パーキングシステム
【課題】システム内での利用状況を容易且つ確実に把握できると共に、高いセキュリティ性も確保可能となり、駐車場の好適な運用に寄与できるパーキングシステムを提供する。
【解決手段】契約車両のフロントガラスには、契約車両に関する利用情報に予め対応づけられた色又は色の組み合わせで塗りつぶされた複数のセルからなる二次元コードが貼着されており、入出庫の際には、駐車場端末3に設けた二次元コードリーダによって利用情報が認識されて管理サーバ5に送られる。管理サーバ5は、受信した認識情報から得られる入出庫履歴を所定の期間蓄積して契約駐車場2の利用率を算出し、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定して、その空きスペース数を駐車場端末3へ送信する。駐車場端末3は、受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を表示機6に表示させる。
【解決手段】契約車両のフロントガラスには、契約車両に関する利用情報に予め対応づけられた色又は色の組み合わせで塗りつぶされた複数のセルからなる二次元コードが貼着されており、入出庫の際には、駐車場端末3に設けた二次元コードリーダによって利用情報が認識されて管理サーバ5に送られる。管理サーバ5は、受信した認識情報から得られる入出庫履歴を所定の期間蓄積して契約駐車場2の利用率を算出し、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定して、その空きスペース数を駐車場端末3へ送信する。駐車場端末3は、受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を表示機6に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月極や時間貸し等の駐車場を運用するためのパーキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数の月極駐車場や時間貸し駐車場等を管理会社で集中管理する場合、駐車場に設けた駐車場端末と、管理会社等に設けられた管理サーバとを、インターネット等の通信網を介して交信可能に接続し、駐車場端末からシステム内の利用に係る利用情報(入出庫時間等)を管理サーバに送信させて、管理サーバで各駐車場の利用状況を把握可能としたパーキングシステムが構築される。ここでの利用情報の送信は、例えば特許文献1に記載される駐車場貸出装置に示すように、パーソナルコンピュータ等の駐車場端末に設けられたキーボードやタッチパネル等の入力部によって車両の入出庫時間を入力して送信させれば、管理サーバで利用状況が把握可能となる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−302883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このシステムでは人手による入力操作が必要となるため、管理会社においては駐車場に管理者を常駐させる必要があって人件費がかさむ問題がある。そこで、バーコードやQRコード等の二次元コードとそのコードリーダとを用いて、例えば車両側に二次元コードを、駐車場端末側にコードリーダを設けて利用情報を取得することも考えられるが、読み取り距離や読み取りの確実性に問題があって車両管理には不向きである上、情報量の増加にも対応しにくい。また、これらの二次元コードは周知であるため、第三者に容易に知得でき、秘匿性が低くなっている。
【0005】
そこで、本発明は、システム内での利用情報を容易且つ確実に把握できると共に、高いセキュリティ性も確保可能となり、駐車場の好適な運用に寄与できるパーキングシステムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、端末と管理サーバ間で送受信される利用情報を、m×n(m、nは夫々1以上の整数)に配列されたセルからなり、そのセルのうち、1以上のセルからなるセル群には、夫々異なる情報が予め対応づけられた色又は色の組み合わせのうち、該セル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられる二次元コードに記録されるものとし、
前記端末は、前記二次元コードを示す画像を取得するカメラと、そのカメラにより取得された画像から、前記二次元コードで示される画像領域を特定する領域特定手段と、その領域特定手段により特定された画像領域から、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色を特定するセル特定手段と、前記セル特定手段により特定された1以上のセルの色又は色の組み合わせに対応する情報夫々を、1以上のセルからなるセル群の色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定し、その特定した情報夫々からなる情報を、前記二次元コードで示される利用情報として認識する情報認識手段と、からなる二次元コードリーダを有し、前記二次元コードと二次元コードリーダとによって前記端末による利用情報の取得がなされることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、二次元コードの位置を特定しやすくするために、二次元コードのセルのうち、予め定められたセルは、二次元コードの位置を特定するための特定セルとして割り当てられており、前記特定セルをマークした色により、前記二次元コードの位置を特定するためのパターンを形成する一方、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像から、前記特定セルに従って前記二次元コード全体で示される画像領域を特定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の目的に加えて、二次元コードに対応する領域を容易に特定するために、一列に配列されたn個のセルのうち、先頭及び/又は最後尾のセルが特定セルとして割り当てられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、二次元コードの情報解析の信頼性をより高めるために、二次元コードには、セルの配列領域を除く所定の位置に、夫々異なる情報が対応づけられた色の全てを所定の順番で配置してなるリファレンス領域が1以上設けられており、
二次元コードリーダは、領域特定手段により特定された画像領域から、前記リファレンス領域を抽出するリファレンス抽出手段を備えており、セル特定手段は、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色が、前記リファレンス抽出手段により抽出されたリファレンス領域におけるどの位置に配置された色であるかを特定して、情報認識手段は、前記セル特定手段により特定された色又は色の組み合わせに対応づけられている情報を、前記リファレンス領域における色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、二次元コードで示される画像領域を短時間で特定するために、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、契約駐車場を時間貸し駐車場として併用するパーキングシステムを好適に構築するために、駐車場を、予め設定された契約に従って特定の利用者に所定期間内での利用が許可された契約駐車場とし、端末を、各契約駐車場に設けられて、当該契約駐車場の空き情報を表示する表示手段を制御可能な駐車場端末として、
前記駐車場端末は、契約車両の入出庫の際に二次元コードリーダによって契約車両に設けられた二次元コードに記録される利用情報を取得して管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記駐車場端末から受信した契約車両の利用情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を前記駐車場端末へ送信する手段を備えて、
前記駐車場端末は、前記管理サーバから受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を前記表示手段を用いて表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの目的に加えて、駐車料金を提携店舗での利用状況に応じて割り引くパーキングシステムを好適に構築するために、駐車場を、単位時間毎での利用が可能な時間貸し駐車場とし、端末を、前記時間貸し駐車場と提携した店舗に設けられた店舗端末として、
前記時間貸し駐車場の利用者に、少なくとも前記時間貸し駐車場への入庫時間と、利用者若しくは自身の固有情報とを含む利用情報が記録された二次元コードを表示したカード型のデータキャリアを携帯させて、
店舗端末は、前記利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コードリーダによって前記二次元コードに記録された利用情報を取得して支払金額の情報と共に管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記店舗端末から受信した利用情報及び支払金額の情報から、前記支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を前記駐車場端末へ送信する手段と、前記割引金額を前記利用者が購買した店舗での支払金額に応じた割合で当該各店舗に割り振り、当該各店舗毎の負担額を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の目的に加えて、割引金額を負担した店舗に負担額を確実に知らせるために、管理サーバは、算出した割引金額の負担額を所定の店舗の店舗端末に夫々送信する手段をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、上記二次元コード及び二次元コードリーダの採用により、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。特に、二次元コードのセル群夫々には、そのセル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられることになるため、マークが付される色の数を増やすことにより、二次元コードを配置するためのスペースを増加させることなく、各セル群の情報を増やすことができる。そのため、本システムに好適なデータキャリアが得られる。また、二次元コードにおいて、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、特定セルを基準にして二次元コードの位置を容易に特定可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、先頭及び/又は最後尾の特定セルから二次元コードに対応する領域を容易に特定可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、照明や色褪せ等によって個々のセルに付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域における色と照合することで、正確に特定することができる。すなわち、実際にセルから読み取った色がどの色かどうかとは無関係に、リファレンス領域との対比でそのセルに付されたマークの色が判断できるため、セルに付されたマークの色を誤って読み取るようなことがあっても、その色を正確に特定でき、情報解析の信頼性が高まる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、カメラにより取得された画像から、二次元コードで示される画像領域を短時間で特定することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、契約駐車場を時間貸し駐車場として併用するパーキングシステムにおいて、利用者は何らの手間なく車両を駐車場へ入出庫可能となり、カード等の携帯が不要となって使い勝手に優れる一方、駐車場管理会社では、契約車両の入出庫情報を自動的に蓄積して時間貸し駐車場として効率良く併用可能となるため、管理者を常駐させる必要がなく、低コストで管理が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、駐車料金を提携店舗での利用状況に応じて割り引くパーキングシステムにおいて、店舗側では、利用者の支払金額を含む全ての売上金額の多少にかかわらず、当該店舗で実際に利用者が支払った支払金額のみに応じて割引金額の負担が決定されるため、不公平感がなくなる。
