって、第3値および第4値を決定する第2決定ステップであって、前記第3値は、前記第2PWMサイクルにおける前記選択サンプル値を有するサンプルのサンプル数を表し、前記第4値は、前記第2PWMサイクルにおけるサンプルの総数を表す第2決定ステップと;
前記第1値および前記所定変化閾値に基づき前記第3値をフィルタリングすることによって、第5値を生成する第5値生成ステップと;
前記第2値および前記所定変化閾値に基づき前記第4値をフィルタリングすることによって、第6値を生成する第6値生成ステップと;
前記第5値および前記第6値に基づき前記第2PWM信号のPWMサイクルを生成するPWMサイクル生成ステップと
を有する、方法。
【請求項19】
前記PWMサイクル生成ステップは、
前記第2PWM信号のPWMステップ範囲と、前記第5値および前記第6値の比とに基づき、デューティ値を決定するステップと;
前記デューティ値に基づき、前記第2PWM信号におけるPWMサイクルを生成するステップと
からなる、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第5値生成ステップは、
前記第3値と前記第1値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第3値と等しくなるように前記第5値を設定するステップと;
前記第3値と前記第1値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第1値と等しくなるように前記第5値を設定するステップと
を有し、
前記第6値生成ステップは、
前記第4値と前記第2値との差が前記所定変化閾値よりも大きいかまたは等しいと判定することに応答して、前記第4値と等しくなるように前記第6値を設定するステップと;
前記第4値と前記第2値との差が前記所定変化閾値よりも小さいと判定することに応答して、前記第2値と等しくなるように前記第6値を設定するステップと
を有する、
請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−502194(P2013−502194A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523677(P2012−523677)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/044067
【国際公開番号】WO2011/017245
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】