また、利用者側では、駐車割引券等を余分に携帯する必要がないため、煩わしさがない上、買い物等に応じた駐車料金の割引サービスを確実に受けることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、管理サーバの送信により、割引金額を負担した店舗が負担額を確実に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
《形態1》
A.システム全体の説明
図1は、本発明のパーキングシステムを契約駐車場の管理に適用した一例を示す全体図で、パーキングシステム1は、複数の駐車スペースを備えた複数箇所の契約駐車場(ここでは月極とする)2,2・・と、各契約駐車場2に夫々設けられた駐車場端末3,3・・と、各駐車場端末3とインターネット4を介して相互に通信可能な駐車場管理会社サーバ(以下「管理サーバ」という。)5とを備える。各契約駐車場2には、満車/空車の状況を表示する表示手段としての表示機6、駐車場への出入口に設けられた入庫ゲート7及び出庫ゲート8、時間貸し利用者用の発券機9及び精算機10、出入口を撮影するカメラ11,11が夫々設けられている。駐車場端末3は、月極契約を行った車両(以下「契約車両」という。)に対しては、後述するように契約車両を確認した管理サーバ5からの指令を受けて入庫ゲート7及び出庫ゲート8の開閉動作を行い、単位時間で利用するいわゆる時間貸しの車両に対しては、発券機9での駐車券の取り出しを受けて入庫ゲート7の開閉動作を、精算機10での精算完了を受けて出庫ゲート8の開閉動作を行う。カメラ11,11で撮影された画像も駐車場端末3に入力される。
【0015】
駐車場端末3及び管理サーバ5には、周知のOS(Operating System)やCPU、通信機能や記憶装置、各種情報を入力するキーボード、モニタやプリンタ等を備えたパーソナルコンピュータが用いられる。特に駐車場端末3は、全ての契約車両に関する利用情報(顧客名や車種、車両ナンバー、使用駐車場等)に係るデータベースを備える他、個々の契約車両に関する情報を後述する二次元コードにコード化するコード化要求を管理サーバ5に送信し、管理サーバ5から返信されたコード情報に基づいて、二次元コードをプリンタに出力可能とする手順を実行させる二次元コード発行プログラムと、カメラ11で撮影された二次元コードの画像から認識される当該契約車両に係る利用情報(以下「認識情報」という)を管理サーバ5へ送信する手順を実行させる二次元コード認識プログラムとを格納している。このカメラ11及び二次元コード認識プログラムが二次元コードリーダとなる。
【0016】
一方、管理サーバ5は、全ての駐車場端末3のデータベースを備えると共に、これらのデータベースから所定条件でのデータの抽出や並べ替えが可能な周知の検索、ソート手段を有している。また、管理サーバ5は、駐車場端末3からのコード化要求に従い、契約車両に関する利用情報を二次元コードにコード化し、このコード情報を駐車場端末3に返信する手順を実行させる二次元コード作成プログラムと、駐車場端末3から送信された認識情報を自身の記録と照会し、合致していればその入出庫に係る日時を記録する入出庫履歴取得プログラムと、駐車場端末3から送信された認識情報から得られる所定期間(例えば3ヶ月や6ヶ月)内での入出庫の履歴から、曜日及び時間帯毎での利用率を各契約駐車場2ごとに割り出す手順を実行させる利用率割出プログラムとを格納している。
【0017】
B.二次元コードの説明
図2はここで使用される二次元コードを示すもので、データキャリアとなる二次元コード20は、黒色の背景領域21上に正方形の8つのセル22,22・・が、一定の間隔を有して直線上で一列に配列された構成となっている。これらのセル22は、夫々1以上のセルからなるセル群に分けられて、そのセル群で示すべき契約車両に関する利用情報に予め対応づけられた色又は色の組み合わせ(左から黒(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)、赤(r)、緑(g)、青(b)、白(w))で塗りつぶされている。ここではセルが塗りつぶされることを「セルにマークが付けられる」という。
また、先頭(左端)の黒のセル22は、二次元コード20の位置を特定するための特定セルとして割り当てられている。この特定セルの色と背景領域21とにより、二次元コード20の位置を特定するパターンが形成されている。
さらに、セル列の上方には、セル22よりも一回り小さい8つの正方形からなり、各セル22に使用される色の全てにより、順番にマークが付されて直線上で一列に配列されたリファレンス領域23が形成されている。
【0018】
C.本システムにおける駐車場管理の説明
以下、本システムで実行される駐車場管理に係る処理を順を追って説明する。
(1)二次元コード発行処理
まず、月極契約希望者は、予め管理会社との間で契約を行う。この契約に基づき、管理サーバ5では契約車両に関する利用情報がデータベースに加えられ、同様の利用情報が駐車場端末3に送信され、データベースが構築される。
次に、図3に示すように、契約者への二次元コード20の発行処理がなされる。すなわち、S1において、二次元コード発行プログラムにより、駐車場端末3が契約車両に係る利用情報と共にコード発行要求を管理サーバ5に送信すると、管理サーバ5では、二次元コード作成プログラムにより、受信した利用情報を自身の記録と照会し(S101)、これが合致すれば、S102で当該契約車両の利用情報に応じた二次元コードを作成し、S103で当該コード情報を駐車場端末3へ返信する。駐車場端末3では、得られたコード情報に基づいて二次元コード20を作成し、プリンタによって出力する(S2)。この二次元コード20が例えば契約車両のフロントガラスに貼着される。
【0019】
(2)契約車両の入出庫の処理
こうして二次元コード20が貼着された契約車両が契約駐車場2へ入庫する際には、図4に示す処理が行われる。すなわち、契約車両が契約駐車場2の入口で入庫ゲート7前に達すると、S11でカメラ11が作動して二次元コード20が撮影され、画像の取り込みが行われる。この画像に基づき駐車場端末3は二次元コード認識プログラムによって車両の認識処理を行う(S12)。認識処理の詳細は後述する。二次元コード20の認識がされると、駐車場端末3はS13において、認識処理によって得られた認識情報と共に照会要求を管理サーバ5に送信する。
一方、管理サーバ5では、入出庫履歴取得プログラムによって、S111で受信した認識情報を自身の記録と照会し、これが合致すれば、S112で当該契約車両の入庫の日時を記録し、S113で入庫ゲート7の開放信号を送信する。
よって、開放信号を受けた駐車場端末3は、S14において入庫ゲート7を開放させ、契約車両の入庫を許可する。出庫の場合も同様の認識処理と照会要求とを経て管理サーバ5で認識情報が照会され、出庫の履歴が取られることになる。
【0020】
(3)二次元コード認識処理
S12における認識処理は、図5のフローチャートに示す手順で実行される。
まずS51においてカメラ11から画像データが取得されると、この画像データで示される画像の中に二次元コード20が存在するか否かが判別される(S52)。具体的には、まず取得された画像データで示される画像から、二次元コード20のセル22をマークするために用いられる色成分を有する領域以外の領域について、無関係な色で塗りつぶす等して色成分を無意味化する。こうすれば、無意味でない色成分を有する領域を特定しやすくなるため、二次元コード20で示される画像領域を特定するまでの時間を短縮することができる。次に、無意味化されていない色成分を有する領域を優先して、二次元コード20の位置を特定するためのパターンの検索が行われる。ここでは、先頭の特定セル22及び背景領域21からなる領域の検出により、二次元コード20の存在が認識される。なお、S52において二次元コード20が存在しないと判別された場合は、本認識処理は終了する。
【0021】
一方、S52において二次元コード20の存在が判別された場合、画像データで示される画像から、S53でその二次元コード20の領域が抽出される。ここでは、S51において取得された画像データで示される画像から、二次元コード20の位置を特定するためのパターンとなっている領域が、夫々二次元コード20の領域として抽出される。このようにして抽出された領域画像からなる画像データが作成される。
【0022】
次に、S54で、先のS53で抽出された二次元コード20の領域のうち、未処理の領域が存在するか否かが判別される。すなわち、抽出された二次元コード20の領域の中に、以降の処理でセル22の分割及び情報の認識が行われていない未処理の領域が存在するか否かが判別されるものである。この判別で未処理の領域が存在する場合には、そのような未処理の領域のうち、S53にて抽出された順番が最も早い領域について、まずリファレンス領域23が抽出される(S55)。そして、S53で抽出された領域から、リファレンス領域23及びリファレンス領域23が除去された領域からなる画像データが生成される。
そして、S53で抽出された領域のうち、リファレンス領域23を除く領域がセル22毎の領域に分割される(S56)。ここでは、行の先頭から最後尾のセル22に向けて順に走査され、背景領域21の色が検出されてから次に背景領域21の色が検出されるまでの領域夫々に分割される。こうして分割された分割画像を示す分割画像データが生成される。
【0023】
次に、S56で分割されたセル22毎の領域夫々について、その領域で示される情報の認識が行われる(S57)。まず分割画像であるセル22夫々に付けられているマークが、分割された順番で、S55にて抽出されたリファレンス領域23におけるどの位置の色で付けられているかが判別される。駐車場端末3のメモリには、リファレンス領域23における各色又はその組み合わせに対し、夫々1以上の文字や数字、アルファベット等からなる文字列が対応づけて登録されたデータベースが記憶されている。よって、セル22夫々に付されているマークが、リファレンス領域23におけるどの位置の色で付されているかが判別された後、その位置の色又はその組み合わせに対応づけられた情報が、上記データベースに基づいて特定されることになる。
【0024】
こうしてS57による認識が行われたら、S54へ戻り、未処理の領域が存在すればS55〜S57までの処理が繰り返され、ここで未処理の領域が存在しないと判別されると、S58において、認識された各情報を並べた情報列がモニタに表示されて、認識処理が終了する。
なお、この処理により、画像の中に複数の二次元コード20が配置されているような場合でも、夫々の二次元コード20で示される情報を一連の情報列として認識することができる。これにより、複数の二次元コード20夫々からなる一連の情報列の認識を行わせるに際し、二次元コード20が配置された画像を示す画像データを、一つの二次元コード20毎に別の画像データとして生成する必要がない。よって、カメラ11の能力と二次元コード20における各セルの大きさとの関係で決まる距離だけ離れた場所からであっても、複数の二次元コード20からなる多くの情報を認識可能となる。
【0025】
(4)時間貸し処理
このようにして契約車両の入出庫の履歴が記録され、一定期間(例えば3ヶ月)入出庫情報が蓄積されると、図6に示す時間貸し処理が行われる。まず管理サーバ5では、利用率割出プログラムにより、S121において、全ての契約車両に関して、曜日別や時間帯別での駐車場の使用状況(利用率)を割り出し、そのデータベースを作成する。
データベースが作成されると、S122で、各契約駐車場2において曜日や時間ごとに生じる空きスペースを算出し、その空きスペース数を駐車場端末3に送信する(S123)。駐車場端末3では、S21において、送信された空きスペース数から予備台数(例えば5台)を除いた台数分を時間貸し可能台数として設定し、表示機6に表示を行う(S22)。すなわち、設定台数分までは、表示機6に例えば「空車」の表示を行わせて、単位時間毎での駐車場の使用を受け入れ(時間貸し)、設定台数分が埋まると、例えば「満車」の表示を行わせて、時間貸しを受け入れないのである。なお、時間貸しに係る発券機9での駐車券の発行や精算機10での精算処理、それに伴う入出庫ゲート7,8の開閉動作は既に周知の手順であるので、説明は省略する。
【0026】
D.本システムの効果
このように、上記形態1のパーキングシステム1によれば、二次元コード20と二次元コードリーダとによって駐車場端末3による利用情報の取得がなされることで、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。特に、二次元コード20によれば、セル群夫々には、そのセル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられることになるため、マークが付される色の数を増やすことにより、二次元コード20を配置するためのスペースを増加させることなく、各セル群の情報を増やすことができる。そのため、フロントガラスに貼着しても運転者の視界を妨げるようなことがなく、本システムに好適な二次元コードとなる。また、二次元コード20において、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、契約車両の利用情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、駐車場の数や各端末間の距離等に影響を受けることがなく、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
【0027】
そして、二次元コード20においては、二次元コードの位置を特定する特定セルを設けたことで、特定セルを基準にして二次元コードの位置を容易に特定可能となる。特に、先頭のセルと特定セルとしたことで、二次元コードに対応する領域を容易に特定可能となっている。
また、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラ11により取得された画像のうち、二次元コード20のセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行うことで、カメラ11により取得された画像から、二次元コード20で示される画像領域を短時間で特定することができる。
特に、リファレンス領域23の併設によって、照明や色褪せ等によって個々のセル22に付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域23における色と照合することで、正確に特定することができる。すなわち、実際にセル22から読み取った色がどの色かどうかとは無関係に、リファレンス領域23との対比でそのセル22に付されたマークの色が判断できるため、セル22に付されたマークの色を誤って読み取るようなことがあっても、その色を正確に特定できるのである。
【0028】
一方、駐車場端末3は、契約車両の入出庫の際に二次元コード20の利用情報を解析するカメラ11及び二次元コード認識プログラムと、ここで得られた認識情報を管理サーバ5へ送信する手段を備え、管理サーバ5は、受信した認識情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場2における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を駐車場端末3へ送信する手段を備えて、駐車場端末3は、管理サーバ5から受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を表示機6に表示させることで、契約利用者は何らの手間なく契約車両を契約駐車場2へ入出庫可能となり、カード等の携帯が不要となって使い勝手に優れる。一方、駐車場管理会社では、契約車両の入出庫情報を自動的に蓄積して時間貸し駐車場として効率良く併用可能となるため、管理者を常駐させる必要がなく、低コストで管理が可能となる。
【0029】
《形態2》
次に、本発明の他の形態を説明する。なお、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
A.システム全体の説明
図7は、本発明のパーキングシステムを、提携店舗での利用状況に応じて駐車料金を割り引くシステムに適用した一例を示す全体図で、パーキングシステム30は、例えば百貨店に隣設され、単位時間毎に所定料金で利用可能とした時間貸し駐車場(以下「駐車場」という)31と、その駐車場31に設けられた駐車場端末32と、百貨店内で駐車場31の管理会社と提携された複数の店舗33,33・・と、各店舗33に夫々設けられた店舗端末34,34・・と、管理会社に設けられた管理サーバ6とを含み、駐車場端末32、店舗端末34、管理サーバ6は、インターネット7を介して相互に通信可能となっている。
【0030】
駐車場端末32、店舗端末34及び管理サーバ6には、周知のOS(Operating System)やCPU、通信機能や記憶装置、各種情報を入力するキーボード、モニタやプリンタ等を備えたパーソナルコンピュータが用いられる。特に駐車場端末32は、駐車場31の利用者の車両の入庫時間や駐車場名等の利用情報を二次元コードにコード化し、これを表示した駐車券を発券機9から発券させる発券プログラムを格納している。また、店舗端末34は、カメラ35を備えて、当該店舗33で利用者が買い物等をした際には、カメラ35で撮影された駐車券の二次元コードの画像から利用情報を解析し、解析した利用情報と利用者の支払金額の情報とを管理サーバ6へ送信する手順を実行させる二次元コード認識プログラムを格納している。このカメラ35及び二次元コード認識プログラムが二次元コードリーダとなる。
【0031】
一方、管理サーバ6は、店舗端末34から利用情報及び支払金額の情報を受信し、利用者の全提携店舗での支払金額の合計が、予め設定された割引対象金額に達すると、その割引金額を差し引いて駐車料金を算出し、その駐車料金を利用者が駐車している駐車場31の駐車場端末32へ送信する手順を実行させる駐車料金算出プログラムと、その利用者への割引金額を、利用者が買い物等をした店舗33に対して夫々の支払金額に応じた割合で割り振り、割り振った金額を各店舗毎に集計して保存するデータベースと、そのデータベースに保存される金額を所定期間ごとに集計して該当する各店舗33の店舗端末34に送信する手順を実行させる負担額算出プログラムとを格納している。
【0032】
B.本システムにおける駐車料金精算処理の説明
以下、本システムで実行される駐車料金精算に係る処理を順を追って説明する。
(1)駐車券の発券
まず、利用者の車両が駐車場31の入庫ゲート7前に達すると、発券機9から図8に示す駐車券Cが発行される。カード型記録媒体となる駐車券Cには、二次元コード20が表示されている。この二次元コード20は、形態1で説明した二次元コードと同じもので、セル22は、夫々1以上のセルからなるセル群に分けられて、そのセル群で示すべき利用情報(入庫時間や駐車場名、駐車券の固有情報であるカードナンバー等)に予め対応づけられた色又は色の組み合わせで塗りつぶされている。リファレンス領域23も同様に併設されている。
【0033】
(2)駐車料金の算出と割引負担額の算出
利用者が何れかの店舗33で買い物や食事等をし、支払の際に駐車券Cを提示すると、店舗33側では、その支払金額を店舗端末34に入力すると共に、カメラ35によって駐車券Cの二次元コード20を撮影する。以下図9に示す駐車料金の算出及び割引負担額の算出処理が行われる。
まず、店舗端末34では、S31でカメラ35が二次元コード20を撮影し、画像の取り込みが行われる。この画像に基づき店舗端末34は、二次元コード認識プログラムによって認識処理を行う(S32)。認識処理の内容は上記形態1と同様である。二次元コード20の認識が終了すると、店舗端末34はS33において、認識処理によって得られた利用情報と共に当該店舗33で利用者が支払った支払金額の情報を管理サーバ6に送信する。
一方、管理サーバ6では、駐車料金算出プログラムによって、各店舗端末34から受信した利用者の支払金額を合計し、これが予め設定された割引対象額に達すると、所定の割引金額を差し引いて駐車料金を算出し(S41)、この駐車料金のデータを利用者が駐車している駐車場31の駐車場端末32へ送信する(S42)。よって、駐車場端末32では、駐車場31から出庫する際、利用者が駐車券Cを精算機10に入れると、管理サーバ6から送られた駐車料金で精算を求め(S61)、これが支払われるとS62で出庫ゲート8を開放する。
【0034】
そして、管理サーバ6は、駐車料金の算出後、負担額算出プログラムにより、S43において、割引金額を、利用者が買い物等をした各店舗33に対して夫々の支払金額に応じた割合で割り振り、この割り振った金額を、各店舗33ごとに保存してデータベースを更新する(S44)。一定期間(例えば一ヶ月)経過すると、データベースから当該期間内での負担額を算出し、その負担額を各店舗端末34へ送信する(S45)。よって、店舗端末34では、モニタやプリンタに出力して負担額を知ることができる(S34)。
【0035】
C.本システムの効果
このように、上記形態2のパーキングシステム30においても、二次元コード20と二次元コードリーダとによって店舗端末34による利用情報の取得がなされることで、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。また、二次元コード20において、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、利用情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、店舗のPOSレジと統括本部とが専用回線で接続されるPOSシステムに比べて店舗や駐車場の数、各端末間の距離等に影響を受けることがなく、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
そして、リファレンス領域23の併設によって、照明や色褪せ等によって個々のセル22に付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域23における色と照合することで、正確に特定することができる。
【0036】
一方、駐車場31の利用者に、二次元コード20を表示した駐車券Cを携帯させる一方、店舗端末34は、利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コード20に記録された利用情報を非接触で取得して解析するカメラ35及び二次元コード認識プログラムと、そこで得られた利用情報を支払金額の情報と共に管理サーバ6へ送信する手段とを備え、管理サーバ6は、受信した利用情報及び支払金額の情報から、支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を駐車場端末32へ送信する手段と、割引金額を利用者が購買した店舗33での支払金額に応じた割合で当該各店舗33に割り振り、当該各店舗33毎の負担額を算出する手段と、を備えることで、店舗33側では、利用者の支払金額を含む全ての売上金額の多少にかかわらず、当該店舗33で実際に利用者が支払った支払金額のみに応じて割引金額の負担が決定されるため、不公平感がなくなる。
また、利用者側では、駐車券C以外に駐車割引券等を余分に携帯する必要がないため、煩わしさがない上、買い物等に応じた駐車料金の割引サービスを確実に受けることができる。
【0037】
さらに、ここでは、管理サーバ6は、算出した割引金額の負担額を所定の店舗33の店舗端末34に夫々送信する手段をさらに有することで、割引金額を負担した店舗33に負担額を確実に知らせることができる。
【0038】
《変更例の説明》
形態1,2に共通して、駐車場の形態は、ワンフロアタイプは勿論、機械式立体駐車場や、傾斜路によって複数階の駐車フロア間を昇降する自走式立体駐車場であっても差し支えない。また、駐車場単独で施工されるものに限らず、住宅や店舗と一体的に建設された複合型の駐車場であっても本発明は適用可能である。
さらに、表示機の表示形態やゲートの開閉構造、カメラの数や設置位置等も上記形態に限らず、適宜設計変更可能で、ゲートに代えて車両駐車スペース毎にタイヤをロックするロック板を設けた駐車場も対象となる。
【0039】
そして、二次元コードは、一行で8つのセルを設けた態様となっているが、情報量によってはセルの数を増減したり、セルの列を複数行設けたりしても差し支えない。また、各セルは正方形に限らず、長方形や多角形等の他の形状も採用可能である。勿論マークする色も適宜選択できる。さらに、特定の記号や図形(丸や多角形等)を用いてセルにマークを付すものとしてもよい。
一方、リファレンス領域も、セル付近における所定の位置に設けられたものであればよく、上記形態に限定しない。また、一つの二次元コードに対して複数のリファレンス領域を設けてもよいし、二次元コードを構成する1以上のセルからなるセル群夫々に対応する複数のリファレンス領域を設けてもよい。さらに、上記形態では二次元コードの認識処理において常にリファレンス領域の照会を行うようにしているが、二次元コードの各セルに付されたマークの色を特定できない場合にのみリファレンス領域を照会するようにしても差し支えない。
【0040】
加えて、二次元コードの認識処理において、領域特定手段は、カメラにより取得された画像を構成する複数の領域夫々についてのパターンの抽出を、予め定められた順番で試みるようにしてもよい。このようにすれば、複数の領域夫々についてのパターンの抽出を、例えば、二次元コードが配置されている確率が高いと推定される順(例えば、画像の縁に位置する領域から中心に位置する領域に向かう順)で試みるようにすると、二次元コードで示される画像領域の特定時間をより短縮可能となる。
さらに、領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域の配色が、二次元コードのセルをマークする場合に想定される配色と一致する場合に、パターンであるとして抽出を行うように構成してもよい。この場合、例えば、カメラにより取得された画像領域のうち、二次元コードでない領域が、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有していたとしても、当該配色に基づいて該当するパターンであるか否かを判定することで、不必要な領域の特定を排除可能となる。
【0041】
特に、形態1では、二次元コード発行処理において、上記形態では二次元コードの作成を管理サーバ側で行っているが、セルと情報との対応関係のデータベースを駐車場端末にも格納させれば、駐車場端末でのみ発行処理を実行するようにもできる。
また、契約車両の入出庫時の処理において、上記形態1では、管理サーバへ認識情報を送信して照会させているが、駐車場端末側で照会して、入出庫時間に係る情報のみを管理サーバへ送信するようにしても良い。
加えて、時間貸し処理において、時間貸し台数の設定は駐車場端末で行っているが、管理サーバ側で設定して駐車場端末に送信するようにしても良い。
【0042】
一方、形態2において、店舗は、百貨店やショッピングセンター等のテナントに限らず、例えば商店街内の独立した店舗の他、ホテルや劇場、映画館、スポーツセンター等の他の商業施設であっても差し支えない。
特に、同一グループの提携店舗及び駐車場で適用するものに限らず、単位時間当たりの駐車料金や割引対象金額等が異なる複数グループの提携店舗及び駐車場であっても本発明は適用可能である。この場合、二次元コードに、特定のグループ専用であれば当該グループのみの利用情報を、複数のグループ共用であれば当該複数グループの利用情報を夫々格納させれば、グループが異なる店舗端末でも利用情報の認識は可能で、管理サーバにおいても、店舗端末をグループ毎に識別して、夫々のグループごとでの駐車料金の算出とデータベースの構築、及び負担額の集計をさせれば良い。
よって、カード型記録媒体としては、上記形態の駐車券に限らず、利用者自身の情報(氏名、ID番号等)が記録され、駐車場への入庫時に入庫時間を書き込み可能な会員証として、これを利用者に携帯させ、提携店舗や駐車場で使用させるようにすることも考えられる。
【0043】
さらに、上記形態2では、管理サーバは、割引金額の負担額を一定期間集計してその合計を店舗端末に送信するようにしているが、割引金額の発生の度に割り振った金額を送信するようにしても良い。また、割引金額の負担額を各店舗毎に送信しているが、複数の店舗が統括される百貨店等に対しては、各店舗毎の負担額の一覧を指定された特定の端末にのみ送信するようにしても差し支えない。
その他、上記形態1と形態2とのシステムを併設したパーキングシステムとすることは勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】形態1のパーキングシステムの全体図である。
【図2】二次元コードの説明図である。
【図3】二次元コード発行処理を示すフローチャートである。
【図4】契約車両の入庫処理を示すフローチャートである。
【図5】二次元コード認識処理を示すフローチャートである。
【図6】時間貸し処理を示すフローチャートである。
【図7】形態2のパーキングシステムの全体図である。
【図8】駐車券の説明図である。
【図9】駐車料金算出処理と割引負担額算出処理とのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1,30・・パーキングシステム、2・・契約駐車場、3,32・・駐車場端末、4・・インターネット、5・・管理サーバ、6・・表示機、7・・入庫ゲート、8・・出庫ゲート、11・・カメラ、20・・二次元コード、21・・背景領域、22・・セル、23・・リファレンス領域、31・・時間貸し駐車場、33・・店舗、34・・店舗端末、35・・カメラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、月極や時間貸し等の駐車場を運用するためのパーキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数の月極駐車場や時間貸し駐車場等を管理会社で集中管理する場合、駐車場に設けた駐車場端末と、管理会社等に設けられた管理サーバとを、インターネット等の通信網を介して交信可能に接続し、駐車場端末からシステム内の利用に係る利用情報(入出庫時間等)を管理サーバに送信させて、管理サーバで各駐車場の利用状況を把握可能としたパーキングシステムが構築される。ここでの利用情報の送信は、例えば特許文献1に記載される駐車場貸出装置に示すように、パーソナルコンピュータ等の駐車場端末に設けられたキーボードやタッチパネル等の入力部によって車両の入出庫時間を入力して送信させれば、管理サーバで利用状況が把握可能となる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−302883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このシステムでは人手による入力操作が必要となるため、管理会社においては駐車場に管理者を常駐させる必要があって人件費がかさむ問題がある。そこで、バーコードやQRコード等の二次元コードとそのコードリーダとを用いて、例えば車両側に二次元コードを、駐車場端末側にコードリーダを設けて利用情報を取得することも考えられるが、読み取り距離や読み取りの確実性に問題があって車両管理には不向きである上、情報量の増加にも対応しにくい。また、これらの二次元コードは周知であるため、第三者に容易に知得でき、秘匿性が低くなっている。
【0005】
そこで、本発明は、システム内での利用情報を容易且つ確実に把握できると共に、高いセキュリティ性も確保可能となり、駐車場の好適な運用に寄与できるパーキングシステムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、端末と管理サーバ間で送受信される利用情報を、m×n(m、nは夫々1以上の整数)に配列されたセルからなり、そのセルのうち、1以上のセルからなるセル群には、夫々異なる情報が予め対応づけられた色又は色の組み合わせのうち、該セル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられる二次元コードに記録されるものとし、
前記端末は、前記二次元コードを示す画像を取得するカメラと、そのカメラにより取得された画像から、前記二次元コードで示される画像領域を特定する領域特定手段と、その領域特定手段により特定された画像領域から、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色を特定するセル特定手段と、前記セル特定手段により特定された1以上のセルの色又は色の組み合わせに対応する情報夫々を、1以上のセルからなるセル群の色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定し、その特定した情報夫々からなる情報を、前記二次元コードで示される利用情報として認識する情報認識手段と、からなる二次元コードリーダを有し、前記二次元コードと二次元コードリーダとによって前記端末による利用情報の取得がなされることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、二次元コードの位置を特定しやすくするために、二次元コードのセルのうち、予め定められたセルは、二次元コードの位置を特定するための特定セルとして割り当てられており、前記特定セルをマークした色により、前記二次元コードの位置を特定するためのパターンを形成する一方、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像から、前記特定セルに従って前記二次元コード全体で示される画像領域を特定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の目的に加えて、二次元コードに対応する領域を容易に特定するために、一列に配列されたn個のセルのうち、先頭及び/又は最後尾のセルが特定セルとして割り当てられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、二次元コードの情報解析の信頼性をより高めるために、二次元コードには、セルの配列領域を除く所定の位置に、夫々異なる情報が対応づけられた色の全てを所定の順番で配置してなるリファレンス領域が1以上設けられており、
二次元コードリーダは、領域特定手段により特定された画像領域から、前記リファレンス領域を抽出するリファレンス抽出手段を備えており、セル特定手段は、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色が、前記リファレンス抽出手段により抽出されたリファレンス領域におけるどの位置に配置された色であるかを特定して、情報認識手段は、前記セル特定手段により特定された色又は色の組み合わせに対応づけられている情報を、前記リファレンス領域における色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、二次元コードで示される画像領域を短時間で特定するために、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、契約駐車場を時間貸し駐車場として併用するパーキングシステムを好適に構築するために、駐車場を、予め設定された契約に従って特定の利用者に所定期間内での利用が許可された契約駐車場とし、端末を、各契約駐車場に設けられて、当該契約駐車場の空き情報を表示する表示手段を制御可能な駐車場端末として、
前記駐車場端末は、契約車両の入出庫の際に二次元コードリーダによって契約車両に設けられた二次元コードに記録される利用情報を取得して管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記駐車場端末から受信した契約車両の利用情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を前記駐車場端末へ送信する手段を備えて、
前記駐車場端末は、前記管理サーバから受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を前記表示手段を用いて表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの目的に加えて、駐車料金を提携店舗での利用状況に応じて割り引くパーキングシステムを好適に構築するために、駐車場を、単位時間毎での利用が可能な時間貸し駐車場とし、端末を、前記時間貸し駐車場と提携した店舗に設けられた店舗端末として、
前記時間貸し駐車場の利用者に、少なくとも前記時間貸し駐車場への入庫時間と、利用者若しくは自身の固有情報とを含む利用情報が記録された二次元コードを表示したカード型のデータキャリアを携帯させて、
店舗端末は、前記利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コードリーダによって前記二次元コードに記録された利用情報を取得して支払金額の情報と共に管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記店舗端末から受信した利用情報及び支払金額の情報から、前記支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を前記駐車場端末へ送信する手段と、前記割引金額を前記利用者が購買した店舗での支払金額に応じた割合で当該各店舗に割り振り、当該各店舗毎の負担額を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の目的に加えて、割引金額を負担した店舗に負担額を確実に知らせるために、管理サーバは、算出した割引金額の負担額を所定の店舗の店舗端末に夫々送信する手段をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、上記二次元コード及び二次元コードリーダの採用により、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。特に、二次元コードのセル群夫々には、そのセル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられることになるため、マークが付される色の数を増やすことにより、二次元コードを配置するためのスペースを増加させることなく、各セル群の情報を増やすことができる。そのため、本システムに好適なデータキャリアが得られる。また、二次元コードにおいて、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、特定セルを基準にして二次元コードの位置を容易に特定可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、先頭及び/又は最後尾の特定セルから二次元コードに対応する領域を容易に特定可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、照明や色褪せ等によって個々のセルに付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域における色と照合することで、正確に特定することができる。すなわち、実際にセルから読み取った色がどの色かどうかとは無関係に、リファレンス領域との対比でそのセルに付されたマークの色が判断できるため、セルに付されたマークの色を誤って読み取るようなことがあっても、その色を正確に特定でき、情報解析の信頼性が高まる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、カメラにより取得された画像から、二次元コードで示される画像領域を短時間で特定することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、契約駐車場を時間貸し駐車場として併用するパーキングシステムにおいて、利用者は何らの手間なく車両を駐車場へ入出庫可能となり、カード等の携帯が不要となって使い勝手に優れる一方、駐車場管理会社では、契約車両の入出庫情報を自動的に蓄積して時間貸し駐車場として効率良く併用可能となるため、管理者を常駐させる必要がなく、低コストで管理が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、駐車料金を提携店舗での利用状況に応じて割り引くパーキングシステムにおいて、店舗側では、利用者の支払金額を含む全ての売上金額の多少にかかわらず、当該店舗で実際に利用者が支払った支払金額のみに応じて割引金額の負担が決定されるため、不公平感がなくなる。
また、利用者側では、駐車割引券等を余分に携帯する必要がないため、煩わしさがない上、買い物等に応じた駐車料金の割引サービスを確実に受けることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、管理サーバの送信により、割引金額を負担した店舗が負担額を確実に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
《形態1》
A.システム全体の説明
図1は、本発明のパーキングシステムを契約駐車場の管理に適用した一例を示す全体図で、パーキングシステム1は、複数の駐車スペースを備えた複数箇所の契約駐車場(ここでは月極とする)2,2・・と、各契約駐車場2に夫々設けられた駐車場端末3,3・・と、各駐車場端末3とインターネット4を介して相互に通信可能な駐車場管理会社サーバ(以下「管理サーバ」という。)5とを備える。各契約駐車場2には、満車/空車の状況を表示する表示手段としての表示機6、駐車場への出入口に設けられた入庫ゲート7及び出庫ゲート8、時間貸し利用者用の発券機9及び精算機10、出入口を撮影するカメラ11,11が夫々設けられている。駐車場端末3は、月極契約を行った車両(以下「契約車両」という。)に対しては、後述するように契約車両を確認した管理サーバ5からの指令を受けて入庫ゲート7及び出庫ゲート8の開閉動作を行い、単位時間で利用するいわゆる時間貸しの車両に対しては、発券機9での駐車券の取り出しを受けて入庫ゲート7の開閉動作を、精算機10での精算完了を受けて出庫ゲート8の開閉動作を行う。カメラ11,11で撮影された画像も駐車場端末3に入力される。
【0015】
駐車場端末3及び管理サーバ5には、周知のOS(Operating System)やCPU、通信機能や記憶装置、各種情報を入力するキーボード、モニタやプリンタ等を備えたパーソナルコンピュータが用いられる。特に駐車場端末3は、全ての契約車両に関する利用情報(顧客名や車種、車両ナンバー、使用駐車場等)に係るデータベースを備える他、個々の契約車両に関する情報を後述する二次元コードにコード化するコード化要求を管理サーバ5に送信し、管理サーバ5から返信されたコード情報に基づいて、二次元コードをプリンタに出力可能とする手順を実行させる二次元コード発行プログラムと、カメラ11で撮影された二次元コードの画像から認識される当該契約車両に係る利用情報(以下「認識情報」という)を管理サーバ5へ送信する手順を実行させる二次元コード認識プログラムとを格納している。このカメラ11及び二次元コード認識プログラムが二次元コードリーダとなる。
【0016】
一方、管理サーバ5は、全ての駐車場端末3のデータベースを備えると共に、これらのデータベースから所定条件でのデータの抽出や並べ替えが可能な周知の検索、ソート手段を有している。また、管理サーバ5は、駐車場端末3からのコード化要求に従い、契約車両に関する利用情報を二次元コードにコード化し、このコード情報を駐車場端末3に返信する手順を実行させる二次元コード作成プログラムと、駐車場端末3から送信された認識情報を自身の記録と照会し、合致していればその入出庫に係る日時を記録する入出庫履歴取得プログラムと、駐車場端末3から送信された認識情報から得られる所定期間(例えば3ヶ月や6ヶ月)内での入出庫の履歴から、曜日及び時間帯毎での利用率を各契約駐車場2ごとに割り出す手順を実行させる利用率割出プログラムとを格納している。
【0017】
B.二次元コードの説明
図2はここで使用される二次元コードを示すもので、データキャリアとなる二次元コード20は、黒色の背景領域21上に正方形の8つのセル22,22・・が、一定の間隔を有して直線上で一列に配列された構成となっている。これらのセル22は、夫々1以上のセルからなるセル群に分けられて、そのセル群で示すべき契約車両に関する利用情報に予め対応づけられた色又は色の組み合わせ(左から黒(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)、赤(r)、緑(g)、青(b)、白(w))で塗りつぶされている。ここではセルが塗りつぶされることを「セルにマークが付けられる」という。
また、先頭(左端)の黒のセル22は、二次元コード20の位置を特定するための特定セルとして割り当てられている。この特定セルの色と背景領域21とにより、二次元コード20の位置を特定するパターンが形成されている。
さらに、セル列の上方には、セル22よりも一回り小さい8つの正方形からなり、各セル22に使用される色の全てにより、順番にマークが付されて直線上で一列に配列されたリファレンス領域23が形成されている。
【0018】
C.本システムにおける駐車場管理の説明
以下、本システムで実行される駐車場管理に係る処理を順を追って説明する。
(1)二次元コード発行処理
まず、月極契約希望者は、予め管理会社との間で契約を行う。この契約に基づき、管理サーバ5では契約車両に関する利用情報がデータベースに加えられ、同様の利用情報が駐車場端末3に送信され、データベースが構築される。
次に、図3に示すように、契約者への二次元コード20の発行処理がなされる。すなわち、S1において、二次元コード発行プログラムにより、駐車場端末3が契約車両に係る利用情報と共にコード発行要求を管理サーバ5に送信すると、管理サーバ5では、二次元コード作成プログラムにより、受信した利用情報を自身の記録と照会し(S101)、これが合致すれば、S102で当該契約車両の利用情報に応じた二次元コードを作成し、S103で当該コード情報を駐車場端末3へ返信する。駐車場端末3では、得られたコード情報に基づいて二次元コード20を作成し、プリンタによって出力する(S2)。この二次元コード20が例えば契約車両のフロントガラスに貼着される。
【0019】
(2)契約車両の入出庫の処理
こうして二次元コード20が貼着された契約車両が契約駐車場2へ入庫する際には、図4に示す処理が行われる。すなわち、契約車両が契約駐車場2の入口で入庫ゲート7前に達すると、S11でカメラ11が作動して二次元コード20が撮影され、画像の取り込みが行われる。この画像に基づき駐車場端末3は二次元コード認識プログラムによって車両の認識処理を行う(S12)。認識処理の詳細は後述する。二次元コード20の認識がされると、駐車場端末3はS13において、認識処理によって得られた認識情報と共に照会要求を管理サーバ5に送信する。
一方、管理サーバ5では、入出庫履歴取得プログラムによって、S111で受信した認識情報を自身の記録と照会し、これが合致すれば、S112で当該契約車両の入庫の日時を記録し、S113で入庫ゲート7の開放信号を送信する。
よって、開放信号を受けた駐車場端末3は、S14において入庫ゲート7を開放させ、契約車両の入庫を許可する。出庫の場合も同様の認識処理と照会要求とを経て管理サーバ5で認識情報が照会され、出庫の履歴が取られることになる。
【0020】
(3)二次元コード認識処理
S12における認識処理は、図5のフローチャートに示す手順で実行される。
まずS51においてカメラ11から画像データが取得されると、この画像データで示される画像の中に二次元コード20が存在するか否かが判別される(S52)。具体的には、まず取得された画像データで示される画像から、二次元コード20のセル22をマークするために用いられる色成分を有する領域以外の領域について、無関係な色で塗りつぶす等して色成分を無意味化する。こうすれば、無意味でない色成分を有する領域を特定しやすくなるため、二次元コード20で示される画像領域を特定するまでの時間を短縮することができる。次に、無意味化されていない色成分を有する領域を優先して、二次元コード20の位置を特定するためのパターンの検索が行われる。ここでは、先頭の特定セル22及び背景領域21からなる領域の検出により、二次元コード20の存在が認識される。なお、S52において二次元コード20が存在しないと判別された場合は、本認識処理は終了する。
【0021】
一方、S52において二次元コード20の存在が判別された場合、画像データで示される画像から、S53でその二次元コード20の領域が抽出される。ここでは、S51において取得された画像データで示される画像から、二次元コード20の位置を特定するためのパターンとなっている領域が、夫々二次元コード20の領域として抽出される。このようにして抽出された領域画像からなる画像データが作成される。
【0022】
次に、S54で、先のS53で抽出された二次元コード20の領域のうち、未処理の領域が存在するか否かが判別される。すなわち、抽出された二次元コード20の領域の中に、以降の処理でセル22の分割及び情報の認識が行われていない未処理の領域が存在するか否かが判別されるものである。この判別で未処理の領域が存在する場合には、そのような未処理の領域のうち、S53にて抽出された順番が最も早い領域について、まずリファレンス領域23が抽出される(S55)。そして、S53で抽出された領域から、リファレンス領域23及びリファレンス領域23が除去された領域からなる画像データが生成される。
そして、S53で抽出された領域のうち、リファレンス領域23を除く領域がセル22毎の領域に分割される(S56)。ここでは、行の先頭から最後尾のセル22に向けて順に走査され、背景領域21の色が検出されてから次に背景領域21の色が検出されるまでの領域夫々に分割される。こうして分割された分割画像を示す分割画像データが生成される。
【0023】
次に、S56で分割されたセル22毎の領域夫々について、その領域で示される情報の認識が行われる(S57)。まず分割画像であるセル22夫々に付けられているマークが、分割された順番で、S55にて抽出されたリファレンス領域23におけるどの位置の色で付けられているかが判別される。駐車場端末3のメモリには、リファレンス領域23における各色又はその組み合わせに対し、夫々1以上の文字や数字、アルファベット等からなる文字列が対応づけて登録されたデータベースが記憶されている。よって、セル22夫々に付されているマークが、リファレンス領域23におけるどの位置の色で付されているかが判別された後、その位置の色又はその組み合わせに対応づけられた情報が、上記データベースに基づいて特定されることになる。
【0024】
こうしてS57による認識が行われたら、S54へ戻り、未処理の領域が存在すればS55〜S57までの処理が繰り返され、ここで未処理の領域が存在しないと判別されると、S58において、認識された各情報を並べた情報列がモニタに表示されて、認識処理が終了する。
なお、この処理により、画像の中に複数の二次元コード20が配置されているような場合でも、夫々の二次元コード20で示される情報を一連の情報列として認識することができる。これにより、複数の二次元コード20夫々からなる一連の情報列の認識を行わせるに際し、二次元コード20が配置された画像を示す画像データを、一つの二次元コード20毎に別の画像データとして生成する必要がない。よって、カメラ11の能力と二次元コード20における各セルの大きさとの関係で決まる距離だけ離れた場所からであっても、複数の二次元コード20からなる多くの情報を認識可能となる。
【0025】
(4)時間貸し処理
このようにして契約車両の入出庫の履歴が記録され、一定期間(例えば3ヶ月)入出庫情報が蓄積されると、図6に示す時間貸し処理が行われる。まず管理サーバ5では、利用率割出プログラムにより、S121において、全ての契約車両に関して、曜日別や時間帯別での駐車場の使用状況(利用率)を割り出し、そのデータベースを作成する。
データベースが作成されると、S122で、各契約駐車場2において曜日や時間ごとに生じる空きスペースを算出し、その空きスペース数を駐車場端末3に送信する(S123)。駐車場端末3では、S21において、送信された空きスペース数から予備台数(例えば5台)を除いた台数分を時間貸し可能台数として設定し、表示機6に表示を行う(S22)。すなわち、設定台数分までは、表示機6に例えば「空車」の表示を行わせて、単位時間毎での駐車場の使用を受け入れ(時間貸し)、設定台数分が埋まると、例えば「満車」の表示を行わせて、時間貸しを受け入れないのである。なお、時間貸しに係る発券機9での駐車券の発行や精算機10での精算処理、それに伴う入出庫ゲート7,8の開閉動作は既に周知の手順であるので、説明は省略する。
【0026】
D.本システムの効果
このように、上記形態1のパーキングシステム1によれば、二次元コード20と二次元コードリーダとによって駐車場端末3による利用情報の取得がなされることで、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。特に、二次元コード20によれば、セル群夫々には、そのセル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられることになるため、マークが付される色の数を増やすことにより、二次元コード20を配置するためのスペースを増加させることなく、各セル群の情報を増やすことができる。そのため、フロントガラスに貼着しても運転者の視界を妨げるようなことがなく、本システムに好適な二次元コードとなる。また、二次元コード20において、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、契約車両の利用情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、駐車場の数や各端末間の距離等に影響を受けることがなく、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
【0027】
そして、二次元コード20においては、二次元コードの位置を特定する特定セルを設けたことで、特定セルを基準にして二次元コードの位置を容易に特定可能となる。特に、先頭のセルと特定セルとしたことで、二次元コードに対応する領域を容易に特定可能となっている。
また、二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラ11により取得された画像のうち、二次元コード20のセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行うことで、カメラ11により取得された画像から、二次元コード20で示される画像領域を短時間で特定することができる。
特に、リファレンス領域23の併設によって、照明や色褪せ等によって個々のセル22に付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域23における色と照合することで、正確に特定することができる。すなわち、実際にセル22から読み取った色がどの色かどうかとは無関係に、リファレンス領域23との対比でそのセル22に付されたマークの色が判断できるため、セル22に付されたマークの色を誤って読み取るようなことがあっても、その色を正確に特定できるのである。
【0028】
一方、駐車場端末3は、契約車両の入出庫の際に二次元コード20の利用情報を解析するカメラ11及び二次元コード認識プログラムと、ここで得られた認識情報を管理サーバ5へ送信する手段を備え、管理サーバ5は、受信した認識情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場2における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を駐車場端末3へ送信する手段を備えて、駐車場端末3は、管理サーバ5から受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を表示機6に表示させることで、契約利用者は何らの手間なく契約車両を契約駐車場2へ入出庫可能となり、カード等の携帯が不要となって使い勝手に優れる。一方、駐車場管理会社では、契約車両の入出庫情報を自動的に蓄積して時間貸し駐車場として効率良く併用可能となるため、管理者を常駐させる必要がなく、低コストで管理が可能となる。
【0029】
《形態2》
次に、本発明の他の形態を説明する。なお、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
A.システム全体の説明
図7は、本発明のパーキングシステムを、提携店舗での利用状況に応じて駐車料金を割り引くシステムに適用した一例を示す全体図で、パーキングシステム30は、例えば百貨店に隣設され、単位時間毎に所定料金で利用可能とした時間貸し駐車場(以下「駐車場」という)31と、その駐車場31に設けられた駐車場端末32と、百貨店内で駐車場31の管理会社と提携された複数の店舗33,33・・と、各店舗33に夫々設けられた店舗端末34,34・・と、管理会社に設けられた管理サーバ6とを含み、駐車場端末32、店舗端末34、管理サーバ6は、インターネット7を介して相互に通信可能となっている。
【0030】
駐車場端末32、店舗端末34及び管理サーバ6には、周知のOS(Operating System)やCPU、通信機能や記憶装置、各種情報を入力するキーボード、モニタやプリンタ等を備えたパーソナルコンピュータが用いられる。特に駐車場端末32は、駐車場31の利用者の車両の入庫時間や駐車場名等の利用情報を二次元コードにコード化し、これを表示した駐車券を発券機9から発券させる発券プログラムを格納している。また、店舗端末34は、カメラ35を備えて、当該店舗33で利用者が買い物等をした際には、カメラ35で撮影された駐車券の二次元コードの画像から利用情報を解析し、解析した利用情報と利用者の支払金額の情報とを管理サーバ6へ送信する手順を実行させる二次元コード認識プログラムを格納している。このカメラ35及び二次元コード認識プログラムが二次元コードリーダとなる。
【0031】
一方、管理サーバ6は、店舗端末34から利用情報及び支払金額の情報を受信し、利用者の全提携店舗での支払金額の合計が、予め設定された割引対象金額に達すると、その割引金額を差し引いて駐車料金を算出し、その駐車料金を利用者が駐車している駐車場31の駐車場端末32へ送信する手順を実行させる駐車料金算出プログラムと、その利用者への割引金額を、利用者が買い物等をした店舗33に対して夫々の支払金額に応じた割合で割り振り、割り振った金額を各店舗毎に集計して保存するデータベースと、そのデータベースに保存される金額を所定期間ごとに集計して該当する各店舗33の店舗端末34に送信する手順を実行させる負担額算出プログラムとを格納している。
【0032】
B.本システムにおける駐車料金精算処理の説明
以下、本システムで実行される駐車料金精算に係る処理を順を追って説明する。
(1)駐車券の発券
まず、利用者の車両が駐車場31の入庫ゲート7前に達すると、発券機9から図8に示す駐車券Cが発行される。カード型記録媒体となる駐車券Cには、二次元コード20が表示されている。この二次元コード20は、形態1で説明した二次元コードと同じもので、セル22は、夫々1以上のセルからなるセル群に分けられて、そのセル群で示すべき利用情報(入庫時間や駐車場名、駐車券の固有情報であるカードナンバー等)に予め対応づけられた色又は色の組み合わせで塗りつぶされている。リファレンス領域23も同様に併設されている。
【0033】
(2)駐車料金の算出と割引負担額の算出
利用者が何れかの店舗33で買い物や食事等をし、支払の際に駐車券Cを提示すると、店舗33側では、その支払金額を店舗端末34に入力すると共に、カメラ35によって駐車券Cの二次元コード20を撮影する。以下図9に示す駐車料金の算出及び割引負担額の算出処理が行われる。
まず、店舗端末34では、S31でカメラ35が二次元コード20を撮影し、画像の取り込みが行われる。この画像に基づき店舗端末34は、二次元コード認識プログラムによって認識処理を行う(S32)。認識処理の内容は上記形態1と同様である。二次元コード20の認識が終了すると、店舗端末34はS33において、認識処理によって得られた利用情報と共に当該店舗33で利用者が支払った支払金額の情報を管理サーバ6に送信する。
一方、管理サーバ6では、駐車料金算出プログラムによって、各店舗端末34から受信した利用者の支払金額を合計し、これが予め設定された割引対象額に達すると、所定の割引金額を差し引いて駐車料金を算出し(S41)、この駐車料金のデータを利用者が駐車している駐車場31の駐車場端末32へ送信する(S42)。よって、駐車場端末32では、駐車場31から出庫する際、利用者が駐車券Cを精算機10に入れると、管理サーバ6から送られた駐車料金で精算を求め(S61)、これが支払われるとS62で出庫ゲート8を開放する。
【0034】
そして、管理サーバ6は、駐車料金の算出後、負担額算出プログラムにより、S43において、割引金額を、利用者が買い物等をした各店舗33に対して夫々の支払金額に応じた割合で割り振り、この割り振った金額を、各店舗33ごとに保存してデータベースを更新する(S44)。一定期間(例えば一ヶ月)経過すると、データベースから当該期間内での負担額を算出し、その負担額を各店舗端末34へ送信する(S45)。よって、店舗端末34では、モニタやプリンタに出力して負担額を知ることができる(S34)。
【0035】
C.本システムの効果
このように、上記形態2のパーキングシステム30においても、二次元コード20と二次元コードリーダとによって店舗端末34による利用情報の取得がなされることで、システム内での利用状況を容易且つ確実に把握でき、駐車場の好適な運用に寄与できる。また、二次元コード20において、各セル群夫々と情報との対応関係が知られない限り、利用情報が第三者に知得されることが完全に防止されるため、セキュリティ性が確保される。
さらに、一般的なインターネットを通信に利用できるため、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等によって容易にシステムを構築できる。よって、店舗のPOSレジと統括本部とが専用回線で接続されるPOSシステムに比べて店舗や駐車場の数、各端末間の距離等に影響を受けることがなく、導入に係る設備投資が小さくて済む利点がある。
そして、リファレンス領域23の併設によって、照明や色褪せ等によって個々のセル22に付されたマークの色が正確に判断できない場合であっても、リファレンス領域23における色と照合することで、正確に特定することができる。
【0036】
一方、駐車場31の利用者に、二次元コード20を表示した駐車券Cを携帯させる一方、店舗端末34は、利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コード20に記録された利用情報を非接触で取得して解析するカメラ35及び二次元コード認識プログラムと、そこで得られた利用情報を支払金額の情報と共に管理サーバ6へ送信する手段とを備え、管理サーバ6は、受信した利用情報及び支払金額の情報から、支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を駐車場端末32へ送信する手段と、割引金額を利用者が購買した店舗33での支払金額に応じた割合で当該各店舗33に割り振り、当該各店舗33毎の負担額を算出する手段と、を備えることで、店舗33側では、利用者の支払金額を含む全ての売上金額の多少にかかわらず、当該店舗33で実際に利用者が支払った支払金額のみに応じて割引金額の負担が決定されるため、不公平感がなくなる。
また、利用者側では、駐車券C以外に駐車割引券等を余分に携帯する必要がないため、煩わしさがない上、買い物等に応じた駐車料金の割引サービスを確実に受けることができる。
【0037】
さらに、ここでは、管理サーバ6は、算出した割引金額の負担額を所定の店舗33の店舗端末34に夫々送信する手段をさらに有することで、割引金額を負担した店舗33に負担額を確実に知らせることができる。
【0038】
《変更例の説明》
形態1,2に共通して、駐車場の形態は、ワンフロアタイプは勿論、機械式立体駐車場や、傾斜路によって複数階の駐車フロア間を昇降する自走式立体駐車場であっても差し支えない。また、駐車場単独で施工されるものに限らず、住宅や店舗と一体的に建設された複合型の駐車場であっても本発明は適用可能である。
さらに、表示機の表示形態やゲートの開閉構造、カメラの数や設置位置等も上記形態に限らず、適宜設計変更可能で、ゲートに代えて車両駐車スペース毎にタイヤをロックするロック板を設けた駐車場も対象となる。
【0039】
そして、二次元コードは、一行で8つのセルを設けた態様となっているが、情報量によってはセルの数を増減したり、セルの列を複数行設けたりしても差し支えない。また、各セルは正方形に限らず、長方形や多角形等の他の形状も採用可能である。勿論マークする色も適宜選択できる。さらに、特定の記号や図形(丸や多角形等)を用いてセルにマークを付すものとしてもよい。
一方、リファレンス領域も、セル付近における所定の位置に設けられたものであればよく、上記形態に限定しない。また、一つの二次元コードに対して複数のリファレンス領域を設けてもよいし、二次元コードを構成する1以上のセルからなるセル群夫々に対応する複数のリファレンス領域を設けてもよい。さらに、上記形態では二次元コードの認識処理において常にリファレンス領域の照会を行うようにしているが、二次元コードの各セルに付されたマークの色を特定できない場合にのみリファレンス領域を照会するようにしても差し支えない。
【0040】
加えて、二次元コードの認識処理において、領域特定手段は、カメラにより取得された画像を構成する複数の領域夫々についてのパターンの抽出を、予め定められた順番で試みるようにしてもよい。このようにすれば、複数の領域夫々についてのパターンの抽出を、例えば、二次元コードが配置されている確率が高いと推定される順(例えば、画像の縁に位置する領域から中心に位置する領域に向かう順)で試みるようにすると、二次元コードで示される画像領域の特定時間をより短縮可能となる。
さらに、領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域の配色が、二次元コードのセルをマークする場合に想定される配色と一致する場合に、パターンであるとして抽出を行うように構成してもよい。この場合、例えば、カメラにより取得された画像領域のうち、二次元コードでない領域が、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有していたとしても、当該配色に基づいて該当するパターンであるか否かを判定することで、不必要な領域の特定を排除可能となる。
【0041】
特に、形態1では、二次元コード発行処理において、上記形態では二次元コードの作成を管理サーバ側で行っているが、セルと情報との対応関係のデータベースを駐車場端末にも格納させれば、駐車場端末でのみ発行処理を実行するようにもできる。
また、契約車両の入出庫時の処理において、上記形態1では、管理サーバへ認識情報を送信して照会させているが、駐車場端末側で照会して、入出庫時間に係る情報のみを管理サーバへ送信するようにしても良い。
加えて、時間貸し処理において、時間貸し台数の設定は駐車場端末で行っているが、管理サーバ側で設定して駐車場端末に送信するようにしても良い。
【0042】
一方、形態2において、店舗は、百貨店やショッピングセンター等のテナントに限らず、例えば商店街内の独立した店舗の他、ホテルや劇場、映画館、スポーツセンター等の他の商業施設であっても差し支えない。
特に、同一グループの提携店舗及び駐車場で適用するものに限らず、単位時間当たりの駐車料金や割引対象金額等が異なる複数グループの提携店舗及び駐車場であっても本発明は適用可能である。この場合、二次元コードに、特定のグループ専用であれば当該グループのみの利用情報を、複数のグループ共用であれば当該複数グループの利用情報を夫々格納させれば、グループが異なる店舗端末でも利用情報の認識は可能で、管理サーバにおいても、店舗端末をグループ毎に識別して、夫々のグループごとでの駐車料金の算出とデータベースの構築、及び負担額の集計をさせれば良い。
よって、カード型記録媒体としては、上記形態の駐車券に限らず、利用者自身の情報(氏名、ID番号等)が記録され、駐車場への入庫時に入庫時間を書き込み可能な会員証として、これを利用者に携帯させ、提携店舗や駐車場で使用させるようにすることも考えられる。
【0043】
さらに、上記形態2では、管理サーバは、割引金額の負担額を一定期間集計してその合計を店舗端末に送信するようにしているが、割引金額の発生の度に割り振った金額を送信するようにしても良い。また、割引金額の負担額を各店舗毎に送信しているが、複数の店舗が統括される百貨店等に対しては、各店舗毎の負担額の一覧を指定された特定の端末にのみ送信するようにしても差し支えない。
その他、上記形態1と形態2とのシステムを併設したパーキングシステムとすることは勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】形態1のパーキングシステムの全体図である。
【図2】二次元コードの説明図である。
【図3】二次元コード発行処理を示すフローチャートである。
【図4】契約車両の入庫処理を示すフローチャートである。
【図5】二次元コード認識処理を示すフローチャートである。
【図6】時間貸し処理を示すフローチャートである。
【図7】形態2のパーキングシステムの全体図である。
【図8】駐車券の説明図である。
【図9】駐車料金算出処理と割引負担額算出処理とのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1,30・・パーキングシステム、2・・契約駐車場、3,32・・駐車場端末、4・・インターネット、5・・管理サーバ、6・・表示機、7・・入庫ゲート、8・・出庫ゲート、11・・カメラ、20・・二次元コード、21・・背景領域、22・・セル、23・・リファレンス領域、31・・時間貸し駐車場、33・・店舗、34・・店舗端末、35・・カメラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の駐車場と、システム内の利用に係る利用情報を取得可能で、取得した利用情報を外部へ送信する送信手段を備えた端末と、前記端末と通信網を介して交信可能に接続され、前記端末から得た利用情報に基づいて各駐車場の利用状況を把握する管理サーバと、を含むパーキングシステムであって、
前記利用情報は、m×n(m、nは夫々1以上の整数)に配列されたセルからなり、そのセルのうち、1以上のセルからなるセル群には、夫々異なる情報が予め対応づけられた色又は色の組み合わせのうち、該セル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられる二次元コードに記録されるものであり、
前記端末は、前記二次元コードを示す画像を取得するカメラと、
そのカメラにより取得された画像から、前記二次元コードで示される画像領域を特定する領域特定手段と、
その領域特定手段により特定された画像領域から、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色を特定するセル特定手段と、
前記セル特定手段により特定された1以上のセルの色又は色の組み合わせに対応する情報夫々を、1以上のセルからなるセル群の色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定し、その特定した情報夫々からなる情報を、前記二次元コードで示される利用情報として認識する情報認識手段と、からなる二次元コードリーダを有し、
前記二次元コードと二次元コードリーダとによって前記端末による利用情報の取得がなされることを特徴とするパーキングシステム。
【請求項2】
二次元コードのセルのうち、予め定められたセルは、二次元コードの位置を特定するための特定セルとして割り当てられており、前記特定セルをマークした色により、前記二次元コードの位置を特定するためのパターンを形成する一方、
二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像から、前記特定セルに従って前記二次元コード全体で示される画像領域を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載のパーキングシステム。
【請求項3】
一列に配列されたn個のセルのうち、先頭及び/又は最後尾のセルが特定セルとして割り当てられている
ことを特徴とする請求項2に記載のパーキングシステム。
【請求項4】
二次元コードには、セルの配列領域を除く所定の位置に、夫々異なる情報が対応づけられた色の全てを所定の順番で配置してなるリファレンス領域が1以上設けられており、
二次元コードリーダは、領域特定手段により特定された画像領域から、前記リファレンス領域を抽出するリファレンス抽出手段を備えており、
セル特定手段は、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色が、前記リファレンス抽出手段により抽出された前記リファレンス領域におけるどの位置に配置された色であるかを特定して、
情報認識手段は、前記セル特定手段により特定された色又は色の組み合わせに対応づけられている情報を、前記リファレンス領域における色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項5】
二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項6】
駐車場は、予め設定された契約に従って特定の利用者に所定期間内での利用が許可された契約駐車場であり、端末は、各契約駐車場に設けられて、当該契約駐車場の空き情報を表示する表示手段を制御可能な駐車場端末であって、
前記駐車場端末は、契約車両の入出庫の際に二次元コードリーダによって契約車両に設けられた二次元コードに記録される利用情報を取得して管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記駐車場端末から受信した契約車両の利用情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を前記駐車場端末へ送信する手段を備えて、
前記駐車場端末は、前記管理サーバから受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を前記表示手段を用いて表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項7】
駐車場は、単位時間毎での利用が可能な時間貸し駐車場であり、端末は、前記時間貸し駐車場と提携した店舗に設けられた店舗端末であって、
前記時間貸し駐車場の利用者に、少なくとも前記時間貸し駐車場への入庫時間と、利用者若しくは自身の固有情報とを含む利用情報が記録された二次元コードを表示したカード型のデータキャリアを携帯させて、
店舗端末は、前記利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コードリーダによって前記二次元コードに記録された利用情報を取得して支払金額の情報と共に管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記店舗端末から受信した利用情報及び支払金額の情報から、前記支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を前記駐車場端末へ送信する手段と、
前記割引金額を前記利用者が購買した店舗での支払金額に応じた割合で当該各店舗に割り振り、当該各店舗毎の負担額を算出する手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項8】
管理サーバは、算出した割引金額の負担額を所定の店舗の店舗端末に夫々送信する手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載のパーキングシステム。
【請求項1】
少なくとも1の駐車場と、システム内の利用に係る利用情報を取得可能で、取得した利用情報を外部へ送信する送信手段を備えた端末と、前記端末と通信網を介して交信可能に接続され、前記端末から得た利用情報に基づいて各駐車場の利用状況を把握する管理サーバと、を含むパーキングシステムであって、
前記利用情報は、m×n(m、nは夫々1以上の整数)に配列されたセルからなり、そのセルのうち、1以上のセルからなるセル群には、夫々異なる情報が予め対応づけられた色又は色の組み合わせのうち、該セル群で示すべき情報が対応づけられた色又は色の組み合わせによりマークが付けられる二次元コードに記録されるものであり、
前記端末は、前記二次元コードを示す画像を取得するカメラと、
そのカメラにより取得された画像から、前記二次元コードで示される画像領域を特定する領域特定手段と、
その領域特定手段により特定された画像領域から、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色を特定するセル特定手段と、
前記セル特定手段により特定された1以上のセルの色又は色の組み合わせに対応する情報夫々を、1以上のセルからなるセル群の色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定し、その特定した情報夫々からなる情報を、前記二次元コードで示される利用情報として認識する情報認識手段と、からなる二次元コードリーダを有し、
前記二次元コードと二次元コードリーダとによって前記端末による利用情報の取得がなされることを特徴とするパーキングシステム。
【請求項2】
二次元コードのセルのうち、予め定められたセルは、二次元コードの位置を特定するための特定セルとして割り当てられており、前記特定セルをマークした色により、前記二次元コードの位置を特定するためのパターンを形成する一方、
二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像から、前記特定セルに従って前記二次元コード全体で示される画像領域を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載のパーキングシステム。
【請求項3】
一列に配列されたn個のセルのうち、先頭及び/又は最後尾のセルが特定セルとして割り当てられている
ことを特徴とする請求項2に記載のパーキングシステム。
【請求項4】
二次元コードには、セルの配列領域を除く所定の位置に、夫々異なる情報が対応づけられた色の全てを所定の順番で配置してなるリファレンス領域が1以上設けられており、
二次元コードリーダは、領域特定手段により特定された画像領域から、前記リファレンス領域を抽出するリファレンス抽出手段を備えており、
セル特定手段は、前記二次元コードにおけるセルに付されたマーク夫々の色が、前記リファレンス抽出手段により抽出された前記リファレンス領域におけるどの位置に配置された色であるかを特定して、
情報認識手段は、前記セル特定手段により特定された色又は色の組み合わせに対応づけられている情報を、前記リファレンス領域における色又は色の組み合わせと情報との対応関係が登録されたデータベースに基づいて特定する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項5】
二次元コードリーダの領域特定手段は、カメラにより取得された画像のうち、二次元コードのセルをマークするのに用いられる色成分を有する領域から、優先的にパターンの抽出を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項6】
駐車場は、予め設定された契約に従って特定の利用者に所定期間内での利用が許可された契約駐車場であり、端末は、各契約駐車場に設けられて、当該契約駐車場の空き情報を表示する表示手段を制御可能な駐車場端末であって、
前記駐車場端末は、契約車両の入出庫の際に二次元コードリーダによって契約車両に設けられた二次元コードに記録される利用情報を取得して管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記駐車場端末から受信した契約車両の利用情報から入出庫履歴を得て所定の期間蓄積した後、当該契約駐車場における契約車両の利用率を算出して、その利用率から時間貸し駐車場として利用可能な空きスペース数を設定し、設定した空きスペース数を前記駐車場端末へ送信する手段を備えて、
前記駐車場端末は、前記管理サーバから受信した空きスペース数に基づいて、時間貸し用の空きスペースの有無を前記表示手段を用いて表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項7】
駐車場は、単位時間毎での利用が可能な時間貸し駐車場であり、端末は、前記時間貸し駐車場と提携した店舗に設けられた店舗端末であって、
前記時間貸し駐車場の利用者に、少なくとも前記時間貸し駐車場への入庫時間と、利用者若しくは自身の固有情報とを含む利用情報が記録された二次元コードを表示したカード型のデータキャリアを携帯させて、
店舗端末は、前記利用者の購買に係る代金支払いの際に二次元コードリーダによって前記二次元コードに記録された利用情報を取得して支払金額の情報と共に管理サーバへ送信し、
管理サーバは、前記店舗端末から受信した利用情報及び支払金額の情報から、前記支払金額の合計に応じて予め設定された割引金額を差し引いた駐車料金を算出し、その駐車料金を前記駐車場端末へ送信する手段と、
前記割引金額を前記利用者が購買した店舗での支払金額に応じた割合で当該各店舗に割り振り、当該各店舗毎の負担額を算出する手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のパーキングシステム。
【請求項8】
管理サーバは、算出した割引金額の負担額を所定の店舗の店舗端末に夫々送信する手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載のパーキングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−148671(P2007−148671A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340881(P2005−340881)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(505437354)株式会社 オオイリアルエステート (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(505437354)株式会社 オオイリアルエステート (1)
【Fターム(参考)】
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